1 00:00:05,606 --> 00:00:10,811 今宵 夢の本屋をめぐる冒険にご招待! 2 00:00:15,282 --> 00:00:20,954 世界には 訪れた人に 目くるめく 夢のような時間を与えてくれる➡ 3 00:00:20,954 --> 00:00:24,424 特別な本屋さんがあります。 4 00:00:24,424 --> 00:00:31,798 さあ ご一緒に そんな世界の すてきな書店を旅しましょう。 5 00:00:31,798 --> 00:00:35,302 と ちょっと その前に…。 6 00:00:37,304 --> 00:00:42,442 ここは 日本の小さな本屋さん。 7 00:00:42,442 --> 00:00:45,979 こだわりの品ぞろえが自慢なんですが➡ 8 00:00:45,979 --> 00:00:50,484 あんまりお客さんが来て下さらなくて。 9 00:00:52,319 --> 00:00:54,254 こんにちは。 10 00:00:54,254 --> 00:00:58,058 あら 珍しくお客さん。 11 00:01:00,594 --> 00:01:02,629 だから クビって言ったよね? 12 00:01:02,629 --> 00:01:06,633 ですから もうちょっと冷静に考えて下さい。 13 00:01:08,335 --> 00:01:10,270 店長。 14 00:01:10,270 --> 00:01:17,411 彼女は この本屋の店長で 私の孫。 15 00:01:17,411 --> 00:01:21,949 店長。 彼は クビになりかけのバイトさん。 16 00:01:21,949 --> 00:01:25,419 僕がクビになったら この店 回らなくなるんです。 17 00:01:25,419 --> 00:01:28,288 経営状況をよくする方法を考えましょう。 18 00:01:28,288 --> 00:01:30,490 ええっ!? 19 00:01:34,795 --> 00:01:37,497 帰ってきて下さ~い! 20 00:01:41,969 --> 00:01:45,806 あなたも しつこいね。 21 00:01:45,806 --> 00:01:47,741 よし。 ハッキリ言う。 22 00:01:47,741 --> 00:01:51,678 あなたをクビにする理由は 本屋性の違いです。 23 00:01:51,678 --> 00:01:56,316 ほんやせいのちがい? 24 00:01:56,316 --> 00:01:59,653 バイトさんが思う この店の問題点って 何? 25 00:01:59,653 --> 00:02:06,460 そりゃ だから 世界中の本が 言語も 年代も作者も バラバラで置かれていて➡ 26 00:02:06,460 --> 00:02:11,264 どの本も ほかの本屋にないところですかね。 27 00:02:11,264 --> 00:02:14,101 ほう~! 28 00:02:14,101 --> 00:02:18,939 確かに一部は そういうとがった ラインナップでも いいと思うんですけど➡ 29 00:02:18,939 --> 00:02:24,611 もう少し 親しみのある本を置くとか… あと 雑誌を置かないのは 論外ですね。 30 00:02:24,611 --> 00:02:28,281 全部間違ってる! 31 00:02:28,281 --> 00:02:32,152 そもそも雑誌と漫画の売り上げに 頼り切ったツケが回ってきたのが➡ 32 00:02:32,152 --> 00:02:36,423 今の出版不況! 若者の読書離れ? 違うね。 33 00:02:36,423 --> 00:02:41,128 本が売れないのは 出版社と本屋が 本をないがしろに扱ってきた報い。 罰。 34 00:02:41,128 --> 00:02:43,063 因果応報。 35 00:02:43,063 --> 00:02:47,000 雑誌に 親でも殺されたんですか? 36 00:02:47,000 --> 00:02:51,304 どこの本屋も生き残るために 必死に考えてるんです。 誰も悪くない。 37 00:02:51,304 --> 00:02:57,177 今じゃ 雑誌の情報は ネットで手に入る。 漫画も スマホで読める。 38 00:02:57,177 --> 00:03:00,747 これじゃ読めない本に価値があるの! 39 00:03:00,747 --> 00:03:02,683 電子書籍だってありますが。 40 00:03:02,683 --> 00:03:06,386 ここに置いてある本は どれも電子書籍化されてません。 41 00:03:06,386 --> 00:03:08,755 そこまでマイナーとは…。 42 00:03:08,755 --> 00:03:11,391 いい本に マイナーもメジャーもない! 43 00:03:11,391 --> 00:03:16,096 私は おばあちゃんが いいと思った本と 私が いいと思った本しか置かない。 44 00:03:16,096 --> 00:03:20,267 分からない人は 帰って 結構! 45 00:03:20,267 --> 00:03:25,105 これのおかげで 決意が固まった。 46 00:03:25,105 --> 00:03:29,409 申し遅れました。 私 店長の死んだ祖母。 47 00:03:29,409 --> 00:03:34,114 世界の夢の本屋をめぐった思い出を 書き残したんです。 