1 00:00:27,624 --> 00:00:33,396 (千春)お目にかかるのは 今日が初めてではございません。 2 00:00:33,396 --> 00:00:36,466 (典膳)大丈夫か? しっかりせい! 3 00:00:36,466 --> 00:00:38,985 大坂勤番を仰せつけられました。 4 00:00:38,985 --> 00:00:43,423 遠く離れて暮らすのは 切ない。 5 00:00:43,423 --> 00:00:45,992 狼藉者に 命はないぞ! 6 00:00:45,992 --> 00:00:50,330 もはや お前と 同じ墓に納まる事はできぬ。 7 00:00:50,330 --> 00:00:54,067 だが お前を 世間の さらし者にはしとうない。 8 00:00:54,067 --> 00:00:57,821 ご息女 千春殿を ご返上つかまつります。 9 00:00:57,821 --> 00:01:00,357 (龍之進)千春の恨み 思い知ったか!? 10 00:01:00,357 --> 00:01:03,126 何をなさるのじゃ!? (兵部)長尾家で起きた事は→ 11 00:01:03,126 --> 00:01:08,231 一切 口外しないでもらいたい。 12 00:01:08,231 --> 00:01:12,852 (文吾)「丹下家の断絶を 申し付ける」。 ははっ! 13 00:01:12,852 --> 00:01:14,888 (安兵衛)今日からお仲間の 丹下様じゃ。 14 00:01:14,888 --> 00:01:16,856 (お豊)大変です。 安兵衛さんが。 15 00:01:16,856 --> 00:01:22,429 ♪♪~ 16 00:01:22,429 --> 00:01:27,017 二つに一つだ。 上杉家か 浅野家か。 17 00:01:27,017 --> 00:01:29,002 丹下さんなら どうします? 18 00:01:29,002 --> 00:01:34,274 剣を生かし 剣に生きるならば おのずと答えは出てこよう。 19 00:01:34,274 --> 00:01:39,029 堀部安兵衛を名乗ります。 20 00:01:39,029 --> 00:01:44,529 ♪♪~(テーマ音楽) 21 00:02:07,791 --> 00:02:09,791 (物音) 22 00:02:14,798 --> 00:02:17,717 (赤川)おう やっぱり 丹下典膳か。 23 00:02:17,717 --> 00:02:19,986 (青田)ならず者に 腕ば斬られたヤツじゃな。 24 00:02:19,986 --> 00:02:22,622 (黒木)女の事でん 考えとったったちゃろ。 25 00:02:22,622 --> 00:02:25,759 (侍達の笑い声) 26 00:02:25,759 --> 00:02:28,295 (赤川)見んか こん落ちぶれた格好。 27 00:02:28,295 --> 00:02:31,398 何が 一刀流か!? 何が 旗本か!? 28 00:02:31,398 --> 00:02:34,250 こんくたばり損ない! 29 00:02:34,250 --> 00:02:37,854 (侍達の嘲笑) 30 00:02:37,854 --> 00:02:41,658 (龍之進)止めよ。 ≪(青田)こら! 丹下典膳! 31 00:02:41,658 --> 00:02:45,078 哀れなヤツよのう。 (侍達の嘲笑) 32 00:02:45,078 --> 00:02:49,933 (黒木)どうだ? 悔しいか? 33 00:02:49,933 --> 00:02:54,988 通せ。 通りたくば 土下座せんね。 34 00:02:54,988 --> 00:02:58,588 嫌なら かかってこい。 35 00:03:00,960 --> 00:03:03,797 おっ。 36 00:03:03,797 --> 00:03:06,182 おのれ! 37 00:03:06,182 --> 00:03:10,854 ♪♪~ 38 00:03:10,854 --> 00:03:12,854 や~っ! 39 00:03:14,908 --> 00:03:16,926 (赤川)こら! 40 00:03:16,926 --> 00:03:44,954 ♪♪~ 41 00:03:44,954 --> 00:03:47,791 (正春)今度は 丹下典膳か。 42 00:03:47,791 --> 00:03:53,830 (武兵衛)峰打ちながら 3人とも 骨が砕けて 気絶したそうで。 43 00:03:53,830 --> 00:03:55,865 (敬之進)相手は 侍か? 44 00:03:55,865 --> 00:04:01,204 はい 豊前の国 中津 小笠原家の家臣と聞いております。 45 00:04:01,204 --> 00:04:03,540 典膳は 捕縛されたのか? 46 00:04:03,540 --> 00:04:06,693 いえ 自ら 奉行所へ。 47 00:04:06,693 --> 00:04:09,493 (敬之進)同じ事ではないか!? 48 00:04:18,755 --> 00:04:22,692 (安兵衛)えっ? (弥兵衛)吟味方によれば→ 49 00:04:22,692 --> 00:04:30,984 峰打ちでなければ 3人とも即死であったそうな。 50 00:04:30,984 --> 00:04:33,269 何があったのでしょうか? 51 00:04:33,269 --> 00:04:36,689 まだ 分からん。 52 00:04:36,689 --> 00:04:38,892 父上! 動くな。 53 00:04:38,892 --> 00:04:41,561 しかし 典膳殿は 師匠でござる。 54 00:04:41,561 --> 00:04:44,481 お前は 浅野家の家臣 堀部安兵衛。 55 00:04:44,481 --> 00:04:46,766 もう 浪人ではない。 56 00:04:46,766 --> 00:04:52,338 ご主君の許しを得ずして 勝手に動く事 まかりならん! 57 00:04:52,338 --> 00:04:57,794 来月は お甲との婚礼も 控えておる。 58 00:04:57,794 --> 00:05:21,100 ♪♪~ 59 00:05:21,100 --> 00:05:27,090 丹下典膳は 3人組に絡まれ 川に 蹴り落とされました。 60 00:05:27,090 --> 00:05:30,894 先に仕掛けたのも 3人組からにござります。 61 00:05:30,894 --> 00:05:33,096 (権兵衛)見たのか? はい。 62 00:05:33,096 --> 00:05:36,916 本願寺参詣からの帰りしな たまたま 駕籠の中から。 63 00:05:36,916 --> 00:05:40,220 ほう。 典膳殿に おケガは? 64 00:05:40,220 --> 00:05:42,188 かすり傷も負うてはいまい。 65 00:05:42,188 --> 00:05:45,391 あっという間に 3人を打ち倒した。 66 00:05:45,391 --> 00:05:49,929 (お菊)へえ。 あの太刀さばきの速さ→ 67 00:05:49,929 --> 00:05:54,551 鮮やかさたるや およそ尋常ならず。 68 00:05:54,551 --> 00:05:57,520 神業としか 言いようがござりませぬ。 