1 00:00:34,330 --> 00:00:36,515 (ダリューン)ナルサス! 2 00:00:36,515 --> 00:00:38,984 俺だ ダリューンだ! 3 00:00:38,984 --> 00:00:45,691 ♬~ 4 00:00:45,691 --> 00:00:48,327 (アルスラーン)あっ…。 5 00:00:48,327 --> 00:00:52,832 (ナルサス)名乗る必要はない。 騒々しいヤツめ。➡ 6 00:00:52,832 --> 00:00:55,968 お主の声は 1ファルサングも遠くから➡ 7 00:00:55,968 --> 00:00:58,938 聞こえておったぞ。 8 00:00:58,938 --> 00:01:01,574 ふっ。 9 00:01:01,574 --> 00:01:04,677 (ナルサス)ちょうど 筆が 乗ってきたところだというのに➡ 10 00:01:04,677 --> 00:01:07,913 よくも邪魔をしてくれたな ダリューン。 11 00:01:07,913 --> 00:01:10,883 おお~ それは よいことをした。 12 00:01:10,883 --> 00:01:13,953 ガラクタな絵が 世に出るのを阻止してやったぞ。 13 00:01:13,953 --> 00:01:16,789 褒めてもらおう。 (ナルサス)何を!? 14 00:01:16,789 --> 00:01:25,389 ♬~ 15 00:01:26,799 --> 00:01:28,834 こちらは…。 ナルサス➡ 16 00:01:28,834 --> 00:01:32,138 アンドラゴラス王の子 アルスラーンだ。 17 00:01:32,138 --> 00:01:35,407 お主のうわさは ダリューンから聞いている。 18 00:01:35,407 --> 00:01:40,307 今は 一介の隠者にすぎませぬよ アルスラーン殿下。 19 00:01:41,714 --> 00:01:57,314 ♬~ 20 00:02:02,001 --> 00:02:07,001 ♬~ 21 00:02:11,810 --> 00:02:30,429 ♬~ 22 00:02:30,429 --> 00:02:43,375 ♬~ 23 00:02:43,375 --> 00:02:49,548 ♬~ 24 00:02:49,548 --> 00:02:58,857 ♬~ 25 00:02:58,857 --> 00:03:04,029 ♬~ 26 00:03:04,029 --> 00:03:11,229 ♬~ 27 00:03:16,342 --> 00:03:20,946 (ナルサス)エラム ご苦労だが お客様に 食事の用意をしてくれ。 28 00:03:20,946 --> 00:03:24,917 (エラム)はい。 (ナルサス)どうぞ アルスラーン殿下。➡ 29 00:03:24,917 --> 00:03:27,486 大したもてなしも できませぬが。 30 00:03:27,486 --> 00:03:29,486 世話になる。 31 00:03:30,756 --> 00:03:34,460 絵!? 見てはなりませぬ。 32 00:03:34,460 --> 00:03:37,396 これが… 絵? 33 00:03:37,396 --> 00:03:40,266 どうなさいました? ああ~ いや➡ 34 00:03:40,266 --> 00:03:43,369 すごいものを見て… うわっ! 殿下! 35 00:03:43,369 --> 00:03:47,339 ♬~ 36 00:03:47,339 --> 00:03:52,177 (ナルサス)さあ どうぞ。 温かいうちに お召し上がりください。 37 00:03:52,177 --> 00:03:54,213 では ありがたく。 38 00:03:54,213 --> 00:03:57,483 ♬~ 39 00:03:57,483 --> 00:03:59,518 うまい。 40 00:03:59,518 --> 00:04:03,922 ♬~ 41 00:04:03,922 --> 00:04:07,192 お前が宮廷を去って 3年になるな。 42 00:04:07,192 --> 00:04:09,561 もう そんなになるか。 43 00:04:09,561 --> 00:04:11,597 宮廷にいたのか? 44 00:04:11,597 --> 00:04:15,567 はい。 書記官として お仕えしておりました。 45 00:04:15,567 --> 00:04:19,872 こやつは 大層な奇策で パルスを救ったことがあるのです。 46 00:04:19,872 --> 00:04:22,572 ほう どのような策だ? 47 00:04:23,942 --> 00:04:26,842 もう昔の話です。 48 00:04:30,416 --> 00:04:33,252 (ナルサス) 今から 5年前のことです。