1 00:00:04,671 --> 00:00:08,925 (足音) 2 00:00:10,885 --> 00:00:13,638 (ドアの開閉音) 3 00:00:14,681 --> 00:00:16,182 (ヒルメス)何事だ? 4 00:00:16,599 --> 00:00:18,893 (老人)このまま失礼する 5 00:00:19,227 --> 00:00:23,106 アトロパテネの大平原に 霧を起こして以来― 6 00:00:23,231 --> 00:00:26,067 体力が戻りきっておらんでの 7 00:00:26,484 --> 00:00:31,197 (ヒルメス)フン で わざわざ 俺を呼び出した用件は何だ? 8 00:00:34,492 --> 00:00:36,828 (老人)カーラーンが死んだ (ヒルメス)ん… 9 00:00:36,953 --> 00:00:39,831 (老人)アルスラーン一党に やられたようじゃ 10 00:00:40,331 --> 00:00:43,376 裏切り者の汚名を被ったまま― 11 00:00:43,501 --> 00:00:47,839 野に しかばねをさらす はめになろうとは 哀れなことよ 12 00:00:48,131 --> 00:00:50,216 (ヒルメス)く… 13 00:00:51,092 --> 00:00:52,385 (老人)我が弟子たちには― 14 00:00:52,510 --> 00:00:56,014 引き続き お主に力を貸すよう 言っておく 15 00:00:56,806 --> 00:00:59,893 だが 見誤るな 銀仮面卿 16 00:01:00,310 --> 00:01:06,399 パルスの太陽は お主1人のためのみには輝かぬ 17 00:01:08,443 --> 00:01:13,448 ♪~ 18 00:02:32,944 --> 00:02:37,949 ~♪ 19 00:02:43,454 --> 00:02:45,373 (ナレーション) カーラーンの最期の言葉で― 20 00:02:45,498 --> 00:02:48,209 アンドラゴラス王が 存命であることを知った― 21 00:02:48,334 --> 00:02:51,546 ナルサスとダリューンは アルスラーンと別れ― 22 00:02:51,671 --> 00:02:55,592 その居場所を探るべく 王都に潜入していた 23 00:02:57,844 --> 00:02:59,596 (ナルサス)随分と荒れたな 24 00:03:00,138 --> 00:03:03,892 (ダリューン) ああ 殿下に見せたくはないな 25 00:03:06,644 --> 00:03:12,734 (イノケンティス七世) ほっ ほっ ほっ… 26 00:03:13,318 --> 00:03:15,612 (イノケンティス七世) ハァ ハァ… 27 00:03:16,738 --> 00:03:20,033 ハァ ハァ ハァ 28 00:03:20,325 --> 00:03:21,618 タハミーネ殿 29 00:03:27,123 --> 00:03:29,375 フフフ… 30 00:03:32,462 --> 00:03:35,465 変わりないか? 欲しいものは ないか? 31 00:03:35,590 --> 00:03:38,509 何でも言ってくれ 不自由はさせぬゆえ 32 00:03:43,389 --> 00:03:47,352 きょ… 今日はな よい報告を持ってきたのじゃ 33 00:03:47,477 --> 00:03:52,774 年が明ければ 余は 王ではなく 皇帝を称することになるだろう 34 00:03:53,441 --> 00:03:56,861 新ルシタニア帝国の皇帝じゃ 35 00:03:57,654 --> 00:04:01,783 そこでじゃのう… タハミーネ殿 36 00:04:03,117 --> 00:04:07,163 皇帝には皇妃が必要と 世間は思っておる! 37 00:04:11,626 --> 00:04:14,045 余も それは正しいと思う 38 00:04:17,257 --> 00:04:18,800 ん… 39 00:04:20,009 --> 00:04:22,595 何か欲しいものは ないか? 40 00:04:27,809 --> 00:04:31,271 (ボダン) イアルダボートの恩ちょうを 受けぬ 呪われた異教徒め! 41 00:04:31,854 --> 00:04:35,024 なぜ 国王陛下は あやつを火刑にせぬ!? 42 00:04:35,566 --> 00:04:37,527 うう… 43 00:04:38,820 --> 00:04:41,614 (ナレーション)ルシタニアの王 イノケンティス七世が― 44 00:04:41,739 --> 00:04:45,535 パルスの王 アンドラゴラスと そのきさき タハミーネを― 45 00:04:45,660 --> 00:04:51,165 処刑しないことに業を煮やした 大司祭ボダンは その腹いせに― 46 00:04:51,291 --> 00:04:54,085 パルスの王立図書館に 収蔵してあった― 47 00:04:54,210 --> 00:04:58,423 1,200万冊にも及ぶ 貴重な 歴史的書物を焼き尽くすべく― 48 00:04:58,881 --> 00:05:00,425 行動に出た 49 00:05:00,758 --> 00:05:03,261 (ボダン) 火を放て! 