69 00:05:57,520 --> 00:06:00,590 (権兵衛)片腕でな。 70 00:06:00,590 --> 00:06:03,526 父上。 うん? 71 00:06:03,526 --> 00:06:08,047 手前は 明日 奉行所に赴き 見たままを申し立てます。 72 00:06:08,047 --> 00:06:11,201 いや 待て 待て。 73 00:06:11,201 --> 00:06:15,421 あ~… 厄介な事になりはせぬか? 74 00:06:15,421 --> 00:06:19,325 いささかなりとも 借りを返しとうござります。 75 00:06:19,325 --> 00:06:21,561 是非 お願い致します。 76 00:06:21,561 --> 00:06:24,497 典膳殿とは もう関わらぬほうが。 77 00:06:24,497 --> 00:06:28,384 なぜでしょうか? 奉行所で いろいろ聞かれます。 78 00:06:28,384 --> 00:06:33,590 龍之進は 武士の面目を 取り戻しとうござります。 79 00:06:33,590 --> 00:06:40,830 早まるな! 千坂兵部とも相談してみる。 80 00:06:40,830 --> 00:06:45,230 父上! お前は 口を出すな! 81 00:06:47,921 --> 00:06:51,624 安兵衛を破門したのは 早計でした。 82 00:06:51,624 --> 00:06:54,427 ヤツは 当道場を コケにした。 83 00:06:54,427 --> 00:07:01,534 されど 果たし合いで 名を上げ 浅野家に召し抱えられました。 84 00:07:01,534 --> 00:07:04,454 出世すればよいと いうものではない! 85 00:07:04,454 --> 00:07:11,194 仰せのとおりですが 当世の武士は 性根が腐っております。 86 00:07:11,194 --> 00:07:17,083 さればこそ 安兵衛の武勇が 賞賛の的となりました。 87 00:07:17,083 --> 00:07:19,285 うん。 恐らくは→ 88 00:07:19,285 --> 00:07:23,590 典膳殿も ご同様にござりましょう。 89 00:07:23,590 --> 00:07:26,893 堀内道場は 2人の剣豪を→ 90 00:07:26,893 --> 00:07:29,062 相次いで 世に送り出したのでござる。 91 00:07:29,062 --> 00:07:32,682 剣の修業は 賞賛を受けるためではない。 92 00:07:32,682 --> 00:07:36,519 義を貫くためじゃ。 もとより承知。 93 00:07:36,519 --> 00:07:39,789 両人は それぞれの義を貫きました。 94 00:07:39,789 --> 00:07:44,694 ほう どんな義を貫いた? 95 00:07:44,694 --> 00:07:50,199 ただれた世の中に 一石を投じ ご政道の緩みに 喝を入れました。 96 00:07:50,199 --> 00:07:52,199 うん。 97 00:07:56,356 --> 00:07:58,658 (敬之進)武兵衛。 はっ。 98 00:07:58,658 --> 00:08:02,058 お前も偉うなったの。 99 00:08:12,855 --> 00:08:16,125 (竹腰房之助)背中を 蹴られたのだな? 100 00:08:16,125 --> 00:08:20,430 はい。 仕掛けたのは 先方か? 101 00:08:20,430 --> 00:08:22,699 はい。 102 00:08:22,699 --> 00:08:25,218 (房之助)しかと相違ないな? 103 00:08:25,218 --> 00:08:28,818 相違ござりませぬ。 104 00:08:30,423 --> 00:08:32,792 そこへ座れ。 105 00:08:32,792 --> 00:08:37,792 いいから 上がって 座れ。 106 00:08:53,162 --> 00:08:57,850 駕籠の中から 事の一部始終を 見ていた者が居る。 107 00:08:57,850 --> 00:09:00,820 えっ? (房之助)昨日 本人から→ 108 00:09:00,820 --> 00:09:03,473 申し立てがあった。 109 00:09:03,473 --> 00:09:06,459 どなたでしょうか? 知りたいか? 110 00:09:06,459 --> 00:09:08,459 はい。 111 00:09:11,714 --> 00:09:15,818 上杉家の家老の子息じゃ。→ 112 00:09:15,818 --> 00:09:19,706 姓名は 長尾龍之進。 113 00:09:19,706 --> 00:09:24,827 ♪♪~ 114 00:09:24,827 --> 00:09:28,030 (房之助)他にも いくつか 請願書が届いておる。 115 00:09:28,030 --> 00:09:34,470 火の番頭の後藤七左衛門殿は 身元の請け人じゃな? 116 00:09:34,470 --> 00:09:38,758 母方の伯父でござる。 117 00:09:38,758 --> 00:09:45,658 あとは 一刀流 堀内正春。 118 00:09:49,919 --> 00:09:54,323 (房之助)紀伊国屋文左衛門? 119 00:09:54,323 --> 00:09:58,861 あの紀伊国屋と知り合いか? 120 00:09:58,861 --> 00:10:02,181 会うた事はござります。 121 00:10:02,181 --> 00:10:06,068 さすがは 丹下典膳じゃの。 122 00:10:06,068 --> 00:10:20,933 ♪♪~ 123 00:10:20,933 --> 00:10:23,319 (牢番)入れ。 124 00:10:23,319 --> 00:10:50,119 ♪♪~ 125 00:10:53,332 --> 00:10:55,501 (白竿屋長兵衛)ぶしつけながら→ 126 00:10:55,501 --> 00:11:00,089 丹下典膳様と お見受け致しやしたが? 127 00:11:00,089 --> 00:11:02,625 いかにも 典膳じゃ。 128 00:11:02,625 --> 00:11:05,325 こいつは ありがたい。 129 00:11:10,516 --> 00:11:13,202 お初に お目にかかりやす。 130 00:11:13,202 --> 00:11:16,255 あっしゃあ 浅草蔵前にて 口入れ稼業を営む→ 131 00:11:16,255 --> 00:11:18,457 白竿屋長兵衛と申します。 132 00:11:18,457 --> 00:11:23,012 白竿屋長兵衛? へえ ヘヘヘ…。 133 00:11:23,012 --> 00:11:25,798 お近づきになれて うれしゅうござんす。 134 00:11:25,798 --> 00:11:28,985 お近づきと言うても 牢屋の中じゃ。 135 00:11:28,985 --> 00:11:34,824 だからこそ 身分を越えて 朝晩 いつでも お話を伺えます。 136 00:11:34,824 --> 00:11:40,496 天下に名高え丹下典膳様を なんと 独り占めでさぁ。 