1 00:00:01,918 --> 00:00:03,503 (アルスラーン)私からも頼む 2 00:00:03,628 --> 00:00:06,047 ダリューンと共に私を助けてくれ 3 00:00:06,548 --> 00:00:08,508 (ナルサス) ありがたいお言葉ですが… 4 00:00:08,967 --> 00:00:10,593 では こうしよう 5 00:00:10,719 --> 00:00:15,390 私は お主の忠誠を求める代わりに 十分な代償を支払う 6 00:00:16,224 --> 00:00:20,979 私が ルシタニアを追い払い パルスの国王になった暁には… 7 00:00:21,771 --> 00:00:25,608 ナルサス卿 お主を宮廷画家として迎えよう 8 00:00:26,025 --> 00:00:27,027 (ナルサス)あっ! 9 00:00:27,318 --> 00:00:28,528 (エラム・ダリューン)なっ 10 00:00:29,237 --> 00:00:31,531 (ナルサス)フフフフ フフフ… 11 00:00:31,656 --> 00:00:32,782 (エラム・ダリューン)あ… 12 00:00:33,366 --> 00:00:36,911 (ナルサス)フフフ… 気に入った 13 00:00:37,412 --> 00:00:39,748 どうだ! 聞いたか? ダリューン 14 00:00:39,873 --> 00:00:42,250 殿下の この君主としての度量 15 00:00:42,375 --> 00:00:45,462 (ダリューン)殿下 ナルサスを 宮廷画家になさるなど― 16 00:00:45,587 --> 00:00:48,923 パルスの文化史上に 汚点を残すことになりますぞ 17 00:00:49,674 --> 00:00:51,176 いいではないか 18 00:00:51,301 --> 00:00:55,305 私は ルシタニアの高名な画家に 死に顔を描かれるより― 19 00:00:55,430 --> 00:00:57,640 ナルサスに 生きた姿を描いてもらいたい 20 00:00:58,683 --> 00:01:00,602 ですが 私の名は― 21 00:01:00,727 --> 00:01:03,646 アンドラゴラス王の きいに触れるところ 22 00:01:03,772 --> 00:01:06,941 殿下が ご不興を被ることも ありえますが― 23 00:01:07,067 --> 00:01:08,401 それでも よろしいですか? 24 00:01:09,527 --> 00:01:10,403 無論 25 00:01:12,572 --> 00:01:13,406 (ナルサス)分かりました 26 00:01:14,240 --> 00:01:16,076 このナルサス― 27 00:01:16,201 --> 00:01:20,455 アルスラーン殿下に お仕えいたします 28 00:01:22,165 --> 00:01:26,044 はっ ありがとう ナルサス 29 00:01:26,753 --> 00:01:28,922 そうと決まれば 早々に出立しよう 30 00:01:29,672 --> 00:01:33,551 一刻も早く 王都に… エクバターナに戻らねば 31 00:01:34,010 --> 00:01:37,096 ええ 馬と荷の用意をいたしましょう 32 00:01:37,222 --> 00:01:38,181 (エラム)はっ! 33 00:01:38,598 --> 00:01:40,600 ああ それと エラムよ 34 00:01:40,725 --> 00:01:41,559 はい 35 00:01:41,684 --> 00:01:45,647 お前は ギランの港町にいる知人に 預かってもらうことにする 36 00:01:45,772 --> 00:01:46,815 えっ? それは… 37 00:01:47,649 --> 00:01:49,984 そいつは 商船主でな 38 00:01:50,110 --> 00:01:53,738 もし ルシタニアが侵攻してきても 海上に逃げられるし― 39 00:01:53,863 --> 00:01:57,909 更に 異国へ渡ることもできる そこなら安全だろう 40 00:01:58,034 --> 00:01:59,702 うっ 嫌でございます 41 00:02:00,286 --> 00:02:01,121 このエラム― 42 00:02:01,246 --> 00:02:03,498 ナルサス様には 一生 懸けても足りぬほどの― 43 00:02:03,623 --> 00:02:04,707 大恩がございます 44 00:02:05,208 --> 00:02:07,585 これからも ナルサス様の お供をさせてください! 