1 00:00:02,830 --> 00:00:05,010 (ダリューン)ナルサス! 2 00:00:05,010 --> 00:00:07,480 俺だ ダリューンだ! 3 00:00:07,480 --> 00:00:14,190 ♬~ 4 00:00:14,190 --> 00:00:16,820 (アルスラーン)あっ…。 5 00:00:16,820 --> 00:00:21,330 (ナルサス)名乗る必要はない。 騒々しいヤツめ。➡ 6 00:00:21,330 --> 00:00:24,460 お主の声は 1ファルサングも遠くから➡ 7 00:00:24,460 --> 00:00:27,430 聞こえておったぞ。 8 00:00:27,430 --> 00:00:30,070 ふっ。 9 00:00:30,070 --> 00:00:33,170 (ナルサス)ちょうど 筆が 乗ってきたところだというのに➡ 10 00:00:33,170 --> 00:00:36,410 よくも邪魔をしてくれたな ダリューン。 11 00:00:36,410 --> 00:00:39,380 おお~ それは よいことをした。 12 00:00:39,380 --> 00:00:42,450 ガラクタな絵が 世に出るのを阻止してやったぞ。 13 00:00:42,450 --> 00:00:45,280 褒めてもらおう。 (ナルサス)何を!? 14 00:00:45,280 --> 00:00:53,880 ♬~ 15 00:00:55,290 --> 00:00:57,330 こちらは…。 ナルサス➡ 16 00:00:57,330 --> 00:01:00,630 アンドラゴラス王の子 アルスラーンだ。 17 00:01:00,630 --> 00:01:03,900 お主のうわさは ダリューンから聞いている。 18 00:01:03,900 --> 00:01:08,800 今は 一介の隠者にすぎませぬよ アルスラーン殿下。 19 00:01:10,210 --> 00:01:25,810 ♬~ 20 00:01:30,500 --> 00:01:35,500 ♬~ 21 00:01:40,310 --> 00:02:39,720 ♬~ 22 00:02:44,840 --> 00:02:49,440 (ナルサス)エラム ご苦労だが お客様に 食事の用意をしてくれ。 23 00:02:49,440 --> 00:02:53,410 (エラム)はい。 (ナルサス)どうぞ アルスラーン殿下。➡ 24 00:02:53,410 --> 00:02:55,980 大したもてなしも できませぬが。 25 00:02:55,980 --> 00:02:57,980 世話になる。 26 00:02:59,250 --> 00:03:02,960 絵!? 見てはなりませぬ。 27 00:03:02,960 --> 00:03:05,890 これが… 絵? 28 00:03:05,890 --> 00:03:08,760 どうなさいました? ああ~ いや➡ 29 00:03:08,760 --> 00:03:11,860 すごいものを見て… うわっ! 殿下! 30 00:03:11,860 --> 00:03:15,830 ♬~ 31 00:03:15,830 --> 00:03:20,670 (ナルサス)さあ どうぞ。 温かいうちに お召し上がりください。 32 00:03:20,670 --> 00:03:22,710 では ありがたく。 33 00:03:22,710 --> 00:03:25,980 ♬~ 34 00:03:25,980 --> 00:03:28,010 うまい。 35 00:03:28,010 --> 00:03:32,420 ♬~ 36 00:03:32,420 --> 00:03:35,690 お前が宮廷を去って 3年になるな。 37 00:03:35,690 --> 00:03:38,060 もう そんなになるか。 38 00:03:38,060 --> 00:03:40,090 宮廷にいたのか? 39 00:03:40,090 --> 00:03:44,060 はい。 書記官として お仕えしておりました。 40 00:03:44,060 --> 00:03:48,370 こやつは 大層な奇策で パルスを救ったことがあるのです。 41 00:03:48,370 --> 00:03:51,070 ほう どのような策だ? 42 00:03:52,440 --> 00:03:55,340 もう昔の話です。 43 00:03:58,910 --> 00:04:01,750 (ナルサス) 今から 5年前のことです。➡ 44 00:04:01,750 --> 00:04:04,850 トゥラーン シンドゥラ チュルクの➡ 45 00:04:04,850 --> 00:04:06,920 三国が 同盟を結び➡ 46 00:04:06,920 --> 00:04:09,820 パルスに攻め込んだのです。 