1 00:00:01,470 --> 00:00:05,600 (ナレーション)<パルス暦321年5月> 2 00:00:05,600 --> 00:00:09,740 <王太子アルスラーンは ペシャワール城を後にして➡ 3 00:00:09,740 --> 00:00:12,940 王都エクバターナを ルシタニア軍から奪還すべく➡ 4 00:00:12,940 --> 00:00:15,710 進軍を続けていた> 5 00:00:15,710 --> 00:00:18,820 < その第1陣 1万騎を率いるのは➡ 6 00:00:18,820 --> 00:00:22,620 アルスラーンが発令した 檄文に応じて はせ参じた➡ 7 00:00:22,620 --> 00:00:27,790 ザラーヴァント イスファーン トゥースの➡ 8 00:00:27,790 --> 00:00:30,830 若き将たちである> 9 00:00:30,830 --> 00:00:34,660 <アルスラーン軍は 200ファルサングもの距離を➡ 10 00:00:34,660 --> 00:00:37,260 僅か5日で 駆け抜けたのである> 11 00:00:38,700 --> 00:02:07,620 ♬~ 12 00:02:09,430 --> 00:02:13,560 ♬~ 13 00:02:13,560 --> 00:02:16,070 <アルスラーン王太子の進軍は➡ 14 00:02:16,070 --> 00:02:20,370 王都エクバターナの ギスカールの耳にも届いていた> 15 00:02:22,270 --> 00:02:26,040 (兵)アルスラーンの軍勢は その数6万と称し➡ 16 00:02:26,040 --> 00:02:31,080 チャスーム城を越え 大陸公路を 堂々と西へ進軍しています。 17 00:02:31,080 --> 00:02:33,650 おそらくは 我らを威圧するために➡ 18 00:02:33,650 --> 00:02:36,290 兵の数を 多く触れているにすぎず➡ 19 00:02:36,290 --> 00:02:41,420 実際は 3~4万といったところが 妥当ではないかと思われます。 20 00:02:41,420 --> 00:02:43,930 (ギスカール)んん…。 21 00:02:43,930 --> 00:02:47,630 早急に エクバターナ駐屯の兵をまとめ➡ 22 00:02:47,630 --> 00:02:49,730 10万の部隊を編制しろ。 23 00:02:49,730 --> 00:02:53,270 (どよめき) 24 00:02:53,270 --> 00:02:57,270 恐れながら ギスカール様 3~4万の敵に➡ 25 00:02:57,270 --> 00:03:00,810 10万もの兵を出す必要が ありましょうか? 26 00:03:00,810 --> 00:03:05,050 その数の兵を動かすのは 容易ではござらん。 故に…。 27 00:03:05,050 --> 00:03:09,020 何も分かっておらぬな。 (一同)あっ…。 28 00:03:09,020 --> 00:03:11,820 (ギスカール)それが ヤツらの策だったらどうする? 29 00:03:13,320 --> 00:03:15,860 (ギスカール)中途半端な数では かえって➡ 30 00:03:15,860 --> 00:03:18,060 被害を大きくするやもしれん。 31 00:03:18,060 --> 00:03:20,800 10万の兵をもって 敵を一気にたたく。 32 00:03:20,800 --> 00:03:22,870 バン!(扉の開閉音) ん? 33 00:03:22,870 --> 00:03:25,700 (ヒルメス)王弟殿下の仰せのとおりだ。 34 00:03:25,700 --> 00:03:28,670 敵軍には あの策士ナルサスがいる。 35 00:03:28,670 --> 00:03:31,740 うわさを信じれば ヤツの思うつぼ。 36 00:03:31,740 --> 00:03:34,340 (一同)んん…。 37 00:03:35,950 --> 00:03:38,150 ただいま帰還いたしました。 38 00:03:40,020 --> 00:03:44,850 (兵)これはこれは 銀仮面卿。 ザーブル城攻略戦においては➡ 39 00:03:44,850 --> 00:03:48,690 随分な働きをされたと 聞き及んでおります。 40 00:03:48,690 --> 00:03:53,930 ですが 首謀者である 大司祭ボダンを取り逃がしたとか。 