const chars = { "イゴール": "igor.png", "マーガレット": "margaret.png", "堂島 遼太郎": "ryotaro_dojima.png", "堂島 菜々子": "nanako_dojima.png", "花村 陽介": "yosuke_hanamura.png", "もう一人の陽介": "yosuke_hanamura_1.png", "里中 千枝": "chie_satonaka.png", "もう一人の千枝": "chie_satonaka_1.png", "天城 雪子": "yukiko_amagi.png", "もう一人の雪子": "yukiko_amagi_1.png", "諸岡 金四郎": "kinshiro_morooka.png", "山野 真由美": "mayumi_yamano.png", "久保 美津雄": "mitsuo_kubo.png", "もう一人の美津雄": "mitsuo_kubo_1.png", "足立 透": "tohru_adachi.png", "もう一人の透": "tohru_adachi_1.png", "小西 早紀": "saki_konishi.png", "クマ": "teddie.png", "もう一人のクマ": "teddie_1.png", "巽 完二": "kanji_tatsumi.png", "もう一人の完二": "kanji_tatsumi_1.png", "白鐘 直斗": "naoto_shirogane.png", "大谷 花子": "hanaka_ohtani.png", "久慈川 りせ": "rise_kujikawa.png", "もう一人のりせ": "rise_kujikawa_1.png", "柏木 典子": "noriko_kashiwagi.png", "もう一人の直斗": "naoto_shirogane_1.png", "生田目 太郎": "taro_namatame.png", "もう一人の生田目": "taro_namatame_1.png", "海老原 あい": "ai_ebihara.png", "一条 廣": "kou_ichijou.png", "長瀬 大輔": "daisuke_nagase.png", "小西 尚紀": "naoki_konishi.png", "黒田 ひさ乃": "hisano_kuroda.png", "上原 小夜子": "uehara_sayoko.png", "中島 秀": "shu_nakajima.png", "小沢 結実": "yumi_ozawa.png", "松永 綾音": "ayane_matsunaga.png", "南 絵里": "eri_minami.png", "キツネ": "kitsune.png", } const script = ` イゴール|ほう…これはまた、変わった定めを お持ちの方がいらしたようだ…フフ。 イゴール|私の名は、イゴール。 …お初にお目にかかります。 イゴール|ここは夢と現実、 精神と物質の狭間にある場所… イゴール|本来は、何かの形で“契約”を 果たされた方のみが訪れる部屋… イゴール|貴方には、近くそうした未来が 待ち受けているのやも知れませんな。 イゴール|どれ…まずは、お名前をうかがっておくと 致しましょうか… イゴール|…ふむ、なるほど。 イゴール|では、貴方の未来について、 少し覗いてみると致しましょう… イゴール|“占い”は、信用されますかな? イゴール|常に同じにカードを操っておるはずが、 まみえる結果は、そのつど変わる… イゴール|フフ、まさに人生のようでございますな。 イゴール|ほう…近い未来を示すのは“塔”の正位置。 どうやら大きな“災難”を被られるようだ。 イゴール|そして、その先の未来を示しますのは… イゴール|“月”の正位置。 イゴール|“迷い”そして“謎”を示すカード… …実に興味深い。 イゴール|貴方は、これから向かう地にて災いを被り、 大きな“謎”を解く事を課せられるようだ。 イゴール|近く、貴方は何らか“契約”を果たされ、 再びこちらへおいでになる事でしょう。 イゴール|今年、運命は節目にあり、もし謎が解かれねば、 貴方の未来は閉ざされてしまうやも知れません。 イゴール|私の役目は、お客人がそうならぬよう、 手助けをさせて頂く事でございます。 |こちらは、マーガレット。 同じくここの住人でございます。 マーガレット|お客様の旅のお供を務めて参ります。 マーガレットと申します。 イゴール|詳しくは追々に致しましょう… イゴール|ではその時まで、ごきげんよう… イゴール|おっと、ご紹介が遅れましたな。 堂島 遼太郎|おーい、こっちだ。 堂島 遼太郎|おう、写真より男前だな。 堂島 遼太郎|ようこそ、稲羽市へ。 お前を預かる事になってる、堂島遼太郎だ。 堂島 遼太郎|ええと、お前のお袋さんの、弟だ。 一応、挨拶しておかなきゃな。 |初めまして |よろしく 堂島 遼太郎|はは、オムツ替えた事もあるんだがな。 堂島 遼太郎|しっかし、大きくなったなー。 ちょっと前までオムツしてたと思ったが… 堂島 遼太郎|はは、さては乗り物酔いか? 堂島 遼太郎|こっちは娘の菜々子だ。 堂島 遼太郎|ほれ、挨拶しろ。 堂島 菜々子|…にちは。 堂島 遼太郎|はは、こいつ、照れてんのか? 堂島 遼太郎|いてっ、はは。 堂島 遼太郎|さぁて…じゃ、行くか。 堂島 遼太郎|車、こっちだ。 |>堂島の車で、家へ向かう事になった。 |らっしゃーせー。 堂島 遼太郎|トイレ、一人で行けるか? 堂島 菜々子|うん。 |奥を左だよ…左ってわかる? お箸持たない方ね。 堂島 菜々子|わかるってば… |どこか、お出かけで? 堂島 遼太郎|いや、こいつを迎えに来ただけだ。 都会から、今日越してきてな。 |へえ、都会からすか… 堂島 遼太郎|ついでに、満タン頼む。 あ、レギュラーでな。 |ハイ、ありがとうございまーす。 堂島 遼太郎|一服してくるか… |きみ、高校生? |都会から来ると、なーんも無くて ビックリっしょ? |実際、退屈すると思うよ~、高校の頃つったら、 友達んち行くとか、バイトくらいだから。 |でさ、ウチ今、バイト募集してんだ。 |ぜひ考えといてよ。 学生でも大丈夫だから。 |おっと、仕事しないと。 |>菜々子がこちらを見つめている。 堂島 菜々子|…だいじょうぶ? 堂島 菜々子|車よい? 堂島 菜々子|ぐあい、わるいみたい。 |>長旅の疲れだろうか… 言われてみると、軽い目眩を感じる… |>稲羽市 中央通り商店街 ガソリンスタンド… |>堂島家に到着した。 |>これから1年間、 自分の家となる場所だ… 堂島 遼太郎|じゃ、歓迎の一杯といくか。 堂島 遼太郎|しっかし、兄さんと姉貴も 相変わらず仕事一筋だな…海外勤めだったか? 堂島 遼太郎|1年限りとは言え、親に振り回されて こんなとこ来ちまって…子供も大変だ。 堂島 遼太郎|ま、ウチは俺と菜々子の二人だし、 お前みたいのが居てくれると、俺も助かる。 堂島 遼太郎|これからしばらくは家族同士だ。 自分んちと思って気楽にやってくれ。 |よろしく |お世話になります |押忍 堂島 遼太郎|おう。 堂島 遼太郎|あー、固い固い、気ぃ遣い過ぎだ。 堂島 遼太郎|見ろ、菜々子がビビってるぞ。 堂島 遼太郎|お…オス。 堂島 遼太郎|お前、意外と体育会系か? 堂島 遼太郎|なんだ、緊張してんのか? はは、菜々子と一緒だな。 堂島 遼太郎|さて…じゃ、メシにするか。 堂島 遼太郎|たく…誰だ、こんな時に。 堂島 遼太郎|…堂島だ。 堂島 遼太郎|…ああ…ああ、分かった。 場所は? 堂島 遼太郎|分かった、すぐ行く。 堂島 遼太郎|酒飲まなくてアタリかよ… 堂島 遼太郎|仕事でちょっと出てくる。 急で悪いが、飯は二人で食ってくれ。 堂島 遼太郎|帰りは…ちょっと分からん。 菜々子、後は頼むぞ。 堂島 菜々子|…うん。 堂島 遼太郎|菜々子、外、雨だ。 洗濯物どうした!? 堂島 菜々子|いれたー! 堂島 遼太郎|…そうか、じゃ、行ってくる。 |…るでしょう。 では、明日のお天気、時間帯ごとの変化です。 |西から張り出した雨雲のせいで、 明日は終日雨となる所が多いでしょう。 堂島 菜々子|…いただきまーす。 |>二人きりになってしまった… |>何か話した方がいいだろうか… |お父さんの仕事って? |大変だね 堂島 菜々子|しごと…ジケンのソウサとか。 堂島 菜々子|…いつもこうだよ。 堂島 菜々子|…いつも、デンワなると行っちゃうんだ。 |>菜々子は居心地が悪そうにしている… |>どうやら気を遣わせてしまったようだ。 堂島 菜々子|お父さん、けいじだから。 山野 真由美|次のニュースです。 山野 真由美|稲羽市議秘書の生田目太郎氏が、不適切な 女性関係から進退を取り沙汰されている問題。 山野 真由美|夫人で演歌歌手の柊みすずさんは取材に応じ、 慰謝料を求め争う考えを明らかにしました。 山野 真由美|事態を受け地元テレビ局“あいテレビジョン”は、 生田目氏と愛人関係とされる所属アナウンサー… 山野 真由美|山野真由美さんを… 全ての担当番組から降板とし、問題解決まで 出演を自粛する方針を発表しています。 堂島 菜々子|…ニュースつまんないね。 |ジュネスは、毎日がお客様感謝デー。 来て、見て、触れてください。 |エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|…たべないの? |>稲羽市 堂島宅… 堂島 菜々子|朝ごはん、できてるよ。 堂島 菜々子|よしっと。 堂島 菜々子|じゃ、いただきます。 |お父さんは仕事? |食事は君が? 堂島 菜々子|ジケン、あったから。 かえってこないよ。 堂島 菜々子|朝はパンをやいて… あと、メダマやき。 堂島 菜々子|夜は、かってくるの。 お父さん、つくれないから。 堂島 菜々子|今日から学校でしょ? 堂島 菜々子|とちゅうまで、おんなじ道だから …いっしょに行こ。 |>菜々子はどこかソワソワしている… |>菜々子と一緒に登校する事にした。 堂島 菜々子|あ、やっときたー。 |>誰かの声が聞こえる… |>そろそろ、起きる時間だ… |>何やら、悪夢を見たような気がする… |>何だったのだろうか… |>今日から学校だ。 とりあえず、居間へ向かおう… 堂島 菜々子|おはよ。 堂島 菜々子|あと、この道、まっすぐだから。 堂島 菜々子|わたし、こっち。 じゃあね。 |>通学路 鮫川河川敷… 花村 陽介|よっ…とっ…とっとぉ… 花村 陽介|う… おごごごごご… |>あれは痛そうだ… |>そっとしておこう… |>通学路 学校前交差点… |>八十神高校の正門に到着した。 |>この先、どんな高校生活が 待っているのだろう… |ついてねえよなぁ… このクラスって、担任、諸岡だろ? |モロキンな…1年間、えんっえん、 あのくそ長い説教聞かされんのかよ… |ところでさ、この組、 都会から転校生来るって話だよね。 |え、ほんと? 男子? 女子? 里中 千枝|都会から転校生…って、 前の花村みたいじゃん? 里中 千枝|…あれ? なに朝から死んでんの? 花村 陽介|や、ちょっと… 頼むから放っといたげて… 里中 千枝|花村のやつ、どしたの? 天城 雪子|さあ…? 諸岡 金四郎|静かにしろー! 諸岡 金四郎|あー、それからね。 不本意ながら転校生を紹介する。 諸岡 金四郎|ただれた都会から、へんぴな地方都市に 飛ばされてきた哀れな奴だ。 諸岡 金四郎|いわば落ち武者だ、分かるな? 女子は間違っても色目など使わんように! 諸岡 金四郎|では、鳴上 悠。 簡単に自己紹介しなさい。 |よろしく |誰が落ち武者だ 諸岡 金四郎|む、貴様…後ろから二列目、窓際の女生徒に 妖しげな視線を送ったな!? 諸岡 金四郎|なんだ、今さら反抗期か? 諸岡 金四郎|む…貴様の名は“腐ったミカン帳”に 刻んでおくからな… 諸岡 金四郎|いいかね! 諸岡 金四郎|ここは貴様がいままで居た イカガワシイ街とは違うからな。 諸岡 金四郎|いい気になって女子生徒に手を出したり イタズラするんじゃないぞ! 諸岡 金四郎|…と言っても、最近は昔と違って、 ここいらの子供もマセてるからねぇ。 諸岡 金四郎|どーせヒマさえあれば、 ケータイで出会い系だの何だのと… |>諸岡先生の話が続いている… 里中 千枝|センセー。 転校生の席、ここでいいですかー? 諸岡 金四郎|あ? そうか。 よし、じゃあ貴様の席はあそこだ。 諸岡 金四郎|さっさと着席しろ! 里中 千枝|アイツ、最悪でしょ。 里中 千枝|まー、このクラスんなっちゃったのが 運の尽き…1年間、頑張ろ。 諸岡 金四郎|静かにしろ、貴様ら! 出席を取るから折り目正しく返事しろ! |>新しい学校生活が始まる。 |>うまくやっていけるだろうか… |>周りから噂話が聞こえる… |かっわいそ、転校生。 来ていきなり“モロ組”か… |目ェつけられると、停学とか リアルに食らうもんねぇ… |ま、私ら同じクラスだから 一緒なんだけどね… 諸岡 金四郎|今日から貴様らの担任になる諸岡だ! 諸岡 金四郎|いいか、春だからって恋愛だ、 異性交遊だと浮ついてんじゃないぞ。 諸岡 金四郎|ワシの目の黒いうちは、貴様らには特に 清く正しい学生生活を送ってもらうからな! 諸岡 金四郎|では今日の所はこれまで。 明日から通常授業が始まるからな。 |先生方にお知らせします。 |只今より、緊急職員会議を行いますので 至急、職員室までお戻りください。 |また全校生徒は各自教室に戻り、 指示があるまで下校しないでください。 諸岡 金四郎|うーむむ、いいか? 指示があるまで教室を出るなよ。 |あいつ…マジしんどい。 |奴そのものがセクハラだっつーの。 |なんか事件? すっげ近くね、サイレン? |クッソ、なんも見えね。 なんだよ、この霧。 |最近、雨降った後とか、やけに出るよな。 |そういや聞いた? 例の女子アナ。 なんかパパラッチとかもいるって。 |あ、あのさ、天城。 ちょっと訊きたい事あるんだけど… |天城んちの旅館にさ、 山野アナが泊まってるって、マジ? 天城 雪子|そういうの、答えられない。 |あ、ああ、そりゃそっか。 里中 千枝|はー、もう何コレ。 いつまでかかんのかな。 天城 雪子|さあね。 |全校生徒にお知らせします。 |学区内で、事件が発生しました。 通学路に警察官が動員されています。 |出来るだけ保護者の方と連絡を取り、 落ち着いて、速やかに下校してください。 |警察官の邪魔をせず、寄り道など しないようにしてください。 |繰り返し、お知らせします… |事件!? |なになに、どういう事? |ね、見に行こうよ。 里中 千枝|あれ、帰り一人? 里中 千枝|よかったら、一緒に帰んない? 里中 千枝|よかったら、一緒に帰んない? |知ってる |知らなかった 里中 千枝|んじゃ、ヨロシク! 里中 千枝|知らないって、真横に居たのに… てか、話したし… 里中 千枝|で、こっちは天城雪子ね。 天城 雪子|あ、初めまして… なんか、急でごめんね… 里中 千枝|のぁ、謝んないでよ。 あたし失礼な人みたいじゃん。 里中 千枝|ちょっと話を聞きたいなーって、 それだけだってば。 花村 陽介|あ、えーと、里中…さん。 花村 陽介|これ、スゲー、面白かったです。 技の繰り出しが流石の本場つーか… 花村 陽介|…申し訳ない! 事故なんだ! バイト代入るまで待って! 里中 千枝|待てコラ! 貸したDVDに何した? 花村 陽介|どわっ! 里中 千枝|なんで!? 信じられない! ヒビ入ってんじゃん… 里中 千枝|あたしの“成龍伝説”がぁぁぁ… 花村 陽介|俺のも割れそう… つ、机のカドが、直に… 天城 雪子|だ、大丈夫? 里中 千枝|いいよ、雪子。 花村なんか、放っといて帰ろ。 |>かなり痛そうだ… |>そっとしておこう… |ああ、山野真由美だろ? |商店街で見たやついるらしいぜ。 |てか、俺聞いたんだけどさー… |マジかよ!? 里中 千枝|放送鳴る前にソッコー帰ればよかった… 里中 千枝|ね…そう言えばさ、 前に話したやつ、やってみた? 里中 千枝|ほら、雨の夜中に…ってやつ。 天城 雪子|あ、ごめん、やってない。 里中 千枝|ハハ、いいって、当然だし。 里中 千枝|けど、隣の組の男子、“俺の運命の相手は 山野アナだー!”とか叫んでたって。 花村 陽介|ああ、天城… 心配してくれてんのか… 花村 陽介|じゃ! 久保 美津雄|キミさ、雪子だよね。 こ、これからどっか、遊びに行かない? 天城 雪子|え…だ、誰? |なにアイツ。 どこのガッコ? |よりによって、天城狙いかよ。 てか、普通は一人ん時に誘うだろ… |張り倒されるに オレ、リボンシトロン1本な。 |賭けにならねって。 “天城越え”の難易度、知らねえのか? 久保 美津雄|あ、あのさ、行くの? 行かないの? どっち? 天城 雪子|い、行かない… 久保 美津雄|…ならいい! 天城 雪子|あ、あの人… 何の用だったんだろ… 里中 千枝|何の用って… デートのお誘いでしょ、どう見たって。 天城 雪子|え、そうなの…? 里中 千枝|そうなのって… あーあ… 里中 千枝|まぁけど、あれは無いよねー。 いきなり“雪子”って、怖すぎ。 花村 陽介|よう天城、また悩める男子フッたのか? 花村 陽介|まったく罪作りだな… 俺も去年、バッサリ斬られたもんなあ。 天城 雪子|別に、そんな事してないよ? 花村 陽介|え、マジで? じゃあ今度、一緒にどっか出かける!? 天城 雪子|…それは嫌だけど。 花村 陽介|僅かでも期待したオレがバカだったよ… 花村 陽介|つーか、お前ら、 あんま転校生イジメんなよー。 里中 千枝|話聞くだけだってば! 天城 雪子|あ、あの、ごめんね。 いきなり… 里中 千枝|ほら、もう行こ。 なんか注目されてるし。 里中 千枝|そっか、親の仕事の都合なんだ。 もっとシンドい理由かと思っちゃった、はは。 里中 千枝|ここ、ほんっと、なーんも無いでしょ? 里中 千枝|そこがいいトコでもあるんだけど、 余所のヒトに言えるようなモンは全然… 里中 千枝|あ、八十神山から採れる…何だっけ、 染め物とか焼き物とか、ちょっと有名かな。 里中 千枝|ああ、あと、雪子んちの“天城屋旅館”は 普通に自慢の名所! 天城 雪子|え、別に…ただ古いだけだよ。 里中 千枝|“隠れ家温泉”とかって 雑誌とかにもよく載ってんじゃん。 里中 千枝|この町で一番立派な老舗旅館でね、 雪子はそこの、次期女将なんだ。 里中 千枝|雪子んち目当ての観光客とかも来るし この町それで保ってるよね、実際。 天城 雪子|…そんなことないけど。 里中 千枝|ね、ところでさ。 雪子って美人だと思わない? |思う |ちょっと言いにくい 里中 千枝|でしょ!? 里中 千枝|あー、ごっめん、 正面切って“美人”は恥ずいか。 里中 千枝|うっわ、照れてんの? 天城 雪子|ちょっと、またそういう事… 里中 千枝|学校でもすごいモテんのにさ、彼氏ゼロ。 おかしくない? 天城 雪子|や、やめてよいきなり。 天城 雪子|ぜ、全部ウソだからね。 モテるとか、彼氏ゼロとか! 天城 雪子|あ、違った、えっと違うから! 彼氏とか要らないし! 天城 雪子|もう…千枝! 里中 千枝|ははは、ごーめんごめん。 だって折角なのに、ノリ悪いんだもん。 里中 千枝|あれ、何だろ。 |でね、その高校生の子、 ちょうど早退したんですって。 |まさか、アンテナに引っかかってるなんて 思わないわよねえ。 |見たかったわぁ。 |遅いんだから…ついさっき、 警察と消防団で下ろしちゃったのよぉ。 |恐いわねえ。 こんな近くで、死体だなんて… 里中 千枝|え…今なんて? 死体!? 堂島 遼太郎|おい、ここで何してる。 |事件? |ちょっと気になって |ただの通りすがり 堂島 遼太郎|ああ…まあ、ちょっとな。 堂島 遼太郎|…邪魔になるから早く行け。 堂島 遼太郎|ああ…まあ、そうだろうな。 堂島 遼太郎|ったく、あの校長… ここは通すなって言ったろうが… 里中 千枝|…知り合い? 堂島 遼太郎|コイツの保護者の堂島だ。 あー…まあその、仲良くしてやってくれ。 堂島 遼太郎|とにかく三人とも、 ウロウロしてないでさっさと帰れ。 足立 透|うっ…うええぇぇぇ… 堂島 遼太郎|足立! おめえはいつまで新米気分だ! 今すぐ本庁帰るか? あぁ!? 足立 透|す…すいませ…うっぷ。 堂島 遼太郎|たぁく…顔洗ってこい。 すぐ地取り出るぞ! 里中 千枝|さっきの校内放送ってこれの事…? 天城 雪子|アンテナに引っ掛かってたって… どういう事なんだろう… 里中 千枝|ねえ、雪子さ、ジュネスに寄って帰んの、 またにしよっか… 天城 雪子|うん… 里中 千枝|じゃ、私たちここでね。 明日から頑張ろ、お隣さん! |>二人は行ってしまった… |>今日はまっすぐ帰ろう… 堂島 菜々子|お父さん… 今日もかえってこないのかな… |ではまず、今日最初のニュース。 静かな郊外の町で、不気味な事件です。 |本日正午頃、稲羽市の鮫川付近で、 女性の遺体が発見されました。 堂島 菜々子|いなばけーさつ! お父さんのはたらいてるとこだ! |お父さんが心配? |大丈夫だよ 堂島 菜々子|…ううん。 おシゴトだから、しかたないよ。 堂島 菜々子|…わかってる。 おシゴトだから、しかたないよ。 |遺体は民家の屋根の大型のテレビアンテナに 引っ掛かったような状態で発見されました。 |なぜこのような異常な状態になったかは、 現在のところ分かっていないという事です。 |死因も今のところ不明で、警察では、事件と 事故の両面から捜査を進める事にしています。 |ただ周辺には、地域特有の濃い霧が出ており、 本格的な現場検証は明日となる見込みです。 堂島 菜々子|やねの上でみつかったの? なんか、こわいね… 堂島 菜々子|あっ、ジュネスだ。 |ジュネスは、毎日がお客様感謝デー。 来て、見て、触れてください。 |エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! |>菜々子は、何かを期待する目で見ている… |好きなの? |似てるね |ジュネス! 堂島 菜々子|うん。 学校でもはやってるんだよ。 堂島 菜々子|でしょ? クラスで一番、うまいんだ! 堂島 菜々子|おぼえた? 菜々子ね、一番うまいんだよ! |>菜々子は繰り返し口ずさんでいる。 |>どうやら怖い話は忘れたようだ。 |>通学路がテレビに映っている。 |>事件とは、これの事だろうか… 山野 真由美|遺体で見つかったのは、地元テレビ局の アナウンサー、山野真由美さん、27歳です。 山野 真由美|稲羽警察署の調べによりますと… |>通学路の近くで、地元テレビ局の、 女子アナの遺体が見つかったらしい… |>山野真由美アナ… |>つい先日、同じ地元の議員秘書の男性との 不倫騒動が、報じられたばかりだ。 花村 陽介|だ、誰か… |>助けた方がよさそうだ… 花村 陽介|いやー、助かったわ。 ありがとな! えっと… 花村 陽介|そうだ、転校生だ。 確か、鳴上 悠。 花村 陽介|俺、花村陽介。 よろしくな。 |よろしく |ケガはない? |自転車は大丈夫? 花村 陽介|おす。 花村 陽介|へーき、へーき。 花村 陽介|俺より自転車かよ! |>陽介は無事なようだ… 花村 陽介|な、昨日の事件、知ってんだろ? “女子アナがアンテナに”ってやつ! 花村 陽介|あれ、なんかの見せしめとかかな? 事故な訳ないよな、あんなの。 |そうかも |分からない 花村 陽介|わざわざ屋根の上に ぶら下げるとか、マトモじゃないよな。 花村 陽介|つか、殺してる時点でマトモじゃないか。 花村 陽介|やっべっ、遅刻! 花村 陽介|後ろ、乗ってくか? ちょっとギコギコいってるけど。 花村 陽介|どうよ、この町もう慣れた? |慣れた |まだ慣れない 花村 陽介|へえ、早いな。 花村 陽介|まあ、来たばっかだしな。 花村 陽介|ここって、都会に比べりゃ何も無いけどさ、 逆に“何も無い”がある…っての? 花村 陽介|空気とか結構ウマいし、あと食いもんとか… あ、ここの名物、知ってるか? 花村 陽介|“ビフテキ”だぜ。 すごいっしょ、野暮ったい響き。 花村 陽介|俺安いとこ知ってんだけど、行っとく? おごるぜ、今朝助けてもらったお礼に。 里中 千枝|あたしには、お詫びとかそーゆーの、 ないわけ? 里中 千枝|“成龍伝説”。 花村 陽介|う…メシの話になると来るなお前… 里中 千枝|雪子もどう? 一緒にオゴってもらお。 天城 雪子|いいよ、太っちゃうし。 それに、家の手伝いあるから。 花村 陽介|天城って、もう女将修行とかやってんの? 天城 雪子|そんな、修行なんて。 忙しいとき、ちょっと手伝ってるだけ。 天城 雪子|それじゃ私、行くね。 里中 千枝|仕方ないか。 じゃ、あたしたちも行こ。 花村 陽介|え、まじ二人分おごる流れ…? 里中 千枝|安い店ってここかよ… ここビフテキなんか無いじゃんよ。 花村 陽介|お前にもおごんなら、 あっちのステーキハウスは無理だっつの。 里中 千枝|だからって、 自分んち連れてくる事ないでしょーが。 花村 陽介|別に、俺んちって訳じゃねーって。 花村 陽介|あーえと、お前にはまだ言ってなかったよな。 花村 陽介|俺も、都会から引っ越して来たんだよ。 半年ぐらい前。 花村 陽介|親父が、新しく出来たココの店長に なる事んなってさ。 花村 陽介|んで、家族で来たってわけ。 花村 陽介|んじゃコレ、歓迎の印って事で。 花村 陽介|里中のもおごリだぞ。 里中 千枝|うん、知ってる。 |>たわいない話で盛り上がった… 里中 千枝|ここってさ、出来てまだ半年くらいだけど、 行かなくなったよねー、地元の商店街とか。 里中 千枝|店とか、どんどん潰れちゃって… …あ。 花村 陽介|…別に、ここのせいだけって事ないだろ? 花村 陽介|あ…小西先輩じゃん。 花村 陽介|わり、ちょっと。 里中 千枝|小西早紀先輩。 家は商店街の酒屋さん。 里中 千枝|…けど、ここでバイトしてんだっけ。 花村 陽介|お疲れッス。 なんか元気ない? 小西 早紀|おーす…今、やっと休憩。 小西 早紀|花ちゃんは? 友達連れて、 自分ちの売り上げに貢献してるとこ? 花村 陽介|うわ、ムカつくなー。 花村 陽介|つか…ホントに元気なさそうだけど。 何かあった? 小西 早紀|…別に。 ちょっと疲れてるだけ。 花村 陽介|何かあったら、何でも言ってよ。 俺… 小西 早紀|だーいじょうぶだって。 ありがとね。 小西 早紀|ハァ…あーもー、 なんで昨日、早退なんてしたんだろ… 小西 早紀|あの子…もしかして、 最近入ったっていう転校生? 小西 早紀|キミが転校生? あ、私の事は聞いてる? 小西 早紀|都会っ子同士は、やっぱり気が合う? 小西 早紀|花ちゃんが男友達連れてるなんて、 珍しいよね? 花村 陽介|べ、別にそんな事ないよー。 小西 早紀|こいつ、友達少ないからさ。 仲良くしてやってね。 小西 早紀|でも、花ちゃんお節介でイイヤツだけど、 ウザかったらウザいって言いなね? |ウザい |そうでもない |イイヤツだ 小西 早紀|あははっ。 花村 陽介|合わせなくていいって、もう… 若干ムカツクんだけど… 小西 早紀|あはは、冗談だって。 花村 陽介|はは、先輩も冗談キツイな~。 小西 早紀|あははっ。 分かってるって、冗談だよー。 花村 陽介|せ、先輩~、変な心配しないでよ。 小西 早紀|さーて、こっちはもう休憩終わり。 やれやれっと。 小西 早紀|それじゃね。 花村 陽介|あ、先輩… 花村 陽介|はは、人の事“ウザいだろ?”とかって、 小西先輩の方がお節介じゃんな? 花村 陽介|あの人、弟いるもんだから、 俺の事も割とそんな扱いっていうか… 里中 千枝|弟扱い、不満って事? …ふーん、分かった、やっぱそーいう事ネ。 里中 千枝|地元の老舗酒屋の娘と、デパート店長の息子。 …燃え上がる禁断の恋、的な。 花村 陽介|バッ…! アホか、そんなんじゃねーよ。 里中 千枝|そうだ… 悩める花村に、イイコト教えてあげる。 里中 千枝|“マヨナカテレビ”って知ってる? 里中 千枝|雨の夜の午前0時に、 消えてるテレビを一人で見るんだって。 里中 千枝|で、画面に映る自分の顔を見つめてると、 別の人間がそこに映ってる…ってヤツ。 里中 千枝|それ、運命の相手なんだってよ。 花村 陽介|なんだそりゃ? 何言い出すかと思えば… 花村 陽介|お前、よくそんな幼稚なネタで いちいち盛り上がれんな。 里中 千枝|よ、幼稚って言った? 信じてないんでしょ!? 花村 陽介|信じるわけねーだろが! 里中 千枝|だったらさ、ちょうど今晩雨だし、 みんなでやってみようよ! 花村 陽介|やってみようって… オメ、自分も見た事ねえのかよ! 花村 陽介|久しぶりに、アホくさい話を聞いたぞ… 花村 陽介|それより、昨日のアレって、 やっぱり“殺人”なのかね? 花村 陽介|実はその辺に犯人とか居たりしてな… …ひひひ。 里中 千枝|そういうの面白がんなっての。 幼稚はどっちだよ… 里中 千枝|とにかく、今晩ちゃんと試してみてよね。 |あれは誰? |陽介の彼女? 里中 千枝|はは、そうならいいんだけどね。 |>雨の夜に運命の相手が見えるという、 “マヨナカテレビ”の噂を聞いた。 |>今晩、試してみようか… |>ジュネス フードコート… |>また二人きりの夕食だ… |お父さんから連絡は? |心配ない 堂島 菜々子|ない。 デンワするって、いっつも言ってるのに。 堂島 菜々子|…うん。 堂島 菜々子|あっ、かえってきた! 堂島 遼太郎|やれやれ… 堂島 遼太郎|ただいま。 何か、変わり無かったか? 堂島 菜々子|ない。 かえってくるの、おそい。 堂島 遼太郎|悪い悪い… 仕事が忙しいんだよ。 堂島 遼太郎|テレビ、ニュースにしてくれ。 |次は、霧に煙る町で起きた あの事件の続報です。 |稲羽市で、アナウンサーの山野真由美さんが 民家の屋根で変死体となって見つかった事件。 |山野さんは生前、歌手の柊みすずさんの夫で 議員秘書の生田目太郎氏と 愛人関係にあった事が分かっています。 堂島 遼太郎|ふぅ…第一発見者のインタビューだ? どこから掴んでんだ、まったく… |最初に見た時、どう思いました? 死んでるって分かった? 顔は見た? |え、ええと… |>女子学生は、声も顔もぼかされている。 |>しかし、どこかで見た事が あるような気がする… |霧の日に殺人なんて、なんだか怖いよね? |え…? 殺人、なんですか? |あ、え~っと…最近、このあたりで 不審な人とか、見たりしなかった? |や… 私は、何も… |早退した帰りに見つけたって事だけど、 早退は何か、用事で? |え? えっと… |>女子学生はリポーターの勢いに 戸惑っているようだ。 |>よく見ると…陽介の先輩の “小西早紀”に似ている気がする… |地元の商店街の近くで起きた、悲惨な事件。 |商店街関係者の多くは、客足が更に 遠のくのではと懸念しています… 堂島 遼太郎|ふん、おまえらが騒ぐから、 余計に客足が遠のくんだろ… |全く、奇怪な事件ですね~、民家のアンテナに ひっかけて、逆さに吊るすってんだから… |何かの見せしめか、犯人からのアピールと 言ったところでしょうな~。 |犯行声明などは、出ていないようですが。 堂島 遼太郎|イタズラ電話なら、殺到してるがな… |そもそも、死因は不明のままだし、 容疑者の一人も見つかってない訳でしょ? |事件か事故かも分からないなんて、 ったく、警察は血税で何遊んでるんだか… |では、いったんCMです。 |ジュネスは、毎日がお客様感謝デー。 来て、見て、触れてください。 |エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|ねえ…お父さん、こんどみんなで ジュネス、行きたい。 堂島 菜々子|…だめ? |>寝ているようだ… 堂島 菜々子|あーあ…もー。 |>昨日の事件の続報のようだ。 |>山野アナは生前に、 議員秘書の男性と不倫関係にあり… |>その男性の妻は、 演歌歌手の“柊みすず”であるらしい… |>異性関係のトラブルによる事件だろうか… |警察では、背後関係を更に調べるとともに、 関係者への事情聴取を進める方針です。 |番組では、遺体発見者となった地元の学生に、 独自にインタビューを行いました。 |>雨音が聞こえる… |>そろそろ、0時だ… |>“雨の夜にテレビを見つめると、 運命の相手が映る”… |>千枝の話は本当だろうか… |>電源の落ちたテレビには 自分の顔が映っている。 堂島 菜々子|だいじょうぶ…? |平気 |何とか… |起こした? 堂島 菜々子|ふうん。 堂島 菜々子|すごい音したから… 堂島 菜々子|…おやすみなさい。 |>菜々子は部屋に戻ったようだ。 |>一体、何が起きたのだろう… |>明日みんなに話してみよう。 |逆さにぶら下がってたって何なの? ヤバくない? |処刑とか、そういうアピール? 怖すぎ~。 |死体見つけたの、3年の小西って人らしいよ。 先輩が言ってて~… 花村 陽介|よ、よう。 あのさ… 花村 陽介|や、その、大した事じゃないんだけど… 花村 陽介|実は俺、昨日、テレビで… 花村 陽介|あ、やっぱその…今度でいいや。 あはは… 里中 千枝|花村ー、ウワサ聞いた? 里中 千枝|事件の第一発見者って、 小西先輩らしいって。 花村 陽介|だから元気無かったのかな… 今日、学校来てないっぽいし。 里中 千枝|あれ? 雪子、今日も家の手伝い? 天城 雪子|今、ちょっと大変だから… ごめんね。 花村 陽介|なんか天城、 今日とっくべつ、テンション低くね? 里中 千枝|忙しそうだよね、最近… 里中 千枝|ところでさ、 昨日の夜…見た? 花村 陽介|エッ…? 花村 陽介|や、まあその… お前はどうだったんだよ。 里中 千枝|見た! 見えたんだって! 女の子! 里中 千枝|…けど運命の人が女って、どゆ事よ? 里中 千枝|誰かまでは分かんなかったけど、 明らかに女の子でさ… 里中 千枝|髪がね、ふわっとしてて、肩ぐらい。 で、ウチの制服で… 花村 陽介|それ… もしかしたら、俺が見たのと同じかも。 花村 陽介|俺にはもっと、 ぼんやりとしか見えなかったけど… 里中 千枝|え、じゃ花村も結局見えたの!? 里中 千枝|しかも同じ子…? 運命の相手が同じって事? 花村 陽介|知るかよ… 花村 陽介|で、お前は見た? |>二人に昨晩の事を話した。 花村 陽介|お前が見たのも同じ人っぽいな… 花村 陽介|しっかし、妙な声ってのはともかく、 テレビに吸い込まれたってのはお前… 花村 陽介|動揺しすぎ? …じゃなきゃ、寝落ちだな。 里中 千枝|けど夢にしても面白い話だね、それ。 里中 千枝|“テレビが小さいから入れない”ってとことか 変にリアルでさ。 里中 千枝|もし大きかったら… 里中 千枝|そう言えばウチ、 テレビ大きいの買おうかって話してんだ。 花村 陽介|へぇ。 今、買い替えすげー多いからな。 花村 陽介|なんなら、帰りに見てくか? ウチの店、品揃え強化月間だし。 里中 千枝|見てく、見てく! 親、家電疎いし、 早く大画面でカンフー映画見たい! 里中 千枝|チョアー、ハイッ! 花村 陽介|だいぶデカいのまであるぜ。 お前が楽に入れそうなのとかな、ははは。 |>二人は全く信じていないようだ… |>みんなでジュネスに寄って行く事にした。 里中 千枝|でか! しかも高っ! こんなの、誰が買うの? 花村 陽介|さあ…金持ちなんじゃん? 花村 陽介|けど、ウチでテレビ買うお客とか少なくてさ、 この辺店員も置かれてないんだよね。 里中 千枝|ふぅん…やる気ない売り場だねぇ。 ずっと見てられるのは嬉しいけど。 花村 陽介|…やっぱ、入れるワケないよな。 里中 千枝|はは、寝オチ確定だね。 花村 陽介|大体、入るったって、今のテレビ薄型だから 裏に突き抜けちまうだろ… 花村 陽介|ってか、何の話してんだっつの! 花村 陽介|で、里中。 お前んち、どんなテレビ買うわけ? 里中 千枝|とりあえず安いヤツって言ってた。 オススメある? 花村 陽介|こちらなどいかがでしょうか、お客様。 この春発売されたばかりの最新型で… 里中 千枝|ちょ、全然安くないじゃん! ゼロ一個多いだろって。 花村 陽介|てか、まずお前の“安い”が どんくらいか聞かないと。 里中 千枝|花村のコネで、安くしてよ。 そんなら、ここで買うからさ。 花村 陽介|そーいうのは無理だって… 花村 陽介|じゃ、こっちとかどうだ? 展示品でちょっと古いけど、これなら… |>これだけ大きければ、本当に入れそうだ… 花村 陽介|そういやさー、鳴上。 お前んちのテレビって… 里中 千枝|なに? どしたの、花村。 花村 陽介|あ、あいつの腕… ささってない…? 里中 千枝|うわ… 里中 千枝|えっとー…あれ…最新型? 新機能とか? ど、どんな機能? 花村 陽介|ねーよッ! 花村 陽介|マジだ…ホントにささってる… すげーよ、どんなイリュージョンだよ!? 花村 陽介|で、どうなってんだ!? タネは!? |>二人は食い入るように見ている… |>手だけでなく、 もう少し入るかもしれない… 花村 陽介|バ、バカよせって! 何してんだ、お前ー!! |>中に空間が広がっている… |>二人にそう伝えた。 花村 陽介|な、中って何!? 里中 千枝|く、空間って何!? |>どうやら、中は相当に広そうだ… 花村 陽介|ひ、広いって何!? 里中 千枝|っていうか、何!? 花村 陽介|やっべ、ビックリし過ぎで、 モレそう… 里中 千枝|は? モレる? 花村 陽介|行き時無くて、ガマンしてたってか… 花村 陽介|うおダメだ! もる、もる!! 花村 陽介|客来る! 客、客!! 里中 千枝|え!? ちょっ、ここに、 半分テレビにささった人いんですけど!! 里中 千枝|ど、どうしよ!? 花村 陽介|うわ、ちょ、まっ!! 里中 千枝|うそ…マジでささってんの!? 里中 千枝|す、すげぇーっ!! |>ジュネス 家電売り場… 里中 千枝|ねえ…何なのコレ… |ここはどこ? |ケガは無い? |これは夢? 花村 陽介|そりゃ、お前… 花村 陽介|テレビの…中だろ? 里中 千枝|中って… 花村 陽介|若干、ケツが割れた… 里中 千枝|もともとだろが! 花村 陽介|や、このケツの痛みが 現実だと言ってるぜ… 里中 千枝|現実ったって… 花村 陽介|うおっ! 里中 千枝|な、なに、ついにもらした!? 花村 陽介|バカ、見てみろって、周り! 里中 千枝|これって…スタジオ? 里中 千枝|すごい霧… じゃない、スモーク? 里中 千枝|こんな場所、ウチらの町にないよね…? 花村 陽介|あるわけねーだろ… 花村 陽介|どうなってんだここ… やたら広そうだけど… 里中 千枝|どうすんの…? |調べてみよう |帰ろう |任せる 里中 千枝|え? だ、だけど… 里中 千枝|う、うん! 里中 千枝|な、なに言ってんの!? 里中 千枝|とにかく、一回帰ってさ! 里中 千枝|あ、あれ…? 里中 千枝|あたしら…そう言や どっから入ってきたの? 里中 千枝|出れそうなトコ、無いんだけど!? 花村 陽介|ちょ、そんなワケねーだろ! どどどーゆー事だよ! 里中 千枝|知らんよ、あたしに聞かないでよ! 里中 千枝|やだ、もう帰る! 今すぐ帰るー! 花村 陽介|だから、どっからだよ…! |落ち着こう |出口を探そう |もうだめだ 花村 陽介|そ、そうだな。 う、うん、落ち着いて考えよう。 花村 陽介|で、出口な! そうだよな! 花村 陽介|だ、だめとか言うなって! とにかく、落ち着こうぜ! 花村 陽介|冷静に、冷静にな… 花村 陽介|とりあえず、出口を探すぞ。 里中 千枝|ここ、ホントに出口とかあんの…? 花村 陽介|現に俺ら、ここに居るんだ…てことは、 入ってきた場所がある筈だろ、絶対。 里中 千枝|それはそうだけど… 花村 陽介|てか、無きゃ帰れないだろ! とにかく、調べようぜ。 里中 千枝|なにここ… さっきんトコと、雰囲気違うけど… 花村 陽介|建物の中っぽい感じあるけど… くっそ、霧スゴくてよく見えねえ… 里中 千枝|大丈夫? 却って遠ざかってたりしない? 花村 陽介|分かんねえよ。 けど、ある程度カンで行くしかないだろ。 里中 千枝|そうだけど… |>とにかく、今は先へ進むしかなさそうだ… 花村 陽介|お、このへんちょっと霧薄くない? 花村 陽介|圏外か。 ま、当然か… 里中 千枝|さっさと行かないでよ、 よく見えないんだから… 里中 千枝|え…なにここ… 里中 千枝|行き止まりだよ? 出口なんてないじゃん! 花村 陽介|見た目も気味悪くなる一方だな… 花村 陽介|アーッ! つか、もう無理だぜ… 花村 陽介|俺のボーコーは限界だ…! 里中 千枝|ちょ、花村!? 何してんの!? 花村 陽介|出さなきゃ、もれんだろうが! 里中 千枝|そこでやんの!? かんべんしてよ… 花村 陽介|み、見んなよ! 見られてっと出ないだろ! 花村 陽介|ああああ~出ねえええ~! ボーコー炎なったら、お前らのせいだぞ! 里中 千枝|知らねーっつの… 里中 千枝|にしても…何なの、この部屋? 里中 千枝|このポスター…全部、顔、無いよ? 切り抜かれてる… 里中 千枝|メチャメチャ恨まれてる…とかって事? 花村 陽介|この椅子とロープ… あからさまにマズイ配置だよな… 花村 陽介|輪っかまであるし… これ、スカーフか? 里中 千枝|ね、戻ろ…さっきんトコ戻って、 もっかい出口探したほうがいいよ… 花村 陽介|なあ、あのポスターってさ、 どっかで… 里中 千枝|いいから、行くよもう! やだ、こんな場所! 里中 千枝|それに…なんか、ちょっと気分悪い… 花村 陽介|そう言や、俺も… |>確かに、体が重い気がする… |>この場所の異様な雰囲気のせいだろうか… 花村 陽介|分かった、戻ろう。 なんか、マジ気持ち悪くなってきた… 里中 千枝|なんだろ、この鉄骨… 建物にしたって変だよね… 花村 陽介|視界が悪すぎるな… おい、足元気をつけろよ。 里中 千枝|なんなの、この道… 里中 千枝|ふぅ… やっと戻って来れたよ… 里中 千枝|って…なに、あれ…? 花村 陽介|な、なんかいる! 里中 千枝|何これ? サル…じゃない、クマ? 花村 陽介|何なんだ、こいつ… クマ|き、キミらこそ誰クマ? 里中 千枝|喋った…!? 里中 千枝|だ、誰よあんたっ!? や、やる気!? クマ|そ、そ、そんなに大きな声出さないでよ… |>クマは怯えている… |>優しく訊いた方が良さそうだ… |ここは何処? |キミは誰? |これは夢? クマ|ココは、ココ。 名前なんて無いクマ。 クマ|ボクがずっと住んでるところ。 クマ|クマはクマだよ? ココにひとりで住んでるクマ。 クマ|ココは、ボクがずっと住んでるところ。 名前なんて無いクマ。 クマ|ゆめ…? なんの事クマ? クマ|ココは、ボクがずっと住んでるところ。 夢じゃなくて現実クマよ。 花村 陽介|ずっと住んでるところ…? クマ|とにかく、キミたちは早く アッチに帰るクマ。 クマ|最近、誰かがココに人を放り込むから、 クマ、迷惑してるクマよ。 クマ|誰の仕業か知らないけど、アッチの人にも、 少しは考えて欲しいって言ってんの! 里中 千枝|ちょっと、何なワケ? いきなり出てきて、何言ってんのよ! 里中 千枝|あんた、ダレよ!? ここは何処よ!? 里中 千枝|何が、どうなってんのっ!? クマ|さっき、言ったクマよ… クマ|と、とにかく早く帰った方がいいクマ。 花村 陽介|しゃどーが? 暴れる? あーも、分かるように話せよ! 花村 陽介|何だよシャドウって!? クマ|シャドウはシャドウ…クマ。 クマ|シャドウたちは、迷い込んだ人間を べつに襲ったりしないみたいだけど… クマ|…でも、とても危ないヤツらだクマ。 花村 陽介|要はココから出てけってんだろ? 花村 陽介|俺らだってそうしたいんだよ! けど出方が分かんねーっつってんの! クマ|ムッキー! だから、クマが外に出すっつってんの! 花村 陽介|だから…分っかんねーな! 出口の場所が分かんねーつってん… 花村 陽介|って…へ? 花村 陽介|んだこりゃ!? 里中 千枝|テ、テレビ…!? どうなってんの!? クマ|さー行って行って、行ってクマ。 ボクは、忙しいクマだクマ! 里中 千枝|い、いきなりなに!? わ、ちょっ…無理だって! 花村 陽介|お、押すなって! 花村 陽介|は? 人を放り込む? 何の話だ? 里中 千枝|あれ、ここって… 花村 陽介|戻って来た…のか? |ただいまより、1階お惣菜売り場にて、 恒例のタイムサービスを行います。 |今夜のおかずにもう一品、ジュネスの 朝採り山菜セットはいかがでしょうか。 |ヤングもシニアも、お見逃しのないよう、 お得なタイムサービスをご利用下さい。 花村 陽介|げっ、もうそんな時間かよ! 里中 千枝|結構長く居たんだ… 花村 陽介|そうか… 花村 陽介|思い出した、あのポスター… 花村 陽介|ほら、見ろよ。 向こうで見たの、あのポスターだろ! 里中 千枝|何よ、いきなり。 里中 千枝|ほんとだ、あれだ…さっきは顔無くて 分かんなかったけど、“柊みすず”だったんだ。 里中 千枝|最近ニュースで騒がれてるよね。 里中 千枝|旦那が、この前死んだ山野アナと 不倫してた…とかって。 花村 陽介|おい、じゃ、ナニか…? 花村 陽介|さっきのワケ分かんない部屋… 山野アナが死んだ件と、なんか関係が…? 花村 陽介|そう言や、あの部屋…ヤバい“輪っか”が ぶら下がってたりしたけど… 花村 陽介|わー、わー、やめやめ! おい、やめようぜ、この話。 花村 陽介|つか、今日の事まとめて忘れる事にするね、俺。 なんかも、ハート的に無理だから、うん。 里中 千枝|なーんか寒くなってきた… 里中 千枝|…気分も悪いし…帰ろ。 堂島 遼太郎|おう、おかえり。 |>どうも体のだるさが取れない… 堂島 遼太郎|あー…のな、 まあ、知らんとは思うが… 堂島 遼太郎|小西早紀って生徒の事… 何か聞いてないか? |遺体の発見者だって… |可哀想だって… |今日は休んだって… 堂島 遼太郎|ああ、まあな… 堂島 遼太郎|ああ、マスコミの取材な… そう言われてるらしいな。 堂島 遼太郎|ああ、そうなのか… 堂島 遼太郎|実は…行方が分からなくなったと 連絡があってな。 堂島 遼太郎|うちの連中で捜しているんだが、 まだ見つからない… 堂島 遼太郎|ハァ… 仕事が増える一方でな… 山野 真由美|…次は、霧の街に今も暗い影を 落としている事件の続報です。 山野 真由美|稲羽市で、アナウンサーの山野真由美さんが 変死体となって見つかった事件。 山野 真由美|被害に遭う直前の山野さんの行動は、 はっきりしていませんでしたが… 山野 真由美|地元の名所として知られる“天城屋旅館”に 宿泊していた事が、警察の調べで分かりました。 |>天城屋旅館… 雪子の実家だ… |な、なるほど… …えー、では続いて気象情報です。 |雨足は、段々と弱まってきました。 |事件のあった稲羽市周辺などでは、 これから朝にかけて、霧が出やすいでしょう。 |視界が悪くなります。 車の運転などの際は、十分な注意を… |>ニュースは続いている。 |>死んだ山野アナは、その直前、雪子の実家の 天城屋旅館に泊まっていたという… |>そして、遺体の発見者である 小西早紀の行方が分からないらしい… 堂島 菜々子|ラーメン、もういい? 堂島 遼太郎|まだ早いだろ。 |>くしゃみが出た。 |>少し寒気がする… 堂島 遼太郎|風邪か? いかんな。 新しい環境で疲れがたまってるんだろ。 堂島 遼太郎|薬飲んだら、今日はもう寝ろ。 堂島 遼太郎|菜々子、薬。 |一人での宿泊だったという事ですが、 傷心旅行といった事だったんでしょうか… |ああ、天城屋旅館! あそこの温泉はね~、いいですよ~! |女将の高校生の娘さんが働いてるんですが、 この春にも跡継ぐかって噂がありましてね。 |そしたら“現役女子高生女将”ですよ! いや~、ボクもまた行きたいな~! 堂島 遼太郎|起きたか、それじゃな。 |>堂島は出て行ってしまった… 堂島 菜々子|…お父さん、なにかようじみたい。 デンワきて行っちゃった。 |>菜々子は心配そうだ… |>噂話が聞こえる… |見たら、パトカー3台走ってってさ。 |エッ子んち、ケーサツの近くだもんね。 何か、聞こえて来なかった? |怒鳴り声はしたけど、内容は分かんなかった。 超残念。 |そういうの、ちゃんと聞いててよー。 みんなに話したいじゃん。 |>サイレンが近くから聞こえる… |>何か事件が起きたようだ… |>…学校へ向かう事にした。 |昨日さ…見た? |見ないって、あんなの。 けど、あの話ってマジなの? |分かんないけど、 なんか見たって人、割といるみたいだよ。 |>何かのウワサ話が聞こえる。 里中 千枝|雪子、午後から来るって言ってたのに… 里中 千枝|何だろ、急に全校集会なんて。 里中 千枝|…って、あれ、花村どしたの? 花村 陽介|ん? いや、別に… |えー、みなさん静かに。 これから全校集会を始めます。 |ではまず、校長先生の方から お話があります。 |今日は皆さんに… 悲しいお知らせがあります。 |3年3組の小西早紀さんが… |…亡くなりました。 里中 千枝|な、亡くなった…!? |小西さんは今朝早く、 遺体で発見されました… |小西さんが何故、亡くなったのか。 警察の方々が捜査して下さっています。 |協力を求められた時は、我が校の生徒として、 節度ある姿勢で応じてください。 |えー、静かに、静かに… |それから、先生方からは、 いじめなどの事実はないと聞いています。 |くれぐれも、軽い気持ちで街頭取材などを 受けたりしないように… 里中 千枝|遺体で発見って…そんな… |>校長先生の話が続いている… |超ビビったよねー。 死体、山野アナんときと同じだったんでしょ? |前はアンテナだったのが、 今回は電柱らしいじゃん。 |連続殺人って事だよね、これって… |死因は正体不明の毒物とか、誰か言ってた。 |正体不明って… そりゃちょっとドラマの見過ぎだって。 |そう言えばさ、例の“夜中のテレビ”で、 早紀に似てる子が映ったらしーよ。 |超苦しがってたとかってー、怖くない? |ハハ、そっちこそ絶対ユメだって。 |今マスコミとかめっちゃ来てるし、 取材でも受けて影響されたんじゃーん? 里中 千枝|ったく、他人事で好き勝手言ってるよ… 花村 陽介|なあ…お前ら、 昨日、あの夜中のテレビ見たか? 里中 千枝|あのさ、花村まで、 こんな時に何言ってんの!? 花村 陽介|いーから聞けって! 俺…どうしても気になって見たんだよ。 花村 陽介|映ってたの…あれ小西先輩だと思う。 花村 陽介|見間違いなんかじゃない… 花村 陽介|先輩、なんか…苦しそうに、 もがいているみたいに見えた… 花村 陽介|それで…そのまま画面から消えちまった。 里中 千枝|どういう事…? 里中 千枝|それって…まさか… 里中 千枝|あのテレビに映った人は、死んじゃう… とかって言いたいわけ…? 花村 陽介|そこまでは言い切らないけどさ。 花村 陽介|ただ、偶然にしちゃ、なんていうか… ひっかかるっていうか… 花村 陽介|なあ… 俺の言ってる事…どう思う? |正しいと思う |馬鹿げてる 花村 陽介|…お前もそう思うか。 花村 陽介|じゃあ、全部偶然なのか? 花村 陽介|もし繋がりあるなら、先輩と山野アナも、 あの世界に入ったって事かも知れない。 花村 陽介|あっちで何かあったってんなら、 あのポスターの部屋があった説明もつく。 花村 陽介|もしそうなら…先輩に関係する場所だって、 探せばあるかも知れない。 里中 千枝|花村、あんたまさか… 花村 陽介|警察とか、アテにしてていいのかよ!? 山野アナの事件だって、進展なさそうじゃんか。 花村 陽介|第一、テレビに入れるなんて話、 まともに取り合う訳ねーよ! 花村 陽介|全部俺の見当違いなら、それでもいい… 花村 陽介|ただ…先輩がなんで死ななきゃなんなかったか、 自分でちゃんと知っときたいんだ… 里中 千枝|花村… 花村 陽介|こんだけ色んなもの見て、気付いちまって、 なのに放っとくなんて、出来ねーよ… 花村 陽介|悪ィ…けど頼むよ。 花村 陽介|準備して、ジュネスで待ってっからさ… 里中 千枝|気持ちは、分かんなくもないけど… 里中 千枝|あんなとこ、また入ったら、 無事に出られる保証無いじゃん… 里中 千枝|どうする…? |陽介と一緒に行く |陽介を止める |千枝に任せる 里中 千枝|ま、まじで…? 里中 千枝|…うん、そうだよね。 里中 千枝|えっ、あ、あたし? 里中 千枝|あたしは… 里中 千枝|とりあえず、ジュネスに行こう。 花村、放っとけないよ… 里中 千枝|なによそれ… 花村 陽介|先輩の遺体…最初に死んだ山野アナと 似たような状態だったって話だろ…? 花村 陽介|覚えてるか? “山野アナが運命の相手だ” とか、騒いでた奴いたよな? 花村 陽介|俺、思ったんだ。 もしかするとさ… 花村 陽介|山野アナも死ぬ前に、あのマヨナカテレビ ってのに、映ってたんじゃないのかなって… 花村 陽介|それと、向こうで会った“クマ”が言ってたろ。 “危ない”とか“霧が晴れる前に帰れ”とか… 花村 陽介|確か、“誰かが人を放り込む”とも言ってた。 花村 陽介|それに、ポスター貼ってあったあの部屋… 事件となんか関係ある感じだったろ。 花村 陽介|これって…なんかこう、繋がってないか? 花村 陽介|もしかしたら、先輩や山野アナが死んだのって “あの世界”と関係あるんじゃないのか!? 花村 陽介|ああ…俺、もう一度行こうと思う。 …確かめたいんだ。 里中 千枝|よ、よしなよ… 事件の事は、警察に任せた方がいいって… |>再び“テレビの中”へ連れて行くよう、 頼まれてしまった… 花村 陽介|来てくれたのか…! 里中 千枝|バカを止めに来たの! 里中 千枝|ねえ…マジやめなって。 危ないよ。 花村 陽介|ああ…けど、一度は帰って来たろ? 花村 陽介|あん時と同じ場所から入れば、 またあのクマに会えるかも知れない。 里中 千枝|そんなの、なんも保証無いじゃんよ! 花村 陽介|けど他のヤツらみたいに、他人事って顔で 盛り上がってらんない。 里中 千枝|そう、だけど… 花村 陽介|お前はどうする? このまま、放っとけるのか? |放ってはおけない |自分には関係ない |千枝が心配だ 花村 陽介|そうだよな。 うん…よかった。 花村 陽介|お前がそーゆーヤツでよかったよ。 花村 陽介|…確かに、お前ここに来たばっかだもんな。 花村 陽介|ワケの分かんない事で人が死んでんだ… 俺だってビビってない訳じゃない。 花村 陽介|けどお前も、俺や里中も、 見ちまった事に変わりはないだろ? 花村 陽介|なぁ、一緒に来てくれよ。 |>向こうで何が起こるか分からない… |>千枝も一緒に行く事には反対した。 花村 陽介|ああ、俺とお前だけでいい。 花村 陽介|心配すんなって、ちゃんと考えはあるんだ。 里中は、コレ頼む。 花村 陽介|無いよりいいかなと思ってさ。 里中 千枝|え? なにそれ…ロープ? 花村 陽介|俺ら、これ巻いたまま中入るから、 お前、端っこ持って、ここで待っててくれ。 里中 千枝|な、なにそれ、命綱って事? ちょ、ちょっと待ってよ… 花村 陽介|よし…じゃあ、行こうぜ。 ぐずぐずしててもしょうがないからな。 花村 陽介|里中、ロープ放すなよ! 里中 千枝|ちょ、ちょっと待ってってば! 里中 千枝|ほらぁ、やっぱ、無理じゃん… 里中 千枝|もう、どうしよう… 花村 陽介|鳴上。 お前には、これ…渡しとく。 花村 陽介|来てくれたのか…! 里中 千枝|バカを止めに来たの! 里中 千枝|ねえ…マジやめなって。 危ないよ。 花村 陽介|ああ…けど、一度は帰って来たろ? 花村 陽介|あん時と同じ場所から入れば、 またあのクマに会えるかも知れない。 里中 千枝|そんなの、なんも保証無いじゃんよ! 花村 陽介|けど他のヤツらみたいに、他人事って顔で 盛り上がってらんない。 里中 千枝|そう、だけど… 花村 陽介|お前はどうする? このまま、放っとけるのか? |放ってはおけない |自分には関係ない |千枝が心配だ 花村 陽介|そうだよな。 うん…よかった。 花村 陽介|お前がそーゆーヤツでよかったよ。 花村 陽介|…確かに、お前ここに来たばっかだもんな。 花村 陽介|ワケの分かんない事で人が死んでんだ… 俺だってビビってない訳じゃない。 花村 陽介|けどお前も、俺や里中も、 見ちまった事に変わりはないだろ? 花村 陽介|なぁ、一緒に来てくれよ。 |>向こうで何が起こるか分からない… |>千枝も一緒に行く事には反対した。 花村 陽介|ああ、俺とお前だけでいい。 花村 陽介|心配すんなって、ちゃんと考えはあるんだ。 里中は、コレ頼む。 花村 陽介|無いよりいいかなと思ってさ。 里中 千枝|え? なにそれ…ロープ? 花村 陽介|俺ら、これ巻いたまま中入るから、 お前、端っこ持って、ここで待っててくれ。 里中 千枝|な、なにそれ、命綱って事? ちょ、ちょっと待ってよ… 花村 陽介|よし…じゃあ、行こうぜ。 ぐずぐずしててもしょうがないからな。 花村 陽介|里中、ロープ放すなよ! 里中 千枝|ちょ、ちょっと待ってってば! 里中 千枝|ほらぁ、やっぱ、無理じゃん… 里中 千枝|もう、どうしよう… 花村 陽介|鳴上。 お前には、これ…渡しとく。 花村 陽介|いっててて… 花村 陽介|ここは… 花村 陽介|見ろよ、前と同じ場所じゃないか!? ちゃんと、場所と場所で繋がってんだ! クマ|キ、キミたち… なんでまた来たクマ… クマ|わーかったっ! 犯人は、チミタチだクマ!! 花村 陽介|お前、この間の…! 花村 陽介|てか、今なんつった!? 犯人!? クマ|最近、誰かがこの中に 人を放り込んでる気配がするクマ。 クマ|そのせいで、こっちの世界は どんどんおかしくなって来てるクマ… クマ|キミたちはココに来れる… 他人にムリやり入れられた感じじゃないクマ。 クマ|よって、一番怪しいのはキミたちクマ! クマ|キミたちこそ、ココへ 人を入れてるヤツに違いないクマァァ!! 花村 陽介|ふざけんなッ!! 花村 陽介|なんだそりゃ! 人を入れる!? 花村 陽介|こんなトコ放り込まれたら、 出れずに死んじまうかも知れねーだろ!? 花村 陽介|そんな危ねー事するワケ… 花村 陽介|って、オイ、待てよ… 花村 陽介|…なぁ、今、思ったんだけど、 誰かがここに、人を入れてるって話… 花村 陽介|まさか、先輩や山野アナの事か…? 花村 陽介|その“誰か”ってのが、 二人をここに放り込んだって事か? 花村 陽介|な、なあ…お前、どう思う? |きっとそうだ |偶然落ちたんだ |わからない 花村 陽介|ああ…俺も、そんな気がする。 花村 陽介|二人とも、お前みたいにテレビに手もぐる ようになって、そんで偶然落ちたって事か? 花村 陽介|まあ…俺ら実際そうだったし、 絶対無いとは言えないけど… 花村 陽介|でも、“誰かが入れてる気配がした”って クマがやたら言うの、気にならないか? 花村 陽介|確かに、言い切れるワケじゃないけどさ… 花村 陽介|でも、“誰かが入れてる気配がした”って クマがやたら言うの、気にならないか? 花村 陽介|もしも、こいつの話がホントだとしたら… 花村 陽介|誰かが、ハナから殺す気で、人をここに 放り込んでる…って事もあり得ないか? 花村 陽介|だとしたら… クマ|ゴチャゴチャうるさいクマねー。 キミらは何しに来たクマ!? クマ|ココは一方通行! 入ったら出られないの! クマ|クマが出してあげないと出らんないの、 味わったでしょーが! 花村 陽介|うるせー、関係ねーだろ! 花村 陽介|お前の力なんて借りなくてもな、 見ろ、今日はちゃんと命綱を… 花村 陽介|おああっ! 花村 陽介|テ、テメー、調べが済んだら、 こっからオレ達を出してもらうからな! クマ|ムッキー! 調べたいのは、こっちクマよ! クマ|クマずっとココに住んでるけど、 こんな騒がしい事、今まで無かったクマ。 クマ|証拠あるクマか!? 放り込んでるのキミらじゃないって証拠! 花村 陽介|しょ、証拠!? そんなもん、急には、その… クマ|ホラ、やっぱりキミらクマ! 花村 陽介|違うって言ってんだろっ! てか、お前に証明してやる義理はねえっての! 花村 陽介|それより、こっちの質問に答えてもらうぞ。 偶然来たこの前と違って、今日はマジなんだ! 花村 陽介|いーか、俺らの世界じゃ人が死んでんだよ… 霧が出る度に死体が上がってる。 花村 陽介|知ってる事話せ! ぜってーココと何か関係がある筈だ! クマ|霧が出る度に死体…? クマ|そっちで霧が出る日は、 こっちだと、霧が晴れるクマよ。 クマ|霧が晴れると、シャドウが暴れるから、 すごく危ないクマ。 花村 陽介|はぁ…? 一人で納得してんな、コラ! 花村 陽介|俺らんとこが霧だと、こっちは晴れ…? シャドウが暴れる…? クマ|そうなると危ないから、 早く帰れって言ったんだクマ! クマ|さあ、質問は終わりクマ。 クマ|…キミらが犯人なのは分かってるクマ! 今すぐ止めてもらうクマ! 花村 陽介|だから、違うって言ってんだろ!! 花村 陽介|いいかげんキレそうだぜ… なんで人の話聞かねえんだ、テメーはッ! クマ|は…犯人かも…って言ってるだけクマよ。 クマ|た、ただ、確認してるだけ… 花村 陽介|はぁ…? 強気か弱気か、どっちなんだよ… どうも調子くるうな、このクマ… 花村 陽介|…大体、ここって何なんだ? テレビのスタジオみてーな… 花村 陽介|ここで、何か撮ってるってことか…? 花村 陽介|お、おい、もしかして…あのおかしな番組、 ここで“撮影”されてんのか!? クマ|おかしなバングミ? サツエイ? 何の事クマ? 花村 陽介|何って…だから、放り込まれた人間を、 誰かがここで撮ってるのかって訊いてんだ。 クマ|…? 分かんない事言うクマね… クマ|ココは元々、こういう世界クマ。 誰かが何かをトルとか、そんなの無いクマよ。 花村 陽介|元々、こういう世界…? どういう事だ? クマ|ココにはクマとシャドウしかいないクマ! 前にも言ったクマよ! 花村 陽介|あのな…こっちは、お前も、シャドウだかも、 どっちも何者か分かんねーんだよ! 花村 陽介|て言うか、俺らに証拠だ何だ言う前に、 お前がそもそも一番怪しいじゃねーか! 花村 陽介|お前こそ、実は犯人なんじゃねーのか!? 花村 陽介|だいたい何だよ、そのフザケたカッコ!! いい加減、正体見せやがれっ!! 花村 陽介|うおぁっ! 花村 陽介|な、何なんだよ、お前… 花村 陽介|な、中身がねえ… クマ|クマが犯人だなんて… そんなことするはずないクマ… クマ|クマはただ、 ココに住んでるだけ… クマ|ただココで、静かに暮らしたいだけ…クマ。 クマ|キミたちが犯人じゃないって、 信じてもいいクマよ。 クマ|でもその代わり、本物の犯人を捜し出して、 こんな事を止めさせて欲しいクマ。 クマ|約束してくれないなら… こっちにも考えがあるクマ。 クマ|ココから出してあげない。 花村 陽介|テ、テメー…! クマ|このままじゃ、クマの住むココ、 めちゃくちゃになっちゃうクマ… クマ|そしたらクマは… クマ|ヨヨヨヨ… 花村 陽介|な、何、急に泣いてんだよ… 花村 陽介|あーも、ホント調子くるうぜ… |>謎のクマから、 犯人捜しの申し出を受けた… |>何者かが外から、この世界に、 人を放り込んでいる… |>その犯人が自分たちでないのなら、 本物の犯人を捜し出して欲しいという… |>謎のクマは、本気のようだ… イゴール|>“貴方は、これから向かう地にて災いを被り、 大きな謎を解く事を課せられるようだ”… |>解かなければならない謎とは、 この事件の事だろうか… |>イゴールの言っていた“何らかの契約”とは… |>犯人を捜し出し事件を解決するという、 この約束のことを意味しているのだろうか… |>どちらにせよ、ここから出られない以上、 選択の余地は無さそうだ… クマ|頼めるの、キミたちしかいないクマ… 約束…してくれるクマか? |約束する |仕方ない… クマ|よ、よかったクマ! 花村 陽介|くそ… 出さないとかって、足元見やがって… 花村 陽介|…けど、色々知りたくて来たのは間違いない。 今んとこ、なんもワカンネーしな。 花村 陽介|俺たちで犯人を捜せか…望むところだ。 その約束、乗ってやるよ。 花村 陽介|俺は花村陽介…一応、名乗っとくぞ。 で、こいつは鳴上 悠。 花村 陽介|お前、名前はなんてんだ? クマ|…クマ。 花村 陽介|まんまだな、おい… 花村 陽介|けど犯人捜すって、どうすりゃいいんだ? クマ|それは、クマにも分からんクマ… クマ|…でも、この前の人間が 入り込んだ場所は分かるクマ。 花村 陽介|この前の人間って… もしかして、小西先輩の事か!? クマ|この前、ココで消えた人間クマ。 クマ|何か、手がかりがあるかも知れないから、 そっちに案内してみるクマ。 クマ|あと、そうだ、案内の前に… …二人とも、これをかけるクマ。 花村 陽介|なんだよ…このメガネ? クマ|霧の中を進むのに、きっと役立つクマ。 クマ|…まぁ、クマはココに長いこと居るから、 頼りにしてくれクマ! クマ|…あ、でもクマに出来るのは案内だけだから、 自分の身は自分で守って欲しいクマ。 花村 陽介|頼りにならねーじゃんか! ワケわかんないの、相手に出来ないからな!? 花村 陽介|武器は持ってきたけど、その… 雰囲気出しみてーなとこあんだろ! 花村 陽介|来たばっかの俺らより、 危ないなら、お前がなんとかしろよ! クマ|ムリムリ。 筋肉ないもん。 クマ|クマは少し離れた所から キミたちに状況を伝えるクマよ。 クマ|わかったクマ? |>クマは戦えないというが、本当だろうか… |クマを触ってみる |クマを押してみる |クマを叩いてみる クマ|や、やめれー。 花村 陽介|ま、まじか!? 花村 陽介|こいつ…ショボすぎるぞ… 花村 陽介|こんな弱いのと、 犯人捜すなんて約束しちまったのか…? クマ|…そうだ、案内ついでに聞いておくクマ。 クマ|さっき言ってた“小西先輩”って、 キミたちの何クマ? 花村 陽介|何でもいいだろ… 花村 陽介|とにかく、小西先輩がココにいた可能性が あるってわけだ。 クマ|ま、待ってよー! 花村 陽介|ハァ…おい、どうする? |>イゴールと名乗った 謎の老人の言葉が、心に甦る… |>メガネを通すと、曇っていた景色が クリアに見える…! 花村 陽介|うお、すげえ… 花村 陽介|この間と視界が全然違う。 かけてると、濃い霧が、まるで無いみたいだ。 クマ|はっはーん… そういうことクマか… 花村 陽介|とにかく、先輩がココに入れられた可能性が あるって事だけは分かった。 花村 陽介|もっと何か、分かるかも知れない。 鳴上、早く行こうぜ。 |ふざけるな |勝手に決めるな |うるさい |証拠!? |急に言われても… |うるさい |元々、こういう世界…? |どういう事だ? |わかるように言え 花村 陽介|な、なんだよ…ここ… 町の商店街にそっくりじゃんか… 花村 陽介|一体、どうなってんだ!? クマ|最近、おかしな場所が出現しだしたクマよ。 クマ|いろいろ騒がしくなって、 困ってるクマ… 花村 陽介|…ところでお前、 何でそんなに離れたとこに居んだよ。 花村 陽介|…いざとなったら、 逃げる気じゃないだろうな。 クマ|そんな事ないクマよ! クマ|や、あんまり近くにいたら キミたちの活躍の邪魔になるから… 花村 陽介|ふーん… 花村 陽介|しっかし、どの辺まで続いてんだ…? 花村 陽介|てーか、町の色んな場所の中で、 なんで“ここ”なんだ? クマ|なんでって言われても… ココに居る者にとってココは現実クマ。 花村 陽介|ハァ…相変わらず、よく分かんねーなぁ… 花村 陽介|けど、ここがウチの商店街なら この先は、確か小西先輩の… 花村 陽介|やっぱり… ここ、先輩んちの酒屋だ。 花村 陽介|先輩…ここで消えたって事なのか? 花村 陽介|一体、何が… クマ|ちょ、ちょっと待つクマ。 そ、そこに、いるクマ! 花村 陽介|いるって、何がだよ。 クマ|…シャドウ。 やっぱり…襲ってきたクマ! |>鳴上 悠は、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“イザナギ”を手に入れた! 花村 陽介|すっげ… な、なんだよ、今の!? 花村 陽介|“ペルソナ”って言ったよな!? あれ、どういう… 花村 陽介|てか、一体何したんだよ!? 花村 陽介|なあ、俺も出せたりすんのか…? クマ|落ち着け、ヨースケ。 センセイが困ってらっしゃるクマ! 花村 陽介|セ、センセイ…? クマ|いやはや、センセイはすごいクマね! クマはまったくもって感動した! クマ|こんなすごい力を隠してたなんて… シャドウが怯えてたのも分かるクマ! クマ|もしかして、この世界に入ってこれたのも、 センセイの力クマか? クマ|ふむー! やっぱりそうクマか! こら、スゴイクマねー。 クマ|な、ヨースケもそう思うだろ? 花村 陽介|何、急に俺だけタメ口になってんだ。 チョーシ乗んなっ! クマ|はい… 花村 陽介|ま、まあでも、お前のバックアップも なかなかだったけどな。 花村 陽介|ちょっとだけ見直したぞ、クマ。 クマ|え、そ、そークマ? …えへへ。 花村 陽介|よし、お前らのおかげで 何とかこの先、進んでけそうじゃん! 花村 陽介|捜査再開、がんばって行こうぜ! 花村 陽介|にしても…ここで一体、 先輩に何があったんだろうな? |>どこからともなく、 声が聞こえて来る… |ジュネスなんて潰れればいいのに… |ジュネスのせいで… 花村 陽介|な、何だよコレ… |そういえば小西さんちの早紀ちゃん、 ジュネスでバイトしてるんですってよ。 |まあ… お家が大変だって時に…ねえ。 |ジュネスのせいで このところ、売上も良くないっていうし。 花村 陽介|や、やめろよ… |娘さんがジュネスで働いてるなんて、 ご主人も苦労するわねえ。 |困った子よねえ… 花村 陽介|おい…おい、クマ! 花村 陽介|ここは、ここにいる者にとっての 現実だとか言ってたな! 花村 陽介|それ…ここに迷い込んだ先輩にとっても 現実って意味なのか…? クマ|クマは…こっち側の事しか分からない。 花村 陽介|…上等だよ。 花村 陽介|一体何がどうなってるのか… 俺たちで確かめてやる! 花村 陽介|中までボロボロかよ… これじゃまるで廃墟じゃんよ… 花村 陽介|くそっ、またか… |>男の怒鳴り声が聞こえてくる… |何度言えば分かるんだ、早紀! 花村 陽介|こ、これ… 先輩のオヤジさんの声か…? |お前が近所からどう言われてるか、 知らない訳じゃないだろ! |代々続いたこの店の長女として、 恥ずかしくないのか! |金か? それとも男か!? よりによって あんな店でバイトなんかしやがって… 花村 陽介|何だよ、これ… 花村 陽介|バイト…楽しそうだったし、 俺にはこんな事、一言も… 花村 陽介|こんなのがホントに 先輩の現実だってのかよ! 花村 陽介|これ、何かの写真だよな… あれ…これって… 花村 陽介|これ…前にバイト仲間と、 ジュネスで撮った写真じゃんか… 花村 陽介|な、なんで、こんなこと… |>写真の切れ端には、 笑顔の小西早紀が写っている… |>その隣には陽介がいる… 小西 早紀|ずっと…言えなかった… 花村 陽介|この声…先輩!? 小西 早紀|私、ずっと花ちゃんの事… 花村 陽介|え…? 俺の事…? 小西 早紀|…ウザいと思ってた。 小西 早紀|仲良くしてたの、店長の息子だから、 都合いいってだけだったのに… 小西 早紀|勘違いして、盛り上がって… ほんと、ウザい… 花村 陽介|ウ、ウザい…? 小西 早紀|ジュネスなんてどうだっていい… 小西 早紀|あんなののせいで潰れそうなウチの店も、 怒鳴る親も、好き勝手言う近所の人も… 小西 早紀|全部、無くなればいい… 花村 陽介|ウ、ウソだよ…こんなのさ… 花村 陽介|先輩は…そんな人じゃないだろ!! |悲しいなぁ…可哀想だなぁ、俺… クマ|あ、あれ? ヨ…ヨースケが二人…クマ? 花村 陽介|お前、誰だ!? 花村 陽介|お、俺はそんな事、思ってない… もう一人の陽介|…アハハ、よく言うぜ。 いつまでそうやってカッコつけてる気だよ。 もう一人の陽介|商店街もジュネスも、全部ウゼーんだろ! そもそも、田舎暮らしがウゼーんだよな!? 花村 陽介|な、何言ってる…? 違う、俺は… もう一人の陽介|お前は孤立すんのが怖いから、 上手く取り繕ってヘラヘラしてんだよ。 もう一人の陽介|一人は寂しいもんなあ。 みんなに囲まれてたいもんなあ。 もう一人の陽介|小西先輩の為に、この世界を調べに来ただぁ? お前がここに興味を持ったホントの理由は… 花村 陽介|や、やめろ!! もう一人の陽介|ははは! 何、焦ってんだ! 俺には全部、お見通しなんだよ。 もう一人の陽介|だって俺は…お前なんだからな! もう一人の陽介|お前は単に、この場所にワクワクしてたんだ! ド田舎暮らしには、うんざりしてるもんな! もう一人の陽介|何か面白いモンがあんじゃないか… ここへ来たワケなんて、要はそれだけだろ!? 花村 陽介|違う…やめろ、やめてくれ… もう一人の陽介|カッコつけやがってよ…あわよくば、 ヒーローになれるって思ったんだよなぁ? もう一人の陽介|大好きな先輩が死んだっていう、 らしい口実もあるしさ… 花村 陽介|違う!! 花村 陽介|お前、何なんだ! 誰なんだよ!? もう一人の陽介|くくく…言ったろ? もう一人の陽介|俺は、お前… お前の“影”… 全部、お見通しだってな! 花村 陽介|ふ…ざけんなっ! お前なんか知らない! 花村 陽介|お前なんか…俺じゃない!! もう一人の陽介|は、は、は…はははははははっ!! もう一人の陽介|来る、来るぜぇぇ! 力がさぁぁ! 花村 陽介|う、うわっ! クマ|“シャドウ”だクマ! クマ|人からの“生まれたて”は、初めて見たクマ… クマ|周りのシャドウたちが共鳴を始めてるクマ! クマ|アレを中心にシャドウたちが集まって… このままじゃ大変な事になるクマ! クマ|い、今のうちに、 暴走を止めないと危険クマ!! |てか、何もかもウザいと思ってんのは、 自分の方だっつーの、あはは… もう一人の陽介|悲しいなぁ…可哀想だなぁ、俺… もう一人の陽介|てか、何もかもウザいと思ってんのは、 自分の方だっつーの、あはは… クマ|あ、あれ? ヨ…ヨースケが二人…クマ? 花村 陽介|お前、誰だ!? 花村 陽介|お、俺はそんな事、思ってない… もう一人の陽介|…アハハ、よく言うぜ。 いつまでそうやってカッコつけてる気だよ。 もう一人の陽介|商店街もジュネスも、全部ウゼーんだろ! そもそも、田舎暮らしがウゼーんだよな!? 花村 陽介|な、何言ってる…? 違う、俺は… もう一人の陽介|お前は孤立すんのが怖いから、 上手く取り繕ってヘラヘラしてんだよ。 もう一人の陽介|一人は寂しいもんなあ。 みんなに囲まれてたいもんなあ。 もう一人の陽介|小西先輩の為に、この世界を調べに来ただぁ? お前がここに興味を持ったホントの理由は… 花村 陽介|や、やめろ!! もう一人の陽介|ははは! 何、焦ってんだ! 俺には全部、お見通しなんだよ。 もう一人の陽介|だって俺は…お前なんだからな! もう一人の陽介|お前は単に、この場所にワクワクしてたんだ! ド田舎暮らしには、うんざりしてるもんな! もう一人の陽介|何か面白いモンがあんじゃないか… ここへ来たワケなんて、要はそれだけだろ!? 花村 陽介|違う…やめろ、やめてくれ… もう一人の陽介|カッコつけやがってよ…あわよくば、 ヒーローになれるって思ったんだよなぁ? もう一人の陽介|大好きな先輩が死んだっていう、 らしい口実もあるしさ… 花村 陽介|違う!! 花村 陽介|お前、何なんだ! 誰なんだよ! もう一人の陽介|くくく…言ったろ? もう一人の陽介|俺は、お前… お前の“影”… 全部、お見通しだってな! 花村 陽介|ふ…ざけんなっ! お前なんか知らない! 花村 陽介|お前なんか…俺じゃない!! もう一人の陽介|は、は、は…はははははははっ!! もう一人の陽介|来る、来るぜぇぇ! 力がさぁぁ! 花村 陽介|う、うわっ! クマ|“シャドウ”だクマ! クマ|人から生まれる所は初めて見たクマ… クマ|周りのシャドウたちが共鳴を始めてるクマ! クマ|アレを中心にシャドウたちが集まって… このままじゃ大変な事になるクマ! クマ|い、今のうちに、 暴走を止めないと危険クマ!! 花村 陽介|お、俺は… クマ|ヨースケ、だいじょぶ!? 花村 陽介|あ、ああ… 一体…何が起きたんだ…? 花村 陽介|お前…お前は… 俺じゃ…ない… クマ|あれはもともと ヨースケの中に居たものクマ… クマ|ヨースケが認めなかったら… さっきみたいに“暴走”するしかないクマよ… |>陽介は認めたくないようだ… |それも陽介らしさだ |勇気を持て |誰だって同じようなもんだ 花村 陽介|お前… 花村 陽介|勇気… 花村 陽介|それ…慰めのつもりか? 花村 陽介|ちくしょう… ムズいな、自分と向き合うってさ… 花村 陽介|分かってた…けど、みっともねーし どーしょもなくて、認めたくなかった… 花村 陽介|お前は、俺で…俺は、お前か。 全部ひっくるめて、俺だって事だな。 |>自分自身と向き合える強い心が、 “力”へと変わる… |>陽介は、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“ジライヤ”を手に入れた! 花村 陽介|これが俺の“ペルソナ”… 花村 陽介|あの時、聞こえた先輩の声… 花村 陽介|あれも、先輩が心のどっかで 押さえ込んでたモンなのかな… 花村 陽介|はは… “ずっとウザいと思ってた”か… 花村 陽介|これ以上ねーってくらい、盛大にフラれたぜ… ったく…みっともねー… 花村 陽介|お前がいてくれて、助かったよ… ありがとな、鳴上。 花村 陽介|なあ、クマ… 花村 陽介|もしかして先輩はここで、もう一人の自分に 殺されたって事か? 花村 陽介|さっき、俺に起きたみたいに… クマ|多分そうだと思うクマ。 クマ|ココにいるシャドウも、 元は人間から生まれたものクマ。 クマ|でも霧が晴れると、みんな暴走する… クマ|さっきみたいに“意志のある強いシャドウ”を 核に大きくなって、宿主を殺してしまうクマ。 花村 陽介|それが…町で霧が出た日に こっちで人が死ぬ原因なのか… クマ|ヨースケ、だいぶ疲れてるクマね… クマ|もともとこっちの世界は、 人間にはちっとも快適じゃないクマ。 クマ|もう何の声も聞こえなくなったし、 これ以上、ココには何も無さそうクマ。 クマ|一旦、戻るクマね。 花村 陽介|なあ、クマ。 お前、ここが現実だって言ってたよな。 花村 陽介|さっきの商店街… それに、前に見たあの妙な部屋… 花村 陽介|あれは、死んだ二人がこっちへ入った後で、 二人にとっての現実になったって事なのか? 花村 陽介|つまり…二人が入ったせいで、 あんな場所が出来たのか? クマ|今まで無かった事だから、分からないけど… クマ|ココで消えた人たちも、きっと、 さっきのヨースケみたいになったクマね… 花村 陽介|つまりだ… 花村 陽介|先輩や山野アナは、こんなトコに放り込まれて、 出られずにさまよって… 花村 陽介|そのうち体から、あのシャドウってのが出て、 そいつが霧が晴れた時に暴れ出して、命を… 花村 陽介|そういう事なんだな? 花村 陽介|なら俺も、ここの霧が晴れるまで居たら、 ずっとヤバい目に遭ってたって事か? クマ|間違いないと思うクマ。 クマ|それに、さっきはセンセイや、 クマも側に居たから… 花村 陽介|俺らなら…この先また誰かが放り込まれても、 その人を救えるって事か…!? 花村 陽介|消えちまう前に… 俺自身が、さっき助けられたみたいに! クマ|あ、あのさ… 逆にちょっと訊いていいクマ…? 花村 陽介|お前、自分の生まれも知らねーのかよ!? そんな事、俺らに分かるわけねーだろ。 クマ|この世界の事ならいくつか知ってる… けど、自分の事は…分かんないクマ。 クマ|ちゅーか、今まで考えた事無かった… 花村 陽介|まじかよ… 花村 陽介|つか、そんなんじゃ、 俺らが何訊いたってムダなはずだよな… クマ|また…ココに来てくれるクマ…? |当たり前だ |約束したから |仕方ないから クマ|ほ…ほんと? クマ|約束…守ってくれるクマか? クマ|それじゃ… 約束、守ってくれるクマか? 花村 陽介|じゃなきゃここから出さないって、 お前が言ったんだろ? クマ|そ、そうだったクマ! じゃ、出してあげる前に、お願いクマ。 クマ|これからクマは、ココで、 キミたちが来るのを待ってるクマよ。 クマ|だからキミたちは、 必ず同じ場所から入るクマ。 花村 陽介|同じ場所…? ジュネスのテレビって事か? クマ|違うとこから入ると、 違うとこに出ちゃうクマ。 クマ|もしそれが、クマの行けない場所だったら どうしようもないクマ… クマ|以上、分かったんクマ!? 花村 陽介|まぁ、だいたいな… 花村 陽介|…じゃあ、出口ヨロシクな。 クマ|オーッス! リョーカイだクマー! 花村 陽介|さてと…まず向こうに店員とか 来ちゃってないか、確認しないと… クマ|ぷくく。 ヨースケがさらに変クマ。 クマ|ハイハイー、行って行って行ってー。 ムギュウ! 花村 陽介|のわっ、だから、最後無理に押すなっつーの! バカ…おわあっ! |そうに違いない |とにかく犯人を見つけよう |やってみないと何とも 花村 陽介|…とにかく、ここに人を入れてる犯人を 捕まえて、やめさせるしかない。 花村 陽介|そうか… ようやく、少しは状況が分かってきたぜ。 花村 陽介|町で霧が出る日は、 こっちは晴れるって言ってたよな? 花村 陽介|晴れるとシャドウは暴走するって… 花村 陽介|二人とも、遺体は町が霧の日に 見つかったんだ…これって… クマ|ココの霧は、時々晴れるクマ。 そうなると、シャドウたちは、ひどく暴れる… クマ|クマ、怖くていつも隠れてるんだけど… クマ|最初の時も、その次も、 “人の気配”はその時に消えたクマ… 花村 陽介|くそっ…! 花村 陽介|先輩達…たった一人でこんな場所に… なのに、誰も…先輩達を… クマ|ヨースケ… クマ|二人とも、ココが晴れた日に消えたけど、 それまではシャドウに襲われなかったクマ。 クマ|なのにボクら、さっきは襲われたクマ。 クマ|シャドウ達、すごく警戒してた… 探索してるボクらを敵と見なしてるのかも… クマ|キケンだけど…でも、ボクらなら、 戦って救えるかも知れないクマ。 クマ|シャドウが人から生まれるなら、 クマは何から生まれたクマか…? |死んだ二人にも同じことが? |二人はこの世界に殺された? |同じ場所…? |ジュネスのテレビからって事…? 里中 千枝|あ… 里中 千枝|か…帰っでぎだぁ…!! 花村 陽介|あ、里中? うっわ、どしたんだよ、その顔? 花村 陽介|あがっ! 里中 千枝|どうした、じゃないよ! ほんっとバカ! 最悪!! 里中 千枝|もう信じらんない! アンタら、サイッテー! 里中 千枝|ロープ、切れちゃうし… どうしていいか、分かんないし… 里中 千枝|心配…したんだから。 里中 千枝|すっげー、心配したんだからね! 里中 千枝|あー、もう、腹立つ! 花村 陽介|…ちょっとだけ、悪い事したな。 花村 陽介|いや、やべーかな、これは… 花村 陽介|まぁ、しゃーない、明日謝ろ。 花村 陽介|今日はもーヘトヘト… 帰って、風呂入って寝るわ。 花村 陽介|今日は…眠れそうな気がする。 花村 陽介|へへ…んじゃ、また明日。 学校でな! 天城 雪子|あれ…? 天城 雪子|あ…この格好? 驚いた? 家のお使いだったから… 天城 雪子|えっと…この町とか、 学校には、もう慣れた? |まあまあ |そうでもない |気に入った 天城 雪子|…よかった。 天城 雪子|知らない場所に転校してくるって、 大変なんだろうね。 天城 雪子|そっか… まだ来たばっかりだもんね… 天城 雪子|知らない場所に転校してくるって、 大変なんだろうね。 天城 雪子|ほんと…? 天城 雪子|けど、知らない場所に転校してくるって、 大変なんだろうね。 天城 雪子|私は、この町から出た事ないから、 転校ってどんな気分か、分からないけど… 天城 雪子|あ、えっと…私、いつも帰り早いし… その…千枝とかとは、どう? |仲良くやってる |振り回されてる |まだよくわからない 天城 雪子|そう、よかった。 天城 雪子|…そうなんだ。 千枝、いっつも元気だからね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|千枝ってね、すごく頼りになるの。 私、いつも引っ張ってもらってる。 天城 雪子|去年も同じクラスでね、 一緒にサボって遊んだりしたな。 天城 雪子|あ…そろそろ戻らなきゃ。 板長と明日の打ち合わせしないと。 天城 雪子|ウチの旅館、 私がいないと全然ダメだから。 天城 雪子|…えと、また学校でね。 |>帰り道の河川敷… 堂島 菜々子|お父さん、おそいな… |では、今夜のトップニュース。 稲羽市で起きた異常殺人の続報です。 |今朝7時頃、稲羽市の住宅街で、地元高校の 3年生、小西早紀さんが遺体で見つかった事件。 |警察は、遺体の状況が極めて似ている事や、 被害者が遺体発見者であった事などから… |先の山野アナの事件から続く連続殺人の 可能性もあると見て、捜査を進めています。 |警察の調べによりますと、小西さんの死亡は 昨晩1時過ぎ頃と見られています。 |ですが現場は未明から濃い霧で視界が悪く、 発見が遅れたのではないかという事です。 堂島 菜々子|またジケンだね… 堂島 菜々子|またお父さん、かえってこなくなる。 |仕方ない |お父さん心配だね |自分がついてる 堂島 菜々子|うん… 堂島 菜々子|お父さんけいじだから、 いそがしいのは、しょうがないよね。 堂島 菜々子|うん。 堂島 菜々子|お父さんけいじだから、 いそがしいのは、しょうがないよね。 堂島 菜々子|…だいじょうぶだよ。 堂島 菜々子|いえの事やるの、手つだってくれる? |>菜々子は、歳の割にしっかりしているようだ。 堂島 菜々子|あー、おさら、あらわなきゃ… |>家事を手伝う事にした。 |…鮫川の上流に軒を構える、地元随一の 歴史をもつ高級温泉宿、“天城屋旅館”。 |源泉かけ流しのラドン泉の露天風呂を備え、 遠方からのリピーターも多い高級旅館だ。 |えー、事件後、女将が一線を退き、今はこちら、 一人娘の雪子さんが代わりを務めています。 |>和服姿の雪子が映っている。 |言ってみれば“現役女子高生女将” …といった所でしょうか。 |何ともこう、惹かれる響きです。 お話うかがってみましょう…すみません! 天城 雪子|…え? 私…私ですか? |女子高生で女将、という事ですが。 天城 雪子|いえあの、私は代役で… |でも、跡継ぐワケでしょ? て言うか和服色っぽいね、男性客多いでしょ? 天城 雪子|えー、や、あの… |>リポーターの脱線は続いている… 堂島 菜々子|…つまんない。 |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…人影が映っている! |>女性のようだ。 和服を着ているように見える… |>画像がはっきりせず、 誰なのかまでは分からない… |>明日さっそく、 陽介らと話した方が良さそうだ。 |>今日はもう休む事にした。 |今日のニュースにもありました稲羽市ですが、 今年も頻繁に濃霧が観測されています。 |実はこれは、ここ数年見られるようになった 異常気象で、原因はよく分かっていません。 |周辺にお住まいの方はご注意ください。 |今日は、稲羽市の事件について時間を延長して お伝えしました…間もなく午前0時です。 |>…またあの映像だ。 |>どうやら、条件さえ揃えば 何度でも見られるようだ… |>マヨナカテレビの映像に手を触れたら、 どうなるだろうか… |>映っている人物に 触れる事は出来るのだろうか…? |>手が画面に潜った…! |>人物の映像は消えてしまった… イゴール|再びお目にかかりましたな。 マーガレット|ここは、何かの形で“契約”を果たされた方 のみが訪れる部屋… マーガレット|貴方は日常の中で無意識に目覚めを促され、 内なる声の導く定めを選び取った… マーガレット|そして見事…“力”を覚醒されたのです。 イゴール|今宵から貴方は、 この“ベルベットルーム”のお客人だ。 イゴール|貴方は“力”を磨くべき運命にあり、 必ずや、私共の手助けが必要となるでしょう。 イゴール|貴方が支払うべき代価は1つ… イゴール|“契約”に従い、ご自身の選択に 相応の責任を持って頂く事です。 |分かった |よく分からない イゴール|結構。 イゴール|…今はまだ、それで宜しい。 イゴール|貴方が手に入れられた“ペルソナ”… イゴール|それは、貴方が貴方の外側の事物と 向き合った時、表に現れ出る“人格”。 イゴール|様々な困難と相対するため自らを鎧う、 “覚悟の仮面”…とでも申しましょうか。 イゴール|しかも、貴方のペルソナ能力は“ワイルド”… 他者とは異なる特別なものだ。 イゴール|からっぽに過ぎないが、無限の可能性も宿る。 そう…言わば、数字のゼロのようなもの。 |特別…? |からっぽ…? イゴール|ペルソナ能力は“心”を御する力… “心”とは、“絆”によって満ちるもの。 イゴール|他者と関わり、絆を育み、貴方だけの “コミュニティ”を築かれるが宜しい。 イゴール|“コミュニティ”の力こそが、 “ペルソナ能力”を伸ばしてゆくのです。 |心を育む…? |まだよく分からない マーガレット|コミュニティは、単にペルソナを強くする ためだけのものではありません。 マーガレット|ひいてはそれは、お客様を真実の光で照らす 輝かしい道標ともなってゆくでしょう。 イゴール|貴方に覚醒した“ワイルド”の力は 何処へ向かう事になるのか… イゴール|ご一緒に、旅をして参りましょう…フフ。 イゴール|では、再び見えます時まで…ごきげんよう。 イゴール|これをお持ちなさい。 |>ここは… イゴール|ようこそ。 イゴール|ご心配めさるな。 現実の貴方は眠りについていらっしゃる… イゴール|私が夢の中にて、 お呼び立てしたのでございます。 |>ベルベットルームへ招かれたようだ… 花村 陽介|よっ、おはよーさん。 花村 陽介|昨日の夜中の、見たろ? 花村 陽介|誰だかいまいち分かんなかったけど、 アレに映った以上、放っとけない。 花村 陽介|とにかく放課後、様子見に行こうぜ。 クマからなんか聞けるかも知んないし。 花村 陽介|また誰かが放り込まれたんだとしたら、 やっぱ、マジでいるのかもな、“犯人”… 花村 陽介|被害者が死ぬ直接の原因は、 あの世界のせいかも知れないけどさ… 花村 陽介|…あの世界を“凶器”として、 使ってるヤツがいるなら、許せないよな… 花村 陽介|だからさ… 絶対、俺たちで犯人見つけよーぜ! 花村 陽介|だって、警察が捕まえられるか? “人をテレビに入れてる殺人犯”なんてさ。 |いい考えだ |自分も約束は守りたい |ここを平和にしよう |やりたくない 花村 陽介|へへ…そっか。 お前がそう言ってくれんなら、心強いよ。 花村 陽介|だよな! 約束は守りたいよな。 花村 陽介|ああ…俺もそう思う。 |>やりたくない… |>…とは、とても言えそうにない空気だ… 花村 陽介|…俺としては、さ。 お前に手伝って欲しいっていうかさ。 花村 陽介|正直、一人じゃ、やっぱその… いろいろ不安だしな。 花村 陽介|実は昨日さ、俺んちのテレビで試したら、 頭突っ込めたんだよ、お前みたいに。 花村 陽介|俺が一人でテレビに入れたの、 あの力が目覚めたからかもな… 花村 陽介|“ペルソナ”だっけか… 花村 陽介|もしかすると、事件を解決する為に、 俺たちが授かったもんかも知れないよな。 花村 陽介|けど、テレビに入るのも、ペルソナも、 お前が最初にやってのけたんだよな… 花村 陽介|お前となら、犯人見つけて、 この事件を解決できそうな気がすんだ。 花村 陽介|お前となら、犯人見つけて、 この事件を解決できそうな気がすんだ。 |>謎だらけの状況の中で、 陽介は力強く前に進もうとしている… |>陽介との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 花村 陽介|さ、里中! 花村 陽介|その…き、昨日は…わりぃ、心配さして… 里中 千枝|そんな事より、 雪子、まだ来てない? 花村 陽介|え、あ、天城? さぁ…まだ見てないけど。 里中 千枝|ウソ…どうしよう… ねえ…あれってやっぱホントなの? 里中 千枝|その…マヨナカテレビに映った人は “向こう側”と関係してるってヤツ。 花村 陽介|ああ、今ちょうどその話しててさ、 後で確かめに行こうかって… 里中 千枝|昨日、映ってたの…雪子だと思う。 里中 千枝|あの着物、旅館でよく着てるのと似てるし、 この前、インタビュー受けたときも着てた。 里中 千枝|心配だったから夜中にメールしたんだけど 返事こなくて… 里中 千枝|でも、夕方頃にかけた時は、 今日は学校来るって言ってたから… 里中 千枝|あ、あたし… 花村 陽介|分かったから、落ち着けって。 で、メールの返事はまだ無いのか? 里中 千枝|うん… |>千枝に、向こうの世界で得た情報を、 かいつまんで伝えた。 里中 千枝|それ…どういう事? まさか雪子…あそこに入れられたって事!? 花村 陽介|分かんねーけど、そういう事なら、 とにかく天城の無事を確かめんのが先だろ。 花村 陽介|里中、天城に電話! 里中 千枝|どうしよ…留守電になってる… 里中 千枝|で、出ないよ… 花村 陽介|マジかよ… じゃあまさか、天城はあの中に…? 里中 千枝|や、やめてよ! きっと、他に何か、用事とか… 里中 千枝|あ、旅館の方で手伝いしてるかも… そしたらケータイ出れないと思うし… 花村 陽介|手伝いって…学校休んでか? 里中 千枝|と、とにかく、かけてみる。 えっと…天城屋旅館は… 里中 千枝|雪子…お願い… 里中 千枝|あ、雪子!? よかった~、いたよ~! 里中 千枝|うん… うん、そっか… 里中 千枝|あ、ううん、なんでもないっす。 また後でメールするから… 里中 千枝|よかった、雪子、いたよ~。 里中 千枝|急に団体さんが入って、 手伝わなきゃいけなくなったって。 里中 千枝|あ~そう言や今までも、 年に1回くらいは、こゆ事あったっけね~。 里中 千枝|明日もずっと旅館のほうにいるって。 里中 千枝|…って、花村~! 要らない心配しちゃったじゃん! 里中 千枝|てか、全然無事じゃん! 里中 千枝|“まさか、天城はあの中に…?”とかってさ! まったく… 花村 陽介|わ、悪かったって… 花村 陽介|けど俺らも、そう思いたくなる訳があんだよ。 里中 千枝|…どんな? 花村 陽介|えっと…俺たち、“マヨナカテレビ”に映るのは “あっち側”に居る人だって思ってたんだ。 花村 陽介|だってそうだろ、テレビの中に居るから テレビに映っちまう…いかにもありそうじゃん? 花村 陽介|でも、天城はちゃんと現実にいる。 どういう事か、確かめた方がいいかもな。 花村 陽介|よし、放課後ジュネスで待ち合わせようぜ。 俺、準備して先行ってるな。 花村 陽介|ま、まあまあ、俺のイタい体験とか、 その辺はいいから、な? 里中 千枝|そんな話…普通、絶対信じないよね。 実際にあの中、見てなかったら。 花村 陽介|まったくだぜ。 花村 陽介|で、とにかく中の様子を 知りたい訳なんだけど… 花村 陽介|そだ、ちょっと来てみ。 花村 陽介|なあ、手だけ突っ込んで呼んでみねえ? どうせクマ、入口でウロウロしてんだろ。 里中 千枝|カベ? |>手招きでクマを呼んでみた… |>何かが噛み付いた! 花村 陽介|ど、どうした!? 里中 千枝|しーっ! バカ、声でかいって! 里中 千枝|は、歯型ついてるし!! ちょ、大丈夫!? |問題ない |なんとか大丈夫… |泣けてきた 里中 千枝|よかった~。 もー、クマの仕業だな…? 里中 千枝|うっわ、痛そ… もー、クマの仕業だな…? 里中 千枝|な、泣かないでよ~。 もー、クマの仕業だな…? 里中 千枝|おい、クマきち! そこに居んでしょ! クマ|なになに? コレ、なんの遊び? 花村 陽介|遊びじゃねっつの! 今、中に誰かの気配はあるのか? クマ|誰かって誰? クマは今日も一人で寂しん坊だけど? クマ|むしろ、寂しんボーイだけど? 里中 千枝|うっさい! 里中 千枝|けど、誰もいない…? ホントに? クマ|ウ、ウソなんてつかないクマ! クマの鼻は今日もビンビン物語クマ。 里中 千枝|あたし、やっぱり雪子に 気をつけるように言ってくる。 里中 千枝|土日は旅館が忙しいだろうから 一人で出歩いたりしないと思うけど… 花村 陽介|そうだな… 月曜、一緒に来るんだろ? 里中 千枝|うん、家まで迎えに行く。 花村 陽介|もしかしたら、今夜の“マヨナカテレビ”で また何か分かるかもしれない。 花村 陽介|全部、勘違いならいいんだけどな… 花村 陽介|今日、見たら電話するわ。 携帯の番号、教えてくれ。 |>陽介と携帯電話の番号を交換した。 花村 陽介|じゃあ、今夜見るの忘れんなよ。 |>あの時映ったのは、 本当に雪子だったのだろうか…? |>今夜、テレビを見なくては… |>昨日起きた事を、 改めて千枝に詳しく説明した。 花村 陽介|なんとかクマくんの話、聞けないかな… 里中 千枝|ハァ…なんで今日に限って客がこんなに… そういや今、家電はセール中だっけか… 花村 陽介|里中、お前はこっちね。 俺と一緒にカベやって。 足立 透|やっぱこれ以上は出なそうスね。 足立 透|犯人に直接つながる物証は無しか… 堂島 遼太郎|まだ殺しと決まった訳じゃない。 足立 透|殺しですよ絶対! あんな遺体、事故死な訳ないですって! 堂島 遼太郎|…まあな。 堂島 遼太郎|警察でも死の状況を掴めないのに 同じ格好の仏が2つ… 堂島 遼太郎|これで殺しなら、 鉄板で同一犯による連続殺人だな。 堂島 遼太郎|けど…だとすると、どういう事だこりゃ? 足立 透|最初は、三角関係のもつれに間違いないって 思ったんですけどね。 堂島 遼太郎|事件当時、歌手の柊みすずは海外公演中で アリバイが固い…通話記録もある。 堂島 遼太郎|というか、そもそも愛人問題がメディアに 出たのはみすず本人が会見で暴露したからだ。 堂島 遼太郎|これから殺そうってのに、わざわざ自分に 疑いが向くような事言うヤツぁいない。 足立 透|ですよねえ… 堂島 遼太郎|旦那の生田目太郎にしても、 いくら揺さぶっても何も出てこないしな。 堂島 遼太郎|奴ぁ、ここ半年は中央で仕事をしていた。 堂島 遼太郎|スキャンダルで最近町に戻って来たらしいが、 事件当時は、市外の議員事務所に詰めてた。 堂島 遼太郎|もちろん、山野真由美の死んだ日もだ。 泊り込みで作業していたと裏が取れてる。 堂島 遼太郎|おまけに山野の方にも、失踪前後に生田目と 接触した形跡は全く無いときてる… 足立 透|この事件で騒がれたせいで、生田目のヤツ、 秘書クビになってますからねえ。 足立 透|生き残った関係者の中じゃ、 むしろ一番の被害者じゃないですか? 堂島 遼太郎|ああ、確かにな… 堂島 遼太郎|しかも2件目の“小西早紀”… 堂島 遼太郎|最大の接点は“遺体発見者”って 所だが…口封じとしちゃおかしい。 堂島 遼太郎|小西の死は1件目が世に出た後だし、それに あの遺体…隠すどころか見て欲しいって風だ。 堂島 遼太郎|他の繋がりって言や、ガイ者の山野が死の前に 滞在した宿の娘と同じ高校…ってくらいか。 堂島 遼太郎|だが動機と全然絡まねえし、こんな人の少ない 田舎じゃ、そんくらいの偶然はある。 足立 透|ですねぇ… ニュースで見たっすよ、その辺。 堂島 遼太郎|な…なにぃ? 宿の話、もう出てんのか? 足立 透|よっし、分かった! やっぱアレじゃないスかね? 足立 透|遺体の状況に、僕らが見ても分からない、 小西早紀だけに分かる何かがあったとか! 足立 透|それを口封じしたかったんですよ、きっと! 堂島 遼太郎|ともあれ、今はガイ者まわりを しつこく洗うしかねえか… 堂島 遼太郎|犯人…町の人間だな。 足立 透|おっ、出ましたね、刑事の勘! |一方その頃、第一死体発見現場… |>今映っていたのは、間違いなく雪子だ… 花村 陽介|お、おい、見たか、今の!! 花村 陽介|天城だよな! 顔本人だったし、つか名乗ってたぜ! 花村 陽介|けど、言ってる事、 おかしくなかったか!? 花村 陽介|しかもなんか、バラエティ番組みたいな… 何だコレ、今までのもこうだったのか? 花村 陽介|どうなってんだ一体…? |落ち着け |雪子に連絡を |千枝に連絡を 花村 陽介|お、おっけ、分かってるって。 花村 陽介|えっとえっと… まずは本人に連絡しないとな! 花村 陽介|えーと、あ、番号知らねーぞ… あっ、里中に連絡すりゃいーのか! 花村 陽介|あ、ああ、分かってる。 花村 陽介|えーと、あ、番号知らねーぞ… あっ、里中に連絡すりゃいーのか! 花村 陽介|そ、そうだな! アイツから天城に連絡してもらおう! 花村 陽介|明日は日曜だし、 朝イチで、ジュネスに集合な! |>明日、陽介と会う約束をした。 |>…今日は早めに休む事にした。 |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…映った。 |>今日は非常に鮮明な映像だ。 堂島 菜々子|あ、おはよ。 |>菜々子一人だけのようだ。 |お父さんは? |早起きだね 堂島 菜々子|もう出た。 かえり、おそいって。 堂島 菜々子|お父さん、早おきだったから いっしょにおきた。 堂島 菜々子|かえり、おそいって。 |>出かけると、菜々子が一人きりで 留守番になってしまう… |>しかし、今日は陽介と大事な約束がある… 堂島 菜々子|出かけるの? 堂島 菜々子|るすばん、できるから。 |…が張り出し、終日、 お出掛け日和の晴れとなるでしょう。 |続いて週明けの空模様です。 堂島 菜々子|晴れだって。 せんたくもの、ほそうっと。 堂島 菜々子|…行かないの? |>出かける事にした。 花村 陽介|わり、お待たせ。 花村 陽介|バックヤードから いーもの見っけてきたから。 花村 陽介|見てみ、どーすかコレ! 花村 陽介|いくら“ペルソナ”あるからって、 ゴルフクラブじゃ心許ないからな。 花村 陽介|つーわけで、お前、どっちにする? |カタナ |ナタ |要らない 花村 陽介|おっと、分かってんじゃん。 これ、ジュネスオリジナルブランド。 花村 陽介|刃は偽モン。 花村 陽介|やっぱ、こっち来たか。 そー言うんじゃねーかと思ってたぜ。 花村 陽介|見た目ややエグいけどな。 花村 陽介|まあ、そう言うなって。 イザって時、ぜってー助かるから。 花村 陽介|でもって、俺は… あ、意外に“両方”ってアリかもな。 花村 陽介|こ、こんな感じとか! 花村 陽介|それともこうか!? 花村 陽介|逆にこうとか! |挙動不審の少年二人組を発見。 刃物を複数所持、至急応援求む。 花村 陽介|は…? あ、や、ちょっ… 花村 陽介|いや…いやいやいや、何でもないッスよ。 コレ別に、万引きとかじゃなくて… 花村 陽介|や、疑ってんのそこじゃねえか… て、てか別に怪しくないッス! 花村 陽介|あーと、俺ら刃物マニアっていうか、 あ、それもアブナイ話っすよね、えへへ… |…とにかく詳しい話は署で聞く。 それを床に置きなさい。 |手は頭の上! はー、やー、くー!! 花村 陽介|や、でも、これは… |な、な、なんだ、このヤロー! やろうっちゅうの!? |>警察に連行される事になってしまった… 堂島 遼太郎|お前…こういうバカをするタイプには 見えなかったがな。 堂島 遼太郎|今、色々起きてるのは知ってるんだろ。 あちこちに警官が配備されてる。 堂島 遼太郎|ったく… 俺が偶然居なきゃ、補導歴が付いてたとこだ。 花村 陽介|スンマセン… |>武器は没収されてしまった… |え、じゃ、居なくなったのって、 やっぱ天城屋の… |ああ…でもま、高校生だ。 ただ家出とかってオチかも知れんが… 花村 陽介|今の… 花村 陽介|天城屋って… じゃ、やっぱり… 堂島 遼太郎|ん? やっぱり…? 花村 陽介|あ、いや、なんでもないデス… 堂島 遼太郎|こっちぁ今、事件で忙しいって言うか…色々と デリケートなんだ、ニュースで知ってるだろ。 堂島 遼太郎|これっきりにしろよ。 …じゃ、帰ってよし。 足立 透|おっとー…っと、ゴメンね。 足立 透|あれ? キミ、もしかして、堂島さんトコの? 花村 陽介|あのっ! ちっと、訊いてもいいですか? 花村 陽介|その、天城のやつ… あ、つか、天城屋の天城雪子の事ですけど… 花村 陽介|もしかして、居なくなったんですか? 足立 透|え、あ、うーんとね… 言っていいのかなあ? 足立 透|まあ、天城さんと友達なら… 特別だよ? 足立 透|天城さん、昨日の夕方くらいから 急に姿が見えなくなったって、ご家族から。 足立 透|土曜だから旅館の人はみんなキリキリ舞いで、 夕方頃は、誰も天城さんを見なかったって。 足立 透|あっ、でもまだ事件って 決まった訳じゃないから! 足立 透|ただ、失踪した人が霧の日に…なんてのが 続いてるから、署内も過敏になってて。 足立 透|あ、キミたち、何か聞いてない? 本人が、例えば辛そうだったりとか。 花村 陽介|え…辛そう? 足立 透|ほら、1件目の殺人の前、例の山野アナが 天城屋に泊まっててさ。 足立 透|山野アナ、接客態度の事で、女将さんに 酷い言葉浴びせたみたいなんだよね。 足立 透|で、女将さんがストレスで倒れちゃって。 足立 透|ほら、天城さん、女将さんの娘なわけだし、 まあその…色々思うじゃない? 足立 透|天城さん、家出とかホノめかしたり してなかった? 足立 透|じゃないと、何か都合悪い事があって 隠れてるとか言ってるヤツも居てさ… 足立 透|…あ、なんか、これ言っちゃいけないかも。 ヤーバ、言っちゃマズかったかなぁ? 堂島 遼太郎|足立、部外者と立ち話してんな!! …コーヒーまだかよ! 足立 透|す、すんません! 今、行きます! 足立 透|ごーめん、今のナシ、忘れて! 花村 陽介|なあ… さっきの刑事、まさか天城のこと… 里中 千枝|あっ、いた! 里中 千枝|ちょっと、なにやってんの!? 里中 千枝|すっごい、捜したんだからっ! 花村 陽介|や、ま、ちっと誤解されてさ…後で話すって。 花村 陽介|それより、天城だよ! 里中 千枝|え、もう知ってんの!? 里中 千枝|携帯、何度かけても連絡つかなくて… 里中 千枝|家行ってみたら、 雪子、ホントに居なくなっちゃってて…! 花村 陽介|やっぱ、行ってみるしかないな… 花村 陽介|それより、警察が妙な事言ってる。 天城が“都合悪い事があって隠れてる”とか… 花村 陽介|天城のお袋さん、 山野アナにイビられて倒れたらしい。 花村 陽介|動機があって、しかもモメた直後に 山野アナ死んだから… 里中 千枝|なによソレ!? 雪子が犯人って流れ!? んなワケないじゃんッ!! 花村 陽介|俺にキレんなよ、分かってるっつの! 花村 陽介|ちっくしょ…ヤバい目に遭ってんの、 天城のほうだってのに… |>二人とも動揺しているようだ。 |とにかく助けよう |まずは落ち着け 里中 千枝|だ、だよね! とにかく、それからだって! 里中 千枝|そ、そうだよね。 あっと…どうしたらいいの!? 花村 陽介|警察こんなじゃ、 やっぱ俺らが行くしかないだろ。 里中 千枝|あたしも行く! 里中 千枝|行くからね! 絶対、雪子助けるんだから! 花村 陽介|大丈夫か、お前…? 花村 陽介|けど、まいったな、丸腰なんだよ… また何か武器んなりそうなモン見つけないと… 里中 千枝|武器…? あたし、知ってるよ! 里中 千枝|とにかく、一緒に来て! 里中 千枝|ほら、ココ! 花村 陽介|な…何屋? 里中 千枝|一応…工房? 金属製の色んな…刀とか売ってんの。 