47 00:04:09,820 --> 00:04:13,130 (諸侯・回想)((敵は50万とな)) (諸侯)((こちらの損害も➡ 48 00:04:13,130 --> 00:04:16,130 かなりのものになろうな)) 49 00:04:16,130 --> 00:04:20,100 (ナルサス)((急死した父に代わり 参上いたしました)) 50 00:04:20,100 --> 00:04:23,240 (アンドラゴラス)((息子のナルサスか。 お主の父は➡ 51 00:04:23,240 --> 00:04:27,410 5000の騎兵を率いて駆けつけると 申しておったではないか!➡ 52 00:04:27,410 --> 00:04:31,040 それが 半数にも 満たないとは…。➡ 53 00:04:31,040 --> 00:04:34,210 よく この王の前に 顔が出せたな!)) 54 00:04:34,210 --> 00:04:38,020 ((実は 我が家の奴隷を 全て解放いたしまして)) 55 00:04:38,020 --> 00:04:41,520 (アンドラゴラス)((何!?)) ((そのため 歩兵がなくなりました)) 56 00:04:41,520 --> 00:04:43,590 ((騎兵が少ないのは?)) 57 00:04:43,590 --> 00:04:46,890 (ナルサス)((あきれ果てて 私のもとを去ってしまいました)) 58 00:04:46,890 --> 00:04:50,960 (一同)((ふふふっ…)) (アンドラゴラス)((さもあらん)) 59 00:04:50,960 --> 00:04:53,830 ((陛下 お望みとあれば➡ 60 00:04:53,830 --> 00:04:56,570 私の策をもって 三か国同盟を➡ 61 00:04:56,570 --> 00:04:58,640 退散させてご覧に入れます)) 62 00:04:58,640 --> 00:05:03,240 ((大層な口を。 どうせ 兵の10万もよこせと言うのだろう)) 63 00:05:04,580 --> 00:05:06,610 ((1兵もいりません)) 64 00:05:06,610 --> 00:05:14,890 ♬~ 65 00:05:14,890 --> 00:05:17,990 (アンドラゴラス)((うむ 任せよう)) 66 00:05:17,990 --> 00:05:20,590 (ナルサス)((ありがたき幸せ)) (側近)((陛下!)) 67 00:05:22,030 --> 00:05:25,130 ((何… 信用したわけではない)) 68 00:05:25,130 --> 00:05:29,830 ((失敗したときの面を 拝んでやろうと思ってな)) 69 00:05:31,870 --> 00:05:33,910 その日 ナルサスは➡ 70 00:05:33,910 --> 00:05:37,440 部下を伴って 姿を消してしまい➡ 71 00:05:37,440 --> 00:05:39,510 3日ほどで戻ってくると➡ 72 00:05:39,510 --> 00:05:41,950 あきれたことに こやつは➡ 73 00:05:41,950 --> 00:05:46,150 2000人の捕虜を 全員 逃がしてしまったのです。 74 00:05:46,150 --> 00:05:48,850 (武将)((どういうことか ナルサス殿!)) 75 00:05:48,850 --> 00:05:50,920 ((我々が どれだけ苦労して あいつらを➡ 76 00:05:50,920 --> 00:05:53,720 捕らえたと思っている!?)) ((説明せよ!)) 77 00:05:56,090 --> 00:05:58,830 ((くっ! 決闘だ~!)) 78 00:05:58,830 --> 00:06:01,230 (武将たち)((うお~~!)) 79 00:06:02,530 --> 00:06:04,600 ((ガキン!)) ((ガキン!)) 80 00:06:04,600 --> 00:06:06,800 (武将)((うお~!)) ((ガキン!)) 81 00:06:09,440 --> 00:06:11,580 ((仲間割れしている場合か!)) 82 00:06:11,580 --> 00:06:14,380 ((今夜のうちに 三国同盟は崩れ去る!)) 83 00:06:14,380 --> 00:06:17,120 (一同)((あぁ…)) ((我らも➡ 84 00:06:17,120 --> 00:06:19,180 総攻撃の準備を!)) 85 00:06:19,180 --> 00:06:22,290 ♬~ 86 00:06:22,290 --> 00:06:25,360 その夜 ナルサスの言葉どおり➡ 87 00:06:25,360 --> 00:06:30,060 三か国同盟軍は 激烈な同士討ちをしました。 88 00:06:30,060 --> 00:06:33,800 それに乗じて 我が軍は 敵を潰走させ…。 