1 00:01:34,302 --> 00:01:37,972 (岳)公民館のお楽しみ会で 日記帳をもらった。 2 00:01:37,972 --> 00:01:41,643 (隼)よかったな 岳。 早速 日記 付けてみたら? 3 00:01:41,643 --> 00:01:46,314 ああ… しかし 俺の毎日は至って普通。 4 00:01:46,314 --> 00:01:50,084 改めて したためるほどのことなど 何もないが…。 5 00:01:50,084 --> 00:01:53,087 あっ…。 6 00:01:53,087 --> 00:01:57,091 ごめんね 岳。 どこにも 連れてってあげられなくて。 7 00:01:57,091 --> 00:02:01,262 えっ? あっ いや 決して そんな意味では…。 8 00:02:01,262 --> 00:02:04,098 俺が もっと要領よくて ゆとりがあれば…。 9 00:02:04,098 --> 00:02:08,770 うっ…。 隼兄さんが 責任に感じることではない。 10 00:02:08,770 --> 00:02:10,772 俺の日記の問題だ。 11 00:02:10,772 --> 00:02:13,942 書くことくらい 自分で ひねり出してみせるさ。 12 00:02:13,942 --> 00:02:15,944 (尊)岳さん 岳さ~ん。 13 00:02:15,944 --> 00:02:18,613 日記はね 出来事だけじゃなく➡ 14 00:02:18,613 --> 00:02:21,783 感じたこととか 気持ちとかを 書いてもいいんだよ。 15 00:02:21,783 --> 00:02:25,119 (湊)俺への気持ちとか 書いてもいいんだぜ 岳ちゃん! 16 00:02:25,119 --> 00:02:27,622 そういう手法もありなのか…。 17 00:02:27,622 --> 00:02:31,793 あ~ 楽しみだな 岳ちゃんの 俺への気持ち! 18 00:02:31,793 --> 00:02:34,295 こらこら だめだよ 湊。 んっ? 19 00:02:34,295 --> 00:02:37,131 日記っていうのは プライベートなものなんだから。 20 00:02:37,131 --> 00:02:40,802 えっ! おっ… 俺は 岳の兄貴だぞ! 21 00:02:40,802 --> 00:02:43,137 兄貴でも だめ。 んっ…。 22 00:02:43,137 --> 00:02:45,139 俺と岳ちゃんの絆は➡ 23 00:02:45,139 --> 00:02:47,475 普通の兄弟の次元とは訳が違う…。 24 00:02:47,475 --> 00:02:49,477 誰も見ちゃいけないの。 25 00:02:49,477 --> 00:02:51,746 うっ… うぅ…。 26 00:02:51,746 --> 00:02:54,082 湊兄さん そんな落ち込むほどのものには➡ 27 00:02:54,082 --> 00:02:56,417 ならないと思うぞ。 28 00:02:56,417 --> 00:02:59,087 岳さん もう1人の自分と➡ 29 00:02:59,087 --> 00:03:01,923 対話するような気持ちで 書くといいですよ。 30 00:03:01,923 --> 00:03:05,927 自分と対話…。 31 00:03:05,927 --> 00:03:08,930 なるほど そういうことなら できそうだ。 32 00:03:08,930 --> 00:03:12,934 アドバイスありがとう 尊兄さん。 いえいえ。 33 00:03:12,934 --> 00:03:16,437 よし! 仕事と家事 早く片づけて➡ 34 00:03:16,437 --> 00:03:19,240 みんなを どこかに 連れていけるように頑張るぞ! 35 00:03:21,776 --> 00:03:25,613 < というわけで 俺は日記を書くことにした> 36 00:03:25,613 --> 00:03:31,119 「10月4日 はれ」と…。 37 00:03:34,455 --> 00:03:36,457 《今日は 隼兄さんが➡ 38 00:03:36,457 --> 00:03:39,060 いつもより早く うちに帰ってきた》 39 00:03:41,129 --> 00:03:43,131 ⦅ただいま~。 40 00:03:43,131 --> 00:03:46,968 岳 こないだの 『トライしてガッテン!』