1 00:02:03,055 --> 00:02:23,075 ・~ 2 00:02:23,075 --> 00:02:43,095 ・~ 3 00:02:43,095 --> 00:02:57,095 ・~ 4 00:02:59,045 --> 00:03:03,049 <清水をたった雪姫と源八郎は 追っ手の目を避けて裏道を・ 5 00:03:03,049 --> 00:03:10,056 江戸へ 30里2丁と迫った 沼津の宿へと歩みを進めていた> 6 00:03:10,056 --> 00:03:14,060 <そのころ 同じ裏道を 雪姫たちの前方を・ 7 00:03:14,060 --> 00:03:17,063 江戸に急ぐ 侍の一行があった> 8 00:03:17,063 --> 00:03:21,067 <尾張の国元より 江戸屋敷に送り届ける・ 9 00:03:21,067 --> 00:03:25,067 御用金 3, 000両を守る 侍たちである> 10 00:03:28,074 --> 00:03:32,078 お組頭様 この先を表街道に曲がれば・ 11 00:03:32,078 --> 00:03:35,081 やがて 当藩の七里役所でございます・ 12 00:03:35,081 --> 00:03:41,081 みんな 程なく沼津だ 今夜は ゆっくり休めるからな 急げ! 13 00:03:46,092 --> 00:03:48,092 (男性たち)そりゃっ! 14 00:03:51,097 --> 00:03:54,100 (倉之介)何者だ! 尾張藩の者と知っての ろうぜきか 15 00:03:54,100 --> 00:03:56,100 人違いいたすな 16 00:04:05,044 --> 00:04:07,044 くそー! 17 00:04:11,050 --> 00:04:16,050 (男性)持て 持て! 車を持て! (男性)早くしろ 18 00:04:19,058 --> 00:04:21,060 (男性)待て おら! 19 00:04:21,060 --> 00:04:37,076 ・~ 20 00:04:37,076 --> 00:04:40,079 (倉之介)待て! 21 00:04:40,079 --> 00:04:42,081 ・(倉之介)待て! 22 00:04:42,081 --> 00:05:00,032 ・~ 23 00:05:00,032 --> 00:05:03,032 あっ 貴様か 24 00:05:05,037 --> 00:05:08,037 (銃声) 25 00:05:10,042 --> 00:05:13,042 (銃声) (倉之介)うわあ… 26 00:05:15,047 --> 00:05:19,051 誰か来るぞ (堂馬)引けっ 引けーっ! 27 00:05:19,051 --> 00:05:24,051 (倉之介のうめき声) 28 00:05:35,067 --> 00:05:37,069 (倉之介)はあ はあっ ううっ 29 00:05:37,069 --> 00:05:40,069 (源八郎)おっ (雪姫)あっ… 30 00:05:43,075 --> 00:05:45,077 (源八郎) おい どうした しっかりしろ! 31 00:05:45,077 --> 00:05:53,085 (倉之介)はあ… こ… 32 00:05:53,085 --> 00:05:59,025 これを ち… 千勢に 33 00:05:59,025 --> 00:06:02,028 千勢さんに? 34 00:06:02,028 --> 00:06:09,035 さ… か… と… んぼ 35 00:06:09,035 --> 00:06:13,039 (源八郎)「さかとんぼ」? おい それは 一体どういう意味だ 36 00:06:13,039 --> 00:06:17,043 千勢… 千勢に… 千勢さんという方にこれを渡して 37 00:06:17,043 --> 00:06:21,047 「さかとんぼ」と 伝えれば いいんですね 38 00:06:21,047 --> 00:06:26,052 どこに? どこにおられるんですか ぬ… 沼津… 39 00:06:26,052 --> 00:06:28,054 沼津か? しっかりしてください 40 00:06:28,054 --> 00:06:32,058 沼津のどこに? あなた様のお名前は? 41 00:06:32,058 --> 00:06:36,062 ふーっ… (源八郎)おい! 42 00:06:36,062 --> 00:06:38,064 ・(男性)おい どこだ 43 00:06:38,064 --> 00:06:41,067 (男性)鉄砲の音は こっちから 聞こえただぞ (男性)おう 44 00:06:41,067 --> 00:06:44,067 姫 ここは ひとまず ええ 45 00:06:48,074 --> 00:06:50,074 (源八郎)さあ 46 00:06:52,078 --> 00:06:55,081 ああっ えれえこったぞ これは 47 00:06:55,081 --> 00:06:57,016 おい お前 急いで お七里様に知らせてこい 48 00:06:57,016 --> 00:07:01,016 よし おらが行ってくる (男性)ああ ああ… 49 00:07:07,026 --> 00:07:09,028 (新之介)よう (源八郎)おっ? 50 00:07:09,028 --> 00:07:14,033 葵様 貴様 こんな所で何をしておる 51 00:07:14,033 --> 00:07:17,036 (新之介) そう きいきいするな うん? 52 00:07:17,036 --> 00:07:21,036 だーん! 狙ったのは ここからだな 53 00:07:23,042 --> 00:07:27,046 お雪さん また 妙なことに 巻き込まれない方がいいな 54 00:07:27,046 --> 00:07:30,049 もっとも そう言ったって 承知するような人じゃないな・ 55 00:07:30,049 --> 00:07:33,052 あんたは じゃじゃ馬娘だからな まあ 56 00:07:33,052 --> 00:07:35,054 じゃ… (新之介)後ほど 57 00:07:35,054 --> 00:07:37,054 じゃじゃ… 無礼な! 58 00:07:40,059 --> 00:07:44,063 (太兵衛)はあっ はあっ 林の中で見ておりましたら・ 59 00:07:44,063 --> 00:07:47,066 旅姿の娘と町人の 2人連れが走ってきて・ 60 00:07:47,066 --> 00:07:52,071 組頭を抱き起こして 何やら しかし 御心配には及びません 61 00:07:52,071 --> 00:07:57,009 (太兵衛)組頭の体には 2発の弾が ぶち込んであります 62 00:07:57,009 --> 00:08:00,012 恐らく今頃は 63 00:08:00,012 --> 00:08:06,018 (堂馬)しかし 油断は禁物だ その娘と町人・ 64 00:08:06,018 --> 00:08:10,022 見つけしだい 始末しろ (太兵衛)はい 65 00:08:10,022 --> 00:08:15,027 それでは 俺は 手はずどおり 金谷の七里役所へ向かう 66 00:08:15,027 --> 00:08:18,030 あとは 弥五郎と 打ち合わせどおり 事を運べ 67 00:08:18,030 --> 00:08:22,030 はい 全ては お指図どおり こちらは 必ず 68 00:08:30,042 --> 00:08:33,045 (弥五郎)尾張藩 お勘定方組頭 西浦倉之介様 御一行が・ 69 00:08:33,045 --> 00:08:37,049 賊に襲われ 不慮の死を遂げられた 国元に知らせろ (役人)はっ! 70 00:08:37,049 --> 00:08:40,049 運び込め (人足たち)はっ 71 00:08:52,064 --> 00:08:54,066 留吉 (留吉)おかえりなさいまし 72 00:08:54,066 --> 00:08:56,068 今の2人連れは 何しに来たんだい? 