1 00:00:03,503 --> 00:00:08,175 <長期休暇に入り 学園生活とも しばしの別れ。 2 00:00:08,175 --> 00:00:11,511 ミーア姫は 帝国への帰路についていた> 3 00:00:11,511 --> 00:00:14,014 (ミーア)あっ! 料理長の恩情で➡ 4 00:00:14,014 --> 00:00:16,683 最後の晩さんが 豪華になっていますわ! 5 00:00:16,683 --> 00:00:19,520 黄月トマトのシチューですって! 6 00:00:19,520 --> 00:00:23,023 (鼻歌) 7 00:00:23,023 --> 00:00:27,194 いやいやいや 結局 ギロチン確定ではありませんか! 8 00:00:27,194 --> 00:00:31,698 やはり最大の原因は 飢きんによる食料不足…。 9 00:00:31,698 --> 00:00:34,368 それから これも気になりますわ。 10 00:00:34,368 --> 00:00:39,039 辺境部の森で起きる 少数部族との紛争…。 11 00:00:39,039 --> 00:00:43,043 うっ! なんだか気分が…。 12 00:00:43,043 --> 00:00:45,545 アンヌ… アンヌ…。 13 00:00:45,545 --> 00:00:47,547 (アンヌ)どうされましたか? 14 00:00:47,547 --> 00:00:49,550 は… 吐き気が…。 15 00:00:49,550 --> 00:00:52,052 馬車酔いですか!? うぷっ…。 16 00:00:52,052 --> 00:00:57,057 (アンヌ)キャ~ッ! ミーア様! (ミーア)おえ~。 17 00:02:42,362 --> 00:02:45,198 (ルードヴィッヒ)お久しゅうございます。 ミーア姫殿下。 18 00:02:45,198 --> 00:02:49,102 あなたもお元気そうで 何よりですわ ルードヴィッヒ。 19 00:02:51,538 --> 00:02:54,374 食料の備蓄がまだまだですわね。 20 00:02:54,374 --> 00:02:58,211 これ以上は保管費用だけでも 財政を圧迫します。 21 00:02:58,211 --> 00:03:01,314 《ああ… 数年後の飢きんを 説明できないのが➡ 22 00:03:01,314 --> 00:03:03,984 もどかしいですわ》 23 00:03:03,984 --> 00:03:07,988 では もし飢きんが起きたとき どうするのがよろしいかしら? 24 00:03:07,988 --> 00:03:10,323 (ルードヴィッヒ) 普通に考えれば 商人を使って➡ 25 00:03:10,323 --> 00:03:12,492 運んでくるしかないでしょう。 26 00:03:12,492 --> 00:03:16,163 法外な値段を 吹っかけてくるのは確実ですが。 27 00:03:16,163 --> 00:03:20,167 《ある日突然 世界中から食べ物が なくなるわけじゃない。 28 00:03:20,167 --> 00:03:24,671 あるところには あるのですわ…。 ということは…》 29 00:03:24,671 --> 00:03:28,675 そうですわ! 「お友達価格」ですわ! 30 00:03:28,675 --> 00:03:32,179 お友達… 価格? うん! 31 00:03:32,179 --> 00:03:35,015 (マルコ)お初にお目にかかります 姫殿下。 32 00:03:35,015 --> 00:03:39,352 クロエの父 マルコ・フォークロードと申します。 33 00:03:39,352 --> 00:03:43,190 ようこそいらっしゃいましたわ フォークロード卿。 34 00:03:43,190 --> 00:03:47,360 《娘の将来を思って セントノエル学園に入れたのだが…。 35 00:03:47,360 --> 00:03:51,865 しかし まさか 大帝国の姫君と 友達になってしまうとは! 36 00:03:51,865 --> 00:03:54,367 そもそも 「読み友」って何!?》 37 00:03:54,367 --> 00:03:59,372 クロエは お元気かしら? はい 相変わらず本の虫です。 38 00:03:59,372 --> 00:04:02,642 《とにかく娘がつくってくれた またとない機会だ!》 39 00:04:02,642 --> 00:04:06,313 さて お聞きしたいのですけれど。 は… はい! 40 00:04:06,313 --> 00:04:10,650 海の向こう側から 物を 運んでもらうことは可能かしら? 41 00:04:10,650 --> 00:04:12,819 もちろん可能でございます。 42 00:04:12,819 --> 00:04:15,655 ご入り用の品は なんでございましょう? 43 00:04:15,655 --> 00:04:19,159 香辛料… それとも じゅうたんでしょうか? 44 00:04:19,159 --> 00:04:21,328 小麦 ですわ! 45 00:04:21,328 --> 00:04:24,831 はあ!? 