1 00:00:15,969 --> 00:00:17,971 (オルファンス)はぁ…。 2 00:00:17,971 --> 00:00:20,641 んん…。 (ドアを開く音) 3 00:00:20,641 --> 00:00:22,976 (グランツ)本日の政務 お疲れ様でございました。 4 00:00:22,976 --> 00:00:24,976 おっ。 5 00:00:26,980 --> 00:00:29,983 おお グランツ 茶を淹れよう。 6 00:00:29,983 --> 00:00:32,986 (グランツ)ご一緒させていただきます 陛下。 7 00:00:32,986 --> 00:00:37,157 固いぞ 国王と宰相ではなく 8 00:00:37,157 --> 00:00:39,660 今は 友として語らせてくれ。 9 00:00:39,660 --> 00:00:43,330 (グランツ)承知した オルファンス。 10 00:00:43,330 --> 00:00:45,833 フッ… んっ…。 11 00:00:45,833 --> 00:00:47,835 あぁ…。 12 00:00:47,835 --> 00:00:51,839 また アニスフィア王女のことで 悩んでいるのか? 13 00:00:51,839 --> 00:00:54,339 悩まなかったことなど ないわい! 14 00:00:58,345 --> 00:01:01,849 お前のユフィリアよりも 2つも上だというのに 15 00:01:01,849 --> 00:01:05,352 あの うつけ者は 落ち着く気配すら見えん…。 16 00:01:05,352 --> 00:01:09,356 落ち着いたら それはもう アニスフィア王女ではない。 17 00:01:09,356 --> 00:01:13,127 魔学の研究成果は 出しているのだろう? 18 00:01:13,127 --> 00:01:17,464 (オルファンス)研究以外の面倒ごとまで 作り上げる才能がありすぎるわ。 19 00:01:17,464 --> 00:01:20,467 親の気苦労は 絶えないな。 20 00:01:20,467 --> 00:01:23,804 はぁ 最近は息子の方まで 21 00:01:23,804 --> 00:01:25,804 問題が出てきたようだしのう…。 22 00:01:27,975 --> 00:01:30,144 シアン男爵令嬢の件か? 23 00:01:30,144 --> 00:01:32,980 んん… アルガルドのヤツめ…。 24 00:01:32,980 --> 00:01:37,317 次期国王としての 節度がなさすぎる。 25 00:01:37,317 --> 00:01:40,821 随分 派手に振る舞っているようだ。 26 00:01:40,821 --> 00:01:43,157 おっ んん…。 27 00:01:43,157 --> 00:01:45,159 すまん グランツ。 28 00:01:45,159 --> 00:01:47,995 王家が無理を言ってかなえた 婚約だったのだが。 29 00:01:47,995 --> 00:01:52,166 婚約者の心をつなぎ止めるのも ユフィリアの務めだ。 30 00:01:52,166 --> 00:01:55,335 次期王妃として よい経験になるだろう。 31 00:01:55,335 --> 00:01:59,006 達観しておるな… しかし。 (乱暴にドアを開ける音) 32 00:01:59,006 --> 00:02:03,343 (アニスフィア)父上! 夜分に ご機嫌麗しゅう…。 33 00:02:03,343 --> 00:02:05,679 このアニスフィア…。 34 00:02:05,679 --> 00:02:08,849 ユフィリア嬢をさらって参りました! 35 00:02:08,849 --> 00:02:11,149 あっ あぁ…。 36 00:03:52,653 --> 00:03:55,322 ハァ… ハァ…。 37 00:03:55,322 --> 00:03:57,324 お前というヤツは 38 00:03:57,324 --> 00:03:59,826 お前というヤツは~! 39 00:03:59,826 --> 00:04:03,163 話を… わけを聞いてくらはい…。 40 00:04:03,163 --> 00:04:07,334 わけじゃと!? 誘拐に どんな弁明があるんじゃ! 41 00:04:07,334 --> 00:04:09,503 魔女箒のテスト飛行中 42 00:04:09,503 --> 00:04:11,438 うっかり 貴族学院の夜会に 43 00:04:11,438 --> 00:04:14,107 飛び入り 参加することになりまして。 44 00:04:14,107 --> 00:04:16,944 別のやらかしまで 出てきたではないか! 45 00:04:16,944 --> 00:04:18,946 このバカ娘ぇ! 46 00:04:18,946 --> 00:04:23,146 アルくんがユフィリア嬢との婚約を 破棄するって言ったんですよ。 47 00:04:25,452 --> 00:04:28,455 はっ? 婚約破棄です。 48 00:04:28,455 --> 00:04:30,958 誰と 誰が? 49 00:04:30,958 --> 00:04:33,458 アルくんとユフィリア嬢が。 