で 紹介されてた➡ 41 00:03:46,968 --> 00:03:51,739 物忘れに効く! サワラの酒蒸し 食べてみたいって言ってたろ? 42 00:03:51,739 --> 00:03:55,576 今日は それを作ってやるからな 楽しみにしてて! 43 00:03:55,576 --> 00:03:58,079 兄さん そのために 急いで お仕事から➡ 44 00:03:58,079 --> 00:04:00,081 帰ってきてくれたのか? 45 00:04:00,081 --> 00:04:02,083 えっ… そうだけど。 46 00:04:02,083 --> 00:04:05,586 あっ…。 んっ…。 47 00:04:05,586 --> 00:04:07,588 なっ… 何? 48 00:04:07,588 --> 00:04:11,259 すまない! 俺が軽率に発した言葉で➡ 49 00:04:11,259 --> 00:04:13,928 兄さんに無理をさせてしまった! 50 00:04:13,928 --> 00:04:18,232 以後 気を付けるので 無理なく お仕事をしてほしい! 51 00:04:20,268 --> 00:04:22,270 んっ…。 52 00:04:22,270 --> 00:04:24,272 あっ…。 53 00:04:24,272 --> 00:04:27,108 違う… 違うよ 岳。 54 00:04:27,108 --> 00:04:29,444 兄さん 無理なんてしてないよ。 55 00:04:29,444 --> 00:04:33,114 むしろ 俺のほうこそ いつも いっぱい いっぱいで…。 56 00:04:33,114 --> 00:04:35,616 ほんとは もっと お前たちとの時間を➡ 57 00:04:35,616 --> 00:04:37,618 作りたいのに できなくて…。 58 00:04:37,618 --> 00:04:39,620 我慢ばっかりさせて…。 59 00:04:39,620 --> 00:04:44,792 だから せめて 食べたい物くらい 作ってあげたくて…。 60 00:04:44,792 --> 00:04:48,296 うっ… うっ…。 うぅ…。 兄さん? 61 00:04:48,296 --> 00:04:51,899 ごめんよ 岳。 ふがいない兄さんで。 62 00:04:51,899 --> 00:04:53,901 うぅ…。 あっ…。 63 00:04:53,901 --> 00:04:56,070 兄さん そんなことはない。 64 00:04:56,070 --> 00:04:58,906 俺は ふだんから 兄さんが してくれていることには➡ 65 00:04:58,906 --> 00:05:01,576 十分すぎるほど ありがたく思っているので➡ 66 00:05:01,576 --> 00:05:03,578 更に もっとなんて…。 67 00:05:03,578 --> 00:05:06,280 無理してほしくなかった だけなんだ。 68 00:05:08,583 --> 00:05:10,585 あっ…。 69 00:05:10,585 --> 00:05:13,421 誤解させてしまって 申し訳なかった。 70 00:05:13,421 --> 00:05:16,424 サワラの酒蒸し 楽しみだ。 71 00:05:16,424 --> 00:05:20,428 俺にも 作るのを 手伝わせてもらえるか? 72 00:05:20,428 --> 00:05:24,265 ハァ… 岳~! 73 00:05:24,265 --> 00:05:26,267 ズビシッ! うっ! 74 00:05:26,267 --> 00:05:28,936 うぅ…。 こ~ら 隼! 75 00:05:28,936 --> 00:05:32,273 何 玄関先で しゃがみ込んでんだ。 邪魔だぞ。 76 00:05:32,273 --> 00:05:34,275 何すんだ? 湊! ただいま~。 77 00:05:34,275 --> 00:05:37,779 おっ? 今日の晩飯 何? 腹 減った! 78 00:05:37,779 --> 00:05:40,615 えっ… サワラの酒蒸しだけど。 79 00:05:40,615 --> 00:05:45,286 え~! 肉がいい! ハンバーグ 食いたかった! 80 00:05:45,286 --> 00:05:49,457 変えて! ハンバーグ! ハンバーグ! 