41 00:03:53,930 --> 00:03:56,470 (ヒルメス)逃がした? ふっ。 42 00:03:56,470 --> 00:03:59,640 (兵)何がおかしい! (ヒルメス)王弟殿下のご機嫌取りが➡ 43 00:03:59,640 --> 00:04:01,710 よく言う。 (兵)何を! 44 00:04:01,710 --> 00:04:04,510 (ギスカール)やめよ。 (兵たち)あっ…。 45 00:04:04,510 --> 00:04:08,580 もはや ルシタニアにとって ボダンなど 取るに足らぬ者。 46 00:04:08,580 --> 00:04:11,620 あえて 捨て置いたまでです。 47 00:04:11,620 --> 00:04:17,320 それより ザーブル城より戻った 我が軍は 今 3万弱。➡ 48 00:04:17,320 --> 00:04:20,390 ルシタニア兵を 7万 お借りできれば➡ 49 00:04:20,390 --> 00:04:24,890 10万で 一気にアルスラーン軍を 討ち取ってみせますが。 50 00:04:28,670 --> 00:04:31,100 よかろう。 51 00:04:31,100 --> 00:04:33,170 では。 52 00:04:33,170 --> 00:04:35,240 (ギスカール)待て。 53 00:04:35,240 --> 00:04:39,280 7万の兵の命を お主に預けたわけではない。 54 00:04:39,280 --> 00:04:43,910 あくまでも貸しただけだ。 そのことを忘れるな。 55 00:04:43,910 --> 00:04:46,050 心得ております。 56 00:04:46,050 --> 00:04:50,120 アンドラゴラスの小せがれの首を 携えて戻るまで➡ 57 00:04:50,120 --> 00:04:53,220 心健やかに お待ちいただければと。 58 00:04:55,760 --> 00:04:57,760 ふん。 59 00:05:05,870 --> 00:05:08,070 くっ…。 60 00:05:14,080 --> 00:05:17,050 (エラム)この先に 兵士たちが集まってる酒場が➡ 61 00:05:17,050 --> 00:05:19,320 あるようだ。 (アルフリード)そこで情報を? 62 00:05:19,320 --> 00:05:21,890 (エラム)ああ。 (2人)ん? 63 00:05:21,890 --> 00:05:25,860 おい お前ら そこで 何を こそこそしている? 64 00:05:25,860 --> 00:05:27,920 怪しいな。 あっ! 65 00:05:27,920 --> 00:05:29,990 (エラム)うわっ! (アルフリード)私たち➡ 66 00:05:29,990 --> 00:05:32,060 駆け落ち中なんです! えっ? 67 00:05:32,060 --> 00:05:34,260 (2人)あっ…。 んん? 68 00:05:34,260 --> 00:05:37,030 兵隊さん 聞いてくださいよ! 69 00:05:37,030 --> 00:05:40,000 死ぬまで絶対に離れないって 言ったくせに➡ 70 00:05:40,000 --> 00:05:42,070 この人ったら やっぱり 帰ろうなんて➡ 71 00:05:42,070 --> 00:05:45,370 臆病風を吹かせてるんですよ! はあ? 72 00:05:46,910 --> 00:05:50,850 ぐっ…。 私のこと 本当に愛してないのね!? 73 00:05:50,850 --> 00:05:55,690 あ あ… 愛しているとも! 僕の愛に 一点の曇りもない! 74 00:05:55,690 --> 00:05:57,750 (アルフリード) ほんと!? 信じていいのね!? 75 00:05:57,750 --> 00:06:01,060 (エラム)もちろんさ! (2人)はぁ~。 76 00:06:01,060 --> 00:06:04,330 好きにしろ。 (アルフリード)私も愛してるわ~! 77 00:06:04,330 --> 00:06:07,200 (エラム)僕は幸せだ! (アルフリード)ふふふっ! 78 00:06:07,200 --> 00:06:10,330 (2人)ふぅ~。 あっ! 79 00:06:10,330 --> 00:06:12,870 ちょっと いつまで抱きついてる気!? 