50 00:04:35,462 --> 00:04:37,464 あぁ…。 51 00:04:37,464 --> 00:04:40,133 (ユフィリア)事実です。 52 00:04:40,133 --> 00:04:43,971 大変 申し訳ございません。 53 00:04:43,971 --> 00:04:46,640 あぁ あはぁ あぁ…。 54 00:04:46,640 --> 00:04:48,642 あぁ あはっ…。 55 00:04:48,642 --> 00:04:50,978 夜会の場で… 56 00:04:50,978 --> 00:04:53,647 公衆の面前で…。 57 00:04:53,647 --> 00:04:56,316 よりにもよって…。 58 00:04:56,316 --> 00:05:00,821 アルガルドっ いったい どういうつもりだ! 59 00:05:00,821 --> 00:05:02,821 はっ…! 60 00:05:04,992 --> 00:05:07,327 あっ… ユフィリア嬢…。 61 00:05:07,327 --> 00:05:09,329 あぁ…。 62 00:05:09,329 --> 00:05:11,765 すまない グランツ。 63 00:05:11,765 --> 00:05:14,434 私の見立てが甘かった。 64 00:05:14,434 --> 00:05:17,771 いえ ユフィリア。 65 00:05:17,771 --> 00:05:20,941 はっ! (グランツ)お前と王子殿下の仲が 66 00:05:20,941 --> 00:05:23,110 進展していないとは 聞いていた。 67 00:05:23,110 --> 00:05:25,445 はい…。 68 00:05:25,445 --> 00:05:27,447 このようなことになったのは 69 00:05:27,447 --> 00:05:29,783 残念だ…。 70 00:05:29,783 --> 00:05:33,120 申し訳… ありません。 71 00:05:33,120 --> 00:05:35,122 謝罪は 不要だ。 72 00:05:35,122 --> 00:05:37,624 今 お前が 考えなければならないのは 73 00:05:37,624 --> 00:05:39,626 今後の振る舞いだ。 74 00:05:39,626 --> 00:05:42,629 ふっ… どのような処分も…。 75 00:05:42,629 --> 00:05:44,631 あっ…。 76 00:05:44,631 --> 00:05:48,802 はぁ… ユフィリアの今後 か…。 77 00:05:48,802 --> 00:05:51,805 あっ そうです 父上! 78 00:05:51,805 --> 00:05:54,808 そのことで 名案があって来たのです! 79 00:05:54,808 --> 00:05:57,811 名案じゃとぉ? 80 00:05:57,811 --> 00:06:00,147 父上 グランツ公! 81 00:06:00,147 --> 00:06:04,484 わたくしめに ユフィリア嬢をくださいませ! 82 00:06:04,484 --> 00:06:07,154 あぁ…。 んっ…。 おっ…。 83 00:06:07,154 --> 00:06:10,354 私が 全力で幸せにしてみせますっ! 84 00:06:12,259 --> 00:06:15,262 まっ 待て待て待て待てぇ! 85 00:06:15,262 --> 00:06:18,432 貴様は何を ふざけたことを! 86 00:06:18,432 --> 00:06:21,268 いたって真面目ですよ 父上? 87 00:06:21,268 --> 00:06:23,603 真面目の方が 恐ろしいわ! 88 00:06:23,603 --> 00:06:25,772 どっちも ダメじゃないですか。 89 00:06:25,772 --> 00:06:27,774 ダメなのは 貴様だ! 90 00:06:27,774 --> 00:06:29,776 んふふふふ…。 あっ? 91 00:06:29,776 --> 00:06:31,778 つまりですね! 92 00:06:31,778 --> 00:06:35,282 ユフィリア嬢を助手として お招きしたいのです! 93 00:06:35,282 --> 00:06:38,452 私が 助手ですか? 94 00:06:38,452 --> 00:06:40,454 あっ!? 95 00:06:40,454 --> 00:06:42,622 《かっ かわいい…。 96 00:06:42,622 --> 00:06:44,958 仔犬みたいな おめめの可愛さ 97 00:06:44,958 --> 00:06:46,960 もはや 魔法の一種では? 98 00:06:46,960 --> 00:06:49,629 存在が チート…》 (鼓動) 99 00:06:49,629 --> 00:06:52,966 はぁ はっ…。 (オルファンス)んん…。 100 00:06:52,966 --> 00:06:54,968 あっ! んん…。 101 00:06:54,968 --> 00:06:56,970 あっ あっ…。 