1 00:00:33,298 --> 00:00:35,333 (上野介)この傷を見よ! 2 00:00:35,333 --> 00:00:38,820 斬りつけたのは 内匠頭じゃ。 斬られたのは わしじゃ。 3 00:00:38,820 --> 00:00:41,423 どこをどうすれば 仇討ちになるのか!? 4 00:00:41,423 --> 00:00:46,528 (長兵衛)吉良様が 近々 本所の お屋敷に お引っ越しなさいます。 5 00:00:46,528 --> 00:00:51,933 本所のお屋敷は 上杉家の お屋敷から 遠すぎまさあ。 6 00:00:51,933 --> 00:00:54,085 (典膳)千坂家に仕えておるのか? 7 00:00:54,085 --> 00:00:57,222 (千春)いえ 吉良家でございます。 8 00:00:57,222 --> 00:01:00,625 (龍之進)本所一ツ目の 吉良様のお屋敷に入り→ 9 00:01:00,625 --> 00:01:05,230 ご隠居様の身辺を 守ってもらいたい。 10 00:01:05,230 --> 00:01:10,430 ♪♪~(テーマ音楽) 11 00:01:35,827 --> 00:01:38,463 (上野介)平八郎。 (平八郎)はっ。 12 00:01:38,463 --> 00:01:42,467 (上野介)富子は 当面 上杉家の白金屋敷にとどめ置く。 13 00:01:42,467 --> 00:01:45,687 (平八郎)ははっ! (上野介)こんな寂れ屋敷では→ 14 00:01:45,687 --> 00:01:50,292 気落ちしよう。 多少 手を加えて 体裁を整えるまで→ 15 00:01:50,292 --> 00:01:53,395 待つように伝えよ。 (平八郎)心得ました。 16 00:01:53,395 --> 00:01:55,797 (権兵衛)畏れながら…。 うん? 17 00:01:55,797 --> 00:02:00,619 焦眉の急は お屋敷の警固にござります。 18 00:02:00,619 --> 00:02:02,654 警固か…。 19 00:02:02,654 --> 00:02:07,592 このままでは どこからでも 屋敷内が見えてしまいます。 20 00:02:07,592 --> 00:02:12,897 されば 周りの塀を もう一間ほど高くして→ 21 00:02:12,897 --> 00:02:18,069 その内側に 2棟 もしくは 3棟の侍長屋を立てて→ 22 00:02:18,069 --> 00:02:23,458 腕に覚えの若侍を 30人ほど 住まわせては いかがかと。→ 23 00:02:23,458 --> 00:02:27,562 これは 亡くなった千坂兵部の 立案にて→ 24 00:02:27,562 --> 00:02:31,866 綱憲様のご了承も頂いております。 25 00:02:31,866 --> 00:02:36,087 出費は 全て 上杉家が受け持ち→ 26 00:02:36,087 --> 00:02:41,192 警固の武士も 上杉家より 差し遣わします。 27 00:02:41,192 --> 00:02:44,295 その儀に及ばず。 はあ…。 28 00:02:44,295 --> 00:02:47,699 塀を高くして 侍長屋を建てると? 29 00:02:47,699 --> 00:02:51,403 砦でも築く所存か? 不風流の極みではないか!? 30 00:02:51,403 --> 00:02:54,956 畏れながら この辺りは…。 (上野介)人に笑われるぞ。 31 00:02:54,956 --> 00:02:58,960 「吉良は 浅野の仕返しが それほど 怖いのか?」と。 32 00:02:58,960 --> 00:03:03,081 ああ…。 痩せても枯れても わしは 吉良上野介じゃ。 33 00:03:03,081 --> 00:03:05,650 見苦しいまねはしとうない! 34 00:03:05,650 --> 00:03:08,420 畏れながら 万が一…。 35 00:03:08,420 --> 00:03:13,358 もしも 討ち入りがあれば 堂々と討たれてやろうではないか。 36 00:03:13,358 --> 00:03:18,229 こんなしわ首でよければ くれてやろうではないか。→ 37 00:03:18,229 --> 00:03:21,149 侍長屋など 無用じゃ。 38 00:03:21,149 --> 00:03:28,289 わしはな ここに 京風の茶室を造りたい。 39 00:03:28,289 --> 00:03:35,296 四季折々に 客を招いて 茶会を催すのじゃ。 40 00:03:35,296 --> 00:03:38,700 ハハハ… ハハハ…。 41 00:03:38,700 --> 00:03:43,221 ♪♪~ 42 00:03:43,221 --> 00:03:46,024 世話をかけたな。 43 00:03:46,024 --> 00:03:49,027 (お三)何ですよ? 水くさい。 44 00:03:49,027 --> 00:03:51,963 大して役にも立たん用心棒を。 45 00:03:51,963 --> 00:03:59,821 いいえ 先生のおかげで いい思いをさせていただきました。 46 00:03:59,821 --> 00:04:04,492 お膳をこしらえたり お背中を流したり→ 47 00:04:04,492 --> 00:04:11,299 お髭をそったり 耳掃除をしたり フフフ…。 48 00:04:11,299 --> 00:04:15,599 女房でもないのに。 女房のつもりでしたよ。 49 00:04:17,655 --> 00:04:23,611 大五郎も すっかりなついちまって 明日から どうなる事やら…。 50 00:04:23,611 --> 00:04:26,147 すまんな。 51 00:04:26,147 --> 00:04:30,251 上杉様に お仕えですか? さあ。 52 00:04:30,251 --> 00:04:34,189 「さあ」って。 奥様が 何度も いらしてたじゃありませんか!? 53 00:04:34,189 --> 00:04:36,189 痛い。 54 00:04:38,259 --> 00:04:41,162 お武家様になるんでしょう? 55 00:04:41,162 --> 00:04:45,183 それも 分からん。 56 00:04:45,183 --> 00:04:51,422 言いたくないんですね? いや 本当に分からんのだ。 57 00:04:51,422 --> 00:04:57,529 まあ いいでしょう。 あんまり 偉くなんないで下さいよ。 58 00:04:57,529 --> 00:05:02,150 街で出会っても 知らんぷりしないで→ 59 00:05:02,150 --> 00:05:06,621 時々は ここへも寄って下さいよ。 60 00:05:06,621 --> 00:05:08,621 そうする。 61 00:05:15,129 --> 00:05:17,129 どうしましょう? 62 00:05:19,133 --> 00:05:23,922 なんだか 涙が出ちまって。 63 00:05:23,922 --> 00:05:29,143 恩返しもせずに出ていくのは 心苦しいが→ 64 00:05:29,143 --> 00:05:33,264 お三の事は忘れぬ。 