137 00:11:40,496 --> 00:11:42,582 おおよそ 悪名だろう? 138 00:11:42,582 --> 00:11:45,985 ご冗談を! ヘヘヘ…。 139 00:11:45,985 --> 00:11:48,785 ≪(牢番)静かにせんか!? 140 00:11:56,362 --> 00:11:59,966 して お前は 何をやらかした? 141 00:11:59,966 --> 00:12:01,966 へえ。 142 00:12:04,086 --> 00:12:06,689 縄張り争いのとばっちりで。 143 00:12:06,689 --> 00:12:09,792 縄張り争い? 口入れ屋は→ 144 00:12:09,792 --> 00:12:13,763 鳶職や人足の請け負いと 割り付けが 稼業でござんす。 145 00:12:13,763 --> 00:12:17,717 こたびは 寛永寺根本中堂の ご普請を巡って→ 146 00:12:17,717 --> 00:12:21,754 同業の鬼追屋と いざこざがあり 殴り込みをかけられやした。 147 00:12:21,754 --> 00:12:24,357 ほう。 黙っちゃいられませんので→ 148 00:12:24,357 --> 00:12:27,360 翌日は こっちが殴り込みをかけ→ 149 00:12:27,360 --> 00:12:30,162 20人もの手下が お縄にかかりやした。 150 00:12:30,162 --> 00:12:32,331 うん。 人手がなくては→ 151 00:12:32,331 --> 00:12:34,433 稼業は成り立ちませんので→ 152 00:12:34,433 --> 00:12:39,689 身代わりに 手前が ここへ入ったって訳で。 153 00:12:39,689 --> 00:12:43,960 20人分の身代わりか? 大したもんじゃの。 154 00:12:43,960 --> 00:12:48,714 手間が省けて お上にも喜ばれやした。 155 00:12:48,714 --> 00:12:51,614 ハハハ…。 (長兵衛)シッ! 156 00:12:56,589 --> 00:13:03,529 「丹下典膳による傷害の一件は 当人に 科なき事 明白なり。→ 157 00:13:03,529 --> 00:13:08,684 よって 詮議に及ばず。→ 158 00:13:08,684 --> 00:13:11,454 ただし 相手方が 引き下がるまでは→ 159 00:13:11,454 --> 00:13:17,827 請け人 後藤七左衛門に 身柄を預けるものとす。→ 160 00:13:17,827 --> 00:13:21,130 町奉行 川口攝津守」。 161 00:13:21,130 --> 00:13:25,101 しかと承りました。 162 00:13:25,101 --> 00:13:28,754 ♪♪~ 163 00:13:28,754 --> 00:13:31,257 よいか? 典膳殿。 164 00:13:31,257 --> 00:13:34,927 小笠原家の不服申し立ては ありえぬ。 165 00:13:34,927 --> 00:13:40,700 身柄を預けるのは おぬしの身を守るためだ。→ 166 00:13:40,700 --> 00:13:47,223 長屋暮らしでは 仕返しを食うおそれがあるからな。 167 00:13:47,223 --> 00:13:49,942 ありがたき幸せ。 168 00:13:49,942 --> 00:14:02,388 ♪♪~ 169 00:14:02,388 --> 00:14:08,294 (六次郎)丹下先生は 安兵衛さん 同様 無罪放免と相成り→ 170 00:14:08,294 --> 00:14:10,930 この長屋を離れる事になった。 171 00:14:10,930 --> 00:14:17,620 お名残は惜しいが ご出世は間違いない。 172 00:14:17,620 --> 00:14:20,589 (八卦見)この長屋は 方角がいいんじゃ。 173 00:14:20,589 --> 00:14:23,392 八卦にも出ておった。 (ツル)こればっかり。 174 00:14:23,392 --> 00:14:26,162 (カメ)こればっかり。 (一同の笑い声) 175 00:14:26,162 --> 00:14:30,783 (大工)とにかくよ めでてえや。 おめでとうございます。 176 00:14:30,783 --> 00:14:32,852 (一同)おめでとうございます。 177 00:14:32,852 --> 00:14:37,857 みんなには 世話になった。 何かと 心配もかけた。 178 00:14:37,857 --> 00:14:43,195 ここを去るにあたって 一人一人に礼を言わねばならぬ。 179 00:14:43,195 --> 00:14:48,584 わしにとって これほど 心休まる日々はなかった。 180 00:14:48,584 --> 00:14:52,288 みんなの事は 一生忘れぬぞ。 181 00:14:52,288 --> 00:14:55,291 また お旗本になるんですかい? 182 00:14:55,291 --> 00:14:59,295 いや ならん。 するってえと 表のお方は? 183 00:14:59,295 --> 00:15:03,666 身元の請け人じゃ。 丹下先生の伯父上様じゃ。 184 00:15:03,666 --> 00:15:08,571 う~ん。 ああ…。 185 00:15:08,571 --> 00:15:10,623 (八卦見)あの…。 186 00:15:10,623 --> 00:15:15,628 申し上げにくうございますが 安兵衛さんは ここを出る時→ 187 00:15:15,628 --> 00:15:21,367 家財道具も ご祝儀の品も 全部 置いていきました。 188 00:15:21,367 --> 00:15:24,587 「みんなで分けよ」と。 そうそう。 189 00:15:24,587 --> 00:15:27,640 (大工)気前がよかったね。 (カメ)大したもんだよ。 190 00:15:27,640 --> 00:15:30,059 おい! お前達 はしたないぞ。 191 00:15:30,059 --> 00:15:32,895 何言ってやがる!? 家主さんだって 筆を そっくり持ってったぞ。 192 00:15:32,895 --> 00:15:36,732 そう そう たまり醤油もね。 あれは 家賃の代わりじゃ。 193 00:15:36,732 --> 00:15:40,686 わしは 耳かきとハエたたきしか もらっておらん。 194 00:15:40,686 --> 00:15:44,323 ウソ ウソ! 踏み台もらったじゃないの!? 195 00:15:44,323 --> 00:15:47,726 あれは すぐに壊れた。 もらった事にかわりはねえぞ! 196 00:15:47,726 --> 00:15:50,096 みんな 聞いてくれ。 197 00:15:50,096 --> 00:15:54,016 わしも 安兵衛と同じようにする。 198 00:15:54,016 --> 00:15:56,786 聞いたか? おい。 199 00:15:56,786 --> 00:16:01,223 この行李以外は 何もかも置いていく。 200 00:16:01,223 --> 00:16:03,976 布団もらった! (ツル)茶箪笥もらった! 