1 00:02:03,109 --> 00:02:23,129 ・~ 2 00:02:23,129 --> 00:02:43,149 ・~ 3 00:02:43,149 --> 00:02:57,096 ・~ 4 00:02:57,096 --> 00:03:01,100 <柳井をあとにした 雪姫と源八郎は・ 5 00:03:01,100 --> 00:03:04,103 錦帯橋で名高い岩国を過ぎ・ 6 00:03:04,103 --> 00:03:07,106 厳島の社に 大願成就を祈ってから・ 7 00:03:07,106 --> 00:03:12,111 芸州広島 42万6, 000石の 城下に向かっていた> 8 00:03:12,111 --> 00:03:14,113 (雪姫)源八郎 (源八郎)はい 9 00:03:14,113 --> 00:03:18,117 広島といえば 昔 おじい様と仲の良かった・ 10 00:03:18,117 --> 00:03:21,120 福島正則様のいらした所ですね (源八郎)はい 11 00:03:21,120 --> 00:03:24,123 (源八郎)正則公は 13年前の元和5年まで・ 12 00:03:24,123 --> 00:03:26,125 広島城におられましたが・ 13 00:03:26,125 --> 00:03:30,129 我が殿と同じく ささいなことから 幕府のおとがめを受け・ 14 00:03:30,129 --> 00:03:34,133 信州川中島に流され 寛永元年に お亡くなりになりました 15 00:03:34,133 --> 00:03:38,137 そうでしたね 福島家といい 我が加藤家といい・ 16 00:03:38,137 --> 00:03:42,141 幕府の豊臣恩顧の大名に対する やり方は 理不尽の極み 17 00:03:42,141 --> 00:03:45,144 思っただけも はらわたが煮えまする 18 00:03:45,144 --> 00:03:50,149 源八郎 今更そのようなことを 言うても 何もなりませぬ 19 00:03:50,149 --> 00:03:54,153 けれど 公儀の過ちを正すためにも・ 20 00:03:54,153 --> 00:03:57,090 何としても 父上の汚名だけは そそがねば 21 00:03:57,090 --> 00:03:59,092 仰せのとおりでございます 22 00:03:59,092 --> 00:04:03,096 そのためなら この源八郎 一命をなげうっても 23 00:04:03,096 --> 00:04:06,099 思わず 話が 理に落ちてしまいましたね 24 00:04:06,099 --> 00:04:09,102 もう その話は やめましょ はい 25 00:04:09,102 --> 00:04:13,106 あっ ほら 御覧なさい 広島のお城が見えてきましたよ 26 00:04:13,106 --> 00:04:19,112 <そのころ 広島の城内では 福島家改易のあと 城主となった・ 27 00:04:19,112 --> 00:04:22,115 浅野長晟が病の床に伏していた> 28 00:04:22,115 --> 00:04:25,118 (家頼)正則公の怨霊じゃと? 29 00:04:25,118 --> 00:04:28,121 (倉橋)いかにも もし さような仕儀なれば・ 30 00:04:28,121 --> 00:04:32,125 医薬よりも加持祈とうによって 怨霊を払うが上策 31 00:04:32,125 --> 00:04:38,131 幸い ただいま覚全と申す修験者が 当地に参っておりまする 32 00:04:38,131 --> 00:04:43,136 この者 法力広大にして いかなる悪霊をも調伏いたすと・ 33 00:04:43,136 --> 00:04:46,139 聞き及んでおりまする (家頼)ええい 無用じゃ 34 00:04:46,139 --> 00:04:50,143 孔子も 「怪力乱神語らず」と 仰せられている 35 00:04:50,143 --> 00:04:53,146 この世に 悪霊などあろうはずがない 36 00:04:53,146 --> 00:04:56,149 (初瀬)御城代様 お言葉ではございますが・ 37 00:04:56,149 --> 00:05:01,087 この世には 人間の知恵の及ばぬ 不思議がないとは申されませぬ 38 00:05:01,087 --> 00:05:03,089 (初瀬) 今は いかなる手段を用いても・ 39 00:05:03,089 --> 00:05:07,093 殿の御病を癒やし奉るが 臣下の道でございましょう 40 00:05:07,093 --> 00:05:09,095 黙れ 初瀬 女子の分際で! 41 00:05:09,095 --> 00:05:12,098 これは 異なことを 42 00:05:12,098 --> 00:05:15,101 女子とて 忠義の心に 何の変わりがございましょう 43 00:05:15,101 --> 00:05:21,107 それとも 御城代様のお心の内には 殿が御本復されぬよう・ 44 00:05:21,107 --> 00:05:23,109 願うておられるので ござりまするか 45 00:05:23,109 --> 00:05:26,112 何と申す (長晟)その方が 余の病を幸い・ 46 00:05:26,112 --> 00:05:31,117 政を私しておるとの風説 余の耳にも入っておるぞ 47 00:05:31,117 --> 00:05:34,120 何を仰せられます いかに病のため・ 48 00:05:34,120 --> 00:05:37,123 お心を乱されたとは申せ さような ざん言を 49 00:05:37,123 --> 00:05:41,127 (長晟)黙れ! 余が病のため 心を乱したとは何事じゃ 50 00:05:41,127 --> 00:05:44,130 あまりといえば無礼千万! うっ! 51 00:05:44,130 --> 00:05:46,132 (初瀬)殿 お気を確かに 52 00:05:46,132 --> 00:05:49,135 下がれ! その方の顔など 見とうない 53 00:05:49,135 --> 00:05:51,137 ええい 下がれと申すに! 54 00:05:51,137 --> 00:05:56,137 (家頼)殿! (倉橋)御城代 殿の仰せでござるぞ 55 00:05:59,078 --> 00:06:01,080 (妙姫)何 能美のじいが? 56 00:06:01,080 --> 00:06:04,083 (菊野)はい 殿の御不興を被って・ 57 00:06:04,083 --> 00:06:09,088 追って沙汰あるまで 閉門とのことにございまする・ 58 00:06:09,088 --> 00:06:12,091 姫様 いずれへ参られます? 59 00:06:12,091 --> 00:06:14,093 父上のお見舞いに参る 60 00:06:14,093 --> 00:06:17,096 父上 いかがでござりますか (長晟)うむ・ 61 00:06:17,096 --> 00:06:21,100 妙 松丸 よう来てくれたのう・ 62 00:06:21,100 --> 00:06:25,104 この者どもが いろいろと 手を尽くしてくれておるが・ 63 00:06:25,104 --> 00:06:27,106 一向に はかばかしくのうてなぁ 64 00:06:27,106 --> 00:06:31,110 父上 お気の弱いことを申されまするな 65 00:06:31,110 --> 00:06:36,115 妙が これより國泰寺に参り 法隆老師様に・ 66 00:06:36,115 --> 00:06:39,118 御病気平癒の御祈とうを お願いしてまいりますゆえ 67 00:06:39,118 --> 00:06:42,121 (初瀬)姫様 その儀ならば・ 68 00:06:42,121 --> 00:06:45,124 倉橋様が修験者を お招きあそばされることに 69 00:06:45,124 --> 00:06:49,128 父上の御病気平癒を祈るなら 我が浅野家の菩提寺・ 70 00:06:49,128 --> 00:06:53,132 國泰寺の老師様に お願いいたすが筋であろう 71 00:06:53,132 --> 00:06:57,132 迷信に等しき修験者の祈とうなど 無用のことじゃ 72 00:07:03,076 --> 00:07:07,080 ほう ここの御住職と 本妙寺の日往上人様が? 