1 00:00:02,002 --> 00:00:04,338 (チャイム) 2 00:00:04,338 --> 00:00:07,841 《クロエ:また 休み時間か…》 3 00:00:07,841 --> 00:00:10,677 <彼女の名は クロエ・フォークロード。 4 00:00:10,677 --> 00:00:14,181 両親は 小さなキャラバン隊から 商会を立ち上げて➡ 5 00:00:14,181 --> 00:00:17,684 爵位まで賜るほど 人づきあいが うまかったらしいが…> 6 00:00:17,684 --> 00:00:19,686 (ためいき) 7 00:00:19,686 --> 00:00:22,356 《これが最後の一冊だったのに…。 8 00:00:22,356 --> 00:00:25,359 明日から何をして過ごそう…。 9 00:00:25,359 --> 00:00:29,363 勇気を出して 誰かに声をかけてみようかな…》 10 00:00:29,363 --> 00:00:32,699 (2人)あ…。 (笑い声) 11 00:00:32,699 --> 00:00:35,202 ご… ごごご… ごきげんうるわしゅ…。 12 00:00:35,202 --> 00:00:40,874 私は クククク… クロエ エエエエ…。 13 00:00:40,874 --> 00:00:44,211 《そんなの絶対無理…。 14 00:00:44,211 --> 00:00:46,914 いっそ消えてしまいたい…》 15 00:00:48,882 --> 00:00:52,219 (ミーア)あなた 少しよろしいかしら? 16 00:00:52,219 --> 00:00:57,224 あ…? ミ… ミーア皇女殿下!? 17 00:00:57,224 --> 00:01:01,161 (ミーア)ええ あなたは フォークロード商会の一人娘➡ 18 00:01:01,161 --> 00:01:03,497 クロエ・フォークロードさんですわよね? 19 00:01:03,497 --> 00:01:05,499 は… はい! 20 00:01:05,499 --> 00:01:08,669 クロエさんは よく 本を読んでいるようですけど➡ 21 00:01:08,669 --> 00:01:11,004 物語とかは読みますの? 22 00:01:11,004 --> 00:01:13,840 あ… はい よ… 読みます。 23 00:01:13,840 --> 00:01:18,011 ですが 持ってきた本は すべて読み終えてしまって…。 24 00:01:18,011 --> 00:01:22,182 あっ…。 あなたのような方を 探しておりましたの! 25 00:01:22,182 --> 00:01:25,185 わたくしと お友達になりません? 26 00:01:25,185 --> 00:01:27,688 ふぇえええ? 27 00:01:27,688 --> 00:01:31,191 《クロエ:ミーア様は クラスで一番の有力者➡ 28 00:01:31,191 --> 00:01:36,530 そんな方が 私みたいな地味な人間に…。 29 00:01:36,530 --> 00:01:41,034 そうか… 私がいつも1人でいるのを見て➡ 30 00:01:41,034 --> 00:01:43,537 哀れんでくれたんだ。 31 00:01:43,537 --> 00:01:48,875 だけど それ なんか 嫌だな…》 32 00:01:48,875 --> 00:01:53,547 あの その… どうして私なんですか? 33 00:01:53,547 --> 00:01:56,216 あなたが本好きだからですわ。 34 00:01:56,216 --> 00:02:00,320 へっ? わたくし 読み友を 探しているんですの。 35 00:02:00,320 --> 00:02:02,990 読み友? 実は➡ 36 00:02:02,990 --> 00:02:06,493 あなたに読んでもらいたいものが ありますの。 37 00:02:06,493 --> 00:02:09,830 《ふだんから わたくしとアンヌしか これを読んでいないなんて➡ 38 00:02:09,830 --> 00:02:12,100 惜しいと思っていたんですわ!》 39 00:02:12,100 --> 00:02:16,670 これ 読んでいいんですか? もちろん! 40 00:02:16,670 --> 00:02:21,842 ぜひ わたくしと 読み友に なってもらえないかしら? 41 00:02:21,842 --> 00:02:27,180 あ…。 わ… 私でよければ。 42 00:02:27,180 --> 00:02:29,182 あぁ…! 43 00:02:29,182 --> 00:02:32,686 <前の時間軸では 決して起こらなかった交友…。 44 00:02:32,686 --> 00:02:38,358 クロエもまた ミーアの今後の大きな 助けになってくれるのだが…。 45 00:02:38,358 --> 00:02:42,062 今はまだ知る由もなかった> 46 00:04:22,496 --> 00:04:26,833 だけど ミーア様が こんなに 本好きとは知りませんでした。 47 00:04:26,833 --> 00:04:30,670 そうかしら。 