1 00:00:33,326 --> 00:00:36,879 (典膳)ご息女 千春殿を ご返上つかまつります。 2 00:00:36,879 --> 00:00:39,582 (龍之進)千春の恨み 思い知ったか!? 3 00:00:39,582 --> 00:00:42,585 (千春)何をなさるのじゃ!? (兵部)長尾家で起きた事は→ 4 00:00:42,585 --> 00:00:46,085 一切 口外しないでもらいたい。 5 00:00:48,157 --> 00:00:51,944 (文吾)「丹下家の断絶を 申し付ける」。 6 00:00:51,944 --> 00:00:54,680 ははっ! (兵部)ここらで 男らしく→ 7 00:00:54,680 --> 00:01:00,286 節目をつけて 嫁を 長尾家に返しては どうか? 8 00:01:00,286 --> 00:01:05,992 どうか 優しい奥方が 見つかりますように。 9 00:01:05,992 --> 00:01:12,715 わしが 妻をめとる事は 二度とない。 10 00:01:12,715 --> 00:01:19,388 丹下典膳の妻は この世に たった一人だ。 11 00:01:19,388 --> 00:01:34,086 ♪♪~ 12 00:01:34,086 --> 00:01:40,086 ♪♪~(テーマ音楽) 13 00:01:46,349 --> 00:01:49,518 (お菊)よう戻ってきたの。 14 00:01:49,518 --> 00:01:53,189 ご心配をおかけしました。 15 00:01:53,189 --> 00:01:58,544 あれから ずっと 気がかりでな。 16 00:01:58,544 --> 00:02:03,616 千春が 人質に捕られたのではないかと。 17 00:02:03,616 --> 00:02:06,419 そんなお方ではありませぬ。 18 00:02:06,419 --> 00:02:08,454 そうらしいの。 19 00:02:08,454 --> 00:02:14,610 あの方は 長尾家を守るために お口をつぐんで下さいました。 20 00:02:14,610 --> 00:02:19,915 父上が 頭を下げたからじゃ。 21 00:02:19,915 --> 00:02:25,921 そのために 旗本のご身分を 召し上げられました。 22 00:02:25,921 --> 00:02:29,658 気の毒じゃの。 23 00:02:29,658 --> 00:02:35,658 お気持ちを察すれば 千春は 居ても立ってもいられませぬ。 24 00:02:37,817 --> 00:02:42,488 見舞い金を届けたはずじゃ。 25 00:02:42,488 --> 00:02:45,724 50両で 事が済むとお思いですか? 26 00:02:45,724 --> 00:02:48,027 典膳殿が そう言うたのか!? 27 00:02:48,027 --> 00:02:50,179 はっ? 28 00:02:50,179 --> 00:02:53,115 50両では足りぬと。 29 00:02:53,115 --> 00:02:55,684 母上! もう よい。 30 00:02:55,684 --> 00:02:58,684 頭が 痛うなった。 31 00:03:08,464 --> 00:03:10,464 兄上。 32 00:03:20,376 --> 00:03:22,445 兄上。 33 00:03:22,445 --> 00:03:24,445 兄上! 34 00:03:27,566 --> 00:03:31,120 なぜ 刀を抜いたのですか? 35 00:03:31,120 --> 00:03:34,290 お前の恥をそそぐためだ。 36 00:03:34,290 --> 00:03:38,611 典膳殿に 咎はござりませぬ。 37 00:03:38,611 --> 00:03:41,080 離縁したではないか!? 38 00:03:41,080 --> 00:03:44,280 その訳は ご存じのはず。 39 00:03:46,585 --> 00:03:49,989 あやつを 初手から 斬るつもりはなかった。 40 00:03:49,989 --> 00:03:54,577 鍔元の受けとやらを 見たかったのだ。 41 00:03:54,577 --> 00:03:57,947 ところが ヤツは抜かなかった。 42 00:03:57,947 --> 00:04:00,199 勢いあまって 俺の切っ先が→ 43 00:04:00,199 --> 00:04:04,787 二の腕に ざっくり入ってしもうた。 44 00:04:04,787 --> 00:04:08,007 抜いていれば 修羅場でした。 45 00:04:08,007 --> 00:04:12,211 兄上のお命はござりませんでした。 46 00:04:12,211 --> 00:04:17,183 そうかもしれんが ヤツにも 油断があった。 47 00:04:17,183 --> 00:04:23,322 いいえ 主人は遠慮したのです。 48 00:04:23,322 --> 00:04:25,391 遠慮? 49 00:04:25,391 --> 00:04:28,878 上杉家のお役宅にて 旗本が刀を抜けば→ 50 00:04:28,878 --> 00:04:32,998 ただ事では済みませぬ。 己の処罰を恐れてか? 51 00:04:32,998 --> 00:04:38,003 いいえ 長尾家を守ったのです。 52 00:04:38,003 --> 00:04:41,257 ♪♪~ 53 00:04:41,257 --> 00:04:46,262 お前は まだ 典膳にほれているのか!? 54 00:04:46,262 --> 00:04:49,465 ♪♪~ 55 00:04:49,465 --> 00:04:53,018 兄上は いかがですか? 56 00:04:53,018 --> 00:04:57,690 腕を斬り落とされ 浪人に成り下がった主人に→ 57 00:04:57,690 --> 00:05:00,926 負い目を感じないのですか? 58 00:05:00,926 --> 00:05:04,513 ♪♪~ 59 00:05:04,513 --> 00:05:08,000 バカな事をしたとは思うておる。 60 00:05:08,000 --> 00:05:12,571 ならば おわびなされませ。 61 00:05:12,571 --> 00:05:14,857 父上が謝った。 62 00:05:14,857 --> 00:05:18,711 それでは 通りませぬ。 63 00:05:18,711 --> 00:05:20,711 (安兵衛)よう! 金坊。 64 00:05:22,982 --> 00:05:26,482 おう! おはつ。 65 00:05:28,487 --> 00:05:31,307 お~い 皆の衆! 66 00:05:31,307 --> 00:05:38,414 今日から お仲間の丹下様じゃ! 顔を出さんかい!? 67 00:05:38,414 --> 00:05:40,914 ツルでござる。 