73 00:08:56,068 --> 00:08:59,004 (留吉)へい お千勢さんの居所を 教えてくれと言って 74 00:08:59,004 --> 00:09:02,007 お千勢さんの? (留吉)へい 75 00:09:02,007 --> 00:09:04,009 お千勢さんの所に 客が訪ねてくるなんて・ 76 00:09:04,009 --> 00:09:09,014 初めての こってすからね 妙なことがあるもんだと思って 77 00:09:09,014 --> 00:09:11,016 留吉 (留吉)へい 78 00:09:11,016 --> 00:09:15,020 (せみの鳴き声) (粂太郎)あっ いた・ 79 00:09:15,020 --> 00:09:17,022 あっ 逃げられたあ 80 00:09:17,022 --> 00:09:21,022 寺の裏手というと この辺りでございますな 81 00:09:25,030 --> 00:09:29,034 坊や 千勢さんという人の うちを知らないかい? 82 00:09:29,034 --> 00:09:32,037 千勢? おいらの母上だよ (源八郎)ほう 83 00:09:32,037 --> 00:09:37,037 おいらが案内してやるよ こっちだよ 84 00:09:40,045 --> 00:09:45,050 (粂太郎)母上 母上 85 00:09:45,050 --> 00:09:47,052 (お千勢)お客様が? 86 00:09:47,052 --> 00:09:50,052 (粂太郎) うん 母上に会いたいんだって 87 00:09:54,059 --> 00:09:56,061 あの 千勢さんで いらっしゃいますか 88 00:09:56,061 --> 00:10:01,000 (お千勢) はい 私が千勢でございますが 89 00:10:01,000 --> 00:10:04,003 おいら せみを捕ってくるからね 90 00:10:04,003 --> 00:10:07,003 (お千勢)気を付けるのよ (粂太郎)はーい! 91 00:10:09,008 --> 00:10:12,011 あの どなた様でございましょうか 92 00:10:12,011 --> 00:10:16,015 私 熊本の商家の娘で お雪と申します 93 00:10:16,015 --> 00:10:21,020 この者は供の源八で 実は… ・(次助)大変です! 94 00:10:21,020 --> 00:10:27,026 (次助)千勢様 あの… 西浦のお組頭様が・ 95 00:10:27,026 --> 00:10:32,031 七曲りの崖道で 何者かに 鉄砲で撃たれて あの…・ 96 00:10:32,031 --> 00:10:35,031 お亡くなりになられたそうで 97 00:10:37,036 --> 00:10:40,039 西浦様が? (次助)はい 98 00:10:40,039 --> 00:10:45,039 何でも お供を連れて 江戸に向かわれていたとか 99 00:10:53,052 --> 00:10:55,052 源八 100 00:10:57,990 --> 00:11:00,990 あの男 問屋場にいた 101 00:11:06,999 --> 00:11:14,006 実は 千勢さん その 亡くなられた お侍さんのことで参ったのですが 102 00:11:14,006 --> 00:11:17,009 ちょうど そのお侍さんが撃たれた折に・ 103 00:11:17,009 --> 00:11:20,012 私どもが居合わせたものですから 104 00:11:20,012 --> 00:11:23,015 お亡くなりになられるときに・ 105 00:11:23,015 --> 00:11:26,018 これを沼津の千勢さんに 渡してほしいと頼まれたんです 106 00:11:26,018 --> 00:11:28,018 それで お届けに 107 00:11:34,026 --> 00:11:36,028 これを私に? ええ 108 00:11:36,028 --> 00:11:41,033 それと千勢さんに 「さかとんぼ」と 伝えてくれと申されて 109 00:11:41,033 --> 00:11:44,036 「さかとんぼ」? 110 00:11:44,036 --> 00:11:47,039 西浦様が 本当に そうおっしゃられたのですね 111 00:11:47,039 --> 00:11:50,042 ええ 確かに 千勢さん・ 112 00:11:50,042 --> 00:11:53,045 その「さかとんぼ」というのは どういうことなのですか? 113 00:11:53,045 --> 00:11:58,050 いいえ 知りません でも 遺言のように… 114 00:11:58,050 --> 00:12:04,056 最期のお言葉でしたし それも一生懸命 話そうとなさって 115 00:12:04,056 --> 00:12:08,060 千勢さん その言葉が分かれば 殺された原因が… 116 00:12:08,060 --> 00:12:13,065 いえ ひょっとしたら殺した下手人の 目星がつくのでは ありませんか? 117 00:12:13,065 --> 00:12:18,070 私には 何のことだか分かりません 118 00:12:18,070 --> 00:12:22,074 御面倒をお掛けして 本当に ありがとうございました・ 119 00:12:22,074 --> 00:12:28,074 次助さん この方々に お茶でも差し上げて (次助)はい 120 00:12:30,082 --> 00:12:33,085 おっ! ああ… 121 00:12:33,085 --> 00:12:35,087 また 痛むのですか? (源八郎)まっ? 122 00:12:35,087 --> 00:12:37,089 困ったことに どうなさいました? 123 00:12:37,089 --> 00:12:40,092 ええ 実は この供の源八が・ 124 00:12:40,092 --> 00:12:42,094 急な差込みを起こしまして 差込み? 125 00:12:42,094 --> 00:12:44,096 それは お困りでございましょう 126 00:12:44,096 --> 00:12:46,098 このような むさ苦しい所でよろしかったら・ 127 00:12:46,098 --> 00:12:48,100 奥で休んでいってくださいまし 128 00:12:48,100 --> 00:12:51,100 ありがとうございます (源八郎)うーん はあ… 129 00:12:53,105 --> 00:12:56,108 さあさ どうぞ こちらで (源八郎)はっ 130 00:12:56,108 --> 00:12:58,043 ふーっ どうも すみません 131 00:12:58,043 --> 00:13:00,043 (次助)では 132 00:13:02,047 --> 00:13:06,051 はあっ はあ 133 00:13:06,051 --> 00:13:09,054 まだ 痛みますか? 