81 00:05:49,457 --> 00:05:51,559 岳のリクエストだけど。 82 00:05:51,559 --> 00:05:55,563 俺 今日から サワラの酒蒸し➡ 83 00:05:55,563 --> 00:05:58,566 世界で いちばん好きな メニューになった。 84 00:05:58,566 --> 00:06:01,235 なんだよ? 現金なやつだな! 85 00:06:01,235 --> 00:06:04,238 岳ちゃんが好きな物は 俺の好きな物! 86 00:06:04,238 --> 00:06:07,074 岳ちゃん 晩ごはん楽しみだな~。 87 00:06:07,074 --> 00:06:11,245 あっ… ああ…。 アハハ… ハハハハハ…⦆ 88 00:06:11,245 --> 00:06:16,417 《ということがあり 俺は思った。 89 00:06:16,417 --> 00:06:18,419 変に謝ってしまうと➡ 90 00:06:18,419 --> 00:06:21,923 相手に かえって 気を使わせてしまうものだと。 91 00:06:21,923 --> 00:06:25,426 湊兄さんのように おおらかで 素直なほうが➡ 92 00:06:25,426 --> 00:06:27,428 相手にとって 気安く➡ 93 00:06:27,428 --> 00:06:30,598 負担にならないもの なのかもしれない》 94 00:06:30,598 --> 00:06:34,101 「今日は とても 勉強になった」。 95 00:06:34,101 --> 00:06:37,438 「これからも精進したい」。 96 00:06:37,438 --> 00:06:39,540 よし こんなものか。 97 00:06:43,778 --> 00:06:45,780 ハァ…。 98 00:06:45,780 --> 00:06:49,283 《ふむ。 日記とは なかなかに よいものだな。 99 00:06:49,283 --> 00:06:51,219 己の考えを整理したり➡ 100 00:06:51,219 --> 00:06:54,555 その日 学習したことの 復習にもなる。 101 00:06:54,555 --> 00:06:57,258 うん。 あしたからも続けよう》 102 00:07:03,564 --> 00:07:06,234 《10月5日 曇り。 103 00:07:06,234 --> 00:07:10,238 今日は 湊兄さんが 盛大な赤点を取ってきたので➡ 104 00:07:10,238 --> 00:07:12,740 尊兄さんに 勉強を教わっていた》 105 00:07:12,740 --> 00:07:16,244 ⦅う~ん… んっ… ん~…。 106 00:07:16,244 --> 00:07:20,414 あっ 違う。 負の数は 引くと 足し算になるの。 107 00:07:20,414 --> 00:07:25,086 教えろなんて頼んでない! 余計なことすんな! 108 00:07:25,086 --> 00:07:27,922 うぅ~… んっ…。 109 00:07:27,922 --> 00:07:31,425 フフッ ありがとう。 110 00:07:31,425 --> 00:07:35,096 えっ? なんで 今 礼 言った? 111 00:07:35,096 --> 00:07:37,765 さあ ここの問題は こうやって解くんだよ。 112 00:07:37,765 --> 00:07:39,767 うっ… 聞けし!⦆ 113 00:07:39,767 --> 00:07:42,103 《2人の会話は 時々…。 114 00:07:42,103 --> 00:07:44,105 いや しょっちゅう かみ合っていないように➡ 115 00:07:44,105 --> 00:07:47,108 俺には思えるのだが➡ 116 00:07:47,108 --> 00:07:52,046 きっと 年の近い2人にしか わからない世界があるのだろう。 117 00:07:52,046 --> 00:07:55,049 少し 羨ましく思う》 118 00:07:55,049 --> 00:07:58,386 ⦅こら 湊! せっかく 教えてもらってんのに➡ 119 00:07:58,386 --> 00:08:01,222 なんだ? その態度は! だって 尊が! 120 00:08:01,222 --> 00:08:03,557 赤点取る 自分が悪いんだろ! 