花村 陽介|おかしいだろ! なんで知ってんだ、こんな店? 花村 陽介|あ、分かった… お前、カンフー映画の見過ぎで… 里中 千枝|違うっての! 男子が言ってたの! 武器とか鎧とか売ってるって。 里中 千枝|ほら、これとか強そう。 里中 千枝|けど、重いかな… 花村 陽介|なあ里中…やっぱ、危ねえって。 気持ちは分かるけど… 里中 千枝|分かってない!! 里中 千枝|分かってないよ… 雪子、死んじゃうかも知れないんだよ…? 里中 千枝|あたし、絶対行くから!! 花村 陽介|わ、分かったって…悪かったよ… 花村 陽介|けど、お前初めてなんだから、 前出て戦うの無しだからな。 里中 千枝|なーに、大丈夫だって! 運動神経だったら、負っけないんだから! 花村 陽介|あのさ…真面目に言ってんだ。 花村 陽介|“向こう”の事、色々分かんないだろ! 忠告聞けないなら、来ないで待ってろ! 花村 陽介|…行く気なら、体守れる防具とかだけ、 ここで用意してくれ。 里中 千枝|分かったよ… 花村 陽介|けど、どれ選んだもんかな… 花村 陽介|なぁ、鳴上。 俺の分も見立てしてくれないか? 花村 陽介|なぁ、鳴上。 俺の分も見立てしてくれないか? |>陽介から5000円を受け取った。 里中 千枝|こっちは、もう買ったよ! そっちは? 花村 陽介|つか…俺らここで武装しちゃったら また警察連れてかれるよな? 花村 陽介|かと言って、ジュネスん中、 こんな物騒なモン提げて歩けないし… 里中 千枝|制服着ちゃえば良くない? 上から。 結構分かんないと思うよ。 花村 陽介|しょうがない、それでいこう… 花村 陽介|んじゃさ、一旦解散して準備しようぜ。 花村 陽介|夕方のセール終わんないと店も混んでるし、 警察いたら、三人一緒じゃ目立つだろ。 里中 千枝|じゃあ後で、ジュネスの フードコートに集合ね! |仕方ない |やめたほうがいい |自分たちの後ろでなら… |>目の前に、奇妙な扉がある… |>他の人には、扉が見えていないようだ… |ついに始まりますな… |では、しばしお時間を 拝借すると致しましょうか… |>ポケットの中で“契約者の鍵”が 光を放っている… イゴール|お待ちしておりました。 イゴール|貴方に訪れる災難…それは既に、 人の命をも奪い取りながら迫りつつある… イゴール|ですが、恐れる事はございません。 貴方は既に、抗うための“力”をお持ちだ。 イゴール|いよいよ、その“ペルソナ”… 使いこなす時が訪れたようですな…フフ。 マーガレット|貴方のペルソナ能力は“ワイルド”… マーガレット|それは、正しく心を育めば、どんな試練とも 戦い得る“切り札”となる力… マーガレット|私共も、その為のお力添えをして参ります。 イゴール|私の役割…それは、 “新たなペルソナ”を生み出すこと。 イゴール|お持ちの“ペルソナカード”を複数掛け合わせ、 一つの新たな姿へと転生させる… イゴール|言わば“ペルソナの合体”でございます。 イゴール|貴方はお一人で複数の“ペルソナ”を持ち、 それらを使い分ける事が出来るのです。 イゴール|そして敵を倒した時、貴方には見える筈だ… 自分の得た“可能性の芽”が、手札としてね。 イゴール|時にそれらは、ひどく捉え辛い事もある… しかし、恐れず掴み取るのです。 イゴール|カードを手に入れられたなら、 是非ともこちらへお持ちください。 イゴール|しかも、貴方がコミュニティをお持ちなら、 ペルソナは更に強い力を得る事でしょう… イゴール|貴方の力は、それによって育ってゆく… よくよく心しておかれるが良いでしょう。 マーガレット|右手に見えますのは“ペルソナ全書”で ございます。 マーガレット|お客様がお持ちのペルソナを登録される事で、 それをいつでも引き出せる仕組みでございます。 マーガレット|ご利用の際は、私に、 お気軽にお申し付けください。 イゴール|フフ…覚えておいでですかな? 以前私は申しました。 イゴール|“貴方の運命は節目にあり、謎が解かれねば 未来は閉ざされるやも知れない”…とね。 イゴール|言葉の通りでございます。 戦いに敗れる以外にも、終わりはあり得る… イゴール|ゆめゆめ、お忘れになりませぬよう。 イゴール|次にお目にかかります時は、 貴方は、自らここを訪れる事になるでしょう。 イゴール|フフ…楽しみでございますな。 イゴール|…ではその時まで。 ごきげんよう。 |>…確か、陽介とのコミュニティである “魔術師”のコミュを持っている。 |>“魔術師”のペルソナを合体で生み出す時、 更に強い力を得るようだ… 花村 陽介|制服、日曜だから、ちょっと目立つな。 花村 陽介|もうじきタイムセール終わるから、 人も少なくなるはずだ。 花村 陽介|…そろそろ行くか。 花村 陽介|里中、やっぱりお前… 里中 千枝|行くからね! 花村 陽介|絶対、無理すんなよ!? 里中 千枝|わ、ホントにあん時のクマ… 花村 陽介|何やってんだ、お前? クマ|見て分からんクマ? 色々、考え事してるクマ。 花村 陽介|…で、何か分かったのか? 花村 陽介|ま、考えても無駄かもな。 お前、中カラッポで脳ミソもねえだろうし。 クマ|シッケイな! クマ|…けど、確かに、いくら考えても なーんも、ワカラヘンがねっ! 里中 千枝|ウッサイよアンタら! 下らない事言ってる場合!? 里中 千枝|それよか、昨日ここに誰か来たでしょ? クマ|なんと! クマより鼻が利く子がいるクマ!? クマ|お名前、何クマ? 里中 千枝|お、お名前? …千枝だけど。 それはいいから、その“誰か”の事教えてよ! クマ|確かに昨日…キミらとお話したちょっと後 くらいから、誰か居る感じがしてるクマ。 花村 陽介|天城なのか!? クマ|クマは見てないから分からないけど… クマ|気配は、向こうの方からするクマ。 多分あっちクマ。 里中 千枝|あっちね… 里中 千枝|みんな、準備はいい? 花村 陽介|お、おう。 花村 陽介|あ、そうだ、行く前にさ… 花村 陽介|なぁ、クマきち。 俺も自分が何なのか、少し考えたんだ。 花村 陽介|なんつーかさ…考えてみたら、俺も今まで、 そういうの考えた事無かったからさ。 花村 陽介|多分俺…この町に来たのも、力を手に入れた 事も、この事件を解決する為って気がする。 花村 陽介|だから、何とかして謎を解いて、 必ず犯人を見つけようと思う。 花村 陽介|これ以上、誰も犠牲にしたくないしな。 |立派だ |恥ずかしい台詞だ |力を合わせて立ち向かおう 花村 陽介|へへ… そう言われっと、なんか照れるな。 花村 陽介|おっまえ、そういう事言う? 花村 陽介|う、うん、やろうな! クマ|カッコつけんなクマ。 クマったやつクマねー。 里中 千枝|そこ、脱線バナシ多いから! ほら、早く行こ! 花村 陽介|お、おう! |>どうやら自分自身について、 ずっと考えていたようだ… クマ|それでクマはこんなに クマってるのに… クマ|あ、ダジャレ言っちゃった。 うぷぷ… 里中 千枝|何ここ…お城!? 里中 千枝|もしかして、昨日の番組に映ってたの、 ここなのかな? 花村 陽介|あの真夜中の不思議な番組… ホントに誰かが撮ってんじゃないんだな? クマ|バングミ…? 知らないクマよ。 クマ|何かの原因で、この世界の中が 見えちゃってるのかも知れないクマ。 クマ|それに、前にも言ったでしょーが! ココはクマとシャドウしか居ないんだってば! クマ|誰かがトッてるとか、そんなの無いし、 初めからココは、こういう世界クマ。 花村 陽介|初めから、こういう世界って… それがよく分かんないっての! クマ|じゃあキミたちは、キミたちの世界の事、 全部説明できるクマ? クマ|とにかくそのバングミってモノの事は、 クマも見たこと無いから分からんクマ。 里中 千枝|て言うか、ホントにただこの世界が 見えてるだけなの? 里中 千枝|そもそも雪子が最初に例のテレビに映ったの、 居なくなる前だよ? おかしくない? 里中 千枝|大体、あの雪子が“逆ナン”とかって… あり得ないっつの! クマ|まだ、色々と分からないけど、 キミたちの話を聞く限りだと… クマ|そのバングミっての、その子自身に原因が あって生み出されてる…って気がするクマ。 里中 千枝|雪子自身が…あの映像を生み出してる? 里中 千枝|あーも、どういう事? ワケ分かんない! 里中 千枝|あーも、どういう事? ワケ分かんない! 里中 千枝|大体、あの雪子が“逆ナン”とかって… あり得ないっつの! クマ|逆ナン? 花村 陽介|俺もビックリしたぜ…確かに普段の天城なら 絶対言わないよな、あんな事。 花村 陽介|…!? 花村 陽介|もしかして…前に俺に起こった事と、 何か関係あんのか…? クマ|逆ナンって、なーに? 里中 千枝|ねえ…雪子、このお城の中に居るの? クマ|聞いてる限り、間違いないクマね。 クマ|あ、でさ、“逆ナン”って… 里中 千枝|ここに雪子が… …あたし、先に行くから! 花村 陽介|あ、おい! 一人で行くなって! 花村 陽介|あーったく! 俺らも行くぜ! 花村 陽介|無事か、里中! 花村 陽介|里中…? |赤が似合うねって… 花村 陽介|天城!? |私、雪子って名前が嫌いだった… |雪なんて、冷たくて、すぐ溶けちゃう… はかなくて、意味の無いもの… |でも私にはピッタリよね… 旅館の跡継ぎって以外に価値の無い私には… |…だけど、千枝だけが言ってくれた。 雪子には赤が似合うねって。 花村 陽介|これ…天城の、心の声か? 確か、小西先輩の時も聞こえた… クマ|そして多分、この場所は、 ユキコって人の影響で、こんな風になったクマ。 里中 千枝|雪子… |千枝だけが…私に意味をくれた… |千枝は、明るくて強くて、何でも出来て… 私に無いものを全部持ってる… |私なんて… 私なんて、千枝に比べたら… |千枝は…私を守ってくれる… 何の価値も無い私を… |私…そんな資格なんて無いのに… |優しい千枝… 里中 千枝|雪子、あ、あたし… |優しい千枝…だってさ。 笑える。 里中 千枝|あ…ああっ! 花村 陽介|あれってまさか…!? クマ|ヨースケと同じクマ! クマ|抑圧された内面…それが制御を失って、 シャドウが出たクマ! もう一人の千枝|雪子が、あの雪子が!? あたしに守られてるって!? もう一人の千枝|自分には何の価値も無いってさ! もう一人の千枝|ふ、ふふ、うふふ… そうでなくちゃねぇ? 里中 千枝|アンタ、な、何言ってんの? もう一人の千枝|雪子ってば美人で、色白で、女らしくて… 男子なんかいっつもチヤホヤしてる。 もう一人の千枝|その雪子が、時々あたしを卑屈な目で 見てくる…それが、たまんなく嬉しかった。 もう一人の千枝|そうよ、雪子なんて、本当はあたしが居なきゃ 何にも出来ない… もう一人の千枝|あたしの方が…あたしの方が…あたしの方が! ずっと上じゃない!! 里中 千枝|違う! あ、あたし、そんなこと! 花村 陽介|ど、どうすりゃいいんだ? |千枝を守ろう |分からない クマ|今は、とにかく、 チエチャンを守るクマよ! 里中 千枝|や…やだ、来ないで! 見ないでぇ!! 花村 陽介|里中、落ち着け! 里中 千枝|違う…違う、こんなのあたしじゃない! 花村 陽介|バ、バカ! それ以上、言うな! もう一人の千枝|ふふ…そうだよねぇ。 一人じゃ何にもできないのは、本当はあたし… もう一人の千枝|人としても、女としても、本当は勝ててない、 どうしようもない、あたし… もう一人の千枝|でもあたしは、あの雪子に頼られてるの… もう一人の千枝|ふふ、だから雪子はトモダチ…手放せない… 雪子が大事… 里中 千枝|そんなっ…あたしは、ちゃんと、雪子を… もう一人の千枝|うふふ…今までどおり、見ないフリで あたしを抑えつけるんだ? もう一人の千枝|けど、ここでは違うよ。 いずれ“その時”が来たら、残るのは…あたし。 もう一人の千枝|いいよね? あたしも、アンタなんだから! 里中 千枝|黙れ!! アンタなんか… 花村 陽介|だめだ、里中!! 花村 陽介|うわっ!! もう一人の千枝|うふふ、うふ、ふ、きゃーっはっはっは!! 里中 千枝|うぁっ! 花村 陽介|里中!! クマ|く、来るクマ! 二人の力で、チエチャン救うクマよ! 里中 千枝|アンタなんか、あたしじゃない!! 里中 千枝|ん… 花村 陽介|里中、大丈夫か!? 里中 千枝|さっきのは… 里中 千枝|何よ…急に黙っちゃって… 勝手な事ばっかり… 花村 陽介|よせ、里中。 里中 千枝|だ、だって… |あれが千枝の全てじゃない |みんな色んな顔がある |ちゃんと分かってる 里中 千枝|で、でも、あたし… 里中 千枝|みんな…? 里中 千枝|え…? 花村 陽介|コイツの言う通りだ。 …俺もあったんだ、同じような事。 花村 陽介|だから分かるし… その…誰だってさ、あるって、こういう一面… 里中 千枝|アンタは…あたしの中にいた もう一人のあたし…って事ね… 里中 千枝|ずっと見ない振りしてきた、 どーしようもない、あたし… 里中 千枝|でも、あたしはアンタで、 アンタはあたし、なんだよね… |>自分自身と向き合える強い心が、 “力”へと変わる… |>千枝は、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“トモエ”を手に入れた! 里中 千枝|あ…あたし… その、あんなだけど… 里中 千枝|でも、雪子の事、 好きなのはウソじゃないから… 花村 陽介|バーカ。 そんなの、分かってるっつの。 花村 陽介|お、おい、里中! 里中 千枝|ヘーキ… ちょっと、疲れただけ… 花村 陽介|ヘーキ、じゃねーだろどう見ても… 花村 陽介|それに多分、お前… 花村 陽介|俺たちと同じ“力”、 使えるようになってるはずだ。 里中 千枝|え…? 花村 陽介|なあ、どうする? |一度戻って立て直そう |休憩しよう 花村 陽介|そうだな、里中を休ませないと。 花村 陽介|よし、んじゃここはアブねーから、 入口まで戻ろーぜ。 里中 千枝|か、勝手に決めないでよ! あたし、まだ…行けるんだから… クマ|無理しちゃイヤクマ! 花村 陽介|別に、信じてない訳じゃねーよ。 ただ、俺らは天城を絶対助けなきゃなんない。 花村 陽介|俺たちと同じ力があって、一緒に戦えるなら、 回復しといてもらった方が心強いって事。 花村 陽介|その為にも、一旦戻って、 体勢を立て直すべきって言ってんだ。 里中 千枝|でも雪子はまだ、この中にいるんでしょ!? 里中 千枝|あ、あたし…さっきのが雪子の本心なら、 あたし…伝えなきゃいけない事がある。 里中 千枝|あたし、雪子が思ってるほど強くない! 雪子が居てくれたから… 里中 千枝|二人一緒だったから大丈夫だっただけで、 ホントは… クマ|…なら、それを伝えるためにも、 まずキミが、元気になるクマ! クマ|ユキチャンは普通の人クマ。 ココにいる影は、普通の人間は襲わない。 クマ|襲うのは、ココの霧が晴れる日クマ。 花村 陽介|…それまでは、天城は無事だって事だな? クマ|まず、間違いないクマ。 里中 千枝|…どういう事? 花村 陽介|どうやら俺らの世界と、 霧の晴れる日が逆さらしい。 花村 陽介|ここが晴れる日…俺らにとったら霧が出る日に、 被害者は影に殺される。 花村 陽介|つまり一旦外に戻っても、 町に霧が出るまでは、天城は安全って事だ。 花村 陽介|間違いない。 前の山野アナや先輩の時も、状況は同じ… 花村 陽介|知ってるだろ。 二人とも、死体が発見されたのは霧の日だ。 里中 千枝|ここで… もう一人の自分に、殺されて…? 花村 陽介|霧は大体、雨の後に出るんだ。 花村 陽介|けど町は、ここんとこ晴れ続きで、 すぐ雨が降るって様子じゃない。 花村 陽介|大丈夫だって。 戻ったらすぐ、天気予報をチェックしよう。 里中 千枝|でも…だからって… やっぱり、ここまで来て引き返せないよ! 里中 千枝|雪子が居るのに! 一人で…怖い思いしてるのに! 花村 陽介|じゃあ、この先どんくらい進めば 天城の所に着くんだよ! 里中 千枝|それは… 花村 陽介|敵だって、この先もっと 強いヤツが出てくるかも知れない。 花村 陽介|なのに、無理してやられたら、 他に誰が天城を助けてやれんだよ! 花村 陽介|俺たちは、絶対に失敗出来ないんだ。 …違うか? 里中 千枝|…分かった。 里中 千枝|さっきは、ごめんね… 里中 千枝|一人で、勝手に突っ走っちゃって… 花村 陽介|気にしてねえよ。 花村 陽介|天城は必ず俺たちで助ける。 …だろ? 里中 千枝|…うん! |別にいい |今度は一緒に行こう |気持ちはわかる 里中 千枝|なんか… この前、入った時より疲れた… 里中 千枝|頭もガンガンするし… 花村たち、平気なの? 花村 陽介|あ、そか。 お前、メガネしてないな。 里中 千枝|あ…そういや、メガネしてんね。 目、悪かったっけ? 花村 陽介|お前…どんだけテンパってたんだよ… クマ|じゃんじゃじゃ~ん。 チエチャンにも用意してあるクマ。 クマ|はい、チエチャンの。 里中 千枝|うわっ、何コレ、すげー! 霧が全然無いみたい! 花村 陽介|あるなら、早く出してやれっつの。 クマ|今用意したんだクマ! いきなり連れてくるから焦り、グマ。 里中 千枝|なるほど、そういう事なんだ。 モヤモヤん中、どやって進むのかと思ったよ。 里中 千枝|ね、これもらっていい? クマ|モチのロンクマ! 里中 千枝|今日のところは、仕方ないけど… でもこれで、リベンジできそう! 里中 千枝|二人とも、勝手に行ったりしないでよ!? 花村 陽介|んじゃ約束だ、俺ら全員の約束。 “一人では行かないこと”…危険だからな。 花村 陽介|みんなで力合わせなきゃ、事件解決どころか 天城だって無事に助けられない…だろ? |そうだな |そうでもない 里中 千枝|うん、そうだね。 あたしも、約束する。 里中 千枝|や、協力する為に戻ったんじゃん… 里中 千枝|何があるか分かんないし、 助け合ったほうがいいよ、絶対。 クマ|もうすぐ夜になるクマよ。 夜は、ココも暗くなるクマ。 クマ|シャドウは、闇が大好きクマ。 だから夜は力が増して、手が出せんクマ。 花村 陽介|まじかよ…てか、早く言えよ! これ以上シンドいのは勘弁だぜ… 花村 陽介|よし、じゃ明日から、放課後は出来るだけ ここに来よう…あ、もちろん学校無い日もな。 里中 千枝|なんか、花村さ…結構冷静って言うか… 割と平気だよね。 花村 陽介|平気じゃねーよ! 花村 陽介|慎重に、ちゃんとやりたいんだ。 花村 陽介|しくじったら死んじまうんだぞ。 天城だって…こっちだって。 里中 千枝|そ、そうだよね…ごめん。 花村 陽介|…わりぃ。 花村 陽介|ハァ、なんか謝らせてばっかだな。 花村 陽介|なあ、俺…お前に、 リーダーやってもらいたいんだけど。 花村 陽介|最初にこの力を手に入れたのお前だし、 それに戦う力も、お前が一番凄いだろ。 花村 陽介|だから、お前が探索のペース決めて、 俺らが付いてくってのがいいと思う。 花村 陽介|…お前になら、付いていける。 |任せろ |仕方ない |イヤだ 花村 陽介|そう言ってくれると思ったよ。 花村 陽介|俺はほら、参謀向き? 頭良い人のポジションでさ。 花村 陽介|ああ、頼むよ。 花村 陽介|俺はほら、参謀向き? 頭良い人のポジションでさ。 花村 陽介|や、別に面倒押し付けてるとかじゃなくて、 真面目に言ってんだって。 花村 陽介|マジで、お前がいいと思うんだ。 花村 陽介|それに、俺はほら、参謀向き? 頭良い人のポジションでさ。 里中 千枝|あたしも賛成かな。 キミがまとめてくれるなら、なんか安心。 クマ|クマも賛成かな。 キミがまとめてくれるなら、夜も安眠。 里中 千枝|クマは黙っててくんない? あたし、今、疲労がピークだからさ… |>みんなの薦めで リーダーを任される事になった。 |>仲間たちとともに、 事件の謎を追いかける日々が始まる… 花村 陽介|よし、とにかく今日は休んで、 明日からに備えようぜ。 花村 陽介|まずは、天気予報の確認、忘れんなよ? 雨が続くと霧になるから注意しないと。 花村 陽介|あと、準備も万端にな。 |雨が続くと、その後に 霧が発生する場合があります。 天候に注意して、探索を続けましょう。 |なお探索には、平日の“放課後”か、 または、休日の“昼間”を使います。 |>ジュネスに戻り、家に帰ることにした。 |全然、平気だ |なんで千枝だけ…? |ある道具のおかげだ |必ず雪子を助けよう |この事件を解決しよう |自分たちなら楽勝だ |>三人で食卓を囲んだ。 |>テレビではニュース番組が流れている。 |以上、全国のニュースをお伝えしました。 続いて、各地域ごとの話題をお伝えします。 |>堂島は難しい顔で黙っている。 堂島 遼太郎|なあ、ちょっといいか? 堂島 遼太郎|お前…妙な事に首突っ込んだり してないよな? 堂島 遼太郎|昼間の、署での事だ… ちょっと、ひっかかってな。 堂島 遼太郎|もしかして…まだ何か言ってない事が あるんじゃないか? |そんな事はない |大した事じゃない |心配しなくていい 堂島 遼太郎|…そうか。 堂島 遼太郎|ま、なんとなく気になっただけだが… 堂島 遼太郎|それは俺が判断する事だ。 堂島 遼太郎|ま、なんとなく気になっただけだが… 堂島 遼太郎|…悩みでもあるのか? 堂島 遼太郎|こっちも仕事に追われて、 相手も出来ず悪いとは思ってるんだが… 堂島 菜々子|…どしたの? …ケンカしてるの? 堂島 遼太郎|いや…ケンカじゃない。 堂島 菜々子|ケーサツじゃないよ、ここ… 堂島 遼太郎|こっちは、お前を預かる身なんだ。 おかしな事には首を突っ込むなよ。 堂島 遼太郎|…いいな。 |気象情報です。 |西からの高気圧の影響で、この先しばらくは、 春らしい晴れ間の覗く日が続くでしょう。 |>重い空気の中、 ニュースは続いている… 堂島 菜々子|このおねえさんが、お天気きめるんでしょ? 堂島 菜々子|だって、おねえさんが“はれ”って言うと、 いっつもはれるよ。 堂島 遼太郎|いや、お姉さんが決めてるわけじゃなくてな… 堂島 遼太郎|…まあいい。 花村 陽介|里中のヤツ、大丈夫かな。 花村 陽介|昨日は色々ありすぎたし、 元気になってりゃいいけど… 里中 千枝|あ、おはよ。 |おはよう |大丈夫? |よく眠れた? 里中 千枝|うん。 里中 千枝|うん。 里中 千枝|うん。 結局、朝まで爆睡。 里中 千枝|その…昨日は色々ありがと。 里中 千枝|なんか、恥ずかしいって言うかさ。 里中 千枝|よく考えたら、二人には、 本音とか、全部見られちゃった訳だし… 花村 陽介|気にすんな。 里中 千枝|確か花村も、あたしみたいに なったんだよね? 里中 千枝|花村ん時はどんなだったわけ? 花村 陽介|え? あー、なんていうか… 花村 陽介|…そういや、お前ん時は、何も無かったよな。 花村 陽介|んー、裏表のないヤツだからか? 里中 千枝|ふうん、キミは何も無かったんだ。 里中 千枝|けどキミって、確かに裏表とか無い感じする。 ちょっと不思議な感じっていうか… 里中 千枝|天然系の魅力? って言うのかなあ。 そーいうの、あると思うよ。 うん。 |それ褒めてる? |ここで全てを見せようか? |惚れるなよ?@勇気 里中 千枝|うん、ホメてる、ホメてる。 花村 陽介|天然って…ホメてるかぁ? 里中 千枝|ちょ…なにする気!? 花村 陽介|おい、また捕まるだろ!? 里中 千枝|わ、ちょっとキュンって来た… 花村 陽介|アホか。 里中 千枝|とにかくさ。 今は雪子を助けるのが一番重要だよね。 里中 千枝|あたしもやるから。 仲間はずれとか、絶対無しだよ? 花村 陽介|やっべ、まだトイレ行ってねえよ! 里中 千枝|ね、あのさ。 えっと… 里中 千枝|あ、ありがとね。 助けてもらって… 里中 千枝|花村も、頼れるんだけどさ… 里中 千枝|けどキミってやっぱり、不思議っていうか、 なんか、頼れそうな気がするんだよね… |>千枝からの感謝の気持ちが伝わってくる… |>千枝との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… |>そう言えば、千枝の連絡先を まだ聞いていない。 |ストレートに聞く@勇気 |捜査にかこつけて聞く 里中 千枝|え、あ…うん。 そっか、必要だもんね、これから。 里中 千枝|…なんでも、電話してよ。 里中 千枝|あ、そうだね。 必要だもんね、これから。 |>千枝と携帯電話の番号を交換した。 里中 千枝|雨が降ったら、その後霧に注意…だったよね。 その前に、絶対助け出そう! |>雨が続いた後は、霧が出る可能性がある… |>それまでに、 充分な力をつけなくてはならない… |>探索をする日は、 ジュネスのフードコートに集まろう… |雨が何日か続いた後は、 霧が出る可能性があります。 霧の日までに失踪者を助け出さないと、 ゲームオーバーになります。 |天気に注意しながら、 ペルソナの強化、装備品の強化など、 救出の準備を進めましょう。 里中 千枝|雪子…? 花村 陽介|天城! 無事か!? 里中 千枝|やっと見つけたのに… 雪子、何か変… もう一人の雪子|うふふ…ふふ、あはははは! もう一人の雪子|あらぁ? サプライズゲスト? どんな風に絡んでくれるの? もう一人の雪子|んふふ、盛り上がって参りましたっ! 花村 陽介|な…何だよ、コレ!? 里中 千枝|雪子じゃない… あんた…誰!? もう一人の雪子|うふふ、なーに言ってるの? 私は雪子…雪子は私。 里中 千枝|違う! あんた、まさか… 里中 千枝|本物の雪子はどこ!? 花村 陽介|何だ、この声…!? クマ|シャドウが騒ぎ出したクマ! もう一人の雪子|それじゃ、再突撃、行ってきます! もう一人の雪子|うふ、王子様、首を洗って待ってろヨ! 里中 千枝|あ、待って…!! 里中 千枝|今の雪子、どういう事なの!? まさか、あれ… クマ|そうクマね… たぶん“もう一人のあの子”クマ。 花村 陽介|俺らん時と同じってか… クマ|でも、デタラメに騒いでた訳じゃないクマ。 クマ|本物のユキチャンは、何かを見せたがってる… それをハッキリ感じるクマ。 クマ|何ていうか…このお城そのものが、 あの子に関係してるっていうか… クマ|想像してたより、結構キケンな感じクマ! 里中 千枝|雪子っ…! 花村 陽介|オイ…またかよ!? ったく、一人で行くなって言ってんのに! もう一人の雪子|さてさて、私は引き続き、王子様探し! 一体どこに居るのでしょう? もう一人の雪子|こう広いと、期待も高まる反面、 なっかなか見つかりませんね~! もう一人の雪子|あ、それとも、この霧で隠れんぼ? よ~し、捕まえちゃうぞ! もう一人の雪子|ではでは、更に少し奥まで、突撃~! 里中 千枝|雪子!! 花村 陽介|やっぱりだ…天城が二人! もう一人の雪子|あら? あららららら~ぁ? もう一人の雪子|やっだもう! 王子様が、三人も! もう一人の雪子|もしかしてぇ、途中で来た サプライズゲストの三人さん? もう一人の雪子|いや~ん、ちゃんと見とけば良かったぁ! もう一人の雪子|つーかぁ、雪子ねぇ、 どっか、行っちゃいたいんだぁ。 もう一人の雪子|どっか、誰も知らない遠くぅ。 王子様なら、連れてってくれるでしょぉ? もう一人の雪子|ねぇ、早くぅ。 クマ|むっほ? これが噂の“逆ナン”クマ!? 里中 千枝|三人の王子って… まさかあたしも入ってるワケ…? クマ|三人目は、クマでしょーが! 花村 陽介|それは無いな… もう一人の雪子|千枝…ふふ、そうよ。 アタシの王子様… もう一人の雪子|いつだってアタシをリードしてくれる… 千枝は強い、王子様… もう一人の雪子|…王子様“だった”。 里中 千枝|だった…? もう一人の雪子|結局、千枝じゃダメなのよ! もう一人の雪子|千枝じゃアタシを、ここから連れ出せない! 救ってくれない! 里中 千枝|雪子… 天城 雪子|や、やめて… もう一人の雪子|老舗旅館? 女将修行!? そんなウザい束縛…まっぴらなのよ! もう一人の雪子|たまたまここに生まれただけ! なのに 生き方…死ぬまで全部決められてる! もう一人の雪子|あーやだ、イヤだ、嫌ぁーっ!! 天城 雪子|そんなこと、ない… もう一人の雪子|どっか、遠くへ行きたいの… ここじゃない、どこかへ… もう一人の雪子|誰かに、連れ出して欲しいの… 一人じゃ、出て行けない… もう一人の雪子|一人じゃ、アタシには何にも無いから… 天城 雪子|やめて…もう、やめて… もう一人の雪子|希望も無い、出てく勇気も無い… うふふ…だからアタシ、待ってるの! もう一人の雪子|ただじーっと、いつか王子様が アタシに気付いてくれるのを待ってるの! もう一人の雪子|どこでもいい! どこでもいいの! ここじゃないなら、どこでも! もう一人の雪子|老舗の伝統? 町の誇り? んなもん、クソ食らえだわッ! 天城 雪子|なんてこと… もう一人の雪子|それがホンネ。 もう一人の雪子|そうよね…? もう一人の“アタシ”! 天城 雪子|ち、ちが… 花村 陽介|よせ、言うなッ! 天城 雪子|違う! あなたなんか…私じゃない! もう一人の雪子|うふふふふふふ! もう一人の雪子|いいわぁ、力がみなぎってくるぅ! そんなにしたら、アタシ… もう一人の雪子|うふ…あはは、あはははははは!! 天城 雪子|ああっ!! 里中 千枝|雪子!! クマ|アレ止めないと、あの子が危ないクマ! 花村 陽介|分かってる!! 里中 千枝|雪子、もういいよ…待ってて!! 今、助けてあげる!! 天城 雪子|う… 里中 千枝|雪子!! 里中 千枝|雪子、ケガは…!? 天城 雪子|私、あんなこと… 花村 陽介|わかってるさ。 天城、お前だけじゃねーよ。 花村 陽介|誰にだって、人には見せらんねー、 自分でも見たくねーモンはあるんだ… 里中 千枝|雪子…ごめんね。 里中 千枝|あたし…自分の事ばっかで、 雪子の悩み、全然、分かってなかったね… 里中 千枝|あたし、友だちなのに… ごめんね… 天城 雪子|千枝… 里中 千枝|あたし、ずっと、雪子がうらやましかった… 里中 千枝|雪子は何でも持ってて…あたしは何にも無い… そう思って、ずっと不安で…心細くて…! 里中 千枝|だから雪子に、頼られていたかったの… ホントは、あたしの方が雪子に頼ってたのに。 里中 千枝|あたし、一人じゃ全然ダメ… 花村たちにも、いっぱい迷惑かけちゃったし… 里中 千枝|雪子いないと…あたし、全然、分かんないよ… 天城 雪子|千枝… 天城 雪子|私も、千枝の事、見えてなかった… 自分が逃げることばっかりで。 天城 雪子|逃げたい…誰かに救って欲しい… そうね…確かに、私の気持ち。 天城 雪子|あなたは、私だね… |>自分自身と向き合える強い心が、 “力”へと変わる… |>雪子は、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“コノハナサクヤ”を手に入れた! 里中 千枝|雪子!! 花村 陽介|大丈夫か? 天城 雪子|うん、少し、疲れたみたい… 天城 雪子|みんな…助けに来てくれたのね… 里中 千枝|当たり前じゃん! 天城 雪子|ありがと… 里中 千枝|いいよ、そんなの… 無事でよかった…ホントに… 花村 陽介|へへ…だな。 クマ|んで、キミをココに放り込んだのは誰クマ? 天城 雪子|え…あなた、誰…? 天城 雪子|て言うか…何? クマ|クマはクマクマ。 で、放り込んだのは誰クマか? 天城 雪子|分からない… 天城 雪子|…誰かに、呼ばれた… ような気がする、けど… 天城 雪子|記憶がぼんやりしてて、誰か分からないの… ごめんね、えっと…クマさん。 クマ|分からないクマか… 花村 陽介|けど、やっぱ天城をここに放り込んだ “誰か”が居るってことだ。 クマ|ウムゥ… クマ|ちゅうことは、やっぱヨースケたちの仕業じゃ なさそうクマね… |当たり前だ! |まだ疑ってたのか? |納得したか? クマ|ちょ、ちょっとした冗談クマ! クマ|い、いえいえいえいえ! んなこたぁーないクマ! クマ|ク、クマは最初から信じてたクマ! 花村 陽介|コノヤロウ… 調子のいいクマだな… 里中 千枝|とにかく、早く外に出よ? 雪子、ツラそうだし… 里中 千枝|じゃ、ありがとね、クマくん。 クマ|え、ちょ、クマを置いてくつもり? 花村 陽介|置いてく? 何言ってんだ。 お前、こっちに住んでんだろ。 クマ|それは…そうクマ… でも… 天城 雪子|ごめんね、クマさん。 また今度、改めてお礼に来るから… 天城 雪子|それまで、いい子で待っててね。 クマ|ク、クマ~ン! クマ|つーかぁ、クマねぇ、 どっか、行っちゃいたいんだぁ。 クマ|ねぇ、早くぅ。 花村 陽介|誰の真似だよ!? お前は、一生そこにいろ! 里中 千枝|雪子…大丈夫? ホントにケガとか無い? 天城 雪子|うん… ちょっと、疲れただけ… 花村 陽介|天城、どうやってあそこに入ったか、 やっぱ、何も覚えてないのか? 天城 雪子|うん…何も思い出せなくて… …ごめんね。 里中 千枝|いいって、いいって! 雪子無事だったんだから、十分だって。 花村 陽介|けど、天城が今までの二人と同じ手口で、 その… 花村 陽介|殺されかけたってのは、間違いないよな。 花村 陽介|それと、マヨナカテレビに映ってたのは、本当の 天城じゃなく“もう一人”の方だった気がする。 花村 陽介|天城が現実で抑え付けてたモンが あっちの世界で現実になった…って事なのか? 里中 千枝|そういえば、クマくんも そんな事言ってたけど… 花村 陽介|あーダメだ。 ますます分っかんね。 花村 陽介|犯人って、一体どんなヤツなんだ? |ゆっくり考えてみよう |今日はこの辺にしよう |>時間をかけて推理してみよう… 里中 千枝|待ってよ、難しい話はまた今度にしよ? 里中 千枝|雪子、早く休ませた方がいいって。 家まであたしが送ってくからさ。 |>今は雪子の状態が心配だ… 里中 千枝|うん、難しい話はまた今度にしよ? 里中 千枝|雪子、早く休ませたほうがいいし、 あたし、家まで送ってくからさ。 花村 陽介|あ、そうだよな…悪い。 天城の疲れ、ハンパじゃないもんな。 |>雪子を無事に救出することができた。 |>しかし事件の謎は深まるばかりだ… |>今は、雪子の回復を待つことにしよう。 花村 陽介|詳しい話は、まず天城が元気になってからだな。 |どうやってあの中に? |なにか思い出したことは? |犯人はみてないの? 堂島 菜々子|かえってきた! 堂島 菜々子|お、おかえり。 足立 透|こんちゃっすー。 堂島 遼太郎|珍しく上がりが一緒になったんでな。 送りがてら連れてきた。 足立 透|どーも、この春から、 堂島さんにこき使われてる、足立です。 堂島 遼太郎|なんだ足立、これでも遠慮してんだぞ? 足立 透|まーた、お父さん、冗談キツいッスよ! あはは。 足立 透|おわっと、そうだ! 君、確か天城雪子さんと友達でしょ? 足立 透|天城さん、無事に見つかったからさ! みんなにも知らせてあげてよ! |安心した |みんな知ってる |お疲れさま 足立 透|いやぁ、ホントよかったよー。 足立 透|あれ? そ、そう? 足立 透|オレ、遅れてる? はは… 足立 透|おっと、ありがとう。 足立 透|や~、感謝されちゃったよ。 なんか照れんなぁ。 足立 透|でもでも、まだ全てがクリアって訳じゃ ないんだけどね。 足立 透|さっき訪ねた帰りなんだけど、天城さん、 居ない間の事、覚えてないんだってさ。 足立 透|それに、その間の彼女の足取り、まるで本当に 消えたみたいで、実はウチらも掴めてなくてさ。 足立 透|なーんか怪しいっていうか、裏に何か… 足立 透|イタっ! 堂島 遼太郎|バカ野郎、要らん事言うな! 足立 透|す、すいません… 堂島 遼太郎|気にしなくていいぞ。 コイツの勝手な妄想だ。 |気にしてない |雪子は関係ない |雪子を疑ってる…? 堂島 遼太郎|あー、気にするな。 ったく困った奴だよ、こいつは… 堂島 遼太郎|ん…ああ、分かってる。 堂島 遼太郎|とにかく気にするな。 ったく困った奴だよ、こいつは… 堂島 遼太郎|心配するな。 警察は、野次馬じゃないからな。 堂島 遼太郎|こいつの独り言だ、本気にするなよ? 堂島 菜々子|おなかすいた。 堂島 遼太郎|あー、そうだな、俺もペコペコだ。 足立 透|ははは、堂島さんも、菜々子ちゃんの前じゃ “ペコペコ”なんて言うんスね~。 堂島 遼太郎|うるさい、黙ってさっさと座れ。 …じゃない、先に手洗って来い。 堂島 遼太郎|あ、俺もか… |>久々に、賑やかな団らんになりそうだ… |終日降り続いた雨の影響により、各地とも 気持ちのいい晴れ間とはいかないようです。 |特に稲羽市方面では、今夜半から明日に かけて、濃い霧の発生が予想されています。 |お出かけの際には十分ご注意ください。 では時間帯ごとの天気を見てみましょう… 堂島 遼太郎|霧か…多いな、最近。 これ以上、面倒が起きなきゃいいが… 堂島 遼太郎|あっ、こら。 黙ってチャンネル変えるのダメだろ。 |ジュネスは、今年もゴールデンウィークは 休まず営業! |来て、見て、触れてください。 |エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! 堂島 菜々子|ゴールデンウィーク、 エイギョウしてるって! 堂島 遼太郎|ハハ、分かった分かった。 連休、どっか行きたいのか? 堂島 菜々子|どこか行けるの!? 堂島 遼太郎|お前どうだ、予定空いてるか? |空いてる |興味ない |どうしよう… 堂島 菜々子|だったら、みんなでどっか行きたい! 堂島 菜々子|えー、行こうよー! みんなで、どっか行きたい! 堂島 菜々子|行こうよー! みんなで、どっか行きたい! 堂島 菜々子|菜々子ね、ジュネスがいい! 堂島 遼太郎|ほんとにジュネスでいいのか? そんなの、いつでも行けるだろ… 堂島 遼太郎|ほら、もう遅いから寝なさい。 堂島 菜々子|はーい… 堂島 菜々子|エヴリディ・ヤングライフ! |>菜々子はとても楽しみにしているようだ。 |>一方その頃… 霧の中の商店街… |>0時だ… |>霧が出ている… |>マヨナカテレビには、 誰も映らない。 |>雪子を救出したことで、 犯人の今回の犯行を阻止できたようだ… |>夜が更けてきた… |>霧が出ている… |>遠くからサイレンが聞こえる… |>何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>陽介からだ。 花村 陽介|あのさ、近所の騒ぎ… 花村 陽介|死体、上がったって… 花村 陽介|死んだの…天城だって… |>強烈な目眩がする… 天城 雪子|あ、お、おはよ。 |おはよう |もう大丈夫? 天城 雪子|あの、私、もう大丈夫だから。 今日から学校、来るから…よ、宜しくね。 天城 雪子|う、うん… 今日から学校、来るから…よ、宜しくね。 天城 雪子|なんか、みんなに、 すごく迷惑かけちゃったよね。 天城 雪子|ごめんね… 天城 雪子|ううん、ごめんじゃないや。 …“ありがとう”だよね。 |>雪子の表情は、以前よりも明るいようだ。 天城 雪子|お母さんね、もう仕事に復帰したの。 天城 雪子|仲居さんたちもすごく協力してくれて、 何だか前より、上手く回ってるみたい。 天城 雪子|私、無理してたのかな… 天城 雪子|何でも自分がやらなきゃって、 思い過ぎてたのかも。 天城 雪子|あれから、自分の事とか…少し冷静に 考えられるようになったと思う。 天城 雪子|で、でも、なんか恥ずかしいな… 天城 雪子|自分でも見たくないと思ってた事、 みんなに見られちゃったし… |気にしなくていい |あれが雪子の全てじゃない |今の雪子はもう変わった |みんな、あんなものだ 天城 雪子|うん、ありがとう… 天城 雪子|うん、そう思いたい… 天城 雪子|そうかな? 天城 雪子|うん… 里中 千枝|雪子ー! 天城 雪子|あ、千枝。 天城 雪子|じゃあ、また後でね。 |>雪子が元気に復帰してきた。 |>救う事ができて良かった… 天城 雪子|お待たせ。 千枝はおそばの方だよね。 里中 千枝|サンキュ! お~この匂い、たまらん… 里中 千枝|部活前のこの一杯の為に生きてるね、うん。 これ、あとどんくらい待ち? 天城 雪子|全然、まだよ。 里中 千枝|で、なんだっけ。 …あ、雪子に事情を聞くんだったよね。 花村 陽介|なぁ、天城さ、ヤな事ムリに思い出さす気は 無いんだけど…改めて、聞かせて欲しいんだ。 花村 陽介|…さらわれた時の事、 やっぱ何も覚えてないのか? 天城 雪子|うん… 天城 雪子|落ち着けば思い出すかなって思ったけど、 時間が経つ程、よく分からなくなっちゃって… 天城 雪子|ただ、玄関の…チャイムが鳴って… 誰かに呼ばれたような気は、する… 天城 雪子|けど、その後はもう、 気付いたら、あのお城の中で… 天城 雪子|ゴメンね。 里中 千枝|謝んなくていいって。 里中 千枝|けど、やっぱその来客ってのが犯人!? 花村 陽介|どうだろうな…もしそうなら相当大胆だぜ。 玄関からピンポーンなんてさ。 花村 陽介|目撃者が無いか警察も洗ってんだろうけど… あんま期待できねーな。 花村 陽介|すぐ身元割れるようなナリで 歩き回んねえだろうし。 里中 千枝|なんでこんな事すんだろ? 花村 陽介|そこまでは、犯人に聞いてみなきゃ 分かんねーな… 花村 陽介|けど、ひとつ大事な事がハッキリした… 人が次々“向こう”に行ってんのは偶然じゃない。 花村 陽介|こっちに居る誰かが、 さらってテレビに放り込んでるんだ。 花村 陽介|…こいつは“殺人”だ。 花村 陽介|あ、そうだ、言ってなかったな。 花村 陽介|俺とコイツで、 犯人挙げちゃうことにしたからさ! 花村 陽介|この事件、正直警察には無理そーだけど、 俺らには“力”があるからな。 |捕まえるから安心して |良かったら力を貸して 天城 雪子|う、うん… 天城 雪子|え? えっと… 里中 千枝|あたしもやるからね! 里中 千枝|あんな場所に、人放り込むなんてさ。 も、絶対ブチのめす! 天城 雪子|千枝… 天城 雪子|私も…やらせて。 花村 陽介|おっし! じゃあ、全員で協力して、捕まえてやろーぜ! 天城 雪子|うん。 |>雪子が仲間に加わった! |>この事件の真相解明の為に、 心強い戦力になってくれそうだ! 里中 千枝|でも、どうやって犯人捜す? 今んとこ、手がかり無しだよね。 天城 雪子|狙われたの、私で三人目だけど、 これで終わりなのかな? 天城 雪子|もし、次に狙われる人の見当つくなら、 先回りできない? 花村 陽介|先回りか…なるほどな、いいかも。 花村 陽介|じゃあ、今までの被害者の共通点 挙げてみようぜ。 花村 陽介|一人目、女子アナの“山野真由美”。 二人目、“小西早紀”…先輩。 三人目、“天城雪子”。 花村 陽介|えーと、全員の共通点は… |この町に住んでいる |女性である |共通点など無い 花村 陽介|だな。 あと、女性ってことか。 花村 陽介|だな。 花村 陽介|モロあるだろー! 花村 陽介|まあ、この町に住んでる、女性… ってぐらいだけど。 里中 千枝|女性ばっか狙いやがってぇ! 許せん! きっとヘンタイね。 花村 陽介|あと、これは? “二人目以降の被害者も一人目に関係してる”。 里中 千枝|あ、そっか、雪子も小西先輩も、 山野アナと接点があった… 天城 雪子|確かにそうだよね。 天城 雪子|とすると…“山野アナの事件と関わりのあった 女の人が狙われる”…ってこと? 花村 陽介|とりあえずは、そう考えられると思う。 花村 陽介|で、これも多分だけど、 次もし、また誰か居なくなるとすれば… 里中 千枝|雨の晩に、“例のテレビ”に映るのかな!? 里中 千枝|雪子ん時も、それっぽいの流れたし。 花村 陽介|最初のうちはハッキリ見えないけど、 重要なのは、居なくなる前に映ったって事だ。 花村 陽介|まるで“誘拐の予告”だぜ。 花村 陽介|あれが何なのかは分かんないけど、 今は当てにするしかない。 天城 雪子|次に雨が降ったら…か。 |>次を予測する手がかりは、 今は“マヨナカテレビ”しか無さそうだ。 |>次の雨の夜には、 忘れずにテレビを見なければ… 花村 陽介|ところでソレ、もう出来てんじゃね? 里中 千枝|うおっと、そうだった! いっただっきまーす! 花村 陽介|な、先生、ヒトクチ! とりあえず、ヒトクチ味見! 里中 千枝|うっさいな! アンタも買えばいいじゃん。 里中 千枝|…ったく、ヒトクチだけだかんね。 天城 雪子|ちょっと食べる? |>“赤いきつね”の 食欲をそそる香りが漂ってくる… |ちょっぴりいただく |ごっそりいただく 花村 陽介|う、う、うメェェェ… オレ、まじ、腹ペコの子羊の気持ち分かるわ~。 |>空腹に染み入る味に手が止まらない… 里中 千枝|ギャー! 何してんの、おたくら! 里中 千枝|具ごと全部いかれてんじゃん… 天城 雪子|お、おあげ… 里中 千枝|何したか、分かってんでしょーね。 花村 陽介|い、いやいやいやいや! 待て、ごめん、悪かった! 花村 陽介|代わりに肉! 肉おごっから! 花村 陽介|肉だぞ、肉!? き、聞こえてる? 里中 千枝|肉…!? 天城 雪子|おあげ… 里中 千枝|まーまー、雪子、肉で手打とうよ。 里中 千枝|カップ麺なんて、いつだって食べれるし。 ね? 天城 雪子|…脂身少ないのなら、いいよ。 里中 千枝|よっし、協議の結果、肉で許す! 里中 千枝|脂身少ないのって、フィレ? あー、フィレ肉、なんて芳醇な響き! 里中 千枝|フィレ、フィレ、フィレ、 フィレに~く~。 花村 陽介|お、おい、もちろん同罪のお前も、 強制参加だからな! 天城 雪子|どうしてこんな事が起きてるのか知りたい。 天城 雪子|それに…もし自分が、殺したい程誰かに 恨まれてるなら、知らなきゃいけないと思う。 天城 雪子|もう、自分から逃げたくないの。 花村 陽介|いや~、ホントちょうどよかったぜ。 今日から始めたんだよな、ビフテキ。 花村 陽介|ウチとしても名産広めんのには協力したいし、 それに、立派な鉄板もある事だしさ。 里中 千枝|焼きソバ屋の鉄板じゃん… …まあいいか、肉は肉だし。 里中 千枝|フィレ肉とは程遠いけど… 里中 千枝|雪子、大丈夫? 苦手なんじゃない? 天城 雪子|うん。 悔しいから、食べる。 里中 千枝|でさ、さっきの話だけど、 結局、犯人ってどんなヤツなんだろ。 花村 陽介|山野アナだけ見れば、動機は恨みっぽいよな。 不倫相手の奥さんとかさ。 里中 千枝|でも柊みすずって、アリバイがっちりでしょ? 旦那さんとも前から別居中らしいし。 花村 陽介|そうなのか? お前、やけに詳しいな… 花村 陽介|じゃあ二件目だ。 小西先輩は…一件目の死体の発見者だった。 花村 陽介|犯人が同じだとすれば、先輩が狙われたのは… |たまたま |口封じのため |知り合いだったから 花村 陽介|ま、まあその可能性も 無いワケじゃないけど… 花村 陽介|もしかしたら、口封じとか。 何か証拠を握られちゃったとかで… 花村 陽介|うん、俺もそう思う。 花村 陽介|例えば何か、 証拠を握られちゃったとかでな。 花村 陽介|んーと、先輩と山野アナがって事? そんな話、先輩からは聞いたこと無いけど… 花村 陽介|ありそうなのは、口封じとかじゃね? 何か証拠を握られちゃったとかさ。 天城 雪子|でも、犯人はテレビに入れただけだよね? 天城 雪子|警察に捕まるほどの証拠なんてあるかな… 花村 陽介|それなんだよなあ… 足立 透|しっかし、田舎は退屈そうだと思ってたら、 信じられない事ばっかだなぁ… 足立 透|おっと、新メニュー発見伝。 里中 千枝|あれ? この前の刑事さん? 足立 透|あれ、キミ、堂島さんトコの… 足立 透|ども、足立です。 堂島さんの部下…ていうか相棒ね。 花村 陽介|お仕事大変そーっすね? 足立 透|え、ああ、世間は面白がってるみたいだけど、 僕らはそういうワケにもいかないからね。 里中 千枝|あの、やっぱ、小西先輩が狙われたのって、 口封じなんですか? 足立 透|あ、あー、いいとこ突かれちゃったね。 イタタタタ…なんて、はは。 足立 透|もちろん、その辺は僕らも考えてるさ。 彼女、山野アナの遺体発見後に殺されたでしょ。 足立 透|もし口封じだとすると、彼女以外の人が見ても、 証拠だと分からない物が遺留品にあったとかね。 足立 透|とすると、犯人は、小西早紀に 非常に近しい人かも知れないよねぇ。 足立 透|柊みすずの周りからは何も出ないし、 あ、僕の推理、イイ線行ってるかも… 足立 透|あっと、また喋りすぎ? 里中 千枝|あ~… 確かに、警察には任せておけないなぁ… 里中 千枝|おあっ、しまった! 肉がゲンナリしてる! 花村 陽介|肉、肉、うるせーよ… 足立 透|い、今の内緒ね… まあ、犯人は警察が必ず捕まえるから。 足立 透|それじゃ! |>二人が食べ終わるのを待って、 テレビの中の世界へ行ってみる事にした。 足立 透|あはは…えっと、 そうだ、ちょうどよかった、うん。 足立 透|堂島さん、今日は定時で上がれるからって。 菜々子ちゃんにも伝えてくれる? 天城 雪子|すごい…ここ本当に、テレビの中なんだ。 天城 雪子|あの時のクマさん… 夢じゃなかったんだ。 クマ|ユキチャン元気? クマ|クマね、ユキチャンとの約束守って いいクマにしてた。 天城 雪子|そっか、えらいえらい。 花村 陽介|ま、まあ、このクマきちのためにも 犯人見つけようって事になってさ。 天城 雪子|私も、仲間に入れてもらったの。 一緒にがんばろう。 クマ|うん! 一緒にがんばろうって思ってたクマ! クマ|だからユキチャンに、用意してたクマよ! 天城 雪子|そっか、みんなかけてるの、コレなんだ。 ありがとう、クマさん。 天城 雪子|ほんとだ、霧が晴れて見える… 里中 千枝|ところでさ、 なんでそんなにメガネ持ってるワケ? クマ|よくぞ聞いてくれたと言いたいですぞ! これ、クマが作ってるクマよー。 クマ|クマはココに住んで長いから、 ココで快適に過ごす工夫は怠らないクマ。 天城 雪子|へえ。 でも、クマさんはメガネしないの? クマ|おっと、それ訊いちゃう? またまたいい質問クマ! クマ|何を隠そう、クマはこの“眼”自体が、 レンズになってるクマ! クマ|知らなかったクマ~? 花村 陽介|知らねーよ… クマ|な、なに大して興味無い的なフリして イジワルしてるクマか! クマ|クマは、凄く器用クマよ! クマ|見るクマ! 指先がこんなに動いている! |>クマは、手の先端を微妙に動かしている… 花村 陽介|分からんわ! クマ|いでっ! 天城 雪子|あれ、何か落ちたよ? クマ|あ、それ、ちょっぴり失敗したメガネ。 天城 雪子|あーこれ… 天城 雪子|あはは、どう? 里中 千枝|ちょ、ちょっと雪子? 花村 陽介|え、なにこれ、どういうテンション…? 天城 雪子|似合う? |似合う |似合わない |むしろ自然 天城 雪子|あははは。 天城 雪子|えー、そう? あはは。 天城 雪子|あははは、やった。 クマ|ユキチャン、それ、気に入ったクマ? 天城 雪子|鼻ガードついてるし、 私、これがいい。 里中 千枝|おやめなさい! クマ|クマったなー、 それ、本物のレンズ入ってないクマよ。 クマ|こんな事なら、 ちゃんと用意しておけばよかったクマ。 天城 雪子|なんだぁ、残念。 天城 雪子|はい、次は千枝ね。 天城 雪子|かけて。 見てみたい。 里中 千枝|はぁ? ちょ…しょーがないなあ… 里中 千枝|どういう流れ、これ… 天城 雪子|う…ぷぷっ! 天城 雪子|あはは、あははっはっはっはっは! 花村 陽介|あ、天城さん…? 里中 千枝|出たよ、雪子の大爆笑… あたしの前以外では無いと思ってたのに… 里中 千枝|こんなメガネじゃ、捜査になんねーっしょ!? 里中 千枝|てゆーか、どう考えたって 鼻はウケ狙いじゃん! クマ|みんながクマを置いてくから、 ヒマすぎてこんな事になるクマ! 花村 陽介|ま、まあでも、天城が元気出たみたいで よかったよ、うん… 天城 雪子|ち、千枝の、かお… ぷっ…ははは、おかしー! 天城 雪子|ツボ、ツボに…う、ぶぷっ くるし、お腹いたい、あはは… |>今日は一度戻る事にした。 堂島 遼太郎|4日と5日、だな… 堂島 遼太郎|4日と5日なら、 まあ…休み、取れそうだな。 堂島 菜々子|ほんと!? 堂島 菜々子|…ほんと? 堂島 遼太郎|なんだよ、疑ってるのか? 堂島 菜々子|…いつもダメだから。 堂島 遼太郎|ま、毎年じゃないだろ。 堂島 遼太郎|ジュネスに行きたいんだったか? 近所じゃなくても、少し位遠くたっていいぞ。 堂島 菜々子|ほんと? りょこう? 堂島 遼太郎|あーまー、たまには、旅行もいいかもな。 堂島 遼太郎|何処もメチャクチャ混むだろうけどな… 堂島 菜々子|やったー、りょこう! 堂島 遼太郎|んー…よし分かった。 どっか、考えておかなきゃな… 堂島 遼太郎|…お前、どうする? 一緒に、どっか行くか? |行きたい |興味ない |どうしようかな… 堂島 菜々子|うん、みんないっしょに行こう! 堂島 遼太郎|菜々子は、一緒がいいみたいだな。 |>連休に、旅行に出かける事になった。 堂島 菜々子|えー、行こうよー! 堂島 遼太郎|菜々子は、一緒がいいみたいだな。 堂島 遼太郎|予定が無いなら、付き合ってくれないか? …な? |>断れない流れのようだ… 堂島 菜々子|菜々子、おべんとう、もって行きたい! 堂島 遼太郎|ん? ああ、そうだな。 いつも、惣菜メシばかりだからな。 堂島 遼太郎|けど、俺は作れんしな… 菜々子も、一人で弁当ってのはまだ無理だろ… 堂島 遼太郎|…けど大丈夫か。 今年はコイツがいたんだったな。 堂島 菜々子|やったー、おべんとう! |>菜々子は喜んでいる。 |>家族のお弁当を作る役になってしまった… |今日未明、稲羽北にある稲羽信用金庫のATM が、重機で壊され奪われる事件がありました。 |現場に乗り捨てられた重機は、近くにある 土木業者から盗難届けが出ている車両でした。 |犯人は警備会社が来るまでの非常に短い間に 犯行を終えて逃走しており、警察では… 堂島 菜々子|おそいね、お父さん… 堂島 菜々子|もしもし、お父さん? うん、だいじょぶ。 堂島 菜々子|…うん…うん。 堂島 菜々子|…うん。 堂島 菜々子|…分かった。 堂島 菜々子|かわってって… 堂島 菜々子|お休み、取れなくなったって。 堂島 遼太郎|お前か。 悪いが今日遅くなる、戸締りして先に寝てくれ。 堂島 遼太郎|それと、4日と5日の休みの件なんだが… 実は若いのが一人、体壊してな… 堂島 遼太郎|抱えてる事件の内容からいくと、 穴は空けられん…俺が出るしか無さそうだ。 |仕方ない |残念だ |菜々子がかわいそう 堂島 遼太郎|すまんな、急な事で… 堂島 遼太郎|菜々子は…どんな風だ? 堂島 遼太郎|悪いが、気にしてやってくれ… 堂島 遼太郎|…じゃあな。 堂島 菜々子|あ、おはよ。 |>菜々子は今日もテレビを見ている。 |>…誰かが来たようだ。 |>千枝がやって来た。 里中 千枝|おー、よかった、居るじゃん。 里中 千枝|ね、今日ヒマなら遊び行かない? 雪子も来るし。 里中 千枝|菜々子ちゃんも一緒に行く? 堂島 菜々子|え、えっと… |一緒に行こう |テレビのほうがいい? 堂島 菜々子|え、い、いいの? 里中 千枝|もっちろん! いいに決まってんじゃん! 堂島 菜々子|う、ううん、行く。 里中 千枝|オッケー。 すぐ、出れる? |>菜々子を連れて 千枝たちと遊びに行く事にした。 |>ジュネス フードコート… |>バイト中の陽介や、家の手伝いを 切り上げて来た雪子らと合流した。 花村 陽介|ゴールデンウィークだってのに、 こんな店でじゃ菜々子ちゃん可哀想だろ。 里中 千枝|だって他無いじゃん。 堂島 菜々子|ジュネス、だいすき。 花村 陽介|な、菜々子ちゃん…! 堂島 菜々子|でもほんとは、 どこか、りょこうに行くはずだったんだ。 堂島 菜々子|おべんとう作って。 天城 雪子|お弁当、菜々子ちゃん作れるの? 里中 千枝|へー、家族のお弁当係? すごいじゃん、“お兄ちゃん”。 堂島 菜々子|お兄…ちゃん。 花村 陽介|へー、お前、料理とか出来んだ。 確かに、器用そうな感じあるけどさ。 里中 千枝|あ、あたしも何気に上手いけどね、多分。 里中 千枝|お弁当ぐらいなら、言ってくれれば 作ってあげたのに、うん。 花村 陽介|いっやー…無いわ、それは。 里中 千枝|なんでムリって決め付けんの!? んじゃあ、勝負しようじゃん。 花村 陽介|ムキんなる時点でバレてるっつの… てか勝負って、俺作れるなんて言ってねーよ? 花村 陽介|あ、けど、不思議とお前には 勝てそうな気がするな… 天城 雪子|あはは、それ、分かる。 里中 千枝|ちょ、雪子!? 花村 陽介|じゃあ、菜々子ちゃんが審査員かな。 花村 陽介|この人ら、菜々子ちゃんのママより ウマイの作っちゃうかもよ~? 里中 千枝|ちょっと、花村… 堂島 菜々子|お母さん、いないんだ。 ジコで死んだって。 花村 陽介|そ、そっか…えっと… 花村 陽介|ごめん、知らなかったからさ… 堂島 菜々子|菜々子、へーきだよ。 堂島 菜々子|お母さんいなくても、 菜々子には、お父さんいるし。 堂島 菜々子|…お兄ちゃんもいるし。 堂島 菜々子|今日は、ジュネスに来れたし、 すごい、たのしいよ。 花村 陽介|…そ、そっか。 里中 千枝|お姉ちゃんたち、いつでも 菜々子ちゃんと遊んであげるからね! 天城 雪子|うん、遊ぼう。 花村 陽介|よし、菜々子ちゃん。 一緒にジュース買い行くか! 堂島 菜々子|うん! 天城 雪子|小さいのに、えらいね… 里中 千枝|意外とウチらの方が、 ガキんちょだったりして。 里中 千枝|よしッ、あたしも菜々子ちゃんに なんかオゴってあげよ! 堂島 菜々子|お兄ちゃん、なにかいるー? |>菜々子は屈託のない笑顔を見せている… |>菜々子との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 堂島 菜々子|お兄ちゃん、 たこやき、半分こでいー? |>仲間たちや菜々子と一緒に、楽しく過ごした… |先頃、稲羽北のATMが重機で壊され 持ち去られた事件で、容疑者逮捕です。 |逮捕されたのは、重機盗難を届けていた会社の 元作業員プメナ・スシン容疑者、26歳です。 |警察の調べによりますとスシン容疑者は… 堂島 遼太郎|ただいまー。 堂島 遼太郎|…ったく、病欠で何日穴空ける気だ… ほんっと最近の若いのは… 堂島 菜々子|おかえりなさい! 堂島 遼太郎|…菜々子、悪かったな、 また約束破っちまって… 堂島 菜々子|あのね、お兄ちゃんたちが あそんでくれた。 堂島 遼太郎|そうか。 …ありがとうな。 堂島 菜々子|あ、ジュネスの袋! なに? 堂島 遼太郎|はは、もう見つかったか。 ま、今日は5月5日だからな。 堂島 遼太郎|菜々子にプレゼント買ってきたんだ。 堂島 菜々子|やったーっ!! 堂島 菜々子|あー、服だ。 堂島 遼太郎|選ぶのにえらい時間くったけどな、ハハ。 気に入ったか? 堂島 菜々子|なんか、ヘンな絵がかいてあるー。 へんなのー、あはは、やったー。 堂島 遼太郎|それと、お前にもあるんだ。 子供扱いってつもりは無いが、まあ公平にな。 |>…微妙な柄の水着だ。 |ありがとう 堂島 遼太郎|まぁ、とっとけ。 堂島 遼太郎|…どうした? こういうの流行ってるんだろ? 一番数あったぞ? 堂島 遼太郎|そのうち要るだろうと思ってな。 堂島 遼太郎|さて…じゃ、メシにするか。 堂島 菜々子|うん! |>楽しい団らんの時を過ごした… 花村 陽介|おーす、おはよ。 花村 陽介|ちっくしょ、直したのに、 また、ギコギコ鳴り出したよ… |日頃の行いのせい |音がうるさい |もう寿命なんじゃ… 花村 陽介|あ? …ああ。 花村 陽介|そだ、あのさ… 花村 陽介|こないだ…悪かったな。 ほら、菜々子ちゃんに、さ。 花村 陽介|菜々子ちゃん見てさ…事件、なおさら 解決しなきゃって思ったよ。 |ありがとう |一緒に頑張ろう |陽介が頼りだ 花村 陽介|…頑張ろうぜ! 花村 陽介|…ああ! 花村 陽介|へへっ…お前もな! 花村 陽介|そう言や、里中と天城も、最近なんか 変わったって言うか…距離縮んだよな。 花村 陽介|そう言や、お前ってさ… …あー、まいいか、長話してると遅刻するし。 花村 陽介|ハァ…それはそれとして学校ダリーよなぁ。 俺、チャリこんなだし… 花村 陽介|都会と違って道メチャ空いてるから、 ついスピード出し過ぎんだよ。 花村 陽介|ハァ…しょうがね。 バイクの免許取るまで、歩くわ… 里中 千枝|あ~…なんでもう終わりかな、連休… 花村 陽介|けど、平和で良かったじゃん? 花村 陽介|ジュネスでバイトしてると、おばちゃん層の 噂話聞けるけど、何も起きてないみたいだしさ。 花村 陽介|誰かが失踪、みたいな話は無し… 花村 陽介|…もしかして、天城の事件で終わりなのか? |終わりだろう |終わらないだろう 里中 千枝|う~ん… 天城 雪子|分からない。 天城 雪子|でも犯人がまだ捕まってない以上、 安心は出来ないと思う。 花村 陽介|雨が降ったら、また誰かがテレビに 映ったりすんのかな? 花村 陽介|犯人像とか、もう少し何か分かればなあ… 里中 千枝|こうなると、雨が降って誰かが映るまでは ジタバタしてもしょーがないじゃん? 里中 千枝|天気、そろそろ崩れるらしいけど、 あたし的には、来週一杯もってくんないかな… 里中 千枝|来週…中間テストじゃん? 花村 陽介|あー、言っちゃった… それ、考えたくねぇぇー。 里中 千枝|ハァ、あたしも雪子みたく 天から二物を与えられたいよ… 里中 千枝|ねー花村、雪子に色々教わった方が いいんじゃない? 花村 陽介|ん? あー、そう言や天城、 学年でトップクラスだもんな。 花村 陽介|個人レッスン、頼んじゃおうかな。 天城 雪子|こっ、個人レッスン!? 花村 陽介|え? どしたの? 花村 陽介|い、いて…そんな、叩くとこですか? 勉強、教えてって言っただけなのに… 天城 雪子|あ、ごめん…勉強か… 天城 雪子|“オヤジギャグ”なのかなって… 最近、変なお客さん多いから… 花村 陽介|ギャグと思ったなら、なおさら流せよ! 天城 雪子|ごめん、手が勝手に… 花村 陽介|やれやれ… 花村 陽介|…て言うかコレ、里中が勉強教えてもらえとか、 要らんコト振ったからじゃね? 里中 千枝|な、なんで、あたしのせいになんのよ!? 里中 千枝|あんたが“個人レッスン”とか ビミョーな言い方すっからでしょ! 花村 陽介|なっ…十割俺かよ!? 天城 雪子|あ、私、そろそろ帰るね。 花村 陽介|やーっと終わったなー。 花村 陽介|うあー、この開放感! これだけは全国共通だな! 里中 千枝|ちょっと、うっさい! 里中 千枝|ね、じゃあ問7は何にした? 文中の“それ”が指す単語ってやつ。 天城 雪子|ええと…“悲しげな後姿”にした。 里中 千枝|うっわ、間違えた! あたし“机の上の餅”にしちゃったよ… 天城 雪子|餅…? え、そんな話だっけ…? 里中 千枝|分かった、もう現国は諦める。 地学に賭ける。 里中 千枝|“太陽系で最も高い山”って、何にした? |オリンポス山 |マックスウェル山 |エベレスト 里中 千枝|ギャー! マジで!? 違うのにしちゃったよー… 天城 雪子|あ、私と一緒だ。 花村 陽介|おっ、天城も!? じゃあそれ正解っぽいじゃん… |聞いた? テレビ局が来てたってよ。 |どーせ、例の“死体がぶら下がってた” 事件のだろ? |や、違くてさ、幹線道路あんだろ? あそこ走ってる暴走族の取材だってよ。 |オレのダチで族に顔出してるヤツいてさァ、 そいつから聞いたんだよネ。 |おま、友達にゾクいるとか、作んなよ? |んな事よりさ、明日の合コン、 外待ち合わせでヘーキかな? |あさってから本格的に雨なんだろ。 明日もヤバそうじゃね? 天城 雪子|暴走族? 里中 千枝|あー…たまにウルサいんだよね。 雪子んちまでは流石に聞こえないか。 花村 陽介|うちなんか、道路沿いだからスゲーよ。 里中 千枝|うちの生徒も居るらしいじゃん? 花村 陽介|あー確か、去年までスゴかったってヤツが うちの1年に居るとか、たまに聞くな。 花村 陽介|中学ん時に伝説作ったって、 ウチの店員が言ってたっけ。 花村 陽介|んー、けど…暴走族だっけな…? 天城 雪子|で、伝説って? 里中 千枝|あー、たぶん、 雪子が考えてるのとは違うと思うけど… 花村 陽介|あーあー、廊下に貼り出されんのが 楽しみだよ、ったく… |静かな町をおびやかす暴走行為を、 誇らしげに見せ付ける少年たち… |そのリーダー格の一人が、突然、 カメラに向かって襲い掛かった! 巽 完二|てめーら、何しに来やがった! 堂島 遼太郎|この声… 巽 完二|見世モンじゃねーぞ、コラァ!! 堂島 遼太郎|あいつ、まだやってんのか… 堂島 菜々子|お父さん、しりあい? 堂島 遼太郎|うーん、まあ、仕事の知り合いだな。 堂島 遼太郎|“巽完二”… ケンカが得意で、たかだか中3で この辺の暴走族をシメてた問題児だ。 堂島 遼太郎|けど確か、高校受かって、 今はどっか通ってんじゃなかったか? 堂島 菜々子|ふーん。 堂島 遼太郎|あーあー、折角顔にボカシかかってんのに 丸分かりだなオイ。 堂島 遼太郎|こいつ、実家が老舗の染物屋でな。 堂島 遼太郎|確か、母親が夜寝られないから、とかで、 毎晩走ってた族を一人で潰しちまったんだ。 堂島 遼太郎|動機はともかく、暴れ過ぎなんだよ… これじゃ、その母親が頭下げる事んなっちまう。 堂島 菜々子|あ、あした雨だって。 下にお天気でてる。 堂島 菜々子|せんたくもの、中だね。 里中 千枝|おっと、降ってきてる… 天気予報、当たったね。 花村 陽介|じゃあ今夜だな、例のテレビ。 天城 雪子|何も見えないといいけど… 花村 陽介|それが一番だけど、何か犯人に繋がる ヒントでも見えればな… 里中 千枝|じゃ、今夜は忘れずにテレビチェック! 里中 千枝|オーライ? |>ついに雨の夜がやってきそうだ。 |>今夜、一体何が見えるのだろうか… |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…人影が映っている! |>男のようだ… |>どうやら、高校生くらいに見える… |>映像がはっきりせず、 誰なのかまでは分からない… |>陽介に電話をかけてみようか… |かけてみる |明日、話せばいい 花村 陽介|おう、お前か! 俺もちょうどかけるとこだった! 花村 陽介|な、どう思う? 映ってたの、男だよな? 花村 陽介|けど人相までは分かんねーな… 花村 陽介|明日、みんなで詳しい事話そうぜ! |>電話を切った。 花村 陽介|もしもし? な、見たか!? 花村 陽介|どう思う? 映ってたの、男だよな? 花村 陽介|けど人相までは分かんねーな… 花村 陽介|明日、みんなで詳しい事話そうぜ! |>電話は切れた。 |>今日はもう休む事にした。 花村 陽介|えー、それでは稲羽市連続誘拐殺人事件、 特別捜査会議を始めます。 里中 千枝|ながっ! 天城 雪子|あ、じゃあここは、特別捜査本部? 花村 陽介|おー、それそれ! 天城、上手いこと言うな。 里中 千枝|“トクベツそーさほんぶ”… んー、そう聞くと惹かれるものが… 花村 陽介|つーわけで、昨日の夜だけど… 里中 千枝|見た見た! 天城 雪子|私も、あんな風に映ったんだ… 天城 雪子|あれ、でも待って。 天城 雪子|被害者の共通点って、“1件目の事件に 関係する女性”…じゃなかったっけ? 花村 陽介|だと思ったんだけどな… 花村 陽介|でもまだ、映ってたのが誰なのか ハッキリしてない。 天城 雪子|確か私の時は、事件に遭った夜から、 マヨナカテレビの内容、変わったんだよね? 花村 陽介|ああ、急にハッキリ映って、 内容もバラエティみたいのになった。 花村 陽介|今思えば、クマの言った通り、 中の天城が“見えちまってた”のかもな。 天城 雪子|でも、昨日見えた男の人、 はっきり映らなかったでしょ? 天城 雪子|もしかしたら…今はまだ “あっち”に入ってないんじゃない? 天城 雪子|それなら、あの男の人… |まだ、さらわれてない |もう、さらわれてる 天城 雪子|うん、可能性高いと思う。 天城 雪子|誰なのか分かれば、被害に遭う前に 先回り出来るんじゃないかな? 天城 雪子|いや、そうじゃなくて… 天城 雪子|私の時は、誰だかはっきり見えないうちは、 何も起こってなかったでしょ? 天城 雪子|今回も同じなら、映った男の人、 まださらわれてないと思う。 天城 雪子|誰なのか分かれば、 先回り出来るんじゃないかな? 花村 陽介|ああ…それに、上手くいけば 犯人とか一気に分かるかも知れない。 花村 陽介|ハァ…けど、まず誰か分かんない事にはな… 花村 陽介|悔しいけど、とりあえずもう一晩くらい 様子を見てみるしかないな… 里中 千枝|オホンッ…えー、ってことはつまり、 ワタシの推理が正しければ… 里中 千枝|映像は荒く、確かな事は言えないが、 あれはどうも男子生徒だと思われる。 里中 千枝|しかしそれだと、 これまでに立てた予測とは食い違う… 里中 千枝|個人の特定がまだ出来ないので、 つまりは、もう少し見てみるしかない! 花村 陽介|全部今言ったじゃねーか。 里中 千枝|う、うっさいな! 天城 雪子|んふふ… 天城 雪子|ぷぷ、あは、あーははは!! おっかしい、千枝! 天城 雪子|あははは、どうしよ! ツボ、ツボに…! 里中 千枝|出たよ… 天城 雪子|ごめ、ごめええーんふふふ。 花村 陽介|なるほどな… 天城って、実はこういう感じか… 里中 千枝|つか、映ったあの男の子、 どっかで見た気すんだよねー… 里中 千枝|それも、つい最近… 花村 陽介|あ、里中も思うか? そーなんだよ、 実は俺も昨日から考えてたんだけどさ… 花村 陽介|ま、とにかく今夜またテレビチェックな。 んで、また明日、みんなで考えようぜ。 天城 雪子|ぷぷ… 里中 千枝|ぬわったく、いつまで、笑ってんのサ!! この“爆笑大魔王”がっ!! 天城 雪子|あははは、千枝うまーい! 里中 千枝|顔は分かんなかったけど、 アレ、男だったよね? |>年頃が高校生くらいに見えた事を みんなに話した。 |マヨナカテレビは見た? |映ってたのは誰? |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…人影が映っている! |>画像は、はっきりしない… |>しかし、どこかで見た気がする… |>…陽介からだ。 花村 陽介|見たか? |巽完二…かもしれない |誰だか分からない 花村 陽介|ああ、やっぱそうだよな。 花村 陽介|どっかで見たなーと思ってたけど、 テレビだよ、テレビ、特番! 花村 陽介|カメラに“ゴラァ!”とか叫んで、 超コエーの。 花村 陽介|あれ、巽完二…ってヤツじゃねえ? 花村 陽介|どっかで見たなーと思ってたけど、 テレビだよ、テレビ、特番! 花村 陽介|カメラに“ゴラァ!”とか叫んで、 超コエーの。 花村 陽介|よし、これで目星ついたな。 明日またみんなで話そうぜ。 花村 陽介|…あ、そだ…話全然変わるけど、 電話しついでに、訊いていいか? 花村 陽介|こないだから言おうと思ってたんだよ。 花村 陽介|お前さ…天城と里中の事、どう思う? ぶっちゃけ、どっちが好み? |千枝 |雪子 |どっちも好み |どっちもイマイチ 花村 陽介|え、マジで? お前そっち系かー。 花村 陽介|まあ、確かにイイヤツだよな。 一緒に居ると、おもしれーし。 花村 陽介|あ、やっぱ、そうなん? 花村 陽介|けど、あいつ結構面白いのな。 あんな風って、ずっと知らなかったぜ。 花村 陽介|前と印象変わってきたけど、 更に好感度上がったね、俺的には。 花村 陽介|ははっ、マジ? お前、守備範囲広すぎだろ! 花村 陽介|ぎゃはは! おま、ぶっちゃけ過ぎだろそれ! 花村 陽介|けどまあ、そうかもなあ。 花村 陽介|いいヤツらだけど、お前的には、最初から エグい所とか見て、憧れてる暇無かったかもな。 花村 陽介|あー、心配しなくても、 もちろんこれ内緒にしとっからさ。 花村 陽介|んじゃ、明日な。 |>電話は切れた。 |>女性の好みに拘りが無い事を 陽介に話した。 |>正直なところを 陽介に話した。 里中 千枝|昨日の彼、やっぱ彼だよね… 花村 陽介|“巽完二”か… 見るからに絡みにくそうだよな。 里中 千枝|てか、すっげー怖い人なんじゃないの…? この前の特番、見た? 花村 陽介|あー、見た見た。 天城 雪子|暴走族の番組? 私も見たよ。 天城 雪子|あの子、小さい時は あんな風じゃなかったけどな… 里中 千枝|雪子、彼の事、知ってんの? 天城 雪子|今は全然話さなくなっちゃったけどね。 天城 雪子|あの子の家、染物屋さんなんだけど、 ウチ、昔からお土産品仕入れてるの。 天城 雪子|だから今も、完二くんのお母さんとは、 たまに話すよ。 天城 雪子|あ、染物屋さん、これから行ってみる? 話くらいは聞けるかも知れないし。 里中 千枝|そうだね。 最近、なんか変わった事は無いかとか。 里中 千枝|本人に直でコンタクトすんのは怖いけど、 流石に自分ちの店先なら暴れないっしょ。 花村 陽介|よし、じゃ今から行ってみるか。 里中 千枝|危なくなったら、男衆ヨロシク。 |>“巽完二”の実家へ、 話を訊きに行く事にした。 天城 雪子|こんにちは。 |あら、雪ちゃん。 いらっしゃい。 白鐘 直斗|それじゃあ、僕はこれで。 |あんまりお役に立てなくて、ごめんね。 白鐘 直斗|いえ、なかなか興味深かったです。 ではまた。 花村 陽介|なんだ…? 変なヤツ。 里中 千枝|見ない顔だよね。 |雪ちゃん、相変わらずキレイねぇ。 天城 雪子|あ、いえ、その… 里中 千枝|あれ、このスカーフ… コレ、どっかで見たような… 花村 陽介|ん? あー、見覚えあんな… 何処で見たっけか… 里中 千枝|分かった、あそこだ!! テレビん中!! 花村 陽介|そうか、顔無しのポスターあった部屋の…! 花村 陽介|てことは、山野アナの… |あなたたち、山野さんとお知り合い? 花村 陽介|あ、ええ、ちょっと… 花村 陽介|えっと…もしかして山野さん、 これと同じの持ってました? |ええ、それは元々、彼女に頼まれた オーダーメイドだったの。 |男物と女物のセットだったんだけど、 やっぱり片方しか要らないって言われてね。 |仕方なくもう1枚は、 こうして売りに出してるのよ。 里中 千枝|ヤバイよ…最初の事件と関係あるじゃん… どうしよう… 花村 陽介|どうしようって… |まいどー、お荷物でーす。 |あ、はーい。 ごめんなさい、ちょっと外すわね。 里中 千枝|あ、いえ、あたしたち、もう帰りますから。 天城 雪子|おばさん、また今度ね。 |そう? じゃあ、お母さんにもよろしくね。 花村 陽介|ここもやっぱり、最初の事件と繋がってる… 花村 陽介|けど、たかがスカーフだろ? そんなんで狙うか…? 花村 陽介|くっそ、どういう事なんだ… 花村 陽介|とにかく、外出て話そうぜ。 |お母さんの若い頃に似てきたわよ。 |今日はどうしたのかしら? お友だちとお買い物? 天城 雪子|あれ…完二くんだ。 花村 陽介|ちょ、お前ら、隠れろ! 里中 千枝|コレ、どー見ても 丸見えなんだけど… 花村 陽介|しっ! 聞こえねっつの! |>完二と少年の会話に耳を澄ませた… 巽 完二|あ、明日なら別にいいけどよ… 巽 完二|あ? 学校? も、もちろん行ってっけど… 白鐘 直斗|じゃあ、明日の放課後、 校門まで迎えに行くよ。 巽 完二|きょ、きょうみって言ったか、アイツ…? 巽 完二|男のアイツと…男のオレ… オレに…興味…? 巽 完二|あん? 何見てんだぁゴラァァ!! 里中 千枝|ビビった~。 テレビで見るよか迫力あんね… 天城 雪子|昨日の映像って、やっぱり完二くんだ… 花村 陽介|ああ… それに、思ったんだけどさ。 花村 陽介|例の“共通点”…母親の方なら該当してんだよ。 一件目の山野アナの関係者で、しかも女性だ。 花村 陽介|でも、テレビに映ってたのは、 息子の完二の方…どういう事だ? |母親がさらわれる |完二がさらわれる |二人ともさらわれる |分からない 花村 陽介|女って推理からいくと、そうだよな。 けど、映ったのはなんで完二なんだ…? 花村 陽介|んー、映像だとそれっぽいよな… 条件は母親の方が合ってるけど… 花村 陽介|おっと、そんな可能性もあるか… 花村 陽介|まあ確かに、どれも仮説だけどさ… 天城 雪子|あ…これって、私の時と似てるかも。 天城 雪子|よく考えたら、被害者の条件に一番合うのって、 私より、お母さんだった筈でしょ? 天城 雪子|山野さんに直接対応してたの、お母さんだし。 …なのに、狙われたのは私だった。 里中 千枝|だから、今度も母親じゃなくて息子がって事? 里中 千枝|でもそれじゃ、動機がホントに 意味分かんないじゃん。 里中 千枝|口封じにも、恨み晴らす事にもなんないし。 花村 陽介|読み違えてんのか…? 実は最初の事件から、 恨みでも復讐でもなかったとか…? 花村 陽介|あるいは、あの染物屋自体に何か秘密が…? 花村 陽介|あーも、分かんなくなってきたぜ! 天城 雪子|でも、このまま放っておけない。 里中 千枝|う~ん…こりゃもう、巽完二に 直接聞いてみた方が良くない? 里中 千枝|何か気になる事ないか、とか。 怖いけどさ… 花村 陽介|なぁ、そう言やさっき、完二のやつ、 変なチビッ子と約束してたよな。 花村 陽介|“学校に迎えに行く”とか何とか。 花村 陽介|完二って、入学早々、学校サボりまくりって 聞いたけど…なんか怪しくねえ? 里中 千枝|確かに、雰囲気は妙だったね。 里中 千枝|んー、言われてみると怪しい… 臭う、なんか臭う気がする。 花村 陽介|臭うって…クマかよ、お前は… けど、実際何か掴めるかもよ。 花村 陽介|よし…“張り込み”してみようぜ。 完二と染物店の両方。 花村 陽介|絶対犯人に先越されたくないしな。 花村 陽介|…というわけなんで、 天城、ケータイ番号、教えてみない? 里中 千枝|ちょっと… アンタまさか、それが狙い? 花村 陽介|や、違うって。 俺、こん中で天城だけ番号知らないからさ。 花村 陽介|それに“あ行”の知り合い、少ないし。 里中 千枝|はぁ…アンタそう言えば、夜中にかけて来て 下ネタとかやめてくれる? 里中 千枝|リアルにヘンタイっぽいよ? 花村 陽介|お、俺は、天城と話してんの! 天城 雪子|…あ、思い出した。 今日、お豆腐買って帰るんだった。 花村 陽介|うわ…一切聞いてねぇ… 里中 千枝|はいはい、じゃ明日ね。 里中 千枝|でも、そっか…張り込み? 尾行? 里中 千枝|やば、地味にワクワクしてきた! |>明日の放課後、完二と染物屋を 張り込んでみる事になった。 里中 千枝|ターゲットは登校しているな!? 花村 陽介|登校は確認済みであります! 花村 陽介|ターゲットは本日、昼休み終了間際、 母親の手作り弁当持参にて登校。 花村 陽介|現在は、トイレで 髪の毛いじってるであります。 花村 陽介|ターゲットはやたらソワソワしており、 絡まれたらイヤなので出てきたであります! 天城 雪子|何の約束なんだろう…昨日の男の子、 顔見知りって感じじゃなかったよね。 里中 千枝|えー、その辺りは、 自分が考えますに、もっと微妙な… 里中 千枝|あ、来た! 白鐘 直斗|ごめん、待たせちゃったかな。 巽 完二|や、オ、オレも 今、来たトコだから… 花村 陽介|な…なんだ、アレ… 里中 千枝|と、とにかくさっ! 追っかけないと見失っちゃうよ! 花村 陽介|お、おう、それじゃ二手に分かれよう。 完二尾行班と、店張り込み班な。 里中 千枝|ラ、ラジャー!! 班分け、どうする? |陽介と組む |千枝と組む |雪子と組む 里中 千枝|ちょっと、それだと、 あたしらだけでなんかあったら不安だよ… 里中 千枝|いいけど、それだと雪子が花村とセットか… 不安だな…いろんな意味で。 里中 千枝|…うん、わかった。 里中 千枝|やばっ、もう見えなくなっちゃう! 行くよ、花村。 花村 陽介|俺と里中がペアだな? …まいっか、この際。 花村 陽介|よし、じゃあバレないように、 俺ら恋人同士のふりで行くぞ! 里中 千枝|やーだーっつの! 見られなきゃ必要ないっしょ? 里中 千枝|ったく…さっさと尾行するよ! 天城 雪子|あの二人、大丈夫かな。 天城 雪子|あ…え、えーと。 それじゃ私たちは染物屋さんね。 天城 雪子|…行こっか。 天城 雪子|お待たせ。 …これ、飲み物。 天城 雪子|お店の方は特に変わった事は無いみたい。 このまま何もなければいいけど… 天城 雪子|犯人、来るかな…? |きっと来る |きっと来ない |来たら守ってやる@勇気 天城 雪子|なら、ちゃんと見てないとね。 天城 雪子|空振りになるけど… その方がいいのかも。 天城 雪子|えっ…う、うん。 …ありがと。 天城 雪子|…頼りにしてる。 天城 雪子|もし本当に来たら、 ちょっと、怖いけど… 天城 雪子|私も、捕まえるの協力する。 天城 雪子|みんなに助けてもらったのに、 自分だけ何も出来ないなんて、嫌だから。 天城 雪子|…それに、 私にも、出来る事あるって思うから… 天城 雪子|あ、ごめんね。 天城 雪子|なんで、こんな話してるんだろ。 な、なんか緊張してるみたい。 天城 雪子|同年代の男の子と二人だけで話すとか、 そういうの、無かったから… 天城 雪子|千枝もね、ああいう性格だから 男の子の友達多いけど… 天城 雪子|今はあなたや花村くんと一緒が 一番楽しいみたい。 天城 雪子|…私も楽しいよ。 |>雪子からの感謝と好意を感じる… |>雪子からの感謝の気持ちが伝わってくる… |>雪子との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… |ストレートに聞く@勇気 |捜査にかこつけて聞く 天城 雪子|え? う、うん、いいよ。 天城 雪子|家の仕事で出られない時あるかも知れないけど …いつでもかけて。 天城 雪子|あ、うん、そうだね。 何かあったら、連絡し合わないとね。 |>雪子と携帯電話の番号を交換した。 |>店の方には変わりは無いようだ。 |>雪子と色々な事を話した… 里中 千枝|アヤシイ… 花村 陽介|ああ…どう見ても俺ら、不審人物だな。 里中 千枝|いや、あたしらでなくて、前の二人。 な~んか、ミョーな雰囲気が… 花村 陽介|ミョー? どの辺が? 里中 千枝|どの辺って、うーん… なんてったらいいか… 里中 千枝|あたしの気のせいなんかな… 里中 千枝|それよりさ、 店に行った二人、どうなってるかな? 花村 陽介|さあなー。 案外アイツ、天城の事、口説いてたりして。 里中 千枝|まっさか。 アンタと違うでしょ。 里中 千枝|第一、雪子ってそういうの興味無いしね。 里中 千枝|…てゆーか、彼ってもしかして、 雪子の事気に入ってんの? 花村 陽介|ええ!? や…それは…どうでしょうか。 花村 陽介|俺ら、あんまりそういう話、 しないからなあ…はははは。 里中 千枝|うわ、露骨にアヤシイ! ホントは、なんか知ってんでしょ? 花村 陽介|や、ほ、ほんと知らないって。 付き合いもまだ長くないしさ、はは… 巽 完二|…おうコラ。 何してんだ…お前ら。 花村 陽介|あ、いや、えーっと… 通りすがりの…バカップルです! 里中 千枝|誰がよ! 花村 陽介|バカ、いちいち突っ込むなよ! 巽 完二|オメェら、たしか昨日の… 花村 陽介|あ、あはははは…! や、やだなー、 たまたま後ろ歩いてただけだって。 花村 陽介|俺ら、帰りあっちなんで、ほんじゃ… 里中 千枝|あの、二人の邪魔とかするつもり無いし、 なんも、アヤシイとか思ってないし… 巽 完二|ア、アヤシイ…!? 花村 陽介|バ、バカ、里中、余計なこと… 巽 完二|ちょ、待て、コラァ!! 巽 完二|そっ、そんなんじゃねえぞっ! お、おうコラ、マジちげーかんな! 巽 完二|あぁ!? 聞いてんのかゴラアアァ! 巽 完二|マジ、ぜってー、ちげーかんな!! 里中 千枝|誠に申し訳ない… 見っかってござる… 花村 陽介|隠れる場所も無くてさ… 天城 雪子|…とにかく、ここで少し待ってみよう。 完二くん、帰って来るかも知れないし。 花村 陽介|そうだな… 巽 完二|ん…? テメーら、そこで何してる? 巽 完二|さっきのバカップルじゃねえか! 里中 千枝|違うっつーの! 巽 完二|んだよ、テメーら。 つきまといやがって! 巽 完二|どうなってやがんだ、どいつもこいつも! 巽 完二|ハァ…や、まあ、オメェらが なんか“悪い”ってんじゃねーけどよ… 巽 完二|あークソッ! ハァ… 花村 陽介|…なあ、ちょっといいか? 最近なんか、変な事とか無かった? 巽 完二|ああ? …変? 巽 完二|“変”だと!? このオレが変だっつーのか!? 花村 陽介|は? いや、そーじゃなくて… 巽 完二|テメーら…今すぐ失せねえとシメんぞ… キュッとシメっぞ! 花村 陽介|ちょ…なんでそうなるんだ!? 巽 完二|マジやんぞ、コラアアァ! |>完二から全速力で逃げた… 里中 千枝|うー…今日、走りすぎだよ… 花村 陽介|まあ、今日のところは 何も起きなかったし、それでいいか… 花村 陽介|けど、あいつがテレビに映ってから もう何日か過ぎてる。 花村 陽介|天城ん時の事考えると、 起きるなら、そろそろだよな。 天城 雪子|気が抜けないね… 明日また、様子見に来た方がいいかも。 里中 千枝|しゃあないね、大変だけど… 里中 千枝|とにかく今日はもう、帰ろ。 もーホント、疲れた… |>電話だ。 天城 雪子|あ、もしもし? 天城ですけど。 ご、ごめんね、遅くに。 天城 雪子|あのね、完二くん、家に居ないんだって! 天城 雪子|旅館のちょっとした用のついでに、 染物屋さんに電話してみたの。 天城 雪子|それでね、 完二くんのお母さんと話したんだけど… 天城 雪子|完二くん、どこかへ出かけちゃって、 そのまま帰ってきてないみたいなの。 天城 雪子|よくある事だって、お母さんは言ってたけど… …どう思う? |きっと大丈夫 |心配だ |何が? 天城 雪子|そう思いたいけど… 天城 雪子|だよね。 もしかしたら、これ… 天城 雪子|え…もう! 事件の事だってば! 天城 雪子|ねえ、今日また雨だから、 映るかも知れないよね、“マヨナカテレビ”。 天城 雪子|完二くんに、ほんとに何か起きたのか、 見れば分かるかも。 天城 雪子|0時になったら、私も見てみるね。 …それじゃ。 |>雪子は電話を切った。 |>マヨナカテレビを見なくては… |>今夜は雨だ… |>テレビに何か映るかも知れない… |>…映った。 |>非常に鮮明な映像だ。 もう一人の完二|皆様…こんぱんは。 “ハッテン、ボクの町!”のお時間どえす。 もう一人の完二|今回は…性別の壁を越え、崇高な愛を求める 人々が集う、ある施設をご紹介しまぁす。 もう一人の完二|一体、ボクは、というかボクの体は、 どうなっちゃうんでしょうか!? もう一人の完二|それでは、突・入、してきます! |>今映っていたのは、間違いなく完二だ… 花村 陽介|お、お、おい! おいおいおい!! |>陽介は動転していて要領を得ない。 |落ち着け |やはり完二だった 花村 陽介|いや、だってあれはねえだろ!? 花村 陽介|けど…やっぱり完二だったな。 花村 陽介|けど…やっぱり完二だったな。 花村 陽介|お? おう、おう、そうだな、そうだな! 花村 陽介|一体、何なんだ、ありゃ… 花村 陽介|一体、何なんだ、ありゃ… 花村 陽介|あん時帰らないで、 あと一歩粘ってりゃよかったのかな… 花村 陽介|にしても、あいつの背後に映ってた場所… あれ、何だと思う? 花村 陽介|にしても、あいつの背後に映ってた場所… あれ、何だと思う? 花村 陽介|…とにかく、明日すぐ、作戦立てようぜ! |>…今日は早めに休む事にした。 もう一人の完二|極秘潜入リポートをするのは、 このボク…巽完二くんどえす! 花村 陽介|今までの事考えるとさ。 完二はもう、あの中なんじゃねーかな… 天城 雪子|“マヨナカテレビ”って、 結局、何なんだろ… 花村 陽介|んー… 里中 千枝|最初は、心霊現象みたいなモンかなって、 噂を試したら、見えたんだよね。 里中 千枝|そしたら“もう一つの世界”なんて大事に 関係してて… 花村 陽介|噂んなってるって事は、実際に見てるヤツが 結構居るって事だよな。 天城 雪子|確か、“雨の夜の0時に、ついてないテレビを じっと見つめる”…だっけ、噂の内容。 花村 陽介|んなの、何かきっかけ無いと フツー試さないじゃん? アホらしくて。 花村 陽介|でも実際は、やりゃ誰でも見れるんだ。 それも、何度でも。 花村 陽介|もしコレが広まって、みんなが見だしたら… 里中 千枝|エラい騒ぎになりそうだね… 花村 陽介|クマの話を元にすると、あの映像は、 失踪者自身が生み出してるとか何とか… 花村 陽介|要は、何となく見えてる訳じゃなくて、 失踪者のせいで見えてるって事らしいけど。 里中 千枝|ハァ…てか雪子ん時も見えたけど、当の雪子は そんなんに関わった覚え無いワケじゃん? 天城 雪子|あのさ、ちょっと話逸れるんだけど… 天城 雪子|あの映像って… 犯人も見てるんだよね? 里中 千枝|たぶんね。 きっとどっかで面白がっ… 里中 千枝|…まさか、楽しんでるって事!? 里中 千枝|人を放り込んで、その後に映る“番組”を 楽しんでるの!? 花村 陽介|あー、なるほど、可能性あるな。 花村 陽介|うわ、頭ん中の犯人像が 一気にヘンタイ属性んなった。 花村 陽介|“キミの全てが見たいよ、雪子たーん”! 里中 千枝|うっわ、うわ、うっわーー! 里中 千枝|てか、雪子の一連の話見られたんなら、 一緒にあたしのも見られた可能性アリ!? 里中 千枝|犯人…絶対許さんッ! 顔じゅうクツ跡にしてやる! 里中 千枝|やろーども! 里中 千枝|一、完二を助ける! 二、犯人、潰す! 里中 千枝|三、犯人、ぶっ潰す!! オーケー!? |>完二を助ける意思を固くした… 天城 雪子|ぷ、ププ… 天城 雪子|ち、千枝、二と三、同じだったよ? 里中 千枝|や、分かってるから… 花村 陽介|おいクマ、こっちに誰か入ったろ? クマ|あ…うん。 誰か居るみたい。 里中 千枝|みたいって…場所は? クマ|分からんクマ。 天城 雪子|完二くんって男の子だと思うんだけど… クマ|分からんクマ… 里中 千枝|もー、なんなの? なんかスネてるとか? クマ|鼻クンクンしても、 どっからのニオイか、分からないの。 花村 陽介|お前、色々考え過ぎなんじゃないのか? 花村 陽介|自分が一体ナニモンだとか、いつからココに 居るのかとか、確か言ってたよな。 花村 陽介|どーせ、カラッポ頭なんだから、 あんま考えんなよ。 クマ|そうクマね… 里中 千枝|なんか…けっこう深刻? 花村 陽介|完二の居場所、お前に分かんないっつわれると 困るんだって。 花村 陽介|こんな世界、とても闇雲になんて 進めねーしさ… クマ|“カンジクン”のヒントが あるといいかも! クマ|そしたらクマ、シューチューできる予感が ひしめいてる。 クマ|カンジクンの事がよく分かるような… なんか無い? 花村 陽介|完二の事か…なんかって言われてもな… “噂”ならよく聞くけど。 里中 千枝|親しいってワケじゃないしね。 クマ|カンジクンの“人柄”を感じるような、 なんかそういうヒントが欲しいクマよ… 天城 雪子|実際の完二くんを知ってる人に、 訊いてみればいいんじゃないかな。 |>完二の情報があれば、 クマが居場所を掴めるかもしれない。 |>どんな情報が必要なのだろう… |>とにかく、誰かに話を聞いてみよう… |>なんだか、ひどく蒸し暑い… 里中 千枝|なんか…この霧、今までと違くない? 天城 雪子|メガネ、くもっちゃった。 花村 陽介|にしても、アッチーなー。 これじゃまるで… |僕の可愛い仔猫ちゃん… |ああ、なんて逞しい筋肉なんだ… |怖がる事は無いんだよ… 里中 千枝|えっ…と… |さ、力を抜いて… 花村 陽介|ちょ、ちょっと待て! い、行きたくねぇぞ、俺! 天城 雪子|ねえ、本当にここに、完二くん居るの? クマ|クマの鼻センサー、ナメたらあかんぜよ。 花村 陽介|ええ…こんな中つっ込めっての…? うぁ、なんか汗出てきた… 里中 千枝|いや、暑いからでしょ、それは… |>完二の居場所が見つかった。 後は救出するだけだ。 |>充分な準備をして、必ず助け出そう… 里中 千枝|やっと見つけた! 花村 陽介|完二!! もう一人の完二|ウッホッホ、これはこれは。 ご注目ありがとうございまぁす! もう一人の完二|さあ、ついに潜入しちゃった、ボク完二。 もう一人の完二|あ・や・し・い・熱帯天国から お送りしていまぁす。 もう一人の完二|まだ素敵な出会いはありません。 このアツい霧のせいなんでしょうか? もう一人の完二|汗から立ち上る湯気みたいで、 ん~、ムネがビンビンしちゃいますねぇ。 花村 陽介|ヤバイ…これはヤバイ。 いろんな意味で… 里中 千枝|確か雪子ん時も、ノリとしては こんなだったよね… 天城 雪子|う、うそ… こんなじゃないよ… 里中 千枝|またこの声… 里中 千枝|てか、前より騒がしくなってない? 花村 陽介|この声、もしかして… 花村 陽介|被害者しか居ないのに、誰の声なのか不思議 だったけど…外で見てる連中って事か? 里中 千枝|“番組”流れてる事の反響って事? 里中 千枝|うわ…今の完二くん見られてんだとしたら、 こりゃ余計な伝説が増えそうだね… 花村 陽介|ま、シャドウなんだろうけど、 そんなの普通の奴には分かんないもんな… クマ|シャドウたち、めっさ騒いでるクマ! もう一人の完二|ボクが本当に求めるモノ… 見つかるんでしょうか、んふっ。 もう一人の完二|それでは、更なる愛の高みを目指して、 もっと奥まで、突・入! 天城 雪子|完二くん! クマ|あれはもう一人のカンジだクマ… 自分をさらけ出そうとしてるクマ。 クマ|ユキチャンの時より危険な感じ…カンジだけに。 天城 雪子|“カンジ”と“感じ”… 里中 千枝|うお、来るか…? 天城 雪子|…さむ。 もう一人の完二|はりきって…行くぜコラアァァ! 里中 千枝|いた! 花村 陽介|完二!! 巽 完二|お…オレぁ… もう一人の完二|もうやめようよ、嘘つくの。 人を騙すのも、自分を騙すのも、嫌いだろ? もう一人の完二|やりたい事、やりたいって言って、何が悪い? 巽 完二|それと、これとは… もう一人の完二|ボクはキミの“やりたい事”だよ。 巽 完二|違う! もう一人の完二|女は嫌いだ… もう一人の完二|偉そうで、我がままで、怒れば泣く、 陰口は言う、チクる、試す、化ける… もう一人の完二|気持ち悪いモノみたいにボクを見て、 変人、変人ってさ… もう一人の完二|で、笑いながらこう言うんだ。 もう一人の完二|“裁縫好きなんて、気持ち悪い。” “絵を描くなんて、似合わない。” もう一人の完二|“男のくせに”… “男のくせに”… “男のくせに”…! もう一人の完二|男ってなんだ? 男らしいってなんなんだ? もう一人の完二|女は、怖いよなぁ… 巽 完二|こっ、怖くなんかねえ。 もう一人の完二|男がいい… もう一人の完二|男のくせにって、言わないしな。 そうさ、男がいい… 巽 完二|ざっ…けんな! テメェ、ひとと同じ顔してフザけやがって…! もう一人の完二|キミはボク…ボクはキミだよ… 分かってるだろ…? 巽 完二|違う…違う、違う! 巽 完二|テメェみてぇのが…オレなもんかよ!! もう一人の完二|ふふ…ふふうふふ… ボクはキミ、キミさァァ!! 天城 雪子|完二くん! クマ|みんな、構えー、クマ! 巽 完二|ち…くしょう… 天城 雪子|完二くん! 花村 陽介|待て、天城! 何か様子がおかしい。 クマ|ま、まだ向かって来るクマ! よっぽど強く拒絶されてるクマか…? 花村 陽介|そりゃ、こんだけギャラリーが居ちゃ、 無理もないな… もう一人の完二|情熱的なアプローチだなぁ… 花村 陽介|は? もう一人の完二|三人とも…素敵なカレになってくれそうだ。 花村 陽介|や、やめろってー! そんなんじゃねー! 巽 完二|や…めろ… 何、勝手言ってんだ、テメエ… もう一人の完二|誰でもいい… ボクを受け入れて… 巽 完二|や…めろ… もう一人の完二|ボクを受け入れてよおおお!! 花村 陽介|う、うわ、ちょ、無理矢理はやめて!! 巽 完二|やめろっつってんだろ!! 巽 完二|たく、情けねえぜ… こんなんが、オレん中に居るかと思うとよ… 花村 陽介|完二、お前… 巽 完二|知ってんだよ…テメェみてえのが オレん中に居る事くらいな! 巽 完二|男だ女だってんじゃねえ… 拒絶されんのが怖くて、ビビッてよ… 巽 完二|自分から嫌われようとしてるチキン野郎だ。 |それも含めて完二だ |勇気を持て |完二だけじゃない 巽 完二|フン、何だよ… 分かったような事、言いやがる… 巽 完二|るせ、分かってんだよ… 認めろ、ってんだろ? 巽 完二|…オラ、立てよ。 巽 完二|オレと同じツラ下げてんだ…ちっとボコられた くらいで沈むほど、ヤワじゃねえだろ? 巽 完二|テメエがオレだなんて事ぁ、 とっくに知ってんだよ… 巽 完二|テメエはオレで、 オレはテメエだよ…クソッタレが! |>自分自身と向き合える強い心が、 “力”へと変わる… |>完二は、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“タケミカヅチ”を手に入れた! 巽 完二|うっ…くそ… 里中 千枝|完二くん! 花村 陽介|とにかく、外へ運ぼう! 天城 雪子|完二くん…大丈夫? 巽 完二|こんぐらい…どってこたぁ… 巽 完二|うぉッ…くっ… 巽 完二|へへ…けど気分はいいぜ… スッキリ、したっつーかな… 花村 陽介|そんなんで、カッコつけんなっての。 巽 完二|なあ… さっき、オレの前で起きたのぁ… |夢だ |忘れろ |今度話す 巽 完二|やっぱ、そう…だよな。 巽 完二|けど… なんか、ゼッテー忘れたくねえぜ… 巽 完二|ケッ…馬鹿にすんな… 巽 完二|ああ…ゼッテー、だぞ… 天城 雪子|ちゃんと後で話すから、 しばらくは、体休めて。 里中 千枝|学校で、待ってるからさ。 巽 完二|学校だぁ? …気が向いたらな。 花村 陽介|俺、こいつ送ってくわ。 花村 陽介|“その辺で適当に拾った”で通るだろ。 こいつの場合。 |>完二を無事、救出する事ができた。 |>まずは完二の回復を待とう。 |>事件の謎に、近づけるだろうか… |それは良かった |その状態で格好つけるな |>三人で食卓を囲んだ。 堂島 遼太郎|そうだ、言ってなかったな。 堂島 遼太郎|巽完二ってヤツ、前に話したろ。 ほら、特番で暴れてたヤツだ。 堂島 遼太郎|実は、実家の染物屋から捜索願いが 出てたんだが、無事に見つかった。 堂島 遼太郎|一応、お前と同じ高校だし、 知らせとこうと思ってな。 |よかった |知らなかった |興味ない 堂島 遼太郎|…ああ。 堂島 遼太郎|まあ、あんな“札付き”じゃ、 姿くらました程度で騒がれなかったかもな。 堂島 遼太郎|…そうか。 そう言や、学年違うんだったな。 堂島 遼太郎|それとな… 堂島 遼太郎|実は最近、お前があの染物屋に来てるの 見たってヤツが居るんだが…何か用事か? 堂島 遼太郎|学生が立ち寄るような店じゃないからな。 |大した用じゃない |友達付き合いで |買い物に… 堂島 遼太郎|…そうか。 堂島 遼太郎|友達…? 堂島 遼太郎|ああ…例の天城雪子か? そう言や、旅館は卸し先だったか… 堂島 遼太郎|買い物…? あの店にか…? 堂島 遼太郎|ふう…まあいい。 堂島 遼太郎|ただ、危ない事に関わるなよ。 いいな? 堂島 菜々子|…またケンカ? |続いて、気象情報です。 |今日は終日、生憎の雨となりました。 |この影響で、稲羽市方面では、今夜半から 明日にかけ、濃い霧が予想されています… |>今夜は、霧が出るようだ… |>0時だ… |>霧が出ている… |>マヨナカテレビには、 誰も映らない。 |>完二を救出した事で、 犯人の行いを阻止できたようだ。 |>夜が更けてきた… |>霧が出ている… |>遠くからサイレンが聞こえる… |>何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>雪子からだ。 天城 雪子|あの…もう聞いた? 天城 雪子|死体、見つかったって… 天城 雪子|私たち、助けられなかった… 天城 雪子|死体…完二くんだったって… |>強烈な目眩がする… |>一方その頃… 霧の中の商店街… |またか… |>外は霧が立ちこめている… 巽 完二|う…うぃース! 里中 千枝|ぷっ…意外に敬語じゃん。 巽 完二|や、だってその… 先輩だったんスね。 巽 完二|えと…ありがとう、ございました。 巽 完二|あんま、覚えてねえけど… 天城 雪子|私たち、教えて欲しい事があるの。 里中 千枝|さっそくだけど、 あん時会ってた男の子、誰? 巽 完二|ア、アイツの事は…オレもよくぁ… 巽 完二|つか、まだ二度しか会ってねえし… 里中 千枝|二人で学校から帰ってたじゃんよ? 何話したの? 巽 完二|や、えと…最近変わった事ねえか、とか… ホントその程度で… 巽 完二|けど、自分でもよく分かんねんスけど、オレ… 気付いたら、また会いたい、とか口走ってて… 里中 千枝|男相手に。 巽 完二|オ、オレ… 自分でもよく、分かんねんスよ。 巽 完二|女って、キンキンうるせーし、その… すげー…苦手で。 巽 完二|男と居た方が楽なんスよ。 巽 完二|だ、だから、その…もしかしたら自分が、 女に、興味持てねえタチなんじゃって… 巽 完二|けどゼッテー認めたくねーし、 そんなんで、グダグダしてたっつーか… 花村 陽介|まー確かに、男同士の方が楽ってのは 分かるけどな。 巽 完二|もう大丈夫っスよ。 巽 完二|要は勝手な思い込みだったって事っスよ。 壁作ってたのは、オレだったんだ。 巽 完二|あ、ええと…ウチ、こー見えて代々“染物屋” なんスよ。 …あ、知ってんのか。 巽 完二|親は、染料は宇宙と同じ…とか、布は生きてる …とか、ま、ちっと変わりモンで。 巽 完二|んな中で育ったもんで、オレ、 ガキの頃から、服縫うとか興味あったんスよ。 巽 完二|けどそういう事言うと、 やっぱ微妙に思うヤツも居るみたいで… 巽 完二|女にゃイビられる、近所は珍しがるで、 一時はもう、なんもかんもウザかったんスよ。 巽 完二|で、気づいてみりゃ、 一人で暴れてた…ってとこスかね。 巽 完二|んだオレ? 何一人でベラベラ喋ってんだ… 巽 完二|あー、今の無しで。 …なんかオレ、だいぶカッコ悪りっスね。 |そうだね |カッコつけなくていい |逆にカッコいい 巽 完二|ハハ…ほんとだぜ。 巽 完二|…そっスね。 先輩らには、もうサラケたし。 巽 完二|いや、全然ダメっスよ… 巽 完二|ハハ… こんなん、人に初めて話したぜ。 巽 完二|ま、今まで言う相手も居なかったんスけど。 巽 完二|やっぱオレ、男だ女だじゃなくて、 人に対してビビってたんスかね。 巽 完二|なんか、スッキリしたぜ。 里中 千枝|意外に純情じゃん… つーか、いい子じゃん… 巽 完二|い、いい子は、やめろよ… 花村 陽介|ははは、図体でかいのに照れんなって。 花村 陽介|んで、二度目に俺らと会った後の事だけど、 何か覚えてる事無いか? 花村 陽介|ほら、俺らの事、シメんぞーっつって、 追い払った後だよ。 巽 完二|あ? えっとー… うち戻って… 巽 完二|部屋でフテ寝決め込んで… あれ、そういや誰か来たような… 花村 陽介|誰か来た!? どんなヤツだ!? 巽 完二|あ、いや、そんな気したってだけで、 誰も来てないかも… 巽 完二|あと思い出す事っつや… なんか変な、真っ暗な入口みてえのとか… 巽 完二|気がついたらもう、あのサウナみてえなトコに ブっ倒れてたっス。 天城 雪子|真っ暗な入口… 天城 雪子|それってもしかして、 テレビだったりしない? 巽 完二|あ…? あー、言われてみりゃ、んな気も… 巽 完二|…てか、なんでスか? 天城 雪子|あ、ううん… ちょっと思っただけ。 花村 陽介|警察には、何か訊かれたか? 巽 完二|あー、お袋が捜索願とか出しちまったんで、 ちっとだけ訊かれたっけな。 巽 完二|今と同じような事言ったら、 ワケ分かんねーって顔してたっスけど。 巽 完二|あーと…先輩ら、もしかして 探偵みてーな事やろうっての? 里中 千枝|んー、まあ、そんなとこ。 巽 完二|なら、オレも頭数に入れてくんないスか。 巽 完二|酷ぇ目に遭ったのが“誰かの仕業”ってんなら、 十倍にして返さねえと気が済まねえ。 花村 陽介|マジ? そりゃいい、すげー戦力じゃん! 花村 陽介|どうよ、リーダー? |もちろんOK |ダメ |遊びじゃないぞ 巽 完二|あざっス! 巽完二、先輩らのためにも、命張るっス! 巽 完二|断ってもムダっスよ。 借り返す相手は、犯人だけじゃねえ。 巽 完二|命救われたんだ…オレぁ、先輩らのために 命張るって、決めてるんで。 巽 完二|ヘッ、遊びで言わねっスよ。 巽 完二|命救われたんだ…オレぁ、先輩らのために 命張るって、決めてるんで。 巽 完二|面倒みてやってほしっス! |>巽完二が仲間になった! |>この事件の真相解明の為に、 心強い戦力になってくれそうだ! 花村 陽介|んじゃ、仲間が増えたお祝いに… 天城 雪子|“特別捜査本部”行く? 里中 千枝|それ、まだ言ってんだ… 巽 完二|な、なんスか、ソレ!? 花村 陽介|しょうがねえな、連れてってやるか! |身体は大丈夫か? |気持ちは落ち着いたのか? |女性に興味はなし…? 花村 陽介|しっかしよく食うな、お前… 話ちゃんと聞いてたか? 巽 完二|んあ? ひーへるっふお。 花村 陽介|飛ばすな! 巽 完二|あー、えっと、テレビを使って殺人…? って事ぁ、撲殺で決まりスね? 花村 陽介|ちげー! テレビで殴ってんじゃねーよ! どんだけ聞いてねーの、お前… 里中 千枝|まあ、完二くんも自分の足で “向こう”に入ってみりゃ分かるって。 里中 千枝|けど、犯人の手口、雪子ん時と同じだったね。 里中 千枝|まずさらって、それからテレビに入れる。 天城 雪子|うん…怖いね。 |つーかさ、例のテレビ、 最近、けっこー面白くね? |“次に出んの誰?”とか、気になるな。 |オレ前から、次はぜってーアイツって 思ってたんだよ。 |名前なんだっけ、1年の暴走族上がりの… 巽 完二|次は誰と思ったって? 巽 完二|そいつぁ多分、“巽完二”って名前だな… 巽 完二|ちなみに、ゾク上がりじゃなくて、 ゾクを潰した方だけどな。 巽 完二|誰だテメェら…! 巽 完二|んだよ…つまんねーな。 里中 千枝|やり切れないね… 里中 千枝|殺人事件との絡みとか、よく知らないで 言ってんのかもだけど、同じ学校の子なのに… 花村 陽介|関係ねーとか、自分は大丈夫だとか、 観客気分なんだろ… 花村 陽介|次に誰が狙われるか、 分かんなくなって来たってのによ。 天城 雪子|今回の事で、“被害者は女性”っていう 共通点は崩れちゃったね。 里中 千枝|もう一個の読みは何だっけ。 天城 雪子|“山野アナの事件と関係ある人が狙われる”… これは、どうかな? |当たってると思う |外れてると思う |まだ分からない 里中 千枝|まあ、確かに雪子も完二くんも 接点が無いってワケじゃないか。 花村 陽介|けど、山野アナと直接関わったのは、 ほんとはどっちも母親の筈なんだよな… 里中 千枝|んー、これも外れ? 花村 陽介|山野アナと直接関わったのは、 ほんとはどっちも母親の筈だしな。 花村 陽介|なんでわざわざ子供を狙ったのか、 微妙に説明つかない。 花村 陽介|外れた、とまでは言えないか。 花村 陽介|けど、山野アナと直接関わったのは、 ほんとはどっちも母親の筈なんだよな… 巽 完二|なんだ先輩ら、手がかり無しスか? 巽 完二|じゃーここらでオレが、 すんげーの出しちまうぜ? 花村 陽介|なんだ、それ? 巽 完二|今日、オレが復帰したら、 なんか目障りなのがチョロチョロいたんスよ。 