焼き尽くせ! 50 00:05:06,014 --> 00:05:09,017 (人々のどよめき) 51 00:05:09,434 --> 00:05:12,395 (男性)駄目だ パルスの宝を… (兵士)寄るな 寄るな! 52 00:05:13,021 --> 00:05:16,524 (ボダン)燃やせ 燃やせ! 邪悪な異教徒の書じゃ! 53 00:05:16,941 --> 00:05:21,487 滅せ! 残らず灰に処すのだ! 54 00:05:21,612 --> 00:05:25,283 ヒャーッハハハハ… 55 00:05:25,408 --> 00:05:26,743 (兵士)大司祭様 56 00:05:26,868 --> 00:05:27,827 (ボダン)ん? 57 00:05:27,952 --> 00:05:32,040 (兵士)いかに異教の書とはいえ こ… これほど貴重な書物を― 58 00:05:32,165 --> 00:05:36,335 研究もせぬまま 火中に投じて よいものでしょうか? 59 00:05:36,461 --> 00:05:38,463 燃やすとしても その価値を… 60 00:05:38,588 --> 00:05:39,714 (ボダン)冒とく者め! 61 00:05:39,839 --> 00:05:43,593 人の世にはイアルダボートの 聖典だけで十分だ 62 00:05:43,718 --> 00:05:46,804 悪魔が書かせた書は 滅ぼさねばならん! 63 00:05:46,929 --> 00:05:49,390 ですが 医学書まで燃やすのは… 64 00:05:49,515 --> 00:05:50,558 (ボダン)黙れ! 65 00:05:50,975 --> 00:05:54,020 イアルダボート神を 心から敬う者には― 66 00:05:54,145 --> 00:05:57,523 病魔など取りつかぬ! (兵士)うう… 67 00:05:57,940 --> 00:06:02,236 病にかかる者は 心に あしき種を宿すゆえ― 68 00:06:02,361 --> 00:06:06,908 神の懲罰を受けるのだ (兵士)ああ… うっ ああっ 69 00:06:07,033 --> 00:06:08,409 あー! 70 00:06:09,577 --> 00:06:12,288 たとえ 一国の国王であろうとも― 71 00:06:12,413 --> 00:06:16,375 異教徒の女を めとろうなどと 邪心を起こしたとき― 72 00:06:16,626 --> 00:06:22,715 病毒は神のつえとなって おごれる者を打つであろう 73 00:06:23,382 --> 00:06:26,677 邪心ある者は悔い改めよ! 74 00:06:26,803 --> 00:06:29,764 ヒャーハハハ… 75 00:06:30,515 --> 00:06:35,144 (ナルサス)財貨を奪うというなら まだしも 文化を焼き尽くすとはな 76 00:06:35,728 --> 00:06:38,022 (ダリューン) もはや蛮人ともすら言えぬ… 77 00:06:38,022 --> 00:06:38,231 (ダリューン) もはや蛮人ともすら言えぬ… 78 00:06:38,022 --> 00:06:38,231 (ボダン)燃えよ 燃えよ! 滅せ! 79 00:06:38,231 --> 00:06:38,356 (ボダン)燃えよ 燃えよ! 滅せ! 80 00:06:38,356 --> 00:06:40,191 (ボダン)燃えよ 燃えよ! 滅せ! 81 00:06:38,356 --> 00:06:40,191 猿のやることだ 82 00:06:40,191 --> 00:06:40,525 (ボダン)燃えよ 燃えよ! 滅せ! 83 00:06:41,400 --> 00:06:45,154 あのボダンとかいう男は 俺に殺させろ 84 00:06:45,279 --> 00:06:48,491 国王だの王弟(おうてい)だのは お前に任せる 85 00:06:49,367 --> 00:06:50,785 よかろう 86 00:06:58,584 --> 00:07:01,754 (ギーヴ) ファランギース殿! ここです 87 00:07:04,340 --> 00:07:06,134 (ファランギース) どうじゃ? 街道の様子は 88 00:07:06,259 --> 00:07:08,469 (ギーヴ)はぁ… いや 何もなさすぎて… 89 00:07:08,594 --> 00:07:12,181 おお! ちょうど 腹が すいていたところです 90 00:07:13,015 --> 00:07:16,644 (ギーヴ)俺の思いが ファランギース殿に伝わるとは― 91 00:07:16,769 --> 00:07:20,356 やはり 我ら 見えない糸で結ばれておるのやも 92 00:07:20,481 --> 00:07:23,067 用意したのは エラムじゃ (ギーヴ)フフ… えっ? 93 00:07:23,860 --> 00:07:27,447 まあ よい 夜通しで疲れておろう 代わろう 94 00:07:27,572 --> 