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制作の中心となった Core・idea



idea1:5色の皿

「食材5色健康法」という食材の「赤・黒・白・黄・緑」の5色をバランスよく取り入れるための食器だ。 絵の具の花型のパレットのように1つの器を5つ(5色)に均等に分割し、その中に各色の調理された食材を置いて食べるためのものである。 さらに容器の中には各色ごとにそれに該当する食材の名前やイラストが描かれている。






idea2:食の家計簿

idea1の「健康」な食生活への意識をさらに高め、経済的コストを把握するためではなく、食べることによる「健康へのコスト」を測ろうと考えた。 「健康」とは例えば、加工食品に含まれる「添加物」や近年その健康への悪影響が注目されている「砂糖」や「植物性油脂」「トランス脂肪酸」など 私たちが日常的に摂取している食材の健康的な悪影響やリスクを測るというものだ。  「食の健康コスト」のほか「食の環境コスト」や「社会コスト」をも測れないだろうかと試みた。  「環境コスト」は現代の工業化された食糧生産システムや食糧輸送システムなどに深く根付いており、様々な環境問題として現象化しているものだ。  そのような環境問題(地球温暖化、大気汚染、湖や海の富栄養化など)は私たち人間社会全体に社会問題として深刻化している。  そして、環境悪化を招くことで、私たち社会全体が被るコストが「社会コスト」だ。 しかし、経済コストや健康コストなどの個人的な要素とは異なり、個にも全体にも含まれ、その間に複雑に存在する「環境・社会コスト」を明確に把握し測るはとても困難である。 このような問題点から、環境・社会コストは抽象化された概念でしか扱えなかった。






 






コールド・モックアップ:「食のメタモルフォーゼ」



idea2で取り入れた概念は食を商品として扱うだけでは包括出来ないほどの大きな問題である。 古くから自給自足を基本とした「生きていくための食」は現代(主に先進国)の市場で取引される商品として私たちの認識に映るものになった。 食を商品として見ている価値観そのものが現代の食事事情に関わる問題(健康・環境・社会コストを含む)にあるのだとしたら、私たちは今一度 あるいは多少なりとも食糧に対する見方を改めなければならない。 食材を商品としてだけでなく、もっと視野を広げて見てみるとどうなるだろうか? 例えば、スーパーに置かれている根菜類(人参、さつまいも、じゃがいも など)はある程度市場での売り上げを保証するために定められた形・大きさ・重さ・色(見た目)がある。  しかし、その一定数は定められた枠におさまらない規格外の野菜である。これはたとえ良質であっても商品の均一さを守るため市場から廃棄・排除されるのである。  このような事態を避けるため、発育状態や形状を均一にするための化学薬品・化学肥料などを用いるということが、農業の現場で起こっている。  それは上記の通り、「食材を商品としてしか見ていない」という価値観の現れのように思える。  ロストフードを削減し、より多くの食材を人々の元へ届けるためにも、こうした規格外の食材の扱い方を根っこの部分から改変させていく必要がある。  そのような問題背景もあって私は人が「意図的に食材の形を規格外に変えるアイテム」を作りたいと思った。  例えば根菜類は規格外の形が最も多い野菜の一つだ。これを人間が意図してユニークな形にすることで、規格外野菜に対するネガティヴなイメージを払拭するという狙いだ。  アイテムは野菜の成長の圧力に耐えられる硬い容器になっており、未熟な段階から取り付け、成長とともに容器の形が食材の形に反映されてるような仕組みだ。  ターゲットは家庭菜園者・農業従事者を設定した。






結果と考察

アイデアとしては良いものの、実用性やニーズがほとんどないことからこのまま進めることへの疑問を持った。 機能や性能の問題もあり、中でも、成長した後どうやって、型から取り外すのかについて、打開策が見つけられなかった。 それに、実証するのに時間もかかり、調整を行うことが難しい。 これらの反省点を考慮し、このままでは未完成のまま終わるリスクが大きいと判断し、制作を中断することにした。








テクニカルプロトタイプ1:廃棄食材でつくる消しゴム


「食のメタモルフォーゼ」というコンセプトを元に考えたアイデア。 廃棄商材や食材のもつ繊維・色素などは現在多くの開発の余地があると思われる。 消しゴムもそのうちの一つだと考えた。スーパーに行ってみると、案外「きのこ」や「ブロッコリー」など 消しゴムに似た食感のものもあるし、「パン」は昔消ゴムの代用品として、デッサンなどに使われていたこともある。 消しゴムの成分表を調べると、「油」や「ゴム・プラスチック材料」などを使うことがわかった。 食材での代用が可能かどうか試してみる価値はありそうだ。


制作過程

制作道具

フードブレンダー「クイックセブン」

制作材料

材料1:ブロッコリー・じゃがいも・小麦粉・でんぷん糊(少々)

材料2:エリンギ・かぼちゃ・片栗粉・でんぷん糊(少々)

<材料の選定基準>

・触った感触・おもに弾力などが消しゴムに近いと感じたもの。
・小麦粉、グルテン、糊など、物質の接着剤として働きそうなもの。
・混ぜやすいもの。


結果と考察

上記の材料をフードブレンダーで細かく砕いたり、すりつぶしたものを混ぜたが、それぞれが うまく結合せず、消しゴムらしい弾力とは程遠いものしか作ることができなかった。 加えて、材料の水分量も多く、水を全て取り除いての制作は不可能だった。 あとあとになって気がついたが、「全ての食材は、やがて腐敗する。」この点に関して全く考慮 していなかったこともあり、全くの思い違いと同時に「廃棄食材で作る消しゴム」の制作は中断せざるをえないこととなった。
結果は失敗である