102 00:06:56,970 --> 00:06:59,306 こっ 今回の問題点は 103 00:06:59,306 --> 00:07:01,475 婚約破棄の正当性ではなく 104 00:07:01,475 --> 00:07:03,643 公の場で宣言されたこと 105 00:07:03,643 --> 00:07:05,645 ですよね? 106 00:07:05,645 --> 00:07:08,148 うむ… 人目に触れた以上 107 00:07:08,148 --> 00:07:10,250 もはや なかったことにはならん。 108 00:07:10,250 --> 00:07:14,588 一度 王家から袖にされてしまった 令嬢を婚約させるとなると 109 00:07:14,588 --> 00:07:16,923 相手が かなり限定されます。 110 00:07:16,923 --> 00:07:18,925 ユフィリアの才覚では 111 00:07:18,925 --> 00:07:22,762 下手に外国へ嫁に 出すわけにもいかぬしな。 112 00:07:22,762 --> 00:07:25,432 なにせ ユフィリア嬢は… 113 00:07:25,432 --> 00:07:27,601 精霊に愛された申し子。 114 00:07:27,601 --> 00:07:30,604 使える魔法属性の 適性数は 115 00:07:30,604 --> 00:07:32,606 歴代一とも言われます。 116 00:07:32,606 --> 00:07:34,608 うむ…。 117 00:07:34,608 --> 00:07:38,445 礼儀作法や 武芸も優秀な天才令嬢! 118 00:07:38,445 --> 00:07:41,281 パレッティア王国の宝! 119 00:07:41,281 --> 00:07:44,618 最の高! うむ? 120 00:07:44,618 --> 00:07:46,786 何より 121 00:07:46,786 --> 00:07:48,786 美人で 可愛い! 122 00:07:51,791 --> 00:07:53,793 あ~… ゴホン ゴホン。 123 00:07:53,793 --> 00:07:56,630 ですが 今回の件によって 124 00:07:56,630 --> 00:07:59,466 令嬢人生に 傷をつけられてしまった。 125 00:07:59,466 --> 00:08:01,466 あっ…。 126 00:08:05,305 --> 00:08:08,475 んっ そこで助手とは つまり 127 00:08:08,475 --> 00:08:10,410 魔学ですか? あっ…。 128 00:08:10,410 --> 00:08:14,247 私の提唱する 魔法科学…。 129 00:08:14,247 --> 00:08:18,752 「魔学」は 新時代の技術だと考えています。 130 00:08:18,752 --> 00:08:21,254 (グランツ)そうですね。 131 00:08:21,254 --> 00:08:24,925 たしかに革新的で 未知の可能性を秘めています。 132 00:08:24,925 --> 00:08:26,927 ですです! 133 00:08:26,927 --> 00:08:28,929 一般に広まれば 134 00:08:28,929 --> 00:08:32,265 国全体に 大きな影響を与えるでしょう。 135 00:08:32,265 --> 00:08:36,937 しかしあなたは 公に喧伝することを控えている。 136 00:08:36,937 --> 00:08:39,606 表舞台に立ちたくないですし 137 00:08:39,606 --> 00:08:42,275 私は研究に 没頭していたいですから。 138 00:08:42,275 --> 00:08:45,111 なるほど つまり…。 139 00:08:45,111 --> 00:08:47,447 あなたは魔学の功績を。 140 00:08:47,447 --> 00:08:49,449 あっ。 141 00:08:49,449 --> 00:08:51,618 そのとおりです グランツ公! 142 00:08:51,618 --> 00:08:53,620 共同研究した成果を 143 00:08:53,620 --> 00:08:55,789 ユフィリア嬢に 発表してもらうことで 144 00:08:55,789 --> 00:08:57,958 名誉挽回するのは どうでしょう! 145 00:08:57,958 --> 00:09:00,293 わっ 私がですか!? 146 00:09:00,293 --> 00:09:02,295 少なくとも 147 00:09:02,295 --> 00:09:05,465 婚約破棄の風評を 打ち消せる話題性はあるかと。 148 00:09:05,465 --> 00:09:07,467 ですよね! 149 00:09:07,467 --> 00:09:09,469 あぁ…。 150 00:09:09,469 --> 00:09:11,905 私が 助手なんて…。 151 00:09:11,905 --> 00:09:15,575 これはね 私にとっても メリットが大きい話なんだ。 