1 00:00:33,099 --> 00:00:36,136 <時は幕末 所はお江戸。➡ 2 00:00:36,136 --> 00:00:39,973 行方知れずとなった愛する妻 すずを捜す伴四郎は➡ 3 00:00:39,973 --> 00:00:42,609 江戸の娘を土産にしようとする➡ 4 00:00:42,609 --> 00:00:46,479 エゲレス公使 アボットと 桔梗屋の たくらみを知る事となった。➡ 5 00:00:46,479 --> 00:00:48,481 そして その裏には➡ 6 00:00:48,481 --> 00:00:52,619 倒幕をもくろむ南海藩の思惑も 見え隠れしており…。➡ 7 00:00:52,619 --> 00:00:55,121 はてさて 今夜は最終話。➡ 8 00:00:55,121 --> 00:01:01,895 伴四郎は すずを取り戻し 平穏な生活に戻る事ができるのか> 9 00:01:01,895 --> 00:01:05,298 じゃあ すずさんは➡ 10 00:01:05,298 --> 00:01:08,134 桔梗屋に 捕らわれていたってのかい? 11 00:01:08,134 --> 00:01:11,171 どうして桔梗屋さんが 人さらいの片棒を? 12 00:01:11,171 --> 00:01:17,644 そもそも 南海藩とエゲレスを つなげたのが 桔梗屋ですから。 13 00:01:17,644 --> 00:01:21,147 貧しさにあえぐ藩の弱みを知った 桔梗屋は➡ 14 00:01:21,147 --> 00:01:24,184 倒幕のための武器を エゲレス様から用立てると言い➡ 15 00:01:24,184 --> 00:01:26,319 南海藩に取り入りました。 16 00:01:26,319 --> 00:01:29,656 あの藩のどこに 武器を買う金があるというのだ。 17 00:01:29,656 --> 00:01:33,526 桔梗屋が貸し付けています。 恐らくは 借金のカタに➡ 18 00:01:33,526 --> 00:01:37,931 南海藩を思うように動かそう というのが 本当のもくろみ。 19 00:01:37,931 --> 00:01:40,600 弱みにつけ込むとは下劣な…。 20 00:01:40,600 --> 00:01:46,106 すずさんは どこに連れていかれたんだい? 21 00:01:46,106 --> 00:01:49,776 恐らくは 南海藩邸でしょう。 22 00:01:49,776 --> 00:01:53,446 なら 話は早い。 明日 すずを奪い返しに行きます。 23 00:01:53,446 --> 00:01:55,782 そんな簡単にいくのかね。 24 00:01:55,782 --> 00:02:01,588 南海藩邸は庭のようなもの。 私にも 南海魂はあります。 25 00:02:01,588 --> 00:02:03,523 何も聞いておらんが。 26 00:02:03,523 --> 00:02:07,127 それに上からは 「誰も入れるな」と 申しつけられておる。 27 00:02:07,127 --> 00:02:10,797 なら 此度は特別に許可を頂いて。 失礼します。 28 00:02:10,797 --> 00:02:13,633 (2人)ならん! 怪しい者ではありません。 29 00:02:13,633 --> 00:02:16,333 それは こちらで決める。 30 00:02:20,807 --> 00:02:22,807 新八殿! 31 00:02:24,477 --> 00:02:27,514 急ぎ 藩邸に 入れて頂けないでしょうか。 32 00:02:27,514 --> 00:02:31,251 帰れ。 ここは お主の来る所ではない。 33 00:02:31,251 --> 00:02:35,922 いや しかし 妻が… すずが 藩邸に捕らわれておるのです。 34 00:02:35,922 --> 00:02:40,922 そのような女子はおらん。 よそ者は立ち去れ。 35 00:02:45,932 --> 00:02:59,632 ♬~ 36 00:03:09,622 --> 00:03:14,622 う~ん。 いや すばらしい。 37 00:03:39,619 --> 00:03:41,921 勝手知ったる南海藩よ。 38 00:03:41,921 --> 00:03:46,593 正面突破がかなわぬなら 裏から潜り込むまで。 39 00:03:46,593 --> 00:03:54,467 ♬~ 40 00:03:54,467 --> 00:03:56,936 だろうと思ったわ。 41 00:03:56,936 --> 00:04:06,946 ♬~ 42 00:04:06,946 --> 00:04:08,946 この薄情者! 43 00:04:10,617 --> 00:04:15,288 「南海の藩邸は庭みたいなもんだ」 って 言ってたろ? 44 00:04:15,288 --> 00:04:17,223 はい…。 