48 00:03:34,114 --> 00:03:37,617 ここに出てくる本屋を 私は目指す。 49 00:03:40,987 --> 00:03:47,127 これ 店長のおばあ様が 世界中の本屋を めぐって書いた記録でしたっけ? 50 00:03:47,127 --> 00:03:49,629 うん。 だから 何? 51 00:03:49,629 --> 00:03:52,299 これ 「1」って書いてあるし➡ 52 00:03:52,299 --> 00:03:55,302 「2」もあるんじゃないですか? 探してみましょうよ。 53 00:03:55,302 --> 00:03:58,605 もしあったら 私の気が変わるかもしれないから? 54 00:04:02,743 --> 00:04:05,078 失礼します。 55 00:04:05,078 --> 00:04:24,931 ♬~ 56 00:04:24,931 --> 00:04:29,603 あっ あった! ありました! フフッ またまた…。 57 00:04:29,603 --> 00:04:33,273 ほら! 「2」! 58 00:04:33,273 --> 00:04:36,977 えっ!? 59 00:04:39,613 --> 00:04:43,917 あ~ 今度は 中国か! 60 00:04:50,123 --> 00:04:54,828 それでは 夢の本屋へ出かけましょう。 61 00:04:56,429 --> 00:05:04,638 「夢の本屋をめぐる冒険」。 第二章は 中国・南京の書店を訪ねます。 62 00:05:07,073 --> 00:05:10,577 ここからは 本好きの 千葉君 麦ちゃんにも➡ 63 00:05:10,577 --> 00:05:14,781 役を離れて 一緒にVTRを見てもらいましょう! 64 00:05:21,087 --> 00:05:25,258 古くから水の恩恵を受けて発展した この街は➡ 65 00:05:25,258 --> 00:05:30,931 長い間 政治や文化の中心地だったの。 66 00:05:30,931 --> 00:05:34,935 歴史の風情が感じられるでしょう? 67 00:05:37,103 --> 00:05:44,611 そして 今は 中国南部を代表する 巨大都市でもある。 68 00:05:44,611 --> 00:05:48,949 その中心部に 私が どうしても来てみたかった➡ 69 00:05:48,949 --> 00:05:52,285 憧れの場所があるの。 70 00:05:52,285 --> 00:05:54,788 それが ここよ。 71 00:05:54,788 --> 00:05:59,292 地下に広がる この空間。 72 00:05:59,292 --> 00:06:02,562 そう 本屋さんなの! 73 00:06:02,562 --> 00:06:05,565 オシャレ! うっそ! 74 00:06:07,234 --> 00:06:10,237 えっ! 75 00:06:10,237 --> 00:06:14,107 世界の有力メディアで絶賛され➡ 76 00:06:14,107 --> 00:06:17,744 「私の美しい恋人」なんて愛称でも➡ 77 00:06:17,744 --> 00:06:20,080 親しまれているんですって。 78 00:06:20,080 --> 00:06:22,749 広っ! ねっ! 79 00:06:22,749 --> 00:06:31,258 開店すると たちまち 大勢のお客さんで大にぎわい。 80 00:06:31,258 --> 00:06:36,563 皆さんが夢中で撮影しているのは…。 81 00:06:38,598 --> 00:06:45,272 店のシンボルともいえる 大きな十字架のオブジェね。 82 00:06:45,272 --> 00:06:48,174 若い人たちにも大人気。 83 00:06:48,174 --> 00:06:52,412 ウエディングの撮影スポットにも なってる。 84 00:06:52,412 --> 00:06:56,783 でも 確かに 全然 あれだね。 全然っていうか むしろ美しいね。 85 00:06:56,783 --> 00:06:59,286 何か この本屋さんで結婚式の写真 すごい いいね。 86 00:06:59,286 --> 00:07:01,221 すてきだね。 すてき。 87 00:07:01,221 --> 00:07:05,225 お客さんは 思い思いに本を手に取り➡ 88 00:07:05,225 --> 00:07:09,896 好きなだけ読むことができるの。 89 00:07:09,896 --> 00:07:15,201 みんな この空間が とっても気に入ってるようね。 90 00:07:16,770 --> 00:07:21,908 店内で イベントが開催される日には…➡ 91 00:07:21,908 --> 00:07:24,244 長蛇の列が! 92 00:07:24,244 --> 00:07:27,080 もう 何か テーマパークみたいだね。 うん。 93 00:07:27,080 --> 00:07:29,382 (拍手) 94 00:07:29,382 --> 00:07:38,391 この人 毎年ノーベル文学賞候補にも 名前が挙がる世界的詩人なのよ。 95 00:07:38,391 --> 00:07:41,094 うわ~ すごいにぎわい。 