68 00:05:44,887 --> 00:05:47,187 こっちは カメ。 69 00:05:49,224 --> 00:05:51,777 奥が 八卦見。 70 00:05:51,777 --> 00:05:54,677 それと 壁塗り大工。 71 00:05:56,715 --> 00:05:59,518 この方が 丹下様じゃ。 72 00:05:59,518 --> 00:06:02,755 よろしゅう頼むぞ。 73 00:06:02,755 --> 00:06:06,592 お手回りのお道具は 昨日 届いております。 74 00:06:06,592 --> 00:06:09,592 さあ ここでござる。 75 00:06:11,664 --> 00:06:15,751 おう! お豊ちゃん。 76 00:06:15,751 --> 00:06:17,886 (お豊)おいでなされませ。 77 00:06:17,886 --> 00:06:20,856 この子が 身の回りの お世話を致します。 78 00:06:20,856 --> 00:06:24,860 うん? 向かいの人形職人の娘ですが→ 79 00:06:24,860 --> 00:06:30,599 労咳で寝込んだ父親を 近所の手伝いで養うております。 80 00:06:30,599 --> 00:06:32,818 豊と申します。 81 00:06:32,818 --> 00:06:34,870 親孝行じゃの。 82 00:06:34,870 --> 00:06:37,790 何でも お申しつけ下さいませ。 83 00:06:37,790 --> 00:06:39,758 それは ありがたい。 84 00:06:39,758 --> 00:06:43,045 おい どかんか! あっ。 85 00:06:43,045 --> 00:06:45,745 さあ どうぞ。 86 00:06:49,184 --> 00:06:52,988 お道具の並べ替えは 後ほど お申しつけ下さい。 87 00:06:52,988 --> 00:06:56,608 いや このままでよい。 88 00:06:56,608 --> 00:06:59,712 朝餉は お豊が こしらえてまいります。 89 00:06:59,712 --> 00:07:02,247 拙宅で ご一緒に いかがですか? 90 00:07:02,247 --> 00:07:05,017 拙宅? 91 00:07:05,017 --> 00:07:08,087 隣でござる。 かたじけない。 92 00:07:08,087 --> 00:07:12,141 その向こうは 俵職人。 ほう。 93 00:07:12,141 --> 00:07:16,612 夕餉は お化け横丁の居酒屋が よいかと存じます。 94 00:07:16,612 --> 00:07:18,597 お化け横丁? 95 00:07:18,597 --> 00:07:21,850 時々 これが出るそうで。 96 00:07:21,850 --> 00:07:25,354 ふ~ん。 ハハハ…。 97 00:07:25,354 --> 00:07:28,424 (お豊)あの…。 うん? 98 00:07:28,424 --> 00:07:33,445 ご用の時は この鈴をお鳴らし下さりませ。 99 00:07:33,445 --> 00:07:35,414 (鈴の音) 100 00:07:35,414 --> 00:07:38,150 おいおい 猫ではないぞ。 101 00:07:38,150 --> 00:07:41,854 ハハハ…。 ハハハ…。 102 00:07:41,854 --> 00:07:44,223 では 後ほど。 うん。 103 00:07:44,223 --> 00:07:49,423 お豊。 はい。 この丼は 何のまじないじゃ? 104 00:07:51,213 --> 00:07:55,584 申し訳ございません。 天井から 雨が漏りますので。 105 00:07:55,584 --> 00:07:59,588 雨じゃと? ハハハ…。 106 00:07:59,588 --> 00:08:04,243 ハハハ… 風流じゃの。 ハハハ…。 107 00:08:04,243 --> 00:08:10,582 いや 浪人暮らしも悪くないな。 108 00:08:10,582 --> 00:08:16,288 いかにも いかにも。 ぐうたらな それがしには ぴったりでござる。 109 00:08:16,288 --> 00:08:18,540 ハハハ…。 110 00:08:18,540 --> 00:08:33,238 ♪♪~ 111 00:08:33,238 --> 00:08:35,257 あなた。 112 00:08:35,257 --> 00:08:41,046 ♪♪~ 113 00:08:41,046 --> 00:08:43,081 あなた。 114 00:08:43,081 --> 00:08:46,885 ♪♪~ 115 00:08:46,885 --> 00:08:51,740 千春。 朝餉のお支度ができました。 116 00:08:51,740 --> 00:08:55,961 ♪♪~ 117 00:08:55,961 --> 00:09:01,750 (鈴の音) 118 00:09:01,750 --> 00:09:04,450 (お豊)おはようございます。 119 00:09:08,891 --> 00:09:10,891 (鈴の音) 120 00:09:12,895 --> 00:09:16,081 (鈴の音) 朝餉のお支度ができました。 121 00:09:16,081 --> 00:09:18,183 夢か…。 122 00:09:18,183 --> 00:09:20,252 夢ではございません。 123 00:09:20,252 --> 00:09:24,152 安兵衛様が お待ちかねでございます。 124 00:09:34,683 --> 00:09:36,683 (物音) 125 00:09:42,491 --> 00:09:45,143 (子供達)わっ! 126 00:09:45,143 --> 00:09:48,243 すまん。 こら 待て! 127 00:09:54,770 --> 00:09:56,822 ああ。 すまん。 128 00:09:56,822 --> 00:10:00,642 よう眠れましたか? 寝過ぎてしもうた。 129 00:10:00,642 --> 00:10:02,642 どうぞ。 うん。 130 00:10:04,913 --> 00:10:09,134 おう 筆を作っておるのか? 131 00:10:09,134 --> 00:10:12,454 それが 食い扶持でござる。 132 00:10:12,454 --> 00:10:14,823 大したもんじゃの。 133 00:10:14,823 --> 00:10:20,229 はばかりながら 天下一品の筆でござる。 134 00:10:20,229 --> 00:10:22,881 穂先は 馬の毛でござる。 135 00:10:22,881 --> 00:10:25,100 ほう 馬の毛か。 