--- name: comment-code description: > コードにコメント・ドキュメンテーションコメントを追加・補強する。「コメント追加して」「コメント書いて」 「コメントを補強して」「JSDoc 付けて」「docstring 付けて」「ドキュメンテーションコメント付けて」で使用。 パッケージ・サービス視点での役割境界、呼び出し元・呼び出し先の前提と契約、他ファイル・他サービスからの 文脈を「その場で読める」形で残す。コード自体は変更しない(実装変更は implement-issue へ)。 詳細規約は code-comment-style、コミット作成は create-commit、CLAUDE.md 同期は update-docs を参照。 model: sonnet user-invocable: true argument-hint: "<対象ファイルまたはディレクトリ> [--lang <言語>]" --- # comment-code コードにコメント・ドキュメンテーションコメントを追加・補強する。コードの実装は変更せず、役割の境界・呼び出し元の前提・返値の契約・他所との依存を「その場で読める」形で記述することが目的。 ## 使い方 ``` comment-code <対象ファイルまたはディレクトリ> [--lang <言語>] ``` 引数を省略した場合は `git diff HEAD` の差分ファイルを対象とする。 `--lang` を指定するとドキュメンテーションコメントの形式(JSDoc / docstring / rustdoc 等)を優先言語として扱う。指定がない場合は拡張子から自動判定する。 ## 前提条件 - 対象ファイルが読み取り可能な状態であること - Git リポジトリ内であること(引数省略時に `git diff HEAD` を使用するため) ## フロー ### Step 1: 対象ファイルを特定する 引数が指定された場合はそのファイル・ディレクトリを対象にする。 ```bash # 引数なしの場合: 直近の差分ファイルを列挙(staged / unstaged 両方を HEAD と比較) git diff HEAD --name-only # untracked(新規未追跡)ファイルも対象にしたい場合 git ls-files --others --exclude-standard ``` 対象が空(変更なし・引数なし)の場合はユーザーに対象を確認する。 ### Step 2: 対象の役割をコードベースから調査する **このステップが最も重要。** ファイル単体だけを見るのではなく、システム全体の中での位置づけを把握する。 #### 2-1: 呼び出し元を調査する 対象ファイルが公開するシンボル(関数・クラス・型・定数)をコードベース全体で検索し、どのレイヤー・どのサービスから呼ばれているかを把握する。 ```bash # シンボル名で呼び出し元を検索(例: exportされる関数名) grep -rn "対象シンボル名" --include="*.ts" --include="*.js" . ``` #### 2-2: import・依存関係を確認する 対象ファイルが依存している外部モジュール・サービス・設定を把握する。 ```bash # import 文の一覧 grep -n "^import\|^from\|require(" 対象ファイル ``` #### 2-3: パッケージ・サービス境界を確認する - `package.json`・`go.mod`・`Cargo.toml` 等でパッケージ名・公開 API を確認する - サービス間通信(HTTP クライアント・イベント発行・メッセージキュー)が含まれる場合は接続先を特定する - 認証・認可のミドルウェアやセッション管理と対象の関係を確認する #### 2-4: 既存コメントスタイルを確認する 同じファイル・同じパッケージ内の既存コメントを読み、スタイル(JSDoc / docstring / rustdoc 等)・言語(日本語/英語)を把握する。 ### Step 3: コメントを追加・補強する Step 2 で把握した「他ファイル・他サービスからの観点」をコメントとして書き込む。 #### コメントスタイルの規約(中心思想) 対象リポジトリに `.claude/rules/code-comment-style.md` が存在する場合はそちらを優先して従う。存在しない場合は以下の要点に従う。 **書くべき内容:** | 観点 | 書く内容 | |------|---------| | 役割・責務の境界 | 「このモジュールは〜サービスの〜境界を担う」「〜パッケージの公開インターフェースとして機能する」 | | 呼び出し元の文脈 | どのレイヤー・どのサービスから呼ばれるか。呼び出し元が前提とする状態・権限 | | 呼び出し先との契約 | 何を保証して返すか。エラー・例外の条件とその意味(null を返すのか例外を投げるのか等) | | 他ファイル・他サービスとの依存 | 読み手がファイルを跨がないと見つけられない外部依存・設定・共有状態 | | 非自明な制約・背景・why | なぜその実装になっているか。背景・制約・契約・仕様上の制限 | **書かないもの:** - シグネチャ・型から自明な逐語的説明(what の言い換え) - 実装と乖離して陳腐化しやすい重複情報 - 解決済みの経緯だけを残したコメント #### ドキュメンテーションコメント(言語別慣習) 言語の慣習に従った形式を使用する: - TypeScript / JavaScript: JSDoc (`/** ... */`) - Python: docstring (`"""..."""`) - Rust: `///` (アイテム) / `//!` (モジュール) - Go: `// FuncName ...