96 00:07:41,094 --> 00:07:45,598 ♬~ えっ!?え~ ライブ? 97 00:07:45,598 --> 00:07:51,938 こうした朗読会やライブが 頻繁に行われているんですって。 98 00:07:51,938 --> 00:07:54,407 それは 盛り上がるだろうな。 99 00:07:54,407 --> 00:07:57,610 全ての仕掛け人は この人。 100 00:07:57,610 --> 00:08:01,047 創業者の銭小華さん。 101 00:08:01,047 --> 00:08:06,853 その哲学は 「単に本を 売り買いするだけではない➡ 102 00:08:06,853 --> 00:08:13,360 文化を楽しむための場所を作る」 なんですって。 103 00:08:13,360 --> 00:08:17,230 先鋒書店は 公共図書館のようなもの。 104 00:08:17,230 --> 00:08:22,902 市民が読書と文化を 楽しむことができる場所です。 105 00:08:22,902 --> 00:08:25,372 図書館って 「としょかん」って言うんだね。 106 00:08:25,372 --> 00:08:28,742 そんなやり方じゃ 商売にならないって? 107 00:08:28,742 --> 00:08:30,677 ノン ノン! 108 00:08:30,677 --> 00:08:36,916 銭さんは 現在 中国全土で 15の店舗を展開する➡ 109 00:08:36,916 --> 00:08:39,919 カリスマ経営者なのよ。 110 00:08:41,755 --> 00:08:46,059 実は この人 大変な苦労人。 111 00:08:49,929 --> 00:08:53,266 ひどい近視のせいで 黒板の字が読めず➡ 112 00:08:53,266 --> 00:08:57,137 中学すら出ていないんです。 113 00:08:57,137 --> 00:09:03,076 親に家を追い出され 叔父の家に預けられました。 114 00:09:03,076 --> 00:09:07,547 そこには 本が たくさんありました。 115 00:09:07,547 --> 00:09:12,352 私は 本と出会い 夢中になったんです。 116 00:09:12,352 --> 00:09:16,890 大好きな本で 商売がしたい。 117 00:09:16,890 --> 00:09:22,228 銭さんは 扉もない たった4坪の本屋を開いたの。 118 00:09:22,228 --> 00:09:25,432 すごいね…。 119 00:09:35,775 --> 00:09:38,778 お客さんを 一人でも多く受け入れたくて➡ 120 00:09:38,778 --> 00:09:42,282 夜が更けても 店を開けていました。 121 00:09:44,083 --> 00:09:48,755 そんな思いとは裏腹に 客足は伸びず➡ 122 00:09:48,755 --> 00:09:54,627 開業8年で すっかり行き詰まってしまった。 123 00:09:54,627 --> 00:09:59,933 店を畳み 自殺まで考えた銭さん。 124 00:09:59,933 --> 00:10:04,270 その日 帰りのタクシーで泣いていると➡ 125 00:10:04,270 --> 00:10:09,142 運転手さんが こんな言葉をかけてくれた。 126 00:10:09,142 --> 00:10:14,280 何があったかは 知らないが あなたは いい人だと思うから➡ 127 00:10:14,280 --> 00:10:16,616 心おきなく泣きなさい。 128 00:10:16,616 --> 00:10:19,419 泣き終わるまで運転するから。 129 00:10:19,419 --> 00:10:23,790 そんなこと言われたら 泣いちゃうよね。何 その話…。 130 00:10:23,790 --> 00:10:28,628 そのひと言に 救われたというわ。 131 00:10:28,628 --> 00:10:31,431 開き直った銭さんは➡ 132 00:10:31,431 --> 00:10:35,935 もっと いい本屋を作ってやると 決心したそうよ。 133 00:10:37,804 --> 00:10:40,139 そして 中国全土から➡ 134 00:10:40,139 --> 00:10:43,977 捨てられそうになっていた 価値のある本を かき集め➡ 135 00:10:43,977 --> 00:10:47,814 見事 復活することができたの。 136 00:10:47,814 --> 00:10:50,450 商売が軌道に乗り始めると➡ 137 00:10:50,450 --> 00:10:54,821 銭さんは 世界各国の本屋を 視察するようになったそう。 138 00:10:54,821 --> 00:11:00,260 そこでの出会いから 大きなヒントを得たんですって。 139 00:11:00,260 --> 00:11:03,963 それが 銭さんの経営哲学。 140 00:11:07,600 --> 00:11:10,303 …というものだったの。 141 00:11:11,938 --> 00:11:13,973 それで このお店が➡ 142 00:11:13,973 --> 00:11:19,679 こんなに大勢の人たちで にぎわうようになったのね。 