《なぜ わざわざ海外から?》 46 00:04:24,831 --> 00:04:26,833 条件がございまして➡ 47 00:04:26,833 --> 00:04:28,835 もし飢きんが起きたとしても➡ 48 00:04:28,835 --> 00:04:31,671 値段をつり上げることは 許しませんわ。 49 00:04:31,671 --> 00:04:34,007 なっ…! 《むちゃくちゃだ! 50 00:04:34,007 --> 00:04:38,345 こちらに なんのうまみがあるというのだ。 51 00:04:38,345 --> 00:04:40,514 しかし クロエから聞く限り➡ 52 00:04:40,514 --> 00:04:44,184 ミーア姫は 権力で 無理を通すお人ではない…》 53 00:04:44,184 --> 00:04:46,186 《娘さんのお友達には➡ 54 00:04:46,186 --> 00:04:49,856 当然 融通を 利かせてくださいますわよね?》 55 00:04:49,856 --> 00:04:52,859 《もしや… 試されている?》 56 00:04:52,859 --> 00:04:55,028 ああ そうでした。 57 00:04:55,028 --> 00:04:58,698 小麦は最低限 決まった分量を 買い取らせていただきますわ。 58 00:04:58,698 --> 00:05:00,634 うん? 59 00:05:00,634 --> 00:05:02,636 《うっかり忘れていましたわ。 60 00:05:02,636 --> 00:05:05,805 ルードヴィッヒから そう言われてたんですわ》 61 00:05:05,805 --> 00:05:07,974 《どのような状況であっても➡ 62 00:05:07,974 --> 00:05:10,977 決まった値段 決まった分量を 買い取る…。 63 00:05:10,977 --> 00:05:14,648 物価の変動に左右されない… ということか》 64 00:05:14,648 --> 00:05:19,486 海外から輸送するとなると その分 割高の価格設定となりますが➡ 65 00:05:19,486 --> 00:05:23,990 その辺りは いかがお考えですか? 66 00:05:23,990 --> 00:05:27,494 こちらが契約の 具体的な内容となります。 67 00:05:29,496 --> 00:05:32,832 《飢きんのときと比べて あまりに格安。 68 00:05:32,832 --> 00:05:35,836 値段は ルードヴィッヒに 丸投げしたのですけれど➡ 69 00:05:35,836 --> 00:05:38,338 大丈夫だったかしら》 70 00:05:38,338 --> 00:05:44,177 《これは… 絶妙な価格設定だ。 十分にもうけが出る。 71 00:05:44,177 --> 00:05:47,514 なるほど ふだん余分に支払う代わりに➡ 72 00:05:47,514 --> 00:05:50,016 飢きんのときには融通しろと。 73 00:05:50,016 --> 00:05:53,353 自国の民を飢えさせぬ 体制を築きつつ➡ 74 00:05:53,353 --> 00:05:56,690 取引相手である私にも 利益をもたらすとは…。 75 00:05:56,690 --> 00:05:59,192 なんと恐るべきお方…》 76 00:05:59,192 --> 00:06:02,796 《「お友達価格」とは ずばり友人への利益供与…。 77 00:06:02,796 --> 00:06:04,798 自らが汚れ役となり➡ 78 00:06:04,798 --> 00:06:07,300 このぐらいなら許容範囲という 範を示し➡ 79 00:06:07,300 --> 00:06:09,970 私が引き締めすぎた 貴族への手綱を➡ 80 00:06:09,970 --> 00:06:12,305 緩めようとされているのだ》 81 00:06:12,305 --> 00:06:16,476 《2人:これが 帝国の英知!》 82 00:06:16,476 --> 00:06:18,979 <三者三様の勘違いにより➡ 83 00:06:18,979 --> 00:06:21,982 すべては 丸く収まったのであった> 84 00:06:23,984 --> 00:06:27,320 <後日 ミーアは かつて訪れた貧民街➡ 85 00:06:27,320 --> 00:06:30,490 新月地区を 再び視察することにした> 86 00:06:30,490 --> 00:06:34,160 あら 少し雰囲気が 変わりましたかしら? 87 00:06:34,160 --> 00:06:38,331 病院が稼働し始めましたから 食料の配給も倍になり➡ 88 00:06:38,331 --> 00:06:41,001 徐々に活気が 戻ってきているようです。 89 00:06:41,001 --> 00:06:43,670 それは何よりですわ。 90 00:06:43,670 --> 00:06:45,839 (ワグル)あっ! 