80 00:06:12,870 --> 00:06:15,170 抱きついてきたのは そっちだろ! 81 00:06:20,110 --> 00:06:23,210 いや~ しかし 参ったな。 参ったよな。 82 00:06:23,210 --> 00:06:26,780 (ざわめき) 83 00:06:26,780 --> 00:06:29,490 (ヒルメスの兵)大丈夫か? (ヒルメスの兵)もっと飲め もっと飲め! 84 00:06:29,490 --> 00:06:32,760 (ヒルメスの兵)ははははっ! (ヒルメスの兵)ほら ほら ほら! 85 00:06:32,760 --> 00:06:36,760 今日は 俺のおごりだ! みんな じゃんじゃん飲んでくれ! 86 00:06:36,760 --> 00:06:39,330 (ヒルメスの兵たち)おお~ はははっ! 87 00:06:39,330 --> 00:06:44,170 ちっ! 調子に乗りやがって パルスの残党が。 88 00:06:44,170 --> 00:06:48,440 ザーブル城 攻略成功で すっかり 英雄気取りだぜ。 89 00:06:48,440 --> 00:06:51,310 (ルシタニア兵)進軍してきている パルス軍をたたくのも➡ 90 00:06:51,310 --> 00:06:53,810 ヤツらに指揮させるらしいぜ。 91 00:06:53,810 --> 00:06:55,880 サームに ザンデか。 92 00:06:55,880 --> 00:07:00,150 なんで 戦勝国の俺たちが ヤツらに使われにゃならんのだ。 93 00:07:00,150 --> 00:07:04,890 まあ まあ。 だけど ヤツら 4~5万の軍勢なんだろ?➡ 94 00:07:04,890 --> 00:07:08,190 それを10万でたたくって どういうこった? 95 00:07:08,190 --> 00:07:11,860 (ルシタニア兵)ギスカール様に 考えがあるらしい。 96 00:07:11,860 --> 00:07:14,630 ほら もっと どんどん飲めよ! 97 00:07:14,630 --> 00:07:17,700 ルシタニアの諸君も 遠慮なくやってくれ!➡ 98 00:07:17,700 --> 00:07:20,240 ははははっ! 99 00:07:20,240 --> 00:07:23,340 でかい面しやがって。 (ヒルメスの兵)おお~ いいぞ!➡ 100 00:07:23,340 --> 00:07:26,080 ほら もっと飲め! はははっ!➡ 101 00:07:26,080 --> 00:07:28,680 おお~ そうだ! もっと やれ! 102 00:07:31,920 --> 00:07:36,420 敵は 10万の兵で 進軍してくる… か。 103 00:07:36,420 --> 00:07:38,460 それが何さ? 104 00:07:38,460 --> 00:07:41,930 確かに ナルサス様の策は 先手を打った。 105 00:07:41,930 --> 00:07:43,990 だが 敵もさる者だ。 106 00:07:43,990 --> 00:07:47,930 ちょっと 何それ? 私のナルサスに ケチをつける気? 107 00:07:47,930 --> 00:07:51,030 いつ お前のになった? ふざけるな。 108 00:07:51,030 --> 00:07:54,140 (アルフリード)私のナルサスよ! (エラム)私のナルサス様だ! 109 00:07:54,140 --> 00:07:56,270 (アルフリード)これだから お子様は! 110 00:07:56,270 --> 00:08:05,350 コツ コツ コツ…(足音) 111 00:08:05,350 --> 00:08:23,970 ♬~ 112 00:08:23,970 --> 00:08:26,000 ガチャ(牢の開閉音) 113 00:08:26,000 --> 00:08:37,180 ♬~ 114 00:08:37,180 --> 00:08:40,150 (アンドラゴラス)なんの用だ? 115 00:08:40,150 --> 00:08:43,120 明日 出陣する。 116 00:08:43,120 --> 00:08:46,390 ♬~ 117 00:08:46,390 --> 00:08:49,330 (ヒルメス)果たして お前の息子が➡ 118 00:08:49,330 --> 00:08:54,460 どの程度 お前の命を 思っているのだろうな。 