152 00:09:15,575 --> 00:09:17,577 おっ? 153 00:09:17,577 --> 00:09:20,580 私って こんなんだから 評判が最悪で 154 00:09:20,580 --> 00:09:22,749 有能な助手なんて 雇えないでしょ? 155 00:09:22,749 --> 00:09:25,418 そんなこと…。 156 00:09:25,418 --> 00:09:28,088 ユフィリア嬢は 最高の人材だし 157 00:09:28,088 --> 00:09:31,258 魔学の宣伝にも うってつけってわけ。 158 00:09:31,258 --> 00:09:35,595 でも それでは アニスフィア様の功績を奪うことに…。 159 00:09:35,595 --> 00:09:37,597 うんん。 160 00:09:37,597 --> 00:09:40,267 私はただ 好きなだけなんだ。 161 00:09:40,267 --> 00:09:43,937 魔学が ですか? そう! 162 00:09:43,937 --> 00:09:46,940 あっ! 今ある 世界を一変させる 163 00:09:46,940 --> 00:09:49,943 夢とロマンに溢れる 新技術! 164 00:09:49,943 --> 00:09:52,445 あっ… あっ! 165 00:09:52,445 --> 00:09:54,614 そして できれば 166 00:09:54,614 --> 00:09:58,618 ユフィリア嬢にも 好きになってもらえたらなって。 167 00:09:58,618 --> 00:10:02,122 あっ! まっ 魔学をですよね? 168 00:10:02,122 --> 00:10:04,124 はっ!? 169 00:10:04,124 --> 00:10:07,460 お前は以前 私にのたまった言葉を 170 00:10:07,460 --> 00:10:09,462 覚えているか? 171 00:10:09,462 --> 00:10:13,800 ああ 王位継承権を 放棄した時の宣言ですか。 172 00:10:13,800 --> 00:10:16,136 お父様? 173 00:10:16,136 --> 00:10:20,473 昔 アニスフィア王女殿下は こう言い放ったのだ…。 174 00:10:20,473 --> 00:10:22,475 ((父上! 175 00:10:22,475 --> 00:10:24,978 んっ どうした? 176 00:10:24,978 --> 00:10:27,647 男性との結婚など ごめんです! 177 00:10:27,647 --> 00:10:31,318 愛でるなら 私は女性を愛でたいです!)) 178 00:10:31,318 --> 00:10:34,487 あれこれ 理屈をつけて 179 00:10:34,487 --> 00:10:41,995 お前は ユフィリアを我が物に したいだけではないのか? 180 00:10:41,995 --> 00:10:44,664 ちっ 違… くないけど 181 00:10:44,664 --> 00:10:48,001 だって 下手に子どもとか 作りたくないし…。 182 00:10:48,001 --> 00:10:50,003 んっ! 183 00:10:50,003 --> 00:10:53,506 お前という ヤツはあぁ~! わあぁ~! 184 00:10:53,506 --> 00:10:57,677 王族の大事な責務を お前というヤツはあぁ~! 185 00:10:57,677 --> 00:10:59,679 痛い 痛い 痛い! 186 00:10:59,679 --> 00:11:02,515 王女の大事な頭が ひしゃげちゃうってぇ~! 187 00:11:02,515 --> 00:11:06,186 お前のねじ曲がった性根には ちょうど良いわ! 188 00:11:06,186 --> 00:11:08,188 魔法も使えないのに 189 00:11:08,188 --> 00:11:10,457 私の血を残しても 意味ないじゃない! 190 00:11:10,457 --> 00:11:12,459 意味の問題ではない! 191 00:11:12,459 --> 00:11:15,295 お前の子を見たいという 親心がわからんのか! 192 00:11:15,295 --> 00:11:19,299 情けなくて涙が出る! 今 私も涙出てます! 193 00:11:19,299 --> 00:11:22,469 どばどば出してます! (オルファンス)それは 涙ではない! 194 00:11:22,469 --> 00:11:24,971 んっ…。 195 00:11:24,971 --> 00:11:28,475 親子とは こういうものか。 196 00:11:28,475 --> 00:11:30,977 あっ お父様? 197 00:11:30,977 --> 00:11:33,477 んっ…。 198 00:11:37,484 --> 00:11:39,484 はっ…。 199 00:11:42,322 --> 00:11:44,657 はっ! んっ…。 200 00:11:44,657 --> 00:11:47,660 あっ…。 201 00:11:47,660 --> 00:11:50,163 あっ…。 