姫殿下! 91 00:06:45,839 --> 00:06:50,343 あら? あなたは たしか…。 92 00:06:50,343 --> 00:06:53,179 すっかり元気に なったようですわね。 93 00:06:53,179 --> 00:06:57,350 うん 姫殿下のおかげです。 ありがと! 94 00:06:57,350 --> 00:07:00,453 あげる! この前のお礼。 95 00:07:00,453 --> 00:07:03,790 これは? ユニコーンのかんざし! 96 00:07:03,790 --> 00:07:06,459 まあ ユニコーンですの? 97 00:07:06,459 --> 00:07:08,795 僕の故郷の木で作ってあるの。 98 00:07:08,795 --> 00:07:13,466 いいですわね! これ。 あ…。 99 00:07:13,466 --> 00:07:18,138 ありがとう うれしいですわ。 100 00:07:18,138 --> 00:07:20,140 じゃっ… じゃあね! 101 00:07:20,140 --> 00:07:23,543 (神父)それは あの子の母親の形見ですよ。 102 00:07:25,645 --> 00:07:29,482 (ミーア)それで このかんざしが 形見というのは? 103 00:07:29,482 --> 00:07:32,319 あの子の母親は 「セイレントの森」という➡ 104 00:07:32,319 --> 00:07:36,823 帝国辺境部の森に住む 少数部族の出身なのですが…。 105 00:07:36,823 --> 00:07:41,661 他の部族の男と結ばれ 駆け落ち 同然で帝都に出てきたとか。 106 00:07:41,661 --> 00:07:45,665 そして あの子がまだ幼い頃に 病で亡くなられたのです。 107 00:07:45,665 --> 00:07:48,335 もっ… もしや その部族というのは➡ 108 00:07:48,335 --> 00:07:50,337 ルールー族ではありませんの? 109 00:07:50,337 --> 00:07:53,173 さすがは姫殿下 ご存じでしたか。 ああ…。 110 00:07:53,173 --> 00:07:58,011 《ルールー族といえば ティオーナさんの 従者 リオラさんの出身部族…。 111 00:07:58,011 --> 00:08:00,613 日記によれば 帝国とその部族との間で➡ 112 00:08:00,613 --> 00:08:03,116 地域紛争が起こるとか…。 113 00:08:03,116 --> 00:08:06,953 ティオーナさんが わたくしに 悪印象を抱くのも無理のない話! 114 00:08:06,953 --> 00:08:10,457 ここは 関わらないのが 一番ですわ!》 115 00:08:10,457 --> 00:08:14,627 そんなに大切なものなんでしたら いただくわけにはいきませんわ! 116 00:08:14,627 --> 00:08:17,130 いえ ぜひお受け取りください。 117 00:08:17,130 --> 00:08:19,632 へっ? 姫殿下に救われて以来➡ 118 00:08:19,632 --> 00:08:22,969 あの子はずっと お礼がしたいと 言っておりました。 119 00:08:22,969 --> 00:08:27,140 そのかんざしは あの子の心からの贈り物です。 120 00:08:27,140 --> 00:08:29,309 《こうなったら逆に…! 121 00:08:29,309 --> 00:08:33,480 あの子と友好的な関係性を 築くしかありませんわ!》 122 00:08:33,480 --> 00:08:37,650 わたくし 毎日だって 身につけますわ! おお! 123 00:08:37,650 --> 00:08:40,820 < この行動が 思わぬ影響を及ぼすことに➡ 124 00:08:40,820 --> 00:08:43,823 ミーアは まだ気付いていなかった。 125 00:08:43,823 --> 00:08:50,997 一方 そのころ 帝国南東部 ベルマン子爵領 ベルマン邸にて…> 126 00:08:50,997 --> 00:08:56,836 (ベルマン)ルドルフォン辺土伯… あの いまいましい田舎貴族めが…。 127 00:08:56,836 --> 00:08:59,506 < きっかけは とあるパーティーにおける➡ 128 00:08:59,506 --> 00:09:02,275 実にくだらない やり取りであった> 129 00:09:02,275 --> 00:09:04,778 それにしても ベルマン子爵➡ 130 00:09:04,778 --> 00:09:08,615 あなたは伝統と格式ある 中央貴族であらせられるのに➡ 131 00:09:08,615 --> 00:09:12,452 なぜ成り上がりの田舎者である ルドルフォン辺土伯のほうが➡ 132 00:09:12,452 --> 00:09:17,290 広い領土を持っておられるのか 私には理解できませぬ。 133 00:09:17,290 --> 00:09:21,127 辺土伯の領土は ほとんどが農地か森林地帯。 