1 00:00:02,794 --> 00:00:06,339 (ナレーション) パルス暦321年4月 2 00:00:06,464 --> 00:00:09,801 “ルシタニア追討令”と “奴隷解放令”を発した― 3 00:00:10,260 --> 00:00:12,554 王太子アルスラーンの元に― 4 00:00:12,679 --> 00:00:15,932 各地から多くの諸侯や 武将たちが はせ参じた 5 00:00:17,767 --> 00:00:21,396 今 パルスの歴史の 分岐点となる戦が― 6 00:00:21,521 --> 00:00:23,481 始まろうとしていた 7 00:00:24,691 --> 00:00:27,861 (ルーシャン) レイの城主 ルーシャンと申す 8 00:00:28,153 --> 00:00:30,321 アルスラーン殿下の げきに応じ― 9 00:00:30,447 --> 00:00:31,865 ルシタニアの 侵略者どもを― 10 00:00:31,990 --> 00:00:35,702 打ち払わんものと まかり越しました 11 00:00:36,911 --> 00:00:40,707 (ファランギース) 追討令を発してから 休みなく 兵が集っておる 12 00:00:41,583 --> 00:00:43,960 (ファランギース)城内に 収まらぬようになりそうじゃ 13 00:00:44,085 --> 00:00:46,087 (アルフリード)すごいね 14 00:00:46,212 --> 00:00:49,966 私たち 歴史の大変な舞台に いるかもしれないんだね 15 00:00:50,675 --> 00:00:52,302 確かにな 16 00:00:53,428 --> 00:00:58,433 ♪~ 17 00:02:17,887 --> 00:02:22,934 ~♪ 18 00:02:28,106 --> 00:02:32,527 (ダリューン)実を言うとな 俺は あまり期待していなかったのだ 19 00:02:32,652 --> 00:02:35,989 これほど多くの者が 殿下の元に集うとは 20 00:02:36,114 --> 00:02:40,451 (ナルサス) 奴隷解放令が諸侯たちの 反発を買うと思ったからか? 21 00:02:40,952 --> 00:02:41,953 (ダリューン)うん 22 00:02:43,163 --> 00:02:45,456 (ナルサス) 諸侯たちにも思惑はあるのさ 23 00:02:45,832 --> 00:02:47,959 思惑… とは? 24 00:02:48,501 --> 00:02:52,839 今のうちに功績を立て 殿下が即位した後で― 25 00:02:52,964 --> 00:02:55,508 説得して 廃止令を 取り下げさせればいいと― 26 00:02:55,633 --> 00:02:58,970 思っているのだ (ダリューン)んっ… 27 00:03:00,013 --> 00:03:02,765 ところで ナルサス 気付いているだろう 28 00:03:02,891 --> 00:03:06,728 城に多くの兵が集まった分 問題も起こり始めている 29 00:03:07,437 --> 00:03:08,646 ああ 30 00:03:09,105 --> 00:03:09,939 (ザラーヴァント)けっ! 31 00:03:10,857 --> 00:03:13,651 (ザラーヴァント)俺が殿下に あだなすように見えるというか! 32 00:03:13,776 --> 00:03:15,278 (ジャスワント) このような夜中に― 33 00:03:15,403 --> 00:03:18,740 殿下の部屋の前を うろつく やからを信用せよと? 34 00:03:19,324 --> 00:03:20,450 (ジャスワント) 俺の役目は― 35 00:03:20,575 --> 00:03:23,703 殿下に害なす可能性を 全て排除することだ 36 00:03:23,828 --> 00:03:27,665 異国人の分際で 王太子殿下の側近面をするとは― 37 00:03:27,790 --> 00:03:29,167 せん越も度が過ぎる! 38 00:03:29,667 --> 00:03:32,837 とっとと自分の国へ帰って 水牛でも飼っておれ 39 00:03:32,962 --> 00:03:35,298 もう1度 言ってみろ! 無礼なやつ! 