45 00:02:07,794 --> 00:02:10,463 (ナルサス) しかしな お前は まだ子供だ 46 00:02:10,588 --> 00:02:12,757 わざわざ 危険な旅に同行せずとも… 47 00:02:12,882 --> 00:02:14,676 (エラム) ナルサス様よりは大人です 48 00:02:14,801 --> 00:02:15,718 (ナルサス)うっ あ… 49 00:02:16,427 --> 00:02:19,430 ナルサス様は1人では 何も できないではありませんか 50 00:02:19,556 --> 00:02:23,810 洗濯 掃除 画材の調達 (ナルサス)うっ くっ… 51 00:02:23,935 --> 00:02:25,770 (ダリューン) これはエラムが正しいな 52 00:02:25,895 --> 00:02:26,729 ダリューン 53 00:02:27,063 --> 00:02:29,691 ダリューン様 もっと言ってください 54 00:02:29,816 --> 00:02:31,860 (アルスラーン) ナルサス 私からも頼む 55 00:02:31,985 --> 00:02:32,902 殿下 56 00:02:33,027 --> 00:02:34,696 (アルスラーン) エラムを置いていったとして― 57 00:02:34,821 --> 00:02:39,993 我らの中で こんなに美味な食事を 作れる者が他にいるか? 58 00:02:42,912 --> 00:02:43,746 (ナルサス・ダリューン)ふむ… 59 00:02:47,167 --> 00:02:48,209 決まりだな 60 00:02:48,334 --> 00:02:51,129 エラムよ これからも供を頼む 61 00:02:51,254 --> 00:02:55,300 ありがとうございます では 早速 荷造りをします 62 00:02:55,425 --> 00:02:57,385 (アルスラーン)私も 身の回りのものを整えねば 63 00:02:58,595 --> 00:03:00,889 エラム 何か手伝うことはあるか? 64 00:03:01,014 --> 00:03:03,766 だから 殿下は 黙って座っていてくださいませ 65 00:03:03,892 --> 00:03:06,311 (アルスラーン)しかし エラムだけに任せておくわけには… 66 00:03:06,436 --> 00:03:10,023 殿下は 宮廷では同年代の友が 得られなかったからな 67 00:03:11,065 --> 00:03:15,361 エラムには殿下の よい友に なってもらいたいものだ 68 00:03:27,999 --> 00:03:30,919 (ナレーション) パルス暦320年 秋 69 00:03:31,544 --> 00:03:33,630 戦士 ダリューンと共に― 70 00:03:33,755 --> 00:03:37,258 たった2人で戦場より落ち延びた 王子 アルスラーンは― 71 00:03:37,383 --> 00:03:42,430 この日 軍師 ナルサスと その小姓 エラムを供に加え― 72 00:03:42,764 --> 00:03:46,935 苦難に満ちた旅へ 第一歩を踏み出した 73 00:03:47,477 --> 00:03:52,482 ♪~ 74 00:05:11,894 --> 00:05:16,899 ~♪ 75 00:05:23,823 --> 00:05:27,910 (カーラーンの部下) ああ… ハァ ハァ ハァ… 76 00:05:28,244 --> 00:05:31,331 馬… 俺たちの馬が いないぞ! 77 00:05:31,456 --> 00:05:35,752 (部下)ああっ おのれ! 逃げられると思うなよ 78 00:05:35,877 --> 00:05:40,548 山から下りる道は既に 我らの仲間に固められておるわ! 79 00:05:42,008 --> 00:05:43,301 (部下のくしゃみ) 80 00:05:58,733 --> 00:06:00,860 やつら 徒歩で山を下りていきました 81 00:06:01,611 --> 00:06:03,112 (ナルサス)ご苦労なことだ 82 00:06:03,738 --> 00:06:06,365 徒歩では 今日中に麓へは着けぬだろう 83 00:06:07,533 --> 00:06:10,119 熊やオオカミに 出会わなければよいがな 84 00:06:11,954 --> 00:06:15,374 (ナルサス)殿下 何をお考えで? 85 00:06:17,126 --> 00:06:18,878 王都は まだ無事だろうか? 