45 00:04:17,223 --> 00:04:22,061 南海魂が 聞いてあきれちまうね。 46 00:04:22,061 --> 00:04:25,298 (お常)しかたありませんよ。 47 00:04:25,298 --> 00:04:32,572 南海藩は もう倒幕へと 大きく舵を切っています。 48 00:04:32,572 --> 00:04:35,241 あと一歩のところで➡ 49 00:04:35,241 --> 00:04:40,241 切り札であるすずさんを 返す訳がありません。 50 00:04:42,115 --> 00:04:46,252 それが分かっていながら…➡ 51 00:04:46,252 --> 00:04:49,252 私は すずさんを身代わりに…。 52 00:04:54,928 --> 00:05:02,602 エゲレス様に拾われ 生きるため 妾となりましたが➡ 53 00:05:02,602 --> 00:05:05,939 あの生活の中では➡ 54 00:05:05,939 --> 00:05:10,777 人らしくいる事は かないませんでした。 55 00:05:10,777 --> 00:05:16,277 誰も あんたを責めやしないよ。 つらかったんだろ? 56 00:05:21,421 --> 00:05:24,791 新八殿は気付いておりました。 57 00:05:24,791 --> 00:05:28,127 だからこそ あなたの願いを聞きたいと。 58 00:05:28,127 --> 00:05:30,063 新八様が…? 59 00:05:30,063 --> 00:05:34,567 はい。 それに すずも➡ 60 00:05:34,567 --> 00:05:37,403 あなたの気持ちが 分かっていたからこそ➡ 61 00:05:37,403 --> 00:05:39,339 身代わりになったのでしょう。 62 00:05:39,339 --> 00:05:43,339 ああ見えて 一度言ったら聞かぬ妻です。 63 00:05:45,278 --> 00:05:49,749 大丈夫。 必ず救い出します。 64 00:05:49,749 --> 00:05:54,921 腹を切ると そう申すか。 65 00:05:54,921 --> 00:06:01,260 殿の命を奪おうとし 藩を窮地に陥れました。 66 00:06:01,260 --> 00:06:04,163 それが当然の報いかと。 67 00:06:04,163 --> 00:06:09,769 バカな… 死んでも足りぬわ。 68 00:06:09,769 --> 00:06:12,672 側用人であるお主が腹を切れば➡ 69 00:06:12,672 --> 00:06:18,111 清之助は お主だけでなく 己も責めるであろう。 70 00:06:18,111 --> 00:06:23,783 また 引きこもるやもしれぬ。 71 00:06:23,783 --> 00:06:29,455 お主の一番の罪は その信頼を裏切った事。 72 00:06:29,455 --> 00:06:37,263 腹を切れば お主の気は済もうが 残された者は どうなる? 73 00:06:37,263 --> 00:06:42,101 その身勝手を恥じよ。 そして 今生 背負っていくのだ。 74 00:06:42,101 --> 00:06:46,601 それこそが 真の罪滅ぼし。 75 00:07:02,922 --> 00:07:07,222 父上 お話があります。 入れ。 76 00:07:11,931 --> 00:07:17,737 宗太郎 お主 何を? いえ。 77 00:07:17,737 --> 00:07:19,806 何用じゃ? 78 00:07:19,806 --> 00:07:25,445 白ネギの件です。 具合を確かめに行こうかと。 79 00:07:25,445 --> 00:07:30,783 倒幕などと 大それた事を 俊成め。 80 00:07:30,783 --> 00:07:36,889 倒幕の企てが残れば 太平の世は危うくなります。 81 00:07:36,889 --> 00:07:38,825 お上に報告し➡ 82 00:07:38,825 --> 00:07:41,394 南海藩には しかるべき処分を 下すべきでしょう。 83 00:07:41,394 --> 00:07:45,231 やめて下さい。 どうしてだ 伴四郎。 84 00:07:45,231 --> 00:07:47,166 南海藩を取り潰せば➡ 85 00:07:47,166 --> 00:07:51,037 おのずと すずさんの身は 解き放たれる事となる。 86 00:07:51,037 --> 00:07:53,906 このままでは 時の猶予がないのだぞ。 87 00:07:53,906 --> 00:07:58,778 すずは 私の力で 必ず救い出しますゆえ。 88 00:07:58,778 --> 00:08:01,581 取り潰されては困るか。 