➡ 49 00:04:33,252 --> 00:04:36,355 トゥラーン シンドゥラ チュルクの➡ 50 00:04:36,355 --> 00:04:38,424 三国が 同盟を結び➡ 51 00:04:38,424 --> 00:04:41,327 パルスに攻め込んだのです。 52 00:04:41,327 --> 00:04:44,630 (諸侯・回想)((敵は50万とな)) (諸侯)((こちらの損害も➡ 53 00:04:44,630 --> 00:04:47,633 かなりのものになろうな)) 54 00:04:47,633 --> 00:04:51,603 (ナルサス)((急死した父に代わり 参上いたしました)) 55 00:04:51,603 --> 00:04:54,740 (アンドラゴラス)((息子のナルサスか。 お主の父は➡ 56 00:04:54,740 --> 00:04:58,911 5000の騎兵を率いて駆けつけると 申しておったではないか!➡ 57 00:04:58,911 --> 00:05:02,548 それが 半数にも 満たないとは…。➡ 58 00:05:02,548 --> 00:05:05,718 よく この王の前に 顔が出せたな!)) 59 00:05:05,718 --> 00:05:09,521 ((実は 我が家の奴隷を 全て解放いたしまして)) 60 00:05:09,521 --> 00:05:13,025 (アンドラゴラス)((何!?)) ((そのため 歩兵がなくなりました)) 61 00:05:13,025 --> 00:05:15,094 ((騎兵が少ないのは?)) 62 00:05:15,094 --> 00:05:18,397 (ナルサス)((あきれ果てて 私のもとを去ってしまいました)) 63 00:05:18,397 --> 00:05:22,468 (一同)((ふふふっ…)) (アンドラゴラス)((さもあらん)) 64 00:05:22,468 --> 00:05:25,337 ((陛下 お望みとあれば➡ 65 00:05:25,337 --> 00:05:28,073 私の策をもって 三か国同盟を➡ 66 00:05:28,073 --> 00:05:30,142 退散させてご覧に入れます)) 67 00:05:30,142 --> 00:05:34,742 ((大層な口を。 どうせ 兵の10万もよこせと言うのだろう)) 68 00:05:36,081 --> 00:05:38,117 ((1兵もいりません)) 69 00:05:38,117 --> 00:05:46,392 ♬~ 70 00:05:46,392 --> 00:05:49,495 (アンドラゴラス)((うむ 任せよう)) 71 00:05:49,495 --> 00:05:52,095 (ナルサス)((ありがたき幸せ)) (側近)((陛下!)) 72 00:05:53,532 --> 00:05:56,635 ((何… 信用したわけではない)) 73 00:05:56,635 --> 00:06:01,335 ((失敗したときの面を 拝んでやろうと思ってな)) 74 00:06:03,375 --> 00:06:05,411 その日 ナルサスは➡ 75 00:06:05,411 --> 00:06:08,947 部下を伴って 姿を消してしまい➡ 76 00:06:08,947 --> 00:06:11,016 3日ほどで戻ってくると➡ 77 00:06:11,016 --> 00:06:13,452 あきれたことに こやつは➡ 78 00:06:13,452 --> 00:06:17,656 2000人の捕虜を 全員 逃がしてしまったのです。 79 00:06:17,656 --> 00:06:20,359 (武将)((どういうことか ナルサス殿!)) 80 00:06:20,359 --> 00:06:22,428 ((我々が どれだけ苦労して あいつらを➡ 81 00:06:22,428 --> 00:06:25,228 捕らえたと思っている!?)) ((説明せよ!)) 82 00:06:27,599 --> 00:06:30,335 ((くっ! 決闘だ~!)) 83 00:06:30,335 --> 00:06:32,735 (武将たち)((うお~~!)) 84 00:06:34,039 --> 00:06:36,108 ((ガキン!)) ((ガキン!)) 85 00:06:36,108 --> 00:06:38,308 (武将)((うお~!)) ((ガキン!)) 86 00:06:40,946 --> 00:06:43,081 ((仲間割れしている場合か!)) 87 00:06:43,081 --> 00:06:45,884 ((今夜のうちに 三国同盟は崩れ去る!)) 88 00:06:45,884 --> 00:06:48,620 (一同)((あぁ…)) ((我らも➡ 89 00:06:48,620 --> 00:06:50,689 総攻撃の準備を!)) 90 00:06:50,689 --> 00:06:53,792 ♬~ 91 00:06:53,792 --> 00:06:56,862 その夜 ナルサスの言葉どおり➡ 92 00:06:56,862 --> 00:07:01,567 三か国同盟軍は 激烈な同士討ちをしました。 