89 00:06:33,800 --> 00:06:35,830 ((ガン!)) 90 00:06:35,830 --> 00:06:38,300 (パルス兵たち)((うお~~!)) 91 00:06:38,300 --> 00:06:41,110 パルス騎兵隊は 大陸に その名を➡ 92 00:06:41,110 --> 00:06:43,110 轟かせることになったのです。 93 00:06:45,310 --> 00:06:47,780 どのような策を弄したんだ? 94 00:06:47,780 --> 00:06:52,350 (ナルサス)一片の流言は 10万の兵に勝ると申します。 95 00:06:52,350 --> 00:06:55,520 流言を ばらまいていたのです。➡ 96 00:06:55,520 --> 00:06:57,560 チュルク軍に対しては➡ 97 00:06:57,560 --> 00:07:01,430 シンドゥラは 裏切って パルスに通じている。➡ 98 00:07:01,430 --> 00:07:05,730 その証拠に シンドゥラの捕虜は 全員 解放される。➡ 99 00:07:05,730 --> 00:07:08,000 トゥラーン軍に関しては➡ 100 00:07:08,000 --> 00:07:11,670 チュルク軍は パルス軍と結託していると。➡ 101 00:07:11,670 --> 00:07:13,710 シンドゥラの捕虜には➡ 102 00:07:13,710 --> 00:07:16,310 講和を嗅ぎつけた トゥラーンとチュルクが➡ 103 00:07:16,310 --> 00:07:19,610 シンドゥラを攻撃すると語って 解放しました。➡ 104 00:07:21,050 --> 00:07:24,680 かくして 三か国同盟は 疑心暗鬼となり➡ 105 00:07:24,680 --> 00:07:29,580 内部崩壊したのです。 ほう~ 大した策士だな。 106 00:07:32,960 --> 00:07:36,460 おかげで 人心地ついた。 礼を言う。 107 00:07:36,460 --> 00:07:38,960 礼には及びません 殿下。 108 00:07:38,960 --> 00:07:41,770 私は 先ほどお話しした奇策で➡ 109 00:07:41,770 --> 00:07:45,670 お父君から 1万枚もの金貨を頂きました。 110 00:07:45,670 --> 00:07:49,980 今日の食卓は 銀貨1枚にも及びませんよ。➡ 111 00:07:49,980 --> 00:07:55,380 さて 大体の事情は分かっているが 詳しく 話を聞こう。 112 00:07:56,880 --> 00:08:00,850 アトロパテネで 我が軍は惨敗したのだな? 113 00:08:00,850 --> 00:08:03,650 カーラーンが裏切った。 114 00:08:05,390 --> 00:08:08,160 壕と柵と火と霧と➡ 115 00:08:08,160 --> 00:08:10,730 裏切り者も使う…。 116 00:08:10,730 --> 00:08:14,870 どうやら ルシタニアの蛮族どもにも 知恵者がいるようだな。 117 00:08:14,870 --> 00:08:17,670 そうだ。 そこで 殿下のために➡ 118 00:08:17,670 --> 00:08:20,470 お主の知恵を借りたいのだ。 119 00:08:20,470 --> 00:08:23,180 ダリューン せっかくだが➡ 120 00:08:23,180 --> 00:08:25,340 今更 浮世と縁を持つ気はない。 121 00:08:25,340 --> 00:08:28,350 しかし 山奥で下手な絵を 描き散らしているより➡ 122 00:08:28,350 --> 00:08:30,950 はるかに ましだろう! ダン! 123 00:08:30,950 --> 00:08:34,150 (ナルサス)この男を 信用なさっては いけませんぞ 殿下!➡ 124 00:08:34,150 --> 00:08:36,290 こいつは 「戦士の中の戦士」で➡ 125 00:08:36,290 --> 00:08:38,820 物の道理も よく わきまえておりますが➡ 126 00:08:38,820 --> 00:08:41,090 芸術を理解する心を持ちません! 127 00:08:41,090 --> 00:08:44,630 何が芸術だ! お主のは…。 128 00:08:44,630 --> 00:08:48,530 芸術は永遠! 興亡は一瞬! 129 00:08:51,870 --> 00:08:53,940 (2人)あぁ…。 130 00:08:53,940 --> 00:08:58,080 ぷっ… ふふふっ。 ふぅ~。 131 00:08:58,080 --> 00:09:02,480 一瞬が 今このときとすれば 手を こまねいてはいられない。 132 00:09:04,280 --> 00:09:08,420 どうか ナルサス お主の考えを聞かせてほしい。 