86 00:06:19,253 --> 00:06:22,632 焦る気持ちは分かりますが 抑えてください 87 00:06:23,674 --> 00:06:25,259 今すぐ 山を下りれば― 88 00:06:25,384 --> 00:06:27,762 カーラーンとの戦いは 避けられません 89 00:06:28,721 --> 00:06:32,141 しばらく この洞窟に籠もり やり過ごします 90 00:06:32,350 --> 00:06:33,267 (アルスラーン)ん… 91 00:06:34,018 --> 00:06:37,563 (ナルサス) その間に 敵の包囲網を 逆用する道を考えましょう 92 00:06:37,688 --> 00:06:38,523 どのように? 93 00:06:39,732 --> 00:06:45,613 自分たちの望む場所に 敵の兵力を集中させる 94 00:06:46,405 --> 00:06:49,534 それが まず 戦法というものの第一歩です 95 00:06:50,076 --> 00:06:50,910 うん 96 00:06:51,035 --> 00:06:52,662 (ナルサス) いかに武勇があろうとも― 97 00:06:52,787 --> 00:06:55,832 それを使い切る前に 勝利を収めることが― 98 00:06:55,957 --> 00:06:57,291 戦法の価値です 99 00:06:58,084 --> 00:07:02,338 (アルスラーン) ダリューンは私のために 大群の中を突破してくれたが… 100 00:07:03,506 --> 00:07:05,049 あれは個人の勇です 101 00:07:05,716 --> 00:07:08,803 ダリューンのような勇者は 1,000人に1人 102 00:07:08,928 --> 00:07:10,513 軍の指揮者たる者は― 103 00:07:10,638 --> 00:07:15,184 最も弱い兵士を基準として それでも 勝たなければなりません 104 00:07:15,726 --> 00:07:19,564 ましてや 一国の王ともなれば 最も無能な指揮者でも― 105 00:07:19,772 --> 00:07:23,276 敵軍に負けぬよう 方策を巡らすべきなのです 106 00:07:23,401 --> 00:07:25,570 (ダリューン)フッ (ナルサス)何だ? 107 00:07:25,695 --> 00:07:27,071 いや 続けてくれ 108 00:07:28,948 --> 00:07:32,368 兵の強さに溺れて 戦法を軽んじたとき― 109 00:07:32,493 --> 00:07:34,579 1度 事態が狂えば どうなるかは― 110 00:07:35,037 --> 00:07:39,250 殿下ご自身が アトロパテネで ご経験なさったことでしょう 111 00:07:41,252 --> 00:07:42,795 (アルスラーン)うう… 112 00:07:43,754 --> 00:07:47,175 (ナルサス)アンドラゴラス王は 敗北を知らぬお方でした 113 00:07:47,800 --> 00:07:51,179 その自負が 何でも戦いで解決しようとする― 114 00:07:51,387 --> 00:07:54,682 政治に無関心な王を 生み出してしまったのです 115 00:07:55,308 --> 00:07:57,101 あなたが そのような意味において― 116 00:07:57,226 --> 00:08:00,313 お父上の後継者たらんと 思われるのであれば― 117 00:08:00,855 --> 00:08:04,233 私は いつでも 宮廷画家の地位を捨てますぞ 118 00:08:04,358 --> 00:08:06,110 アルスラーン殿下 119 00:08:06,527 --> 00:08:08,571 うむ 肝に銘じておく 120 00:08:13,201 --> 00:08:16,078 ダリューン カーラーンに 出くわしても殺すなよ 121 00:08:16,537 --> 00:08:20,374 やつは 何やら途方もないことを 知っているに違いない 122 00:08:20,500 --> 00:08:21,584 分かっている 123 00:08:22,001 --> 00:08:24,086 (アルスラーン)途方もないこと? 