00:07:29,699 (ギーヴ) いやいや それには及びませぬ 95 00:07:30,324 --> 00:07:35,037 村に至る道は ここだけですし 見張るに造作もありませぬ 96 00:07:35,163 --> 00:07:38,082 おかげで ファランギース殿を 賛美する詩(うた)を― 97 00:07:38,207 --> 00:07:41,252 じっくり創作できました お聞きくださ… 98 00:07:41,377 --> 00:07:43,212 あああ… いずこへ? 99 00:07:44,255 --> 00:07:47,091 そういうことなら ずっと このまま頼むとしよう 100 00:07:47,467 --> 00:07:52,096 しかし それでは我が思いは この森に満ちあふれてしまいます 101 00:07:52,722 --> 00:07:56,100 森が毒気づいては 大変じゃ ん? 102 00:07:56,601 --> 00:07:59,604 (ギーヴ)ん? (馬てい音) 103 00:08:05,193 --> 00:08:06,777 (アルスラーン) ダリューンとナルサスは― 104 00:08:06,903 --> 00:08:09,864 エクバターナに着いたであろうか? (エラム)はい 105 00:08:10,531 --> 00:08:13,201 (アルスラーン)父上と母上の 所在を確かめることは― 106 00:08:13,326 --> 00:08:17,371 大事ではあるが ルシタニアの 巣窟に乗り込むなんて… 107 00:08:18,289 --> 00:08:20,374 いくら 2人の腕が立つとはいっても… 108 00:08:21,042 --> 00:08:23,127 (エラム) 私が申し上げるまでもなく― 109 00:08:23,836 --> 00:08:27,465 お二人なら 殿下のご心配には及びませんよ 110 00:08:27,673 --> 00:08:31,761 そうだが… エラムは王都で 危険な目に遭わなかったのか? 111 00:08:31,928 --> 00:08:32,762 あっ… 112 00:08:37,808 --> 00:08:42,313 あ いえ 私は お二人と違い 面が割れておりませんでしたので 113 00:08:43,523 --> 00:08:45,900 殿下 水をくんでまいります 114 00:08:46,025 --> 00:08:47,652 では 私も行こう 115 00:08:47,777 --> 00:08:50,488 いいえ 殿下は中で お待ちください 116 00:08:50,613 --> 00:08:53,407 エラム1人では 何度も行くことになるであろう? 117 00:08:53,908 --> 00:08:57,161 それに 2人で行動する方が心強い 118 00:08:57,954 --> 00:09:00,081 しかたありませんね 119 00:09:00,581 --> 00:09:03,417 (村人たちのざわめき) 120 00:09:03,543 --> 00:09:05,753 (村人)どうぞ (兵士)ん 121 00:09:06,003 --> 00:09:08,673 王都に着いたと思ったら… 122 00:09:09,298 --> 00:09:12,176 すぐに また聖マヌエル城へ 取って返すとはな 123 00:09:12,301 --> 00:09:14,971 (兵士)全く くそ真面目な隊長らしいぜ 124 00:09:15,096 --> 00:09:15,930 (兵士)聞こえるぜ 125 00:09:16,973 --> 00:09:20,434 (兵士)はぁ せめて この村では ゆっくり休ませてもらおうぜ 126 00:09:21,018 --> 00:09:24,689 ほら! もっと持ってこい! (村人)う… ああ… 127 00:09:31,445 --> 00:09:33,573 (エラム)誰もいないようです 急ぎましょう 128 00:09:35,908 --> 00:09:38,995 よかった まだ水は かれていないようです 129 00:09:40,913 --> 00:09:41,831 よし 130 00:09:41,956 --> 00:09:43,291 殿下 私が… 131 00:09:43,416 --> 00:09:45,876 何 これくらい 私にだって… うっ 132 00:09:46,335 --> 00:09:48,004 (エラム)ああっ (アルスラーン)うっ 133 00:09:48,588 --> 00:09:51,007 殿下 大丈夫ですか? 