202 00:11:50,163 --> 00:11:52,499 はっ! 203 00:11:52,499 --> 00:11:55,502 すまなかったな ユフィリア。 204 00:11:55,502 --> 00:11:57,504 おっ お父様? 205 00:11:57,504 --> 00:12:01,174 グランツが 頭を下げた…。 あぁ…。 206 00:12:01,174 --> 00:12:04,177 お前は マゼンタ公爵家の令嬢として 207 00:12:04,177 --> 00:12:06,679 恥じないように 努力してくれた。 208 00:12:06,679 --> 00:12:11,117 私も父として 背を押すことが 正しいと信じていた。 209 00:12:11,117 --> 00:12:14,120 なっ 何を おっしゃっているのですか? 210 00:12:14,120 --> 00:12:18,291 私はそれが 間違いだったかも しれないと 感じている。 211 00:12:18,291 --> 00:12:20,627 はっ… んっ。 212 00:12:20,627 --> 00:12:24,964 今の私があるのは お父様の教育の賜物です! 213 00:12:24,964 --> 00:12:27,133 すべて 私の責任です。 214 00:12:27,133 --> 00:12:31,304 公爵令嬢として 次期王妃として いたらないばかりに 215 00:12:31,304 --> 00:12:33,807 家名に泥を塗った 愚かな娘の…。 216 00:12:33,807 --> 00:12:35,975 (グランツ)私の娘に。 はっ! 217 00:12:35,975 --> 00:12:38,144 愚か者など いない。 218 00:12:38,144 --> 00:12:40,146 はっ…! 219 00:12:40,146 --> 00:12:42,649 (グランツ)お前は 私の期待によく応えた。 220 00:12:42,649 --> 00:12:44,818 応えすぎるほどに。 221 00:12:44,818 --> 00:12:47,487 お前の意志が そこにあったのかと 222 00:12:47,487 --> 00:12:50,657 今では 疑ってしまう。 223 00:12:50,657 --> 00:12:52,659 おやめください。 224 00:12:52,659 --> 00:12:56,159 私はそんな 大丈夫ですから…。 225 00:13:03,670 --> 00:13:05,672 あっ…。 226 00:13:05,672 --> 00:13:09,008 きっと私は 父親として 227 00:13:09,008 --> 00:13:11,444 人として 不出来なのだろうな。 228 00:13:11,444 --> 00:13:14,447 公爵家のことは 心配しなくていい。 229 00:13:14,447 --> 00:13:16,950 お前の本心ならば 230 00:13:16,950 --> 00:13:19,953 たとえ王が相手でも かなえてみせよう。 231 00:13:19,953 --> 00:13:23,456 ユフィリア…。 232 00:13:23,456 --> 00:13:25,959 王妃になるのは つらいか? 233 00:13:25,959 --> 00:13:27,961 はっ…! 234 00:13:27,961 --> 00:13:30,661 うぅ…。 235 00:13:38,304 --> 00:13:41,804 うっ… んんっ…。 236 00:13:56,155 --> 00:13:59,659 本当に これでよかったのだろうか。 237 00:13:59,659 --> 00:14:03,162 王女の離宮は 身を隠すのに適している。 238 00:14:03,162 --> 00:14:07,500 魔学の共同研究の提案も 一考に値する。 239 00:14:07,500 --> 00:14:10,169 それに…。 240 00:14:10,169 --> 00:14:12,939 (オルファンス)それに? (グランツ)万が一 ユフィリアが 241 00:14:12,939 --> 00:14:14,941 手篭めにされるならば… 242 00:14:14,941 --> 00:14:16,943 それはそれで 悪くあるまい。 243 00:14:16,943 --> 00:14:19,445 グランツ! 冗談だ。 244 00:14:19,445 --> 00:14:23,616 だが アニスフィア王女に ユフィリアをつけておくこと自体 245 00:14:23,616 --> 00:14:25,618 意味が生まれるかもしれない。 246 00:14:25,618 --> 00:14:27,620 なんだと? 247 00:14:27,620 --> 00:14:29,622 (グランツ)次期王位については 248 00:14:29,622 --> 00:14:32,292 まだ道が一つと 決まったわけではないからな。 249 00:14:32,292 --> 00:14:34,294 あっ…! 250 00:14:34,294 --> 00:14:37,630 王の前で宰相が言うことか…。 251 00:14:37,630 --> 00:14:40,967 今は「友」として 語らう時間だと聞いたが? 