65 00:05:33,264 --> 00:05:44,893 ♪♪~ 66 00:05:44,893 --> 00:05:47,293 ≪(辰吉)御免なすって。 67 00:05:49,497 --> 00:05:53,297 お迎えの駕籠が参りやした。 68 00:05:55,286 --> 00:05:57,255 (巳之吉)よ~っ! 69 00:05:57,255 --> 00:06:06,147 (手締め) 70 00:06:06,147 --> 00:06:08,383 (巳之吉)おめでとうございます。 71 00:06:08,383 --> 00:06:10,468 (一同)おめでとうございます。 72 00:06:10,468 --> 00:06:15,640 皆の衆 世話になったな。 73 00:06:15,640 --> 00:06:19,477 先生 お達者で。 74 00:06:19,477 --> 00:06:23,014 ♪♪~ 75 00:06:23,014 --> 00:06:27,252 長生きして下さいよ。 76 00:06:27,252 --> 00:06:31,456 (五郎兵衛) おい 涙に門出は不吉だぜ。 77 00:06:31,456 --> 00:06:35,727 (おたね)「門出に涙は」です。 えっ? 78 00:06:35,727 --> 00:06:41,416 (一同の笑い声) 79 00:06:41,416 --> 00:06:52,260 ♪♪~ 80 00:06:52,260 --> 00:06:56,164 (大五郎)バカ バカ バカ! これ。 81 00:06:56,164 --> 00:07:01,769 大五郎 おっかさんの言う事を よく聞くんだぞ。 82 00:07:01,769 --> 00:07:19,253 ♪♪~ 83 00:07:19,253 --> 00:07:21,389 やっとくれ。 (駕籠かき)へい! 84 00:07:21,389 --> 00:07:25,660 ♪♪~ 85 00:07:25,660 --> 00:07:30,565 よっ! 出世の花道! 86 00:07:30,565 --> 00:07:37,865 (拍子木の音) 87 00:07:41,659 --> 00:07:45,797 (弥七郎)丹下殿 お待たせ致した。 ご案内致す。 88 00:07:45,797 --> 00:07:48,397 中へ。 (駕籠かき達)へえ。 89 00:08:00,194 --> 00:08:03,865 申し上げます。 丹下殿 参られました。 90 00:08:03,865 --> 00:08:06,765 ≪(上野介)これへ。 はっ! 91 00:08:11,089 --> 00:08:18,062 ご尊顔を拝し 恐悦至極に存じ奉ります。 92 00:08:18,062 --> 00:08:20,498 丹下典膳にござります。 93 00:08:20,498 --> 00:08:22,517 近う。 94 00:08:22,517 --> 00:08:24,535 はっ! 95 00:08:24,535 --> 00:08:29,557 ♪♪~ 96 00:08:29,557 --> 00:08:32,460 ああ ここまで。 97 00:08:32,460 --> 00:08:37,048 はっ。 ご無礼をつかまつる。 98 00:08:37,048 --> 00:08:45,256 ♪♪~ 99 00:08:45,256 --> 00:08:50,194 顔を見るのは初めてじゃが そこもととは 因縁がある。 100 00:08:50,194 --> 00:08:53,931 はっ! 皆も知っていようが→ 101 00:08:53,931 --> 00:08:59,954 丹下典膳の妻は 長尾権兵衛の息女 千春であった。 102 00:08:59,954 --> 00:09:05,176 その縁組みを 陰でまとめたのが このわしじゃ。 103 00:09:05,176 --> 00:09:07,195 (孫兵衛)ほう。 104 00:09:07,195 --> 00:09:12,967 後藤七左衛門に頼まれての ほれ 火の番頭の。 105 00:09:12,967 --> 00:09:18,289 そこもとは 七左衛門の甥じゃったかの? 106 00:09:18,289 --> 00:09:21,392 さようにござります。 ところが 典膳は→ 107 00:09:21,392 --> 00:09:27,865 けんかで 腕を斬られて 旗本の身分を 棒に振った。→ 108 00:09:27,865 --> 00:09:31,085 千春とも離縁して 浪人になった。 109 00:09:31,085 --> 00:09:33,855 (平八郎)畏れながら。 (上野介)何じゃ? 110 00:09:33,855 --> 00:09:36,357 丹下殿は 修行を重ね→ 111 00:09:36,357 --> 00:09:39,660 今や 江戸一番の剣客として 知られております。 112 00:09:39,660 --> 00:09:43,631 分かっておるわ。 わしは 悪口を言うておるのではない。 113 00:09:43,631 --> 00:09:46,551 くしき因縁を話しておるのじゃ。 114 00:09:46,551 --> 00:09:49,554 ああ ご無礼致しました。 115 00:09:49,554 --> 00:09:57,462 名高い剣客に 身辺を守られるのは ありがたくもあり 安心でもある。 116 00:09:57,462 --> 00:10:02,867 しかし いささか 迷惑でもある。 117 00:10:02,867 --> 00:10:07,955 「上野介は 浅野の復讐を恐れて 丹下典膳を雇うた。→ 118 00:10:07,955 --> 00:10:12,193 やれ 弱虫じゃ。 臆病者じゃ」と 笑われるではないか? 119 00:10:12,193 --> 00:10:14,262 (孫兵衛)殿。 120 00:10:14,262 --> 00:10:17,899 仇討ちなど 大した事ではない。 121 00:10:17,899 --> 00:10:20,785 浪人どもが 軽挙妄動して→ 122 00:10:20,785 --> 00:10:25,556 年寄りのしわ首を取っても しかたがあるまい? 123 00:10:25,556 --> 00:10:27,592 御意にござります。 124 00:10:27,592 --> 00:10:29,861 (上野介)ハハハ… 油断はできぬが→ 125 00:10:29,861 --> 00:10:34,065 殊更に身構えるのは みっともない。 肩が凝る。 126 00:10:34,065 --> 00:10:38,319 したがって 当面は そこもとの 身分を秘めておきたい。 127 00:10:38,319 --> 00:10:42,623 家臣として 召し抱えるのは ほとぼりが冷めてからにしたい。 128 00:10:42,623 --> 00:10:45,827 分かるな? ははっ! 129 00:10:45,827 --> 00:10:52,066 しばらくは 屋敷内で 家来に 剣術を教えてくれぬか? 130 00:10:52,066 --> 00:10:54,118 かしこまりました。 131 00:10:54,118 --> 00:10:57,355 ああ 茶の湯は どうじゃ? 132 00:10:57,355 --> 00:11:00,808 あいにく 不調法にござります。 