巽 完二|先輩やオレが行方くらました事、面白半分に かぎ回ってやがったんで、没収してやったんス。 巽 完二|ま、書いてある意味は、よく分かんねんスけど。 里中 千枝|分かんないんじゃん… |>完二からメモを受け取った。 |>幾つかの項目がある。 |>どれを読み上げますか? |演歌ヒットチャート |女子アナランキング |テレビ報道番組表 |>5月の演歌ヒットチャート。 第一位は柊みすずの新曲だ… 里中 千枝|そういえば、事件あってから、 前より売れてるって聞くね。 里中 千枝|知っててうまく利用してんなら、 ちょっとヤな感じだけど。 花村 陽介|ま、この人、アリバイあるしな。 関係無さそうだから、次行こーぜ。 |>3月のローカル局別 人気女子アナランキング! |>山野真由美は中の下くらいだ… 里中 千枝|あの事件があるまで、 そんな有名だったワケでもないのかな? 花村 陽介|こりゃ単に趣味のリストじゃねーの? 次行こーぜ。 |>山野真由美 4月11日、 小西早紀 4月13日… 花村 陽介|なんだこの日付? 4月11日…? 里中 千枝|あ、遺体が発見された日…は、そっか、 始業式の日だったから、12日か。 里中 千枝|11日はその前の日だけど… 花村 陽介|小西先輩の遺体が出たのは15日だ。 忘れらんない日だからな… 花村 陽介|え、微妙に何の日か分かんねえぞ? てか、 “テレビ報道番組表”ってどういう意味だ? 花村 陽介|“小西早紀 4月13日”って何だ…? |小西早紀と初めて会った日 |小西早紀がテレビ報道に出た日 |小西早紀の誕生日 花村 陽介|…あー、そっか。 お前、そうだったっけ。 花村 陽介|いや、それお前にしか関係ないから! 花村 陽介|思ったけど、もしかしてコレ、 先輩がテレビ報道に出た日なんじゃねえ? 花村 陽介|そっか… ああ、多分間違いない。 花村 陽介|ちげーって。 だって俺、プレゼント… 花村 陽介|い、いやいやいや、 んな事はどーでもいいっつの! 花村 陽介|思ったけど、もしかしてコレ、 先輩がテレビ報道に出た日なんじゃねえ? 里中 千枝|あー…それ、あたしも見た。 第一発見者ってインタビューされてたヤツ! 天城 雪子|じゃあ“山野真由美 4月11日”っていうのも 山野さんがテレビの報道に出た日…? 里中 千枝|あった! あたし覚えてる! ちょうどそん時、不倫報道あった! 花村 陽介|おい待てよ… 天城も確か、インタビューされたよな? 花村 陽介|あのインタビュー流れたの、いつだった!? 天城 雪子|た、確か、学校休んでた間… えっと… 天城 雪子|土手であなたに会った日。 ほら、私、和服で…覚えてない? |覚えてる |覚えてない 天城 雪子|買い出しに行った日だから、ええと… 4月15日! 天城 雪子|私が事件に遭ったの、確かそのすぐ後。 花村 陽介|完二、お前の出た、例の特番は!? 巽 完二|あー、あれっスか… あのおかげで、お袋マジギレして酷ぇ目に… 花村 陽介|いーから! 巽 完二|え、えっと、日にちまでは覚えてねっスけど… 先輩らと会う、チョイ前っスよ。 花村 陽介|間違いない…全員、居なくなる前に、 テレビで報道されてる。 里中 千枝|じゃ、犯人の狙ってるのって、 “テレビで取り上げられた人”…? 天城 雪子|事件のニュースにばっかり 目が行ってて、全然気付かなかった… 花村 陽介|…考えてみれば、天城の件で失敗したのに、 やり直さないで、狙いを完二に移した。 花村 陽介|その事も、テレビ報道っていう犯人なりの ルールがあるって考えれば、一応頷ける。 里中 千枝|そっか、そうだよね…犯人二度来る可能性 あったんだよね…ヤバ、考えてなかった… 花村 陽介|テレビ繋がりの線、全然あるな… 花村 陽介|つまり被害者は、単に事件関係者じゃなくて、 その中でも“メディアで有名になった人”か。 里中 千枝|きっと、そうだよ… 花村 陽介|でも…そうなると動機は何なんだ? テレビ出たら殺すって、どういうんだ? 花村 陽介|あー、くっそ、よく考えたら 全然解決できてねーよ! 花村 陽介|なんで俺、もっと頭良くねーんだ…! 巽 完二|なんで落ち込む事あんスか? オレ、先輩らスゲーって思ってるんスけど。 巽 完二|だって先輩ら、結局オレの事気づいて、 体張って救ったじゃねえスか。 巽 完二|十分だぜ、それで。 天城 雪子|私だって、助けてもらった。 天城 雪子|解決はまだでも、もう二人も救ってる。 花村 陽介|それは、そうだけど… 天城 雪子|それに“次は完二くんじゃないか?”っていう みんなの推理は、ちゃんと当たってたよ。 里中 千枝|惜しかったよね。 巽 完二|あ? 事件の前から分かってたんスか? なら来んの、もちっと早めがよかったっスよー。 里中 千枝|ま、こんだけ分かってりゃ、次こそは先回り 出来そうだし、タイホも時間の問題かもね。 天城 雪子|それに、今度こそ犯行終わりって可能性も あるかも知れないし。 花村 陽介|だといいけどな…二度も邪魔してやったんだ、 いい加減懲りて欲しいぜ。 花村 陽介|とりあえずは、今まで通り 雨の日にテレビチェックするって事だな。 里中 千枝|そういえば…来週、林間学校だ。 雨降らないといいけど。 里中 千枝|1、2年合同だから、 完二くんも一緒っすね。 巽 完二|マジスか? 学校かぁ…かったりーなぁ… 巽 完二|あ、次のビフテキ、 そろそろ頼んでもらっていいスか? 巽 完二|あ、次のビフテキ、 そろそろ頼んでもらっていいスか? 里中 千枝|じゃ、行こうか。 あの子に新しい仲間、紹介しないと。 巽 完二|あん? どうしたんスか? 巽 完二|…わーったっスよ。 じゃ、安いトコで、ラーメンでいいス。 巽 完二|…わーったっスよ。 じゃ、安いトコで、ラーメンでいいス。 天城 雪子|全部却下。 巽 完二|ええっ!? |偶然にしては出来すぎだ |おそらく、間違いない 巽 完二|あー… 言われてみりゃ、居たような… 巽 完二|クマだったのか… 巽 完二|つーか、何で“クマ”? 花村 陽介|知らん。 クマ|クマも知らん。 ずっと悩んでるの。 巽 完二|な、なんか、かわいいじゃねえか… 巽 完二|さ…触っていいか? クマ|おさわりはお断りクマ。 巽 完二|なっ…んだとコラァ! テメ、調子乗んなよ!? 巽 完二|ちっ… 巽 完二|あー…ところで、気になってたんスけど、 天城先輩もさらわれたんスよね? 天城 雪子|え…うん、完二くんの前に。 巽 完二|てこたぁ、先輩もなんかこう、 さらけたんスか? 天城 雪子|そ、それは…その… 巽 完二|どんなだったんスか、先輩の… 巽 完二|うごおっ! 天城 雪子|あ、ごめん… スナップ効いちゃった… 巽 完二|あ…アゴが… 天城 雪子|今度からは、もっと、優しくするから… 巽 完二|もっと…優しく…? 里中 千枝|アホだ、こいつら… クマ|そうそう、カンジが仲間になった記念に、 クマからこれをプレゼントするクマ! 巽 完二|お、これだな、例のメガネ。 天城 雪子|早くかけて。 巽 完二|あ? は、はあ… …でも、オレのだけ違わねえスか? 天城 雪子|に、似合う… うぷぷ… 天城 雪子|ぷぷ…あはははは! 花村 陽介|ハハ、すげー。 お前のは、マジ似合ってるよ! クマ|ちゃんとしたのあるのに、ユキチャン、 こっちにしようって聞かないクマよ。 巽 完二|つまんねー事してんなよ、あぁ!? クマ|な、なんでクマにキレるクマ!? 巽 完二|よこせオラっ! 天城 雪子|ウププ、あはははははは…! クマ|スペアの方を奪われたクマ… カンジ、実は好きね、ソレ? 里中 千枝|アハハ、くるしー! クマ|こっちが、本物クマ。 やっと渡せたクマね。 巽 完二|要らねえモンなら スペア作ってんじゃねーよ… 天城 雪子|あはははは! 巽 完二|くっそ、てめーら! いつか、ぜってーやってやっからな! |>完二は、クマが持っていた もうひとつのメガネを奪い取った… 里中 千枝|熱いカップ麺が腹に染みるわ… 天城 雪子|そう言えば、もうすぐ梅雨入りだよね。 花村 陽介|まだ早くねえか? 天城 雪子|梅雨で毎日雨になったら、 毎晩“マヨナカテレビ”見ないといけないね。 花村 陽介|あー、考えなかった… ま、仕方ねーな。 花村 陽介|てか、今雨を気にするつったら、 へへ、“林間学校”だろ? 里中 千枝|なんでアレの話で、 そんな楽しそうなワケ? 天城 雪子|あ、そっか、二人とも初めてだよね… 里中 千枝|あんねえ、林間学校の目的、 “若者の心に郷土愛を育てる”だよ? 花村 陽介|建前なんて、そんなもんだって。 フツーじゃん。 里中 千枝|やる事つったら、 そこの山でゴミ拾いだからね。 花村 陽介|ゴ、ゴミ拾い? 何の修行だよ? 里中 千枝|ま、夜だけはちょっと楽しいかも。 飯ごう炊はんとか、テントで寝たりとか。 天城 雪子|私たち四人、班一緒だよ。 花村 陽介|一緒… まさか、夜も一緒!? 里中 千枝|死ね! テントは男女別! 里中 千枝|言っとっけど、夜にテント抜け出すと 一発停学だかんね。 花村 陽介|ハァ…なんかつまんなそーだな。 せっかく面白イベント来たと思ったのに… 天城 雪子|一泊だけだし、次の日はお昼前に 解散になるから、すぐ終わっちゃうけどね。 里中 千枝|そう言えば、 去年は河原で遊んで帰ったね。 花村 陽介|河原って、泳げんの? 里中 千枝|あー、泳げんじゃん? 入ってるやついるよ、毎年。 花村 陽介|そっか、泳げんだ… |>菜々子は今日もテレビを見ている。 堂島 菜々子|…お兄ちゃん、チャンネルかえていいよ。 |>菜々子はつまらなそうだ… |>手品でも見せてみようか… |>手品でもやってみようか… |>菜々子が不思議そうに見つめてくる… |>…手品を見せる事にした。 |>輪ゴムを、人差し指と中指に通した… |>菜々子に見えない位置で、 薬指と小指にも引っかける… 堂島 菜々子|何やってるの? |>軽く握っていた手を広げると… |>輪ゴムが人差し指と中指からはずれ、 一瞬にして薬指と小指に移動する! |>改心の出来だ! 堂島 菜々子|えー!? どうやったの、それ! 堂島 菜々子|もう一回! もう一回やって! |>どうやら、とても喜んでくれたようだ。 |>…少しタネが見えてしまった。 堂島 菜々子|見えたー! あのね、ぴゅって、とんだの、見えた! 堂島 菜々子|もう一回! もう一回やって! |>それなりに喜んでくれたようだ。 堂島 菜々子|じゃあ、つぎ菜々子のばん! |>菜々子は楽しそうに笑っている。 |>…夜が更けていった。 里中 千枝|カレーって何入ってたっけ? 天城 雪子|にんじん、じゃがいも、玉ねぎ… ピーマン、まいたけに…ふきのとう? 里中 千枝|ふきのとう…と“ふき”って一緒? |>どうやら、カレーを作るようだ。 里中 千枝|カレーでいいよね? 人気ナンバーワンの国民食。 天城 雪子|ラーメンとカレーで迷ったんだけど、 ラーメンじゃ、ちょっと浮くと思って。 里中 千枝|んー、花村とか、どんな具が好きかねえ… あいつ、細かく文句とか言いそうだし。 天城 雪子|上の階に行ったんだっけ。 訊いてくる? 里中 千枝|そこまではいいよ。 それに、なんか準備があるって言ってたし。 天城 雪子|ねー、千枝。 カレーに片栗粉って使うよね? 里中 千枝|…? そ、そりゃ、使うんじゃん? 天城 雪子|使わないと、とろみつかないよね。 天城 雪子|じゃあ片栗粉と…小麦粉もいるかな。 里中 千枝|こ、小麦粉って、あれでしょ。 薄力粉と、強力粉? どっちだろ。 天城 雪子|強いほうがいいよ、男の子いるし。 天城 雪子|じゃあ、それと…あった! 天城 雪子|トウガラシ。 辛くないと、カレーじゃないよね。 里中 千枝|いいやもう…らしい物、何でも買ってこ。 里中 千枝|なら、キムチも買ってかない? あと、コショウ? 天城 雪子|コショウは白と黒があるよ? 里中 千枝|お、さっすが、旅館の娘! とりあえず両方買おっか。 天城 雪子|そうだ…かくし味も要るよね。 里中 千枝|そういや、テレビで言ってたな… 確か…チョコ…コーヒー…ヨーグルト… 里中 千枝|あたし、好きなチョコあるんだった! 里中 千枝|あたし、好きなチョコあるんだった! 天城 雪子|…あ、魚介も混ぜる? きっといいダシが出るよ。 |>ジュネス食品売り場… |>明日の飯ごう炊さんで使う食材を みんなで買いに来た。 花村 陽介|うへ~、ゴミ拾い、キツかった~… 花村 陽介|チャリ丸ごと投げてくとか、あり得ねーだろ。 ったく、捨てたヤツが拾えっつーの… 花村 陽介|それよか、メシメシ! あー、腹へった。 花村 陽介|女子の手料理だぜー? 花村 陽介|ま、里中には正直あんま期待してないけど、 天城は老舗旅館の跡取り娘じゃん? 花村 陽介|すっげーの来るぜ、きっと! |食べない方がいい |自分の分、あげる |急に具合が… 花村 陽介|んなこと言ってー。 お前、一人で食うつもりだろ? 花村 陽介|ん? なんで遠慮すんの? 俺、そこまで食い意地張ってねーって。 花村 陽介|おいおいおいどーした? 俺が全部食っていいって合図か? 花村 陽介|いっや、まじ楽しみなんだけど! 天城 雪子|これ…味見する? 里中 千枝|え、ゆ、雪子がしないなら、しない。 花村 陽介|お、来た来た! 里中 千枝|あーと、お待たせ。 その… 里中 千枝|愛情は入ってるからさ… 花村 陽介|うお、入っちゃってる? それ、ベタな台詞だけどグッとくるな! 花村 陽介|じゃ、いっただっきまーす! 花村 陽介|う、あう、ああぅ、あぉぉぉ! 里中 千枝|え、ちょっ… 花村 陽介|あんじゃコリャーァァ! 花村 陽介|おっめーら、どんなっ… ゲホッ、ゲホッ… 花村 陽介|カレーは、辛いとか甘いとかだろ! コレ、くせーんだよ! 花村 陽介|それに、ジャリジャリしてんだよ! 花村 陽介|ジャリジャリしてる上にドロドロしてて、 ブヨブヨんとこもあって… 花村 陽介|も、色んな気持ちワリーのだらけで、 飲み込めねーんだよ! 里中 千枝|いや、なんかうまく混ざんなくてさ… けど、バラエティ豊かな食感が… 花村 陽介|まっじーんだよ! 里中 千枝|な、なによ…! 里中 千枝|てか、それはアンタの感想じゃん! 花村 陽介|真顔で言っとくぜ…やめとけよ? 遊びで勧めんのもためらうわ! |>期待を込めた目で見られている… |食べてみる@勇気 |断る |食べるフリをして捨てる |>千枝と雪子がじっと見つめてくる… |>千枝と雪子がじっと見つめてくる… |>どうやら、 食べない訳にはいかないようだ… |>千枝と雪子がじっと見ている… |>食べるフリでは ごまかせそうにない… |>口に入れた途端、違和感を感じた… |>ひと口で、食べられない物だと分かる… |>飲み込む事など、とても出来そうにない… 里中 千枝|…すみませんでした。 天城 雪子|ごめんなさい… 花村 陽介|はあ…どーすんだ? 俺らの班、メシ抜きじゃん。 花村 陽介|せめて食えんならいーけど、 こんな“物体X”、ムリだろ絶対… 里中 千枝|いいにおい。 花村 陽介|な、なあ… えーっと、大谷? 花村 陽介|そのカレー…余ってねえ? 花村 陽介|てか、くれ! くだせぇっ! モーレツに腹が減ってるだよぉ! 大谷 花子|無理ね。 大谷 花子|ダイエット中だから、 これっぽっちしか作ってないし。 里中 千枝|これっぽっちって… 軽くバケツぐらいあんじゃんよ… 花村 陽介|ハァ… なあ、何とか出前とか、取れねーかな。 天城 雪子|携帯、圏外だから… 里中 千枝|てか、もう食事の時間、終わっちゃうし… 諸岡 金四郎|テントに戻れーっ! 男子は男子、女子は女子のテントだぞーっ! 諸岡 金四郎|ほらほら、はやく動けー! 若いもんは、食ったらさっさと寝るんだ! 諸岡 金四郎|後は先生たちが酒…じゃなかった、 とにかく寝ろ! 消灯! 花村 陽介|恨むからな… 里中 千枝|あ、あはは…はは。 里中 千枝|…オヤスミ。 |>林間学校、夕暮れ時… 花村 陽介|あークソ、腹へった… 花村 陽介|つか、なんでお前ここにいんの? 巽 完二|バックレたら進級させねえって 釘刺されたんスよ。 巽 完二|それに1年のテント、 葬式みてーに静かだし。 花村 陽介|まあ、お前が居たらそーなるわな。 巽 完二|ここ、先輩らだけなんスか? 花村 陽介|後のヤツら、病欠だとさ。 賢いよな… 巽 完二|ならオレ、ここ居てもいっスよね? |ゆっくりしていけ |気が済んだら帰れ 巽 完二|お、先輩、器でかいっスね。 巽 完二|迷惑かけないから、大丈夫っス。 騒がなきゃバレねえし。 巽 完二|迷惑かけないから、大丈夫っス! 巽 完二|どうせ1年、もう全員寝てっから、 騒がなきゃバレねえし。 花村 陽介|しゃーねーなあ… じゃあ、お前寝る場所あそこな。 巽 完二|おぁ、すっげ岩あるじゃないスか。 寝れねえよコレ、マジ痛えって。 花村 陽介|うるせーな…騒がないんじゃねーのかよ。 巽 完二|先輩、もちっと奥行けねんスか? 花村 陽介|ムリムリ、奥は坂んなってんだよ。 寝てる間に、ズリ落ちるって。 花村 陽介|嫌なら戻れよ。 巽 完二|…そういや先輩らの担任、 モロキンとかってヤツでしたっけ? 巽 完二|さっきそいつに外で捕まったんスけど、 腹立って軽くキレかけたっスよ。 巽 完二|知りもしねえクセに、 やれ中学時代がどーの言ってきやがって。 巽 完二|しかも厄介事起こしたら、即停学とか何とか… たいがいにしやがれってんだ。 花村 陽介|あいつ、思い込み激しいからな… 巽 完二|そう言や前、クラスのヤツから 聞いたんスけど。 巽 完二|あの野郎、例の殺された二人の事、 ボロクソ言ってたらしっスよ。 花村 陽介|モロキンが? 山野アナと…小西先輩の事か? 巽 完二|“不倫だの、家出だのするような人間は 狙われて当然だ”とか何とか… 巽 完二|ま、尾ヒレ付いてんのかも知んないスけどね。 嫌われてるみてえだし。 花村 陽介|アイツなら言いそうだな、ったく… 花村 陽介|オレも去年、越してきた時、 色々言われたからな。 花村 陽介|いちいち覚えちゃいねーけど。 巽 完二|たとえ、話半分でもムカつくぜ… てめ腐ってもセンコーだろっつんだ。 花村 陽介|あんなヤツ、ムカつくだけ損だぜ? …むぐむぐ。 巽 完二|ま、そっスね… 巽 完二|って、何食ってんだオイ!? 花村 陽介|おっとっと。 巽 完二|見りゃ分かんだよ! オレんだろうが! 巽 完二|クッソ、今日こそ“潜水艦” 探そうと思ってたのによ… 花村 陽介|潜水艦? 巽 完二|“おっとっと”の隠しキャラっスよ! んな事も知らねえで食ってんスか! 花村 陽介|マ、マジかよ、先にゆえよ! 巽 完二|ま、いいけどよ… 花村 陽介|あー、やっぱ菓子だけじゃ腹ふくれねー。 花村 陽介|ハァ…も寝よーぜ。 巽 完二|人のモン勝手に食ってソレかよ… 花村 陽介|完二、お前もっとあっちだろ。 巽 完二|あそこじゃ、エビゾリんなるんスよ。 花村 陽介|…そうか。 花村 陽介|あの…さあ。 巽 完二|なんスか。 花村 陽介|…なんでこのテント来たんだ? 巽 完二|あ? さっき言ったじゃねえスか。 巽 完二|んだよ…なんなんスか? 花村 陽介|この際だから…その… しょ、正直に言って欲しいんだけど。 巽 完二|…はあ。 花村 陽介|お、お前って、やっぱ…アッチ系なの? 巽 完二|アッチ…? 花村 陽介|俺ら…貞操の危機とかになってない? いま。 巽 完二|のぁ…!? 巽 完二|なななな何言ってんじゃ、コラァ! そ、そんなんじゃねっつってんだろが!! 花村 陽介|ちょ、ちょっと待て、 なんで豪快にキョドるんだよ!? 花村 陽介|なおさらホンモノっぽいじゃんかよ! 巽 完二|んなワケねえだろうが! 巽 完二|そんなのぁ、もう済んだ話だ! 今はもう、そのっ…な、なんつーか… 花村 陽介|口ごもんなよ、こえーよ! 巽 完二|今はもう、女ぐらい平気って事っスよ! 花村 陽介|証明できんのかよ!? 巽 完二|しょ、証明だ…? 花村 陽介|じゃなきゃ、俺ら一晩、 ビクビクしながら過ごす事になんだろ。 巽 完二|ケッ…も、いっスよ。 んならオレ、女子のテント行って来っスよ! 花村 陽介|え、ちょ、そりゃマズいって! いちいち極端なんだよ! 花村 陽介|バレたら停学って、自分で言ってたろ! モロキンにまで目ェつけられてんのに! 巽 完二|んな事で引き下がんのは男じゃねえ! 花村 陽介|コイツ、本気で行きそうだぜ… な、お前からも止めてくれよ。 |やめておけ |行って来い |興味ない |>完二を説得した… |>だが通じない! 巽 完二|妙な疑いかけられて、黙ってられっか。 先輩にも見してやるっスよ! 巽 完二|おうよ、先輩にも見してやるっスよ! 巽 完二|まさか先輩まで、 オレにゃやれねーと思ってんスか!? 巽 完二|モロキンがなんぼのモンじゃ! 巽完二なめんなコラアァ! 巽 完二|うおおおおぉぉぉぉぉー!! 花村 陽介|あ、ちょ、おい! 花村 陽介|あー…アホが走ってくよ… もー知んない、俺… |>鳴上と陽介のテント内… 里中 千枝|ハァ… なんでここだけ三人か、分かったよ… 天城 雪子|眠れないね… 里中 千枝|ハァ…おなかも減った… 里中 千枝|あのカレー、もちょっと食べておけば… 天城 雪子|気絶はできたかもね… 里中 千枝|あーも、寝れないし、 やる事もないし… 里中 千枝|ああああ…うああー! 天城 雪子|逃げるって…どこへ? 山を降りるとかは、ちょっと… 天城 雪子|…鼻と口ふさいだら、いびきって止まる? 里中 千枝|ちょ、やめなさいアンタ! 里中 千枝|あー… もーいや… 里中 千枝|だっ、誰!? |>一方その頃… 千枝と雪子のテント内… 里中 千枝|…そういえば、クマくん、 今頃なにしてんのかな。 里中 千枝|いちんち中一人って、考えてみたら寂しいよね。 そう言えばあいつ、前にさ… 里中 千枝|も、やだぁ! 雪子、逃げようよ。 |ねえ…起きてる? 花村 陽介|何してんだよ、こんなとこで! こっち男子だぞ! 里中 千枝|入れて! テントに! 花村 陽介|バカ言うな! モロキンにバレたら 停学なんだぞ! 戻れって! 里中 千枝|帰れないのー! 諸岡 金四郎|腐ったミカンはー、いねがー! みだらな行為をするやつぁーなー… 花村 陽介|しょ、しょーがねーな、 早く入れよ! 花村 陽介|で、なんなんだよ、いったい? 天城 雪子|その、完二くんが… 天城 雪子|気絶して、のびちゃってるから… 里中 千枝|そ、その、 全然たいした事じゃないよ!? 里中 千枝|い、いきなり入ってきて、 いきなり気絶したの。 里中 千枝|そんだけ。 ね、雪子! 天城 雪子|え? う、うん。 里中 千枝|で、そんな状況で寝れないしさ、 起きたらほら…騒ぎそうでしょ? 里中 千枝|だから、置いてきちゃった。 花村 陽介|なんだ? 話ヘンじゃねーか? いきなり入ってきて気絶? 諸岡 金四郎|いいかー、“ふらち”と“みだら”は 違うんだからな~… 花村 陽介|来た! 近いぞ! 花村 陽介|お、おい、明かり消せ! |>モロキンの気配が近づいてくる… 諸岡 金四郎|おい、おまえら、二人いるなー。 返事しろー。 |います |いません 諸岡 金四郎|んあー…? あー、いるな… 諸岡 金四郎|花村はもう寝てるんだなぁ? 花村 陽介|うっす! もう寝てます! 諸岡 金四郎|寝てないじゃないか! いいから、黙ってまた寝ろー。 諸岡 金四郎|ふぁわわ…いかん、ちょっと飲みすぎたか。 眠くてたまらん… |>モロキンは去ったようだ… 花村 陽介|はあ… 一気に歳食った気分だぜ。 里中 千枝|まったくだよ… 危うく停学食らうとこだった… 花村 陽介|あのな、お前らのせいだかんな! 里中 千枝|しょ、しょーがないじゃん! 里中 千枝|とにかくもう出れないし、朝、人起き出す前に 出てくから、それでいいでしょ!? 花村 陽介|なんでお前がキレてんだよ… 里中 千枝|言っとっけど… “妙なこと”しないでよね。 花村 陽介|な、何勝手に… 花村 陽介|…くっそ、貸しだからな! |>テントの中に 荷物でバリケードが作られた… |>狭いスペースで、窮屈な夜を過ごした… |>再び 鳴上と陽介のテント内… |>翌日… |>午前中で現地解散になった。 花村 陽介|俺らしか来てないみてーだな! 花村 陽介|どした? 腹でも壊したか? 巽 完二|や、なんか…昨日の晩オレ、カッとなって テント飛び出したような気するんスけど… 巽 完二|っかしーな、夢だったんスかね…? 起きたら、花村先輩らのテントだったし… 里中 千枝|ゆ、ゆめゆめ。 夢だって。 巽 完二|はぁ… 花村 陽介|よし、とりあえず泳ぐか! 巽 完二|先輩マジ泳ぐんスか? オレぁダリぃし、パスで… 里中 千枝|…なに見てんの? アンタらだけで入りゃいいじゃん。 花村 陽介|そう言や、貸しがあったよな。 里中 千枝|え、待ってよ、ウチらもパスパス。 里中 千枝|貸しは…まあ、そうだけど… 里中 千枝|そう、水着持って来てないし! いや、残念だなー。 天城 雪子|そ、そうだよね、残念。 花村 陽介|あーそう。 花村 陽介|メシ抜き我慢して、モロキンからも庇って やったのに、水遊びには付き合えない、と。 里中 千枝|い、いや、ほんと残念だってば。 水着持ってれば入れたのになー、あはは… 花村 陽介|じゃーん! なんとここにありましたー! 花村 陽介|ジュネス・オリジナルブランド、 初夏の新作だぜ? 花村 陽介|知り合いの店員に選んでもらったんだ。 結構いいだろ? 里中 千枝|うわ、引くわー… 天城 雪子|それ、最初からずっと持ってたの…? 花村 陽介|いいじゃん、一緒にみんなで泳ごうぜ! 里中 千枝|どうする、雪子…? 花村 陽介|“水着持ってれば入れたのになー”。 里中 千枝|う… 花村 陽介|晩メシ、楽しみにしてたのになぁー。 天城 雪子|うう… 花村 陽介|昨日の晩、俺らが助けなかったら、 どうなってたかなー。 里中 千枝|わーかったっつの! しつこい男だな! まったく! 花村 陽介|おっしゃ! そう来なくっちゃ! 花村 陽介|あいつら、どこまで着替え行ったんだ…? 里中 千枝|ほら、じゃ入るわよ。 花村 陽介|うお、これは… 里中 千枝|そ、そんなジロジロ見ないでよ! 天城 雪子|ちょ、ちょっと… |二人とも可愛い |千枝、可愛い |雪子、可愛い 里中 千枝|な…なに言い出してんの!? |>二人とも恥ずかしそうだ… 里中 千枝|え、や、ちょっと…いきなりなんなの? |>千枝は、まんざらでもなさそうだ… 天城 雪子|や、やだ、もう… |>雪子は、どことなく嬉しそうだ… 里中 千枝|だ、黙んな! そっちが選んだ水着でしょ! |>二人とも恥ずかしそうだ… 花村 陽介|いっやー、想像以上にいんじゃね? 花村 陽介|昨日“物体X”を食わされた分が、 まーちょっとは報われたかな? みたいなさー。 花村 陽介|て言うか、俺の見立てよくねー? 花村 陽介|まぁ、中身がちょっとだけガキっぽいけど、 将来、いい感じのオネーサンになるぜ、きっと! 花村 陽介|な、そう思うだろ? 鳴上。 |確かに… |どうだろう… 里中 千枝|すっげー不愉快… 天城 雪子|…私も。 |>冷たい…! まるで氷水のようだ… 花村 陽介|つ、つめてえー!! お、おお落とす事、ねーだろ…! 里中 千枝|いーじゃんッ! どーせ入るつもりだったんでしょ!? 里中 千枝|自業自得だっつの。 ったく…最低だよね、完二くん? 里中 千枝|さっきからずっと黙りっぱだけど、体調悪い? も、もしかして昨日のダメージが… 里中 千枝|…って、あ。 巽 完二|な、なんスか…? 天城 雪子|ちょと…やだ! 天城 雪子|危なかった… 巽 完二|ぷはー! 花村 陽介|お、お前ら!! なんて事すんだ!! 天城 雪子|あれ? 上から何か、聞こえない? |>川上から、男のえずく声が響いてくる… |>上で、モロキンが吐いているようだ… 里中 千枝|だから、ウチらしかいなかったんだ… よかったー、入る前に気付いて… 巽 完二|先輩… 花村 陽介|何も言うな… |>何か大切なものを失ったような気がする… |>完二が鼻血を垂らしている… 巽 完二|あ、危ねえのはこっちだろ!? オレ、なんもしてねースよッ!? 巽 完二|へ…ふぇくしッ!! |>三人で食卓を囲んだ。 |>テレビではワイドショー番組が流れている。 |…以上、当プロ“久慈川りせ”休業に 関します、本人よりのコメントでした。 |えー、時間が押しておりますので、 質問などございます方は手短に… |失礼、えー“女性ビュウ”の石岡です。 静養という事は、何か体調に問題でも? 久慈川 りせ|いえ、体を壊してるって訳じゃ… |とすると、やっぱり心の方? 久慈川 りせ|え…? |休業後は親族の家で静養との噂ですが、 確か稲羽市ですよね、連続殺人の! 久慈川 りせ|え、あの… |老舗の豆腐店だと聞いてますが、 そちらを手伝われるんですか!? |えー、以上で記者会見を終わります! はい、道開けてください! |>会見場は混乱している… 堂島 菜々子|りせちゃん、テレビやめちゃうの? 堂島 遼太郎|さあな…けど実家ここって事ぁ、 面倒な野次馬が増えそうだな、こりゃ… |メンドーなのもー、我慢するのもー、 りせには、ムリ! キライ! シンドスギ! |カロリーと体脂肪が気になるあなたに、 特定保健用食品の“ケロリーマジック”。 ケロリとスリムな体型をプロデュース! 堂島 遼太郎|久慈川りせ…か。 堂島 遼太郎|何も無いのが取り柄だったような田舎町が、 今年はエラく騒がしいな… 巽 完二|うーす。 里中 千枝|お、来た。 最近マジメに来てんじゃん、どしたん? 巽 完二|出席日数って面倒なんがあるもんで。 花村 陽介|しかし、お前の顔見ると、こう… どうにも林間学校思い出すな… 巽 完二|忘れるんじゃなかったのかよ… 花村 陽介|いや…すまん。 巽 完二|ハァ…いいスけど。 巽 完二|つーかそうだ、先輩ら、ニュース見たっスか? 里中 千枝|ニュース? …ああ、“久慈川りせ・電撃休業”ってやつ? 里中 千枝|まさに今ブレイク中ってとこなのに、 なんで休業すんだろーね。 花村 陽介|アイドルってのも大変だよなー、うん。 |りせってそんなに有名? |りせ、いいよね 花村 陽介|え…知らないの? お前、これは都会とか田舎、カンケーないぞ? 花村 陽介|お前も、そう思うか? 花村 陽介|まだデビューして短いけど、 このままいきゃ、じきトップアイドルだぜ。 花村 陽介|俺、結構好きなんだよ! なんたってキャワイイ! 里中 千枝|キャワイイって…オッサンかよ。 里中 千枝|まあでも、確かここ出身で、小さい頃まで 住んでたらしいし、ファン多いんじゃん? 天城 雪子|ニュースだと、彼女“お祖母さんの 豆腐屋さん”へ行くんでしょ? 天城 雪子|それ…もしかして、マル久さんの事かな。 花村 陽介|マルキュー? 天城 雪子|“マル久豆腐店”。 ちょっと前まで、ウチの旅館でも仕入れてたの。 花村 陽介|あー、商店街のあそこか! よく前通るな。 花村 陽介|え、じゃあ、あの豆腐屋行ったら、 りせに会えんのかな!? |ぜひ今度会いたい |興味ない 里中 千枝|ちょっとちょっと? 重要な点から逸れてってない? 里中 千枝|事件の話だって! アンタ自分で “テレビ繋がり?”って言ったでしょーが! 里中 千枝|狙われるかもよ、彼女? 花村 陽介|そんな、りせは別に 昨日今日テレビに出た訳じゃないじゃん。 花村 陽介|大体、りせと事件って関係あるわけ? 天城 雪子|それ、気になって調べてみたの。 天城 雪子|りせちゃんとアナウンサーの山野さんは、 繋がり自体、ほとんど無いみたい。 天城 雪子|同じ番組に、一、二度出た事があるだけ。 里中 千枝|アイドルなのは前からだけど、彼女いま、 ニュース流れて、この町の“時の人”じゃん。 里中 千枝|しかも本人、ここに越して来んだよ? 花村 陽介|俺らの推理通りなら、 目を付けられるパターン、か。 花村 陽介|それに、もしこれでりせが狙われたら、 犯人の狙い、更に絞り込めるな。 巽 完二|どういう事っスか? 花村 陽介|だーから。 花村 陽介|もし、りせが狙われたら、犯人のターゲットは 完全に“テレビで報道された人間”だ。 花村 陽介|最初の事件の関係者って線は、ほぼ無くなる。 巽 完二|はー、あー、なるほど。 花村 陽介|よし、じゃ早速、りせの動向に注意だな! 花村 陽介|うしっ…! 里中 千枝|テンション上がってんな… |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…人影が映っている! |>女性のようだ。 水着を着ている… |>…心なしか、昨日のテレビで見た “久慈川りせ”に似ている気がする… |>…陽介からだ。 花村 陽介|もしもし! オイ見たか、今の!? 花村 陽介|今のどう見ても“りせ”だろ! “久慈川りせ”! |確かに |どうだろう… 花村 陽介|だよな! 花村 陽介|間違いねーって! つーか髪型とか、まんまポスターのじゃん! 花村 陽介|あ…でも喜んでる場合じゃないよな、 失踪するかも知れない訳だし… 花村 陽介|とにかく明日行ってみようぜ! ホラ何だっけ、“マル久豆腐店”! 花村 陽介|やっば、ドキドキしてきた… 花村 陽介|じゃ、明日な! |>明日、陽介と“マル久豆腐店”へ 行く事にした。 |>今日はもう休む事にした。 |>…? |>妙に胸や太ももばかり映っている… |>顔はよく分からない… |ね、聞いた? 久慈川りせ、ホントに来てるらしいよ! |ほら、豆腐屋の“マル久”ってあるじゃん? あれ“久慈川”の“久”なんだって。 |マジで!? え、俺、家超近いんだけど! 天城 雪子|マル久さん、すごい人だかりだって。 里中 千枝|ぽいね。 里中 千枝|けど昨日のマヨナカテレビ、本当に彼女だった? …なんか雰囲気違くなかった? 花村 陽介|間違いねえって! 花村 陽介|あの胸…あの腰つき… そしてあのムダの無い脚線美! 里中 千枝|…なんであたし見んのよ。 花村 陽介|とにかく間違いねんだって! …な! 巽 完二|あー、行くんスか? 巽 完二|オレぁ、芸能人とか興味ねえけど、 ヒマだし…ま、付き合いますよ。 里中 千枝|あたしと雪子は先約あるから。 何かあったら携帯に連絡して。 花村 陽介|んーじゃ、俺らも行くか。 言っとっけど、そこらの野次馬と違うぞ。 花村 陽介|俺らのは捜査だ、捜査。 |>“マル久豆腐店”へ行く事にした。 花村 陽介|あれ、刑事さん、 なんかあったんですか? 足立 透|ああ、君らか。 足立 透|いやぁ…ヤジ馬が次々車で押しかけて商店街の 真ん中で止まろうとするからさぁ。 巽 完二|なんかワケありスか? 足立 透|いやホラ、久慈川りせだよ、知らない? 足立 透|もしかして、もう見た? 居たの? どっち? 巽 完二|あ…? 交通課じゃねえ私服のデカが なんで出張ってんのかって訊いてんだよ。 足立 透|え…あ、いや、えっと… ほら、稲羽署小さいし、人手足りなくてさ。 足立 透|…じゃ、まだ仕事あるし、またね。 花村 陽介|お前…高1で現職の刑事ビビらすとか ねーだろ… 巽 完二|別に。 思った事言っただけっスよ。 花村 陽介|にしても、ただ事じゃねーな、これ。 警察出てくるって… 花村 陽介|あ…まさか、 警察も、りせが狙われるって踏んでんのか? 堂島 遼太郎|はい、失礼、ちょっと道空けて。 …おーい、足立! 堂島 遼太郎|ったく…持ち場空けんなっつったろ… 堂島 遼太郎|お前たち、こんな所で… 堂島 遼太郎|ん…? 巽完二! お前ら…仲いいのか? 巽 完二|るせぇな、いいだろ… 堂島 遼太郎|…まあいい。 それより何してる、こんなとこで。 |通りかかった |豆腐を買いに来た |りせを見に来た 堂島 遼太郎|…本当か? 堂島 遼太郎|豆腐…? この顔ぶれでか? 堂島 遼太郎|…ふん。 花村 陽介|あ、えっと… 花村 陽介|ほ、ほら、こんな普通の豆腐屋がアイドルの 実家って聞いたら、確かめたいじゃないスか! 花村 陽介|俺その…ファンだし! 堂島 遼太郎|はぁ…まあいい。 堂島 遼太郎|いくら芸能人だろうが、ここは自宅だ。 迷惑にならないようにしろよ。 巽 完二|先輩の叔父貴がデカたぁね… 巽 完二|てか、今の空気なんスか? …先輩ら、疑われてんスか? 花村 陽介|ま、俺たち1回引っ張られてるからな… 花村 陽介|けど、全部話すって訳にもいかないだろ。 花村 陽介|“あの世界”の事言ったら、信じないどころか、 ますます疑われて、動けなくなっちまう。 巽 完二|ちげえねえ… |んだよ、婆さんだけで “りせちー”居ねえじゃん… |もうこの町来てるって聞いたけど、 ガセネタ踏まされたって事かな。 |ま、楽しかったけど。 花村 陽介|ガセネタ!? え、いねーの!? 結局ぅ!? 巽 完二|ぷッ、なんだ今のダセー声。 花村 陽介|う、うるさいよ! 花村 陽介|とにかく、人ハケたし確かめに行こうぜ! もう俺がなんか自腹で買うから! |絹豆腐オススメ |木綿豆腐オススメ |がんもどきオススメ 花村 陽介|そうだ…オレ、豆腐食えないわ。 巽 完二|あ? …んなら、がんもどきでも買ったらどうスか? 花村 陽介|がんもどき? モチ入ってるヤツか? 花村 陽介|お前、俺が豆腐食えないの、よく知ってんな。 え、気にしてくれたって事? |>陽介はちょっと嬉しそうだ… 花村 陽介|あ、で、がんもどきって何だっけ。 モチ入ってるヤツか? 巽 完二|モチじゃねえっスよ… |>陽介は、がんもどきの説明を受けた… 花村 陽介|あー、はいはい、知ってる! それなら食えっかも。 花村 陽介|えっとー… 花村 陽介|ホントだ…いつものお婆ちゃん居るだけだ。 ハァ… 巽 完二|んだよ、奥に居るか 訊きゃいいじゃないスか。 |はいはい、お客さんかい? 花村 陽介|えっ、あれ!? じゃ、あっちのは… 久慈川 りせ|…何? 久慈川 りせ|…? 巽 完二|あと…りせって、お前? 久慈川 りせ|…なんで呼び捨て? 花村 陽介|うそ…ホントに、りせちー? 久慈川 りせ|…何の用? 花村 陽介|えっ…? あ、ゴメン、えっと…そだ、豆腐! 久慈川 りせ|…お豆腐? どれにするの? 花村 陽介|えっ…と、どれが何…だっけ? 久慈川 りせ|冷やっこか湯豆腐なら絹。 煮炊きするなら木綿…目的しだい。 花村 陽介|え、えと… 花村 陽介|おい、完二、何か頼めって! 巽 完二|えっ、結局オレに振るんスか!? さっき、がんもに決めてたじゃないスか! 巽 完二|この人、がんもどき、3個だってよ。 久慈川 りせ|なんだ、がんもね… 久慈川 りせ|待ってて。 花村 陽介|なんか…テレビで見んのと全っ然キャラ違うな… たまたま疲れてんのかな…? 花村 陽介|いやー、でも本物の“りせちー”だよ… 来て良かった…本日のミッション達せ… 花村 陽介|…じゃなかった、本題がまだじゃん! 花村 陽介|あのっ…! 花村 陽介|さ、最近、変な事無かった? 久慈川 りせ|変な事…? ストーカーとかって話? 久慈川 りせ|…キミたち、私のファンってこと? 巽 完二|オレらってか、この人がファンな。 花村 陽介|ばっ…お前、しれっとバラすなよ! 巽 完二|あの胸、あの腰つき、ムダの無い脚線美… だかを確かめるんでしたっけ? 花村 陽介|わーわーわー!! 完二てめ、わざと言ってんだろ!! 花村 陽介|言ってない、何も言ってないし!! 花村 陽介|ほら、ここんところ、この町ブッソーだから。 それで俺たち、色々調べてるっつーか。 久慈川 りせ|ふうん? 花村 陽介|ごめん、えっとさ… “真夜中に映るテレビ”の事って知ってる? 花村 陽介|つっても深夜番組とかじゃなくて… んー、なんて説明したらいいか… 久慈川 りせ|…昨日の夜のやつ? “マヨナカテレビ”だっけ。 花村 陽介|あ、知ってんだ… 花村 陽介|って…ええッ!? 昨日、見たって事!? 久慈川 りせ|噂、知り合いから聞く事あったし。 久慈川 りせ|でも、昨日映ってたの、私じゃないから。 あの髪型で水着撮った事ない。 久慈川 りせ|それに、胸が。 花村 陽介|は? 久慈川 りせ|胸、あんな無いし。 花村 陽介|あー、言われてみれば… 花村 陽介|…って、あー、何言ってんの俺! あ、その、ごめん…! 久慈川 りせ|…謝りすぎ。 久慈川 りせ|変なの。 花村 陽介|あ、笑った。 久慈川 りせ|あれって、何が映ってるの? 花村 陽介|や、ハッキリした事はなんも… 花村 陽介|ただホラ、今ここ事件起きてるじゃん? 花村 陽介|あれに映った人… 次に誘拐されるかも知れないんだ。 巽 完二|やぶからぼうじゃ、信じらんねえよな。 …けど、嘘じゃねえ。 花村 陽介|だから、知らせなきゃと思って。 久慈川 りせ|ふうん…あれ、やっぱり夢じゃないんだ。 久慈川 りせ|昨日は、疲れてたけど眠れなくて。 久慈川 りせ|ちょうど雨降ってたから、たまたま、 聞いてた噂、試しただけなんだけど… 久慈川 りせ|…ふうん。 久慈川 りせ|…分かった、ありがとう。 気をつける。 久慈川 りせ|はい、がんも3つ。 600円ね。 久慈川 りせ|お豆腐は、みんなにおまけ。 なんか、心配してもらったみたいだし。 花村 陽介|おわ、まじ? ありがとう! 巽 完二|花村先輩、豆腐食えないっしょ? オレ、引き受けるぜ? 花村 陽介|バーカ。 もらったもんは、ちゃんと食うんだよ。 |>りせに豆腐を一丁もらった。 |>夕ご飯にでもしようか… 巽 完二|すんませーんッ! 久慈川 りせ|…ちょうど頂きます。 ありがとうございました。 足立 透|…ひとまず騒ぎは収まったみたいなんで、 自分ら、とりあえずこれで。 足立 透|今後も騒がしいようなら、 署まで連絡ください。 久慈川 りせ|はい。 堂島 遼太郎|あー、失礼、いくつか訊きたい事が。 堂島 遼太郎|最近、この辺りで物騒な事件が連続してるの、 知ってるね? 堂島 遼太郎|身の回りで、怪しいヤツは 見ませんでしたか? 久慈川 りせ|別に…今まで通りです。 堂島 遼太郎|あー、今まで通りな…仕事がアイドルじゃ、 ストーカーだの、ハナから怪しいのだらけか… 堂島 遼太郎|どうして休業されたんですか? 久慈川 りせ|何か関係あるんですか? 久慈川 りせ|…疲れただけです。 堂島 遼太郎|学校はどちらへ? 久慈川 りせ|八十神高校の予定です。 近いし。 堂島 遼太郎|脅かすつもりは無いんだが…あなたには、 これまでの被害者と幾つか共通点がある。 堂島 遼太郎|だから、その… 久慈川 りせ|誘拐されるかも知れないんでしょ? 久慈川 りせ|さっきも同じ事言われました。 気をつけます。 足立 透|えっ…さっきも言われた? 久慈川 りせ|三人連れで…制服着てたから、 たぶん高校生だと思うけど… 堂島 遼太郎|もしかして、三人のうち一人はこう… 何て言うんだ、若干“ヤンキー風”の? 足立 透|それって…堂島さんちの彼と、あと友達の? 堂島 遼太郎|どうも、おかしいな。 堂島 遼太郎|このところの失踪事件…2件の殺しと合わせて、 俺たちでも掴めてない謎ばかりだ。 堂島 遼太郎|ここへ来て彼女に警告したのも、 言っちまえば俺の刑事としての勘からだ。 堂島 遼太郎|それを、事情も知らない高校生が 先回りってのはどういう事だ…? 堂島 遼太郎|ただ有名人の顔見に来るための口実か…? 堂島 遼太郎|それとも… 足立 透|堂島さん…? 堂島 遼太郎|八十神高校、な… 堂島 遼太郎|2件目のガイシャの小西早紀に、 一時行方をくらました学生二名か… 足立 透|学校関係者の捜査の方も、 何も出てないんですよねえ… 足立 透|このままだと、ウチらマズくないですか? 県警もそろそろ… 堂島 遼太郎|要らん心配してるな! 捜査続けろ。 |>その後、しばらくして… 堂島 菜々子|おとうふが、いっぱいだね。 堂島 遼太郎|…美味いな。 堂島 遼太郎|久慈川りせと、何を話した? |特に何も… |世間話を |事件について 堂島 遼太郎|…そうか。 堂島 遼太郎|首を突っ込むなと言ったはずだ。 堂島 遼太郎|いいか、これは警察の仕事だ。 遊びなら他所でやれ。 堂島 遼太郎|いや…すまん。 堂島 菜々子|お父さんたち、りせちゃんに会ったの!? 堂島 遼太郎|ふぅ、まあな… 堂島 菜々子|また…けんか? 堂島 遼太郎|違う… ほら、早く食べなさい。 |>やや重い空気のまま、 夜の時間が過ぎてゆく… |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…人影が映っている! |>“久慈川りせ”だ! 今夜はかなりはっきり映っている。 |>陽介に電話をかけてみようか… |かけてみる |明日、話せばいい 花村 陽介|おう! やっぱ“久慈川りせ”で当たったな! 花村 陽介|本物より迫力あった気ィするけど、 今日は顔も見えたから、間違いないよな。 花村 陽介|明日すぐ、みんなで集まろうぜ! |>電話を切った。 |>明日さっそく、 みんなと話した方が良さそうだ。 |>今日はもう休む事にした。 |>…前と同じ、水着の女性だ。 やはり胸や腰が強調されている… |>これは… 花村 陽介|昨日のマヨナカテレビだけど、 久慈川りせに間違いないな。 花村 陽介|なんつっても顔映ったし。 天城 雪子|じゃあ、これでまた1つ分かったね。 犯人に狙われるのは… |山野アナ事件の関係者 |テレビで報道された人 |この町に住む女性 花村 陽介|違うって…りせと山野アナ、 繋がり無いって、天城言ってたろ! 花村 陽介|狙われるのは、 “テレビで報道された人”だって。 花村 陽介|だな! 山野アナの事件関係者の線は、消えたっぽいな。 花村 陽介|それ、完二ん時にもう消えただろ! 花村 陽介|狙われるのは、 “テレビで報道された人”だって。 花村 陽介|んで、りせだけど、 朝チラっと覗いたら、店にいた。 花村 陽介|マヨナカテレビに、例のバラエティみたいのが 映るのは、やっぱ本人が入った後みたいだ。 天城 雪子|あれって、入った被害者自身が 生み出してるのかもって、前言ってたよね。 天城 雪子|どういう事か最初はイメージつかなかったけど、 今は、そうなのかもって思う。 天城 雪子|映像に出てくるの“もう一人の自分”な訳だし。 入った人の本音が、無意識に見えちゃうのかも。 里中 千枝|けどさ、マヨナカテレビって、 居なくなる前から見えるじゃん? 里中 千枝|いまいち、ハッキリ見えないやつ。 あれは、何なわけ? 花村 陽介|事前に必ず映るって考えると、 まるで“予告”みたいだよな… 里中 千枝|犯行予告って事…? 誰に予告してるわけ? 何のために? 花村 陽介|犯人に訊けよ。 俺だって、色々分かんないんだからさ。 天城 雪子|結果的に、予告に見えてる… っていう可能性はない? 里中 千枝|え、どういうこと? 天城 雪子|被害者の心の中が映るなら… 犯人も…って思っただけなんだけど。 天城 雪子|誰かを狙ってる心の内が、 見えちゃうのかなって。 花村 陽介|そういう事もあるかもな… 花村 陽介|人をテレビに入れられるって事は、 犯人も、俺らと同じ力を持ってる訳だし。 里中 千枝|じゃああれは、犯人の “これから襲うぞ~!”っていう妄想? 天城 雪子|それは、分かんないけど… 花村 陽介|そこまでいくと、あの世界そのものが、 そういう風って気もしてくるな。 花村 陽介|被害者とか犯人とか、とにかく人の頭ん中が 入り混じって出来てるモン…ってか? |そう思う |無理がある |分からない 里中 千枝|ハァ~…相変わらず ぜんっぜん、分かんない! 里中 千枝|てゆーか、完二くん、ついて来てる? さっきから、ひとっ言も喋ってないけど。 巽 完二|はえ…? あー…まーその… 里中 千枝|…寝てたんじゃないだろーな。 巽 完二|そ、そんな事ねえっスよ! すっごい推理中。 里中 千枝|ハァ…あの世界ってさ、ホントに何なんだろ。 里中 千枝|クマくんの説明も“たぶん”が多くて、 正直よく分かんないし。 天城 雪子|そもそも犯人は、 なんで人をテレビに入れるのかな? 花村 陽介|入れたら死ぬのは、もう分かってるはずだ… 殺す気でやってんのだけは間違いない。 花村 陽介|手口がテレビなのは、警察が絶対に 証明できないからって事じゃないか? 巽 完二|殺しねぇ… 恨みつらみか? 巽 完二|まぁ、オレを恨んでるヤツなら、 掃いて捨てるほど居んな。 巽 完二|けど、天城先輩とか、あるんすか? 人に恨まれる覚えとか。 天城 雪子|無いよ。 里中 千枝|や、雪子…誰でも、知らないうちにって事、 少しはあんじゃないかな…はは。 里中 千枝|けど、今まで被害に遭った全員に 共通する恨み…ってなると、見当つかないね。 花村 陽介|ま、幸いまた先回りできるチャンスだし、 この際、動機は後回しだ。 花村 陽介|捕まえてから、喋らせればいい。 花村 陽介|とりあえず今ハッキリしてんのは、 りせが危ないって事だ。 里中 千枝|…てことは、また張り込み!? 花村 陽介|おーよ! 今度こそ、犯人に先回りしようぜ! 里中 千枝|やっぱ、アンパンと牛乳だよね。 花村 陽介|張り込みつったら、それしかないだろ。 花村 陽介|あとアレな、携帯用オムツ。 里中 千枝|いらねー! つか、売ってないし! 花村 陽介|ジュネスには揃ってるよ? 里中 千枝|いらねーっつの、その情報! 巽 完二|買うモン、決まったスか? さっさと行きましょーよ。 花村 陽介|あれ? なんでここに? 足立 透|え、まー…聞き込みの最中。 足立 透|つーか、なんでこんな子供ら見張るハメに… 足立 透|あ、いやいや何でもない。 堂島さんの指示とか、関係ないし。 足立 透|それより、君らこそ何してんの? 買い食い? 花村 陽介|今から、豆腐屋にりせちゃんの 様子見に行くんすよ。 足立 透|あ…そうなんだ。 足立 透|ボ、ボクもちょうど、 行くところだったんだよ。 里中 千枝|あ、じゃあ、一緒に行きます? 里中 千枝|現職のデカだもんね。 ちょっとは心強いかも? |>りせは店番をしている… 花村 陽介|立ち止まんなよ! 怪しまれんだろ! 巽 完二|や、もう何往復もしてっから… 足立 透|犯人め…来るなら来てみろっ。 天城 雪子|あっ…あれ! 足立 透|だっ、だれだー! 里中 千枝|あっ、逃げた! 巽 完二|待ちやがれッ! 巽 完二|逃げんなテメ…このッ! |く、来るな! 巽 完二|るっせ、んなの聞く馬鹿が… |と、飛び込むぞ! 僕が車に轢かれても、いーのか!? 花村 陽介|な、なんだそりゃ…!? 足立 透|だっ、駄目だよ! 足立 透|被疑者が大けがしたら、 警察の責任問われていっぱい怒られ… 足立 透|…あ。 |マジで、飛び込んじゃうぞ! ほ、ほら、もう追うなよ、行けよぉ! 花村 陽介|お、おい、どーする? |ダッシュで正面から捕まえる |回り込んで捕まえる |任せる 巽 完二|それが一番手っ取り早えぇや。 花村 陽介|よし、じゃ合図するからな… 花村 陽介|回り込むって…どっからだよ。 巽 完二|面倒クセェ… 体当たりでいいんじゃねえスか? 花村 陽介|よし、じゃ合図するからな… 花村 陽介|任せられてもな… 巽 完二|面倒クセェ…正面から体当てりゃ そんでいいんじゃねえスか? 花村 陽介|よし、じゃ合図するからな… 花村 陽介|あっ、火星人だ! |ぷぎゃっ! |きっ、君らね、善良な一市民に こんな乱暴なマネして… 巽 完二|るせえ! ひと様ぶっ殺しといて テメェはそれか!? あぁ!? |はぁ!? タンマ! ぶっ殺しって、何のこと!? 里中 千枝|と、とぼけたって、ムダだから! |ちょ、ちょっと待って下さいよ! |僕ぁただ、りせちーが好きで、 部屋とか、ちょっと見てみたくて… |ほら! 荷物コレ、全部カメラだよ! 足立 透|はいはい、犯人ってのは、 みんな言うんだって、そういう事。 足立 透|じゃ、後は、この僕が預かるからね。 足立 透|話は署で聞こうか… くー! このセリフ、言ってみたかった! |やっ、やめてくださいよぉ! 僕が何したっていうんですかぁ!? |し、知ってんだから! 日本には、“盗撮罪”ってのは無いんだ! 足立 透|バーカ、状況分かってる? お前の容疑は“殺人”なの! 足立 透|いいから来い、話はその後!! 足立 透|いやぁ、こうも上手く捕まるとはね! ホント、大金星だよ! 足立 透|君らもお疲れ様! 犯人逮捕に、ご協力感謝します! 花村 陽介|あ、はい… 足立 透|でも事件に関わるの、これっきりにしなよ。 危ないし、堂島さんも心配してたしさ。 足立 透|ほら、キリキリ歩け! 花村 陽介|これで…終わったって事か? 巽 完二|あとの事ぁ、警察っスね… 里中 千枝|予想通り、犯人若干ヘンタイっぽかったね。 里中 千枝|えと…もしかして、事件解決しちゃった? うわは、マジで!? 里中 千枝|いよしゃッ!! 花村 陽介|そうだ、一声かけた方がよくない? りせちゃんにさ。 |おや、いらっしゃい。 お豆腐かい? 花村 陽介|あ、ど、ども。 ええと… |ああ、りせに用事の人かい? 生憎あの子、出かけたみたいだよぉ。 花村 陽介|え、ついさっきまで居ましたよね? |たまにあるんだよぉ。 だま~って出てっちゃってねぇ。 |まあ、色々くたびれてるようだし、 許してやっとくれねぇ。 花村 陽介|黙って…出てった? 足立 透|そ~んな、心配しすぎだって! ホントに出掛けたんでしょ。 足立 透|だって、こいつ、捕まえたわけだし。 |な、なんの話ですか、ちょっと… 足立 透|後でたっぷり聞くって。 足立 透|じゃ、自分はコイツの取調べがあるんで、 これで。 足立 透|いやぁ、堂島さん驚くぞー! 天城 雪子|黙って居なくなったって、もしかして… 花村 陽介|捜した方がよくないか!? まだ遠くへは行ってないだろ。 里中 千枝|う、うん、分かった! 里中 千枝|居ない、そっちは? 天城 雪子|近所の人、誰もりせちゃん見てないって… 里中 千枝|あたしらが捜せてないだけかもだけど… どこ行っちゃったんだろ… 花村 陽介|くっそ、嫌な予感するな。 当たんなきゃいいけど… 巽 完二|ここで唸っててもしゃあねっスよ。 …やれる事ぁやったんだ。 巽 完二|今晩、予報じゃ雨らしいし、後ぁもう、 信じて例のテレビ見てみるっきゃねえっスよ。 |>今夜はしっかり マヨナカテレビを見よう… |>今日は雨だ… |>テレビに何か映るかも知れない… |>…映った! |>非常に鮮明な映像だ! もう一人のりせ|“マルキュン! りせチーズ!” みなさーん、こんばんは、久慈川りせです! もう一人のりせ|この春からね、私進級して、いよいよ花の “女子高生アイドル”にレベルアップ、やたー! |>今映っていたのは、間違いなくりせだ… 花村 陽介|あ、み、見たよな、りせちー! 花村 陽介|す、すとりっぷとかって、マジか!? 花村 陽介|なんか回を重ねるたんびに、 企画、どんどんスゴくね!? |>陽介は興奮している。 |落ち着け |早く助けよう |今回はゆっくり助けよう 花村 陽介|そ、そうだよな。 まあ、流石にちょっとは慣れてきたぜ… 花村 陽介|今度も多分“もう一人の自分”ってのが 好き放題やってんだろうな。 花村 陽介|あ、そ、そうだよな。 花村 陽介|今度も多分“もう一人の自分”ってのが 好き放題やってるだけだよな、うん。 花村 陽介|え、だって早く助けないと、 りせちー、脱いじゃ…う…? 花村 陽介|ちょ、それは、かわいそーだろ!? 花村 陽介|ちょ、それは、かわいそーだろ!? 花村 陽介|つーかまた、防げなかったんだよな… 狙い、分かってたのにさ… 花村 陽介|にしても、昼間の刑事、全然ダメだな。 やっぱ俺らが頑張らねえと… 花村 陽介|と、とにかく、明日な! |>…今日は早めに休む事にした。 もう一人のりせ|今回はですね、それを記念して、 もうスゴい企画に挑戦しちゃいます! もう一人のりせ|えっとね、この言葉、聞いたことあるかなぁ? スゥ・トォ・リィッ・プゥー。 もう一人のりせ|ん、もう、ほんとにぃぃ? もう一人のりせ|きゃあ、恥ずかしー! て言うか女子高生が 脱いじゃうのって、世の中的にアリ!? もう一人のりせ|でもね、やるからには、ど~んと体当たりで、 まるっと脱いじゃおっかなって思いますっ! もう一人のりせ|きゃはっ、おっ楽しみにー! 里中 千枝|おーい、クマクマ? クマ|クマ、泣いてないよ。 クマ|みんな、クマの事忘れて楽しそうに… クマ、見捨てられた… 里中 千枝|そ、そんな事あるワケないじゃん! 天城 雪子|ごめんね、寂しかったの? クマ|タイクツでヒクツしてたクマ。 クマ|どーせクマは、自分が何なのかも知らん ダメな子クマ。 クマ|答え見つからないし、みんなは来ないし… クマ|そっちの世界の楽しそうな声まで 聞こえた気がして… クマ|寂しいから泣いてみようと思ったけど、 ムリだったクマ… 花村 陽介|まあ、空っぽだしな… クマ|カラッポカラッポ、うるさいクマ! 花村 陽介|な…なんだと、この! ココは、お前の現実なんだろ!? 花村 陽介|お前がココでひっそり暮らしたいっつーから 犯人捜し、約束したんじゃんか! 里中 千枝|まーまー、クマくんも考え過ぎで 疲れちゃったんだよ、ね? クマ|独りだと色々考えちゃって、 寂しさ増量中クマ… クマ|みんながいないと切なくて、胸がはり裂けて 綿毛が飛び出しそうクマよ… クマ|いつか逆ナンしてもよい? 里中 千枝|おー、いいぞぉ! 天城 雪子|…逆ナンのネタは、もう封印しない? 花村 陽介|それよか、確かめてー事あるんだよ! 今、こっちどーなってる? 花村 陽介|久慈川りせって女の子、来てないか? なんか分かんない? クマ|クジカワリセ…? んむ…? 花村 陽介|分かんないのか…? なんか、お前の鼻、段々鈍ってきてない? クマ|クマは何をやってもダメなクマチャンね… クマ|みんなの役に立たなくなったら きっと捨てられるんだクマ… |そんな事ない |そうかも |役に立ってくれ クマ|クマ…みんなと一緒でいいの? クマ|クマ…できること探す… クマ|クマにできること…探すクマ。 里中 千枝|じゃあさ、この前みたいに、 何か、感じ掴めそうなもの探して来るよ。 クマ|ハッキリと分かんないけど、 誰か入ってるよーな気は微妙にするクマよ。 クマ|そのコを感じられるような、何かヒントあれば、 きっと前みたいに、分かるクマ。 |>奥へ進むためには りせの情報が必要なようだ。 |>誰かに話を聞いてみよう… クマ|クマ…色んな事が、分からんクマ… |焦ることはない |一緒に見つけよう |見守ってあげる クマ|…ありがとクマ。 センセイは優しいクマね… クマ|クマ、もっと頑張るクマよ… |>クマは、クマなりに、 必死で自分の役割を見つけようとしている… |>クマとの間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… クマ|クマ、ココで待ってるクマ… 里中 千枝|なにここ…真っ暗じゃん。 里中 千枝|うお…これって… 花村 陽介|温泉街につきもののアレ!? 天城 雪子|…あ、そうかも。 天城 雪子|え、う、ウチには無いからね? 巽 完二|ストリップ…てやつスか。 クマ|ストリップ!? クマ|はっはーん! 読めたクマよ… シマシマのやつクマね!? クマ|ストリップって… シマシマのやつクマね!? 天城 雪子|ここ眩しい… メガネしてても目が痛くなりそう。 クマ|ねー、ボケたら、ツッコミなさいよ! もっかいクマ… クマ|ストリップって… シマシマのやつ… 里中 千枝|うっさいな、こいつ… 天城 雪子|…え、シマシマって? ごめん、何の話? クマ|も、もう言わないクマ… はやく、先に進もうクマ… |>りせの居場所が見つかった。 後は救出するだけだ。 |>充分な準備をして、必ず助け出そう… 花村 陽介|やっと、見つけた! 里中 千枝|…けど、やっぱ様子が変。 天城 雪子|多分また、もう一人の… もう一人のりせ|ファンのみんな~! 来てくれて、ありがと~ぉ! もう一人のりせ|今日は、りせの全てを見せちゃうよ~! もう一人のりせ|…えぇ? どうせウソだろって? アハハ、おーけーおーけー! もう一人のりせ|ならここで…あ、でもここじゃ、 スモーク焚きすぎで見えないカナ? もう一人のりせ|じゃぁもう少し奥で、ウソじゃないって、 ちゃーんと証明したげるネ!! 巽 完二|お、オレも、あんな風だったんか…? 巽 完二|うお…こらキツいぜ… 里中 千枝|うあ、ざわざわ声、今回スゴい… なんか気持ち悪くなってきた… 花村 陽介|誰かが見てるんだとしたら… 早く何とかしないと、これ… もう一人のりせ|じゃあ、ファンのみんな! チャンネルはそのまま! もう一人のりせ|ホントの私…よ~く見て! マルキュン! 花村 陽介|い、急ごうぜ! イタい話聞かれるだけとは訳が違うって! クマ|シャドウがめっさ騒いでるクマ! クマ|さっきのは、リセって子が抑圧してる 思念クマ! クマ|このままじゃ、リセチャン 危ないクマよ!? 巽 完二|今度は、オレが助ける側ってか。 よし…なら急ぐぜ! 里中 千枝|いた! 花村 陽介|見ろ、本物も居るぞ! もう一人のりせ|キャーハハハハハ!! もう一人のりせ|見られてるぅ! 見られてるのね、いま、アタシィィ! 久慈川 りせ|やめて! もう一人のりせ|んっもー! ホントは見て欲しいくせに、ぷんぷん! もう一人のりせ|こぉんな感じで、どぉ!? 久慈川 りせ|もう…やめてぇ… もう一人のりせ|ふふ、おっかしー。 やめてだって。 もう一人のりせ|ざぁっけんじゃないわよ!! もう一人のりせ|アンタはあたし! あたしは、アンタでしょうが!! 久慈川 りせ|違う…違うってば… もう一人のりせ|キャハハハ!! ほら見なさい、もっと見なさいよ! もう一人のりせ|これがあたし! これがホントのあたしなのよぉぉ! もう一人のりせ|ゲーノージンのりせなんかじゃない! ここにいる、このあたしを見るのよ!! もう一人のりせ|ベッタベタなキャラ作りして、 ヘド飲み込んで作り笑顔なんて、まっぴら! もう一人のりせ|“りせちー”? 誰それ!? そんなヤツ、この世に居ない!! もう一人のりせ|あたしは、あたしよぉぉぉ! ほらぁ、あたしを見なさいよぉぉぉ! 久慈川 りせ|わ、たし…そんなこと… もう一人のりせ|さーて、お待ちかね。 今から脱ぐわよぉぉ! もう一人のりせ|丸裸のあたしを、焼きつけなァ! 久慈川 りせ|やめ、て…やめてぇぇ! 久慈川 りせ|あなたなんて… 里中 千枝|だめ、言っちゃダメ!! 久慈川 りせ|あなたなんて…私じゃない!! もう一人のりせ|うふふ…ふふ、 あはは、オーホホホホッ!! もう一人のりせ|きたきたきたぁ!! もう一人のりせ|これで! あたしわぁ、あたしィィッ!! 巽 完二|チッ…来るぞ! 里中 千枝|何なの、アイツ!? 全然、こっちのが当たんないじゃん… 花村 陽介|くそっ、攻撃が全部読まれてるみたいだ… クマ|ク、クマ、何の役にも立たんクマ… 花村 陽介|な、何だ!? クマ|この力って…多分、こっちを探ってるクマ! …ちょっと、まずいクマ!! 巽 完二|マズイって、どんな風にだよっ!? |はーい、解析完了ォ…! |じゃ…反撃いくよォ!! かわせるもんなら、やってごらんッ!! クマ|や、やめるクマ!! 花村 陽介|ウソだろ…こんな… 里中 千枝|…か、勝てないって事? 天城 雪子|わ、私たち…し、死んじゃうの…? クマ|ダメクマ!! し、死ぬとか絶対ダメクマよ!! クマ|クマはどうすればいいクマ… みんな…センセイ… |早く逃げろ |助けてくれ |自分で考えろ クマ|み、みんなを見捨てて… クマだけ…? クマ|そんな事できないクマ! クマ|た、助けるって、ゆわれても… クマ|クマにできる事… 何か…何かあるはずクマ… クマ|クマは、また一人ぼっちになるの…? クマ|いや…いやクマよ… 巽 完二|チィ…ッ! またやりやがる気だ…! クマ|クマ…クマ… |はーい、またまた解析、完了ォ…! |さよなら…永遠にね!! 花村 陽介|ヤ…ヤバイ…来るぞ! クマ|か、考えるより先に、か、体が… な、なに前に出てんだ、わしゃあ!? クマ|ぬ、ぬぉぉう!? クマ|と、トンデモない事をしでかしそうで クマってしまっている自分っ!! クマ|こ、こうなったら、やってやるクマ! クマ|クマの生き様… じっくり見とクマーッ!! |…!? なにこの反応、すごい高エネルギー… |これ…あのヘンなヤツ!? 突っ込んで来る気!? 巽 完二|クマ!! テメ、何する気だオイ!! クマ|ぬおおおおおおおお!! 花村 陽介|クマー!! 巽 完二|クマ!! 巽 完二|バカが…無茶しやがって… クマ|クマ…みんなの役に立てたクマか…? 花村 陽介|立ったどころじゃねーよ… …命の恩人だよ! クマ|そか…よかった… 一人ぼっち、いやだから… 里中 千枝|クマくん… 久慈川 りせ|ん… ここ…って…? 天城 雪子|りせちゃん! 久慈川 りせ|ごめん…なさい… 私のせいで… |大丈夫 |りせのせいじゃない |もう無理しなくていい 久慈川 りせ|ほんと…? よかった… 久慈川 りせ|ううん… “私”がした事だから… 久慈川 りせ|…え? …うん。 久慈川 りせ|いつ以来だろ… そんな事言ってもらったの… 久慈川 りせ|起きて… 久慈川 りせ|ごめん…今まで、ツラかったね。 久慈川 りせ|私の一部なのに、ずっと私に否定されて… 久慈川 りせ|私…どの顔が“本当の自分”か、考えてた。 久慈川 りせ|けど…それは違うね。 そんな風に探してちゃ… 久慈川 りせ|“本当の自分”なんて…どこにも無い。 クマ|本当の自分なんて…無い…? 久慈川 りせ|あなたも…私も…テレビの中の “りせちー”だって…私から生まれた。 久慈川 りせ|全部…“私”。 |>自分自身と向き合える強い心が、 “力”へと変わる… |>りせは、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“ヒミコ”を手に入れた! 花村 陽介|おわっと、りせちゃん! 久慈川 りせ|りせ、でいいから… 確か、お店に来てくれた人だよね… 花村 陽介|あ、うん、こいつらも… |>簡単に挨拶をした。 久慈川 りせ|そっか…先輩になるんだ… みんな…ありがとう。 里中 千枝|後で全部ゆっくり説明するから、今は… 天城 雪子|どうしたの、千枝? クマ|本当の自分なんて…いない…? 巽 完二|お、おい、クマ… 久慈川 りせ|ダメ、下がって! 久慈川 りせ|あの子の中から、何か…! |“本当”? “自分”? |ククク…実に愚かだ… 花村 陽介|なんだよ、アイツ…!? 里中 千枝|ま、まさか…“もう一人のクマくん”? クマくんの、内面って事!? 久慈川 りせ|多分、そう… でも、何かの…強い干渉を… クマ|な、何がどーしたクマ!? クマ|お、おわあ!? もう一人のクマ|真実など、得る事は不可能だ… もう一人のクマ|真実は常に、霧に隠されている。 もう一人のクマ|手を伸ばし、何かを掴んでも、 それが真実だと確かめる術は決して無い… もう一人のクマ|なら…真実を求める事に何の意味がある? もう一人のクマ|目を閉じ、己を騙し、楽に生きてゆく… その方がずっと賢いじゃないか。 クマ|な…何言ってるクマか! お前の言う事、ぜ~んぜん分からんクマ! クマ|クマがあんまり賢くないからって、 わざと難しい事を言ってるクマね! クマ|失礼しちゃうクマ! クマはこれでも一生懸命考えてるの! もう一人のクマ|それが無駄だと言っているのさ… お前は“初めから”カラッポなんだからね。 もう一人のクマ|お前は心の底では気付いてる…でも認められず、 別の自分を作ろうとしているだけさ… もう一人のクマ|失われた記憶など、お前には初めから無い。 もう一人のクマ|何かを忘れているとすれば、 それは“その事”自体に過ぎない。 クマ|そ…そんなの…ウソクマ… もう一人のクマ|なら、言ってやろうか。 もう一人のクマ|お前の正体は、どうせただの… クマ|やめろって言ってるクマー!! 天城 雪子|クマさん!! もう一人のクマ|お前たちも同じだ… 真実など探すから、辛い目に遭う… もう一人のクマ|そもそも、これだけの深い霧に包まれた世界… もう一人のクマ|正体すら分からないものを、 この中から、どうやって見つけるつもりだ? |どういう意味だ? |真実は必ずある |探す方法があるはず もう一人のクマ|ククク… 愚か者は、見ていて飽きないな… もう一人のクマ|真実が欲しいなら、簡単な事だ。 お前たちが“真実”と思えばいいだけさ… もう一人のクマ|そうしてまた、自分を更なる苦難に晒すか… 理解に苦しむな… もう一人のクマ|では、1つ真実を教えてやろう… もう一人のクマ|…お前たちは、ココで死ぬ。 もう一人のクマ|知ろうとしたが故に、何も知り得ぬままな… 花村 陽介|くそ…クマ抜きで、 こんなのと、どうやって戦えば… 久慈川 りせ|…大丈夫。 構えて。 里中 千枝|ちょ…まさか、その体で一緒に戦う気!? 久慈川 りせ|平気…私は多分、倒れてるその子の 代わりが出来るから…! 久慈川 りせ|今度は、私が助けてあげる! クマ|う…ク…クマ… クマ|な…なんじゃこりゃああ!! クマ|おおお…クマの自慢の毛並みが… おおぉぉぉ… 花村 陽介|…とりあえず、死にそうではないな。 クマ|う…ク…クマ… 巽 完二|おいクマ、死んでねえか!? クマ|な…なんじゃこりゃああ!! クマ|おおお…クマの自慢の毛並みが… おおぉぉぉ… 花村 陽介|…とりあえず、死にそうではないな。 里中 千枝|けど、まさかクマ君にも、 抑えこんでた心があったなんてね。 天城 雪子|あれは、クマさんの一面なの…? クマ|クマ…クマは、 自分が何者か分からないクマ… クマ|ひょっとしたら、答え無いのかも…なんて、 確かに時々、そんな気もしたクマ… クマ|だけどクマは、今ココにいるクマよ… クマは、ココで生きてるクマよ… |きっと見つかる |もう気にするな |クマは一人じゃない クマ|センセイ… ホントに見つかるクマ…? クマ|…ありがと、センセイ。 クマ|それじゃあクマはもう… 一人で悩まなくても、いいクマか…? 花村 陽介|しゃーねーな、一緒に探してやるよ。 天城 雪子|この世界の事を探っていくうちに、 クマさんの事も、きっと何か分かると思う。 クマ|み、みんな! クマ|クマは…クマは果報者クマ! およよよ… 里中 千枝|これって… 花村 陽介|ペルソナ…? |>支え合う仲間への想いが、 立ち向かう“力”へと変わる… |>クマは、もう一人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“キントキドウジ”を手に入れた! クマ|これ、クマの…ペルソナ? 久慈川 りせ|それ…すごい力、感じるよ… よかったね、クマ… 里中 千枝|わ、大丈夫!? 里中 千枝|そうだよ、イキナリだもん! ゴメン、無理させて…すんごい疲れてたのに… 花村 陽介|とにかく、早く外へ出よう! 天城 雪子|りせちゃん、大丈夫? もうちょっとで外だからね。 久慈川 りせ|私より、クマ… 巽 完二|…お前、大丈夫か? オレら、戻んなきゃなんねえけど… クマ|しばらく一人にして欲しいクマ。 花村 陽介|お、おい… クマ|自慢の毛並みもカサカサだし。 クマ|鼻も利かんで、迷惑をお掛けしてるし… クマ|毛が生え変わるまで、 トレーニングにハゲしく励むクマ! クマ|誰も、オラを止めることは出来ね! クマ|あ、ソーレ! 花村 陽介|きゅ、急にどしたんだよ… クマ|話しかけないでほしいクマ! クマ|あ、ソーレ! ふんっ! ふんっ! クマ|あ、ソーレ! ふんっ! ふんっ! 巽 完二|そっとしといてやろうぜ… 巽 完二|男には、一人で越えなきゃなんねえ時が、 あるもんなんだよ… 里中 千枝|そんなハイブローな話…? 天城 雪子|じゃあ、りせちゃんは、 私と千枝で送って行くね。 花村 陽介|とにかく、今はゆっくり休ませなきゃな。 話はその後でいい。 里中 千枝|じゃあ、クマくん、 えと…がんばってね! クマ|華麗に復活するまで、 しばーし、待ってて欲しいクマ! |じゃあ、行くよ |がんばれよ クマ|…前にも言ったけど、センセイの力には、 どこか特別なものを感じるクマよ。 クマ|きっとクマにもクマだけの役目がある… センセイといると、そんな気がするクマ。 クマ|だから、それ探すために、 強くなるクマ! クマーッ! |>クマは燃える瞳で見つめてくる… クマ|あ、ソーレ! ふんっ! ふんっ! |>そっとしておこう… |>とにかく、 りせは無事に救出する事ができた。 |>まずはりせの回復を待とう。 |>謎は深まっている… |>事件の新たな手がかりを 得ることは出来るのだろうか… 堂島 菜々子|かえってきた。 足立 透|ああホラ堂島さん、前、危ないですよ。 堂島 遼太郎|いって! 堂島 遼太郎|…ったく、誰だ! こんなとこに段作ったヤツぁ。 足立 透|大工ですよ。 てか家にツッコんでないで、ほらっ。 堂島 遼太郎|おーおー、帰ったぞー。 菜々子ただいま、ただいまな。 堂島 菜々子|お、おかえり… 足立 透|ああ菜々子ちゃん、悪いんだけど、 布団敷いてきてくれるかな。 足立 透|ふー、やれやれ… いくらなんでも飲みすぎだよ、ハハ。 堂島 遼太郎|これが…ヒック! 飲まないで…やってられるかってんだ! 堂島 遼太郎|ったく、あのガキ偉そうに… 堂島 遼太郎|こっちぁな…こっちぁ、オメーらがランドセル だった時分から…このショーバイやってんだ! 足立 透|実は、県警から“特別捜査協力員”ってのが 送り込まれて来たんだよ。 足立 透|いやほら、4月からの連続殺人に、 あんまり進展が無いからさ…はは。 足立 透|いやほら、4月からの連続殺人に、 あんまり進展が無いからさ…はは。 足立 透|会ってビックリ、君くらいの子供なんだよ! 頭はやたら切れるって話だけど… 堂島 遼太郎|ただのガキだろ、あんなの。 役に立つワケねーよ、ヒック。 堂島 遼太郎|やれ推理、推理、推理…ケッ。 堂島 遼太郎|エースだかなんだか知らんが、ガキの遊びに 付き合わされる身にも、なりやがれってんだ… 堂島 遼太郎|バカにしやがって…ヒック。 足立 透|…その彼、“難事件を解く力になれれば 報酬は要らない”なんて言っちゃっててさ。 足立 透|おかげで上がすっかり気に入っちゃって、 僕らも断れなくて… 堂島 遼太郎|足立ッ! 足立 透|ああスンマセン! また自分、なんか言っちゃいました…? 堂島 遼太郎|ったく、楽しそうにペラペラ喋りやがって。 堂島 遼太郎|元はと言や、オメェがあの“のぞき男”を 早合点で引っ張ってきたからだろうが! 足立 透|あ、いや、はは… 堂島 遼太郎|それと、お前! 堂島 遼太郎|お前も悪ィんだぞ…何かと現場ぁ チョロチョロしやがって…ヒック。 |>叱られてしまった… 堂島 菜々子|おふとん、しいた。 足立 透|ほら堂島さん、立ってください。 菜々子ちゃん布団敷いてくれましたよ! 堂島 遼太郎|んー…ぷふー… 堂島 菜々子|…おさけくさいね。 |>0時だ… |>霧が出ている… |>マヨナカテレビには、 誰も映らない。 |>りせを救出したことで、 犯人の今回の犯行を阻止できたようだ… |>夜が更けてきた… |>霧が出ている… |>遠くからサイレンが聞こえる… |>何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>千枝からだ。 里中 千枝|あのさ… 里中 千枝|死体、上がったって… 里中 千枝|死んだの…やっぱり、 りせちゃんだった… 里中 千枝|あたしたち、助けられなかった… |>強烈な目眩がする… |>サイレンが遠くから聞こえてくる… |>…何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>千枝からだ。 里中 千枝|た、た、たいへん! 里中 千枝|商店街のはずれで、 し、死体が見つかったって! 里中 千枝|ね、なんで!? だって、あたしたち… 里中 千枝|とにかく、ジュネスで待ってるから、 急いで来て! |>電話は切れた。 |>りせは助けたはずだ… |>…とにかく、ジュネスへ急ごう。 里中 千枝|あっ、こっち! 里中 千枝|今、花村が現場見に行ってる。 たぶん、もうそろそろ… 花村 陽介|ハァ…やっぱ、殺人だ。 花村 陽介|死体、アパートの屋上の手摺りに、 逆さにぶら下がってたって… 天城 雪子|そんな… そんな事って… 花村 陽介|それよか、大変なんだよ!! 花村 陽介|殺されたの… 花村 陽介|“モロキン”だ。 里中 千枝|モ、モロキン…!? 巽 完二|モロキンって、あのモロキンか!? 先輩らの担任の… 里中 千枝|な、なんで…!? 里中 千枝|なにそれ!? 花村 陽介|知らねーよ! けど、見たヤツが居たんだ! 花村 陽介|間違い、ねーよ… 巽 完二|んだよコレ…狙われんのは、 テレビ出た奴じゃねえのかよ。 巽 完二|夜中の番組も、普通のニュースも、 モロキン出てるとこなんて見た事ねえぞ!? 花村 陽介|くそ…どうしてこんな事に… 里中 千枝|色々、分かったような気してたけど… 結局、全部ただの偶然だったのかな… 天城 雪子|マヨナカテレビも、 本当は関係ないのかな… 花村 陽介|ちっくしょ、ここまできて振り出しかよ!! 花村 陽介|やっぱり…警察も捕まえらんない犯人を 俺らで、なんて…無理だったのか? |諦めるのは早い |前に進むしかない |警察に任せよう 巽 完二|ああ…その通りだぜ、鳴上先輩。 巽 完二|ったりめーだぜ、鳴上先輩! 巽 完二|あ? 何言ってんスか、鳴上先輩! 巽 完二|そもそも、警察にゃ無理だろうって 始めたんじゃねえスか。 巽 完二|オレらが腰砕けんなったら、 犯人は野放しんなっちまう。 巽 完二|泣きゴト言ってる場合じゃねえ… オレらなりのやり方で、前進むしかねんだ。 天城 雪子|完二くん… 花村 陽介|ふん…完二のクセに、生意気だ。 巽 完二|な、何スかソレ! 花村 陽介|ったく…分かってるよ。 花村 陽介|俺らの相手は“殺人犯”なんだ。 それでもみんなで、体張ってやって来た。 花村 陽介|今さら引き下がれねーさ。 花村 陽介|それに…あいつとも、約束したまんまだしな。 里中 千枝|そっか、クマくんなら 何か知ってるかも! 花村 陽介|下向いててもしょうがない。 とにかく、行ってみようぜ! 里中 千枝|あれ、店員さんがいる。 花村 陽介|珍しいな… 花村 陽介|おつかれっす~。 何かあったんスか? |あ、陽介くん。 |ちょうどよかった。 店長から何か聞いてない? |いや、さっきから売り場に 妙な着ぐるみがいるんだけどさぁ… |今日、何かのキャンペーンだっけ? 花村 陽介|着ぐるみ…? |“熊田”さんとか言うらしいんだけど… |まあ、いっか、客もいないし… そろそろ持ち場、戻んないとな。 花村 陽介|熊田…? 里中 千枝|う、うわ、居る!! クマ|おおーう。 なかなか、ツボにクるクマねー。 花村 陽介|お、おまっ…何でココに… クマ|やっと、来たクマなー。 待ってたクマ。 天城 雪子|クマさん、出ちゃっていいの!? 巽 完二|つか、出れるんかよ!? クマ|そりゃ出口あるから出れるクマよ。 クマ|今までは、出るって発想が無かっただけクマ。 クマ|でもみんなと一緒にいたら、 こっち側に興味がムックリ出たクマよ。 クマ|初体験していいものか迷ったけど、 考えるより先に体が動いてしまったクマ。 クマ|でも考えてみたら行くトコ無いし、 戻るのも勿体無いし、ここで待ってたクマ。 クマ|でも考えてみたら行くトコ無いし、 戻るのも勿体無いし、ここで待ってたクマ。 里中 千枝|“熊田”、ね… 天城 雪子|そうだ、訊きたい事あるの! 天城 雪子|クマさん、いつからここに? 向こう側に、誰か来なかった? クマ|こっちの霧晴れるまで中に居たけど、 誰も来なかったよ? 花村 陽介|ホントか? ほんとに誰の気配も無かったか? クマ|居なかったっちゅーとるでしょ! 相変わらず、クマだけでした。 花村 陽介|鼻が詰まってたとかじゃないんだな? クマ|しっつこいクマね! マジに独りよ!? だから来たって言ったでしょーが! クマ|まー、信じてくれないなら、いいですけど。 ボク、前から探知能力、落ち目ですしね… |信じるよ |信じられない クマ|センセイは優しさで出来てるクマな… 里中 千枝|確かに、昨日のマヨナカテレビには 何も映んなかったしなぁ。 クマ|今日のセンセイはクールガイなのね… 里中 千枝|んー、でも、昨日のマヨナカテレビには 確かに何も映んなかったからなぁ。 里中 千枝|て言うか…よく考えたらさ。 クマくんが何も感じてない訳でしょ? 里中 千枝|それって…モロキン、 “あっち側”に入らなかったって事…? 花村 陽介|んー…どうなってんだ? クマ|ねえねえ、クマどっか行きたいクマ! 巽 完二|あ…? 今それどころじゃ… てか、帰る気無しかよ。 巽 完二|ハァ…どっかって、例えば何処いらだ? クマ|これをリセチャンに渡すクマよ。 クマからのフォーユーって。 |>クマからメガネを受け取った。 クマ|これからはきっと、リセチャンが クマたちをバックアップしてくれるクマ! クマ|でもって、クマはこれから、 みんなと一緒に全開バリバリで戦うクマ! クマ|クマを今までのような、 ただのプリチーグマとは思わないで頂こう! クマ|戦ってよし、守ってよし、笑顔もよしの “クマ・スペック2”! 参上クマ! クマ|今ここに、新たなクマ伝説が 幕を開けるのだー!! 天城 雪子|伝説…おおー。 |>…クマが前線メンバーとして 仲間に加わった! |>この事件の真相解明の為に、 心強い戦力になってくれそうだ! 花村 陽介|やばい、人目引いてる… クマお前、のびのび騒ぎ過ぎなんだよ! 花村 陽介|と、とにかく、移動だ! 花村 陽介|もう一回しつこく確かめるけどさ。 花村 陽介|あっちの世界の霧が晴れた時まで、 中にはお前だけだったんだな? クマ|そう言ってるクマ。 里中 千枝|マヨナカテレビにも映ってなかった… 巽 完二|どういう事っスか? 花村 陽介|分かんねー… 花村 陽介|けど、どうやらモロキンは、そもそもテレビに 入れられてない…それだけは確かみたいだ。 里中 千枝|なら、こっちで殺されたって事? 里中 千枝|なんで犯人、モロキンだけ テレビに入れなかったんだろ? |入れようとして失敗した |入れる気は無かった |わからない 花村 陽介|失敗か… 花村 陽介|確かに、これだけ次々やってりゃ、 無い話じゃないけどな… 花村 陽介|入れる気がなかった…? 花村 陽介|始めから別扱いって事か? なんでだ? 花村 陽介|だよな… なんで、モロキンだけ… 天城 雪子|ひょっとして…もうテレビに入れても 殺せない…って思ったとか。 天城 雪子|だって私たち、続けて三人も助けた訳でしょ? 里中 千枝|あー、なるほど… ありそう、それ! 巽 完二|んで、今度こそしくじらねえように、 いよいよ外で殺りやがったって事か。 巽 完二|クソ…もしそうなら、 もう犯人押さえねえと防ぎようねえぞ!? 里中 千枝|手掛かり要るよね… 里中 千枝|りせちゃん、そろそろ話聞けないかな。 花村 陽介|そうだな…それに期待するしかねーや。 クマ|ハァ~、それにしても暑っクマー。 クマ|…取ろ。 花村 陽介|取るって、まさか“頭”か? 天城 雪子|でも、元通りになって良かった。 毛もフサフサね。 巽 完二|さ、触っていいか…? クマ|ダメックマ。 クマ|てゆーか、ふふーん。 クマもうカラッポじゃないクマよ。 クマ|チエチャンとユキチャン逆ナンせねばって、 復活頑張って、中身のあるクマになったクマ! 里中 千枝|はいはいエラい、よくやった。 天城 雪子|もう! 逆ナン、いつまで引っ張る気? 花村 陽介|だいたい、中カラッポなのに、 頭開けたって暑さ関係ねーだろ。 クマ|だから、カラッポじゃないってーの! クマ|あーっち。 もう、限界クマ… 花村 陽介|やめろよ、子供見てんだろ! 花村 陽介|ったく…中身カラッポで動いてるとか、 トラウマ残るっての…気ィ遣えよ。 クマ|ねぇ、チエチャン、ユキチャン。 里中 千枝|は、はい…? クマ|着る物とか、無いかな? ボク、生まれたままの姿だから… 里中 千枝|ほ、ほんとに…クマくん? 天城 雪子|ええと… 里中 千枝|てか、生まれたままとか言った!? 里中 千枝|や、ここで全開とかダメだから! 里中 千枝|着る物だよね? い、行こう、とにかく… 巽 完二|アイツが…クマ? 巽 完二|カラッポじゃなくなったって… 中に“ニンゲン”生えてきたってのか? 花村 陽介|どんだけあり得ない生きモンだよ… 花村 陽介|つかアイツ、ホント何なんだ…? 花村 陽介|ハァ…ま、そうか。 別に、今に始まった事じゃないか… 花村 陽介|考えてみれば、こっち出歩かれんなら、 クマのまんまよりマシかもな… 花村 陽介|て言うか、そうだ。 りせの話聞こうって流れじゃなかった? 花村 陽介|ビックリし過ぎて逸れちまったよ… 花村 陽介|俺たちで、先にりせんとこ行こーぜ。 クマは…まあ二人もついてるし、大丈夫だろ。 |>服を着替えて 商店街に向かうことにした… 巽 完二|ん~。 “ホームランバー”の季節っスねー。 花村 陽介|さっきから何本食ってんだよ。 腹壊すぞ… 里中 千枝|ハァッ、ごめん、遅くなった… 花村 陽介|ったく、クマきちの服なんか 別に何でもいーだろ? 花村 陽介|のぁ…! ク…クマか、お前? クマ|イッエース、ザッツライト。 イカガデスカ? |見違えた |ガッカリした |ブリリアント 花村 陽介|信じられん… 誰ですか一体… 巽 完二|てか、丸ごと脱いじまうってのは… なんつんだ、その…“負け”だろ。 巽 完二|つまりナンだ… “ふさふさ”の、手触りが… 巽 完二|…あーも、いいって! こっち見んな! 里中 千枝|や…合わせなくていいって。 里中 千枝|あたしもビックリだけどさー。 間違いなくあのクマくんだから。 里中 千枝|てか、性格まんまでまいったよ… 見るモン全部新鮮らしくて、もう大騒ぎでさ。 里中 千枝|女性モノのフロアじゃ、 コーフンしてワケ分かんない事叫ぶし… 里中 千枝|あんた、以後このカッコん時は、 本能のままにはっちゃけたらダメだからね? 天城 雪子|でも、仕方ないよね。 ほんとに初めてなんだもんね? 里中 千枝|ハァ…わかったよ、 そこまでヘコまなくていいから。 里中 千枝|別に許さないとか言ってないでしょ。 クマ|よかった! 嫌われたのかと思って、 ドキドキしちゃった。 里中 千枝|ふふ、まったく…大人しくしてりゃ、 見た目はカワイイのに。 花村 陽介|カワイイ…か? お前、どう思うよ、完二? 巽 完二|あ? 何でオレに訊くんスか。 花村 陽介|いや、お前の“好み”かなと思ってさ。 巽 完二|ああ…なるほどね。 巽 完二|つまりアレだ… 殺されてぇっつー事スね? 天城 雪子|ぷっ…ぶふッ。 巽 完二|笑うとこじゃねっスよ、天城先輩… 天城 雪子|ご、ごめ…むぶふっ… 里中 千枝|雪子こうなるとダメだから、 許してあげなよ。 クマ|あーぉ、キミたち! ボクのために争わないでよ、ベイビー? 巽 完二|るせーッ! てめ、ケンカ売ってんのか!? 天城 雪子|あははははは! 花村 陽介|ったく、しゃーないな。 |>陽介は千円札を完二に渡した。 花村 陽介|完二、これで好きなだけアイス買って、 クマと分けろ。 花村 陽介|俺たち、ちょっと豆腐屋行って来るから。 ここで大人しくしてろよ。 クマ|ワーオ、リッチマン! 巽 完二|そんな、イキナリもらえねっスよ! 花村 陽介|リニューアルしたクマきちの、 歓迎ってとこだ。 花村 陽介|その代わり騒ぐなよ。 里中 千枝|お~、どーしたの花村、 急に“先輩”じゃん。 里中 千枝|そっか、口じゃ色々言っても、 ほんとはクマくんにも優しんだ。 里中 千枝|よかった、花村がオトナで。 オトナは細かい事気にしないよね。 花村 陽介|何だよ… 何かあんな、その言い方? 里中 千枝|クマくんの服さ、持ち合わせで足りない分、 花村のツケで買ったから。 花村 陽介|ツケ? 花村 陽介|はぁ!? ツケ!? 何だそれ、聞いてねーぞ!? 里中 千枝|お金無いんだからしょーがないじゃん! ジュネスのくせに、服高いし! 花村 陽介|ツケって、マジでツケたの? 花村 陽介|どどどーしてくれんだ! 俺がバイク 買おうって貯金してんの知ってるだろ!? 里中 千枝|やめなって、買うだけムダだから。 花村 陽介|何いぃ!? クマ|オーケー、ベイベ。 ボクのためにケンカは… 花村 陽介|だぁーってろ! つか、お前のせいだろーが!! 花村 陽介|くっそ~… 花村 陽介|いいかクマ… それ、大事に大事に大事に着ろよ。 花村 陽介|イタズラして破いたら、次からは お前の脱いだ“クマ皮”で仕立てるからな! 巽 完二|おいクマ、しょげてんな。 巽 完二|“ホームランバー”食い行くぞ。 天城 雪子|先、行こう。 千枝たち…長そうだから。 白鐘 直斗|おや…やっぱり来ましたね。 天城 雪子|あなた、確か… 白鐘 直斗|今度は、久慈川りせを懐柔ですか? 花村 陽介|ったく…店員の方もツケで売んなってん… 花村 陽介|あれ、こいつ… 確か、完二ん時の… 白鐘 直斗|あれ以来になりますか。 そう言えば、まだ名乗っていませんでしたね。 白鐘 直斗|僕は白鐘直斗。 例の連続殺人について調べています。 白鐘 直斗|ひとつ、意見を聞かせてください。 白鐘 直斗|被害者の諸岡金四郎さん… 皆さんの通う学校の先生ですよね。 里中 千枝|そ、それが何? 白鐘 直斗|第二の被害者と同じ学校の人間…世間じゃ 専らそればかりですが、そこは重要じゃない。 白鐘 直斗|もっと重要な点が、おかしいんですよ… 白鐘 直斗|この人… “テレビ報道された人”じゃないんです。 白鐘 直斗|どういう事でしょうね? 花村 陽介|しっ…知るかよ、そんな事。 白鐘 直斗|まあいいです。 白鐘 直斗|とにかく… 僕は事件を一刻も早く解決したい。 白鐘 直斗|皆さんの事、注目していますよ。 白鐘 直斗|それじゃ、いずれまた。 花村 陽介|何なんだ、あいつ… 里中 千枝|なんか、何でも見透かされてる感じ… て言うか、テレビの事気づいてたし。 久慈川 りせ|あ…いらっしゃい。 天城 雪子|りせちゃん! 天城 雪子|体…もう大丈夫なの? 花村 陽介|そっか、良かった… 久慈川 りせ|それを確かめに来たの? 花村 陽介|あ、まあね… 久慈川 りせ|そうだ…今、少し時間いい? 久慈川 りせ|話さなきゃって思ってた。 久慈川 りせ|来て。 お店番、今日はお婆ちゃんだから。 花村 陽介|え…あ、うん。 |>辰姫神社 境内… 久慈川 りせ|うん、家に居た事は覚えてるんだけど… 久慈川 りせ|気が付いたら、もう“向こうの世界”だった。 里中 千枝|またしても、犯人については 手がかり無し、か… 花村 陽介|さっき、白鐘って妙なヤツに 会ったんだけど… 久慈川 りせ|あぁ…何度も来てるの。 事件のこと、色々訊かれた。 久慈川 りせ|でも“向こうの世界”の事は話してない。 ムダだと思ったし。 久慈川 りせ|あなたたちの事も訊かれたけど、 適当に言っといた。 久慈川 りせ|“ジュネスの屋上で気を失ってた所を 助けてもらった…”とかね。 花村 陽介|まあ、他に言い方も無いよな。 久慈川 りせ|あの…その… 里中 千枝|…ん? どしたん? 久慈川 りせ|あの… 久慈川 りせ|助けてもらっちゃって… 久慈川 りせ|…ありがとね! 嬉しかった! 里中 千枝|えっ…あはは。 いーって、そんなの! 花村 陽介|やば、カワイイ… 花村 陽介|あー、今やっとホンモンって実感した。 確かに“りせちー”だ。 久慈川 りせ|その…最近の私、疲れてて少し暗かったから、 嫌かなと思って… 久慈川 りせ|喋り方…へん? 久慈川 りせ|あ、でも、世間的には今の感じの方が、 私の“普通”なのかな… 久慈川 りせ|ごめんなさい、私…どの辺が“地”だか、 自分でもよく分かんなくなってて… 里中 千枝|はは、そんな、謝る事? いいじゃん、その時々で。 天城 雪子|無理に決めなくても、 誰だって色んな顔があると思う。 里中 千枝|あはは、雪子が言うと説得力あるわ。 天城 雪子|えっ…そ、そう? 久慈川 りせ|ありがとう。 久慈川 りせ|ふふ、よかった。 最初に知り合ったのが、先輩たちで。 里中 千枝|そうだ、アレ渡さなきゃ。 クマメガネ。 里中 千枝|あ、渡さなきゃって言うか、 えっと… |>りせが仲間になってくれた時のための メガネを、クマから預かっている。 |>だが、なんと言って渡そう… 久慈川 りせ|先輩…私がいないと、困る? 久慈川 りせ|私、あの世界で、 みんなを助けられるんでしょ? 久慈川 りせ|あの“力”で。 久慈川 りせ|なら、私が仲間になった方がいいでしょ? |>りせにメガネを渡した。 花村 陽介|それ、一応、仲間の証っていうか… |>りせにメガネの効果を説明した。 久慈川 りせ|そっか…先輩たち、 “向こう”でかけてたよね、メガネ。 久慈川 りせ|ありがと、先輩。 これで仲間、だよね。 |>久慈川りせが仲間に加わった! |>この事件の真相解明の為に、 心強い戦力になってくれそうだ! 久慈川 りせ|私、明日から、八十神高校に通うの。 同じ学校。 久慈川 りせ|でも私、まだ友達いないから、 仲良くしてよ。 久慈川 りせ|それに、恩人だし… |宜しく |任せろ |まあ、そう言うなら 久慈川 りせ|こちらこそ宜しく、先輩。 久慈川 りせ|先輩、そんなカッコいい台詞 出ちゃう人なんだ…ちょっと意外。 久慈川 りせ|あ、ひどい。 私これでもアイドルなのにー。 花村 陽介|けど、こんな時期に転入って大変だな。 花村 陽介|事件とか、モロキンとか… それにテストもすぐだし。 花村 陽介|ハァ、テストなぁ…自分で言ってヘコんだぜ。 中止んなったりしねーかな… 里中 千枝|やるんじゃない? テストだけはさ… 久慈川 りせ|ふふ、大変って。 怪物相手に死にかけた事に比べたら、そんなの。 花村 陽介|さてと…なら事件の事は、 明日改めて“特捜本部”で相談だな。 巽 完二|うーす、調子どうスか? 巽 完二|てかクマのやつ、 “ホームランバー”5本も食いやがって… 巽 完二|ま、オレはその前のも入れると6本だから、 勝ったけどな。 花村 陽介|誰も聞いてねーよ… 久慈川 りせ|て言うか、話終わったから。 久慈川 りせ|行きましょ、先輩ッ! 巽 完二|お前… なんか、前とキャラ変わってねえか? 久慈川 りせ|あなたも先輩たちと同じハチ高生? 明日から、私もだから、よろしくね。 巽 完二|あ? ああ、そう…スか。 巽 完二|あーと…学年は? 天城 雪子|…ぷぷっ。 花村 陽介|んで、クマはどうした、クマは。 巽 完二|向こうで“5本目”食ってるっスよ。 でもあいつ、どうすんスか、これから? 花村 陽介|仕方ねぇ… 俺が連れて帰るか… |こんばんは、“ニュースアイ”です。 まずはヘッドラインから。 |稲羽市で起きていた連続殺人事件。 ついに、三人目の犠牲者です。 |2件目から三ヶ月が過ぎ、終息との見方も あっただけに、地元は衝撃を受けています。 |殺されたのは地元高校の教師で、遺体の状況が 前2件と酷似しており… |>テレビにモロキンの写真が出ている。 |>やはり、本当に被害に遭ったようだ… 堂島 菜々子|どーしたの? 堂島 菜々子|お兄ちゃんの、しってる人? 堂島 菜々子|…しんじゃったの? |>菜々子は怯えているようだ… |大丈夫 |すぐ捕まる |自分がついてる |>菜々子をなだめた… 堂島 菜々子|へーきだよ… |>菜々子は少し安心したようだ。 |小西早紀さんの事件から、2件続けて、同じ 学校の関係者が被害に遭った事になります。 |被害者の諸岡さんは厳しい指導方針で知られ、 度々生徒との摩擦を抱えていたという事です。 |警察では、今回の事件が犯人特定への大きな 手掛かりになると見て、明日から大規模な捜査 を行う事にしています。 |では、現場から中継でお伝えします… |>ニュースはいつになく 盛り上がっている… 堂島 菜々子|お父さん、今日もかえんないね。 |>また、手品でもやってみようか… |>右手の指が… |>左手に移動した! 堂島 菜々子|あれっ!? もう一回やって、もう一回! |>今度は左手の指が… |>右手に移動した! 堂島 菜々子|うごいた! 堂島 菜々子|ね、どーやんの! どーやんのー! |>菜々子は元気になったようだ… |>菜々子を寝かせ、 自分も寝ることにした… イゴール|いかがでございましょう… イゴール|“謎”の解決に、徐々に近づいて おられますかな…? |近づいている |近づいていない |分からない イゴール|大変結構。 イゴール|なるほど… イゴール|しかし、まだ残された時間は長い… ご自分の歩幅で歩まれるが宜しいでしょう。 イゴール|確かに、かかる霧は深いですからな… マーガレット|季節は移ろい…それでもなおお客様は、 未だ未来を閉ざされる事なくいらっしゃる… マーガレット|道は、いずれ開けてゆく事でしょう。 イゴール|実は今宵お呼び立てしましたのは、それに向け、 新たな力添えをさせて頂く為でございます。 イゴール|ペルソナの“合体”… 使いこなしていらっしゃいますかな? イゴール|私が力添えを致しますのは、新たなる “上位の合体”… イゴール|“4身以上のペルソナ合体” についてでございます。 イゴール|貴方ならば、必ずや、より良い力とする事が お出来になりましょう… |>新たな種類の合体が可能になった! イゴール|さて…道のりも、やがて佳境… イゴール|しかしそれ故に、予想だにせぬ事が、 幾つも待ち構えておりましょう。 イゴール|面白くなって参りますな…フフ。 イゴール|では、再びお目にかかります時まで …ごきげんよう。 |>夢の中… |>ここは… イゴール|ようこそ。 イゴール|ずいぶんと久しいですな… |>ベルベットルームへ招かれたようだ… イゴール|ご心配めさるな。 現実の貴方は眠りについていらっしゃる… イゴール|私が夢の中にて、 お呼び立てしたのでございます。 |>教室中がざわついている… |な、モロキンの話ってマジ? |テレビでやってたし、 間違いないっしょ。 柏木 典子|おっはよぉ。 柏木 典子|今日から貴方たちの担任になった、 柏木典子でぇす。 柏木 典子|知ってると思うけど、 諸岡先生が亡くなられたので… 柏木 典子|私が代わりに、あなたたちのお相手を することになったわけぇ、うふふ… 柏木 典子|はぁい、じゃあ、まず、 諸岡センセに黙祷をささげまぁす。 柏木 典子|はぁい、じゃ目を閉じてぇ… 柏木 典子|はい、もういいわよぉ。 柏木 典子|諸岡先生に恥ずかしくないよう、 張り切っていくわ。 柏木 典子|来週の定期試験も、ちゃぁんとあります。 柏木 典子|“こういう時こそ、スケジュール通りに 仕切らないとね、典ちゃん”って、校長がね。 柏木 典子|うっふふ。 あなたたちも大変よねぇ。 柏木 典子|でも、オトナになってくって、そういう事よぉ。 |果てしなくうぜぇ… |モロキンから柏木って… どんな濃い味のコンボだよ… 柏木 典子|それとぉ、一応、言っとくけどぉ。 柏木 典子|1年に、例のアイドル… クジカワさん…だっけ? 入ったけどぉ。 柏木 典子|テレビで見るのと、ぜ~んぜん違うから、 がっかりしないようにねー…うふ。 柏木 典子|な~にがアイドルよ…ねぇ? ただのシリの青いガキじゃないの。 |>柏木先生の話は続いている… |んだよアイツ…対抗意識ってコト? |どう考えても、りせちーの勝ちだろ… てか柏木、地味に40過ぎって噂ホントか? |>クラスメイトの噂話が聞こえる… |りせちーの入学、モロキン生きてたら ケッコ喜んだかもなぁ。 |こないだ本屋で、りせの写真集買ってんの、 見たヤツいるって話だし… |微妙にムッツリっぽいなそれ… |けど…ムカツク奴だったけど、 殺されたって思うと、けっこ可哀想かもな… |あ、そういやさ、知ってる? りせちーのストリップ番組の話。 |はぁ? ストリップ? んなの出たら、マスコミ大騒ぎだろ。 |マジなんだって! …けど結局、脱ぐ前に 電波ヘンになって、見れなくなってさ… |ほら、噂の“マヨナカテレビ”だよ。 |お前バカじゃね? あんなん信じてんの? |どーせ、寝ぼけてただけだって… 里中 千枝|“マヨナカテレビ”広まってきてるね… 花村 陽介|早いとこ、解決しないとな… 花村 陽介|とにかく、今日集まろうぜ。 放課後空けとけよ。 里中 千枝|あー…来週もう期末かぁ… 里中 千枝|赤、久々にくるな、コレ… 花村 陽介|しょっちゅうだろ。 里中 千枝|う、うっさいな! 花村に見せた事無いっしょ! 天城 雪子|けど千枝は、赤の課目以外は いっつも平均点以上だよね。 里中 千枝|そ、そこ! フォローになってないから!! メリハリよ、メリハリ!! 久慈川 りせ|あはは。 里中 千枝|り、りせちゃんまで… 久慈川 りせ|ふふ、違うの、ごめんなさい。 里中 千枝|きっかけが事件なんかじゃなきゃ、 もっと良かったんだけどね。 花村 陽介|てかそう、事件の話だけど、 今回のモロキンの件…どう思う? 花村 陽介|夜中の番組に、全然映んなかっただろ? クマ|もしテレビの中に入ったなら、 クマが分かるはずだよ。 クマ|前より鼻、利かなくなってきてるけど、 それくらいは間違えないクマよ。 里中 千枝|けど、死体見つかったの、 また霧の日だったんでしょ? 里中 千枝|現場の様子も、山野アナや小西先輩と 同じだったって、ニュースで言ってたし。 天城 雪子|犯人の動機…ほんと、何なのかな… どうして諸岡先生が狙われたんだろう。 巽 完二|恨みってんなら、モロキン恨んでるヤツなんざ、 数え切れねえ。 久慈川 りせ|でも確か、テレビで話題になった人が 狙われるんじゃなかった? 久慈川 りせ|テレビ見て狙い決めてるなら、被害者と面識 無い犯人ってイメージだけど。 久慈川 りせ|そういうタイプは、動機なんて考えても 意味なさそう。 久慈川 りせ|会った事も無いのに意味分かんない理由で 恨んでくる人、世の中にはいっぱい居るし。 里中 千枝|あ~…りせちゃんが言うと、 そういうの、リアルだね… 里中 千枝|けどモロキンの場合、マヨナカテレビだけじゃ なくて、普通のテレビにも出てなかったしな… 巽 完二|しっかし、ウチの高校から続けて二人か… 巽 完二|警察、ウチの人間に目星つけて、 目ぇ光らしてんだろうな… 花村 陽介|俺、白状するとさ… 花村 陽介|正直、心のどこかで、モロキンのヤツが 犯人かもって…思ってた事あんだ。 花村 陽介|ウチから二人目って言うけど、 実際はもっとだろ? 花村 陽介|それにあいつ、“死んで当然”とか 何度も言ってた事あったしな… 花村 陽介|けど… 疑って悪かったなって… 花村 陽介|ムカつくヤツだったけど、 こんな死に方、あり得ないだろ… 花村 陽介|モロキンだけじゃねえ… 可哀想っつーか…なんつーか… 花村 陽介|とにかく犯人、許せねえよ…! 里中 千枝|モロキンのためにも、 あたしたちに出来る事、やるしかないよ! 里中 千枝|こうなると、ウチの学校になんか関係 あるってのが、今んとこ有力でしょ!? 里中 千枝|なら、あたし達で手分けして… |その必要はありません。 巽 完二|オ、オメェ… 白鐘 直斗|諸岡さんについての調査は、 もう必要ありません。 里中 千枝|な、なんでよ? 白鐘 直斗|容疑者が固まったようです。 ここからは警察に任せるべきでしょう。 花村 陽介|なんで…んな事、お前が… 白鐘 直斗|僕が、県警本部の要請で来ている、 “特別捜査協力員の探偵”だからです。 花村 陽介|なんだそりゃ!? 里中 千枝|容疑者固まったって…誰なのッ!? 白鐘 直斗|僕も名前は教えてもらっていません。 白鐘 直斗|容疑者…高校生の“少年”ですから。 白鐘 直斗|メディアにはまだ伏せられていますが、 皆さんの学校の生徒じゃないようです。 白鐘 直斗|ただ、今回の容疑者手配には、 よほど確信があるみたいですね… 白鐘 直斗|今までの事件と、問題の少年との関連が、 周囲の証言ではっきりしているそうです。 白鐘 直斗|逮捕は時間の問題かも知れません。 白鐘 直斗|無事解決となれば、またここも、 元通り、ひなびた田舎町に戻りますね。 花村 陽介|容疑者は…高校生… 花村 陽介|そうか… …で、お前は何しに来たんだ? 花村 陽介|伏せられてるんだろ? なんでわざわざ知らせに来た? 白鐘 直斗|皆さんの“遊び”も、 間もなく終わりになるかも知れない… 白鐘 直斗|それだけは、伝えておいた方がいいと 思ったので。 |遊びのつもりはない |終わった方がいい |わざわざ、どうも 白鐘 直斗|…関わった事は否定しないんですか? 白鐘 直斗|まあ、いいでしょう。 僕もこれ以上、どうこう言う気はありません。 久慈川 りせ|遊び…? 久慈川 りせ|遊びはそっちじゃないの? 白鐘 直斗|…!? 久慈川 りせ|探偵だか何だか知らないけど、 あなたは、ただ謎を解いてるだけでしょ? 久慈川 りせ|私たちの何を分かってるの? …そっちの方が、全然遊びよ。 花村 陽介|こっちゃ、大事な人、殺されてんだ… 遊びで出来るかよ… 花村 陽介|それに… 花村 陽介|約束もしてるしな… クマ|ヨヨヨースケ… 白鐘 直斗|遊び…か。 白鐘 直斗|確かに、そうかも知れませんね… 里中 千枝|な…なによ、急に物分かりいいじゃん… 花村 陽介|そっか、容疑者固まったのに、な~んで こんなトコぶらぶらしてんだと思ったら… 花村 陽介|容疑者わかったらお払い箱なのか? んで、寂しくて来てみたとか? 白鐘 直斗|探偵は元々、逮捕には関わりませんよ。 それに、事件に対して特別な感情もありません。 白鐘 直斗|ただ… 白鐘 直斗|…必要な時にしか興味を持たれない というのは…確かに寂しい事ですね。 白鐘 直斗|もう、慣れましたけど… 白鐘 直斗|謎の多い事件でしたが、 意外とあっけない幕切れでしたね… 白鐘 直斗|…じゃ、もう行きます。 里中 千枝|何なの…言いたいことだけ言って… 里中 千枝|容疑者、挙がったって… ほんとにこのまま解決なのかな? 花村 陽介|ハァ…さぁな。 |>…今日は解散する事にした。 久慈川 りせ|私…新しい学校でも、どうせ当分は 友達うまく出来ないって思ってたから… 里中 千枝|んあ~、全っ然分からん! 花村 陽介|終わったー! 花村 陽介|くあー、も、ちょー眠ィ… 里中 千枝|うぁっ、もー! 人の顔見てあくびしないでよ。 里中 千枝|ね、英語の問3、熟語に書き換えのやつは? 天城 雪子|えっと… “used to”にした。 里中 千枝|また間違った… 花村 陽介|里中、一生日本暮らしだな。 和を満喫しろ、和を。 里中 千枝|かーもう、いちいちムカつく! 巽 完二|うーっス… 久慈川 りせ|お疲れさま… 久慈川 りせ|じゃないや、こんにちわ… 花村 陽介|うわっ、ここにも負け組が! 久慈川 りせ|何よ、英語くらい! いざとなったら、 通訳でも何でも付けてもらうもん! 久慈川 りせ|先輩は? |ペンは止まらなかった |結果待ち |何も分からなかった |>良く出来たとアピールした。 久慈川 りせ|さすが、先輩は違うなぁ… |>大人の言い方でごまかした。 久慈川 りせ|うわー、なんか余裕? 久慈川 りせ|…何の余裕? |>堂々と結果を伝えた。 久慈川 りせ|ドンマイ、先輩! 巽 完二|も、いースよ、テストの話は… 巽 完二|それより、事件の方どうなってんスか? 花村 陽介|そうだな。 久々に“特捜本部”に行っとくか。 |>久しぶりにフードコートで 集まる事にした。 里中 千枝|なんかちょっと、気が抜けたね… 里中 千枝|や、テスト終わった事もだけど、 ほら…容疑者固まったってやつ。 里中 千枝|何て言うか…あたし達しか解決出来ないんだ、 みたいに気負ってたからさ… 花村 陽介|まだ分かんねーよ。 逮捕された訳じゃねえ。 巽 完二|情報待ち…ってとこスかね。 足立 透|ったく、容疑者上がったのはいいけど、 どこ行ったんだか… 足立 透|こっちはもう、クタクタだっての… 足立 透|おわっと!? き、君たち、聞いてた? 足立 透|…あ、あはは! 事件はもう解決に向かってるから! 足立 透|犯人が捕まるの、時間の問題だから、 安心したまえ、うん。 足立 透|無差別に人をさらって殺人、なんて、 絶対許されないからさ! キバってるよ? 