143 00:11:23,416 --> 00:11:27,120 誰もが訪れたいと思う 場所にしようと➡ 144 00:11:27,120 --> 00:11:32,625 デザイナーも呼んで 店内を常に進化させているわ。 145 00:11:34,427 --> 00:11:39,132 都市は 生活リズムが速く ストレスも多いので➡ 146 00:11:39,132 --> 00:11:42,035 癒やされるスペースが必要です。 147 00:11:42,035 --> 00:11:46,639 空間演出 陳列 読者の体験など➡ 148 00:11:46,639 --> 00:11:50,944 さまざまな要素を考えて デザインしています 149 00:11:55,648 --> 00:11:59,319 空間を生かすのがデザインの要。 150 00:11:59,319 --> 00:12:02,221 床のあちこちに引かれた線は➡ 151 00:12:02,221 --> 00:12:08,027 ここが もともと どんな場所だったかの 名残なんだけど 分かるかしら? 152 00:12:08,027 --> 00:12:09,963 駐車場? 駐…。 ねっ。 153 00:12:09,963 --> 00:12:16,269 そう 巨大な地下駐車場の跡地だったの! 154 00:12:16,269 --> 00:12:22,141 裏側の通用口に回ると 古い頑丈な扉。 155 00:12:22,141 --> 00:12:26,779 駐車場になる前は 防空ごうだったんですって! 156 00:12:26,779 --> 00:12:29,282 驚きね! 157 00:12:33,286 --> 00:12:35,955 いや 本当だね。 158 00:12:35,955 --> 00:12:42,762 こうした積み上げられてきた時間も 魅力の一つなのね~! 159 00:12:45,632 --> 00:12:48,968 人が多くても ここに座っていると➡ 160 00:12:48,968 --> 00:12:54,841 心を落ち着かせて 本を読むことができます。 161 00:12:54,841 --> 00:13:00,246 おや? こちらは… 葉書。 162 00:13:00,246 --> 00:13:05,385 紙と手書きの文字という あえて懐かしい方法で➡ 163 00:13:05,385 --> 00:13:10,590 メッセージを送ることができるのね。 164 00:13:10,590 --> 00:13:15,395 地元の友達に 別の場所の人として 手紙を送るんです。 165 00:13:15,395 --> 00:13:22,101 ほかのお客さんに向けた言葉を 残していく人も多いんですって。 166 00:13:22,101 --> 00:13:24,404 え~! 167 00:13:29,776 --> 00:13:34,947 あ~! すげえ! え~! ええ~! 何? これ! 168 00:13:34,947 --> 00:13:39,786 お客さんに いろいろな楽しみも提供してくれる➡ 169 00:13:39,786 --> 00:13:42,288 先鋒書店。 170 00:13:42,288 --> 00:13:45,792 そんな中で 大人気のコーナーが こちら。 171 00:13:45,792 --> 00:13:47,727 盲選です。 172 00:13:47,727 --> 00:13:53,533 どんな本が入っているか分からない いわば 本の福袋ね。 173 00:13:53,533 --> 00:13:58,504 え~! え~ 福袋だ。 本当に。 174 00:13:58,504 --> 00:14:00,440 えっ これ 楽しそう! 175 00:14:00,440 --> 00:14:04,243 親友にプレゼントするんです。 176 00:14:04,243 --> 00:14:08,381 何が入っているか分からないから 面白いと思います。 177 00:14:08,381 --> 00:14:11,918 そうだね。すごい…。 それはそれで面白いかもね。 178 00:14:11,918 --> 00:14:15,388 確かに プレゼントにもよさそうね。 179 00:14:15,388 --> 00:14:19,592 こっちには 親子連れのお客さん。 180 00:14:21,928 --> 00:14:24,397 娘が直接選びました。 181 00:14:24,397 --> 00:14:27,600 ふだんは オンラインで 本を買っていますが➡ 182 00:14:27,600 --> 00:14:32,772 娘が 直接選ぶので より意味があると思います。 183 00:14:32,772 --> 00:14:35,808 いや~ そうだよね。 そうなんだよね~ 本当にね~。 184 00:14:35,808 --> 00:14:40,279 何でもオンラインで買える 今だからこそ➡ 185 00:14:40,279 --> 00:14:45,952 かえってお店で買うというのが 新鮮なのね! 186 00:14:45,952 --> 00:14:52,759 さて 先鋒書店の ほかの支店も のぞいてみましょう。 187 00:14:56,295 --> 00:15:01,734 この店は かつて 政治指導者たちが集まった➡ 188 00:15:01,734 --> 00:15:05,738 歴史的な建物にあるの。 