136 00:10:25,100 --> 00:10:31,323 おかげで 伊予西条の松平家より 毎月30本の御用がござり申す。 137 00:10:31,323 --> 00:10:35,127 鼻の穴を広げるな。 ハハハ…。 138 00:10:35,127 --> 00:10:38,127 おつけが冷めますよ。 139 00:10:41,033 --> 00:10:44,987 丹下さんのお仕事は? ない。 140 00:10:44,987 --> 00:10:49,691 何か探さんといけませんな。 急がんでよい。 141 00:10:49,691 --> 00:10:52,177 一緒に 筆を作りますか? 142 00:10:52,177 --> 00:10:54,713 細工物は 不得手じゃ。 143 00:10:54,713 --> 00:10:57,716 何もしないと 気鬱になりますよ。 144 00:10:57,716 --> 00:11:00,435 する事はある。 例えば? 145 00:11:00,435 --> 00:11:03,555 おつけ。 146 00:11:03,555 --> 00:11:06,775 当面は 読書と剣術かな。 147 00:11:06,775 --> 00:11:09,528 剣術? 148 00:11:09,528 --> 00:11:12,547 すまんが わしに 稽古をつけてくれんか? 149 00:11:12,547 --> 00:11:15,217 それは よろしゅうござるが…。 150 00:11:15,217 --> 00:11:18,086 お刀が使えますか? 151 00:11:18,086 --> 00:11:21,990 やってみにゃ 分からん。 152 00:11:21,990 --> 00:11:26,278 わしは 剣術一筋に生きてきた。 153 00:11:26,278 --> 00:11:29,698 他に 取り柄がないのだ。 154 00:11:29,698 --> 00:11:34,620 うん 承知しました。 155 00:11:34,620 --> 00:11:37,620 豆腐。 はい。 156 00:11:41,360 --> 00:11:53,905 ♪♪~ 157 00:11:53,905 --> 00:11:57,359 かたじけない。 では。 158 00:11:57,359 --> 00:12:09,004 ♪♪~ 159 00:12:09,004 --> 00:12:12,841 いざ。 いざ。 160 00:12:12,841 --> 00:12:35,380 ♪♪~ 161 00:12:35,380 --> 00:12:38,033 え~いっ! 162 00:12:38,033 --> 00:12:45,540 ♪♪~ 163 00:12:45,540 --> 00:12:47,826 参りました。 164 00:12:47,826 --> 00:12:52,464 手加減は 無用じゃ。 いえ めっそうもない。 165 00:12:52,464 --> 00:13:13,802 ♪♪~ 166 00:13:13,802 --> 00:13:15,837 来い。 167 00:13:15,837 --> 00:13:20,609 ♪♪~ 168 00:13:20,609 --> 00:13:22,627 えい! 169 00:13:22,627 --> 00:13:33,522 ♪♪~ 170 00:13:33,522 --> 00:13:35,857 どうした? 171 00:13:35,857 --> 00:13:38,457 恐れ入りました。 172 00:13:40,812 --> 00:13:43,181 いやはや 驚きました。 173 00:13:43,181 --> 00:13:49,154 正眼の構えといい 下段から中段 寸分の隙もごさらん。 174 00:13:49,154 --> 00:13:54,154 どうしても それがしには 両手で 構えているように見え申した。 175 00:13:56,144 --> 00:13:58,113 わしも 捨てたものではないな。 176 00:13:58,113 --> 00:14:01,416 到底 それがしの及ぶところでは ござらぬ。 177 00:14:01,416 --> 00:14:04,820 だが 真剣は 木刀より ずっと重い。 178 00:14:04,820 --> 00:14:09,875 心して この右腕を 鍛え上げねばならぬ。 179 00:14:09,875 --> 00:14:14,112 それにしても 不思議ですな。 うん? 180 00:14:14,112 --> 00:14:20,719 これほどの達人が ならず者に 斬られるとは 合点が参りません。 181 00:14:20,719 --> 00:14:23,338 あの話は 真でござりますか? 182 00:14:23,338 --> 00:14:26,191 油断したのだ。 いやいや。 183 00:14:26,191 --> 00:14:30,378 それがしは 何か 裏があると にらんでおります。 184 00:14:30,378 --> 00:14:34,583 裏とは? それを お尋ねしております。 185 00:14:34,583 --> 00:14:36,651 お前こそ 入門のみぎり→ 186 00:14:36,651 --> 00:14:39,921 へっぽこのふりを したではないか? はっ? 187 00:14:39,921 --> 00:14:45,427 わしはな お前のただならぬ腕を 即座に見抜いた。 188 00:14:45,427 --> 00:14:50,949 見抜いたからこそ 入門を許したのだ。 どうぞ。 189 00:14:50,949 --> 00:14:54,386 へっぽこのふりをしたのは 何のためだ? 190 00:14:54,386 --> 00:14:57,823 一刀流の極意を盗みにきたのか? 191 00:14:57,823 --> 00:15:00,458 ヘヘヘ…。 192 00:15:00,458 --> 00:15:05,547 今夜は お前の身の上を聞きたい。 193 00:15:05,547 --> 00:15:09,084 越後新発田の出であったな? 194 00:15:09,084 --> 00:15:12,120 親は 溝口家に仕えておりました。 195 00:15:12,120 --> 00:15:14,422 なぜ 浪人になった? 196 00:15:14,422 --> 00:15:18,560 それがしは 心地流きっての使い手といわれ→ 197 00:15:18,560 --> 00:15:21,696 少々 天狗になっておりましたが→ 198 00:15:21,696 --> 00:15:24,416 ある時 御前試合で→ 199 00:15:24,416 --> 00:15:28,186 一刀流の柿本三左という 小納戸役と立ち会い→ 200 00:15:28,186 --> 00:15:31,923 いや~ 手ひどく 打ちのめされました。 201 00:15:31,923 --> 00:15:37,229 負けたのか? 鼻っ柱を へし折られました。 