252 00:14:40,967 --> 00:14:44,137 「あの」アニスフィア王女が国王になる。 253 00:14:44,137 --> 00:14:47,140 そんな夢を見てもいいだろう。 254 00:14:47,140 --> 00:14:50,977 んっ… 私は まったく見たくないがな 255 00:14:50,977 --> 00:14:52,977 そんな悪夢…。 256 00:15:03,323 --> 00:15:05,491 あれ 気になる? あっ! 257 00:15:05,491 --> 00:15:09,329 あれは 火の精霊石を使用した 湯沸かしポット! 258 00:15:09,329 --> 00:15:11,764 アニスフィア様の発明した? 259 00:15:11,764 --> 00:15:14,601 温度を一定に保つように 設定してあるから 260 00:15:14,601 --> 00:15:16,769 すぐに お茶が用意できるんだ! 261 00:15:16,769 --> 00:15:19,439 (イリア)浴場などにも 利用できますし 262 00:15:19,439 --> 00:15:22,839 洗い物の際に 冷たい思いをせずに済みます。 263 00:15:24,944 --> 00:15:27,280 どうぞ ご賞味ください。 264 00:15:27,280 --> 00:15:29,282 んっ…。 265 00:15:29,282 --> 00:15:31,284 なるほど…。 266 00:15:31,284 --> 00:15:34,787 とても美味しいです。 恐れ入ります。 267 00:15:34,787 --> 00:15:39,459 便利ですね 他にも 活用方法が多そうですし。 268 00:15:39,459 --> 00:15:41,961 わかる やっぱり わかる? 269 00:15:41,961 --> 00:15:44,964 わかる人には わかっちゃうのかな? 270 00:15:44,964 --> 00:15:48,301 そうだ せっかくだから 工房においでよ! 271 00:15:48,301 --> 00:15:50,303 えっ? 272 00:15:50,303 --> 00:15:52,305 助手になるんだから 273 00:15:52,305 --> 00:15:55,642 先に見学してもらった方が いいよね。 274 00:15:55,642 --> 00:15:59,145 でも アニスフィア様。 275 00:15:59,145 --> 00:16:01,147 アニスって呼んでいいよ。 276 00:16:01,147 --> 00:16:03,316 あっ 私はユフィって呼ぶね。 277 00:16:03,316 --> 00:16:05,985 もう 知らない仲じゃないもんね! 278 00:16:05,985 --> 00:16:08,988 えっ えっ えっ? 279 00:16:08,988 --> 00:16:12,258 こうなったら 収まらないのが アニス様ですので 280 00:16:12,258 --> 00:16:16,095 悪魔に魅入られたようなものだと 思って諦めてください。 281 00:16:16,095 --> 00:16:18,598 キャ~! 行くよ ユフィ! 282 00:16:18,598 --> 00:16:21,768 アニスフィ… あぁ ちょっ わあぁ~! つかまってて~! 283 00:16:21,768 --> 00:16:23,768 ふぅ…。 284 00:16:29,609 --> 00:16:31,611 ようこそ~ 285 00:16:31,611 --> 00:16:34,614 私の工房へ! 286 00:16:34,614 --> 00:16:36,616 はあぁ~! 287 00:16:36,616 --> 00:16:38,785 見たこともないものが いっぱい。 288 00:16:38,785 --> 00:16:40,953 これ全部 アニスフィ… 289 00:16:40,953 --> 00:16:44,457 んっ アニス様が作られたのですか? 290 00:16:44,457 --> 00:16:47,460 そうだよ ユフィ褒めて! 291 00:16:47,460 --> 00:16:49,796 さっ さすがです。 292 00:16:49,796 --> 00:16:53,132 あまり アニス様を 甘やかさないでください。 293 00:16:53,132 --> 00:16:55,132 はぁ…。 294 00:16:57,804 --> 00:16:59,806 魔道具 自体もですけど 295 00:16:59,806 --> 00:17:03,309 精霊石を利用しようという 発想に驚きます。 296 00:17:03,309 --> 00:17:05,645 あぁ それはね 魔法は 297 00:17:05,645 --> 00:17:07,647 精霊によって 行使されるでしょ? 298 00:17:07,647 --> 00:17:10,917 でも 私は 精霊の気配がわからないから 299 00:17:10,917 --> 00:17:12,919 魔法を使えないんだよね。 300 00:17:12,919 --> 00:17:15,088 そうなんですね…。 