134 00:09:21,127 --> 00:09:24,130 広さだけを誇れるものでも ありますまい。 135 00:09:24,130 --> 00:09:26,800 だとしても でございますよ。 136 00:09:26,800 --> 00:09:30,303 あのような土臭い貴族に 一つでも負けているものがある➡ 137 00:09:30,303 --> 00:09:33,473 というのは いかがなものか と…。 138 00:09:33,473 --> 00:09:37,811 フン…。 よい知恵がありますよ。 139 00:09:37,811 --> 00:09:40,980 「セイレントの森」を 開拓すればいいのです。 140 00:09:40,980 --> 00:09:43,650 「セイレントの森」を? 141 00:09:43,650 --> 00:09:47,320 <ベルマン子爵と ルドルフォン辺土伯の領地の境には➡ 142 00:09:47,320 --> 00:09:51,658 「セイレントの森」と呼ばれる広大な 森林地帯が広がっており➡ 143 00:09:51,658 --> 00:09:54,828 両者の境界線は曖昧になっていた。 144 00:09:54,828 --> 00:09:59,999 そこで ベルマンは森を開拓し 領地を広げようと考えた。 145 00:09:59,999 --> 00:10:02,502 が ここで問題発生。 146 00:10:02,502 --> 00:10:07,340 森に住むルールー族が 徹底抗戦の構えを見せたのだ。 147 00:10:07,340 --> 00:10:11,010 慌てたベルマンは 帝国の軍部を賄賂で動かし➡ 148 00:10:11,010 --> 00:10:13,346 百人隊を派遣させた。 149 00:10:13,346 --> 00:10:16,850 しかし 百人隊の隊長は 治安維持を理由に➡ 150 00:10:16,850 --> 00:10:19,519 一向に森へ攻め込もうとせず➡ 151 00:10:19,519 --> 00:10:23,189 ベルマンのいらだちは 頂点に達しつつあった> 152 00:10:23,189 --> 00:10:25,525 おのれ… こうなったら➡ 153 00:10:25,525 --> 00:10:29,028 もっと上を動かしてくれようぞ。 154 00:10:31,364 --> 00:10:36,202 ミーア様 最近 目に見えて 御髪がツヤツヤになってきましたね! 155 00:10:36,202 --> 00:10:39,873 フフフ! ええ そうでしょうとも。 156 00:10:39,873 --> 00:10:43,543 アベル王子が贈ってきてくださった このシャンプー…。 157 00:10:43,543 --> 00:10:45,712 (アベル)「これは 汚れが取れるだけでなく➡ 158 00:10:45,712 --> 00:10:49,048 毛に栄養を与えて 艶を出すと評判のものだ。 159 00:10:49,048 --> 00:10:52,719 気に入ってもらえるだろう」。 フフフ…。 160 00:10:52,719 --> 00:10:57,223 あぁ… ミーア姫の愛馬も ツヤッツヤになるといいな。 161 00:10:59,225 --> 00:11:03,997 《さすがはアベル王子 すばらしいプレゼントですわね》 162 00:11:03,997 --> 00:11:06,100 <馬用のシャンプーであった> 163 00:11:06,100 --> 00:11:10,503 (ミーア)お初にお目にかかりますわ ベルマン子爵。 164 00:11:10,503 --> 00:11:12,839 うん? おおっ! 165 00:11:12,839 --> 00:11:17,677 なんと お美しい! お姿もさることながら その御髪! 166 00:11:17,677 --> 00:11:21,848 まるで戦場を駆ける名馬の 毛並みのようでございます! 167 00:11:21,848 --> 00:11:25,018 あら お上手ですわね! オホホホホ…。 168 00:11:25,018 --> 00:11:28,188 < あながち間違いではない> 169 00:11:28,188 --> 00:11:31,357 《フフ… 所詮は わがままな小娘…》 170 00:11:31,357 --> 00:11:34,360 おや? それは ユニコーンのかんざしですか? 171 00:11:34,360 --> 00:11:36,362 よくお似合いで。 172 00:11:36,362 --> 00:11:39,198 最近 毎日のように つけておりますの。 173 00:11:39,198 --> 00:11:41,201 実はですな そのかんざしは➡ 174 00:11:41,201 --> 00:11:44,037 とある森の木から 作られておりまして。 175 00:11:44,037 --> 00:11:47,040 「セイレントの森」… でしたわね? 176 00:11:47,040 --> 00:11:50,043 ご存じでしたか! フッ…。 177 00:11:50,043 --> 00:11:52,879 いかがでしょう? 