足立 透|も、もう行かないと! 花村 陽介|なぁんか、頼りになんねーな… 花村 陽介|けど、さすがに警察で手配中じゃ、 俺たちの出る幕は無いか… 巽 完二|そっスね… 久慈川 りせ|そ、そうだ。 テストで分かんないとこあったんだけど。 久慈川 りせ|“銀鏡反応に使われ、40%溶液がホルマリン として知られる、化学式HCHOとは何か?” …だっけな。 久慈川 りせ|でさ、“HCHO”って、何? |ギ酸 |アスコルビン酸 |ホルムアルデヒド 久慈川 りせ|そうなんだ、私“酢酸”にしちゃった。 …って、そっか、お酢なワケ無いよね。 久慈川 りせ|ね、完二もこの問題、出たでしょ? 巽 完二|うっせー。 つか完二って呼ぶな。 久慈川 りせ|完二、私には冷たくない? 先輩たちには鼻血出してんのに。 巽 完二|は、鼻血って、 オメっ、それどっから…! 里中 千枝|まっ、まあまあ! 里中 千枝|ほら、りせちゃん。 勉強なら雪子に訊いたら? 久慈川 りせ|え、だってせっかくなら、 異性の先輩に訊きたいでしょ? 久慈川 りせ|先輩、私のこと…迷惑ですか? 里中 千枝|す、すげー… 里中 千枝|うわ、この子ナニゲに危険…? 里中 千枝|わ、話題、変えない? 里中 千枝|あ、そういえばクマくんって、 どうしてんのかな? 花村 陽介|あ、そっか。 それの連絡すんの忘れてた。 花村 陽介|ほれ、あそこ。 |>クマだ… 花村 陽介|住み込みで働かせる事にしました。 マスコット。 巽 完二|あー、むしろ着せたんスね。 逆転の発想だ。 巽 完二|てかアイツ… 幸せそうでいいなぁ… 花村 陽介|あっちに帰んのイヤって言うから、 しょーがなくな。 花村 陽介|…ヒマだからからかってくッかな。 里中 千枝|あー、あたしもいく! 巽 完二|ふ…ふかふかに… 触って、いっスかね? 久慈川 りせ|ね、先輩。 久慈川 りせ|学校も慣れてきたし、これからはもっと色々、 遊びに行きたいなって思ってるの。 久慈川 りせ|でね、私ほら、やたら人に知られてて 一人じゃ不安だし… 久慈川 りせ|それに先輩、色んな事知ってそうだし… |よし、遊ぼう |ヒマな時なら… |確かに知ってる 久慈川 りせ|ホント? やった! |>りせから屈託のない好意を感じる… |>りせとの間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 久慈川 りせ|時間空いた時は、りせの事思い出してね。 久慈川 りせ|じゃ、クマイジりに行きましょ。 久慈川 りせ|クーマー。 おーい! |…特集です。 |稲羽市で連続している、逆さにぶら下がった 状態で遺体が見つかるという異様な殺人事件。 |三人目の犠牲者が出て以降、捜査の進展は、 未だ発表されていません。 |番組では、これまでの流れを、 事件映像を元にまとめました…ご覧下さい。 |>容疑者の少年に関する情報は、 流れていないようだ… 堂島 菜々子|ハンニン、つかまらないの? |心配するな |すぐに捕まる |菜々子は自分が守る 堂島 菜々子|…うん。 堂島 菜々子|…うん。 お父さん、がんばってるもんね。 堂島 菜々子|うん。 やくそくだよ? |>解決されない事件に菜々子は不安のようだ… |>今日は雨だ… |>テレビに何か映るかも知れない… |>…映った! |>非常に鮮明な映像だ!! |>壁を背にして、少年が立っている… 久保 美津雄|みんな、僕のこと見てるつもりなんだろ? みんな、僕のこと知ってるつもりなんだろ? 久保 美津雄|それなら、捕まえてごらんよ。 |>今映っていたのは… |>陽介からだ。 花村 陽介|おい、見たか!? 花村 陽介|今の誰だ? 俺、知らねえよ… ニュースや特番で見かけたか? 花村 陽介|なんかゾンビみたいに テンション低かったけど… |CE(V273001_0008)> ヨースケ! ヨースーケー! 花村 陽介|…っと、あー分かったうるせーな! 悪ィ、クマに代わるわ。 クマ|センセー! クマクマー! クマ|初めて噂の“マヨナカテレビ”見たクマよー。 クマ|やっぱこれ、さっきの子の抑圧してるキモチに、 あっちの世界が共鳴して起きてる現象クマね。 クマ|誰かがサツエイしてるとかじゃないって、 これでハッキリスッキリしたクマ。 クマ|だけど、さっきの子… 多分もうあっちの世界に入ってるクマ! クマ|だけど、さっきの子… 多分もうあっちの世界に入ってるクマ! |すぐに行こう |まずは作戦会議だ クマ|さっすがセンセイ、頼れるぅ! |>クマからの厚い信頼を感じる… 花村 陽介|クマ、代われ、いいかげん! 花村 陽介|おい、もう“入ってる”ってどういう事だ!? いつもは事前に、ボンヤリしたのが映るだろ? 花村 陽介|てか、あいつが言ってた台詞…聞いたか? 花村 陽介|“捕まえてごらん”って… 花村 陽介|そういや、見た目“少年”だったよな… なあ、もしかしてあいつ… 花村 陽介|…いや、結論を急ぎすぎだな。 明日すぐ集まって、みんなで話そう! |>千枝からだ。 里中 千枝|あ、やっと掛かった! 花村もずっと電話中で… 里中 千枝|雪子とも、さっき話してたの! あれってさ… |>陽介やクマとの話を伝えた。 里中 千枝|…うん、突き止めるしかないよね! 明日すぐ集合しよう! |>…今日は早めに休む事にした。 クマ|クマ、胸きゅんしたクマ。 花村 陽介|よし、りせとクマが“あっち”を探ってる間、 俺たちはここで作戦会議だ。 花村 陽介|んで、昨日のだけど…みんな、見たよな? 巽 完二|見てて根暗が感染りそうだったぜ。 巽 完二|死んだ魚みてえな眼でボソボソ挑発しやがって。 一等ムカつくぜ、クソが。 巽 完二|何なんスか、アイツ? |被害者 |犯人 |分からない 花村 陽介|確かに、普通にその線もアリなんだけど… 天城 雪子|いきなりはっきり顔まで映ったから、 いつもと違うなって思って、千枝に電話して… 天城 雪子|それで話してた時に、ふっとよぎったの。 あの子…“犯人”なんじゃないかって。 花村 陽介|ああ。 実は俺も、それ考えてたんだ。 天城 雪子|やっぱり、そう思った? 花村 陽介|んー…実は、どっかで見たような気は してんだけどなぁ… 天城 雪子|昨日は、いきなりはっきり顔まで映ったから、 いつもと違うなって思って、千枝に電話して… 天城 雪子|それで話しながら、ふっと思ったの。 あの子…“犯人”なんじゃないかって。 里中 千枝|ただの勘っちゃ勘なんだけど、 繋がるんだよね。 花村 陽介|話じゃ容疑者は“高校生の少年”… モロキンの件で、足がついて指名手配。 花村 陽介|そんなタイミングで、昨日のテレビだ。 花村 陽介|そんなタイミングで、昨日のテレビだ。 巽 完二|あーと… …そんで? 花村 陽介|例えば、だ。 男子高校生のA君がいます。 花村 陽介|A君は、何かの拍子で “あの世界”に入れるようになりました。 花村 陽介|A君は何かの動機から、命を奪う目的で 人を次々とテレビに放り込みました。 花村 陽介|別の世界なんて警察には証明できない… それは絶対足のつかない最高の手口でした。 花村 陽介|ところがある時から、テレビに入れても 人が死ななくなってしまいました。 花村 陽介|仕方ないのでモロキンの時だけはテレビを 使わず自分で殺しましたが、足がつきました。 花村 陽介|指名手配されたA君には、 逃げ場がありません… 巽 完二|あ…もしかして、逃げ込むために 自分から“あっち”へ行ったって事スか? 巽 完二|あー…それで“捕まえてごらん”ってか… あーあー、先輩、意外と頭いっスね! 花村 陽介|ムカつくなお前。 天城 雪子|テレビに映った人を狙った理由は、 まだよく分からないけど… 天城 雪子|もしかしたら、諸岡先生にだけは 本当に恨みがあったのかも。 天城 雪子|だって、足がつくのを覚悟してまで 実行したわけでしょ? 天城 雪子|諸岡先生の時だけテレビが無関係なのも、 そう考えれば、一応分かるって言うか… 天城 雪子|ただ、あの子…逃げ込んだ後は、 どうするつもりなんだろう… 天城 雪子|クマさんがここに居るって事は、 あの子、出られないんじゃ… 里中 千枝|まさか…ヤケんなって、 じ、自殺…しちゃう気とか…? 里中 千枝|そう言えば、メチャ暗かったし… 花村 陽介|いや、そんなんじゃないな。 花村 陽介|犯人は、テレビに入れた人間が こっちへ戻って来てるのを知ってるはずだ。 花村 陽介|天城や完二はともかく、“芸能人のりせ”が 死んでない事を掴んでない訳はないだろ。 花村 陽介|天城や完二はともかく、“芸能人のりせ”が 死んでない事を掴んでない訳はないだろ。 花村 陽介|とにかく、ここまできたら 全部、本人に訊くしかないだろ。 里中 千枝|お、ナイスタイミング! どうだった? 久慈川 りせ|ダメ。 情報少なすぎて足取り掴めない。 久慈川 りせ|中に誰か居るのは 間違いないんだけど… 花村 陽介|そうか… …って、クマは? 久慈川 りせ|まだ張り切って捜してる。 花村 陽介|なら、俺たちは アイツが誰なのかを確かめよう。 花村 陽介|アイツが何処の誰なのか…警察に追われてる 容疑者ってのとホントに同一人物なのか… 花村 陽介|それさえ分かれば、 後はいつも通りやるだけってこった。 里中 千枝|そうだね! 里中 千枝|もし、あの子が本当に犯人で、あっちの世界に 行ってたら、警察もう手出しできないし。 巽 完二|つまり、オレらがやるっきゃねえって事だな! |>事件解決に向けて、 みんなの心がひとつになった! 里中 千枝|じゃあ、みんなで情報、集めよう! |>奥に進むためには あの少年の情報が必要なようだ。 |>誰かに話を聞いてみよう… |>入手した“久保美津雄の写真”を みんなに見せた。 花村 陽介|間違いねえ… やっぱ、マヨナカテレビに映ってた奴だ! 花村 陽介|てことは、今テレビの中にいるのは、 “犯人”… 久慈川 りせ|この子…ウチの店に来たことある… 久慈川 りせ|偵察してた…って事…? 久慈川 りせ|やだ…ホント…狙われてたんだ… 巽 完二|クソがッ! なめやがって! 里中 千枝|この子、どっかで… んー… 里中 千枝|分かった、アイツだ!! 里中 千枝|ほら雪子、あん時の!! 天城 雪子|あん時…? 里中 千枝|4月の、ホラ! いきなり告ってきたじゃん! 花村 陽介|あー! あいつか! 校門前でいきなり天城に告って、フラれた奴! 花村 陽介|すげーな、里中。 あれっきりの事、よく覚えてたな! 里中 千枝|違うの、声かけて来たのは初めてだったけど、 そう言やアイツよく居た、雪子の周りに。 天城 雪子|えーと…ごめん、誰? 花村 陽介|校門前でさ、いっきなり“雪子”って! 天城 雪子|あーー… 天城 雪子|あー…そうだっけ? 里中 千枝|てかコイツ、フラれた腹いせで 雪子を狙ったって事!? 天城 雪子|別に、フッてないけど… 久慈川 りせ|この子、お豆腐売ってる私に話しかけてきて、 “暴走族、困るでしょ?”って… 久慈川 りせ|“暴走族は群れないと何にも出来ない”とか、 確か、延々悪口言ってた気がする… 久慈川 りせ|なんかこう“一人で喋っちゃう系のアレな人” …って通じるかな。 久慈川 りせ|あしらい方慣れてたけど、 色々で疲れてたから無視してたの。 久慈川 りせ|私…それでさらわれたのかな…? 巽 完二|あ…? や、オレ、ゾクじゃねえっつの! 巽 完二|ハァ… あのクソ特番のトバッチリかよ… 里中 千枝|山野アナの不倫の事も、 色々言ってたらしいよ。 里中 千枝|“浮気なんかする女は死刑にしろ”とか。 花村 陽介|おーおー、揃ってきたな、色々。 花村 陽介|とにかく、あとは直接 本人に聞くしかないな。 花村 陽介|方角、分かるか? 久慈川 りせ|うん…やってみる。 久慈川 りせ|居た…見つけたよ! 久慈川 りせ|あっち。 里中 千枝|おっしゃ、行こう! 里中 千枝|つーいにタイホだね… あたしたちで、絶対犯人捕まえよ! 里中 千枝|何コレ…ゲーム? 花村 陽介|捕まえてみろ…ってくらいだから、 いわゆる“ゲーム感覚”って事か? 里中 千枝|ムッカつく! 顔面クツ跡の刑にしてやる! 里中 千枝|行こ! |ゲームスタート! |目指せエンディング! |行こう 花村 陽介|男はみんな、ゲーム好き。 クマ|女はみんな、クマが好き。 |>久保美津雄の居場所が見つかった。 |>後は本人の元へ辿りつくだけだ… |>充分な準備をして、必ずやり遂げよう… 里中 千枝|やぁーっと見つけたっ!! あそこ! 巽 完二|テメェが久保か! 野郎、歯ぁ食いしばれッ!! 花村 陽介|待て、完二! …なんか様子がおかしい! 久保 美津雄|どいつもこいつも、気に食わないんだよ… だからやったんだ、このオレが! 久保 美津雄|どうだ、何とか言えよ!! 久保 美津雄|たった二人じゃ誰も俺を見ようとしない。 だから三人目をやってやった! 久保 美津雄|オレが、殺してやったんだっ!! 久保 美津雄|な、何で黙ってんだよ… もう一人の美津雄|何も…感じないから… 久保 美津雄|なに言ってんだ!? 意味分かんねーよテメェ!! 里中 千枝|な、なによ…? どっちがシャドウ? もう一人の美津雄|僕には…何も無い… 僕は、無だ… もう一人の美津雄|そして… 君は、僕だ… 久保 美津雄|なんだよ…なんだよ、それッ! オレは、オレは無なんかじゃ… 天城 雪子|いけない、このままじゃ…! 久保 美津雄|な、何だお前ら!? どうやってここへ… 久保 美津雄|くっそ、誰なんだよ! こんなとこで何やってんだよ!? 巽 完二|るせえ! テメェを追って来たに決まってんだろが! 里中 千枝|アンタが…犯人なの? 久保 美津雄|はは… 久保 美津雄|あはははははは!! 久保 美津雄|そうだよ、決まってんだろ! オレが全部やったんだよ!! 久保 美津雄|ニセモノが何言おうが知るかよ! ははは、そうだ、お前なんか関係ない! 久保 美津雄|オレの前から消え失せろッ! 久保 美津雄|お前らもだ… こんな所まで追いかけて来やがって! 久保 美津雄|お前らも殺してやる! まとめて殺してやる! 久保 美津雄|オレは出来る… オレは、出来るんだからな! もう一人の美津雄|認めないんだね、僕を… 久保 美津雄|うっ…なんだ、これ… 久保 美津雄|うわあぁぁっ!! 花村 陽介|くそっ…結局こうなんのかよッ! 久慈川 りせ|みんな、頑張って! 久慈川 りせ|コイツ倒せば、事件解決は目の前よ! 久保 美津雄|うぁ… 花村 陽介|気がついたか? ったく、手間かけさせやがって。 久保 美津雄|なんだ…これ… 久保 美津雄|お前ら… 久保 美津雄|お、お前ら…一体、何なんだよ!? |捕まえに来た |助けに来た |話を聞きに来た 久保 美津雄|オ…オレを…? 久保 美津雄|オレの…話…? 花村 陽介|警察がお前を追ってる。 花村 陽介|モロキン殺しの犯人… それから、前の2件もお前だろうってな。 花村 陽介|…お前が、全ての事件の犯人なのか? 久保 美津雄|すべての、じけん… 久保 美津雄|すべて、オレ… 久保 美津雄|あ、ははは… そうだよ、オレだよ! 巽 完二|ちっくしょ…こんなクソ野郎にッ! 久保 美津雄|諸岡の野郎だけじゃない… 頭悪そうな女子アナも、小西とかいう女も! 久保 美津雄|全部オレがやったんだよ! オレが、全部だ!! 久慈川 りせ|消えた!? 里中 千枝|…どういうこと? 久保 美津雄|は、ははは…消えた… 化け物め、消えやがった… 久保 美津雄|ざまあみろ、チクショウ… 久保 美津雄|ううっ… 巽 完二|お、おい! 久慈川 りせ|かなり消耗してる… とにかく、早くこっから出さないと! 久保 美津雄|ここ…は… 花村 陽介|ジュネスだ。 久保 美津雄|なんで…んな、トコ… なんなんだ…お前ら… 久保 美津雄|や、やめろ… なんで、テレビが…ううっ… 里中 千枝|ちょ、ちょっと… クマ|色々あって混乱してるみたいだね。 けど、聞きたい事、山ほどあるクマ。 クマ|まず、どうしてこんな事をしたクマ!? さっさとハキハキ答えんしゃい! 久保 美津雄|はは…なんだお前… 着ぐるみか、それ…? 久保 美津雄|はは、バカじゃねーの… キモイ、ぜ… クマ|キ、キモイ!? うがーーっ! 花村 陽介|ちょっと下がってろ、余計混乱する。 花村 陽介|で…本当にお前がやったのかよ。 久保 美津雄|しつけえんだよ… 何度も、そう…言ってんだろ… 久慈川 りせ|なんでこんな事したの? 里中 千枝|人を三人も殺そうなんて… 久保 美津雄|ハ、ハ、ハハ… 久保 美津雄|ハハハハハハハッ… 久保 美津雄|町の騒ぎ、見たろ? 久保 美津雄|大騒ぎだ…オレがやってやったんだ! 全部! 一人でな…! 花村 陽介|目立ちたかったって事なのか…? 天城 雪子|私や他の人を狙ったのは、どうして? どうやってさらったの? 久保 美津雄|はぁ…はぁ… 久保 美津雄|んだよ…見た事あんなと、思ったら… ハハ、お前、雪子じゃん… 久保 美津雄|今更、オレと話したい…とか… はは…ありえねえよ…今更… 天城 雪子|答えて! 私のこと、恨んでたならそれでいい。 天城 雪子|けど、他の人はどうしてなの!? 久保 美津雄|は…はは、笑える… すげ、必死になってんの… 久保 美津雄|誰だって、よかったんだよ… どいつもこいつも…むかつくヤツばっかだ… 花村 陽介|誰でもいい…? 花村 陽介|ほんとに…そんな事で選んでたのかよ… 花村 陽介|こんなヤツに… こんなヤツに先輩がッ!! 巽 完二|てめえ…覚悟ぁ出来てんだろうな? 久保 美津雄|くく…なに? オレを殺そうっての? 天城 雪子|か、完二くん!? 巽 完二|殺すだ…? クソが…思い上がんじゃねえ。 てめえはとり返しがつかねえ事をしたんだよ。 巽 完二|キッチリ償って、落とし前付けやがれ。 巽 完二|くたばっていいのは、てめえのした事が どんだけ重いか…骨身で分かった後だ! 花村 陽介|何でだよ…ちくしょ… んでこんな、くだらねえヤツに… 巽 完二|…警察。 花村 陽介|え? 巽 完二|何、ボサっとしてんだよ!? こういう時の110番じゃねえスか! 花村 陽介|あ、ああ… そうだな… 里中 千枝|花村… |現実の世界だ |町のジュネスだ |見てわからないか? |事件の犯人はお前だな? |本当にお前がやったのか? 里中 千枝|足立さん、嬉しそうだったね… 花村 陽介|まあ、これで…俺らの役目も 終わりって事かな… 里中 千枝|けどさ…“目立ちたいだけ”なんて… あんまりだよ… 里中 千枝|あ、や、意味があればいいって事じゃ なくて… 花村 陽介|分かってるよ…心配すんな。 久慈川 りせ|終わったね、全部… 後は、警察に任せよう? クマ|これでクマの世界も平和クマねー。 天城 雪子|うん、良かったね。 天城 雪子|本当…色んな事あったけど… クマ|逆ナンとかね。 天城 雪子|だから…! どこまで粘着なの… 巽 完二|え、あ…逆ナン!? 天城 雪子|い…いいの、知らなくて。 天城 雪子|完二くんも、サウナの事忘れて欲しいでしょ? 巽 完二|う、そ、それは… 久慈川 りせ|何かズルい… 私もみんなの見たかった! 花村 陽介|そっか、俺らだけか、全員分見たの。 里中 千枝|ね、花村のって、どんなんだった? そろそろ時効でしょ、教えてよー。 |カッコ悪かった |よく覚えてない |同じようなもの 花村 陽介|ま、まーまー、いいじゃん! 花村 陽介|って、そう言えばお前ん時、 何も無かったんだよな。 久慈川 りせ|へ~…え、ホントかなぁ? やっぱり先輩はトクベツな人? クマ|さっすがセンセイ。 巽 完二|けど…“リーダー”って呼ぶの、 考えてみりゃ、しまいなんスかね… 里中 千枝|そっか… なんか、ちょっと寂しいね。 久慈川 りせ|ねえ、打ち上げしよう? 久慈川 りせ|ドラマの撮影とかだと、必ずやるよ? 楽しいし、終わったーって実感できると思う。 里中 千枝|あー、打ち上げね! いいかも! いっちょ、パーっとやっとく? クマ|はいはいはーい! クマ、ユキチャンのお家行きたい! クマ|宴会、お座敷、温泉、浴衣! ゲイシャ、フジヤマ、ウハウハ! 巽 完二|そっか、先輩んち、温泉旅館か… 巽 完二|あ、天城先輩も、入ってる…温泉? 花村 陽介|口に出すなって、ヘンタイっぽいから… 天城 雪子|た、楽しそうだけど、 今日はちょっと無理かな… 里中 千枝|あー、夏休みでシーズン中だもんね。 お部屋一杯か。 クマ|ダメクマか… 天城 雪子|今度ね。 約束。 花村 陽介|あ、じゃあさ、 代わりにお前んちとか、どうよ。 花村 陽介|あーでも、叔父さんに“何の打ち上げ?”って 訊かれたら、やり辛いか…? |問題ない |よし、来い!@勇気 |菜々子がいるけどいい? 花村 陽介|んじゃ、決まり。 菜々子ちゃんも入れてさ。 久慈川 りせ|うん、行っちゃいます! 花村 陽介|一緒でいいじゃん。 てか、遊んであげようぜ? 里中 千枝|そっか、叔父さん刑事さんなら、 今日とか帰れないかもね… 里中 千枝|菜々子ちゃん、お腹空かせてないかな。 天城 雪子|じゃあ、みんなで何か作るのはどう? 久慈川 りせ|へー、先輩たち、お料理得意なの? 里中 千枝|ま、まあ…それなりに? 花村 陽介|なにを言っているんだ… この人たちは… 花村 陽介|林間学校ん時の記憶を、 何処へ置いてきたんだよ! 里中 千枝|あ、あの時は、 たまたまだって言ったでしょ! 天城 雪子|そうだよ、材料を少し間違っただけ! 花村 陽介|たのむよ、やめろって… これ以上、心に傷を負わせないでくれ… 久慈川 りせ|ね、私も料理、得意だよ! 久慈川 りせ|先輩に、作ってあげたいな。 クマ|じゃじゃーん。 クマ、いいこと思いつきました! クマ|料理対決でモッキュモキュ~の巻! みたいなぁー! 花村 陽介|つか、料理対決だ? ますます嫌な予感すんな… 里中 千枝|お、お、面白そうじゃん。 久慈川 りせ|えぇー、私が勝っちゃうけど、 イベントの絵的に、それでいいの? 花村 陽介|頼む、お前も作れ、鳴上。 花村 陽介|お前に一筋の希望を感じる。 里中 千枝|じゃあ、キミが男子代表、 菜々子ちゃんが審査員ってことで! 巽 完二|オレも味見役なら出来るぜ! クマ|クマも味見役なら出来るぜ! クマ|たいへん、おいしゅうござました、 って言うんでしょ? 里中 千枝|ぬおお! 燃えて来たぜぇ!! 里中 千枝|よぉっし! 早速下の食品売り場へ出発じゃー! |>ジュネス 食料品売り場… |>料理対決に関して、 菜々子に電話をしておくことにした。 堂島 菜々子|はい、ドウジマです。 …あ、お兄ちゃん。 堂島 菜々子|うん、きょうもおそいって。 堂島 菜々子|え…ごはん? お兄ちゃんたちが? 里中 千枝|菜々子ちゃんに、 何が食べたいか訊いて! 堂島 菜々子|たべたいもの? 堂島 菜々子|えーと…なんでもいい。 天城 雪子|遠慮してるんだよ。 もっと訊いてみて。 堂島 菜々子|えっと、うーん… 堂島 菜々子|オムライス… 堂島 菜々子|オムライスがいい。 堂島 菜々子|うん、じゃあ待ってる! |>電話を切った。 |>菜々子は楽しみにしているようだ。 花村 陽介|オムライスね。 いいチョイスだ、菜々子ちゃん。 花村 陽介|流石にそんくらい無難なら、 食べられない物体にはならなそーだ。 花村 陽介|…あれ、どうした? 里中 千枝|…べ、別に。 じゃ、食材取って来るから。 花村 陽介|全員オムライスなのに、 なぜ別々の売り場へ散っていくんだ… 花村 陽介|こりゃ、お前に全力で協力しないとな… 花村 陽介|欲しい材料、取って来てやるよ。 言ってみ? |>どんなオムライスにしようか… |これぞ定番、ケチャップ系 |和洋の出会い、ショウユ系 |ハーブたっぷり、プロヴァンス風 |気高い芳香、地中海風 |>陽介に材料を伝えた… |>ひと通りの材料が揃った。 花村 陽介|フォアグラ!? 久慈川 りせ|さっすが見逃さないね、先輩。 久慈川 りせ|スペッシャルなオムライスって言ったら、 極めつけはコレでしょ。 久慈川 りせ|先輩達にも食べさせてあげる。 そだ…アーンしてあげちゃおうかな、ふふ。 久慈川 りせ|前に先輩たち、とても言葉では表せないような ヒドいもの食べさせられたって聞いたから… 花村 陽介|あれは…ひどかった… 久慈川 りせ|かわいそうに… 一体誰が、そんなひどいものを… 里中 千枝|くく久慈川さん? 調子に乗ってられんのも、今の内ですことよ? 天城 雪子|…一撃で仕留める。 巽 完二|おーおー、早速セメント前みたいな 空気んなってるっスねー。 天城 雪子|ちょっと! それお酒!! 巽 完二|は…? あ、やべッ…ハハハ… 里中 千枝|あれ、そういえばクマくんは? クマ|ねえねえお姉さん、 これ、食べていいものなの? |んまぁ、いいのよぉ。 好きなだけ食べちゃって~! クマ|お姉さん、優しいな。 これももう焼けたよね? |うふふっ、こっちも焼けたわよぉ。 |あら、もっと食べたいの? じゃ… こっちの商品も空けちゃおうかしら。 クマ|お姉さん、美人だね… |んまぁ、だ、だめだめ、ダメよ、 あたし息子もいるんだからぁ! クマ|食べてみたいんだ…このお肉。 お姉さんに、焼いて欲しいんだ… |え~、怒られちゃうわぁ~。 無理だってぇ~ん。 花村 陽介|あいつ…シメっぞ… クマ|ほんとだ… “ウチアゲ”すると、実感するや… クマ|事件、ついに終わったんだ… 堂島 菜々子|ねーねー、すごいよね! ホンモノのりせちゃんだよ!? クマ|クマ…そろそろ“あっち”に 帰らないといけないな… 堂島 菜々子|どこかに、帰っちゃうの? クマ|うん…もう約束が済んだからね。 堂島 菜々子|ふうん…やくそくかぁ。 堂島 菜々子|じゃあ、菜々子とやくそくしたら、 帰らなくていいの? クマ|ナナチャンと…約束? 堂島 菜々子|んっと…あそんでもらうやくそく。 だめ? クマ|クマは…センセイたちに、 約束を果たしてもらったよね… クマ|だから、もうアッチに帰らなきゃ… |約束なんか忘れてた |気にしなくていい クマ|で、でも…約束は約束だし… 破ったら、よくないし… |クマがいないと寂しい |菜々子との約束は? |クマ、行くな! クマ|セ…センセイ… クマ|ナナチャンと約束。 遊ぶ約束、確かにした… クマ|クマ、帰らなくて、 ほんとにいいのかな…? クマ|クマの方からじゃなくて、 ナナチャンの方から、約束… クマ|とっても…とってもうれしい… クマ|ありがとう…! クマ|ヨースケ… クマ、新しい約束ができたから… クマ|も、もすこし、ジュネスでお世話になりたい! お願いできますか、お代官! 花村 陽介|はぁ? バッカだな、当たり前だろ? 花村 陽介|勝手に職場放棄すんな。 大体、お前が居なくなったら… 久慈川 りせ|でーきたーっ! はーい、ジャマジャマ、先輩! 花村 陽介|ぬわっ、いてッ!! 久慈川 りせ|どうぞ、召し上がれ! 花村 陽介|ま、まー待て。 花村 陽介|いきなり菜々子ちゃんに食べてもらう ってのは、その…いかがなもんかな。 里中 千枝|こ、こっち見んな! 巽 完二|あー、毒見役ってことスか。 久慈川 りせ|毒見って、ひっどぉーい! 花村 陽介|オレが一番でいいのか? いや実は、ナニゲに期待してんだよ。 花村 陽介|そうじゃなくたって、“りせちー”手作りの 料理食べるとか、普通絶対ない体験だろ。 花村 陽介|じゃ、いただきまーす。 花村 陽介|う… 花村 陽介|こ…これは…菜々子ちゃんには… やれないな… 久慈川 りせ|やっだ、美味しくて独り占め宣言!? |>とりあえず、食べてみようか… |>…辛い! |>辛さと熱さで溶岩のようだ…! |>フォアグラらしい食感など まったく見当たらない… |>だんだん鉄のような味がしてきた… 何故だろう…口の中で鈍痛がする… |>これは、菜々子にはあげられない… 天城 雪子|じゃあ、次、私のね。 巽 完二|味見は、んじゃ、オレっスね。 花村 陽介|お、おい、そんな無防備に… 天城 雪子|ちょ、ちょっと、何か言ってよ。 巽 完二|いや…その… なんつんだ…? 巽 完二|“不毛な味”っていうか… 天城 雪子|不毛!? “不毛”って、味に使わないでしょ!? 天城 雪子|おいしいの!? どうなの!? |>危険物ではないようだ… |>特別な味は、何も感じない… |>いや…味を全く感じない! 素材の味さえも無い… |>どうなっているのだろうか…? 巽 完二|おいしくはないっスね…なんかこう、 “おふ”を生でかじったみてえな… 巽 完二|こんだけ色々入ってて、全く味がしねえって、 ある意味、才能じゃねえスか? 天城 雪子|せ、繊細な味が分からないだけよ! 堂島 菜々子|…おいしいよ? 天城 雪子|な、菜々子ちゃん…! 里中 千枝|じゃ、じゃあ、次はあたしので。 里中 千枝|うー…緊張するなー… けど、絶対、うまいと思う! 今度こそ! クマ|クマがいただきますー。 里中 千枝|ど…どう? クマ|うん、まずい。 クマ|ヨースケたちも食べるクマよ、ほれ。 花村 陽介|自分で“まずい”つっといて、お前… 花村 陽介|あー…なるほど… |>…普通にまずい。 花村 陽介|や、ほら…でもさ、 前のカレーに比べたら格段の進歩じゃん? 里中 千枝|ふ、普通にまずいってのが、一番キツイから… しかも、慰められた… 堂島 菜々子|これも、おいしいよ。 里中 千枝|…菜々子ちゃん! 天城 雪子|あー、ほんとだ… 天城 雪子|ほんとだほんとだ、普通にマズイ、これ! あははははは! 里中 千枝|じゃあ、りせちゃんの食べてみなよ! 絶対あたしのが美味しんだから! 天城 雪子|う…うぼっ… 久慈川 りせ|せ、先輩!? 巽 完二|一撃だ… 花村 陽介|ま…天城や里中のもウマくはなかったけどさ… ブッ倒れはしないかな…ハハ… 久慈川 りせ|こっ…子どもには分からない味なんだもん! 大人の味なんだもん! 久慈川 りせ|先輩たちが、お子様なんだもん… 私、私… 久慈川 りせ|ううぅ…ひっく…うわぁぁん… 堂島 菜々子|ん…! 堂島 菜々子|からいけど、おいしいよ。 久慈川 りせ|菜々子ちゃん…! 久慈川 りせ|ねー、そうだよね! 菜々子ちゃんが一番オトナ! 里中 千枝|うっわ、嘘泣きキタ! 巽 完二|そう言や、先輩も作ってたっスよね? 堂島 菜々子|お兄ちゃんの! いただきまーす。 堂島 菜々子|すっごい、おいしい! 堂島 菜々子|こんなオムライス、はじめてたべた! すごい! おいしい! |>料理は大成功のようだ。 大喜びで食べてくれている! 堂島 菜々子|うん、おいしいよ! |>なかなかの出来だったようだ。 美味しそうに食べてくれている。 堂島 菜々子|…ちょっとしょっぱい。 堂島 菜々子|けど、これもおいしいよ。 |>あまり良い出来ではなかったようだ… |>だが菜々子は食べてくれている。 |>菜々子は、全部食べてくれた… 里中 千枝|菜々子ちゃん、お腹いっぱいになった? 花村 陽介|俺らは減ってるけどな… 里中 千枝|なら食べる? 台所に残ってるよ、 “普通にマズい”のが! 花村 陽介|と、ところでさ、提案があるんだけど。 花村 陽介|今度、お祭りあるだろ、商店街のさ。 あれ、みんなで行かないか? 久慈川 りせ|あ、さんせい! クマ|むほー! ひょっとして浴衣クマか!? 堂島 菜々子|おまつり… 花村 陽介|菜々子ちゃんも一緒にさ。 堂島 菜々子|いっしょに、いーの? |もちろん |菜々子がいいなら 堂島 菜々子|ほんと!? わーい!! 花村 陽介|決まりだな。 巽 完二|出店で買うと、大したモンじゃなくても ウマいんスよね、また。 巽 完二|ふう…今度はまともなモンに ありつけそうだぜ。 |>商店街のお祭りに、 みんなで行く約束をした。 |>犯人は無事に捕まえた。 あとは、警察の捜査を見守ろう… |>お祭りは、8月20日だ。 頭に入れておく事にした。 久慈川 りせ|じゃ私のは、まず花村先輩、食べてみて。 絶対おいしいんだから! |>クマは目をうるませている… |>0時だ… |>霧が出ている… |>マヨナカテレビには、 誰も映らない。 |>久保美津雄は、あの後、 警察でどうなっているのだろうか… |>夜が更けてきた… |>霧が出ている… |>遠くからサイレンが聞こえる… |>何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>陽介からだ。 花村 陽介|騒ぎ…聞いたか? 死体、上がったって… 花村 陽介|久保だったってよ… 花村 陽介|意味、分かんねえ…やっぱ自殺だったのか? それとも… 花村 陽介|お前…どう思う? |>強烈な目眩がする… 花村 陽介|…? おい、どうした…? 足立 透|いっやー、スーゴいっすね! こんだけの大トロ、あんま見ないっすよ! 堂島 遼太郎|祝う時くらい、豪勢にいかないとな。 堂島 菜々子|おいわい? 堂島 遼太郎|あー、ほら、あれだ。 |“相手は誰でも良かった”“ムカついた” “主役になりたかった”などと供述しており… |容疑者の少年は、犯行は認めているものの、 反省の色は全く見られないという事です。 |他にも少年の供述は多くの点で一貫性がなく、 支離滅裂で、精神鑑定が必要との指摘もあり… |警察では、事件の全容解明に向け なお慎重な対応を迫られそうです。 足立 透|実は、立件にこぎつけるの 大変だったんだよ~。 足立 透|証言と状況証拠だけで困ってたんだけどさ。 足立 透|被害者の服から、容疑者の指紋が出て、 やっと立件できたんだよね。 足立 透|や、すごいね科学捜査って! 布から 指紋取れるなんて、普通思わないっしょ? 堂島 遼太郎|もうこんな怖い事は起きないから、 安心しなさい。 堂島 菜々子|うん! 足立 透|にしても、ホントふざけた奴ですよね~。 足立 透|高校生のくせに連続殺人、それも死体 ぶら下げるなんて…発想が大胆すぎますよ~。 足立 透|けど、捕まって良かった~! もうあれこれ疑わなくていいし! 足立 透|このまま野放しになってたらと思うと… 堂島 遼太郎|やーめろ、話長いんだよ足立! ネタが乾いちまうだろーが! 足立 透|あっ、そうすね、すいません! 堂島 遼太郎|ほら、みんな食え食え。 足立 透|じゃ、お言葉に甘えて… 足立 透|あれ、菜々子ちゃん、お寿司嫌いなの? 堂島 菜々子|わさび、入ってる… 堂島 遼太郎|あー、そうかサビ抜き頼むの忘れてたな。 堂島 遼太郎|ほら、じゃワサビ取ってやるから。 どれ食うんだ? ん? 堂島 菜々子|…ひらめ!! 足立 透|しっぶいなー、菜々子ちゃん。 足立 透|じゃあ僕はウニで… 堂島 遼太郎|おま、ウニは1個しか無いだろ! 足立 透|甘いっスよ、早い者勝ちー。 |>久々に、騒がしい夕食だ… 花村 陽介|祭りって、去年はもっと賑わってた 気がすんだけど…事件のせいか? 巽 完二|確かに今年は、人少ねっスね。 ま、あんだけ殺しで騒がれりゃ、仕方ねえか… 巽 完二|マスコミぁ、もう引き上げたみたいっスね。 好き放題かき回して、逃げ足だけは速ぇぜ。 巽 完二|ま、空いてていいじゃねっスか。 それよか、今重要なのは“イカ焼き”っしょ! クマ|おお、イカを食うクマよ! 花村 陽介|あいつら、おっせーなー… わざわざ天城んちで集合って、何してんだ? 巽 完二|待ってりゃそのうち… クマ|わ、あれ、そうじゃない? 里中 千枝|ごっめん、遅くなっちった。 天城 雪子|みんなのお着付けに 手間取っちゃって。 久慈川 りせ|でもこれ、中に巻いちゃうから、 言うほど涼しくないのよね。 堂島 菜々子|歩きにくい… |似合ってる |少しの辛抱だ 堂島 菜々子|…えへへ。 |>菜々子は嬉しそうだ。 堂島 菜々子|うん… クマ|ナナチャン、可愛いーよ! クマさ、ナナチャンにゾッコンラブ。 堂島 菜々子|えへへ、ありがとう。 久慈川 りせ|ね、先輩、私たちの浴衣どう? グッときた? |りせ、似合ってるね |千枝、意外と色っぽい |和装と言えば雪子 久慈川 りせ|お、意外にさらっと言われちゃった。 もしかして…言い慣れてる? 久慈川 りせ|ふふ、でも嬉しい。 |>りせは嬉しそうだ。 里中 千枝|い、意外って言うな! 里中 千枝|もう…恥ずかしいな、何か… |>千枝は照れている。 天城 雪子|そ、そんな。 見慣れてるだけだよ、きっと… |>雪子は少し赤くなっている。 花村 陽介|完二、なにそっぽ向いてんだ? 花村 陽介|まさか…恥ずかしくて見れねーとかか? 小学生かよ… 巽 完二|そ、そんなんじゃねっスよ!! 久慈川 りせ|あはは、完二、かわいー。 堂島 遼太郎|よう…面倒見てもらって、すまんな。 堂島 菜々子|わたあめ、買ってもらった! 堂島 遼太郎|そうか、よーし、 なら次は、俺と射的でもやるか? 堂島 菜々子|うん! するー! 堂島 遼太郎|こっからは菜々子は引き受けよう。 堂島 遼太郎|町が賑わうなんて年に何度も無いからな。 お前らも、楽しめよ。 クマ|うーむ、夏の祭りかぁ… ふーむ、ふむむぅ… クマ|夏祭りの夜、寄り添って歩くふたり… 慣れない浴衣が着崩れて…夏。 里中 千枝|いきなり、何のコピーだよ… クマ|これはもう、いち、いちで、歩く! クマーッ! 天城 雪子|…いち、いち? クマ|クマ思った。 夏で、浴衣で、お祭りでしょ? クマ|異性同士がダンゴ状態でぞろぞろ歩くなんて、 もはや不健康だと思うのね、人として。 クマ|ここは、カップルになって歩くのが 大自然の摂理だね! 巽 完二|きゅ、急に何言い出してんだ、テメー! 久慈川 りせ|はーい、クマに賛成!! 久慈川 りせ|もう、先輩たち…浴衣は何のため? 思い出つくるためでしょ? 久慈川 りせ|じゃ、早速“いち、いち”に 組分けしよ。 里中 千枝|う…この子どんどんスゴい… 里中 千枝|でも、そっか… 思い出か… 天城 雪子|わ、わたしはいいかな。 天城 雪子|あ、今の“いい”は、その… …参加。 里中 千枝|じ、じゃさ、そっちで 適当に組み合わせ考えてよ。 花村 陽介|え、マジ? 俺ら決め? 花村 陽介|わ…わかった。 花村 陽介|男3、女3か…どうすっかな… クマ|え、男3? え、一人抜けてない? 花村 陽介|は? コイツ、俺、完二で、ちゃんと三人だろ。 クマ|ギャースッ!! クマ、ナチュラルにもれてるー! 巽 完二|オ、オレも…参加した方が、いんスかね? 花村 陽介|あー、そっか… お前、まともに相手も見れねえんだよな… 巽 完二|み、見れる、見れるっスよ! んな事くらい、バッチリ耐えてみせっスよ! 花村 陽介|いいや、完二…お前が外れろ。 なんかそれがいい気がしてきた。 巽 完二|のぁッ…信じてくんねんスか!? クマ|ならクマは、お相手決めたゼヨ… 巽 完二|ちょっ、話進めんなコラ! クマ|えっとねー、クマのお相手は、 チエチャンとユキチャンとリセチャン。 花村 陽介|決めてねー! てか、お前が“イチイチ”って言ったんだろが! 巽 完二|クマ公、オレぁ真剣なんだよ…! 余計なチャチャ入れやがると… クマ|そう、カンジ! これは真剣勝負! そしてカンジは、真の漢クマ! クマ|真の漢だったら、こんな盛り場で、 女子とチャラチャラしてる場合じゃないクマ! 巽 完二|お、おう…? 花村 陽介|どんだけ自分を棚上げしてんだよ… クマ|カンジは今、真の漢を貫けるか 試されてるって、そういうことクマーッ! クマ|ふぅ… これで、仲間外れはないクマねー。 巽 完二|そ、そうか… …そうだよな! 巽 完二|ありがとよ、クマ! いい事言うじゃねえか。 巽 完二|なら、オレが抜けるぜ。 花村 陽介|うわ、この人ホントに説得された! クマ|決定ー! クマがみんなと行くよー! 里中 千枝|え、どういう事? クマ|あのね、男の数のが多くて、 仲間外れになる子が出ちゃうから… クマ|クマは、そんなのツライし… 里中 千枝|はは、そうきたかー。 天城 雪子|優しいねクマさん… 久慈川 りせ|えー、せっかく選択権譲ったのにコレ? もう…ちょっとガッカリ。 久慈川 りせ|まいっか…じゃ、行きましょ。 花村 陽介|…負けじゃね? 花村 陽介|俺ら、負けじゃね? 花村 陽介|うおー、なんなんだこの展開!! 久慈川 りせ|ちょっと、クマ!? 久慈川 りせ|なんで他の子のブロマイド選んでんの!? 私のあったでしょ!! 里中 千枝|こ、このクマきち! あたしのネギマ、勝手に食べないでよ! 天城 雪子|あー! クマさんが、浴衣にケチャップつけたー! 花村 陽介|ちょ、おまっ! 里中 千枝|あ、おっはよー。 天城 雪子|おはよう。 里中 千枝|はぁ、夏休み終わっちゃったねー。 花村 陽介|うーす。 来るとき、道間違えたー。 天城 雪子|休み、長かったからね。 里中 千枝|いや、だからって、どうなのそれ… 白鐘 直斗|おはようございます。 花村 陽介|おっま…! えと…“チビッコ探偵”!! 白鐘 直斗|…誰がチビッコですか! 白鐘です。 思いつきで変な名前を付けないで下さい。 天城 雪子|あの…高校だよ、ここ? 白鐘 直斗|警察への協力は終えましたが、事件には、 まだ色々と納得できない点があります。 白鐘 直斗|ちょうど家の方の事情もあるので、 しばらくこちらに留まる事にしました。 白鐘 直斗|今日からここの1年生です。 白鐘 直斗|一応、皆さんに挨拶しておこうと思って。 白鐘 直斗|宜しくお願いします、先輩がた。 里中 千枝|…先輩がた? 里中 千枝|あの探偵クンが…後輩? 花村 陽介|学校、やっぱカッタリーよなぁ。 花村 陽介|事件も無事解決しちまったし、 急に日常がスカスカんなったって言うか… 里中 千枝|解決したのはいい事じゃんよ。 花村 陽介|や、悪いとは言ってないけどさ。 天城 雪子|ねえ、今日もジュネス寄って帰るんでしょ? なら、直斗くんも誘ってみない? 天城 雪子|あ、ううん、なんか気になったって だけなんだけど… 花村 陽介|あいつ、確かこの事件の協力のためだけに こっち来たんだっけ? 花村 陽介|なるほど… “事件終わればただの人”か… 花村 陽介|それに、考えてみりゃ転校生か。 …俺らと一緒だな。 久慈川 りせ|こんちわ、先輩! 花村 陽介|今んなって越して来たの、 実は意地みたいなもんかもな。 花村 陽介|ただ調子ん乗ってる奴って訳でも ないみたいだ。 花村 陽介|うっし、誘おうぜ、白鐘。 里中 千枝|芸能人ってのもすごいけど、 “探偵”ってのもたいがいレアだよね。 里中 千枝|家どんな風なの、とか、ちょっと興味ある。 天城 雪子|何より、あの歳でっていうのが 不思議だよね。 花村 陽介|お、噂をすればチビッコ。 |この辺、よく知らないでしょぉ? 案内してあげるって~。 |遊ぶとことかぁ、地元のウチらじゃないと 分かんない事多いと思うしぃ。 白鐘 直斗|必要ないから。 白鐘 直斗|興味無いんです。 遊び場にも、君たちにも。 |はぁ? ちょ、何言ってんの!? |親切にしてやってんじゃん! なによ、その態度!? 花村 陽介|あーあーったく… 折角モテてんのに、あいつ… 花村 陽介|よーう、白鐘くん。 元気かね? |あ、えっと… 巽 完二|う、うーっス。 何してんスか。 |あ、じゃぁ、私らこれで… 白鐘 直斗|また会いましたね。 僕に用でも? 里中 千枝|ね、直斗くん、帰りヒマなら、 あたし達と一緒にどっか寄ってかない? 白鐘 直斗|僕と…一緒に? 白鐘 直斗|…今度にします。 色々考え事もありますし。 久慈川 りせ|考え事? 白鐘 直斗|それに、今日は早く帰らないと。 おじいちゃんに、そう言ったので。 巽 完二|おじい…ちゃん… 里中 千枝|まあ…じゃ、しょうがないか。 また今度ね。 花村 陽介|ったく、直斗のあの態度… 明らかにデビューしくじってるだろ… 花村 陽介|だいじょーぶなのかよ、学校生活? 天城 雪子|確かに変わった子だけど、でも何か、こう… 不思議な魅力みたいの、あるよね。 花村 陽介|うっそ、天城って、 ああいう年下がタイプ? 天城 雪子|いや、そういう意味じゃなくて… 里中 千枝|直斗くん、考え事あるって言ってたけど、 事件のことだよね。 花村 陽介|名探偵的にはスッキリしてないんだろ。 …もう解決したってのにさ。 里中 千枝|そう…だけど… 里中 千枝|ここももう“特捜本部”じゃないワケか… 里中 千枝|…んじゃなんか、別の話ししよっか。 花村 陽介|そーいや、じき修学旅行じゃね? 花村 陽介|えっと…行き先どこだっけな… 天城 雪子|辰巳ポートアイランド。 天城 雪子|海に面してる人工島なんだって。 かなり大都会。 久慈川 りせ|え、ポートアイランド? 久慈川 りせ|私よく、ロケで行ったよ? ムーンライトブリッジの先んとこでしょ? 久慈川 りせ|あの辺なら、結構遊べるとこ多いはず。 里中 千枝|いや、それがさぁ、聞いとくれよ… 今回の旅行…遊んでる余裕、無いかも。 里中 千枝|今年から、観光中心の修学旅行は、 見直すんだって。 里中 千枝|地方と都会の…何とかの触れ合いが…とかで、 向こうの私立の高校と交流会すんだって。 里中 千枝|だいぶ勉強メインで、マジメらしいよ? 久慈川 りせ|うは…空気読まないにも程があるソレ。 花村 陽介|私立の学校って、どんなトコよ。 里中 千枝|なんか、すーごい立派な高校らしいよ? 校舎もキレイで。 里中 千枝|あたしら行く日、向こうは休校日なのに、 返上で頑張ってくれちゃうみたい。 里中 千枝|で、2日目の自由行動では、 工場とか見学して、3日目には帰る。 花村 陽介|ほぼ社会科見学じゃねーか! 花村 陽介|うへ…聞かなきゃよかった… 巽 完二|ガッコの仕切る旅行なんざ、んなもんっしょ。 巽 完二|ま、オレらも一緒だし、 ダレたら適当にどっか抜け出すって事で。 久慈川 りせ|私、先輩たちの事案内してあげる! 花村 陽介|一緒にって、学年違うから… 天城 雪子|あれ、知らない? 今年から修学旅行、 林間学校と同じなんだよ。1、2年合同。 天城 雪子|生徒数が減ってて、予算も少ないし、 2年に1回にするって聞いたけど。 巽 完二|先輩ら居んなら、退屈しないで済みそうだぜ。 久慈川 りせ|私、お仕事抜きでポートアイランドとか、 どんくらいぶりだろ…ふふ、すごい楽しみ! 花村 陽介|いいなぁ、脳がポジティブで… なんか、メンドクセー事も多そうじゃん? 里中 千枝|この案、不評も出たらしいんだけど、 企画立案、バーイ“モロキン”なんだってさ。 里中 千枝|アイツらしいと言うか… 花村 陽介|うおお…モロキン… 死してなお俺らを縛るのか… クマ|うおお…モロキン… 巽 完二|知らねえだろ、お前は。 クマ|ねえねえ、今の旅行の話、 もっとクマに教えるがいいと思うな。 クマ|“ポートアイランド”とはどこぞね? 何があるの? 花村 陽介|いいから働けよ、お前は… 里中 千枝|けど修学旅行、じきって言っても、 まだそんなすぐじゃないよね。 里中 千枝|それまで何しよ… 巽 完二|まー、ヒマは今に始まったことじゃ ないっスけどね… 巽 完二|所詮は人なんてのぁ、一生ヒマの潰し方を 考えるだけの生き物なんスよ… 里中 千枝|…いい事言ったみたいな空気、出してっけどさ。 里中 千枝|意味まったく分かんないから。 巽 完二|…す、すんません。 天城 雪子|…ぶふっ。 巽 完二|はよざーす、先輩。 花村 陽介|うーす。 花村 陽介|そうだ、お前、旅行の仕度とかしたか? こいつ、さっきからその話ばっかでさ。 巽 完二|花村先輩、全然してねんスよ。 明日だっけ、とかつって、あり得ねえだろ。 花村 陽介|お前がハシャギ過ぎだっての。 “おっとっと”何箱持ってくとか、細けえよ。 花村 陽介|たかだか2泊3日じゃん。 コンビニ行けば何でもあんだよ、向こうは。 巽 完二|マジっスか!? オレあんま、ココ出たことねーし… 巽 完二|つーか、こっちの事件って… 向こうでも、騒がれてんスかね。 巽 完二|オレらが捕まえた“久保美津雄”っスよ。 テレビで未だにやってるっしょ。 巽 完二|あいつが卒アルに載っけた作文とか、 毎度テレビ出てきて、ほんっとウザいぜ。 巽 完二|会った事もねえクセに、好き勝手切り貼りして、 生まれつきの犯罪者みてえに仕立てやがって。 巽 完二|外ヅラ悪っぽい奴にゃ、何言ってもいいって 世の中なんスかねぇ…おかしいだろ、それ。 |確かにおかしい |そういうものだ 巽 完二|そりゃ、あの野郎が憎い気持ちは、 オレもおんなじっスよ? 巽 完二|でも、なんつか…関わって初めて思うんスけど、 世間の噂の方にも引いちまうっつーか… 巽 完二|どっかおかしいだろ… 花村 陽介|ま、確かにニュースは極端だよな。 花村 陽介|お、直斗じゃん。 花村 陽介|うーす。 白鐘 直斗|おはようござい… 巽 完二|あーっと、オ、オレ日直じゃん! 巽 完二|ハハハ! じ、じゃあ、そゆ事で! 花村 陽介|どっかおかしいのは、あいつだよ… 花村 陽介|うはー、なんだこれ… 広過ぎじゃね、この学校? 花村 陽介|え、広さで負けてたら、 ウチ、勝つトコ無くない…? |えー、あー、次に、この学園都市と この学園の設立意義について説明しまぁす… |あー、諸君に一つの諺を紹介しまぁす… “文筆頻々、然る後、君子”といいまして… 里中 千枝|ふぁー…どうでもいいけど、 この校長、話長くない…? 天城 雪子|千枝、聞こえるって! |うー、今日はぁ、休校日なんですがー、 えー、交流会ということでぇ… |あー、一部の生徒がー、学校をご案内しまぁす。 えー、まずは、生徒代表から、挨拶を… |はい。 |ようこそ、私立月光館学園へ。 |初めまして。 生徒会長を務めます、3年D組、伏見千尋です。 |今日は宜しくお願いします。 花村 陽介|うお…あの子、レベル高ぇ! 巽 完二|た…確かに、カワイっスね… 花村 陽介|やばい、俺史上、空前のメガネ美人だ… 里中 千枝|そこ! 反応しすぎだから。 |他校の方を招いての本格的な学校交流は、 我が学園にとっても初めての試みです。 |他者を知ることは己を知ることであり、 己を磨く第一歩である…と、私は考えます。 |この機会が、参加者一人一人の糧となるよう、 私達も精一杯、努めさせて頂きたいと思います。 |よろしくお願いします! 里中 千枝|やっばい、全てが負けてる… 柏木 典子|はいじゃあ、クラスごとに別れてー。 |やだ、忘れてた! |すみません、ちょっといいですか? |これ、皆さんの今日の予定表です。 後で、配って頂けませんか? |渡しそびれちゃって… |遠いところお越し頂いたのに、 段取り悪くて、ごめんなさい。 |気にしなくていい |充分、立派だ |ふふ、ありがとう。 |ううん、全然ダメ。 みんなに支えられて、何とか取り繕ってるの。 |私、元々はあがり性で… それに、男性恐怖症っぽい所もあったし。 |ほんと言うと、さっきのスピーチね、 一緒に考えてもらったの。 |私がここへ入学したときの、生徒会長… すごく素敵で、憧れの人。 |後で電話しなきゃ。 おかげさまで無事スピーチできましたって! |あっ、ごめんなさい! 自分の事ばっかり… 緊張してると喋り過ぎちゃうの、直さなきゃ。 |えっと、皆さんの班はこれから特別授業ですね。 教室は2階ですから。 |私、そちらの生徒会の方々と打合せがあるので、 失礼しますね。 花村 陽介|いまナニゲに“特別授業”つわれた? 花村 陽介|ここまで来て“授業”!? 天城 雪子|私たちのクラスは、えっと… 天城 雪子|“江戸川先生”って人ね。 内容は、カバラと… 里中 千枝|カバ? 巽 完二|知らねんスか? カジノっスよ、カジノ。 花村 陽介|…で、何時から自由行動? 里中 千枝|えーとね…無い。 里中 千枝|今日は一日ずっと授業。 今日と明日はホテル泊で… 里中 千枝|明日と、あさっての昼までは、 辛うじて自由行動かな。 花村 陽介|マジかよ… 天城 雪子|今日は頑張って“修学”しよ? |>江戸川と名乗る先生の特別授業を、 遅くまで受けた… |>何故か、魔術やタロットカードについての 講義を長々と受けた。 |>私立月光館学園 玄関前… 柏木 典子|はい、ここでぇす。 シーサイド・シティホテル“はまぐり”。 柏木 典子|今日はここにお泊まりよぉ。 |これ…普通のホテル…? |>全員に動揺が広がっている。 柏木 典子|どぅお? 私が見つけたのよぉ、ここ。 柏木 典子|最近オープンしたばっかりでぇ、 都会っぽいしぃ、しかもお値段もお手頃! 柏木 典子|正直、なかなかのチョイスだと思ってるわ。 |ここに泊まんのか…? |確かに、看板には、シティホテルって 出てるけど、これ… |最近開業って… これどうみても、潰れたラブ… 柏木 典子|はいそこぉ! 立ち止まらないッ! ど・ん・ど・ん、入ってって。 花村 陽介|ここ…怪しくないか? 里中 千枝|そう? 地元にこういうの無いから、分かんない。 久慈川 りせ|ここはね、“白河通り”って言って、その… 花村 陽介|り、りせ、いいんだ。 なんか、その先、聞きたくねぇ… |ノッフッフッフッ… 思ったより早い到着ですね… |それに、なっかなかのホテルです… |ボクと会ったら…たとえばヨースケとかは どんな顔をするでしょうね…? 花村 陽介|ッ…!? 殺気…!! 花村 陽介|上かッ!? 天城 雪子|あれって…まさか!! クマ|とうっ!! クマ|ふふんふん…しゅびどぅび。 巽 完二|クマ!? テメ、なんでここに!? クマ|クマの中の寂しんボーイが暴れたのさ! 久慈川 りせ|くーっ… 現実でも“探知”できたらいいのに… 里中 千枝|一体、どうやって来たの!? なんか“能力”ってこと!? クマ|いえ、普通に電車です。 クマ|ジュネスのアルバイト代、 “ホームランバー”を我慢して貯金したの。 クマ|行き先は、ヨースケの“旅のしおり”に 書いてあったの、チェック済みだし。 クマ|明日から自由行動っしょ? ん? 知ってるぞ? 花村 陽介|なんで来れんだよ、そのナリで… 花村 陽介|てか、なんでわざわざ 着てくんだよ“クマ”を! クマ|何度か、捨てられそうになりました。 クマ|けど、前にチエチャン達が、デート してくれるって言ったの、執拗に覚えてたからさ。 クマ|くじけなかったクマね! 里中 千枝|が、頑張ったね、クマくん… 里中 千枝|や、約束したっけ…そか、したよね。 あたし達、今度デートしてあげるって… クマ|うっひょあー!! クマ|覚えててくれてたのね、チエチャン! ユキチャン、リセチャンもいんスか!? 天城 雪子|じゃあ、みんなで一緒にね。 それでいい? クマ|う…良しとしよう! 久慈川 りせ|私、この街は来たことあるし、 明日案内するね。 久慈川 りせ|まずはショッピングかな。 夜もいいとこ知ってるよ。 クマ|ショッピングねー、いーんでない? にょほほ。 里中 千枝|他のみんなは、結局こっちに詳しくないから、 工場とか、薦められたトコ見に行くらしいよ。 花村 陽介|あー、それよりは全然面白そうだな。 よし、俺たちも付いてくか。 久慈川 りせ|ふふ、楽しみにしてて。 花村 陽介|さてと…楽しみなのはいいとして… 花村 陽介|ハァ…問題は、コイツだな… 巽 完二|お前、その辺で夜明かせんじゃねえか? それ着てりゃ冷えねえだろ。 クマ|しどい! どんだけ頑張ったと思ってるクマ!? クマ|ここまでオール鈍行よ、鈍行!? 柏木 典子|ちょっとぉ、あなた達? 部屋割りでモメてるのぉ? 里中 千枝|わ、ヤバ… 柏木 典子|なにがヤバいのぉ? あら…? なぁに、その大きなクマちゃん? |お土産です |クマ型のカバンです |今日の授業で作りました 柏木 典子|まぁ… とぉってもビッグサイズだこと… 柏木 典子|ほら、早く持って入りなさい。 柏木 典子|意外とキュートな趣味なのね、あなた… 柏木 典子|いいわ、早く持って入りなさい。 柏木 典子|まぁ…器用な指だこと…うふっ。 柏木 典子|いいわ、早く持って入りなさい。 柏木 典子|そうそう、お部屋すごいわよぉ。 全室ウォーターベッド。 柏木 典子|でも枕元の電気点ける時、間違えないでね? 回るから。 里中 千枝|と、とにかくさ。 明日、楽しみだよね… 花村 陽介|なんかもう、色々疲れたけどな… |>とりあえず、クマを何とかしなければ… |>クマは頑張って“ぬいぐるみ”を 決め込んでいるようだ… |>ここまで来た事も、クマなりの 真面目な愛情表現なのかも知れない… |>クマからの厚い信頼を感じる… クマ|…もれる。 |>その後、夜になって… ホテル前… |>修学旅行2日目… |>午後は 辰巳ポートアイランド内を見て回った… |>そして夜… |>ポロニアンモール クラブ・エスカペイド… 巽 完二|おーすげぇ、これがクラブか…! 里中 千枝|やーばい、あたしテンション上がってきた! 天城 雪子|こういうとこ、地元に無いもんね。 白鐘 直斗|いいんですか? 高校生がこんな所に来て。 花村 陽介|い、いいんですかって、 お前のが先に居ただろ! 花村 陽介|てか、そっか。 1年もって事は、旅行お前もか… 白鐘 直斗|見たところ、客層は良さそうだし、 問題は起きなそうですけどね。 里中 千枝|え、帰っちゃうの? 天城 雪子|どう? 一緒に。 白鐘 直斗|一緒にって…僕とですか? 天城 雪子|うん。 この間は話せなかったでしょ。 白鐘 直斗|こ…この間は、用事があっただけです。 久慈川 りせ|なら、今は流石にヒマでしょ? 久慈川 りせ|私、話したいと思ってたんだ。 同じ歳で“探偵”なんて、興味あるもん。 天城 雪子|どうする? 白鐘 直斗|まあ…構わないですけど。 花村 陽介|なんだー? 微妙に顔赤くないか? 白鐘 直斗|あ、赤くないです! 久慈川 りせ|ちょっと待ってて。 上、貸し切るから。 花村 陽介|おう。 花村 陽介|…おう!? 貸し切る!? 久慈川 りせ|うん。 大丈夫、たぶん顔利くから。 花村 陽介|…ハライタか? 巽 完二|ち、ちげえよッ。 |>2階を貸し切り、乾杯をした。 里中 千枝|けど、大丈夫なの? こんなとこ高いんじゃ… 久慈川 りせ|平気、平気。 久慈川 りせ|おととし、ここでシークレットライブした時、 途中で電源落ちて中止になったの。 久慈川 りせ|そん時の借りを返したいから、 むしろ今日はタダでいいって。 里中 千枝|そういう事なら、もっと頼んじゃおっと。 クマ|よぉぉし、クマキュンもエンリョしにゃい! 巽 完二|お前、いつにも増して言葉が妙だぞ… クマ|ちゅめたいなーん、カンジは… クマ|…ん、カンジ? クマ|カンジ、カンジ…イイカンジ! なんつって、ブフーッ!! 花村 陽介|なんで一人でそんな フルスロットルなんだよ… 天城 雪子|いいカンジ… ぷッ…ぶふー! 巽 完二|この人も、いつも以上にユルくなってんぞ… 花村 陽介|おい、ちょっと待てよ!? ここに出てるドリンクって… 久慈川 りせ|わ、私、ソフトドリンクって言ったよ!? ちゃんとノンアルコールだって! 久慈川 りせ|…言ったもん。 ちゃんと言ったもーーん!! 里中 千枝|やだもう… さっきから何か暑いなと思ってたら… 巽 完二|これ、マジで酒なんスか? けど、匂いが… 久慈川 りせ|王様ゲエーーーーム! 久慈川 りせ|オトナは、こういう場合、王様ゲームするの。 法律で決まってるの…ヒック。 久慈川 りせ|なによ…自分らで“りせちー”とかロリっぽい キャラ付けしたくせに、子供、子供って…ヒック。 久慈川 りせ|知ってんだから…打ち入りも、打ち上げも、 私帰ってからの方が盛り上がってんでしょ! 久慈川 りせ|ぶぁかー! 今日こそ“王様ゲーム”なんだから! 花村 陽介|な、なんか、 よくないカミングアウト始まってんぞ… 久慈川 りせ|カァーンジッ! 久慈川 りせ|ワリバシ、用意! 巽 完二|うぇ!? んでオレが… 久慈川 りせ|王様の言うことは、絶対よ! 駆け足! 花村 陽介|は、始まってんの!? 里中 千枝|あ、あのぉ… 王様ゲームって…どんなんだっけ? 天城 雪子|えっと~、当たりを引いたら王様で~、 他のクジには番号があって~… 天城 雪子|王様は~、何番と何番はナニしろ~って 命令できちゃうの。 天城 雪子|でも誰が何番かは~、命令決まるまでヒミツ! 久慈川 りせ|さーっすが先輩、話はやーい! 里中 千枝|な、なんで知ってんだ?? 久慈川 りせ|ほら、引いた引いた! |>どのクジを引こうか… |手前のクジ |奥のクジ |>クジを引いた… |>…6番、と書いてある。 |>クジを引いた… |>…1番、と書いてある。 久慈川 りせ|はい、じゃあ~、 王様だ~れだ? クマ|クマの、赤! 赤! クマ、王様!? 花村 陽介|うわ、出からやっべー… クマ|王の名において命ずる!! すみやかに、王様にチッス!! クマ|ムチュ~ン!! 里中 千枝|チ、チ、チ、チッス!? クマ|おう、神よ… 女子をお願いします3番!! 巽 完二|ウギャー!! クマ|おう、神よ… 女子をお願いします1番!! |>…1番!? クマ|やっぱ2番… 花村 陽介|変えんな王様!! 天城 雪子|チッスチッス~!! クマ|カ、カンジ… やっぱりクマの体目当てだったのね! クマ|おっけ、クマの純情あげちゃう!! 巽 完二|うわ、イテッ、やめろ! テンメ、シメっぞコラ! 巽 完二|ギャー! いらねーッ! 助けて!! クマ|センセイに 捧げてもいい この純情 『クマ』 巽 完二|いって、ちょ、オレじゃねーだろ! 巽 完二|…うぶっ! 久慈川 りせ|さあ…1回戦で早くも脱落者二人よ。 里中 千枝|え、そういうゲーム…? 久慈川 りせ|続けて、第2回せーんっ!! |>気の抜けない選択だ… どのクジを引こうか… |手前のクジ |奥のクジ |>クジを引いた… |>…赤い印がついている! なんと王様だ!! 久慈川 りせ|王様だ~れだ? 里中 千枝|よかった… マトモな命令で済みそう… 天城 雪子|ダメよ~! チッスの次は~、 チッスよりキワドくないと~。 天城 雪子|く~きよめよ~? あはははは! 久慈川 りせ|じゃ、膝まくら。 天城 雪子|じゃ~、膝に座る。 久慈川 りせ|じゃ、いっそ抱きつく。 天城 雪子|そ~よね~、時代は肩車よね~。 久慈川 りせ|ほら王様! 誰? 何!? |>全員の視線が集まっている… |>何番の人に、何をしてもらおう… |1番が膝まくら |2番が膝に座る |3番が抱きつく |4番が肩車 久慈川 りせ|ハイ、1番、1番! うっしゃー! 花村 陽介|え、王様の膝にって事!? 久慈川 りせ|えっへへー。 先輩のヒザ、あったかくて気持ちい~。 |>りせは安心しきって横になっている… 里中 千枝|え、に、にばんー!? 久慈川 りせ|王様の命令はー? 天城 雪子|ぜったーい! あははは! 天城 雪子|もっと奥までよ、奥~! 里中 千枝|ゆ、雪子あんたねぇっ!! |>千枝は恥ずかしそうに縮こまっている… 天城 雪子|あはは、さんば~ん! 花村 陽介|あ、アマギさん!? 天城 雪子|だって~、座ってる人に抱きつくって、 こうでしょ~? んふふ。 |>雪子が、だいぶキツく抱きついてくる… 花村 陽介|ちょ、三人まで女子なのに オレを当てるかよッ!? 久慈川 りせ|王様の命令はー? 天城 雪子|ぜったーい! あははは! 花村 陽介|か、肩車ぁ? ぜってー寒いだけだろ! 花村 陽介|はー! といやー! 花村 陽介|以上です。 も、ほんと、ほんと勘弁してください。 |>陽介と辛さを共有した… |>陽介と絆が深まった気がする… 天城 雪子|あははは、次は私、王様~! 女王様~! 花村 陽介|クジひけよ! 天城 雪子|よーし、でわぁ~、とても口では言えない ハズカシイ~エピソード、語ってもらおー! 天城 雪子|じゃ~あ~、そうだな~… あ、直斗くん! 花村 陽介|何でもアリだな… 無視していーぞ、直斗。 白鐘 直斗|…いえ、いいですよ。 白鐘 直斗|その代わり、僕が話したら、 皆さんにも“あること”を話してもらいます。 久慈川 りせ|いーよー。 白鐘 直斗|恥ずかしい過去なんて、思い当たりませんが… とりあえず、生まれの話でいいですか? 白鐘 直斗|こういう事でも無いと、 話す機会無さそうですし。 花村 陽介|うぁ、なんという急速冷凍… 白鐘 直斗|白鐘の家は、代々ずっと探偵の家系で、 時の警察組織に力を貸してきました。 里中 千枝|代々? スゴいね、なんか金田一ナントカみたい。 白鐘 直斗|科学捜査の無かった昔は、専門知識に基づいて 助言できる人材は、今より貴重だったんです。 白鐘 直斗|だから祖父は警察に太いパイプを持ってて、 若い僕の面倒を、色々と見てくれてます。 白鐘 直斗|でも最近の捜査は、医学・科学に通じてないと 話にならないから、僕ももっと勉強しないと。 花村 陽介|そりゃまた、大変だな… 花村 陽介|…え、終わり? オチは? 白鐘 直斗|いや、そういうのを期待されても。 天城 雪子|恥っずかし~。 ナオト君、恥っずかし~。 花村 陽介|帰りてえ… 久慈川 りせ|はふぅ…眠い。 白鐘 直斗|では、次は皆さんの番ですよ。 白鐘 直斗|答えてもらいましょう。 皆さんが本当は、事件とどう関わっているのか。 花村 陽介|お前な…空気読めな過ぎて 逆にオモシロイよ… 天城 雪子|えっと~、誘拐された人を~、 テレビに入って助けに行きま~す! 天城 雪子|それで~、うようよしてるシャドウたちを~、 ペルソナで“ペルソナァー!”って… 花村 陽介|ば、ばかおまッ… 白鐘 直斗|ハァ…僕をからかってます? 久慈川 りせ|ホントらもんッ! 久慈川 りせ|ペルソナーっ! 里中 千枝|あーもー! この酔っ払いコンビは! 白鐘 直斗|…話す気が無いのは分かりました。 白鐘 直斗|大体、何にそんな酔っ払ってるんですか。 コレ、お酒じゃないですよ? 天城 雪子|まぁったまた~。 白鐘 直斗|来た時に確認したんです…飲酒運転への抗議で、 ここは去年からアルコールを扱ってません。 里中 千枝|え…みんなして“場酔い”? 天城 雪子|いいじゃらいろ、どっちれも… 天城 雪子|うふー、なんか気持ちよくらってきた… おやすみらさ~い… 巽 完二|ちょっ、先輩! おいおい二人も潰れて、どやって帰んだよ! 花村 陽介|ハァ…なんか俺、色々頭痛してきた… こりゃ、二日酔いだな… クマ|クマはまだ、じぇ~んじぇん ダイジョブらっすお! クマ|このひょうひで、朝まで飲むらろー! 久慈川 りせ|のじょむところらー… 白鐘 直斗|だから… お酒じゃないって言ってんでしょうが! 白鐘 直斗|バカ軍団ですか!? |>修学旅行の最後の夜が更けてゆく… |>修学旅行3日目… |>駅前商店街 ラーメン屋“はがくれ”… 里中 千枝|んーっ! やばい、うまいよコレ! 久慈川 りせ|ここのラーメン、 この辺で一番おいしいんだから。 久慈川 りせ|ドラマの時、よくロケ弁パスして ここに食べに来たし。 久慈川 りせ|って…あれ? なんか食欲ない? 天城 雪子|ねえ…昨日って、夜どうしたっけ…? 私、ほとんど記憶なくて… 久慈川 りせ|ああ、私と先輩、すぐ寝ちゃったらしくて。 なんか、盛り上がったらしいけど。 天城 雪子|そうなんだ… 覚えてない… 久慈川 りせ|あー、変わんないなー、この味。 久慈川 りせ|炭水化物太るから、あんまり来れなかったけど、 好きに食べれるなんて夢みたい! 天城 雪子|あ…おいしい! ちょっと変わってて、後引く感じ。 久慈川 りせ|ね、ね? クマ|おかわり! メン、固めで! |えっとね、はがくれ丼ね。 久慈川 りせ|はがくれ丼、通常メニューになったんだ…! あー、失敗した! 久慈川 りせ|ま、いっか。 これもおいしいから。 花村 陽介|そう言や、大丈夫なのか? 顔、モロ出しで来てるけどさ。 久慈川 りせ|平気、平気。 久慈川 りせ|ほら、そことか私のサイン飾ってるけど、 店員さんも気づいてないでしょ? 久慈川 りせ|こっちじゃ、そんなもんだって。 しかも殆どノーメイクだし。 天城 雪子|あ、ほんとだ、サインあるね。 里中 千枝|つーかバレないの、コイツの方が 全然目ぇ引くからでしょ… 里中 千枝|まあ、着てきた以上、 着て帰らすしか無いけど… 巽 完二|中、湯気で蒸れてんだろ… 天城 雪子|あれっ!? 私のどんぶりは? 天城 雪子|もしかして…食べちゃった? クマ|の、残してたから…えへ。 天城 雪子|残してない! 花村 陽介|てかお前、さっきもお代わりしてなかったか? 何杯目だよ? クマ|クマ、数、分からない。 花村 陽介|うそつけ! ちょっと伝票見せろ、それ! 花村 陽介|1,2…じゅ、10杯!? クマ|ユキチャンの残りで11です。 …うっぷ。 天城 雪子|残したんじゃないのに… 里中 千枝|ま、まあまあ… 白鐘 直斗|そろそろ、集合の時間ですね。 里中 千枝|あー、もうそんなかぁ… 里中 千枝|旅行、メンドくさーって思ってたけど、 終わってみれば割と楽しかったかも。 里中 千枝|ね、駅でお土産買って行こうよ。 菜々子ちゃん、楽しみにしてると思うよ? |巌戸台Tシャツを買っていく |巌戸台まんじゅうを買っていく |巌戸台ちょうちんを買っていく 花村 陽介|おっし、じゃ行くか。 おいクマ、行くぞ。 花村 陽介|おい、クマきち。 巽 完二|毛ぇ逆撫でんぞ、このやろう。 巽 完二|お、おい… クマが…う、動いてねえ! 巽 完二|と、冬眠か!? 里中 千枝|ちょっと… 里中 千枝|ま、まさか…外に長く居すぎて…とか、 そういうんじゃないでしょーね!? 久慈川 りせ|そうなの!? クマ!! クマ|うえぷ。 クマ|おなか、おもたい。 天城 雪子|このコ、置き去ろう。 クマ|たべすぎた… 動けんクマ…運んでけれー。 白鐘 直斗|集合に遅れそうなので、僕はこれで。 里中 千枝|あ、雪子、待ってよぉ。 クマ|ちょ、マジ無理ですから! 帰りの切符代、もう無いの! 花村 陽介|さらば、クマ… 花村 陽介|青春の思い出とともに、 ここに置いていこう… |>帰りの集合場所へ向かうことにした。 |>…修学旅行の全日程が、無事に終わった。 堂島 菜々子|あっ。 堂島 菜々子|おかえり! 堂島 菜々子|おもしろかった? |とても面白かった |まあまあだった |今度は家族で 堂島 菜々子|たつみポートアイランドでしょ? 菜々子、テレビで見たことあるよ! 堂島 菜々子|ビルが高くって、人がいっぱいいて、 うみがあって、おみせやさんがねー… |>菜々子は自分が行ったかのように 興奮している。 堂島 菜々子|たつみポートアイランドでしょ? 菜々子、テレビで見たことあるよ。 堂島 菜々子|ビルが高くって、人がいっぱいいるの! 堂島 菜々子|…あ、そっか。 お兄ちゃん、そういうとこに、いたんだっけ。 堂島 菜々子|うん、行きたい! 堂島 菜々子|あのね、デスティニーシーも行きたい! ジェットコースターでね、ざぶーんて… |>菜々子は楽しそうに語っている。 |>そういえば、菜々子におみやげがある。 堂島 菜々子|わー! ありがと、お兄ちゃん! 堂島 菜々子|すごーい! かっこいー! |>菜々子は“巌戸台ちょうちん”を とても気に入ってくれたようだ。 堂島 菜々子|う、うん、ありがと! |>菜々子に気を遣われた… 堂島 菜々子|おいしそー! すぐたべるー! |>菜々子は“巌戸台まんじゅう”を 気に入ってくれたようだ。 堂島 菜々子|あ、お父さん! 堂島 遼太郎|おー、帰ったか、ご苦労さん。 タッチの差だったな。 堂島 菜々子|ねえ、お兄ちゃんね、 おみやげくれた! 堂島 遼太郎|良かったな、菜々子。 お礼言ったか? 堂島 菜々子|言ったよ! 堂島 遼太郎|すまんな、小遣いから買ってくれたんだろ? 堂島 遼太郎|確か、辰巳ポートアイランドだったか。 ハハ、お前、都会は珍しくないんだよな。 堂島 遼太郎|そう言やあれか、1年も合同って事は、 白鐘も一緒か。 堂島 遼太郎|お前、あいつとは結構話すのか? |割と話す |そうでもない 堂島 遼太郎|あいつ、妙に大人びてるが、 ほんとはお前の1個下なんだよな… 堂島 遼太郎|仲良くしてやってくれないか。 生意気なガキだが…根はまっすぐな奴だ。 堂島 遼太郎|今も、バカみたいに正論言い張って、 上の連中にケムたがられてる。 堂島 遼太郎|怒らしたって、切り捨てに遭う だけだってのにな… 堂島 遼太郎|…勝手だな、大人は。 |>堂島は、優しげな眼をしている… 堂島 遼太郎|あー、すまん。 疲れてるよな。 堂島 遼太郎|風呂入ったらどうだ? あ、荷物は片しとけよ。 堂島 遼太郎|菜々子ー! 風呂入れてくれー! |はい“報道アイ”の時間です。 |先日、無事に犯人逮捕となった、 稲羽市の“逆さ磔・連続殺人事件”。 |解決の陰に、なんと現役高校生の、文字通り 少年探偵の活躍があった事、ご存知でしょうか。 |今日は、甘いマスクでも話題をさらいそうな “探偵王子”、白鐘直斗君の特集です。 |今日は宜しくお願いします。 白鐘 直斗|はい、よろしくお願いします。 |>直斗がテレビに出演している… 堂島 菜々子|あ、せいふく、お兄ちゃんとおんなじだ。 |まずは、先日の犯人検挙、お疲れ様でした。 |この事件は、かねてから謎が多いと されて来ましたが、お手柄でしたね。 白鐘 直斗|手柄と呼べる程のものじゃありません。 白鐘 直斗|確かに、先日の諸岡さんの事件については 犯人の仕業に間違いありません。 白鐘 直斗|ですが、事件の全体像を見渡したとき、 僕には幾つか違和感が残ります。 |はあ…と、言いますと? 白鐘 直斗|具体的な事は、残念ながら、まだ何とも。 白鐘 直斗|ですが、事は三人もの犠牲が出た殺人事件です。 小さな違和感でも追求すべきだと僕は思います。 |は、はあ… 警察会見の内容と、若干異なるようですが… |で、では次に、“探偵王子の素顔”と題しまして、 直斗君自身のことを聞いていきたいと思います。 |“探偵王子”が今まで解決してきた事件は 何と24件。 そのうち16件が… 堂島 菜々子|お兄ちゃんの学校、 たんていさんいるんだー。 堂島 菜々子|菜々子も、しょうらいは、 お兄ちゃんの学校行くー。 |>団らんの時間が過ぎてゆく… 花村 陽介|うーす。 久慈川 りせ|あ、先輩ッ! 里中 千枝|ね、昨日のテレビ見た!? 直斗くん出てたやつ! 花村 陽介|“お手柄、探偵王子”ってのだろ? まあ、実際に捕まえたの俺らだけど。 天城 雪子|でも容疑者を見つけたのは警察だし、 それに協力してたんでしょ? 天城 雪子|お手柄は確かだと思うよ。 里中 千枝|けど、意外なんだよねー。 里中 千枝|彼…テレビとかに出たがるような タイプじゃないって思ってたんだけど。 白鐘 直斗|おはようございます。 白鐘 直斗|実は、事件の事でお話があって、 皆さんを待っていました。 花村 陽介|お話? 長話してっと遅刻すんぜ? あれ、てかお前、制服… 白鐘 直斗|現時点での僕の考えを聞いてもらえますか? 花村 陽介|なんだよ…? 白鐘 直斗|最初に、被害者の共通点ですが、 まず殺害の前に必ず誘拐されるという事。 白鐘 直斗|狙われるのは“メディアにある程度ハッキリ 取り上げられ、急に知名度を得た地元民”… 白鐘 直斗|その辺りが、確率的に高いでしょう。 白鐘 直斗|少なくとも、被害者の“人物像”は、 あまり重要ではないと思っています。 白鐘 直斗|この点…皆さんも同じ見解を 得てるんじゃありませんか? |同じだ |言う必要はない 白鐘 直斗|では、単刀直入に言いましょう。 白鐘 直斗|この条件に、皆さんの何人かも当てはまる という事は、認めますか? 白鐘 直斗|今回の事件は、2件目と3件目の間に 長いブランクがありました。 白鐘 直斗|でもさっきの条件を踏まえて調べると、 それらしい“失踪”は続いていた。 白鐘 直斗|天城雪子さん、巽完二さん、久慈川りせさん… どの人も、テレビで報じられた直後に失踪… 白鐘 直斗|何かの訳で死を免れたか、自分から目を逸らす ため、自身を被害者の一人に見せかけたか… 白鐘 直斗|殺された被害者とも何人かは接点がありますし、 皆さんの誰かが犯人かと疑った事もあります。 里中 千枝|あ、あたしらの誰かが犯人って、 そんなワケ無いでしょ!? 白鐘 直斗|そういう事もあった、と言ったんです。 白鐘 直斗|現時点でまとめ直すなら… 今の僕の考えは、それとは全く逆です。 白鐘 直斗|犯人なんじゃない…恐らく皆さんは、 犯人を追い詰める“手段”を持った人達… 白鐘 直斗|懐柔ではなく、助けたから仲間が増えていると 考えれば、全ての辻褄が合っていく。 白鐘 直斗|…あくまで、想像ですけどね。 白鐘 直斗|ただそう考えると、やはり3件目… 諸岡さん殺しはおかしいんですよ。 白鐘 直斗|メディアにも出ず、失踪した形跡も無い。 そして何より、遺体の状況がおかしいです。 白鐘 直斗|2件目までの遺体は、今も詳しい死因が不明… 白鐘 直斗|なのに3件目だけ、鈍器による後頭部強打が 直接の死因だと分かっている。 白鐘 直斗|警察はこの違いに納得のいく答えを持ってない にも拘わらず、事件を収束するのに必死です。 白鐘 直斗|この上は、何か確証を掴める行動が 必要でしょう。 里中 千枝|確証を掴める行動…? 白鐘 直斗|まぁ、結果がどうあれ… これで何かが掴めるはずです。 白鐘 直斗|それに皆さん…以前僕に、 興味深い事を言いましたよね。 花村 陽介|おい、どこ行くんだ? 白鐘 直斗|僕は…遊びのつもり、ないですから。 天城 雪子|直斗くん…? |>今日は雨だ。 |>テレビに何か映るだろうか… |>…人影が映っている! |>画像は荒く、誰なのか よく分からない… |>だが… どこかで見たような気がする… |>…陽介からだ。 花村 陽介|見たか? 誰か、映ったよな? 花村 陽介|犯人捕まったって事は、 映ったからって、心配する必要ない…のか? 花村 陽介|でも、そう言や以前、このボンヤリ映像、 まるで犯行予告だ…とか意見出なかったっけ? 花村 陽介|考えてみりゃ、“マヨナカテレビ”って、 結局何だったんだ? 事件と絡んでたのか…? 花村 陽介|あ~…なんかスッキリしねーな! どう思うよ? 花村 陽介|映ってたの、誰だと思う? |直斗じゃないか? |モロキンじゃないか? |テレビと事件は無関係じゃないか? 花村 陽介|直斗? なんでアイツが映るんだ? 花村 陽介|そういやアイツ、マヨナカテレビの事は どう思ってんだろうな… 花村 陽介|もう…死んだのにか? 花村 陽介|んー、やっぱそうなのかな… じゃ、今までの事は偶然って事か…? 花村 陽介|あー分かんねー。 気になる… 花村 陽介|きっと他の連中も見ただろうから、 明日、学校で話そうぜ。 花村 陽介|じゃあな。 |>電話は切れた。 里中 千枝|で、昨日の“マヨナカテレビ”だけど… 天城 雪子|映ったの…誰なんだろう? 花村 陽介|クマにも連絡したけど、“あっち”にゃ 誰も入ってないっつんだよな… 久慈川 りせ|だって犯人、もう捕まったじゃない。 花村 陽介|まぁな… 巽 完二|…えっ、ああ、なんスか? 花村 陽介|なーに、ボケてんだよ。 昨日のテレビ、お前も見ただろ? 巽 完二|あんなん、カンケーねえっスよ。 巽 完二|もう犯人パクられたんだし、 ヘッ、先輩らビビり過ぎっしょ。 巽 完二|直斗の野郎が言い残した事、ワケ分かんねえし、 振り回されたってしゃあねえっスよ。 天城 雪子|え…直斗くん? 巽 完二|いや、その…なんつーか… 花村 陽介|なんだよ、直斗の言ったこと気にして、 そんでボンヤリしてたのか、お前? 花村 陽介|ハハ、お前、あいつとの事、 まーだ引きずってたんだ。 巽 完二|ちがっ…引きずってねっスよ、んなの!! 花村 陽介|まぁまぁ、わかるよ、否定したい気持ちはさ。 でも無理すんな、誰も責めたりしないから。 巽 完二|のやろ、ウゼーぞ!! 引きずってねえつッてんだろ!! 巽 完二|ったく…オレ、用事あんで引けるっス。 里中 千枝|ダーメだって、そこイジったら。 そゆの流せないって知ってんでしょ? 久慈川 りせ|ね、何? 何? 完二って、直斗くんとなんかあったの!? 天城 雪子|そ、それよりさ… 天城 雪子|何だか最近、ヘンじゃない? 町の雰囲気。 天城 雪子|みんな、妙に浮かれてるっていうか… 他人の話ばっかりして。 里中 千枝|そう? 別に今に始まった事じゃないっしょ。 里中 千枝|ヤバい事件が解決したんで、 不安が無くなった反動じゃん? 久慈川 りせ|世間なんて、そんなもんよ。 たまたま“旬”が来てるんでしょ。 久慈川 りせ|即熱して、即冷める…お祭りよ、全部。 流行りすたりにワケなんて無い。 天城 雪子|でも… いくら何でも、ちょっと変っていうか… 天城 雪子|何だか…怖がってるみたい。 天城 雪子|あ…ごめん、そんな気がしただけ。 里中 千枝|ふうん…? 花村 陽介|今夜も雨だっけか… 里中 千枝|テレビはチェックだね、一応。 |>今日は雨だ… |>テレビに何か映るかも知れない… |>…映った! |>非常に鮮明な映像だ! もう一人の直斗|皆さんこんばんは、 “探偵王子”こと、白鐘直斗です。 もう一人の直斗|“世紀の大実験・ゲノムプロジェクト” へようこそ。 もう一人の直斗|僕がこれから受けるのは、人体改造手術… 禁じられた、素晴らしき秘法! |>今映っていたのは、間違いなく直斗だ… 巽 完二|あ、もしもし先輩スか!? いま、な、直斗の野郎がっ…!! 巽 完二|コレ、つまり… あいつ、誘拐されたんじゃ… 巽 完二|テレビがハッキリ映って喋ったりすんのは、 確か“あっち”に放られてからなんスよね!? 巽 完二|どういう事スか!? 犯人、捕まってるはずじゃねんスか!? |>完二はすっかり動転している。 |落ち着け |とにかく明日話そう 巽 完二|あ、す、すんません! 巽 完二|そ、そうっスね。 急に電話しちまって、すんません。 巽 完二|探偵だの手柄だのっつって、 テメェが拉致られてりゃ世話ねえだろが… 巽 完二|クソッ! イライラすんな、あいつ! 巽 完二|…とにかく、明日すぐメンツ揃えましょう! |>…今日は早めに休む事にした。 もう一人の直斗|あなたがたは今こそ目にするでしょう… この僕の新たな旅立ち…新たな誕生の瞬間を!! もう一人の直斗|僕という人間が、ある日を境に、 全く別の人生を歩み始める… もう一人の直斗|そんな記念日を、皆さんと共に 体験したいと考えています! もう一人の直斗|どうぞ、お楽しみにッ!! 天城 雪子|昨日の…直斗くんだったよね。 里中 千枝|クマくん、どう? やっぱり…いる? クマ|におい、するクマ。 花村 陽介|これじゃ…おんなじだ… 今までと、なんも変わってねえ… 天城 雪子|今までと、おんなじ… 天城 雪子|そうか、だから直斗くん、 急に特番の取材に…! 天城 雪子|直斗くん、“違和感がある”って言ってた。 “納得できない”って言ってた。 天城 雪子|それと、“誘拐されるのは テレビに出た人だ”って、言ってたでしょ? 花村 陽介|まさか…オトリになろうってのか!? 花村 陽介|俺らも直斗も、同じ推理してたろ。 “テレビに出て話題になった人が失踪”ってさ。 花村 陽介|あいつ…それが正しいって、 自分で証明しようとしてるんじゃ… 里中 千枝|わざと誘拐されたってこと!? そんな…死んじゃうかも知れないんだよ!? 久慈川 りせ|“遊びのつもりじゃない”って、 あの子、言ってた… 久慈川 りせ|どうしよう、私だ… 私が、前あの子に… 巽 完二|バカがッ!! 分かるように言って行きやがれってんだ!! 花村 陽介|詳しく話せば、止められると思ったんだろ… だから、わざわざ… 巽 完二|んなの分かってるよ、クソッ!! 里中 千枝|で、でも…今捕まってる犯人は? 里中 千枝|モロキン殺したの、久保でしょ? |新たな犯人が現れた |久保が殺したのはモロキンだけ |これも久保の犯行だ 天城 雪子|待って… 確か、直斗くん、言ってなかった…? 天城 雪子|諸岡先生の時だけ死因がはっきりしてて、 それが変だって… 天城 雪子|そうか…! 確か、直斗くん、言ってたよね! 天城 雪子|諸岡先生の時だけ 死因がはっきりしてて変だって! 天城 雪子|待って! 確か、直斗くん、言ってなかった? 天城 雪子|諸岡先生の時だけ死因がはっきりしてて、 それが変だって… 花村 陽介|じゃあ久保は、 モロキンしか殺してないのか…!? 花村 陽介|だから、モロキンだけ、 テレビに入れられた形跡が無かった… 花村 陽介|モロキンの時だけ手口を変えたんじゃない… ハナから別人の犯行って事かよ!? 久慈川 りせ|じゃ、直斗くんさらったヤツが、 “真犯人”…て事!? 里中 千枝|で、でも、待って。 里中 千枝|久保のやつ、全部自分だって言ってなかった? 他人の罪をカブったの? おかしくない? 里中 千枝|ニュースでも“犯人の少年は 他の事件も自白してる”って… 里中 千枝|それに、まだ何かひっかかる事が… えっと… 巽 完二|パクられたヤツの事なんざ関係ねっスよ! 巽 完二|ぐずぐずしてっと、 あのバカが、“向こう”でくたばっちまう! 巽 完二|行くしかねえだろッ! 久慈川 りせ|確かに、誰か入ってる。 それに、この世界、また少し広くなってる… クマ|さすがやね、リセチャン。 クマの鼻、そこまではもう全然ムリ。 クマ|肩、もみもみしましょうか? 花村 陽介|ジャマすんなっつの! 久慈川 りせ|前と同じ… 居るのは分かるけど、場所が見えない… 久慈川 りせ|何か、あの子の事もっと分かるもの… 手がかりが、欲しい。 久慈川 りせ|今のままじゃ、 どっちに進んでいいか分かんない… 巽 完二|クッソ、あいつの事、 分かんねえ事だらけじゃねえか… 巽 完二|けど、このままじゃ、あいつ… 里中 千枝|いつもの事でしょ! 里中 千枝|焦らずに、天気を気にして、いつも通りやろ。 必ずうまくやれるって! 里中 千枝|とりあえず、彼の居場所つかめそうなモノ、 探さないと。 巽 完二|わ、分かってるっス… あ、焦ってなんかいねえっスよ。 巽 完二|こっちに入ってる事ぁ分かってんだ… なら、こっから出してやるだけだ。 久慈川 りせ|すぐ見つからなくてごめんね… 久慈川 りせ|けど、あのコを感じられるような、 何かヒントあれば、絶対見つけてみせるから! |>奥に進むためには 直斗の情報が必要なようだ。 |>誰かに話を聞いてみよう… 巽 完二|…なんスかね、ココ。 花村 陽介|SFチック…て言うか、あー分かった、 特撮の秘密基地っぽくないか? 巽 完二|あー、ガキん頃は憧れたっスね。 久慈川 りせ|あれ、シンドいらしいよー、現場。 滝とか火の中とか余裕で本人飛び込むらしいし。 花村 陽介|ま、男のロマンの基礎だな。 里中 千枝|ま、そうね、気持は分かるかなー。 カンフーと一緒でアクションだしね。 里中 千枝|それに“秘密基地”って響きも、 結構トキメクよね! |分かる |理解不能 里中 千枝|えー、山にこもるとか燃えない? 里中 千枝|実はあたしも、小さい頃、 雪子んちの裏山辺りに作った事あってさー。 里中 千枝|仙人に必殺拳を伝授されるわけよ。 アチョー! ってね。 花村 陽介|それは、基地じゃねーだろ… 花村 陽介|けど、考えてみると、この特撮っぽい場所って 直斗の心が出元なんだよな? 花村 陽介|だとすると、結構カワイイとこあんのかもな。 花村 陽介|よし、急ごうぜ。 |>直斗の居場所が見つかった。 後は救出するだけだ。 |>充分な準備をして、必ず助け出そう… 巽 完二|直斗ッ!! 白鐘 直斗|待ちくたびれましたよ。 白鐘 直斗|…この子の相手をするのに、 ほとほと参っていたところです。 もう一人の直斗|やだぁ! やだ、やだ、行かないで!! 白鐘 直斗|君と話しても無意味だ。 僕はもう帰らないと… もう一人の直斗|なぁんで? なんで僕だけ置いてくの!? どぉしていつも僕だけひとりぼっちなのっ!? もう一人の直斗|寂しい…寂しい! 天城 雪子|直斗くん… 白鐘 直斗|僕と同じ顔… まるで僕だとでも言いたげだね。 白鐘 直斗|でも、君と僕とじゃ… もう一人の直斗|何をごまかしてんだい? 僕は、お前だよ。 もう一人の直斗|子供の仕草は“ふり”じゃない… お前の真実だ。 もう一人の直斗|だってみんなお前に言うだろ…? “子供のくせに、子供のくせに”ってさ。 もう一人の直斗|いくら事件を解決しても、必死に考えても、 子供ってだけで、誰も本心じゃ認めない。 もう一人の直斗|周りが求めてるのは、お前の“頭”だけだ。 もう一人の直斗|“名探偵”扱いは、それが欲しい間だけ… 用が済んだら“子供は帰れ”だ。 もう一人の直斗|世の中の二枚舌に、お前はなす術も無い。 もう一人の直斗|独りぼっちの、ただの子供だ。 花村 陽介|直斗… もう一人の直斗|僕、大人になりたい… もう一人の直斗|今すぐ、大人の男になりたい… 僕の事を、ちゃんと認めてほしい… もう一人の直斗|僕は…居ていい意味がほしい… 白鐘 直斗|やめろ…自分の存在する意味なんて、 自分で考えられる… もう一人の直斗|フッ…無理だって言ってるだろ? もう一人の直斗|今現に子供である事実を、どうする? 白鐘 直斗|や、やめろ…! もう一人の直斗|本心じゃ憧れてるだろ? 強くてカッコイイ、 小説の探偵みたいな、大人の男にさ。 もう一人の直斗|それは裏を返せば、心の底で 自分を子供と思ってるって事だ。 もう一人の直斗|認めろよ…お前は所詮子供さ… 自分じゃどうしようもない。 もう一人の直斗|さあ…そろそろ診察は終わりだ… 人体改造手術に移ろうか。 もう一人の直斗|いいだろ…白鐘“直斗”くん? 白鐘 直斗|やめろ!! もう一人の直斗|白鐘“ナオト”… 男らしくてカッコイイ名前だよな? もう一人の直斗|けど、事実は変えられない。 性別の壁はなお越えられない。 もう一人の直斗|そもそもオトコじゃないのに、 強い大人の男になんて、なれる訳ないだろ。 花村 陽介|え、ちょ… あいつ今…スゲー事口走ったぞ… 巽 完二|お…男じゃねえだと!? 白鐘 直斗|駄々をこねてるつもりはない… それじゃ、何も解決しない… もう一人の直斗|ふ、ふ…あはは! その言葉はお前が言われたんじゃないか。 もう一人の直斗|“駄々をこねていても、何も解決しないよ、 ナオトくん”ってさ! もう一人の直斗|お前、泣いてたよな。 もう一人の直斗|自分の口から言うなんて、 何を守ろうとしてるんだ? 白鐘 直斗|なっ…にを… もう一人の直斗|いいんだ、もう無理しなくていい。 そのための“人体改造手術”だ。 もう一人の直斗|駄々をこねたまま、一歩も動けずにいる… 僕にはその気持ちがよく分かる。 もう一人の直斗|僕はお前なんだよ… 白鐘 直斗|違うっ!! 里中 千枝|だめッ! 巽 完二|いや、いい… ちゃんと吐き出しゃいいんだ。 巽 完二|オレらはアイツを倒して、 ケツ持ってやりゃいい… 巽 完二|じゃねえとアイツ… 直斗のやつ、苦しいまんまだろ。 もう一人の直斗|フフ…あははははっ!! 言うよね、偉そうに! もう一人の直斗|いいよ、来なよ…僕はキミみたいに粗暴で 情に流されるタイプが一番嫌いだッ!! 花村 陽介|よし、とにかく話は後だ! 久慈川 りせ|来るよっ!! 里中 千枝|直斗くん…女の子だったんだね。 白鐘 直斗|う…ん… 天城 雪子|気が付いた!? 白鐘 直斗|ここは… 白鐘 直斗|そうだ、皆さんが来てくれて、 それから… 白鐘 直斗|そうか… 全部、見られちゃったんでしたね… 白鐘 直斗|幼い頃に両親を事故で亡くした僕は、 祖父に引き取られました。 白鐘 直斗|僕は友だちを作るのがヘタで…祖父の書斎で、 推理小説ばかり読んで過ごしてた… もう一人の直斗|将来の夢は、カッコイイ… ハードボイルドな、大人の探偵… 白鐘 直斗|両親は、自分たちの仕事に誇りを持っていて、 僕も将来継ぐべきだと、疑ってなかった… 白鐘 直斗|普通は窮屈と思うのかも知れませんけど、 僕に拒む気持ちは無くて、むしろ憧れていて… 白鐘 直斗|その辺も受け継いだものかも知れません。 白鐘 直斗|祖父はきっと…いつも独りでいる僕の夢を、 叶えてくれようとしたんだと思います。 白鐘 直斗|祖父に持ち込まれる相談事を内緒で手伝う内に、 気付いたら少年探偵なんて肩書きが付いてて… 白鐘 直斗|始めは嬉しかった… でも、上手く行く事ばかりじゃない… 天城 雪子|“子供のくせに”って…言ってたね。 白鐘 直斗|事件解決に協力しても、 喜ばれるばかりじゃありませんでした… 白鐘 直斗|僕が“子供”だって事自体が 気に障っていた人も少なくなかったし… 白鐘 直斗|それだけなら、 まあ時間が解決するかも知れません。 白鐘 直斗|だけど…女だって事は、 変えようがないんですよね… 天城 雪子|女でいるの…嫌い? 天城 雪子|それで、男の子の格好を? 白鐘 直斗|僕の望む“カッコイイ探偵”というのと、 合わないですよ… 白鐘 直斗|それに警察は男社会… 白鐘 直斗|軽視される理由がこれ以上増えたら、 誰にも必要とされなくなります… 巽 完二|んなのは思い込みだ。 天城 雪子|ね…本当は、分かってるんでしょ? 天城 雪子|本当に求めてるものは、“大人になる事”でも “男になる事”でもないって… 白鐘 直斗|ええ… 白鐘 直斗|ごめん…僕は知らないフリをして、 君というコドモを閉じ込めてきた。 白鐘 直斗|君はいつだって、僕の中にいた。 僕は君で…君は僕だ。 白鐘 直斗|僕が望むべきは…いや、望んでるのは、 大人の男になる事じゃない。 白鐘 直斗|ありのままの君を、受け入れる事だ… |>自分自身と向き合える強い心が、 “力”へと変わる… |>直斗は、もう1人の自分… |>困難に立ち向かうための人格の鎧、 ペルソナ“スクナヒコナ”を手に入れた! 白鐘 直斗|それにしても、ズルいですよ… こんな事、ずっと隠していたなんて… 白鐘 直斗|はは…これじゃ警察の手に負えないわけだ… 白鐘 直斗|でも…これで、分かりました… 事件はまだ…終わってない… 花村 陽介|ああ…お前がそれを証明したんだ。 花村 陽介|とにかく、詳しい話は後だ。 早く外に出よう。 巽 完二|おい…おい! |>直斗は肩で息をしている… 里中 千枝|まったく…体張っちゃって… 天城 雪子|でも… 直斗くんが証明してくれた。 天城 雪子|犯人は、まだ捕まってないって… 巽 完二|キバりすぎなんだよ、テメェは… 白鐘 直斗|信じてました。 来てくれるんじゃないかって… 白鐘 直斗|でも、まさか… こんな大事とは…思ってなかったけど… 巽 完二|ったく…テメェはバカだ。 どこも天才じゃねえ。 巽 完二|世話…かけさせやがって… 久慈川 りせ|なーんだ、完二。 やっぱり心配しまくりじゃない。 巽 完二|うるせえ、チャカすな。 天城 雪子|私、送ってく。 一人じゃ帰れそうにないし。 白鐘 直斗|へいき…です、ひとりで… 久慈川 りせ|明らかに無理でしょ!? オトナは何でも一人で出来るって思わないの! 久慈川 りせ|ほら行くよ、つかまって! |>直斗を無事に救出することができた。 |>そして… 事件はまだ終わっていなかったようだ… 足立 透|あ、おかえり~! おっじゃましてま~す! 堂島 遼太郎|悪いな、今日は早上がりで… 足立 透|ほらほらぁ、座んなよ~。 足立 透|白鐘くん、見つかったんだよねー。 って、知ってるっけ、白鐘くん。 足立 透|こっちに黙って居なくなっててさ、 さっき見つかったみたいなんだ。 足立 透|お騒がせだよね、まったくさー。 |知ってる |安心した 堂島 遼太郎|知ってるって…見つかった事をか? 堂島 遼太郎|…意外と驚かないんだな。 堂島 遼太郎|見つかった事を知ってる… なんて事じゃあないよな? 足立 透|やだな、堂島さんてば。 そういうクセ、染み付いちゃってんだから。 足立 透|同じ学校行ってんだし、 田舎町じゃ噂は早いんスから。 足立 透|でも白鐘くん、 なんで居なくなったんですかね? 足立 透|ちょっと気難しそうだし、捜査から外れたから、 拗ねて家出でもしたんすかね~? 足立 透|いやぁ、居なくなったって最初に聞いた時は ビックリしましたよ~。 足立 透|もし第4の誘拐殺人なんて事んなったら、 もう色々ご破算に… 堂島 遼太郎|足立… 足立 透|でも犯人の少年、諸岡さん殺し以外には、 証拠出ないっすね~。 足立 透|これ、立件までいけんのかなあ? 足立 透|やっぱ堂島さんの“カン”の通り、 真犯人、別にいたりするんすかね~。 堂島 遼太郎|何遍言わせんだ! ペラペラ喋んな! 足立 透|おわ、す、すいません! 堂島 遼太郎|とにかく! 堂島 遼太郎|お前は事件なんて気にせず、 学生らしく勉強でもしてろ。 堂島 遼太郎|でないと… 堂島 遼太郎|ハァ…俺ぁもう寝る。 足立 透|ごめ~ん、 空気悪くしちゃったね! 足立 透|けどさ~、堂島さんの心配も 分かるっていうかさ~。 足立 透|事件のことは、僕ら警察に任せて欲しいな。 何かあったとき、マズイの分かるでしょ? 足立 透|つまり、君らが巻き込まれたりとかしたら、 こっちはえらい心配するハメに… 堂島 菜々子|こわいこと、まだおきる? 足立 透|ご、ごめんごめん、大丈夫だから! 足立 透|犯人は捕まったんだし、もう怖い事起きないよ。 ね、大丈夫だよ~? 堂島 菜々子|うん… 足立 透|と、とにかく、お父さん、心配性っていうかさ。 足立 透|おにーさんに、任せてよ! こうみえても、署内イチの頭脳派なんだから! 足立 透|って、難しい言葉使っちゃったな… わかったかな…? 足立 透|さ、さて、堂島さん引けちゃったし… 僕もおイトマかな…じゃあね! |>足立は帰っていった。 堂島 菜々子|ずのうは、ってなに? |頭がいいという事 |安心していいという事 |運動ができないという事 堂島 菜々子|ふうん… じゃあ、大丈夫だよね… 堂島 菜々子|…うんどう? ふうん、よくわかんない… |>菜々子は黙ってしまった… |>やや晴れない空気のまま、 夜の時間が過ぎてゆく… |>0時だ… |>霧が出ている… |>マヨナカテレビには、 誰も映らない。 |>直斗を救出したことで、 犯人の今回の犯行を阻止できたようだ… |>夜が更けてきた… |>霧が出ている… |>遠くからサイレンが聞こえる… |>何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>完二からだ。 巽 完二|死体…出たらしいっス… 巽 完二|…死体、直斗だって… 巽 完二|クソがッ!! オレ、ワケ分かんねーっスよっ!! 巽 完二|なんで、こんな… |>強烈な目眩がする… 巽 完二|先輩、聞いてんスか!? 巽 完二|…先輩? |>一方その頃… 霧の中の商店街… |これで、何回目だったかな… どうしようか…な… 里中 千枝|体、もういいの? 白鐘 直斗|はい、おかげさまで。 白鐘 直斗|改めて、この間はありがとうございました。 花村 陽介|いいって。 つかお前、その制服… 白鐘 直斗|え…ああ。 白鐘 直斗|少し迷いましたが、今まで通りにしました。 皆さんも別に… |あ、“探偵王子”だ。 |王子じゃねーよ、 アイツ、女なんだってよ! |え、う、ウソぉ!? あいつが女だったら、え、や、やべえって! |なんか、ちょっとガッカリなような、 でもグッとくるような… |つか、そういう目で見ると、 逆にイケてない? 白鐘 直斗|やれやれ…噂は早いですね。 |気にするな |自分たちがついてる 白鐘 直斗|ええ…僕は僕、ですよね。 白鐘 直斗|…あ、ありがとうございます。 白鐘 直斗|でも、別に辛いって訳じゃないですし、 そんなに気にしないでください。 白鐘 直斗|今まで通りでいいですよ。 白鐘 直斗|それより、一度皆さんと集まって、 事件の事をお話ししないと。 白鐘 直斗|この事件は、この町に潜む“誰か”によって 行われている“誘拐殺人事件”です。 白鐘 直斗|まだ、終わってない… 白鐘 直斗|詳しい話は、放課後にしましょう。 |>ジュネス フードコート… 白鐘 直斗|初めに、チャイムが鳴ったんです。 白鐘 直斗|ところが、玄関に出ても誰も居なくて… 白鐘 直斗|不審に思っていたら、急に後ろから 腕が回って、何かで口を塞がれたんです。 白鐘 直斗|それからすぐに、袋のようなものを 被せられて、恐らく担いで運ばれました。 久慈川 りせ|よくそんな覚えてるね。 白鐘 直斗|意識を奪うために薬物を使ったようですが、 完全には意識を失わずに済んだので。 白鐘 直斗|想像していた手口と近かったし、 心の準備が出来ていました。 白鐘 直斗|それに、少しでも情報を得ておきたくて 必死でしたから。 クマ|さっすが、メイタンテーね。 巽 完二|褒められた事かよ。 冷静すぎんだっつの… 白鐘 直斗|手際や体格から言って、犯人は男でしょう。 白鐘 直斗|会話も合図らしい声も一切無かったので、 単独犯だと思います。 白鐘 直斗|ただ、ここから先がどうもよく分からない… 白鐘 直斗|一度体に衝撃があって、恐らく僕はその時に、 テレビの中へ落とされたんだと思いますが… 白鐘 直斗|それまでの時間が、短過ぎた気がするんです。 捕らわれてから、ものの数分という感じでした。 里中 千枝|捕まった直後にテレビにって事… 里中 千枝|あ、道端にテレビがあったとか!? 白鐘 直斗|その辺りからの記憶は、 流石にあやふやなんですが… 花村 陽介|そっか… 花村 陽介|しかし、驚いたな…まさか犯人、 マジで“玄関からピンポーン”かよ… 白鐘 直斗|“よく覚えてない”という、皆さんの証言の 理由が、ようやく分かりました。 白鐘 直斗|あれだけの異常体験と、心身の消耗… 混乱をきたして当然です。 白鐘 直斗|ただ、状況を見ると、僕と皆さんの失踪体験は、 真似る必要の無い所までよく似ている… 白鐘 直斗|恐らく、犯人は同一人物と見て 間違いないでしょう。 里中 千枝|それじゃあ、モロキンを殺したっていう、 あの久保って子は… 白鐘 直斗|これでハッキリしました。 白鐘 直斗|本筋が証明できないうちは 厳密には確定しませんが… 白鐘 直斗|久保はやはり、諸岡さんを殺したに過ぎません。 真犯人の手口を真似ただけの“模倣犯”です。 花村 陽介|どうりで、モロキンだけ 例外だらけだったワケだぜ… 白鐘 直斗|久保が何処で“あの世界”について 知ったのか、という謎は残りますが。 里中 千枝|そう、それだ! あたしがひっかかってたの! 里中 千枝|つまりさ、久保は、テレビに入れる訳でしょ? どうして同じ方法でモロキン殺さなかったの? 白鐘 直斗|それは恐らく、“向こうの世界”について、 真犯人ほどには理解していなかったんでしょう。 白鐘 直斗|こうして自分が出入りできる身になっても、 あれを殺人に使えるなんて思いもよらない… 白鐘 直斗|まして遺体の様子を知っただけでは、手口が “あの世界”絡みだなんて、分かりようがない。 白鐘 直斗|たぶん久保は、指名手配され、ギリギリまで 追い詰められて初めて思いついたんでしょう。 白鐘 直斗|“体ごとテレビに入る”という選択を。 白鐘 直斗|世間で騒がれてる異常な遺体状況も “向こう側ゆえ”なんでしょう… 白鐘 直斗|あんな場所からリスクを冒して誰かが 運び出してると考えるより、ずっと自然です。 白鐘 直斗|“霧の日にぶら下げる”という意味不明の 状況も、アピールなんかじゃなかった訳だ… 白鐘 直斗|とにかく、全ては本人から直に聴取できれば 早いんですが… 白鐘 直斗|生憎僕は、捜査からは外された身です。 白鐘 直斗|生憎僕は、捜査からは外された身です。 久慈川 りせ|て言うか、犯人が別に居るって自体、 認めないんだろうな… 久慈川 りせ|テレビで記者会見とかやったのを ひっくり返すのって、重たいからね… 白鐘 直斗|僕が捜査から外された最大の理由も、 その可能性を訴えたからだと思います。 白鐘 直斗|警察は、逮捕してしまった容疑者を 易々とは覆さないでしょう…まして少年だ。 白鐘 直斗|それに今の警察内部は、今回の逮捕で 事件を終わりにしたい空気ですから。 里中 千枝|犯人は他にいるかもって可能性、 消えてないのに!? 巽 完二|クソが…んなこったろうと思ったぜ。 ま、ハナから信用しちゃいねえがな。 花村 陽介|けどさ、直斗お前…現場でそんだけガッツリ 冷静だったなら、もうちょっと、こうさ… 花村 陽介|取り押さえろとまでは言わないけど… 外出たら後ろからって、名探偵的に、どうよ… 白鐘 直斗|い、いや… 白鐘 直斗|正直言うと、その…結構、怖くて… 白鐘 直斗|ご、ごめんなさい… 天城 雪子|そんな、仕方ないよ。 天城 雪子|私達だって抵抗出来なかったのに、 下級生の、それも女の子だよ? 花村 陽介|あー、ま、そうだな。 話聞いてると、つい忘れちまうぜ… 花村 陽介|て言うか… 白鐘 直斗|な、なんですか? 花村 陽介|とんでる“お嬢さん”だな。 白鐘 直斗|と、ともかく、真犯人はこれからも 犯行を続けると見て間違いないでしょう。 白鐘 直斗|次の動きがあるまで 今は様子を見るしかありませんが… 白鐘 直斗|次の動きがあるまで 今は様子を見るしかありませんが… 白鐘 直斗|僕にも、協力させてください。 |もちろんだ |気が進まない 白鐘 直斗|ありがとうございます。 白鐘 直斗|改めて、宜しくお願いします。 リーダー。 白鐘 直斗|今まではその…揺さぶりをかけようとして、 失礼な態度だった事は分かってます。 白鐘 直斗|でも、協力するからには、 足手まといにはなりません。 久慈川 りせ|仲間にしようよ! 現役の探偵クンだよ? 久慈川 りせ|頭いいキャラ少ないし、それに… 久慈川 りせ|完二との関係も興味ある。 巽 完二|うぇ、なッ、急にふんなよ!! 白鐘 直斗|よろしく。 巽 完二|お…? お、おう。 |>直斗が仲間になった! |>この事件の真相解明の為に、 心強い戦力になってくれそうだ! クマ|頭いいキャラの筆頭のボク、 この展開、読んでたのよね… クマ|はい、出た! ナオトメガネ~! 白鐘 直斗|あ、ありがとう… 白鐘 直斗|君の事は、聞いてるよ。 白鐘 直斗|自分を探したいって気持ちは、 僕も分かる。 白鐘 直斗|出来る事があったら、協力するから。 クマ|うわ、全然いい子クマ! |>真犯人は、別にいる… |>今は、相手の動きを待つしかない… 白鐘 直斗|失礼します。 白鐘 直斗|今日の放課後、時間ありますか? 里中 千枝|何か、事件? 白鐘 直斗|いえ…実は、クマくんを 医者に診せてみたいんです。 花村 陽介|医者? 天城 雪子|獣医さん? 白鐘 直斗|一応、人間用のです。 白鐘 直斗|空いてるなら、今日の放課後、精密検査を 受けられるように手配しましたから。 白鐘 直斗|クマくんが何者なのか、まずは普通に 医者に診てもらうのもいいのかなと。 白鐘 直斗|それに、僕たち自身の事も、 調べてみた方がいいかと思ったんです。 白鐘 直斗|“向こうの世界”の霧や、あの“力”が、 体に何か影響を蓄積させていないかどうか。 白鐘 直斗|僕よりも皆さんの方が長いでしょうし、 一度診てもらった方がいいかと。 花村 陽介|えー、影響? こ、怖い事サラっと言うなよ… 花村 陽介|そっか…その発想無かったわ… 白鐘 直斗|巽くんや久慈川さんの分も頼んであります。 里中 千枝|うわ、手際いー… あんた、ホントに高校生? 花村 陽介|見た目はチッサイけどな。 白鐘 直斗|…じゃ、また放課後に。 |>直斗の提案で、放課後、 病院に行ってみる事になった。 |>直斗に紹介された病院で、 全員、精密検査を受けた。 花村 陽介|フツーの健康診断だったな… 巽 完二|すっげー機械に乗って回されたりすんの、 ちっと期待したんスけどね。 久慈川 りせ|受けた意味、あったのかな? お医者さんも、何か不思議そうな顔してたし… 天城 雪子|あ、戻ってきた。 白鐘 直斗|お待たせしました。 クマ|お待たせしまクマ。 花村 陽介|で、クマの事、何か分かったか? 白鐘 直斗|分かりましたよ… 分からないって事が。 白鐘 直斗|レントゲンを撮ってもらったんですが、 映りませんでした。 白鐘 直斗|何度撮っても、ボヤけてしまって。 白鐘 直斗|見た目の様子や触診では、 異常は無いそうです。 白鐘 直斗|機械がおかしいかも知れないので、まだ 心配なら別の病院に行けと言われました。 白鐘 直斗|逆に迷惑をかけた気がしますね… 天城 雪子|やっぱり、普通と違うんだね… クマ|やだなーもー。 クマ|クマ、奥の奥まで見られちゃった。 里中 千枝|だから、見えてねーっての。 巽 完二|まー、異常はねえって事なんスよね。 巽 完二|けど、こいつもそうスけど、実際何なんスかね、 ペルソナとか、シャドウとか… 花村 陽介|そういや、前に図書館やらネットで 調べてみたぜ? 