93 00:07:01,567 --> 00:07:05,304 それに乗じて 我が軍は 敵を潰走させ…。 94 00:07:05,304 --> 00:07:07,339 ((ガン!)) 95 00:07:07,339 --> 00:07:09,808 (パルス兵たち)((うお~~!)) 96 00:07:09,808 --> 00:07:12,611 パルス騎兵隊は 大陸に その名を➡ 97 00:07:12,611 --> 00:07:14,611 轟かせることになったのです。 98 00:07:16,815 --> 00:07:19,284 どのような策を弄したんだ? 99 00:07:19,284 --> 00:07:23,856 (ナルサス)一片の流言は 10万の兵に勝ると申します。 100 00:07:23,856 --> 00:07:27,025 流言を ばらまいていたのです。➡ 101 00:07:27,025 --> 00:07:29,061 チュルク軍に対しては➡ 102 00:07:29,061 --> 00:07:32,931 シンドゥラは 裏切って パルスに通じている。➡ 103 00:07:32,931 --> 00:07:37,236 その証拠に シンドゥラの捕虜は 全員 解放される。➡ 104 00:07:37,236 --> 00:07:39,505 トゥラーン軍に関しては➡ 105 00:07:39,505 --> 00:07:43,175 チュルク軍は パルス軍と結託していると。➡ 106 00:07:43,175 --> 00:07:45,210 シンドゥラの捕虜には➡ 107 00:07:45,210 --> 00:07:47,813 講和を嗅ぎつけた トゥラーンとチュルクが➡ 108 00:07:47,813 --> 00:07:51,113 シンドゥラを攻撃すると語って 解放しました。➡ 109 00:07:52,551 --> 00:07:56,188 かくして 三か国同盟は 疑心暗鬼となり➡ 110 00:07:56,188 --> 00:08:01,088 内部崩壊したのです。 ほう~ 大した策士だな。 111 00:08:04,463 --> 00:08:07,966 おかげで 人心地ついた。 礼を言う。 112 00:08:07,966 --> 00:08:10,469 礼には及びません 殿下。 113 00:08:10,469 --> 00:08:13,272 私は 先ほどお話しした奇策で➡ 114 00:08:13,272 --> 00:08:17,175 お父君から 1万枚もの金貨を頂きました。 115 00:08:17,175 --> 00:08:21,480 今日の食卓は 銀貨1枚にも及びませんよ。➡ 116 00:08:21,480 --> 00:08:26,880 さて 大体の事情は分かっているが 詳しく 話を聞こう。 117 00:08:28,387 --> 00:08:32,357 アトロパテネで 我が軍は惨敗したのだな? 118 00:08:32,357 --> 00:08:35,157 カーラーンが裏切った。 119 00:08:36,895 --> 00:08:39,665 壕と柵と火と霧と➡ 120 00:08:39,665 --> 00:08:42,234 裏切り者も使う…。 121 00:08:42,234 --> 00:08:46,371 どうやら ルシタニアの蛮族どもにも 知恵者がいるようだな。 122 00:08:46,371 --> 00:08:49,174 そうだ。 そこで 殿下のために➡ 123 00:08:49,174 --> 00:08:51,977 お主の知恵を借りたいのだ。 124 00:08:51,977 --> 00:08:54,680 ダリューン せっかくだが➡ 125 00:08:54,680 --> 00:08:56,848 今更 浮世と縁を持つ気はない。 126 00:08:56,848 --> 00:08:59,851 しかし 山奥で下手な絵を 描き散らしているより➡ 127 00:08:59,851 --> 00:09:02,454 はるかに ましだろう! ダン! 128 00:09:02,454 --> 00:09:05,657 (ナルサス)この男を 信用なさっては いけませんぞ 殿下!➡ 129 00:09:05,657 --> 00:09:07,793 こいつは 「戦士の中の戦士」で➡ 130 00:09:07,793 --> 00:09:10,329 物の道理も よく わきまえておりますが➡ 131 00:09:10,329 --> 00:09:12,598 芸術を理解する心を持ちません! 132 00:09:12,598 --> 00:09:16,134 何が芸術だ! お主のは…。 133 00:09:16,134 --> 00:09:20,034 芸術は永遠! 興亡は一瞬! 134 00:09:23,375 --> 00:09:25,444 (2人)あぁ…。 135 00:09:25,444 --> 00:09:29,581 ぷっ… ふふふっ。 ふぅ~。 136 00:09:29,581 --> 00:09:33,981 一瞬が 今このときとすれば 手を こまねいてはいられない。 