134 00:09:51,132 --> 00:09:53,884 ああ 平気だ あっ それより… 135 00:09:54,885 --> 00:09:58,347 すまない おけを落としてしまったようだ 136 00:09:59,515 --> 00:10:00,600 大丈夫です 137 00:10:00,725 --> 00:10:02,768 すぐに代わりのものを 探してまいりましょう 138 00:10:03,853 --> 00:10:05,771 殿下は あそこで待っていてください 139 00:10:09,358 --> 00:10:12,653 (アルスラーン)私も… ああ… 140 00:10:22,955 --> 00:10:23,789 (アルスラーン)はぁ 141 00:10:24,832 --> 00:10:27,418 (アルスラーン) 少しは役に立たないとな 142 00:10:27,543 --> 00:10:30,546 今の私は ただの足手まといだ 143 00:10:30,796 --> 00:10:31,922 (町人)やめてくれ! (アルスラーン)ああっ? 144 00:10:33,841 --> 00:10:37,178 (兵士)娘の命が惜しかったら 素直に金めのものを― 145 00:10:37,303 --> 00:10:38,304 ここに持ってこい! 146 00:10:38,638 --> 00:10:39,597 (娘)嫌! 147 00:10:39,722 --> 00:10:42,767 (町人)財産は 既に ルシタニア兵に差し出したし― 148 00:10:42,892 --> 00:10:46,228 改宗もした 私には娘しか残っていない 149 00:10:46,354 --> 00:10:47,938 (兵士)うそをつけ! (町人)本当だ! 150 00:10:48,564 --> 00:10:50,691 (兵士) 娘の命が惜しくはないのか? 151 00:10:50,816 --> 00:10:51,984 (町人)やめてくれ! 152 00:10:52,109 --> 00:10:53,110 (アルスラーン)ん… 153 00:10:53,653 --> 00:10:55,863 (町人)お願いだ 頼む! (兵士)うるせえな 154 00:10:55,988 --> 00:10:57,281 こら さっさと持ってこい 155 00:10:57,406 --> 00:11:00,534 (町人)娘を返してくれ! 頼む! 156 00:11:00,660 --> 00:11:02,078 あ… 157 00:11:02,620 --> 00:11:04,497 (兵士)早くしろ! (アルスラーン)ハァハァ… 158 00:11:04,622 --> 00:11:05,456 やめないか! 159 00:11:06,040 --> 00:11:07,625 (兵士)何だ? お前 160 00:11:09,377 --> 00:11:10,461 その人を放せ! 161 00:11:10,836 --> 00:11:13,089 (兵士)ヘッ 何だ? そんなもん構えて 162 00:11:13,214 --> 00:11:15,591 (兵士) ん… やるってのか? 俺たちと 163 00:11:16,425 --> 00:11:18,594 放してくれれば 危害は加えない 164 00:11:19,303 --> 00:11:20,179 (兵士)何だと? 165 00:11:20,304 --> 00:11:22,807 どういう状況か 分かってんのか? おい 166 00:11:22,932 --> 00:11:24,141 (エトワール)待て! 167 00:11:25,768 --> 00:11:28,229 何をしている! (兵士)はっ エトワール様… 168 00:11:28,771 --> 00:11:31,148 (エトワール)お前たち! 今の行いを― 169 00:11:31,273 --> 00:11:34,151 イアルダボート神の みもとで 申し開きできるのか? 170 00:11:34,276 --> 00:11:35,236 (兵士たち)いや… 171 00:11:35,694 --> 00:11:37,071 (エトワール)隊に戻れ! 172 00:11:37,196 --> 00:11:38,489 (兵士たち)はっ 173 00:11:42,326 --> 00:11:43,369 お前たちも行け 174 00:11:43,911 --> 00:11:45,663 (2人)はぁ 175 00:11:47,373 --> 00:11:50,751 (エトワール)いつまで そんなもの構えておる? んっ 176 00:11:52,628 --> 00:11:54,255 あっ… お前 もしや… 177 00:11:58,717 --> 00:11:59,552 あっ! 178 00:12:00,094 --> 00:12:01,137 やはり! 179 00:12:01,429 --> 00:12:04,014 あのときの甘ったれ坊ちゃん! 180 00:12:01,429 --> 00:12:04,014 (アルスラーン) ルシタニアの少年兵? 181 00:12:09,061 --> 00:12:10,688 (エトワール) お前 よく生きてたな 182 00:12:11,147 --> 00:12:13,691 まっ先に死ぬタイプだと 思ってたぞ 183 00:12:14,066 --> 00:12:16,569 アハッ まあ なんとか 184 00:12:17,069 --> 00:12:18,737 腕に自信もないくせに― 185 00:12:18,863 --> 00:12:21,282 金持ち一家を 助けようとしたのか? 186 00:12:21,407 --> 00:12:23,659 相変わらず お人よしだな 187 00:12:23,784 --> 00:12:24,994 (アルスラーン)あ… いや 188 00:12:25,119 --> 00:12:27,580 ただ 部下の無礼は謝罪する 189 00:12:27,705 --> 00:12:29,790 (アルスラーン) あの者たちは部下なのか? 