花村 陽介|ペルソナってのは、なんつーか、 別の人格…みたいな意味だろ? 花村 陽介|関連ワードで、シャドウってのも、 あった気がするけど… クマ|シャドウは、シャドウ… 人間から出るもの、だと思う… クマ|えーとね、うまく、言えないんだけど… 白鐘 直斗|僕もあの後、少し調べてみたんです。 白鐘 直斗|一般にペルソナやシャドウというと、 心理学用語のようですね。 白鐘 直斗|ただ、僕らの知っているあれは、 勿論それだけじゃ説明できません。 白鐘 直斗|たまたま手に入れた、ある非公式な 計画文書に、こう書いてありました。 白鐘 直斗|シャドウとは抑圧下の力であり、 自我がそれを制御する事でペルソナともなる… 巽 完二|ペルソナ“とも”なる…? んだよ、根っこはおんなじモンってか? 巽 完二|けど、そうか…ブッ倒したシャドウが ペルソナに化けんだもんな… 巽 完二|まあ、細けえ事ぁいい…何モンだろうと、 邪魔すんならぶっ潰すだけだぜ。 白鐘 直斗|ただ、あの世界とどういう関係かまでは、 流石に掴めませんでしたが。 久慈川 りせ|なーんか、自分自身の事なのに、 分かんない事ばっかりね。 クマ|分かる事もあるクマよー。 クマ|クマはね、もっとイカしたデータを 色々持ってんの。 クマ|なんかさ、クマだけ見られるんじゃ、 恥っずかしいから… クマ|ジャーン! クマ|今のご時世、情報開示って大事ですよね。 クマ|という事で、みんなの検査結果、 ドッキドキ大発表クマーッ! 里中 千枝|な!? じょ、冗談じゃないっての! 返してよ! クマ|ほっほう…足短い率、第一位は… あー、あの人ね! 花村 陽介|お、俺じゃないよな! つか、んな事まで調べたんかよ!? 花村 陽介|よし…どーせ発表するならな… スリーサイズ行け! 里中 千枝|はぁ!? バッッッカじゃないの!? 久慈川 りせ|私は別にいいけど? とっくにプロフ出てるし。 久慈川 りせ|あ、胸だけ2センチサバ読んだけど。 事務所に言われて。 天城 雪子|ダ、ダメ! ダメだから! 久慈川 りせ|えー、先輩、気にしなくても 男の子にはウケると思うけどなー。 久慈川 りせ|それに、胸はこのくらい控え目の方が、 和服は着易いと思うし。 天城 雪子|な、なッ…! 久慈川 りせ|そっか、直斗くんもか。 ええと? 直斗くんは… 白鐘 直斗|とっ! とにかく! 白鐘 直斗|この検査結果では、僕らに健康上の 問題は見つかりませんでした! 白鐘 直斗|だから、これはもう、 必要ありませんッ! 白鐘 直斗|シュレッダーに入れてきます! 花村 陽介|えーっと…まあ、 みんな健康で何よりだな! 里中 千枝|そっ、そうだね! 帰ろ帰ろ! クマ|結局、映んなかったクマね… クマの正体…なんなのかな… |次があるさ |一緒に探してあげる クマ|うん… ありがとう、センセイ… |>クマが感謝のまなざしで見つめてくる… 花村 陽介|おーい、置いてくぞー! 久慈川 りせ|これ…ホント? え、計り間違えてない? 里中 千枝|あ、菜々子ちゃん、クマくん。 クマ|やぁ、ごきげんようクマ。 堂島 菜々子|ごきげんようクマ。 天城 雪子|楽しそうだね。 巽 完二|ちーす。 久慈川 りせ|あ、勢ぞろい。 堂島 菜々子|すごいいっぱい! クマ|みんな、ゾロゾロと何しに来たクマ? 花村 陽介|試験勉強! 花村 陽介|はー、こういう時ばっかりは クマがうらやましいぜ… 天城 雪子|嘆いてないで、 まずは、加法定理の所から始めよ? 里中 千枝|うおぅ… さっそく数学かい… 久慈川 りせ|私たちは、三角比の所だよね。 面積を求めなさいってやつ。 巽 完二|あぁ? サンカクの面積は…アレだよ。 巽 完二|あー、テーヘン×高さ×2だろ? 白鐘 直斗|良かったら、教えましょうか? 花村 陽介|お!? お前やっぱりデキる子か? なら、俺にもひとつ… 白鐘 直斗|あ、いえ…2年の教科は さすがに分かりませんよ。 花村 陽介|え~…んだよー。 意外と、役立たずだな。 白鐘 直斗|や、役立たずっていうなっ!! 花村 陽介|ヘヘ、分かってきた。 ナオトくんのイジり方、段々分かってきた。 花村 陽介|怒るとカワイイじゃん。 白鐘 直斗|な、なに言ってるんですかっ!! 巽 完二|オレもやーめた、ガラじゃねえや… 勉強するより、“おっとっと”だぜ。 久慈川 りせ|あ、私も食べるー。 潜水艦探しするー。 巽 完二|潜水艦はオレのだっつの! 花村 陽介|ハァ…も、ダメだな今日は… 堂島 菜々子|クマさん、自分がだれか 分からないんだって、へんなの。 クマ|…こっちの生活は、本当に楽しいクマ。 クマ|だけど、そう感じるほど、自分が何なのか 気になっちゃって… クマ|インターネットで調べたり、 マンガとか、テレビとか見たり… クマ|この前はトショカンって所にも行ったけど、 なかなかクマのこと、分かんなくて… 花村 陽介|ま、そりゃそうだ。 クマ|けどクマ、イメージはある。 天城 雪子|いめーじ? 里中 千枝|おっと初めて聞くかも、 アンタの推測。 クマ|クマが住んでたのはあっちの世界。 あっちの世界がクマの現実だった… クマ|でもあそこは多分、こっちの人たちの 頭の中から生まれた世界かもって思う… クマ|クマは、シャドウがいっぱいのあそこで、 何かきっと特別な存在だったんだと思う… 花村 陽介|特別な存在? クマ|けど、その頃の事、たぶん、 忘れたかなんかしたクマね… クマ|キオクソーシツってやつ。 こないだ、本で読んだもん。 白鐘 直斗|確かに…向こうの世界の成り立ちには、 人間の思考が関係している節がありますね。 白鐘 直斗|もっとも、あんな世界に対して 推理も何も無いですが… 白鐘 直斗|そんな世界に元から居たという時点で、 クマくんの特殊性に関しても頷けます。 白鐘 直斗|キミがあの世界で特別な存在である事は、 状況的には間違いないと思う。 白鐘 直斗|それを何も知らないというなら、確かに 記憶がどこかで途切れてるのかも。 白鐘 直斗|今ある一番古い記憶は、いつのものですか? クマ|けっこー前ね。 気づいたらあそこに住んでて… クマ|騒がしくなってきたから、たまたま出会った センセイ達に、ヨーソローって頼んで… 白鐘 直斗|そうか…ずっと向こうじゃ、 日時の感覚がハッキリしないのか… 里中 千枝|わ、そうだよ、 この話題、菜々子ちゃん置き去りじゃん! 里中 千枝|ごめん菜々子ちゃん、 ポカンとさせちゃってんね… 堂島 菜々子|…ねー、 クマさん、きっと、王様だよ。 堂島 菜々子|王様はね、わるい人のノロイで、 森の中にひとりだったって、本でよんだ。 堂島 菜々子|クマさんも、そーだったんでしょ? クマ|王様… そう言われると、そんな気も… 天城 雪子|クマさんが、王様… 天城 雪子|うぷぷっ…似合うかも。 マントとか… 里中 千枝|雪子さ…最近もう誰の前でも 爆笑スイッチ入るよね… 巽 完二|クマの王様話は…やめようぜ… 花村 陽介|ん…? 何でそんな顔してんだ…? クマ|クマねー、本当に王様だったクマよ。 クマ|他にも王様がいてねー、 みんなでねー… 里中 千枝|ちょっ…それクラブの話!? 里中 千枝|や、やめなさい! 菜々子ちゃんの前でっ!! クマ|クマ、ほんとに王様なのかな? |そうかも |きっと違う クマ|むっふふ! 王様だったら毎日チッスクマ~! |>クマはニヤついている… クマ|んむむ…王様じゃなきゃ何スかね… クマ|…キング? |>クマは考え込んでいる… クマ|センセイと一緒なら、見つかる気が ほんのりしてるクマよ。 |>クマからの厚い信頼を感じる… 堂島 菜々子|お兄ちゃーん、クマさーん、 メロンソーダでいいー? |>ジュネス フードコート… |>みんな、菜々子と一緒に 飲み物を買いに席を離れた。 |>菜々子はいないようだ… 堂島 菜々子|ただいまー。 堂島 菜々子|あ、おかえりー。 堂島 菜々子|ポストにてがみ来てたよ。 お兄ちゃんに。 |>宛名には “鳴上 悠 サマ”とある… |>だが、差出人の名前や住所は無い… |>たった一文だけが、印刷されている… |>“コレイジョウ タスケルナ” |>……? 堂島 菜々子|おともだち? 堂島 菜々子|あ、見たいテレビ、はじまっちゃう! |>“コレイジョウ タスケルナ” |>まさか、犯人からの警告だろうか…? |>それとも、ただのイタズラか… |>明日、仲間に相談してみよう… |>昨日届いた手紙をみんなに見せた… 白鐘 直斗|“コレイジョウ タスケルナ” 白鐘 直斗|警告、ですかね… 里中 千枝|カタカナでカタコトって… ベタすぎない? 巽 完二|イタズラじゃねんスか? マンガじゃあるめえし。 花村 陽介|叔父さんには見せたのか? |まだ見せてない |見せる気はない 白鐘 直斗|堂島さんは信頼できる方ですが… 見せるのは、控えた方がいいでしょう。 白鐘 直斗|こんな手紙が来る経緯を説明できませんし、 心配されて見張りでもつけられたら動けない。 白鐘 直斗|もしこの手紙が本物なら、 一番重要なのは内容じゃない… 白鐘 直斗|“宛名入りで、堂島家に届いた”という点です。 白鐘 直斗|犯人は、犯行を邪魔しているのが 何処の誰か、詳しく知っている事になる… 白鐘 直斗|しかも全員の中から、わざわざ家主が刑事の 堂島家を選んで送りつけてきた… 白鐘 直斗|この手紙…可能なら鑑識にかけたい所ですが、 恐らく何も出ないでしょう。 白鐘 直斗|警告と同時に、特定されない自信があるという 犯人の意思表示のように思えます。 里中 千枝|警察に言っても仕方なし… てか、言うと余計ヤバイか… 花村 陽介|ほんと、イタズラであってくれ、マジで… 天城 雪子|でも、内容考えると、 ただのイタズラにしては出来すぎかも… 天城 雪子|もし犯人なら…なんで私たちの事 そんなに知ってるのかな… 天城 雪子|どこかで見てるとか…? 花村 陽介|“あっち”に居る時、見られてる気配 あるってのは、大分前からクマが言ってるな… 花村 陽介|まさかマヨナカテレビに“もう一人”が 映ってる時、助けに行ってる俺らの姿も… 里中 千枝|で、でも、あたしたちのしてる事、 誰も知ってる感じしなくない? 里中 千枝|学校とかでも噂聞かないし、テレビ見たって 言った子からも、何も言われた事ないし… 里中 千枝|噂でもちきりんなるの、失踪した人 だけって気がするけど。 花村 陽介|そう言や、そもそもマヨナカテレビ自体、 どういうモンなのか謎のままなんだよな… 白鐘 直斗|あの世界の正体を探る話は一旦置きましょう。 不明な点が多過ぎます。 白鐘 直斗|とにかく今は“犯人はこちらを知っている” という心構えをもつ事… 白鐘 直斗|それだけ共有できれば十分です。 花村 陽介|まっ、分からん事は分からんしな… 花村 陽介|そうやって憶測でビビっちまうのが、 一番相手の思うツボだ…だろ? 里中 千枝|分かった。 里中 千枝|じゃあ、ちょっとバッサリ 話題変えてもいい? 里中 千枝|もうすぐ文化祭じゃん? うちのクラスって何すんだっけ? 花村 陽介|そういや、 決まってないんじゃなかったか? 天城 雪子|今度、投票で決めるって聞いたけど… 確かまだ案を募集中じゃなかったかな? 里中 千枝|うわ…なんか閃いてるよ… 里中 千枝|ぜったいアレな事だ。 賭けてもいいわ。 久慈川 りせ|先輩、一緒に回る人、もう決めた? 久慈川 りせ|私、空けてあるからね。 この幸せ者! 里中 千枝|うう…今の今までだんまりだったのに、 この子は… |陽介の言う通りだ |心配しても仕方ない |いつか、手がかりになるかも 里中 千枝|…うん。 |>みんなに、今は状況が動くのを 待つしかないと伝えた。 |>ホームルームの時間だ… |えー、知ってのとおり、 来週末は文化祭です。 |そして知ってのとおり、 ウチのクラスの出し物が決まってません。 |もー、みんな、やる気無いでしょー? |今出てる案から決めちゃうから、 各自1票を投票してくださーい。 |読み上げまーす。 |“休憩所” “ビデオ上映室” “自習室”… |やる気ねー。 要はどれも“なんもしない”って事じゃん… |ま、楽なのがいいんじゃん…? |最後、えっと…“合コン喫茶”。 花村 陽介|おいおい、誰だ提案したの? 花村 陽介|里中あたり? 里中 千枝|違うっての!! 何を根拠に言ってんのよ!? 天城 雪子|合コン喫茶って…何? 里中 千枝|知らんけど…まあ誰も投票しないでしょ。 うちの組、根が割とマジメだし。 花村 陽介|そうそう、あくまでネタネタ。 1個キワモノ混ぜとくのってお約束じゃん? 里中 千枝|アンタかよ!? |じゃ投票用紙、回しまーす。 1個だけに丸してね。 |>何に投票しようか… |休憩所 |ビデオ上映室 |自習室 |合コン喫茶 |>記入して、提出した。 |それじゃ、開票しまーす。 |えー、1票目… 合コン喫茶。 |2票目…合コン喫茶。 |あ、あれ? まじで? |3票目…ビデオ上映室。 4票目…合コン喫茶。 |合コン喫茶、合コン喫茶、 自習室、合コン喫茶… |>全ての開票が終わった… |>“合コン喫茶”が1位だ! 花村 陽介|ちょ、1位って…どうすんだよ! 里中 千枝|オマエのせいだろっ!! 里中 千枝|てか、入れた連中も、どこまで本気なんだか。 自分らでやるって、分かってんのかな… 天城 雪子|私、合コンって行った事ないから、 ちょっとだけ、興味あったっていうか… 里中 千枝|うぉ、入れた人!? 天城 雪子|それに、誰も投票しなかったら可哀想でしょ。 里中 千枝|犯人は花村だけどね… 花村 陽介|は…犯人とか言うな! 1位って事は、世論だろ、一応! |んじゃ、民主主義らしく多数決で、 “合コン喫茶”に決まりましたー。 |…これってどんなの? “フィーリングカップル”的な感じ? |て言うか、ほんとに大丈夫か? みんな、ちゃんと手伝えよー? |…ていうかさ、先生たちOKすんの? |柏木なら、意外とすんじゃね? |柏木先生は、例の2大コンテストの 準備で忙しいってさ。 |だからクラスの出し物は生徒に一任だって。 |うっわ、メンドくてブン投げただけじゃん! |ご、合コン喫茶ってこれ…客、来るのか? |てか、合コン喫茶ってぶっちゃけ何なの? 入れたけど。 里中 千枝|どうなっちゃうの… |>掲示板に、何かの見出しが 大きく書かれている… |>“ミス八高・コンテスト!!” |>…文化祭で行われる ミスコンの告知のようだ。 |うわ、柏木、仕切るだけじゃなくて 出るんだ… |あいつが主催引き受けてる理由、これか… |>確かに、出場者の中に“柏木典子”とある… |>他の出場者は… |>よく知っている名前が並んでいる! |>“天城雪子” |>“里中千枝” |>“久慈川りせ” |>“白鐘直斗” |>“大谷花子” |>そうそうたるメンバーだ… |いち、にい…え、結構いるじゃん。 よく集まったね。 |うわ、“久慈川りせ”だって! まじで? 芸能人、空気読めよ… |きっと結構人来んねー。 |あー、ついに天城出んだー。 |こりゃ例年なら天城1本で決まりだけど… でも今年は“りせちー”いっからな! |今年はスゲーな、うちの学校… |え、りせちー、出んの!? こんな学校行事に出んのかよ!? |オレ、席取り、マジんなろうかな… |へえー、里中、出んじゃん。 オレ、なにげに好みだぜ、ああいうの。 |いや、里中は隠れファン多いんじゃん? |白鐘って、男みてーな女みてーなアレだろ? あいつ、なんてーか…カワイイよな、えへへ。 |笑い方、ヘンタイっぽいから… |で、でも実は… オレもかなりカワイイと思うよ…えへへ。 |>それぞれに、 既にファンがついているようだ… 花村 陽介|うーす。 花村 陽介|昼休み、ヒマか? なんか里中たちが、屋上来いってよ。 花村 陽介|割と真顔だったんだよな… なんかあったのかな? 花村 陽介|あー、完二とかにも声かけといたからさ。 |>昼休み、屋上に呼び出された。 |>何かあったのだろうか… 里中 千枝|どーいうことか、 説明して欲しいんだけどっ!? 花村 陽介|な、何がだよ? 里中 千枝|ミスコン! 勝手にあたしらの名前、書いたでしょ! 花村 陽介|お、俺じゃねーって! なんで疑いが俺一択なんだよ!? 花村 陽介|い、嫌なら辞退すればいいだろ? ネタで済むわけだし。 里中 千枝|それが出来ないから怒ってんだっつの! 里中 千枝|今年は主催の柏木の仕切りで、 申請されたら他薦でも強制なのよ! 花村 陽介|マジ? そっか…そういう細かい レギュレーションは見落としたかも… 里中 千枝|やっぱオマエじゃんか!! 花村 陽介|やっべ…! 久慈川 りせ|ねえ、先輩たちはさ、 私たちに出て欲しい? 花村 陽介|そ、そりゃーまーな。 花村 陽介|だって天城とか、地味に学校中で人気じゃん? その上“アイドル”に“探偵王子”だぜ? 花村 陽介|こんな注目ヒロインが全員不参加じゃ、 ミスコンあり得ないって! 里中 千枝|あたしは関係ないじゃん! 里中 千枝|悪かったぁね、関係なくて!! 花村 陽介|な、完二も出て欲しいよな!? 巽 完二|あ…? んなん、興味ねえスよ、オレ… 花村 陽介|…タツミくんは、是非ナオトくんに 出て欲しいってさ。 巽 完二|なッ…い、言ってねえよ! 花村 陽介|お前はどうなんだ? てか、出て欲しいよな? |そうでもない |出て欲しい |いいから出ろ 久慈川 りせ|ふうん…そっか。 久慈川 りせ|実は、ちょっぴりジェラシー? 他の男子の前で媚びて欲しくないとか? 久慈川 りせ|ふふふ。 久慈川 りせ|ふーん… 久慈川 りせ|他の男と接近して欲しくない、とかジェラシー にじむかと思ったけど…そんなセコくないか。 |>いかに出て欲しいかを力説した。 里中 千枝|あんたらさ…地味に花村に 乗っかろうとしてない? 久慈川 りせ|期待してくれてる人がいるなら、 久々に頑張っちゃおっかな。 久慈川 りせ|事務所とかは、この際ムシで。 花村 陽介|そ、そうそう、それがいいって! クマだって楽しみにしてるぜ。 花村 陽介|つか、クマが一番楽しみにしてるかもよ。 俺に全員の推薦プッシュしたのアイツだし。 里中 千枝|クマ公もグルか… 白鐘 直斗|困った事になりましたね…断れないのが 確定なら、もう議論に意味は無いですが… 白鐘 直斗|ステージに上がるだけとしても、 僕は場違いな気がするし… 白鐘 直斗|なんとか学校側と… 巽 完二|も…問題、ねぇんじゃ…ねえか? 巽 完二|て、てか出ろ! いいから! 花村 陽介|完二…いつにも増して オーバーヒート気味だな… 久慈川 りせ|なによ完二、回りくどい事言ってないで、 気になるなら言えばいいのに。 久慈川 りせ|じゃあ、ミスコンは 私たち四人とも参加でOK? 白鐘 直斗|な、何を言ってるんですか! 巽 完二|その…頼む、出てくれ。 巽 完二|その時に、だな、 オレの、疑惑が、完全に晴れるってえか… 巽 完二|頼む!! オレを男にしてくれ!! 白鐘 直斗|疑惑…? 何の話? 巽 完二|い、いいから! 出ろっつってんだろ!! テメ、名探偵だろが!! 白鐘 直斗|ええっ、探偵、関係あるの!? 巽 完二|ハァ…ハァ… |>2日後の文化祭の準備が進んでいる… 里中 千枝|たっだいまー。 あー、疲れた。 花村 陽介|どこ行ってたん? 里中 千枝|ジュネス。 布とペンキ頼まれてさあ。 花村 陽介|飾り付けのか。 |お疲れさま。 領収書切ってもらった? 里中 千枝|うん、向こうも分かってたみたいで 何も言わずに書いてくれた。 |当日のこと、ちょっと聞いといて 欲しいんだけど。 里中 千枝|…合コン喫茶のこと? |そう、花村も実行委員だし。 花村 陽介|え、ちょ、何それ! |案出したの、花村だろ? 花村 陽介|マジかよ… |つっても、やること受付とかだし。 |受付済ませたら、男子と女子、 数人ずつ対面で座ってもらって… |最初は質問タイムだろうな。 好きに質問してもらってー… |30分ぐらいしたら、告白タイムだな。 気に入った人の番号を挙げてもらう、と。 |相手もOKしたら、カップル成立… おい花村、聞いてるか? 花村 陽介|ハァ…分かった… |この布、丸めたら結構ボールっぽくね? |よぉーし、じゃあオレ、キャッチャーするぜ! |キャッチャーかよ。 |なら花村ぁ! バッターやんねえ? 花村 陽介|も、ヤケだ! いいぜ、顔面返しだ、こいっ!! |ちょっと男子! 真面目にやんなさいよ! |>クラスの出し物“合コン喫茶”も、 文化祭に向けて動きはじめた… |>掲示板に大きく書かれている 見出しが見える。 |>“ミス八高・女装大会!!” |>…なんと、文化祭で、男子扮する “女装ミスコン”をやるようだ。 |お、花村! 期待してるぜ! 花村 陽介|女装コンって今年もやんのかよ。 ハハ、懲りねーなぁ。 花村 陽介|お、出場者書いてある。 ハハ、誰だよ、んな物好きは。 花村 陽介|えー…花村陽介… 花村 陽介|俺だーーーーッ!! 花村 陽介|え、それに…“巽完二”!? 花村 陽介|あと、お前もだ!! |>“鳴上 悠” …確かに自分の名前だ! |うわ、結構多いねー。 去年二人とかじゃなかった? |今年、他薦でも強制らしーじゃん? 誰かが推薦しちゃったんじゃん? |それ、イジメだよねー。 …や、意外と自薦だったりして。 |やぁだー、キモーい。 てか、割と真顔でキモいそれぇ。 花村 陽介|誰かが推薦…? 花村 陽介|あいつらだ… やりやがったな… |>文化祭の女装コンテストに 出場することになってしまった… 花村 陽介|どーいうことか、説明してもらおうか!? 里中 千枝|何が? 花村 陽介|何が? じゃねーよっ!! 女装大会! 俺らの名前、書いただろ! 里中 千枝|あー、アレか。 里中 千枝|りせちゃんが、“みんなで楽しもうよ!”って 言い出して、仕方なくねー。 里中 千枝|人数増えて、 柏木も喜んでるらしいよ? 花村 陽介|おっまえ、女装だぞ!? 女装!! 里中 千枝|先にやったのは、アンタらだろ! 里中 千枝|こっちは、ミスコン出る事になってんだから、 おあいこだよ! 花村 陽介|それとこれとは、違うだろうよぉ… 天城 雪子|大丈夫。 天城 雪子|すっごくキレイにしてあげる。 ね? 花村 陽介|そういうこと言ってんじゃねーの! 巽 完二|男にはプライドってもんが あるんすよ! |ぜったいイヤだ |頑張らせてもらおう 花村 陽介|だろ!? ぜってー、イヤだよな! 花村 陽介|うっお、マジかよオマエー!? 里中 千枝|ハイハイ、 もープライドとか関係ないから。 里中 千枝|分かってるでしょ? 名前が推薦されたら強制参加なの。 里中 千枝|文句があるなら柏木センセに 言いに行って。 花村 陽介|かっ…柏木が聞き入れるわけ ねーじゃんか! 巽 完二|なっ!? 何あきらめムードになってんスか!? 巽 完二|オレ、ほんっと嫌っスからね! 天城 雪子|完二くん、出席日数とか大丈夫? 天城 雪子|あまり、先生をがっかりさせないほうが、 いいと思う。 巽 完二|先輩…さらっと怖いスね… 里中 千枝|プロデュースはあたしたちに 任せてもらっていいしね。 里中 千枝|りせちゃんもいんだからさ。 里中 千枝|キレイになんないワケないし。 巽 完二|…絶対、キレイになるんだろうな… 天城 雪子|保証する。 花村 陽介|ちょっ、何お前出る気になってんだよ! 巽 完二|出るからには咲くしかないっしょ! 花村 陽介|そーいう男らしさ、やめてくれよ! 花村 陽介|けど、俺は絶対… 里中 千枝|サボったら、柏木怒るだろうな… 来年は完二くんと授業受けてたりして。 花村 陽介|な、なんで、こんなことになったんだ… |>断れない流れのようだ… 花村 陽介|知らないうちに、俺ら、 イベントに全員参加かよ。 花村 陽介|どんな軍団なんだよ… 里中 千枝|もとは、全部、アンタが… 花村 陽介|ど、どうせやるなら、楽しもーぜ! あはははは! |>クラスの出し物、合コン喫茶… |>…客が誰も来ない。 天城 雪子|ご、合コンやってまーす… 天城 雪子|も、もう、恥ずかしいな、これ… 天城 雪子|そもそも、人通りがあんまり… |見てってもらうには、サクラが必要かな。 花村 陽介|サクラ…? |俺らで。 花村 陽介|さっ、寒くね? |仕方無いだろ、客来ないと始まらないし。 |人通りもあまりないんだから、 確実に呼び込まないとさ。 花村 陽介|けど、ここにいるの五人で奇数だし… 巽 完二|ちーっス。 巽 完二|先輩方、様子見に来ました…よ? 里中 千枝|すげータイミング! 花村 陽介|でも男4の女2だろ? |おまえら、どーせ明日、女装すんだろ? どっちか、女の席に座れ。 花村 陽介|はぁ!? 誰が… |さっさと男子の席に座る |潔く女子の席に座る |じゃ、花村、おまえ女役な。 花村 陽介|ま、マジかよ… |あ、キミがそっちいくんだ… 花村 陽介|意外なやつだよ、まったく。 |じゃ、はじめ。 |>沈黙が重い… 巽 完二|つか、何なんスか、これ。 花村 陽介|合コンのマネ… 花村 陽介|あ、いえ、合コンですわよ。 おほほほー。 里中 千枝|いやいーよ言葉づかいは… 巽 完二|じゃあ、ご、ご趣味は… 花村 陽介|乗ってくるな、お前! 里中 千枝|しゅ、趣味はえっと、格闘全般でっす。 見るほうメインね…あはは… 里中 千枝|うわ、すげー恥ずかしい… 天城 雪子|わ、私は、ええと… シャ、シャドウ倒したり? 花村 陽介|それ趣味じゃねーだろ! 天城 雪子|そ、そっか、ごめん… 里中 千枝|えーとじゃあ、こっちから質問するね! 里中 千枝|…無いな。 天城 雪子|好きな女の子のタイプは? 花村 陽介|おお、直球… |えーと…か、かわいい子? |うわ、何か寒いな… 花村 陽介|今さら… 花村 陽介|次、お前だぞ。 好きな女の子のタイプだって。 |千枝みたいなタイプ |雪子みたいなタイプ |優しい子 |何でもいい 里中 千枝|ちょ、えっ、あの… 里中 千枝|って、アハハ! やだ、マジに受け取っちゃったじゃん! |>千枝は恥ずかしそうだが、嬉しそうだ… 天城 雪子|え? ええと… ありがとう…って言えばいいのかな。 |>雪子は恥ずかしそうだが、嬉しそうだ… 花村 陽介|あー、俺も俺も! 守ってあげたくなるっつーか… 巽 完二|花村先輩には聞いてねんじゃねえスか? 花村 陽介|…あーあ、いっちった! おっ前、そういう言い方はさ… |>心なしか、女性陣の目が冷たい… 里中 千枝|じゃ次、完二くん。 巽 完二|あ、えと、オレはその… 巽 完二|ちょ、ちょっとミステリアスってか、 強いように見えて意外にっていうか… 花村 陽介|それ誰のことだよ… |>何か、質問をしてみようか… |千枝がこの中で気になる異性は? |雪子がこの中で気になる異性は? |陽介がこの中で気になる異性は? 里中 千枝|なななななに急に聞いてんの!? 里中 千枝|こんなとこで、そんなことに、 答えられるわけないでしょ!? 天城 雪子|え、え、それは…その… 天城 雪子|ここで言うの…? 花村 陽介|えー、みんなカッコいいけどー、 やっぱりぃ、頼りになるのは鳴上… 花村 陽介|ってアホかっ!! 素人にノリつっこみさすなっ!! |じゃ、はじめ。 |えーっと… ……………はじめて、いいよ? |………………………… ……………………開始、シテクレ。 |>沈黙が重い… |>女性になったつもりで、 何か、質問をしてみようか… |好きな女性のタイプは? |この中の女子で誰が一番好き? 花村 陽介|ベタに乗ってきやがったな…あいつ。 巽 完二|つか、何なんスか、これ。 花村 陽介|合コンのマネ… |えっと、じゃあ、俺から? |か、かわいい子、かな…ハハ。 花村 陽介|お、俺はええと… 花村 陽介|優しくて、ちょっとハカナゲっつの? 守ってあげたくなるような… 花村 陽介|…や、やべー、なんだこれ。 花村 陽介|ほ、ほら、次完二。 巽 完二|あ、えと、オレはその… 巽 完二|ちょ、ちょっとミステリアスってか、 強いように見えて意外にっていうか… 花村 陽介|それ誰のことだよ… 花村 陽介|ちょ、いきなりそんな話出来ねーよ! 巽 完二|つか、何なんスか、これ。 花村 陽介|合コンのマネ… |サ、サクラとか言い出した俺が悪いな、ハハ。 |じゃ、じゃあ、か…彼氏にするなら この中で誰がいい? 花村 陽介|だ、だからいきなり聞くなっつの! |い、いいだろ別に…はい、里中さんから。 里中 千枝|えぇ!? ちょ、あの…あ、あはは… 里中 千枝|ええと、その… |>千枝がこちらを見ている気がする… なんとかしてくれという合図だろうか… |雪子に話を振る |無視する 天城 雪子|わ、私!? え、えっと、彼氏にするには… 天城 雪子|え、無理だよ、そういう話は… 里中 千枝|だ、だよねー? |>千枝から感謝の目配せをされた。 天城 雪子|…じゃあ、次だね。 彼氏にするなら誰? だって、鳴上くん。 里中 千枝|彼氏にするとかはなし! ね! 里中 千枝|きっと、雪子もそうだと思うから飛ばして… 里中 千枝|彼氏にするなら誰? だって、鳴上くん。 あはは… |陽介 |完二 |無理 花村 陽介|やっめろ、そのノリ! こえーっつの! 巽 完二|愛の形はそれぞれ…とか、 オレに言ってた気が… 花村 陽介|無い! 無い! 花村 陽介|ま、頼りがいあるし、 そこそこカッコいいってのは認めるけどね! |>陽介はなぜか誇らしげだ… 花村 陽介|おおっと…や…ったな、完二! ほら、お前ちょーど良くね? 巽 完二|ちょーど良…くねー! つってんだろ! 巽 完二|あのさ、いい加減そろそろ…キレるっスよ? 花村 陽介|まーほらほら、男らしいしさ! 男も惚れちゃうっていうか男がっていうか! 巽 完二|あー、確かに男らしさでは 誰にも負けない自信、あるっスけどねぇ! |>完二は嬉しそうだ… 花村 陽介|ま、無理だわな… なんか安心した… |>沈黙が重い… 久慈川 りせ|せんぱーい、盛り上がってま… 久慈川 りせ|…せんね。 久慈川 りせ|じゃ、じゃあまた! 花村 陽介|合コン喫茶、失敗だな… |>妙な雰囲気のまま、 文化祭1日目が終わった… |>妙な雰囲気のまま、 文化祭1日目が終わった… |>せめて、もう少し校内を回ってから 帰る事にした。 |えーっと… ……………はじめて、いいよ? |………………………… ……………………開始、シテクレ。 |えーっと… ……………はじめて、いいよ? |………………………… ……………………開始、シテクレ。 里中 千枝|なに今さらおじけづいてんの。 こっち来て、座って。 久慈川 りせ|ほらほら、完二くん、 こっち! 天城 雪子|大丈夫、痛くしないよ。 |>もうすぐ女装コンテストが はじまる… |>おとなしく雪子の メイクアップを受けるしかないようだ。 クマ|クマはどうしたら? クマ|クマも参加することになりました。 野望のために優勝もらうクマ。 花村 陽介|暇そうだったから飛び入り参加で 手続きしといた。 里中 千枝|アンタ、道連れ増やして… 里中 千枝|…ま、申し込んじゃったんなら もうどうしようもないか。 里中 千枝|直斗くん、手、空いてるよね。 クマくんの担当、お願い。 白鐘 直斗|ぼ、僕ですか? クマ|クマ・直斗組でのし上がるクマ。 白鐘 直斗|それじゃあ、えっと… クマ|まずは素敵に、メークアーップ! 白鐘 直斗|そ、そうだね。 じゃあ化粧道具、借りてくるんで… クマ|待つクマ! 勝負は道具選びから始まるクマ! 里中 千枝|ねー、つけまつ毛は必須だよね? 花村 陽介|お、おーよ、どんどん持ってこい! |>文化祭の2日目… |>コンテスト開催前の教室… 柏木 典子|うふふ… はじまったわね… |レディース、エーン、ジェントルメーン! |文化祭2日目の目玉イベント、 “ミス? 八高コンテスト”の 始まりでーす!! |さっそく一人目からご紹介しましょう! |稲羽の美しい自然が生み出した暴走特急、 破壊力は無限大! |1年3組、巽完二ちゃんの登場だ!! 巽 完二|うっス! |ギャー! |キッモ! |これはひどい、ひどすぎる! |さー、僕も近づくのが恐ろしいんですが… チャームポイントはどこですか? 巽 完二|…目? |おーっと、意外にスタンダードだぁ! |1番手がコレでは、もう霞んでしまうんじゃ ないでしょうか、がけっぷちの2番手をご紹介! |ジュネスの御曹司にして爽やかイケメン、 口を開けばガッカリ王子! |2年2組、花村陽介ちゃんの登場だ!! 花村 陽介|ど、ども! |やっばい! |花村先輩、いい線行くと思ったのにー! |や、これいそうで怖い! |さー、気合いが入った服装ですが… 普段からこんな感じで? 花村 陽介|んなワケねーだろ! 花村 陽介|ねー…ですわよ? 巽 完二|何スかこれ、ただの見世物じゃないスか! 花村 陽介|それ以外の何だと思ってたんだよ… |僕ももう、おなかいっぱいになってきました! 続いて3番手、この人の登場です! |都会の香り漂うビターマイルド、 泣かした女は星の数!? |2年2組に舞い降りた転校生、 鳴上 悠ちゃん! |や、やめてー!! |なんで先輩、こんなの出ちゃうのー!? |うおっ、先輩ってクールだと思ってたのに… |さー、物議をかもす出場ですが… 自分で立候補を? |当然です |友達に無理やり… |気になってる子に推薦されて… 花村 陽介|完二以上に前向きだったんだな… 花村 陽介|言ってやれ、里中千枝さんに、って!! 花村 陽介|おっま、暴露の焦点がズレてるから! 花村 陽介|つーか柏木め… 花村 陽介|純粋な青少年をキズものにしやがって! ぜってートラウマになったぞコンチクショー! |さ~て最後は飛び入り参加、 出場者たちのお仲間が登場です! |自称“王様fromテレビの国”、 キュートでセクシーな小悪魔ベイビー! |その名も“熊田”ちゃんだぁ!! クマ|ハートをぶち抜くゾ? |えええ、あれ男の子!? |すっごい可愛い! |オレ、あれならイケる… |>投票が行われた… |今年の“ミス? 八高コンテスト”、 優勝は… |大きな支持を集めました、 飛び入り参加の熊田さん!! |優勝した熊田さんには、 すばらしい賞品が!! |本日午後の部に行われる、正真正銘の女性たち による“ミス八高コンテスト”! |その、栄えある審査員の座を プレゼントします!! クマ|うっひょーい! 花村 陽介|し、審査員の座かよ… セコイよな、前座の賞品は… 里中 千枝|審査員であんなに喜ぶなんて、 なかなか出来ないよね。 天城 雪子|あんなに喜ばれると、何かこっちまで 嬉しくなるね。 久慈川 りせ|無駄にピュアよね、クマのやつ。 |それでは熊田さん。 優勝のお気持ちと、 ミスコンの審査員になった感想は? クマ|…ふっふっふっ。 待ちに待った日が来たですね~。 クマ|午後の審査は… クマ|じゃじゃーん! 水着審査をするべがなー!! 里中 千枝|なな何言い出してんのあいつ…! そんなのあるわけないじゃん! 久慈川 りせ|えー、水着なんて持ってないよ!? 天城 雪子|あのクマ、始末したほうが… 白鐘 直斗|いや、勝手に言ってるだけですから… 柏木 典子|うふふ… いい! いいわぁ、この流れ! 柏木 典子|せいぜい着飾んなさいな、 ガキンコちゃんたち。 里中 千枝|漫画のキャラかよ… え、柏木の優勝狙いって真顔なわけ? |さっき優勝した熊田さんから、 差し入れです。 |水着だそうです… 里中 千枝|ちょっ、いらないって! 柏木 典子|うふふ…ふふふあははおーほっほっほ!! 大人の魅力、さらけ出すわよぉ!! 柏木 典子|ま、私は自前の水着だけどぉ。 大谷 花子|私も自前ですけどぉ。 里中 千枝|な、なんなの、この人たち… 天城 雪子|や、やっぱり辞退しよ? 柏木 典子|あっらぁ? 怖気づいたのぉ? ま、負ける戦はしないのが賢明よぉ。 柏木 典子|アイドルなんて言っても やっぱりガキンコよねぇ、心も度胸も…体も。 久慈川 りせ|…はぁ!? 大谷 花子|どうせミス八高に選ばれようも無い人たちだし 辞退でいいんじゃないですかぁ? 里中 千枝|あ、アンタは選ばれるってわけ!? こっの…イビキ魔神! 大谷 花子|なに、イビキって意味分かんない。 見た目も頭も、言葉づかいも悪いのね。 里中 千枝|こっちはアンタのせいで どんな目にあったと思ってんの… 里中 千枝|カ、カチンってきたっ! 大谷 花子|あら? 私と勝負しようっていうの? 無駄だから、やめときなさいって。 大谷 花子|あなたの友達にも、忠告しとくわ。 大谷 花子|どうせ、負けるんだから、 今のうちに逃げた方がいいわよ? 里中 千枝|に、逃げるですってぇ? なんで、あんたから逃げなきゃなんないのよ! 天城 雪子|た、確かに前は逃げたけどね… 里中 千枝|だ、だからこそよッ! リベンジ煽られてるんだよ!? 里中 千枝|ケンカ売られて、黙ってらんないっしょ! 天城 雪子|う、うん… 里中 千枝|ね、りせちゃん、直斗くん! 逃げるなんて出来ないでしょ!? 白鐘 直斗|…え、僕もですか!? 白鐘 直斗|そ、そんな簡単に挑発に乗って、 どうするんですか!? 白鐘 直斗|むむむむ無理です! 白鐘 直斗|水着なんて! 僕! 絶対無理ですから! 里中 千枝|逃ーがーさーなーい。 |>その後、 ミスコン控え室… |>ミスコンを陽介、完二と一緒に 客席で見ることにした。 |文化祭2日目のメインイベント! “正真正銘ミス八高コンテスト”!! |審査が続いています! 聞こえますか! この歓声が! |では、次の方! 2年2組、里中千枝さん! どうぞ! 里中 千枝|さ、里中千枝です。 |では自己PRをお願いします! 里中 千枝|え、えっと、性格はおとなしくって… 好きな食べ物は、プディングでぇす。 花村 陽介|うそつけ、肉だろ。 |ありがとうございましたー! |続きましては同じく 2年2組、天城雪子さんです! 天城 雪子|こ、こんにちは、 天城雪子です。 天城 雪子|えっと、家は旅館を経営しています。 天城屋旅館です。 天城 雪子|近くへお越しの際は、是非お立ち寄りください。 天城 雪子|日帰り入浴も、出来ますので、 どうぞごひいきに… |はーい、ありがとうございましたー! |続きましては何とこの人、 1年2組、久慈川りせさんです! 久慈川 りせ|こんにちはっ、久慈川でっす! 久慈川 りせ|この町に来て日は浅いけど、 とってもいいとこで、りせちー幸せだよっ! 久慈川 りせ|アイドル、休業中でごめんねっ! りせちーも頑張るから、応援よろしく! |いっやー、生りせちーですよー。 ありがとうございましたー! |続きましては噂の転校生、 1年1組、白鐘直斗さん! 花村 陽介|おい完二、次だぞ…あいつ… 巽 完二|ちょ、しー! 静かに! 白鐘 直斗|…し、白鐘直斗、です。 白鐘 直斗|こんなコンテストで 壇上に上がることになるなんて… 白鐘 直斗|夢にも思ったことが無くて… その…何を言っていいのか… 白鐘 直斗|…こ、困ったな。 巽 完二|お…おお… |以上の個性豊かな六名で競っていただきます! |それでは、特別審査員の熊田さんから 出場者に質問をしてもらいましょう! クマ|えー、ゴホンゴホン。 特別審査員の熊田です。 クマ|えー、ワタシを怒らせると 不利になりますのでヨロシク… クマ|えー、千枝さん。 彼氏はいますか? 里中 千枝|なっ…バ、バカ!! クマ|雪子さん、チッスの経験は? 天城 雪子|えっ…や、やめてよ! クマ|直斗さん、体のくすぐったい部分は? 白鐘 直斗|…は? クマ|今度、りせちゃんのうちに 遊びに行っていい? 久慈川 りせ|質問じゃないじゃん… |さ、さーて、ここで皆さんに 驚きのお知らせです! |なんと! 今年度から! 本コンテストに水着審査が加わりました! |それもこれも、この熊田さんのおかげです! |では、参加者の方々には水着に着替えて、 また登場してもらいましょー! 里中 千枝|あ、あはは…ど、ども… 花村 陽介|ほっほー。 巽 完二|おっさんかよアンタ。 巽 完二|けど、千枝先輩、かわいいっス… 天城 雪子|す、すいません… 花村 陽介|いやー、むしろありがたいよな。 巽 完二|おお、天城先輩… オレの思ったとおりの人っスよ… 久慈川 りせ|やっほ、りせちーだよ! 花村 陽介|うおー、ズリー! アイドルは違うなやっぱ! 巽 完二|そすか? |…あれ? |白鐘さーん? |出てきませんねー… |具合が悪いのなら、残念ですね… 白鐘 直斗|…え、ええ、すいません。 |着替えてもらっていたのに… 白鐘 直斗|こ、これは無理やり… |えー、残念ですが、白鐘さんは 急遽、棄権ということになりました。 柏木 典子|まーいいわよ棄権しても。 ライバルが減ったのは良いことよねぇ。 花村 陽介|あー、やっぱそうなんか… 花村 陽介|残念だったよな、完二。 巽 完二|え? いや、その…まぁ、そうスね… 巽 完二|けど、一次審査に出ただけでも、 あいつ、頑張ったんじゃないスか? 花村 陽介|そうだよな。 花村 陽介|ま、とにかく投票しないとな… お前、誰に入れる? |千枝 |雪子 |りせ |直斗 花村 陽介|あー、アイツ、 よく見るとカワイイもんな。 花村 陽介|天城が水着で舞台に立ってんの、 なんかギャップがすげー良かったよな! 花村 陽介|アイドルの底力、見せられたよなー。 花村 陽介|え、それアリなの? |お待たせしました、 集計の結果が出ましたー! |集票結果ですが… |男性票は、大きく分かれました! |ご意見も、それぞれの参加者に 熱いコメントが送られています。 |一方、女性票は“ある参加者”に集中! これによってトップに躍り出たのは… |優勝は… |白鐘直斗さんです! |彼女の中性的な魅力が、多くの女性の ハートを離さなかったようですね。 |では、白鐘直斗さんの表彰を、 と言いたいところですが… |白鐘直斗さんは現在、 まだ席をはずしております。 里中 千枝|出ないのに優勝か… 里中 千枝|あはは、何か笑える。 久慈川 りせ|直斗に負けちゃうとはなー… 女子の票が必要なら仕方ないか。 久慈川 りせ|ま、あの人たちには、うちらが勝ったって事で、 良しとしましょうよ、先輩! 柏木 典子|うぅ…私、この私がぁ… 美しさで負けるなんてぇ… 大谷 花子|柏木先生…アタシ…悔しいぃぃ! 柏木 典子|私もよぉ! 大谷さんっ!! 大谷 花子|か、柏木先生ぇぇ!! |>“ミス八高コンテスト”が 終了した。 |>ミスコンを陽介、完二と一緒に 客席で見ることにした。 |文化祭2日目のメインイベント! “正真正銘ミス八高コンテスト”!! |審査が続いています! 聞こえますか! この歓声が! |では、次の方! 2年2組、里中千枝さん! どうぞ! 里中 千枝|さ、里中千枝です。 |では自己PRをお願いします! 里中 千枝|え、えっと、性格はおとなしくって… 好きな食べ物は、プディングでぇす。 花村 陽介|うそつけ、肉だろ。 |ありがとうございましたー! |続きましては同じく 2年2組、天城雪子さんです! 天城 雪子|こ、こんにちは、 天城雪子です。 天城 雪子|えっと、家は旅館を経営しています。 天城屋旅館です。 天城 雪子|近くへお越しの際は、是非お立ち寄りください。 天城 雪子|日帰り入浴も、出来ますので、 どうぞごひいきに… |はーい、ありがとうございましたー! |続きましては何とこの人、 1年2組、久慈川りせさんです! 久慈川 りせ|こんにちはっ、久慈川でっす! 久慈川 りせ|この町に来て日は浅いけど、 とってもいいとこで、りせちー幸せだよっ! 久慈川 りせ|アイドル、休業中でごめんねっ! りせちーも頑張るから、応援よろしく! |いっやー、生りせちーですよー。 ありがとうございましたー! |続きましては噂の転校生、 1年1組、白鐘直斗さん! 花村 陽介|おい完二、次だぞ…あいつ… 巽 完二|ちょ、しー! 静かに! 白鐘 直斗|…し、白鐘直斗、です。 白鐘 直斗|こんなコンテストで 壇上に上がることになるなんて… 白鐘 直斗|夢にも思ったことが無くて… その…何を言っていいのか… 白鐘 直斗|…こ、困ったな。 巽 完二|お…おお… |以上の個性豊かな六名で競っていただきます! |それでは、特別審査員の熊田さんから 出場者に質問をしてもらいましょう! クマ|えー、ゴホンゴホン。 特別審査員の熊田です。 クマ|えー、ワタシを怒らせると 不利になりますのでヨロシク… クマ|えー、千枝さん。 彼氏はいますか? 里中 千枝|なっ…バ、バカ!! クマ|雪子さん、チッスの経験は? 天城 雪子|えっ…や、やめてよ! クマ|直斗さん、体のくすぐったい部分は? 白鐘 直斗|…は? クマ|今度、りせちゃんのうちに 遊びに行っていい? 久慈川 りせ|質問じゃないじゃん… |さ、さーて、ここで皆さんに 驚きのお知らせです! |なんと! 今年度から! 本コンテストに水着審査が加わりました! |それもこれも、この熊田さんのおかげです! |では、参加者の方々には水着に着替えて、 また登場してもらいましょー! 里中 千枝|あ、あはは…ど、ども… 花村 陽介|ほっほー。 巽 完二|おっさんかよアンタ。 巽 完二|けど、千枝先輩、かわいいっス… 天城 雪子|す、すいません… 花村 陽介|いやー、むしろありがたいよな。 巽 完二|おお、天城先輩… オレの思ったとおりの人っスよ… 久慈川 りせ|やっほ、りせちーだよ! 花村 陽介|うおー、ズリー! アイドルは違うなやっぱ! 巽 完二|そすか? |…あれ? |白鐘さーん? |出てきませんねー… |具合が悪いのなら、残念ですね… 白鐘 直斗|…え、ええ、すいません。 |着替えてもらっていたのに… 白鐘 直斗|こ、これは無理やり… |えー、残念ですが、白鐘さんは 急遽、棄権ということになりました。 柏木 典子|まーいいわよ棄権しても。 ライバルが減ったのは良いことよねぇ。 花村 陽介|あー、やっぱそうなんか… 花村 陽介|残念だったよな、完二。 巽 完二|え? いや、その…まぁ、そうスね… 巽 完二|けど、一次審査に出ただけでも、 あいつ、頑張ったんじゃないスか? 花村 陽介|そうだよな。 花村 陽介|ま、とにかく投票しないとな… お前、誰に入れる? |千枝 |雪子 |りせ |直斗 花村 陽介|あー、アイツ、 よく見るとカワイイもんな。 花村 陽介|天城が水着で舞台に立ってんの、 なんかギャップがすげー良かったよな! 花村 陽介|アイドルの底力、見せられたよなー。 花村 陽介|え、それアリなの? |お待たせしました、 集計の結果が出ましたー! |集票結果ですが… |男性票は、大きく分かれました! |ご意見も、それぞれの参加者に 熱いコメントが送られています。 |一方、女性票は“ある参加者”に集中! これによってトップに躍り出たのは… |優勝は… |白鐘直斗さんです! |彼女の中性的な魅力が、多くの女性の ハートを離さなかったようですね。 |では、白鐘直斗さんの表彰を、 と言いたいところですが… |白鐘直斗さんは現在、 まだ席をはずしております。 里中 千枝|出ないのに優勝か… 里中 千枝|あはは、何か笑える。 久慈川 りせ|直斗に負けちゃうとはなー… 女子の票が必要なら仕方ないか。 久慈川 りせ|ま、あの人たちには、うちらが勝ったって事で、 良しとしましょうよ、先輩! 柏木 典子|うぅ…私、この私がぁ… 美しさで負けるなんてぇ… 大谷 花子|柏木先生…アタシ…悔しいぃぃ! 柏木 典子|私もよぉ! 大谷さんっ!! 大谷 花子|か、柏木先生ぇぇ!! |>“ミス八高コンテスト”が 終了した。 堂島 菜々子|あ、お兄ちゃん! 堂島 遼太郎|おう、見つかってよかった。 堂島 遼太郎|県庁への出張があってな、 帰りが明日になりそうなんだ。 堂島 遼太郎|せっかくの、お前の学校の文化祭だ。 俺も菜々子と楽しみにしてたんだが… 堂島 遼太郎|すまんが、菜々子だけでも 連れてやってくれないか。 天城 雪子|じゃあ菜々子ちゃん、私たちと一緒に 回ろっか? 堂島 菜々子|いーの? 堂島 遼太郎|じゃあ、すまんが宜しくな。 堂島 菜々子|いってらっしゃーい。 堂島 遼太郎|おう。 菜々子、楽しめよ。 堂島 菜々子|はーい! 天城 雪子|ね、菜々子ちゃん、 今晩、うちに泊まりに来ない? クマ|え? え? え? ユキチャン、いま、なんて? 久慈川 りせ|旅館で打ち上げ!? 巽 完二|いいんすか!? 天城 雪子|うん、前に約束してたから。 花村 陽介|おおお、やったぜ、旅館!! クマ|温泉タマゴ、食べられる!? 白鐘 直斗|あっ、おじいちゃんに電話しないと! 一泊ですよね… 天城 雪子|みんな一緒で、楽しいよ。 ね、おいでよ。 堂島 菜々子|…いいの? |せっかくだし、甘えようか |菜々子が決めろ |温泉、温泉! 堂島 菜々子|行くー! おとまりするー! クマ|ひゃっほーい! 温泉! 浴衣! ほてった肌! 里中 千枝|…けど、いいの? 迷惑にならない? まだ、シーズンでしょ? 天城 雪子|今年はお客さん減ったし… …それに、空いてる部屋もあるから。 里中 千枝|…そっか、ならいいんだ。 里中 千枝|なんか、雪子のとこ泊まるの、 久しぶり!! |>今日はみんなで、 天城屋旅館に泊まることになった。 |>天城屋旅館の一室… クマ|みんな一緒の部屋じゃないクマね~… 花村 陽介|…そりゃそうだろ。 クマ|隣ならまだ許すけど、 遠くへ行ってしまったクマ… 花村 陽介|空いてる部屋、あんま無いらしくて あいつらは別の階になったって。 花村 陽介|菜々子ちゃん連れて、 さっそく風呂行くってさ。 クマ|こここ混浴!? 巽 完二|何ベンも入るシュミねーし、 寝る前1回行きゃいいっスよね。 花村 陽介|だなー。 巽 完二|ところで、この部屋… どういう事なんスかね。 巽 完二|けっこう上部屋みたいなのに… 花村 陽介|やっぱ、オマエも気になった? 普通、 シーズン中に空かねえよな、こんな都合よく… 花村 陽介|あえて、スルーしてたんだけど… まさかここで、何かあったとかか? 巽 完二|なに…黙ってんスか、先輩ら… 花村 陽介|そういやさ… |>電話が鳴っている… 花村 陽介|い、いきなり鳴るね、しかし! か、完二、出てみ! 巽 完二|な、なにビビってんスか… |>完二の手が震えている… 巽 完二|…はい。 巽 完二|あ、そうすか! ども! 巽 完二|旅館の人からでした。 巽 完二|露天風呂、今ならけっこー 空いてるらしいっス。 花村 陽介|素晴らしいサービスだな、天城屋旅館… やな汗かいた… 巽 完二|んじゃ、流しに行きますか。 クマ|クマ、みんなでおフロ、楽しみだなー。 クマ|みんなで同じほう向いて背中の流しっことか、 富士山見ながら歌ったりするんでしょ? |それは銭湯だと思う |そんな恥ずかしいことはしない |同じく楽しみだ クマ|いやー、それにしても、 こっちは楽しいことばっかりクマよ。 クマ|これも、センセイがクマのところに、 みんなを連れてきてくれたおかげだよね。 クマ|ありがとう、センセイ… |>クマが感謝のまなざしで見つめてくる… 花村 陽介|おーい、エレベーターきてっぞー! 天城 雪子|こっちおいでよ、広いよ。 白鐘 直斗|え、あ、は、はい… 久慈川 りせ|直斗って、肌スベスベー。 触っていい? 白鐘 直斗|えっ、あ、あの… 天城 雪子|わー、ほんとつるつる~。 里中 千枝|いいなー、色も白いしー、 髪もさらっさらでさー。 久慈川 りせ|よぶんな肉も全然無いしー。 白鐘 直斗|ひゃっ! ちょ、ちょっとドコ触って… 白鐘 直斗|あ、な、菜々子ちゃん! 白鐘 直斗|あ、えっと…こ、こんなふうに他所で 泊まるのって、平気? 怖くない? 堂島 菜々子|楽しーよ! 堂島 菜々子|いつも、一人だから。 お兄ちゃん帰ってくるまで。 白鐘 直斗|あ、そ、そっか… 堂島 菜々子|るすばん、じょーずなんだ。 堂島 菜々子|ひとりの時は、知らない人が来ても 玄関あけない、とか、守れるよ。 里中 千枝|そっかあ、エラいな~! 天城 雪子|ねえ、菜々子ちゃん、泳いでみる? 堂島 菜々子|いーの!? 天城 雪子|私、小さい頃から泳いでるから。 堂島 菜々子|今も泳いでるの? 天城 雪子|え? えーと… 里中 千枝|否定しろよ、雪子! 久慈川 りせ|じゃ、あっちの縁まで、競争しよ! 負けた人がフルーツ牛乳おごり! 天城 雪子|私、ラムネがいいー。 里中 千枝|え、ちょっと、あたしも!? 久慈川 りせ|次、死んだ人の真似。 堂島 菜々子|わー、じょーず! クマ|むっほ、広々クマ! クマかき披露してやるクマ! 天城 雪子|あいたっ! …って…えええ!? 里中 千枝|あああアンタらっ!? 花村 陽介|なななな、なんでオメーらが!? 里中 千枝|こ、こっちのセリフっ! |>状況は最悪だ! ここはリーダーとして… |居残り指示@勇気 |撤退指示 |>“勇気”を振り絞って その場にとどまった! 久慈川 りせ|チ、チカーン!! |>しかしよく考えてみると、 この“勇気”にどれほどの意味があるのか… |>撤退することにした! クマ|た、退散クマー! 巽 完二|誤解だって! 花村 陽介|覚えてろよ!! 里中 千枝|後で制裁が必要ね… 堂島 菜々子|すごーい、いっぱい当たってた! 久慈川 りせ|おねーちゃん、上手いでしょ? 白鐘 直斗|…見られたかな。 天城 雪子|あ、この時間、ここ男湯だった。 天城 雪子|時間、間違えちゃった… あはははは! 里中 千枝|あはは…って、まじかよ… 里中 千枝|なんか、あいつらに悪いことしちゃったかな… 白鐘 直斗|えと…どうします? 久慈川 りせ|言わなきゃ平気だって! 内緒! 内緒! 天城 雪子|菜々子ちゃん、 もう一回競争しよっか? 花村 陽介|ちくしょう… 花村 陽介|さっき確かめたけど、あの時間の露天は “男湯”だったぞ… 花村 陽介|ヒデー、ヒデーよあいつら… ううう… クマ|なんか、クマの頭がデコボコしてるなー… 巽 完二|それ、たんこぶだな。 オマエ、たんこぶ、出来てやんの。 あはは…は… 花村 陽介|なぁ…お前らさ… 花村 陽介|…見たか? 巽 完二|いや… クマ|何も… 花村 陽介|ちくしょう… いいことなんか1個もない人生… 花村 陽介|も、寝よ… 巽 完二|…待った、先輩。 巽 完二|なんか…聞こえねえスか? 花村 陽介|い、今の… クマ|き、聞こえちゃった…! 巽 完二|ま、まさか…“出た”んスかね… 花村 陽介|で、出た? な、なにが…? はは、そんな、まさか… 巽 完二|ここ…死んだ“山野アナ”が泊まった 部屋っスよ! お袋が言ってました! 花村 陽介|あー、ゆっちった! 花村 陽介|そのこと、うまいこと忘れてたのに、 お前、ゆっちった! 巽 完二|おわわわぁ… 巽 完二|こんなんじゃ、寝らんねえよ! クマ|決めた! ユキチャンとこ行く! クマ|みんなの寝顔見ながらじゃないと、 安心して寝れないですから。 花村 陽介|ちょっ…寝顔って、寝室入り込む気か!? んなの… 花村 陽介|おい、どうする…? |行こう! |やめたほうが… 巽 完二|決断早ッ! 花村 陽介|けどホント、ムリだってこの部屋! 巽 完二|じゃ、ここで夜明かしっスね。 花村 陽介|…ム、ムリだって! クマ|おっけ! 寝起きドッキリ、ヨーソロー! |>雪子たちの部屋に忍び込むことになった… 花村 陽介|そ、そか、それで“お札”か… 天城のやろ、知っててここに通したな…! 花村 陽介|ちっくしょ、風呂の仕打ちといい、 ヤラレっ放しじゃんか、俺ら…! クマ|みなさん。 おーはーよーうーごーざーいーくーまー。 クマ|寝起きドッキリもとい寝込みドッキリ。 リポーターのクマクマ! 花村 陽介|お前、いつの間に、それ着たんだよ… クマ|なんとなく、ないと不安なので… もーってーきーてーるーんーでーす。 花村 陽介|その喋り、もういいよ! 巽 完二|お、クシです! 長い髪の毛がついています…! 花村 陽介|お前、意外にやる気だな… 巽 完二|林間学校のリベンジっスよ…! 花村 陽介|おお、いいこと言うじゃん! おしっ、俺もガッツリリベンジ…! クマ|こっ、これは、歯ブラシです!! 花村 陽介|やっべ、なんかドキドキしてきた… 花村 陽介|あ、けど、菜々子ちゃん… クマ|大丈夫、菜々子ちゃんは寛大な子! 花村 陽介|ま、まあ、そうだな… 花村 陽介|リベンジに巻き込まないように、 起こさないようにしろよ。 クマ|お…いよいよ、お布団に到着! よく寝てます! クマ|失礼しま~す… クマ|ユキチャーン、おばけ、こわいよー。 巽 完二|よ、よし…オレだってなぁ… お、漢見せるぜ! 巽 完二|さ、里中先輩、優しくしてください! 花村 陽介|あ、あれ…? 布団、足りなくね…? 柏木 典子|ちょっとぉ、なぁに…? 大谷 花子|んもー… 大谷 花子|あらやだ! キミたち、そういう事だったわけ? 大谷 花子|んもー! 言ってくれればいいのにぃ! 柏木 典子|いけない子たちねぇ…フフ。 クマ|で、で、出たぁぁぁぁーーー!! 巽 完二|あ、や、や、ささ触んなって!! 柏木 典子|さっきまで、二人で泣いてたのよ? 魅力の分かるオトコが居ないって。 柏木 典子|いいわ…いらっしゃい。 そのかわり、誰にも言っちゃ駄目だぞ! 大谷 花子|カマーン! |>あってはならない体験をしてしまった… |>…おとなしく部屋で休む事にした。 里中 千枝|あー、き・も・ち・いー! 里中 千枝|やっぱ24時間、 お風呂はいれるって最高だねー。 天城 雪子|菜々子ちゃんは? 久慈川 りせ|ぐっすり寝てる。 里中 千枝|そういえば、となりの部屋に 柏木先生と大谷さん、泊ってたよ。 里中 千枝|ビックリしちゃった。 仲いいんだねー… 天城 雪子|時々、泊まりに来てくれるんだ。 天城 雪子|辛いことがあると、泣きにくるみたいで… 里中 千枝|へー、やっぱ、直斗くんにコンテストで 負けたのがくやしかったのかな? 白鐘 直斗|そ、その話しはしないでくださいよ。 久慈川 りせ|ま、あの二人、いいコンビだよね。 |>天城屋旅館での夜は更けていく… 堂島 菜々子|今日、さむいね。 |それでは、次のニュースです。 |“環境を考える会”代表の香西氏が、市内の 小学校を訪れ、霧の影響を現地調査しました。 |稲羽市ではここ数年、頻繁に濃霧が発生して いますが、原因が良く分かっていません。 |市内では霧の原因について憶測が飛び交い、 体への影響を不安視する声も上がっています。 |ですが市は、霧が人体に害を与える事は 考え難いとしており… |殺人事件等による、住民の不安心理の 表れなのでは、との見方を示しています。 |これを受け、香西氏は、事実関係をはっきり させるため、現地の小学校を訪れました。 |霧の中でも元気に遊ぶ子供たちに、体調や 心の不安等について訪ねたという事です… 堂島 菜々子|あ、この人、がっこうに来たよ。 |調査を終えた香西氏は、コメントを 発表しています。 |“現代は、些細な環境の変化にも目を配り、 政治に反映させていかなければならない” |“今日私はある生徒と話したが、その子は 風評に惑わされず自分の言葉で話していた” |“本来は我々大人こそが、 そうでなければならない” |“我々は常に、子供たちの未来を管理する 必要がある” |…香西氏はこう述べました。 |集まった保護者達からは拍手が上がりましたが、 一方で、選挙に向けた人気取りとの評もあり… |>ニュースは続いている… 堂島 菜々子|…っくしゅ! 堂島 菜々子|あたま、いたい… |>菜々子の顔が赤い… |>ひどい熱だ… |>とにかく、休ませなければ… |>菜々子に薬を飲ませ、寝かせた。 堂島 菜々子|ね、お兄ちゃん… 堂島 菜々子|お兄ちゃん… 春になったら、かえっちゃうの…? 堂島 菜々子|もうすぐ、冬になっちゃうね… 堂島 菜々子|ゆきがふったら、お兄ちゃんと、 ゆきだるま作る… 堂島 菜々子|いっぱい、あそぶ… 堂島 菜々子|春まで、いっぱいあそぼうね… |>…菜々子は眠ったようだ。 |>後で、菜々子のベッドで寝かせよう… 堂島 菜々子|お父さん、おそいな… 堂島 菜々子|お父さん、カギ忘れちゃったのかな? 堂島 菜々子|ハイタツの人だった。 高橋さんちどこですかって… 堂島 菜々子|もしもし、ドウジマです。 堂島 菜々子|あっ、お父さん! 堂島 菜々子|うん…分かった。 いーよ、おしごとでしょ。 堂島 菜々子|うん…分かった。 いーよ、おしごとでしょ。 堂島 菜々子|お父さん、あした帰ってくるって。 堂島 菜々子|でも、菜々子さみしくないよ… お兄ちゃんいるから。 |>菜々子は明るく笑っている… 堂島 菜々子|今日もさむいねー… 堂島 菜々子|コタツ、出そっか? 堂島 菜々子|さむかったら出しなさいって、 お父さん言ってた。 堂島 菜々子|あったかいよ! |>押入れからコタツを出した。 堂島 菜々子|スイッチ、いれるよ。 堂島 菜々子|つかない。 こわれてるね。 |>菜々子はガッカリしている… |安いのを買おう |最新型を買おう 堂島 菜々子|え、買うの? ジュネス? 堂島 菜々子|やったー! こんどのお休みの日、ジュネス行こ! |>菜々子と買い物の約束をした。 |>今日は雨だ… |>テレビに何か映るかも知れない… |>…映った! |>人影が映っている…! |>だが、いつにも増して不鮮明だ… 性別の見分けすらつかない… |>陽介からだ。 花村 陽介|おい、見たか!? 花村 陽介|なんかエラいボンヤリしてたけど、 今確かに、人映ったよな? 花村 陽介|くっそ…また事件起きちまうのか…? 花村 陽介|とにかく、明日すぐ集まろうぜ。 花村 陽介|今日のは、いくら何でもボンヤリ過ぎて、 見た目からじゃ推理もなんも無い。 花村 陽介|心当たりとか情報交換しないと。 花村 陽介|じゃ、明日空けとけよ。 |>電話は切れた。 |>…今日はもう休む事にした。 白鐘 直斗|マヨナカテレビ… 皆さんに言われて、僕も見てみました。 白鐘 直斗|探偵業の僕が、まさかこんな“迷信”に 目を凝らす日が来るとは…驚きです。 白鐘 直斗|人影…確かに映りましたね。 花村 陽介|あれ、誰だか分かったって人、居る? 巽 完二|流石に無理っしょ、 画面あんなザラザラじゃ。 天城 雪子|誰か、最近テレビに出て 地元で有名になった人は? 白鐘 直斗|すぐには思い当たりませんね… 白鐘 直斗|直近では、政治家が一人、霧からくる風説を 鎮める為に町へ来たと報じられましたが… 白鐘 直斗|可能性は低いでしょう。 第一、すぐに中央へ帰りましたし。 クマ|むむむ… 花村 陽介|ん? どうした? 花村 陽介|そう言やお前、昨日は売り場のベッドで爆睡 した罪で、深夜棚卸しの刑だったっけか。 花村 陽介|テレビ、売り場のでいいからチェックしろって 言ったけど、ちゃんと見たか? クマ|失礼クマね! クマ、ナナチャンと 約束もしたし、生きる事に真剣よ!? クマ|クマが見るに… 映った人、体格、細っこくなかった? 里中 千枝|いやー、あんだけボンヤリで 体格も何も無いっしょ。 里中 千枝|気のせいだって。 もしくは寝オチか。 里中 千枝|それより、“あっち”に人は? クマ|それはナシ。 まだ誰も来てないよ? 久慈川 りせ|もう一晩様子見るしか無いかも。 花村 陽介|みたいだな… 花村 陽介|幸いこの雨、今日も夜まで降り続くみたいだ。 今夜も忘れずにチェックな。 堂島 遼太郎|おーい、帰ったぞー。 堂島 菜々子|おかえりなさーい! 堂島 菜々子|ねー、お父さん、コタツこわれてて、 お兄ちゃんと、かいに行っていい? 堂島 遼太郎|コタツ…あー、もうそんな季節か。 ここんとこ、気候も変だしな… 堂島 遼太郎|じゃあ、頼む。 どんなんでもいいから。 堂島 菜々子|てがみ? 堂島 遼太郎|お前宛てなんだが… |>宛名には “鳴上 悠 サマ”とある… |>差出人の名前や住所は無い… |>切手や消印も無い… |>たった一文が、印刷されている… |>“コンドコソ ヤメナイト ダイジナヒトガ イレラレテ コロサレルヨ” |>まさか、マヨナカテレビに人影が映った せいで、再び警告して来たのだろうか…? 堂島 遼太郎|おい…こりゃなんだ!? 堂島 遼太郎|差出人の丸っきり無い手紙なんて、 そう届くもんじゃないんだ。 堂島 遼太郎|お前、やっぱり… 堂島 遼太郎|答えろ。 お前…この事件に関わってるな。 堂島 遼太郎|お前、一体何をしている? |正直に話す |適当にはぐらかす |黙っている |>正直に話すことにした… |>適当にはぐらかすことにした… |>黙っていることにした… 堂島 遼太郎|…マジメに答える気は無いって事か。 堂島 遼太郎|俺はお前を…家族だと思うから、 あえて問い詰めないで来た。 堂島 遼太郎|けど間違いだったな…家族だからこそ、 もっと早くに言うべきだった。 堂島 遼太郎|今日こそ、本当の事を話してもらうぞ… 堂島 菜々子|お、お父さん… 堂島 遼太郎|別の場所で続きだ。 俺が納得できるまでは帰さない。 堂島 遼太郎|それがお前の為でもある… いいな? 堂島 遼太郎|大丈夫だ。 ケンカしてるわけじゃない。 堂島 遼太郎|すぐ帰るから、先に寝てるんだ。 |>菜々子は怯えている… |すぐ帰るから 堂島 菜々子|うん…まってる。 |>菜々子は不安なのか、 今にも泣きだしそうだ… 堂島 遼太郎|これは預かっておく。 |>携帯を取り上げられてしまった… 堂島 遼太郎|さあ、話してもらおうか。 お前、何に首を突っ込んでる? 堂島 遼太郎|あの警告状はなんだ? 何故あんなものが届いた? |正直に全てを話す@勇気 |ごまかす |>…話すことにした。 堂島 遼太郎|お前…俺をナメてるのか。 嘘をつき通せるなんて思うなよ。 |>ごまかせそうにない… |>一か八か、正直に全てを 話してみるしかなさそうだ。 堂島 遼太郎|…ペルソナ? 堂島 遼太郎|人がテレビん中に入るぅ!? 堂島 遼太郎|今日こそは、本当の事を 話してもらえると思ったんだがな… 堂島 遼太郎|もういい! …もういい。 堂島 遼太郎|…まあ、半年そこらで親父面なんて、 無理があったかもな… 堂島 遼太郎|少しは…お前に信じてもらえてると 思ってたんだがな、俺は… 堂島 遼太郎|…残念だ。 堂島 遼太郎|…一晩、ここにいろ。 足立 透|うわっとと…ごめんなさい! 足立 透|あーあ… 足立 透|テレビの中に…ペルソナ、か… まあ、そうだよなぁ… 足立 透|あ、いや、あのね、 僕は、君たちを信じたいんだよね。 足立 透|きっと堂島さんも、信じたいから ここに連れて来て、話を聞いてるんだよ。 足立 透|それとホラ、ここなら安全だし。 足立 透|あんな手紙見たら心配で、 保護したかったんだよ。 足立 透|愛情の裏返し… いや、愛情そのものだと思うよ。 足立 透|ほんと、悲しまないでいいから! 足立 透|そうだ、堂島さんね、今になって、 最初の事件の関係者を調べ直してるんだ。 足立 透|この事件、結局堂島さんも 納得いってないみたいでさ。 足立 透|だから、色んな事に余計敏感に… 足立 透|あ、あはは! あまりしゃべるとまたドヤされちゃうね。 足立 透|じゃ、僕、部屋の外にいるから。 何かあれば声かけてね。 |>その後、 警察署内にある一室… 花村 陽介|ハァ…何で俺まで棚卸ししてんだよ… クマ|クマがあんま稼がないから しょーがないでしょ? 花村 陽介|なんで偉そうなんだよ… 花村 陽介|あーも、何で俺がお前養ってんだよ… ハァ…こんなん買ってやんなきゃよかったぜ… 花村 陽介|ほらこれ、持っとけ。 お前用の携帯。 クマ|あ…IT時代!! 花村 陽介|無いとこっちが心配だしな。 花村 陽介|つっても、 子供用の安っちーやつだけど。 クマ|あ、あり、ありがとヨースケ… 花村 陽介|使い方はー、このマークの押して… 花村 陽介|あー、ま、俺のお手本見てろ。 花村 陽介|出ないな、鳴上… 花村 陽介|今夜も雨だし、テレビのチェック 忘れないようにって思ったんだけど… 花村 陽介|外歩いてて気付いてないとかか? クマ|ナナチャンとこ、遊びに行く! 遊ぶ約束、たくさんしたからね! 花村 陽介|行かねーよ、てかお菓子戻せ。 花村 陽介|もう晩飯時回ってるだろ。 今度にしろ。 花村 陽介|あーそっか…あいつ出掛けてるなら、 菜々子ちゃん家で独りで留守番か…? クマ|お留守番、かわいそークマよ! クマ|晩ご飯、差し入れに行ってみるとか! ねえねえねえねえ! 花村 陽介|あーも、わーかったよ、 しょうがねーな… クマ|オッケークマ!? クマ|イェスッ! ヨースケ、おっとなー! クマ、その心遣いにキュンってした。 花村 陽介|じゃ、ちょっと待ってろ。 もう一度電話してみるから。 花村 陽介|やっぱ、出ないか… 花村 陽介|え、もしかして、 家電なら出るとかってオチか? 堂島 菜々子|…もしもし。 花村 陽介|あ、菜々子ちゃん? 花村 陽介|えと、お兄ちゃんは? 堂島 菜々子|…いない。 堂島 菜々子|へんなてがみが来て、 それを見たら、お父さん、おこって… 堂島 菜々子|けーさつに、お兄ちゃん、つれてった… 花村 陽介|ちょ、ちょっと!? 警察に連れてった!? クマ|いいかげん、クマに代わりんしゃい! クマ|こんばんは、あなたのクマクマー。 クマ|また一緒にジュース飲んだり、 お菓子食べるクマよ。 花村 陽介|変な手紙… クマ|お兄ちゃんたちの様子は クマたちが見てくるクマ。 クマ|だから、心配しなくていいクマよー。 花村 陽介|まさか、またあの“警告状”!? 二通目が来たって事か!? 花村 陽介|それを、堂島さんが見て…警察に? 花村 陽介|クマ、いったん電話切れ! みんなに連絡する! |>一方その頃、 ジュネスの食品売り場… |>時間だけが過ぎてゆく… |>…0時だ。 |>来た時、外は雨だった… |>もしかして何か映るかも知れない… |>…映った! |>ぼんやりとはしているが、 小さな人影が見える… |>女の子だ… 恐らくは小学生くらいの… |>これは…菜々子だ! |>はっきりとは見えないが… |>毎日見ている菜々子を 見間違えるはずが無い… |>菜々子が、マヨナカテレビに映っている… |>携帯は叔父の堂島に 取り上げられてしまっている… |>今は仲間と連絡が取れない…! |>一方、 警察署内にある一室… |>一方、 とある場所… |かわいそうに… すぐ、楽にしてあげる… |かわいそうに… すぐ、楽にしてあげる… |>一方、 とある場所… 里中 千枝|さっきマヨナカテレビに映ってたの、 菜々子ちゃんじゃない!? 里中 千枝|どうして菜々子ちゃんが…! テレビに出たりしてないのに! 白鐘 直斗|いいえ… 出てたんですよ…菜々子ちゃんも。 白鐘 直斗|視覚的にじゃなく…“言葉”の中に。 里中 千枝|えッ!? 白鐘 直斗|政治家が学校訪問に来た事、 何度かニュースで流れましたよね? 白鐘 直斗|そこで、彼は自分と話した一人の生徒について、 毎度特別にコメントを出して称えたんです。 白鐘 直斗|その子は匿名のまま、知名度だけ上がって いった…それが菜々子ちゃんだったんです! 白鐘 直斗|興味に反応した新聞が、今日の夕刊に、 写真と実名インタビューを大きく出してます。 白鐘 直斗|それに、狭い田舎町だ…もっと前から 風の噂に知っていた人も多いでしょう。 里中 千枝|そんな… 白鐘 直斗|もっと早く気付けばよかった… 白鐘 直斗|絵で出ていないものはテレビに出ていないと、 すっかり思い込んでいました… 里中 千枝|ど、どうしよう… 菜々子ちゃん、今家に独りなんでしょ!? 白鐘 直斗|僕がこれから行って、菜々子ちゃんの 無事を確かめます! 白鐘 直斗|警察にも、花村先輩たちが今、 向かってるところです! 白鐘 直斗|事情を伝えてくれるでしょう。 里中 千枝|分かった、あたしもすぐ行く! 雪子とりせちゃんにも連絡しとくから! 白鐘 直斗|はい、お願いします! |>一方その頃、 堂島家に至る道中… 堂島 遼太郎|ん…? おまえたち、なんでここに… 堂島 遼太郎|おい待て、何だ! 勝手に開けるな! 花村 陽介|菜々子ちゃんが居なくなった!! 堂島 遼太郎|なっ…どういう事だ!? 花村 陽介|白鐘からです、菜々子ちゃんちの… てか、堂島さんちの前にいます。 堂島 遼太郎|白鐘!? おい、どういう事だ! 白鐘 直斗|今、堂島さんの家にいます。 扉が開いていて、中は誰も居ません。 白鐘 直斗|恐らく菜々子ちゃんは… 例の連続殺人犯に誘拐されています。 白鐘 直斗|堂島さんだって気付いてたでしょう!? 事件は、まだ続いているんです!! |こちらは、KJお客様サービスセンターです。 |おかけになった電話番号は、電波の届かない所に あるか、電源が入っていないためかかりません。 堂島 遼太郎|菜々子… 足立 透|堂島さん… 堂島 遼太郎|本当なのか? 本当に、菜々子は… |本当だ |今は急がないと 堂島 遼太郎|なんなんだ!? どうして…どうして菜々子なんだ!? 花村 陽介|あ、た、たぶん、メディアに取り上げ… 足立 透|ど、どうするんですか? |はい、交通課、太田。 堂島 遼太郎|誘拐事件だ、至急手配たのむ! 国道沿いに検問張れ! |検問!? ええっと、まず状況を… 堂島 遼太郎|ゴチャゴチャ言ってないで、やれ! 堂島 遼太郎|被害者は7歳、女の子。 …俺の娘だ! |娘さん!? え…現場は? どうして誘拐と? 堂島 遼太郎|そ、それは… 堂島 遼太郎|とにかく、こいつは例の連続殺人にも 繋がってるかも知れないんだ! |かも知れないって… 事件の犯人、挙がったじゃないですか。 |いつからですか? いなくなったの。 誘拐の予告や、犯行声明は? 堂島 遼太郎|い、いや… とにかく今は、説明してるヒマは無い! |えと、は、はい… 一応、関係各所に連絡はしておきますが… 足立 透|殺人との関係って言っても、 証明出来ないし… 足立 透|署内すっかり解決ムードですから… 足立 透|ど、どこ行くんですか!? 堂島 遼太郎|捜しに行くに決まってんだろ! 堂島 遼太郎|例の殺人と繋がりゃ、警察は事実誤認で泥を 被る事んなる…上はギリまで事件とぁ認めない。 堂島 遼太郎|…待ってられるか! 足立 透|そんなッ、当てとかあるんですか!? 車でも使われてたら、とてもじゃないけど… 堂島 遼太郎|うるせえッ!! だから急いでんだろうんがッ!! |>堂島は一人で出て行ってしまった… 足立 透|あーもう、一体どうすりゃいいんだ? 堂島さん、闇雲に行っちゃうし… 花村 陽介|足立さん、俺らも行きます! だから…コイツ解放してやってください! 足立 透|え、そう言われても… 里中 千枝|どうなった!? 足立 透|おわ、ちょっと… これ以上勝手に来たらマズいって! 足立 透|だいたい… 巽 完二|ゴチャゴチャうるせえな! 今、それドコじゃねえだろ! 巽 完二|身内がアブねってのに、 何の義理でボサッとしてろっつんだよ!? 巽 完二|テメ、責任取れんのかよ! あッ!? 白鐘 直斗|巽くん! 足立 透|気持ちは分かるけど、何が起きてるのか 説明してくれないと、やっぱり出す訳には… 白鐘 直斗|説明すれば解放してくれるんですね。 分かりました。 足立 透|い、いや、約束したわけじゃ… 白鐘 直斗|…どのみち僕らも、 ただ出て行ったってアテが無い。 白鐘 直斗|いったん全員で状況を整理しましょう。 足立さんへの説明にもなる筈です。 白鐘 直斗|今回の失踪は、これまでと同じ犯人による 誘拐と見て間違いないでしょう。 白鐘 直斗|菜々子ちゃんの家は玄関の鍵が開いていました。 白鐘 直斗|しかも鍵には“こじ開けられた痕跡”が 無かった… 里中 千枝|菜々子ちゃんが… 自分で開けたってこと? 白鐘 直斗|僕らの時と同じだ… 白鐘 直斗|犯人は忍び込んだんじゃなく、堂々と玄関から 現れたんです…呼び鈴を押して。 天城 雪子|私たちの時と、同じ… 足立 透|え、えーと…“私たちの時”? 白鐘 直斗|でも、お二人の時とは事情が違う… 白鐘 直斗|温泉に入った時、菜々子ちゃん言ってました。 白鐘 直斗|“ひとりの時は、知らない人が来ても 玄関は開けない”と。 クマ|犯人は…ナナチャンが知ってる人? 白鐘 直斗|先輩、誰か思い当たりませんか? |菜々子の学校関係者? |堂島の知り合い? |分からない… 白鐘 直斗|いや…玄関先に現れた日頃来ない大人に、 すんなり気を許したとは考えにくい… 白鐘 直斗|勿論、児童の線もナシです。 小学生にできる犯行じゃない。 足立 透|いや、それは無いと思うなぁ。 堂島さん、署内で割と孤立してるし。 足立 透|娘の菜々子ちゃんと顔見知りなんて、 組んでる僕ぐらいなもんだと思うよ? 足立 透|う、うわ、もちろん、 僕はずっとここにいたけどね? 里中 千枝|んー…菜々子ちゃんの知り合いってだけじゃ、 絞れないような… 白鐘 直斗|そうですね… なら、切り口を変えてみましょう。 白鐘 直斗|確かな事実として、犯人はかなり大型の テレビを使用しているはずです。 足立 透|は…テレビ? なんで? 白鐘 直斗|誘拐の現場は、バラバラなのに、 テレビが使われるのは、いずれも誘拐の直後… 白鐘 直斗|玄関先でと言ってもいいでしょう。 白鐘 直斗|恐らく犯人は、テレビを携えて “移動している”んです。 花村 陽介|じゃ…“車”が犯行現場ってことか? 白鐘 直斗|犯行のスムーズさから見て、恐らく セダンではないある程度大きな車でしょう。 白鐘 直斗|ところが、不審車の目撃情報が全く無いんです。 多くが白昼堂々の犯行なのに、これはおかしい。 久慈川 りせ|顔見知りで、車で移動… でも、見えない車…? 天城 雪子|偶然、誰も見なかっただけ…は、 さすがに有り得ないよね。 天城 雪子|これだけ繰り返してるわけだし… 里中 千枝|見えない車って…そんなのある? 一体何…? |パトカー |タクシー |宅配便 |真っ黒の小型車 里中 千枝|や、だから、大きな車だってば! 巽 完二|そうか…思い出してきた… 巽 完二|あるぜ…“見えない車”! 巽 完二|宅配! 宅配のトラック! 来たっスよ!! 巽 完二|そうか…思い出した… 巽 完二|来たっスよ、宅配! 宅配のトラック! 久慈川 りせ|宅配のトラックなら、どこの家の前に 止まってたって“不審”じゃない… 白鐘 直斗|そうか、ローカルな業者なら 配達員が毎度同じで“顔見知り”… 白鐘 直斗|しかも菜々子ちゃんが留守番してる時にだけ 会ってたから、僕らは知らない… 白鐘 直斗|足立さん! 心当たりありませんか!? 足立 透|そんな、子どものお喋りから出た推理を 急に言われても… 足立 透|え、ええと…宅配便だっけ? 足立 透|刑事としての僕の見解はだね… なかなか…これは、難しい事件で… 足立 透|お、おい、これって…! 足立 透|君らの推理… 当たってる、かも… 足立 透|堂島さんが“一から洗い直す”って集めてた、 最初の、山野アナ殺しの資料なんだけど… 足立 透|参考人の一人が“運送業”って… 足立 透|堂島さんに伝えないと…! 白鐘 直斗|前職解雇の後、家業を継ぎ“運送業”… 前職…“議員秘書”! 白鐘 直斗|生田目太郎!! 花村 陽介|演歌歌手の旦那か! 白鐘 直斗|今は職業が一致しただけですが、 行くアテを絞るだけなら充分だ。 白鐘 直斗|住所は…ここからすぐです! 足立 透|ハァ…せっかく手掛かり伝えたのに、 流れで怒鳴られちゃったよ… 里中 千枝|大丈夫かな… 犯人、普通の相手じゃない訳だし。 クマ|ナナチャン… 花村 陽介|足立さんッ! 足立 透|捜査に進展があった以上、 僕はすぐ現場へ行かないと。 足立 透|不在の間にあったことは、僕は知らない。 …何も見なかったってことで。 白鐘 直斗|足立さん… 花村 陽介|行こう、生田目の家へ! 堂島さんもそこへ向かってる! |>その後しばらくして、 警察署内にある一室… 巽 完二|おい…なんだあれ、煙出てんぞ!? 白鐘 直斗|事故…? 白鐘 直斗|あれは…!? 足立 透|堂島さん! だ、だいじょうぶですか!? 堂島 遼太郎|な…菜々子は… 白鐘 直斗|もしもし、救急車の手配願います。 交通事故です、負傷者、男性一名… 足立 透|そうだ、こっちも生田目捜しの応援呼ばないと! 堂島 遼太郎|菜々子…菜々子は… 里中 千枝|う…そ、何コレ… 堂島 遼太郎|生田目の、家へ、向かって… 途中で、ヤツの車と… 堂島 遼太郎|追ってて…くそ… 堂島 遼太郎|菜々子はどこだ…? 生田目は… 堂島 遼太郎|頼むっ…捜してくれ…! 花村 陽介|捜すったって… 花村 陽介|そうだ、トラックに手掛かりあるかも! 足立 透|あ、駄目だって! 現場は保存しないと! 白鐘 直斗|なら僕がやりましょう…待っていてまた 降り出したら、それこそ保存になりません。 里中 千枝|見て、ほんとにテレビあるッ! 白鐘 直斗|ええ、このサイズなら充分、 人間を通せます。 白鐘 直斗|それと、運転席に日記帳が… たぶん生田目が書いたものでしょう。 白鐘 直斗|“僕は、新世界の存在を知った。 なら僕は、人を救わなければならない。” 巽 完二|“救う”だぁ? んだそりゃ? 白鐘 直斗|これは…! 被害者たちの現住所! 白鐘 直斗|山野真由美、小西早紀… 白鐘 直斗|天城雪子、巽完二、久慈川りせ… 白鐘 直斗|未遂で助かって世に出なかった3件目以降の 被害者もちゃんと書かれてる。 白鐘 直斗|そして、諸岡先生の住所は書いてない。 足立 透|すごい…そりゃ決まりだよ。 白鐘 直斗|最後の日付は今日だ… 白鐘 直斗|“こんな小さな子が映ってしまうなんて。 この子だけは、絶対に救ってあげなくては。” 里中 千枝|それ…菜々子ちゃん!? 白鐘 直斗|“何とか入れてあげる事ができた。” 白鐘 直斗|“最近、警察が騒がしい…” 白鐘 直斗|“この日記も、恐らくこれが最後になるだろう。 やれるだけのことはやった…” 花村 陽介|間違いない… 今までも全部同じ手口でやったんだ。 花村 陽介|宅配の振りして堂々と玄関から来て、 すぐ荷台のテレビに放り込んで… 花村 陽介|…犯人は生田目だ! 里中 千枝|菜々子ちゃん追っかけないと!! ここにテレビあるんだし… クマ|ま、待って待って、 変なトコに繋がってたら危険クマよ! クマ|明日は霧じゃないみたいだし、いつもの やり方で、明日から行った方がいいクマ! 巽 完二|けどよっ…! 久慈川 りせ|私たちが失敗したら、 誰が菜々子ちゃん助けるの!? 白鐘 直斗|菜々子ちゃんの救出は明日以降、最優先で。 生田目の行方は警察に任せましょう。 白鐘 直斗|堂島さん… |>…堂島が目を開いた。 |>なんとか意識はあるようだ。 堂島 遼太郎|お前たち… 白鐘 直斗|具合は… 堂島 遼太郎|情けない格好、見せちまってるな… 堂島 遼太郎|菜々子… 堂島 遼太郎|菜々子は…俺の、生き甲斐だ… 堂島 遼太郎|あいつを失くしちまったら… 生きてる意味なんか無い… 堂島 遼太郎|あの子は…今この瞬間も… 怖い思いして…助けを待ってる… 堂島 遼太郎|なのに…俺は… ゲホッ、ゲホッ… 堂島 遼太郎|一番肝心な時に…このザマだ… 堂島 遼太郎|偉そうに父親面して… 娘ひとり…守ってやれない…! 白鐘 直斗|堂島さん… 堂島 遼太郎|もし菜々子に何かあったら… 俺ぁヤツを… 堂島 遼太郎|生田目を絶対に許さない…ッ! 堂島 遼太郎|お前になら、できるんだろ…? たのむ…菜々子を…救ってくれ…! 堂島 遼太郎|今、頼れるのは、 お前たちしかいない… 堂島 遼太郎|頼む、悠… |必ず助ける |安心して休んで 白鐘 直斗|菜々子ちゃんは、僕らが必ず助け出します。 白鐘 直斗|少し日数がかかるかも知れませんが、 信じて、待っていてください。 |>その後、 病院内の一室… |>ジュネス フードコート… |>みんなの表情から、 いつも以上の気迫を感じる… 花村 陽介|菜々子ちゃん、向こうにいるんだよな。 クマ|それは間違いないクマ。 白鐘 直斗|生田目は警察が追っているはずですから、 僕たちは菜々子ちゃん救出だけを考えましょう。 里中 千枝|あたしらにしか、できないもんね。 久慈川 りせ|て言うか、私たちがやらなきゃ。 天城 雪子|途中で何度も無理かもって思ったけど、 とうとう犯人まで辿り着けた… 天城 雪子|ここまで来て菜々子ちゃんを犠牲になんて、 絶対させない…! 巽 完二|ああ…いよいよシメだ… やってやろーぜ、オレらの力でよッ! クマ|クマ、ナナチャンと約束したクマよ! クマ|また遊ぼうって…だいじょぶだからって… クマ、約束したクマよ! 花村 陽介|ああ、ちゃんと助け出せるさ。 花村 陽介|それに、堂島さんのためにもな。 またスイカ、食わせてもらおーぜ? 白鐘 直斗|とにかく、 “今やれる事をやるだけ”です。 白鐘 直斗|そしてこれは、 “僕らにしか出来ない”… 里中 千枝|大丈夫、こんだけ気合入ってんだから、 結果はついてくるって! 花村 陽介|やり方は今まで通りだ、なんも変わらない。 花村 陽介|次の霧の日までに菜々子ちゃんを見つけて、 取り戻す。 花村 陽介|そんだけだ。 焦らず、慎重に行こうぜ。 |>みんなの気持ちが一つになっている。 |>霧の日までに、必ず菜々子を救い出そう… 花村 陽介|すごい霧だな… 天城 雪子|最近の霧騒ぎと 何か関係あるのかな…? クマ|この中も、何か変クマね… クマ|きっと、町で色々騒ぎになってるから、 こっちの世界にも影響しちゃってる予感。 花村 陽介|今はとにかく、急ごう。 花村 陽介|りせ、菜々子ちゃんがいる方角、分かるか? 久慈川 りせ|あっちから感じる。 久慈川 りせ|すごい…何この優しい感じ… 久慈川 りせ|絶対助けてあげなきゃ! 里中 千枝|行こう…! 天城 雪子|ここが、菜々子ちゃんの… 久慈川 りせ|きれい… お話に出てくる天国みたい。 花村 陽介|そっか… “天国みたい”か… 花村 陽介|やっぱ菜々子ちゃん、心の奥じゃ… 天城 雪子|仕方無いよ、まだあんなに小さいんだもん。 天城 雪子|必ず、助けよう! |全力を尽くす |力を貸してくれ クマ|当ったりきクマ! クマ|ナナチャンは、 絶対に助け出すクマ! 花村 陽介|生田目を見つけてとっちめるのは後だ。 花村 陽介|まずは、菜々子ちゃんの救出! |>菜々子は、心の隅に、死別した母への 寂しい思いを抱えていたようだ… 堂島 菜々子|お母さん… クマ|この声、ナナチャンクマ! 堂島 菜々子|お母さん… どこ… 堂島 菜々子|なんでいなくなっちゃったの… 堂島 菜々子|なんで菜々子置いてったの… 堂島 菜々子|やだよ…帰って来て… 里中 千枝|菜々子ちゃんの…心の声、かな… 堂島 菜々子|でも、さびしくないよ… お父さんがいるから… 堂島 菜々子|帰り、いっつもおそいけど… いそがしいから、あそんでくれないけど… 堂島 菜々子|ごはんも作れないし せんたくも下手だけど… 堂島 菜々子|やさしくて、ときどきこわいけど… お父さん、すき… 堂島 菜々子|今はお兄ちゃんもいるから… 菜々子、ひとりじゃない… 堂島 菜々子|さびしくなんかない… 巽 完二|あんなちっちぇえのに、寂しくねえって、 自分に言い聞かせて、頑張ってんスね… 花村 陽介|バカ、オレらがしんみりしたら 台無しだろ。 花村 陽介|平気な顔してやろうぜ。 クマ|ナナチャン… 白鐘 直斗|どうしました? 久慈川 りせ|やっぱり…変。 菜々子ちゃんの他に、誰かいる。 久慈川 りせ|小さ過ぎて分からなかったけど… やっぱり、もう一人誰かが中にいる。 久慈川 りせ|それも、この感じ… だんだん力が強まってきてるみたい。 花村 陽介|まさか…生田目か!? 花村 陽介|久保ん時と一緒で、追い詰められて…! 白鐘 直斗|かも知れません… 白鐘 直斗|菜々子ちゃんの誘拐には 特別な意気込みを感じましたから。 天城 雪子|でも、どうして…? 天城 雪子|真犯人なら、前と違って、中に入る事の 危険さを知ってる筈なのに… 白鐘 直斗|分かりません… 白鐘 直斗|もしそうなら、菜々子ちゃんを入れた場所の 近くから入った可能性があります。 白鐘 直斗|菜々子ちゃんが一層危険かも知れない… 急ぎましょう! 堂島 菜々子|お…お兄ちゃん!! 生田目 太郎|い、行っちゃダメだ! |生田目か? |菜々子を放せ |何が望みだ? 生田目 太郎|僕を…知っているのか? 生田目 太郎|この子は、僕が救うんだ… 生田目 太郎|望み… 僕の望みは、人を救う事… 白鐘 直斗|生田目太郎… 間違いない、この男です! 白鐘 直斗|やっぱり中に… 花村 陽介|お前が犯人か… 天城 雪子|菜々子ちゃんを放して!! 生田目 太郎|あ…はは、僕が…救った、やつらだ… 生田目 太郎|この子も…救ってあげる… 巽 完二|あ…? んだコイツ、ラリってんのか? 巽 完二|ワケの分かんねえゴタク吐いてんじゃねえ! さっさとその子放しやがれ!! 生田目 太郎|ち、近づくなぁぁ… 堂島 菜々子|ううっ… 里中 千枝|菜々子ちゃん!! 白鐘 直斗|巽くん、落ち着いて! 彼は何をするか分からない! 白鐘 直斗|今は冷静に話をすべきです。 彼の目的が分かれば、上手く対応できるかも。 |>菜々子が危ない。 慎重に話をしよう… |目的は何だ? |マヨナカテレビとは何だ? |菜々子を放せ 生田目 太郎|す、く、い… 生田目 太郎|救いを求めてる、人が、映る… 生田目 太郎|だから、僕が、その人をテレビに入れる… 白鐘 直斗|ダメです、気をそらして! 白鐘 直斗|あなたはマヨナカテレビを見て、 そこに映った人を、ここに入れたんですね? 生田目 太郎|みな…救いを求めてる… 久慈川 りせ|…あんたに救って欲しいなんて、 頼んだ覚え無いけど? 巽 完二|てーか、救われた覚えもな。 真逆だろうが、畜生! 生田目 太郎|僕が、テレビに入れなかったら、 君たち、どうしてた…? 天城 雪子|どうって… 久慈川 りせ|自分と向き合えずにいた…って事 言いたいの? 天城 雪子|そんなっ… 死ぬところだったのよ!? 生田目 太郎|そう、だね… 花村 陽介|お前が誘拐した…それで間違いないな? 生田目 太郎|そう、だ… 白鐘 直斗|メディアで注目を浴びた地元の人間ばかりを 狙うのは何故ですか? 白鐘 直斗|何故、そういった人たちが マヨナカテレビに映るんですか? 生田目 太郎|雨の夜の…テレビ… 僕に、助けて欲しいと…合図だ… 花村 陽介|さっきから救う救うって…殺す事が お前の言う“救い”だってのか!? 生田目 太郎|殺す… ち、がう、救いだ… 花村 陽介|何処がだ!? お前がやってんのは、人殺しだ! 生田目 太郎|は、は… そう思いたければ、思えばいい… 生田目 太郎|こんなところまで、追いかけてきやがって… 知ってるよ、お前ら…殺す気だ… 生田目 太郎|は、はは…残念、だったな… この子は僕、が、すくうんだ… 堂島 菜々子|あうっ… 巽 完二|テメエ…大概にしやがれッ!! 生田目 太郎|うるさい、黙れ!! もう一人の生田目|素晴らしい世界だ… もう一人の生田目|心地よい霧、見つからない場所… 俺は救世主だ… もう一人の生田目|“あっち”は汚い… 悪いやつらがたくさんいる… もう一人の生田目|だから俺が救うんだ… 俺は救世主…正義の…ヒーロー…だ… 天城 雪子|あれは…シャドウ…? 堂島 菜々子|げほっ…くふっ… くる…しいよ…おにい…ちゃん… クマ|ナナチャン…! 花村 陽介|…頼むぜ、鳴上。 巽 完二|だらあああああああああ!! 白鐘 直斗|今です、先輩!! クマ|ナナチャン!! 天城 雪子|菜々子ちゃん…菜々子ちゃん!! 里中 千枝|アイツ… マジ、許さない!! もう一人の生田目|その子を…返せ… もう一人の生田目|その子は…俺が… おれがすくううううううううう!!! 生田目 太郎|く、くそう…なんで… 久慈川 りせ|な、菜々子ちゃん! 久慈川 りせ|苦しそうなの… ケガは無さそうなのに… クマ|きっと、この場所がよくないんだ… 早く外に運ぶクマ! 白鐘 直斗|彼も…連れて行きましょう。 花村 陽介|置き去るわけには、いかねーか… 天城 雪子|菜々子ちゃん… しっかり… |>菜々子は目を覚まさない… 里中 千枝|どうしよう… 巽 完二|こんな小せえ体でずっとあん中に居たんだ… それに、あの妙な霧に…クソっ! 白鐘 直斗|すぐに救急車と警察が来ます。 |>警察病院 菜々子の病室前… |>菜々子は面会謝絶だ… クマ|ナナチャンはまだ小さくて、みんなみたく もう一人の自分、ちゃんと出なかった… クマ|その上、アイツの暴走にも巻き込まれて… クマ|大丈夫だといいんだけど… 花村 陽介|てか、普通の医者に治せんのかよ… クマ|よよよよ… ナナチャンが心配クマー! 里中 千枝|けど…こっから先は、あたしたちには、 どうにも出来ないよ… 白鐘 直斗|生田目という“運送屋”の存在… 菜々子ちゃんが狙われる可能性… 白鐘 直斗|いつも思う…もっとマシな推理が 出来てもよかったはずなのに…! 白鐘 直斗|そうすれば、菜々子ちゃんは こんな目に遭わずに済んだのに… 花村 陽介|んなの…俺だって同じだ。 花村 陽介|あいつの前で、あと一瞬早く反応出来てれば 菜々子ちゃん、無事だったかも知れないのに… 里中 千枝|あたし…ホント自分がやんなる… いっつもイザって時、オロオロしちゃって… 天城 雪子|私も… 何もできなかった… 久慈川 りせ|アイツの様子が何か変って… 私、もっと早く気づくべきだったのに… 白鐘 直斗|生田目の言い分なんて、 聞いてる場合じゃなかったんだ! 白鐘 直斗|あの時、僕が余計なことを言わずに、 すぐに菜々子ちゃんを助けていれば! 白鐘 直斗|そうすれば…こんな事には…! |もう気にするな |誰のせいでもない |今更何を言っても仕方ない 白鐘 直斗|でも… でも、僕は… 巽 完二|ハァ…やめだ。 弱音はその辺にしようぜ… 巽 完二|オレらがやんなきゃならねえのは、 ここでピーチク言ってる事か? 巽 完二|テメェを責めて、キズ舐め合って… そんであの子の為んなんのか? 巽 完二|…今は信じるしかねえだろ。 巽 完二|過ぎた事言ってんな。 シャキッとしろ…直斗! 白鐘 直斗|ごめん… …キミの言うとおりだ。 巽 完二|悪ィのは全部、生田目の野郎だ… アイツはキッチリふん縛ったろ? 巽 完二|それに、菜々子ちゃんだって、 救い損ねたワケじゃねえ。 天城 雪子|うん…そうだよね。 クマ|ナナチャン、早く元気になるように、 クマ、毎日お見舞いに来る! 久慈川 りせ|それが、今の私らにできる事…だね。 久慈川 りせ|なによ…完二のくせに、 ちょっとだけカッコイイじゃない。 足立 透|あれ、キミたちまだいたの? 天城 雪子|足立さん、 あの…何か、分かった事は… 足立 透|堂島さんが今、担当の先生と話してるけど 詳しい事は、色々検査してみないと… 足立 透|菜々子ちゃんもだけど、容疑者がなあ… 聴取始められるの、いつになるんだか。 足立 透|ま、とにかくもう遅いから、早く帰りな。 足立 透|君らまで倒れちゃダメだよ。 花村 陽介|そうだな… 今日んとこは、俺たちも帰るか… 花村 陽介|菜々子ちゃんは元気んなって戻ってくる。 だから俺らも、暗くなんないでおこう。 里中 千枝|菜々子ちゃんの退院のお祝い、 何にしよっか? 花村 陽介|早ッ! …早くね? 天城 雪子|ジュネス貸切りパーティとか。 花村 陽介|スーパー貸し切るって、 意味分かんなくね? クマ|ナナチャン… 元気になるよね… |当たり前だ |信じろ |分からない クマ|うん… クマも、そう思う… クマ|うん… クマも、信じてる… クマ|うん… でも、クマは信じてる… クマ|ナナチャン、戻ってきたら またみんなで楽しく遊ボ! クマ|ありがと… クマ、危うく笑顔を忘れるとこだった。 |>やるべき事は全てやった… |>あとは菜々子が回復するのを 信じて待とう… クマ|安心したらお腹が減ってきちゃった… クマ|えへへ。 クマ|って、みんな! 先に行ったら、駄目だってのー! |>クマから、菜々子への優しい想いと、 自分への厚い信頼が伝わってくる… |>0時だ… |>霧が出ている… |>マヨナカテレビには、 誰も映らない。 |>菜々子を救出し、 犯人も捕まえることができた。 |>もうこうして テレビを見ることも無いだろう… |>夜が更けてきた… |>霧が出ている… |>遠くからサイレンが聞こえる… |>何か、あったのだろうか… |>電話がかかってきた。 |>完二からだ。 巽 完二|…死体が出たらしいっス。 巽 完二|死んだのは生田目の野郎と… 巽 完二|それと… 巽 完二|…クソッ!! |>強烈な目眩がする… 巽 完二|先輩!! 聞いてんスか!? 巽 完二|…先輩? |>昨日の霧が今朝も残っている… 里中 千枝|あ、来た来た! 花村 陽介|これ見てみ。 生田目の事、載ってるの。 |>一面の見出しに、 生田目が意識を取り戻したとある。 |>“今日未明、市内の病院に収容されていた 生田目容疑者の意識が回復。” |>“警察の事情聴取に対し、すまない事をした、 怖かった、等と供述している。” |>“警察は今後、容疑者の供述を元に、 事件の全貌解明を進める方針。” 花村 陽介|ついに終わったんだな… 里中 千枝|うん…ほんと… 里中 千枝|ほんとに、ようやくだよね… 里中 千枝|なんか、今朝やけに霧が濃くない? それに、なんか今日…さむっ! 天城 雪子|11月でこんなに冷え込むなんて、 珍しいよね… 足立 透|あれ、君たち。 足立 透|ちょうどよかった。 ついさっき、病院から連絡があってね。 足立 透|今日から、菜々子ちゃんの面会OKって。 里中 千枝|少し、良くなったんだ… 良かった…! 足立 透|あれ、その新聞… そっか、そっちはもう知ってるんだ。 |生田目の様子は? |生田目の容疑は? |事件はこれで解決? 足立 透|一応、意識は回復したけど、 なんとも言えないんだよね… 足立 透|誘拐殺人が2件に、 未遂が5件…大した凶悪犯罪だよ。 足立 透|これ、軽く日本の犯罪史に 名前残ると思うなぁ… 足立 透|そりゃ、犯人捕まったからね。 足立 透|まだちょっと錯乱してるみたいなんだけど 少しずつ話を聞いてるところだよ。 足立 透|えっと、これはまだ内緒なんだけど 君たちにならいいかな… 足立 透|見つかった日記には、山野アナや 小西さんについての記述もあってね。 足立 透|どうも生田目のヤツ、 小西さんに言い寄ってたっぽいんだな。 花村 陽介|あの野郎…! 足立 透|あ、そ、それじゃ僕は これから病院行くから。 足立 透|堂島さんも何とか動けるようになったし、 事件のことで、色々話さなきゃ。 里中 千枝|花村… 花村 陽介|ワリ、大丈夫だ… 花村 陽介|生田目の野郎は、もう捕まえたんだ。 これ以上は、手も出せないだろ… 花村 陽介|それより、放課後みんなで 菜々子ちゃんのお見舞い行こうぜ! 里中 千枝|モチ! 天城 雪子|学校行ったら、 みんなにも報告しなきゃね。 堂島 遼太郎|菜々子、見ろ。 みんな、お前の見舞いに来てくれたぞ。 堂島 菜々子|ん… 堂島 菜々子|お、にいちゃ… |>まだ話すのは辛そうだ… |>それでも菜々子は、 嬉しそうな顔をしている… |堂島さん! |もう…今日だけで、何度目ですか? |娘さん心配なのは分かりますけど、 あなただって、まだ絶対安静なんですよ!? 堂島 遼太郎|ム…す、すまん。 天城 雪子|あの…そんなに酷いんですか? 堂島 遼太郎|ん…まあ、傷口が塞がったばかりだからな。 骨もかなりいってるそうだ。 足立 透|すいません。 すぐ、僕が押して病室戻りますから。 堂島 遼太郎|なんでお前が頭下げてんだ… |もうすぐ検診ですから、 それまでには戻ってくださいよ。 堂島 菜々子|おにい…ちゃん… |ここにいるよ |無理しちゃダメだ |欲しいものは? 堂島 菜々子|うん…よかった… 堂島 菜々子|へい、き… …来てくれた…から。 堂島 菜々子|ここ…いて… |>菜々子は安心した顔で 目を閉じている。 |>…眠ってしまったようだ。 |>医師から菜々子の病状について 説明を受けた… |今のところ、状態は安定しています。 ただ… |医者が言うべき言葉じゃないんですが… 相変わらず、原因が掴めません。 |そのため、対処療法的なことしか施せない、 というのが現状です。 堂島 遼太郎|危険な状態からは、抜けたんですか? |意識は回復してくれましたが、 まだ安心は出来ませんね… |しばらくは様子を見てみない事には、 なんとも… 堂島 遼太郎|足立。 生田目の件はどうなってる? 足立 透|意識が戻ったっていっても、 まだロクに話せる状態じゃないですからね。 足立 透|一日にできる聴取の時間も限られてますし、 依然回復待ちってとこです。 堂島 遼太郎|そうか… 俺も一日も早く仕事に戻らないとな。 堂島 遼太郎|その頃には、 菜々子も退院できてるといいが… 足立 透|あー…でも菜々子ちゃんは、 ここの方が静かに休めると思いますよ。 足立 透|外は霧がすごいし、 なんだか変なウワサも広まってるし… 足立 透|この町の霧、どうも発生の原因が 不明らしいですからね。 |確かに、霧のせいで体調が悪いと 駆け込んで来られる方、増えてますね… |そんな事、普通あり得ないんですが… |霧は有害なのか? |ただのウワサでは? |絶対に影響が無いとは言い切れない…としか。 |少なくとも、人々が不安になってるという点で、 精神面への影響は、あるでしょうね。 |霧自体の成分…といった話は、 専門から外れるので、憶測ですが。 |それよりも、この霧のせいで医療関係の 車の便に影響が出ている事の方が問題で… 堂島 遼太郎|霧のせいで体調不良だぁ? 馬鹿馬鹿しい… 堂島 遼太郎|それこそ、霞を食うような話だ。 |>何とか菜々子は 意識を取り戻してくれた… |>しかし、回復にはまだ少しかかるようだ… |>ようやく始まった、生田目の事情聴取… |>晴れない霧と、 人々の謎の体調不良騒ぎ… |>とにかく今は、 事態を見守るしかなさそうだ… |ほぉんと、変な天気よねー。 こんなに続くなんてねえ? |こんなの今まで無かったわよねぇ。 |何なのかしら、気味悪いわよねー。 |なんでも、知り合いの子がね、 霧で気分悪くなって倒れたらしいのよ。 |ほら、子どもって敏感じゃない? |私が聞いたのはねぇ… |おじいさんが霧の中を運転してたら、 事故起こしちゃったんですって。 |それって、おかしくなっちゃって? |無事故無違反だったらしいから、 おかしいわよねぇ…怖いわぁ。 |体に有害って言う専門家もいるんですって。 本当かしらねー。 |やっぱりほら、地球温暖化? の影響なのかしらねぇ。 |この町も、昔と随分変わっちゃったじゃない? 政治でなんとかしてもらわないとねぇ。 |そうよねー、税金払ってるんだから、 国が何とかしてくれないと困るわよねぇ。 |これは毒ガスだーっ! ウイルスの霧だーっ!! |この霧を吸うなーっ! 死ぬぞーっ! |最近、ああいうの、たまに見かけるわよねぇ。 |いくらなんでも、毒ガスなんて… |まさか、ねぇ… |あら? 奥さん、どうしたの? |…やだ、何だかちょっと気分が… |ま、さか、いやだわぁ…おほほ… |…そーだ、買い物行かないと。 それじゃ… |こっとに、ヒマだねぇ… 花村 陽介|しっかしさ、この霧、無くなんねーよな… 花村 陽介|天気予報じゃ、初雪降るかもって話だし こんな中で雪とか降ったらどうなんだ? 里中 千枝|うわっ、いたの!? 花村 陽介|おお…大集合だな… 里中 千枝|そこで会って、一緒に来たんだ。 里中 千枝|霧で良く見えないときあるから、 みんなも固まって来てるっぽいよ。 花村 陽介|にしても、変だよな、ここんとこ。 なんか、寒みぃしさー… 久慈川 りせ|見通し悪くて怖い… ね、先輩の隣行っていい? 里中 千枝|この子だけは、相変わらずだね… 久慈川 りせ|だって、ほんとに見通し悪いし。 これじゃまるで“向こう”みたい。 巽 完二|ちょ、先輩ら、メガネメガネ! |>メガネをかけると、視界が少し開ける… 天城 雪子|わ、見える… 花村 陽介|どっ…どういう事だ!? 白鐘 直斗|このメガネは、向こうの世界の霧を 見通すもの… 白鐘 直斗|いやそもそも、メガネをかけたら霧が見通せる なんて事自体、普通じゃあり得ません。 里中 千枝|なら、ええと… 里中 千枝|あっちの霧が、こっちに漏れてるとか…? 里中 千枝|えっ、当たりっぽかった!? いつもの調子で流されるかと思ったのに… 里中 千枝|た、ただの思いつきですから…ハハ… |>空気が重い… 花村 陽介|とにかく…今日で試験終わりだろ? 花村 陽介|ちゃっちゃと済ませて、 放課後“特捜本部”に集まろうぜ。 天城 雪子|あー… ヒサカタぶりねー、その名前… 里中 千枝|あ、ここ、霧の話が書いてある。 え~っと… 里中 千枝|…一部の専門家からは、この霧が有害な物質を 含んでいるのではと危ぶむ声も出始めている。 里中 千枝|霧の発生原因や実情の究明に 至急取り組むべきとの声が出され… 里中 千枝|政府による予備調査が始まったが、 原因の特定は難しいとの見解が大勢… 里中 千枝|…だって。 この霧って、マジでヤバイもんなワケ? 巽 完二|町とか、さっぱり人引けちまってっスよ? つーか、ここもスけど。 久慈川 りせ|みんな、この霧を怖がって 出歩かないみたい。 クマ|確かに、“あっち”の霧に 似てる気はするけど… クマ|それ以上のことは、 まったくチンプンカンプンね… 白鐘 直斗|あとは…ここに生田目の略歴と 事件についてがまとめてあります。 白鐘 直斗|…最初の被害者は、容疑者と愛人関係にあり、 そのもつれから殺害に及んだと見られている。 白鐘 直斗|同4月、第二の被害者、小西早紀さんの 遺体発見。 詳しい動機を追及している。 白鐘 直斗|7月には、同じく稲羽市在住の 少年による模倣殺人が発生。 白鐘 直斗|一時はこの少年が全ての容疑者と見られたが、 捜査の進展により、生田目容疑者が浮上。 白鐘 直斗|先月、稲羽市在住の7歳になる女子児童を 誘拐に及んだ際、容疑者は警察により逮捕… 白鐘 直斗|生田目はまだ、どこかの病院に収容されていて、 詳しい取り調べはこれからのようです。 花村 陽介|やっと、終わったんだなぁ。 いろいろあったけどさ… 花村 陽介|後は、立件されて、 罪が確定するのを待つだけか…? |本当に立件できるのか? |生田目は罪を認めるのか? |自分たちの役目は終わった 花村 陽介|…お前の叔父さんなら、 必ずこぎつけるさ。 花村 陽介|認めるも何も、あいつが全部やったんだ。 後はお前の叔父さんが、何とかしてくれるさ。 花村 陽介|そうだな… 後はお前の叔父さんが、何とかしてくれるよな。 久慈川 りせ|でもアイツ…言ってる事、 明らかにおかしかった。 久慈川 りせ|自白で“テレビの世界”とか言い出した場合、 ナントカ鑑定で引っかかったりしないのかな… 天城 雪子|証拠が不十分だったり、状況証拠だけだと、 立件は難しいって、聞いたことある。 白鐘 直斗|確かにそういう事件や犯罪者は多いです。 ある意味、犯罪捜査の永遠の命題ですね… 巽 完二|捕まえても…裁けねえってのか? 白鐘 直斗|…その可能性も ないとは言えない、ってことです。 巽 完二|んだそりゃ!? 巽 完二|あいつがやったって、 オレらはみんな知ってんのに… 巽 完二|大体、殺す事が救済とか、 あんなイカレた野郎、放置できねーだろ!? 花村 陽介|精神がどーとか…そんなんで済まされちゃ たまんないぜ… 花村 陽介|小西先輩… 花村 陽介|いや…先輩や山野アナだけじゃない。 モロキンだって、アイツの犠牲者だ。 花村 陽介|アイツがいなけりゃ、 それをマネようなんてヤツも出なかった。 花村 陽介|今、菜々子ちゃんがあんな状態なのだって アイツのせいだろ… |>そう言えば、菜々子と 新しいコタツを買いに行く約束をしていた… 里中 千枝|…どしたの? |>みんなに、菜々子との約束を話した… 巽 完二|コタツ…っスか? 里中 千枝|あ、じゃ今から見に行こうよ。 里中 千枝|戻って来て、コタツあったら 菜々子ちゃん、喜ぶよ! 花村 陽介|おいおい、そーゆう事は早く言いたまえよ。 扱ってるぜ、もうシーズンだからな! 花村 陽介|うし、じゃーみんなで選ぶか! 里中 千枝|やっぱコタツって言ったら みかんがセットだよね~。 巽 完二|ベタで最強っスね。 白鐘 直斗|最強と言えば、ホットカーペットに コタツの組み合わせでしょう。 花村 陽介|そのコンボは、ブレーカー逝くな… チンとかした拍子に。 花村 陽介|そーだ、クマきち、コタツ初めてだろ。 あったかいぞー。 クマ|クマはまだ、 ここにいても、いいクマ…? クマ|みんなは約束、果たしてくれたから… クマは、もう帰らないと… クマ|でも、ナナチャンが元気になるまで 帰りたくない… 花村 陽介|居ていいっての。 