202 00:15:37,229 --> 00:15:39,314 それで? 203 00:15:39,314 --> 00:15:43,718 ふだんから 横柄な口をきき 増長していた それがしは→ 204 00:15:43,718 --> 00:15:47,138 居たたまれなくなって 出奔しました。 205 00:15:47,138 --> 00:15:50,408 ようある話じゃ。 206 00:15:50,408 --> 00:15:53,245 いつかは 柿本を負かしてやろうと→ 207 00:15:53,245 --> 00:15:57,883 江戸へ出て 一刀流 堀内道場の門をたたきました。 208 00:15:57,883 --> 00:16:01,019 なぜ へっぽこのふりをした? 209 00:16:01,019 --> 00:16:04,619 柿本に 悟られないためでござる。 210 00:16:06,691 --> 00:16:10,579 妙な男じゃの。 はっ お恥ずかしゅうござる。 211 00:16:10,579 --> 00:16:13,682 手をたたけ。 はっ? 212 00:16:13,682 --> 00:16:16,782 ぽんぽんと 手をたたけ。 213 00:16:18,753 --> 00:16:21,740 ≪(女中)は~い! 214 00:16:21,740 --> 00:16:23,740 これを。 215 00:16:26,795 --> 00:16:29,395 ハハハ… ハハハ…。 216 00:16:40,308 --> 00:16:43,808 (角田佐治兵衛)お頼み申す。 ≪(お豊)はい。 217 00:16:46,381 --> 00:16:48,516 あっ 菅野様。 218 00:16:48,516 --> 00:16:52,587 (菅野六郎左衛門) 安兵衛は 在宅か? 219 00:16:52,587 --> 00:16:55,387 おいでなされませ。 220 00:16:57,892 --> 00:17:02,113 臭いな。 ハハハ… 鯵の干物と たくあんで→ 221 00:17:02,113 --> 00:17:04,950 昼餉を食しておりました。 客か? 222 00:17:04,950 --> 00:17:07,619 いえ お隣の…。 お父上か? 223 00:17:07,619 --> 00:17:12,390 さにあらず。 身元の請け人じゃ。 224 00:17:12,390 --> 00:17:14,409 どうぞ お上がりを。 225 00:17:14,409 --> 00:17:16,911 座る所がない。 226 00:17:16,911 --> 00:17:19,080 ただいま 片づけております。 227 00:17:19,080 --> 00:17:21,783 上がりとうない。 そう言わずに。 228 00:17:21,783 --> 00:17:25,036 この間は ダニに食われて ひどい目に遭うた。 229 00:17:25,036 --> 00:17:28,056 ハハハ…。 230 00:17:28,056 --> 00:17:32,844 (六郎左衛門)筆は出来たか? はいはい 出来ております。 231 00:17:32,844 --> 00:17:41,720 ♪♪~ 232 00:17:41,720 --> 00:17:44,823 親戚筋で 一番の出来損ないじゃ。 233 00:17:44,823 --> 00:17:47,292 聞こえましたぞ。 234 00:17:47,292 --> 00:17:54,165 ♪♪~ 235 00:17:54,165 --> 00:17:56,835 出来たての逸品でござる。 236 00:17:56,835 --> 00:17:59,537 佐治兵衛。 はっ。 237 00:17:59,537 --> 00:18:03,591 ♪♪~ 238 00:18:03,591 --> 00:18:07,028 毎度 ありがとうござります。 239 00:18:07,028 --> 00:18:10,398 酒は ほどほどにせよ。 240 00:18:10,398 --> 00:18:12,434 はっ。 241 00:18:12,434 --> 00:18:16,121 ♪♪~ 242 00:18:16,121 --> 00:18:18,139 行くぞ。 (佐治兵衛)はっ。 243 00:18:18,139 --> 00:18:21,826 わざわざ どうも。 見送りはいらん。 迷惑じゃ! 244 00:18:21,826 --> 00:18:27,082 ♪♪~ 245 00:18:27,082 --> 00:18:31,586 菅野六郎左衛門? 杯を交わした伯父でござる。 246 00:18:31,586 --> 00:18:36,608 伊予の松平家に仕え 江戸屋敷 勘定方吟味役を務めております。 247 00:18:36,608 --> 00:18:39,144 ほう。 248 00:18:39,144 --> 00:18:42,247 あのとおり ずけずけと ものを申しますので→ 249 00:18:42,247 --> 00:18:44,349 しょっちゅう 悶着を起こしますが→ 250 00:18:44,349 --> 00:18:47,619 そこが 殿様のお気に召して 重用されております。 251 00:18:47,619 --> 00:18:50,889 大久保彦左衛門だな。 ハハハ…。 252 00:18:50,889 --> 00:18:54,342 還暦を過ぎても しぶとく隠居しませんので→ 253 00:18:54,342 --> 00:18:57,612 ご同役には だいぶ 憎まれております。 254 00:18:57,612 --> 00:19:00,115 あの気骨なら まだまだ辞めまい。 255 00:19:00,115 --> 00:19:02,751 辞められては こっちも困ります。 256 00:19:02,751 --> 00:19:05,170 筆を買うてもらえませんので。 257 00:19:05,170 --> 00:19:09,340 金づるか? ハハハ…。 258 00:19:09,340 --> 00:19:11,976 食べ終わったら 洗濯物を出して下さい。 259 00:19:11,976 --> 00:19:14,846 分かった。 260 00:19:14,846 --> 00:19:17,348 丹下さんも。 261 00:19:17,348 --> 00:19:19,784 今夜は 雨が降るぞ。 262 00:19:19,784 --> 00:19:22,954 あら どうして分かるんですか? 263 00:19:22,954 --> 00:19:25,256 傷跡が むずがゆい。 264 00:19:25,256 --> 00:19:27,475 へえ。 265 00:19:27,475 --> 00:19:33,275 奇妙な事に 左手の指先まで かゆい。 266 00:20:43,451 --> 00:20:45,803 暑いの。 267 00:20:45,803 --> 00:20:48,323 何を縫うておる? 