133 00:09:08,420 --> 00:09:11,720 さて 考えと言われましても。 134 00:09:14,630 --> 00:09:19,360 殿下 今更 申し上げるのも 詮なきことながら➡ 135 00:09:19,360 --> 00:09:23,170 父王陛下は 奴隷制度を 廃止なさるべきだったのです。 136 00:09:23,170 --> 00:09:25,200 あっ…。 137 00:09:25,200 --> 00:09:29,140 ♬~ 138 00:09:29,140 --> 00:09:31,210 このような考えゆえ➡ 139 00:09:31,210 --> 00:09:34,750 私は 父王に 大層 嫌われてしまいました。 140 00:09:34,750 --> 00:09:37,350 あぁ…。 それなら➡ 141 00:09:37,350 --> 00:09:40,250 私も ダリューンも 父上に嫌われておる。 142 00:09:40,250 --> 00:09:43,260 どうせなら 仲よく嫌われようではないか。 143 00:09:43,260 --> 00:09:50,030 ♬~ 144 00:09:50,030 --> 00:09:54,170 誠に非礼かと存じますが お約束はできません。 145 00:09:54,170 --> 00:09:56,300 ただ ここにおいでの間は➡ 146 00:09:56,300 --> 00:09:59,200 できるだけのお世話を させていただきます。 147 00:10:00,770 --> 00:10:04,370 分かった。 無理を言って すまなかった。 148 00:12:12,770 --> 00:12:25,880 ♬~ 149 00:12:25,880 --> 00:12:29,420 俺が セリカに 使者団の護衛で行っている間に➡ 150 00:12:29,420 --> 00:12:33,430 王宮から追放されているとはな ナルサス。 151 00:12:33,430 --> 00:12:36,460 どうだ? セリカに いい女はいたか? 152 00:12:36,460 --> 00:12:38,460 ナルサス。 153 00:12:39,960 --> 00:12:44,870 アンドラゴラス王は 戦には強いが 政治を軽んじ過ぎる。 154 00:12:44,870 --> 00:12:46,940 アトロパテネも そうだ。 155 00:12:46,940 --> 00:12:49,170 己の強さを過信し➡ 156 00:12:49,170 --> 00:12:52,080 戦法を軽んじた結果が これだ。 157 00:12:52,080 --> 00:12:57,250 うむ…。 殿下には 王の轍を 踏んでほしくはないものだな。 158 00:12:57,250 --> 00:13:00,320 どうだ ダリューン お前から見て➡ 159 00:13:00,320 --> 00:13:03,390 アルスラーン殿下という人物は。 160 00:13:03,390 --> 00:13:06,460 此度は 置き去りにした 兵を気にかけ➡ 161 00:13:06,460 --> 00:13:08,490 落ち込んでおられた。 162 00:13:08,490 --> 00:13:13,100 カーラーンの裏切りにも 怒りより 悲しみが勝ったようだ。 163 00:13:13,100 --> 00:13:15,300 繊細で 優しい方だ。 164 00:13:15,300 --> 00:13:17,600 だが そこが心配だ。 165 00:13:19,870 --> 00:13:22,670 伯父上も そんな殿下を心配してか➡ 166 00:13:22,670 --> 00:13:26,240 俺に 殿下個人に忠誠を尽くせと。 167 00:13:26,240 --> 00:13:28,280 ヴァフリーズ殿が? 168 00:13:28,280 --> 00:13:31,480 うむ。 あの言い方は引っ掛かる。 169 00:13:31,480 --> 00:13:34,690 タハミーネ王妃に あれほど甘い王が➡ 170 00:13:34,690 --> 00:13:37,590 殿下には 妙に冷たくてな。 171 00:13:37,590 --> 00:13:39,760 王妃も 自分の息子なのに➡ 172 00:13:39,760 --> 00:13:42,060 殿下を遠ざけているかのようだ。 173 00:13:43,630 --> 00:13:45,630 納得いかぬよ。 174 00:13:46,900 --> 00:13:53,000 チュンチュン…(小鳥の鳴き声) 175 00:13:59,640 --> 00:14:02,710 ≪チュンチュンチュン… 176 00:14:02,710 --> 00:14:04,710 ん… んん…。 