40 00:03:35,798 --> 00:03:39,260 こいつは面白い 黒犬が赤くなったわ 41 00:03:39,385 --> 00:03:40,637 (ジャスワント)くっ! 42 00:03:42,472 --> 00:03:44,265 面白い 43 00:03:53,399 --> 00:03:54,692 ふっ! 44 00:03:55,109 --> 00:03:56,277 (ジャスワント)うっ! 45 00:03:57,612 --> 00:03:58,529 (ザラーヴァント)ううっ 46 00:03:59,072 --> 00:04:01,032 (キシュワード) 無意味に血を流して― 47 00:04:01,157 --> 00:04:03,743 ルシタニア人を 喜ばせることもあるまい 48 00:04:03,868 --> 00:04:06,162 (ザラーヴァント)うっ はぁ… 49 00:04:10,667 --> 00:04:12,335 (エラム)おおっ (アルスラーン)ハァ ハァ ハァ… 50 00:04:12,460 --> 00:04:14,045 (エラム)殿下 51 00:04:14,170 --> 00:04:17,882 (アルスラーン) ハァ… ジャスワントが ザラーヴァントと― 52 00:04:18,007 --> 00:04:19,717 いさかいを起こしたと 聞いたのだが… 53 00:04:20,009 --> 00:04:21,970 お耳に入っておりましたか 54 00:04:22,428 --> 00:04:23,596 (アルスラーン)うん 55 00:04:24,097 --> 00:04:27,767 やはり 城内で 確執が起こっているのか 56 00:04:27,892 --> 00:04:32,563 (ナルサス)はい その不和は 本来は地位を持たぬ者が― 57 00:04:32,689 --> 00:04:35,233 殿下の周りで 重用されていることに対する― 58 00:04:35,358 --> 00:04:36,985 不満ゆえのものでしょう 59 00:04:37,902 --> 00:04:40,989 私は 皆を平等に扱っているつもりだ 60 00:04:43,616 --> 00:04:44,450 ナルサス 61 00:04:44,575 --> 00:04:47,745 この不和を収めるためには どうすればいい? 62 00:04:47,870 --> 00:04:52,333 さしあたり 私を現在の地位から 降ろしてはいかがでしょう? 63 00:04:52,458 --> 00:04:54,585 ええっ!? (エラム)ナルサス様 64 00:04:54,711 --> 00:04:56,421 何を言っている! 65 00:04:56,546 --> 00:04:59,132 私は今 中書令(サトライプ) 66 00:04:59,549 --> 00:05:03,344 宰相に等しい役職ですが この地位は本来― 67 00:05:03,469 --> 00:05:07,515 年長者で威厳と人望を備えた者が 就くべきなのです 68 00:05:08,641 --> 00:05:10,018 では 誰が? 69 00:05:11,060 --> 00:05:13,146 ルーシャン卿が よろしいかと 70 00:05:13,438 --> 00:05:15,898 ナルサス それでいいのか? 71 00:05:16,733 --> 00:05:20,028 軍を動かす権限さえあれば 問題ありません 72 00:05:21,321 --> 00:05:24,407 しかし ルシタニアという敵がいるのに― 73 00:05:24,532 --> 00:05:27,660 自軍の中にも問題は絶えませんね 74 00:05:27,994 --> 00:05:29,037 (アルスラーン)うん 75 00:05:29,454 --> 00:05:32,623 我々が大きな組織と なってきたからこそ― 76 00:05:32,749 --> 00:05:35,001 問題も多く起こるのです 77 00:05:35,126 --> 00:05:38,171 それを率いる責任を 感じておられますか? 78 00:05:38,296 --> 00:05:41,466 (アルスラーン)あ… (ダリューン)殿下 79 00:05:43,134 --> 00:05:46,554 出陣を前に お話ししておくことがございます 80 00:05:47,472 --> 00:05:50,933 この話は ルーシャン卿にも 聞いてもらいましょう 81 00:05:53,478 --> 00:05:57,065 (ナルサス)今後 我々にとって 最大の障害となるのは― 82 00:05:57,190 --> 00:06:00,068 ルシタニアの客将 ヒルメス王子です 83 00:06:00,443 --> 00:06:03,071 ヒルメス王子? 84 00:06:03,529 --> 00:06:06,074 ええ 先代国王の遺児 85 00:06:07,450 --> 00:06:10,078 アルスラーン殿下の いとこにあたる お方です 86 00:06:10,745 --> 00:06:14,082 ヒルメス王子は今 ルシタニアの将となっています 87 00:06:15,249 --> 00:06:17,293 (ルーシャン) 生きておられたのか 88 00:06:17,418 --> 00:06:19,629 しかし なぜ ルシタニアに? 