124 00:08:24,212 --> 00:08:26,547 ただ それが何事であるのやら― 125 00:08:26,672 --> 00:08:29,091 今のところ まるで見当もつきません 126 00:08:29,550 --> 00:08:31,594 (カーラーン)故あってのことです 127 00:08:31,719 --> 00:08:37,225 (カーラーン)悲しく哀れな王子よ あなたは何も悪くない 128 00:08:37,350 --> 00:08:41,771 悪くはないが ここで死んでいただこう 129 00:08:45,525 --> 00:08:47,652 (アルスラーン)途方もないこと… 130 00:09:06,337 --> 00:09:06,963 (アズライールの鳴き声) 131 00:09:06,963 --> 00:09:07,797 (アズライールの鳴き声) 132 00:09:06,963 --> 00:09:07,797 (3人)ん? 133 00:09:07,797 --> 00:09:10,675 (アズライールの鳴き声) 134 00:09:11,634 --> 00:09:12,927 (キシュワード)アズライール? 135 00:09:17,515 --> 00:09:20,893 お主 アルスラーン殿下のお供に 行っていたはずでは? 136 00:09:21,018 --> 00:09:22,436 (パルス兵)キシュワード様! (キシュワード)ん? 137 00:09:22,937 --> 00:09:24,272 (パルス兵) ここに おいででしたか 138 00:09:24,397 --> 00:09:25,439 (キシュワード)何事だ? 139 00:09:25,565 --> 00:09:27,108 (バフマン)キシュワード! 140 00:09:27,233 --> 00:09:29,193 (キシュワード) バフマン殿 どうなされました? 141 00:09:29,318 --> 00:09:30,987 うっ 今し方― 142 00:09:31,112 --> 00:09:33,030 アトロパテネから 早馬が! 143 00:09:33,447 --> 00:09:34,907 (キシュワード) 何か あったのですか? 144 00:09:35,032 --> 00:09:36,951 (バフマン) 我がパルス軍が大敗し― 145 00:09:37,201 --> 00:09:40,538 アンドラゴラス陛下は 行方不明に… 146 00:09:42,331 --> 00:09:43,499 ルシタニア軍は― 147 00:09:43,624 --> 00:09:46,836 王都エクバターナの城外まで 迫っていると… 148 00:10:03,311 --> 00:10:05,438 (国民たちのざわめき) 149 00:10:05,563 --> 00:10:07,231 (男性) ルシタニア兵に囲まれてるって? 150 00:10:17,199 --> 00:10:19,201 (男性)アトロパテネで 何があったんだよ? 151 00:10:19,327 --> 00:10:20,953 (男性)パルス軍が負けたのか? 152 00:10:21,078 --> 00:10:23,205 (男性)アンドラゴラス王が 負けるわけがない 153 00:10:23,331 --> 00:10:25,666 (男性)でも ルシタニアに囲まれてるって… 154 00:10:25,791 --> 00:10:29,086 (男性)うそだろ? (女性)王は どこにいるの? 155 00:10:30,755 --> 00:10:32,548 (男性)俺たち 大丈夫なのか? 156 00:10:32,673 --> 00:10:36,093 (男性) エクバターナの城壁が 破れるものか! 157 00:10:41,265 --> 00:10:42,892 (パルス兵)う… 何だ? 158 00:10:46,270 --> 00:10:47,146 (ガルシャースフ・サーム)ああっ 159 00:10:50,566 --> 00:10:52,401 (パルス兵)あっ あれ! (パルス兵)ん? 160 00:11:05,373 --> 00:11:06,791 (パルス兵たちのどよめき) 161 00:11:06,916 --> 00:11:10,586 (サーム) あれは シャプール殿 162 00:11:11,921 --> 00:11:15,633 (パルス兵)何だと? 万騎長(マルズバーン)のシャプール様が… 163 00:11:17,676 --> 00:11:21,931 (ボダン)聞け! 城中の神を恐れぬ異教徒どもよ 164 00:11:22,431 --> 00:11:24,392 わしは 唯一絶対の神― 165 00:11:24,517 --> 00:11:27,186 イアルダボートに お仕えする聖職者― 166 00:11:27,311 --> 00:11:30,064 大司祭にして 異端審問官― 167 00:11:30,189 --> 00:11:31,440 ボダンである! 168 00:11:31,941 --> 00:11:37,947 今 この異教徒の肉体をもって 貴様らに神のご意思を伝えよう! 