133 00:11:00,808 --> 00:11:03,361 手ほどきしても よいぞ。 134 00:11:03,361 --> 00:11:06,164 かたじけのうござります。 135 00:11:06,164 --> 00:11:08,900 (宮内)畏れながら。 何じゃ? 136 00:11:08,900 --> 00:11:14,555 丹下殿の扱いは いかが相成りましょうか? 137 00:11:14,555 --> 00:11:16,657 (上野介)扱い? 138 00:11:16,657 --> 00:11:20,561 家臣でないとすれば…。 (義周)剣術指南では? 139 00:11:20,561 --> 00:11:25,066 いや 剣術指南は 差し障りがある。 140 00:11:25,066 --> 00:11:28,369 用心棒でよろしゅうござります。 (上野介)ハハハ…→ 141 00:11:28,369 --> 00:11:30,338 外聞が悪い。 142 00:11:30,338 --> 00:11:33,291 居候というのも…。 143 00:11:33,291 --> 00:11:36,427 客分じゃ。 ははっ! 144 00:11:36,427 --> 00:11:40,598 (上野介)丹下典膳は 当家の客分じゃ。 分かったな? 145 00:11:40,598 --> 00:11:43,198 心得ました! 146 00:12:08,259 --> 00:12:14,359 手狭でござるが 殿のご寝所には 最も近うござる。 147 00:12:18,603 --> 00:12:21,022 夜具は 押し入れの中に。 148 00:12:21,022 --> 00:12:23,891 厠は 渡り廊下の先に。 149 00:12:23,891 --> 00:12:26,060 心得申した。 150 00:12:26,060 --> 00:12:29,997 身の回りのお世話は お付きの若党が 相務め申す。 151 00:12:29,997 --> 00:12:32,099 参れ! 152 00:12:32,099 --> 00:12:34,299 ≪(男)はい! ただいま! 153 00:12:36,721 --> 00:12:40,825 殿は 殊の外 不粋 不風流をおいといあそばし→ 154 00:12:40,825 --> 00:12:44,495 仰々しい警固を おたしなめでござるが→ 155 00:12:44,495 --> 00:12:49,600 家来としては 万全を期さねばなりませぬ。 156 00:12:49,600 --> 00:12:51,636 もとより 承知。 157 00:12:51,636 --> 00:12:56,307 夜分は 必ず 雨戸を閉め お屋敷の出入りは 裏門から。 158 00:12:56,307 --> 00:12:58,626 承知。 159 00:12:58,626 --> 00:13:00,795 奉公人の顔ぶれは おいおい。 160 00:13:00,795 --> 00:13:04,031 して 奥方様には? 161 00:13:04,031 --> 00:13:06,183 ここには おわし申さず。 162 00:13:06,183 --> 00:13:10,137 上杉家の白金屋敷に お住まいでござる。 163 00:13:10,137 --> 00:13:12,423 ≪(男)御用でございますか? 164 00:13:12,423 --> 00:13:16,023 入って ご挨拶をせよ。 ≪(男)はい。 165 00:13:21,465 --> 00:13:24,352 勘蔵ではないか!? 166 00:13:24,352 --> 00:13:27,088 お久しゅうございます。 167 00:13:27,088 --> 00:13:29,223 おぬしの差配か? 168 00:13:29,223 --> 00:13:32,910 いえ 後藤七左衛門様のつてで 半年前から。 169 00:13:32,910 --> 00:13:36,097 ふ~ん。 170 00:13:36,097 --> 00:13:38,566 旦那様。 171 00:13:38,566 --> 00:13:41,202 旦那様ではない。 172 00:13:41,202 --> 00:13:47,692 ♪♪~ 173 00:13:47,692 --> 00:13:51,195 始め! 174 00:13:51,195 --> 00:13:53,195 やっ! 175 00:14:01,706 --> 00:14:04,058 (新八)やあっ! 待った! 176 00:14:04,058 --> 00:14:07,862 大上段では 切っ先が 鴨居に当たる。 177 00:14:07,862 --> 00:14:11,515 下段に構えて 敵を引き付けよ。 178 00:14:11,515 --> 00:14:14,385 白昼の討ち入りは考えられぬ。 179 00:14:14,385 --> 00:14:19,807 斬り合いは 屋敷内。 しかも 闇の中じゃ。 180 00:14:19,807 --> 00:14:22,143 槍の柄も 短くせよ。 181 00:14:22,143 --> 00:14:26,843 それでは あっちこっちに 引っ掛かって 身動きが取れぬ。 182 00:14:29,800 --> 00:14:34,755 口で言うても よう分からん。 手本を示してくれぬか? 183 00:14:34,755 --> 00:14:38,859 手本? それがしと 立ち合いを。 184 00:14:38,859 --> 00:14:43,898 ♪♪~ 185 00:14:43,898 --> 00:14:45,898 さあ 来い! 186 00:14:48,018 --> 00:14:50,037 行くぞ! 187 00:14:50,037 --> 00:14:55,943 ♪♪~ 188 00:14:55,943 --> 00:14:57,962 やあっ! 189 00:14:57,962 --> 00:15:18,262 ♪♪~ 190 00:15:23,838 --> 00:15:26,724 まずは 一服。 191 00:15:26,724 --> 00:15:29,527 (七左衛門)結構なお道具ですな。 192 00:15:29,527 --> 00:15:32,196 小堀遠州ゆかりじゃ。 193 00:15:32,196 --> 00:15:35,896 ほう。 ハハハ…。 194 00:15:44,358 --> 00:15:47,158 頂戴致します。 195 00:16:01,192 --> 00:16:03,828 ≪ 丹下典膳 まかり越しました。 196 00:16:03,828 --> 00:16:07,531 遅い! 197 00:16:07,531 --> 00:16:09,783 伯父上? ぼやぼやするな! 198 00:16:09,783 --> 00:16:12,636 お前は 吉良様を守るために ここへ来たはずじゃ。 199 00:16:12,636 --> 00:16:16,056 まあ 入れ。 はっ。 200 00:16:16,056 --> 00:16:19,460 しかるに この屋敷は何じゃ? ざる同然ではないか!? 201 00:16:19,460 --> 00:16:22,129 どうぞ 仇討ちをしてくれと 言わんばかりではないか!? 202 00:16:22,129 --> 00:16:25,429 屋敷内が 丸見えではないか!? 