189 00:15:10,443 --> 00:15:13,346 世界史の教科書でおなじみの➡ 190 00:15:13,346 --> 00:15:16,849 孫文の本も置いてあるわね。 191 00:15:22,588 --> 00:15:26,926 ここは 観光として来ても 新鮮だと思います。 192 00:15:26,926 --> 00:15:32,265 ほかの観光地とは違う楽しみが ありますから。 193 00:15:32,265 --> 00:15:36,135 こういう場所で読むと また違う 何かこう 気持ちでさ➡ 194 00:15:36,135 --> 00:15:40,606 受け取り方も変わりそうだよね。 確かに。 195 00:15:40,606 --> 00:15:46,112 明の時代の古い街並みが残るエリアにある 支店。 196 00:15:48,948 --> 00:15:56,122 その昔 中国の秀才たちを えりすぐるために行われた試験➡ 197 00:15:56,122 --> 00:16:02,929 科挙を受験する貴族たちが 宿泊していた施設なんですって。 198 00:16:04,564 --> 00:16:08,234 日ざしを受ける天窓や➡ 199 00:16:08,234 --> 00:16:12,104 繊細で華やかな木彫り細工など➡ 200 00:16:12,104 --> 00:16:18,244 500年もの時を刻む建築が 生かされているわ。 201 00:16:18,244 --> 00:16:21,581 昔のエリートたちが 勉強した場所なら➡ 202 00:16:21,581 --> 00:16:25,384 やる気も出るわよね。 行きたいね。 203 00:16:28,087 --> 00:16:34,594 読書に加え 文化や歴史も大切にする 先鋒書店。 204 00:16:34,594 --> 00:16:40,266 地元の人たちが 美しい恋人と呼んで 自慢する気持ち➡ 205 00:16:40,266 --> 00:16:43,569 分かる気がするわ。 206 00:16:48,007 --> 00:16:51,410 本屋さんとしてだけじゃなくて➡ 207 00:16:51,410 --> 00:16:55,781 人が集まって リラックスできる場所でもあり➡ 208 00:16:55,781 --> 00:16:58,684 イベントとかが できる場所でもあり➡ 209 00:16:58,684 --> 00:17:02,555 そうすると やっぱ 本に興味ない人も たくさん集まってくる。 210 00:17:02,555 --> 00:17:06,058 で そういう人が イベント見に来て 「あっ 本屋さんだから➡ 211 00:17:06,058 --> 00:17:08,561 ちょっと 本 見に行こうかな」とかって 言って➡ 212 00:17:08,561 --> 00:17:11,063 そこで 何かいい出会いがあったりとか。 確かにね。 213 00:17:11,063 --> 00:17:14,567 そういうきっかけが たくさんある場所を作ってらっしゃる。 214 00:17:14,567 --> 00:17:17,370 すごく何か いいなと思いました。 ねっ。 215 00:17:17,370 --> 00:17:19,739 すっごい広い…。 ねっ。 216 00:17:19,739 --> 00:17:23,376 あの駐車場 すごかったですよね。 ねっ。 あの線が ちゃんと残ってて➡ 217 00:17:23,376 --> 00:17:27,914 で 教会も 教会というかね 十字架もあって。 すてきだった。 218 00:17:27,914 --> 00:17:30,583 あと 何かこう 文字だったり 本に対して➡ 219 00:17:30,583 --> 00:17:34,453 すごく情熱を ずっと持ち続けてる人だから➡ 220 00:17:34,453 --> 00:17:38,457 その熱量みたいなのが やっぱ伝わって… 一回ね 挫折みたいなのをされたけど➡ 221 00:17:38,457 --> 00:17:42,929 また そこから おんなじ本で チャレンジするっていうのが…。 222 00:17:42,929 --> 00:17:48,401 余計に思いも強くなるだろうしね。 それもすてきだなと思いましたね。 223 00:17:48,401 --> 00:17:50,469 これ いいよね。 これ すごくいいと思う。 224 00:17:50,469 --> 00:17:54,941 ねっ。 プレゼントっていうのも またさ 面白いしさ。うんうんうん。 225 00:17:54,941 --> 00:17:58,778 ちょっと何かね あの…。 ドキドキしちゃうけど。 226 00:17:58,778 --> 00:18:00,713 でも あの 何だろうな➡ 227 00:18:00,713 --> 00:18:04,216 「私が好きな本だから」って もらうのも すごくうれしいけど➡ 228 00:18:04,216 --> 00:18:10,556 でもさ あげる方としては 自分の好みを 何か…➡ 229 00:18:10,556 --> 00:18:12,892 「ちょっと押しつけがましいかな」みたいな 気持ちも➡ 230 00:18:12,892 --> 00:18:14,827 ちょっと あったりするじゃない。 確かに。 