169 00:11:38,948 --> 00:11:42,701 まず こやつの 左足の小指を斬り落とす! 170 00:11:43,369 --> 00:11:49,083 次いで薬指 中指 左足が終わったら 次は右足! 171 00:11:49,291 --> 00:11:51,669 更に 次は手だ! 172 00:11:51,794 --> 00:11:56,465 エッヘヘ… ナハハー 173 00:11:57,174 --> 00:11:59,218 神に逆らう者の末路を― 174 00:11:59,343 --> 00:12:02,721 城内の異教徒どもに 思い知らせてやろうぞ! 175 00:12:02,847 --> 00:12:04,849 (ルシタニア兵たち)おー! 176 00:12:04,974 --> 00:12:06,392 (パルス兵)この けだもの! 177 00:12:06,517 --> 00:12:08,811 (パルス兵) 戦士に敬意を払わぬ畜生が! 178 00:12:08,936 --> 00:12:10,771 (パルス兵) 邪神を信仰する蛮族め! 179 00:12:10,896 --> 00:12:12,606 (パルス兵) シャプール様を汚すな! 180 00:12:13,357 --> 00:12:17,319 (ボダン)ヘッ やあ! (シャプール)ぐわっ! うっ… 181 00:12:17,445 --> 00:12:21,657 この男は 我らが神をあがめぬ 悪魔の使徒 182 00:12:21,782 --> 00:12:23,075 呪われし けだものだ! 183 00:12:23,200 --> 00:12:26,120 (ルシタニア兵たち)おー! 184 00:12:26,495 --> 00:12:30,291 異教徒に慈悲を与えるなど… (シャプール)貴様などに… 185 00:12:30,416 --> 00:12:32,543 (ボダン)おっ? (シャプール)貴様などに― 186 00:12:32,668 --> 00:12:35,880 俺の信仰をうんぬんされる いわれはない 187 00:12:36,338 --> 00:12:40,384 さっさと殺せ 貴様の神に救われるくらいなら― 188 00:12:40,509 --> 00:12:42,636 俺は地獄へでも どこへでも行ってやる 189 00:12:43,345 --> 00:12:45,931 そして そこから 貴様らの神と国とが― 190 00:12:46,056 --> 00:12:52,354 己ら自身の残忍さに 食い殺されるのを見届けてやる 191 00:12:52,480 --> 00:12:56,692 (ボダン) くっ… この罰当たりめ! 192 00:12:56,942 --> 00:13:00,029 異教徒め! けだものめ! (シャプール)うっ うっ 193 00:13:00,154 --> 00:13:04,867 神の敵め! えやっ! てやっ! ふっ! 194 00:13:05,201 --> 00:13:09,830 フ~ ううっ ハァ… 195 00:13:09,955 --> 00:13:11,123 思い知ったか! 196 00:13:13,292 --> 00:13:15,628 (シャプール)うう! 197 00:13:15,961 --> 00:13:20,341 エクバターナの人々よ 俺を矢で射殺してくれ! 198 00:13:20,466 --> 00:13:21,383 (ボダン)ああ… 199 00:13:21,717 --> 00:13:23,344 (シャプール) どうせ 俺は助からぬ 200 00:13:23,469 --> 00:13:26,263 ルシタニアの蛮人に なぶり殺されるより― 201 00:13:26,514 --> 00:13:29,725 味方の矢で死にたい! 202 00:13:29,850 --> 00:13:30,768 (ルシタニア兵)黙れ! 203 00:13:30,893 --> 00:13:32,520 (ルシタニア兵) この距離で 矢など届くか! 204 00:13:33,020 --> 00:13:35,022 (パルス兵)シャプール様! (パルス兵)くうっ! 205 00:13:35,439 --> 00:13:36,857 (パルス兵) シャプール様を助けろ! 206 00:13:36,982 --> 00:13:39,401 (パルス兵)あの狂信者を狙え! 