姫殿下のご指示のもと➡ 178 00:11:52,879 --> 00:11:56,716 あの森を開拓すれば ユニコーンの かんざしなど いくらでも…。 179 00:11:56,716 --> 00:12:00,653 わたくし その森へ 行ってみたいと思いますわ! 180 00:12:00,653 --> 00:12:04,324 はあ? ルードヴィッヒ 今すぐに向かいますわ。 181 00:12:04,324 --> 00:12:06,993 準備をなさい。 182 00:12:06,993 --> 00:12:11,297 いっ… 今すぐ!? そんな…。 183 00:12:18,338 --> 00:12:22,508 《ベルマン子爵のおかげで 森へ行く口実ができましたわ。 184 00:12:22,508 --> 00:12:26,012 今のうちに ルールー族と 仲よくなっておきましょう》 185 00:12:26,012 --> 00:12:29,349 <安定の 自分ファーストなミーアであった> 186 00:12:29,349 --> 00:12:33,019 それにしても指示を出してから すぐに出発できるとは➡ 187 00:12:33,019 --> 00:12:35,021 さすがですわね。 188 00:12:35,021 --> 00:12:39,359 (ルードヴィッヒ)この部隊は ミーア様専属の 近衛部隊 「プリンセスガード」です。 189 00:12:39,359 --> 00:12:43,696 私が組織しました。 まあ すてきな響きですわね。 190 00:12:43,696 --> 00:12:46,032 それで ルードヴィッヒ。 はい。 191 00:12:46,032 --> 00:12:51,137 ベルマン子爵と領土について 教えていただけないかしら? 192 00:12:54,207 --> 00:12:57,043 <優秀な役人であるルードヴィッヒは➡ 193 00:12:57,043 --> 00:13:02,315 ベルマン子爵領で起こりつつある 問題を きちんと把握していた> 194 00:13:02,315 --> 00:13:05,151 《あ… あっぶね~!》 195 00:13:05,151 --> 00:13:08,154 <思わず品のない言葉が 漏れてしまうくらい➡ 196 00:13:08,154 --> 00:13:12,825 実のところ ミーアは運命の分岐点に 立っていたのだった> 197 00:13:12,825 --> 00:13:16,663 《素材調達の目的で セイレントの森を開拓…。 198 00:13:16,663 --> 00:13:19,332 そのために ルールー族を排除…。 199 00:13:19,332 --> 00:13:23,336 その先にあるのは ルドルフォン辺土伯領…。 200 00:13:23,336 --> 00:13:26,506 危険ワードがモリモリではありませんか! 201 00:13:26,506 --> 00:13:29,676 日記帳によれば ティオーナさんとの 仲は こじれると➡ 202 00:13:29,676 --> 00:13:33,346 書いてありましたわね…》 203 00:13:33,346 --> 00:13:35,348 ミーア様? 204 00:13:35,348 --> 00:13:37,684 謎はすべて解けましたわ…。 205 00:13:37,684 --> 00:13:41,187 ベルマン子爵 許すまじ! ですわ! 206 00:13:41,187 --> 00:13:45,858 《やはり この方は 貴族の横暴を 許さぬ方なのだな》 207 00:13:45,858 --> 00:13:49,195 それで どうなさるおつもりですか? 208 00:13:49,195 --> 00:13:52,899 決まってます! ぶっ潰しますわ! 209 00:13:59,372 --> 00:14:02,141 (ディオン)ふぅ…。 210 00:14:02,141 --> 00:14:06,145 (バノス)ま~た ベルマン子爵からの 催促ですかい? 隊長。 211 00:14:08,147 --> 00:14:10,983 やれやれ まったく貴族様ってのは➡ 212 00:14:10,983 --> 00:14:14,654 気軽に殺し合えなんて 言うんだから 気楽なもんだね。 213 00:14:14,654 --> 00:14:16,989 お察ししますぜ。 214 00:14:16,989 --> 00:14:20,493 (バノス)俺らの目的は あくまで治安維持だってのに。 215 00:14:20,493 --> 00:14:24,330 (ディオン)ああ 大事な部下を無駄死に させるわけにはいかない。 216 00:14:24,330 --> 00:14:26,833 この森で戦うのは危険すぎる。 217 00:14:26,833 --> 00:14:30,002 僕と君くらいじゃないか 生きて帰れるのは。 218 00:14:30,002 --> 00:14:35,508 ハハッ 隊長と副隊長だけ生き残る ってのも聞こえが悪いですな。 219 00:14:35,508 --> 00:14:38,511 (2人)うん? 220 00:14:38,511 --> 00:14:40,513 近衛兵 か…。 