203 00:16:27,468 --> 00:16:31,822 七左衛門はの 討ち入りがあると見ておる。 204 00:16:31,822 --> 00:16:35,125 はっ! いいか? よう聞け。 205 00:16:35,125 --> 00:16:40,080 ご公儀は 赤穂浪人の行方を つぶさに調べ上げておる。 206 00:16:40,080 --> 00:16:44,919 分配された御用金を元手に 商いを始めた者もあれば→ 207 00:16:44,919 --> 00:16:47,922 土地を買うて 百姓になった者も居る。 208 00:16:47,922 --> 00:16:51,292 他家に召し抱えられた者もあり→ 209 00:16:51,292 --> 00:16:57,231 在所で 隠居した者も 浪人になった者も居る。 210 00:16:57,231 --> 00:17:05,289 大石内蔵助は 京都・山科に 屋敷を買うて 隠居したそうじゃ。 211 00:17:05,289 --> 00:17:10,294 ところがじゃ 六十数名の所在が いまだに分からん。→ 212 00:17:10,294 --> 00:17:15,332 ご公儀が どこを どう詮索しても とんと 足跡が分からん。 213 00:17:15,332 --> 00:17:17,751 もしや…。 そうじゃ。 214 00:17:17,751 --> 00:17:22,089 堀部安兵衛らの強硬派の ほとんどが 姿をくらましておる。 215 00:17:22,089 --> 00:17:25,426 恐らく 江戸に 潜伏しておるのではないかと→ 216 00:17:25,426 --> 00:17:28,395 これが 目付け衆の見方じゃ。→ 217 00:17:28,395 --> 00:17:34,251 うん。 まずい事に 江戸の町は ほとんどが 浅野びいきじゃ。→ 218 00:17:34,251 --> 00:17:41,442 赤穂の浪人と知れば 喜んで かくまおうぞ。 うん。 219 00:17:41,442 --> 00:17:44,862 分かるか? 典膳。 この近辺にも→ 220 00:17:44,862 --> 00:17:48,682 浅野の残党が 潜んでおるかもしれん。→ 221 00:17:48,682 --> 00:17:52,703 明日にも 討ち入りがあるかもしれんぞ。→ 222 00:17:52,703 --> 00:17:56,523 焦眉の急は 当屋敷の防御じゃ。→ 223 00:17:56,523 --> 00:18:00,127 高い塀を建てるなり 助っ人を頼むなり→ 224 00:18:00,127 --> 00:18:02,596 早うせんと 間に合わん。→ 225 00:18:02,596 --> 00:18:08,702 ぐずぐずはしておれんぞ。 226 00:18:08,702 --> 00:18:11,455 頂戴致します。 227 00:18:11,455 --> 00:18:24,435 ♪♪~ 228 00:18:24,435 --> 00:18:27,254 (富子)寒うなったの。 229 00:18:27,254 --> 00:18:31,158 お外は 雪でございます。 230 00:18:31,158 --> 00:18:34,161 本所の屋敷は どうかの? 231 00:18:34,161 --> 00:18:37,898 立てつけがどうの 隙間風がどうのと→ 232 00:18:37,898 --> 00:18:41,402 こぼしておいでらしいが。 233 00:18:41,402 --> 00:18:45,155 お正月は いかがなされます? 234 00:18:45,155 --> 00:18:49,026 お正月? お年賀のご挨拶は? 235 00:18:49,026 --> 00:18:52,596 向こう様が こっちへ来ればよかろう。 236 00:18:52,596 --> 00:18:57,096 本所は 寒うて 遠い。 しかも 剣呑じゃ。 237 00:18:59,086 --> 00:19:03,490 言うておくがの わらわが 嫌がっているのではない。 238 00:19:03,490 --> 00:19:07,127 向こう様が 来るなと仰せなのじゃ。 239 00:19:07,127 --> 00:19:10,464 それは…。 (富子)うん? 240 00:19:10,464 --> 00:19:15,269 相も変わらず 討ち入りの噂がございますので。 241 00:19:15,269 --> 00:19:18,269 それだけかの? 242 00:19:22,259 --> 00:19:24,645 そなたは どうじゃ? 243 00:19:24,645 --> 00:19:30,250 本所の屋敷に行ってみたいか?→ 244 00:19:30,250 --> 00:19:33,921 行けば 丹下典膳に会えようぞ。 245 00:19:33,921 --> 00:19:36,824 奥方様。 246 00:19:36,824 --> 00:19:41,061 塀は 3尺 かさ上げし この辺りは 6尺。 247 00:19:41,061 --> 00:19:44,331 てっぺんには 満遍なく 逆さ釘を打ちつけます。 248 00:19:44,331 --> 00:19:47,634 うん。 (平八郎)表門の 侍長屋だけでなく→ 249 00:19:47,634 --> 00:19:50,637 新たに 裏門側にも 侍長屋を建て→ 250 00:19:50,637 --> 00:19:54,425 上杉家からの加勢 30人ほど住まわせます。 251 00:19:54,425 --> 00:19:58,028 (孫兵衛)よかろう。 (宮内)持ち場を決めねばならんな。 252 00:19:58,028 --> 00:20:02,599 ご寝所の続き部屋には 手だれの山添新八→ 253 00:20:02,599 --> 00:20:04,651 新貝弥七郎を宿直させ→ 254 00:20:04,651 --> 00:20:09,390 いざという時には 丹下殿が加わります。 255 00:20:09,390 --> 00:20:13,427 隠し部屋は どうする? こちらでござる。 256 00:20:13,427 --> 00:20:15,396 ご寝所の隣か? 257 00:20:15,396 --> 00:20:18,966 (平八郎)壁を どんでん返しにして 入れるようにします。 258 00:20:18,966 --> 00:20:23,203 ただし この隠し部屋は見せかけ。 259 00:20:23,203 --> 00:20:25,289 見せかけ? 260 00:20:25,289 --> 00:20:28,158 わざと 噂を流し 敵の目をくらまし→ 261 00:20:28,158 --> 00:20:32,429 ご隠居さまは ここから 廊下の床下を通って→ 262 00:20:32,429 --> 00:20:34,631 裏庭に お出ましいただく。 263 00:20:34,631 --> 00:20:38,552 (宮内)なるほど。 (平八郎)ご案内役は 清水一学。 264 00:20:38,552 --> 00:20:43,824 そうじゃ。 ご隠居様には 女どもの 小袖を羽織っていただこう。 265 00:20:43,824 --> 00:20:46,226 (宮内)うん それがよい。 