119 00:08:54,460 --> 00:08:57,070 あいにくだが あやつに➡ 120 00:08:57,070 --> 00:09:00,540 命のともし火を つないでもらうほど➡ 121 00:09:00,540 --> 00:09:03,240 俺は落ちぶれてはおらん。 122 00:09:05,510 --> 00:09:10,610 お主こそ 薄汚いルシタニアの手を借りて➡ 123 00:09:10,610 --> 00:09:14,150 この俺を 玉座から引きずり下ろし➡ 124 00:09:14,150 --> 00:09:17,150 よもや それを己の名誉などと➡ 125 00:09:17,150 --> 00:09:20,690 血迷ったことを 考えてはおらぬだろうな? 126 00:09:20,690 --> 00:09:22,890 (ヒルメス)何? 127 00:09:22,890 --> 00:09:26,830 お主は 何一つ分かってはおらぬ。 128 00:09:26,830 --> 00:09:28,870 ん? 129 00:09:28,870 --> 00:09:33,000 ♬~ 130 00:09:33,000 --> 00:09:35,070 なんのことだ? 131 00:09:35,070 --> 00:09:39,880 (アンドラゴラス)我ら血塗られた パルス王家の系譜。 132 00:09:39,880 --> 00:09:42,150 (ヒルメス)何を言っている? 133 00:09:42,150 --> 00:09:45,720 (アンドラゴラス)予言どおりだ。 予言? 134 00:09:45,720 --> 00:09:48,380 全ては 予言どおり。 135 00:09:48,380 --> 00:09:52,080 運命の歯車は 回っているにすぎん。 136 00:09:53,520 --> 00:09:56,990 お前が知らぬだけのこと。 137 00:09:56,990 --> 00:10:03,000 ふふふっ このわしに 勝ったと思うなよ 小僧。 138 00:10:03,000 --> 00:10:06,040 くっ…。 (アンドラゴラス)ふふふふっ。➡ 139 00:10:06,040 --> 00:10:10,570 ふははははっ! わははははっ! 140 00:10:10,570 --> 00:10:13,040 今度 ここに来るときは➡ 141 00:10:13,040 --> 00:10:16,710 土産に 貴様の息子の首を 持ってきてやろう。 142 00:10:16,710 --> 00:10:21,750 ♬~ 143 00:10:21,750 --> 00:10:24,050 ガチャ… バタン(牢の開閉音) 144 00:10:32,900 --> 00:10:50,610 ♬~ 145 00:10:50,610 --> 00:10:53,650 (ザンデ)今度こそ あの傲慢なダリューンを➡ 146 00:10:53,650 --> 00:10:56,020 墓穴へ放り込んでくれるわ! 147 00:10:56,020 --> 00:10:59,320 (サーム)ふっ…。 ヒルメス殿下➡ 148 00:10:59,320 --> 00:11:02,230 アルスラーン軍を 打ち倒した暁には➡ 149 00:11:02,230 --> 00:11:05,160 この王都に はびこる敵を 蹴散らし➡ 150 00:11:05,160 --> 00:11:07,230 王位におつきください。 151 00:11:07,230 --> 00:11:10,870 ふっ… 言うまでもない。 152 00:11:10,870 --> 00:11:20,570 ♬~ 153 00:13:27,300 --> 00:13:32,070 (ナルサス)そうか。 あえて 兵の数を少なく触れ回っておいて➡ 154 00:13:32,070 --> 00:13:36,880 相手の裏をかくつもりだったが その上をいったか。➡ 155 00:13:36,880 --> 00:13:40,620 ギスカールという男も なかなかやる。 156 00:13:40,620 --> 00:13:45,250 (ダリューン)10万か…。 数では劣ることになるな。 157 00:13:45,250 --> 00:13:48,090 (ナルサス)うむ。 (エラム)それと➡ 158 00:13:48,090 --> 00:13:52,830 パルスの残党の中には サームという武将がいるようです。 159 00:13:52,830 --> 00:13:55,930 (アルスラーン)サームが!? (アルフリード)知り合いですか? 