231 00:18:14,827 --> 00:18:19,065 そういう時に 「でも 本はプレゼントしたいな」っていう時に➡ 232 00:18:19,065 --> 00:18:23,369 何が入ってるか分かんない お楽しみの本をプレゼントするっていう➡ 233 00:18:23,369 --> 00:18:26,906 ある意味 こう カジュアルさじゃないけど➡ 234 00:18:26,906 --> 00:18:29,942 そういうのがあるのは すごく いいですよね。 いいよね。 235 00:18:29,942 --> 00:18:33,679 あれ ちょっと やりたいな。 ねっ いいですね すごい。 236 00:18:33,679 --> 00:18:37,917 何が入ってたか ちょっとね。 お楽しみでね。 237 00:18:37,917 --> 00:18:40,753 また それ読んで面白かったら 貸してもらったりとかね。 238 00:18:40,753 --> 00:18:43,589 そうだよね。 239 00:18:43,589 --> 00:18:46,258 それ いいね。いいね。 盲選 すごい いいですね。 240 00:18:46,258 --> 00:18:49,095 あげたことあります? 誰かに。 うん 本はある。 241 00:18:49,095 --> 00:18:51,397 あっ 本当? でも 何か 同じ本 返ってきた時ある。 242 00:18:51,397 --> 00:18:53,332 えっ どういうこと? 243 00:18:53,332 --> 00:18:57,603 何か… 何だっけかな 学生時代か何かに➡ 244 00:18:57,603 --> 00:19:01,340 自分が上京するみたいな時だったのかな そん時に 本をもらったことがあって➡ 245 00:19:01,340 --> 00:19:05,211 で 自分も何か贈りたいと思ったら それも贈り… 同じ本を。 246 00:19:05,211 --> 00:19:07,146 すごい それもすごいね。 そう。 247 00:19:07,146 --> 00:19:11,884 本ってさ すごい性格とか好みとか めちゃめちゃ出るじゃない? 248 00:19:11,884 --> 00:19:15,221 それで 同じ本って 何かあれだね シンパシー感じちゃうね。 249 00:19:15,221 --> 00:19:17,423 ちょっと シンパシー感じるね そう。 250 00:19:24,363 --> 00:19:31,137 何か 小学生の頃 国語の宿題で 本読みっていうの ありませんでした? 251 00:19:31,137 --> 00:19:34,373 ああ あった あった。 ねっ。 あれが すごい好きで。 252 00:19:34,373 --> 00:19:38,244 国語の教科書を 例えば お母さんだったり お父さんだったりとかに➡ 253 00:19:38,244 --> 00:19:41,247 聞いてもらって はんこを押してもらって 持ってくんだけど➡ 254 00:19:41,247 --> 00:19:44,250 それが 何か やっぱ ちょっと引きずってて。 255 00:19:49,755 --> 00:19:52,792 でも ほら 通じてる…。 256 00:19:52,792 --> 00:19:55,628 通じてるものはあるじゃない。 そうだね でも➡ 257 00:19:55,628 --> 00:19:58,931 だから それこそ 麦ちゃんに 今日 話したけど➡ 258 00:19:58,931 --> 00:20:04,603 寝れない時に 最近 こう 朗読をして寝るようにしてるって言って。 259 00:20:04,603 --> 00:20:07,506 結構 だから ちっちゃい頃から そういうのは続いてて。 260 00:20:07,506 --> 00:20:09,475 で それも 多分 お母さんとかに 何か➡ 261 00:20:09,475 --> 00:20:12,344 「あんた上手ね」って褒められたような 記憶もあって。 262 00:20:12,344 --> 00:20:16,282 そういうの残ってんのかもしれない。 いや 絶対 残ってると思う。 263 00:20:16,282 --> 00:20:19,118 私も でも やっぱり 両親が➡ 264 00:20:19,118 --> 00:20:23,989 子どもの頃ずっと 読み聞かせをする… 寝る前とかにしてくれて。 265 00:20:23,989 --> 00:20:27,626 それも いわゆる ちっちゃい頃でも➡ 266 00:20:27,626 --> 00:20:29,962 ちっちゃい子向けの絵本とかじゃなくて➡ 267 00:20:29,962 --> 00:20:35,134 「巌窟王」とか「長くつ下のピッピ」とか➡ 268 00:20:35,134 --> 00:20:39,638 あの 普通に大人が読んでも楽しい絵本を 読んでくれてて。 269 00:20:39,638 --> 00:20:44,310 だから やっぱ 本に 自分で読む… スピードが速かったと思う。 270 00:20:44,310 --> 00:20:48,147 やっぱ 両親のおかげだと思って。 だから 小学校の時とか➡ 271 00:20:48,147 --> 00:20:51,183 本当に 図書館の本 全部 読んだんじゃないかっていうぐらい➡ 272 00:20:51,183 --> 00:20:53,953 ずっと本読んでて 授業中も ずっと こうやって 下で。 