301 00:17:15,088 --> 00:17:18,091 だから 精霊の代わりになるものを 302 00:17:18,091 --> 00:17:20,426 どうにかして 考える必要があったんだ。 303 00:17:20,426 --> 00:17:23,262 あぁ… やっぱり 304 00:17:23,262 --> 00:17:25,431 アニス様は すごいです。 305 00:17:25,431 --> 00:17:30,103 私は 魔法も精霊も あって当然のもので 306 00:17:30,103 --> 00:17:33,940 それが「なぜ」なんて 考えたことがありませんでした。 307 00:17:33,940 --> 00:17:36,609 考える必要がないのは いいことだよ。 308 00:17:36,609 --> 00:17:39,278 たくさんの精霊に 適合するユフィは 309 00:17:39,278 --> 00:17:42,115 全属性に適性ありとかいう チートだもんね。 310 00:17:42,115 --> 00:17:44,117 チート? 311 00:17:44,117 --> 00:17:46,953 本当はね… 312 00:17:46,953 --> 00:17:50,289 魔法を使える人がね ちょっとだけね 313 00:17:50,289 --> 00:17:52,291 羨ましくてね。 314 00:17:52,291 --> 00:17:54,293 ええっと…。 315 00:17:54,293 --> 00:17:56,796 魔法を まったく使えない姫様は 316 00:17:56,796 --> 00:18:00,299 王族としては致命的な ポンのコツで いらっしゃいますからね。 317 00:18:00,299 --> 00:18:03,803 むぅっ 不敬 不敬 死刑! 318 00:18:03,803 --> 00:18:06,139 なんてこと言うんだぁ~! あっははは…。 319 00:18:06,139 --> 00:18:10,409 パレッティア王国では 大精霊と 精霊契約を交わした者が 320 00:18:10,409 --> 00:18:13,412 王族や貴族の始祖と 言われているのでしょう? 321 00:18:13,412 --> 00:18:16,582 そうだけど そうだけど! 322 00:18:16,582 --> 00:18:18,918 ゆえに 現在の王侯貴族は 323 00:18:18,918 --> 00:18:21,754 魔法の権威によって 貴族たりえている。 324 00:18:21,754 --> 00:18:23,923 一方 アニス様は…。 325 00:18:23,923 --> 00:18:25,925 でも でもぉ! 326 00:18:25,925 --> 00:18:28,928 魔道具には 魔法以上の可能性が あるんだもん! 327 00:18:28,928 --> 00:18:32,765 《もしも 魔法に準ずる何かが 328 00:18:32,765 --> 00:18:35,935 平民も 自由に使えるようになったら。 329 00:18:35,935 --> 00:18:38,104 権威の失墜を 330 00:18:38,104 --> 00:18:40,439 保守的な貴族が どう感じるか…。 331 00:18:40,439 --> 00:18:42,775 この人は きっと 332 00:18:42,775 --> 00:18:45,945 この国にとっての 劇薬だ》 333 00:18:45,945 --> 00:18:48,447 んっ ユフィリア様? 334 00:18:48,447 --> 00:18:50,449 あっ いえ…。 335 00:18:50,449 --> 00:18:53,953 あぁ… 今日は もう遅いから おしまいだけど 336 00:18:53,953 --> 00:18:56,122 ユフィが ここに来たお祝いに 337 00:18:56,122 --> 00:18:58,124 特注の魔道具を作ってあげる! 338 00:18:58,124 --> 00:19:00,793 私に ですか? 339 00:19:00,793 --> 00:19:03,593 ふふっ 期待しててね! 340 00:19:06,299 --> 00:19:09,635 あっ アニス様 やめてください! 341 00:19:09,635 --> 00:19:12,905 一人じゃ 脱ぎにくいでしょ? 手伝ってあげる。 342 00:19:12,905 --> 00:19:16,576 ちょっ わあぁ~! よっ ほっ! 343 00:19:16,576 --> 00:19:20,413 んっ んん…。 344 00:19:20,413 --> 00:19:23,416 私の寝間着 貸してあげる。 345 00:19:23,416 --> 00:19:26,252 ありがとうございます…。 346 00:19:26,252 --> 00:19:29,552 あっち行っててください。 347 00:19:33,593 --> 00:19:35,595 ふぅ…。 348 00:19:35,595 --> 00:19:39,599 隣においで お嬢さん。 349 00:19:39,599 --> 00:19:43,603 うぅ…。 冗談 何もしない! 