137 00:09:35,787 --> 00:09:39,925 どうか ナルサス お主の考えを聞かせてほしい。 138 00:09:39,925 --> 00:09:43,225 さて 考えと言われましても。 139 00:09:46,131 --> 00:09:50,869 殿下 今更 申し上げるのも 詮なきことながら➡ 140 00:09:50,869 --> 00:09:54,673 父王陛下は 奴隷制度を 廃止なさるべきだったのです。 141 00:09:54,673 --> 00:09:56,708 あっ…。 142 00:09:56,708 --> 00:10:00,646 ♬~ 143 00:10:00,646 --> 00:10:02,714 このような考えゆえ➡ 144 00:10:02,714 --> 00:10:06,251 私は 父王に 大層 嫌われてしまいました。 145 00:10:06,251 --> 00:10:08,854 あぁ…。 それなら➡ 146 00:10:08,854 --> 00:10:11,757 私も ダリューンも 父上に嫌われておる。 147 00:10:11,757 --> 00:10:14,760 どうせなら 仲よく嫌われようではないか。 148 00:10:14,760 --> 00:10:21,533 ♬~ 149 00:10:21,533 --> 00:10:25,671 誠に非礼かと存じますが お約束はできません。 150 00:10:25,671 --> 00:10:27,806 ただ ここにおいでの間は➡ 151 00:10:27,806 --> 00:10:30,706 できるだけのお世話を させていただきます。 152 00:10:32,277 --> 00:10:35,877 分かった。 無理を言って すまなかった。 153 00:12:44,276 --> 00:12:57,389 ♬~ 154 00:12:57,389 --> 00:13:00,926 俺が セリカに 使者団の護衛で行っている間に➡ 155 00:13:00,926 --> 00:13:04,930 王宮から追放されているとはな ナルサス。 156 00:13:04,930 --> 00:13:07,966 どうだ? セリカに いい女はいたか? 157 00:13:07,966 --> 00:13:09,966 ナルサス。 158 00:13:11,469 --> 00:13:16,374 アンドラゴラス王は 戦には強いが 政治を軽んじ過ぎる。 159 00:13:16,374 --> 00:13:18,443 アトロパテネも そうだ。 160 00:13:18,443 --> 00:13:20,679 己の強さを過信し➡ 161 00:13:20,679 --> 00:13:23,582 戦法を軽んじた結果が これだ。 162 00:13:23,582 --> 00:13:28,753 うむ…。 殿下には 王の轍を 踏んでほしくはないものだな。 163 00:13:28,753 --> 00:13:31,823 どうだ ダリューン お前から見て➡ 164 00:13:31,823 --> 00:13:34,893 アルスラーン殿下という人物は。 165 00:13:34,893 --> 00:13:37,963 此度は 置き去りにした 兵を気にかけ➡ 166 00:13:37,963 --> 00:13:39,998 落ち込んでおられた。 167 00:13:39,998 --> 00:13:44,603 カーラーンの裏切りにも 怒りより 悲しみが勝ったようだ。 168 00:13:44,603 --> 00:13:46,805 繊細で 優しい方だ。 169 00:13:46,805 --> 00:13:49,105 だが そこが心配だ。 170 00:13:51,376 --> 00:13:54,179 伯父上も そんな殿下を心配してか➡ 171 00:13:54,179 --> 00:13:57,749 俺に 殿下個人に忠誠を尽くせと。 172 00:13:57,749 --> 00:13:59,784 ヴァフリーズ殿が? 173 00:13:59,784 --> 00:14:02,988 うむ。 あの言い方は引っ掛かる。 174 00:14:02,988 --> 00:14:06,191 タハミーネ王妃に あれほど甘い王が➡ 175 00:14:06,191 --> 00:14:09,094 殿下には 妙に冷たくてな。 176 00:14:09,094 --> 00:14:11,263 王妃も 自分の息子なのに➡ 177 00:14:11,263 --> 00:14:13,563 殿下を遠ざけているかのようだ。 178 00:14:15,133 --> 00:14:17,133 納得いかぬよ。 179 00:14:18,403 --> 00:14:24,503 チュンチュン…(小鳥の鳴き声) 180 00:14:31,149 --> 00:14:34,219 ≪チュンチュンチュン… 181 00:14:34,219 --> 00:14:36,219 ん… んん…。 182 00:14:39,391 --> 00:14:41,391 ん? 183 00:14:44,296 --> 00:14:46,331 あっ。 