読書クラブかなんかがあれば➡ 48 00:04:30,670 --> 00:04:34,174 本好きな人たちで もっと集まれるのに…。 49 00:04:34,174 --> 00:04:37,077 うん? クラブ? 50 00:04:39,179 --> 00:04:42,015 おじゃましますわ。 51 00:04:42,015 --> 00:04:46,520 《革命が起きてしまった場合 速やかに脱出できるように➡ 52 00:04:46,520 --> 00:04:50,857 わたくしは なんとしても 馬に乗れなくてはなりませんわ。 53 00:04:50,857 --> 00:04:54,861 となれば 向かうべきは 馬術クラブ!》 54 00:04:54,861 --> 00:04:58,698 (馬龍)おや こんな場所に なんの用だい? お嬢ちゃん。 55 00:04:58,698 --> 00:05:01,468 あら? あなたは たしか…。 56 00:05:01,468 --> 00:05:03,637 うん? 57 00:05:03,637 --> 00:05:07,140 あ~ あのときは すまなかったな。 58 00:05:07,140 --> 00:05:11,978 俺は高等部2年で 馬術クラブの長 林馬龍だ。 59 00:05:11,978 --> 00:05:14,815 ミーア・ルーナ・ティアムーンですわ。 60 00:05:14,815 --> 00:05:20,320 お名前の響きからすると もしや 騎馬王国出身の方ですの? 61 00:05:20,320 --> 00:05:24,324 ティアムーンの姫君に知られているとは 光栄だな。 62 00:05:24,324 --> 00:05:27,160 それで 今日はどうしたんだい? 63 00:05:27,160 --> 00:05:33,500 まさかとは思うが あのときの馬を 処分しろ… とか言わないよな? 64 00:05:33,500 --> 00:05:35,669 処分? 65 00:05:35,669 --> 00:05:38,672 いや ドレスをダメにしちまっただろ? 66 00:05:38,672 --> 00:05:42,509 ああ… そんなの 大したことではございませんわ。 67 00:05:42,509 --> 00:05:47,347 馬とドレス どちらが尊い存在かは 明らかですもの。 68 00:05:47,347 --> 00:05:49,349 ほぉ…。 69 00:05:49,349 --> 00:05:53,853 《そう… ドレスでは 革命軍から 逃げることはできないけど➡ 70 00:05:53,853 --> 00:05:57,691 馬は そうではありませんものね!》 71 00:05:57,691 --> 00:06:00,126 それより 馬術クラブでしたら➡ 72 00:06:00,126 --> 00:06:03,129 わたくしも馬に 乗れるようになりますかしら? 73 00:06:03,129 --> 00:06:05,131 そりゃあ もちろん…。 74 00:06:05,131 --> 00:06:08,969 だが どうして お姫様が 馬に乗りたいんだ? 75 00:06:08,969 --> 00:06:11,972 馬は どこまでも遠くに➡ 76 00:06:11,972 --> 00:06:15,275 わたくしを 連れていってくれるからですわ。 77 00:06:17,310 --> 00:06:20,146 《そう! できるだけ革命軍から➡ 78 00:06:20,146 --> 00:06:22,816 遠い場所までね!》 (ギロちん)ダダダ… 待て~い! 79 00:06:22,816 --> 00:06:25,318 《お嬢ちゃんの言葉…。 馬を➡ 80 00:06:25,318 --> 00:06:28,321 戦争の道具や愛玩用としてしか 見ていない者には➡ 81 00:06:28,321 --> 00:06:30,991 決して口にできないものだ! 82 00:06:30,991 --> 00:06:35,495 見かけによらず ただの お嬢様ってわけでもなさそうだ》 83 00:06:35,495 --> 00:06:40,500 <ミーアの言葉は 馬龍の心に ものすごく響いた> 84 00:06:40,500 --> 00:06:44,170 (アベル)ミーア姫? あ…? 85 00:06:44,170 --> 00:06:46,339 (ミーア)アベル王子! 86 00:06:46,339 --> 00:06:51,177 もしかして アベル王子も 馬術クラブに入られたんですの? 87 00:06:51,177 --> 00:06:54,681 ああ 一応 僕も レムノ王国の王子だ。 88 00:06:54,681 --> 00:06:58,184 馬術と剣術くらいは 鍛えておこうと思ってね。 89 00:06:58,184 --> 00:07:00,453 そうなんですの。 90 00:07:00,453 --> 00:07:06,459 《以前のアベル王子は カード遊戯クラブに 所属していたはずでしたが…》 91 00:07:06,459 --> 00:07:09,296 ところで ミーア姫は何を? 92 00:07:09,296 --> 00:07:13,800 わたくしも馬術に 興味がありまして 見学を…。 93 00:07:13,800 --> 00:07:16,803 アベル お嬢ちゃんと 知り合いなのか? 