73 00:07:07,080 --> 00:07:09,082 ええ 74 00:07:09,082 --> 00:07:14,087 おじい様と正則様との えにしから ごじっこんの間柄だそうなの 75 00:07:14,087 --> 00:07:18,091 上人様から もし広島を 通るようなことがあったら・ 76 00:07:18,091 --> 00:07:21,094 是非 お訪ねするようにと お言葉があったのよ 77 00:07:21,094 --> 00:07:24,097 (老師)これは これは よう お越しなされた 78 00:07:24,097 --> 00:07:29,102 お二人のことは 日往殿から早飛脚があってな・ 79 00:07:29,102 --> 00:07:31,104 心待ちいたしておったところじゃ 80 00:07:31,104 --> 00:07:35,108 まあ 上人様が そのようなことまで 81 00:07:35,108 --> 00:07:39,112 ここならば何の御心配もござらん 82 00:07:39,112 --> 00:07:44,117 心おきなく ごとう留あって 旅の疲れを癒やされるが よかろう 83 00:07:44,117 --> 00:07:48,121 お心遣い かたじけのうございまする 84 00:07:48,121 --> 00:07:52,125 (僧侶)老師様 ただいま お城より 妙姫様が お越しにございます 85 00:07:52,125 --> 00:07:55,128 妙姫様が? 86 00:07:55,128 --> 00:08:09,075 ・~ 87 00:08:09,075 --> 00:08:11,077 きれいな方ね 88 00:08:11,077 --> 00:08:16,082 はい まっ しかし浅野家の姫君は 何の御用でございましょう 89 00:08:16,082 --> 00:08:21,087 (老師の読経) 90 00:08:21,087 --> 00:08:34,100 ・~ 91 00:08:34,100 --> 00:08:37,103 (工藤)なんと… 妙姫様が そのようなことを 92 00:08:37,103 --> 00:08:42,108 フフン 誠 賢い姫君じゃ 93 00:08:42,108 --> 00:08:45,111 しかも 父君思いであられる 94 00:08:45,111 --> 00:08:49,115 (工藤)しかし 姫が覚全を 城に入れることに御反対とならば 95 00:08:49,115 --> 00:08:51,117 案ずるな 96 00:08:51,117 --> 00:08:57,056 かねてから このようなことも あろうかと思うて手は打ってあるわ 97 00:08:57,056 --> 00:09:17,076 ・~ 98 00:09:17,076 --> 00:09:36,095 ・~ 99 00:09:36,095 --> 00:09:38,097 ・~ 100 00:09:38,097 --> 00:09:42,101 (賄方)さあさあ 運びなさい 気を付けてね さあさあ 101 00:09:42,101 --> 00:10:02,054 ・~ 102 00:10:02,054 --> 00:10:06,058 ・~ 103 00:10:06,058 --> 00:10:08,060 源八郎 どうしたのですか? 104 00:10:08,060 --> 00:10:13,060 はい 何者かが走るのを 見たような気がいたしましたが… 105 00:10:15,067 --> 00:10:17,069 気の迷いだったようです 106 00:10:17,069 --> 00:10:37,089 ・~ 107 00:10:37,089 --> 00:10:46,098 ・~ 108 00:10:46,098 --> 00:10:49,101 (新之介)根来の棒手裏剣か 109 00:10:49,101 --> 00:10:53,101 土井大炊が 根来者を使うとは 思えんが 110 00:11:00,046 --> 00:11:03,049 妙姫様 お帰りあそばされましたぞ 111 00:11:03,049 --> 00:11:06,049 御開門 願います (門番たち)はっ 112 00:11:09,055 --> 00:11:13,059 (妙姫のうめき声) 113 00:11:13,059 --> 00:11:16,062 姫様 いかがなされました? 114 00:11:16,062 --> 00:11:22,068 姫様 しっかりあそばしませ お気を確かに 姫様! 115 00:11:22,068 --> 00:11:25,071 初瀬様 姫様が大変でございます 116 00:11:25,071 --> 00:11:28,071 (初瀬)おかごを中へ (陸尺たち)はっ 117 00:11:40,086 --> 00:11:43,089 だいぶ 落ち着かれた 御様子にござりまする 118 00:11:43,089 --> 00:11:48,094 さようか して この病は? 119 00:11:48,094 --> 00:11:52,098 はて とんと分かりかねまする 120 00:11:52,098 --> 00:11:55,101 このような御病状は いまだ見たことがございませぬ 121 00:11:55,101 --> 00:11:57,103 では どのように・ 122 00:11:57,103 --> 00:12:00,106 御看病 申し上げれば よろしいのでございましょう 123 00:12:00,106 --> 00:12:04,110 ともかく お脈も正常に戻りましたゆえ・ 124 00:12:04,110 --> 00:12:08,114 このまま 静かにお休みになるのが よろしいかと存じます 125 00:12:08,114 --> 00:12:12,118 さようか 御苦労であった 126 00:12:12,118 --> 00:12:17,118 では 菊野 後を頼みますぞ (菊野)はい 127 00:12:24,130 --> 00:12:32,138 (女中たち)お火の番 相務めます 128 00:12:32,138 --> 00:12:39,145 火の用心 さっしゃりませ 129 00:12:39,145 --> 00:12:47,153 ・(女中たち)お火の番 相務めます 130 00:12:47,153 --> 00:13:07,106 ・~ 131 00:13:07,106 --> 00:13:20,119 ・~ 132 00:13:20,119 --> 00:13:22,121 うーん 133 00:13:22,121 --> 00:13:35,134 ・~ 134 00:13:35,134 --> 00:13:48,147 (覚全)姫 余は福島正則じゃ 135 00:13:48,147 --> 00:13:50,147 (悲鳴) 136 00:13:52,151 --> 00:13:58,151 はっ! おのれ! あ… 137 00:14:09,101 --> 00:14:15,107 正則公が… 福島正則公が… 138 00:14:15,107 --> 00:14:19,107 (初瀬)姫様! 