121 00:08:03,557 --> 00:08:07,061 できるまで ごはん抜きだからな! うっ 鬼~!⦆ 122 00:08:07,061 --> 00:08:12,733 《いつも温厚な隼兄さんだが こと 勉強となると厳しい。 123 00:08:12,733 --> 00:08:18,239 きっと 俺たちの将来を思えばこそ 厳しくなってしまうのだろう》 124 00:08:18,239 --> 00:08:21,742 そういえば…。 125 00:08:21,742 --> 00:08:25,413 《隼兄さんは 尊兄さんが生まれるまで➡ 126 00:08:25,413 --> 00:08:27,415 長らく 1人っ子だった》 127 00:08:29,917 --> 00:08:32,420 《そんな兄さんに 俺たちは➡ 128 00:08:32,420 --> 00:08:36,223 どのように映っているのだろう? 気になる》 129 00:08:38,759 --> 00:08:42,430 《10月6日 晴れ 時々 曇り》 130 00:08:42,430 --> 00:08:46,100 ⦅えっ? 兄弟ができたとき どう思ったか? 131 00:08:46,100 --> 00:08:48,602 フッ 何? 学校の宿題? 132 00:08:48,602 --> 00:08:52,540 俺も 昔 作文 書いたな。 僕の家族ってテーマで。 133 00:08:52,540 --> 00:08:54,542 すごい苦戦してさ~。 134 00:08:54,542 --> 00:08:58,212 いや そうではないのだが 少し興味が湧いて。 135 00:08:58,212 --> 00:09:01,716 へぇ~。 そうだな…。 136 00:09:01,716 --> 00:09:04,218 俺は 小5まで 1人っ子で➡ 137 00:09:04,218 --> 00:09:07,054 この先も ずっと そうなんだと 思ってたから…。 138 00:09:07,054 --> 00:09:09,390 フッ…。 139 00:09:09,390 --> 00:09:11,392 尊が生まれるって知ったときは➡ 140 00:09:11,392 --> 00:09:14,729 びっくりしたし 実感が湧かなかったよ。 141 00:09:14,729 --> 00:09:18,399 この世に 自分と同じ血を分けた 弟がいるって➡ 142 00:09:18,399 --> 00:09:20,735 どういうことなんだろうって➡ 143 00:09:20,735 --> 00:09:23,404 すごい不思議な感覚だった。 144 00:09:23,404 --> 00:09:26,407 でも 真っ平らだった お母さんのおなかが➡ 145 00:09:26,407 --> 00:09:28,409 日ごとに大きくなって➡ 146 00:09:28,409 --> 00:09:34,081 ゆっくりと ああ 弟がいるんだな って実感してね。 147 00:09:34,081 --> 00:09:37,985 尊が生まれたときは 本当に うれしかった。 148 00:09:42,590 --> 00:09:44,592 ただ…。 んっ? 149 00:09:44,592 --> 00:09:46,927 あまりにも 年が離れてるからさ➡ 150 00:09:46,927 --> 00:09:50,431 弟っていうより むしろ…。 151 00:09:50,431 --> 00:09:53,934 フフッ! ひょっとして 息子って感じか? 152 00:09:53,934 --> 00:09:57,271 う~ん…。 153 00:09:57,271 --> 00:10:00,107 孫って感じ? 孫!? 154 00:10:00,107 --> 00:10:02,109 子どもだとさ➡ 155 00:10:02,109 --> 00:10:04,779 もっと この子が ちゃんと 生きていけるようにって➡ 156 00:10:04,779 --> 00:10:07,448 厳しさとかも必要って 思うんだろうけど➡ 157 00:10:07,448 --> 00:10:09,617 そういうのは 親がやるから➡ 158 00:10:09,617 --> 00:10:12,286 俺は もう ひたすら かわいがればいいっていう➡ 159 00:10:12,286 --> 00:10:15,122 すてきな おじいちゃんポジションだったよ~。 