201 00:16:03,976 --> 00:16:14,703 ♪♪~ 202 00:16:14,703 --> 00:16:17,790 何を盛り上がっておるのじゃ? 203 00:16:17,790 --> 00:16:20,690 うん? (久右衛門)蚊が。 204 00:16:23,729 --> 00:16:27,867 丹下典膳は 解き放たれた。 205 00:16:27,867 --> 00:16:30,967 無罪放免じゃ。 206 00:16:33,422 --> 00:16:40,362 無論 お前の志は 典膳にも伝わっておる。 207 00:16:40,362 --> 00:16:43,432 ありがとうございます。 どうじゃ? 208 00:16:43,432 --> 00:16:48,220 少しは 気が晴れたか? はい。 209 00:16:48,220 --> 00:16:55,811 今日を限りに 負い目もしがらみも 忘れるように。 210 00:16:55,811 --> 00:16:58,097 よいな? 211 00:16:58,097 --> 00:17:02,618 心得ました。 うん。 212 00:17:02,618 --> 00:17:07,623 お前は 長尾家の嫡男じゃ。 213 00:17:07,623 --> 00:17:13,195 早う身を固めて 跡継ぎをつくれ。 214 00:17:13,195 --> 00:17:17,583 よい縁談があれば 話を進めるぞ。 215 00:17:17,583 --> 00:17:20,083 かしこまりました。 216 00:17:22,872 --> 00:17:25,758 千春もですよ。 217 00:17:25,758 --> 00:17:28,794 私は 出戻りでございますから。 218 00:17:28,794 --> 00:17:32,394 それを忘れよと言っておる! 219 00:17:34,366 --> 00:17:37,686 ♪♪~ 220 00:17:37,686 --> 00:17:40,823 ♪♪「高砂や」 221 00:17:40,823 --> 00:17:50,966 ♪♪「この浦舟に 帆を揚げて」 222 00:17:50,966 --> 00:18:00,859 ♪♪「この浦舟に 帆を揚げて」 223 00:18:00,859 --> 00:18:21,664 ♪♪~ 224 00:18:21,664 --> 00:18:34,226 ♪♪~(三味線) 225 00:18:34,226 --> 00:18:37,196 (文左衛門)ようこそ お越し下さいました。 226 00:18:37,196 --> 00:18:41,596 久しぶりじゃな。 さあ どうぞ。 227 00:18:54,530 --> 00:18:56,882 先日は 馳走になったな。 228 00:18:56,882 --> 00:19:03,522 めっそうもない。 本日は また ご無理を申し上げまして。 229 00:19:03,522 --> 00:19:08,394 後藤様のお屋敷に お身柄お預かりと伺いましたが? 230 00:19:08,394 --> 00:19:13,499 ああ。 閉じ込められて 窮屈な思いをしておるが→ 231 00:19:13,499 --> 00:19:18,070 紀伊国屋文左衛門に招かれたと 言うたら 驚いて許してくれた。 232 00:19:18,070 --> 00:19:20,823 ハハハ… それは それは。 233 00:19:20,823 --> 00:19:25,227 おぬしは わしの入牢中 天下を驚かせたそうじゃな? 234 00:19:25,227 --> 00:19:29,181 はて? 吉原の郭を 全て借り切り→ 235 00:19:29,181 --> 00:19:31,567 遊女を総揚げしたと聞いた。 あれは→ 236 00:19:31,567 --> 00:19:36,105 丹下先生のお教えに 従いましたまでの事。 237 00:19:36,105 --> 00:19:38,123 わしが 何か言うたか? 238 00:19:38,123 --> 00:19:42,661 剣術も 商いも 奥義は 新手を編み出す事。 239 00:19:42,661 --> 00:19:46,465 世間を あっと言わせる事。 240 00:19:46,465 --> 00:19:49,368 遊女の総揚げは 新手か? 241 00:19:49,368 --> 00:19:55,057 ハハハ… 先生も 侍を 3人やっつけて→ 242 00:19:55,057 --> 00:19:58,961 天下を驚かせました。 自慢にならぬわ。 243 00:19:58,961 --> 00:20:01,561 ≪(女達)ごめんくださりませ。 244 00:20:11,790 --> 00:20:14,593 ほう。 これは また 豪華な。 245 00:20:14,593 --> 00:20:20,493 お気に召していただけましたら うれしゅうございます。 246 00:20:24,620 --> 00:20:29,220 さあさ 丹下先生 お一つ どうぞ。 うん。 247 00:20:38,567 --> 00:20:41,537 して 用向きとは? 248 00:20:41,537 --> 00:20:44,623 お話の前に…。 うん。 249 00:20:44,623 --> 00:20:46,759 喜兵衛。 ≪(喜兵衛)はい。 250 00:20:46,759 --> 00:20:49,094 (文左衛門)前回の宴のあと→ 251 00:20:49,094 --> 00:20:53,732 丹下先生より ご返礼の品が届きました。 252 00:20:53,732 --> 00:20:57,519 開けてみると これが 見事な脇差し。→ 253 00:20:57,519 --> 00:21:00,656 名工 当麻友則の作。 254 00:21:00,656 --> 00:21:05,444 ありがたき極みではございますが これは 頂けません。 255 00:21:05,444 --> 00:21:07,930 お返し致します。 256 00:21:07,930 --> 00:21:11,316 わしに 恥をかかせるのか? とんでもない。 257 00:21:11,316 --> 00:21:15,120 紀伊国屋に めったな物は 贈れぬよってな。 258 00:21:15,120 --> 00:21:17,122 精一杯 見栄を張ったのだ。 259 00:21:17,122 --> 00:21:22,377 お志は しかと この胸にしみいりました。 260 00:21:22,377 --> 00:21:26,932 困ったな。 お刀は 武士の魂でございます。 261 00:21:26,932 --> 00:21:30,269 どうぞ お大切になされませ。 262 00:21:30,269 --> 00:21:35,157 丹下典膳に 脇差しは無用じゃ。 はっ? 263 00:21:35,157 --> 00:21:39,862 2本差しても 腕は1本じゃ。 264 00:21:39,862 --> 00:21:43,265 ややっ。 ハハハ…。 265 00:21:43,265 --> 00:21:46,368 一本 取られましたな。 266 00:21:46,368 --> 00:21:49,188 して 話は それだけか? 267 00:21:49,188 --> 00:21:51,723 いえ これからでございます。 