266 00:20:46,226 --> 00:20:51,498 (平八郎)ご隠居様は 裏門の北側 侍長屋の壁の隠し穴から→ 267 00:20:51,498 --> 00:20:53,667 隣の回向院へ脱出。 268 00:20:53,667 --> 00:20:58,205 我らは 斬り結びつつ 逆へ逆へと 敵を誘い申す。 269 00:20:58,205 --> 00:21:01,208 よかろう。 手順が決まったところで→ 270 00:21:01,208 --> 00:21:03,594 稽古をせねばならんな。 271 00:21:03,594 --> 00:21:06,797 (孫兵衛)繰り返し 繰り返し。 272 00:21:06,797 --> 00:21:09,583 どうじゃ? 丹下殿。 はっ! 273 00:21:09,583 --> 00:21:14,588 遠慮は要らぬ。 そちの存念を申すがよい。 274 00:21:14,588 --> 00:21:17,591 畏れながら。 (平八郎)うん。 275 00:21:17,591 --> 00:21:22,229 吉良家のご当主は どなた様でござりましょうか? 276 00:21:22,229 --> 00:21:24,264 なに!? 277 00:21:24,264 --> 00:21:27,568 今や 当主は この義周じゃ。 278 00:21:27,568 --> 00:21:33,857 しからば 義周様をお守りするのが 第一義ではござりませぬか? 279 00:21:33,857 --> 00:21:39,429 あのな 浅野の浪人どもの目当ては ご隠居様じゃ。 280 00:21:39,429 --> 00:21:41,482 そうとは限りませぬ。 281 00:21:41,482 --> 00:21:44,701 もしも ご当主が討たれますれば→ 282 00:21:44,701 --> 00:21:48,822 吉良家は 主君を失い お家断絶と相成ります。 283 00:21:48,822 --> 00:21:51,592 控えよ! ご隠居様が討たれても→ 284 00:21:51,592 --> 00:21:53,994 よいと申すのか!? そうは申しませぬが→ 285 00:21:53,994 --> 00:21:58,699 ご当家の先行きを案じたまでの事。 286 00:21:58,699 --> 00:22:03,437 仮に ご隠居様が討たれましても→ 287 00:22:03,437 --> 00:22:06,423 吉良家の存続に 揺るぎがござりませぬ。 288 00:22:06,423 --> 00:22:09,693 (宮内)無礼を申すな! (孫兵衛)家臣でもない者が→ 289 00:22:09,693 --> 00:22:11,895 何たる言いぐさか!? 下がりおろう! 290 00:22:11,895 --> 00:22:15,032 御前でござる。 お静かに。 291 00:22:15,032 --> 00:22:22,556 ♪♪~ 292 00:22:22,556 --> 00:22:26,159 (上野介)さすがじゃの。 293 00:22:26,159 --> 00:22:29,196 ご無礼の段は お許し下さりませ。 294 00:22:29,196 --> 00:22:32,850 いやいや よう言うてくれた。 295 00:22:32,850 --> 00:22:37,654 おかげで 気が晴れた。 胸の内が さっぱりした。 296 00:22:37,654 --> 00:22:40,624 恐れ入ります。 297 00:22:40,624 --> 00:22:45,462 人は 誰でも死ぬる。 298 00:22:45,462 --> 00:22:51,462 どうせ 死ぬるからには 値打ちのある死に方をしたい。 299 00:22:53,387 --> 00:22:59,793 忠義のためとか 誰かを助けるためとかな。 300 00:22:59,793 --> 00:23:07,517 ところが どうじゃ? わしは 浅野の浪人に 命を狙われておる。 301 00:23:07,517 --> 00:23:10,203 名目は 主君の仇討ちらしいが→ 302 00:23:10,203 --> 00:23:14,191 こんな理不尽な話があって たまるか! 303 00:23:14,191 --> 00:23:19,229 斬ったのは 内匠頭じゃ。 斬られたのは わしじゃ。→ 304 00:23:19,229 --> 00:23:22,699 これが どうして 仇討ちになるのか? 305 00:23:22,699 --> 00:23:30,099 世間は 仇討ちを見たいらしいが わしにとっては 犬死にじゃ。 306 00:23:32,192 --> 00:23:36,492 死んでも 死にとうないわ。 307 00:23:38,465 --> 00:23:40,465 ごもっとも。 308 00:23:54,865 --> 00:23:58,235 これまでは そう思うておったが→ 309 00:23:58,235 --> 00:24:02,723 そこもとの話を聞いて いささか考えが変わった。 310 00:24:02,723 --> 00:24:08,328 吉良の家名を守るためなら 討たれてやってもよい。 311 00:24:08,328 --> 00:24:16,119 義周を守るためなら 犬死にではない。 そうじゃな? 312 00:24:16,119 --> 00:24:21,058 いえ それがしが ご家老衆に申し上げたのは…。 313 00:24:21,058 --> 00:24:23,658 (上野介)ごまかさんでよい。 314 00:24:25,963 --> 00:24:28,181 頂戴致します。 315 00:24:28,181 --> 00:24:30,181 うん。 316 00:24:44,064 --> 00:24:48,735 もし 浪人どもが 屋敷になだれ込んできたら→ 317 00:24:48,735 --> 00:24:52,055 わしには 一切 構うな。 318 00:24:52,055 --> 00:24:55,008 義周だけを守ってくれ。 319 00:24:55,008 --> 00:24:57,194 ♪♪~ 320 00:24:57,194 --> 00:24:59,179 よいな? 321 00:24:59,179 --> 00:25:07,754 ♪♪~ 322 00:25:07,754 --> 00:25:10,223 そこもとは どうじゃ? 323 00:25:10,223 --> 00:25:15,262 はっ? どんな死に方をしたい? 324 00:25:15,262 --> 00:25:18,799 さあ。 フフフ…。 325 00:25:18,799 --> 00:25:23,053 剣の使い手が 何も考えておらんのか? 326 00:25:23,053 --> 00:25:30,093 考えてはおりまするが 皆目 見当がつきませぬ。 327 00:25:30,093 --> 00:25:34,131 修業が足りぬの。 328 00:25:34,131 --> 00:25:37,601 それがしは 素浪人にござりますれば→ 329 00:25:37,601 --> 00:25:46,093 守るべき家名も 命を捧ぐべき 主君もござり申さず。 330 00:25:46,093 --> 00:25:52,883 まあ 死に急ぐ事もないがの。 