177 00:14:07,890 --> 00:14:09,890 ん? 178 00:14:12,790 --> 00:14:14,830 あっ。 179 00:14:14,830 --> 00:14:27,670 ♬~ 180 00:14:27,670 --> 00:14:32,070 エラム。 (エラム)おはようございます 殿下。 181 00:14:34,610 --> 00:14:36,880 何か手伝いをさせてくれ。 182 00:14:36,880 --> 00:14:39,350 これを並べ… あっ。 ああっ! 183 00:14:39,350 --> 00:14:41,850 パリーン! すまない! 184 00:14:44,520 --> 00:14:46,720 (エラム) どうか お手を出されませぬよう。 185 00:14:46,720 --> 00:14:49,590 手伝いには及びません。 186 00:14:49,590 --> 00:14:51,590 すまぬ。 187 00:14:53,870 --> 00:14:55,900 手慣れたものだな。 188 00:14:55,900 --> 00:14:58,570 私には とても…。 189 00:14:58,570 --> 00:15:01,770 (エラム)長いこと ナルサス様に仕えておりますから。 190 00:15:03,580 --> 00:15:06,480 一つ聞かせてくれぬか? 191 00:15:06,480 --> 00:15:10,380 エラムの両親は 奴隷から解放されたのだったな。 192 00:15:10,380 --> 00:15:15,420 はい。 前領主テオス様が お亡くなりになり➡ 193 00:15:15,420 --> 00:15:19,320 ナルサス様が 相続なされたときのことです。 194 00:15:19,320 --> 00:15:22,530 全ての奴隷を 解放してくださいました。 195 00:15:22,530 --> 00:15:24,700 ならば 自由の身であろう。 196 00:15:24,700 --> 00:15:27,300 なぜ いつまでも ナルサスのもとにおるのだ? 197 00:15:28,800 --> 00:15:31,740 私の意志で おそばにおります。 198 00:15:31,740 --> 00:15:36,440 ♬~ 199 00:15:37,940 --> 00:15:40,840 (少年兵)((人は皆 平等だ!)) 200 00:15:43,620 --> 00:15:47,720 やはり 奴隷は解放すべきなのだろうか? 201 00:15:51,220 --> 00:15:53,620 ご自分で お考えなさいませ。 202 00:16:06,400 --> 00:16:09,970 見覚えがある。 カーラーンの部下だ。 203 00:16:09,970 --> 00:16:13,580 ほう。 お前を捜して ここへ来るとは➡ 204 00:16:13,580 --> 00:16:15,650 いい読みをしている。➡ 205 00:16:15,650 --> 00:16:18,480 カーラーンは よく 部下をしつけているな。 206 00:16:18,480 --> 00:16:23,190 はっ! 今まで 聞くのを忘れていたが ダリューン➡ 207 00:16:23,190 --> 00:16:26,320 ここに来るのに どの道をたどってきた? 208 00:16:26,320 --> 00:16:28,730 ふっ…。 お前! 209 00:16:28,730 --> 00:16:31,700 さては カーラーンの城の近くを 通ったな!?➡ 210 00:16:31,700 --> 00:16:35,000 この悪党め 最初から 俺を巻き込むつもりで➡ 211 00:16:35,000 --> 00:16:38,100 わざと ヤツらの目に付く道を…。 ナルサス。 212 00:16:38,100 --> 00:16:42,070 ひとえに お前の知略を 尊しとすればこそだ。 213 00:16:42,070 --> 00:16:45,810 こうなったからには 芸術とやらは諦めて➡ 214 00:16:45,810 --> 00:16:49,110 殿下にお仕えするのだな。 ふふふふっ。 215 00:16:49,110 --> 00:16:51,110 くっ…。 216 00:17:04,500 --> 00:17:08,970 先年まで ダイラムの領主であった ナルサス卿➡ 217 00:17:08,970 --> 00:17:11,100 それに相違ありませんな? 218 00:17:11,100 --> 00:17:14,110 今は 一介の隠者にすぎぬ。 219 00:17:14,110 --> 00:17:16,170 ナルサス卿ですな? 220 00:17:16,170 --> 00:17:20,040 さよう。 