190 00:12:29,915 --> 00:12:31,959 ああ 小隊を預かっている 191 00:12:32,626 --> 00:12:35,087 あのときとは立場が真逆だな 192 00:12:35,212 --> 00:12:37,214 もう 我々を奴隷にできまい 193 00:12:38,382 --> 00:12:41,218 奴隷には… しないよ 194 00:12:41,510 --> 00:12:42,636 お前がしなくても― 195 00:12:42,761 --> 00:12:44,847 アンドラゴラスや アルスラーンはするだろう 196 00:12:44,972 --> 00:12:47,516 何せ 邪悪な異教徒の大将どもだ 197 00:12:47,641 --> 00:12:50,144 あいつら 2本の ねじれた角が生えて― 198 00:12:50,269 --> 00:12:54,106 口は耳まで裂けて 黒い尻尾が生えていると聞いたぞ 199 00:12:54,231 --> 00:12:55,357 (アルスラーン)はぁ 200 00:12:55,733 --> 00:12:56,734 (エトワール)フン 201 00:12:58,319 --> 00:13:00,654 パルスの軍民どもは悔い改め― 202 00:13:00,779 --> 00:13:03,365 皆 イアルダボート教に 改宗しなければならない 203 00:13:04,366 --> 00:13:08,329 もしも 私がお主たちの神を 信じられなかったら どうする? 204 00:13:08,913 --> 00:13:11,457 はあ? そんなことは起こりえない 205 00:13:11,582 --> 00:13:12,958 イアルダボート教に触れれば― 206 00:13:13,083 --> 00:13:15,628 その偉大さが 分からないはずがない 207 00:13:19,548 --> 00:13:21,258 (ナルサス) “イアルダボート”とは― 208 00:13:21,383 --> 00:13:25,721 もともと 古代ルシタニア語で “聖なる無知”の意味なのだ 209 00:13:25,846 --> 00:13:27,014 (ダリューン)うん 210 00:13:27,640 --> 00:13:28,766 (ナルサス) 知ってるか? ダリューン 211 00:13:29,433 --> 00:13:31,685 彼らがパルスに 侵攻してきたのは― 212 00:13:31,810 --> 00:13:35,814 聖典に “世界で最も美しく 豊かな土地は―” 213 00:13:35,940 --> 00:13:38,067 “イアルダボート教の 信者のものである”と― 214 00:13:38,192 --> 00:13:40,277 書かれているからだそうだ 215 00:13:40,694 --> 00:13:45,241 勝手極まる話だな それで ルシタニア人どもは― 216 00:13:45,366 --> 00:13:49,036 その神の仰せとやらを 心から信じているのか? 217 00:13:49,161 --> 00:13:51,163 さて… 信じているのか― 218 00:13:51,914 --> 00:13:56,794 信じるふりをして 自分から 侵略を正当化しているのか… 219 00:13:57,962 --> 00:14:00,589 “人は平等”というのなら 何故― 220 00:14:00,714 --> 00:14:03,175 エクバターナに攻め入ったのだ? (エトワール)何? 221 00:14:03,759 --> 00:14:06,262 パルスの奴隷制度を 差別というなら― 222 00:14:06,387 --> 00:14:09,557 王都にいる民への ルシタニアの 行いは何と説明する? 223 00:14:09,974 --> 00:14:12,726 何を訳の分からないことを 言っている! 224 00:14:12,851 --> 00:14:15,187 パルスは異教徒だから 差別していいのだ! 225 00:14:15,604 --> 00:14:19,817 イアルダボート教の教えに 従わぬ者に 存在意味はない! 226 00:14:20,234 --> 00:14:22,653 矛盾していないか? ああ… (エトワール)何だと? 227 00:14:22,778 --> 00:14:23,863 (ドアが開く音) 228 00:14:23,988 --> 00:14:25,573 (エラム)見つけました 殿(でん)… 229 00:14:26,240 --> 00:14:27,074 (アルスラーン)ああ… (エトワール)ん… 230 00:14:29,827 --> 00:14:33,581 待て! この者は旧知の友人だ (エラム)友人? 231 00:14:33,998 --> 00:14:35,082 友人などではない! 232 00:14:35,833 --> 00:14:36,834 (エラム)ではない? 233 00:14:37,376 --> 00:14:38,836 とにかく 敵ではない! 