--- title: 静電気力による位置エネルギー category: 電気 --- [静電気力](/content/dict/electric/electrostatic_force/index.md)は保存力であり,重力と同じく位置エネルギーを定義することができる. このエネルギーは,**電位エネルギー**ともよばれる ## 定義 電荷を基準点から特定の点まで静かに運ぶときに,外力が逆らうためにする仕事. 具体的には,電荷 $q \text{ [C]}$ を,電場が存在する空間内で移動させることを考える. - **基準点**:位置エネルギーが $0 \text{ [J]}$ となる点(通常は**無限遠点**、または接地された地球など). $$ U = W_{\text{外力}} = -W_{\text{静電気力}} $$ ### 一様な電場中での位置エネルギー 強さが一定の電場 $E \text{ [V/m]}$ が作られている空間の場合. 電場の向きに沿って $x$ 軸をとると,電荷 $q$ に働く静電気力は一定で $F = qE$ となる. 電場の向きと逆向きに距離 $d \text{ [m]}$ だけ静かに運ぶときの位置エネルギーとして考え,以下のようになる. $$ U = qEd $$ ### 点電荷が作る電場の中での位置エネルギー 点電荷 $Q \text{ [C]}$ が作る電場の中に,別の電荷 $q \text{ [C]}$ を置く場合. 静電気力(クーロン力)の大きさは距離 $r$ によって変わるため($F = k \frac{\vert{}Qq\vert{}}{r^2}$),基準点を無限遠点($r = \infty$)にとり,積分を用いて計算する. ここで無限遠点から距離 $r$ の位置まで外力がする仕事を計算すると, $$ U = k \frac{Qq}{r} $$ * $k$:クーロンの法則の比例定数(真空では $k_0 \approx 8.99 \times 10^9 \text{ N}\cdot\text{m}^2/\text{C}^2$) * $Q, q$:各電荷の電気量(符号も含む) * $r$:2つの電荷間の距離 #### 電荷の符号による違い * **同種の電荷($Qq > 0$)**:斥力(退け合う力)が働くため,近づけるほど位置エネルギー $U$ は高くなる. * **異種の電荷($Qq < 0$)**:引力(引き合う力)が働くため、近づけるほど位置エネルギー $U$ は低くなる. ### 電位との関係 [電位 $V$ ](/content/dict/electric/potential/index.md)の定義により, $$ U = qV $$