268 00:20:48,323 --> 00:20:52,193 いえ 何となく。 269 00:20:52,193 --> 00:20:55,493 他に する事もないので。 270 00:20:58,283 --> 00:21:03,655 困った事になった。 271 00:21:03,655 --> 00:21:09,460 やっと 千春が落ち着いたと 思うたら 今度は 龍之進が。 272 00:21:09,460 --> 00:21:12,647 いかがなされました? 273 00:21:12,647 --> 00:21:16,518 父上に 廃嫡を願い出た。 274 00:21:16,518 --> 00:21:19,020 廃嫡? 275 00:21:19,020 --> 00:21:23,620 「長尾家を継ぐ器にあらず」と。 276 00:21:25,677 --> 00:21:29,047 (お菊)お前に責められて だいぶ 気弱になっておる。 277 00:21:29,047 --> 00:21:32,450 少しは 優しくしておやり。 278 00:21:32,450 --> 00:21:34,752 当然の事を言うただけです。 279 00:21:34,752 --> 00:21:37,252 (お菊)そう言わずに。 280 00:21:39,724 --> 00:21:45,713 どうじゃ? 3人で 芝居でも見に行かぬか? 281 00:21:45,713 --> 00:21:50,151 市村座で 団十郎の評判がいいらしい。 282 00:21:50,151 --> 00:21:53,351 とても そんな気には。 283 00:21:57,258 --> 00:22:00,058 筋を違えたかな? 284 00:22:02,480 --> 00:22:05,516 稽古のし過ぎですよ。 285 00:22:05,516 --> 00:22:07,516 ああ 痛い 痛い 痛い…。 286 00:22:11,689 --> 00:22:15,443 丹下さん。 うん? 287 00:22:15,443 --> 00:22:18,463 安兵衛さんを しかって下さい。 288 00:22:18,463 --> 00:22:22,350 どうしたのだ? 289 00:22:22,350 --> 00:22:27,055 物干し場で ふんどしを外して 寝ていたんです。 290 00:22:27,055 --> 00:22:33,077 ふんどしを外して? ご近所は みんな 怒ってます。 291 00:22:33,077 --> 00:22:39,584 大目に見てやれ。 嫌ですよ! 見たくありません。 292 00:22:39,584 --> 00:22:43,021 あいつも あほじゃな。 293 00:22:43,021 --> 00:22:46,521 はい 裏返し。 294 00:23:33,588 --> 00:23:38,760 ≪ うん… ああ…。 295 00:23:38,760 --> 00:23:42,180 ♪♪~ 296 00:23:42,180 --> 00:23:44,749 ≪(お豊)うまいでしょ? ≪ うん うまい。 297 00:23:44,749 --> 00:23:47,518 ああっ ああっ 痛い 痛い。 298 00:23:47,518 --> 00:23:49,921 ≪ ああ…。 299 00:23:49,921 --> 00:23:51,921 (お豊)じゃ これは? 300 00:23:53,925 --> 00:23:56,577 ああ…。 301 00:23:56,577 --> 00:23:59,614 どう? ああ…。 302 00:23:59,614 --> 00:24:02,316 (お豊の笑い声) 303 00:24:02,316 --> 00:24:29,043 ♪♪~ 304 00:24:29,043 --> 00:24:31,345 何じゃ? あれは。 305 00:24:31,345 --> 00:24:33,448 あら。 306 00:24:33,448 --> 00:24:35,433 誰か来たのか? 307 00:24:35,433 --> 00:24:44,559 ♪♪~ 308 00:24:44,559 --> 00:24:46,761 開けてくれ。 309 00:24:46,761 --> 00:25:11,319 ♪♪~ 310 00:25:11,319 --> 00:25:15,239 金坊! ああ。 311 00:25:15,239 --> 00:25:19,327 誰か ここへ来たか? 312 00:25:19,327 --> 00:25:22,413 金坊。 来た。 313 00:25:22,413 --> 00:25:26,117 男か? 女か? 女。 314 00:25:26,117 --> 00:25:30,254 きれいな人か? 知らねえやい! 315 00:25:30,254 --> 00:25:42,654 ♪♪~ 316 00:25:54,779 --> 00:25:59,217 ≪ 安兵衛。 はっ。 317 00:25:59,217 --> 00:26:02,753 聞きたい事がある。 何でしょう? 318 00:26:02,753 --> 00:26:05,753 上がるぞ。 どうぞ。 319 00:26:08,109 --> 00:26:10,311 家内が ここへ来たらしい。 320 00:26:10,311 --> 00:26:14,182 家内? 家内とは どなたの事で? 321 00:26:14,182 --> 00:26:17,518 うん? 千春だ。 322 00:26:17,518 --> 00:26:20,154 へえ いつですか? 323 00:26:20,154 --> 00:26:22,240 たった今じゃ。 324 00:26:22,240 --> 00:26:24,275 お会いになったのですか? 会わなかった。 325 00:26:24,275 --> 00:26:31,532 家内… 千春は 届け物を置いて そのまま帰った。 326 00:26:31,532 --> 00:26:34,652 どうして また? 327 00:26:34,652 --> 00:26:37,188 お前が教えたな? 何の事でしょう? 328 00:26:37,188 --> 00:26:39,290 とぼけるな! 丹下さん! 329 00:26:39,290 --> 00:26:42,460 ここを教えたな? いけませんか? 330 00:26:42,460 --> 00:26:45,360 口止めしたではないか!? 331 00:26:51,452 --> 00:26:57,742 4日ほど前 道場を出ると 千春殿が立っていました。 332 00:26:57,742 --> 00:27:04,949 涙を いっぱい浮かべて 「住まいを教えて下さい」と。 333 00:27:04,949 --> 00:27:10,021 「ああ まだ ほれてるんだな。 会いたいんだな」と→ 334 00:27:10,021 --> 00:27:12,590 胸に迫りました。 335 00:27:12,590 --> 00:27:15,059 ここで断っては 男が廃ると。 