--- title: draw.io (diagrams.net) 調査レポート tool_name: draw.io (diagrams.net) tool_reading: ドロー・アイオー / ダイアグラムス・ドット・ネット category: UI/UX/作図 developer: JGraph Ltd official_site: https://app.diagrams.net/ date: '2026-02-25' last_updated: '2026-06-05' tags: - オープンソース - ダイアグラム - ホワイトボード - 作図ツール description: Webブラウザ上で動作する無料の作図ツール。フローチャート、UML、ネットワーク図など多様な図を作成でき、登録不要で利用可能。 quick_summary: has_free_plan: true is_oss: true starting_price: 無料 target_users: - エンジニア - デザイナー - ビジネスパーソン latest_highlight: 2026年5月にメジャーバージョンv30.0.0がリリースされ、GCP3ステンシルやアダプティブカラー機能が追加された update_frequency: 高 evaluation: score: 85 base_score: 70 plus_points: - point: 5 reason: 完全無料で機能制限なく利用可能 - point: 3 reason: 豊富なテンプレートとアイコンライブラリ - point: 3 reason: VS Code拡張機能との連携が強力 - point: 2 reason: アカウント登録不要ですぐに利用開始できる - point: 2 reason: データがサーバーに送信されないためセキュリティが高い minus_points: - point: 0 reason: 目立った欠点なし summary: 無料で高機能かつセキュアな作図ツールの決定版。個人利用から業務利用まで幅広く推奨できる。 links: github: https://github.com/jgraph/drawio deepwiki: https://deepwiki.com/jgraph/drawio documentation: https://www.drawio.com/docs/ relationships: related_tools: - Miro - Scanopy --- # **draw.io (diagrams.net) 調査レポート** ## **1. 基本情報** * **ツール名**: draw.io (diagrams.net) * **ツールの読み方**: ドロー・アイオー / ダイアグラムス・ドット・ネット * **開発元**: JGraph Ltd * **公式サイト**: [https://app.diagrams.net/](https://app.diagrams.net/) * **関連リンク**: * GitHub: [https://github.com/jgraph/drawio](https://github.com/jgraph/drawio) * ドキュメント: [https://www.drawio.com/docs/](https://www.drawio.com/docs/) * 情報サイト: [https://www.drawio.com/](https://www.drawio.com/) * **カテゴリ**: デザインツール * **概要**: Webブラウザ上で動作する無料の作図ツール。フローチャート、UML、ER図、ネットワーク図など多様な図を作成できる。アカウント登録なしで利用でき、作成したデータはGoogle Drive、OneDrive、ローカルデバイスなどに保存可能。 ## **2. 目的と主な利用シーン** * **解決する課題**: * 高価な専用ソフト(Visioなど)を使わずに、高品質な図を作成したい * インストール不要で、どのPCからでも図を編集したい * エンジニア向けの図(UML、構成図)を効率的に作成したい * **想定利用者**: エンジニア、デザイナー、学生、ビジネスパーソン全般 * **利用シーン**: * ソフトウェア設計図(UML、ER図)の作成 * AWS/Azure/GCPなどのクラウド構成図の作成 * 業務フローチャートの作成 * マインドマップや組織図の作成 ## **3. 主要機能** * **豊富な図形ライブラリ**: フローチャート、UML、BPMN、ネットワーク機器(AWS, Azure, GCP, Cisco等)など、多種多様なアイコンが標準で利用可能。新しいGCP3ステンシルなど継続的にアップデートされている。 * **マルチカラーサポート**: 多くのステンシルでカラーの柔軟な変更(マルチカラー機能)がサポートされ、図の表現力が向上している。 * **多様な保存先**: Google Drive, OneDrive, Dropbox, GitHub, GitLab, ローカルデバイスなど、ユーザーが保存先を自由に選択できる。 * **インポート/エクスポート**: XML形式(.drawio)での保存に加え、PNG, JPEG, SVG, PDF, HTML形式でのエクスポートが可能。Visio (.vsdx) ファイルのインポートも対応。 * **VS Code連携**: 非公式だが公式推奨のVS Code拡張機能(hediet.vscode-drawio)を使用することで、エディタ内で直接作図が可能。 * **数式入力**: LaTeX形式での数式入力に対応しており、技術的なドキュメント作成にも適している。 * **レイヤー機能**: PhotoshopやIllustratorのようなレイヤー機能があり、複雑な図の管理が容易。 ## **4. 開始手順・セットアップ** * **前提条件**: * モダンなWebブラウザ(Chrome, Firefox, Edge, Safariなど) * アカウント登録は任意(クラウドストレージ連携時にGoogle/Microsoftアカウント等を使用) * **インストール/導入**: * Web版はインストール不要。