331 00:25:52,883 --> 00:26:01,483 ♪♪~ 332 00:26:20,794 --> 00:26:24,531 おのおの方 暗闇での斬り合いは→ 333 00:26:24,531 --> 00:26:29,531 討ち入り側と 守る側と いずれが有利か? 334 00:26:31,538 --> 00:26:35,192 同じでござる。 さにあらず。 335 00:26:35,192 --> 00:26:37,260 討ち入ったほうじゃ。 336 00:26:37,260 --> 00:26:39,429 さにあらず。 337 00:26:39,429 --> 00:26:43,650 守る側は どこに 何があるかが 分かっておる。 338 00:26:43,650 --> 00:26:46,269 あらかじめ 物の在りかを そらんじておけば→ 339 00:26:46,269 --> 00:26:48,572 造作なく動けるではないか? 340 00:26:48,572 --> 00:26:50,590 なるほど。 341 00:26:50,590 --> 00:26:54,161 討ち入り側は 屋敷内の様子が分からん。 342 00:26:54,161 --> 00:26:56,563 したがって 動きが鈍くなる。 343 00:26:56,563 --> 00:27:00,851 提灯やがんどうを持ち込めば 片手が塞がる。 344 00:27:00,851 --> 00:27:03,086 心得申した。 345 00:27:03,086 --> 00:27:08,909 では こちらから 相手が 見えぬ時は どうすればよいか? 346 00:27:08,909 --> 00:27:20,220 ♪♪~ 347 00:27:20,220 --> 00:27:22,455 物を投げてみればよい。 348 00:27:22,455 --> 00:27:24,825 相手は 驚いて動く。 349 00:27:24,825 --> 00:27:29,362 ひるんだ隙をついて すかさず 斬り込めばよい。 350 00:27:29,362 --> 00:27:32,199 何を投げますか? 何でもよい。 351 00:27:32,199 --> 00:27:37,154 煙草盆 火箸 茶椀 鉄瓶。 352 00:27:37,154 --> 00:27:40,724 暗闇ですぞ。 だから どこに 何があるか→ 353 00:27:40,724 --> 00:27:43,543 覚えておけと 今 言うたではないか!? 354 00:27:43,543 --> 00:27:46,163 それが 剣術といえるのか!? 355 00:27:46,163 --> 00:27:50,963 剣術であろうが なかろうが 命のやり取りじゃ! 356 00:28:19,829 --> 00:28:21,882 来ていたのか? 357 00:28:21,882 --> 00:28:24,117 はい。 358 00:28:24,117 --> 00:28:26,102 かたじけない。 359 00:28:26,102 --> 00:28:28,102 いいえ。 360 00:28:34,477 --> 00:28:38,531 あっ まあ 勘蔵! 361 00:28:38,531 --> 00:28:41,768 お懐かしゅうございます。 362 00:28:41,768 --> 00:28:46,389 なんと わしより先に 吉良家に 奉公しておった。 363 00:28:46,389 --> 00:28:50,694 あっ それは ようございました。 364 00:28:50,694 --> 00:28:55,098 奥様 お変わりなく。 365 00:28:55,098 --> 00:29:25,445 ♪♪~ 366 00:29:25,445 --> 00:29:27,831 奥方様が? 367 00:29:27,831 --> 00:29:33,670 はい ご機嫌麗しく 「行ってきなさい」と。 368 00:29:33,670 --> 00:29:37,190 わしに会う事を ご存じなのか? 369 00:29:37,190 --> 00:29:42,195 何もかも お見透かしのようで。 370 00:29:42,195 --> 00:29:45,282 そうか。 371 00:29:45,282 --> 00:29:50,587 そろそろ よりを戻しては どうかとも仰せになりました。 372 00:29:50,587 --> 00:29:52,587 よりを戻す? 373 00:29:55,225 --> 00:30:00,196 千春は 今も あなたのお世話を 致しとう存じます。 374 00:30:00,196 --> 00:30:04,701 ちょっと待て。 ご迷惑でしょうか? 375 00:30:04,701 --> 00:30:08,601 いや そうではないが…。 376 00:30:12,692 --> 00:30:16,429 わしは 吉良家の用心棒じゃ。 377 00:30:16,429 --> 00:30:20,066 いつ死ぬか 分からん。 378 00:30:20,066 --> 00:30:26,189 死ねば また お前を不幸にする。 379 00:30:26,189 --> 00:30:31,745 あなたが死ねば 千春も死にます。 380 00:30:31,745 --> 00:30:34,445 たわ言を申すな。 381 00:30:36,649 --> 00:30:41,149 わしには なさねばならぬ事がある。 382 00:30:43,723 --> 00:30:49,829 一つは 吉良家を 仇討ちから守り抜く事。 383 00:30:49,829 --> 00:30:55,502 もう一つは 堀部安兵衛を 死なせない事だ。 384 00:30:55,502 --> 00:30:58,388 堀部安兵衛…。 385 00:30:58,388 --> 00:31:05,745 剣を生かし 剣に生きるならば おのずと 答えは出てこよう。 386 00:31:05,745 --> 00:31:08,164 (安兵衛)浅野家ですか…。 387 00:31:08,164 --> 00:31:14,187 安兵衛に 浅野家への仕官を 勧めたのは このわしだ。 388 00:31:14,187 --> 00:31:17,357 わしが勧めていなければ→ 389 00:31:17,357 --> 00:31:22,062 上杉家に 仕官したかもしれぬ。 390 00:31:22,062 --> 00:31:25,062 安兵衛には 借りがある。 391 00:31:30,086 --> 00:31:33,056 ≪(勘蔵)旦那様! 392 00:31:33,056 --> 00:31:36,259 文鳥の雛を拾いました。 393 00:31:36,259 --> 00:31:39,596 まあ かわいい。 394 00:31:39,596 --> 00:31:43,700 縁起がよろしゅうございます。 縁起? 395 00:31:43,700 --> 00:31:48,521 文鳥は つがいの鳥でございます。 396 00:31:48,521 --> 00:31:54,627 巣から落ちたのだぞ。 ヘヘヘ… 手前が助けました。 397 00:31:54,627 --> 00:32:03,736 ♪♪~ 398 00:32:03,736 --> 00:32:06,536 (上野介)典膳。 はっ! 399 00:32:08,608 --> 00:32:10,643 わしじゃ。 400 00:32:10,643 --> 00:32:13,963 ♪♪~ 401 00:32:13,963 --> 00:32:18,601 ああ やはり 文鳥か。 