268 00:21:51,723 --> 00:21:55,477 ささ もう一つ どうぞ。 269 00:21:55,477 --> 00:22:01,750 ♪♪~ 270 00:22:01,750 --> 00:22:06,555 先生は 長崎を どう思います? 長崎? 271 00:22:06,555 --> 00:22:11,927 行ってみたいと思われませんか? 考えた事もないな。 272 00:22:11,927 --> 00:22:15,664 長崎は この国で ただ一つ→ 273 00:22:15,664 --> 00:22:19,651 異国との交易が許された 港でございます。 274 00:22:19,651 --> 00:22:23,856 かつては イスパニア ポルトガル エゲレス→ 275 00:22:23,856 --> 00:22:31,129 今は オランダと清国の商人が居住し 盛んに 交易を致しております。 276 00:22:31,129 --> 00:22:35,150 うん。 無論 今は 異国への渡航は→ 277 00:22:35,150 --> 00:22:37,769 一切 禁じられておりますが→ 278 00:22:37,769 --> 00:22:40,956 せめて 清国との交易だけは→ 279 00:22:40,956 --> 00:22:47,079 直接 かの地へ出向いて 我々の手で行えないものかと。 280 00:22:47,079 --> 00:22:50,949 これが 文左衛門の夢でございます。 281 00:22:50,949 --> 00:22:55,153 途方もない話だな。 そこで 思いついたのが→ 282 00:22:55,153 --> 00:22:59,758 丹下先生のご出馬でございます。 おいおい。 283 00:22:59,758 --> 00:23:02,528 是非 長崎に お出まし願いたい。 284 00:23:02,528 --> 00:23:05,981 この国のために 一肌脱いでいただきたい。 285 00:23:05,981 --> 00:23:10,085 一介の浪人者に 何をせよと 申すのだ? 用心棒か? 286 00:23:10,085 --> 00:23:16,225 めっそうもない。 お役割は 交易の総元締めでございます。 287 00:23:16,225 --> 00:23:23,215 総元締め? ハハハ… 戯言を申すな。 戯言ではございません。 288 00:23:23,215 --> 00:23:27,886 この文左衛門が お人柄を 見込んでのお願いでございます。 289 00:23:27,886 --> 00:23:32,558 わしの どこを見込んだのだ? まず 第一は 度胸。 290 00:23:32,558 --> 00:23:35,344 第二は 確かな目配り。 291 00:23:35,344 --> 00:23:38,697 第三は 剣豪としての名声。 292 00:23:38,697 --> 00:23:42,884 買いかぶりじゃ。 わしに 商人の才覚はない。 293 00:23:42,884 --> 00:23:47,322 商人というても 異国を相手の交易でございます。 294 00:23:47,322 --> 00:23:50,993 「さよう しからば」では 通用しませんし→ 295 00:23:50,993 --> 00:23:55,931 へりくだれば 異国に 首根っこをつかまれます。 296 00:23:55,931 --> 00:24:00,869 わしは 剣一筋に生きてきた男だ。 他に 取り柄はない。 297 00:24:00,869 --> 00:24:07,225 まあ 万事は お上のお許しを 賜った上の事でございます。 298 00:24:07,225 --> 00:24:13,365 今日は これぐらいで 宴に致しましょう。 299 00:24:13,365 --> 00:24:45,831 ♪♪~ 300 00:24:45,831 --> 00:24:53,288 通り雨に洗われて 夕顔の花が ひときわ白く 美しく→ 301 00:24:53,288 --> 00:24:58,810 真に すがすがしき夕べに ござりまする。 302 00:24:58,810 --> 00:25:01,496 ♪♪~ 303 00:25:01,496 --> 00:25:05,651 この太夫は 今日が 初見世でございます。 304 00:25:05,651 --> 00:25:10,489 吉原で見かけて あまりの可憐さに 一目ぼれし→ 305 00:25:10,489 --> 00:25:16,128 「えいっ」とばかりに 先々まで 買い受けました。 ほう。 306 00:25:16,128 --> 00:25:20,115 今は 紀伊国屋お抱えの 太夫でございます。→ 307 00:25:20,115 --> 00:25:22,951 名付けて 「さなぎ太夫」。 308 00:25:22,951 --> 00:25:24,986 さなぎ太夫? 309 00:25:24,986 --> 00:25:29,091 (文左衛門)ハハハ… まだ 蝶にはなっておりません。 310 00:25:29,091 --> 00:25:32,861 ほう。 おそばへ。 311 00:25:32,861 --> 00:25:57,169 ♪♪~ 312 00:25:57,169 --> 00:26:01,590 お一つ どうぞ。 313 00:26:01,590 --> 00:26:03,959 不思議な事に この子は→ 314 00:26:03,959 --> 00:26:07,846 丹下先生を よう存じ上げております。 315 00:26:07,846 --> 00:26:10,465 なに!? 316 00:26:10,465 --> 00:26:13,618 お久しゅうございます。 317 00:26:13,618 --> 00:26:18,090 おへその周りに ほくろが 3つあるそうですな? 318 00:26:18,090 --> 00:26:23,895 ご好物は とろろとナスの みそ漬けじゃと聞いております。 319 00:26:23,895 --> 00:26:26,295 えっ? 320 00:26:30,986 --> 00:26:34,523 (鈴の音) 321 00:26:34,523 --> 00:26:39,678 ご用の時は この鈴を お鳴らし下さりませ。 322 00:26:39,678 --> 00:26:41,696 (鈴の音) 323 00:26:41,696 --> 00:26:45,901 あっ… お豊か? 324 00:26:45,901 --> 00:26:49,704 (文左衛門)ハハハ… やっと分かりましたな。→ 325 00:26:49,704 --> 00:26:52,190 ハハハ…。 326 00:26:52,190 --> 00:27:55,890 ♪♪~ 327 00:27:58,089 --> 00:28:00,058 (七左衛門)なに!? 断った? 328 00:28:00,058 --> 00:28:03,328 えっ? 文左衛門の申し出を 断ったと!? 329 00:28:03,328 --> 00:28:06,281 はい。 なんという あほうじゃ!? 330 00:28:06,281 --> 00:28:09,234 長崎は いささか遠うござります。 331 00:28:09,234 --> 00:28:11,686 世迷言をぬかすな! 332 00:28:11,686 --> 00:28:14,689 紀伊国屋は 今 飛ぶ鳥を落とす勢いじゃ。 