89 00:06:19,754 --> 00:06:23,132 (ナルサス)王位の奪還 そして 復しゅうでしょう 90 00:06:24,550 --> 00:06:28,179 ヒルメス王子は 自らこそが パルスの王たるべきだと― 91 00:06:28,304 --> 00:06:30,056 主張しておられる 92 00:06:30,181 --> 00:06:33,017 事実 世が世であれば― 93 00:06:33,142 --> 00:06:36,604 私ではなく いとこ殿が王太子だったのだ 94 00:06:39,273 --> 00:06:43,194 (ダリューン) ヒルメス王子は自らの手で パルスの民を傷つけた 95 00:06:44,362 --> 00:06:48,783 王家の血を引いていようと それは許されることではないはず 96 00:06:49,075 --> 00:06:52,620 パルスの民として 我々は そのようなお人を― 97 00:06:52,745 --> 00:06:55,123 王とするわけにはいきませぬ 98 00:06:55,623 --> 00:06:58,751 ふむ 理由はどうあれ― 99 00:06:58,876 --> 00:07:01,921 そのような行為を 是とすることはできない 100 00:07:02,463 --> 00:07:06,008 私もアルスラーン殿下を 王太子として立てることに― 101 00:07:06,134 --> 00:07:07,009 異論ない 102 00:07:12,640 --> 00:07:13,516 殿下 103 00:07:14,642 --> 00:07:18,438 (アルスラーン)以前 宮廷で うわさを聞いたことがある 104 00:07:18,938 --> 00:07:22,483 “父上が先代国王を殺した”と 105 00:07:22,608 --> 00:07:23,526 はっ 106 00:07:24,235 --> 00:07:28,489 ただの流言で 真実ではないと思っていた 107 00:07:28,948 --> 00:07:32,535 だが 父上が 本当に そのような罪を犯したのなら… 108 00:07:36,247 --> 00:07:41,043 いとこ殿の復しゅう心も しかたないのかもしれない 109 00:07:41,586 --> 00:07:43,212 (ギーヴ)ふ~ん 110 00:07:43,629 --> 00:07:46,132 過去の真相は分かりません 111 00:07:46,424 --> 00:07:49,218 しかし もし真実だとしても― 112 00:07:49,469 --> 00:07:51,721 殿下は これから ヒルメス王子を退け― 113 00:07:52,346 --> 00:07:56,601 王位に就かねばならない その覚悟がございますか? 114 00:08:02,565 --> 00:08:03,691 (アルスラーン)あっ… 115 00:08:04,817 --> 00:08:06,235 うう… 116 00:08:06,569 --> 00:08:10,072 パルスの民を救うためには 戦わねばならぬ 117 00:08:11,157 --> 00:08:15,119 いとこ殿との間の話は その後で つける 118 00:08:19,874 --> 00:08:22,168 殿下の荷は重すぎる 119 00:08:22,293 --> 00:08:24,337 まだ14歳でしかないのに 120 00:08:24,712 --> 00:08:27,840 (ナルサス)殿下ご自身の 出自の問題もあるからな 121 00:08:28,257 --> 00:08:29,175 (ダリューン)うん… 122 00:08:29,300 --> 00:08:32,136 (ギーヴ)自らは 王家の血を引いておらず― 123 00:08:32,261 --> 00:08:34,972 他に正統の王子がいる 124 00:08:35,348 --> 00:08:36,891 (ギーヴ) しかも 自らの王位は― 125 00:08:37,016 --> 00:08:40,436 父親の罪によって 成り立っているらしい 126 00:08:40,561 --> 00:08:44,357 お甘い殿下のことだ 親の罪を償うつもりで― 127 00:08:44,482 --> 00:08:47,985 ヒルメス王子に王位を譲ると 言いだすかもしれんぞ 128 00:08:48,402 --> 00:08:50,196 確かにな (ダリューン)ナルサス! 129 00:08:50,321 --> 00:08:51,656 (ナルサス)だからこそ― 130 00:08:51,781 --> 00:08:54,992 覚悟を決めていただく 必要があるのだ 131 00:08:55,243 --> 00:08:56,494 う… 132 00:08:57,245 --> 00:08:59,497 (ナルサス) 殿下にとって王位とは… 133 00:09:00,081 --> 00:09:05,169 殿下の目指しているものは ひとに譲れるような安いものか 134 00:09:09,298 --> 00:09:12,134 (アルスラーン)正統の王か 135 00:09:20,851 --> 00:09:22,270 (聖騎士団兵)かあっ! 136 00:09:24,021 --> 00:09:25,481 (聖騎士団兵)うわっ! 137 00:09:25,606 --> 00:09:26,857 (ヒルメス)どうだ? 138 00:09:26,983 --> 00:09:31,988 お前たちの神への信仰を捨てれば 生かしてやってよいが 139 00:09:32,113 --> 00:09:34,907 (聖騎士団兵) 天なる神よ ご照覧あれ! 