160 00:13:55,930 --> 00:13:58,970 名将と誉れ高いお方だ。 161 00:13:58,970 --> 00:14:01,840 敵にはしたくない相手だな。 162 00:14:01,840 --> 00:14:05,440 父上のために 随分と働いてくれていた。 163 00:14:05,440 --> 00:14:10,610 アトロパテネの折は 母上の護衛として城に残っていた。 164 00:14:10,610 --> 00:14:13,310 そのサームが なぜ…。 165 00:14:15,120 --> 00:14:20,120 こちらも それ相応の策をもって 当たらねばなりませんな。 166 00:14:20,120 --> 00:14:22,690 ナルサス 頼んだぞ。 167 00:14:22,690 --> 00:14:24,760 お任せあれ 殿下。 168 00:14:24,760 --> 00:14:26,800 策士の名誉に懸けて➡ 169 00:14:26,800 --> 00:14:29,630 ここ一番の戦略を練りましょうぞ。 170 00:14:29,630 --> 00:14:32,170 うん。 171 00:14:32,170 --> 00:14:34,970 キン キン!(剣の稽古の音) 172 00:14:34,970 --> 00:14:37,010 上! キン! 173 00:14:37,010 --> 00:14:39,580 中! 下! キン! キン! 174 00:14:39,580 --> 00:14:42,010 (心の声)≪強くあらねば≫ 175 00:14:42,010 --> 00:14:44,280 ≪私自ら 力をつけなければならない≫ 176 00:14:44,280 --> 00:14:47,920 くっ! キン キン! 177 00:14:47,920 --> 00:14:50,650 はあっ! キン! 178 00:14:50,650 --> 00:14:52,850 はあ~! カキン! 179 00:15:01,460 --> 00:15:06,240 はぁはぁ… やはり まだまだだな。 180 00:15:06,240 --> 00:15:08,300 そんなことはございません。 181 00:15:08,300 --> 00:15:10,370 たくましくなられております。 182 00:15:10,370 --> 00:15:15,310 それに 君主が目指すべきは 武勲ばかりではございません。 183 00:15:15,310 --> 00:15:18,110 ああ。 いずれにしても➡ 184 00:15:18,110 --> 00:15:21,650 私は もっと 自分を磨かなければならない。 185 00:15:21,650 --> 00:15:25,520 そして 皆が誇れる王を目指したいのだ。 186 00:15:25,520 --> 00:15:27,520 はい。 187 00:15:28,790 --> 00:15:32,730 あっ。 どうした? みんな。 188 00:15:32,730 --> 00:15:34,930 も… 申し訳ありません! 189 00:15:34,930 --> 00:15:38,530 お二人の剣の扱いに 見とれてしまって。➡ 190 00:15:38,530 --> 00:15:40,770 失礼しました! 191 00:15:40,770 --> 00:15:44,610 ちょっと待ってくれ! ダリューン➡ 192 00:15:44,610 --> 00:15:47,510 そなたに頼みがある。 あっ…。 193 00:15:50,510 --> 00:15:53,120 (兵)もっと腰を入れて! (奴隷兵)はっ! 194 00:15:53,120 --> 00:15:55,320 利き腕は後ろだ! はっ! 195 00:15:57,150 --> 00:16:01,120 弓を射るときは まず 上半身を一直線にするよう➡ 196 00:16:01,120 --> 00:16:05,620 背中を伸ばすことだ。 やってみろ。 はい! 197 00:16:07,500 --> 00:16:09,500 いや そうではない。 198 00:16:12,000 --> 00:16:14,040 ≫(ナルサス)なるほどな。 199 00:16:14,040 --> 00:16:16,540 新たに加わった兵士に 武器の扱いを➡ 200 00:16:16,540 --> 00:16:19,840 教えてやってくれとは 殿下らしい。 201 00:16:19,840 --> 00:16:21,880 ああ。 