94 00:07:16,803 --> 00:07:20,473 だったら ちょうどいい。 お前が馬に乗せてやれ。 95 00:07:20,473 --> 00:07:24,144 は…? せっかく馬に興味を持って 見学に来てくれたんだ。 96 00:07:24,144 --> 00:07:28,148 なあ? フフ…。 いや でも… しかし…。 97 00:07:28,148 --> 00:07:31,818 《あら まあ アベル王子だったら てれてますの? 98 00:07:31,818 --> 00:07:35,155 ウフフ… 意外にウブなんですのね》 99 00:07:35,155 --> 00:07:40,827 コホン。 アベル王子 わたくしからも エスコートをお願いしたいですわ。 100 00:07:40,827 --> 00:07:43,830 ミーア姫がそう言うのであれば…。 101 00:07:43,830 --> 00:07:47,334 《ここは お姉さんである わたくしが きっちりリードして➡ 102 00:07:47,334 --> 00:07:50,837 大人の余裕を 見せてさしあげますわ》 103 00:07:50,837 --> 00:07:52,839 ひい~っ! 104 00:07:52,839 --> 00:07:55,008 高いですわ~! 105 00:07:55,008 --> 00:07:58,178 <大人の余裕は 長くは続かなかった> 106 00:07:58,178 --> 00:08:01,281 ああああ…。 それでは行こうか。 僕にしっかりと…。 107 00:08:01,281 --> 00:08:03,950 うぅ…。 いっ…。 ミ… ミーア姫! 108 00:08:03,950 --> 00:08:05,952 そんなにつかまらなくても 大丈夫だから! 109 00:08:05,952 --> 00:08:07,954 わかっていますわ! 110 00:08:07,954 --> 00:08:10,557 こんなの余裕ですわ! 111 00:08:14,127 --> 00:08:17,130 ミーア姫 目を開けてみたまえ。 うう~。 112 00:08:17,130 --> 00:08:20,800 馬の上から見る景色は なかなか味なものだ。 113 00:08:20,800 --> 00:08:25,505 そ… そうですわね…。 うぅ…。 114 00:08:27,474 --> 00:08:30,810 まあ! 怖くないだろう? 115 00:08:30,810 --> 00:08:33,813 ええ。 とても心地いいですわ。 116 00:08:33,813 --> 00:08:36,649 おわっ! ひっ… 姫! 何を!? 117 00:08:36,649 --> 00:08:40,320 あっ… ほら 君の従者のレディーも来ているぞ。 118 00:08:40,320 --> 00:08:44,324 あら 本当ですわ。 アンヌ~! 119 00:08:44,324 --> 00:08:46,659 こら 姫! 手を離しては…。 120 00:08:46,659 --> 00:08:51,164 へっ? あっ… ひぃやぁ~! 121 00:08:51,164 --> 00:08:55,502 ひぃやぁ… あら? 痛くない…? 122 00:08:55,502 --> 00:08:59,339 イタタタ… 大丈夫かい? ミーア姫。 123 00:08:59,339 --> 00:09:02,442 あっ… うぇっ!? アベル王子!? 124 00:09:02,442 --> 00:09:04,778 《な… 何を慌てておりますの? 125 00:09:04,778 --> 00:09:07,614 別に アベル王子に抱きしめられようと➡ 126 00:09:07,614 --> 00:09:10,283 それはダンスのときに経験済みだし➡ 127 00:09:10,283 --> 00:09:13,119 しかも アベル王子は まだ子ども! 128 00:09:13,119 --> 00:09:15,789 わたくしより8歳年下で➡ 129 00:09:15,789 --> 00:09:17,791 だから… その…》 130 00:09:17,791 --> 00:09:21,995 ミーア姫… もしや どこかケガをしたのかい? 131 00:09:24,130 --> 00:09:26,800 《そんな目で見つめないで…》 132 00:09:26,800 --> 00:09:30,470 だ… 大丈夫ですから その 離れていただけませんか!? 133 00:09:30,470 --> 00:09:34,307 あ… ああ! すまない。 失礼した…。 134 00:09:34,307 --> 00:09:37,811 あの 誤解しないでください アベル王子。 135 00:09:37,811 --> 00:09:42,982 別に あなたにくっつかれるのが 嫌とかいうわけではなくて! 136 00:09:42,982 --> 00:09:46,820 ああ… わかってる。 137 00:09:46,820 --> 00:09:51,991 《なんですの… この胸がチクチクして 落ち着かない感じ…。 138 00:09:51,991 --> 00:09:55,161 こ… これはきっと アベル王子に嫌われると➡ 139 00:09:55,161 --> 00:09:58,498 援軍を出してもらえないから 焦ってるだけであって! 