221 00:14:40,513 --> 00:14:44,016 うわさによると 皇女殿下が 視察にいらっしゃるとか。 222 00:14:44,016 --> 00:14:46,018 それはまた…。 223 00:14:46,018 --> 00:14:49,355 やっぱり隊長も きな臭いと お感じになりますかい? 224 00:14:49,355 --> 00:14:53,526 子爵が帝都から連れてきた と見るべきだろうね。 225 00:14:53,526 --> 00:14:57,196 さてさて 何を吹き込まれたのやら…。 226 00:14:57,196 --> 00:14:59,198 (バノス)そんでも うちの国の姫殿下は➡ 227 00:14:59,198 --> 00:15:02,135 すこぶる頭が およろしいと 聞きましたがね。 228 00:15:02,135 --> 00:15:06,139 「こうあってほしい」というとおり には 絶対ならないものだ。 229 00:15:06,139 --> 00:15:11,144 そいつはまた悲観的な…。 どこの哲学者のお言葉で? 230 00:15:11,144 --> 00:15:14,647 (ディオン)僕だよ。 231 00:15:14,647 --> 00:15:17,817 あっ…! あぁ…。 232 00:15:17,817 --> 00:15:19,819 うん? 233 00:15:19,819 --> 00:15:24,323 あ… うぅ…。 234 00:15:24,323 --> 00:15:28,027 ひぇええぇ~っ! 235 00:15:29,996 --> 00:15:32,665 ミーア様! 大丈夫ですか? ミーア様! 236 00:15:32,665 --> 00:15:35,568 ミーア様…! 237 00:15:37,837 --> 00:15:40,506 ⦅あなたのわがままによって 始まった➡ 238 00:15:40,506 --> 00:15:44,343 「セイレントの森」での ルールー族との紛争…。 239 00:15:44,343 --> 00:15:47,847 あの戦いで僕の部下は全滅した! 240 00:15:47,847 --> 00:15:50,349 僕はあなたを許さない!⦆ 241 00:15:52,351 --> 00:15:55,188 キャ~ッ! ハァハァハァ…。 242 00:15:55,188 --> 00:15:58,191 ミーア様! ご気分はいかがですか? 243 00:15:58,191 --> 00:16:03,296 ちょっと暑さにやられただけ… ですわ。 もう大丈夫。 244 00:16:03,296 --> 00:16:07,466 お初にお目にかかります。 僕は ディオン・アライア。 245 00:16:07,466 --> 00:16:10,970 この地に派遣された帝国軍の 指揮を執っています。 246 00:16:10,970 --> 00:16:13,139 《お初ではありませんわ…。 247 00:16:13,139 --> 00:16:16,642 よくも わたくしの首を はねてくれましたわね》 248 00:16:16,642 --> 00:16:20,646 僕の顔に何か? なな… なんでもありませんわ。 249 00:16:20,646 --> 00:16:24,150 こちらの方が熊のようで 怖かっただけですわ。 250 00:16:24,150 --> 00:16:26,819 ガハハハ! 熊ですかい? う~。 251 00:16:26,819 --> 00:16:30,990 ミーア様 ディオン隊長と共に 森の視察へ行ってきてください。 252 00:16:30,990 --> 00:16:32,992 はへ? 253 00:16:32,992 --> 00:16:36,329 近衛兵も同行させますので。 あぁ…。 254 00:16:36,329 --> 00:16:38,497 《オ… オホホホ まったくもう➡ 255 00:16:38,497 --> 00:16:40,666 何を言ってるのかしら このメガネ》 256 00:16:40,666 --> 00:16:44,337 勝手に話を進められても困るよ ルードヴィッヒ殿。 257 00:16:44,337 --> 00:16:48,007 《ええ そうですとも。 もっと言っておやりなさい》 258 00:16:48,007 --> 00:16:50,343 近衛兵の鎧が目立ちすぎる。 259 00:16:50,343 --> 00:16:53,012 ルールー族を刺激して 戦闘が始まったら➡ 260 00:16:53,012 --> 00:16:57,516 責任取れるんですか? ええ リスクは承知です。 261 00:16:57,516 --> 00:16:59,852 しかし そのリスクを負ってでも➡ 262 00:16:59,852 --> 00:17:02,455 秘密裏に ミーア様に 行っていただいたほうが➡ 263 00:17:02,455 --> 00:17:05,291 森の状況を把握できるはずです。 264 00:17:05,291 --> 00:17:08,961 《それだけ姫殿下に 心酔しているということか…》 265 00:17:08,961 --> 00:17:12,798 あの お二人とも なんの話を…? 