当たり前です 134 00:13:09,054 --> 00:13:11,056 あのようなことを不意に フフッ 135 00:13:11,056 --> 00:13:17,062 姫 江戸へ急がねばならぬ身が このような所で 136 00:13:17,062 --> 00:13:22,067 源八郎 私は あの千勢さん という方が 気に掛かるのです 137 00:13:22,067 --> 00:13:26,071 それと あの「さかとんぼ」という 謎のような言葉・ 138 00:13:26,071 --> 00:13:29,071 一体どういうことなのか はあ… 139 00:13:31,076 --> 00:13:36,081 それに あの問屋場の番頭の 妙な振る舞い 140 00:13:36,081 --> 00:13:39,084 どれをとっても 不審なことばかり ですが 姫 141 00:13:39,084 --> 00:13:44,089 また 妙なことに関わり合うと 危険に 飛び込むようなものです 142 00:13:44,089 --> 00:13:48,093 この事件には きっと何かが 隠されているのに違いないわ 143 00:13:48,093 --> 00:14:08,046 ・~ 144 00:14:08,046 --> 00:14:26,064 ・~ 145 00:14:26,064 --> 00:14:30,064 ・(粂太郎) 母上 せみを捕ってきたよ 146 00:14:32,070 --> 00:14:35,070 (蓋の閉まる音) 147 00:14:45,083 --> 00:14:47,085 (お千)きったないね お前は 148 00:14:47,085 --> 00:14:50,085 何やってんだよ 本当に ばかが 本当に 149 00:14:59,031 --> 00:15:03,031 (お千)おいおい おーいおい ちょっと頼むよ おい 150 00:15:05,037 --> 00:15:07,039 ・(亭主)いらっしゃい 151 00:15:07,039 --> 00:15:11,043 奇遇ですなぁ すりの六助に 枕探しの… 152 00:15:11,043 --> 00:15:14,046 (六助)ちょっと! 旦那 冗談じゃ ありませんぜぇ 153 00:15:14,046 --> 00:15:17,049 (六助)せっかく 姉さんの機嫌が 直りかけたというのに 154 00:15:17,049 --> 00:15:20,052 今日はね ちょいと へその居所が曲がってるんでね・ 155 00:15:20,052 --> 00:15:22,054 妙なこと言うと ただじゃおきませんからね 156 00:15:22,054 --> 00:15:25,057 これは すごい けんまくですな (お千)当たり前ですよ ええ! 157 00:15:25,057 --> 00:15:28,060 お七里様が どれほど偉いか 知らないけどさ・ 158 00:15:28,060 --> 00:15:31,063 いきなり はたごへ やって来やがってね・ 159 00:15:31,063 --> 00:15:34,066 「御用金 3, 000両 奪われた その方らも許可が出るまで・ 160 00:15:34,066 --> 00:15:39,071 沼津宿を出ることならん」って はー まるで犯人扱いですよ・ 161 00:15:39,071 --> 00:15:42,074 腹が立つったら ありゃしない (新之介)やめとけ やめとけ・ 162 00:15:42,074 --> 00:15:46,078 その お七里様ってのはな 葵の御紋を背中に背負って・ 163 00:15:46,078 --> 00:15:48,080 3人までは 斬り捨て御免ってやつだ 164 00:15:48,080 --> 00:15:51,083 そんなもん相手にしたら 命が いくつあっても足りやしない 165 00:15:51,083 --> 00:15:55,087 けっ! 何が斬り捨て御免ですよ こけおどかしの格好しやがって・ 166 00:15:55,087 --> 00:15:58,023 えーらそうに! ねえ 姉さん 167 00:15:58,023 --> 00:16:02,027 ・(松五郎)おやじ 一本つけてくれ 168 00:16:02,027 --> 00:16:05,030 今までの借金 払ってもらわなきゃ飲ませねえよ 169 00:16:05,030 --> 00:16:08,033 (松五郎) ちぇっ けちなこと抜かしやがるぜ 170 00:16:08,033 --> 00:16:14,039 よーし 今夜な 1両と2朱 耳そろえて返してやらあな ヘヘヘ 171 00:16:14,039 --> 00:16:22,047 問屋場にはな おいらの金がな 預けてあるのよ ハハッ 172 00:16:22,047 --> 00:16:26,047 ああ 気を付けろい この野郎 ヘッ 173 00:16:30,055 --> 00:16:34,059 …と 六 旦那いないよ (六助)あれ? 174 00:16:34,059 --> 00:16:40,065 (松五郎) うー 旦那 どこにいるんでい・ 175 00:16:40,065 --> 00:16:43,068 旦那 松でさあ・ 176 00:16:43,068 --> 00:16:47,072 お約束の10両 頂きに上がりました 177 00:16:47,072 --> 00:16:52,077 お勤めは ちゃんと果たしましたからねぇ 178 00:16:52,077 --> 00:16:55,080 ああ これは 旦那 どうも 179 00:16:55,080 --> 00:17:03,021 旦那 どう考えても 10両じゃ安いや ヘヘヘ… 180 00:17:03,021 --> 00:17:06,024 もう少し 色つけていただけませんかね 181 00:17:06,024 --> 00:17:11,029 いいだろう 色をつけてやろう (松五郎)あっ これは本当ですかい 182 00:17:11,029 --> 00:17:14,032 これは どうも ありがとうごぜえやす ヘヘヘッ 183 00:17:14,032 --> 00:17:17,035 (松五郎の叫び声) 184 00:17:17,035 --> 00:17:21,039 ちくしょう だましたのか (男性)死ね 185 00:17:21,039 --> 00:17:26,044 (松五郎の叫び声) 186 00:17:26,044 --> 00:17:28,044 (男性)死ね 187 00:17:30,048 --> 00:17:32,050 (男性)わっ! (男性)うお! 188 00:17:32,050 --> 00:17:34,050 引けっ 引けっ! 189 00:17:40,058 --> 00:17:44,062 (佐平次)おい しっかりしろ (松五郎のうめき声) 190 00:17:44,062 --> 00:17:50,068 (新之介) 薬屋 そいつは 鉄砲松ってやつだ 191 00:17:50,068 --> 00:17:53,071 (佐平次)すると 例の侍を撃った野郎でござんすね 192 00:17:53,071 --> 00:17:57,008 ああ 問屋場に 金を預けてあると言っていたがな 193 00:17:57,008 --> 00:18:00,011 (佐平次)どうやら つるの根っこは その辺にありそうですね 194 00:18:00,011 --> 00:18:04,015 何 つるから つるが飛び出すかもしれん 195 00:18:04,015 --> 00:18:06,015 根は 他にあるのかもな 196 00:18:09,020 --> 00:18:12,023 (子分)さあ 入りました (子分)さあ 張った張った 197 00:18:12,023 --> 00:18:14,025 (六助)丁! (お千)丁! 198 00:18:14,025 --> 00:18:16,027 (子分)こっちできた (子分)半方ないか! 