160 00:10:15,122 --> 00:10:19,126 《なるほど。 両親亡き今 親代わり。 161 00:10:19,126 --> 00:10:21,295 だから 隼兄さんは 厳しい面も➡ 162 00:10:21,295 --> 00:10:24,131 持たなければ ならなくなったのだ》 163 00:10:24,131 --> 00:10:29,303 ハッハッハッハッ。 尊兄さんが孫ならば 更に年下の俺などは➡ 164 00:10:29,303 --> 00:10:32,306 さしずめ ひ孫というところだったのかな。 165 00:10:32,306 --> 00:10:35,309 いや 岳さんは 旦那って感じです! 166 00:10:35,309 --> 00:10:37,311 旦那!? 167 00:10:40,314 --> 00:10:43,317 《隼兄さんは 時々 よくわからない》⦆ 168 00:10:47,321 --> 00:10:51,759 《そういえば 尊兄さんと 湊兄さんから見た俺は➡ 169 00:10:51,759 --> 00:10:55,763 どのような存在なのだろうか? 170 00:10:55,763 --> 00:11:00,601 隼兄さんと兄さんたちほど 年は離れていないが…。 171 00:11:00,601 --> 00:11:04,305 あのかわいがり方からすると やはり 孫か?》 172 00:11:07,274 --> 00:11:10,277 《10月7日 雨。 173 00:11:10,277 --> 00:11:14,281 あいにくの天気に 家で 読書に いそしむ》 174 00:11:14,281 --> 00:11:16,283 ⦅んっ…。 175 00:11:20,120 --> 00:11:22,623 どっ… どうした? 湊兄さん。 176 00:11:22,623 --> 00:11:25,125 俺の顔に 何か付いてるか? 177 00:11:25,125 --> 00:11:28,796 ん~? いや…。 178 00:11:28,796 --> 00:11:33,300 ハァ…。 息してるだけで かわいいなって。 179 00:11:33,300 --> 00:11:35,302 息を? 180 00:11:35,302 --> 00:11:39,306 ハハハ…。 酸素を二酸化炭素にして 吐き出すだけで➡ 181 00:11:39,306 --> 00:11:41,475 そのように思ってもらえるとは➡ 182 00:11:41,475 --> 00:11:44,979 優しい兄がいて 俺は幸せな弟だ。 183 00:11:44,979 --> 00:11:47,147 あっ それとも あれかな? 184 00:11:47,147 --> 00:11:49,650 兄さんにとって 俺は 弟というより➡ 185 00:11:49,650 --> 00:11:52,086 孫のようなものというやつかな? 186 00:11:52,086 --> 00:11:55,256 いいえ! 岳ちゃんは 俺の天使です! 187 00:11:55,256 --> 00:11:57,258 てっ… 天使? 188 00:12:00,594 --> 00:12:05,266 《天使と孫の違いは いかようなものであろうか?》 189 00:12:05,266 --> 00:12:08,435 ハッ… ハハッ…。 いずれにせよ 光栄だ。 190 00:12:08,435 --> 00:12:10,437 ありがとう 湊兄さん。 191 00:12:10,437 --> 00:12:12,439 しかし あれだな。 192 00:12:12,439 --> 00:12:15,776 そのように言ってもらって 俺ほど幸せな弟は➡ 193 00:12:15,776 --> 00:12:18,779 そうも この世に いまい。 うんうん。 194 00:12:18,779 --> 00:12:22,449 そんなこともないですよ~。 うわっ! 195 00:12:22,449 --> 00:12:27,288 俺も 弟が息してるだけで かわいいですから。 うっ! 196 00:12:27,288 --> 00:12:29,957 うわ~! うぅ…。 197 00:12:29,957 --> 00:12:34,128 尊 てめえ! いきなり 背後に来んなっつってんだろ! 198 00:12:34,128 --> 00:12:38,632 更に言うとね 岳さん。 