333 00:28:14,689 --> 00:28:18,226 根本中堂の造営で得た 巨万の富を→ 334 00:28:18,226 --> 00:28:21,663 ご老中や若年寄に貸して ご公儀にも顔が利く。 335 00:28:21,663 --> 00:28:25,417 黙って 身を委ねれば 一生 安楽に過ごせたのに お前…。 336 00:28:25,417 --> 00:28:28,286 商人には 不向きでござります。 337 00:28:28,286 --> 00:28:31,122 そんな事が言える立場か? 338 00:28:31,122 --> 00:28:36,194 あっ お前 まさか 生涯 この屋敷に→ 339 00:28:36,194 --> 00:28:39,030 居候を決め込むつもりでは あるまいな!? 340 00:28:39,030 --> 00:28:41,032 いえ。 そうはいかんぞ。 341 00:28:41,032 --> 00:28:43,969 紀伊国屋の他にも 心当たりがございます。 342 00:28:43,969 --> 00:28:49,324 あのな はっきり言うておくが この体で 仕官は無理だぞ。 343 00:28:49,324 --> 00:28:52,928 堀部安兵衛のようにはいかぬ。 心得ております。 344 00:28:52,928 --> 00:28:57,282 あ~ お前のようなぐうたらは 見た事がない。 345 00:28:57,282 --> 00:28:59,918 離縁はするわ 腕は斬られるわ→ 346 00:28:59,918 --> 00:29:03,271 旗本は 棒に振るわ 牢屋に ぶち込まれるわ。 347 00:29:03,271 --> 00:29:05,824 申し訳ござりませぬ。 頼むから→ 348 00:29:05,824 --> 00:29:08,894 これ以上 親類縁者に 迷惑をかけるな。→ 349 00:29:08,894 --> 00:29:15,283 御家人のわしとしては それこそ 身の縮む思いじゃぞ 全く! 350 00:29:15,283 --> 00:29:18,383 ♪♪~ 351 00:29:46,948 --> 00:29:49,351 ≪(長兵衛)丹下先生! 352 00:29:49,351 --> 00:29:54,940 ああ ハハハ… やっと おいでになりましたな。 353 00:29:54,940 --> 00:29:58,393 近くまで来たものでな。 354 00:29:58,393 --> 00:30:03,765 お久しゅうござんす。 首を 長うして お待ちしておりやした。 355 00:30:03,765 --> 00:30:06,284 さあ どうぞ どうぞ どうぞ。 356 00:30:06,284 --> 00:30:08,286 どうぞ どうぞ。 さあ どうぞ どうぞ。 357 00:30:08,286 --> 00:30:10,686 おいでになったぞ! 358 00:30:14,993 --> 00:30:17,045 おいでなさいやし。 359 00:30:17,045 --> 00:30:19,597 手代の巳之吉でござんす。 360 00:30:19,597 --> 00:30:22,917 さあ 先生 どうぞ。 奥へ 奥へ どうぞ。 奥へ。 361 00:30:22,917 --> 00:30:25,453 お三! ≪(お三)はい! 362 00:30:25,453 --> 00:30:28,153 すすぎ桶じゃ! 363 00:30:31,292 --> 00:30:34,162 (お三)おいでなさいませ。 すまんな。 364 00:30:34,162 --> 00:30:37,882 手前の妹でござんす。 妹? 365 00:30:37,882 --> 00:30:41,302 お三と申します。 どうぞ お見知りおきを。 366 00:30:41,302 --> 00:30:45,090 これは ご無礼を。 何なりと お申しつけ下さいませ。 367 00:30:45,090 --> 00:30:48,390 かたじけない。 いいえ。 368 00:30:51,463 --> 00:30:54,566 身の回りのお世話は お三が致します。 369 00:30:54,566 --> 00:30:57,802 お出かけには 手下の辰吉をお付け致します。 370 00:30:57,802 --> 00:31:06,661 え~と… お住まいは こちらの お部屋で よろしゅうござんすか? 371 00:31:06,661 --> 00:31:09,497 ちょっと 待て。 わしは 客ではないぞ。 372 00:31:09,497 --> 00:31:14,703 そう おっしゃらずに 心置きなく わらじを お脱ぎ下さりませ。 373 00:31:14,703 --> 00:31:19,474 わらじ? いえ ご逗留下さりませ。 374 00:31:19,474 --> 00:31:22,660 ただの居候なら ごめん被る。 375 00:31:22,660 --> 00:31:25,330 わしが 役に立つ事はないのか? 376 00:31:25,330 --> 00:31:29,734 普請場の見張りとか 手下に 剣術を教えるとか。 377 00:31:29,734 --> 00:31:32,320 いや ご無用に願います。 378 00:31:32,320 --> 00:31:36,024 ここにいらっしゃるだけで 十分 お役に立ちます。 379 00:31:36,024 --> 00:31:38,326 釈然とせぬな。 380 00:31:38,326 --> 00:31:44,049 丹下先生は 白竿一家の隠れ看板でござんす。 381 00:31:44,049 --> 00:31:46,651 隠れ看板? お名前を聞けば→ 382 00:31:46,651 --> 00:31:48,753 どんな悪党でも震え上がりやす。 383 00:31:48,753 --> 00:31:53,908 お奉行所も ご直参も そう やすやすと手は出せません。 384 00:31:53,908 --> 00:31:56,594 名義だけか? いいえ。 385 00:31:56,594 --> 00:32:00,665 いざという時の切り札と 心得ております。 386 00:32:00,665 --> 00:32:03,051 いざという時? 387 00:32:03,051 --> 00:32:07,655 いずれ 鬼追一家とは 白黒つけねばなりません。 388 00:32:07,655 --> 00:32:12,310 丹下先生にお出まし願う大一番が 必ず来やす。 389 00:32:12,310 --> 00:32:18,399 ♪♪~ 390 00:32:18,399 --> 00:32:21,653 あれは 手前の親どもでして→ 391 00:32:21,653 --> 00:32:26,825 オヤジの五郎兵衛は 白竿一家の初代親分でござんす。 392 00:32:26,825 --> 00:32:30,862 ♪♪~ 393 00:32:30,862 --> 00:32:37,252 ♪♪~ 394 00:32:37,252 --> 00:32:41,589 うん 大五郎 ご挨拶せんか?→ 395 00:32:41,589 --> 00:32:44,109 妹の子でござんす。 396 00:32:44,109 --> 00:32:46,194 ほう。 397 00:32:46,194 --> 00:32:49,531 オヤジは 五郎兵衛 この子は 大五郎。 