234 00:14:42,089 --> 00:14:43,883 (エトワール)ん… (アルスラーン)ああ… 235 00:14:44,383 --> 00:14:48,137 いつぞやは お前を人質にして 逃げ延びることができた 236 00:14:48,262 --> 00:14:49,179 礼を言っておく 237 00:14:49,972 --> 00:14:52,641 生きていたければ むちゃは控えろ 238 00:14:54,685 --> 00:14:56,937 それから最後に 1つ聞きたい 239 00:14:57,438 --> 00:14:59,148 ああ 何だ? 240 00:15:00,482 --> 00:15:01,901 (エトワール)あのとき― 241 00:15:02,026 --> 00:15:03,986 私と一緒にいた ルシタニア人を知らないか? 242 00:15:04,111 --> 00:15:04,945 あっ… 243 00:15:11,076 --> 00:15:14,121 君の仲間は 全員殺された 244 00:15:17,499 --> 00:15:18,375 そうか… 245 00:15:23,464 --> 00:15:25,883 ああっ あっ あ… 246 00:15:26,508 --> 00:15:30,137 (エトワール)それを読んで イアルダボート教を学べ! 247 00:15:33,015 --> 00:15:34,141 ああ… 248 00:15:37,478 --> 00:15:41,440 (兵士たちの話し声) 249 00:15:41,565 --> 00:15:44,610 (ダリューン)覚悟はしていたが ここで ルシタニア軍が― 250 00:15:44,735 --> 00:15:47,321 でかい面をしているのを じかに見ると― 251 00:15:47,446 --> 00:15:49,406 負けたことを痛感するな 252 00:15:49,782 --> 00:15:52,159 さて… どうやって ここを取り戻す? 253 00:15:52,701 --> 00:15:55,621 そうだな… 例えば 王子の名で― 254 00:15:55,746 --> 00:16:00,167 “パルス全土の奴隷を解放し 奴隷制度を全廃する”と約束する 255 00:16:00,793 --> 00:16:05,798 そのうち1割が武器を取っても 50万からの大軍を編成できる 256 00:16:05,923 --> 00:16:08,926 この場合 自給自足が前提になるがな 257 00:16:09,218 --> 00:16:10,594 (ダリューン)なるほど 258 00:16:12,429 --> 00:16:13,681 (ナルサス) ただし そうなれば― 259 00:16:13,806 --> 00:16:17,810 奴隷を所有する領主や貴族どもの 支援は期待できなくなる 260 00:16:18,769 --> 00:16:20,562 それに 奴隷を解放しても― 261 00:16:20,688 --> 00:16:24,108 それで全てよし というわけには いかぬものさ 262 00:16:24,441 --> 00:16:26,694 その後の方が大変でな 263 00:16:27,486 --> 00:16:31,198 机の前で空想しているような わけにはいかぬ 264 00:16:31,740 --> 00:16:33,909 (カーラーン隊の残党) あっ ああ… うっ うう… 265 00:16:34,034 --> 00:16:38,622 ぬっ うわっ く… おい 道を空けろ! このぼんくら 266 00:16:39,039 --> 00:16:41,375 誰に ぶつかってるか 分かってんのか? 267 00:16:41,500 --> 00:16:43,335 俺は 大将軍(エーラーン) カーラーンの部下… 268 00:16:45,337 --> 00:16:46,463 ダ… 269 00:16:47,840 --> 00:16:50,467 ひいっ ダリューン! 270 00:16:50,676 --> 00:16:56,265 戦いもせずに逃げ出すとは よく己の力量をわきまえているな 271 00:16:56,390 --> 00:16:57,641 追うか? 272 00:16:58,225 --> 00:17:00,853 まずは 俺1人で行こう 273 00:17:25,210 --> 00:17:27,254 (カーラーン隊の残党) ヘヘヘ やっぱり ナルサスだ 274 00:17:29,339 --> 00:17:32,259 (残党)てめえらのせいで 俺たちの居場所が ねえんだ 275 00:17:33,177 --> 00:17:36,638 死ぬ前に アルスラーン王子の 居場所を吐いてもらおう 276 00:17:37,556 --> 00:17:38,390 (ため息) 277 00:17:42,227 --> 00:17:44,521 (残党たちのうめき声) 278 00:17:44,646 --> 00:17:47,858 (ナルサス)私1人なら くみしやすいとでも思ったかね? 