207 00:13:44,615 --> 00:13:48,285 バカめ この距離で矢など届くか 208 00:13:50,120 --> 00:13:53,040 ほれほれ もっと射ってこい 209 00:13:55,251 --> 00:13:58,671 (シャプール)くっ うわー! 210 00:14:02,132 --> 00:14:03,384 ヒャーハッハッハ 211 00:14:16,814 --> 00:14:18,357 (シャプール)ああ… 212 00:14:24,989 --> 00:14:27,032 (ルシタニア兵) 大司祭様 お下がりください 213 00:14:27,157 --> 00:14:29,577 うう… おおっ! んっ? 214 00:14:30,995 --> 00:14:33,581 あの城壁から狙ったのか? 215 00:14:33,831 --> 00:14:36,667 (パルス兵) おっ… 誰だ? 今の矢を射たのは 216 00:14:36,792 --> 00:14:38,836 (パルス兵) あの距離で どうやって? 217 00:14:38,961 --> 00:14:40,838 (パルス兵)あ… おい! 218 00:14:55,686 --> 00:14:57,855 (タハミーネ) あの者を連れてまいりなさい 219 00:14:57,980 --> 00:15:00,691 (女官) はっ 弓を射った者ですか? 220 00:15:01,108 --> 00:15:03,027 (タハミーネ)恩賞を与えましょう 221 00:15:06,989 --> 00:15:11,410 (ルシタニア兵たちの雄たけび) 222 00:15:15,497 --> 00:15:17,333 (パルス兵)撃て! 223 00:15:22,713 --> 00:15:23,547 (ルシタニア兵)うっ! 224 00:15:30,054 --> 00:15:32,431 (ルシタニア兵) 進め! 異教徒を殺せ! 225 00:15:33,182 --> 00:15:37,436 神を恐れぬ愚か者どもに 鉄ついを下すのだ! 226 00:15:37,686 --> 00:15:39,772 (パルス兵)豚どもめ! (ルシタニア兵たち)ぐあっ 227 00:15:39,897 --> 00:15:45,319 (ルシタニア兵たちの力み声) 228 00:15:47,655 --> 00:15:50,824 (ルシタニア兵)異教徒の しかばねを神にささげよ! 229 00:15:51,033 --> 00:15:53,953 (ルシタニア兵) 悪魔の使徒どもに死を! 230 00:16:11,929 --> 00:16:13,347 (タハミーネ) そなた 名は? 231 00:16:14,098 --> 00:16:17,059 (ギーヴ) ギーヴと申します 王妃様 232 00:16:18,018 --> 00:16:20,354 (ギーヴ) 旅の楽士でございます 233 00:16:20,646 --> 00:16:22,147 (侍女)はっ! 234 00:16:23,649 --> 00:16:28,487 (ギーヴ)ウードを弾きます 笛も歌も詩も舞も いたします 235 00:16:29,196 --> 00:16:33,367 ついでに申し上げておけば 弓も剣も やりも― 236 00:16:33,492 --> 00:16:36,078 そこらの兵よりも うまく使います 237 00:16:36,203 --> 00:16:39,248 そなたの弓の腕は 既に見せてもらいました 238 00:16:40,332 --> 00:16:42,960 忠実なシャプールを 苦しみから救ってくれた― 239 00:16:43,085 --> 00:16:44,753 礼を言います 240 00:16:45,045 --> 00:16:47,506 では 殺人の罪は問わぬと仰せで? 241 00:16:50,384 --> 00:16:51,844 (侍女) 恐れながら申し上げます! 242 00:16:51,969 --> 00:16:55,472 王妃様 その者は とんでもない詐欺師です! 243 00:16:55,597 --> 00:16:56,765 どういうことですか? 244 00:16:58,726 --> 00:17:00,978 “自分は シースターン侯国の王子で―” 245 00:17:01,103 --> 00:17:03,522 “修行のため 1人で諸国を旅している” 246 00:17:04,023 --> 00:17:07,609 つい昨夜 あなたは 私に そう言ったではありませんか! 247 00:17:07,735 --> 00:17:08,777 言った 248 00:17:09,111 --> 00:17:11,572 それが 今 自分は楽士だと 249 00:17:11,697 --> 00:17:13,532 王子というのは うそだったのですね? 