何回言わせんだお前。 里中 千枝|目が覚めてクマくんいなかったら、 菜々子ちゃん、ガッカリするよ。 クマ|け、けど、クマはナナチャンを 助けてあげられなかった… 久慈川 りせ|バカね。 みんなで助けたじゃない。 巽 完二|犯人だって捕まえただろ。 …オメェが居たおかげだ。 天城 雪子|今、菜々子ちゃんも頑張ってるのに、 そんなこと言っちゃダメよ。 クマ|みんな… |ここにいていい |うちに来い クマ|センセイ… クマ、感激! クマ|ナナチャンが戻ってくるまで、 クマがセンセイのそばにいる! 花村 陽介|あ、そうか… お前んち今、一人だもんな。 クマ|ホ…ホントにいいの!? 花村 陽介|そっか…お前んち、 今、一人だもんな。 里中 千枝|そうだ、菜々子ちゃんの クリスマスプレゼント、下見しちゃう? 天城 雪子|あ、いいかも! きっとそれまでには退院できてるよ。 花村 陽介|俺のツケとかゆーのはナシな。 ほんと、ナシな。 言っとくぞ。 里中 千枝|失礼だなー。 んな事するわけないじゃん。 花村 陽介|お前の見立てたコイツの服!! 後でレシート見てチビりかけたっつの! 花村 陽介|おかげで何日バイトさせられたと 思ってんだよ!? 里中 千枝|それはさ、ジュネスの価格設定の問題じゃん。 花村 陽介|のぁッ…!! 花村 陽介|まー、しょうがねーか…異性の服選びとか、 里中さんは初体験だったもんね、きっと。 里中 千枝|のぁッ…!! なんだとぉ!? クマ|やだなあ、ベイベーたち。 クマのためにケンカは… |すっこんでろ!! 天城 雪子|ぶふっ…ふふふふふ… 久慈川 りせ|先輩たち放っといて、 プレゼント、考えよ。 巽 完二|つっても、小学生の女の子が 欲しがりそうなモンなぁ… 白鐘 直斗|菜々子ちゃん、 何をプレゼントしたら喜ぶでしょうか? |ゲーム機 |フロスト人形 |りせちー人形 白鐘 直斗|冬場、部屋で一緒に遊べますし、 いいかも知れませんね。 巽 完二|いいっスよね、あの白くて丸いフォルム… やっぱ、ぬいぐるみがお勧めっスよ! 久慈川 りせ|あれって、微妙に 子供向けじゃないんだけど… 久慈川 りせ|ま、いいか。 カワイく出来てるし。 花村 陽介|んじゃ菜々子ちゃんが退院したら お前んちでパーティだな。 里中 千枝|よーし! じゃあ張り切ってケーキ作るか! 久慈川 りせ|当然! 天城 雪子|すっっごいケーキにしたいね。 花村 陽介|やめなさい! 菜々子ちゃん、病院に送り返す気かよ!? |>足立からだ… 足立 透|も、もしもし? その、えと、落ち着いて聞いてね? 足立 透|菜々子ちゃんの容態が急変して… 足立 透|すぐに病院に来て欲しいって先生が。 …頼んだよ。 花村 陽介|と、と、とにかく病院へ! |>警察病院 菜々子の病室… |>堂島は、医師から説明を受けている。 |>さっきから、病院中がやけに騒がしい… |先生、この霧、毒なんでしょ? ウィルスなんでしょ? |テレビでやってましたっ! ワクチンとか、ないんですかっ!? |落ち着いてください。 それはただのウワサですから… |ウソつけ! ホントはちゃんと薬があんだろ! |俺たちを見殺しにする気か! |そんなこと、あるわけないでしょ! 里中 千枝|ひどい騒ぎ… 堂島 遼太郎|ふざけるな! 菜々子はこんなに苦しんでんだぞ! |今は状況を見守るしかないんです。 ですから、堂島さんも自分の病室へ… 堂島 遼太郎|俺の事はどうでもいい! それより菜々子を… 堂島 遼太郎|ぐぉっ… 花村 陽介|堂島さん! 堂島 遼太郎|菜々子を…こいつを助けてくれ… 頼む、どうか菜々子だけは… |…最善を尽くします。 |とにかく、一旦廊下へ。 堂島 遼太郎|菜々子… |>堂島は看護師に付き添われ、 自分の病室へ戻された… 花村 陽介|…おい、何とかならないのか!? 花村 陽介|お前の住んでた世界のことだろ! 何か、分かんねーのかよ! クマ|考えてる…考えてるけど… 巽 完二|クソッ…! なんで、あんな小さな子が、 こんな事の犠牲になんだよ… |許せない |落ち着け |みんな同じ気持ちだ 巽 完二|オレだってそうっスよ! あんな野郎のせいで… 巽 完二|こんな時に、どやって 落ち着いてろっつんスか!? 巽 完二|オレ…悔しいっスよ… 巽 完二|オレ…悔しいっスよ… 里中 千枝|菜々子ちゃん…大丈夫だよね? 足立 透|君たち、まだここに? 白鐘 直斗|堂島さんの様子はどうですか? 足立 透|傷が開きかけてたみたいでね。 今、病室で処置を受けてるよ。 花村 陽介|…生田目の方は、なんか進展あったんスか? 足立 透|あ、ああ、それなんだけど… 足立 透|一応言っておくと、この事件… …立証は難しくなってきてんだ。 花村 陽介|どういうことだ? 足立 透|本部の人とも話したけど、裁判で有罪に 持ち込むのはやっぱり無理があるんだ。 足立 透|何故、生田目が山野アナ殺しの初動捜査で 容疑者から外されたか… 里中 千枝|そういえば… 確か、アリバイがあるって… 足立 透|その…何だっけ? テレビに入れるとかって話、 立証のしようもないっていうか… 足立 透|まぁ、誰も信じないし… 足立 透|世間が欲しがるのは、生田目が いつ、どこで、どうやって殺したかだよ。 足立 透|…堂島さんだって、その事は分かってるんだ。 巽 完二|…えらく冷静じゃねえか。 足立 透|ぼ、僕は本当のこと言っただけだよ。 巽 完二|てめえ…それでもデカか! あぁ!? 巽 完二|そんなに見てえなら見してやんよ! 今すぐここにテレビ持って来いオラ!! 久慈川 りせ|ちょっと、やめな… 巽 完二|…なんだ? |菜々子ちゃんのご家族の方は? |早く中へ! 声をかけてあげてください! 花村 陽介|何だこれ…どういうことだよ! 天城 雪子|やだ…菜々子ちゃん… 堂島 菜々子|おとうさん… |すぐに来るよ |大丈夫だよ |頑張れ |菜々子ちゃん、堂島菜々子ちゃーん。 聞こえる? 分かるかなー? |おにいちゃん来てるよー。 がんばろうねー。 堂島 菜々子|…ぅ…ッ… |堂島さんは!? |今、呼んでます!! 堂島 遼太郎|菜々子は!? |先生… 堂島 菜々子|おにい…ちゃん… |ここにいるよ |大丈夫だ |すぐにお父さんも来る 堂島 菜々子|ん… 堂島 菜々子|こ…わいよ… 堂島 菜々子|おにい…ちゃん… おとう…さん… 堂島 遼太郎|菜々子ぉ! 堂島 遼太郎|…な…なこ…? |残念です… 里中 千枝|そんな…! クマ|ナナチャン… 花村 陽介|くそっ… 花村 陽介|クソッッ!! |手は尽くしましたが、 これといった原因も特定できず… 巽 完二|チクショウッ!! 白鐘 直斗|菜々子ちゃん… 足立 透|堂島さん…? どうしたんだ、怖い顔して…? 足立 透|あれ、みんなもどうしたの…? 足立 透|え… まさか、な、菜々子ちゃん… 足立 透|まてよ… あっち、堂島さんの病室じゃないだろ… 足立 透|おい確か…あっちって… 久慈川 りせ|先輩! 先輩っ!! 久慈川 りせ|堂島さん、生田目のところに行ったかもって! 久慈川 りせ|生田目のやつ、この病院に入院してるみたい! 花村 陽介|同じ病院に運んだのかよ!? 被害者と犯人だろ!? 足立 透|そ、そんな事、僕に言われたって… 大きい病院だし、まだ動かせる状態じゃないし… |どうして黙ってた |病室はどこだ? |まだ生きてるのか? 足立 透|こういうことになるからだよ! 大体、犯人の入院先なんて極秘扱いだし… 足立 透|い…言えるワケないでしょ、そんな事。 足立 透|え…? ど、どういう意味? 巽 完二|いいからさっさと病室教えろ! 巽 完二|堂島さん、行ったんだろ!? 止めなきゃヤベエだろーが!! 里中 千枝|ヤバイって、まさか… 足立 透|ちょ、ちょっと待っ… 堂島さんが…何だって…? 巽 完二|早く言え! 病室はどこだ!! 足立 透|うぐっ… だ、第二外科病棟の最上階、一番奥… 足立 透|け、けど…警護の人間、いるし… |>同じ頃… |>菜々子の病室… クマ|クマは… クマ|クマは…ナナチャンをずっと見てた… なのに、助けられなかった… クマ|クマの世界で起きたことなのに… クマ|クマはあの世界で、 ただひとりのクマのはずなのに… クマ|クマはなにも… クマ|クマは… 堂島 遼太郎|放せ… ヤツに話がある。 |ですから、許可が無ければ… 堂島 遼太郎|許可だ…? 堂島 遼太郎|ならアイツは、誰の許可で 菜々子を殺したんだ…あ? 堂島 遼太郎|フザけんじゃねーぞ… |い、医者! 堂島 遼太郎|放せよ… 俺は、アイツを… 足立 透|うわ、わ、大変だ! 足立 透|早く病室へ運んで! ぼ、僕は、先生に知らせに行くから! 里中 千枝|堂島さん… まさか、本気で… 巽 完二|ひとり娘を殺されたんだ… 何したって、おかしかねーよ。 花村 陽介|堂島さん…分かってたのかもな… 法で裁ける見込みが、ほぼ無いってさ… 花村 陽介|くそっ…先輩殺した上に、 とうとう菜々子ちゃんまで… 花村 陽介|なのに、当人は罪も償わず、 この先ものうのうと… 天城 雪子|そんなのっ…! 久慈川 りせ|なんで… なんで、生きてるのはアイツの方なの? 堂島 遼太郎|菜々子は死んで、 なんでアイツは生きてる!? 堂島 遼太郎|菜々子を返せ…返しやがれッ!! 俺には…菜々子しか…ッ! 堂島 遼太郎|菜々子しか… いな…ッ… 生田目 太郎|あ… う、あ… |何をしてる? |大丈夫か? |窓から逃げる気か? 生田目 太郎|こ、怖かっ、た… だ…だから… 生田目 太郎|う…うう… 生田目 太郎|お、俺は… 花村 陽介|お前だけ生きてて… しかも逃げようってのか!? 里中 千枝|菜々子ちゃんは… アンタのせいで…!! 生田目 太郎|お、俺、俺は、何も… 久慈川 りせ|0時… マヨナカテレビ? 久慈川 りせ|ちょっと、これって…!! もう一人の生田目|救済は失敗だ。 お前たちが邪魔したせいでな。 花村 陽介|もう一人の生田目…!? 花村 陽介|なんでだ!? 本人ここに居るし、シャドウは倒したのに… 白鐘 直斗|思えばあの時、生田目は自身と向き合わなかった。 白鐘 直斗|シャドウがペルソナとして 体に戻らなかったようにも見えました… 白鐘 直斗|それが今頃になって見えているのかも… 生田目 太郎|こ、れは… もう一人の生田目|救済は失敗したが、 これは、俺のせいじゃない。 もう一人の生田目|…それに、どうせ法律は俺を殺せない。 生田目 太郎|ば、ばかな… 里中 千枝|あれが生田目の、本心の声!? 里中 千枝|じゃあ、やっぱり… 分かっててやってたんだ… 花村 陽介|法律がどうした… 俺は、お前を許す気はねーぞ… 生田目 太郎|こ、これは… やめてくれ… 巽 完二|あ…? 何をだ…? まだなんもしちゃいねえだろ… 巽 完二|それとも“なんか”してやろうか…? 今のテメェに見合う事をよ! 久慈川 りせ|か、完二… もう一人の生田目|好きにすればいいさ。 あの子が死んで、俺を恨んでるんだろう? もう一人の生田目|俺はどっちだっていいんだ。 生きるも死ぬも、俺にとっては大差ない。 もう一人の生田目|でもお前らは違う…クク、無理だよなぁ。 できないよなぁ、そんな事? もう一人の生田目|ククク…俺は“救済”を続けるぞ… それが俺の使命だからな…! 天城 雪子|使命…!? 白鐘 直斗|くそっ… 生田目 太郎|や、やめてくれ… 花村 陽介|やめてくれだとよ。 どうする? 里中 千枝|ど、どうするって… 巽 完二|野郎がこのまま野放しなんざ、 許されるワケがねえ。 天城 雪子|だからって…どうする気? 花村 陽介|このまま、ただここを出てくなんて、 俺には出来ねえ… 里中 千枝|わ、分かるけど、でも… 白鐘 直斗|病室にこんな大きなテレビがあるなんて 思いませんでした… 白鐘 直斗|こんな物が置いてあるんじゃ、この男は いつ逃げ出して居なくなっても仕方ない… 白鐘 直斗|もっとも、一度入ったら…自力で出る方法 なんて無いかも知れませんけど。 久慈川 りせ|ちょっと待ってよ! それって…まさか… 久慈川 りせ|本気…なの…? 巽 完二|オメェは、このまま帰れんのかよ。 久慈川 りせ|それは… だけど…! 里中 千枝|このままでいいとか悪いとか… そういう問題じゃないじゃん!! 里中 千枝|何言ってんの…!! そんなこと、できるワケ…!! 花村 陽介|里中っ!! 花村 陽介|それにみんなも、聞いてくれ。 花村 陽介|やるなら…今しかない。 こんな機会、もう二度と巡って来ない。 花村 陽介|このままじゃ、コイツは野放しになる。 そしてまた“救済”とやらを繰り返す! 花村 陽介|たった今コイツの“本心”が言ってたろ!? 花村 陽介|そしたら菜々子ちゃんや先輩みたいに… また無実の人が何人も死んでいくんだ! 花村 陽介|そんなの、俺は見過ごせねぇ… 花村 陽介|大切な人殺されて…償わせる事も出来なくて… それが繰り返されんのまで見過ごせってか…? 花村 陽介|絶対できねえ! しちゃいけねえだろッ!! 里中 千枝|は、花村… け、けど… 花村 陽介|ただ“テレビに落とす”…それだけだ。 それだけで、全部終わる。 里中 千枝|お…落とす…だけ… 花村 陽介|関わりたくないヤツは、出て行ってくれ。 …無理に付き合う事はない。 花村 陽介|俺は…コイツを許す気はねえ。 けど、その前にお前の意見が聞きたい。 花村 陽介|お前はどうする…鳴上? |テレビに落とす |出て行く |ちょっと待て 花村 陽介|ああ… これで終わりにしよう… 里中 千枝|ちょっと待ってよ… 里中 千枝|自分たちのやろうとしてる事、 ほんとに分かってんの…? 里中 千枝|それ…あたし達もコイツと同じ事 するって事だよ!? 里中 千枝|あたしだってコイツ許せないけどさ… 本当に…これでいいの!? 久慈川 りせ|やられたら… やり返していいのかな… 久慈川 りせ|でも、放っておくと、また… 久慈川 りせ|私、分かんないよ… 天城 雪子|本当に、いいの…? 鳴上くん… |どうしてもテレビに落とす |やっぱりやめる 天城 雪子|どうしても…やらなきゃダメ? 花村 陽介|お前らはどうする? 無理に残る事、ないからな。 天城 雪子|…ここにいる。 里中 千枝|…あたしも。 里中 千枝|あたしだけ出てくなんて…出来ない。 そんな事したって、余計辛いだけ。 里中 千枝|これが答えなら…最後まで付き合う。 久慈川 りせ|私も…どんな結末でも、 ちゃんと見届けたいから… |>後は、全ての原因となった向こうの世界が 決着を付けてくれるだろう… |>生田目自身から出たシャドウによって、 幕が引かれるに違いない… |>これで…すべては終わった。 |>菜々子の元へ戻ろう… 天城 雪子|よかった…そうだよね。 花村 陽介|何でなんだよ… 何でそんな半端にできんだよ… 花村 陽介|平気なのかよ、こんな…! 里中 千枝|平気なワケないじゃん! 里中 千枝|だからって…そっちこそ、平気なワケ!? こんなヤツと同じ事するなんて! 里中 千枝|アンタが見過ごせないのと同じよ… 里中 千枝|大事な仲間が人殺しになるの、 黙って見てられるワケないでしょ、バカ!! 久慈川 りせ|殺されたら殺し返していいか、とか… そんなの、私じゃ重すぎて答え出せない… 久慈川 りせ|でも…でもね! 久慈川 りせ|誰かが大切で、その事でこんなに怒れる人が… 誰かを殺しちゃうなんて…ダメ… 久慈川 りせ|絶対後悔するもん…! 巽 完二|じゃ、警察アテにしろってのかよ… アテんなんのかよ!? 白鐘 直斗|たとえアテにならなくても、 ここから先はもう、僕たちの戦いじゃない… 白鐘 直斗|堂島さんたちの戦いって事ですか… 天城 雪子|私…みんなと一緒にこの町を守ってきた事、 誇りに思ってる。 天城 雪子|それをこれ以上、悲しい結末にしたくない。 天城 雪子|これから先もまた、みんなで学校に行って… 一緒に過ごしていきたい。 天城 雪子|人を手にかけた思い出なんて… そんなの要らない… 天城 雪子|もし、また何かあったとしても、 その時は、またみんなで集まればいいじゃない! 天城 雪子|それに…まだ何も起きてない… なら、未来が不幸って自分で決めちゃう事ない。 花村 陽介|未来は決まってない、か… 花村 陽介|…菜々子ちゃんとこに戻ろう。 花村 陽介|お前… コイツを許すってのか!? 白鐘 直斗|先輩は…僕らと同じ気持ちで いると思ってました。 巽 完二|いいのかよ!? 菜々子ちゃんの事見たろ!? 花村 陽介|もう一度、よく考えろよ… 花村 陽介|お前…本当にそれでいいのか? |テレビに落とす |落とさない 花村 陽介|待てるかよ! ぐずぐずしてたら警官が戻ってくる! 花村 陽介|…何が言いたいんだよ! |まだ分からない事がある |警察に任せるべきだ |落としても何も変わらない 花村 陽介|お前…本気でそう思ってんのか? 花村 陽介|そんな事ない! 花村 陽介|コイツが居なくなれば…少なくとも 同じ悲劇は繰り返されない! 花村 陽介|こんなの…もう二度とごめんなんだよッ!! 巽 完二|この土壇場へ来て、 分かり合えねえとはな… 花村 陽介|分からない事…? 何がだよ!? |再犯は本当にあるのか |復讐の正当性 |生田目の本心 |本当に法で裁けないのか 花村 陽介|俺にだって分かるかよ! けど、起きてからじゃとり返しつかねえだろ! 花村 陽介|二度と悲劇を繰り返させない… それより大事な事なんて…今の俺には無い。 花村 陽介|悪いけど…そんな理由でためらっちまう お前の方が、分かんねえ。 花村 陽介|…正しくないかもな。 花村 陽介|けどそれでコイツを野放しにして、次また 誰か犠牲になったら…それは正しいのかよ? 花村 陽介|菜々子ちゃんは浮かばれんのかよ!? 花村 陽介|悪いけど…そんな理由でためらっちまう お前の方が、分かんねえ。 花村 陽介|立件できないのを初めから知ってて、 だからコイツはやったんだ。 花村 陽介|裁ける“かも知れない”…そんな博打みたいな 事で、菜々子ちゃん浮かばれんのかよ!? 花村 陽介|悪いけど…そんな理由でためらっちまう お前の方が、分かんねえ。 花村 陽介|コイツの本心なら、 たった今、散々聞いたろ!? 花村 陽介|今更、何が分からないってんだよ!? |怯えている理由 |何かがひっかかる |反省しているかも |実はよく分からない 花村 陽介|命請いか、それとも“もう一人の自分”を まじまじ見て、今更ビビったか… 花村 陽介|どうでもいいだろ! 気ぃ遣ってやるような事じゃねえ! 花村 陽介|なんでそんなに冷めてんだよ!? 菜々子ちゃんを殺されたんだぞ!? 花村 陽介|お前が分からねえよ… 花村 陽介|お前、どっちの味方なんだよ!? 花村 陽介|先輩や菜々子ちゃんを殺してて、 まだ続けるかも知れねーんだぞ!? 花村 陽介|“反省”で許せんのかよ!? 許していいのかよ!? 花村 陽介|鳴上… お前が分からねえよ… 花村 陽介|俺はお前が分かんねーよ… 花村 陽介|だから、何がだよ!!? 花村 陽介|さっきも言ったろ、 グズグズしてる時間はねえ! 花村 陽介|お前、ホントに何か 考えがあって言ってんだろうな!? |実は考えはない |落としても逃げられるかも |自分達は何かを誤解している 花村 陽介|このままだって同じだろ! …いや、 それどころか合法的に出てっちまう! 花村 陽介|なんでそんなに冷めてられんだよ!? 菜々子ちゃん殺されたんだぞ!? 花村 陽介|鳴上… お前が分からねえよ… 花村 陽介|誤解…? 根拠は何だよ? 花村 陽介|くそ…いい加減にしやがれ! 今度こそハッキリしてもらうぞ! 花村 陽介|やるのか、やらないのか! どっちだって俺は訊いてんだ! |自分には無理だ |落ち着け! |済まない… 花村 陽介|それが… お前の答えなのか… 花村 陽介|済まない? 何がだよ? …出来ないって事か? 花村 陽介|何なんだよ、のらくらと話延ばして… 家族殺されて、一番辛いのお前の筈だろ!? 花村 陽介|鳴上… お前が分からねえよ… |>みんなに“落ち着け”と叫んだ。 生田目 太郎|う…ぅ…ぅぅぅ… 天城 雪子|そ、そうだよ。 と、とにかく落ち着こうよ。 花村 陽介|俺は落ち着いてる。 里中 千枝|ねえ、今言った“誤解”って、どういう事…? 花村 陽介|こんなラリった奴相手に、 誤解もへったくれもあるかよ! 久慈川 りせ|ね、深呼吸。 久慈川 りせ|堂島さんの行動や、菜々子ちゃんの事で、 私たち、気がまだ動転してる。 巽 完二|チッ…しゃあねえ… |>みんなが深呼吸をした。 |>ようやくみんな、 落ち着きを取り戻したようだ… 白鐘 直斗|確かに…落ち着いて考えてみるべきですね… 白鐘 直斗|思えば僕たちは、まだ生田目自身からは 殆ど何も聞き取っていない… 白鐘 直斗|菜々子ちゃんを酷い目に遭わせたのは、 確かにこの男だ… 白鐘 直斗|でも他は、さっきのマヨナカテレビを見て、 “そうじゃないか”と感じただけです。 白鐘 直斗|全部押しつけて裁こうなんて…一時の情で 盲目になっていた事は否定できません。 巽 完二|けどよっ…! 花村 陽介|こいつは何も言わねーじゃねえか。 花村 陽介|どんな動機だろうと、こいつがみんなを テレビに放り込んだ事は間違いねえ。 花村 陽介|こいつが、先輩を… 花村 陽介|第一、人殺しを“救済”なんて言ってる奴を どう理解しろってんだよ! 白鐘 直斗|理解できない事と、しようともしない事は、 全く別のものです。 白鐘 直斗|思えば僕の方でも、気にかかる点が厳密に 全て解消されてる訳じゃありません。 白鐘 直斗|本人から話を聞くしかないでしょう。 白鐘 直斗|…今はまだ無理のようですが。 花村 陽介|確かに…今コイツをどうこうしたって、 全部すっきりすんのか分かんねえか… 花村 陽介|くそっ… 花村 陽介|けど、コイツが同じ事繰り返すのを防ぐ ためなら、俺は出来る事は何だってするぜ。 花村 陽介|いつだって、なんだって、な。 |同じ気持ちだ。 |今は考えよう。 花村 陽介|ったく…呆れるほど冷静だな、お前。 花村 陽介|ま、だからリーダーって事になってんのか… 花村 陽介|いいぜ。 ならトコトンまで考えようじゃねーか。 巽 完二|分かんねー事残したままじゃ、 テメェでテメェを騙した事んなるか… 巽 完二|確かに、筋が通らねえな… …オレも納得っス。 久慈川 りせ|よかった… 久慈川 りせ|私も、一生懸命考えるからさ! 里中 千枝|あたしたちも、気持ちはみんな、 花村たちと同じだよ! 里中 千枝|今までだって、ずっと、 みんなで乗り切って来たじゃんよ? 天城 雪子|うん、みんなで、ね。 花村 陽介|ああ… 花村 陽介|ああ、そうだな。 花村 陽介|悪かった… …ありがとうな。 足立 透|ちょっ…君たち! 何してんの、入っちゃダメだってば!! 里中 千枝|うわ、ヤバッ。 白鐘 直斗|よ、容疑者を見張っていたんですよ。 白鐘 直斗|外の警官は、堂島さんの事で、 しばらく手一杯になりそうだったので。 白鐘 直斗|生田目に逃げられでもしたら、警察の沽券や、 それから足立さんの信用にも関わりますし。 足立 透|そ、それは…どうも。 足立 透|今後は警護も強化するし、 なるべく早く搬送できるよう手配するよ。 足立 透|だから、今日君らがここへ入った事は… 白鐘 直斗|先生、彼の容態は? 先ほどは、随分興奮していたんですが。 |とりあえず無事のようだが、今は安静が 必要なんだ。 |とにかく、全員外に出てくれ。 足立 透|わ、分かりました。 花村 陽介|俺たちも…戻ろう。 菜々子ちゃんのところへ。 |>病室の窓が、大きく開け放たれている… |>事態は大きく動き、 特別捜査隊は真実に一歩近づいた… |>仲間達と共に、更なる謎への解明へ、 進んでいくことになりそうだ… 里中 千枝|菜々子ちゃん… 花村 陽介|カタキ、討ったよ… 花村 陽介|…けど菜々子ちゃんは優しいから、 喜ばないかな… 花村 陽介|そういや、クマがいないな… …帰ったんかな。 |>クマは、書置きを残して姿を消した… |“クマは、自分の世界に帰ります” |“住みにくくなったけど、 あの場所が自分の現実だから”… |“みんなには、本当に、本当に、 感謝してます” |“じゃあ…さよなら” |>誰もが事件の事を口にするのを避け、 厳しい冬が過ぎ去るのを待った… |>そして時は過ぎ… |ああ、来た来た! |菜々子ちゃんが、息を吹き返したんです! 久慈川 りせ|え…せ、先生、今なんて!? 天城 雪子|菜々子ちゃんが…!? 花村 陽介|ま、まじなのか!? |心肺停止からの生還は、ごく稀ですが あり得ない事ではありません。 |ただ、原因不明の症例ですから、今後 どこまで回復するかは、何とも言えませんが… |でも菜々子ちゃんは 必死に生きようとしています。 花村 陽介|う、嘘じゃないんだよな…? 花村 陽介|信じていいんだよな…!? 天城 雪子|菜々子ちゃん…! 里中 千枝|よかった… ホント…よかった… 巽 完二|はは…すげえぜ… 白鐘 直斗|こんな事、あるんですね… よかった…本当に… 久慈川 りせ|も、もう私どうしようって… うう…ううぅ… 天城 雪子|ううぅ…うう… 里中 千枝|も、もう…二人とも泣かないでよぉ… ううぅ… 花村 陽介|…あれ? そーいや、クマきちはどうした? 花村 陽介|アイツの部屋行った時から、 ついて来てなかったよな。 里中 千枝|グスン…そういえば、どうしたんだろ。 里中 千枝|菜々子ちゃんのそばに いるんだって思ってたけど… 天城 雪子|クマさん… どこに行っちゃったの…? |>その後… クマが遺した書き置きが見つかった。 |“クマは、自分の世界に帰ります” |“住みにくくなったけど、 あの場所が自分の現実だから”… |“みんなには、本当に、本当に、 感謝してます” |“じゃあ…さよなら” |>誰もが事件の事を口にするのを避け、 厳しい冬が過ぎ去るのを待った… |>そして時は過ぎ… |>この町に再び巡ってきた春。 |>3月21日… |>この町を離れる時が来た… |…続いて、稲羽市を騒がせた 連続誘拐殺人事件に関するニュースです。 |警察は収容先の病院から逃走後に遺体で 見つかった生田目太郎容疑者を、犯人と断定。 |遺体の状況から自殺と見て、 捜査を打ち切る方針を固めました。 |しかし被害者だけでなく、生田目容疑者の死因 についても、警察からは未だ発表がありません。 |専門家からは容疑そのものを 疑問視する声も上がっています。 |事件は数々の謎を残したまま、 歯切れの悪い幕切れとなりそうです。 |それでは引き続き、今日の霧情報です。 |依然、町を覆っている霧ですが、春の訪れが 影響してか、今週は少し和らぐでしょう。 |今日、明日は平常通りの淡い霧。 明後日以降の状況はわかっていません。 |お出かけの際はくれぐれも 視界にご注意ください。 堂島 遼太郎|そろそろ電車の時間だ。 準備は済んだか? 堂島 遼太郎|明日からはこの家に俺一人か… 寂しくなるな。 堂島 遼太郎|なぁ、悠。 堂島 遼太郎|もしも… 堂島 遼太郎|…もしも、放置できない悪があって、 誰もそれを裁こうとしないなら… 堂島 遼太郎|目の前に立った者が、裁く役目を 負わなきゃならないのかもな。 堂島 遼太郎|お前は…どう思う? |何の事か分からない |そうかもしれない 堂島 遼太郎|そうか… それならそれでいい。 堂島 遼太郎|そうかもしれない…か 堂島 遼太郎|さて、そろそろ出ないとな。 駅で友だちが待ってるんだろ。 堂島 遼太郎|行こう。 堂島 遼太郎|…ありがとうな、悠。 堂島 遼太郎|まあ、またいつでも遊びに来ればいい。 兄さん達によろしくな。 |>この町に再び巡ってきた春。 |>3月21日… |>この町を離れる時が来た… |…続いて、稲羽市を騒がせた 連続誘拐殺人事件に関するニュースです。 |生田目被告は、関連の疑われていなかった 複数の失踪事件について、犯行を自供しました。 |ですが、依然として、2件の殺人については 否認を続けているという事です。 |生田目被告は“救ってやるつもりでテレビに 入れた”等と意味不明の供述をしており… |動機や細かい手口についても不明な点が多く、 裁判でどこまで明らかになるかが注目されます。 |それでは引き続き、今日の霧情報です。 |依然、町を覆っている霧ですが、春の訪れが 影響してか、今週は少し和らぐでしょう。 |今日、明日は平常通りの淡い霧。 明後日以降の状況はわかっていません。 |お出かけの際はくれぐれも 視界にご注意ください。 堂島 遼太郎|そろそろ電車の時間だ。 準備は済んだか? 堂島 遼太郎|菜々子の退院が間に合わなくて残念だ。 もう少し後なら、外泊許可も出たんだが… 堂島 遼太郎|まあ、またいつでも遊びに来ればいい。 兄さん達によろしくな。 堂島 遼太郎|俺に出来るのも、もうここまでだ… 堂島 遼太郎|裁判で証言する機会はあるが… 基本は行方を見守るしかない。 堂島 遼太郎|恐らく大した刑は下らないだろう… 事実だけを追えば…まあ仕方ない。 堂島 遼太郎|なぁ…ひとつ訊いていいか。 堂島 遼太郎|ここに来て、ほんの1年だったが、 いろいろあったな… 堂島 遼太郎|お前…この町での暮らしやら、経験やら、 お前の選んできた行動に、満足できてるか? |満足している |後悔している |何を訊きたいのか分からない 堂島 遼太郎|そうか… 堂島 遼太郎|俺は正直、今も悩んでる。 これが本当に最善の選択だったのかってな… 堂島 遼太郎|そうか… 堂島 遼太郎|生きるってのは… なかなか思う通りにはならないな… 堂島 遼太郎|そうか… それならいい… 堂島 遼太郎|さて、そろそろ出ないとな。 駅で友だちが待ってるんだろ。 堂島 遼太郎|行こう。 堂島 遼太郎|…ありがとうな、悠。 花村 陽介|…さっきの、誤解とか、何かひっかかるって、 どういう意味なんだよ。 天城 雪子|私も実は、ちょっとだけひっかかってて… 天城 雪子|一番最初は、なんで人を殺そうなんて 思ったのかな? 里中 千枝|アイツいわく“救済”でしょ。 里中 千枝|“救済”しようとして、まず自分の愛人から 殺し始めた…ってこと? 白鐘 直斗|第1の殺人の後、警察は不倫のもつれと読んで 生田目を呼び、事情を聞いたんですが… 白鐘 直斗|その際の供述内容、態度…どこを取っても 不審な点は無かったそうです。 白鐘 直斗|“殺人”を“救済”と信じる程の異常者なら、 そんな風には記録されないと思うんですが… 花村 陽介|うまく猫かぶったのかもよ? 花村 陽介|それか“最初は普通の動機だった”とかさ… 殺しを体験して、ハマッてったんじゃねーの? 白鐘 直斗|いえ…もし正常なら、1件目の山野アナに 対する動機は、尚更説明できないんです。 白鐘 直斗|生田目は当時、妻の柊みすずとは別居中でした。 白鐘 直斗|半ば捨てられたような状態だったと、 本人、柊みすずの双方が証言しています。 白鐘 直斗|しかも柊は山野アナの事を既に知っていて、 生田目も山野の死にショックを受けていた… 白鐘 直斗|恨む理由は希薄…関係を隠す事にもならない… 殺しに発展する程こじれていたとは思えません。 白鐘 直斗|この辺りは、警察が相当力を入れて 調べましたからね。 白鐘 直斗|つまり生田目には、一番最初に山野真由美を 殺した納得のいく動機が、見付けられない… 白鐘 直斗|ですが、生田目本人によって書かれた日記には、 山野真由美の名前もあった… 花村 陽介|山野真由美を殺した動機… 久慈川 りせ|けど、やっぱり最初っから異常で、ただそれに 気付けなかったって可能性もあるんでしょ? 巽 完二|あーと… なんか、よく分かんねえんスけど… 里中 千枝|あーもー、こんがらがってきた! 足立 透|あのさ、結構声響いてるから… ここ病院だし、静かにした方が… |あ、いた! あなたたち! |すぐ来てちょうだい! 里中 千枝|え、な、何… 足立 透|いいから、早く行きなよ! |ああ、来た来た! |菜々子ちゃんが、息を吹き返したんです! 久慈川 りせ|え…せ、先生、今なんて!? 天城 雪子|菜々子ちゃんが…!? 花村 陽介|ま、まじなのか!? |心肺停止からの生還は、ごく稀ですが あり得ない事ではありません。 |ただ、原因不明の症例ですから、今後 どこまで回復するかは、何とも言えませんが… |でも菜々子ちゃんは 必死に生きようとしています。 花村 陽介|う、嘘じゃないんだよな…? 花村 陽介|信じていいんだよな…!? 天城 雪子|菜々子ちゃん…! 里中 千枝|よかった… ホント…よかった… 巽 完二|はは…すげえぜ… 白鐘 直斗|こんな事、あるんですね… よかった…本当に… 久慈川 りせ|も、もう私どうしようって… うう…ううぅ… 天城 雪子|ううぅ…うう… 里中 千枝|も、もう…二人とも泣かないでよぉ… ううぅ… |今日のところは、もう帰りなさい。 |堂島さんとは明日、菜々子ちゃんの処置を 相談しておくから。 |外は冷え込んでる…雪でも降るかも知れない。 風邪をひかないようにね。 花村 陽介|…あれ? そーいや、クマきちはどうした? 花村 陽介|アイツの部屋行った時から、 ついて来てなかったよな。 里中 千枝|グスン…そういえば、どうしたんだろ。 里中 千枝|菜々子ちゃんのそばに いるんだって思ってたけど… 天城 雪子|クマさん… どこに行っちゃったの…? 花村 陽介|そうだ、アイツ今、ケータイ持ってんだった。 …って、病院の中じゃダメだよな。 花村 陽介|外出て、ケータイにかけてみよう。 生田目 太郎|…えなかった… 救えなかった… 生田目 太郎|どうして… 生田目 太郎|真由美も…それに、あの子も… 生田目 太郎|救えなかった… |ん…なんだぁ? 今ごろ、反省の弁かぁ? ったく… 花村 陽介|クマのやつ、呼び出せないってことは、 充電切れてんのか…? 里中 千枝|病院の中もざっと見たけどいなかったよね。 どこ行っちゃったんだろう… 天城 雪子|あ…雪… 久慈川 りせ|あ、ほんとだ… 生で雪見るなんて、結構久々かも。 久慈川 りせ|でも、この霧だと、 雪もキレイに見えないな… 里中 千枝|降ってきちゃったね、今年も。 里中 千枝|う~さむっ。 とりあえず今日は帰ろっ。 里中 千枝|花村、クマくん見つかったら 連絡してよ? 花村 陽介|わーってるよ。 明日また、特捜本部でな。 花村 陽介|クマのやつ… 先に帰ってりゃいいんだけどな。 花村 陽介|心配ないとは思うけど、 とりあえず急いで帰るわ。 花村 陽介|じゃまた…明日な! |>あの時…みんなをひきとめたことは、 本当に正しいことだったのだろうか… |>今はわからない… |>そういえば病院で 携帯を切ったままだった。 |>特に連絡は入っていないようだ… |>誰かから連絡が入っている。 海老原 あい|あのさ。 話、色々聞いたから。 海老原 あい|大変なのは分かるけど、 自分も大切にしてよね。 海老原 あい|妹さんが元気になった時、 そんなんじゃ逆に心配されるよ? 海老原 あい|ばか! 一条 廣|一条です。 妹さんのこと聞いてさ。 一条 廣|オレにできることってある? あるなら何でも言えよな! 一条 廣|迷惑かもとか、思うなよ? お前とオレの仲じゃん! …な? 長瀬 大輔|長瀬だけど。 長瀬 大輔|さっき聞いた。 菜々子ちゃんの具合はどうだ? 長瀬 大輔|俺に何か出来る事があったら いつでも言ってくれ! 長瀬 大輔|とにかく、元気出せ! ガッツだぜ!! 小西 尚紀|小西尚紀です。 心配で、メールしました。 小西 尚紀|色々と大変らしいですけど、大丈夫ですか? 小西 尚紀|あんまり無理しないで、 自分も相談くらい乗れますから。 小西 尚紀|頼りないかもしれないですけど。 では、また。 黒田 ひさ乃|そちらではまだ霧が続いているようですね。 ニュースで見るたび、あなたを心配しています。 黒田 ひさ乃|優しくて強いあなたのことだから、 心配なんかするなって笑われそうだけど。 黒田 ひさ乃|体を大事にね。 人を大事にするように、 自分も大事にしてください。 |貴方の道程は無ではありません。 貴方を支えるものが見えるはず… 上原 小夜子|なんかアンタのこと思い出してさ。 やっぱ、どっかで繋がってるのかな。 上原 小夜子|距離が離れると、心も離れるって言うけど… あんなのウソだね。 上原 小夜子|何してるかは知らない。 でも、一生懸命生きてるの、感じてるよ… 上原 小夜子|がんばれ、悠。 中島 秀|先生、元気ですか。 さっき、何となく先生のこと思い出して… 中島 秀|僕、やっぱり、あんなことしたから 上手く友だちできないけど… 中島 秀|でも、話を聞いてくれた先生のためにも、 僕、諦めないで頑張ってる。 中島 秀|先生も、辛いことあっても頑張ってね。 小沢 結実|小沢です。 今どこにいるの? 小沢 結実|妹さんのこと、話せるようなら話して下さい。 小沢 結実|連絡待ってます。 松永 綾音|松永です。 ご家族が倒れたって聞いて… すみません、何て書いたらいいのか… 松永 綾音|その…一人じゃないですよ。 松永 綾音|私が傍にいること… 辛いとき…思い出してくださいね。 松永 綾音|また、連絡します。 南 絵里|先生、どうしてる? こっちは元気よ…勇太も私も。 南 絵里|霧がすごくて、周りの人も色々言うけど、 勇太がいるから怖いこと何も無いの。 それ、言いたかったんだ。 南 絵里|毎日、家族になっていく気がする。 幸せって思う…先生のおかげだね。 |>…着信をすべて確認した。 |>…町の友達からだ。 |>励まし合える仲間がいる事を思い出した… |>事件はまだ、見通しの効かない霧の中だが、 今は真実を目指して進むしかない… |>風邪をひかないうちに帰ろう… |>風邪をひかないうちに帰ろう… |はい、どうもはじめまして。 会うは別れの始め、アルファなり、オメガなり… |この時間、みなさんのお相手をいたします、 江戸川です、ヒヒヒ。 |八十神高校のみなさん… メニー・ゴッド・ハイスクールですか、ホホー。 |“カバラ哲学”の話でも…と思ってましたが、 気が変わりましたよ、ヒヒヒ。 |今日は皆さんと、せっかく会えたんですから、 “お別れの話”を差し上げることにしましょう。 |いやいや、これは“日本で一番古い呪いの話” と言ってもいいのかもしれませんねぇ。 |みなさんは、この国を作った神様くらいは 知っているでしょう? |国生みの二神、 男神イザナギと、女神イザナミ、ですね。 |大変に仲の良かった二神ですが… |ある日、イザナミ神が火の神を お産したときに死んでしまいます。 |たいそう悲しんだイザナギ神は、死者の国まで イザナミ神を連れ戻しに出かけます。 |暗い暗い、黄泉の国へ… |そこで、黄泉の住人になったイザナミ神に、 一緒に戻ろうと男神が話します。 |これに女神は、黄泉の国の神に掛け合うから そのまま待っていろと返事します。 |しかし… |様子が気になるイザナギ神は、禁を破り クシに火を灯して辺りを見てしまいます。 |そこで見たのは… 全身に、ウジ虫がビッシリのイザナミ神! |怖くなったイザナギ神は逃げ出しますが、 怒り狂ったイザナミ神は追いかけます! |ですが、様々な追っ手を交わしイザナギ神は 黄泉の入口、ヨモツヒラサカにたどり着き… |この世とあの世をつなぐその道を、 大岩で塞ぎ、事なきを得ます。 |そして、岩までやって来た恐ろしい女神に、 別れを言い渡します。 |これが“コトド”といわれる呪言です。 |呪いは呪いを生むのか、 イザナミ神は、男神にこう言い放ちます。 |“こんな仕打ちをするのなら、私は あなたの国の人間を日に1000人殺す” |これをとがめるでもなく、 イザナギ神はこう言い返します。 |“ならば私は、 日に1500の産屋を建てよう” |千が死にゆき、万が生まれくる。 |それが、 この国にかけられた呪いなわけです。 |…有名なこのお話、 知ってる人も多かったですかね。 |さて、イザナギ神とイザナミ神、 言葉の語源は“誘い”から来てるんですね。 |今日のお話しが、みなさんの知的好奇心への “誘い”になったとしたら幸いですね。 |そういえば… 昔の人は、この話を信じ… |夜に火を1つだけ灯すことや クシを投げることも忌み嫌ったようですよ。 |ちなみに、イザナミが下った 黄泉の洞窟とされる墓所では… |お祭りする際、たくさんの花で飾り付け、 “花の岩屋”にするそうです。 |ウソでもいいからキレイでありたい。 |そういう女神の心を見る思いですねぇ、 ヒヒヒ… |あー、もう時間ですか。 |ちょっと、しゃべり過ぎましたかね… ヒヒヒ… |>旅先での長い授業を、なんとか受け終えた… イゴール|ご心配めさるな。 現実の貴方は眠りについていらっしゃる… イゴール|私が夢の中にて、 お呼び立てしたのでございます。 イゴール|さて…貴方の旅路も、 随分と長くなって参りました。 イゴール|“謎”は…無事解けそうでございますかな? |解けそう |わからない イゴール|結構。 イゴール|ふむ…今は貴方の試練の時なれば、 なかなか一足飛びにとは参りませんな。 イゴール|この車の行く道も… 幾分見え辛くなって来たようですな。 イゴール|このまま闇雲にドライブを続けては、至るべき 謎から、逆に貴方を遠ざけるやも知れない… イゴール|いかがでございましょう…ひとつこの辺りで、 旅路を振り返ってご覧になるというのは。 イゴール|今宵、貴方をここにお招きしたのは、 その為なのでございます。 イゴール|マーガレット。 |>脳裏に、聞き覚えのある声が響く… 長瀬 大輔|俺、もう見ないフリはやめる。 一条 廣|全然…違うんだよな。 本当に“分かる”…ってこと。 小西 尚紀|ずっと考えないようにしてた… けど、やっと向き合える気がします。 海老原 あい|噂とか、人が言うこと全然気にしないで、 あたしのこと、まっすぐ見てくれたね。 黒田 ひさ乃|いつまでも目を背けてないで、 ちゃんと見なきゃね… 上原 小夜子|何が正しいのか。 何を選択するべきなのか。 答えはあなたの中にあるのよ。 小沢 結実|歩き出すきっかけ…くれたんだよね。 松永 綾音|私、もっと我がままになろうと思うんです。 中島 秀|僕は自分で考えて、自分でレールを敷くよ。 南 絵里|怖かったのね、ずっと。 でももう、一人の時間に逃げたりしない。 イゴール|…ここに届けられたのは、旅路の中で、 貴方の記憶に刻まれてきた言葉ですな。 花村 陽介|いいぜ。 ならトコトンまで考えようじゃねーか。 巽 完二|分かんねー事残したままじゃ、 テメェでテメェを騙した事んなるか… 久慈川 りせ|私も、一生懸命考えるからさ! 里中 千枝|今までだって、ずっと、 みんなで乗り切って来たじゃんよ? 天城 雪子|うん、みんなで、ね。 イゴール|…この見通しの効かない霧の中で、同じ方角に 向かおうとするお仲間も、お持ちのようだ。 マーガレット|進行方向を確認しています。 しばらく停車致します。 イゴール|この部屋のありようは、 貴方ご自身の心が作り出した景色でもある… イゴール|これはやはり、一度立ち止まった方が よいという事なのやも知れませんな… マーガレット|人は皆、流れる川の水のように、一筋の道に あっても絶えず変化しながら進むもの。 マーガレット|流れに逆らう石、止まってしまう石…数々の 出会いを眺めながら、時間に乗り流れてゆく… イゴール|…左様。 イゴール|前から申し上げているとおり、 今年は貴方にとって節目の年。 イゴール|残された時は多くはございませんが、 こうした暇には価値がありましょう。 イゴール|…貴方がここに迎え入れたものは、 言葉だけではなかったようですな。 イゴール|止まってしまった1つの石が、水の力に 動かされ、再び流れの中へと戻る… イゴール|フフ…大変、興味深い。 イゴール|ここは、育むべき“自我”を持つ お客人の為の部屋… イゴール|自我から離れた片割れでしかない シャドウなど、近寄るべくもない場所… イゴール|…そろそろ出発すると致しましょう。 イゴール|車は、まだ旅路の途中… ここに長居は無用でしょうからな… イゴール|…マーガレット。 マーガレット|準備が整いました。 発車いたします。 イゴール|フフ…やはり貴方は見込み通りの 素晴らしいお客人のようだ。 イゴール|さあお戻りなさい。 イゴール|フフ…私も一層楽しみになって参りました。 マーガレット|では、またのご利用を お待ちしております。 |>車の動きが止まったようだ… マーガレット|進行方向を確認しています。 しばらく停車致します。 イゴール|前から申し上げているとおり、 今年は貴方にとって節目の年。 イゴール|残された時は多くはございませんが、 こうした暇には価値がありましょう。 マーガレット|人は皆、流れる川の水のように、一筋の道に あっても絶えず変化しながら進むもの。 マーガレット|流れに逆らう石、止まってしまう石…数々の 出会いを眺めながら、時間に乗り流れてゆく… イゴール|…左様。 イゴール|この部屋のありようは、 貴方ご自身の心が作り出した景色でもある… イゴール|これはやはり、一度立ち止まった方が よいという事なのやも知れませんな… |>遠くで何か聞こえる… |>ここは… イゴール|ようこそ。 イゴール|ずいぶんと久しいですな… |>ベルベットルームへ招かれたようだ… |>ここは… |>どうやら、また夢の中で ベルベットルームを訪れたようだ… |>しかし、いつもと様子が違う… イゴールらの姿が見当たらない… |>いつのまにか、クマが座っている… クマ|ここは…何処クマか…? クマ|どうして、ココにセンセイが…? |わからない |ここは夢の世界かも |こっちが聞きたい クマ|そうクマか… 不思議なこともあるクマね… クマ|クマは、ほんとに、 わからないことだらけクマ。 クマ|だけど、気付いたクマよ… クマ|クマは今まで、自分が誰なのか… ずっと考えてきた。 クマ|けど、見つからなかった… ううん、最初から“誰でもなかった”クマ… クマ|あっちの世界には人間、 こっちの世界にはシャドウ… クマ|…最初から、それだけクマ。 クマ|クマは、あの世界にいた、 ただの“シャドウ”だったんだクマ… |みんな心配してる |どうやってここに? |シャドウだった…? クマ|センセイはいつも優しいクマね… クマ|気づいたクマよ… クマ|あの日、病院で、 クマはやっぱり何も出来ないんだって。 クマ|そう思った途端、意識が遠くなって、 気づいたら、霧の中だったクマ。 クマ|シャドウは、人間の世界にはいられない… いちゃいけないクマ。 クマ|何処まで歩いても何にも無くて… クマ|もうどこにも行けないって思ったとき、 車の音が聞こえた… クマ|そしたら、ここに… クマ|いろいろなことを、思い出したクマ… クマ|クマの世界は、人の心が影響する世界… クマ|その世界で生きているうちに、ある時、 一匹のシャドウに人のキモチが芽生えたクマ。 クマ|でも人とシャドウは全く違う存在… クマ|だから、そいつは自分がシャドウって事を、 自分で忘れたクマ。 クマ|忘れたくて… クマ|人に好きって思われたくて… クマ|だからこんなカッコになったんだクマ… クマ|ほんと、頭が悪いクマね… クマ|前に、もうひとりのクマが言った事… 結局あれがホントだったクマ。 クマ|探したって“誰でもない”… クマ|自分なんて最初から無くて… クマ|人に好かれるためだけの、 カッコだけつけた、ただの“影”… クマ|忘れていれば良かったのに、 思い出しちゃったクマよ… クマ|きっと…クマはもうすぐ、 ただのシャドウに戻ってしまうクマ… クマ|…そうだ、センセイ。 クマ|…いつか、天国のナナチャンに 謝っておいて欲しいクマ… クマ|クマ…何も出来なくって、ごめん… クマ|ごめんなさいって… |菜々子は生きてる |クマはちゃんと救った クマ|え…ホ、ホント…!? |>クマに、菜々子が回復した事を話した。 クマ|ナナチャンが… クマ|そうクマか…良かった… クマ|ほんと良かったクマ… クマ|それだけ聞けて良かった… クマ|えへ…安心したら、 なんか眠くなってきちゃった… クマ|ここは不思議な場所クマね… なんか落ち着くっていうか… クマ|クマの世界とも違う…なにか、 少し懐かしい感じがするクマ… クマ|…もしかして、ここは、 センセイの夢の世界クマか? |そんなところだ |分からない |こっちが聞きたい クマ|そうクマか… クマ|でもクマは…どしてここで センセイと出会ったんだろう… クマ|クマ、これからどうしたら… |分からない |一緒に道を探そう |ここに居ればいい クマ|…うん。 ほんと、分からないクマね。 クマ|でも…何をどう探せばいいか、 分からないクマよ… クマ|…うん、ありがとクマ。 クマ|クマの頭じゃ、考えても 分からない事だらけ… クマ|でも、1個だけ分かったクマ… クマ…センセイに会えて良かった。 |>クマの純粋な深い感謝が伝わってくる。 クマ|でも、もう行かなくちゃ… クマ|ここは、きっとセンセイの居場所… クマがいていい所じゃないみたい… クマ|さよなら…センセイ… |>いつのまにかクマは去り、 イゴールらが座っている… イゴール|…貴方がここに迎え入れたものは、 言葉だけではなかったようですな。 イゴール|ここは、育むべき“自我”を持つ お客人の為の部屋… イゴール|自我から離れた片割れでしかない シャドウなど、近寄るべくもない場所… イゴール|止まってしまった1つの石が、水の力に 動かされ、再び流れの中へと戻る… イゴール|フフ…大変、興味深い。 |>イゴールは、いわくありげな 笑みを浮かべている… イゴール|…そろそろ出発すると致しましょう。 イゴール|車は、まだ旅路の途中… ここに長居は無用でしょうからな… イゴール|…マーガレット。 マーガレット|準備が整いました。 発車いたします。 イゴール|フフ…やはり貴方は見込み通りの 素晴らしいお客人のようだ。 イゴール|さあお戻りなさい。 イゴール|フフ…私も一層楽しみになって参りました。 マーガレット|では、またのご利用を お待ちしております。 クマ|ここは…何処クマ!? クマ|クマの世界…クマか? クマ|なんか、それとは違う感じクマね… クマ|たしか、クマは病院に… クマ|そうだ、ナナチャン… クマ|クマは… クマ|クマは何も出来なかったクマ… クマ|クマ、何のために、 存在していたんだろう… クマ|約束、守ることが出来なかったクマ… クマ|あそこにいる意味を、 クマは失くしちゃったクマ… クマ|そ、そうか… クマ|思い出したクマ… クマ|…やっぱり、そうだったクマね… クマ|みんな… クマ|センセイ… クマ|クマはどうしたら… |>今まで眠っていたようだ… |>呼び鈴が聞こえる… |>誰かがきたようだ… 花村 陽介|クマがいないんだ! 花村 陽介|近所中捜したんだけど、どこにも… |心配だ |そのうち戻ってくる 花村 陽介|そうなんだよ、 あいつ、ずっと変だったし… 花村 陽介|だといいけど… 花村 陽介|“あっち”に帰っちまったんじゃないかって、 りせたちがテレビん中、見に行ってる。 花村 陽介|みんなも集まってんだ。 な、頼む、お前も来てくれ。 |>クマはどこにいったのだろうか… |>…とりあえず、捜しに行くことにした。 巽 完二|ダメだ、クマのヤツ、どこにも居やがらねえ。 久慈川 りせ|“向こう”も今のところ気配なし。 でも、見つけられてないだけかも… 久慈川 りせ|霧がすごくて… ごめん、力になれなくて。 花村 陽介|クマきちのやつ…まさか今度こそ ホントに帰っちまったんじゃねーだろうな… 花村 陽介|居ていいって、あれだけ言ったのに… |>昨夜の不思議な夢を思い出した… |>“自ら立ち止まってみる事も必要”… イゴールはそう言っていたが… |クマは必ず戻ってくる |焦っても仕方ない |状況を整理してみよう 花村 陽介|そうだな… 今は信じるしかないか。 花村 陽介|アイツ、トボけたやつだけど、義理堅いしな… 黙って消えたりはしないよな… 花村 陽介|ああ…そうだな。 花村 陽介|アイツ、トボけたやつだけど、義理堅いしな… 黙って消えたりはしないよな… 花村 陽介|今はそれしかないかもな… 花村 陽介|アイツ、トボけたやつだけど、義理堅いしな… 黙って消えたりはしないよな… 白鐘 直斗|確かにクマくんのことは気になりますが、 今は信じて、事件の事を考え直してみましょう。 白鐘 直斗|生田目は搬送が間近なようです。 白鐘 直斗|話を聞くにしろ、急がないと、 今度こそ手出し出来なくなってしまいます。 花村 陽介|あれから、考えてんだけどさ… やっぱ、すっきりしねーよ。 白鐘 直斗|少し、振り返ってみましょう。 白鐘 直斗|被害者のうち、殺されたのは二人。 山野アナと、小西さんです。 白鐘 直斗|車から出てきた記録で、生田目は 双方と関係があった事が分かっています。 白鐘 直斗|その後、僕たちを含めた、 言わば“殺人未遂”が連続… 白鐘 直斗|最後の菜々子ちゃんに対する犯行で、ついに 現場を押さえ、手口が明らかになりました。 巽 完二|聞く限りじゃ、もうどう転んでも “決まり”だけどな。 白鐘 直斗|生田目が逮捕されたことで、 警察も久保美津雄を模倣犯と認めましたしね… 花村 陽介|昨日の話の続きだけど、生田目には 山野アナを殺す動機が無いって話、あったろ。 花村 陽介|確かに気になってんだ… 久慈川 りせ|頭がイッちゃってたのか、 それとも私たちが何か誤解してるのか… 巽 完二|…よく、分かんねえんスけど。 天城 雪子|つまり、もしあの人が正常なら、 まだ私たちの知らない事実があるかもって事。 久慈川 りせ|“正常か、異常か”… なんか、そんなミュージカル見たな、前。 花村 陽介|実際、あいつの言ってる“救済”って、 どういう意味なんだ? 花村 陽介|行動の内容は“人をさらって向こうに 放り込む”って事で間違いねーみたいだけどさ。 白鐘 直斗|“死による救済”…なんでしょうか… 白鐘 直斗|生田目は自分を“救世主”だと言ってました。 “向こう側”を“素晴らしい世界”とも。 巽 完二|死んだ方が救われるってか? ふざけやがって…ならテメェから死ねってんだ。 巽 完二|先輩は、どういう考えスか? |やっぱり全て生田目が… |誤解してるかも 巽 完二|ま、それが普通っスよね。 巽 完二|普通に考えりゃ生田目だけど…まあ、 “あっち側”に普通もへったくれもねえか… 天城 雪子|少し…気になってた事があるの。 天城 雪子|あの人が、初めて私たちと会った時、 言った言葉… 天城 雪子|“僕が救ったやつらだ、この子も救ってあげる” …って。 天城 雪子|えっと…だから、もしあの人の“救済”が 殺す事なら、私たちって“救われた”の? 天城 雪子|救えてないんじゃない? 白鐘 直斗|確かに、死を救済だと思っているなら、 その台詞はおかしい… 白鐘 直斗|それに、そう…確かマヨナカテレビに映った 生田目も、菜々子ちゃんの死を“失敗”と… 里中 千枝|なら、ホントに救おうとして テレビに入れてたとか。 里中 千枝|ち、ちょっと、黙んないでよ。 あたしのは、基本思いつきだからさ…はは… 白鐘 直斗|本当に救おうとしていた可能性…か。 花村 陽介|だとしても、小西先輩と山野アナを 入れたのはアイツだろ!? 花村 陽介|動機が何だろうと、 アイツが殺したのには変わりないんだ。 花村 陽介|それとも何か? アイツ以外に誰かいるってのかよ。 |>生田目以外の犯人の可能性… |>その可能性を証明できるものは 何かあるだろうか… |生田目の日記 |模倣犯の手口 |脅迫状の内容 |柊みすずのアリバイ 花村 陽介|だから、それこそが生田目が 犯人だって証拠だろ! 花村 陽介|久保がやったってか? 花村 陽介|あのな…最初の殺しから久保なら、 それを半端に真似るとか、おかしいだろ! 花村 陽介|それに、アイツは全部自分だって言ったのを 俺たちで否定したんだぜ? 花村 陽介|たのむよ… 花村 陽介|脅迫状… そういえば…アレってどうなったんだ? 花村 陽介|それは初めからガッチリだって話だったろ? 花村 陽介|日本にいないのに、どうやってこの町で 人さらってテレビに入れんだよ。 里中 千枝|生田目が犯人なら、脅迫状も 生田目が書いたはずだよね? 久慈川 りせ|それ、なんか変じゃない? 久慈川 りせ|“死が救済”なんて人が、“タスケルナ”とか “コロサレルヨ”なんて書く? 巽 完二|“イレラレテ コロサレル”ってのも、 考えてみりゃ妙だよな… 巽 完二|テメェで出してんなら、 “イレテ コロス”だろ。 里中 千枝|これ…どういうこと…? |生田目の書き間違い |配達先の間違い |生田目は書いていない 里中 千枝|や、テキトーに書かないと思うよ、犯人も… 里中 千枝|間違いっていうより… この文面… 里中 千枝|まるで、別の人が書いたみたい… 里中 千枝|や、封筒にキミの名前、 モロ書いてあったんでしょ… 里中 千枝|間違いっていうより… この文面… 里中 千枝|まるで、別の人が書いたみたい… 里中 千枝|…うん。 里中 千枝|この文面… まるで、別の人が書いたみたい… 天城 雪子|でも、この内容で、しかも堂島さんちに 送るなんて、やっぱり犯人以外無いよね? 天城 雪子|なのに書いたの別人って、それ… 白鐘 直斗|なんてことだ… 白鐘 直斗|これだけ特殊な犯罪…模倣犯以外は同一犯と すっかり思い込んでいました… 久慈川 りせ|じゃあ、生田目のやつ… ほんとの意味で“救済”する気だったの…? 白鐘 直斗|全部が“裏返し”… 白鐘 直斗|だとすると、生田目にとっての“失敗”は、 被害者が死んだ最初の2件という事になる… 白鐘 直斗|二度も失敗して人が死んだのに、そのまま 同じ事を続けるわけがありません。 白鐘 直斗|やはり…全てを見渡した上で この脅迫状を書いた“別の誰か”… 花村 陽介|別のって、それじゃあ… 花村 陽介|小西先輩と山野アナは… 生田目が殺したんじゃないって事か!? 白鐘 直斗|…それはまだ分かりません。 白鐘 直斗|やはり、もう一度生田目と会って、 話を聞く必要がありますね… |>みんなの力を合わせ 真実にまた一歩近づいた… 巽 完二|けど、どうやって会う? 昨日のことで、警護も強化するっつってたろ。 白鐘 直斗|僕に考えがあります。 白鐘 直斗|時間が惜しい。 病院へ急ぎましょう! 白鐘 直斗|確か一通目は… |>脅迫状の内容は、確か一通目が “コレイジョウ タスケルナ”… |>二通目は“コンドコソ ヤメナイト ダイジナヒトガ イレラレテ コロサレルヨ” …だった筈だ。 白鐘 直斗|間違いありません。 |>徐々に真相が見えてきた… |>山野アナから菜々子まで、次々と続いた、 “向こうの世界”に放り込まれる事件… |>生田目は、被害者を放り込む行為を “救済”だと言った。 |>それは一見、殺人を“救済”と呼ぶ 異常心理のように思われた。 |>ところが、雪子以後の助かった仲間たちを 生田目は“自分が救ったやつら”と呼んだ。 |>“救済”が殺す事なら、命が助かった被害者は “救えなかった”筈で、発言が矛盾している。 |>もしかすると生田目は、本当に人を救う気で “向こう側”に放り込んでいたのだろうか? |>仮にそうなら、全てが裏返し… |>“救済し損ねた”のは雪子以降ではなく、 死んだ山野と小西だった事になる。 |>だが、人を救いたい人間が、二人も死んだ 行為をその後も続けようとするだろうか…? |>今まで全てが同一犯の仕業と思われていたが、 もしかすると、違うのかも知れない… |>最初の2件…山野と小西の事件は、 別人の犯行である可能性が出てきた… |>これ以上は、生田目本人から 事情を聞く必要がある。 |>一刻も早く、病院へ向かおう… |あ、こらこら、立ち入り禁止だよ。 白鐘 直斗|警察の協力員です。 白鐘 直斗|生田目さんに聞きたいことがあるので、 通して頂きたいのですが。 |こちら、院内252。 確認求めます… |氏名、白鐘… …えっ? |あー、はい。 …はぁ。 |確かに登録されてるね… |数分なら構わないけど、 その間の記録を取らせてもらうよ。 |けど、どうせマトモな話は出来ないよ。 ワケの分からんゴタクを言われるだけだ。 白鐘 直斗|彼も同伴でお願いします。 白鐘 直斗|緊急なので身分証がありませんが、 堂島刑事の代理です。 |え…堂島刑事の使いってこと? そんなの聞いてないけど… 白鐘 直斗|身元は僕が保証します。 |ま、あの人に押しかけられるよりいいか… |こっちは搬送の手続きで忙しいから、 堂島刑事に暴れられると、正直迷惑なんだよね… |今は足立刑事もどっかに取られて… |こちら、院内252。 え? はあ… 白鐘 直斗|どうしました? |なんか、ロビーに不審物が置いてあるとか… 白鐘 直斗|それなら、ちょうどいいですね。 白鐘 直斗|生田目は僕が見張っておきますから、 どうぞ応援に行ってきてください。 白鐘 直斗|…まさか、ロビーの騒ぎを無視する訳にも いかないですよね? |何かあったらすぐナースコールで知らせて。 じゃ、後頼むよ。 白鐘 直斗|分かりました。 お気をつけて。 白鐘 直斗|人手が足りないとは聞いてましたけど、 まさかこんなに簡単にいくとは… 里中 千枝|わお… 白鐘 直斗|ですが、“不審物”の中身は 大したものじゃありません。 白鐘 直斗|すぐ戻ってくるでしょう。 花村 陽介|うし、今のうちに話聞こう! 白鐘 直斗|生田目さん。 あなたに訊きたい事があります。 白鐘 直斗|このままあなたを全ての元凶と 思ってしまうのは簡単だ。 白鐘 直斗|実際、そう望んでいる人も多い… 白鐘 直斗|でも僕らが知りたいのは真実です。 …質問に答えてください。 |>こちらの言葉は通じているようだ。 |>何を質問しよう… |最初に誰をテレビに入れた? |山野と小西を殺したか? |“救う”とは殺す事か? 天城 雪子|えっ…私? 生田目 太郎|彼女たちは殺された… 生田目 太郎|僕は、救えなかった… 生田目 太郎|違う…放っておくと、殺される… 生田目 太郎|だから…あそこに入れた… 白鐘 直斗|つまり、こうですか? 白鐘 直斗|山野、小西の両事件を知ったあなたは、 マヨナカテレビに映った人が殺されると気付いた。 白鐘 直斗|その運命から文字通り“救う”ために、 あなたは天城雪子さんを誘拐した… 白鐘 直斗|殺されるよりはと、テレビの中に入れる事で 現実の人間が手出し出来ないようにした… 白鐘 直斗|そして、それを続けていった…と。 白鐘 直斗|つじつまが合います。 白鐘 直斗|弱ってはいても正気だ… 彼はちゃんと、事実を話そうとしている。 花村 陽介|て言うか、今のがホントなら… 久慈川 りせ|最初の二人を殺した犯人が…別にいる? 白鐘 直斗|質問を続けます。 |>何を質問しよう… |山野と小西を殺したのは誰? |脅迫状を出したか? |なぜ、自分もテレビに入った? 生田目 太郎|分からない… 知りたい… 生田目 太郎|何のことだ… 生田目 太郎|知らなかったんだ… 生田目 太郎|まさか…あんな所だったとは… 白鐘 直斗|…やはりそうですか。 生田目 太郎|君たち…僕を疑ってないのか…? 生田目 太郎|…み、見つかったんだな!? あんな酷い事したやつが!! 生田目 太郎|ま、真由美… 白鐘 直斗|落ち着いてください。 見つかるかどうかはあなた次第なんです。 白鐘 直斗|僕らは向こうの世界の事を知っている。 白鐘 直斗|逆に言うと、あなたの話を本当に 理解できるのは、僕らだけだという事です。 生田目 太郎|…君たち…だけ… 花村 陽介|あんたを疑っていたことは事実だ。 花村 陽介|けど今のオレらなら、向き合えそうなんだ… あんたの語る“真実”ってのに。 白鐘 直斗|お願いします! 白鐘 直斗|落ち着いて、ゆっくりでいいですから、 僕らに話してください…全てを。 生田目 太郎|僕の言うことを 信じようって…言うのか…? 生田目 太郎|分かった… |真由美との不倫が世間に知られてすぐ… |僕は騒ぎから逃げるように、 こっちの実家に戻っていた… |そして、ひたすらヤケ酒をあおってた… |少し前から、真由美とも 連絡が取れなくなっていたからね… 生田目 太郎|真由美…どこにいるんだ… |真由美はワイドショーで騒がれ、 番組を降板させられていた。 |僕は彼女に迷惑をかけてばかりで、 謝りたかったのに… |やる事も、気力もなくして… |そんな時、ふと… 誰かに聞いた噂を思い出したんだ。 |他にする事もなかった僕は、テレビの画面に 映った自分をぼんやり見ていた… |そうしたら、 真由美が映ったんだ。 生田目 太郎|真由美、なのか…? |テレビの中の真由美は、 僕に助けを求めているように見えた… 生田目 太郎|真由美…真由美! |思わず真由美に触れようとして… |その時、腕が…丁度水面に突っ込んだみたいに、 テレビの中に潜ったんだ。 |驚いて、支えを失って、 僕はテレビの向こう側へ落ちそうになった… 生田目 太郎|驚いたよ…わけが分からず怖かった。 頭がおかしくなったと思った。 生田目 太郎|結局、夢だったと思う事にして、次の日、 仕事をこなした後…中央へ戻った… 生田目 太郎|次の…午後…いつもの職場に 出勤すると…想像通り、クビを言い渡された。 生田目 太郎|けど、そんな事より 僕を打ちのめしたのは… 生田目 太郎|真由美が遺体で見つかった事だった。 生田目 太郎|それも…僕の実家のあるこの町でだ… 生田目 太郎|しばらく呆然とした後で、あの映像… 夜中に真由美が映った映像の事を思い出した。 生田目 太郎|あれは夢なんかじゃない…本当に、 真由美からのSOSだったんじゃないか…? 生田目 太郎|僕は…怖くてわざと避けていた“テレビに さわる”というのを、もう一度やってみた。 生田目 太郎|そして…あの晩自分に起きた事が、 夢なんかじゃなかったと再確認した。 生田目 太郎|ならあの映像は…救いを求める真由美が、 僕に見せたものだったんじゃないか…? 生田目 太郎|…そう思った。 白鐘 直斗|そして…“マヨナカテレビ”の噂に 行き当たったんですね。 生田目 太郎|真由美が生前、妙な番組の噂を 追っていた事を思い出したんだ。 生田目 太郎|僕も人から聞いて知ってはいたけど、 子供じみたただの噂と思っていた。 生田目 太郎|でも真由美は、あれに映って、 そして殺されたんだ。 生田目 太郎|考えるほど、無関係とは思えなくなった。 生田目 太郎|間もなく警察の聴取に応じるため、 僕はこの町に戻ってきた。 生田目 太郎|どうせ仕事はクビになったし、 真由美の死の理由をちゃんと知りたかった。 生田目 太郎|そして、雨の夜…また“マヨナカテレビ”に、 今度は女の子が映ったんだ。 生田目 太郎|真由美の時と同じように、その子もまるで 助けを求めてるみたいに見えた。 生田目 太郎|もしかすると、次はこの子が犠牲に… すぐそう思った。 花村 陽介|小西先輩のことか… 生田目 太郎|真由美に関する報道は全部見ていたから、 その子が遺体発見者の子に似てると気付けた。 生田目 太郎|もしそうなら、狙われるかも知れない。 でも真由美のようにはしたくない… 生田目 太郎|僕は助けたい一心で、必死に見続けた。 生田目 太郎|そうしたら…その子の姿が段々と ハッキリ見えるようになって来たんだ。 里中 千枝|段々…はっきり…? 花村 陽介|先輩のことはどうやって知ったんだ? 生田目 太郎|戻ってすぐ、身持ちを崩しかけた僕を見かねた 父に、家業の手伝いをするよう言われた… 生田目 太郎|その時に行った、酒屋の娘さんが、 その子だった… |>生田目は、辛そうにうつむいている… |悩んだ末に、あの子を呼び出して、 気をつけるように警告したんだ。 |けれど結局、その晩… |彼女が、何か黒いものにまとわりつかれる ように、もがき苦しんで… 生田目 太郎|昼間、あんなに言ったのに… どうして繋がらないんだ! 生田目 太郎|出てくれ、頼む…! 生田目 太郎|次の日、遺体で見つかった… 生田目 太郎|殺されると分かってたのに、助けられなかった。 生田目 太郎|僕は…後悔した。 もっと、できることがあったはずだと… 生田目 太郎|僕は、誰からも必要とされていなかった。 職場でも…妻にさえ。 生田目 太郎|そんな中で、真由美だけが 僕を認めてくれていた。 生田目 太郎|その真由美が殺され、同じ犯人が また女の子を手に掛けた。 生田目 太郎|僕は…僕は、悔しかった。 自分が何もできないなんて許せなかった…! 里中 千枝|真由美さんのこと、 本当に好きだったんだ… 生田目 太郎|好きだったさ… 生田目 太郎|結婚の直前、妻が芸能界で大当たりしたんだ。 嬉しかったけど、暮らしはぎくしゃくし始めた。 久慈川 りせ|…ちょっと分かるかも、そういうの。 生田目 太郎|真由美とは…その頃出会ったんだ。 選挙で、ウチの先生に取材があった時に。 生田目 太郎|彼女は看板アナだったけどローカル局勤めで、 仕事に対する気持ちが僕とよく似てた。 生田目 太郎|同郷だから話も合って…まずいとは分かってた けど…親密になるのを止められなかった。 生田目 太郎|僕には…それしか生き甲斐がなかった。 生田目 太郎|小西早紀さんが遺体で発見されてすぐ、 また別の女の子が映った… 生田目 太郎|…君だよ。 生田目 太郎|次はこの子が、さらわれて殺される… 生田目 太郎|真由美やあの子のようにはしたくない。 今度こそ、絶対… |相手は、何処の誰とも分からない殺人鬼… |そんな奴から守るにはどうすればいいか… 僕は必死に考えた。 生田目 太郎|説得…? 無理だ。 怪しまれて、僕が捕まったら誰が救うんだ? |テレビの中の少女は、楽しげに、 僕に笑いかけているように見えた… |そして…思ったんだ。 |自分には、テレビの“向こう”へ 入る力があるらしい… |なら、殺される前に、そこへ“かくまう”事が 出来るんじゃないか…と。 生田目 太郎|“そっち”は、安全って事なのか? そうなんだな!? |テレビの中の少女は、そんな僕に、 また微笑み返したように見えた… |そうとも…たとえどんな場所だろうと、 惨たらしく殺されるよりはいい。 |ほとぼりが冷めたら、 また出してあげればいい… 生田目 太郎|テレビの中なら…絶対に見つからない… |頭で、全ての事が繋がった気がしたんだ… |この力は…真由美がくれたんじゃないか? 二度と自分のような犠牲を出さないように… |そして救う事は、僕の使命なんじゃないか? |…ただ、問題もあった。 |被害者は事情を説明しても理解する筈がない。 一度試して、それで苦い思いもした。 |それなら…もう連れ去るしかない。 使命なら、やるしかない。 |…そう、思ったんだ。 生田目 太郎|真由美…僕に力を貸してくれ… 天城 雪子|マヨナカテレビに映った人が殺されると思って、 助けるために、私たちをさらった… 里中 千枝|使命って何よ!? 思いこみってこと!? なんでそんな勝手に信じちゃうワケ!? 生田目 太郎|自分がやるしかないと思ったんだ… 警察にも電話したけど、信じてもらえなかった。 生田目 太郎|仕事がらの土地勘、トラック、目立たない事… 生田目 太郎|運送業である事を使えば、全部やれると思った。 自分にしか、できないと思った… 生田目 太郎|でも僕は… 救えてはいなかったということか…? 白鐘 直斗|こちらで霧が出る日、テレビの中の世界に いると、死んでしまうんです。 白鐘 直斗|天城さん以降、あなたが“救ってきた”人は… あなたのせいで、死んでいくところでした。 白鐘 直斗|僕らを本当に救ってくれたのは、 ここにいる仲間たちです。 生田目 太郎|やはり、そうか… 生田目 太郎|あの子を追って、自分もテレビの中に入った時、 僕は初めて自分のしてきた事に疑問を持った… 白鐘 直斗|菜々子ちゃんの時ですね。 生田目 太郎|警察に追われ、逃げたい気持ちもあった。 生田目 太郎|それでも、あんな小さな女の子だけは 何としても救わなきゃって… 生田目 太郎|そう思って、後を追ったんだ。 生田目 太郎|ところが、実際に入ってみたテレビの中は… 思ってたのとは全然違う異様な場所だった。 生田目 太郎|“救った”君たちが日常に戻ったのを 知っていたから、想像もしなかったんだ。 生田目 太郎|まさか…自力では出る事さえ出来ない 場所だったなんて… 生田目 太郎|気が変になりそうだった… いや、実際おかしくなっていたと思う。 生田目 太郎|後は知っての通りさ… 気付いたら病院のベッドにいた。 白鐘 直斗|あなたは…本当に“救おうと” し続けていたんですね… 生田目 太郎|でも僕は、その方法を間違ってしまった。 生田目 太郎|ずっと…いつか、自分も政界に出て、 社会の役に立ちたいと思ってたんだ… 生田目 太郎|けど、その仕事も、愛する人も失って… 僕に残されたのはこの力だけだった。 生田目 太郎|“向こう”を“聖域”か何かだと信じ込んで… 無意識にヒーロー気取りだったんだよ… 生田目 太郎|僕は…映ったものをまるで疑わず、 信じたいように信じてしまった… 生田目 太郎|自分の頭で考えなかった… だから、守れなかったんだね… 生田目 太郎|全て、僕の責任だ… |仕方ない |確かに許されない 生田目 太郎|仕方ないか… でも、それじゃ済まされない… 生田目 太郎|ああ…その通りだ。 生田目 太郎|罪を逃れる気は無い。 覚悟なら出来てる。 生田目 太郎|誘拐だけでも重罪… それに…たくさんの人を危険に晒したからね… 生田目 太郎|済まなかった… 白鐘 直斗|マヨナカテレビに、向こうの世界… あんなもの、正しく理解できない方が普通です。 白鐘 直斗|僕らこそ謝らないといけません。 白鐘 直斗|感情に目隠しされて、一歩間違えば、 全てあなたに押し付けてしまう所だった。 花村 陽介|…“救済”を始めてみたら、 実際、死体が出なくなったワケだからな。 花村 陽介|やればやるほど“自分は救えている”と 信じるようになった…か。 生田目 太郎|実に…滑稽だな…僕は… 生田目 太郎|済まない… 少し疲れたみたいだ… |なっ…何してるんだ、こんな大勢で! 白鐘 直斗|失礼、すぐに出て行きます。 生田目 太郎|待ってくれ… 生田目 太郎|お願いだ、必ず…犯人を見つけてくれ… あの世界を知る君らにしか、できない… |そのつもりだ |安心していい 白鐘 直斗|決まりですね。 彼は、殺人は犯してない… 白鐘 直斗|最初の二人を“向こう”へ放り込んだのは、 別の誰かです。 |>また一歩、真実に近づいた… |さあ、とっとと出るんだ! |搬送が近いって言ったろ! 何かあったら困るんだよ… |ったく、小僧ら…二度と来るなよ! 天城 雪子|菜々子ちゃん、苦しそう… 必死に戦ってる… 里中 千枝|クマくん最後に見たのって、ここだよね。 あんなに菜々子ちゃんの事心配してたのに… 巽 完二|ったく…犯人捜さなきゃなんねえって時に 何やってんだ、アイツぁ。 白鐘 直斗|警察はもう動いていませんし、 全て僕たちで調べるしかありません。 白鐘 直斗|改めて小西さんと山野アナの件に絞って 情報を集めましょう。 里中 千枝|でも…もう半年以上も前の事だよね。 今さら、新しい情報とか出んのかな… 花村 陽介|けど弱音吐いてらんないだろ。 今は真相を理解してるのは、俺らだけなんだ。 花村 陽介|それに、今だから思い出す事ってのも、 あるかも知れないだろ。 花村 陽介|明日、手分けして町中聞き込みしようぜ。 花村 陽介|んで、夜に集まって、結果を報告だ。 天城 雪子|クマさんの事も、何か分かるといいな… |>明日は町に出て、色々な人の話を 聞いてみることにした。 |>今度こそ、真犯人に繋がる情報が 掴めるだろうか… |>今日は、帰って早めに休むことにした。 |>中華飯店“愛家”… |>聞き込みを終えた仲間たちと落ち合った。 里中 千枝|ハァ…もぉクッタクタ。 里中 千枝|やっぱ本物の警察みたいに上手くはいかんね… 一日中歩き回ったけど、大した収穫はナシ… 天城 雪子|私も同じ。 天城 雪子|真犯人どころか、事件に関する話自体、 全然出てこなかった感じ。 久慈川 りせ|右に同じ。 久慈川 りせ|てか私の場合、こっちが質問責めで全然本題に 入れないんだもん…死ぬほど面倒だった。 久慈川 りせ|ハァ…こんな狭い町で誰にも見られてないとか、 犯人どんだけ巧妙なわけ? 花村 陽介|…どうする? 里中 千枝|とりあえず…肉丼1つ。 花村 陽介|そうじゃねーだろ。 花村 陽介|けどまぁ、食べてからにするか… 巽 完二|じゃあ、オレぁー… チャーシューメン倍盛。 里中 千枝|さてと、お腹も膨れたところでさ… 里中 千枝|みんなが聞いてきた情報、少なくても とりあえず交換しとこう。 |>今日集めた情報をみんなに話した。 里中 千枝|で、まとめると… 里中 千枝|新しい情報は、特になし… …以上? 白鐘 直斗|最初の2件について警察は、初動の聞き込みに 異例な程の人数を割いてました。 白鐘 直斗|それでもこぼしたような情報を、半年以上も 過ぎて拾うというのは、やはり難しいですね。 白鐘 直斗|まず、不審者の目撃証言が無い… 白鐘 直斗|小西さんはともかく、山野アナには熱狂的な ファンも居たようですが、状況は同じです。 巽 完二|てーか、訊いても訊いても、そっちのけで、 どいつもこの霧の事ばっか言いやがる。 久慈川 りせ|あと、マヨナカテレビの事ばっかり。 久慈川 りせ|クマの事は…訊いてみたけど、 誰も知らなかった。 久慈川 りせ|もう…ほんと何処いったんだろ。 花村 陽介|直斗の方は、何か無いワケ? 新しい推理とか。 白鐘 直斗|新情報まるで無しとなると、どうにも… 白鐘 直斗|ですが、この町のどこかに、 全ての条件を満たす人物が必ず居る筈です。 白鐘 直斗|小西さんと山野アナの二人と 何らか接点があって… 白鐘 直斗|しかも僕たちの行動を、ある程度 継続的に把握する事が出来て… 白鐘 直斗|何より、先輩の自宅に 怪しまれずに近付けた人物… 白鐘 直斗|…ちょっと考え直してきます。 |>こうしていても、 考えは浮かばない… |>外の空気でも吸いに行こうか… |>注文の品をそれぞれ平らげた。 花村 陽介|俺、カニ玉チャーハン。 白鐘 直斗|雪だ… どうりで冷えるはずですね… 花村 陽介|うー、さっびー。 花村 陽介|でも確かにこっちのが、 頭が冴えて、推理も働く気がするな。 花村 陽介|あ、もしかして雪か…? 花村 陽介|こんだけ霧が濃いと、せっかくの雪も 紛れちまって、よく見えないな。 |>何かに紛れ、見落としている事が きっとまだあるはずだ… |>立ち止まるのは、そろそろ終わりだ。 手がかりはきっと既にある… 花村 陽介|どうした? |>もう一度、 全ての条件を整理してみよう… |>犯人は、山野真由美、小西早紀の二人と 何らかの接点があった。 |>加えて“脅迫状”の内容から見て、恐らく “向こう側”や自分達の行動を把握している。 |>更に、生田目の一連の行動も、 把握した上で傍観していた可能性が高い。 |>それらの事を知り得る人物… |>犯人に関し、もうひとつ特徴的な事は、 “目撃情報が殆ど無い”という点だ。 |>二通の脅迫状は、直接自宅に投函された ようだが、不審者は目撃されていない。 |>山野真由美や小西早紀の周りでも、 やはり不審者の目撃証言は全く出ていない。 |>警察が異例の人数で 綿密に捜査したにも拘わらず、だ。 |>この狭い町で、 これらの条件を満たし得る者… |>ダメだ…これといった人物は、 思い当たらない… 白鐘 直斗|やはり地道に捜査を続けるしか なさそうですね… 白鐘 直斗|ただ、結果がどうであっても、犯行自体は ずっと生田目が続けていた訳です。 白鐘 直斗|その生田目は、もう逮捕された… 花村 陽介|どのみち、事件はもう、 起きないかも…ってか? 白鐘 直斗|真相は闇の中…ですけどね。 花村 陽介|闇の中っていうか… 花村 陽介|霧の中、だな… |>それからしばらくして、 クマの書き置きが見つかった。 |“クマは、自分の世界に帰ります” |“住みにくくなったけど、 あの場所が自分の現実だから”… |“みんなには、本当に、本当に、 感謝してます” |“じゃあ…さよなら” |>誰もが事件の事を口にするのを避け、 厳しい冬が過ぎ去るのを待った… |>そして時は過ぎ… |>…もちろん、状況だけ見れば、 可能性をゼロと言い切ることは出来ない。 |>足立なら、自分たちの動きも把握できる かも知れない。 |>自宅へ近づくことももちろん出来るし、 ある程度は土地勘などもあるはずだ… |>今にして思えば、推理の最中に よく出くわした… |>警察の動きも、足立から 入手出来る事が多かった… |>確実な理由が浮かんでいる訳ではない… |>しかし、何かがひっかかる… |>足立の名を口にしてみた… 花村 陽介|え…? あの人が、どうかしたのか…? 白鐘 直斗|足立刑事…ですか。 白鐘 直斗|確かに“警察関係者”というのも、 一つの考え方ですね。 白鐘 直斗|目撃証言が不自然に少ない事の説明も付く… 白鐘 直斗|生田目のトラックが証言に出なかったのと 同じです。 花村 陽介|こんな小さい町じゃ、色んな人に 私的に顔知れてたりもすんだろうしな。 花村 陽介|まして肩書きが刑事じゃ、怪しい人物としては 浮かんでこねーな。 白鐘 直斗|あるいは、それを利用すれば 情報を隠す事だって可能かもしれません。 花村 陽介|そっか…聞いてると、一応アリだな… 花村 陽介|けど…てことはつまり… 足立さんかも…って事? 花村 陽介|アダチだぜ? 絵に描いたみたいな、あのヘタレ刑事だぜ? 花村 陽介|俺たち、ほんとに真相に近づいてる…? 白鐘 直斗|実は、その足立刑事についてですが… 白鐘 直斗|何と言うか…実は以前から、 何かがどうも、ひっかかってて… 花村 陽介|ひっかかる…? 白鐘 直斗|ただの気のせいかも知れないし、 何とも言えな… 花村 陽介|うう、さぶっ! もう充分冷えたよな…中戻ろうぜ。 白鐘 直斗|クシュンッ! 天城 雪子|足立さん…? 天城 雪子|そんな…だって、あの人… 山野アナの身辺警護だって言って… 白鐘 直斗|まさか…来ていたんですか? 山野アナの宿泊中に? 天城 雪子|山野さんがうちに泊まってた時、 マスコミが宿まで押しかけたの。 天城 雪子|その時、足立さんが身辺警護って来て… 有名人は大変だって、仲居さんが話してた… 白鐘 直斗|身辺警護…? 白鐘 直斗|宿泊はしなかったんですね? 里中 千枝|足立さん… 里中 千枝|山野アナのこと、知ってたのかな…? 巽 完二|山野アナのことはわかんねーけど、あいつに 声かけられた女、クラスにいるらしいぜ? 巽 完二|昼間、聞いたんスよ。 巽 完二|ま、警察なんざ、んなもんって思ってたし、 関係ねーって思ってたんスけど。 白鐘 直斗|山野さんの死体発見者である小西さんにも、 足立刑事は何度も聴取しています。 白鐘 直斗|情報が少ないゆえだと聞いてますが… 白鐘 直斗|アリバイの堅い発見者を何度も聴取する というのも不自然ですね… 里中 千枝|他に目的があったとか…? 花村 陽介|それが、二人と足立さんを結ぶ線…? 花村 陽介|…考えてみりゃ、足立さんと俺らって、 結構、色んなとこで会ってるよな。 花村 陽介|そのたび、“言い過ぎちゃった”とかって 警察の内情、話してたけど… 花村 陽介|あれって、俺たちを躍らせるためだったとか…? 久慈川 りせ|脅迫状だって、簡単にポストに入れられる… 久慈川 りせ|ていうか、証拠隠滅もできるよね。 |>様々な状況が、 足立に不審な影を落とし始めた… 天城 雪子|え…じゃ、ホントに、足立さん…? |足立が犯人だ |とにかく確認しよう |気のせいかもしれない。 白鐘 直斗|とにかく、あくまで可能性に過ぎませんし、 すぐに確認したほうがいいですね。 白鐘 直斗|どうも、 お世話になってます、白鐘です。 白鐘 直斗|事件のことで、少し気になることがあるので 足立刑事と連絡が取りたいんですが… 白鐘 直斗|…え? 搬送? これから!? 白鐘 直斗|あ、は、はい、どうも! 里中 千枝|搬送って…!? |>何かが動き始めている… |>真実に少しずつ近づいている気がする… 白鐘 直斗|足立刑事は、生田目の搬送準備で 病院に行っているそうです。 白鐘 直斗|すぐに向かいましょう! |>この町に再び巡ってきた春。 |>3月21日… |>この町を離れる時が来た… |…続いて、昨年稲羽市を騒がせた 連続誘拐殺人事件に関するニュースです。 |生田目被告は、関連の疑われていなかった 複数の失踪事件について、犯行を自供しました。 |ですが、依然として、2件の殺人については 否認を続けているという事です。 |動機や細かい手口についても不明な点が多く、 裁判でどこまで明らかになるかが注目されます。 |それでは引き続き、今日の霧情報です。 |依然、町を覆っている霧ですが、春の訪れが 影響してか、今週は少し和らぐでしょう。 |今日、明日は平常通りの淡い霧。 明後日以降の状況はわかっていません。 |お出かけの際はくれぐれも 視界にご注意ください。 堂島 遼太郎|そろそろ電車の時間だ。 準備は済んだか? 堂島 遼太郎|菜々子の退院が間に合わなくて残念だ。 もう少し後なら、外泊許可も出たんだが… 堂島 遼太郎|まあ、またいつでも遊びに来ればいい。 兄さん達によろしくな。 堂島 遼太郎|菜々子をあんな目に遭わせたのは 間違いなくあいつだ。 堂島 遼太郎|けどな…あいつの聴取を重ねてくうちに… 俺は分からなくなっちまった。 堂島 遼太郎|生田目は本当に、二人を殺したのか…? |そうだと思う |違うと思う |自分には分からない 堂島 遼太郎|そうか… 堂島 遼太郎|まぁ、これからだけどな… 堂島 遼太郎|そうか… まぁ、これからだけどな… 堂島 遼太郎|…そうだな。 つまらんことを聞いてすまんな。 堂島 遼太郎|とにかく、あれから妙な事件もない。 堂島 遼太郎|このまま、また静かで何も無い町に、 戻るといいんだがな。 堂島 遼太郎|さて、そろそろ出るか。 駅で友だちが待ってるんだろ。 堂島 遼太郎|行こう。 足立 透|あれ、君たち、何でこんなとこに… 足立 透|そうだ、堂島さん知らない? 病室から抜け出したって言われて… |いっくら釘刺しても、 すーぐどっか行っちゃうんだから… 足立 透|やれやれ…生田目の搬送も終わったし、 これで帰れる筈だったんだけどなぁ… 白鐘 直斗|搬送…終わったんですか。 白鐘 直斗|前から思ってましたけど、 ずいぶん急ぐんですね。 足立 透|え? ああ、うん。 足立 透|だってほら、堂島さんや菜々子ちゃんと このまま一緒じゃさ… 足立 透|君たちだって、その方がよかったろ? 足立 透|それより、君たちこそ何しに? 菜々子ちゃんの病室はこっちじゃないよ? 足立 透|それより、君たちこそ何しに? 菜々子ちゃんの病室はこっちじゃないよ? 堂島 遼太郎|足立…生田目はどうした? 堂島 遼太郎|何だか今日は、えらく騒がしかったが… 足立 透|ど、堂島さん! こんなとこで、何やってんですか! 足立 透|生田目なら、もう搬送しましたよ。 報告しようと思って捜してたのに… 堂島 遼太郎|搬送しただ!? 堂島 遼太郎|おい誰が良いと言った! ヤツにはまだ、訊きたい事が残ってんだ! 足立 透|ど、堂島さん、勘弁してくださいよぉ! 堂島 遼太郎|最初の2件の殺しが引っかかるんだ… 堂島 遼太郎|ヤツは動機もイマイチだし、 アリバイも固かったはずだ。 堂島 遼太郎|証言で埋まった穴も多いが、 そこだけは未だに引っかかる… 足立 透|ま~た“刑事のカン”ですか? 足立 透|でももう搬送しちゃったし、 僕に迫られても困りますよぉ… 足立 透|君たちもさ、いい加減もう帰ってよ。 警察の仕事のジャマになるからさ。 堂島 遼太郎|…なんだよ。 今日に限ってバカに仕事熱心じゃないか… 足立 透|い、嫌だなあ。 僕はいつだって、ちゃんとやってますよ。 足立 透|堂島さんも自分の仕事、してくださいよ。 大人しく怪我を治すって仕事をね。 堂島 遼太郎|…お前ら、こんな所で何してる。 花村 陽介|確かめたい事があって来たんです。 …足立さんに。 |>足立を問いただそう… |山野アナ失踪時の事を訊く |小西早紀にした聴取の事を訊く 足立 透|山野真由美が消えた時のこと? 足立 透|消えた時って言われても、なんとも… 見てた訳じゃないし。 足立 透|消えた時って言われても、なんとも… 見てた訳じゃないし。 足立 透|聴取? そりゃあしたよ。 遺体の第一発見者だからね。 足立 透|まあでも彼女、何も知らなかったから 1、2回、ちょっと話を聞いただけだよ。 足立 透|訊きたい事って…それかい? どうしたの、いったい。 |>まだ、足立には訊くべき事がある… |山野アナ失踪時の事を訊く |小西早紀にした聴取の事を訊く |脅迫状の事を訊く 足立 透|しつこいなぁ。 それはさっき、答えただろ? 足立 透|脅迫状? 白鐘 直斗|彼の家に届いたものです。 今は警察に渡っているはずですよね? 足立 透|いやあ…よく覚えてないけど。 堂島 遼太郎|おい、覚えてないだ? 堂島 遼太郎|あれは、鑑識と組んで調べるようにって、 お前に渡しただろ…忘れたのか? 足立 透|は、はは、すいません… 足立 透|あの後すぐ堂島さん事故ったりして、 慌しくなったもんで、つい… 足立 透|そ、それに、あんなのただのイタズラでしょ? 足立 透|な…なんすか、急に、質問責めにして! 足立 透|なんなの、この雰囲気は、もう!! 足立 透|堂島さん、そろそろ病室戻って下さいよ。 そんなんだから、怪我治んないんですって。 足立 透|君たちも、とっとと帰りなさい! だいたい今、何時だと思ってるんだ! 足立 透|じゃ、僕は戻りますよ。 署に戻って報告しなきゃならないんで。 白鐘 直斗|その前に…最後の確認をさせて下さい。 白鐘 直斗|最初に殺された二人は、実は生田目の 仕業じゃないと、はっきり分かったんです。 白鐘 直斗|別の誰かが殺したんだ。 白鐘 直斗|足立さん…知りませんか? 足立 透|な、何を言ってるのか、意味がよく… 巽 完二|テメェなんじゃねえかって、言ってんだよ。 足立 透|なっ…バ、バカ言うな! 足立 透|そんなの、 生田目が全部入れたに決まってるだろ! 里中 千枝|い、今…なんて… 堂島 遼太郎|全部…入れた? 堂島 遼太郎|入れたとか入れないとかってのは、何の話だ? 堂島 遼太郎|お前…手口について何か知ってるのか? 堂島 遼太郎|まさか、この前のテレビがどうとかって、 あの話… 白鐘 直斗|そうか…今分かりました。 白鐘 直斗|足立さん…実は僕は、過去のあなたの言動の 何かが、ずっと引っかかっていたんです。 白鐘 直斗|何とは分からなかったが、違和感があった… 白鐘 直斗|堂島さんの事故現場で、僕が生田目の日記を 読んだ時の事…覚えてますか? 白鐘 直斗|“未遂で助かって世に出なかった3件目以降の 被害者も書かれてる”…と僕が言った時。 白鐘 直斗|足立さん、あなたはこう言ったんだ… “すごい、そりゃ、決まりだね”って。 白鐘 直斗|何が“決まり”なんですか? 白鐘 直斗|あの時警察はまだ、事件に未遂のケースが あったなんて知りもしなかった… 白鐘 直斗|おかしいじゃないですか。 白鐘 直斗|しかも、数日消息が掴めないなんて 無数にある事だ… 白鐘 直斗|なのに、僕が読み上げた名前に 異論が出ないのもおかしい。 白鐘 直斗|答えて下さい…足立刑事。 足立 透|し…知らないよ! 足立 透|…い、忙しいって言ってるでしょ! 巽 完二|待ちやがれっ、ゴラァ! 堂島 遼太郎|足立っ…うっ、クソ… 堂島 遼太郎|足立ィィ!! |>生田目の病室… |>ここにも、足立はいない… 花村 陽介|おかしいな… 確かにこっちへ逃げたはずなのに… 巽 完二|チクショウ… どこへ消えやがったんだ? 堂島 遼太郎|…いたか? 堂島 遼太郎|警備室に問い合わせた…誰も足立を見てないし、 出入りの記録も無い。 堂島 遼太郎|この病棟からは、出てないはずだ。 必ずまだその辺にいる… 里中 千枝|ここから出てない…? 捜したけど…何処にも… 堂島 遼太郎|あのヤロウ… 堂島 遼太郎|う… |堂島さん!! |まったく、あなたって人は…!! 堂島 遼太郎|…すまん。 ちょっと、動きすぎた… |治す気あるの!? これ以上やったら後遺症残りますよ!? |この前も大変だったの、忘れたの!? 堂島 遼太郎|…そうだったな。 すまん… 堂島 遼太郎|…頼む、足立を見つけてくれ。 このままってワケにはいかない… 天城 雪子|病棟から出てないって… まさかとは思うけど… 里中 千枝|うん、多分そうだと思う… 里中 千枝|だって犯人なら、入れる筈でしょ? 久慈川 りせ|こっから中に入ったってこと? 花村 陽介|逃げた方、全部見て回ったからな… 狭いし、見逃さねーよ。 白鐘 直斗|相当追い詰められてましたから、 中へ逃げ込んだ可能性もあるでしょう。 白鐘 直斗|でも、これでもし中に居るとなれば、 逆に、動かぬ証拠です。 巽 完二|野郎…マジかよ… で、どうするんスか? |入ってみよう |明日にしよう 久慈川 りせ|ここから入るのは無茶だと思う。 久慈川 りせ|このテレビ使ったって確証までは無いし、 何処に出るか分からないもん。 久慈川 りせ|いつも通り、昼にジュネスから行こう。 久慈川 りせ|大丈夫、万全にしてけば、 あんなヘタレ男、一撃だって。 |>限りなく怪しい人物、足立… |>真実にまた一歩近づいた… |>今日は一旦解散し、 各自、家へ帰った… |>ジュネス 家電売り場… 白鐘 直斗|どうでした? クマくん、いましたか? 花村 陽介|いないし、誰も見てないって。 久慈川 りせ|もう、バカ! ほんっとクマなんだから。 事件、山場だってのに! 白鐘 直斗|仕方ありません。 今はとにかく、足立を追いましょう。 里中 千枝|うわ…すっごい霧… 前より全然ひどいね。 久慈川 りせ|何これ…どこもかしこも、 前に来た時よりずっとイヤな感じ… 久慈川 りせ|急いだ方がいいかも。 久慈川 りせ|ちょっと待ってて。 足立のヤツ捜してみる。 花村 陽介|俺らの世界もこっちも、 どっちも変になってるって事か…? 天城 雪子|外の霧にも、このメガネ効くんだもん。 普通じゃないよ… 天城 雪子|霧のせいで具合悪くなったって人、 けっこう増えてるみたいだし… 天城 雪子|これからどうなるのかな… 久慈川 りせ|いる! 足立、こっち側に、いる! 花村 陽介|マジか!? どっちだ、方角!? 久慈川 りせ|待って… 白鐘 直斗|やはり、自分からテレビの中に… 白鐘 直斗|決まりですね…この事件を引き起こした 張本人は、彼と見て間違いないでしょう。 白鐘 直斗|彼を捕まえれば、この世界の謎も、 事件の謎も、きっと解けていくはずです。 里中 千枝|じゃあ…クマくんの生まれの事なんかも、 何か分かるかもしれないね。 里中 千枝|ったく、こんな時に、アイツ… 久慈川 りせ|クマは…こっちにもいない。 久慈川 りせ|ダメ…足立も、居るのは分かるけど、 足取り…うまく掴めない… 久慈川 りせ|もうクマ! この肝心な時に、なんで居ないのよ! クマ|ここは… クマ|そうか… クマ|結局…戻って来たんだ… クマ|ここにいたって、 クマ、何の役にも立たないのに… クマ|ナナチャン… ごめんなさいクマ… 堂島 菜々子|クマさん…? 堂島 菜々子|やっぱり…クマさんだ… 堂島 菜々子|…こえ…きこえたよ… 堂島 菜々子|がんばれ…って… 堂島 菜々子|お兄ちゃんたちの…こえも… クマ|ナ、ナナチャン!? クマ|待ってて、すぐお医者さん呼んでくる! |また眠ってしまったようですね… クマ|あ、あの、ナナチャン、 さっき、ボクの声が聞こえたって… クマ|がんばれって… |あの時、奇跡的に持ち直したのは 君や、みんなの声が届いたからかもね。 |意識が無くても、 声は聞こえているものだから。 クマ|ボクや、みんなの声… クマ|みんな… |とにかく、彼女の症状は原因も何もかも、 よく分からない事だらけでね… |勿論、最善は尽くしているけれど、 今のところ具体的な事は不明としか… クマ|不明… |それじゃ、また何かあったら… クマ|もしクマが不明な存在なら、 どんな風に変われるのかも不明… クマ|それなら…クマが自分で、 不明じゃなくしていけばいいんだ。 クマ|ナナチャン、がんばってる… きっとみんなも、今ごろがんばってる… クマ|ボクは… クマ|ボクは、ただのシャドウだけど、 ボクの声でナナチャンも元気出してくれた… クマ|…シャドウだからって何だ。 ボクにも、できる事がきっとまだある。 クマ|考えること、やめちゃダメだ… クマ|だから、ここに戻ってきたんだよね… ナナチャン… |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 心の真の力を呼び覚ます… |>クマのペルソナが、 新たな姿に生まれ変わった…! |>“キントキドウジ”は、 “カムイ”へと転生した! クマ|そうだ、みんなのところへ戻らなきゃ! クマ|がんばるクマよ、ナナチャン。 また、すぐ来るから! 久慈川 りせ|ダメ…分かるの相変わらず気配だけ… 足立の場所は分からない… 里中 千枝|りせちゃん… 久慈川 りせ|クマがいたらな… 巽 完二|アイツ、もう鼻効かねんじゃなかったか? 探知の役に立つんか? 久慈川 りせ|はは、立たない。 久慈川 りせ|…けど、なんだかんだ言って 支えてくれるって言うかさ… 里中 千枝|騒がしいけど、明るくなれるね。 いつでも底抜けっていうかさ。 白鐘 直斗|楽観的で… でも、いつでも前向きでしたよね。 久慈川 りせ|だいじょぶ…ちょっとフラついただけ… 久慈川 りせ|霧が、すごくて… どうしても、見通せない… 里中 千枝|今日はもうやめとこう? 倒れたらヤバいもん。 白鐘 直斗|久慈川さんが消耗しては、仮に場所が 分かってもまともに戦えません。 白鐘 直斗|夜も近づいてきています。 …一旦、外に出ましょう。 巽 完二|クソッ… ここまで来て立ち往生かよ… 久慈川 りせ|あそこに居んの、分かってるのに… 久慈川 りせ|なによ… 私の力、全然役に立たないじゃん…! 久慈川 りせ|クマ!? 花村 陽介|お、お、おま… どぉこに行ってたんだよぉっ!! クマ|ご、ごめんクマ… 久慈川 りせ|バカ! バカグマ! 久慈川 りせ|大遅刻よ! どんな大御所よ! 久慈川 りせ|う…うぅぅ…うう… クマ|り、リセチャン、 えっと、えっとえっとー… クマ|…うそ泣き? 久慈川 りせ|バカッ! クマ|…ご、ゴメンクマ! クマ|また、一緒にがんばらせてほしいクマ。 巽 完二|世話焼かせやがって…このクマ公! 今までどこほっつき歩いてたんだよ! クマ|ごめんクマ… クマ|クマ…色々分かったんだ。 自分のこと…あの世界のこと。 クマ|みんなに聞いて欲しいクマ… |>ついに分かったという クマ自身についての話を聞いた… |>自分がただのシャドウであったこと… |>一度は途方に暮れたものの、 再び現実へ戻って来たこと… 里中 千枝|シャドウって…あの、あたしたちが 戦ってるヤツと同じってこと? クマ|皆が知ってる通りのヤツだクマ。 クマ|シャドウは抑圧された人間の精神そのもの… クマ|誰の中にもあるものクマ。 花村 陽介|けど、お前はシャドウなのに、 俺たちを襲わなかったじゃんか。 花村 陽介|あの中を平和にしたいって、 確か初めからずっと言ってたよな? クマ|けどクマ結局…特別な意味も力もない、 ただのシャドウだったんだクマ。 クマ|クマの世界を平和にしたいと思って、 今までやってきたけど… クマ|それどころか、こっちの世界にまで、 おかしな霧が溢れちゃった… クマ|ごめん…ごめんなさいクマ。 クマの力が、もっと、スゴイものだったら… 花村 陽介|いーっての、別に。 花村 陽介|大体、初めっからお前に 特に期待とかしてないっつの。 花村 陽介|今更シャドウだったとか言われても、 やっぱそれ系だったのか、みたいな感じだし。 クマ|…え? クマ|…な、何ソレ!? クマ|こっちは真剣に告白してるのに、 やっぱそれ系って、どういうことクマか! クマ|フツー、こんなプリチーなクマが シャドウなんて思わないでしょーが! 巽 完二|つーか、シャドウだと何か問題あんのか? 白鐘 直斗|確かに君は、シャドウとして 生まれたのかも知れない。 白鐘 直斗|けれど君には、もう“ペルソナ”の力がある。 白鐘 直斗|シャドウとは抑圧下の力であり、 自我がそれを制御する事でペルソナともなる… 白鐘 直斗|なら今の君には、ちゃんと自我があるという 事じゃないんですか? 白鐘 直斗|自我がシャドウを制御するか… シャドウに自我が芽生えるか… 白鐘 直斗|多分、僕らと順序が違った だけじゃないのかな。 白鐘 直斗|確かに君は、シャドウとして 生まれたのかも知れない。 白鐘 直斗|けれど君には、もう“ペルソナ”の力がある。 白鐘 直斗|シャドウとは抑圧下の力であり、 自我がそれを制御する事でペルソナともなる… 白鐘 直斗|シャドウとは抑圧下の力であり、 自我がそれを制御する事でペルソナともなる… 白鐘 直斗|なら今の君には、ちゃんと自我があるという 事じゃないんですか? 白鐘 直斗|自我がシャドウを制御するか… シャドウに自我が芽生えるか… 白鐘 直斗|多分、僕らと順序が違った だけじゃないのかな。 里中 千枝|なんだ。 じゃあクマくんってもう人間と同じなんじゃん。 クマ|ク、クマが…人間と同じ…? 花村 陽介|自分が何者なのか、考え続けてるのって 俺たちと同じだろ。 花村 陽介|んで、大した力もなく、特別な存在でもない… それも、俺たちと同じだ。 クマ|う…うう… クマ|うおぉぉぉぉん!!! クマ|あ…あり…あり…ありがと…クマ… クマ|み…みんなに会えて…良かったクマ… 花村 陽介|まあ、俺らもともと、微妙に はみ出してる顔ぶれの集まりだし? 花村 陽介|お前もその一人って事だな。 白鐘 直斗|誰がはみ出し者ですか。 久慈川 りせ|先輩だけでしょ? 花村 陽介|あのな… “探偵”や“アイドル”の言う台詞かよ。 花村 陽介|ったく…お前もいつまでも泣いてんなっつの。 それどころじゃねーんだから。 花村 陽介|お前の居ない間に、真犯人が分かったんだ… 花村 陽介|山野アナと先輩を殺したのは…足立だ。 クマ|え!? クマ|アダチ!? あのズッコケデカ!? クマ|ほっへー…気付かなかったクマ。 クマったら節穴さんね… クマ|うぬぬ… クマ|…けど、みんながよく知ってる人間なのに 見つからないとなると、クマにもちょっと… 花村 陽介|言ったろ、お前にそんなのは 期待してねーっての。 巽 完二|んな事より、どうも盛り上がんねえんだよ、 フサフサしたのが居ねえとな。 久慈川 りせ|いないと、やだ。 クマ|う、うん… クマ|みんな…ありがとクマ… 花村 陽介|よし、これで全員揃ったことだし 明日から仕切り直しだな! クマ|クマも久々に頑張って捜すクマよ! ドーンと任しとクマ! |>真実にまた一歩近づいた… |>明日、仕切り直す事にして、 今日は各自、帰ることにした… クマ|やってみるけど… クマ|リセチャンに無理なら、 枯れ果てたクマなんぞ、トーテイ… クマ|う~ん…んむむむむ… クマ|確かにあのアダッチーの匂いはすれど、 姿はとんと霧の中クマ… 久慈川 りせ|クマ…ダメなの? クマ|そ、そんな目で見られると… 何が何でも嗅ぎ当てなきゃダメクマな予感… クマ|ここがクマの踏ん張りどころクマ! む…むむむ… クマ|おっ、何か出そう! 天城 雪子|クマさん…? 花村 陽介|おい、あんまウロウロするなよ。 そのまま、またいなくなっちまいそうだ。 クマ|あれ…こっちから…感じるクマ。 巽 完二|足立か!? クマ|ううん…と… クマ|なんちゅーか…ぼんやりとしていながら、 それでいてスケールがデカイ歯ごたえ… 久慈川 りせ|…何それ。 クマ|怪しいクマね…臭うクマね… クマ|でも、おかしーなー。 クマ|こっち、確か… 最初にセンセイたちが三人で入った場所… 花村 陽介|最初に入った…? 一番最初って… 花村 陽介|ああ…あの、顔切り抜かれたポスターとか 貼ってあったキモい部屋か? クマ|…やっぱ、誰かいるクマ。 久慈川 りせ|クマ、やっぱ、あんたすごい! クマ|た、たまたま…うまくいったクマよ… 最初にセンセイたちを見つけた場所だったから… クマ|なんか、匂ったクマよ… 里中 千枝|そっかそっかー。 里中 千枝|…え、ニオったって、それ… 里中 千枝|確かあそこで、花村、 トイレ我慢できなくなって… 久慈川 りせ|え…それ… まさか、漏らしたとかって話!? 天城 雪子|や、やだ…! 聞きたくない! 花村 陽介|話デカくなってるから! てか、漏らしてねーっつのっ!! 花村 陽介|里中っ!! そういうカテゴリーの話を テキトー言いふらすんじゃねーよっ! 里中 千枝|えーと、ほら、昔のことだから記憶がさ… 曖昧っていうか… クマ|じゃあ、みんな、曖昧な話もそれくらいにして、 曖昧・ミーに、ついておいで! クマ|なんつってー。 天城 雪子|う、うぷぷ… 里中 千枝|ハハ、久々だね、雪子のそれ。 里中 千枝|…ツボる場所は、相当どうかと思うけど。 |>戻ってきたクマの力で、明るいムードが戻った。 |>そして、真実にまた一歩近づいた… |むおおおお!!! |くそ… |目ぇかけてやってたのに、 不倫なんかしやがって… 足立 透|誰だッ!!? 足立 透|…あぁ、オマエらか。 しつこい奴らだな… |山野真由美を殺したのか? |観念しろ! |犯人はお前だ 足立 透|うっとうしいガキだな… 花村 陽介|質問に答えろ!! 花村 陽介|お前が山野アナをテレビに放り込んだのかって 訊いてんだ! 足立 透|何の事だかね… 花村 陽介|ゴマかそうったって甘いんだよ! この場所に居る事そのものが証拠だ! 花村 陽介|答えろ! お前が山野アナをテレビに落としたんだろ!? 足立 透|あれは、事故だよ。 暴れるからしょうがないでしょ? 足立 透|聞きたいことがあってロビーに呼んだだけさ。 なのに、キーキー騒ぎやがって… 山野 真由美|…誰よ、あなた。 山野 真由美|こんなとこに呼び出して… で、重要な話って何? 足立 透|ニュースでやってるの、本当ですか? 足立 透|あなたが不倫してるとかって… ウソですよね、あんなの。 山野 真由美|そんなこと、 あなたに説明する必要ないでしょ…? 足立 透|そっか…否定しないんだ。 足立 透|目ェかけてやってたのに、 こんな下らない女だったなんてな… 山野 真由美|何なの、あなた… 山野 真由美|ひ、人を呼ぶわよ! 足立 透|あーー、うるさい。 うるさいうるさい黙れ。 足立 透|…あんたさぁ、一度怖い思いして、 頭とか冷やした方がいいよ。 山野 真由美|な、何をする気… 足立 透|お、落ちた… 足立 透|は…ははは…すごいな… 完全に、入っちゃえるんだ… 足立 透|あんなとこ、夜中は誰もいないし 都合良かったよねー。 天城 雪子|ウチの、ロビーから…そんな… 足立 透|マヨナカテレビの事は噂で聞いてた。 警察にはそういう胡散臭い話が集まるからね。 足立 透|でも画面を触って力に気付いたのは偶然だった。 足立 透|ハハ、声出して笑っちゃったよ。 すぐに思った…こいつは面白い事になるってね! 花村 陽介|山野真由美で実験したってことか。 足立 透|いーや、僕はもっと純粋な男だよ。 足立 透|僕を裏切ったバカな女を、ちょ~っと 懲らしめようとしただけさ。 足立 透|そうだよ、どっちも最初から テレビに入れる気なんて無かった。 足立 透|それを真由美といい、あの女子高生といい、 ムダに暴れるから… 花村 陽介|小西先輩も、やっぱりお前なのか!? 足立 透|小西…? …ああ、小西早紀…とかだっけか、名前。 足立 透|初めは普通に仕事絡みで呼んだんだ。 真由美の死体の第一発見者だし? 足立 透|万が一、何か見たとかだったら ほら、聞いとかないとね? 足立 透|で、ちょっと優しくしてやろうと思ったら、 ガキのくせに、あいつ… 小西 早紀|何なんですか、これ… 事情聴取の続きじゃ… 足立 透|それよりさぁ、昼間、見たんだよ。 小西 早紀|はぁ? わ、私、そんなこと… 足立 透|…まぁ、大丈夫だって。 僕のいうこと聞いたら、内緒にしとくから。 足立 透|ふうん… 僕とはイヤだって? 足立 透|それなら僕にも、考えがあるけど? 小西 早紀|い…いや…! 足立 透|…ったく、何が女子高生だ。 世の中クソだな。 