199 00:12:38,632 --> 00:12:42,970 俺は たとえ 湊が 息をしていなくとも愛せますよ。 200 00:12:42,970 --> 00:12:45,639 フフッ…。 殺すな! 201 00:12:45,639 --> 00:12:50,744 ふっ… 深いな 尊兄さんの愛は。 そうでしょう。 202 00:12:50,744 --> 00:12:55,249 岳ちゃん 尊の言うことなんて まともに相手しちゃだめだ! 203 00:12:55,249 --> 00:12:58,919 もう くそ尊! 俺と岳ちゃんの至福の時間を➡ 204 00:12:58,919 --> 00:13:00,921 邪魔すんじゃねえよ! 205 00:13:00,921 --> 00:13:03,924 あっち行け! この この! この~! 206 00:13:03,924 --> 00:13:05,926 ひたすら ありがとう。 207 00:13:05,926 --> 00:13:08,262 だから なんで 礼 言ってんだよ! 208 00:13:08,262 --> 00:13:10,764 《2人は 本当に仲がよい》 209 00:13:10,764 --> 00:13:14,101 ちなみに 岳さんは 俺にとって…。 聞け~! 210 00:13:14,101 --> 00:13:16,103 お~! なんだ? 211 00:13:19,273 --> 00:13:22,109 小さく いとおしい弟でありながら➡ 212 00:13:22,109 --> 00:13:26,780 同時に 俺の心を 激しく かき乱す ライバルです。 213 00:13:26,780 --> 00:13:30,117 ふっ… 複雑だな…。 214 00:13:30,117 --> 00:13:32,953 かわいらしさと憎らしさが せめぎ合う。 215 00:13:32,953 --> 00:13:36,123 しかし ライバルか。 フフッ…。 216 00:13:36,123 --> 00:13:38,125 このように 年の離れた俺を➡ 217 00:13:38,125 --> 00:13:41,295 同列に並べてくれるとは 光栄なことだ。 218 00:13:41,295 --> 00:13:43,297 ありがとう 兄さん。 219 00:13:43,297 --> 00:13:47,468 うわ~! 老子がまぶしくて 俺 消滅しそうです。 220 00:13:47,468 --> 00:13:50,571 うっ… うぅ…。 フゥー フゥー。 ああ…。 221 00:13:50,571 --> 00:13:52,740 消えろ 消えろ~。 フゥー。 うっ うぅ…。 222 00:13:52,740 --> 00:13:55,909 フゥー フゥー。 うぅ… あっ…。 ハハハハ…⦆ 223 00:13:55,909 --> 00:13:59,246 《今日は 弟に対する捉え方も➡ 224 00:13:59,246 --> 00:14:04,251 人それぞれ いろいろあると知った1日だった。 225 00:14:04,251 --> 00:14:08,088 人間 100人いれば 100通り。 226 00:14:08,088 --> 00:14:10,090 このように身近でも➡ 227 00:14:10,090 --> 00:14:14,762 改めて発見があるものだ》 (ノック) 228 00:14:14,762 --> 00:14:16,764 んっ…。 (ドアの開く音) 229 00:14:16,764 --> 00:14:19,099 まだ起きていたのか。 230 00:14:19,099 --> 00:14:21,101 これから休むところだ。 231 00:14:23,103 --> 00:14:26,106 あしたは 朝ごはん食べたら 出発するよ。 232 00:14:28,108 --> 00:14:30,511 ああ。 わかっているよ。 233 00:14:33,280 --> 00:14:36,116 雨 あしたも まだ やまないみたい。 234 00:14:36,116 --> 00:14:39,286 少しでも 小降りになってくれるといいな。 235 00:14:39,286 --> 00:14:41,288 うん。 236 00:14:45,626 --> 00:14:47,628 おやすみ。 237 00:15:13,754 --> 00:15:15,756 《10月8日。 