279 00:17:47,983 --> 00:17:50,319 (残党)うっ… (残党)お… 280 00:17:50,444 --> 00:17:52,029 うっ お… あっ… 281 00:17:52,154 --> 00:17:55,449 (残党)ハァッ… あああ… ああ… 282 00:17:55,949 --> 00:17:59,411 死ぬ前に アンドラゴラスの 居場所を吐いてもらおうか 283 00:17:59,536 --> 00:18:01,455 し… 知らん 284 00:18:01,580 --> 00:18:04,875 はっ 本当に知らんのだ 本当だ 285 00:18:05,000 --> 00:18:07,961 俺も命が惜しい 知っていれば教える! 286 00:18:08,462 --> 00:18:10,756 単なるうわさでも かまわん (残党)うう… 287 00:18:10,881 --> 00:18:13,092 お前自身のために思い出せ 288 00:18:13,217 --> 00:18:15,469 ア… アンドラゴラス王は 生きている 289 00:18:15,594 --> 00:18:16,595 それは知っている 290 00:18:16,929 --> 00:18:19,056 (残党)どこかに 幽閉されているらしい 291 00:18:19,181 --> 00:18:20,516 もともと カーラーン様は― 292 00:18:20,641 --> 00:18:23,227 ごくごく側近にしか それを教えていなかった 293 00:18:23,936 --> 00:18:27,439 ルシタニアの将軍たちですら そのことを知らないのだ 294 00:18:27,564 --> 00:18:29,024 (ナルサス)タハミーネ王妃は? 295 00:18:29,149 --> 00:18:30,275 “ルシタニア王―” 296 00:18:30,400 --> 00:18:32,861 “イノケンティス七世と 結婚する”と― 297 00:18:33,320 --> 00:18:35,364 ルシタニア兵が うわさしているのを聞いた 298 00:18:36,073 --> 00:18:38,242 王の一目ぼれだったと 299 00:18:39,576 --> 00:18:41,078 (残党)ああ… うう… 300 00:18:41,203 --> 00:18:44,164 (ナルサス) 王妃様の美貌も罪なことだ 301 00:18:44,289 --> 00:18:48,585 (ダリューン)しかし どうする? たとえ陛下が生きておいででも― 302 00:18:48,710 --> 00:18:51,839 結婚の障害になるとして 害されるかもしれぬ 303 00:18:51,964 --> 00:18:53,674 あるいは ルシタニア国王が― 304 00:18:53,799 --> 00:18:56,468 アンドラゴラス王の命を 引き換えに― 305 00:18:56,593 --> 00:18:59,388 王妃に 結婚を迫っているかもしれんな 306 00:19:00,097 --> 00:19:02,933 (ダリューン) もう少し 情報が欲しいところだ 307 00:19:03,058 --> 00:19:05,227 もう1度 分かれて釣りをするか? 308 00:19:05,352 --> 00:19:06,436 (ナルサス)ああ 309 00:19:11,859 --> 00:19:13,861 (ダリューン)ここを守っていた ガルシャースフ殿は― 310 00:19:13,986 --> 00:19:15,654 どうなっただろう? 311 00:19:15,779 --> 00:19:17,406 サーム殿の行方も分からぬ 312 00:19:18,532 --> 00:19:21,410 殿下の味方は どれくらい残っているのか… 313 00:19:24,580 --> 00:19:25,414 はっ 314 00:19:29,293 --> 00:19:32,796 (ヒルメス)何事か 探っている者がいると聞いてな 315 00:19:33,255 --> 00:19:35,299 (ダリューン)んっ うっ 316 00:19:35,966 --> 00:19:37,885 (ヒルメス)うう… (ダリューン)く… 317 00:19:43,724 --> 00:19:45,267 あっ (ヒルメス)ふっ 318 00:19:46,018 --> 00:19:50,564 (ヒルメスとダリューンの力み声) 319 00:19:53,150 --> 00:19:55,694 しれ者 名を聞いておこうか 320 00:19:56,111 --> 00:19:56,945 ダリューン 321 00:20:00,115 --> 00:20:04,786 (ヒルメス)こいつは傑作だ あのヴァフリーズの おいか 322 00:20:04,912 --> 00:20:06,330 クハハハ… 323 00:20:08,874 --> 00:20:11,668 ダリューン 教えてやろう 324 00:20:12,085 --> 00:20:15,172 貴様の伯父 ヴァフリーズをやったのは― 325 00:20:15,297 --> 00:20:16,590 この俺だ! 326 00:20:16,924 --> 00:20:17,841 (ダリューン)あっ… 327 00:20:18,258 --> 00:20:20,469 (ヒルメス) アンドラゴラスの飼い犬めが― 328 00:20:20,594 --> 00:20:23,430 それに ふさわしい報いを受けたわ 329 00:20:23,555 --> 00:20:26,099 貴様の死にざまも 伯父に倣うか! 