89 00:08:01,581 --> 00:08:09,088 いや… 倒幕などと耳にすると ある男を思い出すのです。 90 00:08:09,088 --> 00:08:12,425 お主らしいな。 91 00:08:12,425 --> 00:08:15,328 話は聞きました。 宗太郎…。 92 00:08:15,328 --> 00:08:19,198 縁あって 桔梗屋の事は 見知っております。 93 00:08:19,198 --> 00:08:21,934 南海藩に潜り込む事に関し➡ 94 00:08:21,934 --> 00:08:26,272 お手伝いできる事が あるやもしれません。 95 00:08:26,272 --> 00:08:29,108 その後 首尾は どうなっておる? 96 00:08:29,108 --> 00:08:33,713 ネズミが一匹入り込み 泡を食らいましたが➡ 97 00:08:33,713 --> 00:08:36,749 大事はございません。 98 00:08:36,749 --> 00:08:40,586 エゲレス様には 手土産を持って帰って頂き➡ 99 00:08:40,586 --> 00:08:46,893 代わりに エゲレス式の銃と大砲を 用立てて頂きます。 100 00:08:46,893 --> 00:08:48,828 抜かるなよ。 101 00:08:48,828 --> 00:08:54,233 3日後に 船が エゲレス様を迎えに参ります。 102 00:08:54,233 --> 00:08:57,533 あとは 無事 送り出すだけ。 103 00:09:07,246 --> 00:09:12,084 まさか また雲隠れをしようと お考えではないでしょうね。 104 00:09:12,084 --> 00:09:18,257 伴四郎の奥方 すずを救い出すために➡ 105 00:09:18,257 --> 00:09:21,160 南海藩へ潜り込む。 106 00:09:21,160 --> 00:09:26,132 一度は 命を危険にさらした事 お忘れですか? 107 00:09:26,132 --> 00:09:28,968 殿に もしもの事があったら…。 108 00:09:28,968 --> 00:09:31,537 我が藩の行く末を どう お考えですか? 109 00:09:31,537 --> 00:09:35,537 心配ない。 清之助がおる。 110 00:09:38,044 --> 00:09:44,217 かつては まだ幼く 心もとなかった清之助が➡ 111 00:09:44,217 --> 00:09:48,721 生意気にも わしに意見するまでになりおった。 112 00:09:48,721 --> 00:09:53,893 それも全て 伴四郎のおかげ。 113 00:09:53,893 --> 00:09:57,193 藩主として その恩は返さねばな。 114 00:10:00,066 --> 00:10:05,404 桔梗屋の丁稚に 小銭を 握らせて聞き出したところ➡ 115 00:10:05,404 --> 00:10:12,078 今宵 エゲレス様を送り出す はなむけの酒宴が開かれるとの事。 116 00:10:12,078 --> 00:10:14,013 桔梗屋も散財が続き➡ 117 00:10:14,013 --> 00:10:16,916 その内実は 厳しいものがあるようで➡ 118 00:10:16,916 --> 00:10:22,916 酒宴の食材を供すると申し出ると 快く了承してくれました。 119 00:10:30,930 --> 00:10:33,266 2人とも うまくやるんだよ。 120 00:10:33,266 --> 00:10:36,769 あとは よろしくお願いします。 任せて下さい。 121 00:10:36,769 --> 00:10:39,672 やはり 我々も お供する事はかないませんか? 122 00:10:39,672 --> 00:10:42,942 すず殿の居所を探すなら やはり手分けをした方が…。 123 00:10:42,942 --> 00:10:46,812 いや いらん。 人手を増やして 目立つようでは かえって危険だ。 124 00:10:46,812 --> 00:10:49,282 わしらを信じて待っておれ。 125 00:10:49,282 --> 00:10:53,152 ≪(笑い声) 126 00:10:53,152 --> 00:10:55,154 では 行ってまいります。 127 00:10:55,154 --> 00:11:01,861 ♬~ 128 00:11:01,861 --> 00:11:05,298 すず! おらんではないか。 129 00:11:05,298 --> 00:11:07,233 あれ…? 130 00:11:07,233 --> 00:11:11,637 もうよい。 藩邸内を くまなく捜すのだ。 ええ。 131 00:11:11,637 --> 00:11:13,572 伴四郎。 