ナルサスに相違ないが…➡ 221 00:17:20,040 --> 00:17:22,250 当方が名乗ったからには➡ 222 00:17:22,250 --> 00:17:26,720 そちらも 身分を 明らかになさるべきではないかな。 223 00:17:26,720 --> 00:17:28,750 失礼いたした。 224 00:17:28,750 --> 00:17:31,190 我らは 大将軍カーラーン様の➡ 225 00:17:31,190 --> 00:17:34,030 ≪麾下の者でござる。 226 00:17:34,030 --> 00:17:36,060 (心の声)≪何を言っている?≫ 227 00:17:36,060 --> 00:17:38,600 ≪父上の即位以来 大将軍といえば➡ 228 00:17:38,600 --> 00:17:41,170 ヴァフリーズ1人だけだ≫ 229 00:17:41,170 --> 00:17:46,040 (ナルサス)大将軍カーラーンとは 韻を踏んだ よき呼称ですな。 230 00:17:46,040 --> 00:17:49,070 しかし 私が 宮廷を退いたとき➡ 231 00:17:49,070 --> 00:17:53,780 この国の大将軍 大将軍は ヴァフリーズ老であったが➡ 232 00:17:53,780 --> 00:17:56,280 老は 引退でもなさったのか? 233 00:17:57,880 --> 00:18:00,080 ヴァフリーズ老人は死んだ。 234 00:18:00,080 --> 00:18:02,120 はっ! はっ! 235 00:18:02,120 --> 00:18:04,960 ≪(部下)今頃 あのしわ首は エクバターナの➡ 236 00:18:04,960 --> 00:18:08,060 ≪城門の前にさらされて ひび割れた口で➡ 237 00:18:08,060 --> 00:18:11,530 ≪城内の者どもに 降伏を勧めておろうよ。 238 00:18:11,530 --> 00:18:13,730 くっ…。 ギシギシ… 239 00:18:13,730 --> 00:18:16,130 (3人)ん? (2人)はっ。 240 00:18:17,840 --> 00:18:19,870 なんの音で? 241 00:18:19,870 --> 00:18:21,970 野ネズミでしょうよ。 242 00:18:21,970 --> 00:18:26,910 ところで 朝からのご来訪は 何が目的ですかな。 243 00:18:26,910 --> 00:18:30,820 敗軍の将のアルスラーンと ダリューンの両人が➡ 244 00:18:30,820 --> 00:18:35,590 この山に逃げ込んだとの 証言がござる。 ご存じで? 245 00:18:35,590 --> 00:18:38,490 さて とんと知らぬ。 246 00:18:38,490 --> 00:18:40,590 敗軍の将とおっしゃるが➡ 247 00:18:40,590 --> 00:18:43,530 そもそも ダリューンが負けるはずがない。 248 00:18:43,530 --> 00:18:46,600 よほど 卑劣な裏切りでも遭わぬかぎり。 249 00:18:46,600 --> 00:18:48,630 このっ! うっ! 250 00:18:48,630 --> 00:18:52,670 どうですかな。 あの足手まといな王子をかばって➡ 251 00:18:52,670 --> 00:18:55,670 戦局を見誤ったかもしれませんぞ。 252 00:18:57,410 --> 00:19:00,580 実は もう一つ 用件がございましてな。 253 00:19:00,580 --> 00:19:02,610 (ナルサス)なんですか? 254 00:19:02,610 --> 00:19:05,500 我らが大将軍カーラーン公は➡ 255 00:19:05,500 --> 00:19:09,440 ナルサス卿を 麾下に加えたくお考えでござる。 256 00:19:09,440 --> 00:19:13,370 貴公の知略に加え 剣名も また一流と➡ 257 00:19:13,370 --> 00:19:16,110 高く評価しておられるのですが。 258 00:19:16,110 --> 00:19:18,180 ふむ…。 もし 私が➡ 259 00:19:18,180 --> 00:19:21,220 カーラーン公の 麾下となった暁には➡ 260 00:19:21,220 --> 00:19:23,850 何を保障してくださるのかな? 261 00:19:23,850 --> 00:19:27,920 イアルダボート教の 信徒としての権利の全て➡ 262 00:19:27,920 --> 00:19:32,160 それに返上なさった ダイラム領主権の回復を。 263 00:19:32,160 --> 00:19:35,560 ご返答は いかに? 264 00:19:35,560 --> 00:19:38,570 この場で返答せねばならぬかな? 265 00:19:38,570 --> 00:19:40,570 是非とも。 