ブラウザで [https://app.diagrams.net/](https://app.diagrams.net/) にアクセスするだけ。 * デスクトップ版(Electron製)も提供されており、GitHubからダウンロード可能。 * **初期設定**: * 初回アクセス時に「保存先」を尋ねられる(Device, Google Drive, OneDriveなど)。 * 言語設定(日本語対応済み)。 * **クイックスタート**: 1. [https://app.diagrams.net/](https://app.diagrams.net/) にアクセス。 2. "Create New Diagram" をクリック。 3. "Blank Diagram" またはテンプレートを選択して "Create" をクリック。 4. キャンバスに図形をドラッグ&ドロップして作図開始。 ## **5. 特徴・強み (Pros)** * **完全無料かつオープンソース**: Web版およびデスクトップ版は無料で全機能を利用できる。 * **クライアントサイド処理**: データはサーバーに送信されず、ブラウザ内で処理されるためセキュリティリスクが低い(保存先をローカルにすれば完全にオフラインで完結)。 * **プラットフォーム非依存**: ブラウザさえあればOSを問わず利用可能。 * **エンジニアフレンドリー**: GitHub連携やVS Code拡張機能など、開発フローに組み込みやすい。 ## **6. 弱み・注意点 (Cons)** * **リアルタイムコラボレーションの制限**: Google Drive連携時などは複数人での同時編集が可能だが、Miroなどのホワイトボード専用ツールに比べるとスムーズさに欠ける場合がある。 * **デザインの自由度**: 作図に特化しているため、自由な描画や手書き要素はExcalidrawなどに劣る。 * **Web版のオフライン利用**: PWAとしてインストールするか、デスクトップ版を使わないと完全オフラインでは利用できない(キャッシュがあればある程度は動く)。 ## **7. 料金プラン** | プラン名 | 料金 | 主な特徴 | |---------|------|---------| | **Web / Desktop版** | **無料** | 機能制限なし。保存先はユーザーが管理。 | | **Confluence / Jira Cloud** | 有料 | Atlassian Marketplace経由での契約。企業向けのサポートや統合機能が含まれる。 | | **Confluence / Jira Data Center** | 有料 | オンプレミス環境向けのライセンス。 | * **課金体系**: 基本的に無料。Atlassian製品への統合版のみユーザー数に応じた課金。 * **無料トライアル**: Atlassian版には30日間の無料トライアルあり。 ## **8. 導入実績・事例** * **導入企業**: 世界中の多くの企業、教育機関、個人開発者に利用されている。 * **導入事例**: * オープンソースプロジェクトの設計図作成 * 企業の社内システム構成図のドキュメント化 * 大学での講義資料作成 * **対象業界**: IT業界を中心に全業界。 ## **9. サポート体制** * **ドキュメント**: [公式サイト](https://www.drawio.com/docs/)に詳細なユーザーガイド、チュートリアル、ビデオガイドがある。 * **コミュニティ**: GitHubのIssueやDiscussions、Stack Overflowなどで活発に情報交換が行われている。 * **公式サポート**: Web版(無料ユーザー)向けの個別サポートはないが、GitHub経由でのバグ報告は可能。Atlassian版ユーザーには商用サポートが提供される。 ## **10. エコシステムと連携** ### **10.1 API・外部サービス連携** * **API**: URLパラメータによる制御や、Embedモードによる埋め込みが可能。 * **外部サービス連携**: * **ストレージ**: Google Drive, OneDrive, Dropbox, GitHub, GitLab * **ツール**: Notion(埋め込み), Confluence, Jira, VS Code ### **10.2 技術スタックとの相性** | 技術スタック | 相性 | メリット・推奨理由 | 懸念点・注意点 | |:---|:---:|:---|:---| | **VS Code** | ◎ | 拡張機能でシームレスに編集可能。Git管理と相性が良い。 | ファイルサイズが大きくなると重くなる可能性。 | | **GitHub / GitLab** | ◎ | XMLファイルを直接リポジトリに保存・バージョン管理できる。 | 差分が見にくい(XMLのため)。SVG形式で保存するとプレビュー可能。 | | **Google Workspace** | ◎ | Google Driveに保存することでリアルタイム共同編集が可能。 | Googleアカウントが必要。 | ## **11. セキュリティとコンプライアンス** * **認証**: アプリケーション自体へのログインは不要。保存先(Google Drive等)の認証を利用する。 * **データ管理**: データはブラウザ内(クライアントサイド)で処理され、保存時のみ指定したストレージ(Google Driveやローカル)に書き込まれる。draw.ioのサーバーに作図データが送信・保存されることはない。 * **準拠規格**: Atlassian版についてはISO/IEC 27001などの認証を取得している場合がある(詳細はAtlassian Marketplace参照)。Web版はツール提供のみのため、データのセキュリティは保存先のストレージのセキュリティポリシーに依存する。 ## **12. 操作性 (UI/UX) と学習コスト** * **UI/UX**: Officeソフト(VisioやWord)に似たインターフェースで、直感的に操作できる。