--- name: reader-test description: 完成した文書を、執筆コンテキストを持たないサブエージェントに読ませて盲点(未定義の略語・暗黙の前提・論理の飛躍・再現不能な手順)を洗い出す。ADR・README・ナレッジ・提案書の仕上げ段階、人間レビューに回す直前に使う。「読者テストして」「盲点チェック」「fresh-eyes レビュー」等で起動。 --- # reader-test — 執筆コンテキストを持たない読者による文書検証 anthropics/skills の doc-coauthoring が持つ Stage 3(読者テスト)を単体スキルとして切り出したもの。 共同執筆のプロセスを経ていない文書(既に書き上がった ADR・README・ナレッジ)にも適用できる。 正典は agentic-coding リポの `skills/reader-test/` で版管理し、`~/.claude/skills/reader-test/` にはそのコピーを置く。 ## 原理 執筆者と同じコンテキストを持つレビュアーは、執筆者と同じ盲点を共有する。 だから検証者は、執筆の経緯・会話履歴・リポジトリ知識を一切持たない別プロセスにする。 生成と検証の分離(pptx スキルの QA サブエージェント、webapp-testing の E2E と同じ原則)の文書版。 実測の裏付けがある(Cross-Context Review、arXiv:2603.12123、2026-03)。 注入誤り 150 件の検出率(F1)は、履歴なしの fresh session 28.6%、自己レビュー 24.6%、**親の文脈を渡したサブエージェント 23.8%**。 サブエージェントを使っても親のコンテキストを渡した時点で自己レビュー以下に落ちる。 また同一セッションでレビューを 2 回繰り返しても改善しない(p=0.11)。 効果の源泉は反復ではなくコンテキスト分離そのもの。 ## 手順 ### 1. 読者プロファイルを確定する 検証の基準になるため、先にユーザーと合意する。 - 誰が読むか(新規メンバー / 他チーム / 経営層 / 外部) - その読者が持っている前提知識(社内用語は通じるか、技術スタックは既知か) - 読了後にとるべき行動(承認する / 手順を実行する / 意思決定する) ### 2. サブエージェントに文書だけを渡す Task ツール(subagent)で検証者を起動する。 **執筆の経緯・このセッションの会話内容・関連ファイルのパスを渡すことは禁止**。 渡してよいのは文書本文と読者プロファイルのみ。 プロンプトテンプレート: ``` あなたはこの文書の想定読者です。プロファイル: {読者プロファイル} 以下の文書を読み、読者として詰まる箇所をすべて挙げてください。 検出対象: 1. 未定義の略語・固有名詞(初出で説明がないもの) 2. 暗黙の前提(読者が知っている保証のない背景知識) 3. 論理の飛躍(前の段落から導けない結論) 4. 手順の再現性(前提環境・事前条件が明記されていない操作) 5. 読了後の行動の不明確さ(結局何をすればよいのか) 各指摘は「行または節の位置 + 詰まった理由 + 修正案」の形式で返してください。 文書に問題がない観点は「問題なし」と明記してください。 --- 文書ここから --- {文書本文} --- 文書ここまで --- ``` ### 3. 指摘をフィルタして反映する - 指摘を鵜呑みにしない。欠陥を探せと指示されたレビュアーは、健全な文書からも何かしら報告する(Anthropic のベストプラクティスが明記する adversarial review の注意点)。読者プロファイル上「既知」でよい前提への指摘は棄却する(棄却理由をユーザーに提示) - 反映は**部分編集**で行う。全体を書き直すとユーザーの表現と過去の推敲が消える - 反映後、指摘が多かった場合(5 件以上)は再テストを 1 回だけ実施する - 終了条件は公式 doc-coauthoring と同じ。「読者が質問に安定して正答し、新しいギャップが出なくなったら完成」 ## 使いどころの判定 | 文書タイプ | 読者テストの価値 | |---|---| | 引き継ぎ資料・オンボーディング | 高。執筆者の暗黙知がそのまま盲点になる | | ADR・技術選定記録 | 高。決定の背景が執筆者の頭の中に残りがち | | 汎用知識ベースの紹介文書 | 低。執筆者固有の文脈が少なく盲点が生まれにくい | | 定型フォーマットの報告書 | 低。フォーマット自体が盲点を防いでいる | ## 併用するスキル - japanese-tech-writing / cognitive-rhythm-writing — 文体の規範。読者テストは内容の欠落を見るもので、文体は見ない - doc-coauthoring(公式)— ゼロから書く場合はこちらの 3 ステージに読者テストが含まれる。本スキルは既存文書への単独適用