266 00:19:44,210 --> 00:19:48,080 (ナルサス)では帰って カーラーンの犬めに伝えてもらおう!➡ 267 00:19:48,080 --> 00:19:52,210 腐肉は 一人で食え! ナルサスには まずすぎるとな! 268 00:19:52,210 --> 00:19:55,250 貴様! (部下たち)うお~! 269 00:19:55,250 --> 00:19:58,350 ドン! (部下たち)うわぁ~! 270 00:19:58,350 --> 00:20:01,320 (部下)なっ なんだ? (部下)なんだ? 271 00:20:01,320 --> 00:20:03,320 バカめ。 272 00:20:06,490 --> 00:20:09,290 ぷはっ! 出せ! 卑怯だぞ! 273 00:20:11,100 --> 00:20:14,770 こやつら 這い上がってくるだろうか? 274 00:20:14,770 --> 00:20:17,770 (ナルサス)これくらいの高さがあれば 問題ない。➡ 275 00:20:17,770 --> 00:20:20,840 さて どう役に立ててやろうか。 276 00:20:20,840 --> 00:20:22,940 ≫(部下)出すのだ! ≫(部下)出せよ! 277 00:20:22,940 --> 00:20:26,880 殺気を飛ばし過ぎだ ダリューン。 278 00:20:26,880 --> 00:20:28,880 すまん。 279 00:20:30,450 --> 00:20:33,750 いつも 稽古をつけてくれたのだ。 280 00:20:35,190 --> 00:20:38,060 ヴァフリーズが 鍛えてくれなければ➡ 281 00:20:38,060 --> 00:20:41,730 私は アトロパテネで死んでいた。 282 00:20:41,730 --> 00:20:46,800 なのに 私は いつも 愚痴ばかりを…。 283 00:20:46,800 --> 00:20:48,840 ((≫キン!)) 284 00:20:48,840 --> 00:20:53,140 (ヴァフリーズ)((殿下 ご自身の身は ご自分でお守りください)) 285 00:20:53,140 --> 00:20:58,010 ((分かっておる。 だが こう毎日 剣の稽古では 身がもたぬ)) 286 00:20:58,010 --> 00:21:00,210 (ヴァフリーズ) ((戦が長きにわたっても➡ 287 00:21:00,210 --> 00:21:03,010 今のような言葉を おっしゃるつもりか?)) 288 00:21:04,590 --> 00:21:07,790 うぅ… ヴァフリーズ…。 289 00:21:07,790 --> 00:21:11,530 うっ うぅ…。 290 00:21:11,530 --> 00:21:13,560 (ナルサス)やっ! 忘れていた。 291 00:21:13,560 --> 00:21:17,560 朝食だ。 まずは腹ごしらえといきましょう。 292 00:21:24,770 --> 00:21:29,780 ≪結局 私は 他人の助けや奉仕を 受けるばかりで➡ 293 00:21:29,780 --> 00:21:31,980 誰の役にも立っていない≫ 294 00:21:40,250 --> 00:21:43,590 (部下)はあっ! (部下たち)うっ うおおお…。 295 00:21:43,590 --> 00:21:45,830 ≫バシャーン! ナルサス様➡ 296 00:21:45,830 --> 00:21:48,800 お皿を 粗末になさらないでください! 297 00:21:48,800 --> 00:21:52,100 すまん すまん。 もう…。 ん? 298 00:21:53,940 --> 00:21:56,370 お食事が進まないようですが➡ 299 00:21:56,370 --> 00:21:59,070 何か 他のものを作りましょうか? 300 00:21:59,070 --> 00:22:03,380 いや エラム もう十分だ。 ありがとう。 301 00:22:03,380 --> 00:22:06,310 (ナルサス)こいつに 何かしてやる必要はないぞ。➡ 302 00:22:06,310 --> 00:22:09,080 この悪党のおかげで 新しい隠れ家を➡ 303 00:22:09,080 --> 00:22:11,920 探さなくてはならないのだからな。 304 00:22:11,920 --> 00:22:15,720 だから 世捨て人などやめて 殿下にお仕えすればよい。 305 00:22:15,720 --> 00:22:20,360 (ナルサス)黙れ 裏切り者! 俺は 平和と芸術に生きたいのだ。 306 00:22:20,360 --> 00:22:22,400 ふぅ…。 307 00:22:22,400 --> 00:22:25,000 ナルサス。 