184 00:14:46,331 --> 00:14:59,177 ♬~ 185 00:14:59,177 --> 00:15:03,577 エラム。 (エラム)おはようございます 殿下。 186 00:15:06,117 --> 00:15:08,386 何か手伝いをさせてくれ。 187 00:15:08,386 --> 00:15:10,855 これを並べ… あっ。 ああっ! 188 00:15:10,855 --> 00:15:13,355 パリーン! すまない! 189 00:15:16,027 --> 00:15:18,229 (エラム) どうか お手を出されませぬよう。 190 00:15:18,229 --> 00:15:21,099 手伝いには及びません。 191 00:15:21,099 --> 00:15:23,099 すまぬ。 192 00:15:25,370 --> 00:15:27,405 手慣れたものだな。 193 00:15:27,405 --> 00:15:30,075 私には とても…。 194 00:15:30,075 --> 00:15:33,275 (エラム)長いこと ナルサス様に仕えておりますから。 195 00:15:35,080 --> 00:15:37,983 一つ聞かせてくれぬか? 196 00:15:37,983 --> 00:15:41,886 エラムの両親は 奴隷から解放されたのだったな。 197 00:15:41,886 --> 00:15:46,925 はい。 前領主テオス様が お亡くなりになり➡ 198 00:15:46,925 --> 00:15:50,829 ナルサス様が 相続なされたときのことです。 199 00:15:50,829 --> 00:15:54,032 全ての奴隷を 解放してくださいました。 200 00:15:54,032 --> 00:15:56,201 ならば 自由の身であろう。 201 00:15:56,201 --> 00:15:58,801 なぜ いつまでも ナルサスのもとにおるのだ? 202 00:16:00,305 --> 00:16:03,241 私の意志で おそばにおります。 203 00:16:03,241 --> 00:16:07,941 ♬~ 204 00:16:09,447 --> 00:16:12,347 (少年兵)((人は皆 平等だ!)) 205 00:16:15,120 --> 00:16:19,220 やはり 奴隷は解放すべきなのだろうか? 206 00:16:22,727 --> 00:16:25,127 ご自分で お考えなさいませ。 207 00:16:37,909 --> 00:16:41,479 見覚えがある。 カーラーンの部下だ。 208 00:16:41,479 --> 00:16:45,083 ほう。 お前を捜して ここへ来るとは➡ 209 00:16:45,083 --> 00:16:47,152 いい読みをしている。➡ 210 00:16:47,152 --> 00:16:49,988 カーラーンは よく 部下をしつけているな。 211 00:16:49,988 --> 00:16:54,692 はっ! 今まで 聞くのを忘れていたが ダリューン➡ 212 00:16:54,692 --> 00:16:57,829 ここに来るのに どの道をたどってきた? 213 00:16:57,829 --> 00:17:00,231 ふっ…。 お前! 214 00:17:00,231 --> 00:17:03,201 さては カーラーンの城の近くを 通ったな!?➡ 215 00:17:03,201 --> 00:17:06,504 この悪党め 最初から 俺を巻き込むつもりで➡ 216 00:17:06,504 --> 00:17:09,607 わざと ヤツらの目に付く道を…。 ナルサス。 217 00:17:09,607 --> 00:17:13,578 ひとえに お前の知略を 尊しとすればこそだ。 218 00:17:13,578 --> 00:17:17,315 こうなったからには 芸術とやらは諦めて➡ 219 00:17:17,315 --> 00:17:20,618 殿下にお仕えするのだな。 ふふふふっ。 220 00:17:20,618 --> 00:17:22,618 くっ…。 221 00:17:36,000 --> 00:17:40,472 先年まで ダイラムの領主であった ナルサス卿➡ 222 00:17:40,472 --> 00:17:42,607 それに相違ありませんな? 223 00:17:42,607 --> 00:17:45,610 今は 一介の隠者にすぎぬ。 224 00:17:45,610 --> 00:17:47,679 ナルサス卿ですな? 225 00:17:47,679 --> 00:17:51,549 さよう。 ナルサスに相違ないが…➡ 226 00:17:51,549 --> 00:17:53,751 当方が名乗ったからには➡ 227 00:17:53,751 --> 00:17:58,223 そちらも 身分を 明らかになさるべきではないかな。 