199 00:18:16,027 --> 00:18:20,031 (女性)半! (子分)よーし できた 勝負! 200 00:18:20,031 --> 00:18:23,034 (中盆)四一の半 半と出ました 201 00:18:23,034 --> 00:18:25,036 あー もう! お前が いけないんだよ 202 00:18:25,036 --> 00:18:28,039 (六助)あっしのせいじゃ ございませんよぅ 203 00:18:28,039 --> 00:18:33,044 (女性の笑い声) 204 00:18:33,044 --> 00:18:37,048 (六助)うーん 嫌な ばばあだねぇ 1人で勝ってやんの 205 00:18:37,048 --> 00:18:40,048 (女性の笑い声) 206 00:18:42,053 --> 00:18:46,057 (滝蔵)おい ねえさん 随分 負けが込んでいるようだが・ 207 00:18:46,057 --> 00:18:48,057 何なら 駒回してもいいんだぜ 208 00:18:51,062 --> 00:18:53,064 (お千)あら 旦那 209 00:18:53,064 --> 00:18:56,067 旅は道連れ 懐の さみしいときは お互いさまだ 210 00:18:56,067 --> 00:19:00,005 ええ! 旦那 話せるじゃありやせんか 211 00:19:00,005 --> 00:19:02,007 いや 姉さん こうなったら・ 212 00:19:02,007 --> 00:19:04,009 今まで負けた分 全部 取り返そうじゃありやせんか 213 00:19:04,009 --> 00:19:09,014 あんな ばばあに負けてたまるか ってんですよ ねえねえ ねえ・ 214 00:19:09,014 --> 00:19:11,016 よーし 今度は いくぞ・ 215 00:19:11,016 --> 00:19:15,016 丁! (お千)丁! 216 00:19:23,028 --> 00:19:29,028 (太兵衛)親分 どうも 御苦労だったな (滝蔵)へい 217 00:19:32,037 --> 00:19:34,039 (滝蔵)こいつは どうも・ 218 00:19:34,039 --> 00:19:38,043 わざわざ 旦那に来ていただいて 申し訳ございません 219 00:19:38,043 --> 00:19:41,046 お前さんに 問屋場に出入りされたんじゃ・ 220 00:19:41,046 --> 00:19:46,051 こっちが困るからな (太兵衛と滝蔵の笑い声) 221 00:19:46,051 --> 00:19:49,054 貴様! 何やつじゃ (新之介)こいつは すまん 222 00:19:49,054 --> 00:19:52,057 いや ちょうず場を借りようと思って 探しているうちに・ 223 00:19:52,057 --> 00:19:54,059 ここへ出てきてしまってな いやあ こいつはすまん すまん 224 00:19:54,059 --> 00:19:57,996 何ぃ! 言い逃れであろう (太兵衛)帰してやれ 225 00:19:57,996 --> 00:20:00,999 (男性)しかし (太兵衛)いいから帰してやれ 226 00:20:00,999 --> 00:20:04,002 ハッ こいつはすまんな ハッ 227 00:20:04,002 --> 00:20:08,002 (新之介の口笛) 228 00:20:12,010 --> 00:20:14,012 せっかく これから 目が出ようってときに・ 229 00:20:14,012 --> 00:20:16,014 無理やり 帰ろうだなんて ねえ 姉さん 230 00:20:16,014 --> 00:20:21,019 本当だよ 1両を 10両にして 返そうと思ったのにさ 231 00:20:21,019 --> 00:20:24,022 本当 旦那ったら もう 欲がないんだから 232 00:20:24,022 --> 00:20:29,022 殺されてもいいのかい (六助)冗談じゃねえぜ 旦那 233 00:20:32,030 --> 00:20:34,032 なーる 234 00:20:34,032 --> 00:20:51,049 ・~ 235 00:20:51,049 --> 00:20:53,051 佐平次親分だ 236 00:20:53,051 --> 00:21:04,996 ・~ 237 00:21:04,996 --> 00:21:07,999 親分 (お千)佐平次 238 00:21:07,999 --> 00:21:10,001 どこです (新之介)佐平次親分 さまさまか 239 00:21:10,001 --> 00:21:13,004 (鈴の音) 240 00:21:13,004 --> 00:21:18,009 どうやら 敵が馬脚を現しやしたね これからが楽しみですぜ 241 00:21:18,009 --> 00:21:20,009 あっ 親分 (お千)佐平次! 242 00:21:26,017 --> 00:21:29,020 何? 千勢? (太兵衛)はい 243 00:21:29,020 --> 00:21:33,024 その千勢という女 何をしてる 244 00:21:33,024 --> 00:21:36,027 (太兵衛) わらじ作りをしておりまして・ 245 00:21:36,027 --> 00:21:40,031 問屋場の方にも 品物を入れております女で・ 246 00:21:40,031 --> 00:21:46,037 5年ほど前から この沼津の 宿外れに住んでおります 247 00:21:46,037 --> 00:21:52,043 5年前… 子供は いるか (太兵衛)はい 男の子が1人 248 00:21:52,043 --> 00:21:55,046 まさか あの千勢では 249 00:21:55,046 --> 00:22:00,051 千勢様 問屋場の話だと・ 250 00:22:00,051 --> 00:22:04,055 殺された旦那様の御遺骸は 供の衆と一緒に・ 251 00:22:04,055 --> 00:22:07,058 今日 宝泉寺に葬ることに なったそうでございます・ 252 00:22:07,058 --> 00:22:12,063 千勢様 旦那様とのお別れを 253 00:22:12,063 --> 00:22:15,063 これが最後でございます 254 00:22:20,071 --> 00:22:22,073 千勢様 255 00:22:22,073 --> 00:22:42,093 ・~ 256 00:22:42,093 --> 00:22:44,095 ・~ 257 00:22:44,095 --> 00:22:49,100 (読経) 258 00:22:49,100 --> 00:23:09,054 ・~ 259 00:23:09,054 --> 00:23:15,060 ・~ 260 00:23:15,060 --> 00:23:17,062 間違いない 261 00:23:17,062 --> 00:23:22,067 あの女は 死んだ倉之介と情を 通じ合ったと うわさのある女だ 262 00:23:22,067 --> 00:23:26,067 しかも 子供は 倉之介の子供だ 263 00:23:33,078 --> 00:23:35,080 太兵衛 あの2人を斬れ 264 00:23:35,080 --> 00:23:38,083 待て 弥五郎 斬るのは いつでも斬れる 265 00:23:38,083 --> 00:23:42,087 あの千勢という女が 何を知っているか 俺が探ってみる 266 00:23:42,087 --> 00:23:45,090 それまでは 手出しをするな 267 00:23:45,090 --> 00:23:50,090 御用金事件の直後だ 何事も慎重にせねばな 268 00:23:56,101 --> 00:23:58,036 何者だ 269 00:23:58,036 --> 00:24:18,056 ・~ 270 00:24:18,056 --> 00:24:29,067 ・~ 271 00:24:29,067 --> 00:24:31,069 (新之介)待て 272 00:24:31,069 --> 00:24:51,089 ・~ 273 00:24:51,089 --> 00:24:53,091 ・~ 274 00:24:53,091 --> 00:24:55,093 葵様 275 00:24:55,093 --> 00:24:59,030 あれほど 深入りするなと 申したのに困った人だ フフッ 276 00:24:59,030 --> 00:25:04,035 あっ あの お聞きしたいことが ほう 私にか 277 00:25:04,035 --> 00:25:08,039 はい 「さかとんぼ」とは何のことか ご存じですか? 