202 00:16:21,880 --> 00:16:25,550 (4人)やあ! やあ! 203 00:16:25,550 --> 00:16:29,220 いよいよ ヒルメス王子と 戦うことになるな。 204 00:16:29,220 --> 00:16:32,860 うん…。 案ずることはない。 205 00:16:32,860 --> 00:16:35,930 殿下は見かけより はるかに強く➡ 206 00:16:35,930 --> 00:16:38,030 広い心をお持ちだ。 207 00:16:38,030 --> 00:16:42,530 確かに 覚悟を決めたと おっしゃっておられた。 だが…。 208 00:16:44,070 --> 00:16:46,670 (ナルサス)お前 まだ 殿下が ヒルメス王子に➡ 209 00:16:46,670 --> 00:16:50,170 王位を譲るのではとか 考えているのか? 210 00:16:50,170 --> 00:16:54,840 もし そうなったとして お前は ヒルメス王子に仕えるのか? 211 00:16:54,840 --> 00:16:57,350 冗談を言うな! 212 00:16:57,350 --> 00:17:01,350 だったら信じよう 我らの主を。 213 00:17:03,590 --> 00:17:05,620 ああ。 214 00:17:05,620 --> 00:17:13,320 ♬~ 215 00:17:17,530 --> 00:17:20,230 ナルサス よいか? ≪(ナルサス)はい。 216 00:17:22,710 --> 00:17:26,240 あっ 邪魔をしたな。 (ナルサス)いえいえ 殿下。 217 00:17:26,240 --> 00:17:29,710 ちょうど ひと息入れようと 思っていたところです。 218 00:17:29,710 --> 00:17:33,520 えっ!? こ… これは!? 静物画を。 219 00:17:33,520 --> 00:17:35,580 ああっ! はははっ。 220 00:17:35,580 --> 00:17:39,280 いや… 相変わらず すごい…。 221 00:17:42,220 --> 00:17:45,260 で どうなさいました? 222 00:17:45,260 --> 00:17:47,300 うむ。 223 00:17:47,300 --> 00:17:50,400 今日 兵たちの武芸の稽古を見ていて➡ 224 00:17:50,400 --> 00:17:52,870 一つ感じたことがあった。 225 00:17:52,870 --> 00:17:56,840 ほう。 何を お感じになりましたか? 226 00:17:56,840 --> 00:17:59,010 歩兵たちのことだ。 227 00:17:59,010 --> 00:18:02,410 最初こそ 戸惑っていた様子だったが➡ 228 00:18:02,410 --> 00:18:06,350 やがて 皆 意気揚々と稽古に励んでいた➡ 229 00:18:06,350 --> 00:18:10,150 というところでしょうか? あっ… なぜ分かった? 230 00:18:11,520 --> 00:18:15,190 歩兵は皆 奴隷の身であった者たちです。 231 00:18:15,190 --> 00:18:17,430 おそらく 武芸の稽古をすることなど➡ 232 00:18:17,430 --> 00:18:21,330 なかった者ばかりでしょう。 ああ そのようだった。 233 00:18:23,000 --> 00:18:27,070 だから 皆 嫌がって 参加してくれないかとも思った。 234 00:18:27,070 --> 00:18:29,110 ん? 235 00:18:29,110 --> 00:18:33,780 戦は厳しく そこには 犠牲が付き物だ。 236 00:18:33,780 --> 00:18:38,380 今回の戦では たくさんの命が失われるだろう。 237 00:18:38,380 --> 00:18:40,520 だが できるならば➡ 238 00:18:40,520 --> 00:18:45,190 私は もう 兵士に 命を落としてもらいたくない。 239 00:18:45,190 --> 00:18:49,360 それで みんなに 稽古に 参加しないか誘ってみたのだ。 240 00:18:49,360 --> 00:18:52,130 そうでしたか。 