140 00:09:35,032 --> 00:09:36,367 ふあっ! 141 00:09:36,659 --> 00:09:39,120 おーっ! ぐはあっ! 142 00:09:40,705 --> 00:09:41,622 (ヒルメス)フン 143 00:09:47,128 --> 00:09:51,007 (サーム)ヒルメス様 城内の聖騎士団140人― 144 00:09:51,132 --> 00:09:53,801 ことごとく自ら死を選びました 145 00:09:53,926 --> 00:09:57,013 これで城は陥落です (ヒルメス)ボダンは? 146 00:09:57,638 --> 00:10:00,641 (サーム) 部下を捨て逃亡したようです 147 00:10:03,936 --> 00:10:07,773 (ヒルメス)神に捨てられ 指導者に捨てられ― 148 00:10:07,898 --> 00:10:10,067 哀れな者どもだ 149 00:10:15,865 --> 00:10:19,785 (兵士)やってらんねえ ペシャワールの偵察なんてよ 150 00:10:19,910 --> 00:10:22,496 (兵士) 危険なだけで金も手に入らん 151 00:10:22,830 --> 00:10:27,084 (兵士) この仕事 エトワール様が 自分から志願したんだと 152 00:10:27,209 --> 00:10:28,210 (兵士)フン! (兵士)おあっ… 153 00:10:28,336 --> 00:10:31,088 (兵士) あの人は功を焦ってんだよ 154 00:10:31,213 --> 00:10:32,506 (兵士)ホントだよ 155 00:10:32,632 --> 00:10:36,052 (兵士たちの笑い声) 156 00:10:36,177 --> 00:10:37,970 (兵士たち)うわっ! (兵士)エトワール様! 157 00:10:38,095 --> 00:10:40,890 あっ あっ 今の話は… (エトワール)いい 158 00:10:41,015 --> 00:10:44,018 お前たちの不満はしかたない (兵士)ええ? 159 00:10:44,769 --> 00:10:48,606 (エトワール)安心してくれ 偵察には私1人で行く 160 00:10:48,731 --> 00:10:50,733 あ… はあ 161 00:11:01,994 --> 00:11:04,914 (エトワール) “功を焦っている”か 162 00:11:07,208 --> 00:11:09,126 (バルカシオン) 気持ちは分かるが― 163 00:11:09,251 --> 00:11:12,713 お主の身は祖父君から お預かりしたもの 164 00:11:12,838 --> 00:11:14,840 危険な任務を させるわけには… 165 00:11:14,965 --> 00:11:18,344 (エトワール)私が祖国をたって この地まで参りましたのは― 166 00:11:18,469 --> 00:11:20,805 騎士として 武勲を立てるためです 167 00:11:21,138 --> 00:11:23,307 そのためなら 我が身の危険など! 168 00:11:25,101 --> 00:11:26,602 (バルカシオン)ん… 169 00:11:27,978 --> 00:11:28,938 (エトワール)はぁ 170 00:11:39,281 --> 00:11:44,453 (エトワール)私は 立派な騎士にならないといけない 171 00:11:44,578 --> 00:11:48,749 家族のためにも 故郷の領民のためにも 172 00:11:52,711 --> 00:11:53,963 (鶏の鳴き声) 173 00:11:57,258 --> 00:12:00,344 (商人)んっ うーん はぁ… 174 00:12:00,469 --> 00:12:03,139 (エトワール) 随分と食糧が多いのですね 175 00:12:03,973 --> 00:12:06,058 (商人) おお 今 ペシャワールには― 176 00:12:06,183 --> 00:12:09,520 パルス中から 大勢の兵士が集まってるからな 177 00:12:11,272 --> 00:12:13,983 まあ そんだけ兵士が集まりゃ― 178 00:12:14,108 --> 00:12:17,069 女っ気を欲しがるやつも いるだろうよ 179 00:12:17,194 --> 00:12:20,531 