273 00:20:53,953 --> 00:20:57,823 そうなんだ。 でも それこそ 何か➡ 274 00:20:57,823 --> 00:21:01,694 授業中に本読んだり 教科書読んだりとかする時とかも➡ 275 00:21:01,694 --> 00:21:06,265 私も やっぱり 先生に「上手だね」って言われたことは➡ 276 00:21:06,265 --> 00:21:08,934 何となく この仕事を今してるのに➡ 277 00:21:08,934 --> 00:21:11,937 微妙に通じてるかもしれない。 あ~。 278 00:21:19,945 --> 00:21:24,116 先鋒書店の創業者 銭さんは 今➡ 279 00:21:24,116 --> 00:21:30,790 田舎にも支店を開き 村おこしに つなげようとしているの。 280 00:21:30,790 --> 00:21:36,095 この日 訪れたのは 雲南省のとある村。 281 00:21:37,663 --> 00:21:43,302 かつては 中国のお茶と チベットの馬を交換する行路➡ 282 00:21:43,302 --> 00:21:47,806 茶馬古道の宿場町として栄えた この村も➡ 283 00:21:47,806 --> 00:21:52,011 今では すっかり寂れてしまっている。 284 00:21:53,679 --> 00:21:57,516 貧しいお茶農家に生まれた銭さんは➡ 285 00:21:57,516 --> 00:22:03,222 田舎に対して 強い思い入れがあるというわ。 286 00:22:06,926 --> 00:22:13,265 毎日遅くまで畑仕事をしていた 銭さんのお母さんは➡ 287 00:22:13,265 --> 00:22:20,039 親孝行する間もなく 亡くなってしまったそう。 288 00:22:20,039 --> 00:22:28,347 そのためか 田舎のおばあさんに会うと どうしても声をかけてしまうんですって。 289 00:22:31,116 --> 00:22:36,121 農村こそ 中国文化の起源だと思います。 290 00:22:38,791 --> 00:22:44,430 住民が減っていく田舎に 自分の店を開くことで➡ 291 00:22:44,430 --> 00:22:50,970 人々が戻ってくるようになればと考える 銭さん。 292 00:22:50,970 --> 00:22:55,641 廃虚同然の古い学校の建物を改修し➡ 293 00:22:55,641 --> 00:23:01,347 本屋に生まれ変わらせようと 考えてるんですって。 294 00:23:02,915 --> 00:23:10,389 古い松の木と寺院があって 景観がとてもきれいですね。 295 00:23:10,389 --> 00:23:14,260 ここに出店することで 訪れる人々が➡ 296 00:23:14,260 --> 00:23:22,001 歴史と文化と景色を感じてくれればと 思います。 297 00:23:22,001 --> 00:23:27,273 銭さんが田舎の村に作った 別のお店がオープンしたみたい。 298 00:23:27,273 --> 00:23:30,109 見に行ってみましょう。 299 00:23:30,109 --> 00:23:35,614 人里離れた山奥にある陳家鋪村。 300 00:23:35,614 --> 00:23:40,486 標高900mに位置する 貧しい村です。 301 00:23:40,486 --> 00:23:48,961 若者の多くが出ていき 全人口が 100人にも満たない村のはずだけど➡ 302 00:23:48,961 --> 00:23:54,300 見て! とっても にぎわっている。 303 00:23:54,300 --> 00:24:03,609 かつての村の公民館を改修しオープンした 先鋒書店14番目の支店。 304 00:24:06,378 --> 00:24:13,585 このお店のおかげで 観光客も増え 寂れていた村に 活気が戻ってきたの。 305 00:24:15,120 --> 00:24:20,926 ここも 古い建物の風情を生かして オシャレだわ~。 306 00:24:42,948 --> 00:24:47,653 なんと この村の村長さんも働いているの。 307 00:24:49,288 --> 00:24:55,094 この店 最高齢の書店員さんなんですって。 308 00:24:56,962 --> 00:25:04,069 去年の春節に 銭さんが来て 本屋で働いてほしいと言ってきたんです。 309 00:25:04,069 --> 00:25:12,378 私は 年寄りだからと遠慮したんですが どうしてもと お願いされたんですよ。 310 00:25:16,248 --> 00:25:19,585 本屋を目指して ほかの村から➡ 311 00:25:19,585 --> 00:25:23,789 子どもたちも やって来るようになったのよ。 312 00:25:28,260 --> 00:25:35,467 この9歳のモクヨウちゃんも バスで 2時間かけて通ってきているの。 313 00:25:38,404 --> 00:25:43,609 ローマ神話に夢中になっている モクヨウちゃん。 314 00:25:43,609 --> 00:25:48,414 その将来の夢はというと…。 