241 00:18:52,130 --> 00:18:57,330 人は皆 己が何者であるのか どこへ進むのか➡ 242 00:18:57,330 --> 00:19:00,170 その答えを求めて 生きていくものだと➡ 243 00:19:00,170 --> 00:19:02,710 私は思います。 あっ…。 244 00:19:02,710 --> 00:19:06,240 (ナルサス)ですが 与えられたことを するしかない奴隷たちは➡ 245 00:19:06,240 --> 00:19:08,810 その気持ちさえ なくしている。 246 00:19:08,810 --> 00:19:13,550 今日 稽古に参加した彼らにとって 武芸を習うことは➡ 247 00:19:13,550 --> 00:19:16,720 己のために 己の意思で決めたこと。 248 00:19:16,720 --> 00:19:19,960 うん。 (ナルサス)ただ何も考えず➡ 249 00:19:19,960 --> 00:19:23,030 従属しているだけの 生き方ではなく➡ 250 00:19:23,030 --> 00:19:28,760 一人の人間として生きることを 実感できた瞬間だったはずです。 251 00:19:28,760 --> 00:19:33,040 彼らが何者であるか そして どう進むかを➡ 252 00:19:33,040 --> 00:19:36,810 殿下が お示しになったといって いいでしょう。 253 00:19:36,810 --> 00:19:38,810 私が…。 254 00:19:41,480 --> 00:19:44,880 ふっ。 まだ 気がかりなことが おありですか? 255 00:19:46,320 --> 00:19:49,590 いや。 それにしても お主とダリューンには➡ 256 00:19:49,590 --> 00:19:52,020 いつも助けられてばかりだ。 257 00:19:52,020 --> 00:19:54,890 殿下には 玉座についていただかないと➡ 258 00:19:54,890 --> 00:19:57,960 私の夢もかないませんゆえ。 259 00:19:57,960 --> 00:20:02,100 よもや お忘れになっては おられないですよね? 260 00:20:02,100 --> 00:20:05,900 お主を宮廷画家とする ということであろう? 261 00:20:05,900 --> 00:20:08,400 もちろん 忘れてはおらぬ。 262 00:20:08,400 --> 00:20:12,070 ならば よろしくお願いいたします。 263 00:20:12,070 --> 00:20:16,310 ♬~ 264 00:20:16,310 --> 00:20:19,850 そうだ! 「決戦前夜」という題名で➡ 265 00:20:19,850 --> 00:20:23,550 ダリューンに肖像の一つでも 描いてやろうかと思いますが。 266 00:20:23,550 --> 00:20:26,650 あっ それは… どうだろうな。 267 00:20:28,720 --> 00:20:31,830 (アルフリード) やっぱり なんか静かよね。 268 00:20:31,830 --> 00:20:35,730 (エラム)確かに。 ギーヴ様がいないからか。 269 00:20:35,730 --> 00:20:37,870 (アルフリード)そっか…。 ねえ➡ 270 00:20:37,870 --> 00:20:40,540 さみしくないの? ファランギースは。 271 00:20:40,540 --> 00:20:43,570 (ファランギース) なぜ 私が寂しがることがある? 272 00:20:43,570 --> 00:20:47,080 だって いい雰囲気だった… じゃない? 273 00:20:47,080 --> 00:20:50,180 バカな。 ただ…。 274 00:20:50,180 --> 00:20:53,850 (エラム アルフリード)ん? (ファランギース)精霊が言っている➡ 275 00:20:53,850 --> 00:20:56,850 あやつの魂は ここにあると。 276 00:20:56,850 --> 00:20:58,920 えっ! 死んだってこと!? 277 00:20:58,920 --> 00:21:03,890 まさか。 あいつは殺されても 死ぬようなヤツではなかろう。 278 00:21:03,890 --> 00:21:05,890 (アルフリード)ふっ 確かにね。 279 00:21:07,160 --> 00:21:12,030 (ファランギース)遠く離れておっても ヤツの心が 殿下と共にある➡ 280 00:21:12,030 --> 00:21:14,030 ということじゃ。 