140 00:09:58,498 --> 00:10:01,167 だけど いったい どうすれば~!? 141 00:10:01,167 --> 00:10:03,670 ハッ そうですわ!》 142 00:10:07,173 --> 00:10:12,178 アベル王子 先ほどは助けてくださり ありがとうございました。 143 00:10:12,178 --> 00:10:14,848 《人は必要以上に近づかれると➡ 144 00:10:14,848 --> 00:10:17,183 自然と距離をとってしまうもの。 145 00:10:17,183 --> 00:10:22,188 アベル王子にも それを体験して もらえれば 誤解は解けるはず!》 146 00:10:22,188 --> 00:10:27,861 う… うむ わ… わかったから 少し離れてもらえないだろうか? 147 00:10:27,861 --> 00:10:31,364 ほら あなただって 顔をそむけたではないですか? 148 00:10:31,364 --> 00:10:33,366 そ… それは…。 149 00:10:33,366 --> 00:10:38,371 先ほどのわたくしも今のアベル王子と 同じ気持ちだったのですわ。 150 00:10:38,371 --> 00:10:41,708 な… 同じ? 《わたくしは繊細ですから➡ 151 00:10:41,708 --> 00:10:45,879 必要以上に他人に近づかれると 緊張してしまう。 152 00:10:45,879 --> 00:10:49,215 そう! それだけの話ですわ》 153 00:10:49,215 --> 00:10:54,220 僕とミーア姫の気持ちが同じ…。 ええ! 同じですわ。 154 00:10:54,220 --> 00:11:00,660 だ… だが 僕のほうが きっと君の 気持ちより その… 強いはずだ。 155 00:11:00,660 --> 00:11:03,830 あら 負けず嫌いですわね。 156 00:11:03,830 --> 00:11:07,333 《わたくしより繊細と 言いたいのかしら?》 157 00:11:09,335 --> 00:11:12,172 < しかし ミーアは気付いていなかった。 158 00:11:12,172 --> 00:11:17,177 アベルとミーアでは 緊張の理由が 若干異なっていることに…。 159 00:11:17,177 --> 00:11:21,347 そして ミーア自身も ちょっと 気になる男子に近づかれて➡ 160 00:11:21,347 --> 00:11:24,851 緊張していたということにも…> 161 00:11:27,353 --> 00:11:30,857 (鼻歌) 162 00:11:30,857 --> 00:11:35,028 無事に馬術クラブに入れたし 読み友もできた。 163 00:11:35,028 --> 00:11:39,198 きっと この勢いで ギロチンも回避されて…。 164 00:11:39,198 --> 00:11:43,036 って 全然回避されてない…。 165 00:11:43,036 --> 00:11:46,873 (アンヌ)ミーア様 お聞きになりましたか? 166 00:11:46,873 --> 00:11:51,377 近く この学園で 剣術大会が 行われるみたいなんですよ。 167 00:11:51,377 --> 00:11:53,546 剣術大会? 168 00:11:53,546 --> 00:11:56,883 はい。 メイドの皆さんが すごく騒いでました。 169 00:11:56,883 --> 00:12:00,320 それに剣術大会では 女子生徒が好きな殿方に➡ 170 00:12:00,320 --> 00:12:03,656 お弁当を用意するのが 恒例となっているとか。 171 00:12:03,656 --> 00:12:10,163 へえ~ お弁当… お弁当!? 172 00:12:10,163 --> 00:12:14,834 ⦅フフン! シオン王子 わたくしが 用意したお弁当のおかげで➡ 173 00:12:14,834 --> 00:12:18,538 優勝したと言わせてみせますわ! 174 00:12:21,007 --> 00:12:24,010 フフ~ン。 (シオン)いや 必要ない。 帰ってくれ。 175 00:12:24,010 --> 00:12:26,012 え…? 176 00:12:26,012 --> 00:12:32,185 うう… どうして こんなに豪華な お弁当を用意したのに…⦆ 177 00:12:32,185 --> 00:12:35,688 < いわゆる 「ボッチ飯」というやつである> 178 00:12:35,688 --> 00:12:38,358 うう… う~。 179 00:12:38,358 --> 00:12:42,862 ミ… ミーア様!? いえ なんでもありませんわ。 180 00:12:42,862 --> 00:12:46,032 《あんな寂しい思い もうたくさんですわ。 181 00:12:46,032 --> 00:12:50,703 そうだ! アホのシオンとは違って アベル王子は紳士だから➡ 182 00:12:50,703 --> 00:12:54,207 ちゃんと食べてくれる はずですわ!》 おいしい。 