238 00:15:15,756 --> 00:15:19,460 天気予報の言うとおり 今日は 朝から雨だった》 239 00:15:21,428 --> 00:15:24,431 ⦅2人とも タオルハンカチ 持ったか? 240 00:15:24,431 --> 00:15:27,267 うん。 ハハッ ハハッ! こら! 湊。 241 00:15:27,267 --> 00:15:29,269 ハハッ ハハッ! んっ…。 242 00:15:29,269 --> 00:15:33,607 んっ? あれ? なんで 尊 長靴じゃないんだ? 243 00:15:33,607 --> 00:15:36,110 小さくなって 入んないんだもん。 244 00:15:36,110 --> 00:15:40,948 んっ… 隼! 俺も 長靴 小さい! 普通の靴 履く! 245 00:15:40,948 --> 00:15:43,450 小さくないだろ ぴったりじゃん。 246 00:15:43,450 --> 00:15:46,620 それに 湊は 体 冷やすと すぐ 風邪をひくから➡ 247 00:15:46,620 --> 00:15:49,123 長靴にしときなさい。 うっ…。 248 00:15:49,123 --> 00:15:51,725 そうそう。 湊は 体をいたわって。 249 00:15:51,725 --> 00:15:55,062 それは もう これでもかというくらいに。 250 00:15:55,062 --> 00:15:58,732 あと 長靴姿 かわいい。 尊なんか ずぶぬれで➡ 251 00:15:58,732 --> 00:16:02,069 大風邪ひけ ば~か! ありがとう。 252 00:16:02,069 --> 00:16:05,239 普通の靴にする~! ああ…。 253 00:16:05,239 --> 00:16:07,574 兄さん 兄さん。 254 00:16:07,574 --> 00:16:09,910 俺も長靴だ。 255 00:16:09,910 --> 00:16:11,912 おそろいだな。 256 00:16:15,249 --> 00:16:17,451 うん! 行こう 岳ちゃん! 257 00:16:21,255 --> 00:16:24,758 鮮やかな 湊さばき。 さすが 岳さん。 258 00:16:24,758 --> 00:16:35,269 ♬~ 259 00:16:35,269 --> 00:16:39,273 《柚木家には 毎月 行く場所がある。 260 00:16:39,273 --> 00:16:43,277 少し遠くにある そこへ。 261 00:16:43,277 --> 00:16:45,279 みんなで バスに乗って》 262 00:17:47,608 --> 00:17:50,711 《お父さんとお母さんの月命日。 263 00:17:50,711 --> 00:17:53,547 あるいは その近くの休日。 264 00:17:53,547 --> 00:17:57,551 俺たちは お墓参りに行く。 265 00:17:57,551 --> 00:18:03,056 墓石を磨いて お花を添え お線香を立て➡ 266 00:18:03,056 --> 00:18:07,227 手を合わせ 天国の両親のことを思う》 267 00:18:07,227 --> 00:18:17,571 ♬~ 268 00:18:17,571 --> 00:18:22,910 《両親が亡くなったとき 俺は まだ4歳だった。 269 00:18:22,910 --> 00:18:26,580 思い出せる 両親の記憶は少なく➡ 270 00:18:26,580 --> 00:18:30,918 ただ 優しくて 温かくて➡ 271 00:18:30,918 --> 00:18:35,088 とても好きだった という気持ちだけが思い出され➡ 272 00:18:35,088 --> 00:18:37,591 会いたくて…。 273 00:18:37,591 --> 00:18:41,428 でも もう会えないのだという現実に➡ 274 00:18:41,428 --> 00:18:43,730 胸が苦しくなる》 275 00:18:47,768 --> 00:18:49,770 岳! 276 00:18:54,708 --> 00:18:57,044 あっ… 雨…。 277 00:18:57,044 --> 00:18:59,947 見ろ! あっ! 278 00:19:06,053 --> 00:19:10,057 お~! 晴れたな。 