281 00:21:24,310 --> 00:21:26,380 <聖マヌエル城> 282 00:21:26,380 --> 00:21:31,290 < その名は ルシタニアの歴史上の 聖職者より取ったもので➡ 283 00:21:31,290 --> 00:21:34,190 パルス軍が 長らく放置していた砦を➡ 284 00:21:34,190 --> 00:21:39,530 ルシタニアが侵攻の際 修復して拠点としたものである> 285 00:21:39,530 --> 00:21:44,430 <現城主は 有徳の人 バルカシオン伯爵である> 286 00:21:44,430 --> 00:21:47,570 ♬~ 287 00:21:47,570 --> 00:21:51,540 バン! (エトワール)バルカシオン伯爵様!➡ 288 00:21:51,540 --> 00:21:56,380 なぜ パルスの兵が城内に入ることを お許しになるのです! 289 00:21:56,380 --> 00:21:59,010 (バルカシオン) 騒々しいな エトワール。➡ 290 00:21:59,010 --> 00:22:04,620 たった今 イノケンティス陛下の 勅令が届いたところだ。 291 00:22:04,620 --> 00:22:06,660 (エトワール)陛下の? 292 00:22:06,660 --> 00:22:09,760 「パルス ルシタニア連合軍 10万で➡ 293 00:22:09,760 --> 00:22:14,260 ここ聖マヌエル城で アルスラーン軍を迎え撃つ。➡ 294 00:22:14,260 --> 00:22:18,400 その指揮は 銀仮面卿が執ることになった」と。 295 00:22:18,400 --> 00:22:20,840 銀仮面卿…。 296 00:22:20,840 --> 00:22:26,010 ここから 一歩たりとも 敵軍を進ませてはならぬと仰せだ。 297 00:22:26,010 --> 00:22:28,280 (エトワール)それは分かっております。 298 00:22:28,280 --> 00:22:32,410 ですが なぜ異教徒の力を 借りなければならないのです! 299 00:22:32,410 --> 00:22:36,350 エトワール これも イアルダボート神の➡ 300 00:22:36,350 --> 00:22:39,120 試練と 受け止めることはできぬのか? 301 00:22:39,120 --> 00:22:43,260 あっ…。 ですが…。 302 00:22:43,260 --> 00:22:45,260 よいな。 303 00:22:47,100 --> 00:22:49,100 (エトワール)分かりました。 304 00:22:51,400 --> 00:22:53,400 ふぅ…。 305 00:23:06,550 --> 00:23:10,190 これも試練なのか。 306 00:23:10,190 --> 00:23:23,270 ♬~ 307 00:23:23,270 --> 00:23:25,670 (アンドラゴラス・回想)((予言どおりだ)) 308 00:23:28,140 --> 00:23:31,840 予言など 取るに足らぬ。 309 00:23:31,840 --> 00:24:01,840 ♬~ 310 00:24:01,840 --> 00:24:03,910 いよいよだな。 311 00:24:03,910 --> 00:24:06,710 はい。 ええ。 312 00:24:06,710 --> 00:24:10,210 ♬~ 313 00:24:10,210 --> 00:24:15,550 必ず… パルス王国 王都エクバターナを➡ 314 00:24:15,550 --> 00:24:17,590 この手で奪還する。 315 00:24:17,590 --> 00:24:25,290 ♬~ 316 00:24:26,760 --> 00:24:41,560 ♬~ 317 00:24:46,850 --> 00:25:29,790 ♬~ 318 00:25:34,030 --> 00:25:55,580 ♬~ 319 00:27:27,640 --> 00:27:31,680 <黒衣の騎士は くすんだ銀色の刃によって➡ 320 00:27:31,680 --> 00:27:34,380 鮮紅色の弧を宙に描いた> 321 00:27:38,250 --> 00:27:40,850 <少年は そして王となる>