266 00:17:12,798 --> 00:17:16,969 う~ん まあ そういうことなら しかたない… かな。 267 00:17:16,969 --> 00:17:19,138 へっ? では そういうことで➡ 268 00:17:19,138 --> 00:17:21,474 よろしいですね ミーア姫。 えっ えっ えっ? 269 00:17:21,474 --> 00:17:24,810 《ぜんっぜん よろしくないですわ!》 270 00:17:24,810 --> 00:17:26,979 は~。 271 00:17:26,979 --> 00:17:29,315 大丈夫ですかい? 姫様。 272 00:17:29,315 --> 00:17:31,317 えっ? ええ! 273 00:17:31,317 --> 00:17:34,487 はぁ… そもそも ここに➡ 274 00:17:34,487 --> 00:17:38,157 兵を駐屯させておく必要が あるのかしら? 275 00:17:38,157 --> 00:17:40,493 ないですね むしろ ここにいるだけで➡ 276 00:17:40,493 --> 00:17:44,330 戦闘になる危険が高まると 思いますよ。 でしたら…。 277 00:17:44,330 --> 00:17:48,334 あいにくと 僕らは命令を受けて 来てるだけですから。 278 00:17:48,334 --> 00:17:50,336 引いたほうがいいと わかっていても➡ 279 00:17:50,336 --> 00:17:53,172 理由がないと動けないんですよ。 280 00:17:53,172 --> 00:17:56,175 兵を引く理由…。 281 00:17:59,679 --> 00:18:02,281 う~ん… あの ここは? 282 00:18:02,281 --> 00:18:05,117 ここはもう森の中 最前線ですよ。 283 00:18:05,117 --> 00:18:07,119 さっ 最前線!? 284 00:18:07,119 --> 00:18:10,289 どうぞ不用意に森のものに 手を触れないでください。 285 00:18:10,289 --> 00:18:14,126 えっ? 彼らにとって この森の木は大切な財産。 286 00:18:14,126 --> 00:18:16,295 それを粗末に扱ったら…。 287 00:18:16,295 --> 00:18:20,299 も… もう結構ですわ。 早く町に帰り…。 288 00:18:20,299 --> 00:18:23,302 うわ~! うっ…。 289 00:18:23,302 --> 00:18:26,138 姫殿下! 大丈夫ですか? おケガは? 290 00:18:26,138 --> 00:18:28,474 気をつけてくださいよ 姫殿下。 291 00:18:28,474 --> 00:18:31,644 こんなところに 根っこが 出てるのが悪いんですわ。 292 00:18:31,644 --> 00:18:33,980 あ…。 293 00:18:33,980 --> 00:18:37,149 そうですわ この木が悪いんですわ この木が…。 294 00:18:37,149 --> 00:18:41,654 姫殿下? 生意気な木ですわ! 295 00:18:43,990 --> 00:18:46,292 うっ… ぐ…。 296 00:18:49,829 --> 00:18:51,831 う… あぁ… キャッ…。 297 00:18:53,833 --> 00:18:56,836 下がるぞ! 森の外へ退避する! 298 00:18:59,171 --> 00:19:01,774 僭越ながら ぶっ殺しますよ 姫様! 299 00:19:01,774 --> 00:19:03,776 ひっ ひいっ! 300 00:19:03,776 --> 00:19:07,279 言いましたよね!? 不用意に 森のものに触れるなって。 301 00:19:07,279 --> 00:19:09,949 に… にに… 逃げますわよ! 302 00:19:09,949 --> 00:19:13,119 (ディオン)言われなくても すぐに 駐屯地までお連れしますよ! 303 00:19:13,119 --> 00:19:15,287 ま… 町までですわ! 304 00:19:15,287 --> 00:19:19,125 子爵邸まで下がらなければ 安心などできませんわ! 305 00:19:19,125 --> 00:19:22,628 ならば どうぞ! 近衛兵の方と お下がりください。 306 00:19:22,628 --> 00:19:24,630 護衛に 一部隊をつけますよ。 307 00:19:24,630 --> 00:19:27,133 いいえ… 全軍ですわ! 308 00:19:27,133 --> 00:19:29,135 えっ? 309 00:19:34,306 --> 00:19:37,977 (ディオン)ハァハァ… 危ないところでした。 310 00:19:37,977 --> 00:19:41,647 命令です! すべての兵をもって わたくしを護衛し➡ 311 00:19:41,647 --> 00:19:44,483 町まで戻りなさい! ああ…。 