足立 透|僕が学生の頃は、 勉強しかさせてもらえなかったっての… 足立 透|都会でエリートになるはずが、 こんな田舎に飛ばされて… 足立 透|けど、代わりにこんな面白い “力”を手に入れたってワケか。 足立 透|ふ、ふふ…面白い。 足立 透|泣いて許しを請え。 そうしたら出してやる。 足立 透|な~んてな。 足立 透|こんなヤバそうなとこ、誰が入るかって。 足立 透|お前、生田目と… 足立 透|さすが、細身の女子高生は楽だったよ。 花村 陽介|許せねえ…! 足立 透|おいおい、僕の身にもなってくれよ。 足立 透|テレビの中が危険だとか知らなかったし、 殺す気なんて無かったんだ。 足立 透|て言うか、どうせあいつら自分の方から 生田目をたぶらかしたに決まってる。 足立 透|議員秘書は、そのまま行きゃいずれは議員だ。 真由美も女子高生も、そこ狙いだろ? 足立 透|自業自得さ。 僕、なんか悪いことしてる? 花村 陽介|ふざけんなッ! 花村 陽介|こっちへ人を入れりゃ死ぬって、 山野真由美んときに知っただろ!! 足立 透|知ってたら何だっての? |生田目もお前が騙したのか? |小西早紀の後は何をした? 足立 透|違うって…生田目の奴は、小西って子の死体が 上がった後、夜中に警察に電話してきてさぁ。 足立 透|二人も死んで、警察も忙しくてさ、 出たの、たまたま僕だったんだよね。 足立 透|何もしてないよ、後は生田目だろ? 足立 透|生田目の奴は、小西って子の死体が 上がった後、夜中に警察に電話してきてさぁ。 足立 透|二人も死んで、警察も忙しくてさ、 出たの、たまたま僕だったんだよね。 白鐘 直斗|生田目は、警察に相手にされなかったと 言ってた…そういう事か。 足立 透|それは違うなぁ。 足立 透|僕じゃなければ、相手にしなかったろうけど、 僕はちゃんと、相手をしてやったんだぜ…? 足立 透|へぇ… あの二人の死に、そんな法則がねえ。 足立 透|それで、今度はそのヘンな番組に映った 和服の女の子が殺される、と。 足立 透|…生田目さんさぁ、そんな話、 信じる人いると思うの? 生田目 太郎|で、でも…本当なんです! 何とか警察の方で保護を… 足立 透|あのねぇ、そんな夢みたいな話で 警察がいちいち動くワケないでしょ。 足立 透|面白い話だけどさ… 生田目 太郎|そ、そんな… 足立 透|そうだ… 足立 透|そんなに助けたいのならさ、 …ご自分でやったら? 足立 透|例えばさ… 足立 透|…どこか、“誰にも見つからない場所”に かくまっておくとかさ。 生田目 太郎|誰にも見つからない場所… 足立 透|助けてあげればいいじゃない。 今度こそ…ね。 足立 透|忙しいから切るよ。 …じゃね。 足立 透|すげーだろ? 足立 透|誤解しちゃった生田目が、よりによって僕に 電話してきちゃうんだから。 足立 透|僕はちょーっと背中を押してあげただけ… 足立 透|生田目はまんまと勘違いしちまって、 お前らが救えば救うほど、誘拐を繰り返す… 足立 透|お互い善意なのに、イタチごっこが どうにも止まらない…ハハ、最高。 巽 完二|マジかよ…! 天城 雪子|どうして… 何が目的で、そんなことしたの!? 足立 透|目的…? 別に無いよ、そんなの。 足立 透|ただ僕には“出来た”し。 面白いから…まあ、それが目的? 里中 千枝|あ、遊び半分で殺したっての!? 足立 透|あのさ…僕は人を“入れただけ”。 殺してないって。 足立 透|それに途中からは生田目が勝手に、 自分の判断でやったことだろ? 足立 透|僕、直接関係ないし。 巽 完二|んなもんへ理屈だろうが! 足立 透|じゃ、どうやって証明すんの? 足立 透|“人をテレビに入れました”? ハハ、日本の警察ナメてんの? クマ|むむむむ、ヒドいやつクマ…! 足立 透|けどまさか、僕の事突き止めるとはね。 足立 透|イイね、ゲームにはハプニングが無いと 飽きちゃうし。 足立 透|そう言や、久保美津雄をやった時も ワクワクしたなあ。 白鐘 直斗|じゃあやはり… 久保の失踪は、お前の仕業なのか? 白鐘 直斗|久保の件は、確かに違和感があったんだ… 白鐘 直斗|あれだけ注目を欲した少年が、特別な力を 持ちながら、なぜ単なる模倣行為で済ませたか。 白鐘 直斗|けど違った…久保には力なんか無く、 単にお前に落とされた…そうなんだな? 足立 透|テレビに人入れるの久々だったし、 結構ハラハラしたよー。 里中 千枝|そんな…どうして… 里中 千枝|それに、だったらなんで、 久保からアンタの話が出なかったの…? 足立 透|ハハ、そのくらいは考えて動くさ。 刑事なんだから。 足立 透|署のテレビのある部屋に通して、部屋の電気を いきなり消して、動揺してる間に一気にやった。 足立 透|やる瞬間さえ見られてなきゃ、万一助かっても、 “向こう”での体験談なんて誰も信じない。 足立 透|つっても…それ以前に久保のやつ、 何が起きたかも分かんなかったろうな、ハハ。 花村 陽介|待てよ、署の部屋でって… 足立 透|久保はね…実は早々に自首して来たんだよ。 まだ指名手配どころか目星もつかなかった頃だ。 足立 透|けど、よくあるイタズラと決め付けられて、 厄介払い同然で僕の所へ通されてきた。 足立 透|そりゃそうさ…だって“連続殺人事件は全部 僕がやりました”…なんて子供に言われてもね。 足立 透|でも、僕はマズいと思った…まさか進んで罪を 被りたがる奴が出るなんて、想像してなかった。 足立 透|丁度警察が手柄に飢えてる頃合…もしマジで 犯人なら事件解決ってオチになりかねない。 足立 透|そうなれば、生田目が救済をやめちまう… そりゃ駄目だ、ゲームが冷める。 足立 透|だから、周りに“帰らせました”って言って、 とっさの思いつきでテレビに入れたんだ。 天城 雪子|ゲームが冷めるって… そんな理由で放り込んだっていうの…? 足立 透|そういうの、人生で大事だろ? 足立 透|けど、お前らまたまた ウザく邪魔してくれたよね。 足立 透|おかげで久保のやつ、改めて逮捕されて まんまと“真犯人”扱いさ。 足立 透|遺体の真似方とか、あんなお粗末だったのに。 足立 透|まあでも、生田目は救うの止めなくて、 結果オーライだったけどね。 足立 透|生田目のやつ、救う事に酔ってたのかね? バカなやつだよね。 花村 陽介|まるで遊びじゃねえかよ… 花村 陽介|んな事で人を…小西先輩を…! テメエ…許さねえッ…! 足立 透|許すとか許さないとか、どうでもいいよ。 足立 透|どうせ、こことあっちの世界は もうすぐ一緒になるっぽいし。 足立 透|感じてないの? 霧が出て、あっちはもうダメだって… 足立 透|じきに、もっと同化して 区別がつかなくなんだぜ? 巽 完二|な、何言ってんだ、コイツ… 久慈川 りせ|こいつ…“本体”じゃないよ。 久慈川 りせ|足立本人は、別の場所にいる。 クマ|でもこいつ、単なるシャドウとは感じが 違うクマ…暴走の気配が無いっていうか… 足立 透|すごいすごい、そこまで分かるんだ。 足立 透|ここにいる僕は、君らの出迎えみたいなもんさ。 わざわざ追いかけてきて、ご苦労ってね。 足立 透|僕はこっちの世界に、ずいぶんと気に入られた みたいでさ…全てを得た気分だよ。 足立 透|怪物どもも、僕を襲わないんだよね。 目的が、一緒なのかな…? 天城 雪子|シャドウたちの…目的? 足立 透|この町は、今年の暮れ近く、霧の中に消える。 もうすぐ“ここ”が現実になるんだ。 足立 透|僕はこっちの世界にいるから、 僕を捕まえようってんなら、来ればいい。 足立 透|“世界の意思”にどっちが選ばれるか、 決めようじゃないか。 巽 完二|世界の意思だァ? 巽 完二|ウダウダうるせんだよ、クソが。 今ここで決着つけてやらぁ! |バーカ。 本物はここじゃないって言ったろ? |必ず来なよ…決着つけにさ。 里中 千枝|待てコラーッ!! 花村 陽介|世界の意思とか、こっちと現実が 同じんなるとか…どこまで本気なんだ? 白鐘 直斗|でもそれ以外の自供は一貫してました。 ただの妄言じゃないと見るべきでしょう。 久慈川 りせ|何だか…こっちへ来た後で、 大きな力を手に入れた感じ。 クマ|と言うより、それに支配されたのかも 知れないクマ。 天城 雪子|なら“世界が同じになる”って… 本当に起きるのかな…? 里中 千枝|確か、今年の暮れ近く… って言ってなかった!? 里中 千枝|それって、どうなるってこと!? クマ|たぶん…こっちの世界に 飲み込まれるってことクマ。 クマ|町の人がヘンなの、 みんなから出たシャドウが暴走した時と似てる。 クマ|霧がもっと濃くなって、 町を完全に閉ざしちゃったら… クマ|あっちの世界も、シャドウだけの世界に… なるかも…クマ… 久慈川 りせ|人間がみんな、シャドウになっちゃう…? 花村 陽介|くそッ…くそッ! あんなヤツに!! 花村 陽介|なんでだよ…必死にやって来たのに… 結局、アイツの手の平の上ってことかよ!? |これからは違う |決着をつけよう 花村 陽介|ああ…いい加減、ケリ付けようぜ。 こんな思い…もうゴメンだ。 久慈川 りせ|通れる場所が出来てる。 久慈川 りせ|たぶん足立はその先。 …来いって意味だと思うけど。 巽 完二|上等だぜ! 巽 完二|いますぐ突っ込んでやらぁ! 白鐘 直斗|待ってください! まず準備が先です。 白鐘 直斗|あんな奴に、二度と煮え湯を飲まされる 訳には行かない… 白鐘 直斗|全力で臨んで、確実に倒すべきです! 里中 千枝|暮れ近く…ってのがいつか気になるけどさ、 あんな奴にビビッてる場合じゃないよ! 里中 千枝|準備、やり過ぎってぐらい整えて、 足立の顔面にクツ跡付けてやろッ! |>みんなの力を合わせ、 真実への道が目前に開いた… |>審判コミュをマスターした。 |>王の中の王“ルシファー”が 作れるようになった! |>遂に突き止めた、意外な真犯人… |>町が霧に閉ざされるのは 暮れの近くのある日… |>それまでに必ず決着を つけなければならない… |>万全の準備で臨もう… 足立 透|すごいすごい、 よくここまで来られたね。 白鐘 直斗|…お前の罪状を確認する。 白鐘 直斗|お前は、危険と感じていながら、 山野真由美をこの世界に放り込んだ。 白鐘 直斗|そして彼女が死んだ事を知りつつ、 今度は小西早紀を同じ目に遭わせた。 白鐘 直斗|更に生田目を騙し、殺人行為を引き継がせ、 自身はゲーム感覚で傍観。 白鐘 直斗|そして失踪者が死ななくなると、今度は 脅迫状を送り、再び死人が出るよう仕向けた。 白鐘 直斗|模倣殺人まで起きたのに、あろう事か 刑事の身で、捜査中の容疑者を放り込んだ。 白鐘 直斗|半年で二人が死に、幼い女の子が重体… いや、それだけじゃない… 白鐘 直斗|何かがひとつ掛け違っていたら、 何倍もの人数が死んでいた。 白鐘 直斗|全て…愉快犯にも等しい、 下らない動機のために! 足立 透|だからさ…それが何なワケ? 僕はただ“入れただけ”だって… 足立 透|悪いのは、この世界でしょ? 実際この世界に殺されたんだから。 足立 透|ここは人々の意思が反映される世界… 花村 陽介|ふざけんなッ! 花村 陽介|お前は、人が死ぬのを知ってて手を下した! それが罪じゃなくて何だってんだ! 足立 透|はは…正義感強いねぇ。 里中 千枝|正義感強いねって…あんた警官でしょ!? 里中 千枝|世の中の色んな道ん中から、 わざわざ警察選んだ大人でしょ!? 足立 透|そんな、警察に就職したからって 誰も彼も正義の味方な訳ないだろ? 足立 透|僕の志望動機はズバリ“合法で本物の銃を 持てるから”…結構多いよ、そういうヤツ。 足立 透|…まぁ面白そうだと思って警察入ったけど、 正直、大失敗。 周りバカばっかでさー… 足立 透|ちょ~っとした仕事の失敗にケチつけて、 こんなド田舎まで飛ばしやがって… 足立 透|色々がメンド臭くなって、どうしようかなと 思ってた時…この“力”を見つけちゃってさ。 巽 完二|なんでテメェなんかが… 足立 透|田舎でクソつまんねー仕事してる僕への、 ご褒美みたいなもんなんじゃないの? 足立 透|やれたから、やっただけだし。 で、面白いから、見てただけだし。 天城 雪子|そんな勝手な理屈で… 天城 雪子|現実がどうなってもいいっていうの!? 足立 透|現実なんて、基本は退屈で辛いだけだろ? 足立 透|みんなこんな世界、認めてない…ただ否定する 方法が無いから、耐えて生きてるだけだよ。 足立 透|うまくやれる奴は初めから決まってるのさ。 “才能”ってチケットを持ってる。 足立 透|そうじゃない奴には、自分が違うって事実を 見ずに人生を終われるか…そんな選択しか無い。 足立 透|気付いちゃったら絶望だけ。 ゲームオーバーだ。 足立 透|だったらこんな現実、無いほうが良くない? 久慈川 りせ|そんな事ない! 足立 透|ガキは無知だからウザイよ… 足立 透|あのさ…今はあれこれ夢みてんだろうけど、 “夢”ってのは“知らない”って事だ。 足立 透|お前らだって、いずれ分かるさ… どこまで行っても、つまんねー現実がさ。 巽 完二|つまんねーのは、テメェだけだろが! 巽 完二|消えてえなら、テメェが一人で消えやがれ! 勝手にヒトをつき合わせんじゃねえ! 足立 透|…いきがるだけのガキはヤダねぇ。 不安で大声出したい気持ちはわかるよ。 足立 透|けど、こっちは実際そうだったっていう、 経験談でモノを言ってるんだよ? 足立 透|少しは、想像してごらん…? 足立 透|人間が皆一様に、シャドウになる… 目を塞がれて生き続ける… 足立 透|それって、今の現実と何が違う? いやむしろ、ずっと楽になるはずだ… 花村 陽介|楽だと…!? 何言ってやがる… 足立 透|あのさ、自分にとって何が本当で、何が善か… それ、自分で考えてるやつが、どれだけいる? 足立 透|ほっとんど、いないよ? だってさ、考えたってしょうがないんだから。 足立 透|現実に目を向けたって、嫌なことばっかで、 変えようがないんだからさ。 足立 透|変えようが無いことを考えるなんて、 こんなメンドくさい話ってないだろ? 足立 透|だったらそんなもん見ないで、 信じたいことだけを、信じて生きた方がいい。 足立 透|絶対、そのほうが、楽だろ? 楽に生きられりゃ、そりゃいいぜぇ。 足立 透|どんなやつだって、 せいぜい80年とかしたら終わるんだし? 足立 透|だったら、シャドウになればもっと楽だ。 足立 透|何も抑圧しなくていいし、 “見ないフリ”どころか…見なくていい。 里中 千枝|…誰もそんなの、望んでない! あんたが、一人で望んでるだけでしょっ!! 足立 透|んもー、じゃ、思い出してみてよ… 自分から出たシャドウの事をさ。 足立 透|今の自分なんかより、 何倍も生き生きしてたはずだよ! クマ|気をつけるクマ! なんか様子が変クマよ! もう一人の透|お前ら、シャドウをただの化け物としか 見てなかっただろ? もう一人の透|こいつらは、本音のままに動いてんのさ! お前らが楯突くから、暴れんだよ! もう一人の透|これからの世界、お前らみたいな メンドくせーガキこそ、要らねーんだよ!! 天城 雪子|ガキはあなたよ!! 天城 雪子|生きるのも面倒、死ぬのもイヤ… そんなの理解されないに決まってるでしょ!! 天城 雪子|ダダこねてるだけじゃない!! 白鐘 直斗|人は一人じゃ生きられない。 白鐘 直斗|だから社会と折り合う事を投げたら、 生き辛いに決まってるんだ。 白鐘 直斗|なのにお前は、立ち向かわず、去る度胸も無く、 人である事自体から逃げてごまかそうとしてる。 白鐘 直斗|世の中を面倒と言ったクセに、 大勢の他人を巻き込んでな! 白鐘 直斗|お前の理屈は全部、 コドモ以下の、単なる我がままだ! もう一人の透|う…うるせえ! もう一人の透|強がってんじゃねえよ… もう一人の透|俺を否定しないと、 お前らが立ってられないんだろ! もう一人の透|何も苦労してない、ケツの青い高校生に、 お、俺の何が分かんだよぉぉ!! 花村 陽介|はっきり言っとくぜ… お前は選ばれたんでも何でもない… 花村 陽介|…タダのくだらねー犯罪者だ! もう一人の透|く…うぉぉぉぉぉ! 久慈川 りせ|来るよ! 久慈川 りせ|これが、きっと最後の戦い… 全力で行こ! 足立 透|あ…てことは、犯人はお前らも入れて、 外の連中、みんなかな? 足立 透|正直、もう要らないんだよ。 足立 透|世界が飲み込まれて、 人間がシャドウに変わる… 足立 透|今怖がってるだけの連中ほど、 本当はそう望んでる… 足立 透|なら導いてやるのが、僕の役目だ。 足立 透|く、くそっ…なんだよ、つまんねえ… 足立 透|く…まぁいい… 足立 透|どうせもうすぐあっちの世界は無くなる… 戻るとこなんか無いし… 足立 透|みんな、シャドウに… 足立 透|くふふふ…ウぁッ! 里中 千枝|な…なによ、これ…! もう一人の透|人間は…ことごとくシャドウとなる。 もう一人の透|そして…平らかにひとつとなった世界に、 秩序の主として、私が降りるのだ。 花村 陽介|秩序…? 降りる…? なんだコイツ…急にどうしたんだ…? 巽 完二|こいつ…どうなってやがる!? 久慈川 りせ|ううん、違う…! こいつ…意識はもう足立じゃない! |こちら側も、向こう側も…共に程なく 二度とは晴れぬ霧に閉ざされる。 |人に望まれた、穏やかなりし世界だ… 白鐘 直斗|お前は誰だ!? |私は…アメノサギリ。 |アメノサギリ 霧を統べしもの。 人の意に呼び起こされしもの。 |お前たちが何者をくじこうとも、 世界の侵食は止まらない。 |もはや全ては時の問題… |お前たちは、大衆の意思を煽り、 熱狂させる…良い役者であった。 |…が、それも終わりだ。 |すぐにもシャドウとなり、現実を忘れ、 霧の闇の中で蠢く存在になるであろう… |霧を統べしもの。 人の意に呼び起こされしもの。 |お前たちが何者をくじこうとも、 世界の侵食は止まらない。 |もはや全ては時の問題… |お前たちは、大衆の意思を煽り、 熱狂させる…良い役者であった。 |…が、それも終わりだ。 |すぐにもシャドウとなり、現実を忘れ、 霧の闇の中で蠢く存在になるであろう… 花村 陽介|何モンだ、テメー!? …なんでこんな事すんだよ!? |私は人を望みの前途へと導く者。 |人自らが、虚構と現との区別を否とした。 心の平らかを望めど、現実では叶わぬゆえだ… |そう、人自らが、こうなる事を望んだのだ。 |我が望みは人の望み。 |それゆえ私は、こちらの世界を 膨張させると決めた… 巽 完二|な…なら、テメェがこの胸クソ悪ィ世界を こしらえた元締めって事か!? |ここは、人の心の内に元よりある 無意識の海の一部。 |肥大した欲と虚構とに よって生まれた虚ろの森。 |人は見たいように見る生き物… 真実を望まず、霧に紛れさせておきたがる… |にも拘わらず人は“見えぬ”という事を恐れる。 |それが束の間、真実を欲する光となって 霧を晴らし、シャドウを苦しめ、暴れさせる… 天城 雪子|だから、すぐ傍に人間が居たりすれば、 襲われて、殺されてしまう… 天城 雪子|虚ろの森… 天城 雪子|じゃあここは、人の心に影響されるも何も… そもそも“心の中の世界”って事? |人は真実を求める事をあきらめ、 闇雲な混乱に沈んでいる。 |我が力は強まり、霧は晴れぬ。 |世界は虚ろの森に飲み込まれるのだ。 里中 千枝|ごちゃごちゃうるさいのよっ!! 里中 千枝|あたしらの力で、 アンタ倒せば済むだけでしょ!? |そのお前たちの力とて、元を辿れば私が この定めを招く先駆けとして授けたもの… |虚ろの森を渡る力を会得せし者に、 私はそれを授けた… |だからこそ、お前たちはこの世界に触れ、 良き働きを成した。 天城 雪子|この世界に触れる… 力を授けた… 天城 雪子|…テレビに入る力の事!? 白鐘 直斗|じゃあまさか、“マヨナカテレビ”もか? あの現象は、お前が作ったものなのか!? |人はありのままを見るのではない。 見たいものを、見たいように見る。 |私はその後押しをしたに過ぎない。 |人々の“見たい”という心が集う世界… それが各々の望む通りに映る“窓”… |人々は、自ら進んで現実から離れ、 より虚構を欲するようになる。 白鐘 直斗|見たいという思いが集まり、 その対象が見たいように映る… 白鐘 直斗|クッ…確かにそうなのかも… 白鐘 直斗|ずっと、気になってたんだ… 生田目の病室で見た、マヨナカテレビ… 白鐘 直斗|あれは生田目の“本心”じゃなかった… 天城 雪子|私たちみんなが“この人が犯人だ、許せない” って思ったから、そのせいで…って事? 白鐘 直斗|クッ…確かに、惑わされてた… |そう…虚構を欲すれば欲するほど、 人はますます、現実を求めなくなる… |そして、森は何処までも拡がっていく… それがこの世界の“膨張”だ。 巽 完二|クソが…能書きはもういいぜ! 巽 完二|テメェが元締めって事だけぁ、 よぉく分かった! 花村 陽介|ああ、誰だか知らねーけど、ぶっ倒す! 花村 陽介|人がシャドウになりたがってるだ!? 人の望みがテメェの望みだぁ? 花村 陽介|ザッケんなよ、俺らがいつ望んだよ!? 花村 陽介|ダッセーぐらい、あがいてあがいて、 ここまで辿りついたんじゃねーか! |そう… それだけが、私の予測を外れていた。 |自らを殺すはずだったシャドウを次々と 制御し、抗う力に変えてしまう素養… |新しく不確かな覚醒…果たしてそれは、 賭けるに足る、人の可能性であるのか… |見極めねばならない… 久慈川 りせ|だから、メディアで急に騒がれた人が 次々映ったのね… 久慈川 りせ|事実とは無関係に… |なるほど…強い力だ… |力は心が生み出すもの… |人の可能性を、お前たちは示したのだ… |いいだろう。 お前たちが帰る場所の霧を晴らそう。 |我が望みは人の望み… |人が望む限り私はいつでも現れよう… 私は、いつでもすぐ傍に居る… クマ|お呼びでないクマ! クマたちが、絶対させない!! |どちらになるかは、いずれ時が示そう… 新たな可能性の子らよ… 里中 千枝|足立さん…アイツに操られてたのかな? 白鐘 直斗|さあ… 望んでた面もあったと思いますが… 足立 透|…なんだよ…これで終わりか… 足立 透|…別にいいよ…君らは君らで… 考えた、通りに…生きりゃいい… 足立 透|未来を変える…力ってのが… …キミらにはあるって…いうんなら…さ… 花村 陽介|んなもん…誰にだってあんだよ。 足立 透|…さぁ…な… 足立 透|行けよ…僕はもう、ダメそうだ… ここでシャドウにでも喰われてやるさ… 足立 透|構うな… 元々…僕を殺しに来たんだろ… 巽 完二|ちげえよ、アホが。 花村 陽介|ここに瀕死のテメエ置いてって… いつか死体が上がって? 花村 陽介|そんなん、何になんだよ… 花村 陽介|つまんねえ遊びは終わったんだ。 テメエは連れて帰る。 花村 陽介|生きて、裁きを受けなよ。 …それが現実のルールってもんだろ。 足立 透|そうか…そうだな… 白鐘 直斗|堂島さんも… それを一番望んでいるでしょう。 |>みんなの力で、ついに事件の元凶を退けた… |どうも。 堂島刑事から連絡を受けています。 |容疑は、山野真由美、小西早紀に対する殺人。 以上で宜しいでしょうか? 白鐘 直斗|間違いありません。 |了解しました。 |下に救急車を呼んでますが、 ここから担架で運びますか? 白鐘 直斗|救急車… |堂島刑事が、必要だろうと。 |容疑者を手厚く保護して欲しいと…その、 あくまで個人の要望として、頼まれましたので。 里中 千枝|相棒…だったもんね。 白鐘 直斗|では担架を、お願いします。 |了解しました。 |おかあさーん、ほら、晴れたよ! ね、約束通り、外で遊んでいいんでしょ? |あ、こら、マコト! 走ったら危ないでしょ! 里中 千枝|ホントだ… 霧、ホントに無くなってる! 天城 雪子|私たち…今度こそ、ちゃんと出来たんだ… 久慈川 りせ|な、なに先輩? 泣いてるとか思った? 久慈川 りせ|まぶしいだけだもん… こんな空青いの、久しぶりだから… 花村 陽介|終わったな… |そうだな |感謝してる 花村 陽介|長かったな、ここまで。 けどまあ、これで… 花村 陽介|バーカ、恥ずかしいこと言うな。 花村 陽介|…んなん、俺だって感謝してるよ。 花村 陽介|けどまあ、これで… 花村 陽介|…俺たちの、勝ちだ。 巽 完二|えっ、何スか、これ? クマ|なになに? 里中 千枝|じゃいくよ! せーの… 里中 千枝|ヤったぜー、おー! 里中 千枝|言えよ! 久慈川 りせ|や…今のいきなり合わすってのは、 ハードル高いと思う… 白鐘 直斗|今の、どこに合わせれば 良かったんですか? 里中 千枝|“おー”のとこ! 巽 完二|も一回やるしかねんじゃねえスか…? 花村 陽介|こういうの二度目とか、シマらねーなぁ… 花村 陽介|じゃほら、里中、もう一回やれよ。 さっきの変な掛け声。 里中 千枝|…変とか言うから、やだ。 白鐘 直斗|あ、あの、人目もありますし、 この状態で長居は… 久慈川 りせ|なんか、手が汗ばんできちゃった… クマ|もー、仕方ないクマねぇ。 クマ|じゃ、ここはセンセイ、 ひとつ頼んます!! |せーの、頑張ったぜー! |せーの、終わったぜー! |せーの、って言ったらオーね… |オー! 里中 千枝|ダブルで仕切り直さなくていいから… 里中 千枝|もー、あたしが言うよ、みんないい? 里中 千枝|せーの… 頑張ったぜー… |オー。 花村 陽介|つーか、こういうの、終わった後じゃなくね? 出発の時じゃね? 里中 千枝|うえ? い、いいじゃんっ! 天城 雪子|ぷっ…あはは! |>ついに決戦は終わった… |>元凶は退き、 町を覆っていた霧は晴れた… |>そして… |>ついに決戦は終わった… |>元凶は退き、 町を覆っていた霧は晴れた… |>そして、時は流れ… |>みんなの力で、ついに町を覆っていた霧を 晴らすことが出来た… |>夜が更けてきた… |>部屋の中が、霧に包まれている… |>外は濃霧だ… |>電話がかかってきた。 |>直斗からだ。 白鐘 直斗|ま、町中に…シャドウが、溢れて… もう… 白鐘 直斗|…ッ! う、うわぁぁぁぁ! |>強烈な目眩がする… |>年の暮れ… 12月25日… |>ジュネス、いつものフードコート… 花村 陽介|やっと、終わったな… 白鐘 直斗|今度こそ、後のことは 警察に任せて大丈夫だと思います。 白鐘 直斗|彼も罪を認めているようですし、 生田目の容疑も見直されるでしょう。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|じゃあ、本当に解決だ。 久慈川 りせ|クマ、これからどうするの? あっちに戻らないよね? 巽 完二|そうだぞ、このクマ公! あんときオレらが、どんだけ心配したか… クマ|きゅ、急にいなくなったりは、 もうしないクマよ! 花村 陽介|ったり前だろ。 ずっとここにいりゃいーんだよ。 |>堂島からだ。 堂島 遼太郎|おう、俺だ。 堂島 遼太郎|実はな、菜々子がな、家に帰れそうなんだ。 堂島 遼太郎|意識も戻ったし、 あれから体力もかなり回復してな。 堂島 遼太郎|何もなければ そのまま一時退院出来そうだ。 堂島 遼太郎|俺の体も、後は通院で済みそうなんでな。 今日は、菜々子と一緒に帰ろうと思う。 堂島 遼太郎|家の事、お前に任せっきりですまんが、 よろしくな。 天城 雪子|本当!? 菜々子ちゃんが!? 天城 雪子|よかった… クマ|よかった…ホントによかったクマぁ… クマ|みんなで頑張ったから、こっちの霧も晴れたし… ナナチャンもよくなったし… 久慈川 りせ|菜々子ちゃんも…がんばったんだね… 久慈川 りせ|え、えらいね… ううぅぅ… クマ|う…うおぉぉぉん! 花村 陽介|ホント…よかったな。 久慈川 りせ|ぐすっ…ひっく… 久慈川 りせ|どこ触ってんの! クマ|ぐぉ… 里中 千枝|となると… 里中 千枝|パーティーだね! 里中 千枝|菜々子ちゃんのために みんなでクリスマスパーティーしよ! クマ|パーティーとな! きっと、ナナチャンもよろこぶクマね! 天城 雪子|じゃあ、ケーキがいるね。 花村 陽介|お、お前ら、まさか… 久慈川 りせ|え、作るよ? 里中 千枝|作るけど? 天城 雪子|材料調べてあるから。 花村 陽介|ちょっ…ま、待て! 待ちなさい! 落ち着け! 花村 陽介|敷居が高いにも程があるだろ! 里中 千枝|食品売り場へ、ゴー! 白鐘 直斗|え、ぼ、僕は、ケーキ作りなんて… 天城 雪子|大丈夫よ。 誰も作ったことないから。 |>みんなに、堂島からの報告を伝えた… 里中 千枝|ほら、直斗くんも! 堂島 菜々子|あったかいね~! クマ|これがうわさのコタツクマ… 堂島 菜々子|コタツ、たのしみだったんだ! 堂島 遼太郎|病院でもずっと言ってたもんな。 堂島 遼太郎|菜々子な、明日、精密検査のために戻るんだが、 このままいけば、退院も近いそうだ。 堂島 菜々子|もっと早くなおってたら、コタツ、 いっしょに買いに行けたのに…ゴメンね。 |気にするな |忘れてた |怖い思いをさせてごめん 堂島 菜々子|うん… 堂島 菜々子|つぎは、いっしょに買いに行こうね。 堂島 菜々子|なんだぁ。 堂島 菜々子|でも、菜々子まってたら、 お兄ちゃん、コタツ無くてさむかったね。 堂島 菜々子|平気だよ。 …お兄ちゃんたち、来てくれたから。 里中 千枝|おっまたせー! 花村 陽介|ああ…出来てしまったんだな… “物体X・クリスマスエディション”が… 巽 完二|オレぁもう、覚悟決まってるっスよ。 保険証持ってきたし。 堂島 菜々子|ケーキだ! 堂島 遼太郎|おいおい、すごいな、思ったより… 巽 完二|菜々子ちゃん、ちょっと待て! まず、オレから死… 堂島 菜々子|おいしい! 堂島 菜々子|すごくおいしいよ! 花村 陽介|そ、そんな馬鹿な… 花村 陽介|まさか…味覚に後遺症? |>確かに、とろけるウマさだ!! 花村 陽介|これ、本当にお前らが作ったのか? 里中 千枝|え、そうだけど。 天城 雪子|味、する? 久慈川 りせ|辛くないよね? 久慈川 りせ|どう完二? ん? 巽 完二|た、大変、美味しゅうございます! 里中 千枝|能ある鷹は何とかっての? ま、ぶっちゃけセンスが良かったっていうか。 白鐘 直斗|まあ、3つ目ですから、それ… クマ|なー、ヨースケ! チエチャンたち、 天才シェフだなー! 星、3つだなー! 花村 陽介|あ、あり得ねえ… これ…なんか、普通にうまいぞ… 花村 陽介|え、既に失神して 絶賛夢の中とかじゃないよな? クマ|えーっと…ナナチャンに、クマねー… クマ|ジャジャーン! クリスマスプレゼント! 堂島 菜々子|あっ! クマさんとそっくり!! クマ|あまり上手くできなかったけど… クマ|ナナチャンが病院でも 寂しくないようにって思ったクマ。 クマ|ちなみに毛はクマ毛です。 クマ、本物にはこだわるクマなので。 堂島 遼太郎|よ、よかったな、菜々子。 堂島 遼太郎|クマ毛…? 堂島 菜々子|うん! 堂島 菜々子|ありがとう、クマさん。 堂島 遼太郎|お前たちには改めて、 礼を言わなきゃならんな… 堂島 遼太郎|足立は、2件の殺人を自供してる。 遺体を吊るしたのも自分だと言い張っててな。 堂島 遼太郎|供述にはまだ、あいまいな点が多いが、 アイツは、罪を償うことになるだろう。 堂島 遼太郎|とにかく、不思議な事件だったよ… 堂島 遼太郎|前にお前が言ってた、テレビの中の世界ってのが 本当なら、全部繋がる話だが… 堂島 遼太郎|…まあ、信じちゃいないがな。 堂島 遼太郎|…世の中ってのは、説明出来ない 不思議なことも起きるもんだ。 堂島 遼太郎|菜々子もあんな状態から、 こうやって元気になってくれた。 堂島 遼太郎|昔…先輩の刑事に言われた事がある。 堂島 遼太郎|“どんなモノにも、今見えてない 後ろ半分がある”…てな。 堂島 遼太郎|今回の事じゃ、考えさせられた… 色々な… 堂島 遼太郎|お前には、色々と世話になったな。 こっちが世話する筈だったのに… 堂島 遼太郎|春まで短いが、改めてよろしくな。 里中 千枝|そっか…キミがここにいられるの、 春までなんだよね… 久慈川 りせ|先輩…帰っちゃうんだ… 白鐘 直斗|…寂しくなりますね。 クマ|センセイ… どっかに行っちゃうクマか… |約束だから |帰りたくない |いつでも心の中にいる 巽 完二|最初から、そうだったっスもんね。 けど、そんな話、まだ早いっス! 堂島 遼太郎|…待ってる人がいるだろ。 堂島 遼太郎|戻ったら、義兄さんと姉貴に、 一回り大きくなった息子の顔を見せてやれ。 堂島 遼太郎|…んで、義兄さん達がいいってんなら、 また、いつでもこいよ。 巽 完二|せ、先輩… 臭いセリフ言っちゃったっスね… 巽 完二|けどオレ… そういうの嫌いじゃねっス…! 花村 陽介|んだよ、春なんてまだまだ先だろ? それまで散々、遊び倒そうぜ! 堂島 遼太郎|遊び過ぎて留年とか、やめてくれよ。 姉貴にどやされる。 花村 陽介|あ、そしたら帰んなくていいんじゃね? 久慈川 りせ|わー、そうなったら先輩と同級生かぁ。 |留年は勘弁してくれ |留年しても先輩と呼べ |帰りたくなってきた 巽 完二|って、あぁ!! |>たとえ遠く離れても、 友達であり続けられる仲間たち。 |>共に幾多の試練を乗り越え、 ついに待ち望んだ平和が、戻ってきた… |>深刻な冷え込みは幾らか和らいだものの、 この地方の冬の寒さは厳しい。 |>しかし、共に真実に向き合った 仲間達と過ごす日々は、暖かい。 |>そして… |>時は過ぎ…春。 |>都会へ戻る日の、前日… |>明日は、いよいよ別れの日だ… 堂島 遼太郎|荷作りは終わったか… ま、忘れモンあったら送ってやるから。 堂島 菜々子|出てもいい? 堂島 遼太郎|そうか…そうだったな。 堂島 遼太郎|出ていいぞ。 もう大丈夫だから。 堂島 遼太郎|あいつが元気でいてくれる… こんな幸せなことはないな… 堂島 遼太郎|明日の列車の切符は買ってある。 八十稲羽駅に朝9時だ。 堂島 遼太郎|…今日は、最後の日だろ。 菜々子の事はいい。 堂島 遼太郎|友達みんなに会って、やり残したことや 言い残したことを済ませて来い。 |>今日が、この町で過ごせる最後の日だ。 |>町へ行ってみようか… 堂島 菜々子|でかけるの? 気をつけてね! |>菜々子から手紙を受け取った。 |>この町に再び巡ってきた春。 |>堂島宅… |>この町に再び巡ってきた春。 |>堂島宅… 花村 陽介|よう。 …いよいよだな。 里中 千枝|ホントに帰っちゃうんだね… なんか全然、実感ないや。 久慈川 りせ|明日からもう 先輩がいないなんて… 久慈川 りせ|う…うわぁぁぁぁん。 巽 完二|…て、泣くなよ! はえーんだよ!! 久慈川 りせ|だって…だって… うわぁぁぁぁん。 巽 完二|くそ… そ、そういうの、うつんだろが… 巽 完二|先輩の前で、 みっともねー顔できねーだろ… 白鐘 直斗|大丈夫です。 いつでもすぐに会えますよ。 花村 陽介|すぐ5月で連休んなるし、 絶対帰って来いよ? 天城 雪子|うちにもう、予約入れちゃったからね。 またみんなで泊まろ。 クマ|今度こそ、寝起きドッキリ、成功させるクマ! 里中 千枝|こいつ… 最近めきめき直球んなってきてんな… 堂島 菜々子|お兄ちゃん… 堂島 菜々子|やっぱり、やだ。 いなくなっちゃうなんて… 堂島 遼太郎|菜々子。 泣かないって約束したんじゃなかったか? 堂島 遼太郎|足立の事は立件に向けて滞りなく進んでる。 アイツ自身が全面的に認めてるからな。 堂島 遼太郎|あれから、事件も起きていない。 この町は、今は平和なもんだ。 堂島 遼太郎|菜々子も元気だしな。 俺としては、これ以上は望むべくもない。 堂島 遼太郎|本当に、ありがとうな。 堂島 遼太郎|菜々子だけじゃない。お前も俺の家族だ。 お前が来てくれた事…本当に感謝してる。 花村 陽介|俺たちは、この町にいるからさ。 また、いつでも来いよ。 クマ|クマもジュネスにいるクマよ。 住み込みバイト、続けるんだクマ! 巽 完二|なんかそのまま社員にでも なりそーだな。 クマ|このままジュネスのアイドルに君臨するのも 悪くないかな…てね。 花村 陽介|てね、じゃねーよ! いらねんだよ、ジュネスにアイドルは! クマ|でもですな、本当はあっちの世界のことも ちょっと気になってるクマ。 白鐘 直斗|あの世界は、 あのまま存在していますからね。 白鐘 直斗|故意に悪用する者はいなくなりましたが、 同じようなことが起こらないとは言えません。 白鐘 直斗|そのときは、また協力してくださいよ? 里中 千枝|うわー、そんな状況、冗談でも勘弁! 堂島 遼太郎|…そろそろ電車の時間だ。 長瀬 大輔|いつでも来いよ。 またラーメン、食おうぜ。 一条 廣|長瀬とそっち、遊び行くからな。 海老原 あい|何かあったらいつでも戻って来なよ? …待っててあげるから。 小西 尚紀|色々、ありがとうございました。 …元気で。 小沢 結実|ちゃんと独り立ちしたら、 会いに行くからね。 松永 綾音|寂しいです。 ほんとは、すごく… 松永 綾音|でも…またすぐに会えますよね、先輩。 イゴール|ようこそ…ベルベットルームへ。 イゴール|いかがされましたかな? イゴール|貴方はもはや“謎”を解き明かし、 降りかからんとしていた災難をはね除けられた。 イゴール|この上、私共に何用でございましょう? |最後の挨拶に |気になる者がいる イゴール|これはまた、折り目が正しくて いらっしゃる…恐縮に存じます。 イゴール|ですがお気遣い下さいますな…貴方はただ、 私共を利用する気でいらっしゃれば宜しい。 イゴール|それとも…何か心にかかるものがおありで、 無意識に足を運ばれた…という事ですかな? イゴール|ほう…まだ何か釈然とされない事が おありと? イゴール|はて…何でございましょうな。 イゴール|どれ…ではひとつ、貴方の感じておられる ものが何か、見てみると致しましょうか。 マーガレット|これは… イゴール|ほう、驚きましたな… イゴール|これらは、空ろな噂に惑わされず、 物事の本質を見抜く力の断片でございます。 イゴール|なるほど…やはり貴方がいらした事には 意味があったようですな。 イゴール|では、私も役割を果たすと致しましょう。 イゴール|それは、旅路の中で貴方が育んだ力の結晶… イゴール|あらゆる虚飾を払い、嘘を打ち消し、 真実を照らし出す宝珠でございます。 マーガレット|真実とは、自分がじかに見て、考えて、 自ら選んだ所にだけ現れるもの。 マーガレット|貴方のゆく先に、真実に繋がる道があると、 信じる事です。 イゴール|フフ…素晴らしい。 イゴール|どうやら貴方は、私共の予測を超えた、 “旅路の真の終点”を見せて下さるようだ。 イゴール|お行きなさい。 全ての始まりのきっかけの場所へ… |>いつものフードコート… |>みんなと話し合い、推理をした場所だ… |>こうしていると、様々な思い出が よみがえってくる… 花村 陽介|おっ! クマ|奇遇クマ…いやもうコレ運命だね! 里中 千枝|あー、やーっぱ来てたんだ! 天城 雪子|思い出の場所だもんね、特捜本部。 巽 完二|へへ、先輩! やっぱ、いたっスね! 久慈川 りせ|ここに来れば、 みんなもいる気がして。 白鐘 直斗|明日、駅に見送りに行くってことには なってましたけど… 白鐘 直斗|なんか、落ち着かなくて。 ここに来ちゃいました。 花村 陽介|なーんか結局、揃っちまったし、 なんか食うか。 里中 千枝|おー、肉食べようか! 肉! 花村のおごりで! 花村 陽介|肉、肉、ほんとうるせーな… |>みんなと色々な思い出話をした… クマ|クマ、こっちの世界に来て、 ホントに楽しかったクマ。 花村 陽介|お前の場合、存在自体が楽しげだよな。 花村 陽介|実際はまあ…楽しいばっかじゃなかったけど… でもこんな充実してた事…今まで無かった。 里中 千枝|長かったのか… それとも短かったのかな… 里中 千枝|もう…こんな風に集まって、うんうん唸って 推理したりする事も、ないんだね… 天城 雪子|思い出…誰かに話したいって思っても、 あり得ない事だらけで、誰も信じないよね。 天城 雪子|思えば、そういう事の一番最初は、千枝が マヨナカテレビを教えてくれた時かも。 花村 陽介|オレも里中から聞いた気がすんな。 花村 陽介|里中はウワサ、何処で知ったんだ? 里中 千枝|誰っていうか…風の噂? 女子は結構試してる子居たし。 巽 完二|なら、一等最初に言い出したのって、 誰なんスかね? 里中 千枝|さあ… 偶然体験しちゃった誰かとか? 花村 陽介|マヨナカテレビなぁ… 考えてみれば、あれが全部の始まりだよな。 花村 陽介|て言うか、犯人捕まって霧は晴れたけど、 気になる事、ナニゲに色々消えてないよな。 花村 陽介|“向こう側”も、未だに霧まみれだしさ。 クマ|うむむ…また誰か、ワケの分からんヤツが 悪用するかもしれんクマ。 里中 千枝|確かあの、アメノ…なんとかって怪物、 言ってたよね。 里中 千枝|“自分が力を授けた”…って。 里中 千枝|あれ…そう言やキミ、何にも無いうちから、 もういきなりテレビに手潜ったんだよね? 里中 千枝|てことは、微妙に例外…? 里中 千枝|てか、そうだ、足立と生田目は!? 里中 千枝|あの二人も、ペルソナ云々より、 テレビに入る力の方が先だよね? 巽 完二|なら先輩、ぜってーなんか思い当たる事、 あるハズっしょ? なんかねんスか? |>自分だけ例外… |>ペルソナの覚醒よりも先に、 テレビに入る力を授けられた…? |>そして、足立や生田目も…? 花村 陽介|手紙? おいおい、また脅迫状とかじゃねーだろーな。 |突然の手紙に驚いてると思う。 |伝えておきたいことがあって、 これを書いています。 |こうして生き延びた事で、 分かった事もあるので。 |僕のゲームは…確かに終わった。 |あの時、キミたちに言われた通り、 この世界のルールに従おうと思ってる。 |ただ僕は拘留の身で、 自分じゃ何も後始末が出来ない。 |だからせめて、君たちが事件について考える 助けになれればと思う。 |実は、1つ気になってる事がある。 |そもそもの、事の発端… “マヨナカテレビ”についてだ。 |よく考えたら僕は、警察で噂に触れる前… 町へ来てすぐに、誰かから教わった気がする。 |生田目の調書の隅にも、似たような事が 書かれてて、気になったのを覚えてる。 |でもそれが誰だったか…思い出せないんだ。 |僕と生田目はどっちも“力”を得た人間だから、 何かあるのかもって…ただ何となく思った。 |たったこれだけの事、役に立つかどうか わからないけど…助けになれば嬉しい。 |>足立からの手紙には、 それだけが書かれている。 里中 千枝|んー…“思い出せない”とか ただ言われてもなぁ… 花村 陽介|けど、なんて言うか… “気分”は、俺は分かるな、何となく… 花村 陽介|なんかこう…うまく言えないんだけどさ… 花村 陽介|“間を繋いでるもの”って言うか… なんか…あと一歩見えてないような気がすんだ。 花村 陽介|あの世界、マヨナカテレビ、テレビに入る力… どうも全部が“別々”って感じるんだよ。 花村 陽介|だってそうだろ? 噂が広まって、連続殺人が 起きて、追いかける俺らが現れて、とかさ… 花村 陽介|1つ1つがただ“ある”ってだけじゃ、 普通そんな上手く組み合わさらないだろ? 花村 陽介|“指揮者”みたいのが居ないとさ。 里中 千枝|じゃあ、足立の書いてた“教えてくれた人” ってのが、その指揮者って流れ? 里中 千枝|あ、いや、またビンゴっすか!? あ、あたしのはホント、思い付きだから! 白鐘 直斗|先輩は、何か思い当たる事はありませんか? |思い当たることがある |思い出せない 白鐘 直斗|僕たちはこれまで“殺人事件”を追っていて、 それは無事に解決しました。 白鐘 直斗|でも、最後に戦ったあの怪物は、 僕らを“役者”だと言った… 白鐘 直斗|なら僕らと同じく、足立や生田目も “役者”だったのかも知れません。 白鐘 直斗|もしかすると…連続殺人事件は、初めから 更に大きな企みの“一部分”だったのかも… 白鐘 直斗|当事者が誰もそうだと知らなかっただけで… 花村 陽介|まさか、その“企み”って… 花村 陽介|“両方の世界を霧で満たして、 人間を全部シャドウにする”とかってアレか? 花村 陽介|俺らと、犯人たちと…もしかしたらあの怪物も、 全部含みで見てるヤツが居て… 花村 陽介|そいつが…全部がうまく噛み合うように、 最初にそそのかしたって事か…!? 白鐘 直斗|町に出てみましょう。 何か…見つかるかも知れません。 白鐘 直斗|もっともそれは、あなたにしか 分からないモノかも知れませんが… 白鐘 直斗|何か分かったら連絡を。 花村 陽介|こんな気分のまま、終われねーっての! 確かめに行こうぜ! |>…この力の“きっかけ”とは、 誰によるものだったのか… |>この町に降り立ってすぐに、 出会った人物は、確か… 白鐘 直斗|“虚ろの森を渡る力を会得せし者に、 私はそれを授けた…” 白鐘 直斗|要するに、ペルソナ能力に目覚めた者に、 テレビに入る力を与えたという事でしょう。 白鐘 直斗|“役者”とするために。 久慈川 りせ|え…じゃ、先輩やあの二人は、 何か別のきっかけって事? |>事件のきっかけとなった、 “テレビに入る力”… |>マヨナカテレビの事は、町へ来た数日後、 千枝がここでしていた噂話で初めて知った。 |>だが足立と生田目の場合、この町に来てすぐ、 誰かからマヨナカテレビの事を聞いたという… |>思えば、この町に着いてすぐ… 自分の身にも何かが起こったような気がする… |>手紙の差出人は…足立だ。 花村 陽介|…て、これ…拘置所から!? 花村 陽介|足立からか!? |叔父の堂島だ |菜々子だ |>…とにかく今は、 会って確かめてみるしかない。 |>そういえば朝、出かけるときに、 菜々子に渡されたものがあった… |この間の戦いだけでは、 物足りなかったということですか? |さすがは私の見込んだ力の持ち主だ。 |どういう事だ? |なぜ自分を選んだ? |お前は何者だ? |見えたんですよ。 君の適性ってやつがね。 |もちろん、君が特別な適性を 持っていたからですよ。 |…君はもう知っているはずだ。 だから、ここへ来たんでしょう? |君の仲間達は、私が君に与えた“きっかけ”に 導かれて力に目覚め、今ここに居るのです。 |とは言え、 まさかこの私の元にまでやって来るとは… |いやはや全く、予想していませんでした。 君は実に面白い。 |“きっかけ”の事…覚えていませんか? |君が初めてここへ来た日、 私が君の力を、ほんの少し後押ししたこと。 |…こうやってね。 |>強烈な目眩を感じた… |私が“歓迎の握手”でこの町に迎えたのは 君だけじゃない。 |君と同じく、外から来た者に与えたんだ。 |外から来るという事はそれだけで、 この小さな世界を刺激しますからね。 |ケリをつけるため |真実を知るため |よく分からない |ふうん、ここの霧が晴れたっていうのに、 まだ飽き足らないんですか。 |愚かな者ゆえの欲深き定めですかね… |真実に辿りついて、それが何になります? |愚かな者ゆえの欲深き定めですかね… |あはは。 君は本当に面白いなあ。 |私は…“イザナミ”。 |イザナミ 霧を統べたるアメノサギリは、 私が産み落とせし仮の姿のひとつ… |君は私も想像しなかった特別な力に目覚めた。 |更には、今こうして この私と対峙している… |もはや、愚かというだけでは済まぬ事態。 これも世界の定めた運命でしょうか… |いいですよ。 今度は本気で、試してやりましょう。 |ただ、その代わり…この愚かな手向かいに 相応しいだけの覚悟を、携えて来てください。 |ふふ…あの場所で待っていますよ。 |>いま出会った人物こそ、 すべての原点となった存在… |>イザナミだ。 |>仲間たちの声がする… 里中 千枝|ちょ、大丈夫!? 今話してたの、誰!? 里中 千枝|なんか、急に消えた…!? 里中 千枝|もしかして… |>ガソリンスタンドの店員との話を 集まったみんなに伝えた… 天城 雪子|…やっぱり、あれで終わりじゃなかったんだ。 花村 陽介|ともかく、そいつが元凶なわけで、 いま、あっちの世界にいるわけだ。 花村 陽介|倒さないときっと、また同じことが起きる。 里中 千枝|う、うん、他のみんなも近くにいるから、 すぐ連絡するね! 花村 陽介|ああ、頼むぜ! これが、本当の最後だってな! 天城 雪子|うん。 今度こそ、完全に、やっつける! 里中 千枝|じゃ、各自、準備できたら、 ジュネスに集合で! |>全ての事件の元凶を、遂に突き止めた。 |>向こうの世界で待つという“イザナミ”を 今度こそ滅ぼさなければならない… |>“アメノサギリ”の存在さえ、 イザナミの生んだものであるなら… |>イザナミを放置する限り、 町はいつか必ず、再び霧に沈む… |>そして人間も…大切な人たちも、 ただの影になり果てるだろう。 |>この町を去る前の、大きなやり残しだ。 |>みんなと暮らしてきたこの町に、 完全な平和を取り戻さねばならない… |きみ、高校生? |都会から来ると、なーんも無くて ビックリっしょ? |実際、退屈すると思うよ~、高校の頃つったら、 友達んち行くとか、バイトくらいだから。 |でさ、ウチ今、バイト募集してんだ。 |ぜひ考えといてよ。 学生でも大丈夫だから。 |でも、思ったより刺激は大きかったようだ。 ここを霧に包み、そして晴らした… |…中でも君は、その役割に飽き足らず、 こうしてやって来た…一体、何のためですか? 久慈川 りせ|今までとは違う、 何か大きなものの存在を感じる… 久慈川 りせ|新しい場所ができてるみたい… 花村 陽介|そこにいるんだな。 すべての元凶のヤツが… 花村 陽介|そう言や…この前倒したアメノ何とかって奴、 また会おう的な事ぬかしてたからな… 花村 陽介|まだやろうってんなら、今度こそ 後くされ無いようにしてやるぜ! 巽 完二|当然っス! 巽 完二|軽く捻りに行きましょーよ。 明日の先輩の電車には間に合うっしょ。 天城 雪子|いつも通りに…がんばろ、リーダー。 里中 千枝|こういうのもホントに最後…と思うと、 ちょっと寂しかったり、して。 里中 千枝|やっぱさ、ほら…言い方ヘンかも知れないけど、 …楽しかった。 白鐘 直斗|それは、僕らがみんな、必死だったからです。 白鐘 直斗|…僕たち、本当に色んなことを 鵜呑みにしてきましたよね。 白鐘 直斗|犯人や動機… 何度も途中で立ち止まりそうになった… 天城 雪子|目をつぶってれば、 楽だったかもしれないけど… 花村 陽介|あがいてでも、大変でもさ… 花村 陽介|自分で感じて、見て、触れて、考えて… そうやって、生きていきたいよな… 天城 雪子|うん、でも一人で掴めることって、 きっとすごく少ない。 天城 雪子|…だから、みんながいるんだよね。 里中 千枝|おうよ! みんな、いるぜー! 巽 完二|ダチが居りゃ分かんだ…どんなシンドくても、 こういうフザけた奴ぁぶっ倒すべきってな! 久慈川 りせ|私たちの、未来のために! 花村 陽介|明日、気持ちよく送ってやるために! クマ|かゆっ。 クマ|ヨースケは最後までカッコマンだクマね。 クマ|あまりの身の程知らずに、 クマ、かゆかゆです。 花村 陽介|ノミたかってんだよ。 さっき、お前にジュースこぼしたから。 クマ|オレンジのフレッシュな香りが すると思ったら…! 花村 陽介|さあって、 それじゃあ、行きますかっ! イゴール|ようこそいらっしゃいました。 イゴール|いやはや…旅路がこれほどの結末に 向かおうとは…驚きでございます。 イゴール|ただ運命の謎を解くに飽き足らず、 問うた主を見つけ出し、対峙なさるとは。 イゴール|貴方が立ち向かおうとなさっている敵は、 言葉にするならば“神”とでも呼ぶべき相手… イゴール|旅路も間もなく、グランドフィナーレ でございますな…フフ。 イゴール|では、行ってらっしゃいませ。 |はるばる、ようこそ… 花村 陽介|また会ったな、すべての元凶さんよ! 白鐘 直斗|あなたが最初にテレビに入る力を与えた。 マヨナカテレビを作ったのもそうだ。 白鐘 直斗|そして噂が広まる発端を作った… 白鐘 直斗|間違いありませんね? |ひとつだけ、思い違いをしている。 |君らが“マヨナカテレビ”と呼んでいるもの… |確かにあれは、人の心を ここに引き込む為のちょっとした装置。 |だが、あそこに何が見えるかを決めていたのは 常に君たち自身だ… |人間の持つ抑圧された心と、 それを覗きたい周囲の人間の心… |見せたい存在と見たい存在がある。 だから、呼応する“窓”を授けた… |それだけに過ぎない。 白鐘 直斗|メディアで注目された人間を “覗きたい”とみんなが思う… 白鐘 直斗|マヨナカテレビは、 そんな心の声に応える存在。 白鐘 直斗|まして“見たい相手”が心の中の世界に 来てたなら、より鮮明に見えてくる… 白鐘 直斗|そうか、そういうことか… 天城 雪子|人間の…好奇心のせいだってこと? |全ては君たちの為… 君たち人間が望んだ世界を作る為だ。 |人間は簡単には分かり合えないもの。 |そして、生きているうちに、 分かり合える人間の数には、限りがある… |しかし人間は、 手に余る程の他人を理解しようとする。 |他者との比較を繰り返すことでしか、 自分を定義できず、不安で仕方がないんだ… |そして君たちはその“好奇心”の結果、 見たいものだけ見て、信じたいように信じた… |言ったはずだ。 君たちの望みは、霧に包まれた世界だと! |そんなことはない |勝手なことを言うな 白鐘 直斗|そうですね…確かに人間の大半は あなたが思う通りのものかもしれない。 里中 千枝|でも、あたしたちは そんな風に生きるつもり、ないから。 巽 完二|そんなん受け入れてたらな、 こんなとこまで来てねーんだよ。 花村 陽介|真実とか、自分が何なのかとか、 俺らはこれからも、探してくさ。 久慈川 りせ|仲間と一緒にね。 天城 雪子|私たちは、これからもみんなと、 あの現実の世界で生きていく。 天城 雪子|だから… |未来は自分達で決める |人の可能性を見せてやる |終わりはお前の方だ |ふふ…さすが、私の選んだ人間だ。 |では、たった今より、世界の命運は 真の意味で君たちの背に課せられた。 |この私を退けられねば、 世界は今、この瞬間に終わると思え! 里中 千枝|え、ちょ… シクったら世界終わるとか言った!? 花村 陽介|バーカ、これくらいどってことねーっつの。 花村 陽介|うっし! 最後の仕上げだ!! 久慈川 りせ|じゃあ何よ…アンタは先輩たちを“後押し” した以外は、ただネタを仕込んだだけって事? 久慈川 りせ|噂が広まったのも、事が悪い方へ滑り出した のも、結局ぜんぶ私達のせいだっての!? クマ|その通りクマ! 余計なお世話はここまでクマ! |何という事だ… この私が…滅び、消えゆくとは… |あがいて生きるより、嘘に目隠しされ 騙されて楽しく生きていく… |それこそが人間の平穏ではないか… 巽 完二|だから、そんなのゴメンだっつってんだろ! 里中 千枝|勝手に決めんなっつの! |…フフ、いいだろう。 ならば思うように生きてみるがいい。 |この私を消し去る程の力… もはや私の知る人間の枠を超えている… |この世界の霧も、現実の霧も、 全てはお前たちに晴らされた… |それが果たして幸せなものとなるか… それすら、お前たちで創らねばならないだろう。 |人の子よ… |見事なり…! 巽 完二|うぉっしゃぁぁ! やったぜー!!! 久慈川 りせ|よかった…! 天城 雪子|これで本当に… 里中 千枝|うん、やり残しナシ! だね! 白鐘 直斗|僕たちにとっては、 どうやら始まりでもあるみたいですけどね。 花村 陽介|これで、思い残すことなく、 明日、送ってやれる… |>信じあえる仲間たち。 そして、心を通わせた、多くの人々… |>人と人との繋がりの中で、 真実を見極めようとする、強い心… |>振り回されず、流されず、 自らそれを掴み取ろうとする、固い信念… |>それらによって、ついに人を惑わすものに 審判は下り、新たな明日への扉が開く… マーガレット|間もなくこの霧が晴れ、 目的地が見えてくるでしょう。 マーガレット|到着まで、あと僅かです。 イゴール|貴方の節目の年に相応しい、 実に有意義な旅でございましたな。 イゴール|貴方の旅は幾度となく、視界を曇らせる 虚飾や嘘の霧に阻まれて参りました。 イゴール|しかし貴方はその度に、安易な出口や、 まやかしの終点の誘惑に打ち勝ってこられた。 イゴール|貴方が大切な人々と絆を築き、 真実へとまた一歩近づいてゆく… イゴール|その度に、私自身も心躍る思いでございました。 イゴール|これほどの旅路に立ち会えた事を、 私も誇りに思っております。 マーガレット|そろそろ、到着です。 イゴール|それではいよいよ、 “旅路の真の終点”でございます。 イゴール|契約はついに果されました。 私の役目もこれまで… イゴール|…貴方は、最高の客人だった。 イゴール|さあ、お行きなさい。 そしてその目で直にご覧になるといい。 イゴール|貴方が最後に勝ち取った“世界”が どのような素晴らしき明日であるかを… イゴール|フフ…素晴らしい。 イゴール|神なる存在をも退け、 新たな“世界”の誕生を成し遂げられた… イゴール|こうして貴方をここへお招きするのも、 ついに、これが最後となりましたな。 花村 陽介|よう。 …いよいよだな。 里中 千枝|ホントに帰っちゃうんだね… なんか全然、実感ないや。 久慈川 りせ|明日からもう 先輩がいないなんて… 久慈川 りせ|う…うわぁぁぁん。 巽 完二|…て、泣くなよ! はえーんだよ!! 久慈川 りせ|だって…だって… うわぁぁぁん。 巽 完二|くそ… そ、そういうの、うつんだろが… 巽 完二|先輩の前で、 みっともねー顔できねーだろ… 堂島 菜々子|お兄ちゃん… 堂島 菜々子|やっぱり、やだ。 いなくなっちゃうなんて… 堂島 遼太郎|菜々子。 泣かないって約束したんじゃなかったか? 堂島 遼太郎|足立の事は立件に向けて滞りなく進んでる。 全面的に認めてるからな。 堂島 遼太郎|あれから、事件も起きていない。 この町は、今は平和なもんだ。 堂島 遼太郎|菜々子も元気だ… 堂島 遼太郎|本当に、ありがとうな。 堂島 遼太郎|菜々子だけじゃない。 お前も俺の家族だ。 お前が来てくれた事…本当に感謝してる。 クマ|センセイ… クマは自分の居場所を見つけたクマ。 クマ|だから…あの中に帰るクマ。 クマ|二度とあんな風にならないように… これからは、クマがあの場所を守る。 クマ|あそこが、クマの居場所だって… 今なら胸を張って言えるから。 巽 完二|先輩居なくなっと、その… …寂しく、なるっスね。 クマ|しどい! 流したクマ!? 花村 陽介|お前は、いつでも会え過ぎるだろ! 里中 千枝|どうせ、アイスとか欲しくて すぐ戻って来るでしょ。 クマ|や、やだなあハニーチャンたち、 強がってると、可愛くないゾ? 花村 陽介|てか、ジュネスのテレビ入るだけなら、 今までとなんも変わんねーっつの。 白鐘 直斗|その…迷ってしまいますね。 白鐘 直斗|当初こっちへの滞在は事件解決までって 思ってたんです。 白鐘 直斗|先輩と一緒に… 電車に乗って行っちゃおうかな。 白鐘 直斗|…なんてね。 そうも行きませんね。 白鐘 直斗|二度と会えなくなる訳じゃない。 白鐘 直斗|連絡ください。 事件なんて無くても、またいつでも。 花村 陽介|俺も、サヨナラって気分じゃないな。 花村 陽介|お前、5月の連休はどうすんだ? 空いてんなら来いよ。 花村 陽介|今年は事件抜きで、ガッツリ遊ぼうぜ。 天城 雪子|今からうち、予約しちゃうから。 クマ|なら、あの夜のリベンジ…今度こそ 寝起きドッキリ成功させるクマ! 巽 完二|うあっ、馬鹿、クマてめっ、 余計な事言うなッ!! 巽 完二|てかオメ、帰んじゃねえのかよ!? クマ|それとこれとは別腹クマ! 堂島 遼太郎|…そろそろ電車の時間だ。 長瀬 大輔|いつでも来いよ。 またラーメン、食おうぜ。 一条 廣|長瀬とそっち、遊び行くからな。 海老原 あい|何かあったらいつでも戻って来なよ? …待っててあげるから。 小西 尚紀|色々、ありがとうございました。 …元気で。 小沢 結実|ちゃんと独り立ちしたら、 会いに行くからね。 松永 綾音|寂しいです。 ほんとは、すごく… 松永 綾音|でも…またすぐに会えますよね、先輩。 |>意識が遠くなっていく… |>強大な相手を前に… ここで…力尽きるしかないのだろうか… |>…? |>誰かの…声が聞こえる… |どういうつもりかしら? |立ちなさい。 貴方はここで倒れる人ではないわ。 |貴方は分かっているはずよ… |絆の本質を… 絆が、貴方に与えてくれるものを… |ほら、耳を澄ませてみて… |どうした、悠… こんなとこで泣きべそかいてんのか? |…お前が教えてくれたんだぞ、 家族ってもんを。 |菜々子だけで手に余ってたところへ お前だ…ハハ、どうしようかと思った… |だがな… |お前らがいるから、俺は何度だって立てるんだ… どんなに苦しくても、歯ァ食いしばってな… |お前らのためなら、何度だって立つさ… 父親ってのは、バカなもんだな… |行くなよ、鳴上… |お前に会って、変わったよ。 俺の中の全部… |俺…お前でよかった。 お前とだったから、ここまで来れた… |鳴上… まだ、終われないだろ? |まだいけるさ… そうだろ、相棒。 |や、やだ…鳴上くん… 怖いよ、キミがいないと… |あたし、こんなに臆病で… ずるくて、意地っ張りで… |でもそんなあたしを、キミは分かってくれた… だから…いくらだって、強くなれる。 |ねぇ、鳴上くん…聞こえる? まだ目を閉じないで… |私たちの力をあげる… 最後の希望の、あなたに… |お願い、もう一度だけ…立って。 |先輩、いつまで寝てる気なんスか。 |先輩はそんな人じゃねえはずだ。 こんなとこで終わるような人じゃ…ねえだろ。 |んなの… オレの憧れる鳴上先輩じゃねー… |立てよ…立ってもう一度… アンタを守らせてくれよ… |先輩…ありがと… |私…この町に来てよかったよ… 思い返したら、楽しいことばっかりだったよ… |大好きな先輩…もう一度だけ、立って。 私たちが先輩の力になるから… |せ、先輩… 僕は…あなたを、許さない。 |あなたは…僕に、いていい意味をくれた。 |そのあなたが、こんな、途中で… 僕を置いて、投げ出して… |…鳴上さん。 立ってください、もう一度… |そして共に、戦いましょう。 大丈夫、僕らはいつも一緒です。 |クゥン… |>キツネの泣き声は弱々しい… |鳴上… たまにはオレらに心配ぐらい、させろって… 全部自分でしまいこまないでさ… |オレらがいるよ… お前の力になりたいって願ってるバカ二人だ… |ほら、立てるだろ…? |どうした、鳴上。 お前、ここで終わりか? |お前は、一人じゃねえだろ。 俺や一条が、一人じゃなかったように… |お前一人で、行かせやしないさ… |うそでしょ、悠… |アンタがいなくなって… アタシがもう一歩も歩けなくなってもいいの? |アンタみたいなズルいやつ、 もう…忘れてやるんだから… |やめてください、鳴上さん… |…もう、嫌です。 大切な人を失うのは… |あなたまで…嫌ですよ… |バカ… 一人で何でも抱え込んでさ… |一人じゃないから… できることがあるんだよ。 |恋人でも友人でも、家族でも… いつかは別れが来る… |だけど…ううん、だから私たちは、 絆を結ぶんだよ… |先輩…ありがとう。 苦しいときに私を思い出してくれて… |先輩は、私のかけがえの無い人です。 先輩のためなら何だってできる。 |先輩は…? 誰かや…私のために、立ち上がれますか? |先生、ありがとう。 |ウソつかないこと、怖がらないこと、 立ち上がること、信じること… |先生が教えてくれた… |先生も、一人じゃないって信じて… |駄目よ、悠ちゃん。 眠るのはまだ早いわ… |少し疲れたのね… でも、まだあなたを待ってる人がいる… |大事な誰かのために、 あなたは、本当にできることをしたかしら? |ごめんね、悠。 こんなときに支えてあげられなくて… |生きるって…泥臭くて、カッコ悪くて、 ツライばっかりで… |とても一人じゃ、戦えないよね… |でもね、一人ぽっちの人なんていないよ… 大事な人を守ってきたキミなら、分かるよね… |ほら、待ってる人がいる… |先生… |ううん、本当は、 まだ高校生の男の子なんだよね… |辛かったね… 大変だったね… |でも…大切な人を守れるって、幸せだよね… 私、その幸せを先生に教えてもらったわ… |センセイ… |クマは…センセイを守る。 |クマ、センセイに命もらったから… センセイが大事だから… |クマはひとりぽっちじゃないね… センセイも、ひとりぽっちじゃないね… |ひとりじゃできないこと、きっとできる… |ね、お兄ちゃん… |菜々子を、おいてっちゃうの…? |菜々子、いい子にするから… |行っちゃ、やだ… |行っちゃ、やだよ… |お兄ちゃん… |>絆を真に深めた相手の心が 力に変わる… |>“イザナギ”は “伊邪那岐大神”へと転生した! |>いつもと様子が違う… |>イゴールの姿が見当たらない。 マーガレット|ようこそ、ベルベットルームへ。 マーガレット|こうして二人で会うのも何度目かしら。 マーガレット|やはり…大きな意味のある 出会いだったようね。 マーガレット|…覚えているかしら。 マーガレット|ベルベットルームは、 招かれる客人の心と不可分… マーガレット|景色も、住人の姿も、その時々の客人の 数や定めに応じて、主に選ばれ、変わりゆく… マーガレット|でも私の前任の者は、それとは全く違う理由で ここから居なくなったの。 マーガレット|誰に命じられた訳でもない…自分の意思で、 自分の目的を遂げる為に“彼女”は出て行った。 マーガレット|私達住人にとって、それは絶対に起こり得ない 事だわ…私は訳を知りたいと思った… マーガレット|ベルベットルームの住人は、皆、自分が何者かを 探る定めにある…それはあの子も同じ。 マーガレット|それをなぜ急に投げてしまったのか… 私にはそれが一番の疑問だった。 マーガレット|でも…そもそも前提が 間違いだったのかも知れない。 マーガレット|“答えを見つけた”のかも知れないわね。 だからここを出て行った… マーガレット|なら、私の役割は、闇雲に連れ戻す事じゃないわ。 マーガレット|あの子の得たものが何だったのか。 そして…この私は何者なのか。 マーガレット|私が貴方から得るものは、 恐らく、そういうとても大切なものだわ。 マーガレット|だから運命は、ただ語らうだけの客人ではなく、 優れた“力”をもつ貴方を連れてきた… マーガレット|主の客人としてではなく、 貴方自身に申し入れるわ。 マーガレット|私と…手合わせして頂けないかしら。 マーガレット|もちろん、強制はしないわ。 貴方にそこまで付き合う理由は無いもの。 マーガレット|それに、ぶつかれば…貴方の定めの糸を 私が切ってしまうかも知れない。 マーガレット|でも出会いは、常に双方に変化をもたらすもの。 勝利すれば、貴方も必ず何かを得られる筈よ。 マーガレット|よく考えて決めてちょうだい。 マーガレット|そして…もし受ける意思が固まったなら、 これを持って、私の元へいらっしゃい。 |>マーガレットから招待状を受け取った。 |>“天国の最果てにて待つ” と書かれている… マーガレット|また会いましょう。 マーガレット|前任者の名前は…エリザベス。 マーガレット|私の妹よ。 マーガレット|私の本当の目的は、あの愚かな子の 目を覚まさせて、連れ戻すこと。 マーガレット|だから訳を知る必要があったの。 貴方はその手掛かりをくれそうな気がした。 マーガレット|でも…今は逆に分からなくなったわ。 マーガレット|あの子の選択が、 本当に“愚か”だったのかどうか… マーガレット|来たのね… マーガレット|あの後、主に聞いたわ。 マーガレット|エリザベスも、前の客人だった少年に、 同じく“手合わせ”を頼もうとしていたそうよ。 マーガレット|実際にやったのかどうかまでは 分からないけれど。 マーガレット|フフ…“愚かな妹”だなんて言って、 血は争えないわね… マーガレット|…準備は万全かしら? |万全だ |ちょっと待って マーガレット|“力を司る者”として… 最大級の敬意とともに、お相手するわ。 マーガレット|言葉による語らいの先にあるものを… 私に見せてちょうだい。 マーガレット|納得いくまで支度をしてくれて結構よ。 でないと、意味がないわ。 マーガレット|戦いの中で…いつかあの子が言った “おとぎ話”を思い出したわ。 マーガレット|出て行く前…エリザベスが私に話したの。 マーガレット|世界の果てに、自らを封印のくびきに投じた、 一人の少年の魂が眠っている… マーガレット|命の輝きを見失った人々が世界を自滅へ誘うのを、 その魂は、身を挺して防いでいる… マーガレット|自分は、それを救いに行くんだって。 マーガレット|正直、どんなおとぎ話かと思ったわ… でも、あの子は真剣だった。 マーガレット|一人で無理なら、その魂と絆を結んだ者たちと 力を合わせる…彼らは奇跡を起こすんだって。 マーガレット|もしかしたら…あれは本当の事で、 その為にあの子、出て行ったのかも知れない… マーガレット|きっと…今の私と同じ事に気付いたんだわ。 マーガレット|力を統べる住人である私に、 人間の貴方が打ち勝つ… マーガレット|貴方が見せてくれたものは“可能性”。 マーガレット|自分が何者かを探す者は、 それを続ける限り“何者でもない”… マーガレット|それは空虚ではなく可能性…自分で いかようにも決められるという事。 マーガレット|だから、エリザベスは“決めた”のね。 マーガレット|力づくでも連れ戻す気でいたけれど… あの子を止めるのは、やめにするわ。 マーガレット|途方も無い願いだけれど…幸い、私たち “住人”にとって時の束縛は緩やか… マーガレット|たとえ1つの時代では時が足りず、遠い未来の 事になっても…あの子は必ず遂げるでしょう。 マーガレット|そこまであの子に想われた“少年”… フフ、少し興味あるわね。 マーガレット|見事な勝利だわ。 マーガレット|そしてありがとう、悠。 マーガレット|貴方は、今までに出会った誰よりも、 私の魂を震わせた。 マーガレット|これは敬意の証…受け取ってちょうだい。 マーガレット|それだけの力と意志… 貴方なら、どんな障害も越えていける。 マーガレット|この先、もしも貴方が限界を感じ、壁を 越えられないと思ったなら、それは甘えよ。 マーガレット|今日の勝利を思い出しなさい。 マーガレット|心配しなくていいわ。 マーガレット|たとえ全てを失っても… 貴方の魂に孤独は訪れない。 マーガレット|そうなったら…エリザベスがしたように、 私も貴方にしてあげる。 マーガレット|それじゃ…私も本来の職務に戻るわ。 マーガレット|また会いましょう。 イゴール|…お目覚めですかな? イゴール|謎は深まり…霧もまた、 深まって参りました… イゴール|これ以上のドライブは危険というもの… イゴール|旅をおやめになるか… あるいは来た道をお戻りになるか… イゴール|この上は、そうした決断も、 必要でございましょうな… |>目の前の景色が暗くなってゆく… |1週間前へ戻る |タイトルへ戻る |>どうしますか? |生は真実、片時も夢ならず。 もとより誰もが知る… 真実とは、選び取るもの… 眼差しと意志とで、見出されるもの。 それを得てこそ、己も真実となる。 過去と未来を結ぶ糸たりうる。 けれど今、客人の定めは途切れ、 未だ真実は、霧深き虚ろの森の中… |>物語を始める前に、 バトルの難易度を選択してください。 |NORMAL |BEGINNER |EXPERT |>“NORMAL”は、ゲームに慣れた 一般プレイヤーの為の難易度です。 |>この難易度を選ぶことで、 今作独特の緊張感を楽しむことが出来ます。 |>これ以降、難易度の変更は行えませんが、 “NORMAL”で始めてよろしいですか? |はい |いいえ |>“BEGINNER”は、 戦闘攻略に不慣れなプレイヤーや… |>戦闘攻略に時間を割けない プレイヤーの為の難易度です。 |>“NORMAL”に比べ、 戦闘の難易度が下がるほか… |>ゲームオーバー時に、10回までの “コンティニュー”が可能となります。 |>また、この難易度を選ぶことによる、 シナリオ進行の制限はありません。 |>これ以降、難易度の変更は行えませんが、 “BEGINNER”で始めてよろしいですか? |はい |いいえ |>“EXPERT”は、戦闘攻略に慣れた 上級プレイヤー向けの難易度です。 |>“NORMAL”に比べ、 戦闘の難易度が上がります。 |>これ以降、難易度の変更は行えませんが、 “EXPERT”で始めてよろしいですか? |はい |いいえ |>それでは、ごゆっくり 本編をお楽しみください。 |>話し声が聞こえる。 |今日から運動部に入れるんだって! どこにしようかなー。 |あんたそれ、去年も一昨年も 言ってなかったっけ? |そうだっけ? |でも、残念だけど部活は控えよっと。 なんたって、今年は受験だし! |今のうちに、合格祈願に行く神社、 お母さんと選んどかないとなぁ。 |商店街の神社、 なんか寂れてて、怪しいしさ… |それに、あの神社、 何かが住みついてるって噂… |…ほんとかな? |今日から文化部に入れるんだよねー。 |運動部に入ってても大丈夫だし、 どこに入ろうかなー。 |あれ? 結局、運動部入ったの? その上、文化部まで入る気なの? |あんた、合格祈願し終えて 安心しきってるんじゃないでしょーね…? |やっぱ大学入ったら サークル活動じゃん!? |その為にも、今から部活もやって 人としての魅力を磨いておかないとね! |日曜日にさ、テレビで通販番組やってるじゃん? あれだけは外せないよねー。 |ミッチ、好きだよねー、ああいうの。 |前買ったの何だっけ… ゴテゴテしたキワドい水着? |あんなの何に使うワケ? |何って、決まってるじゃない。 ウフフフ… |ようやく衣替えだねー。 |気分一新! だね。 |でも、梅雨になったらまた涼しく なっちゃうのかな? |大丈夫なんじゃん? |今年は空梅雨でそんなに雨降らない みたいだしね。 |明日から、いよいよ夏休みだな! |なのに、この雨だもんな。 予報じゃ一晩中降るってさ。 |まあ、明日朝には上がるらしいけど。 |俺、予定いっぱいあんだよ。 一気にスカッと夏空になんないかなー。 |登校ダリィ… 果てしなくダリィ… |一ヶ月前まで、俺はホントに 毎朝こんな事してたのか…? |いいご身分ね。 こっちはずっと受験勉強だってのに… |それより、例の連続殺人の犯人、 捕まってよかったわね。 |少年だったってのは、 ちょっと驚いたけど。 |あー、警察の記者会見、 俺もさんざっぱら見たっスよ。 |もういい加減飽きたけど。 |ここ2、3日ずっと雨続きだったけど、 今日の午後くらいにようやく上がるってさ。 |おー、まじ? なら、何とかセーフだな。 |いやホラ、来週頭、赤い日で休みじゃん? 俺、彼女と沖奈の方行く約束しててさ。 |雨だったらどうしようかって 思ってたんだよ、ハハハ。 |雨よ、止むな! |降り注げ! 滝のように!! |明日から中間試験か… 果てしなくダリィ… |先輩、よく毎度マジメに 取り組んでますよねー。 |こんなんホントに将来の役に立つんすか? |あんたの役には立たないかもね。 |それより、朝から傍で ダルいダルいって言わないでくれる? |ああ、けど試験済んだら、文化祭か。 |今年は1年に珍しいのが何人か入ったから、 去年よりかは盛り上がるかもなー。 |んー、なんか雲ぶ厚いなぁ。 |明日から、また天気崩れるらしっすよ。 |え、もしかして、また霧…? 勘弁してよもう… |遅くまで自習して帰りが暗い日とか、 ほんとに怪我するっての! |なら、明日から先輩、 俺と一緒に帰りましょーよ? |霧…ずっと晴れないよね。 なんか気持ち悪いなぁ… |え、そう? 特に困らないじゃん。 |毒だって言うけど、私は体調悪くないし… 気にしすぎじゃない? |なんか元々こういう世界だった、っていうかさ。 当たり前に思えばいいんだって。 |うーん、そういえばそっか。 |…休んでる子とか増えてるけど、 大丈夫だよね。 |あーあ、こんなんじゃ部活出来ないよな。 体調悪い奴も増えたし、参るぜ。 |霧って一体いつ晴れるんだ? |えー、でも先輩、やる気ない人も 来なくなったじゃないですか! |今残ってるメンバーだけで 十分ですよね。 |案外、霧のおかげかもしれませんよ! |え? |…まぁ、確かにそうかもしれねーけど。 |この霧…どんどん濃くなってない? なってるよね!? |やっぱり…世界の終わりなのかな!? そんな話、してる人いたよね!? |ねぇねぇ、どんなのだと思う? やっぱ地震? それとも洪水? |えー…何も起きないって。 霧もいつもの事じゃん。 |それに、何かあっても国のエラい人とかが なんとかしてくれるんじゃないの? |えー、それは確かにそうだけどさぁ。 |あ! |怪獣は? 宇宙人ってのもアリかも! テレビで見た気がする! |ウチの兄貴が昨日、倒れたんだよ… 病院行っても原因が分からないし… |親が言ってるんだけど、 どうも毒霧のせいらしいんだよな… |原因なんてどーでもいいだろ? それより、耳寄りな情報があるんだよ! |オレ、霧の力を中和できる ヒーリング会ってのに入ったんだ! |近所でもけっこう評判でさ。 みんなも入ってるみたいなんだぜ。 |お前も来いよ。 兄貴の体も、絶対良くなるって! |ちょっ、それ詳しく教えてくれよ!! |あー、どうなるかと思ったぜ。 オレも最近具合悪い気がしててさぁ。 |でもヒーリングなら大丈夫だよな! 近所でも評判なら、大丈夫だよな! |なんか霧が濃いのにも慣れてきたよねー。 何も見えないのがフツー、っていうか。 |こうなってから分かったんだけど、 隣の人が分からない方が、気楽だよね~。 |前はさ、先生に聞かれたら、とか 色々考えてたけど… |今はこの霧のおかげで、 誰が誰だか分からないじゃん? |それはそうかもね。 この霧も慣れると楽になってきた感じ。 |体調が悪いって人はいるけど、 自分とは関係ないしさ。 |世界の終わりってのも、 なんだか楽しそうな気がしてきた。 |あははは、そうだよね。 何が起きるか!? ってね。 |まるでバラエティ番組みたいだもんね。 深夜によくやってる感じのアレ。 |最近、変だけど面白い番組やってて けっこう楽しいよね。 |番組表に載ってないヤツとかさぁ… |僕さ…見えちゃったんだよね。 マヨナカテレビで。 |この霧の中から黒っぽい怪物が わらわら出て来て、町を埋め尽くすんだ… |町じゅうそいつらだらけになって… 霧を吸った人間も、次々と… |最後に映ってた人の顔が、 なんか、僕そっくりで… |ヤバいよ、気持ち悪いよ… どうしたらいいんだろう…? |みんなが怪物に…? |それ、すごくねぇか? みんなが怪物になっちまうなんて、すげー! |なんかの番組みたいじゃん! どんな気分なんだろうな!? |え、どんな気分? |あ、でも…みんな一緒になってたもんな。 それだったら…いいかも。 |みんな一緒に変わるんだったら、 今までと変わらないもんな! |あはは、なんか悩んでるのが バカらしくなってきた! |今日もすげぇ霧だなぁ。 こりゃ、部活は今日も無理だろな。 |前は部活しねーと学校の意味ねー、って 思ってたけど…当たり前になってきたなぁ。 |意外と部活がない方が、 色々気にしなくてもいいから、楽じゃねぇ? |あー、いっそ晴れるな! ずっとこのままでいてくれ、霧! |あ、それ分かります! |隣の人の顔も見えないくらいの霧って… 話してる時、反応気にしなくていいですもんね。 |見えなかったら、何もないと同じだし、 何言っても大丈夫って感じ…しません? |あー、分かる分かる。 他人とかどうでも良くなるよな。 |前は色々気にしてたけど、今は全然 気にしなくていいんだもんな。 |こういうのって、初めてだけど 悪くねぇよな~。 |うー… なんか、頭イテェ… |やべーな、とうとう霧のせいか? それとも前、テレビで見た…ん? |先輩、どしたんスか? なんかいつもより暗くねぇ? |クラスの奴から聞いてますよー。 どーせまた徹夜で勉強っしょ。 |…だって、みんなも勉強してるんだから 仕方ないじゃない。 |それに、あの問題集が解けたら もう受験は心配ないって先生が言うんだもん! |まーたまた、どうせ世界は終わるんスよ? 知らないんスか、先輩。 |みーんな言ってますもん。 受験勉強も終わり終わり! |あー…それよりオレの頭っスよ。 超イテェ。 |やっぱ霧のせいなのかなぁ… でも仕方ないよなー、霧は晴れないモンなんだし… |あー、今日もいい天気… アンタの顔もよく見えないわ。 |なんか、霧もこうやって続くと 安心してくるわよねー。 |霧がないままで、今までどうやって 生活してたのかしらね? |前は一挙一動に、一喜一憂だったけど。 今は普通に話せるもんね。 |…え、なんスか…? なんか言いました…? |なーによ、ノリ悪いわねぇ。 まだ頭、痛いの? |でもまぁ、大丈夫だって。 今日も霧出てるし、いつも通りだもん。 |そういえばテレビでも、もうすぐ 世界が終わるとか言ってたよね。 |本当になるのかなぁ。 何が起こるんだと思う? |なんだか楽しみになってきちゃった! 早く終わらないかなぁ…ウフフ。 |なんかさ、天気おかしくない? 天気っていうか、霧。 |なんか一向に晴れる気配ナシじゃん。 |あー、でも大丈夫なんだろ? なんかテレビで偉い人が言ったらしいぜ。 |あ、でも毒だって言う話も聞いたな。 すげー猛毒らしいぜ!? しかも原因不明! |…あー、なんか話してたら 具合悪くなってきた。 |大事取って帰ろっかな~。 |お前のは単に、来週から期末試験だから ダルいってだけだろ。 |>話し声が聞こえる。 |今日から運動部に入れるんだって! どこにしようかなー。 |あんたそれ、去年も一昨年も 言ってなかったっけ? |そうだっけ? |まあ、今年は受験だし、 残念だけど部活は控えるとしようかな。 |雨、嫌だねー。 夕方まで降るらしいけどさー。 |嫌っていえば、来週の月曜から中間テスト。 |結果貼り出されるしさ… |気にしなーい、気にしない。 |たかが紙っぺらで決まるほど、 人生は小さくないぞよ? |ぞよ? って、あんた… 何の根拠があって言ってんの… |ていうか、成績がいいと 人間関係に色々とメリットあるよ? |デキる人は、やっぱりみんな 一目置くだろうからさ… |日曜日にさ、テレビで通販番組やってるじゃん? あれだけは外せないよねー。 |ミッチ、好きだよねー、ああいうの。 |前買ったの何だっけ… ゴテゴテしたキワドい水着? |あんなの何に使うワケ? |何って、決まってるじゃない。 ウフフフ… |週末から“林間学校”だな。 |ああ、だなー。 |つーか、作業ばっかで 全く“名ばかり”だけどな。 |あー、なんかサボる手、ねーかなー。 |よし、後で作戦会議して考えようぜ。 |明日から、いよいよ夏休みだな! |なのに、この雨だもんな。 予報じゃ一晩中降るってさ。 |まあ、明日朝には上がるらしいけど。 一気にスカッと夏空になんないかなー。 |…つっても、俺、予定ないんだけどな。 |しいていうなら…毎週日曜にやってる、 “時価ネットたなか”の通販みるくらいかな。 |あれ、なんか知らんけど、 つい、買っちまうんだよな… |あなたの~、テレビに~、ってやつ。 お前も見たことあるだろ…? |登校ダリィ… 果てしなくダリィ… |一ヶ月前まで、俺はホントに 毎朝こんな事してたのか…? |いいご身分ね。 こっちはずっと受験勉強だってのに… |それより、例の連続殺人の犯人、 捕まってよかったわね。 |少年だったってのは、 ちょっと驚いたけど。 |あー、警察の記者会見、 俺もさんざっぱら見たっスよ。 |もういい加減飽きたけど。 |ここ2、3日ずっと雨続きだったけど、 今日の午後くらいにようやく上がるってさ。 |おー、まじ? なら、何とかセーフだな。 |いやホラ、来週頭、赤い日で休みじゃん? 俺、彼女と沖奈の方行く約束しててさ。 |雨だったらどうしようかって 思ってたんだよ、ハハハ。 |雨よ、止むな! |降り注げ! 滝のように!! |明日から中間試験か… 果てしなくダリィ… |先輩、よく毎度マジメに 取り組んでますよねー。 |こんなんホントに将来の役に立つんすか? |あんたの役には立たないかもね。 |それより、朝から傍で ダルいダルいって言わないでくれる? |ああ、けど試験済んだら、文化祭か。 |今年は1年に珍しいのが何人か入ったから、 去年よりかは盛り上がるかもなー。 |んー、なんか雲ぶ厚いなぁ。 |明日から、また天気崩れるらしっすよ。 |え、もしかして、また霧…? 勘弁してよもう… |遅くまで自習して帰りが暗い日とか、 ほんとに怪我するっての! |なら、明日から先輩、 俺と一緒に帰りましょーよ? |霧さ…何だか出る度に だんだん濃くなってない? |私の気のせい? |あ、思う? 私も実はそう思ってた。 |て言うかさ、聞いた? 霧のせいで、 体おかしくする人増えてるって。 |道端で、いきなりうずくまって 動かなくなっちゃうの。 |知ってる、知ってる。 て言うかさ… |来がけに、さっき見かけた人… 実はそれじゃなかった…? |くっそ…毎日霧がこんなじゃ、 部活無くなっちまうよ。 |町も毎日、体調がどうのって奴らで 騒がしいし… |そう言えば先輩…覚えてます? |今年あった連続殺人って、確か “霧の日に死体が見つかる”って… |まさか…あれも今の騒ぎと 裏で関係あるんですかね!? |いや、流石にそりゃ飛躍しすぎだろ… |ああもう! 都会の大学でも入って、 さっさと引っ越したいよ! |この霧さ…どんどん濃くなってない? なってるよね!? |何なのコレ… |やっぱり、ホントに世界の終わりなの!? |や、やめてよ! アンタまでそんな、 霧でおかしくなった人みたいな話…! |病気とか、終末とか、そんなの噂よ! 流されちゃダメだって! |そんな事言ったって! |じゃあこのおかしな霧、 どう説明すんの!? |学校に来ない子まで 増え出してるんだよ…? |ウチの兄貴がさ… 昨日、倒れたんだよね… |霧で人間が体調崩すなんて、 そんなの絶対デマって思ってたのに… |でも、病院行っても毒とかは 特に見つからなくて… |それほら。 “病は気から”ってやつじゃね? |実はオレ…霧の力を中和できる ヒーリング会ってのに入ったんだ。 |お前も行かないか? 兄貴の体も、きっと良くなるって! |お前… |どうしよう… |私のクラス、あと二人休んだら 学級閉鎖んなるって… |でも霧って空気みたいなモンじゃん! 空気吸わないで、生きられないじゃん! |何これ!? どうなってんの!? |いいじゃん… よしなって、ヒステリー起こすの。 |私さ…思ったんだ。 |考えて霧が晴れる訳じゃないんだから、 色々考えるのよそうって。 |楽になるよ… |エ、エリ…? |そう言えばあんた…部活の方のバッグは? 大会近いからって、あんなに… |ちょっと、エリ、聞こえてる…? |僕さ…見えちゃったんだよね。 マヨナカテレビで。 |町がいつのまにか霧で 外から隔離されて… |霧の中から黒っぽい怪物が わらわら出て来てさ… |町じゅうそいつらだらけになって… |霧を吸った人間も、 次々と同じ怪物に変わってくんだ… |きっとあれ、現実だよ… |そ、そんなの、まだ何も 決まってないだろーが! |お前、縁起でもないこと… |ハハ、こんな話で 何をそんなマジに焦ってるわけ? |もしかして… 君も、マヨナカテレビで見えたんでしょ…? |世の中の終わりがさ… |ハハ…諦めなよ。 僕ら、もう助からないんだって… |この霧って、いつまで晴れないと思う? |ていうか、晴れると思う? |晴れてた頃の町って、どんなだっけ…? |なんかさ…晴れなくたって、 別にどうでもいいのかもな。 |そんな、先輩… |そんな事…言わないでください…よ… |はは…レギュラーの半分が入院して、 残り半分は頭がヘンになってんだぜ? |この上、何を目指すわけ? |て言うか…俺の頭もヘン? |ま、どうでもいいか。 はははは。 |うぅ…なんか、頭イテェ… |てか先輩…さっきから、どしたんすか? いつになく暗いけど。 |町こんななのに、まだ受験一筋っすか? それ、なんつーか… |うるさい!! |父さんと母さん… 揃って…様子がヘンで… |おかしな事言い出して… |もう…わけわかんない… |そう…すか… |……。 |うぅ…頭イテェ… |ねえ…カズ。 |…大丈夫だから。 |あんた、ほんとバカで、怠け者で、 どうしようもない後輩だけどさ… |私がいるから… |あ……う…… |人より勉強してたつもりが… 頭で考えてなかったの、私の方だね… |受験、受験って突っぱねてないで… 少しはあんたの相手すればよかった… |流されてた…本当はどうしたいか、 自分の頭で考えてなかった! |ごめん…ごめんね… |なんかさ、天気絶対おかしくない? 天気っていうか、霧。 |ただの霧なら別にいいけど、 具合悪くなるって、ホントだと思う? |そういう噂、実は前から 言ってる人居たらしいじゃん。 |あー…なんか話してたら 具合悪くなってきた。 |大事取って帰ろっかなー。 |お前のは単に、来週から期末試験だから ダルいってだけだろ。 里中 千枝|おはよう… 里中 千枝|今晩からついに降り出すみたい。 里中 千枝|ハァ…天気こんな四六時中気にすんの 生まれて初めてだよ… 里中 千枝|夜もあんまり眠れないし。 “気象ノイローゼ”とかになりそう… |大丈夫? |必ず助けよう 里中 千枝|ちょっと自信ない… 里中 千枝|けど、くじけちゃダメだよね。 里中 千枝|うん… わかってる… 里中 千枝|急ごう。 里中 千枝|おはよう… 里中 千枝|ついに今日からテストっすねぇ… 里中 千枝|現実は厳しいっすねぇ… |勉強した? |諦めが肝心 里中 千枝|うう… この顔色から察して欲しいですよ… 里中 千枝|…けど、テスト終わっても、 まだ事件は終わってないんだよね。 里中 千枝|気が重いのが続くなあ… 里中 千枝|うう… 爽やかに切り捨てられた… 里中 千枝|しかもさ、テストが終わっても、 まだ事件は終わってないんだよね。 里中 千枝|気が重いのが続くなあ… 天城 雪子|あ、鳴上くん。 おはよう。 天城 雪子|午後から、雨が降り出すって… 天城 雪子|そろそろ、急いだ方がいいんじゃないかな? |そうだな |まだ大丈夫 天城 雪子|うん。 天城 雪子|頑張ってね、リーダーさん! 天城 雪子|でも、さらわれてから、 もうすぐ2週間になるよ… 天城 雪子|完二くん…大丈夫かな。 天城 雪子|おはよう、鳴上くん。 天城 雪子|林間学校、明日からだね。 天城 雪子|私たち同じ班だけど、 ご飯は何を作ろうか? 天城 雪子|ねえ、放課後にみんなで 買出しに行かない? |ぜひ行こう |任せた 天城 雪子|うん。 天城 雪子|じゃあ、千枝と花村くんにも 声かけとくね。 天城 雪子|でも、味の好みが分からないと 迷っちゃうし… 天城 雪子|千枝と花村くんには 私から声かけとくから…ね? 巽 完二|うす、先輩… ふぁぁぁ… 巽 完二|あー、すんません。 まだ目、スッキリ覚めてねえもんで… 巽 完二|そう言や来がけ、なんか商店街の辺が、 普段と違う感じだったっスね… 巽 完二|ザワついてるってぇか… 何かあんスかね? |事件の臭いがする |気のせい 巽 完二|“臭いがする”って…クマみてえスね。 巽 完二|別にケーサツ沙汰って風じゃ なかったスけど。 巽 完二|学校でも訊いてみっか… 巽 完二|んー…そうなんスかね。 巽 完二|学校でも訊いてみっか… 花村 陽介|よう、鳴上。 花村 陽介|実感湧かないぜ… 担任が“殺された”なんてさ。 花村 陽介|昨日…あんま寝れなかったよ。 花村 陽介|お前は大丈夫か? |大丈夫だ |気が滅入る 花村 陽介|まあ…これで凹んじまってたら、 犯人捕まえらんねえもんな。 花村 陽介|けど、そっか。 てことは、担任が新しくなるのか。 花村 陽介|誰だろうな… 花村 陽介|…まあ、モロキンより濃いヤツなんて そう居るわけないか。 花村 陽介|仕方ねえよ。 誰だってそうだ。 花村 陽介|…けど、てことはつまり、 担任が新しくなるのか? 花村 陽介|誰だろうな… 花村 陽介|…まあ、モロキンより濃いヤツなんて そう居るわけないか。 里中 千枝|うぅぅ… 里中 千枝|あ、おはよう… 里中 千枝|ねえ…あれからさ、 勉強どんくらいやった…? 里中 千枝|てか…勉強やった? |もちろん |そっちは? 里中 千枝|そっすか… そっすよね… 里中 千枝|てかあたし、前の試験の時も 似たようなこと訊いた気がする! 里中 千枝|やばい… 里中 千枝|もしかして、あたし今… 人として、割とマジに駄目な子…? 里中 千枝|ふぁ、ファイト! あたし! 里中 千枝|あははははは。 あたし? 里中 千枝|…察したまえよ… 里中 千枝|こうなったら、せめて前のめりに散るさ! 坂本リョーマみたいに! 里中 千枝|…あれ、シンセン組だっけ? 花村 陽介|うっす、鳴上! 花村 陽介|なあ、お前の前居た学校ってさ、 文化祭、どんな出し物があった? 花村 陽介|実はウチの文化祭さ、 イベント盛りだくさんなんだよ! 花村 陽介|学校の行事のなかじゃ、 けっこう、楽しみじゃないか? |楽しみだ |そうでもない 花村 陽介|だろ? いろいろと、盛り上がってほしいよな! 花村 陽介|なんだよ…テンション低いなー。 花村 陽介|オレとしては、いろいろと盛り上がりそうで 楽しみなんだけどな! 久慈川 りせ|あ、せーんぱい。 おはよう! 久慈川 りせ|先週は楽しかったね。 文化祭に、みんなでお泊まり! 久慈川 りせ|嬉しかった…私、そういう体験、 もう無いだろうって思ってたから。 久慈川 りせ|…あ、けど予報見た? 週末からまた天気崩れだすみたい。 久慈川 りせ|マヨナカテレビ、要チェックだね。 久慈川 りせ|しばらく晴れ続きで見れなかったから、 意外なものが映ったりするかも。 |注意しよう |心配ない 久慈川 りせ|うん。 久慈川 りせ|世間は解決ムードだけど、 真犯人、まだ捕まってないんだもんね。 久慈川 りせ|確かにテレビで話題になった人とか、 特に居ない感じだけどね。 久慈川 りせ|でも、一応、気をつけておこう? 真犯人まだ捕まってない訳だし。 天城 雪子|あ、おはよう、鳴上くん。 天城 雪子|いよいよ、本当の犯人との戦いだね。 天城 雪子|正直“あの足立さんが”っていう ショックな気持ち、まだあるけど… 天城 雪子|でも私…あの人の言ってる事…した事… 絶対許せない。 |平気か? |必ず勝とう 天城 雪子|あ、うん。 ありがとう、心配してくれて。 天城 雪子|私なら大丈夫。 天城 雪子|菜々子ちゃんの体の事も心配だし、 あの人にこれ以上、好き勝手させられない! 天城 雪子|私たちでやり遂げなきゃ。 …でしょ? 天城 雪子|うん。 私も負けない。 天城 雪子|菜々子ちゃんの体の事も心配だし、 あの人にこれ以上、好き勝手させられない! 天城 雪子|決着つける。 みんなの為にも…私自身のためにも。 白鐘 直斗|先輩、お早うございます。 白鐘 直斗|この頃、よく会いますね。 白鐘 直斗|足立の言葉…覚えてますか? 白鐘 直斗|“この町は今年の暮れ近く、 霧の中に消える”って… 白鐘 直斗|人がさらわれている訳じゃないですが、 今回も“日限”は意識すべきかも知れません。 白鐘 直斗|準備も大切ですが、 急いだ方がいいでしょう。 |そうだな |日限…? 白鐘 直斗|足立の言葉が全て本当なら、 今回は全ての人の命が懸かってます。 白鐘 直斗|もはや殺人事件なんてレベルじゃない… 白鐘 直斗|止めましょう! 何としても! 白鐘 直斗|どの日かまでは、流石に。 白鐘 直斗|天気がカギかとも考えましたが、 今では毎日が霧のようなものですし… 白鐘 直斗|ただ、足立の言葉が全て本当なら、 今回は全ての人の命が懸かってます。 白鐘 直斗|止めましょう! 何としても! 里中 千枝|おはよう、鳴上くん。 里中 千枝|今日もう19日か… 間もなく今年も終わりだね。 里中 千枝|長かったような… 一瞬だったような… 里中 千枝|なんか、最近…町の人の様子、 いよいよ洒落んならなくなってきたけどさ… 里中 千枝|でも、ついにここまで来たね。 あたしたちで、犯人突き止めたね! 里中 千枝|後はもう…最後の仕上げだけ。 里中 千枝|足立のやつ、絶対ふん縛ってやる! そうすれば町も、きっと戻る気がする。 里中 千枝|絶対勝とう! たのむよ、リーダー! |まかせろ |頼りにしてる 里中 千枝|お、頼もしい~! 里中 千枝|出来る事あったら、何でも言ってね。 里中 千枝|鳴上くんやみんなと一緒なら、 あたし、百人力なんだから! 里中 千枝|おーよ、何でも言って来んさいッ! 里中 千枝|鳴上くんやみんなと一緒なら、 あたし、百人力なんだから! 里中 千枝|おはよー! 里中 千枝|ねえねえ! 雪子、明後日には学校来られるって! 里中 千枝|やぁ、良かった。 ホント良かったよー! |千枝のお陰だ |自分のお陰だ 里中 千枝|そんな。 三人で頑張ったからだよ。 里中 千枝|…あ、三人と“一匹”? 里中 千枝|う… 強気っすね、リーダー… 里中 千枝|えー、あたしだって頑張ったよー!? 花村 陽介|よう、鳴上! 花村 陽介|天気予報じゃ、しばらくは、 霧の心配はなさそうだよな。 花村 陽介|いつもどおり焦らないで、 がっちり鍛えながら、いこうぜ! |落ち着いていこう |とにかく急ごう 花村 陽介|ああ、焦ったら負けだ。 花村 陽介|霧の日までの時間をうまく使って、 確実に助け出そうぜ! 花村 陽介|焦って、失敗したらどうする? 敵もだんだん手ごわくなってる。 花村 陽介|霧の日までの時間をうまく使って、 確実に助け出そうぜ! 花村 陽介|うーす、鳴上。 花村 陽介|見ろよ、この天気。 花村 陽介|なんなんだコレ…絶対異常だろ。 聞いた事あるか、こんなの? 花村 陽介|今日から期末だけど、 正直こりゃ、テストどころじゃねえよ。 花村 陽介|どうなっちまうんだ、一体? |心配だ |惑わされるな 花村 陽介|霧が体に悪いって話、最初は絶対デマだと 思ってたけど、患者どんどん増えてるよな。 花村 陽介|それ以外にも、色々と妙な噂 広まり出してるし。 花村 陽介|くそ…ヤな感じだぜ。 花村 陽介|お、おう。 そうだな、すまねえ。 花村 陽介|根拠もなく不安がってちゃ、 俺らも同じんなっちまうか。 花村 陽介|でも“霧が体に悪い”ってだけじゃなくて、 色々と妙な噂広まり出してるよな。 花村 陽介|…ヤな感じだぜ。 花村 陽介|うす、鳴上。 花村 陽介|そうだ、言おうと思ってたんだ。 花村 陽介|“テレビに入る”なんて芸当、 出来るようになったワケだけどさ。 花村 陽介|お前、テレビ“映ってる”状態で、 手ぇ突っ込んでみた事ある? 花村 陽介|て言うか、“マヨナカテレビ”が 映ってる最中に画面触ったりしてみたか? |試した時の事を話す |興味はない 花村 陽介|お、流石じゃんリーダー! 試したのか! 花村 陽介|でも、そっかー、やっぱ映ってる場所へ 行けちゃったりはしないかぁ。 花村 陽介|つー事は、映ってる天城の場所へダイレクトに 行こうって作戦も、ムリって事だな… 花村 陽介|あれが“向こうの世界が映ってる”みたいな モンなら、もしやと思ったんだけどな… 花村 陽介|けど、考えてみりゃ道理か。 花村 陽介|“場所と場所で繋がってる”んだもんな。 なのにマヨナカテレビはみんなが見れる。 花村 陽介|矛盾するよな。 花村 陽介|やっぱどんなに危険でも、例の“お城”に 正面から突っ込むしかないか… 花村 陽介|でも、天城はもっと辛い筈だ。 弱音吐いてらんないよな! 花村 陽介|まあ聞けって。 花村 陽介|俺さ、思いついたんだよ! 花村 陽介|テレビに入る力で“映ってる場所”へ 行けちゃったりしないのかなってさ。 花村 陽介|そしたら、天城の居る場所へショートカットで 行けちゃうかも知れないだろ? 花村 陽介|あれが“向こうの世界が映ってる”みたいな モンなら、可能性あるかもって… 花村 陽介|…って、あー、けど、そっか… 花村 陽介|あー…スマン。 多分ムリだわ、この作戦… 花村 陽介|“場所と場所で繋がってる”んだもんな。 なのにマヨナカテレビはみんなが見れる。 花村 陽介|矛盾するよな… 花村 陽介|やっぱどんなに危険でも、例の“お城”に 正面から突っ込むしかないか… 花村 陽介|でも、天城はもっと辛い筈だ。 弱音吐いてらんないな! 花村 陽介|よう、鳴上。 花村 陽介|今日、午後からは晴れるってな。 花村 陽介|てことは、ひとまずは霧の心配はないな。 花村 陽介|霧が出んのは、いつも決まって、 雨が数日続いた後の明け方だ。 |しばらくは大丈夫だ |天気予報に気をつけよう 花村 陽介|おう。 花村 陽介|あせらず、しっかり準備して、 必ず、助けような! 花村 陽介|おう。 頼りにしてるぜ、リーダー! 里中 千枝|おはよー! 里中 千枝|ねえねえ! 雪子、明後日には学校来られるって! 里中 千枝|やぁ、良かった。 ホント良かったよー! |千枝のお陰だ |自分のお陰だ 里中 千枝|そんな。 三人で頑張ったからだよ。 里中 千枝|…あ、三人と“一匹”? 里中 千枝|う… 強気っすね、リーダー… 里中 千枝|えー、あたしだって頑張ったよー!? 花村 陽介|おす、鳴上! 花村 陽介|この雨、午後には上がるらしい。 花村 陽介|まだ、大丈夫そうだけど、 しっかり気ぃ張っとこうぜ? |そうだな |力み過ぎるな 花村 陽介|しばらくは雨はなさそうだし、 みんなで着実に進もうぜ。 花村 陽介|わかってる。 流石に、少しは慣れたよ。 花村 陽介|しばらくは雨はなさそうだし、 みんなで着実に進もうぜ。 里中 千枝|おはよ、鳴上くん。 里中 千枝|今日、一日ずっと雨だって。 里中 千枝|明日までは続かないらしいから、 いっきなり霧は、出ないはずだけど… |しばらくは大丈夫 |やっぱり心配? 里中 千枝|そうだね。 里中 千枝|けど今回は、マヨナカテレビの内容、 かなりシンドイっぽいし… 里中 千枝|私たちも、しっかり準備して、 “全開”んなる前に、助けたいよね! 里中 千枝|う、うん。 里中 千枝|今回は、マヨナカテレビの内容、 かなりシンドイっぽいし… 里中 千枝|…でも、焦りは禁物だよね。 里中 千枝|私たちも、しっかり準備して、 “全開”んなる前に、助けたいよね! 巽 完二|あよざーす、先輩。 巽 完二|この雨、明日もキッチリ 降りやがるみてえっスね… 巽 完二|てえか、霧どうのっての抜きにしても、 ジメジメしてウゼェったらねえぜ。 巽 完二|けど、こらマジに霧出ちまうコースかもな。 急がねえと… |そうだな |焦るな 巽 完二|うす! おし…気合い入れて行かねえと。 巽 完二|う、うす! それも一理あるっスね。 巽 完二|けど、霧が出ねえにしたって、 早いに越した事ぁねえっしょ。 巽 完二|“向こう”は、オレのガタイでさえ、 あんだけバテたんだ。 巽 完二|芸能人だかの細っこい体にゃ、 きっと倍もシンドい筈っス。 巽 完二|急いどきましょう、先輩。 里中 千枝|あ、居た! 鳴上くん! 里中 千枝|やっぱ、止まないよコレ。 ヤバいよ、今度こそ霧だって! |すぐ救出に行こう |焦るな 里中 千枝|うん! 里中 千枝|じゃ、今日の放課後ね! 里中 千枝|んな事言ってる場合じゃないって! 里中 千枝|今日行かなくて、もし明日が霧なら、 それで即、手遅れなんだよ? 里中 千枝|しっかりしてよリーダー! 里中 千枝|放課後、集まろう? 天城 雪子|あ、おはよう、鳴上くん。 天城 雪子|ねえ、天気予報は見た? 天城 雪子|今日は午後には晴れるらしいけど、 明日は終日雨でしょう、だって。 天城 雪子|マヨナカテレビ…念のため チェックしておいた方がよくない? 天城 雪子|指名手配は出されてるけど、 元々は警察の手に負えない犯人のはずだし。 |チェックしよう |警察を信じたい 天城 雪子|うん。 天城 雪子|みんなにも伝えよう? 天城 雪子|それは私もそう。 このまま解決ってなって欲しい。 天城 雪子|でも、手ごわい犯人だし、 万が一って事もあると思う。 天城 雪子|一応、チェックするだけしてみよう? 花村 陽介|おう、鳴上! 丁度いいとこで会った。 花村 陽介|この雨、午後には止むらしいけど、 予報じゃ明日また降るらしい。 花村 陽介|思った通りだ… やっぱ秋は若干雨っぽいんだよ。 花村 陽介|気をつけたほうがいいかもな。 |そうだな |焦るな 花村 陽介|あいつも絶対シンドいはずだし、 注意しないとな… 花村 陽介|わかってるって。 花村 陽介|けど、あいつも絶対シンドいはずだ。 注意しないとな… 巽 完二|お、先輩じゃねっスか。 うす! 巽 完二|雨、けっこう久々っスね。 巽 完二|けどこの雨、予報じゃ 夜通し降るらしっスよ。 巽 完二|見とかねえと。 マヨナカテレビ。 |そうだな |何が映るだろう 巽 完二|真犯人がまだ居ること、 オレらしか知らないワケっスよね? 巽 完二|考えてみりゃ、ケーサツ出張ってた頃より 気合い入れてかからねえとな… 巽 完二|とりあえず、今のところ、 これといって怪しいこと起きてないスよね。 巽 完二|けど、油断はできねえス。 巽 完二|真犯人が他に居る事は オレらしか知らねえんだ… 巽 完二|ケーサツ出張ってた頃より、 むしろ気合い入れてかからねえと… |>話し声が聞こえる。 |町の掲示板に、バイトの募集が貼られてたって! |どっかに楽で儲かるバイトないかなぁ。 |そうね…あんた“根気”が足りないから、 じっくり取り組む仕事とか無理そうだしね。 |ひっどーい! |いいもん。 きっとバイトやればアップするもん! |そっちこそ、“寛容さ”が足りなくて 共同作業とか向いてないんじゃない? |来週から期末テストか… ハァ… |せ~んぱい、なんか暗いっすね。 |そういうの体に良くねっすよ? 終わりゃ、すぐ夏休みなんだし。 |お黙り、下級生。 こっちは受験生よ? |アンタも早く3年に上がって、年中試験前 みたいなこの空気を味わうがいいわ。 |そう言えば、今日からあれでしょ? “全面的に地デジ”なんでしょ? |なんかしないと困るのかな? 今朝、テレビで散々言ってた! |あー、えっと… |一言でいうと、 アンタん家は、もう大丈夫。 |え…そうなの? |え、何が変わったの…? |なんかさ、町なかで警察 すっかり見なくなったねー。 |ニュースだと、まだ疑問な点もあるって 風なのに、警察は完全に事件たたむ気だね。 |事件って、例の殺人事件? そんなのいつまで気にしてんのよ。 |それよか、木曜から修学旅行だよ? 1、2年合同! |アタシ実は、班分け“りせちー”と 一緒になりそうでさ! |も、超楽しみなんですけど!! |なによ、あんたアイドルなんて 長年からっきし興味無かったくせに… |ねえねえ、テレビ見た? “探偵王子の素顔”ってやつ! |直斗クン、かーっこいいよね! |アレは確かに、ちょっと掴まれるね… “美少年探偵”だもんね。 |カワイイのに、影があって、 クールっていうか… |今日、学校来てるかな!? |来週の土日は文化祭だねー。 |でも噂じゃ、まだお題も決まってない クラスあるんだってさ。 |ありがちー。 |すったもんだして、なのに結局“休憩所” とかになるパターンだねー。 |準備期間、あと1週間か… また気合い入れてかないと。 |霧でおかしくなる人さ… なんか、どんどん増えてない? |ごっついマスク付けてる人まで 見かけるし… |て言うか、体調もそうだけどさ… なんかヘンな事言い出してる人居ない? |世紀末がどうのとか、 地球温暖化は人間の原罪が…とか。 |あ、あのさ… |そういうの、放っとくと、 どうなっちゃうのかな… |実はね… 昨日から…ウチのパパがさ… |ねえねえ、聞いた!? マヨナカテレビの噂! |なんか、この町が廃墟になってる映像 見たって子が居るんだって! |え、私の友達なんか、町が霧で完全に 閉ざされて、陸の孤島になるの見たって! |しかも、霧の中から怪物が湧くの! |て言うかさ…気付いた? 