228 00:17:58,223 --> 00:18:00,258 失礼いたした。 229 00:18:00,258 --> 00:18:02,694 我らは 大将軍カーラーン様の➡ 230 00:18:02,694 --> 00:18:05,530 ≪麾下の者でござる。 231 00:18:05,530 --> 00:18:07,565 (心の声)≪何を言っている?≫ 232 00:18:07,565 --> 00:18:10,101 ≪父上の即位以来 大将軍といえば➡ 233 00:18:10,101 --> 00:18:12,670 ヴァフリーズ1人だけだ≫ 234 00:18:12,670 --> 00:18:17,542 (ナルサス)大将軍カーラーンとは 韻を踏んだ よき呼称ですな。 235 00:18:17,542 --> 00:18:20,578 しかし 私が 宮廷を退いたとき➡ 236 00:18:20,578 --> 00:18:25,283 この国の大将軍 大将軍は ヴァフリーズ老であったが➡ 237 00:18:25,283 --> 00:18:27,783 老は 引退でもなさったのか? 238 00:18:29,387 --> 00:18:31,589 ヴァフリーズ老人は死んだ。 239 00:18:31,589 --> 00:18:33,625 はっ! はっ! 240 00:18:33,625 --> 00:18:36,461 ≪(部下)今頃 あのしわ首は エクバターナの➡ 241 00:18:36,461 --> 00:18:39,564 ≪城門の前にさらされて ひび割れた口で➡ 242 00:18:39,564 --> 00:18:43,034 ≪城内の者どもに 降伏を勧めておろうよ。 243 00:18:43,034 --> 00:18:45,236 くっ…。 ギシギシ… 244 00:18:45,236 --> 00:18:47,636 (3人)ん? (2人)はっ。 245 00:18:49,340 --> 00:18:51,376 なんの音で? 246 00:18:51,376 --> 00:18:53,478 野ネズミでしょうよ。 247 00:18:53,478 --> 00:18:58,416 ところで 朝からのご来訪は 何が目的ですかな。 248 00:18:58,416 --> 00:19:02,320 敗軍の将のアルスラーンと ダリューンの両人が➡ 249 00:19:02,320 --> 00:19:07,091 この山に逃げ込んだとの 証言がござる。 ご存じで? 250 00:19:07,091 --> 00:19:09,994 さて とんと知らぬ。 251 00:19:09,994 --> 00:19:12,096 敗軍の将とおっしゃるが➡ 252 00:19:12,096 --> 00:19:15,033 そもそも ダリューンが負けるはずがない。 253 00:19:15,033 --> 00:19:18,102 よほど 卑劣な裏切りでも遭わぬかぎり。 254 00:19:18,102 --> 00:19:20,138 このっ! うっ! 255 00:19:20,138 --> 00:19:24,175 どうですかな。 あの足手まといな王子をかばって➡ 256 00:19:24,175 --> 00:19:27,175 戦局を見誤ったかもしれませんぞ。 257 00:19:28,913 --> 00:19:32,083 実は もう一つ 用件がございましてな。 258 00:19:32,083 --> 00:19:34,118 (ナルサス)なんですか? 259 00:19:34,118 --> 00:19:37,005 我らが大将軍カーラーン公は➡ 260 00:19:37,005 --> 00:19:40,942 ナルサス卿を 麾下に加えたくお考えでござる。 261 00:19:40,942 --> 00:19:44,879 貴公の知略に加え 剣名も また一流と➡ 262 00:19:44,879 --> 00:19:47,615 高く評価しておられるのですが。 263 00:19:47,615 --> 00:19:49,684 ふむ…。 もし 私が➡ 264 00:19:49,684 --> 00:19:52,720 カーラーン公の 麾下となった暁には➡ 265 00:19:52,720 --> 00:19:55,356 何を保障してくださるのかな? 266 00:19:55,356 --> 00:19:59,427 イアルダボート教の 信徒としての権利の全て➡ 267 00:19:59,427 --> 00:20:03,665 それに返上なさった ダイラム領主権の回復を。 268 00:20:03,665 --> 00:20:07,068 ご返答は いかに? 269 00:20:07,068 --> 00:20:10,071 この場で返答せねばならぬかな? 270 00:20:10,071 --> 00:20:12,071 是非とも。 271 00:20:15,710 --> 00:20:19,580 (ナルサス)では帰って カーラーンの犬めに伝えてもらおう!➡ 272 00:20:19,580 --> 00:20:23,718 腐肉は 一人で食え! ナルサスには まずすぎるとな! 