183 00:12:54,207 --> 00:12:57,710 アベル王子! あっ ミーア姫。 184 00:12:57,710 --> 00:13:01,147 今日も練習かい? ええ まあ。 185 00:13:01,147 --> 00:13:04,984 《とりあえず事前に 約束をしておくべきですわね》 186 00:13:04,984 --> 00:13:09,489 そうか 馬龍先輩も ミーア姫が 真面目に取り組んでいると➡ 187 00:13:09,489 --> 00:13:13,326 褒めていたよ。 それは光栄ですわ。 188 00:13:13,326 --> 00:13:16,162 よければ また一緒に乗っていくかい? 189 00:13:16,162 --> 00:13:21,167 では お言葉に甘えて… あら? 190 00:13:21,167 --> 00:13:24,837 手のひらが ずいぶんと 硬くなっておりますわね。 191 00:13:24,837 --> 00:13:29,175 あ… ああ… 実は今度の剣術大会に向けて➡ 192 00:13:29,175 --> 00:13:31,177 鍛錬をしているんだ。 193 00:13:31,177 --> 00:13:33,346 アベル王子…。 194 00:13:33,346 --> 00:13:36,649 《頑張っておられるのですわね》 195 00:13:41,187 --> 00:13:45,858 あの アベル王子 剣術大会当日の 話なんですけど…。 196 00:13:45,858 --> 00:13:48,528 うん? その… どなたかに➡ 197 00:13:48,528 --> 00:13:52,532 お弁当を用意してもらう約束など しておられますか? 198 00:13:52,532 --> 00:13:56,035 いや 特にはないが。 それでしたら➡ 199 00:13:56,035 --> 00:13:59,205 わたくしに用意させては いただけないでしょうか? 200 00:13:59,205 --> 00:14:01,474 僕のために お弁当を? 201 00:14:01,474 --> 00:14:06,646 ええ アベル王子が勝てるよう 精いっぱいのものを用意しますわ。 202 00:14:06,646 --> 00:14:09,816 ありがとう ミーア姫。 フフ…。 203 00:14:09,816 --> 00:14:11,818 フフフ…。 204 00:14:11,818 --> 00:14:14,487 《これでもう ボッチにはなりませんわ。 205 00:14:14,487 --> 00:14:16,489 そうと決まれば 早速➡ 206 00:14:16,489 --> 00:14:20,660 お弁当屋に わたくし自ら 注文に行きましょう!》 207 00:14:20,660 --> 00:14:24,997 (女主人)ちょっと その日は注文を 受けるのが難しいですねぇ…。 208 00:14:24,997 --> 00:14:27,834 剣術大会前は どこも1週間前には➡ 209 00:14:27,834 --> 00:14:30,837 予約を締め切っているんですよ。 え…!? 210 00:14:30,837 --> 00:14:36,175 なっ なっ なんということですのぉ~!? 211 00:14:36,175 --> 00:14:41,347 なるほど お弁当屋さんは どこも 予約がいっぱいだったんですね。 212 00:14:41,347 --> 00:14:43,850 わたくしは どうすれば…。 213 00:14:43,850 --> 00:14:47,520 でしたら… 作りましょう! 214 00:14:47,520 --> 00:14:49,522 へっ? 215 00:14:49,522 --> 00:14:53,526 ミーア様が ご自身で アベル王子に お弁当を作るんですよ! 216 00:14:53,526 --> 00:14:57,363 だ… だけど わたくし 料理などしたことが…。 217 00:14:57,363 --> 00:15:00,633 私もお手伝いをします。 それに男性というのは➡ 218 00:15:00,633 --> 00:15:04,303 女性に料理を作ってもらうと うれしいものなのです。 219 00:15:04,303 --> 00:15:11,144 そ… そうなんですね。 ちなみに アンヌは お料理は得意なんですの? 220 00:15:11,144 --> 00:15:15,314 パ… パンくらいなら 焼いたことある… かな…? 221 00:15:15,314 --> 00:15:19,652 あ…。 《これ ダメなやつですわ》 222 00:15:19,652 --> 00:15:23,990 <危機感を覚えたミーアは 助っとを集めることにした> 223 00:15:23,990 --> 00:15:25,992 料理ですか? 224 00:15:25,992 --> 00:15:29,495 ええ クロエさんは詳しいかなと 思いまして。 225 00:15:29,495 --> 00:15:32,165 はい 料理のことなら知ってますよ。 226 00:15:32,165 --> 00:15:34,500 前に本で読んだことあります。 227 00:15:34,500 --> 00:15:37,837 《「知ってる」… 「本で読んだことがある」…。 