402 00:32:18,601 --> 00:32:23,223 お耳障りでございましょうか? いや 風流じゃ。 403 00:32:23,223 --> 00:32:25,658 恐れ入ります。 404 00:32:25,658 --> 00:32:27,694 どれ。 405 00:32:27,694 --> 00:32:33,416 ♪♪~ 406 00:32:33,416 --> 00:32:37,053 無事に育てよ。 407 00:32:37,053 --> 00:32:43,526 うん 剣の達人がの… うん。 408 00:32:43,526 --> 00:32:46,062 案外じゃの。 409 00:32:46,062 --> 00:32:49,132 ♪♪~ 410 00:32:49,132 --> 00:32:53,336 ハハハ… ハハハ…→ 411 00:32:53,336 --> 00:32:59,342 ハハハ…。 412 00:32:59,342 --> 00:33:02,729 吉良様の奥方から お話があった。 413 00:33:02,729 --> 00:33:05,899 (お菊)白金屋敷の? そうじゃ。 414 00:33:05,899 --> 00:33:08,618 「千春を嫁がせてはどうか?」とな。 415 00:33:08,618 --> 00:33:10,603 どなた様に? 416 00:33:10,603 --> 00:33:15,458 ああ… 丹下典膳じゃ。 417 00:33:15,458 --> 00:33:18,461 あら まあ! 418 00:33:18,461 --> 00:33:23,616 奥方様は 大層 乗り気であった。 419 00:33:23,616 --> 00:33:27,420 嫁ぐというても 前の夫でございますよ。 420 00:33:27,420 --> 00:33:32,809 まあ 復縁というてもよいが…。 421 00:33:32,809 --> 00:33:36,262 丹下殿は 浪人でございます。 422 00:33:36,262 --> 00:33:40,416 浪人というても 吉良家の客分じゃ。 423 00:33:40,416 --> 00:33:45,538 やがては 家臣に取り立てられる。 424 00:33:45,538 --> 00:33:47,557 でも 何だか…。 425 00:33:47,557 --> 00:33:50,760 二人は 時々 会うておる。 426 00:33:50,760 --> 00:33:53,213 うすうすは 存じておりますが。 427 00:33:53,213 --> 00:33:56,032 うん? 428 00:33:56,032 --> 00:33:59,969 当家とのわだかまりは もうない。 429 00:33:59,969 --> 00:34:05,375 龍之進のわびを 典膳が 快く受け入れ 決着はついた。 430 00:34:05,375 --> 00:34:08,394 それは そうかもしれませんが。 431 00:34:08,394 --> 00:34:11,631 3度目の正直じゃ。 432 00:34:11,631 --> 00:34:17,537 これを断ると 千春の嫁入りは もうないと思え。 433 00:34:17,537 --> 00:34:19,537 3度目? 434 00:34:22,008 --> 00:34:25,228 2度目は 嫁に行っておりません。 435 00:34:25,228 --> 00:34:29,399 ああ… 2回目じゃ。 436 00:34:29,399 --> 00:34:34,420 1回目と3回目は 同じ人です。 437 00:34:34,420 --> 00:34:37,991 どうして!? 「どうして?」って あなた…。 438 00:34:37,991 --> 00:34:40,293 お前は 不服なのか? 439 00:34:40,293 --> 00:34:44,297 何がですか? 嫁に出すのが 嫌なのか? 440 00:34:44,297 --> 00:34:48,117 どうしてですか!? 441 00:34:48,117 --> 00:34:50,103 もう よい! 442 00:34:50,103 --> 00:34:58,903 ♪♪~ 443 00:35:04,834 --> 00:35:08,054 ≪(勘蔵)旦那様。 444 00:35:08,054 --> 00:35:10,089 ご隠居様が お呼びです。 445 00:35:10,089 --> 00:35:14,360 うん。 奥様が お越しだそうで。 446 00:35:14,360 --> 00:35:20,460 奥様とは? ええ… 両方でございます。 447 00:35:23,603 --> 00:35:26,556 こんなに遠いとは 思いませんでした。 448 00:35:26,556 --> 00:35:30,326 見舞いに来たのか? いいえ お迎えです。 449 00:35:30,326 --> 00:35:33,896 迎え? ここは 危ないと聞きました。 450 00:35:33,896 --> 00:35:38,234 白金の上杉の屋敷に お移りなされませ。 451 00:35:38,234 --> 00:35:41,954 引っ越しは もうたくさんじゃ。 襲われたら どうなさいます? 452 00:35:41,954 --> 00:35:45,258 襲われぬように 加勢の侍長屋を建てる。 453 00:35:45,258 --> 00:35:48,628 侍長屋? (義周)塀も高く致します。 454 00:35:48,628 --> 00:35:53,132 戦の支度ですか? (上野介)しかたがあるまい。 455 00:35:53,132 --> 00:35:55,632 典膳が参りました。 456 00:35:59,889 --> 00:36:02,125 丹下典膳にござります。 457 00:36:02,125 --> 00:36:07,030 そなたが? お初に 御意を得まする。 458 00:36:07,030 --> 00:36:10,299 今日は 千春を連れてきましたぞ。 459 00:36:10,299 --> 00:36:13,119 はっ。 460 00:36:13,119 --> 00:36:17,990 ハハハ… 手土産代わりか? ハハハ…。 461 00:36:17,990 --> 00:36:19,990 後ほど。 462 00:36:22,929 --> 00:36:27,629 千春 これへ これへ。 463 00:36:38,227 --> 00:36:40,227 うん。 464 00:36:44,884 --> 00:36:47,820 あるじ同士が 離れて暮らすなら→ 465 00:36:47,820 --> 00:36:53,092 せめて お付きだけでも 夫婦一緒に。 466 00:36:53,092 --> 00:36:57,914 何じゃ? それは。 千春を こちらのお屋敷に。 467 00:36:57,914 --> 00:37:02,635 また くの一か? くの一? 468 00:37:02,635 --> 00:37:06,072 わしは 品行方正じゃ。 469 00:37:06,072 --> 00:37:08,758 はい はい。 470 00:37:08,758 --> 00:37:11,994 「はい はい」は やめよ。 