あんたなんか 特に上物だ 180 00:12:25,244 --> 00:12:29,665 (兵士たちの騒ぎ声) 181 00:12:35,671 --> 00:12:40,342 (兵士) 俺がいちばん多く ルシタニアの 蛮人どもの首を取ってやる 182 00:12:40,759 --> 00:12:44,263 (兵士)ヘッ そういうやつが いちばん先に死ぬのさ 183 00:12:44,388 --> 00:12:47,850 (兵士)何だと! (エトワール)ま… まあ どうぞ 184 00:12:48,184 --> 00:12:49,185 なあ お前 185 00:12:49,894 --> 00:12:54,523 体は ガキっぽいが よく見りゃ いい女じゃないか 186 00:12:54,773 --> 00:12:57,276 ううっ 触るな! 187 00:12:57,776 --> 00:12:58,611 へっ? 188 00:12:59,778 --> 00:13:02,781 はっ オ… オホホ… 189 00:13:02,907 --> 00:13:05,159 ささっ どうぞ お酒を 190 00:13:05,284 --> 00:13:06,619 (兵士)あ… ああ 191 00:13:07,786 --> 00:13:09,497 (エトワール)危なかった 192 00:13:09,622 --> 00:13:11,957 (兵士) しかし 奴隷解放だとか― 193 00:13:12,082 --> 00:13:14,543 殿下も思い切ったこと 言いだしたよな 194 00:13:14,668 --> 00:13:17,379 (兵士) ああ 一体どういうつもりなんだ? 195 00:13:17,755 --> 00:13:19,507 奴隷解放? 196 00:13:20,674 --> 00:13:23,511 (ザラーヴァント) 出陣は5月10日だ! 197 00:13:23,636 --> 00:13:26,931 パルス再興のため 殿下のため― 198 00:13:27,056 --> 00:13:30,267 王都を我らの手で取り戻すぞ! 199 00:13:30,643 --> 00:13:31,769 (兵士たち)おおーっ! 200 00:13:32,436 --> 00:13:38,526 (ザラーヴァント)ワーハハハ… 我らの手で いざ パルスの… 201 00:13:40,027 --> 00:13:41,278 (エトワール)はぁ… 202 00:13:42,404 --> 00:13:44,782 んっ くっ… 203 00:13:45,074 --> 00:13:47,326 何なんだ? パルスの兵士どもは! 204 00:13:47,451 --> 00:13:51,413 勝った後なら ともかく 戦の前から この浮かれよう 205 00:13:51,539 --> 00:13:54,124 (アルフリード) ホント 浮かれすぎだよね 206 00:13:54,250 --> 00:13:55,292 (エトワール)はっ 207 00:13:55,668 --> 00:13:57,419 うわあっ! 208 00:13:57,962 --> 00:14:00,047 えっと… アハハ… 209 00:14:00,172 --> 00:14:04,843 (アルフリード)酔っ払いの相手 大変だと思うけど まあ 頑張ってよ 210 00:14:04,969 --> 00:14:06,929 (エトワール)あの あなたは? 211 00:14:07,054 --> 00:14:09,431 (アルフリード) ああ 私はアルフリード 212 00:14:09,557 --> 00:14:11,600 これでも アルスラーン軍の一員なんだよ 213 00:14:12,184 --> 00:14:15,271 でも 何か私 こんなだし― 214 00:14:15,396 --> 00:14:18,357 新しく来た人たちから 変な目で見られるんだよね 215 00:14:19,108 --> 00:14:21,277 居心地 悪くて出てきちゃった 216 00:14:21,402 --> 00:14:23,654 (エトワール)確執でもあるのか? 217 00:14:23,779 --> 00:14:26,115 パルスも一枚岩ではないようだ 218 00:14:26,657 --> 00:14:30,536 まあ 私は いとしのナルサスさえ いてくれれば いいんだけどね 219 00:14:30,661 --> 00:14:32,830 ナルサスとは? 220 00:14:32,955 --> 00:14:35,207 (アルフリード) 強くて 頭がよくて― 221 00:14:35,332 --> 00:14:37,877 うちの軍の中でも すごく偉いんだよ 222 00:14:38,419 --> 00:14:41,338 ああ 私はナルサスの情婦なんだ 223 00:14:41,463 --> 00:14:42,464 情婦!? 224 00:14:42,590 --> 00:14:46,677 うん じゃあ 私はナルサスを 捜さないといけないから 225 00:14:46,802 --> 00:14:48,095 じゃあね! 226 00:14:49,346 --> 00:14:52,224 (エトワール)ん ううっ… 地位に 物を言わせて― 227 00:14:52,349 --> 00:14:54,685 若い女をめかけにしているのか 228 00:14:54,810 --> 00:14:56,520 やはり パルスは乱れている! 