278 00:25:08,039 --> 00:25:13,044 「さかとんぼ」? ああ 泉州堺で 作られている とんぼ玉のことだ 279 00:25:13,044 --> 00:25:15,046 とんぼ玉? (源八郎)うん? 280 00:25:15,046 --> 00:25:20,051 ああ ぎやまん玉ともいうがな ぎやまん玉? 281 00:25:20,051 --> 00:25:23,054 何に使うものなのですか? (新之介)うーん そうだな 282 00:25:23,054 --> 00:25:27,058 女なら かんざし玉 男なら たばこ入れか・ 283 00:25:27,058 --> 00:25:30,061 印籠の緒締めというところだな 印籠… 284 00:25:30,061 --> 00:25:33,064 それが どうかしたのか? あっ いえ 285 00:25:33,064 --> 00:25:38,069 実は 七曲りの崖で殺された お侍さんが息を引き取るときに・ 286 00:25:38,069 --> 00:25:42,073 千勢さんという方に さかとんぼと 伝えてくれと申されて 287 00:25:42,073 --> 00:25:46,077 ほう あの侍が… ええ 288 00:25:46,077 --> 00:25:50,081 なるほど お雪さん まあ 悪いことは言わん・ 289 00:25:50,081 --> 00:25:53,084 ほどほどにしといた方がいい なあ 源八さん 290 00:25:53,084 --> 00:25:56,084 (源八郎)うん うん? ああ… (新之介)アハハハッ 291 00:26:00,024 --> 00:26:02,024 印籠の緒締め… 292 00:26:10,034 --> 00:26:15,039 島崎様では… (堂馬)おう! 次助のじいさんか 293 00:26:15,039 --> 00:26:20,039 やっぱりそうか …で 千勢殿は おられるか? (次助)はい 294 00:26:25,049 --> 00:26:31,055 (堂馬) やあ! 千勢殿 久しいのう・ 295 00:26:31,055 --> 00:26:36,060 しかし こんな所に 千勢殿がおられるとは 296 00:26:36,060 --> 00:26:42,066 いや この度の西浦殿の不慮の死 297 00:26:42,066 --> 00:26:46,070 私も思ってもみなかった 慰めの言葉もない 298 00:26:46,070 --> 00:26:51,075 国元へ帰る途中 金谷の七里役所で 今度の事件を知ってな 299 00:26:51,075 --> 00:26:55,079 西浦殿とは 知らぬ仲ではなし 大目付様に申し出て・ 300 00:26:55,079 --> 00:27:00,018 急きょ 下手人を捕らえるために この地へやって来た 301 00:27:00,018 --> 00:27:04,022 七里役所の役人の申すには 野盗の仕業ということだが・ 302 00:27:04,022 --> 00:27:08,026 千勢殿 必ず下手人を挙げてみせる 303 00:27:08,026 --> 00:27:11,029 ・(粂太郎)母上! 304 00:27:11,029 --> 00:27:14,029 せみを捕りに行ってきます 305 00:27:16,034 --> 00:27:20,038 あの子が西浦殿との子供か よく似てる 306 00:27:20,038 --> 00:27:24,042 島崎様 何かの お間違いではございませんか 307 00:27:24,042 --> 00:27:30,048 粂太郎の父は あの子が生まれると すぐに病死いたしました 308 00:27:30,048 --> 00:27:34,048 (堂馬)千勢殿 私に 何も隠す必要はない 309 00:27:36,054 --> 00:27:41,059 私は あんたの味方だ 310 00:27:41,059 --> 00:27:45,063 5年前 西浦殿の子供を みごもって・ 311 00:27:45,063 --> 00:27:48,066 屋敷から姿を消したという 専らのうわさだ 312 00:27:48,066 --> 00:27:52,070 西浦様は そのような方ではございません 313 00:27:52,070 --> 00:27:55,073 人の口に 戸は 立てられぬことでございますが・ 314 00:27:55,073 --> 00:28:00,011 事実無根 根も葉もないことでございます 315 00:28:00,011 --> 00:28:05,016 粂太郎が 西浦様の子供などと とんでもないことです 316 00:28:05,016 --> 00:28:10,021 それでは 殺された西浦殿の敵を 討つつもりはないと申されるのか 317 00:28:10,021 --> 00:28:15,026 島崎様 私たちは このように 平穏に暮らしております 318 00:28:15,026 --> 00:28:21,032 どうぞ もう 私たちのことは 放っておいてくださいまし 319 00:28:21,032 --> 00:28:24,035 千勢様 320 00:28:24,035 --> 00:28:27,038 いや 突然伺って 無礼申した 321 00:28:27,038 --> 00:28:33,044 当分 七里役所にいるゆえ 何かあったら いつでも 322 00:28:33,044 --> 00:28:38,049 お目付様 つかぬことを お伺い申し上げますが・ 323 00:28:38,049 --> 00:28:42,053 御用金 3, 000両が 江戸に送られる日時を・ 324 00:28:42,053 --> 00:28:45,056 襲った野盗たちが なぜ 知っていたのでございましょうか 325 00:28:45,056 --> 00:28:49,060 野盗どものことだ 日時など 探ろうと思えば どうにでもなる 326 00:28:49,060 --> 00:28:51,062 お組頭様の御一行が 表街道ではなく・ 327 00:28:51,062 --> 00:28:54,065 裏道の道順を取ったということは きっと・ 328 00:28:54,065 --> 00:28:59,003 用心なされてのことと思います その裏道で襲われたということは 329 00:28:59,003 --> 00:29:02,006 それを調べるために 道中目付の私が来たんだ 330 00:29:02,006 --> 00:29:07,011 そんなことは よそ者の 貴様たちが知ることではない 331 00:29:07,011 --> 00:29:12,011 これは とんだ御無礼を お前様方は 何ということを! 