132 00:11:13,572 --> 00:11:37,797 ♬~ 133 00:11:37,797 --> 00:11:39,799 すず…。 134 00:11:39,799 --> 00:11:50,499 ♬~ 135 00:11:53,612 --> 00:11:56,949 (2人)え~っ!? わあ~っ! 136 00:11:56,949 --> 00:11:59,852 お… 叔父上 何をしておるのです!? 137 00:11:59,852 --> 00:12:01,821 な… 何って お前➡ 138 00:12:01,821 --> 00:12:04,690 ナニをナニして… うぁ~っ! うるさい! 139 00:12:04,690 --> 00:12:08,661 お主こそ 何をしておる!? すずを連れ戻しに参りました。 140 00:12:08,661 --> 00:12:10,661 すずを? 141 00:12:12,965 --> 00:12:20,665 お主ら ここで何をしておる!? 何って ナニをナニして…。 142 00:12:22,975 --> 00:12:30,483 酒樽に隠れてまで… 懲りぬ男よ。 143 00:12:30,483 --> 00:12:35,321 おい 中間 賭場に来んと思ったら➡ 144 00:12:35,321 --> 00:12:38,924 白ネギとつるんで 何をたくらんでおる? 145 00:12:38,924 --> 00:12:40,924 伴四郎。 146 00:12:44,597 --> 00:12:49,769 どうしても諦めぬというのか? すずの居所を教えて下さい。 147 00:12:49,769 --> 00:12:54,607 おらん。 そのような女子は おらんと申したはずだ。 148 00:12:54,607 --> 00:12:58,607 ならば なぜ我々を 取り押さえるのです? 149 00:13:00,780 --> 00:13:06,585 女子の居所など 知ったところで手遅れよ。 150 00:13:06,585 --> 00:13:11,791 今宵 エゲレスの船に乗せられ 港を離れる手はずだ。 151 00:13:11,791 --> 00:13:16,629 人の道を外れてまで お上に盾つくとは➡ 152 00:13:16,629 --> 00:13:20,299 南海藩士も こう 愚かだとはな。 153 00:13:20,299 --> 00:13:22,234 おい じじい! 154 00:13:22,234 --> 00:13:24,637 お主に わしらのつらさが分かるか!? 155 00:13:24,637 --> 00:13:26,972 このままでは 子の代 孫の代にまで➡ 156 00:13:26,972 --> 00:13:30,309 ひもじい思いをさせる事と なるのだぞ。 157 00:13:30,309 --> 00:13:34,580 それは エゲレス様の酒宴に出される料理。 158 00:13:34,580 --> 00:13:39,080 わしらの食い物など 残されておらん。 159 00:13:40,920 --> 00:13:46,092 エゲレス野郎も桔梗屋も いけすかん。 しかし 人の道に外れようが➡ 160 00:13:46,092 --> 00:13:51,897 貧しい日々を乗り越えねば わしらに明日はない。 161 00:13:51,897 --> 00:13:57,803 分かりました。 ならば あなたたちの好きにすればいい。 162 00:13:57,803 --> 00:14:00,639 縄を解いてくれ。 もう ここを出ましょう。 163 00:14:00,639 --> 00:14:04,777 おい しかし…。 今のままでは 何を言っても無駄。 164 00:14:04,777 --> 00:14:08,577 さあ 早く。 柴田。 165 00:14:20,960 --> 00:14:24,660 悪あがきはよせ。 そうではない。 166 00:14:27,833 --> 00:14:33,539 最後に 一品だけ 作らせてほしい。 167 00:14:33,539 --> 00:14:37,910 私が あなたたちにしてやれる事は これしかないのだ。 168 00:14:37,910 --> 00:14:40,813 こやつらに構うのはやめろ。 169 00:14:40,813 --> 00:14:45,417 僅かな日々でも 同じ釜の飯を食った仲間。 170 00:14:45,417 --> 00:14:50,256 私にも南海魂はあるのです。 171 00:14:50,256 --> 00:14:53,759 しかし 食材は もう何も残っておらん。 172 00:14:53,759 --> 00:14:56,662 全て エゲレス野郎の料理に 使われてしまったわ。 173 00:14:56,662 --> 00:14:59,565 いや まだ残っています。 174 00:14:59,565 --> 00:15:49,415 ♬~ 175 00:15:49,415 --> 00:15:51,415 出来た。 