姫様 お気を確かに 139 00:14:22,114 --> 00:14:26,118 倉橋様 御覧のとおりでございます 140 00:14:26,118 --> 00:14:30,122 この上は 一刻も早く 覚全とやら申す修験者を 141 00:14:30,122 --> 00:14:34,126 お言葉でございまするが その儀は 妙姫様が無用と 142 00:14:34,126 --> 00:14:38,130 黙りゃ! その妙姫様が・ 143 00:14:38,130 --> 00:14:41,133 正則公の怨霊の怒りに触れて このような ありさまではないか 144 00:14:41,133 --> 00:14:45,137 菊野 その方も 怨霊を見たそうではないか 145 00:14:45,137 --> 00:14:50,142 はい 何やら異形のものを 見たような気がいたしまするが・ 146 00:14:50,142 --> 00:14:53,145 それが 確かに怨霊とは (初瀬)何を言う 147 00:14:53,145 --> 00:14:58,083 用心堅固な この城内に 何で人間が忍び込めようか 148 00:14:58,083 --> 00:15:02,087 怨霊じゃ 怨霊の仕業でのうて 何とする 149 00:15:02,087 --> 00:15:05,090 姫様が 怨霊の力を軽んじられ・ 150 00:15:05,090 --> 00:15:08,093 國泰寺の坊主などに 祈とうをお頼みになったため・ 151 00:15:08,093 --> 00:15:10,095 正則公の お怒りを招いたに相違ない 152 00:15:10,095 --> 00:15:13,098 初瀬様 何とぞ お静まりを 153 00:15:13,098 --> 00:15:15,100 ええい 黙れと申すに! (菊野)は… 154 00:15:15,100 --> 00:15:19,104 倉橋様 この上は 一刻も猶予はなりませぬ 155 00:15:19,104 --> 00:15:21,104 すぐに 修験者をお呼びくださいませ 156 00:15:24,109 --> 00:15:26,111 (役人)こら! やい 下がらんか! (役人)下がれ 157 00:15:26,111 --> 00:15:29,114 やい どけどけ どけ! (役人)えい 下がらんか 158 00:15:29,114 --> 00:15:32,117 どけどけ! どけい どけどけ… (役人)えい! 邪魔だ どけい! 159 00:15:32,117 --> 00:15:35,120 (佐平次)もし? どちら様のお通りで (役人)うん? 160 00:15:35,120 --> 00:15:40,125 紀州大峰山で 24年の 修行を積まれた 偉い修験者様だ 161 00:15:40,125 --> 00:15:43,128 へえ そんな偉い修験者様が どうして お城へ? 162 00:15:43,128 --> 00:15:45,130 (役人) うるさいな そのようなことは・ 163 00:15:45,130 --> 00:15:50,135 その方の知るところではない あっ みえられたな・ 164 00:15:50,135 --> 00:15:52,135 控えい! 控えい! 165 00:15:57,076 --> 00:16:00,079 (役人)えい どけどけ! (役人たち)邪魔だ! どけい! 166 00:16:00,079 --> 00:16:05,079 (役人たち)邪魔だ どけい! 止まれ どけい! 止まるんだ! 167 00:16:08,087 --> 00:16:11,090 おい 薬屋・ 168 00:16:11,090 --> 00:16:15,094 どうした 何か気になることでもあるのか 169 00:16:15,094 --> 00:16:18,097 (佐平次)へい (新之介)そうか・ 170 00:16:18,097 --> 00:16:21,100 実は 俺も 少々 気になることがあってな 171 00:16:21,100 --> 00:16:23,100 旦那も? 172 00:16:27,106 --> 00:16:29,108 (佐平次)なるほどね 173 00:16:29,108 --> 00:16:32,111 覚全のやつは根来の忍び上がりで ござんすからね 174 00:16:32,111 --> 00:16:35,114 そうか やはりな 175 00:16:35,114 --> 00:16:38,117 旦那 やつには どこで お会いなすったんで 176 00:16:38,117 --> 00:16:41,120 國泰寺の裏だ (佐平次)國泰寺といやぁ・ 177 00:16:41,120 --> 00:16:44,123 あのお姫様が泊まってらっしゃる お寺でござんしょ 178 00:16:44,123 --> 00:16:47,126 おお もう知っていたのか さすがだな 179 00:16:47,126 --> 00:16:49,128 そういう旦那も・ 180 00:16:49,128 --> 00:16:52,131 よっぽど あの お姫様のことが 気になるとみえますね 181 00:16:52,131 --> 00:16:55,134 ああ 妙なやつに狙われてると思って・ 182 00:16:55,134 --> 00:16:57,069 陰ながら様子を見ていたんだが 183 00:16:57,069 --> 00:17:01,073 さようですかい しかし あの覚全ってやつは・ 184 00:17:01,073 --> 00:17:04,076 目くらましを使った かたりが得意で・ 185 00:17:04,076 --> 00:17:06,078 刺客を務めるようなやつで ござんせんよ 186 00:17:06,078 --> 00:17:09,081 なるほど 裏稼業をする連中にも・ 187 00:17:09,081 --> 00:17:11,083 それぞれ 得手不得手があるという訳か 188 00:17:11,083 --> 00:17:16,088 ハッ しかし 気にならんか? 189 00:17:16,088 --> 00:17:20,092 覚全の狙いがですかい (新之介)うん 190 00:17:20,092 --> 00:17:25,092 (覚全の呪文) 191 00:17:45,117 --> 00:17:50,117 あー… あー! ああ! 192 00:18:28,093 --> 00:18:31,096 (覚全)だぁーっ! 193 00:18:31,096 --> 00:18:36,101 (覚全)よいか わしの言うとおりに言うのだぞ 194 00:18:36,101 --> 00:18:42,101 余は 福島正則じゃ 195 00:18:44,109 --> 00:18:51,116 「余は 福島正則じゃ」 196 00:18:51,116 --> 00:19:00,058 松丸が浅野家を継ぐことは 断じて許さん 197 00:19:00,058 --> 00:19:07,065 もし 継げば 浅野家を滅ぼしてくれる 198 00:19:07,065 --> 00:19:14,072 「松丸が浅野家を…」 199 00:19:14,072 --> 00:19:19,077 言え わしの申したとおりに言え・ 200 00:19:19,077 --> 00:19:23,077 言え 言うのだ 201 00:19:38,096 --> 00:19:41,099 覚全 どうした 202 00:19:41,099 --> 00:19:47,105 はい まだ全く 心が 眠りきっては