228 00:15:37,837 --> 00:15:42,341 い… いや でも この際 背に腹は代えられませんわ!》 229 00:15:42,341 --> 00:15:46,679 実は 剣術大会のお弁当を 作りたいと思っていて…。 230 00:15:46,679 --> 00:15:49,515 クロエさんも ご一緒にできないかと…。 231 00:15:49,515 --> 00:15:53,186 その日でしたら 予定はないので大丈夫ですが…。 232 00:15:53,186 --> 00:15:55,188 でしたら ぜひ! 233 00:15:55,188 --> 00:15:59,025 《よし! ひとまず確保!》 234 00:15:59,025 --> 00:16:05,798 え~と アンヌとクロエさん… 他に頼れそうな方はっと…。 235 00:16:05,798 --> 00:16:09,302 って 他に思い当たる人なんて いませんわ! 236 00:16:09,302 --> 00:16:11,637 早くも手詰まりですわ! 237 00:16:11,637 --> 00:16:14,807 ミーア様! 料理が得意な人が 見つかりました! 238 00:16:14,807 --> 00:16:20,146 本当ですの? 早く その方の もとへ連れていってくださいな! 239 00:16:20,146 --> 00:16:24,150 (ティオーナ)ミーア様! 私に何かご用があるとか。 240 00:16:24,150 --> 00:16:29,489 えっ… ア… アンヌ 料理ができる方とは まさか…。 241 00:16:29,489 --> 00:16:33,492 はい! ティオーナ様なら きっと力になってくれますよ。 242 00:16:33,492 --> 00:16:38,497 《か… 彼女は わたくしを ギロチンにかけた憎き相手。 243 00:16:38,497 --> 00:16:42,335 できるだけ お近づきになりたくないのに…》 244 00:16:42,335 --> 00:16:46,839 ティ… ティオーナさんが お料理が得意とお聞きしまして…。 245 00:16:46,839 --> 00:16:51,010 はい うちは土地が広く 農業が盛んなので! 246 00:16:51,010 --> 00:16:54,180 《あら? これは期待できそうですわ》 247 00:16:54,180 --> 00:16:58,351 いつも野菜を刻んでいました。 千切りとか大得意です。 248 00:16:58,351 --> 00:17:02,121 《せんぎ…》 あの それ以外は? 249 00:17:02,121 --> 00:17:06,626 みじん切りもバッチリですし かつらむきだって できますよ! 250 00:17:06,626 --> 00:17:08,961 《なんだか微妙…。 251 00:17:08,961 --> 00:17:13,132 ですが わたくしには えり好みしている余裕はない!》 252 00:17:13,132 --> 00:17:16,636 (ミーア)ティオーナさん わたくし 剣術大会当日➡ 253 00:17:16,636 --> 00:17:21,807 アベル王子に お弁当を作るのですが あなたも一緒にいかがでしょう? 254 00:17:21,807 --> 00:17:25,144 わ… 私なんかが 姫様とご一緒するなんて…。 255 00:17:25,144 --> 00:17:29,482 それに 私には お弁当をあげる人なんて誰も…。 256 00:17:29,482 --> 00:17:33,486 それでしたら アイツ… あっ いえ シオン王子に➡ 257 00:17:33,486 --> 00:17:36,489 お裾分けを持っていくというのは いかがですの? 258 00:17:36,489 --> 00:17:40,493 シオン王子に? ええ シオン王子に。 259 00:17:40,493 --> 00:17:42,662 《お弁当が失敗した場合➡ 260 00:17:42,662 --> 00:17:45,498 アベル王子に ヘンテコなものを食べさせて➡ 261 00:17:45,498 --> 00:17:48,668 そのせいで いい結果が 出せなくなるかもしれない…。 262 00:17:48,668 --> 00:17:51,003 それをシオン王子に食べさせれば➡ 263 00:17:51,003 --> 00:17:53,673 巻き添えに できるではありませんか! 264 00:17:53,673 --> 00:17:55,675 ンフフフフ…》 265 00:17:55,675 --> 00:17:59,178 <ミーアは しょ~もないことを たくらんだ> 266 00:17:59,178 --> 00:18:03,616 (剣の鍛錬の音) 267 00:18:03,616 --> 00:18:05,785 (シオン)ハッ。 268 00:18:05,785 --> 00:18:07,787 うん? あ…。 (拍手) 269 00:18:07,787 --> 00:18:11,624 (拍手) 270 00:18:11,624 --> 00:18:14,627 (キースウッド)頑張ってるねぇ 王子殿下。 271 00:18:14,627 --> 00:18:16,829 キースウッドか。 