315 00:25:48,414 --> 00:25:52,284 私 ハーバード大学に行きたいの! 316 00:25:52,284 --> 00:25:57,956 本屋が子どもの夢を育むなんて すてきねぇ。 317 00:25:57,956 --> 00:26:04,763 創業者の情熱から始まった 中国の夢の本屋。 318 00:26:04,763 --> 00:26:08,367 大きな街から小さな村まで。 319 00:26:08,367 --> 00:26:14,907 みんなが文化を楽しめる場所に なれればいいわねぇ。 320 00:26:14,907 --> 00:26:20,079 小さな村の本屋から大型書店まで。 321 00:26:20,079 --> 00:26:24,950 店長 個性とメジャーは 両立できるんですよ うん。 322 00:26:24,950 --> 00:26:28,253 あっ あと オシャレも。 フフッ。 323 00:26:28,253 --> 00:26:32,124 これで 少しは気持ちが変わったかしら。 324 00:26:32,124 --> 00:26:36,395 やめるべきは 私の方だったんですね。 325 00:26:36,395 --> 00:26:39,198 えっ? えっ? 326 00:26:41,934 --> 00:26:44,970 このお店 バイトさんに譲ります。 327 00:26:44,970 --> 00:26:47,406 えっ ま… 待って下さい そういうつもりじゃ。 328 00:26:47,406 --> 00:26:50,309 オシャレなカフェにするなりなんなり 好きにして下さい。 329 00:26:50,309 --> 00:26:53,946 あ~あ~あ~…。 330 00:26:53,946 --> 00:26:55,948 いや…。 331 00:26:58,117 --> 00:27:01,553 店長! 332 00:27:01,553 --> 00:27:05,057 一緒に いい本屋にしていきましょうよ。 333 00:27:05,057 --> 00:27:09,728 いい本屋って 何ですか? それは…。 334 00:27:09,728 --> 00:27:13,599 (ため息) もう分かりません。 335 00:27:13,599 --> 00:27:16,902 店長… 店長! 336 00:27:16,902 --> 00:27:21,240 あっ… いらっしゃいませ。 337 00:27:21,240 --> 00:27:26,578 あっ いや… えっと失礼しました。 338 00:27:26,578 --> 00:27:30,249 何で うちのお店に来たんですか? (小声で)店長。 339 00:27:30,249 --> 00:27:33,752 近くの新しいお店の方が 大きいし 品ぞろえもいいですよ。 340 00:27:33,752 --> 00:27:36,255 オシャレで コーヒーも飲めますし。 341 00:27:40,092 --> 00:27:42,995 あの…➡ 342 00:27:42,995 --> 00:27:48,800 僕… 本を ほとんど読んだことがないんです。 343 00:27:55,641 --> 00:27:58,944 本屋さんに行っても 何の本を読んだらいいのか➡ 344 00:27:58,944 --> 00:28:01,146 分かんないんです。 345 00:28:03,215 --> 00:28:09,421 でも ここにあるのは… 見たことのない本ばかりで。 346 00:28:13,358 --> 00:28:19,665 僕の読む本に出会えるんじゃないかって 思って。 347 00:28:21,733 --> 00:28:25,237 手伝います。 348 00:28:25,237 --> 00:28:29,575 おっしゃるとおり ここ 普通の本屋じゃ 絶対置かないような➡ 349 00:28:29,575 --> 00:28:32,477 変な本ばっかり置いてあるんです。 350 00:28:32,477 --> 00:28:38,917 でも… 全部すてきな本です。 351 00:28:38,917 --> 00:28:42,921 いや でも 悪いですよ…。 いやいやいや 大丈夫です。 352 00:28:45,090 --> 00:28:48,093 仕事なので。 353 00:28:50,596 --> 00:28:56,301 あなたと本をつなぐのが 本屋の仕事なので。 354 00:29:01,206 --> 00:29:04,109 じゃあ…。 355 00:29:04,109 --> 00:29:06,345 いらっしゃいませ。 いらっしゃいませ。 356 00:29:06,345 --> 00:29:08,347 どうぞ。 357 00:29:15,554 --> 00:29:19,057 今 あの どんな状態ですか? 状態? 358 00:29:19,057 --> 00:29:22,894 何か 例えば 考えてることとか 何か悩んでることとか。 359 00:29:22,894 --> 00:29:26,732 あっ… 就活中なんですよね。 就活なんですか? 360 00:29:26,732 --> 00:29:32,904 世界中に本があり 世界中に本屋はある。 361 00:29:32,904 --> 00:29:40,212 夢の本屋をめぐる冒険は 世界に本屋がある限り 続きます。