332 00:29:14,018 --> 00:29:18,018 確か あの男の印籠は… 333 00:29:21,025 --> 00:29:25,029 (堂馬)あの女 何者か 少なくとも ただ者ではあるまい 334 00:29:25,029 --> 00:29:28,032 (太兵衛)正直に申しますと 千勢の所にいる2人ばかりか・ 335 00:29:28,032 --> 00:29:33,037 妙な浪人者も 滝蔵の賭場に 探りを入れに来ております 336 00:29:33,037 --> 00:29:36,040 浪人者? (弥五郎)お目付様 あるいは・ 337 00:29:36,040 --> 00:29:41,045 御用金の一件を探りに入った 公儀の者では ございますまいか 338 00:29:41,045 --> 00:29:43,047 (太兵衛) しかし 心配はいりません 339 00:29:43,047 --> 00:29:47,051 松五郎は ちゃんと始末をつけましたし・ 340 00:29:47,051 --> 00:29:49,053 それに 今 お聞きすれば・ 341 00:29:49,053 --> 00:29:52,056 千勢には 敵を討つ意志もないということで 342 00:29:52,056 --> 00:29:58,996 しかし そいつは分からん なかなかの女ゆえ 本音は見せまい 343 00:29:58,996 --> 00:30:01,999 こっちを油断させといて ひそかに探っているのかもしれん 344 00:30:01,999 --> 00:30:05,002 それは 考えられますな 345 00:30:05,002 --> 00:30:10,007 殊に 千勢の子供 粂太郎が 西浦倉之介の子供となれば・ 346 00:30:10,007 --> 00:30:13,010 あだ討ち願いを 国元に出すやもしれません 347 00:30:13,010 --> 00:30:19,016 倉之介の敵と 寝首を かかれるかもしれんな ハハハ… 348 00:30:19,016 --> 00:30:24,021 太兵衛 3, 000両は 大丈夫か (太兵衛)はい それは もう 349 00:30:24,021 --> 00:30:29,026 葵の御紋に包まれて 問屋場の中に ちゃーんと眠っております 350 00:30:29,026 --> 00:30:32,029 お七里様! 351 00:30:32,029 --> 00:30:34,031 ただいま 役所伝達の急な知らせにて・ 352 00:30:34,031 --> 00:30:37,034 大目付様が国元を発し 江戸に向かわれる途上にて・ 353 00:30:37,034 --> 00:30:39,036 こよいにも 沼津に到着の由にございます 354 00:30:39,036 --> 00:30:43,036 何! 大目付様が? (弥五郎)島崎様 355 00:30:46,043 --> 00:30:48,043 表を固めろ (弥五郎)はっ! 356 00:30:56,053 --> 00:30:57,989 (弥五郎)おい 逃がすな! (役人たち)はっ! 357 00:30:57,989 --> 00:30:59,991 (役人)捕らえい! (役人)はっ! 358 00:30:59,991 --> 00:31:02,994 (弥五郎たち)おっ! (新之介)無礼者! 何をする 359 00:31:02,994 --> 00:31:06,998 (弥五郎) おのれ! いやっ! ていっ! 360 00:31:06,998 --> 00:31:10,001 (新之介)貴様たち! わびも入れずに逃げる気か! 361 00:31:10,001 --> 00:31:13,004 どけい! 邪魔をすると ただおかんぞ! 362 00:31:13,004 --> 00:31:16,007 (弥五郎)おっ! (新之介)おい! 雑言無用だ! 363 00:31:16,007 --> 00:31:22,013 謝らぬうちは通さぬぞ (堂馬)待て! 364 00:31:22,013 --> 00:31:25,016 賊を追ってる 許せ! 365 00:31:25,016 --> 00:31:30,021 賊? そういえば 妙なやつが そっちの方へ逃げていったな 366 00:31:30,021 --> 00:31:33,024 急げ! (弥五郎たち)はっ! 367 00:31:33,024 --> 00:31:36,027 (鈴の音) (新之介)ばか!・ 368 00:31:36,027 --> 00:31:38,029 フフン 扱いやすい役人だ 369 00:31:38,029 --> 00:31:41,029 旦那 笑いごっちゃござんせんよ 370 00:31:57,048 --> 00:32:02,053 (新之介)「尾張藩 大目付 程なく 沼津に到着の由」 371 00:32:02,053 --> 00:32:05,056 すると 千勢さんは西浦家の? 372 00:32:05,056 --> 00:32:10,061 (次助) はい 奥仕えをしておられました 373 00:32:10,061 --> 00:32:16,067 私も一緒に お屋敷で下働きを 実を申しますと・ 374 00:32:16,067 --> 00:32:23,074 倉之介様と千勢様とは わりない仲だったのでございます・ 375 00:32:23,074 --> 00:32:28,079 ところが 5年前に 大旦那様が亡くなられまして・ 376 00:32:28,079 --> 00:32:31,082 倉之介様が跡目を継ぎ・ 377 00:32:31,082 --> 00:32:35,086 お勘定方 組頭職に 就かれましたときに・ 378 00:32:35,086 --> 00:32:41,086 千勢様は 御自分から身を引かれて お屋敷を去っていかれたのです 379 00:32:46,097 --> 00:32:51,097 (次助)そのときは もう 粂太郎様が おなかに… 380 00:32:53,104 --> 00:32:56,107 それで 倉之介様は・ 381 00:32:56,107 --> 00:33:00,044 身寄りのない千勢様の行く末を 案じられまして・ 382 00:33:00,044 --> 00:33:04,048 私をこの地に住まわせ 千勢様のお世話するようにと・ 383 00:33:04,048 --> 00:33:09,053 申されたのでございます そのとき以来 お二人は・ 384 00:33:09,053 --> 00:33:12,056 一度も お会いになったことが ないのでございます・ 385 00:33:12,056 --> 00:33:16,060 何度か そっと お会いしてはと 申したのですが・ 386 00:33:16,060 --> 00:33:22,066 その度に 千勢様は 私のような者がいると知れたら・ 387 00:33:22,066 --> 00:33:27,071 御出世なされた旦那様のお名に 傷が付くと申されまして 388 00:33:27,071 --> 00:33:31,075 倉之介様も 千勢様の誠に応えて・ 389 00:33:31,075 --> 00:33:37,081 生涯 奥方を めとらない お覚悟でございました 390 00:33:37,081 --> 00:33:42,086 その旦那様が 粂太郎様を一目見ることもなく・ 391 00:33:42,086 --> 00:33:45,089 あんなことに なってしまわれるとは 392 00:33:45,089 --> 00:33:51,095 世の中と申すものは 誠に むごいものでございますな 393 00:33:51,095 --> 00:34:11,048 ・~ 394 00:34:11,048 --> 00:34:31,068 ・~ 395 00:34:31,068 --> 00:34:44,081 ・~ 396 00:34:44,081 --> 00:34:46,081 千勢さん! 397 00:34:55,092 --> 00:34:58,028 (役人)何者だ! (新之介)怪しい者ではない! 