おりませぬようで 203 00:19:47,105 --> 00:19:49,107 と申すと? 204 00:19:49,107 --> 00:19:53,111 心の奥底に 松丸君を守ろうとする・ 205 00:19:53,111 --> 00:19:57,049 姉としての思いが 残っているのでございましょう 206 00:19:57,049 --> 00:20:01,053 しかも この姫君 なかなかの気性者 207 00:20:01,053 --> 00:20:06,058 こちらの人形に仕立てるのは 容易なことではございますまい 208 00:20:06,058 --> 00:20:09,061 (倉橋)しかし どうでも やり遂げてもらわねば 困る 209 00:20:09,061 --> 00:20:12,064 そのために 大枚の金子を遣わしたのだ 210 00:20:12,064 --> 00:20:14,066 もし できぬとあらば… (覚全)まあまあ・ 211 00:20:14,066 --> 00:20:18,070 そう せかれまするな できぬとは申しませぬ 212 00:20:18,070 --> 00:20:24,076 だが そのためには 少々 強い薬を 与えねばなりませぬゆえ・ 213 00:20:24,076 --> 00:20:27,079 姫の命が… 214 00:20:27,079 --> 00:20:29,081 かまわぬ 215 00:20:29,081 --> 00:20:34,086 我らの役に立ちさえすれば そのあとは どうなろうとよい 216 00:20:34,086 --> 00:20:36,088 やれ! (覚全)では 217 00:20:36,088 --> 00:20:50,102 ・~ 218 00:20:50,102 --> 00:20:56,108 ・(倉橋)フフフ… これで間もなく大願成就じゃ 219 00:20:56,108 --> 00:21:01,046 ほんに うまく運んだものでございますな 220 00:21:01,046 --> 00:21:08,053 うん 初めは 覚全に殿を操らせて 松丸君を廃嫡にと思うたが・ 221 00:21:08,053 --> 00:21:12,057 妙姫の あの気性では 我らの妨げとなるは 必定 222 00:21:12,057 --> 00:21:17,062 いっそ こうした方が 一石二鳥と思うてな 223 00:21:17,062 --> 00:21:20,065 さすがは 倉橋様 224 00:21:20,065 --> 00:21:23,068 ・(初瀬) では いよいよ三次の若殿を 225 00:21:23,068 --> 00:21:29,074 うん 明日にでも 三次へ急使を 立てて おいでを願うとしよう 226 00:21:29,074 --> 00:21:33,078 ですが 大丈夫でございましょうか あの若殿 227 00:21:33,078 --> 00:21:40,085 大丈夫じゃ 正治様は 殿の御長男とはいえ 側室の出・ 228 00:21:40,085 --> 00:21:44,089 このままでは 一生 三次で冷や飯食いのお身の上 229 00:21:44,089 --> 00:21:50,095 それが一躍 42万6, 000石の あるじになれるとなれば・ 230 00:21:50,095 --> 00:21:53,098 いやも おうも あるまいが 231 00:21:53,098 --> 00:22:01,106 そうでございますわね そうなれば 倉橋様は 正治様の大恩人 232 00:22:01,106 --> 00:22:06,111 浅野家の実権は おのずと倉橋様のお手に 233 00:22:06,111 --> 00:22:13,111 そういうことじゃ そうなれば そなたにも… 234 00:22:15,120 --> 00:22:17,122 はい ・(工藤)待て! 235 00:22:17,122 --> 00:22:19,124 (倉橋)何事じゃ (工藤)はっ 236 00:22:19,124 --> 00:22:21,126 ただいま 何者かが立ち聞きを 237 00:22:21,126 --> 00:22:23,128 何? どのようなやつじゃ 238 00:22:23,128 --> 00:22:27,132 後ろ姿ゆえ しかとは分かりませぬが 菊野かと 239 00:22:27,132 --> 00:22:32,137 あの女子め 姫に忠義立てをしおって 倉橋様 240 00:22:32,137 --> 00:22:36,141 (倉橋)うむ しかるべく始末せい (工藤)はっ 241 00:22:36,141 --> 00:22:39,144 お世話に相なりました 242 00:22:39,144 --> 00:22:42,147 お名残惜しゅうございまするが 先を急ぎますれば 243 00:22:42,147 --> 00:22:46,147 では お気を付けて おいでなされるが よい 244 00:22:56,161 --> 00:23:00,098 (藩士)待てい! この… こ… 245 00:23:00,098 --> 00:23:05,103 この! (藩士)でや やっ! くっ 246 00:23:05,103 --> 00:23:07,103 (工藤)ふん (菊野)あー! 247 00:23:10,108 --> 00:23:12,110 (藩士)おのれ! (藩士)かかれ! 248 00:23:12,110 --> 00:23:16,110 おのれ 邪魔立ていたすか 249 00:23:25,123 --> 00:23:28,123 (源八郎)さあ (工藤)追え! 250 00:23:31,129 --> 00:23:35,133 (菊野)あっ ああ… しっかり! 251 00:23:35,133 --> 00:23:38,136 (藩士)待てー! 252 00:23:38,136 --> 00:23:40,136 (工藤)おのれ! 253 00:23:43,141 --> 00:23:45,143 (藩士たち)うおっ! 254 00:23:45,143 --> 00:23:47,145 (藩士たち)あー! 255 00:23:47,145 --> 00:23:49,147 (源八郎)さあ 256 00:23:49,147 --> 00:24:01,093 ・~ 257 00:24:01,093 --> 00:24:06,098 慌てるな 俺だ (源八郎)おっ 貴様 またしても 258 00:24:06,098 --> 00:24:11,098 そんな面をしてるときか さあ早く 259 00:24:13,105 --> 00:24:15,105 おっ! 260 00:24:19,111 --> 00:24:21,111 急げ 261 00:24:25,117 --> 00:24:28,120 来い (藩士)はっ 262 00:24:28,120 --> 00:24:30,122 いずれへ行かれる? (工藤)どけい! 263 00:24:30,122 --> 00:24:33,125 くせ者が この寺に逃げ込んだのだ 邪魔立ていたすな 264 00:24:33,125 --> 00:24:35,127 (老師)何をなされる 265 00:24:35,127 --> 00:24:37,129 場所柄を わきまえられよ (工藤)何? 266 00:24:37,129 --> 00:24:41,133 おのおの方 この國泰寺を何と心得られる 267 00:24:41,133 --> 00:24:48,140 浅野家菩提寺として 寺領の寄進を 受けた 由緒ある寺でござるぞ 268 00:24:48,140 --> 00:24:53,145 それへ みだりに踏み込んで 無事に済むと思われるのか 269 00:24:53,145 --> 00:24:55,145 