398 00:32:49,531 --> 00:32:54,602 ひとかどの親分や侠客は 五郎という名を 好んでつけやす。 399 00:32:54,602 --> 00:32:57,455 そういえば そうじゃな。 (長兵衛)「ごろつき」のいわれは→ 400 00:32:57,455 --> 00:33:01,326 そこから来ておりやす。 ハハハ なるほど。 401 00:33:01,326 --> 00:33:06,581 「五郎つき」か。 して おぬしは? 402 00:33:06,581 --> 00:33:10,218 幡随院長兵衛の長兵衛でござんす。 403 00:33:10,218 --> 00:33:12,921 幡随院長兵衛? 404 00:33:12,921 --> 00:33:15,890 オヤジがつけました。 405 00:33:15,890 --> 00:33:19,290 (男達の笑い声) 406 00:33:21,346 --> 00:33:24,132 あっ! こら! こら! 407 00:33:24,132 --> 00:33:27,118 何をするんじゃ!? 先生 申し訳ございやせん。 408 00:33:27,118 --> 00:33:30,918 大五郎! めっ! めっ! 409 00:33:43,001 --> 00:33:47,172 さあ 先生 私の膝に お寄りになって下さいな。 410 00:33:47,172 --> 00:33:49,624 えっ? ご遠慮には及びません。 411 00:33:49,624 --> 00:33:53,828 そのほうが 剃りやすうございますんで。 412 00:33:53,828 --> 00:33:57,828 そうか。 では。 413 00:34:15,700 --> 00:34:18,052 (お三)熱うござんせんか? 414 00:34:18,052 --> 00:34:20,104 いや。 415 00:34:20,104 --> 00:34:27,528 ♪♪~ 416 00:34:27,528 --> 00:34:32,750 亭主は 3年前に亡くなりました。 ふ~ん。 417 00:34:32,750 --> 00:34:37,622 兄も 私も やもめでございます。 ふ~ん。 418 00:34:37,622 --> 00:34:42,894 でも 兄には お妾さんが3人。 419 00:34:42,894 --> 00:34:46,314 ハハハ…。 お口を動かさないで下さい。 420 00:34:46,314 --> 00:34:48,314 ああ。 421 00:34:50,335 --> 00:34:54,355 先生は ずっと お独りですか? 422 00:34:54,355 --> 00:34:57,809 いや。 423 00:34:57,809 --> 00:34:59,844 奥様は? 424 00:34:59,844 --> 00:35:22,283 ♪♪~ 425 00:35:22,283 --> 00:35:25,783 あら いい男。 426 00:35:28,456 --> 00:35:30,742 ≪(辰吉)大変です! 427 00:35:30,742 --> 00:35:34,629 坊ちゃんが お犬様にかまれやした。 428 00:35:34,629 --> 00:35:36,629 なに!? 429 00:35:39,284 --> 00:35:44,973 (大五郎の泣き声) 430 00:35:44,973 --> 00:35:48,793 大五郎! 大丈夫でい! 431 00:35:48,793 --> 00:35:51,896 命には別状ねえ。 432 00:35:51,896 --> 00:35:59,896 (大五郎の泣き声) 433 00:36:05,626 --> 00:36:09,080 はらわたが煮えくり返りやす。 434 00:36:09,080 --> 00:36:13,318 お犬様か? それもありますが→ 435 00:36:13,318 --> 00:36:15,787 生類憐れみのあれですよ。 436 00:36:15,787 --> 00:36:18,556 子供が犬にかまれても 文句一つ言えねえ。 437 00:36:18,556 --> 00:36:21,025 たたき殺しゃあ たちまち死罪です。→ 438 00:36:21,025 --> 00:36:24,212 中野には 10万頭もの野犬が囲われ→ 439 00:36:24,212 --> 00:36:26,731 うまいものを たらふく食ろうております。 440 00:36:26,731 --> 00:36:29,217 貧乏人は 食うや食わずやで→ 441 00:36:29,217 --> 00:36:31,486 地べたを這いずるような 暮らしをしております。 442 00:36:31,486 --> 00:36:34,088 一方 紀伊国屋文左衛門のような お大尽は→ 443 00:36:34,088 --> 00:36:36,624 ご公儀と結託して 富を独り占めにしてる。 444 00:36:36,624 --> 00:36:38,893 こんなバカげた話が ありますかい!?→ 445 00:36:38,893 --> 00:36:41,793 あっしゃあ 納得がいきません。 446 00:36:44,165 --> 00:36:47,335 幕府なんぞ なくなりゃいいんだい。 447 00:36:47,335 --> 00:36:51,956 ご公儀なんぞ ぶっ潰しゃいいんだい! 448 00:36:51,956 --> 00:36:54,156 由井正雪か? 449 00:36:57,328 --> 00:37:04,919 まあ 大きな声じゃ 言えませんがね。→ 450 00:37:04,919 --> 00:37:10,024 ヒヒヒ…。 451 00:37:10,024 --> 00:37:19,924 (半鐘の音) 452 00:37:22,053 --> 00:37:24,238 父上! あん? 453 00:37:24,238 --> 00:37:26,724 大火事にございます! 454 00:37:26,724 --> 00:37:29,861 火元は? 日本橋辺りかと心得ます。 455 00:37:29,861 --> 00:37:31,896 日本橋!? 456 00:37:31,896 --> 00:37:37,919 ♪♪~ 457 00:37:37,919 --> 00:37:40,955 鍛冶橋には 吉良様のお屋敷が。 458 00:37:40,955 --> 00:37:45,093 ああ いかんな。 459 00:37:45,093 --> 00:37:50,398 ♪♪~ 460 00:37:50,398 --> 00:37:52,784 (上野介)風向きは北じゃ。 南に逃げよ! 461 00:37:52,784 --> 00:37:55,920 裏じゃ。 裏門へ向かえ! 462 00:37:55,920 --> 00:38:01,175 よいな? 行き先は 芝白金! 上杉家下屋敷! 積み込みを急げ! 463 00:38:01,175 --> 00:38:03,227 (家来)はっ! 464 00:38:03,227 --> 00:38:05,596 ご家老 奥の品物は 大方 運び出しました。 465 00:38:05,596 --> 00:38:08,316 我らも参りましょう! うん! 466 00:38:08,316 --> 00:38:11,352 ♪♪~ 467 00:38:11,352 --> 00:38:13,521 殿 お急ぎ下され! 