336 00:27:15,059 --> 00:27:17,612 余計な事をしてくれたな。 337 00:27:17,612 --> 00:27:21,215 丹下さんは どうですか? 千春殿に ほれてるんでしょう? 338 00:27:21,215 --> 00:27:24,452 本当は 会いたいんでしょう? 顔に書いてありますよ。 339 00:27:24,452 --> 00:27:28,422 千春は 離縁した。 「覆水 盆に返らず」じゃ。 340 00:27:28,422 --> 00:27:32,343 でも ほれてますな? うるさい! 341 00:27:32,343 --> 00:27:36,581 いっそ 復縁しては いかがか? 復縁じゃと? 342 00:27:36,581 --> 00:27:40,818 もう一遍 婚礼を挙げて 一緒になったら どうです? 343 00:27:40,818 --> 00:27:43,220 仲人は この安兵衛が 引き受けましょう。 344 00:27:43,220 --> 00:27:46,874 ふん! 向こうは 家老のご息女じゃ。 345 00:27:46,874 --> 00:27:49,210 わしは 落ちぶれた浪人じゃ。 346 00:27:49,210 --> 00:27:51,529 それは まあ そうですが…。 安兵衛。 347 00:27:51,529 --> 00:27:55,216 お前は 竹を割ったような 気性じゃと思うておったが→ 348 00:27:55,216 --> 00:27:59,287 実は 竹を割ったような頭じゃな。 竹を割ったような頭? 349 00:27:59,287 --> 00:28:02,790 ここが 空っぽじゃ! ハハハ…。 350 00:28:02,790 --> 00:28:05,760 ものの道理というものが 全く分かっておらん。 351 00:28:05,760 --> 00:28:09,580 男女の間に 道理などござらん! 偉そうに申すな! 352 00:28:09,580 --> 00:28:14,251 それがしが 竹の頭なら あんたは 盆栽の松ですな。 353 00:28:14,251 --> 00:28:16,287 盆栽の松? 354 00:28:16,287 --> 00:28:20,274 もちっと 素直になったら いかがですかな? まっすぐに。 355 00:28:20,274 --> 00:28:22,793 安兵衛。 356 00:28:22,793 --> 00:28:25,579 お前には さんざん世話になった。 357 00:28:25,579 --> 00:28:27,882 それは 日頃から ありがたいと思うておる。 358 00:28:27,882 --> 00:28:31,652 だがな これだけは 言うておく。 359 00:28:31,652 --> 00:28:36,452 わしの心の内まで 土足で踏み込むのは やめよ! 360 00:28:38,442 --> 00:28:40,478 出しゃばるな! 361 00:28:40,478 --> 00:29:44,578 ♪♪~ 362 00:29:53,417 --> 00:29:55,717 (金坊)あっ 帰ってきた! 363 00:29:57,722 --> 00:29:59,890 丹下さん。 どうした? 364 00:29:59,890 --> 00:30:02,176 大変です。 安兵衛さんが…。 うん? 365 00:30:02,176 --> 00:30:05,946 これを。 伯父さんの助太刀に行くって。 366 00:30:05,946 --> 00:30:09,450 果たし合い? 「あとを よろしく頼む」って→ 367 00:30:09,450 --> 00:30:13,337 飛び出していきました。 高田馬場…。 368 00:30:13,337 --> 00:30:18,642 ♪♪~ 369 00:30:18,642 --> 00:30:20,661 おっと! 370 00:30:20,661 --> 00:30:29,687 ♪♪~ 371 00:30:29,687 --> 00:30:31,655 ああっ! 372 00:30:31,655 --> 00:30:40,915 ♪♪~ 373 00:30:40,915 --> 00:30:43,551 (村上庄左衛門)来い! (村上三郎右衛門)どうした!? 374 00:30:43,551 --> 00:30:47,154 (庄左衛門)積年の恨みを 今こそ 晴らしてくれようぞ! 375 00:30:47,154 --> 00:30:50,174 ええい! この役立たずが! 376 00:30:50,174 --> 00:30:52,176 (中津川祐見)覚悟! 377 00:30:52,176 --> 00:30:59,583 ♪♪~ 378 00:30:59,583 --> 00:31:01,952 (吾助)旦那様! 379 00:31:01,952 --> 00:31:05,539 (三郎右衛門)どけ! ええい! 380 00:31:05,539 --> 00:31:07,608 ≪ やあ やあ! 381 00:31:07,608 --> 00:31:09,593 しばらく! 382 00:31:09,593 --> 00:31:12,780 しばらく! しばらく! 383 00:31:12,780 --> 00:31:15,349 安兵衛…。 384 00:31:15,349 --> 00:31:17,349 何者じゃ!? 385 00:31:20,087 --> 00:31:24,792 菅野六郎左衛門が甥 中山安兵衛でござる。 386 00:31:24,792 --> 00:31:28,913 義によって 助太刀に参上つかまつった。 387 00:31:28,913 --> 00:31:30,913 御免! 388 00:31:34,168 --> 00:31:37,721 助太刀とは 片腹痛し! 389 00:31:37,721 --> 00:31:39,721 かかれ! 390 00:32:10,204 --> 00:32:25,402 ♪♪~ 391 00:32:25,402 --> 00:32:28,122 や~っ! 392 00:32:28,122 --> 00:32:47,308 ♪♪~ 393 00:32:47,308 --> 00:32:49,376 クソッ! 394 00:32:49,376 --> 00:33:39,676 ♪♪~ 395 00:33:42,179 --> 00:33:44,832 伯父上! 396 00:33:44,832 --> 00:33:47,685 伯父上! 397 00:33:47,685 --> 00:33:49,685 伯父上! 398 00:33:53,524 --> 00:33:56,744 しっかりなされよ! 399 00:33:56,744 --> 00:34:00,014 安兵衛…。 400 00:34:00,014 --> 00:34:04,451 よう来てくれたな…。 401 00:34:04,451 --> 00:34:07,851 日頃の恩返しでござる。 