176 00:15:53,586 --> 00:15:59,458 すまし汁です。 召し上がってみて下さい。 177 00:15:59,458 --> 00:16:03,596 そ… そんな汁で 力が出るか! 178 00:16:03,596 --> 00:16:08,467 そうだ。 出る訳がない。 そうじゃ。 179 00:16:08,467 --> 00:16:12,271 (豚の声) 180 00:16:12,271 --> 00:16:14,971 たらふく! 181 00:16:16,775 --> 00:16:20,613 せっかくの料理を こやつらは いらんと言う。 182 00:16:20,613 --> 00:16:23,313 お主 代わりに食ってくれんか。 183 00:16:24,950 --> 00:16:26,885 食う! えっ? 184 00:16:26,885 --> 00:16:30,289 豚に くれてやるぐらいなら わしが食う! 185 00:16:30,289 --> 00:16:33,259 ならば 俺も! 俺も食う! 186 00:16:33,259 --> 00:16:35,561 さっさと よこせ! 187 00:16:35,561 --> 00:16:42,067 ♬~ 188 00:16:42,067 --> 00:16:47,239 かつて この料理は 私に たとえ貧しさの中であっても➡ 189 00:16:47,239 --> 00:16:51,110 生きる事は尊いと 教えてくれました。 190 00:16:51,110 --> 00:16:54,580 そして これを口にした男は➡ 191 00:16:54,580 --> 00:17:01,453 藩を追われた今もなお どこかで生きております。 192 00:17:01,453 --> 00:17:04,590 生きる事とは食う事。 193 00:17:04,590 --> 00:17:10,462 貧しくても 工面して食う事で 人は豊かに生きられるのです。 194 00:17:10,462 --> 00:17:22,441 ♬~ 195 00:17:22,441 --> 00:17:24,941 新八殿も どうです? 196 00:17:26,945 --> 00:17:29,982 いらん。 197 00:17:29,982 --> 00:17:35,482 お常さんは申しておりました。 「人らしくありたい」と。 198 00:17:37,222 --> 00:17:42,394 人の道を外れた醜さを 新八殿も見たでしょう。 199 00:17:42,394 --> 00:17:47,900 貧しくても 人らしくある事は かないます。 200 00:17:47,900 --> 00:18:12,900 ♬~ 201 00:18:15,427 --> 00:18:17,427 うまい。 202 00:18:20,599 --> 00:18:27,799 新八 エゲレスへ連れ出す手はずの 女子は どこにおったかのう。 203 00:18:30,309 --> 00:18:35,714 酒宴の席にも同席させるよう エゲレス様がご所望だ。 204 00:18:35,714 --> 00:18:38,014 迎えに行かねばならん。 205 00:18:43,222 --> 00:18:47,222 (大田垣)なあ 新八。 206 00:18:51,397 --> 00:18:53,397 奥座敷。 207 00:18:55,267 --> 00:19:00,572 船の来航に合わせ 土壇場で女子に逃げられぬよう➡ 208 00:19:00,572 --> 00:19:06,572 用心して 広間の近くの奥座敷に 移したであろう。 忘れたか? 209 00:19:08,247 --> 00:19:13,247 参るぞ 伴四郎。 新八殿 かたじけない。 210 00:19:25,431 --> 00:19:27,631 すず。 伴様。 211 00:19:29,268 --> 00:19:36,041 久しぶりだな。 言葉なら分かってるはずだ。 212 00:19:36,041 --> 00:19:38,544 分からぬふりをして➡ 213 00:19:38,544 --> 00:19:44,416 賭場では南海藩の内実を 検分していたのだろう。 214 00:19:44,416 --> 00:19:47,553 女子を返してもらう。 215 00:19:47,553 --> 00:19:51,223 それは できねえ。 216 00:19:51,223 --> 00:19:57,029 やはり お主も 人の道を外れた男か。 217 00:19:57,029 --> 00:20:02,234 そんな事はありません。 おい すず…。 218 00:20:02,234 --> 00:20:06,104 だって この方は見張りをしながら➡ 219 00:20:06,104 --> 00:20:09,741 エゲレス様から私を守ってくれました。 220 00:20:09,741 --> 00:20:16,081 この方がいたから 私は 心強くいられたんです。 