ドラッグ&ドロップが基本操作。 * **学習コスト**: 低い。一般的な作図ツールの経験があればすぐに使える。高度な機能(レイヤー、メタデータなど)を使うにはドキュメント参照が必要。 ## **13. ベストプラクティス** * **効果的な活用法 (Modern Practices)**: * **VS Codeで管理**: 設計図をコードと一緒にGitで管理し、VS Code拡張機能で編集する(Diagrams as Codeに近い運用)。 * **SVG形式での保存**: SVGファイルの中にdraw.ioの編集データを埋め込むことができるため、Webブラウザでのプレビューと再編集の両立が可能。 * **陥りやすい罠 (Antipatterns)**: * **巨大な1枚の図**: 動作が重くなるため、適度にページやファイルを分割する。 * **エクスポート画像の直接編集**: PNGなどにエクスポートした後、元のdrawioファイルを捨ててしまうと再編集できない(PNGに編集データを埋め込むオプションもあるが、忘れがち)。 ## **14. ユーザーの声(レビュー分析)** * **調査対象**: G2, Capterra, ITreview, GitHub * **総合評価**: 非常に高い(多くのサイトで4.5/5.0以上) * **ポジティブな評価**: * 「無料でここまでできるのは信じられない」 * 「Visioの代替として十分使える」 * 「登録不要ですぐに使い始められる手軽さが最高」 * **ネガティブな評価 / 改善要望**: * 「線の接続やレイアウトの自動調整がたまに思った通りにいかない」 * 「もっと洗練されたモダンなデザインテンプレートが欲しい」 * **特徴的なユースケース**: * ネットワークエンジニアによる物理配線図の作成 * 学生による論文用の図表作成 ## **15. 直近半年のアップデート情報** * **2026-05-27**: v30.0.4 リリース (GCP3ステンシルの更新など) * **2026-05-26**: v30.0.3 リリース (DOMPurifyのアップグレード、UI改善、マルチカラー対応の拡張など) * **2026-05-09**: v30.0.0 リリース (メジャーリリース: アダプティブカラーのページ設定追加、フローティングウィンドウの状態保持など) * **2026-02-22**: v29.5.2 リリース (バグ修正) * **2026-02-20**: v29.5.1 リリース * **2026-01-28**: v29.3.6 リリース * **2026-01-08**: v29.3.0 リリース (機能改善) * **2025-12-19**: v29.2.9 リリース (出典: [GitHub Releases](https://github.com/jgraph/drawio/blob/master/ChangeLog)) ## **16. 類似ツールとの比較** ### **16.1 機能比較表 (星取表)** | 機能カテゴリ | 機能項目 | draw.io | Miro | Lucidchart | Visio | |:---:|:---|:---:|:---:|:---:|:---:| | **基本機能** | 作図機能 | ◎ | ◯ | ◎ | ◎ | | **コラボレーション** | リアルタイム編集 | ◯
G Drive連携時 | ◎
非常に強力 | ◎ | △ | | **コスト** | 無料プラン | ◎
全機能無料 | △
制限あり | △
制限あり | ×
有料のみ | | **プラットフォーム** | オフライン利用 | ◯
Desktop版 | △
限定的 | △ | ◎ | | **開発者向け** | VS Code連携 | ◎ | × | × | × | | **拡張性** | AI作図/生成支援 | × | ◎
Miro AI搭載 | ◯
Lucid AI搭載 | × | ### **16.2 詳細比較** | ツール名 | 特徴 | 強み | 弱み | 選択肢となるケース | |---------|------|------|------|------------------| | **draw.io** | 無料・高機能・セキュア | 完全無料、登録不要、データ保存先の自由度、VS Code連携 | デザイン性やブレスト用途ではMiroに劣る | コストをかけずに本格的な図を作成したい場合。エンジニアの設計図作成。 | | **Miro** | 無限キャンバス・コラボ | チームでのアイデア出し、ホワイトボード機能、モダンなUI | 作図機能(UMLなど)はdraw.ioやLucidchartほど厳密ではない | チームでのブレインストーミングやワークショップ。 | | **Lucidchart** | 統合型作図ツール | 豊富なテンプレート、データ連携機能、エンタープライズ対応 | 有料プランが必要 | 大企業での標準ツールとして導入する場合。 | | **Visio** | 伝統的な作図ツール | Office連携、詳細な制御 | 高価、Windows中心、Web対応が遅れ気味 | 既にMicrosoftエコシステムで統一されている環境。 | ## **17. 総評** * **総合的な評価**: * 無料で利用できる作図ツールとしては間違いなく最高峰。機能、使いやすさ、セキュリティのバランスが取れており、個人利用から業務利用まで幅広く対応できる。特にエンジニアにとっては、GitやVS Codeとの親和性が高く、必須のツールと言える。 * **推奨されるチームやプロジェクト**: * 予算を抑えたいスタートアップや小規模チーム * GitHubでドキュメントを管理している開発チーム * セキュリティ要件が厳しく、データを外部(SaaS側のサーバー)に保存したくないプロジェクト * **選択時のポイント**: * 「とにかく無料で高機能なものがいい」ならdraw.io一択。 * 「チームでわいわいブレストしたい」ならMiro。 * 「既存のVisio資産を活かしたい」ならVisioまたはdraw.io(インポート可能)。