330 00:20:27,684 --> 00:20:29,186 (ダリューン)く… (ヒルメス)うっ 331 00:20:29,978 --> 00:20:32,022 (ダリューン)うう! うらっ! 332 00:20:37,444 --> 00:20:39,488 んん… 333 00:20:39,613 --> 00:20:43,033 (ヒルメス)ううっ く… 334 00:20:43,492 --> 00:20:46,536 おのれ! ダリューン! 335 00:20:47,120 --> 00:20:48,872 やけど? (ヒルメス)ううっ! 336 00:20:50,374 --> 00:20:55,379 (ダリューンとヒルメスの力み声) 337 00:21:00,008 --> 00:21:01,343 (ダリューン)く… (ヒルメス)んっ! 338 00:21:05,389 --> 00:21:08,600 (ナルサス)おいおい 名前も聞いてくれないのか? 339 00:21:08,725 --> 00:21:11,270 こちらから名乗るのは 気恥ずかしいではないか 340 00:21:11,770 --> 00:21:13,397 (ヒルメス)誰だ? 道化者 341 00:21:13,855 --> 00:21:17,150 (ナルサス) では 改めて 我が名はナルサス 342 00:21:17,651 --> 00:21:22,030 次のパルス王の世に 宮廷画家を務める身だ 343 00:21:22,739 --> 00:21:24,408 宮廷画家だと? 344 00:21:24,741 --> 00:21:27,119 (ナルサス)芸術に無縁な お主は知るまいが― 345 00:21:27,244 --> 00:21:29,830 “画聖マニの再来”と人は呼ぶ 346 00:21:29,955 --> 00:21:30,872 誰が呼ぶか! 347 00:21:30,998 --> 00:21:32,249 (ヒルメス)フフ… 348 00:21:32,374 --> 00:21:35,544 飼い犬と へぼ画家か お似合いだな 349 00:21:35,669 --> 00:21:36,670 (ナルサス)貴様! 350 00:21:39,006 --> 00:21:40,424 (ヒルメス)うーっ! (ダリューン)うっ 351 00:21:41,008 --> 00:21:44,011 (3人の力み声) 352 00:21:47,014 --> 00:21:50,934 (ルシタニア兵たちの足音) 353 00:21:51,059 --> 00:21:52,311 (ナルサス)あっ (ダリューン)ん… 354 00:21:52,978 --> 00:21:55,814 ここは 一旦 引いた方が よさそうだな 355 00:21:56,189 --> 00:21:57,316 (ダリューン)ああ そうだな 356 00:21:59,067 --> 00:22:00,068 (兵士たち)うわあ 357 00:22:02,988 --> 00:22:05,324 (兵士)くそっ 逃げられた (兵士)逃げ足の速いやつらだ 358 00:22:06,408 --> 00:22:09,328 いずれ また会えるだろうよ 359 00:22:11,663 --> 00:22:14,333 (馬てい音) 360 00:22:14,750 --> 00:22:17,210 やつめ 恐ろしく腕が立つ 361 00:22:17,336 --> 00:22:18,962 お前が来なければ 危ないところだった 362 00:22:19,212 --> 00:22:20,964 そんなことは どうでもいい 363 00:22:21,089 --> 00:22:24,468 あいつ 俺を へぼ画家呼ばわり したんだぞ 気に食わん! 364 00:22:24,843 --> 00:22:26,053 (ダリューン)ん… 365 00:22:27,846 --> 00:22:32,017 (ナルサス)ところで あの男… 仮面は大義を隠すためだけか? 366 00:22:32,142 --> 00:22:34,728 それとも 他人に素顔を知られぬためか? 367 00:22:35,353 --> 00:22:40,192 (ダリューン)分からん だが いずれ 決着をつけねばなるまい 368 00:22:43,570 --> 00:22:48,575 ♪~ 369 00:24:07,946 --> 00:24:12,951 ~♪ 370 00:24:13,743 --> 00:24:15,954 (ナレーション)口数の多すぎる カシャーンの城主は― 371 00:24:16,079 --> 00:24:17,831 懐に飛び込んできた王子を― 372 00:24:17,956 --> 00:24:21,585 自分自身の欲のために 最大限に 利用するつもりであろう 373 00:24:22,669 --> 00:24:23,670 次回… 374 00:24:25,380 --> 00:24:27,966 少年は そして王となる