272 00:18:19,632 --> 00:18:22,635 相変わらず 気配を消すのがうまいな。 273 00:18:22,635 --> 00:18:26,639 こういうしぐさに 女子は心を奪われるんだろうな。 274 00:18:26,639 --> 00:18:28,808 うん? 何か言ったか? 275 00:18:28,808 --> 00:18:31,310 何も。 ところで➡ 276 00:18:31,310 --> 00:18:35,147 剣術大会では 誰に弁当を 作ってもらうか決めたのかい? 277 00:18:35,147 --> 00:18:39,318 いや 届いた申し出は すべて丁重に断らせてもらった。 278 00:18:39,318 --> 00:18:41,654 おや ということは➡ 279 00:18:41,654 --> 00:18:44,824 俺の手作り弁当が ご所望ということで? 280 00:18:44,824 --> 00:18:48,327 そうだな たまには それも悪くはないな。 281 00:18:48,327 --> 00:18:51,330 昔はよく作ってくれていたし。 282 00:18:51,330 --> 00:18:56,335 殿下のために ちゅう房に 潜り込んで夜食を作ったっけな~。 283 00:18:56,335 --> 00:18:58,838 そのせいで 俺が虫歯になったときは➡ 284 00:18:58,838 --> 00:19:01,107 2人で怒られたっけ。 285 00:19:01,107 --> 00:19:04,443 (笑い声) 286 00:19:04,443 --> 00:19:08,614 まあ 冗談はおいといて➡ 弁当の手配はしてあるんだろ? 287 00:19:08,614 --> 00:19:11,951 うん? ああ…。 288 00:19:11,951 --> 00:19:14,620 《サンクランド王国の王子として➡ 289 00:19:14,620 --> 00:19:17,790 特定の誰かから 弁当をもらったりしてしまうと➡ 290 00:19:17,790 --> 00:19:21,460 後々 国にとって不利なことが あるかもしれない…》 291 00:19:21,460 --> 00:19:26,966 うん? 何か言いたそうだな。 いえいえ 別に。 292 00:19:26,966 --> 00:19:29,135 《間違っちゃいないが…➡ 293 00:19:29,135 --> 00:19:33,639 もう少し 肩の力を抜いても いいんじゃないかねぇ…》 294 00:19:33,639 --> 00:19:36,475 (キースウッド)んじゃ 鍛錬 頑張ってくださいよ。 295 00:19:36,475 --> 00:19:39,979 (シオン)ああ。 296 00:19:39,979 --> 00:19:42,314 《殿下は ああ言っていたが➡ 297 00:19:42,314 --> 00:19:47,319 誰からも弁当をもらえないのを 寂しく感じているのかもしれない。 298 00:19:47,319 --> 00:19:50,656 かといって 殿下がもらっても 大丈夫な人なんて➡ 299 00:19:50,656 --> 00:19:52,658 限られてるよな。 300 00:19:52,658 --> 00:19:57,997 サンクランドと同格の大国で となると…》 301 00:19:57,997 --> 00:19:59,999 やっぱり…。 302 00:19:59,999 --> 00:20:02,501 (ティオーナ)キースウッドさん。 うん? 303 00:20:02,501 --> 00:20:04,503 ちょうどいいところに。 304 00:20:04,503 --> 00:20:09,008 これは ルドルフォン伯爵令嬢。 どのようなご用向きで? 305 00:20:09,008 --> 00:20:12,511 ええ 実は…。 306 00:20:12,511 --> 00:20:17,016 ほう ミーア姫たちと弁当を…。 ええ。 それで➡ 307 00:20:17,016 --> 00:20:21,020 シオン王子にお渡ししても大丈夫か お伺いできればと…。 308 00:20:21,020 --> 00:20:23,355 なるほど。 309 00:20:23,355 --> 00:20:27,026 《合作の上 あげる相手は シオン殿下とアベル王子…。 310 00:20:27,026 --> 00:20:29,361 確かに それなら特定の相手と やっかいなうわさが➡ 311 00:20:29,361 --> 00:20:33,065 立てられずに済む か…》 312 00:20:35,367 --> 00:20:39,538 キースウッドさん? ああ いえ わかりました。 313 00:20:39,538 --> 00:20:43,876 シオン王子に伝えておきます。 よろしくお願いします。 314 00:20:43,876 --> 00:20:46,378 それじゃあ。 315 00:20:46,378 --> 00:20:50,716 《さすがはミーア姫 幾重にも張り巡らされた考え。 316 00:20:50,716 --> 00:20:55,888 帝国の英知は衰えを知らず といったところか…》 317 00:20:55,888 --> 00:20:57,890 しかし なんだろう…。 