229 00:14:56,645 --> 00:14:58,856 (兵士)おい 娘! (エトワール)あっ うん? 230 00:14:58,981 --> 00:15:02,818 (兵士)こんな所にいたのか 捜したんだぜ 231 00:15:02,943 --> 00:15:04,987 なあ (エトワール)うっ! やめ… 232 00:15:05,112 --> 00:15:08,198 俺と仲良くしといて損はないぜ 233 00:15:08,324 --> 00:15:11,577 これから武勲を立てる パルスの騎士だからな 234 00:15:11,702 --> 00:15:13,537 騎士… だと? 235 00:15:13,913 --> 00:15:16,832 (兵士)ああ そうさ 行こうか? 236 00:15:17,625 --> 00:15:19,752 (エトワール)ふざけるな (兵士)あ? 237 00:15:19,877 --> 00:15:21,503 騎士とは― 238 00:15:21,629 --> 00:15:25,549 民のために戦いの最前へ赴く 誇り高き戦士だ! 239 00:15:25,841 --> 00:15:27,927 貴様のような者など 騎士ではない! 240 00:15:28,052 --> 00:15:29,386 ぬうっ! 241 00:15:29,511 --> 00:15:31,513 何だ? この娘! (アルスラーン)ん? 242 00:15:31,639 --> 00:15:33,557 (兵士)もう1度 言ってみろ! (アルスラーン)はっ! 243 00:15:33,933 --> 00:15:34,808 (兵士)んっ 244 00:15:35,351 --> 00:15:37,186 (エトワール)えいっ! (兵士)うわーっ! ああ… 245 00:15:37,937 --> 00:15:39,980 (アルスラーン)ああっ (エトワール)あ… ああ… 246 00:15:40,105 --> 00:15:43,275 やってしまった どうする? 逃げるか? 247 00:15:43,400 --> 00:15:45,945 あ… いや いっそのこと この男を殺して… 248 00:15:46,070 --> 00:15:47,905 (アルスラーン)お主 (エトワール)はっ! 249 00:15:48,322 --> 00:15:49,531 はっ… 250 00:15:54,745 --> 00:15:56,497 お前は! 251 00:15:57,539 --> 00:16:00,042 (エトワール)前に会った パルスの坊ちゃんじゃないか 252 00:16:00,167 --> 00:16:02,461 まだ 生きていたとは… 253 00:16:02,586 --> 00:16:04,922 あほ面のくせに悪運が強い 254 00:16:05,047 --> 00:16:08,759 (アルスラーン) えっと 先ほどの様子を見ていた 255 00:16:09,051 --> 00:16:10,928 絡まれていたのだな? (エトワール)えっ 256 00:16:11,595 --> 00:16:13,639 あっ はい 257 00:16:13,764 --> 00:16:15,933 (エトワール) 私だと気付かないか 258 00:16:17,893 --> 00:16:21,188 (アルスラーン)うっ うう… 気を失っているだけだな 259 00:16:22,815 --> 00:16:24,900 通りかかった者が 介抱してくれるだろう 260 00:16:25,025 --> 00:16:26,652 あの これは… 261 00:16:26,777 --> 00:16:29,321 見つかって騒ぎになると まずい (エトワール)えっ? 262 00:16:30,322 --> 00:16:32,658 誰にも見つからないよう 連れ出してあげよう 263 00:16:32,783 --> 00:16:34,451 あ… あっ 264 00:16:37,079 --> 00:16:39,665 (ギーヴ)ん? おや おや 265 00:16:39,790 --> 00:16:41,959 何をしておるのじゃ? お主は 266 00:16:42,501 --> 00:16:46,422 殿下に女神アシの お導きがあらんことを 267 00:16:46,547 --> 00:16:48,716 …と お祈りしていたのさ 268 00:16:51,468 --> 00:16:52,636 (兵士)うん? 269 00:16:55,389 --> 00:16:58,559 (アルスラーン)ハァ ハァ… ハァ… 270 00:16:58,684 --> 00:17:03,022 だが お主くらいの歳で 城の中まで働きに来るとは― 271 00:17:03,147 --> 00:17:04,648 何か事情でもあるのか? 