350 00:19:43,603 --> 00:19:45,603 んん…。 351 00:19:47,773 --> 00:19:49,773 失礼します…。 352 00:19:52,778 --> 00:19:54,947 今日は 一日お疲れさま。 353 00:19:54,947 --> 00:19:56,949 いろいろ あったけど…。 354 00:19:56,949 --> 00:19:59,118 私と魔学の魅力 355 00:19:59,118 --> 00:20:01,120 伝わってたらいいな。 356 00:20:01,120 --> 00:20:03,456 あっ…。 357 00:20:03,456 --> 00:20:05,458 そうですね 358 00:20:05,458 --> 00:20:08,127 アニス様は 噂どおりの奇天烈な方で。 359 00:20:08,127 --> 00:20:10,129 うっ。 360 00:20:10,129 --> 00:20:12,298 噂以上に 不思議な方でした。 361 00:20:12,298 --> 00:20:14,300 おっ? 362 00:20:14,300 --> 00:20:17,970 あなたは なんなのですか? 363 00:20:17,970 --> 00:20:20,139 何… とは? 364 00:20:20,139 --> 00:20:22,308 今日だけでも わかります。 365 00:20:22,308 --> 00:20:24,477 アニス様は賢くて 366 00:20:24,477 --> 00:20:26,812 大きな夢があって 367 00:20:26,812 --> 00:20:31,317 きっと一人でも 誰より自由に生きていける。 368 00:20:31,317 --> 00:20:33,819 なのに どうして… 369 00:20:33,819 --> 00:20:35,821 助けてくれたのですか? 370 00:20:35,821 --> 00:20:39,825 友人だったわけでもない 私なんかを。 371 00:20:39,825 --> 00:20:42,828 理由は いろいろだよ。 372 00:20:42,828 --> 00:20:44,830 おっ! 373 00:20:44,830 --> 00:20:47,333 個人的な好意もあるし 374 00:20:47,333 --> 00:20:49,335 打算だってある。 375 00:20:49,335 --> 00:20:51,337 けど一番はね 376 00:20:51,337 --> 00:20:53,339 ユフィが完璧だったから。 377 00:20:53,339 --> 00:20:55,341 ええっと? 378 00:20:55,341 --> 00:20:59,679 ユフィは いつだって 冷静に 感情をコントロールしていた。 379 00:20:59,679 --> 00:21:02,848 夜会で あんな目にあっても 380 00:21:02,848 --> 00:21:05,351 まだ強く 正しくあろうとして 381 00:21:05,351 --> 00:21:09,855 まさに完璧な 公爵令嬢。 382 00:21:09,855 --> 00:21:13,459 だからかな 放っておけなくなっちゃった。 383 00:21:13,459 --> 00:21:15,461 意味がわかりません。 384 00:21:15,461 --> 00:21:18,464 完璧だから 放っておけないのですか? 385 00:21:18,464 --> 00:21:20,464 ふひひっ。 386 00:21:22,635 --> 00:21:25,805 自分でちゃんと笑える子なら 好きにすればいいよ。 387 00:21:25,805 --> 00:21:28,474 でも 今のユフィには 388 00:21:28,474 --> 00:21:30,974 それができていない ように見えた。 389 00:21:37,984 --> 00:21:40,319 私が 本当に自由だとしたらね。 390 00:21:40,319 --> 00:21:42,822 そういう不自由な子には 391 00:21:42,822 --> 00:21:45,422 どうしたって 手を伸ばしたくなっちゃうよ。 392 00:21:47,493 --> 00:21:50,830 それだけのことで わざわざ…。 393 00:21:50,830 --> 00:21:52,832 それだけのことが 394 00:21:52,832 --> 00:21:54,932 私には とっても大事なことなんだ。 395 00:21:58,004 --> 00:22:01,173 魔法使いは 誰かを笑顔にするために 396 00:22:01,173 --> 00:22:03,843 魔法を使うものだから。 397 00:22:03,843 --> 00:22:07,013 あっ…。 398 00:22:07,013 --> 00:22:09,015 よく頑張ったね。 399 00:22:09,015 --> 00:22:12,618 今は ゆっくりお休み ユフィ。 400 00:22:12,618 --> 00:22:14,918 はっ んっ…。 401 00:22:18,124 --> 00:22:20,124 おやすみなさい…。