318 00:20:57,890 --> 00:21:01,827 この妙な胸騒ぎと 嫌な予感は…。 319 00:21:01,827 --> 00:21:04,330 (アベル)へえ~ 手作り弁当を…。 320 00:21:04,330 --> 00:21:10,002 はい。 アベル王子とシオン王子のために みんなで作らせていただきますわ。 321 00:21:10,002 --> 00:21:12,338 シオン王子にも…。 322 00:21:12,338 --> 00:21:15,841 申し訳ございません。 素人が作るものなので➡ 323 00:21:15,841 --> 00:21:19,678 お店で買うよりも 味は劣るかもしれませんの。 324 00:21:19,678 --> 00:21:22,681 《ふぅ… これで万が一 まずかったときのための➡ 325 00:21:22,681 --> 00:21:25,851 予防線もバッチリですわ!》 326 00:21:25,851 --> 00:21:28,687 いや むしろ うれしいくらいだよ。 327 00:21:28,687 --> 00:21:31,190 へっ? うれしい… ですの? 328 00:21:31,190 --> 00:21:35,194 ああ 昔は 母上や姉上が作ってくれて➡ 329 00:21:35,194 --> 00:21:37,196 それがうれしかったんだ。 330 00:21:37,196 --> 00:21:40,366 だから ありがとう。 楽しみにしてるよ。 331 00:21:40,366 --> 00:21:43,702 《あれ? これって ハードルが上がってません?》 332 00:21:43,702 --> 00:21:46,205 さあ 着いたよ。 333 00:21:50,042 --> 00:21:54,046 わぁ…! こんなに すてきなところがあったなんて➡ 334 00:21:54,046 --> 00:21:57,383 知りませんでしたわ! あ…。 335 00:21:57,383 --> 00:22:01,487 気に入ってもらえてよかった。 足元に気をつけて。 336 00:22:01,487 --> 00:22:04,657 あ… あ…。 337 00:22:04,657 --> 00:22:07,860 ありがとうございます。 338 00:22:11,831 --> 00:22:14,333 《ああ こんなきれいな湖畔を➡ 339 00:22:14,333 --> 00:22:17,169 殿方と歩くなんて…。 地下牢にいたときには➡ 340 00:22:17,169 --> 00:22:19,672 考えられませんでしたわ》 341 00:22:19,672 --> 00:22:22,675 それにしても 少し残念ではあるな。 342 00:22:22,675 --> 00:22:24,677 何がですの? 343 00:22:24,677 --> 00:22:27,346 せっかくミーア姫が作ってくれる お弁当を➡ 344 00:22:27,346 --> 00:22:31,016 僕が独り占めできないのが 残念でね。 345 00:22:31,016 --> 00:22:34,019 《なっ なっ 何を 言い出すんですの この人は!? 346 00:22:34,019 --> 00:22:37,356 天然!? 天然なんですの!?》 347 00:22:37,356 --> 00:22:41,360 大丈夫かい? 疲れたのなら 少し休んでいくといい。 348 00:22:44,029 --> 00:22:47,533 僕は その間 剣の鍛錬をするから。 349 00:22:47,533 --> 00:22:50,536 あ… ありがとうございます。 350 00:22:57,209 --> 00:23:00,312 ずいぶんと熱心に 励んでおられますわね。 351 00:23:00,312 --> 00:23:04,316 確かに こんなに必死に 剣を振ったことなんて➡ 352 00:23:04,316 --> 00:23:06,652 一度もないよ。 353 00:23:06,652 --> 00:23:09,822 だけど どうしても 勝ちたい相手がいるからね。 354 00:23:09,822 --> 00:23:11,824 勝ちたいお相手? 355 00:23:11,824 --> 00:23:16,996 ああ。 だから お弁当のことは 少し安心もしているんだ。 356 00:23:16,996 --> 00:23:19,999 え…? どういうことですの? 357 00:23:19,999 --> 00:23:22,334 僕だけが ミーア姫のお弁当を➡ 358 00:23:22,334 --> 00:23:24,503 食べたとなると➡ 359 00:23:24,503 --> 00:23:29,341 そのおかげで シオン王子に勝てたと 言われるかもしれないからね。 360 00:23:29,341 --> 00:23:32,845 それって つまり…。 361 00:23:32,845 --> 00:23:36,348 <ミーアは 手作り弁当に 要求されているレベルが➡ 362 00:23:36,348 --> 00:23:39,351 天元突破していることを察した> 363 00:23:39,351 --> 00:23:43,355 (ミーア)はぇ… はぇぇぇ~!