272 00:17:04,773 --> 00:17:07,609 (エトワール) ああ そ… それは… はっ! 273 00:17:08,193 --> 00:17:12,865 母は病気で 父が腰痛で 兄弟たちは次々に転んで… 274 00:17:14,491 --> 00:17:20,122 それは… 大変だったのだな 私がよい医者を紹介しよう 275 00:17:20,247 --> 00:17:21,999 ううっ 結構です 276 00:17:22,332 --> 00:17:23,751 いや 遠慮せず 277 00:17:24,043 --> 00:17:26,253 うっ… 異教徒からの施しなど! 278 00:17:26,754 --> 00:17:30,924 (アルスラーン)異教徒? (エトワール)うっ いえいえ 279 00:17:31,300 --> 00:17:37,306 うっ と… ところで 随分 多く兵士が集まりましたね 280 00:17:37,431 --> 00:17:41,727 (アルスラーン)うん 皆 王都を 取り戻すために奮い立っている 281 00:17:41,852 --> 00:17:45,022 あなたも出陣を? (アルスラーン)もちろんだ 282 00:17:45,147 --> 00:17:46,982 (エトワール)ですが… (アルスラーン)ん? 283 00:17:47,399 --> 00:17:50,694 あなたは あまり強いように 見えませんが 284 00:17:50,819 --> 00:17:55,115 (アルスラーン)ああっ くっ… 厳しい言い方をするな お主は 285 00:17:55,657 --> 00:17:57,743 (エトワール) あなたが戦へ行かなくても― 286 00:17:57,868 --> 00:17:59,870 もっと ふさわしい者が いるでしょう 287 00:17:59,995 --> 00:18:03,123 (アルスラーン)ふさわしい… 者 288 00:18:07,127 --> 00:18:08,045 (アルスラーン)あ… 289 00:18:08,462 --> 00:18:11,548 なぜ あなたは戦へ赴くのですか? 290 00:18:13,008 --> 00:18:18,013 昔 奴隷として連れてこられた ルシタニアの少年と出会ったのだ 291 00:18:18,138 --> 00:18:19,056 あっ! 292 00:18:19,681 --> 00:18:21,266 (アルスラーン)その少年から― 293 00:18:21,391 --> 00:18:23,811 初めてパルス以外の国の話を聞いた 294 00:18:24,812 --> 00:18:28,899 “自分が生きてきた環境や 制度だけが全てではない”と 295 00:18:31,860 --> 00:18:34,279 世界には いろいろな人々がいて― 296 00:18:34,404 --> 00:18:37,324 さまざまな国の在り方があると 気付かされた 297 00:18:37,950 --> 00:18:42,663 その後も ナルサスから… あ… 私の仲間なのだが― 298 00:18:42,788 --> 00:18:44,998 いろいろな話を聞いてな 299 00:18:45,249 --> 00:18:49,711 パルスという国のよいところも 悪いところも 見えてきた 300 00:18:50,170 --> 00:18:52,339 だから この戦いをきっかけに― 301 00:18:52,464 --> 00:18:56,593 パルスを少しでもよくしたいと そう思うのだ 302 00:18:57,761 --> 00:19:00,347 お主は… (アルスラーン)あっ 303 00:19:00,973 --> 00:19:05,352 国をどうこうするなど お主ではなく 王の仕事であろう 304 00:19:05,769 --> 00:19:07,146 (アルスラーン)えっ… (エトワール)だが― 305 00:19:07,813 --> 00:19:12,526 国と民のためを考えての行動に 出自など関係ない 306 00:19:14,611 --> 00:19:17,281 それは とても尊いことだ 307 00:19:21,577 --> 00:19:22,619 (エトワール)あっ 308 00:19:27,249 --> 00:19:28,125 何だ? 309 00:19:29,960 --> 00:19:32,629 (アルスラーン) うん お主の言うとおりだ 310 00:19:35,591 --> 00:19:39,136 お主と話していると 気付かされることがあるな 311 00:19:40,053 --> 00:19:42,806 あのときのルシタニアの 