引け! 270 00:24:57,082 --> 00:25:02,087 (老師)うーん 確かに 妙姫様付きのお女中じゃ・ 271 00:25:02,087 --> 00:25:07,092 名は 確か 菊野殿と申されたが 272 00:25:07,092 --> 00:25:10,095 そのような人が 何故 このような… 273 00:25:10,095 --> 00:25:14,099 それは このお女中が 正気付けば分かるだろう 274 00:25:14,099 --> 00:25:16,101 早く手当てをせねば 275 00:25:16,101 --> 00:25:18,103 (鈴の音) 276 00:25:18,103 --> 00:25:21,106 (源八郎)おっ お前は? 277 00:25:21,106 --> 00:25:26,111 ええ 傷薬が御入り用じゃねえかと 思いましてね 278 00:25:26,111 --> 00:25:29,114 そうか 國泰寺に逃げ込みおったか 279 00:25:29,114 --> 00:25:33,118 はあ 何分にも 殿の菩提寺ゆえ・ 280 00:25:33,118 --> 00:25:36,121 手荒なまねもできず 引き揚げてまいりましたが 281 00:25:36,121 --> 00:25:39,124 まあ よいわ ほっておけ (工藤)…と 仰せられましても 282 00:25:39,124 --> 00:25:45,130 何の 首尾よく 正治の殿を立ててしまえば・ 283 00:25:45,130 --> 00:25:48,133 藩は 我が手の内にあるも同然 284 00:25:48,133 --> 00:25:53,138 乱心者の女中が 何をわめこうが 痛くも かゆくもないわ 285 00:25:53,138 --> 00:25:56,141 (工藤) では 菊野めは 乱心ということに 286 00:25:56,141 --> 00:26:01,079 そうだ 人心は 権力のあるところに付くもの 287 00:26:01,079 --> 00:26:05,083 この手に 権力さえ握ってしまえば・ 288 00:26:05,083 --> 00:26:11,089 わしに逆らう者は 全て不義乱心の やからということになる フフフ… 289 00:26:11,089 --> 00:26:14,092 世間とは そういうものじゃ 290 00:26:14,092 --> 00:26:18,092 しかし そのためにも 事は急がねばならんな 291 00:26:22,100 --> 00:26:27,100 (覚全の呪文) 292 00:26:39,117 --> 00:26:41,119 どうだ 覚全 293 00:26:41,119 --> 00:26:47,119 はい だいぶ 験が見えて まいりました 御覧なされませ 294 00:26:52,130 --> 00:26:56,134 (覚全)姫 どうじゃな 御気分は 295 00:26:56,134 --> 00:26:59,070 あ… ああっ! 296 00:26:59,070 --> 00:27:01,072 (覚全) この分ならば こよい中にも・ 297 00:27:01,072 --> 00:27:04,075 思いどおりになりましょう (妙姫)薬を… 298 00:27:04,075 --> 00:27:06,077 そうか 299 00:27:06,077 --> 00:27:10,081 まあ 修験者を使って そのような悪だくみを? 300 00:27:10,081 --> 00:27:15,086 (菊野)はい このままでは 姫様のお命が危のうございます 301 00:27:15,086 --> 00:27:20,091 でも お城の中は 悪人どもに押さえられ・ 302 00:27:20,091 --> 00:27:25,096 御城代の能美家頼様も ざん言にあって 閉門に 303 00:27:25,096 --> 00:27:30,101 (源八郎) 何て 悪賢いやつらだ 許せん! 304 00:27:30,101 --> 00:27:36,107 老師様 何とぞ 妙姫様を お救いくださいませ 305 00:27:36,107 --> 00:27:38,109 お願いでございます! 306 00:27:38,109 --> 00:27:42,113 (老師)うーん しかし たとえ わしが乗り込もうとしても・ 307 00:27:42,113 --> 00:27:47,118 悪人ばらに妨げられて 城内に入ることも できぬであろう 308 00:27:47,118 --> 00:27:51,122 恐らく そうなるだろう しかも 事は急を要する 309 00:27:51,122 --> 00:27:55,126 ここは どうでも 非常の手段を用いねばなるまい 310 00:27:55,126 --> 00:28:01,126 薬屋 力をひとつ貸してくれぬか (佐平次)へい 311 00:28:05,070 --> 00:28:09,074 (新之介)あっ お雪さん あなたにも頼みますよ 312 00:28:09,074 --> 00:28:11,074 はい な… 313 00:28:13,078 --> 00:28:33,098 ・~ 314 00:28:33,098 --> 00:28:51,116 ・~ 315 00:28:51,116 --> 00:28:53,118 大丈夫ですかい? ええ 316 00:28:53,118 --> 00:28:56,121 やってみると 忍びというのも なかなか面白いものですね 317 00:28:56,121 --> 00:29:00,058 姫 何てことを! (佐平次)しっ 静かに! 318 00:29:00,058 --> 00:29:03,061 (笑い声) 319 00:29:03,061 --> 00:29:07,065 あっしが戻ってくるまで ここを動いちゃいけやせんよ 320 00:29:07,065 --> 00:29:20,065 ・~ 321 00:29:28,086 --> 00:29:34,092 では もう一服 召し上がって いただきましょうかな 322 00:29:34,092 --> 00:29:39,097 ・(佐平次) 覚全 やり方が あくどすぎるぜ 323 00:29:39,097 --> 00:29:41,099 誰だ? 324 00:29:41,099 --> 00:29:43,101 (鈴の音) (佐平次)俺だ 325 00:29:43,101 --> 00:29:45,103 佐平次 326 00:29:45,103 --> 00:29:51,109 覚全 せっかくの狂言だが 幕は下りたぜ 327 00:29:51,109 --> 00:30:11,062 ・~ 328 00:30:11,062 --> 00:30:21,072 ・~ 329 00:30:21,072 --> 00:30:26,077 覚全殿 いかがなされた 何事が起こったのだ? 