471 00:37:11,994 --> 00:37:18,851 長尾権兵衛は 千春の復縁に 同意致しております。 うん。 472 00:37:18,851 --> 00:37:24,290 殿のご意向を承りとう存じます。 473 00:37:24,290 --> 00:37:29,595 脱げた草履は 履き直せばよい。 脱げた草履? 474 00:37:29,595 --> 00:37:32,999 もともと 二人の縁を結んだのは このわしじゃ。 475 00:37:32,999 --> 00:37:37,370 典膳さえよければ わしが 異を唱えるはずがない。 476 00:37:37,370 --> 00:37:41,023 どうじゃ? 典膳。 ははっ! 477 00:37:41,023 --> 00:37:43,926 ただし 今は それどころではない。 478 00:37:43,926 --> 00:37:46,529 諸般の事情に 目鼻が付くまで→ 479 00:37:46,529 --> 00:37:51,284 まだ 半年は 見込まねばなるまい。→ 480 00:37:51,284 --> 00:37:55,154 年が明ければ 典膳を 家臣に召し抱える。 481 00:37:55,154 --> 00:37:58,090 その上で 祝言を挙げてはどうか? 482 00:37:58,090 --> 00:38:01,461 祝言は 無用でございます。 483 00:38:01,461 --> 00:38:08,568 あっ そうか。 ハハハ… 二番煎じか ハハハ…。 484 00:38:08,568 --> 00:38:11,854 ホホホ…。 485 00:38:11,854 --> 00:38:15,191 どうじゃ? 典膳。 帳尻を合わせてみるか? 486 00:38:15,191 --> 00:38:17,226 はっ! 487 00:38:17,226 --> 00:38:19,996 (上野介)年明けまでは 誰にも言うでないぞ。→ 488 00:38:19,996 --> 00:38:22,565 家中の者にもな。 489 00:38:22,565 --> 00:38:24,565 心得ました。 490 00:38:26,736 --> 00:38:30,106 うれしいか? 491 00:38:30,106 --> 00:38:32,191 はい。 492 00:38:32,191 --> 00:38:50,426 ♪♪~ 493 00:38:50,426 --> 00:38:53,126 (勘蔵)奥様が お見えです。 494 00:38:55,131 --> 00:38:57,183 通してくれ。 495 00:38:57,183 --> 00:39:07,059 ♪♪~ 496 00:39:07,059 --> 00:39:12,615 奥方様が おいとまのご挨拶を してくるようにと。 497 00:39:12,615 --> 00:39:17,653 ♪♪~ 498 00:39:17,653 --> 00:39:19,639 はい はい。 499 00:39:19,639 --> 00:39:25,528 ♪♪~ 500 00:39:25,528 --> 00:39:32,034 ご隠居様は 千春を お付きの 侍女にして下さいました。 501 00:39:32,034 --> 00:39:35,054 よかったな。 502 00:39:35,054 --> 00:39:39,575 数日のうちに 荷物をまとめて こちらへ参ります。 503 00:39:39,575 --> 00:39:41,594 うん。 504 00:39:41,594 --> 00:39:58,895 ♪♪~ 505 00:39:58,895 --> 00:40:02,448 元気になりましたこと。 506 00:40:02,448 --> 00:40:07,270 ♪♪~ 507 00:40:07,270 --> 00:40:09,305 千春。 508 00:40:09,305 --> 00:40:11,991 はい。 509 00:40:11,991 --> 00:40:16,662 もう 離さぬぞ。 510 00:40:16,662 --> 00:40:45,691 ♪♪~ 511 00:40:45,691 --> 00:40:49,095 (長兵衛)先生 お久しゅうござんす。 512 00:40:49,095 --> 00:40:51,297 どうした? なぜ ここに居る? 513 00:40:51,297 --> 00:40:58,437 ヘヘヘ… 裏門側の侍長屋は 白竿屋の請負でさあ。 ほう。 514 00:40:58,437 --> 00:41:05,161 実は 先生のお名前を ちょいと使わしていただきやした。 515 00:41:05,161 --> 00:41:07,861 ヘヘヘ…。 516 00:41:10,816 --> 00:41:15,721 お耳に入れたい事がござんす。 うん? 517 00:41:15,721 --> 00:41:18,758 堀部安兵衛? (長兵衛)へえ。 518 00:41:18,758 --> 00:41:24,046 手代の巳之吉が 堀内道場の近くで お見かけしたと。 519 00:41:24,046 --> 00:41:26,198 真か? へい。 520 00:41:26,198 --> 00:41:31,298 町人に化けて 青物を担いでおったそうで。 521 00:41:36,642 --> 00:41:38,661 討ち入りは 近いな。 522 00:41:38,661 --> 00:41:40,880 安兵衛殿は 何か? 523 00:41:40,880 --> 00:41:42,965 わしは 逃げも隠れもせんぞ。 524 00:41:42,965 --> 00:41:47,737 (弥兵衛)なんとか 典膳を おびき出し 始末せい。 525 00:41:47,737 --> 00:41:51,757 丹下典膳は 剣の師匠であり 無二の親友でござる。 526 00:41:51,757 --> 00:41:56,529 もしも 討ち入ってくれば 真っ先に お前を斬る。 527 00:41:56,529 --> 00:42:03,035 ♪♪「真夜中過ぎに羽を広げて」 528 00:42:03,035 --> 00:42:09,759 ♪♪「音もなく飛び去った 鳥を見ていた」 529 00:42:09,759 --> 00:42:15,898 ♪♪「眠れぬ夜は なつかしい」 530 00:42:15,898 --> 00:42:22,438 ♪♪「あの歌を胸の中で」 531 00:42:22,438 --> 00:42:28,894 ♪♪「あまりに無力な この手のひら」 532 00:42:28,894 --> 00:42:35,034 ♪♪「憶えているあの冷たさはまだ」 533 00:42:35,034 --> 00:42:41,023 ♪♪「消えない 胸の奥を」 534 00:42:41,023 --> 00:42:50,466 ♪♪「えぐるよな 痛みはまだ止まらない」 535 00:42:50,466 --> 00:42:56,722 ♪♪「悲しみの叫びよ 静まれ」 536 00:42:56,722 --> 00:43:03,395 ♪♪「自らを傷つける刃を」 537 00:43:03,395 --> 00:43:09,718 ♪♪「心の闇に捨ててしまえ」 538 00:43:09,718 --> 00:43:16,459 ♪♪「生まれ持った優しさで」 539 00:43:16,459 --> 00:43:23,259 ♪♪~