少年のことを思い出した 312 00:19:42,931 --> 00:19:45,559 うぐっ! オ… オホホ… 313 00:19:45,684 --> 00:19:47,895 あっ そうですか? (アルスラーン)ん? 314 00:19:54,776 --> 00:19:57,112 裏口は兵はいないようだ 315 00:20:01,700 --> 00:20:03,202 この中に隠れていれば― 316 00:20:03,327 --> 00:20:06,955 他の商人や女性たちが帰るとき 一緒に帰れるだろう 317 00:20:07,289 --> 00:20:09,958 (エトワール) あ… ありがとうございます 318 00:20:14,796 --> 00:20:16,256 それではな 319 00:20:17,799 --> 00:20:19,092 (エトワール)あっ… (アルスラーン)ん? 320 00:20:20,844 --> 00:20:24,097 戦で命を落とさないよう 気を付けて 321 00:20:25,140 --> 00:20:27,768 ありがとう (エトワール)フッ 322 00:20:31,104 --> 00:20:32,189 はぁ… 323 00:20:33,190 --> 00:20:35,943 ただの甘ったれお坊ちゃんだと 思っていたが― 324 00:20:36,068 --> 00:20:38,528 パルスにも 少しは まともなやつがいる 325 00:20:39,279 --> 00:20:43,617 ふぅ… あっ 名前 聞いてなかったな 326 00:20:43,867 --> 00:20:47,204 戦場で会わないよう祈っておくか 327 00:20:53,877 --> 00:20:57,339 (アルスラーン) パルスと その民のために 328 00:21:07,099 --> 00:21:09,017 (アルスラーン) ダリューン ナルサス 329 00:21:09,142 --> 00:21:10,936 キシュワード ルーシャン 330 00:21:12,562 --> 00:21:14,690 いかがなされました? 殿下 331 00:21:15,524 --> 00:21:19,695 我々はエクバターナを パルスをルシタニアから取り戻す 332 00:21:20,070 --> 00:21:22,197 はい もちろんでございます 333 00:21:22,906 --> 00:21:25,367 (アルスラーン) そして 国を取り戻したら… 334 00:21:26,285 --> 00:21:28,495 いとこ殿に 王位を譲るつもりはない 335 00:21:28,620 --> 00:21:29,454 (一同)おおっ 336 00:21:30,038 --> 00:21:32,082 (アルスラーン) 確かに血筋からすれば― 337 00:21:32,207 --> 00:21:34,710 いとこ殿の方が 王に ふさわしいだろう 338 00:21:34,835 --> 00:21:38,964 しかし 私には パルスを よりよい国にしたいという夢がある 339 00:21:40,048 --> 00:21:43,218 奴隷解放令は そのためのものであるのだから 340 00:21:44,219 --> 00:21:45,095 殿下 341 00:21:45,804 --> 00:21:47,848 覚悟は決まったのですね? 342 00:21:48,557 --> 00:21:50,559 うん 迷いはない 343 00:21:52,769 --> 00:21:56,815 私の夢に力を貸してくれるか? 344 00:22:00,902 --> 00:22:02,571 (ダリューン)無論でございます 345 00:22:02,696 --> 00:22:08,035 このダリューンが… 否 ペシャワール城の全ての者が― 346 00:22:08,160 --> 00:22:10,704 殿下の目標のための 力となりましょう 347 00:22:11,997 --> 00:22:13,206 ありがとう 348 00:22:14,624 --> 00:22:18,545 (ナレーション) パルス暦321年5月 349 00:22:19,463 --> 00:22:24,092 王太子アルスラーンは 決意を新たに戦場へ臨む 350 00:22:24,217 --> 00:22:27,804 出陣のときは 間近に迫っていた 351 00:22:28,597 --> 00:22:33,602 ♪~ 352 00:23:52,931 --> 00:23:57,936 ~♪ 353 00:23:58,895 --> 00:24:02,440 (ナレーション)口ずさんだ男は 若く かなりの美男子で― 354 00:24:02,816 --> 00:24:07,154 赤紫色の髪を持ち くらに たて琴を載せていた 355 00:24:07,279 --> 00:24:08,989 次回… 356 00:24:09,990 --> 00:24:12,951 少年は そして王となる