330 00:30:26,077 --> 00:30:28,079 ・(覚全)何でもござらん・ 331 00:30:28,079 --> 00:30:31,082 ただいま最後の仕上げを いたしておるところじゃ・ 332 00:30:31,082 --> 00:30:36,087 半時ほどの間は 何人も お入りなきよう 333 00:30:36,087 --> 00:30:39,090 分かり申した 334 00:30:39,090 --> 00:30:44,095 そうか 覚全がそう申しておったか (工藤)はっ 335 00:30:44,095 --> 00:30:49,100 よーし 明日は いよいよ かねての手はずどおりに 336 00:30:49,100 --> 00:30:54,105 では 明朝 三次の正治様に急使を ・(倉橋)ふむ 337 00:30:54,105 --> 00:31:13,057 ・~ 338 00:31:13,057 --> 00:31:15,057 ・~ 339 00:31:19,063 --> 00:31:24,068 よいか 必ず正治様に お渡しするのだ 340 00:31:24,068 --> 00:31:28,068 余人に渡すではないぞ (藩士)はっ! 341 00:31:39,083 --> 00:31:41,085 よし! 342 00:31:41,085 --> 00:31:59,103 ・~ 343 00:31:59,103 --> 00:32:01,103 (藩士)あー! 344 00:32:08,112 --> 00:32:11,115 くそー おのれ! うう! 345 00:32:11,115 --> 00:32:13,115 あっ! 346 00:32:23,127 --> 00:32:26,130 広島の御本家より 三次の若殿に 火急の用向きあって・ 347 00:32:26,130 --> 00:32:30,130 参上つかまつった お通し願いたい! 348 00:32:34,138 --> 00:32:37,141 (正治) 広島よりの使者とは その方か 349 00:32:37,141 --> 00:32:42,146 (正治)余が正治である して 用向きは? 350 00:32:42,146 --> 00:32:46,146 はっ 委細は これに 351 00:33:10,108 --> 00:33:14,112 御苦労であった 直ちに 広島へ参ると兵庫に伝えよ 352 00:33:14,112 --> 00:33:18,116 では 若殿には 御本家のお跡目に? 353 00:33:18,116 --> 00:33:23,121 うん 松丸君は まだ御幼少 加えて 妙殿には重病とあれば・ 354 00:33:23,121 --> 00:33:26,124 お家のため 余が跡目に立たずばなるまい 355 00:33:26,124 --> 00:33:31,129 なるほど 42万6, 000石のあるじに なれるなら・ 356 00:33:31,129 --> 00:33:34,132 あえて 説を曲げても 倉橋兵庫の かいらいに・ 357 00:33:34,132 --> 00:33:36,134 おなりあそばされる おつもりでござるか? 358 00:33:36,134 --> 00:33:41,139 何と申す? (新之介)正治殿 迷いを覚まされよ 359 00:33:41,139 --> 00:33:46,144 一時の栄華を望んで 順逆を誤れば 後に悔ゆとも及びませぬぞ 360 00:33:46,144 --> 00:33:50,148 その方 何者だ! 361 00:33:50,148 --> 00:33:52,150 (新之介)浅野家のため ひいては あなたのために・ 362 00:33:52,150 --> 00:33:55,153 天の声を 伝えに参った者と思われよ! 363 00:33:55,153 --> 00:33:59,090 黙れ! 人もなげなる その大言 その分にはしておかぬぞ! 364 00:33:59,090 --> 00:34:09,100 ほう 私を斬られる気か だが あなたに この私が斬れますかな 365 00:34:09,100 --> 00:34:11,100 無礼な! 覚悟をせい! 366 00:34:16,107 --> 00:34:21,112 どうかな 正治殿 心を静めて聞かれよ 正治殿! 367 00:34:21,112 --> 00:34:26,117 人盛んにして天にかち 天定まりて人にかつとか 368 00:34:26,117 --> 00:34:29,120 この世に悪の栄えたためしはない 369 00:34:29,120 --> 00:34:32,123 まして腹違いとはいえ 妹御を いけにえにして・ 370 00:34:32,123 --> 00:34:35,126 御本家のあるじに なられたとて・ 371 00:34:35,126 --> 00:34:38,129 み心の休まる いとまは ありませぬぞ 372 00:34:38,129 --> 00:34:41,132 妙殿を いけにえに? それは 何のことだ? 373 00:34:41,132 --> 00:34:46,137 ご存じなかったのか 妙殿の御病気は・ 374 00:34:46,137 --> 00:34:49,140 倉橋一味のなせる業です (正治)何? 375 00:34:49,140 --> 00:34:54,145 あなたが倉橋兵庫のような悪人で ないことは 一目 見れば分かる 376 00:34:54,145 --> 00:34:58,145 まずは 刀を収められよ 377 00:35:01,085 --> 00:35:04,088 その方 何者だ? 378 00:35:04,088 --> 00:35:07,091 これを見られよ 379 00:35:07,091 --> 00:35:21,105 ・~ 380 00:35:21,105 --> 00:35:25,109 あなた様は! (新之介)ああ そのまま そのまま 381 00:35:25,109 --> 00:35:30,114 この新之介は 忍び 堅苦しい挨拶は 御無用 382 00:35:30,114 --> 00:35:35,119 正治殿 あなたは 危うく兵庫めに踊らされて・ 383 00:35:35,119 --> 00:35:38,122 身を誤るところだったのですぞ 384 00:35:38,122 --> 00:35:40,124 面目次第もございません 385 00:35:40,124 --> 00:35:45,129 正治 新之介様のお言葉で 迷いが覚めた心地でござる 386 00:35:45,129 --> 00:35:52,129 それは よかった では折り入って あなたに御相談がある 387 00:35:55,139 --> 00:35:59,076 これより 父上のお見舞いのため 広島へ参る 388 00:35:59,076 --> 00:36:01,076 続け! 389 00:36:05,082 --> 00:36:08,085 何 姫が? (倉橋)はっ! 390 00:36:08,085 --> 00:36:14,091 申すも おいたわしきことながら 福島正則公の怨霊に取りつかれ・ 391 00:36:14,091 --> 00:36:16,093 容易ならぬことを 口走っておられまする 392 00:36:16,093 --> 00:36:19,096 して その容易ならぬこととは 何じゃ? 393 00:36:19,096 --> 00:36:24,101 それが お家の大事に関わることで ござりまするゆえ・ 394 00:36:24,101 --> 00:36:28,105 何とぞ 殿 おじきじきに お聞きあそばされまするよう 395 00:36:28,105 --> 00:36:31,108 うん 兵庫 直ちに姫をこれへ 396 00:36:31,108 --> 00:36:51,128 ・~ 397 00:36:51,128 --> 00:36:57,068 ・~ 398 00:36:57,068 --> 00:37:03,074 殿 この者が 修験者 覚全にござります 399 00:37:03,074 --> 00:37:06,077 (長晟)その方が覚全と申すか 400 00:37:06,077 --> 00:37:09,080 して 姫のその姿は 何としたことじゃ? 