221 00:20:16,081 --> 00:20:19,585 なるほど。 222 00:20:19,585 --> 00:20:23,755 エゲレス様の行いには 得心がゆかぬが➡ 223 00:20:23,755 --> 00:20:28,594 公使の警固役としての役目も 捨てられんと。 224 00:20:28,594 --> 00:20:35,934 どうだ? 迷いがあるなら 運に任せてみては。 225 00:20:35,934 --> 00:20:39,271 久しぶりに勝負しようではないか。 226 00:20:39,271 --> 00:20:43,609 わしが勝ったら すずは連れて帰る。 227 00:20:43,609 --> 00:20:45,909 俺が勝ったら? 228 00:20:48,113 --> 00:20:51,450 すずの事は 好きにして構わん。 229 00:20:51,450 --> 00:20:53,650 ちょっと! 230 00:20:55,621 --> 00:20:59,321 おもしれえ。 のった。 231 00:21:01,293 --> 00:21:03,228 えっ…。 232 00:21:03,228 --> 00:21:12,304 ♬~ 233 00:21:12,304 --> 00:21:14,304 まいります。 234 00:21:21,647 --> 00:21:23,582 あっ。 真面目にやれ! 235 00:21:23,582 --> 00:21:25,984 いや しかし 壺振りなど した事がありません。 236 00:21:25,984 --> 00:21:28,984 すずの命運が かかっておるのだ。 237 00:21:36,595 --> 00:21:38,595 まいります。 238 00:21:42,467 --> 00:21:45,604 丁か半か。 239 00:21:45,604 --> 00:21:56,304 ♬~ 240 00:22:06,458 --> 00:22:11,158 黙れ エゲレス野郎 勝負の最中だ。 241 00:22:14,800 --> 00:22:16,835 丁! 242 00:22:16,835 --> 00:22:18,971 半! 243 00:22:18,971 --> 00:22:29,147 ♬~ 244 00:22:29,147 --> 00:22:32,347 ピンゾロの丁! 245 00:22:34,586 --> 00:22:37,923 よ~し! すず! 伴様! 246 00:22:37,923 --> 00:22:40,623 連れて帰るぞ。 247 00:22:45,263 --> 00:22:47,263 待て! 248 00:22:50,936 --> 00:22:53,271 (アボット)何をする!? やめろ! 249 00:22:53,271 --> 00:22:55,607 行け! 250 00:22:55,607 --> 00:22:58,607 (アボット)ノー! すず! 251 00:23:01,480 --> 00:23:04,950 アボット様が…。 252 00:23:04,950 --> 00:23:06,885 遅いな。 253 00:23:06,885 --> 00:23:16,561 ♬~ 254 00:23:16,561 --> 00:23:20,261 何奴だ! であえい であえい! 255 00:23:25,270 --> 00:23:30,270 (俊成)お主ら 何者であるか!? エゲレス様の土産物を何とする! 256 00:23:31,910 --> 00:23:35,580 貴様… 酒田伴四郎。 257 00:23:35,580 --> 00:23:39,251 すずは我が妻 エゲレスへやる訳にはいきません。 258 00:23:39,251 --> 00:23:41,920 連れて帰ります。 何をしておる。 259 00:23:41,920 --> 00:23:45,791 さっさと 取り押さえよ! 260 00:23:45,791 --> 00:23:47,791 聞こえんのか!? 261 00:23:51,430 --> 00:23:56,601 エゲレスと手を組み 倒幕のたくらみなど➡ 262 00:23:56,601 --> 00:24:00,439 小物かと思えば 大それた事を。 263 00:24:00,439 --> 00:24:04,939 中間風情が何を申す? 気でも狂うたか。 264 00:24:10,148 --> 00:24:13,952 お主… 松平。 265 00:24:13,952 --> 00:24:17,789 お上に盾つきたくなる気持ちは 分かる。 266 00:24:17,789 --> 00:24:21,626 しかし 本当に 藩の命運を賭けてまで➡ 267 00:24:21,626 --> 00:24:26,798 藩士たちの命を賭けてまで なさねばならぬ事か? 