398 00:34:58,028 --> 00:35:01,031 尾張藩 大目付 朝倉民部殿に お目通り願いたい! 399 00:35:01,031 --> 00:35:03,033 (役人たち)えい! おっ! 待たれい! 無礼者! 400 00:35:03,033 --> 00:35:05,035 怪しい者ではない! (役人たち)下がれい! 下がれい! 401 00:35:05,035 --> 00:35:07,035 ・(民部)何事だ! 402 00:35:11,041 --> 00:35:17,047 (民部)尾張藩 大目付 朝倉民部だ その方 何者だ! 403 00:35:17,047 --> 00:35:20,047 葵新之介にござる (民部)葵? 404 00:35:24,054 --> 00:35:29,059 これは 東照神君の御孫君で 405 00:35:29,059 --> 00:35:34,064 将軍家光公の名代 結城新之介です 406 00:35:34,064 --> 00:35:36,064 (民部)はー! (役人たち)はー! 407 00:35:40,070 --> 00:35:44,074 それでは あだ討ちを? はい 408 00:35:44,074 --> 00:35:46,074 やはり そうでしたか 409 00:35:50,080 --> 00:35:54,080 拝見しても よろしいのですか? はい 410 00:35:58,022 --> 00:36:02,022 「粂太郎儀 認知之事」 411 00:36:05,029 --> 00:36:09,033 寛永4年といえば 5年前・ 412 00:36:09,033 --> 00:36:13,037 すると 粂太郎さんが お生まれに なったときに この認知書を? 413 00:36:13,037 --> 00:36:20,044 はい 正直申しますと 倉之介様とお別れしたときから・ 414 00:36:20,044 --> 00:36:26,050 私は そっと 世間の片隅で 誰にも知られずに・ 415 00:36:26,050 --> 00:36:30,054 静かに生きようと決心したんです 416 00:36:30,054 --> 00:36:34,054 粂太郎のことも 私だけの子供として 417 00:36:36,060 --> 00:36:43,067 粂太郎は あの方が私に下さった たった一つの宝でございます・ 418 00:36:43,067 --> 00:36:49,073 あの子は 倉之介様に生き写しで・ 419 00:36:49,073 --> 00:36:53,077 私は 粂太郎を立派に 育て上げることが・ 420 00:36:53,077 --> 00:36:57,014 私の役目だと思っています 421 00:36:57,014 --> 00:37:02,019 いえ それが お情けを受けた倉之介様への・ 422 00:37:02,019 --> 00:37:05,022 私の心だと思っているのです 423 00:37:05,022 --> 00:37:11,028 私は 私の中だけに生きている 倉之介様を守って・ 424 00:37:11,028 --> 00:37:18,035 粂太郎を 狭い侍の世界だけでなく もっと広い もっと自由な・ 425 00:37:18,035 --> 00:37:22,039 自分の思いのままの世界に 生かしてやりたい 426 00:37:22,039 --> 00:37:28,045 それが 倉之介様のお心でもあると 思ってまいりました 427 00:37:28,045 --> 00:37:37,054 でも 倉之介様が亡くなられた今 お恨みを晴らすことが・ 428 00:37:37,054 --> 00:37:44,061 御恩を受けた私の道と思い そう決心したのでございます・ 429 00:37:44,061 --> 00:37:50,067 あなたから 倉之介様の御遺言の 「さかとんぼ」を聞いたとき・ 430 00:37:50,067 --> 00:37:54,071 敵は 島崎堂馬と分かりました・ 431 00:37:54,071 --> 00:37:57,007 ぎやまん玉の 緒締めをしているのは・ 432 00:37:57,007 --> 00:38:04,014 家中では あの人だけです でも 相手が島崎堂馬では… 433 00:38:04,014 --> 00:38:11,021 あの鋭い剣の… 万一 返り討ちにでも遭おうものなら・ 434 00:38:11,021 --> 00:38:16,026 粂太郎の全ては 一瞬にして失われてしまいます 435 00:38:16,026 --> 00:38:21,031 それを思うと 恐ろしさが先に立って 436 00:38:21,031 --> 00:38:25,035 千勢さん いつの世にも 必ず正しい者が勝ちます 437 00:38:25,035 --> 00:38:30,040 いいえ きっと 天が味方してくださいます 438 00:38:30,040 --> 00:38:35,045 心を しっかり持ってください この認知書さえあれば・ 439 00:38:35,045 --> 00:38:41,045 亡くなられた倉之介様の西浦家を 粂太郎さんが 跡目相続できます 440 00:38:43,053 --> 00:38:48,053 この認知書に添えて あだ討ち願いを申し出るのです 441 00:38:51,061 --> 00:38:56,066 及ばずながら 私も源八も 味方させていただきます 442 00:38:56,066 --> 00:38:59,003 お嬢様 負けてはなりません 443 00:38:59,003 --> 00:39:05,003 さあ 一刻も早く あだ討ち願いを はい 444 00:39:15,019 --> 00:39:17,021 何? 千勢が あだ討ち願いを 445 00:39:17,021 --> 00:39:22,026 はい ただいま留吉の知らせで (堂馬)くそー! 千勢のやつ… 446 00:39:22,026 --> 00:39:28,032 何とかせねばならん (弥五郎)島崎様 良いことが 447 00:39:28,032 --> 00:39:32,036 夜盗に襲われたとなれば 全ては それで 448 00:39:32,036 --> 00:39:38,042 夜盗か なるほど 太兵衛 手勢を集めろ 449 00:39:38,042 --> 00:39:42,042 大目付が来る前に 消さねばならん (太兵衛)はい 450 00:39:45,049 --> 00:39:47,049 六! (六助)へい 451 00:39:49,053 --> 00:39:51,055 こんだけありゃ 毎日 どんちゃん騒ぎでござんすね 452 00:39:51,055 --> 00:39:53,057 (佐平次) 減らず口たたくんじゃねえ 453 00:39:53,057 --> 00:40:08,005 ・~ 454 00:40:08,005 --> 00:40:11,008 これで おしめえですね 455 00:40:11,008 --> 00:40:13,010 (太兵衛)おう 留吉 (留吉)はい 456 00:40:13,010 --> 00:40:15,012 (太兵衛)滝蔵にいって お千勢の家を襲わせるんだ・ 457 00:40:15,012 --> 00:40:18,012 向こうで お七里様が指図をする (留吉)へい 458 00:40:20,017 --> 00:40:22,019 六! (六助)へい 459 00:40:22,019 --> 00:40:24,019 もう一つあるぜ (六助)はっ? 460 00:40:26,023 --> 00:40:31,023 おっ! うわっ! うおー! 461 00:40:48,045 --> 00:40:50,045 (足音) 462 00:40:56,053 --> 00:40:58,989 何者だ! (男性)おりゃー! 463 00:40:58,989 --> 00:41:19,009 ・~ 464 00:41:19,009 --> 00:41:21,011 ・~ 465 00:41:21,011 --> 00:41:23,013 (男性の叫び声) 466 00:41:23,013 --> 00:41:43,033 ・~ 467 00:41:43,033 --> 00:41:52,042 ・~ 468 00:41:52,042 --> 00:41:54,044 (弥五郎)とりゃ! あっ! 469 00:41:54,044 --> 00:41:56,044 はっ! あっ 470 00:41:58,048 --> 00:42:00,048 (弥五郎)うっ! 471 00:42:02,052 --> 00:42:07,057 はあ 葵様 (堂馬)何やつだ! 斬れ! 472 00:42:07,057 --> 00:42:27,077 ・~ 473 00:42:27,077 --> 00:42:47,097 ・~ 474 00:42:47,097 --> 00:43:07,050 ・~ 475 00:43:07,050 --> 00:43:25,068 ・~ 476 00:43:25,068 --> 00:43:28,068 やはり貴様か 477 00:43:32,075 --> 00:43:35,078 静まれ! 静まれ! (堂馬)大目付様 478 00:43:35,078 --> 00:43:40,083 島崎堂馬 その方 沼津七里役人 磯山弥五郎・ 479 00:43:40,083 --> 00:43:43,086 ならびに 問屋場 太兵衛と組み・ 480 00:43:43,086 --> 00:43:47,090 江戸送りの御用金 3, 000両を奪いしのみか・ 481 00:43:47,090 --> 00:43:53,096 勘定方組頭 西浦倉之介一行を 殺害せし罪状・ 482 00:43:53,096 --> 00:43:58,035 さるお方より 逐一聞き及んでいる 観念いたせい! 483 00:43:58,035 --> 00:44:02,039 誰がそのような! 大目付様 とんだ ぬれぎぬでございます 484 00:44:02,039 --> 00:44:04,039 私は 決して… 485 00:44:10,047 --> 00:44:15,052 ・(佐平次)その金は 島崎堂馬の 一味が奪った 御用金3, 000両だ 486 00:44:15,052 --> 00:44:19,056 何を言う! 貴様 何者だ! 姿を見せろ!・ 487 00:44:19,056 --> 00:44:23,060 大目付様 御用金を奪ったのは やつに違いありません 488 00:44:23,060 --> 00:44:26,060 弥五郎 捕らえろ ・(太兵衛)うわー! 489 00:44:29,066 --> 00:44:32,069 太兵衛 ・(佐平次)しらを切っても遅いぜ・ 490 00:44:32,069 --> 00:44:34,071 その男が みんな白状した 491 00:44:34,071 --> 00:44:41,078 島崎堂馬 ならびに七里役人 磯山弥五郎 神妙にいたせ! 492 00:44:41,078 --> 00:44:43,080 (一同)ははあ 493 00:44:43,080 --> 00:45:02,032 ・~ 494 00:45:02,032 --> 00:45:05,035 何て お礼申してよいのか 分かりません 495 00:45:05,035 --> 00:45:09,039 本当に ありがとうございました 496 00:45:09,039 --> 00:45:14,044 粂太郎さんが 西浦家の跡目を 継ぐことができて よかったですね 497 00:45:14,044 --> 00:45:19,049 きっと 倉之介様も 喜んでいられることでしょう はい 498 00:45:19,049 --> 00:45:23,053 次助さん 色々と 世話になりましたな お達者で 499 00:45:23,053 --> 00:45:25,053 ありがとうございます 500 00:45:30,060 --> 00:45:37,067 さようなら! さようなら! さようなら! 501 00:45:37,067 --> 00:45:39,069 全く ばかばかしいったら ありゃしねえやね 502 00:45:39,069 --> 00:45:41,071 せっかく 3, 000両 盗み出したのに・ 503 00:45:41,071 --> 00:45:43,073 これじゃあ くたびれもうけも いいとこですわい 504 00:45:43,073 --> 00:45:46,076 ああ 全くだよ! 私はね 今度 佐平次のやつに会ったらね・ 505 00:45:46,076 --> 00:45:49,079 本当 ただじゃおかないからね! 506 00:45:49,079 --> 00:45:52,082 (女性の鼻歌) (六助)うん? 507 00:45:52,082 --> 00:45:57,020 おっ! あのばあさん 賭場で もうけたやつですぜ (お千)ああ 508 00:45:57,020 --> 00:46:01,024 よーし 姉さん あっしは あのばあさんの懐 頂きですからね 509 00:46:01,024 --> 00:46:04,024 ちょいと待ってておくんなさいよ 510 00:46:07,030 --> 00:46:09,032 (六助)おいおい! それは 俺っちのじゃねえか 511 00:46:09,032 --> 00:46:11,034 (女性)何すんのよ くすぐったいじゃないか 512 00:46:11,034 --> 00:46:13,034 おえおえ 513 00:46:18,041 --> 00:46:20,043 ヒヒヒ… (六助)ヒヒヒ… 姉さん 姉さん・ 514 00:46:20,043 --> 00:46:24,047 このとおりでさ たんた たん… ざくざく ざくざく…って・ 515 00:46:24,047 --> 00:46:28,051 ごろごろ あっ? (お千)はあ? ちょっと 516 00:46:28,051 --> 00:46:32,055 (六助)うわっ! (お千)佐平次だよ! 517 00:46:32,055 --> 00:46:37,060 あの ばばあ 佐平次だよ! (六助)何 くそー! もう! 518 00:46:37,060 --> 00:46:42,065 <御用金強奪の からくりを 見事に暴いた葵の手札> 519 00:46:42,065 --> 00:46:47,070 <沼津を後に 東へ行けば やがて 難所の箱根山> 520 00:46:47,070 --> 00:46:49,072 <旅を行く身に 残暑が厳しい> 521 00:46:49,072 --> 00:46:54,077 <「雪姫隠密道中記」> 522 00:46:54,077 --> 00:47:14,030 ・~ 523 00:47:14,030 --> 00:47:34,050 ・~ 524 00:47:34,050 --> 00:47:54,070 ・~ 525 00:47:54,070 --> 00:48:14,024 ・~ 526 00:48:14,024 --> 00:48:25,024 ・~