401 00:37:09,080 --> 00:37:12,083 畏れ多きことながら 姫様には・ 402 00:37:12,083 --> 00:37:17,088 正則公の怨霊のため 心気が高ぶっておられまする 403 00:37:17,088 --> 00:37:19,090 被衣をお取りあそばさるれば・ 404 00:37:19,090 --> 00:37:22,093 御悩乱あそばされる おそれもござりますれば・ 405 00:37:22,093 --> 00:37:25,096 何とぞ このままにて 406 00:37:25,096 --> 00:37:28,099 さようか 痛ましいことじゃな 407 00:37:28,099 --> 00:37:32,103 では 覚全 姫様のお口を借りた・ 408 00:37:32,103 --> 00:37:36,107 福島正則公の怨霊の言葉を 殿にお聞かせいたすよう 409 00:37:36,107 --> 00:37:40,107 はっ しからば 御免を被りまして 410 00:37:54,125 --> 00:37:59,063 (呪文) 411 00:37:59,063 --> 00:38:18,082 ・~ 412 00:38:18,082 --> 00:38:20,084 ・~ 413 00:38:20,084 --> 00:38:24,088 畏れながら お伺い奉る 414 00:38:24,088 --> 00:38:33,097 ただいまより なせしは 何人の み霊に候よ 415 00:38:33,097 --> 00:38:38,102 (妙姫)余は 福島正則じゃ 416 00:38:38,102 --> 00:38:43,107 (覚全)されば 正則公のお言葉を伺い奉らん 417 00:38:43,107 --> 00:38:49,113 (妙姫)我が日の本は いにしえより君臣の道 定まれり・ 418 00:38:49,113 --> 00:38:57,054 臣にして君をしのぐは 大逆無道 天人ともに許さざるところなり 419 00:38:57,054 --> 00:39:00,057 覚全! (覚全)正則公にお伺い奉る 420 00:39:00,057 --> 00:39:07,064 この席に 大逆無道の者ありと 仰せられまするや? 421 00:39:07,064 --> 00:39:11,068 (妙姫) いかにも 倉橋兵庫 その方・ 422 00:39:11,068 --> 00:39:14,071 徒党を組んで お家 横領をたくらみ・ 423 00:39:14,071 --> 00:39:17,074 邪法をもって妙姫を操り・ 424 00:39:17,074 --> 00:39:22,079 浅野の殿を たぶらかして 己の野望を遂げんと謀りしこと・ 425 00:39:22,079 --> 00:39:24,081 言語道断であるぞ! 426 00:39:24,081 --> 00:39:29,081 おのれ 何たることを その方 何者だ! 427 00:39:32,089 --> 00:39:35,092 おのれ 428 00:39:35,092 --> 00:39:39,096 覚全 その方 乱心いたしたか かかる偽者を妙姫様とは 429 00:39:39,096 --> 00:39:42,096 おあいにくさま 430 00:39:44,101 --> 00:39:48,105 あっしは 正気でござんすよ (工藤)貴様! 431 00:39:48,105 --> 00:39:51,108 (倉橋)この かたりめ! お黙りなさい! 432 00:39:51,108 --> 00:39:55,112 かたりとは その方どものことじゃ (倉橋)な… 何と! 433 00:39:55,112 --> 00:39:59,050 妙姫様のお命を救うため かく身代わりに立ったが・ 434 00:39:59,050 --> 00:40:02,053 私の申したことは つゆほども偽りはない 435 00:40:02,053 --> 00:40:06,057 奸臣ども その方どもの悪運も これまでと観念せい! 436 00:40:06,057 --> 00:40:12,063 くせ者の分際で何たる雑言! かまわぬ この2人を討って取れ! 437 00:40:12,063 --> 00:40:15,066 貴様 またしても! 438 00:40:15,066 --> 00:40:28,079 ・~ 439 00:40:28,079 --> 00:40:30,079 出合え 出合えい! 440 00:40:37,088 --> 00:40:39,090 討ち取れ! 441 00:40:39,090 --> 00:40:51,102 ・~ 442 00:40:51,102 --> 00:40:54,105 (正治)三次の正治 父上のお見舞いに参った 443 00:40:54,105 --> 00:40:58,105 三次の若殿のおなりであるぞ 道を開けい! 444 00:41:07,051 --> 00:41:09,053 引けい! 445 00:41:09,053 --> 00:41:13,057 三次の若殿のおなりであるぞ (藩士)黙れ! 446 00:41:13,057 --> 00:41:15,057 無礼いたすな! 447 00:41:17,061 --> 00:41:19,063 おのれ! (新之介)静まれい! 448 00:41:19,063 --> 00:41:23,067 三次より 正治様がお越しであるぞ 静まれ! 449 00:41:23,067 --> 00:41:25,067 葵様 450 00:41:30,074 --> 00:41:33,077 おお 正治か 451 00:41:33,077 --> 00:41:36,080 兵庫 このありさまは 何たることじゃ! 452 00:41:36,080 --> 00:41:38,082 正治様 よう お越しくださいました 453 00:41:38,082 --> 00:41:42,086 実は これなる くせ者どもが 忍び入りましたので・ 454 00:41:42,086 --> 00:41:44,088 取り押さえんと いたしておりましたところで 455 00:41:44,088 --> 00:41:47,091 黙れ! くせ者とは その方どものことであろうが! 456 00:41:47,091 --> 00:41:50,094 な… 何と仰せられます 457 00:41:50,094 --> 00:41:54,098 倉橋兵庫 今更 言い逃れんとしても無駄だ 458 00:41:54,098 --> 00:41:57,101 正治様は 既に 貴様らの悪だくみをご存じだぞ 459 00:41:57,101 --> 00:42:02,106 黙れ! その方 何者だ 何故あって そのような雑言を 460 00:42:02,106 --> 00:42:08,112 雑言だ? よーし ならば証拠を見せてやろう 461 00:42:08,112 --> 00:42:10,114 はい お雪さん出番ですよ 462 00:42:10,114 --> 00:42:13,114 源八 はっ 463 00:42:23,127 --> 00:42:25,129 妙! (妙姫)父上 464 00:42:25,129 --> 00:42:28,132 ああ (家頼)殿 御覧くださいませ 465 00:42:28,132 --> 00:42:32,136 妙姫様には 悪人どもに薬を盛られ・ 466 00:42:32,136 --> 00:42:35,139 危うく お命をも落とされるところ だったのでございます 467 00:42:35,139 --> 00:42:37,141 妙… 誠か? 468 00:42:37,141 --> 00:42:40,144 じいの申すとおりでございます 469 00:42:40,144 --> 00:42:44,148 この方たちが おいであそばされずば 妙は… 470 00:42:44,148 --> 00:42:46,150 姫様 471 00:42:46,150 --> 00:42:50,154 これでも不足なら このしれ者に 事の次第を申し立てさせようか 472 00:42:50,154 --> 00:42:54,158 どうだ兵庫 これでも なお 黒を白と言い逃れるつもりか? 