250 00:17:14,116 --> 00:17:17,036 あれは俺の夢で お主は その夢を― 251 00:17:17,411 --> 00:17:20,122 一夜 俺と共有したのだよ (侍女)はっ… 252 00:17:20,247 --> 00:17:22,666 (ざわめき) (兵士)おいおい 何だ? これ 253 00:17:22,791 --> 00:17:25,044 (ギーヴ) せっかくの麗しい夢― 254 00:17:25,461 --> 00:17:29,506 醜い現実の剣で切り裂くなど 愚かしい 255 00:17:29,631 --> 00:17:31,133 お主さえ納得すれば― 256 00:17:31,258 --> 00:17:34,053 夢は思い出となって より甘美を増し― 257 00:17:34,678 --> 00:17:38,432 お主の人生を あでやかに彩ろうものを… 258 00:17:39,475 --> 00:17:43,771 しかし 私めが不思議でならぬのは 世の女性たちが― 259 00:17:43,896 --> 00:17:47,316 いかに“王子”という言葉に 弱いかでございます 260 00:17:47,816 --> 00:17:50,235 誠 浮薄なる女には 浮薄なる夢が… 261 00:17:50,360 --> 00:17:52,821 そなたの能弁は よく分かりました 262 00:17:53,405 --> 00:17:56,950 この上は 本来の そなたの職業について― 263 00:17:57,076 --> 00:17:59,953 技を見せてもらうべきでしょうね 264 00:18:00,537 --> 00:18:02,081 さて 265 00:18:03,040 --> 00:18:06,335 (ウードの音) 266 00:18:06,460 --> 00:18:08,629 (ギーヴ) では 今この瞬間も― 267 00:18:08,754 --> 00:18:11,965 王都を守るために戦っておられる 勇者たちのために― 268 00:18:11,965 --> 00:18:12,966 王都を守るために戦っておられる 勇者たちのために― 269 00:18:11,965 --> 00:18:12,966 (兵士たち)おお… 270 00:18:13,342 --> 00:18:17,179 「カイ・ホスロー武勲詩抄」を ささげましょう 271 00:18:18,347 --> 00:18:24,353 (ウードの演奏) 272 00:18:39,785 --> 00:18:45,374 (ギーヴ) “荒涼たるマザングラーンの野に カイ・ホスローの王旗 翻れば―” 273 00:18:45,791 --> 00:18:48,961 “邪悪なる蛇王(ザッハーク)の軍勢は 逃げ惑いぬ” 274 00:18:49,670 --> 00:18:53,590 “春雷におびえたる 羊の群れのごとくに―” 275 00:18:55,050 --> 00:18:58,095 “鉄をも両断せる 宝剣ルクナバードは―” 276 00:18:58,762 --> 00:19:01,849 “太陽のかけらを鍛えたるなり” 277 00:19:03,308 --> 00:19:07,187 “愛馬ラクシュナには 見えざる翼あり” 278 00:19:07,312 --> 00:19:11,441 “世界の覇王(ジャハーン・ギール)にふさわしき 名馬ならん” 279 00:19:12,901 --> 00:19:19,283 “天空に 太陽は2つなく 地上に 国王(シャーオ)は ただ1人” 280 00:19:20,242 --> 00:19:23,370 “類いなき勇者 カイ・ホスロー” 281 00:19:23,495 --> 00:19:28,041 “剣(つるぎ)持て かの天命を継ぐ者は誰(た)ぞ” 282 00:19:35,966 --> 00:19:39,511 (女官たちの歓声) 283 00:19:45,017 --> 00:19:46,977 見事でありました 284 00:19:47,102 --> 00:19:50,439 弓の技に100枚 音楽に100枚 285 00:19:50,564 --> 00:19:54,026 合わせて金貨200枚を 褒美に取らせます 286 00:19:54,818 --> 00:19:56,570 (ギーヴ)しわいな 287 00:19:56,695 --> 00:19:59,156 500枚は くれるものと 思っていたのに 288 00:19:59,865 --> 00:20:05,454 そなたが私の侍女を偽った罪の分は 差し引いてありますからね 289 00:20:05,579 --> 00:20:06,914 ははっ! 290 00:20:10,584 --> 00:20:13,337 (ナルサス)アトロパテネからの 距離を考えれば― 291 00:20:13,462 --> 00:20:15,797 既に ルシタニア軍が