402 00:34:11,775 --> 00:34:14,478 傷は 浅うござるぞ。 403 00:34:14,478 --> 00:34:18,949 ウソはつくな。 404 00:34:18,949 --> 00:34:25,489 酒は ほどほどにな…。 405 00:34:25,489 --> 00:34:29,660 伯父上 伯父上! 406 00:34:29,660 --> 00:34:32,713 伯父上 しっかりなされい! 407 00:34:32,713 --> 00:34:34,682 伯父上! 408 00:34:34,682 --> 00:34:39,236 ♪♪~ 409 00:34:39,236 --> 00:34:41,255 遅いな。 410 00:34:41,255 --> 00:34:43,957 ♪♪~ 411 00:34:43,957 --> 00:34:46,527 あの出しゃばりが! 412 00:34:46,527 --> 00:34:56,186 ♪♪~ 413 00:34:56,186 --> 00:34:58,605 殺されたんでしょうか? 414 00:34:58,605 --> 00:35:07,414 ♪♪~ 415 00:35:07,414 --> 00:35:23,280 (安兵衛のいびき) 416 00:35:23,280 --> 00:35:27,751 (読売り)早刷りだい! 早刷り! お代は たったの3文だい! 417 00:35:27,751 --> 00:35:31,989 昨日 高田馬場で 果たし合いがござった! 418 00:35:31,989 --> 00:35:34,375 (男)いくらだ? はい 早いね。 はいよ! 419 00:35:34,375 --> 00:35:39,012 驚くなかれ。 助っ人の浪人 中山安兵衛が→ 420 00:35:39,012 --> 00:35:41,448 鬼神も驚く大働きだ。 421 00:35:41,448 --> 00:35:44,518 ばったばったと 6人も斬り殺したぜ! 422 00:35:44,518 --> 00:35:47,755 さあ 買った 買った! お代は たったの3文だ! 423 00:35:47,755 --> 00:35:50,190 はいよ。 さあさ 買った 買った! 424 00:35:50,190 --> 00:35:55,245 ♪♪~ 425 00:35:55,245 --> 00:35:58,515 「中山安兵衛に討たれて 落命せしは→ 426 00:35:58,515 --> 00:36:01,819 伊予の国 西条松平家のご家中にて→ 427 00:36:01,819 --> 00:36:07,741 江戸詰め勘定方 村上庄左衛門 同じく三郎右衛門のご兄弟。→ 428 00:36:07,741 --> 00:36:10,511 他4名のご家来衆なり」。 429 00:36:10,511 --> 00:36:12,863 (大工)やった。 やった やった! 430 00:36:12,863 --> 00:36:15,115 (ツル)あの中山さんがのう。 431 00:36:15,115 --> 00:36:17,217 「相手方にて 落命せしは→ 432 00:36:17,217 --> 00:36:24,158 同じく 松平家 江戸勘定方 菅野六郎左衛門 1名なり」。 433 00:36:24,158 --> 00:36:26,693 (俵職人)で 安さんは? 434 00:36:26,693 --> 00:36:28,779 分からん。 逃げたんじゃ。 435 00:36:28,779 --> 00:36:31,548 どこへ? あとで 八卦を立ててみる。 436 00:36:31,548 --> 00:36:33,617 当たるもんかい! そうだ そうだ。 437 00:36:33,617 --> 00:36:37,554 何だと!? すると 安さんは お尋ね者か? 438 00:36:37,554 --> 00:36:39,890 (お豊)捕まったら どうなるんだい? 439 00:36:39,890 --> 00:36:42,776 (女)切腹? (男)いや 磔かもしれねえぞ。 440 00:36:42,776 --> 00:36:45,076 (お豊)そんな! 441 00:36:47,014 --> 00:36:49,783 (敬之進)中山安兵衛という 同姓同名じゃ。 442 00:36:49,783 --> 00:36:51,885 別人に決まっておる。 443 00:36:51,885 --> 00:36:54,354 (武兵衛)越後新発田の浪人と 聞きました。 444 00:36:54,354 --> 00:36:57,975 ならば 別人が 名をかたっておるに相違ない。 445 00:36:57,975 --> 00:37:00,310 (正春)捕らえられたのだな? はい。 446 00:37:00,310 --> 00:37:02,329 牢屋につながれております。 447 00:37:02,329 --> 00:37:05,082 しからば 奉行所にて 確かめるがよかろう。 448 00:37:05,082 --> 00:37:07,651 本人なら いかがなされます? 449 00:37:07,651 --> 00:37:11,538 ありえぬ! あのへっぽこが 6人も斬れると思うか? 450 00:37:11,538 --> 00:37:13,557 わしは 9人と聞いたぞ。 451 00:37:13,557 --> 00:37:15,642 ますますもって 笑止千万。 452 00:37:15,642 --> 00:37:18,579 万が一 安兵衛ならば? 453 00:37:18,579 --> 00:37:21,148 即刻 破門じゃ! 454 00:37:21,148 --> 00:37:25,435 みだりに 抜刀し 人をあやめ 投獄されたとあらば→ 455 00:37:25,435 --> 00:37:27,688 当道場も 火の粉をかぶるではないか!? 456 00:37:27,688 --> 00:37:32,843 (武兵衛)ところが 賞賛の声が 江戸中に広まっております。 457 00:37:32,843 --> 00:37:36,547 (敬之進)賞賛の声? 「あれこそ 武人の鑑じゃ。→ 458 00:37:36,547 --> 00:37:39,516 ようやった。 ようやった」と。 459 00:37:39,516 --> 00:37:42,219 誰が 何と言おうが わしは許さん! 460 00:37:42,219 --> 00:37:46,790 考えてもみよ! あやつが 腕前を隠して入門したとすれば→ 461 00:37:46,790 --> 00:37:48,876 堀内道場を 愚弄した事になるではないか!? 462 00:37:48,876 --> 00:37:54,414 わしらの目が 節穴同然といわれるではないか!? 463 00:37:54,414 --> 00:37:58,886 「腕に覚えの一刀流。 右へ左へ獅子奮迅。→ 464 00:37:58,886 --> 00:38:03,957 当たるを幸い なぎ倒し 斬りも斬ったり 18人。