473 00:42:54,158 --> 00:42:56,158 もはや これまで 474 00:42:58,095 --> 00:43:00,095 慮外者! (倉橋)ああー! 475 00:43:02,099 --> 00:43:05,102 ああー! 476 00:43:05,102 --> 00:43:07,104 者ども静まれ! 477 00:43:07,104 --> 00:43:11,108 首魁が誅に服した上は その方どもの罪は問わん 478 00:43:11,108 --> 00:43:15,108 それとも 奸臣にくみして命を失うか! 479 00:43:18,115 --> 00:43:20,115 (初瀬)うっ! (刺す音) 480 00:43:26,123 --> 00:43:31,128 (正治)父上 非常の場合とは申せ 城内を汚し 申し訳ございません 481 00:43:31,128 --> 00:43:34,128 正治 ようやった 礼を申すぞ 482 00:43:36,133 --> 00:43:38,135 源八 はっ 483 00:43:38,135 --> 00:43:44,141 あの薬屋は? あっ あいつ いつの間にか 484 00:43:44,141 --> 00:43:47,144 (妙姫)雪姫様には 一方ならぬ お世話に相なり・ 485 00:43:47,144 --> 00:43:53,150 お礼の申しようもございませぬ せめて もうしばらく・ 486 00:43:53,150 --> 00:43:56,153 城中に ごとう留くだされば よろしゅうございますのに 487 00:43:56,153 --> 00:43:59,089 お志は かたじけのうございまするが・ 488 00:43:59,089 --> 00:44:01,091 道を急ぎますゆえ 489 00:44:01,091 --> 00:44:04,094 でも これで 松丸様のお跡目も決まり・ 490 00:44:04,094 --> 00:44:08,098 浅野様のお家も御安泰 本当に よろしゅうございました 491 00:44:08,098 --> 00:44:11,101 ありがとう存じまする 492 00:44:11,101 --> 00:44:16,106 それにつけても 雪姫様が首尾よく 大望を遂げられますよう・ 493 00:44:16,106 --> 00:44:20,110 妙も陰ながら お祈り申し上げております 494 00:44:20,110 --> 00:44:23,113 かたじけのうございます では これにて 495 00:44:23,113 --> 00:44:27,117 では 御道中お健やかに 496 00:44:27,117 --> 00:44:30,117 何とぞ 御健勝で 497 00:44:40,130 --> 00:44:43,130 (馬の走る音) 498 00:44:48,138 --> 00:44:52,142 新之介様 (新之介)おお 正治殿 499 00:44:52,142 --> 00:44:55,145 何故 城を 抜け出されたんでございますか 500 00:44:55,145 --> 00:44:57,081 父上も せめて一両日 御滞在あって・ 501 00:44:57,081 --> 00:44:59,083 旅の疲れを お休めくださるようにと・ 502 00:44:59,083 --> 00:45:03,087 仰せられておられましたが (新之介)いやぁ 私はこの方がいい 503 00:45:03,087 --> 00:45:06,090 城中は 何かと窮屈で かなわんのですよ 504 00:45:06,090 --> 00:45:08,092 そのお気持ち 分からんでもありませんな 505 00:45:08,092 --> 00:45:10,094 考えてみれば 私も・ 506 00:45:10,094 --> 00:45:13,097 42万石の跡取りよりも 三次の冷や飯食いの方が気楽で 507 00:45:13,097 --> 00:45:16,100 だが あなたのような人が 冷や飯食いでは 惜しい 508 00:45:16,100 --> 00:45:19,103 立派に 一国一城の あるじが務まるのに 509 00:45:19,103 --> 00:45:21,105 買いかぶられては 困ります 510 00:45:21,105 --> 00:45:23,107 新之介様が いらっしゃらなかったら・ 511 00:45:23,107 --> 00:45:26,110 どうなっていたか 分からなかったのですから 512 00:45:26,110 --> 00:45:30,114 では 道中くれぐれも お気を付けられますよう 513 00:45:30,114 --> 00:45:33,114 正治殿も御健勝で 514 00:45:38,122 --> 00:45:43,122 (鈴の音) 515 00:45:51,135 --> 00:45:56,140 のう 源八郎 葵様とあの薬屋 どうしたのかしら 516 00:45:56,140 --> 00:45:59,076 さあ どちらも いつの間にか 消えてしまいましたが・ 517 00:45:59,076 --> 00:46:01,078 何とも妙な連中で 518 00:46:01,078 --> 00:46:04,081 でも 2人とも悪い方ではないわね 519 00:46:04,081 --> 00:46:09,086 とりわけ 三次の正治様を 説得された葵様のお働き・ 520 00:46:09,086 --> 00:46:11,088 見事だったと思わないこと? 521 00:46:11,088 --> 00:46:14,091 何の! ああいう風来坊は 口が達者でございまするからな 522 00:46:14,091 --> 00:46:17,094 あのような役回りには うってつけだったのでございましょう 523 00:46:17,094 --> 00:46:19,096 そうかもしれませんね 524 00:46:19,096 --> 00:46:23,100 それにあの薬屋も あのような役が うってつけだったわ 525 00:46:23,100 --> 00:46:28,105 それにしても あの忍びというのは なかなか面白いものですね 526 00:46:28,105 --> 00:46:32,109 姫! なりませぬぞ この前は ばくち この度は忍び 527 00:46:32,109 --> 00:46:34,111 大名の姫君が そのような はしたない振る舞いを… 528 00:46:34,111 --> 00:46:36,113 でも 楽しいじゃありませんか 529 00:46:36,113 --> 00:46:39,116 いろいろなことが覚えられて 姫! 530 00:46:39,116 --> 00:46:44,121 <呪いの術も まやかしも 正義のやいばにゃ太刀打ちできぬ> 531 00:46:44,121 --> 00:46:46,123 <悪を懲らした広島あとに・ 532 00:46:46,123 --> 00:46:51,128 東を目指す雪姫の 仰ぐ瞳に 雲が飛ぶ> 533 00:46:51,128 --> 00:46:54,131 <「雪姫隠密道中記」> 534 00:46:54,131 --> 00:47:14,084 ・~ 535 00:47:14,084 --> 00:47:34,104 ・~ 536 00:47:34,104 --> 00:47:54,124 ・~ 537 00:47:54,124 --> 00:48:14,077 ・~ 538 00:48:14,077 --> 00:48:25,077 ・~