279 00:19:10,057 --> 00:19:12,559 うん。 280 00:19:12,559 --> 00:19:15,062 ヘヘヘッ! 281 00:19:15,062 --> 00:19:17,064 あっ…。 282 00:19:21,401 --> 00:19:23,403 フフッ! 283 00:19:23,403 --> 00:19:33,413 ♬~ 284 00:19:33,413 --> 00:19:44,925 ♬~ 285 00:19:44,925 --> 00:19:46,927 なあ。 うん? 286 00:19:46,927 --> 00:19:50,263 せっかくだから このまま どこか出かけようか? 287 00:19:50,263 --> 00:19:52,599 あっ 賛成! 288 00:19:52,599 --> 00:19:55,502 岳の日記のネタになるとことか いいね。 289 00:19:58,105 --> 00:20:01,274 この時間からだと あんまり遠くへは行けないけど。 290 00:20:01,274 --> 00:20:03,276 岳 どこ行きたい? 291 00:20:05,278 --> 00:20:08,448 おっ… 俺は…。 292 00:20:08,448 --> 00:20:10,450 うん。 293 00:20:10,450 --> 00:20:13,787 どうする? どこ行きたい? 294 00:20:13,787 --> 00:20:16,590 俺は…。 295 00:20:25,966 --> 00:20:28,135 フフッ…。 296 00:20:28,135 --> 00:20:32,139 兄さんたちと一緒に行けるなら どこでも…。 297 00:20:32,139 --> 00:20:36,476 なんだ それ! 岳ちゃん 謙虚すぎだぞ! 298 00:20:36,476 --> 00:20:38,812 (3人)ハハハハ! 299 00:20:38,812 --> 00:20:40,981 フフフッ! ハハハッ! 300 00:20:40,981 --> 00:20:43,150 (笑い声) 301 00:20:43,150 --> 00:20:47,154 よし じゃあ お弁当 買って 広場で ピクニックするか? 302 00:20:47,154 --> 00:20:49,156 いいですな~。 303 00:20:55,095 --> 00:20:59,933 《親のいない俺を かわいそうだ と言う大人もいるけれど➡ 304 00:20:59,933 --> 00:21:03,937 俺は 本当に 毎日 幸せだ。 305 00:21:03,937 --> 00:21:07,941 優しい兄さんが 3人もいるから》⦆ 306 00:21:07,941 --> 00:21:19,286 ♬~ 307 00:21:19,286 --> 00:21:22,289 岳ちゃ~ん! 308 00:21:22,289 --> 00:21:25,125 岳ちゃんの日記で 俺への気持ち 読んじゃいけないのは➡ 309 00:21:25,125 --> 00:21:27,961 わかったけど これに書いてくれ! 310 00:21:27,961 --> 00:21:30,464 交換日記しよ! 311 00:21:30,464 --> 00:21:33,633 あっ… 俺は かまわないが…。 312 00:21:33,633 --> 00:21:37,304 じゃあ 俺もやる。 えっ… じゃあ 俺も! 313 00:21:37,304 --> 00:21:41,641 えっ? だめ~! 2人っきりで やるんだから! 314 00:21:41,641 --> 00:21:44,978 じゃあ 俺とも 2人っきりの交換日記しようよ。 315 00:21:44,978 --> 00:21:47,481 え~ 4人でやろうよ! ハハッ… ハハハッ! 316 00:21:47,481 --> 00:21:51,084 邪魔すんな! 隼と尊で 勝手にやれよ! 317 00:21:51,084 --> 00:21:53,753 俺は 湊と交換日記したいの! 318 00:21:53,753 --> 00:21:56,590 俺は みんなと交換したいよ~! 319 00:21:56,590 --> 00:21:59,593 じゃあ とりあえず みんなでも交換日記を…。 320 00:21:59,593 --> 00:22:03,997 《柚木家は 今日も笑いが絶えないのだ》