→ 465 00:38:03,957 --> 00:38:07,861 袈裟懸け真っ向唐竹割り。 高田馬場は 血の煙。→ 466 00:38:07,861 --> 00:38:12,761 宮本武蔵の再来か。 男 安兵衛 晴れ姿!」。→ 467 00:38:15,085 --> 00:38:19,423 「さあて お立ち会い。 天下泰平よかれども→ 468 00:38:19,423 --> 00:38:23,360 武士の本分 地に落ちて 細身の大小 落とし差し。→ 469 00:38:23,360 --> 00:38:28,248 剣豪 中山安兵衛は へなへな武士への面当てか。→ 470 00:38:28,248 --> 00:38:32,048 当世武士への警鐘か」。 471 00:38:43,046 --> 00:38:46,946 おい 丹下殿は? 472 00:38:50,621 --> 00:38:54,591 そうか。 牢屋の中か。 473 00:38:54,591 --> 00:38:56,693 (武兵衛)厳しい詮議を 受けておりましょう。 474 00:38:56,693 --> 00:39:00,881 それにしても 安兵衛には驚きました。 475 00:39:00,881 --> 00:39:03,481 ここまで 腕が立つとは。 476 00:39:05,469 --> 00:39:08,522 典膳殿のお仕込みですか? 477 00:39:08,522 --> 00:39:11,491 わしは 片腕じゃ。 秘策を伝授なされたとか。 478 00:39:11,491 --> 00:39:17,414 ない ない。 わしが知らん間に 飛び出していきおった。 479 00:39:17,414 --> 00:39:20,450 それを伺うて 安堵致しました。 480 00:39:20,450 --> 00:39:25,789 実は 典膳殿にも 累が及ぶのでは ないかと 案じておりました。 481 00:39:25,789 --> 00:39:28,091 すまんな。 師範代は→ 482 00:39:28,091 --> 00:39:31,845 ご機嫌斜めにござります。 安兵衛は 腕前を隠し→ 483 00:39:31,845 --> 00:39:34,581 堀内道場をたばかったと。 484 00:39:34,581 --> 00:39:36,581 さもあらん。 485 00:39:40,187 --> 00:39:43,287 どうぞ。 かたじけない。 486 00:39:45,442 --> 00:39:48,979 安兵衛さんは ここへ帰ってくるのでしょうか? 487 00:39:48,979 --> 00:39:51,581 それとも 打ち首でしょうか? 488 00:39:51,581 --> 00:39:54,868 さあな。 489 00:39:54,868 --> 00:39:57,971 奉行所は 困惑しておりましょう。 490 00:39:57,971 --> 00:40:00,057 困惑? 491 00:40:00,057 --> 00:40:05,746 大義名分のない私闘で これだけの 人を殺せば 普通は死罪ですが→ 492 00:40:05,746 --> 00:40:10,017 果たし状を突きつけてきたのは 先方でござる。 493 00:40:10,017 --> 00:40:15,389 受けて立たねば 武門の名折れと相成ります。 494 00:40:15,389 --> 00:40:17,624 安兵衛は 助っ人にすぎぬ。 495 00:40:17,624 --> 00:40:22,346 されど その助っ人が 主役になりました。→ 496 00:40:22,346 --> 00:40:24,448 天下に 名声をとどろかせ→ 497 00:40:24,448 --> 00:40:29,052 今や 江戸で一番の人気者に なりました。→ 498 00:40:29,052 --> 00:40:34,752 奉行所とて この武勇伝を 無視する訳にはまいりますまい。 499 00:40:42,232 --> 00:40:48,422 安兵衛は 死に花を咲かせたな。 500 00:40:48,422 --> 00:40:50,824 (お豊)死に花? 501 00:40:50,824 --> 00:40:55,395 たとえ 打ち首でも 思い残す事はあるまい。 502 00:40:55,395 --> 00:41:00,083 縁起でもない事を…。 女子には分かるまいが→ 503 00:41:00,083 --> 00:41:07,483 武士というものは いつでも 死に場所を探しておる。 504 00:41:09,993 --> 00:41:16,717 誰のために死ぬのか 何のために死ぬるか…。 505 00:41:16,717 --> 00:41:22,439 武士は 主君のために 死ねばよいが→ 506 00:41:22,439 --> 00:41:27,994 浪人には 主君がないのだ。 507 00:41:27,994 --> 00:41:36,094 ♪♪~ 508 00:41:37,754 --> 00:41:40,624 紀伊国屋! (一同)紀伊国屋! 509 00:41:40,624 --> 00:41:43,894 方々から誘いはあろうが 上杉家は どうじゃ? 510 00:41:43,894 --> 00:41:46,480 (堀部弥兵衛)赤穂は 暖かい。 511 00:41:46,480 --> 00:41:51,134 剣に生きるならば おのずと 答えは出てこよう。 512 00:41:51,134 --> 00:41:53,904 良縁があれば 嫁に行け。 513 00:41:53,904 --> 00:41:56,306 わしも 安心できる。 514 00:41:56,306 --> 00:42:02,913 ♪♪「真夜中過ぎに羽を広げて」 515 00:42:02,913 --> 00:42:10,020 ♪♪「音もなく飛び去った 鳥を見ていた」 516 00:42:10,020 --> 00:42:16,042 ♪♪「眠れぬ夜は なつかしい」 517 00:42:16,042 --> 00:42:22,098 ♪♪「あの歌を胸の中で」 518 00:42:22,098 --> 00:42:29,022 ♪♪「あまりに無力な この手のひら」 519 00:42:29,022 --> 00:42:35,278 ♪♪「憶えているあの冷たさはまだ」 520 00:42:35,278 --> 00:42:41,251 ♪♪「消えない 胸の奥で」 521 00:42:41,251 --> 00:42:50,594 ♪♪「えぐるよな 痛みはまだ止まらない」 522 00:42:50,594 --> 00:42:57,017 ♪♪「悲しみの叫びよ 静まれ」 523 00:42:57,017 --> 00:43:03,490 ♪♪「自らを傷つける刃を」 524 00:43:03,490 --> 00:43:09,946 ♪♪「心の闇に捨ててしまえ」 525 00:43:09,946 --> 00:43:16,319 ♪♪「生まれ持った優しさで」 526 00:43:16,319 --> 00:43:23,319 ♪♪~