273 00:20:23,718 --> 00:20:26,754 貴様! (部下たち)うお~! 274 00:20:26,754 --> 00:20:29,857 ドン! (部下たち)うわぁ~! 275 00:20:29,857 --> 00:20:32,827 (部下)なっ なんだ? (部下)なんだ? 276 00:20:32,827 --> 00:20:34,827 バカめ。 277 00:20:37,999 --> 00:20:40,799 ぷはっ! 出せ! 卑怯だぞ! 278 00:20:42,603 --> 00:20:46,274 こやつら 這い上がってくるだろうか? 279 00:20:46,274 --> 00:20:49,277 (ナルサス)これくらいの高さがあれば 問題ない。➡ 280 00:20:49,277 --> 00:20:52,347 さて どう役に立ててやろうか。 281 00:20:52,347 --> 00:20:54,449 ≫(部下)出すのだ! ≫(部下)出せよ! 282 00:20:54,449 --> 00:20:58,386 殺気を飛ばし過ぎだ ダリューン。 283 00:20:58,386 --> 00:21:00,386 すまん。 284 00:21:01,956 --> 00:21:05,256 いつも 稽古をつけてくれたのだ。 285 00:21:06,694 --> 00:21:09,564 ヴァフリーズが 鍛えてくれなければ➡ 286 00:21:09,564 --> 00:21:13,234 私は アトロパテネで死んでいた。 287 00:21:13,234 --> 00:21:18,306 なのに 私は いつも 愚痴ばかりを…。 288 00:21:18,306 --> 00:21:20,341 ((≫キン!)) 289 00:21:20,341 --> 00:21:24,645 (ヴァフリーズ)((殿下 ご自身の身は ご自分でお守りください)) 290 00:21:24,645 --> 00:21:29,517 ((分かっておる。 だが こう毎日 剣の稽古では 身がもたぬ)) 291 00:21:29,517 --> 00:21:31,719 (ヴァフリーズ) ((戦が長きにわたっても➡ 292 00:21:31,719 --> 00:21:34,519 今のような言葉を おっしゃるつもりか?)) 293 00:21:36,090 --> 00:21:39,293 うぅ… ヴァフリーズ…。 294 00:21:39,293 --> 00:21:43,031 うっ うぅ…。 295 00:21:43,031 --> 00:21:45,066 (ナルサス)やっ! 忘れていた。 296 00:21:45,066 --> 00:21:49,066 朝食だ。 まずは腹ごしらえといきましょう。 297 00:21:56,277 --> 00:22:01,282 ≪結局 私は 他人の助けや奉仕を 受けるばかりで➡ 298 00:22:01,282 --> 00:22:03,482 誰の役にも立っていない≫ 299 00:22:11,759 --> 00:22:15,096 (部下)はあっ! (部下たち)うっ うおおお…。 300 00:22:15,096 --> 00:22:17,331 ≫バシャーン! ナルサス様➡ 301 00:22:17,331 --> 00:22:20,301 お皿を 粗末になさらないでください! 302 00:22:20,301 --> 00:22:23,601 すまん すまん。 もう…。 ん? 303 00:22:25,440 --> 00:22:27,875 お食事が進まないようですが➡ 304 00:22:27,875 --> 00:22:30,578 何か 他のものを作りましょうか? 305 00:22:30,578 --> 00:22:34,882 いや エラム もう十分だ。 ありがとう。 306 00:22:34,882 --> 00:22:37,819 (ナルサス)こいつに 何かしてやる必要はないぞ。➡ 307 00:22:37,819 --> 00:22:40,588 この悪党のおかげで 新しい隠れ家を➡ 308 00:22:40,588 --> 00:22:43,424 探さなくてはならないのだからな。 309 00:22:43,424 --> 00:22:47,228 だから 世捨て人などやめて 殿下にお仕えすればよい。 310 00:22:47,228 --> 00:22:51,866 (ナルサス)黙れ 裏切り者! 俺は 平和と芸術に生きたいのだ。 311 00:22:51,866 --> 00:22:53,901 ふぅ…。 312 00:22:53,901 --> 00:22:56,504 ナルサス。 313 00:22:56,504 --> 00:22:58,573 私からも頼む。 314 00:22:58,573 --> 00:23:02,143 ダリューンと共に 私を助けてくれ。 315 00:23:02,143 --> 00:23:04,679 ありがたいお言葉ですが…。 316 00:23:04,679 --> 00:23:06,714 では こうしよう。 