268 00:24:26,798 --> 00:24:31,303 たくらみを取り下げねば お上に全てを知らせ➡ 269 00:24:31,303 --> 00:24:33,739 南海藩など取り潰してくれるわ! 270 00:24:33,739 --> 00:24:52,090 ♬~ 271 00:24:52,090 --> 00:24:55,594 何を着ても美しいのう。 272 00:24:55,594 --> 00:25:01,099 よ~く見ておこう。 いつでも思い出せるように。 273 00:25:01,099 --> 00:25:04,970 怒ったのか? いや 冷やかしたつもりは…。 274 00:25:04,970 --> 00:25:07,439 私の身を 博打で取り戻そうなんて…。 275 00:25:07,439 --> 00:25:10,275 負けていたら どうするつもりだったのです? 276 00:25:10,275 --> 00:25:14,613 お主の旦那も大したタマじゃ。 あの土壇場で イカサマを仕込むとは。 277 00:25:14,613 --> 00:25:18,950 何を言うのです。 あなたの策ではありませんか。 278 00:25:18,950 --> 00:25:21,950 サイコロに仕掛けをさせてもらった。 279 00:25:25,123 --> 00:25:28,160 ゾロ目であれば 出る目は丁に決まっておる。 280 00:25:28,160 --> 00:25:33,832 うまくいきましたね。 見破られなくてよかった。 281 00:25:33,832 --> 00:25:37,569 いや 分かっておったろう。 282 00:25:37,569 --> 00:25:42,407 インチキを見破ってなお 我らを逃がしたのだ。 283 00:25:42,407 --> 00:25:47,579 奴には 人の道が分かっていたのだろう。 284 00:25:47,579 --> 00:25:51,579 よい勝負だった。 ええ。 285 00:25:57,255 --> 00:26:01,092 <「おめえら 聞いたか? 南海藩に入り浸ってたエゲレス様が➡ 286 00:26:01,092 --> 00:26:03,762 国へ帰る間際で 罷免されたって」。➡ 287 00:26:03,762 --> 00:26:06,264 「例の人さらいも そいつだってぇ話よ。➡ 288 00:26:06,264 --> 00:26:08,934 てめえの手下に ふん縛られてちゃ 世話ねぇや」。➡ 289 00:26:08,934 --> 00:26:11,770 「江戸の娘を連れて帰ろうなんて ふてぇ野郎だ」。➡ 290 00:26:11,770 --> 00:26:14,673 「裏で操ってた桔梗屋も お取り潰しだってよ」。➡ 291 00:26:14,673 --> 00:26:17,108 「あの色男も これで おしめえか」。➡ 292 00:26:17,108 --> 00:26:21,308 「ああ うちのかかあも さらっといてくれたらな」> 293 00:26:23,882 --> 00:26:26,284 一体 どうなっておる!? 294 00:26:26,284 --> 00:26:29,621 殿だけではなく 清之助様まで雲隠れとは。 295 00:26:29,621 --> 00:26:34,059 お千代の方様の姿もないそうだ! (2人)え~? 296 00:26:34,059 --> 00:26:36,561 さすがじゃ。 うまい。 おいしい。 297 00:26:36,561 --> 00:26:40,232 ああ 父上 あそこのだんごの方が おいしいらしいですよ。 298 00:26:40,232 --> 00:26:42,167 そうか。 わしは これの方が気に入っておるが。 299 00:26:42,167 --> 00:26:46,571 これ以上 江戸にいたら また何をされるか分からん。 300 00:26:46,571 --> 00:26:50,571 待っておれよ すず はな坊。 301 00:26:53,078 --> 00:26:57,278 たらふく! お主 なぜ ここに? 302 00:27:01,253 --> 00:27:03,253 「御免」? 303 00:27:07,759 --> 00:27:09,794 行くぞ たらふく。 304 00:27:09,794 --> 00:27:17,469 ♬~ 305 00:27:17,469 --> 00:27:20,772 素直に謝りゃあいいじゃないか。 306 00:27:20,772 --> 00:27:24,643 今更 高野に戻りたいなどと 言えるか。 307 00:27:24,643 --> 00:27:29,481 「南海で出世する」と 大口をたたいておいて。 308 00:27:29,481 --> 00:27:34,886 なら 南海に戻るかい? バカを言うな。 309 00:27:34,886 --> 00:27:40,558 あの藩は これからどうなるのか。 私だけでも戻ろうかねぇ。 