312 00:19:44,483 --> 00:19:47,987 軍を動かすには いろいろと 時間がかかるものなんですよ。 313 00:19:47,987 --> 00:19:51,590 わたくしの護衛以上に 大切なことがございますの!? 314 00:19:54,160 --> 00:19:56,162 ご命令とあればしかたない。 315 00:19:56,162 --> 00:19:58,664 た… 隊長? 316 00:19:58,664 --> 00:20:02,835 全軍に伝えよ! 栄えある 皇女殿下の護衛にふさわしく➡ 317 00:20:02,835 --> 00:20:06,839 一糸も乱れぬ隊列にて 町まで転進する! 318 00:20:06,839 --> 00:20:08,841 ああ…。 319 00:20:08,841 --> 00:20:12,511 (ベルマン)姫殿下! なんということを してくださったのですか! 320 00:20:12,511 --> 00:20:14,847 これで もし現場に 混乱が起きたら…。 321 00:20:14,847 --> 00:20:19,351 あら? では子爵は わたくしの 護衛が ものの数人でいいと➡ 322 00:20:19,351 --> 00:20:21,353 そう おっしゃいますの? 323 00:20:21,353 --> 00:20:24,356 い… いえ あ… 決して そのようなことは…。 324 00:20:24,356 --> 00:20:26,525 ああ それと あの土地のことで➡ 325 00:20:26,525 --> 00:20:29,195 お父様と相談したいことが できましたので➡ 326 00:20:29,195 --> 00:20:33,199 しばし木々の伐採や 軍を動かす ことを控えていただきますわ! 327 00:20:33,199 --> 00:20:35,201 なっ… バカな! 328 00:20:35,201 --> 00:20:40,706 では そういうことなので よろしくお願いしますわ。 フフフ。 329 00:20:40,706 --> 00:20:43,876 (ディオン)やっと兵士全員の 受け入れ先を確保できたか。 330 00:20:43,876 --> 00:20:47,379 なかなか大変でしたな。 331 00:20:47,379 --> 00:20:51,217 失礼します! ディオン百人隊長! うん? 332 00:20:51,217 --> 00:20:55,387 この度は 我々の姫殿下が 大変なご迷惑を…。 333 00:20:55,387 --> 00:20:58,224 姫殿下には助けていただいたと 思ってるよ。 334 00:20:58,224 --> 00:21:01,494 えっ? あの それはどういう…? 335 00:21:01,494 --> 00:21:03,996 わからない? あれはブラフだよ。 336 00:21:03,996 --> 00:21:07,166 ブラフ? つまり わざと 木を蹴っ飛ばして➡ 337 00:21:07,166 --> 00:21:12,171 全軍撤退する口実をつくった っていうんですかい? はは~。 338 00:21:12,171 --> 00:21:15,174 で… わかってるよね 君。 えっ? 339 00:21:15,174 --> 00:21:20,679 ミーア姫殿下の思惑 君次第では 台なしになるってこと。 340 00:21:20,679 --> 00:21:23,516 ルールー族が矢を放ってきたなんて 聞いたら➡ 341 00:21:23,516 --> 00:21:26,519 皇帝陛下も 黙ってはいられないだろう? 342 00:21:26,519 --> 00:21:30,689 だから あの森のことは 他言無用でなければならない…。 343 00:21:30,689 --> 00:21:34,527 はっ はい! それはもちろん! 344 00:21:34,527 --> 00:21:40,032 ふぅ… なんで僕がミーア姫の 弁護なんかしてるんだろう…。 345 00:21:40,032 --> 00:21:42,701 はあ… 疲れましたわ。 346 00:21:42,701 --> 00:21:46,205 今日はこのまま ゆっくり休みたいですわ。 347 00:21:46,205 --> 00:21:50,376 あれ? ミーア様 かんざしは どうされたんですか? 348 00:21:50,376 --> 00:21:55,548 えっ? あら? ホントですわ。 変ですわね。 349 00:21:55,548 --> 00:21:57,550 う~ん… えっ!? 350 00:21:59,552 --> 00:22:04,990 はわわわ…! よりによって ルールー族由来の品を あの森に…! 351 00:22:04,990 --> 00:22:08,327 ミーア様? 《何が革命の種になるか➡ 352 00:22:08,327 --> 00:22:11,163 わかったものではありませんわ》 (ギロちん)ドドドドドドド…。 353 00:22:11,163 --> 00:22:14,567 取り戻しに 行かねばなりませんわ!