` 形式 - Java / Kotlin: Javadoc (`/** ... */`) - その他: 言語公式ドキュメントの慣習に従う 先頭の要約行に「役割・境界」を書き、本文に呼び出し元・呼び出し先の文脈・非自明な制約を追記する。 #### インラインコメント why(なぜその実装か)を書く。what はコードが示している。制約・背景・仕様上の都合は該当行またはブロックの直前に書く。参照すべき外部情報(Issue 番号・仕様書 URL)は積極的に記載する。 #### 良い例・悪い例 悪い例(what の逐語的な言い換え): ```typescript /** * ユーザーIDを受け取り、ユーザー情報を返す。 * @param userId ユーザーID * @returns ユーザー情報 */ function getUser(userId: string): User | null { ... } ``` 良い例(役割と他所からの観点を含む): ```typescript /** * 認証レイヤーの公開インターフェース。API ハンドラーから呼ばれ、 * セッション検証済みの呼び出しのみを前提とする(未認証は上流ミドルウェアで遮断)。 * * UserRepository に委譲し、DB から取得した値を返す。 * 存在しない場合は null を返す(例外は投げない)—— * 呼び出し元は null チェックを必ず行うこと。 * * 注: soft delete されたユーザーも null として扱う(仕様: issue #142)。 */ function getUser(userId: string): User | null { ... } ``` ### Step 4: 自己チェックを行う 追加・補強したコメントを以下の観点でレビューする。 #### 内容の正確性 - [ ] 自明な逐語的説明・what の言い換えになっていないか - [ ] 実装と乖離した内容を書いていないか(シグネチャと矛盾しないか) - [ ] Step 2 の調査結果(呼び出し元・依存関係)が正しくコメントに反映されているか #### セキュリティ(必須チェック) - [ ] コメントにAPIキー・トークン・パスワード等の秘密情報を書いていないか - [ ] コメントに個人情報(PII)を直接記載していないか(ユーザーIDの例示等) - [ ] 認証・認可の前提条件を誤解を招く形で記述していないか(「認証不要」等の誤記) - [ ] セキュリティ上の制約・権限の前提は明確かつ正確に記述されているか 上記チェックで問題が見つかった場合は、コメント内容を修正してから次に進む。 #### 日本語スタイル - [ ] 常体(だ・である調)で記述されているか - [ ] コマンド・識別子・ファイル名は英語のまま(翻訳しない) - [ ] 絵文字の多用がないか ### Step 5: 差分を提示して報告する 変更内容を差分形式で提示し、以下の形式でレポートする。 ``` ## comment-code 完了報告 ### 対象ファイル - `path/to/file.ts`(追加: N 件、補強: M 件) ### 追加したコメントの観点 - 呼び出し元: [どこから呼ばれるかを明記した箇所] - 呼び出し先との契約: [返値・エラー条件を明記した箇所] - 非自明な制約・背景: [why を記述した箇所] ### セキュリティチェック - 結果: ✅ 問題なし / ⚠️ 警告あり(詳細) ### 次のアクション - コミットする場合: create-commit スキルを使用 - CLAUDE.md を更新する場合: update-docs スキルを使用 ``` コミットは `create-commit` スキルへ委譲する(このスキル自身はコミットを行わない)。 ## 検証 コメント追加後、以下で確認する。 ```bash git diff HEAD ``` - コードのロジック(関数本体・制御フロー)が変更されていないこと - 追加したコメントが実装と矛盾していないこと - Step 4 の自己チェックリストがすべて通過していること ## よくある失敗 | 問題 | 回避策 | |------|--------| | シグネチャ・型から自明な内容を逐語的に書く(what の言い換え) | 「なぜその実装か」「呼び出し元の前提」など自明でない情報のみ書く | | 呼び出し元を調査せず推測でコメントを書く | Step 2 で必ず grep で呼び出し元を確認してから記述する | | コメントにシークレット・個人情報を混入する | Step 4 のセキュリティチェックで秘密情報・PII がないことを確認する | | コードのロジックを「整理しながら」変更してしまう | 実装変更が必要な箇所はコメントで TODO を残し、`implement-issue` へ誘導する | ## 注意事項 - **コードのロジックは変更しない** — コメントの追加・補強のみ行う。実装に問題があると判断した場合は `implement-issue` スキルへ誘導する - **コメントは実装と同期させる** — 既存コメントが実装と乖離している場合は修正する(乖離したコメントは正確なコメントより有害) - **詳細規約は対象リポジトリに従う** — `.claude/rules/code-comment-style.md` が存在する場合はそちらを優先する。本スキルの Step 3 の要点はそのファイルが未配備の場合のフォールバックとして機能する - **AI エージェントも読み手と想定する** — 「他のファイルを参照すれば分かる」は通用しないと想定して書く。Claude 等のエージェントはコメントを主要な文脈源として使用する - `--no-verify` など pre-commit フック回避は禁止。コミット時にフックが失敗した場合は原因を調査・修正してから再実行する