310 00:27:40,558 --> 00:27:46,364 ならん! 共に生きると 決めたではないか。 311 00:27:46,364 --> 00:27:48,433 平三殿。 312 00:27:48,433 --> 00:27:50,568 お徳。 313 00:27:50,568 --> 00:27:56,241 ♬~ 314 00:27:56,241 --> 00:28:00,111 お常 それ終わったら こっち 手伝ってくれ。 はい。 315 00:28:00,111 --> 00:28:06,952 ♬~ 316 00:28:06,952 --> 00:28:09,587 すず! 行くぞ。 317 00:28:09,587 --> 00:28:14,092 伴様。 あんた 本当に逃げる気かい? 318 00:28:14,092 --> 00:28:19,892 これ以上 殿に振り回されるなど 真っ平ごめんです。 さあ。 319 00:28:21,599 --> 00:28:25,770 ♬~ 320 00:28:25,770 --> 00:28:27,706 どこに行くのじゃ 伴四郎。 321 00:28:27,706 --> 00:28:33,878 いや… しばらく旅に出ようかと。 なあ すず。 ええ。 322 00:28:33,878 --> 00:28:38,049 お主が藩に戻る事ができるよう 段取りは済んでおる。 323 00:28:38,049 --> 00:28:41,086 いや…。 2人とも朝から晩まで➡ 324 00:28:41,086 --> 00:28:44,556 「伴四郎 伴四郎」と 気味が悪いほどですよ。 325 00:28:44,556 --> 00:28:47,225 たまたまじゃ たまたま。 なあ 若造。 326 00:28:47,225 --> 00:28:50,729 ええ たまたまですよ。 もう うそばっかり! 327 00:28:50,729 --> 00:28:53,631 とにかく 2人は あなたの事が➡ 328 00:28:53,631 --> 00:28:57,235 気になって気になって しかたがないのです。 329 00:28:57,235 --> 00:29:01,573 これからも 2人のお守りを よろしくお願いしますね。 330 00:29:01,573 --> 00:29:04,409 いや… それは…。 331 00:29:04,409 --> 00:29:07,245 すず? 332 00:29:07,245 --> 00:29:10,148 私は 一人で行きます。 333 00:29:10,148 --> 00:29:13,585 江戸に 伴様を求める方が いらっしゃるのなら➡ 334 00:29:13,585 --> 00:29:17,255 お預けしましょう。 もう少しだけですよ。 335 00:29:17,255 --> 00:29:19,555 決して悪いようにはせん。 336 00:29:22,927 --> 00:29:25,830 あっ… すず? 337 00:29:25,830 --> 00:29:28,266 ちょっと 待ってくれ! 338 00:29:28,266 --> 00:29:34,873 ♬~ 339 00:29:34,873 --> 00:29:39,210 すず! す…。 340 00:29:39,210 --> 00:29:42,714 でも 江戸の女子に うつつを抜かしては➡ 341 00:29:42,714 --> 00:29:44,749 承知しませんよ。 342 00:29:44,749 --> 00:29:50,588 ♬~ 343 00:29:50,588 --> 00:29:53,224 すず…。 344 00:29:53,224 --> 00:29:56,895 <時は幕末 所はお江戸。➡ 345 00:29:56,895 --> 00:30:00,565 やっとの想いで 元の日々に戻った伴四郎ですが➡ 346 00:30:00,565 --> 00:30:07,338 はてさて 無事に国元へ 帰れる日は いつになるのやら…> 347 00:30:07,338 --> 00:30:10,538 すず~! 348 00:30:33,531 --> 00:30:36,031 (てん)つばきさん! 349 00:30:38,269 --> 00:30:40,939 (つばき)その節は ご迷惑をおかけして➡ 350 00:30:40,939 --> 00:30:43,441 申し訳ございませんでした。 351 00:30:43,441 --> 00:30:46,945 いいえ こちらこそ すんませんでした。 352 00:30:46,945 --> 00:30:49,280 隼也に ご用で? はい。 353 00:30:49,280 --> 00:30:51,783 ちょっと お渡ししたいものがあって。 354 00:30:51,783 --> 00:30:55,120 そうか。 ほな イチ ちょっと 裏 捜してきてくれるか。 355 00:30:55,120 --> 00:30:57,120 (イチ)へえ。