468 00:38:13,521 --> 00:38:16,591 一学 それを持て。 はっ! 469 00:38:16,591 --> 00:38:19,591 (奈美)殿 羽織を! あっ! 470 00:38:21,746 --> 00:38:23,831 殿! 471 00:38:23,831 --> 00:38:27,301 ここは 危のうございます。 私におつかまり下され。 472 00:38:27,301 --> 00:38:31,001 荷物に構うな! 焼け死ぬぞ! 473 00:38:34,091 --> 00:38:37,829 ≪(弥兵衛)安兵衛。 ははっ! 474 00:38:37,829 --> 00:38:41,883 よいか? 安兵衛。 火事装束は 晴れの戦支度じゃ。 475 00:38:41,883 --> 00:38:46,187 (お甲)動かないで下さい! 浅野家の誉れを 汚すでないぞ。 476 00:38:46,187 --> 00:38:49,991 はっ! 477 00:38:49,991 --> 00:38:52,193 (孫太夫)申し上げます! 何じゃ? 478 00:38:52,193 --> 00:38:55,062 数寄屋橋の飛び火は 内堀の武家屋敷を焼き→ 479 00:38:55,062 --> 00:38:58,065 神田橋まで達しました! なに!? 480 00:38:58,065 --> 00:39:00,084 お急ぎ願います! 481 00:39:00,084 --> 00:39:02,470 (半鐘の音) 482 00:39:02,470 --> 00:39:05,089 父上 一足 お先に! 483 00:39:05,089 --> 00:39:07,789 おい! 安兵衛! 待て! 484 00:39:09,810 --> 00:39:13,331 ああ… 痛い 痛い…。 485 00:39:13,331 --> 00:39:15,366 父上。 486 00:39:15,366 --> 00:39:19,086 ♪♪~ 487 00:39:19,086 --> 00:39:23,357 火事は収まるどころか 上野のお山に迫る勢いだ。 488 00:39:23,357 --> 00:39:25,760 ほっておいたら 寛永寺までやられる。 489 00:39:25,760 --> 00:39:28,796 お前達が精魂込めた根本中堂も 危ねえ。 490 00:39:28,796 --> 00:39:32,667 お飾りしたばかりの勅額を 燃やしちゃなんねえ! 491 00:39:32,667 --> 00:39:35,436 (一同)そうだ! そうだ! 492 00:39:35,436 --> 00:39:37,555 ちょくがく? 493 00:39:37,555 --> 00:39:39,657 天子様のご真筆だ! 494 00:39:39,657 --> 00:39:42,894 ここで加勢に駆けつけなきゃ 男が廃るってもんでえ。 495 00:39:42,894 --> 00:39:45,096 白竿一家の正念場だと思って→ 496 00:39:45,096 --> 00:39:48,232 みんな 命がけで お山を守ってくれい! いいな!? 497 00:39:48,232 --> 00:39:50,401 (一同)おう! 498 00:39:50,401 --> 00:40:23,351 ♪♪~ 499 00:40:23,351 --> 00:40:25,419 千春殿の婚礼が決まりました。 500 00:40:25,419 --> 00:40:27,505 赤穂浅野家? 501 00:40:27,505 --> 00:40:30,341 今生のお別れでございます。 502 00:40:30,341 --> 00:40:33,494 幸せを祈る。 503 00:40:33,494 --> 00:40:38,883 (浅野内匠頭)上野介! この間の遺恨 覚えとるか!? 504 00:40:38,883 --> 00:40:42,787 浅野家の再興に なんとか お力添えを賜りたいと。 505 00:40:42,787 --> 00:40:45,489 (富子)もしも 浅野家が…。 浅野家に 何ができる!? 506 00:40:45,489 --> 00:40:49,493 浅野方に付くもよし 吉良方に付くもよし。 507 00:40:49,493 --> 00:40:51,912 お三の事は 忘れぬ。 508 00:40:51,912 --> 00:40:54,749 ♪♪~ 509 00:40:54,749 --> 00:40:57,985 仇討ちなど 大した事ではない。→ 510 00:40:57,985 --> 00:41:00,354 家来に 剣術でも 教えてくれぬか? 511 00:41:00,354 --> 00:41:04,091 剣術であろうがなかろうが 命のやり取りじゃ! 512 00:41:04,091 --> 00:41:08,129 やるか やられるかで おびえて 暮らすのは 愚の骨頂じゃ。 513 00:41:08,129 --> 00:41:12,233 敵と味方の探り合い 我慢比べだけで→ 514 00:41:12,233 --> 00:41:14,318 生涯を終えるつもりか? 515 00:41:14,318 --> 00:41:17,888 仇討ちの成否が かかっておるのじゃ! 516 00:41:17,888 --> 00:41:22,593 なんとか 典膳をおびき出し 始末せい。 517 00:41:22,593 --> 00:41:26,847 丹下典膳は 剣の師匠であり 無二の親友でござる。 518 00:41:26,847 --> 00:41:30,001 わしが お前を見捨てる事はない。 519 00:41:30,001 --> 00:41:32,436 ♪♪~ 520 00:41:32,436 --> 00:41:37,836 千春は 丹下典膳の妻じゃ。 521 00:41:40,127 --> 00:41:45,132 生きて死ぬるか 死んで生きるか。 522 00:41:45,132 --> 00:41:50,721 千春 もう 離さんぞ。 523 00:41:50,721 --> 00:41:57,194 ♪♪「真夜中過ぎに羽を広げて」 524 00:41:57,194 --> 00:42:04,101 ♪♪「音もなく飛び去った 鳥を見ていた」 525 00:42:04,101 --> 00:42:10,224 ♪♪「眠れぬ夜は なつかしい」 526 00:42:10,224 --> 00:42:16,430 ♪♪「あの歌を胸の中で」 527 00:42:16,430 --> 00:42:23,287 ♪♪「あまりに無力な この手のひら」 528 00:42:23,287 --> 00:42:29,427 ♪♪「憶えているあの冷たさはまだ」 529 00:42:29,427 --> 00:42:35,433 ♪♪「消えない 胸の奥を」 530 00:42:35,433 --> 00:42:44,742 ♪♪「えぐるよな 痛みはまだ止まらない」 531 00:42:44,742 --> 00:42:51,265 ♪♪「悲しみの叫びよ 静まれ」 532 00:42:51,265 --> 00:42:57,738 ♪♪「自らを傷つける刃を」 533 00:42:57,738 --> 00:43:04,195 ♪♪「心の闇に捨ててしまえ」 534 00:43:04,195 --> 00:43:10,201 ♪♪「生まれ持った優しさで」 535 00:43:10,201 --> 00:43:17,601 ♪♪~