テクニカルプロトタイプ2:ナッツキャンドル・ピーナッツハーバリウム


廃棄食材に消しゴムのような機能性を持たせることに限界を感じ、「見せ方」に焦点を当てて作ろうと考えた。 そこで目についたのが、今流行りの「ハーバリウム」である。ハーバリウムといえば普通は瓶の中にドライフラワーやビーズなどの 装飾品を入れ、シリコンオイルなどを中に流し込んで、標本化したものである。見た目はビビットで美しく、インテリア性もある。 廃棄食材を美しく見せ、観賞用インテリアとして置いてもらうことで、商品としての意味を見出そうと試みた。



制作過程


制作にはグラスと、グラスの容量に十分な量のオイルと素材となる食材を適切な手順で入れ完成した。 ハーバリウム はまずはじめに、食材(ピーナッツ)を隙間を作らないように入れ手から、シリコンオイルを容器いっぱいになるまで流し込んだ。 しかし、意外と隙間が多かったのか、時間が経つと浮いてきてしまって、なんだか不恰好なハーバリウム になってしまった。 透明なキャンドルは、食材(ナッツ・実・ドライフルーツ)と、キャンドルオイルを交互に入れながら配置していった。 キャンドルオイルは流動性がないため、層を作るように、だんだんと入れ他方が、食材も層ができて綺麗に見えた。 しかし、これもハーバリウム 同様に、時間が経つと上に食材が浮いてきてしまうという問題があった。 せっかく層に分けて配置した食材のバランスが大きく崩れ、時間をかけて仕上げたつもりだったが、結局徒労に終わってしまった。

制作材料

アーモンド、クコの実、カボチャの種、クルミ、レーズン、カシューナッツ、ピーナッツ(etc.)







結果と考察


途中からコンセプトは変えず、見せ方を変えようと考えた。 しかし、結局廃棄食材を扱うことは「腐敗」という問題があることから、ハーバリウム にできなかった。 電子レンジで水分を完全に取り除く方法も試したが、あまりに時間がかかることや、煙が大量発生し、火が出る危険性も あったので諦めた。何よりも野菜が焦げてしまって素材として使えなかった。 そこで、ナッツ類や乾燥した実に焦点を当てた。乾燥しているし、形や種類も豊富なので、ハーバリウム の素材に使えると思った。 だが、廃棄食材ではないため、「ただ単に食品を使った、見た目が綺麗なハーバリウム」 で終わってしまったため、これは商品として成立しなかった。
結果は失敗である






テクニカルプロトタイプ3:Peanuts Herbarium & Deodorant


ピーナッツには「消臭効果」がある。これを知ったのは「ピーナッツハーバリウ」を作った時にでた「落花生の殻」 を入れたゴミ箱を捨てようとした時だった。ゴミ箱から悪臭を感じなかったのだ。この出来事から、ピーナッツには 消臭効果があることを知ることができた。 そこで発想したのが、「落花生の殻とピーナッツでできた消臭ハーバリウム」だ。 落花生の殻に「消臭」という機能を持たせ、さらにピーナッツを美しく、ハーバリウムとして作ることで、「インテリア性のある 消臭剤」を作ろうと考えた。

制作過程


ボトル瓶の下部をハーバリウムに、真ん中部分から上部にかけてを落花生の殻にして作った。 プロトタイプ2での失敗もあり、今回はピーナッツが浮かんでこないよう、接着剤をつけて、位置を完全に固定。 その後からオイルを入れて完成させた。 落花生の殻はフードブレンダーで粉状にし、ボトル瓶につめた。 ボトル瓶の口が大きかったので、粉のでる量を調節する蓋を最後に、落花生で作り中に入れた。

制作材料

落花生の殻、ボトル瓶、オイル、ピーナッツ、仕切りビーズ





ムービープロトタイプ




結果と考察

消臭剤としての機能は本格的な商品と比べて劣るものの、インテリア性を持った消臭剤であるということは 変わりないので、問題ない。 全部で2つ制作したが、ハーバリウム部分の配置や、殻の粉の入れ方含め、1回目よりクオリティを高めることができた。 コンセプトである「廃棄食材を使って作る」ということも達成できたし、ようやく成功品を作ることができた。
結果は成功





その他:パッケージ・シールの制作・デザイン


ボトル本体とは別に、商品のデザイン価値向上のためのシールやパッケージ制作を行った。 シールに関してだけは、ラベル用シール紙をプリントした。 パッケージは、デザインしたデータをUVプリンターで出力し、その後からレーザーカッターで、設計した大きさ に切断した。 パケージの紙には「スノーマッド1mm」を使用した。 表面がツルツルとしていたので気に入って選んだが、折り目をつけられるように出力した箇所の表面のコーティングが折り目をつけようとすると剥がれてしまい 、やむおえず、外側の輪郭線の切断以外は自分の手を使って折り曲げ、折り目をつけた。 手による作業だったが、対してズレやシワも残らず、満足のいくパッケージングができた。 こらから紙を加工する時には紙の構造のことも選考基準に加えて考えたい。














完成品:Peanuts Herbarium & Deodorant