317 00:23:06,714 --> 00:23:09,450 私は お主の忠誠を 求める代わりに➡ 318 00:23:09,450 --> 00:23:13,354 十分な代償を支払う。 (ナルサス)代償…。➡ 319 00:23:13,354 --> 00:23:16,190 父王のように 金貨でも下さると? 320 00:23:16,190 --> 00:23:20,290 いや 金で お主の忠誠心が 買えるとは思わぬ。 321 00:23:21,729 --> 00:23:24,832 すると 地位ですか? 宰相とか。 322 00:23:24,832 --> 00:23:27,001 そうではない。 323 00:23:27,001 --> 00:23:29,604 私が ルシタニアを追い払い➡ 324 00:23:29,604 --> 00:23:32,204 パルスの国王になった暁には…。 325 00:23:34,842 --> 00:23:39,413 ナルサス卿 お主を宮廷画家として迎えよう。 326 00:23:39,413 --> 00:23:41,413 あっ…。 327 00:23:43,117 --> 00:23:46,220 (エラム ダリューン)なっ! (ナルサス)ふふふっ。➡ 328 00:23:46,220 --> 00:23:48,990 ふふふふっ。 329 00:23:48,990 --> 00:23:51,259 ふふふふっ。 330 00:23:51,259 --> 00:23:55,196 気に入った。 なかなか どうして…。➡ 331 00:23:55,196 --> 00:23:57,832 どうだ! 聞いたか ダリューン!➡ 332 00:23:57,832 --> 00:24:00,535 殿下の この君主としての度量!➡ 333 00:24:00,535 --> 00:24:04,238 芸術に縁のない惨めなお主の 心性の豊かさにおいて➡ 334 00:24:04,238 --> 00:24:07,708 雲泥の差! ほっておいてもらおう。 335 00:24:07,708 --> 00:24:10,745 どうせ惨めなら せめて お主の芸術とぐらいは➡ 336 00:24:10,745 --> 00:24:12,813 無縁でいたい。 殿下➡ 337 00:24:12,813 --> 00:24:15,016 ナルサスを 宮廷画家になさるなど➡ 338 00:24:15,016 --> 00:24:19,020 パルスの文化史上に 汚点を残すことになりますぞ。 339 00:24:19,020 --> 00:24:21,656 いいではないか。 私は➡ 340 00:24:21,656 --> 00:24:24,859 ルシタニアの高名な画家に 死に顔を描かれるより➡ 341 00:24:24,859 --> 00:24:28,362 ナルサスに 生きた姿を描いてもらいたい。 342 00:24:28,362 --> 00:24:31,465 お主も そうだろう? パチパチ パチパチ 343 00:24:31,465 --> 00:24:34,468 (ナルサス)殿下 ダリューンは 死ぬのも嫌だが➡ 344 00:24:34,468 --> 00:24:38,868 私に肖像を描かれるのも嫌という ところらしゅうございますな。 345 00:24:40,508 --> 00:24:45,479 ですが 私の名は アンドラゴラス王の忌諱に触れるところ。 346 00:24:45,479 --> 00:24:48,482 殿下が ご不興を 被ることもありえますが➡ 347 00:24:48,482 --> 00:24:50,618 それでも よろしいですか? 348 00:24:50,618 --> 00:24:52,653 無論。 349 00:24:52,653 --> 00:25:01,629 ♬~ 350 00:25:01,629 --> 00:25:03,664 (ナルサス)分かりました。 351 00:25:03,664 --> 00:25:07,768 このナルサス アルスラーン殿下に➡ 352 00:25:07,768 --> 00:25:09,868 お仕えいたします。 353 00:25:13,975 --> 00:25:33,628 ♬~ 354 00:25:33,628 --> 00:25:53,748 ♬~ 355 00:25:53,748 --> 00:26:07,028 ♬~ 356 00:26:07,028 --> 00:26:14,135 ♬~ 357 00:26:14,135 --> 00:26:33,721 ♬~ 358 00:26:33,721 --> 00:26:40,321 ♬~ 359 00:28:14,772 --> 00:28:16,807 (ナレーション) <今や 旅人の群れは絶え➡ 360 00:28:16,807 --> 00:28:19,443 玉座に 国王アンドラゴラスの姿はなく➡ 361 00:28:19,443 --> 00:28:21,743 不安の雲が 王都を包んでいる> 362 00:28:25,349 --> 00:28:28,049 <少年は そして王となる>