エクバターナに― 292 00:20:15,923 --> 00:20:18,675 本格的な 攻撃を始めているころでしょう 293 00:20:20,052 --> 00:20:22,179 エクバターナの城門は堅ろうです 294 00:20:22,846 --> 00:20:25,182 火矢をもってしても 破城ついをもってしても― 295 00:20:25,307 --> 00:20:26,934 破れませぬ 296 00:20:27,059 --> 00:20:30,687 しかし この世に 絶対の防御 などというものはありません 297 00:20:31,271 --> 00:20:33,941 いかに堅ろうといえど 破る方法は あります 298 00:20:35,359 --> 00:20:39,696 (アルスラーン)例えば… 内側から開けるということか? 299 00:20:41,156 --> 00:20:42,157 うむ 300 00:20:42,658 --> 00:20:45,452 (アルスラーン)だが― 内側から城門を開けることなど… 301 00:20:45,869 --> 00:20:48,038 可能です (アルスラーン)あ… 302 00:20:49,581 --> 00:20:52,751 (ナルサス)もしも 私が ルシタニア軍の指導者であれば― 303 00:20:52,876 --> 00:20:57,214 弓矢や剣よりも 言葉をもって 門を開いてご覧に入れましょう 304 00:20:57,965 --> 00:20:59,341 (アルスラーン)言葉で? 305 00:21:00,259 --> 00:21:02,636 (ナルサス) 門の内側から開けようと思えば― 306 00:21:02,761 --> 00:21:05,097 内部に協力者がいればよいのです 307 00:21:06,056 --> 00:21:09,351 エクバターナの中に ルシタニア軍に協力する者など… 308 00:21:17,276 --> 00:21:18,110 あっ 309 00:21:20,279 --> 00:21:23,490 いや いるかもしれない 310 00:21:24,366 --> 00:21:25,909 それは… 311 00:21:29,454 --> 00:21:31,873 (ボダン)城内の奴隷たちよ! 312 00:21:32,207 --> 00:21:36,837 (ルシタニア兵たち)立ち上がれ! 自由を手に入れよ! 313 00:21:36,962 --> 00:21:40,632 お前たちを縛り 搾取するパルスに― 314 00:21:41,091 --> 00:21:43,760 いつまで こうべを垂れているのだ! 315 00:21:43,885 --> 00:21:47,848 (パルス兵)何やってるんだ? あいつら 大声 上げて 316 00:21:47,973 --> 00:21:48,890 (パルス兵)さあ? 317 00:21:49,016 --> 00:21:51,893 蛮人どもの考えることは 理解できぬ 318 00:21:53,312 --> 00:21:54,646 (サーム)まずいな… 319 00:21:56,106 --> 00:21:58,734 (ルシタニア兵たち) 城内の奴隷たちよ! 320 00:21:58,859 --> 00:22:03,989 イアルダボート神の下に 万人は平等である! 321 00:22:04,114 --> 00:22:06,408 ルシタニアに協力する者には― 322 00:22:06,908 --> 00:22:11,163 自由民の権利を 財産を与える! 323 00:22:11,788 --> 00:22:17,336 奴隷たちよ 圧制者を打倒せよ! 324 00:22:18,086 --> 00:22:19,171 (奴隷)平等? 325 00:22:20,088 --> 00:22:21,548 (奴隷)自由? 326 00:22:22,632 --> 00:22:24,468 (奴隷)圧制者? 327 00:22:28,972 --> 00:22:30,307 それは… 328 00:22:39,357 --> 00:22:40,942 奴隷たちだ 329 00:22:43,570 --> 00:22:48,575 ♪~ 330 00:24:07,946 --> 00:24:12,951 ~♪ 331 00:24:14,536 --> 00:24:17,414 (ナレーション)少なくとも 銀仮面の男自身は― 332 00:24:17,539 --> 00:24:21,168 自分が正義であることを 疑ってはいなかった 333 00:24:21,877 --> 00:24:22,836 次回… 334 00:24:25,130 --> 00:24:27,966 少年は そして王となる