308 00:22:25,000 --> 00:22:27,070 私からも頼む。 309 00:22:27,070 --> 00:22:30,640 ダリューンと共に 私を助けてくれ。 310 00:22:30,640 --> 00:22:33,170 ありがたいお言葉ですが…。 311 00:22:33,170 --> 00:22:35,210 では こうしよう。 312 00:22:35,210 --> 00:22:37,950 私は お主の忠誠を 求める代わりに➡ 313 00:22:37,950 --> 00:22:41,850 十分な代償を支払う。 (ナルサス)代償…。➡ 314 00:22:41,850 --> 00:22:44,690 父王のように 金貨でも下さると? 315 00:22:44,690 --> 00:22:48,790 いや 金で お主の忠誠心が 買えるとは思わぬ。 316 00:22:50,220 --> 00:22:53,330 すると 地位ですか? 宰相とか。 317 00:22:53,330 --> 00:22:55,500 そうではない。 318 00:22:55,500 --> 00:22:58,100 私が ルシタニアを追い払い➡ 319 00:22:58,100 --> 00:23:00,700 パルスの国王になった暁には…。 320 00:23:03,340 --> 00:23:07,910 ナルサス卿 お主を宮廷画家として迎えよう。 321 00:23:07,910 --> 00:23:09,910 あっ…。 322 00:23:11,610 --> 00:23:14,720 (エラム ダリューン)なっ! (ナルサス)ふふふっ。➡ 323 00:23:14,720 --> 00:23:19,750 ふふふふっ。 324 00:23:19,750 --> 00:23:23,690 気に入った。 なかなか どうして…。➡ 325 00:23:23,690 --> 00:23:26,330 どうだ! 聞いたか ダリューン!➡ 326 00:23:26,330 --> 00:23:29,030 殿下の この君主としての度量!➡ 327 00:23:29,030 --> 00:23:32,730 芸術に縁のない惨めなお主の 心性の豊かさにおいて➡ 328 00:23:32,730 --> 00:23:36,200 雲泥の差! ほっておいてもらおう。 329 00:23:36,200 --> 00:23:39,240 どうせ惨めなら せめて お主の芸術とぐらいは➡ 330 00:23:39,240 --> 00:23:41,310 無縁でいたい。 殿下➡ 331 00:23:41,310 --> 00:23:43,510 ナルサスを 宮廷画家になさるなど➡ 332 00:23:43,510 --> 00:23:47,520 パルスの文化史上に 汚点を残すことになりますぞ。 333 00:23:47,520 --> 00:23:50,150 いいではないか。 私は➡ 334 00:23:50,150 --> 00:23:53,350 ルシタニアの高名な画家に 死に顔を描かれるより➡ 335 00:23:53,350 --> 00:23:56,860 ナルサスに 生きた姿を描いてもらいたい。 336 00:23:56,860 --> 00:23:59,960 お主も そうだろう? パチパチ パチパチ 337 00:23:59,960 --> 00:24:02,960 (ナルサス)殿下 ダリューンは 死ぬのも嫌だが➡ 338 00:24:02,960 --> 00:24:07,360 私に肖像を描かれるのも嫌という ところらしゅうございますな。 339 00:24:09,000 --> 00:24:13,970 ですが 私の名は アンドラゴラス王の忌諱に触れるところ。 340 00:24:13,970 --> 00:24:16,980 殿下が ご不興を 被ることもありえますが➡ 341 00:24:16,980 --> 00:24:19,110 それでも よろしいですか? 342 00:24:19,110 --> 00:24:21,150 無論。 343 00:24:21,150 --> 00:24:30,120 ♬~ 344 00:24:30,120 --> 00:24:32,160 (ナルサス)分かりました。 345 00:24:32,160 --> 00:24:36,260 このナルサス アルスラーン殿下に➡ 346 00:24:36,260 --> 00:24:38,360 お仕えいたします。 347 00:24:42,470 --> 00:26:08,820 ♬~ 348 00:27:43,270 --> 00:27:45,300 (ナレーション) <今や 旅人の群れは絶え➡ 349 00:27:45,300 --> 00:27:47,940 玉座に 国王アンドラゴラスの姿はなく➡ 350 00:27:47,940 --> 00:27:50,240 不安の雲が 王都を包んでいる> 351 00:27:53,840 --> 00:27:56,540 <少年は そして王となる>