霧が晴れなくなってからさ… |マヨナカテレビ…人によっては 雨じゃなくても見えるみたい… |もしかして、あたしらの町… どんどんヤバい状況んなってる!? |町の掲示板に 新しいバイトの募集が貼られてたよ! |家庭教師の日給が凄く良かったなぁ。 |…あんた“知識”が足りなくて 家庭教師はムリなんじゃない? |なにそれ! |でも残念でしたー。 |家庭教師のバイトに必要なのは “寛容さ”だったもんね。 |おさげの女子生徒 いや、結局足りてないんじゃん? |>話し声が聞こえる。 |町の掲示板に、バイトの募集が貼られてたって! |どっかに楽で儲かるバイトないかなぁ。 |そうね…あんた“根気”が足りないから、 じっくり取り組む仕事とか無理そうだしね。 |ひっどーい! |いいもん。 きっとバイトやればアップするもん! |そっちこそ、“寛容さ”が足りなくて 共同作業とか向いてないんじゃない? |来週から期末テストか… ハァ… |せ~んぱい、なんか暗いっすね。 |そういうの体に良くねっすよ? 終わりゃ、すぐ夏休みなんだし。 |お黙り、下級生。 こっちは受験生よ? |アンタも早く3年に上がって、年中試験前 みたいなこの空気を味わうがいいわ。 |そう言えば、今日からあれでしょ? “全面的に地デジ”なんでしょ? |なんかしないと困るのかな? 今朝、テレビで散々言ってた! |あー、えっと… |一言でいうと、 アンタん家は、もう大丈夫。 |え…そうなの? |え、何が変わったの…? |なんかさ、町なかで警察 すっかり見なくなったねー。 |ニュースだと、まだ疑問な点もあるって 風なのに、警察は完全に事件たたむ気だね。 |事件って、例の殺人事件? そんなのいつまで気にしてんのよ。 |それよか、木曜から修学旅行だよ? 1、2年合同! |アタシ実は、班分け“りせちー”と 一緒になりそうでさ! |も、超楽しみなんですけど!! |なによ、あんたアイドルなんて 長年からっきし興味無かったくせに… |ねえねえ、テレビ見た? “探偵王子の素顔”ってやつ! |直斗クン、かーっこいいよね! |アレは確かに、ちょっと掴まれるね… “美少年探偵”だもんね。 |カワイイのに、影があって、 クールっていうか… |今日、学校来てるかな!? |来週の土日は文化祭だねー。 |でも噂じゃ、まだお題も決まってない クラスあるんだってさ。 |ありがちー。 |すったもんだして、なのに結局“休憩所” とかになるパターンだねー。 |準備期間、あと1週間か… また気合い入れてかないと。 |霧でおかしくなる人さ… なんか、どんどん増えてない? |ごっついマスク付けてる人まで 見かけるし… |て言うか、体調もそうだけどさ… なんかヘンな事言い出してる人居ない? |世紀末がどうのとか、 地球温暖化は人間の原罪が…とか。 |あ、あのさ… |そういうの、放っとくと、 どうなっちゃうのかな… |実はね… 昨日から…ウチのパパがさ… |ねえねえ、聞いた!? マヨナカテレビの噂! |なんか、この町が廃墟になってる映像 見たって子が居るんだって! |え、私の友達なんか、町が霧で完全に 閉ざされて、陸の孤島になるの見たって! |しかも、霧の中から怪物が湧くの! |て言うかさ…気付いた? 霧が晴れなくなってからさ… |マヨナカテレビ…人によっては 雨じゃなくても見えるみたい… |もしかして、あたしらの町… どんどんヤバい状況んなってる!? 花村 陽介|うーす…鳴上。 花村 陽介|昨日は雨が降ったけど、 霧が出る気配は全然なかったな… 花村 陽介|しばらくは天気も崩れないみたいだし、 ちょっとの雨くらいなら、大丈夫そうだよな。 花村 陽介|…けど、夜になるとドキドキして、 すぐに寝れないってこと…ないか? |なかなか寝れない |いつも快眠だ 花村 陽介|はは、やっぱ、お前もか。 それ聞いて、ちょっと安心した。 花村 陽介|とにかく、あせらず慎重に行こうぜ、 な、リーダー! 花村 陽介|マジ!? さ、流石リーダーって感じ? 花村 陽介|とにかく、あせらず慎重に行こうぜ。 里中 千枝|おー、おいす! 里中 千枝|ねえ、マヨナカテレビ、 次は誰が映るのかな? 里中 千枝|今日は、夕方は雨らしいけど、 夜までは続かないみたいだね。 里中 千枝|てか日頃さあ、一人の時、 事件の推理とかしてる? 里中 千枝|ほんとは考えなきゃいかんよねー。 でもあたし、そういうの苦手で… 里中 千枝|鳴上くんはどう? |推理は得意 |考え事は苦手 里中 千枝|いいなぁ。 里中 千枝|やっぱ、得手不得手があるよね。 あたしはほら、バトル担当で。 里中 千枝|こういう待ちの時こそ、 ガンガン、鍛えて準備しとこうよ! 里中 千枝|あたしも! 考えるより先に体が動くってやつね。 里中 千枝|得手不得手があるよね。 あたしはほら、バトル担当で! 里中 千枝|こういう待ちの時こそ、 ガンガン、鍛えて準備しとこうよ! 久慈川 りせ|あ、先輩だ! おっはよー! 久慈川 りせ|珍しいね、朝、先輩と二人になるのって。 もっとあればいいのに。 久慈川 りせ|あ、そうだ先輩。 今日、午後から雨だって。 久慈川 りせ|けど、明日までは続かないみたい。 これって、霧出る条件じゃないよね? 久慈川 りせ|救出、ちゃんと力つけて、 準備していかなきゃね、先輩? |その通りだ |焦っちゃだめだ 久慈川 りせ|私も協力する。 久慈川 りせ|直斗くん、私たちを信じて 体張ったんだもん。 久慈川 りせ|ちゃんと助けてあげようね。 久慈川 りせ|うん、そうだよね。 久慈川 りせ|まあ、先輩がリーダーなら、 大丈夫だよね。 久慈川 りせ|直斗くん、私たちを信じて 体張ったんだもん。 久慈川 りせ|ちゃんと助けてあげようね。 里中 千枝|おはよう、鳴上くん。 里中 千枝|今週から、いよいよ中間だね… 里中 千枝|そうだ、ねえねえ! 今日の放課後、みんなで勉強会しようよ! |困ってない |助け合い? 里中 千枝|う… そ、そうでございますか。 里中 千枝|なら、どうかここはひとつ、 人助けと思って! 里中 千枝|みんなには、あたしから声かけとくからさ! お願い! 里中 千枝|うんうん、助け合い。 里中 千枝|…ハイ。 あたしが一方的に助けてもらう側です。 里中 千枝|お願い! 人助けと思ってさ! みんなには、あたしから声かけとくから! 天城 雪子|おはよう、鳴上くん。 天城 雪子|土曜から、いよいよ文化祭だね。 天城 雪子|鳴上くんも、準備手伝ってね。 一緒にがんばろう? |わかった |文化祭が楽しみ? 天城 雪子|ウチの組、お題が決まるの遅かったし、 それに柏木先生も忙しそうでしょ? 天城 雪子|遅れないように、がんばらないと。 天城 雪子|…て、あ! 別に“合コン”頑張ろうって ことじゃないからね! 天城 雪子|ほんとだよ!? 誤解、だめだよ!? 天城 雪子|今年は暗いニュースが多かったでしょ? だから、こういう時に取り戻さないと。 天城 雪子|…て、あ! 別に“合コン”楽しみって ことじゃないからね! 天城 雪子|ほんとだよ!? 誤解、だめだよ!? 白鐘 直斗|先輩、おはようございます。 白鐘 直斗|予報、見ましたか? 午後から雨のようです。 白鐘 直斗|しかも明日まで降り続くらしい… 白鐘 直斗|失踪からもうすぐ2週間… 流石に急がないと。 |そうだな |焦るな 白鐘 直斗|生田目の事に加えて、菜々子ちゃんが 衰弱に耐えられるのかも気がかりです。 白鐘 直斗|一刻も早く向かいましょう! 白鐘 直斗|先輩のそういう冷静さは、 僕も尊敬する部分です。 白鐘 直斗|でも今回は状況が状況だ… 白鐘 直斗|生田目の事に加えて、菜々子ちゃんが 衰弱に耐えられるのかも気がかりです。 白鐘 直斗|一刻も早く向かいましょう! 巽 完二|うっス、先輩。 朝会うの久々っスね。 巽 完二|しっかし…真犯人が現職の警官たぁな… 恐れ入ったぜ。 巽 完二|だが、もう迷う所は何もねえ。 ただ行って、そんでブッ潰すだけだ。 巽 完二|気合い入れてこうぜ、先輩! |もちろんだ |万全に準備して行こう 巽 完二|待ってろよ、足立の野郎… 巽 完二|マジモンのセメントってのを 骨身で分からしてやんよ!! 巽 完二|ああ、そっスね! 巽 完二|今回は誰を助けるんでもねぇ。 仕置きだ。 巽 完二|待っていやがれ…マジモンのセメントってのを 骨身で分からしてやんよ!! 久慈川 りせ|あ、おはよ、先輩! 久慈川 りせ|いよいよ、最後の戦いだね。 久慈川 りせ|なんかね、最近、こっちに来るって 決めた時のこと…よく思い出す。 久慈川 りせ|ふふ。 静かに自分を見つめ直そう、 みたいに思ってこっち来たのに。 久慈川 りせ|でも、後悔なんてしてないよ。 久慈川 りせ|良かった。 先輩たちと会えて。 |こっちこそ |必ず勝とう 久慈川 りせ|足立なんかに負けてらんないもん! 久慈川 りせ|絶対倒して、捕まえよう? 最後まで、精一杯サポートするから! 久慈川 りせ|勝って、菜々子ちゃんに いい報告聞かせてあげよう? 久慈川 りせ|もっちろん! 久慈川 りせ|私たちしか戦えないのに、 負けらんないでしょ! 久慈川 りせ|頑張ろ、先輩。 私も、最後まで精一杯サポートする! 久慈川 りせ|菜々子ちゃんに いい報告聞かせてあげよう? 花村 陽介|よ、鳴上。 おはようサン! 花村 陽介|最近、朝なかなか明るくなんねーと思ったら、 明日もう“冬至”なんだな。 花村 陽介|1年で一番“夜が長い”日… 花村 陽介|けど、その先はもう明るくなる一方だ。 花村 陽介|人の様子…正直もう大分おかしくなって、 学校ん中まで妙な空気だけどさ… 花村 陽介|足立の言ってた事を信じるなら、 ヤツを倒せば町はきっと助かる。 花村 陽介|年の暮れまで、もう日も無い… 決着つけに行こうぜ! |そうだな |力を貸してくれ 花村 陽介|1年間…お前がリーダーやってくれて、 ホントによかった。 花村 陽介|最後も頼りにしてるぜ! 勝とうな、必ず! 花村 陽介|はは、今さら何言ってんだ。 花村 陽介|もちろんだよ、リーダー。 花村 陽介|最後も頼りにしてるぜ! 勝とうな、必ず! 里中 千枝|おはよー。 里中 千枝|ねえ、天気予報みてる? 週の後半から、天気が崩れだすんだって! 里中 千枝|もしかして、霧がでたりするのかな…? |どうだろう |諦めるな 里中 千枝|必ず…必ず助けようね! 里中 千枝|…うん、わかってる! 必ず…必ず助けようね! 里中 千枝|お、鳴上くん。 おはようさん。 里中 千枝|そうそう、あたし最近“向こうの世界”に行くと よく思うんだけどさ。 里中 千枝|なんかシャドウたち…どっかで見た事ある 形のヤツがいない? 里中 千枝|ほら、アニメに出てくるロボットみたいなのと 戦った事もあるじゃん? 里中 千枝|鳴上くんは、その辺、気にならない? |言われてみれば気になる |興味はない 里中 千枝|あたしらから出たシャドウも、なんか テレビっぽいテロップ背負ってたりしたじゃん? 里中 千枝|同じ理由でテレビっぽいのかも。 里中 千枝|クマくん前に、“あっち側”は、あたしらの セーシンと関係あるとか言ってたでしょ? 里中 千枝|マヨナカテレビ見てる人たちも、あたしらも、 テレビの中の事って思い続けてるからかも。 里中 千枝|……。 里中 千枝|それとも、あたしらの心の中って、 もともと想像以上にテレビ漬けなのかな…? 里中 千枝|ん~…否定できん部分はあるなぁ… 里中 千枝|“洋画ロードショー”が香港モノだと つい必ずチェックしちゃうしな… 里中 千枝|う…話をバッサリ切りましたね? 里中 千枝|まあ、どのみち倒しちゃうから、 いいんだけどさ。 里中 千枝|おはよう… 里中 千枝|今晩からついに降り出すみたい。 里中 千枝|ハァ…天気こんな四六時中気にすんの 生まれて初めてだよ… 里中 千枝|夜もあんまり眠れないし。 “気象ノイローゼ”とかになりそう… |大丈夫? |必ず助けよう 里中 千枝|ちょっと自信ない… 里中 千枝|けど、くじけちゃダメだよね。 里中 千枝|うん… わかってる… 里中 千枝|急ごう。 天城 雪子|おはよう。 天城 雪子|雨だね。 夜までには上がるらしいけど。 天城 雪子|私が“向こう”に居た間は、 鳴上くんたち、きっと雨の度に… 天城 雪子|…あ、ご、ごめんなさい。 暗くなっちゃうよね。 天城 雪子|そうだ、明日からゴールデンウィークだけど、 予定はあるの? |家族サービス |ジュネスに… 天城 雪子|そ、そっか、大変だね。 天城 雪子|でも、お休み中はずっと晴れみたい。 天城 雪子|せっかくなんだし、ずっと平和だといいけど、 でも事件はまだ解決してないんだよね… 天城 雪子|時々は“向こう”に行って、 力をつけるようにした方がいいかもね。 天城 雪子|お休み中はずっと晴れみたい。 天城 雪子|せっかくなんだし、ずっと平和だといいけど、 でも事件はまだ解決してないんだよね… 天城 雪子|時々は“向こう”に行って、 力をつけるようにした方がいいかもね。 花村 陽介|うっす、鳴上。 花村 陽介|雨、午後には晴れるみたいだな。 花村 陽介|天気予報じゃ、霧出んのはまだ、 当分先みたいだな。 |今回も余裕だ |今回は心配だ 花村 陽介|おう。 頼りにしてるぜ、リーダー。 花村 陽介|ま、悠長すぎんのも、 どうかとも思うけどさ… 花村 陽介|とにかく、お前の力、 頼りにしてんだからさ。 花村 陽介|しっかり頼むぜ、リーダー。 花村 陽介|お、鳴上。 朝から雨だな。 花村 陽介|次のマヨナカテレビに誰が映るか、 気になるけど… 花村 陽介|今日は夜までに、 雨は上がりそうだってさ… |今は待つしかない |夜は降らない方がいい 花村 陽介|そうだな。 焦ったっていいことないしな。 花村 陽介|こういうときこそ、 あそこで鍛えといたほうがいいかもな。 花村 陽介|ま、たしかにおかしなものが見えない方が、 いいに決まってるけどさ… 花村 陽介|こういうときこそ、 あそこで鍛えといたほうがいいかもな。 花村 陽介|うっす、おはようサン。 花村 陽介|なあ、予報見たか? この雨、まだ続かないってよ。 花村 陽介|“霧”はまだ、当分先だな… 準備するなら今のうちってとこか… |そうだな |なにか気になるのか? 花村 陽介|お…おう。 花村 陽介|ス、ストリップとか、 気になんかなってないぞ? 花村 陽介|いつもどおり、焦らずいこうぜ。 な、リーダー! 花村 陽介|え? いや、ただ… 花村 陽介|“りせちーがストリップ”とか… 花村 陽介|“救助が長引けば、もしかして…”とか… 花村 陽介|わ、わ、ダメだって! 何を言ってんだ、オレは!? 花村 陽介|助けてやれるのは、俺達だけなんだ。 しっかり、きっちり助けてやんねーとな! 里中 千枝|あ、鳴上くん。 おはよ。 里中 千枝|ねえ、例の指名手配の“少年”って、 どんな子かな。 里中 千枝|捜査どうなってんだろ。 んー、気になる。 里中 千枝|てか、気になると言やぁ… 来週から試験だねぇ… 里中 千枝|あ~でも、捜査の行方気になって 勉強なんて手につかなくない? |惑わされるな |どのみち勉強しない 里中 千枝|う… はい、そうですね… 里中 千枝|超正論すね… 里中 千枝|あはは、ぶっちゃけたねー。 けど、そんなもんだよねー。 里中 千枝|もしかして…からかった? 花村 陽介|お、ういーす! 花村 陽介|この雨、どうも午後には上がるらしい。 花村 陽介|やれやれ…何とか“セーフ”だな。 花村 陽介|けど、またいつ降り出すか分かんねえ。 救出、今のうちにスパートかけようぜ? |分かってる |まだ大丈夫だ 花村 陽介|先輩として、後輩にばっかり いいカッコさせらんないしな。 花村 陽介|それに、きっとアイツ、色々掴んでる筈だ。 早くその話も聞きたいしな。 花村 陽介|いや、急いだ方がいいって。 花村 陽介|“秋の長雨”なんて言葉もあるし、今頃は 晴れ間は少ないと思っといた方がいい。 花村 陽介|それに直斗のやつ、色々掴んでる筈だ。 早くその話も聞きたいだろ。 巽 完二|あ、先輩!! ちっと!! 巽 完二|またまた雨っスよ!? ヤベエだろいい加減!? |すぐ救出に向かおう |焦りは禁物 巽 完二|おう! じゃ、即、今日っスね!! 巽 完二|直斗のやつ… くたばってねえだろうな… 巽 完二|なんだよ! 何をそんな待ってんだよ! 巽 完二|先週からこっち、スッキリ晴れた時間なんざ ほんのちょっとだったろ!? 巽 完二|今まで大丈夫だったんが 不思議なくらいだ! 巽 完二|先輩、リーダーっしょ!? そろそろキメねえとマズいっしょ!? 白鐘 直斗|あ… おはようございます、先輩。 白鐘 直斗|来週末から定期試験ですが、 どうも身が入りませんね。 白鐘 直斗|真犯人は別にいる… 僕らしかそれを知らない… 白鐘 直斗|僕らが行動しない限り、事件は 正しい解決へは向かわないんですから。 |試験も大事だ |自分も身が入らない 白鐘 直斗|別に、大事じゃないとは言ってません。 ただ、落ち着かないんです。 白鐘 直斗|僕らにしか出来ないのに、 僕らの方からは動きようがない… 白鐘 直斗|とにかく今は、犯人の出方を 待つしかないでしょう。 白鐘 直斗|それと、雨の夜にはマヨナカテレビを 忘れずにチェックしないと。 白鐘 直斗|ここからが正念場ですよ。 白鐘 直斗|それは困ります。 白鐘 直斗|先輩の成績が目立って落ちると、 堂島さんに不審がられるかも知れません。 白鐘 直斗|先輩は、事件のためにも、 ぜひ試験頑張ってください。 白鐘 直斗|とにかく今は、犯人の出方を 待つしかないでしょう。 白鐘 直斗|それと、雨の夜にはマヨナカテレビを 忘れずにチェックしないと。 白鐘 直斗|ここからが正念場ですよ。 花村 陽介|うす、鳴上。 花村 陽介|今日、一日雨らしいぜ。 花村 陽介|けど、まだ続かないみたいだけどな。 花村 陽介|きっちり準備して、 この事件、なんとかしてやろうぜ! |もちろんだ |焦りは禁物だ 花村 陽介|ああ。 花村 陽介|しかも、生田目のヤツまでセットときてる。 何しでかすか分からねえからな。 花村 陽介|霧はまだ先だと思うけど、 いつもどおり、慎重にいこうぜ! 花村 陽介|もちろん、わかってる。 花村 陽介|しかも、生田目のヤツまでセットときてる。 何しでかすか分からねえからな。 花村 陽介|霧はまだ先だと思うけど、 いつもどおり、慎重にいこうぜ! 里中 千枝|あ、居た、鳴上くん! 里中 千枝|ねえ、予報じゃ今夜も、 それに明日も、ずっと雨だってよ!? 里中 千枝|菜々子ちゃん、 助けに行かないでいいワケ!? |すぐに向かう |落ち着け 里中 千枝|うん。 みんなにもそう伝える。 里中 千枝|菜々子ちゃん… 無事だといいけど… 里中 千枝|何その反応!? 違うでしょ! 里中 千枝|心配じゃないの!? さらわれてから2週間だよ!? 里中 千枝|明日にも霧かも知れなくて、 おまけに生田目の事だって… 里中 千枝|しっかりしてよ! お兄ちゃんでしょ!? 花村 陽介|うす、鳴上。 花村 陽介|今日、一日雨らしいぜ。 花村 陽介|けど、まだ続かないみたいだけどな。 花村 陽介|きっちり準備して、 この事件、なんとかしてやろうぜ! |もちろんだ |焦りは禁物だ 花村 陽介|ああ。 花村 陽介|霧はまだ先だと思うけど、 いつもどおり、慎重にいこうぜ! 花村 陽介|もちろん、わかってる。 花村 陽介|霧はまだ先だと思うけど、 いつもどおり、慎重にいこうぜ! |>昨夜は霧は出なかったようだ… |>今朝も雨が続いている… |>今朝も雨が続いている… |>今朝も雨が続いている… |>今日は憲法記念日で学校が休みだ。 |>真夜中の雨は、いつやってくるのだろう… |>今日から木曜日まで、1学期の中間テストだ。 |>学校へ急ごう… |>今朝も雨が続いている… |>昨夜は霧は出なかったようだ… |>今朝も雨が続いている… |>今朝も雨が続いている… |>今日から、一泊で林間学校だ。 |>集合場所へ急ごう… |>今朝も雨が続いている… |>昨夜は霧は出なかったようだ… |>昨夜は霧は出なかったようだ… |>今朝も雨が続いている… |>今日から週末まで、1学期の期末テストだ。 |>学校へ急ごう… |>週末までバイトが入っている。 |>ジュネスへ急ごう… |>週末まで、夏期講習だ… |>学校へ急ごう… |>バイトは今日で最後だ。 |>そういえば、明日は夏祭りだ… |>講習は今日で最後だ。 |>そういえば、明日は夏祭りだ… |>今日は夏祭り。 |>たしか、みんなと約束をしてる… |>今日から2学期だ。 |>学校へ急ごう… |>今日から2泊3日の修学旅行だ。 |>行き先は、辰巳ポートアイランドだ。 |>旅行も終わり、平和な日曜日の朝だ。 あれから、何も起きていない… |>今日はどうしようか… |>今朝も雨が続いている… |>今日から来週の木曜日まで、 2学期の中間テストだ。 |>学校へ急ごう… |>いよいよ今日から文化祭だ。 |>クラスの出し物は成功するだろうか… |>学校へ急ごう… |>昨夜は霧は出なかったようだ… |>今朝も雨が続いている… |>今日から週末まで、2学期の期末テストだ。 |>学校へ急ごう… |>今日は町で捜査をすることになっている。 |>真犯人に繋がる情報が掴めるだろうか… |>何やら、悪夢を見たような気がする… |>何だったのだろうか… |>……。 |>今日から学校だ。 とりあえず、居間へ向かおう… |>すべきことは全てやった… 今は菜々子の回復を待つだけだ。 |>学校へ急ごう… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は休みだ。 |>今は雪子の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今朝も雨が続いている… |>今日は昭和の日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今朝も雨が続いている… |>今日は昭和の日で学校は休みだ。 |>今は雪子の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>雨の真夜中に見える“マヨナカテレビ”に、 また誰かが映るだろうか… |>今は、それを待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日はみどりの日で学校が休みだ。 |>真夜中の雨は、いつやってくるのだろう… |>今日は何をしようか… |>今日はこどもの日で学校が休みだ。 |>真夜中の雨は、いつやってくるのだろう… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>真夜中の雨は、いつやってくるのだろう… |>明日から1学期の中間テストが始まる。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、クマに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今は完二の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、クマに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今は完二の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今は完二の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>真夜中の雨は、いつやってくるのだろう… |>今日は何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、クマに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今はりせの回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、クマに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今はりせの回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>警察の捜査は進んでいるのだろうか… 今は経過を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は海の日で学校が休みだ。 |>警察の捜査は進んでいるのだろうか… 今は経過を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>警察の捜査の進展は不明だが、 今は経過を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>今朝は雨が降っていたが 午後になって上がったようだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今朝は雨が降っていたが 午後になって上がったようだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今朝は雨が降っていたが 午後になって上がったようだ… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>今日は雨だ… |>予報だと明日は晴れるので、 霧の心配はなさそうだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は雨だ… |>予報だと明日は晴れるので、 霧の心配はなさそうだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は雨だ… |>予報だと明日は晴れるので、 霧の心配はなさそうだ… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>今日は午後になってから 雨が降り始めた。 |>雨は明日まで降り続くそうだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は午後になってから 雨が降り始めた。 |>雨は明日まで降り続くそうだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は午後になってから 雨が降り始めた。 |>雨は明日まで降り続くそうだ… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>今朝も雨が続いている… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今朝も雨が続いている… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今朝も雨が続いている… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>今は警察の動きを待つしかない… |>今日は何をしようか… |>久保は犯行を認め、ついに立件された。 事件はこれで解決したのだろうか… |>もうすぐ夏祭りだ… |>夏休みも残りあとわずかだ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあとわずかだ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあとわずかだ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあとわずかだ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあとわずかだ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあとわずかだ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあと3日だ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも残りあと2日だ… |>今日は、何をしようか… |>夏休みも今日で最後だ。 明日からは2学期が始まる。 |>今日は、何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今は直斗の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は敬老の日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は敬老の日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は敬老の日で学校は休みだ。 |>今は直斗の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は秋分の日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は秋分の日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は秋分の日で学校は休みだ。 |>今は直斗の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今は直斗の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>まずは、りせに手がかりを知らせるために、 情報を集めよう… |>今日は学校が休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>今は直斗の回復を待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>手がかりが掴めない今は、 犯人の動きを待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は体育の日で学校が休みだ。 |>手がかりが掴めない今は、 犯人の動きを待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>手がかりが掴めない今は、 犯人の動きを待つしかない。 |>中間テストは来週の木曜日まで続く。 |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>手がかりが掴めない今は、 事件の動きを待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は文化祭の2日目だ。 |>今日は例のコンテストが催される… |>学校に行こう… |>天城屋旅館から 早々に引き上げてきた… |>今日は文化祭の代わりの休校日だ。 |>手がかりが掴めない今は、 事件の動きを待つしかない。 |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校は休みだ。 |>すべきことは全てやった… 今は菜々子の回復を待つだけだ。 |>今日は何をしようか… |>今朝も雨が続いている… |>今日は休日で学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>今日は何をしようか… |>今朝も雨が続いている… |>今日は休日で学校は休みだ。 |>すべきことは全てやった… 今は菜々子の回復を待つだけだ。 |>今日は何をしようか… |>今日は勤労感謝の日で学校は休みだ。 |>今は事態を静観するしかなさそうだ… |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校は休みだ。 |>今は事態を静観するしかなさそうだ… |>明日から期末テストが始まる… |>今日は何をしようか… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>暮れ近く、霧がこの世界を飲み込むというのは 本当だろうか… |>とにかく、それまでに倒さなければならない… |>今日は休日で学校が休みだ。 |>暮れ近く、霧がこの世界を飲み込むというのは 本当だろうか… |>とにかく、それまでに倒さなければならない… |>今日は天皇誕生日で学校が休みだ。 |>暮れ近く、霧がこの世界を飲み込むというのは 本当だろうか… |>とにかく、それまでに倒さなければならない… |>今日は学校が休みだ。 |>真夜中の雨は、いつやってくるのだろう… |>今日は何をしようか… |>今日は学校が休みだ。 |>何をしようか… |>旅行も終わり、平和な日曜日の朝だ。 あれから、何も起きていない… |>今日はどうしようか… |>今日は文化の日で学校は休みだ。 |>何をしようか… |>今日は学校の創立記念日で 学校は休みだ。 |>これから、町で捜査をすることになっている。 |>真犯人に繋がる情報が掴めるだろうか… |>今日は昨日の仕切りなおしだ。 |>放課後になったら、 みんなで向こうの世界へ行こう。 |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>クマに知らせるための手がかりは揃った。 クマの所へ行こう… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>クマに知らせるための手がかりは揃った。 クマの所へ行こう… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>クマに知らせるための手がかりは揃った。 クマの所へ行こう… |>今日は学校は休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>クマに知らせるための手がかりは揃った。 クマの所へ行こう… |>今日から夏休みだ。 |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>今朝は雨が降っていたが 午後になって上がったようだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>今日は雨だ… |>予報だと明日は晴れるので、 霧の心配はなさそうだ… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… |>りせに知らせるための手がかりは揃った。 テレビの世界に行ってりせに探して貰おう… |>雨が続いた後に出るという霧… それまでに充分な準備をしなければ… 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|>今日から1年間… この町で暮らすことになる… |>うまくやっていけるだろうか… |>明日からは、学校だ。 とにかく、はやく眠ろう… |>……!? |>ここは一体…? |>辺りは深い霧で覆われている… |>とりあえず、進んでみるしかなさそうだ… |>慣れない場所のせいだろうか… |>不思議な夢をみた気がする… |>そろそろ、起きる時間だ… |>町の霧…そして、もう一つの世界の霧も、 ついに全て晴らす事が出来た… |>人間の心は、嘘や偽りに惑わされない 強さもまた持っている… |>その事を、仲間と一緒に証明できた。 |>そして、これから先も… マーガレット|…もしもし。 マーガレット|ふいにお呼び止めして済みません。 マーガレット|過日、ベルベットルームにてお会いしました、 マーガレットでございます。 マーガレット|ひとつ…大切な忠告を忘れておりましたので、 お耳に入れようと思いまして。 マーガレット|ご友人を救いに向かわれる事は、 崇高な行い… マーガレット|私たちも是非後押ししたいと存じます。 マーガレット|ですがそれは、とりもなおさず、 戦いに次ぐ戦い。 マーガレット|時を争い、ただ戦いだけにまい進しても、それで 人が真に満たされる事は無いでしょう。 マーガレット|コミュニティのもたらす絆もまた、 ペルソナの力を高める大きな源… マーガレット|どうか、日々を無為に急がず、 貴方の信じる歩調を大切になさいますよう。 マーガレット|お忘れなきように。 …それでは、失礼致します。 |>マーガレットから忠告を受けた。 |>よく考えて日を送る事にしよう… マーガレット|コミュニティのもたらす絆もまた、 ペルソナの力を高める大きな源… マーガレット|時を争い、ただ戦いだけにまい進しても、それで 人が真に満たされる事は無いでしょう。 マーガレット|どうか、日々を無為に急がず、 貴方の信じる歩調を大切になさいますよう。 マーガレット|お忘れなきように。 …それでは、失礼致します。 花村 陽介|お! 当たってたな。 花村 陽介|サンキュー! |>陽介に感謝された! |>陽介に恥をかかせてしまった… |>あとで謝ろう… |今日から世界史を教える、祖父江幸子ですわ。 |特技はダウジングで練り歩くこと。 好物はミステリアス全般ですわ。 |…あと、趣味は失せ物探しですので、 困ったら、何なりと報告するように~。 |思わぬところからオーパーツが出るやも しれないし…オホホッ。 花村 陽介|……? 花村 陽介|なあなあ、鳴上。 オーパーツってなんだ? |時代に合わない加工品 |オー型のパーツ |パンツの違う言い方 花村 陽介|あら? あらあらあら? 意外に造詣の深い子ね? 花村 陽介|オーパーツに興味あるのかしら? 花村 陽介|やっぱり、超文明の思わぬ残り香って 心おどるわよね~? 花村 陽介|花村 陽介 カーメンの奴…マジ喜んでるし。 花村 陽介|鳴上、サンキューな。 |え…そうかぁ? |なんか、違う気かすんな… |>どうやら間違えたようだ… |世界史の祖父江 ちょっとそこ! お黙り! |せっかく、ピラミッド建設と宇宙人建築団の クライマックスを語ってたのに! |オーパーツも分からないんじゃ、 私の授業についてこれませんわよ? |はーいはい、静かにしんしゃーい。 授業を始めるかんなー。 |現代文の細井 現代文担当の“細井”よ。 今年はみんな楽しゅうやろな。 |どうせ皆、受験なんかしなかろ? わざわざ稲羽出なくてもええやん。 |都会のヤツと競っても、ええことないよ。 田舎が一番、一番。 |ん、じゃぁ適当に書き取りいこか。 そやなぁ、お題は…“かんぺき” |ほい! ケータイ変換に頼ってそうな、 花村ッち! 花村 陽介|は!? いや、そりゃ確かに頼ってるけど… 花村 陽介|…悪い! 鳴上教えてくれ。 |完壁 |完璧 |完癖 花村 陽介|おお、花村っちエライ! 間違える子が多いンよ、コレ。 花村 陽介|完璧というのは、傷のない玉っつー意味。 中国の故事が由来なんよ。 花村 陽介|よく“カベ”って書いちまうからね。 意味から覚えたら、忘れへんで。 花村 陽介|花村 陽介 ふ~…鳴上、助かった。 お前ってスゲェなぁ。 |えーと…こういう、字? |現代文の細井 花村っち…ケータイは控えなっせ。 書いてたら間違えんよ。 |完璧ってのは、傷のない玉っつー意味。 中国の故事が由来なんよ。 |よく“カベ”って書いちまうからね。 意味から覚えたら、忘れへんで。 |以上が、黄河文明のまとめじゃ。 では、次はメソポタミア文明であるぞ。 |メソポタミアとは“ふたつの河のあいだ” という意味のギリシャ語… |つまり、チグリスとユーフラテスに はさまれた文明、という意味なのじゃな。 |メソポタミア、インダス、エジプト、黄河… 四大文明のすべては河の側で育まれたわけじゃ。 |河の恵みが人を惹き寄せ、文化は花咲く。 中でもメソポタミアでは独特の法律が… |む!? 花村氏、お起きなさい!! 四大文明の共通点は!? 花村 陽介|ふがっ!? …え、な、ナニ? 花村 陽介|鳴上、た、頼む!! きょ、共通点って何のことだ?? |2つの河のあいだにあった |河のそばにあった |独特の法律があった 花村 陽介|ふむ、意外に話を聞いておったな。 そうじゃ、河のそばで文明は生まれたのじゃ。 花村 陽介|四大文明と河の関係は、覚える時の 役に立つので、活用するのじゃぞ。 花村 陽介|それにしても… 良かったのう、正解して。 花村 陽介|“目には目を、歯には歯を”。 …メソポタミアとは、恐ろしいのう? 花村 陽介|花村 陽介 …オレ、間違ってたらナニされてたんだ? 花村 陽介|本気で感謝な、鳴上。 次はきちんと起きてねーと… 花村 陽介|…密談してまで間違えるとは、 わらわは悲しいぞえ… 花村 陽介|四大文明は河とセットにするのじゃ。 すべて“河のそばにあった”とな。 花村 陽介|それにつけても花村氏や… 花村 陽介|“目には目を、歯には歯を”。 …メソポタミアとは、恐ろしいのう? 花村 陽介|花村 陽介 え…な、ナニ? どういう意味…? |…では、資料集の150ページ。 古代エジプトの地図をご覧あそばせ。 |前回も話したように、文明は河と共にあった… 中でもエジプトは特にそうじゃのう。 |ナイルの氾濫を知るため暦を作り、 氾濫のたび変化する土地の分配のため 測量や幾何学が発達… |自然と共に生きるために、学問は産まれた。 古代のロマンを感じるのう… |中には戦こそロマンという愚者もいる… しかし、争いで何の文化が産まれようか? |わらわの兄上も、古代文明に造詣のない つまらぬサムライであったわ… |無骨なカブトなどかぶって、みっともない。 このネメスの方がよっぽど優雅ですわ! |…む? そこ! グチをこぼしてると油断してる花村氏! |エジプトで使われていた文字を何と言うか お答えなさい! 花村 陽介|ふぉ!? 花村 陽介|え、えーと、文字? 文字って…なんだっけ…? |くさび文字 |神聖文字 |インダス文字 |甲骨文字 花村 陽介|おや、きちんと予習してたのう。 感心いたしたぞ、花村氏や。 花村 陽介|そうね、エジプトは神聖文字。 ヒエログリフとも呼ばれておる。 花村 陽介|花村 陽介 鳴上、サンキュな~! オレも予習しねぇと… 花村 陽介|渇! それは他の文明でしょう!! 花村 陽介|エジプトは神聖文字! ヒエログリフです、愚か者!! 花村 陽介|まったく…確かに無駄話をしている 時間はこのクラスにはなさそうですわ! 花村 陽介|花村 陽介 か…カーメン怖ぇ…!! 諸岡 金四郎|…以上で、パスカルのまとめとする。 ノートには取ったか? 諸岡 金四郎|聞いただけで覚えられる上等な脳みそじゃ ないんだ。 しっかりと書き留めておけよ! 諸岡 金四郎|そういえば…またカツアゲが 横行しとるそうだな。 諸岡 金四郎|まったく…貴様らは本当にロクな事をせん。 礼儀のれの字も弁えんと偉そうにしおって。 諸岡 金四郎|ロクに敬語も使えないガキが 偉そうに町にのさばるなど言語道断だ! 諸岡 金四郎|そうだな、天城…いや、 言葉の乱れきった花村陽介! 諸岡 金四郎|“殿”と“様”、どちらが敬称として 上なのか、答えてみろ! 花村 陽介|く、くそ、モロキンの野郎… 花村 陽介|鳴上、鳴上。 お前…どっちだと思う? |もちろん“殿” |もちろん“様” |両方とも同じ 花村 陽介|ほぉ…? 貴様の事を 少々見くびっていたな。 花村 陽介|いや、誰かの入れ知恵か? そういう知恵は回るからな、貴様らは。 花村 陽介|まぁ、いいだろう。 花村の言うとおりだ。 花村 陽介|“殿”は敬意は必要無いが、便宜上 なにか敬称が必要な際に使われる。 花村 陽介|主に書き言葉で使われる言葉だ。 これくらいは抑えておけよ! 花村 陽介|花村 陽介 くぉ…っ。 その通りだけどムッカつくなぁ…!! 花村 陽介|…鳴上、マジ助かった。 間違ってたら何言われてたか… 諸岡 金四郎|日本語にも不自由しとるようだな。 きちんと言葉は通じとるか? 諸岡 金四郎|いいか、貴様ら。 “様”が敬称としては上で用いられる。 諸岡 金四郎|“殿”は敬意は必要無いが、便宜上 なにか敬称が必要な際に使われる。 諸岡 金四郎|主に書き言葉で使われる言葉だ。 これくらいは抑えておけよ! 諸岡 金四郎|まったく、これだから… 案外カツアゲしてる奴と同レベルかもな。 花村 陽介|そこまで言うか? |“彼女はなんと、ロボだった”っと。 うん、ここ大事な! 丸暗記オススメ!! |…そういや腹減ったなー。 みんな、朝ごはん食べたかー? |先生、たくさん食べたけどダメ! お腹すいた! 無理!! |ある意味断食! 断食だな、今! ガハハハハ、大げさか!! |朝食といやー、Breakfastだが なんでこう言うのか知ってるか? |…よし、花村! 勘で来い、勘!! 花村 陽介|は!? か、勘って…朝メシは朝メシだろ。 花村 陽介|なぁ、鳴上… お前、…分かるか? |迅速に食べる |断食を終える |最初に壊す 花村 陽介|よく知ってたな、花村! fastには断食って意味もあるんだ。 花村 陽介|夕飯から何も食ってないだろ? 断食状態をbreakする、って事だな! 花村 陽介|このようにbreakってのは色んな意味で 使われるわけなんだがー… 花村 陽介|花村 陽介 すげぇな、鳴上って。 ありがとな、マジ助かった! |…え、そうなのか? |英語の近藤 そこ! ビークワイエット! 分かんなかったら、先生に言えよ! |答えは、断食を終える。 fastには断食って意味もあるんだ。 |夕飯から何も食ってないだろ? 断食状態をbreakする、って事だな! |このようにbreakってのは色んな意味で 使われるわけなんだがー… |来週の金曜から、中間テストだよね。 ね、みんな勉強してる? ん? |まあ、それより秋だよ、秋。 センチメンタルな恋の季節だね。 |お決まりのように並木道歩いてさ… 恋人とのあつーい…おっと、ヤボだね、ハハハ! |でも、並木と言えば…臭いよね、銀杏。 土手とか毎年掃除大変なんだよ? |あっ、そういえば…イチョウの黄色。 アレってどうして変化するか知ってる? |うーんと、そうだなぁ… 天城さんは可哀想だから、花村! 花村 陽介|天城が可哀想で、なんで俺は 可哀想じゃねんだよ… 花村 陽介|えっと…黄色くなる理由ってことだよな。 あれ、理由あんの? |緑色が老化したから |緑色が進化したから |緑色が活性化したから 花村 陽介|お、よく知ってたね~。 先生、花村を信じてたよ! ホント! 花村 陽介|葉の緑色の成分、クロロフィルが“老化”して 元々の黄色が見えてくる…これがイチョウの黄葉。 花村 陽介|変化してるように見えても、 本来のものが見えてるだけなんだよ。 ね? 花村 陽介|カエデの紅葉は、また仕組みが違うんだけど… って、これは柏木先生の分野かな。 ハハハ! 花村 陽介|花村 陽介 へえ…元々の色の方がキレイなんだな。 なんか不思議な感じだ… 花村 陽介|鳴上、ありがとな。 花村 陽介|残念、違うんだなー。 花村 陽介|葉の緑色の成分、クロロフィルが“老化”して 元々の黄色が見えてくる…これがイチョウの黄葉。 花村 陽介|変化してるように見えても、実は 本来のものが見えてるだけなんだよ。 ね? 花村 陽介|カエデの紅葉は、また仕組みが違うんだけど… って、これは柏木先生の分野かな。 ハハハ! 花村 陽介|いやー、それにしても難しかったね。 花村を当てといて良かったよ、うん。 花村 陽介|花村 陽介 山田ウゼェ… |急に寒ぅなってきたよなぁ。 この前、風邪引いてもうたわ。 |季節の変わり目はみんな気をつけるだす。 今年は霧のせいか、寒さも急やったからね。 |ほんまなぁ…風邪は難儀するっぺ。 クシャミすると、もうな、ヒゲがな… |…汚い話で悪いけど、ホンマ すごいことなったよ。 |ん、なんね。 剃ればいいのに? それは短絡すぎるっぺ。 |ヒゲにもヒゲの役割があるんよ? な、花村っち! 花村 陽介|へ… な、なに? ヒゲ…? 花村 陽介|悪い、鳴上。 何も聞いてなかった… |体内の毒素を排出する |凍傷をふせぐ |役割はない 花村 陽介|おう、その通りや! 花村っちなら 分かってくれると思ってたっぺ! 花村 陽介|ヒゲは体内に蓄積した毒物を 体外に排出するんさ。 髪の毛も一緒だっぺな。 花村 陽介|みんなもヒゲについて、もっと優しく 深く考えてあげて欲しいだす。 花村 陽介|…出すっぺかな、テスト。 花村 陽介|ぁ… ノンキだよな、細井っちは。 花村 陽介|ぁ… ノンキだよな、細井っちは。 |じゃ、ないっスかね… |現代文の細井 なんでそうなるっぺ!! 花村っち、失望したわさ!! |ヒゲは体内に蓄積した毒物を 体外に排出するんさ。 髪の毛も一緒だっぺな。 |みんなもヒゲについて、もっと優しく 深く考えてあげて欲しいだす。 |…出すっぺかな、テスト。 |あーあ、やる気出ないナ… 皆もネー、気をつけなさいネー。 |見極めを誤ると不幸ヨー。 ホント、結婚って焦っちゃダメ… |若いとネ、分からないのヨ。 間違えてからじゃないと…ネ。 |あら、ちょっと。 花村クン、バカにしてるでしょ!! |本当に結婚って大変なのヨ! 昔の人は保証金だって払ったんだからネ! |weddingなんて、最たるものよ。 語源、答えてみなさいヨ! 花村 陽介|めんどくせーな、アイツ… 生徒もタイヘンなんだよ…ったく。 花村 陽介|って、…アレ? 何聞かれてた? 教科書のどこ? 結婚の語源…とか、え? |誓約 |墓場 |賭け金 花村 陽介|そう、“賭け金”。 賭けよ? 賭け!! 花村 陽介|そんなの最初から言ってくれないと困るわヨ! もう、皆は間違えちゃダメだからネ! 花村 陽介|…テストに出したら忘れないかしら? 花村 陽介|花村 陽介 中山のヤツ、教科飛び越えてんじゃねーか… 悪い、聞いてなかったからマジ助かったよ。 花村 陽介|…ごめんな、 俺ばっかボケッとしちまってさ。 花村 陽介|違うわヨ! もう、だから危ないのヨ!! 花村 陽介|いーい? wedは“賭け金”のこと。 結婚の時に保証金を出す事から出来たのヨ。 花村 陽介|賭けなんて、最初に言っといてくれないと! もう、皆は間違えちゃダメだからネ! 花村 陽介|…テストに出したら忘れないかしら? 花村 陽介|花村 陽介 中山のヤツ、教科飛び越えてんじゃねーか… 分かるかってんだよ… |最近、誰もが世界が終わるとか 話しておるのぅ。 |ふむ…世界が終わるのは一大事じゃが、 考えてみれば歴史でも未だ迎えておらぬ危機。 |それに立ち会えるとなれば、 なんとも素晴らしい事じゃと思わぬか? |…む? |この無礼者!! なんです花村氏、先ほどからジロジロと! |何かわらわに質問でもあるのですか!? 花村 陽介|ふぉ!? ば、バレたか… 花村 陽介|い、いや、だってなぁ… あのポーズがずっと気になってよ… 花村 陽介|…お前、もしかして知ってる? あのポーズの意味。 |死んだ人物 |魔術を使える人物 |王族の人物 花村 陽介|…ほう? それを知っているとは… さすがは鳴上氏であるな。 花村 陽介|その通り。 このポーズは、王族… しかも、女性にしか許されないものじゃ。 花村 陽介|ちなみに意味は “わらわ、最高”なのじゃ。 花村 陽介|花村 陽介 カーメン、王族気取りかよ… 花村 陽介|ハハ、でも1年間の謎が ようやく解けたって感じだな? 花村 陽介|そこ! コソコソしない!! しかも間違えておるぞ!! 花村 陽介|良いか? このポーズは、王族… しかも、女性にしか許されないものじゃ。 花村 陽介|ちなみに意味は、 “わらわ、最高”じゃ。 花村 陽介|なかなか優雅であろう? 花村 陽介|花村 陽介 …いや、普通知らねぇだろ。 諸岡 金四郎|週末からは林間学校だ。 いっとくが、単なるキャンプだと思うなよ。 諸岡 金四郎|遊んで緩みきっとる貴様らの精神を ぎっちり引き締める、教育の場だからな。 諸岡 金四郎|大体だなぁ、貴様らは他人任せにし過ぎだ! 何でも他人がやってくれてると思ってないか? 諸岡 金四郎|どうせ誰かがやってくれる、 どうせいつか誰かがやる…くだらん! 諸岡 金四郎|そう、“人”という字があるな。 これの成り立ちを…ニヤけとる花村、答えろ! 花村 陽介|ニヤけられるかよ、チクショウ… っていうか、倫理関係ねぇだろ! 花村 陽介|…“人”、ってアレだよな? ドラマとかでやってたけど… 花村 陽介|でもモロキンだしな…鳴上、どう思う? “人”という字の成り立ちって… |支えあってる姿 |寄りかかってる姿 |立っている姿 花村 陽介|ほう、花村にしては… それとも鳴上の入れ知恵か? 花村 陽介|だが、そうだ。 人という字は人間が 立っている姿から作られた象形文字だ。 花村 陽介|つまりは自立! 支える、寄りかかるなど言語道断! 花村 陽介|この間殺された女共がいるだろう。 他人任せにチャラチャラした人生を 送っとるから、ああなる! 花村 陽介|同じ目に遭いたくなかったら、 心得ることだな! 花村 陽介|花村 陽介 …最低だよ。 ンな言い方あるかよ… 花村 陽介|…サンキューな、鳴上。 間違えてたら何言われてたか、って話だよ。 花村 陽介|今、まさに、他人任せの発想が 噴出した、というところだな。 花村 陽介|いいか、人という字は人間が 立っている姿から作られた象形文字だ! 花村 陽介|つまりは自立! 支える、寄りかかるなど言語道断! 花村 陽介|この間殺された女共がいるだろう。 他人任せにチャラチャラした人生を 送っとるから、ああなる! 花村 陽介|花村 陽介 ンだよ…先輩らは関係ねぇじゃねぇか。 |>陽介と少し仲良くなれた気がする… |>さらに“伝達力”が上がった! |>正しいと思われる答えを 教えてあげた。 里中 千枝|ありがと、鳴上くん! |>千枝に感謝された! |>千枝に恥をかかせてしまった… |>あとで謝ろう… |そういえば…商店街の方にね、 変な生き物が住んでるらしいワネ。 |自販機のお釣り口を漁ってるらしいわヨ。 信じられる? |お金の大切さが分かってるなんて… 動物のくせに侮れないワ。 |学生には分からないだろうけど 大切よ、お金! ないと何も出来ないワ! |正直な所、勉強できてもお金がないとネ。 でも仕事だから授業始めましょうカ。 |そうネ、この前やっていたところ… 数字の特性についてだったわネ。 |その数を除く約数の和が、その数と 等しい自然数のことなんだけど… |はい、プリントを見なさーい。 3枚目ヨー。 里中 千枝|あ、あれ? プリントがない… 里中 千枝|鳴上くん…今の話、分かる? 約数の和とその数が等しい自然数って… |素数 |完全数 |友愛数 里中 千枝|そうね、“完全数”よ。 里中サン、プリントないなら取りにいらっしゃい。 里中 千枝|さて、完全数の話の続きをするワネ。 最初の数は6、次は28…とんで496。 そして、その次はなんと8128。 里中 千枝|ちなみに、奇数の存在は確認されてないノ。 膨大な数の中でも、選ばれた数字なのヨ。 里中 千枝|はーい、続き行くわヨ。 これはメルセンヌ素数から… 里中 千枝|里中 千枝 あちゃちゃ、バレてたか… 里中 千枝|でも… ありがとね、鳴上くん! 里中 千枝|あ、そう! それ!! 里中 千枝|数学の中山 …里中サン、聞こえてるわヨ。 それに全然違うわヨ? 相変わらずネ… 里中 千枝|答えは、“完全数”ヨ。 里中 千枝|最初の数は6、次は28…とんで496。 そして、その次はなんと8128。 里中 千枝|ちなみに、奇数の存在は確認されてないワ。 膨大な数の中でも、選ばれた数字なのヨ。 里中 千枝|はーい、続き行くわヨー! これはメルセンヌ素数から… 里中 千枝|里中 千枝 あちゃー… っていうか一言余計だよ、中山。 |そういえば…商店街の方にね、 変な生き物が住んでるらしいワネ。 |自販機のお釣り口を漁ってるらしいわヨ。 信じられる? |お金の大切さが分かってるなんて… 動物のくせに侮れないワ。 |学生のうちは分からないだろうけど 大切よ、お金! ないと何も出来ないワ! |正直な所、勉強できてもお金がないとネ。 でも仕事だから授業始めましょうカ。 |そうネ、この前やっていたところ… 数字の特性についてだったわネ。 |その数を除く約数の和が、その数と 等しい自然数のことなんだけど… |はい、プリントを見なさーい。 3枚目ヨー。 里中 千枝|あ、あれ? プリントがない… 里中 千枝|鳴上くん…今の話、分かる? 約数の和とその数が等しい自然数って… |素数 |完全数 |友愛数 里中 千枝|そうね、“完全数”よ。 里中サン、プリントないなら取りにいらっしゃい。 里中 千枝|さて、完全数の話の続きをするワネ。 最初の数は6、次は28…とんで496。 そして、その次はなんと8128。 里中 千枝|ちなみに、奇数の存在は確認されてないノ。 膨大な数の中でも、選ばれた数字なのヨ。 里中 千枝|はーい、続き行くわヨ。 これはメルセンヌ素数から… 里中 千枝|里中 千枝 あちゃちゃ、バレてたか… 里中 千枝|でも…助かっちゃった。 ありがとね、鳴上君! 里中 千枝|数学の中山 …里中サン、聞こえてるわヨ。 それに全然違うわヨ? 相変わらずネ… 里中 千枝|答えは、“完全数”ヨ。 里中 千枝|最初の数は6、次は28…とんで496。 そして、その次はなんと8128。 里中 千枝|ちなみに、奇数の存在は確認されてないワ。 膨大な数の中でも、選ばれた数字なのヨ。 里中 千枝|はーい、続き行くわヨー! これはメルセンヌ素数から… 里中 千枝|里中 千枝 あちゃー… っていうか一言余計だよ、中山。 |最近、冬の空が見れんで落ち込んでたけど、 この霧空も、オツかもしれんな。 |何も見えへん、それにも良さがある… 人の顔見なくてもええんやもんな。 |なーんか先生、この霧のこと 好きになってきた気がするわ。 |おっと…ほいじゃ、授業始めよか。 この前の小説の続きやね。 |256ページ、13行目… はい、この時に動いた食指、要注意。 里中 千枝|…食指って、ナニ指のこと? オイシイ指、ってワケ? |親指 |人差し指 |薬指 里中 千枝|ん。 鳴上っち、正解! …でも聞くなら先生に聞いて欲しいダス。 里中 千枝|食指は中国の故事で、人差し指が動いたのを ご馳走にありつく前兆や、言うたのが由縁だす。 里中 千枝|食欲の湧く…転じて物事をやる気になるっつー 意味になったんよ。 里中 千枝|里中 千枝 へぇ~、そうなんだ。 人差し指にそんなチカラが… 里中 千枝|鳴上くんってスゴいね。 先生みたい! 里中 千枝|そうなんだ! へぇ…食べれるの? 里中 千枝|現代文の細井 こらこら、聞こえてるっぺよ! 正解は“人差し指”だっぺ。 里中 千枝|食指は中国の故事で、人差し指が動いたのを ご馳走にありつく前兆や、言うたのが由縁だす。 里中 千枝|食欲の湧く…転じて物事をやる気になるっつー 意味になったんよ。 里中 千枝|里中っちやったら分かってると 思ってたんやけどな~。 里中 千枝|里中 千枝 どういう意味よ… |>千枝と少し仲良くなれた気がする… |>さらに“伝達力”が上がった! |>正しいと思われる答えを 教えてあげた。 天城 雪子|ありがとう、鳴上君! |>雪子に感謝された! |>雪子は恥ずかしそうにしている… |>あとで謝ろう… |もう6月…五月病とか言ってられないぞ! 1年の巽も登校し始めたらしいし、 先輩として元気に行こうぜ! |まぁ、元気って言っても梅雨だしな。 元気に勉学ってことで頑張るぞ! |あ、でな。 この前ドラマを見てたんだが… 役者がハムでなぁ! |ああいうのが最近増えたよな、 ハハハハ! 天城 雪子|…? ねえ、鳴上君。 天城 雪子|ハムって言ってるけど、 どういう意味なのかな…? |上手な役者 |下手な役者 |美形の役者 天城 雪子|お、鳴上よく知ってたな! でも聞くなら先生にしろよ~、天城! 天城 雪子|ハムってのは、日本語で言うと大根役者だな! へったくそなヤツ、って事だ! 天城 雪子|ハムレットって知ってるだろ? 先生も名前だけ知ってる! 天城 雪子|有名だから、下手な奴ほどやりたがる… あのハム野郎め! ってことらしいな。 天城 雪子|天城 雪子 へえ…英語って面白いね。 そんな言い回しもあるんだ。 天城 雪子|鳴上君、すごいね。 私、全然知らなかった。 |そうなんだ! |英語の近藤 こら天城! 聞こえてるぞ! それに意味が全然違うしな! |ハムってのは、日本語で言うと大根役者だな! へったくそなヤツ、って事だ! |ハムレットって知ってるだろ? 先生も名前だけ知ってる! |有名だから、下手な奴ほどやりたがる… あのハム野郎め! ってことらしいな。 |>雪子と少し仲良くなれた気がする… |>さらに“伝達力”が上がった! |>正しいと思われる答えを 教えてあげた。 |>選んだ答えは正解だったようだ… |>選んだ答えは間違いだった… |ハロー! グッドアフタヌーン エヴリワン! |体育教師の近藤だ! 人がいなくてな、オレが英語を担当する! |大丈夫大丈夫、 こう見えても海外経験あるんだぞ! |1週間も旅行したら十分、十分! ツアーだったけどな、ははは! |それじゃぁ、基礎の基礎から行くぞー。 定冠詞と不定冠詞! |定冠詞は、ひとつしかないもの、 特定された名詞の前に入るんだぞ。 |不定冠詞はそれ以外って覚えておけぇ! |じゃあ、適当に鳴上! サービス問題だぞぉ! |定冠詞を答えんさい! |ア |ザ |アン |グーッド! 正解だな。 |本場じゃ意識してないって噂だけど、 教科書に載ってるんだから勉強、勉強! |はい! みんな繰り返して~ |定冠詞は、ザ! 不定冠詞は、ア! |そこの思春期ボーイズ! 恥ずかしがらずに復唱しろよな! |おいおい、しっかりしっかり。 中学レベル以前だぞぉ? |都会じゃあんまり教えないのかな? ハハハッ! |本場じゃ意識してないって噂だけど、 教科書に載ってるんだから勉強、勉強! |はい! みんな繰り返して~ |定冠詞は、ザ! 不定冠詞は、ア! |そこの思春期ボーイズ! 恥ずかしがらずに復唱しろよな! |みんな最近きちんと元気にしてる? 出てこない子、いるじゃない? ね? |美人がいないとねぇ…おっと! いやいやみんな綺麗だよ、すごく! ね? |おっと、今のは親御さんにはナイショね? 最近、先生の発言って注意しないとだからね~。 |それはそうと、面白い話を見つけたんだ。 ちょっと問題出してみようか。 |じゃぁ都会から来た鳴上くん。 |太陽系で一番高い山の名前は どれでしょーか? |富士山 |エベレスト |オリンポス山 |さっすが都会は違うねェ~! って、関係ないか。 ハハハハ。 |火星にあるオリンポス山はその標高、 なんとエベレストの3倍! |“高い山といえばエベレスト!”って 答えがちだけど、グローバルにならないとね。 |さて、じゃあちょっと息抜きした所で 各地の山とその特徴について話そうか… |うーん、残念! 問題をよーく聞いて、考えないと。 |フフフ、“太陽系”って聞いただろ? もっとグローバルな視点を持たないと! |正解は火星にあるオリンポス山。 その標高、なんとエベレストの3倍! |さて、じゃあちょっと息抜きした所で 各地の山とその特徴について話そうか… |ねぇねぇ、細井ちゃーん。 もう“弱虫先生”最新作買ったー? |現代文の細井 おう、買っとるよー。 でもなぁ、雨じゃろ? 帰りが心配なんよー。 |本が濡れたら台無しだけん、誰か ビニールとか後で貸して欲しいっちゃ。 |…おっとっと、授業授業! アカンやろ、皆! 本の話は卑怯だべ! |えっと、次は漢文やったっけ。 資料集開いてくんろー。 |漢字だらけで嫌いや言う子、多いよなぁ。 でも、漢字もよく見たら面白いんよ。 |部首とつくりの関係を見ると、パッと 意味が閃いたりするんや。 あれはええ。 |…ん、せや。 ここはシティーボーイに あえて聞こか、鳴上っち。 |部首の中で、一番多く 使用されているものはなーんや。 |さんずい |くさかんむり |くにがまえ |おお、よぉ分かったなぁ。 せや。 くさかんむりが一番多いんや。 |ちなみに一番少ないのは“ごんぶ”。 “艮”やな。 たった6文字しかないんやと。 |“良”とかがコレになるわなぁ。 貴重な一字なんや、って思うと愛着湧かん? |せやなぁ、部首別に漢字を考えるとか 普通はせんもんなぁ。 |答えは“くさかんむり”、や。 これが一番多いねんて。 |ちなみに一番少ないのは艮。 これがたった6文字しかないんやと。 |“良”とかがコレになるわなぁ。 貴重な一字なんや、って思うと愛着湧かん? |…以上で、証明されるっと。 ん。 これでこの単元は終わりネ。 |ところで、久慈川りせ…盛り上がってるワネ。 アイドルって景気良さそうよネ。 |貯金とかタンマリ、結婚に妥協もせず… アーア、帰ったらダンナに何作ろ。 |言っとくけど、ホンット 大人なんてなるモンじゃないわヨ。 |税金も結婚も子供も、全部面倒。 でも従わなきゃいけない。 |“悪法もまた法なり”とは、 よく言ったものヨネ… |ん。 ちゃんと先生の話聞いてル!? 人生の大事な話、してるのヨ!? |ちょっと! 特にダルそうにしてる鳴上クン!! |“悪法もまた法なり”という言葉を 残した人は誰ヨ? |パスカル |ソクラテス |ヒポポタマス |アラ、知ってた? そうね、ソクラテスの言葉ヨ。 |彼はこの言葉を残して、 悪法による死刑を受け入れたワケ。 |立派よネ。 人間、ガマンが大事ってわけヨ。 |…そこ、雑談と思って聞き流してるわネ? テスト…出しちゃうワヨ。 |はぁ…これくらいも知らないのネ。 いい? これはソクラテスの言葉ヨ。 |彼はこの言葉を残して、 悪法による死刑を受け入れたワケ。 |立派よねぇ、マネ出来ないワ。 人間、ガマンが大事ってわけヨ。 |…そこ、雑談と思って聞き流してるわネ? テスト…出しちゃうワヨ。 諸岡 金四郎|貴様ら、浮かれすぎだぞ。 アイドルなぞ、ただの小娘に過ぎん!! 諸岡 金四郎|しかもりせなど…お前らと年も変わらんし、 浮かれたCMやバラエティばかり! 諸岡 金四郎|あんなバカげた番組に出るしか能のない バカ相手に騒ぎおって… 諸岡 金四郎|では、今日の授業はそんな貴様らに ふさわしい、ニーチェについてだ! 諸岡 金四郎|このクラスは“ルサンチマン”生徒ばかりだしな。 アイドル騒ぎもそれの裏返しか? ん? 諸岡 金四郎|…なんだ貴様ら、不満そうだな。 立て、鳴上!! 諸岡 金四郎|“ルサンチマン”とはなにか? 答えてみろ! |憎しみ、嫉妬 |堕落、恐怖 |悲しみ、強欲 諸岡 金四郎|ほうほう、教科書は読んで理論武装済みか。 可愛げのないガキめが。 諸岡 金四郎|まぁ、その通り。 “ルサンチマン”は、 憎しみや嫉妬のことを示す! 諸岡 金四郎|特に! 自分より強く優秀な奴を 嫉妬する感情を指すとされる! 諸岡 金四郎|貴様らには身近な感情だな。 よーく理解出来るんじゃないか? 諸岡 金四郎|貴様らより優秀な奴など、 世の中に溢れかえってるものなぁ? 諸岡 金四郎|言葉の意味も分からず、不満ばかり。 貴様にこそ、この言葉は相応しいようだな? 諸岡 金四郎|いいか、愚昧な貴様らに教えてやる。 “ルサンチマン”とは憎しみ、嫉妬を指す! 諸岡 金四郎|特に! 自分より強い優秀な奴を 嫉妬する感情を指すとされる! 諸岡 金四郎|貴様らには身近な感情だな。 よーく理解出来るんじゃないか? 諸岡 金四郎|貴様らより優秀な奴など、 世の中に溢れかえってるものなぁ? |梅雨ってアンニュイだよね。 ね? 授業もイヤーってなっちゃうかな? ね? |でも、ね? そういう時だからこそ授業を 頑張らないと。 先生良い事言ったよ? |んー、でもあんまりマジメなのもね。 疲れちゃうよね。 ね? |と、いうことでちょっと息抜き。 面白い問題があるんだよ。 |そうだなぁ…んー… じゃぁ、鳴上くん! |この中で、実在する川の名前は ど~れだ! |アリエナイ川 |ヤリキレナイ川 |メンモクナイ川 |正解! さすが元都会っ子! …って、関係ないか。 ハハハハ。 |北海道の夕張にある川で、現地の言葉で “魚のすまない川”って意味なんだって。 |北海道はこうやって現地語が残ってる地名が 多いから、面白い名前も多いんだよ。 |…おっと、時間けっこう使っちゃったね。 これ試験範囲届くかなぁ… |う~ん、残念。 答えはなんと、ヤリキレナイ川。 |フフフ、やりきれないって顔してるね? 教科書に載ってないもんね~。 |北海道の夕張にある川で、現地の言葉で “魚のすまない川”って意味なんだって。 |北海道はこうやって現地語が残ってる地名が 多いから、面白い名前も多いんだよ。 |…おっと、時間けっこう使っちゃったね。 これ試験範囲届くかなぁ… |今日は和漢混交文やろかー。 資料集の“万葉集”な。 開いて、開いて。 |これな、万も歌があるわけちゃうんで。 実際はその半分以下かな。 |八百万の神、言うても本当にいるわけちゃうのと 一緒やね。 たくさん、って意味なんや。 |さーて、この万葉集から… ん…確か、今日って七夕だべなー! |んじゃ、それにちなんで行ってみよか。 万葉集にも、七夕の歌はたくさんあるべ。 |ほいっ、都会の空しか知らなかった 鳴上っち! |“万葉集”で有名な七夕の歌を 多く残した歌人は誰だべな? |小野小町 |小林一茶 |柿本人麻呂 |そう、柿本人麻呂は137首も 七夕について詠んでるんよ。 |よぉ詠みはったよなぁ。 これも八百万の和歌、言うてもええかもな。 |ま、こんな風に昔の人は、七夕の伝説に 自分を重ね合わせたりして歌を作ったんや。 |当時の恋は会えん恋やったからなぁ。 この調子で、けっこうな… |…確かに有名な歌人やなぁ。 でも、時代を考えんとあかんよー。 |答えは柿本人麻呂だす。 137首も七夕について詠んでんな。 |よぉ詠みはったよなぁ。 これも八百万の和歌、言うてもええかもな。 |ま、こんな風に昔の人は、七夕の伝説に 自分を重ね合わせたりして歌を作ったんや。 |当時の恋は会えん恋やったからなぁ。 この調子で、けっこうな… |みんな…担任の先生が居なくなって、 ちょっと不安だべ? |その、まぁ…先生らもな。 犯人捕まってないし、怖いわ。 |でも、嘆いてばかりでもな。 今日もお天道様と一緒に頑張ろうな。 |…んだ、ちょい教科書開こか。 今日は…枕草子やね。 |そういや、これにもお天道様の話があるべ。 “春は曙”とか、“暁にかえらむ”とかな。 |おし、ちょっと今日は質問行こかぁ。 人形ばっか見とる鳴上っち! |“曙”と“暁”、 明るいのはどっちと思う? |暁 |曙 |どちらも同じ |んだな、“曙”だべ! 大差ねぇのに、よぉ知ってたなぁ。 |暁は、“日が昇る前の明け方”。 曙はそれの終わりごろのことだっぺ。 |これ、来週のテストにでっからな! 覚えとくんだべ! |ちなみに、鳴上っちの見てた人形やけど 嫁、お手製な。 よぉ似とるやろ。 |せやな、知らんわなぁ。 これで覚えとき、“曙”が明るいんよ。 |暁は、“日が昇る前の明け方”。 曙はそれの終わりごろのことだっぺ。 |これ、来週のテストにでっからな! 覚えとくんだべ! |ちなみに、鳴上っちの見てた人形やけど 嫁、お手製な。 よぉ似とるやろ。 |…で、貴族の女性らは美しく飾り立てる 手段として化粧をこなしたわけじゃ。 |鉛やヒ素など人体に有害な成分を含む物も 多かったと言われておるの。 |実に手近に毒物がある世界だったわけじゃな。 ゆえに、毒殺の歴史とも言われておる。 |このように毒物を含んだ化粧は、 洋の東西を問わず行われておったが… |そうじゃの、一つ有用な例も紹介しよう。 鳴上氏や、ご起立あれ。 |わらわのメイクを見てたもれ。 この神秘な青のアイライン… |古代エジプト人の特徴的な 青いアイラインの効果を言ってたもれ。 |虫除け |威嚇 |喪中 |ホホホ…さすが鳴上氏じゃの。 まさしくその通りじゃ。 |当時は、ハエや蚊などから感染する 伝染病が多くての…それを防ぐためじゃ。 |ちなみに、青色はラピスラズリの粉末で、 高貴な人物しかつけられなかったのじゃ。 |では、来週のテストに出題するので 忘れないよう、気をつけるのじゃ。 |ウムム…ナイルの導きを鳴上氏も 感じておると思ったが… |当時は、ハエや蚊などから感染する伝染病が 多くての、虫除けに使用されたのじゃ。 |ちなみに、青色はラピスラズリの粉末で 高貴な人物しかつけられなかったのじゃ。 |では、来週のテストに出題するので 忘れないよう、気をつけるのじゃ。 |…はい、このように気候は海流、気流によって 変化するわけ。 |気流の動きには山も関係あるからね。 ね? 思い出せない時は地形を考えるのが鍵。 |特産品とかの問題もね、そうやって 考えていくと… |…って、マジメな話ばっかりで 疲れちゃった? 疲れちゃうよね。 ね? |あはは、答えづらい? 答えづらいよね。 うーん、じゃぁみんな一度教科書閉じようか! |ちょっと面白い話があるんだよ。 山の話をして思い出したんだけどね… |そうだなぁ…夏目前、 クラスにもよく馴染んじゃった鳴上くん。 |アンデス山脈でメロンって 採れると思うかい? |思う |思わない |おや、マジメに勉強してるね。 “アンデス”で引っかかると思ったのに。 |メロンはね、本来は高温で日照時間が長く、 少雨…つまり南ヨーロッパの気候の果物。 寒冷地じゃちょっとね。 |ね、ちょっと面白いでしょ? ね? |面白い先生ってみんな親御さんに言っとこうね。 お給料とかね、居心地が違うの。 ね? |あはは、なんちゃってなんちゃって。 冗談冗談! 授業続けよっか! |“アンデス”って名前に引っかかったね? アンデスの気候はメロンに適さないんだよ~。 |メロンはね、本来は高温で日照時間が長く、 少雨…つまり南ヨーロッパの気候の果物。 寒冷地じゃちょっとね。 |ね、ちょっと面白いでしょ? ね? |面白い先生ってみんな親御さんに言っとこうね。 お給料とかね、居心地が違うの。 ね? |あはは、なんちゃってなんちゃって。 冗談冗談! 授業続けよっか! |なあ~んだか、最近騒がしいよなぁ。 今年はちょっと変な感じやわ。 |殺人事件が起こった思たら、 アイドルに探偵やろぉ? |なんもない、のーんきな 年中、春みたいな町やったのになぁ… |んじゃ、今日は俳句やったっけな。 資料集開いておくんなましー。 |この前やった川柳との違いは季語が 存在する事やが… |さっき春、言うた所やしな。 ちょい季語の問題だそか。 鳴上っち! |季節が春ではない季語は、 次のうちどれだべ? |余寒 |小春日和 |つくし |おう、よう知っとるなぁ。 鳴上っち、正解! |小春日和は11月~12月にかけて よく晴れた日のことを言うんだべ。 |間違っても、お花見の席で“小春日和” なんつったら、みっともねぇぞ? |ちなみに余寒は、春になっても残る寒さ。 つくしはお馴染み、春の山菜やな。 |あー、やっぱり間違えたなぁ。 小春日和だけ冬の季語なんよ。 |小春日和は11月~12月にかけて よく晴れた日のことを言うんだべ。 |間違っても、お花見の席で“小春日和” なんつったら、みっともねぇぞ? |ちなみに余寒は、春になっても残る寒さ。 つくしはお馴染み、春の山菜やな。 |夏休みは充実して過ごしたかえ? わらわはエジプトで、良き時を過ごしたぞえ。 |ホホホ…ずいぶん親切にしていただいてな。 わらわの徳が伝わったのかのぅ。 |得意のダウジングでも、いくつか発見を… おっと、話が逸れるところじゃった。 |次の単元に移るのじゃったな。 …大航海時代じゃったか。 |では、休みボケをしてないか、 質問から授業に参ろうか。 |うむ。 では目があった里中女史…でなく、 隣の鳴上氏。 |人類最初の地球周航を果たした マゼランの、航海の動機とは? |キリスト教の布教 |香辛料の利益 |地球は丸いという証明 |…さすが鳴上氏じゃ、歴史のロマンを 理解しておるの。 |そうじゃ、香辛料のもたらす莫大な利益が、 マゼランを新しい航路に走らせたのじゃ。 |金銭目当てとあなどるなかれ、 欲によって歴史が動くのは必然とも言えよう。 |このような動機は時代、場所も違えども エジプトでも見受けられる。 さて、その例を紐解くとしよう… |ホホホ、そのような正当な理由を 求めるのも若さゆえか。 |残念ながら、マゼランの動機は香辛料じゃ。 莫大な利益が、新しい航路の発見へと繋がった… |金銭目当てとあなどるなかれ、 欲によって歴史が動くのは必然とも言えよう。 |このような動機は時代、場所も違えども エジプトでも見受けられる。 さて、その例を紐解くとしよう… |グッドモーニング、エヴリワン! |インオータムというわけで! 来週末は2学期の中間テストだな! |特に! 夏休みを夏期講習でつぶしちゃった 悲し~いヤツは気合入れていけよ! |頭が悪いと嫌われちまうかもしれないからな! ハハハ、スクールボーイには重要だろ? |じゃぁ、今日は“free”の使い方だ! 色んな意味があって、便利な言葉だな! |でもその分、どう訳したらいいか 悩む時だってある! |たとえば…そうだな。 クールボーイ、鳴上! |“smoke-free”って どういう意味だ? |喫煙自由 |禁煙 |くんせい食べ放題 |オーライ! 正解だ! よぉく分かってるじゃないか! |“free”には自由っていう意味と、 “~がない”って意味があるんだな! |反対の意味に取ったら大変だからな。 きちーんとメモっとけよ! |デューティフリーとかあるだろ? きちんと使用例から覚えような! |おいおい、全然意味が違うぞ! 答えは“禁煙”だ! |“free”には自由っていう意味と、 “~がない”って意味があるんだな! |鳴上みたいに間違えたら大変だからな。 きちーんとメモっとけよ! |デューティフリーとかあるだろ? きちんと使用例から覚えような! 柏木 典子|この前のテスト、小娘のスリーサイズを 出題しようとした先生がいるのよぉ。 柏木 典子|誰か、とか言わないけどぉ、問題あるわよね。 だってそれってぇ… 柏木 典子|全っ然っ、面白くないじゃなぁい? そ・れ・よ・り、アタシのサイズが…ねぇ? 柏木 典子|生物はねぇ、必要があるから成長するように 出来ているのよぉ。 柏木 典子|たとえば…植物ちゃん。 あの子達も一緒ねぇ。 柏木 典子|そうねぇ… じゃぁ、目が合った鳴上くん。 柏木 典子|植物ちゃんに触れると、 植物ちゃんはどうするでしょう? |成長が遅くなる |変わらない |成長が早くなる 柏木 典子|ウフフ、よく分かったわねぇ。 植物ちゃんのキモチ、考えてくれたのね? 柏木 典子|接触する事で圧迫感を感じた植物ちゃんは、 内分泌腺から成長を調節するホルモンを 分泌するのよぉ。 柏木 典子|だから、声をかけたりナデナデすると 早く花をつけるっていうワケ。 柏木 典子|これを“接触形態形成”って言うのよ。 もしかしたら人間も一緒かもねぇ…ウフフ。 柏木 典子|みんなに覚えて欲しいから、 明日からの中間テストに出すわよぉ。 柏木 典子|んもー、植物ちゃんのキモチ、考えた? 答えは成長が早くなる、よ。 柏木 典子|接触する事で圧迫感を感じた植物ちゃんは、 内分泌腺から成長を調節するホルモンを 分泌するのよぉ。 柏木 典子|だから、声をかけたりナデナデすると 早く花をつけるっていうワケ。 柏木 典子|これを“接触形態形成”って言うのよ。 もしかしたら人間も一緒かもねぇ…ウフフ。 柏木 典子|みんなに覚えて欲しいから、 明日からの中間テストに出すわよぉ。 |ハイ、この公式で図形の重心が分かるのネ。 黒板写した? …ま、使わないだろうケド。 |はっきり言って図形の重心なんか 実生活では求めないわヨネ、普通。 |アーア、テスト前ってかったるいわネ。 先生、家に帰って株したいナ。 |1円1円がものを言う世界なのヨ。 熱いわ…少しでもお小遣い増やさなきゃ! |そうそう、1円と言えば… こんな話があるのヨ。 |じゃぁ…イヤそうな顔してる里中サン! …の隣、鳴上クン。 |1円を作るのに、 何円かかるか知ってル? |0.3円 |1円 |2円 |ハーイ、正解! そうなの、1枚あたり2円かかるノ! |利益の効率が悪いわヨネ。 ちなみに金額が上がるほど安くなるのヨ。 |お金もタダじゃない…大事な話ヨ。 じゃあ明後日からの中間に出すから、覚えてネ。 |ブブー、不正解。 1枚あたり2円もかかるのヨ! |利益の効率が悪いわヨネ。 ちなみに金額が上がるほど安くなるのヨ。 |お金もタダじゃない…大事な話ヨ。 じゃあ明後日からの中間に出すから、覚えてネ。 |…では、プリントの2枚目をご覧あれ。 フランスの王朝についてじゃ。 |ブルボン朝最盛期の王といえば ルイ14世… |あの有名な“朕は国家なり”という 言葉を残した太陽王じゃの。 |西ヨーロッパにおけるフランスの威信を 高めた功績が称されてそう呼ばれておるのじゃ。 |政治的にも勿論じゃが、ベルサイユ宮殿の 建設など文化面でも優れた王であったの。 |さて…そんな偉大な太陽王であったが こんなユニークさも持ち合わせておる。 |では、そうじゃのぅ… 鳴上氏、お立ちあれ。 |太陽王ルイ14世が気にしていた 身体的特徴とはなんじゃろう? |歯並びが悪い |背が低い |体重が重い |ホホホ…男なら通じ合えるものなのかの。 その通り、“身長”を気にしておったのじゃ。 |8センチのハイヒールを履き、カツラを 特注させたという事実も残っておる。 |カツラは特注で、なんと高さは 20センチもあったそうじゃ。 |その上から豪華な羽帽子をかぶり、執政者に 相応しい偉丈夫と見られようとしたとか。 |ホホホ…どこか親しみが持てるじゃろう? 権力者とはいえ、人の子よ。 |さて…週末から中間テストじゃの。 きちんと復習しておくのじゃぞ。 |ホホホ…残念ながらハズレじゃ。 太陽王はの、“身長”を気にしておったのじゃ。 |8センチのハイヒールを履き、カツラを 特注させたという事実も残っておる。 |カツラは特注で、なんと高さは 20センチもあったそうじゃ。 |その上から豪華な羽帽子をかぶり、執政者に 相応しい偉丈夫と見られようとしたとか。 |ホホホ…どこか親しみが持てるじゃろう? 権力者とはいえ、人の子よ。 |さて…週末から中間テストじゃの。 きちんと復習しておくのじゃぞ。 |今年は寒くなるのが早いねぇ。 みんな、厚着しないとダメだよ。 |あ、でもスカートの下にジャージは良くないよ。 だってね、足もね? 見えなくて…ねぇ? |いや、冗談冗談。 制服はきちんと着よう、ってだけ。 ね? |そうそう、寒いのと地理に絡めて… ちょっと問題出してみようか。 |寒くても前を閉めない鳴上くん! |北極と南極… どっちが寒いと思う? |北極 |南極 |どちらも同じ |…よく知ってたねぇ。 テレビとかで見た? そうだよ、南極の方が寒いんだ。 |南極って陸地でしょ? 陸の上に雪が積もるから標高が高くなるの。 |最低気温の差は、およそ30度かな。 |その上、雪が山に降り積もってるから風も吹く。 だから体感温度はさらに下がるんだよ。 |“南”ってだけで暖かいと思っちゃダメだよ~。 気候は地形が決め手だからね。 ね? |じゃぁ、資料集開いてー。 次の範囲はねぇ… |はーい、間違えたー。 実は南極の方が寒いんだね。 |南極って陸地でしょ? 陸の上に雪が積もるから標高が高くなるの。 |最低気温の差は、およそ30度かな。 |その上、雪が山に降り積もってるから風も吹く。 だから体感温度はさらに下がるんだよ。 |“南”ってだけで暖かいと思っちゃダメだよ~。 気候は地形が決め手だからね。 ね? |じゃぁ、資料集開いてー。 次の範囲はねぇ… 柏木 典子|ねぇねぇ、“名は体を表す”って言うでしょ? まさにソレ、な研究者がいるのよぉ。 柏木 典子|結核菌を発見した人が、コッホ。 コッホよ? 咳みたいでしょ、うふふ。 柏木 典子|これは分かりやすいし、いい例だけどぉ… ま、中にはいるわけよね? 柏木 典子|何もあの人があんな名前なんて…って人。 あはぁん、誰の話なんか詮索しちゃダ・メ。 柏木 典子|中山センセなんか…あら。 何? 鳴上くんったら。 柏木 典子|そぉんなつまらなさそうな顔、イヤイヤ。 お勉強中なのよォん? 柏木 典子|ほーら、結核菌を発見した人はァ? |ケッホ |コッホ |ゴッホ 柏木 典子|はぁい、正解! キチンと覚えてくれてたのねぇ。 柏木 典子|ウフフ、マジメな男の子って キュンキュンしちゃう。 柏木 典子|じゃぁ続き行くわよ~。 コッホと並んで有名なのがパスツール。 柏木 典子|彼ら二人は近代細菌学の開祖として、 様々な発見をしているわぁ… 柏木 典子|やっだもう! 覚えやすいのよぉ? 結核だから、コッホよ。 柏木 典子|んもう…不真面目な子は、 職員室に呼んじゃおうかな? …ウフフ。 柏木 典子|じゃ、続き行くわよ~。 コッホと並んで有名なのがパスツール。 柏木 典子|彼ら二人は近代細菌学の開祖として、 様々な発見をしているわぁ… |寒さ本番だねぇ、腰痛持ちには辛い季節。 温泉旅館とか行きたいね~。 |我が町にはちょうど温泉旅館もあるしね。 しかも若女将! ね? |でもねー、家族からはスキー旅行に 行きたいって言われててさぁ… |なんでそんな寒い所にわざわざ行くかな。 雪がそんなに見たいの? |先生、寒いのヤだから南米で氷河を見たら って言ってやったんだけどね… |おや、みんな不思議そうな顔を してるねぇ。 |もしかして、知らない? ね、知らない? じゃぁ…鳴上くん。 |“南米にある氷原”… それはどこでしょうか? |パタゴニア氷原 |コロンビア氷原 |そんなものはない |…君、本当によく知ってるね。 そ。 チリとアルゼンチンの間にある氷原。 |ま、ほとんど人もいない厳しい土地で、 冗談のつもりで言ったんだけどさ… |家内が本気にしちゃったの。 南米のパンフレット、集めててさぁ… |ちょっと考えれば分かるよねぇ。 なんだか最近、なんでも鵜呑みにするんだよ… |ふふふ、違いまーす。 正解は、パタゴニア氷原ね。 |チリとアルゼンチンの間にあるんだよ。 けっこう有名だから知っとこうね。 ね? |ま、ほとんど人もいない厳しい土地で、 冗談のつもりで言ったんだけどさ… |家内が本気にしちゃったの。 南米のパンフレット、集めててさぁ… |ちょっと考えれば分かるよねぇ。 なんだか最近、なんでも鵜呑みにするんだよ… |…フゥ。 先生、もう帰っちゃおうかナ。 |なんだか今日も、霧が晴れそうにないじゃナイ? 霧の日って、アンニュイなのよネ… |でも帰れないのよネ。 勤め人の悲しいところだワ。 |それじゃぁ適当に…数学は文化と一緒に 進んできたわけだけど… |今も解かれていない問題があるワ。 いわゆる“ミレニアム懸賞問題”ネ。 |2000年に発表された、100万ドルの 懸賞金がかかってる7つの問題なのだけど… |そうね、鳴上クン。 |今、“ミレニアム懸賞問題”は 何個残っているかしら? |4 |6 |解かれてない |アラ、よく知ってたわネ。 そうよ、一つ解かれてしまっているの。 |いいわよねぇ…だって100万ドルヨ? ちなみに解かれたのは“ポアンカレ予想”。 |解いた人は数学のノーベル賞と呼ばれる フィールズ賞に選ばれたけど、辞退したとか。 |やっぱり頭の良い人はどこか違うのかもネ~。 …フゥ。 |ああ、ゴメンね。 …なんか最近ダンナが変なのヨ。 |ケンカをしないのはイイんだけど… 霧が毒だとか言い出してるのよネ… |ユウウツだけど、授業続けるわネ… |残念。 実は一つ既に解かれてるのヨ。 ちなみに解かれたのは“ポアンカレ予想”。 |解いた人は数学のノーベル賞と呼ばれる フィールズ賞に選ばれたけど、辞退したとか。 |やっぱり頭の良い人はどこか違うのかもネ~。 …フゥ。 |ああ、ゴメンね。 …なんか最近ダンナが変なのヨ。 |ケンカをしないのはイイんだけど… 霧が毒だとか言い出してるのよネ… |ユウウツだけど、授業続けるわネ… |…9月は長月、10月は神無月、 11月は霜月、12月は師走という異名が あるんだべ。 |しっかし、この天気、先月から神様が いなくなっちまったみたいだべな。 |だげんどもな、勉強を神様頼りにしてたら 出来るものも出来なくなるっぺ。 |中間で真っ赤っかとっちまった 奴ぁ、特に気を付けるんどすえ! |ま…今回の期末で進級決まるし、 土壇場だべ? |…んだば、鳴上っち。 質問だべ。 |“土壇場”って、何から 由来してるか知っとるけ? |相撲の土俵 |結婚式の披露宴 |罪人の刑場 |おお~! んだんだ! “罪人の刑場”だべな。 |ここ、来週のテストにも出っからな。 |このペースで良い点残せるように、 がんばるんどすえ! |ちゃうがな! なに覚えて来てん! “罪人の刑場”だべ! |ここ、来週のテストにも出っからな。 |進級がバッサリ斬られんように、 とにかくがんばりんさい! |グッドモーニン! おいおい、みんな顔色悪いぞー? |期末で進級決まるから、スタディしまくりか? 肝心なこと忘れてないか? |あとワンマンスで、クリスマスだろーが! ステディは見つけてるかー? |ハハハ、オレはとっくに見つけてるぞ! そんじゃ、ハッピークリスマスから問題だ! |では、モテるかモテないか診断も兼ねて… 鳴上! |英語圏で通じないクリスマスの つづりはどれだ! |Xmas |X’mas |Christmas |おう、エクセレント! 鳴上、モテモテ決定だな! |辞書を見たら分かるが、 アポストロフィは必要ないんだぞ。 |これは日本独特の誤用らしいなー。 みんなもケーキ買う時、気をつけろよ! |フフフ、ついでに教えてやるが 二人で食うケーキは美味い! マジ美味い! |ハハハ! 皆も実感してみろよー? |違う違う、“X’mas”だ! 鳴上、シングル決定! |辞書を見たら分かるが、 アポストロフィは必要ないんだぞ。 |これは日本独特の誤用らしいなー。 みんなもケーキ買う時、気をつけろよ! |フフフ、ついでに教えてやるが 二人で食うケーキは美味い! マジ美味い! |ハハハ! 皆も実感してみろよー? 柏木 典子|霧で体の調子悪い…、そんな時はねぇ テレビで見た毎日健康法よ! 柏木 典子|霧なんかに負けないらしいのよぉ。 私もねェ、毎日やってるのよ~。 柏木 典子|みんなも試してみてねぇ~。 みんなでやれば安心も倍増じゃない? 柏木 典子|それじゃ、今日も生物頑張るわよ~。 柏木 典子|地球上に色んな生命がいる事は、 みんなも実感してるわよね? 柏木 典子|ねーぇ、ゲンキそうな鳴上君? 柏木 典子|この中で一番、個体数が多いのって どれか知ってるかしらぁ? |人類 |ハ虫類 |昆虫類 柏木 典子|はぁい、良くできました! ウフフ、そうなのよ、昆虫ちゃんなのぉ。 柏木 典子|その中でもぉ、アリが一番かしら? アリはどんな場所でも適応して 数を増やすのよぉ。 柏木 典子|もしぃ、地球外生命体がぁ、この星を見て 一番繁栄してる種族と交信しようとしたら… 柏木 典子|アリちゃんを選ぶかも知れないわねぇ。 ウフフフフ! 柏木 典子|ブッブー! 違いまぁす。 答えは、昆虫ちゃんなのぉ。 柏木 典子|その中でもぉ、アリが一番かしら? アリはどんな場所でも適応して 数を増やすのよぉ。 柏木 典子|もしぃ、地球外生命体がぁ、この星を見て 一番繁栄してる種族と交信しようとしたら… 柏木 典子|アリちゃんを選ぶかも知れないわねぇ。 ウフフフフ! |ハロー! グッドアフタヌーン エヴリワン! |体育教師の近藤だ! 人がいなくてな、オレが英語を担当する! |大丈夫大丈夫、 こう見えても海外経験あるんだぞ! |1週間も旅行したら十分、十分! ツアーだったけどな、ははは! |それじゃぁ、基礎の基礎から行くぞー。 定冠詞と不定冠詞! |定冠詞は、ひとつしかないもの、 特定された名詞の前に入るんだぞ。 |不定冠詞はそれ以外、って覚えておけぇ! |じゃあ、適当に鳴上! サービス問題だぞぉ! |定冠詞を答えんさい! |ア |ザ |アン |グーッド! 正解だな。 |本場じゃ意識してないって噂だけど、 教科書に載ってるんだから勉強、勉強! |はい! みんな繰り返して~ |定冠詞は、ザ! 不定冠詞は、ア! |そこの思春期ボーイズ! 恥ずかしがらずに復唱しろよな! |おいおい、しっかりしっかり。 中学レベル以前だぞぉ? |都会じゃあんまり教えないのかな? ハハハッ! |本場じゃ意識してないって噂だけど、 教科書に載ってるんだから勉強、勉強! |はい! みんな繰り返して~ |定冠詞は、ザ! 不定冠詞は、ア! |そこの思春期ボーイズ! 恥ずかしがらずに復唱しろよな! |おや、天城さん来たんだね。 良かった良かった、美人がいないとね。 ね? |…おっと! いやいやみんな綺麗だよ、すごく! ね? |おっと、今のは親御さんにはナイショね? 最近、先生の発言って注意しないとだからね~。 |それはそうと、面白い話を見つけたんだ。 はい、教科書閉じてー。 ボクのプリント見てー。 |ちょっと問題出してみようか。 ね? じゃぁ都会から来た鳴上くん。 |太陽系で一番高い山の名前は どれでしょーか? |富士山 |エベレスト |オリンポス山 |さっすが都会は違うねェ~! って、関係ないか。 ハハハハ。 |火星にあるオリンポス山はその標高、 なんとエベレストの3倍! |“高い山といえばエベレスト!”って 答えがちだけど、グローバルにならないとね。 |さて、じゃあちょっと息抜きした所で 各地の山とその特徴について話そうか… |うーん、残念! 問題をよーく聞いて、考えないと。 |フフフ、“太陽系”って聞いただろ? もっとグローバルな視点を持たないと! |正解は火星にあるオリンポス山。 その標高、なんとエベレストの3倍! |さて、じゃあちょっと息抜きした所で 各地の山とその特徴について話そうか… |ごきげんよう、今日から皆さんに 世界史を教える祖父江貴美子ですわ。 |特技はダウジングでの失せ物探し。 好物は…ロマンじゃ。 |世界史とは壮大なるロマン、 古代より生まれ、今へと続く河… |わらわと共に1年間、歴史の奥深さを 堪能いたそうぞ。 ホホホ。 |そうじゃのう、最初の授業であるし… 簡単な質問から始めるといたそうか。 |では、転校生の鳴上氏や。 お立ちあれ。 |西暦とは、何を基準にして 始まったものであるか? |人類が誕生したころ |キリストが誕生したころ |国家が誕生したころ |よく理解しておるようじゃの。 ちなみに紀元前をB.C.と表すのは… |Before Christ… キリスト誕生前、という意味であるな。 |今ではこの紀年法が広く使われておるが、 一般化したのは西欧ですら15世紀以降。 |ホホ、このあたりの背景は後々にの。 宗教、国家間の権力闘争などが絡む問題じゃ。 |とにかく、この世界は様々な宗教観の 潮流の中に常にあるのじゃ。 |キリスト生誕の祭りに浮かれてみるのも、 この小さな島国なりの良き文化。 |しかし、どのような伝統や文化も例外なく、 この潮流の中で生き残りが決まるのじゃ。 |そして、それは、行く末の選択として、 次の世代に課せられていくもの… |…さて、まずそなたらには、文明の発生から 順に追いかけてもらうといたそうか… |残念、それらの成立はもっと古いのじゃ。 紀元前の出来事となっておるな。 |紀元前の英語の略称はでB.C.… つまり、Before Christ。 |このように覚えれば、忘れまい? キリストの誕生を基準とした暦なのじゃ。 |今ではこの紀年法が広く使われておるが、 一般化したのは西欧ですら15世紀以降。 |ホホ、このあたりの背景は後々にの。 宗教、国家間の権力闘争などが絡む問題じゃ。 |とにかく、この世界は様々な宗教観の 潮流の中に常にあるのじゃ。 |キリスト生誕の祭りに浮かれてみるのも、 この小さな島国なりの良き文化。 |しかし、どのような伝統や文化も例外なく、 この潮流の中で生き残りが決まるのじゃ。 |そして、それは、行く末の選択として、 次の世代に課せられていくもの… |…さて、まずそなたらには、文明の発生から 順に追いかけてもらうといたそうか… |>“知識”が上がった! |>正しいと思った答えを選んだ… 諸岡 金四郎|静かにせんかー!! 諸岡 金四郎|高校生にもなって私語厳禁も守れんとは… 常識というものが分かるか? あ? 諸岡 金四郎|いいか、倫理の“倫”という字には、 “人が守るべき道”という意味がある。 諸岡 金四郎|ワシのありがたい授業で、 貴様らの腐った性根を正してやろう! 諸岡 金四郎|特に、殺人事件なんぞに野次馬心 出しとる奴は、覚悟しておけ! 教科書! 諸岡 金四郎|世間じゃGWだと、浮かれてるようだが、 貴様らはしょせん生徒! 諸岡 金四郎|本分を忘れ、チャラチャラ遊ぶようなマネが 許されると思うなよ!! 諸岡 金四郎|特になんだ、女子! スカートが短すぎる! そんなに見せたいか? 諸岡 金四郎|貴様らのようなのが学校の品性を下げるんだ。 少しは慎みを持つように! 諸岡 金四郎|“高まいの徳”という言葉がある! くだらん欲求を抑えた人間に宿るものだ。 諸岡 金四郎|デカルトのすべてが正しいわけではないが… 貴様らには縁のない言葉だろうな。 諸岡 金四郎|よし、次! 来週から中間テストだからな! 結果は全て貼りだして、振るい落としてやる! 諸岡 金四郎|貴様ら、恥ずかしい思いをしたくなければ 良い結果を残せ! 諸岡 金四郎|良い結果を出せば人気が上がる! 即ち、仲が深まるのが早くなるわけだな! 諸岡 金四郎|そしてワシの株も上がり、いいこと尽くめだ! 心するように…分かったな! 諸岡 金四郎|貴様ら、眠そうだなぁ。 …ダラけとる! 人としての尊厳を持て! 諸岡 金四郎|貴様らがそんなだから、規律がゆるんで 1年がダラけるんだ! 巽完二のようにな! 諸岡 金四郎|あんなサボってばかりの、腐ったミカン 即刻退学にしてやりたいわ!! 諸岡 金四郎|他人事に思うなよ、 貴様らも同じだからな! 諸岡 金四郎|ハレンチな事件でも起こしたら、 即刻! 退学にしてやるから肝に銘じとけ! 諸岡 金四郎|巽完二が、まだ休んでるそうだが… 本当に病欠か疑わしいもんだ! 諸岡 金四郎|大方遊び呆けてるに決まっとる! …ん、なんだ貴様らその顔は。 諸岡 金四郎|決め付けるな、と言いたい訳か? …いいか、肝に銘じておけ! 諸岡 金四郎|疑われないためには、 普段の行いが、物を言うのだ! 諸岡 金四郎|“一度でも間違いが起こった事柄に 関しては全幅の信頼を寄せない” 諸岡 金四郎|そう、デカルトも言っとる! 諸岡 金四郎|まぁ、あんな社会のクズ、来なくても誰も 困らんがな。 過ごしやすいくらいだ! 柏木 典子|来週からの期末テストね? 赤点とったら…愛の夏期講習よぉん。 柏木 典子|ま、それは置いといてぇ。 最近暑い日が続いてるわよねぇ。 柏木 典子|こんな日には…食べたいわぁ、ウ・ナ・ギ。 ヌルヌルなのがたまんないわよねぇ。 柏木 典子|それはそうと…知ってる? あのヌルヌルの正体。 柏木 典子|ムチンっていうたんぱく質なんだけどぉ、 凝集作用で、泥の粒子を沈殿させちゃうの。 柏木 典子|すぅっ、とキレイになるのよぉ。 この前テレビで見て感動しちゃったぁ。 柏木 典子|次の再放送では、もうみんなデジタルよね? あのキレイさをみんなにも見て欲しいわぁ。 柏木 典子|みんなぁ、修学旅行楽しかったわねぇ。 柏木 典子|都会に行って、ちょっとオ・ト・ナ になった感じしない? 柏木 典子|そういえばぁ~…旅行中に 鳴上くんが持ってたクマちゃん。 柏木 典子|あれ、どこに売ってたのぉ? 柏木 典子|先生ね、ちょっとア・ヤ・シ・イ 生き物が好きなのよねぇ。 柏木 典子|クマちゃんって言えば、鮭よねぇ。 知ってるかしら、皆。 柏木 典子|鮭ってぇ、白身魚なのよぉ。 あの色、エサの甲殻類に含まれてる色素なの。 柏木 典子|イクラが赤いのも、それのお・か・げ。 環境で変わるってわけね。 柏木 典子|フフ、女も一緒よぉ。 都会の風でオ・ト・ナになってねぇん。 |ハイハーイ、これで弧の長さが 分かるわネー。 |円ってけっこう奥深いわヨ。 そういえば…円と言えば花火ヨ。 |テレビで見たんだけどネ。 打ち上げ花火って 上空から見ても同じ形なのヨ。 |円の性質から考えたら分かるんだけど、 なんとなく意外よネ~。 |何処から見ても同じ…ウチの旦那と一緒ネ。 何処から見てもいいトコナシ。 |なんかもう、マジメにお金稼ぐのも バカらしくなってきたわネ… |あーもー、問題集に移るわヨー。 次の演習問題はネー… 柏木 典子|今日は、教科書の214ページ… 人体の組織…眼球についてからねぇ。 柏木 典子|眼球って言えば…涙が目の粘膜を 保護するためにあるのは知ってるわよねぇ。 柏木 典子|でも、知ってる? 涙って状況によって味が違うのよぉ。 柏木 典子|悔し涙は塩辛くて、悲しい涙は水っぽいの。 交感神経、副交感神経のどっちが働いてるかで 変わるのよぉ。 柏木 典子|みんなはどっちの涙を多く流すのかしらぁ。 …ウフフ。 |もう10月も終わりじゃのぅ。 そうじゃ、10月と言えば… |皆のもの、タコを英語で呼べば オクトパスと呼ぶのは知っておるな? |OCTとは“8”を意味する語。 では…何故10月がOctoberか? |これは時のローマ皇帝が、自分の誕生月に 自らの名をつけたからズレたと言われておる。 |権力者とは、げに恐ろしきものであろ? 歴史とロマンはそうやって紡がれてきたのじゃ。 |では、話を戻すかの。 レコンキスタとその経緯について… |グッドアフタヌーン! 今日は、くそコールドだな! |ハラ減ったなぁ、何か…ビフテキ食いたいな! 先生、おなかへって来たぞ! |そういえば、ビーフって英語じゃないんだぞ。 ポークもそうだな。 これ、元はフランス語だ。 |皿に乗ってる料理状のものにだけ、 フランス語が使われてるんだな。 |これは一時期フランスがイギリスを支配してた 名残だとか言われてる…らしい! |ハハハ、先生も詳しい事は分からん! 世界史は祖父江先生に聞いてくれな! |そういえば、来週は2学期の期末テストじゃな? 毎年わらわは眺めてきたぞえ… |自分は平気と思い込んでる生徒の顔色が、 白黒と目まぐるしく変わるのを…な。 |ホホホ、白黒といえば…丁度先日やった シェイクスピアの戯曲が語源のゲームがあるの。 |黒人の将軍と白人の妻の関係が目まぐるしく 変わる様子をなぞらえ、ゲームにつけたとか。 |げに、遊戯一つをとってもこの様に 歴史の影が覗くのじゃ。 |ホホホ…関係ないと思っておるじゃろうが、 ノートにしたためておくように。 |歴史と同じ…何がテストに出るかは 分からぬからのう。 ホホホ… 柏木 典子|文化祭の準備ってタイヘンよねぇ。 もう授業なんかやめちゃいたいわぁ。 柏木 典子|皆もそうでしょ? 自分たちのクラスの準備、したくなぁい? 柏木 典子|私もぉ、自分のイベントがあるからぁ… 毎日毎日タイヘンなのよぉ。 柏木 典子|ま、しょうがないわよね。 私のイベントがないと、盛り上がらないでしょ? 柏木 典子|校長にも“期待してるよ、典ちゃん”って 言われちゃったのよー。 …ウフフ。 柏木 典子|よぉし、じゃぁパパッと授業、 終わらせちゃおっか! 柏木 典子|今日は無脊椎生物のお話よぉ… |>教室がざわついている… |女子生徒の声 ねぇねぇ、聞いた? この霧で倒れた人がいるんだって… |女子生徒の声 あ、聞いた。 3丁目の誰かが倒れたとか… |でもさ、原因が分からないんでしょ? じゃぁ考えても仕方ないじゃん。 |それよりガスマスクだって! なんか皆、その話してない? |生物の柏木 ちょっと! みんなうるさいわよぉ!? |授業をしなきゃいけないんだから、 静かにしなさいっ! |>ざわつきは収まらない… |>教室がざわついている… |女子生徒の声 もうガスマスク買っちゃったの!? …いくらぐらいだった? |男子生徒の声 親に買ってもらったから分かんねー。 でも、これでもう大丈夫だな。 |なんでも、風邪をひきやすい体質だと、 具合が悪くなる可能性が上がるんだってよ? |女子生徒の声 ウソ! どうしよう… 私、風邪引きやすいんだけど… |英語の近藤 シャーラップ! こーら、話ばっかりしてないで、授業だぞ! |この霧は、50年に一度は来る自然の サイクルなんだから仕方ないだろー!? |あのテレビで言ってただろ? ったく、みんなしっかりしろよー! |>ざわつきは収まらない… |>教室がざわついている… |男子生徒の声 なぁなぁ、聞いたか? 隣のクラスの委員長… |女子生徒の声 ウソー! 急にそんな事、普通する!? でもスゴーい!! |男子生徒の声 だろぉ! |数学の中山 チョットー! 委員長クンはただ、 霧が原因の病気になっただけでショ! |根拠なく言っちゃダメでショ! 霧が原因の大変な病気なのヨ! |先生、他の先生から聞いたんだから 間違いないんだからネ! |>ざわつきが大きくなっていく… |>教室がざわついている… |男子生徒の声 なんかさ、最近考えなくても みんなと同じにしてれば大丈夫だし。 |女子生徒の声 あ、分かる。 テレビ見たら、大丈夫だもんね! |男子生徒の声 霧もこうやってると普通だよな~。 それよりさ、聞いたか? |この前、商店街でビフテキのウワサを 聞いたんだけどさ… |女子生徒の声 えー? 私の聞いた話とちょっと違うなぁ。 なんでも惣菜大学のオバさんがね… |世界史の祖父江 皆さん、お静かに、お静かに… |…む!? |今なんとおっしゃいました!? 詳しくお聞かせなさい!! |>ざわつきが大きくなっていく… |>授業を真面目に聞いた… 柏木 典子|はぁい、みんなウキウキするのは 分かるけどぉ、早く体育館に移動するのよ~。 柏木 典子|まぁ、誰かさんみたいにウルさい事は 私は言わないけどぉ、早め行動お願いね。 柏木 典子|ウフフ、でも本当に楽しみよね、夏休み! 私、水着買っちゃったのよぉ。 柏木 典子|ちょっとキケンな感じの…ネ。 柏木 典子|みんなもぉ、ちゃんと夏休み楽しんでねぇ。 あ、でも宿題も忘れちゃやぁよ~? |>選んだ答えは正解だったようだ… |>選んだ答えは間違いだった… |グッモーニング! ははは、眠そうな顔してるな! |ポカポカ暖かいから眠いとか 言ってる場合じゃないぞ! |いいかぁ、居眠りとかしてたら 危ないんだぞー! |カツアゲとかもよくあるし、 いつ空き巣にだって遭うかも分からんぞー! |おい、鳴上! |空き巣に遭いやすい時間帯、 答えてみろ! |朝8時 |昼3時 |深夜12時 |そう、鳴上の言うとおり朝がヤバい! だからハキハキ動かないとな! |ん? 関係ないって? 学校に行ってる時間? |よーっし、とりあえず居眠り防止の 体力づくりだー! 並べ並べ!! |いいかぁ、今日は学校の外周を グルリと回ってくるぞぉー! |違う、朝が一番危ない! だからハキハキ動かないとな! |ん? 関係ないって? 学校に行ってる時間? |よーっし、とりあえず居眠り防止の 体力づくりだー! 並べ並べ!! |いいかぁ、今日は学校の外周を グルリと回ってくるぞぉー! |グッドアフタヌーン! 皆、ウェイクアップしてるか? |日本のジューンはジメジメしてて すっげえナーバスだよな! |しかし! カビてる場合じゃないぞ! サマーはそこまで来てるからな! |ダラダラした体を、好きな子の前に さらせるか? ん? |今日は、気持ちも体力も腐らんための 100Mダッシュを、30本やるぞ! |…なんだ鳴上? 勘弁しろよ的な顔してるな? |じゃ、今から出す問題に正解したら、 5本にまけてやろう! |“短距離走”は何運動といわれるか? |有酸素運動 |無酸素運動 |高酸素運動 |ぬ…! 知ってたのか! 意外に鍛えてる派か、鳴上? |よし! その探究心に免じて ダッシュ5本にしてやるぞ! |他の奴は10本だからな! はい、スタート! |“無酸素運動”だろ? ダラダラ体形まっしぐらだな! |たるんだ精神と体形のために ダッシュ10本確定だ! |ガッツリ鍛えろよな! はい、スタート! |バケーション中に、犯人が捕まったな! …正直、知ってる生徒でアンニュイだ。 |みんなも、逆恨みには気をつけろよ! ワイドショーでいっぱいやってるだろ? |いつ襲い掛かられても困らないように、 体を鍛えておかないとな! |そうだなぁ…今日はドッジするか! ドッジってのはなぁ… |よし、ここでいきなり英語の質問だ! おい、鳴上! |ドッジボールの“ドッジ”って なんていう意味だ? |当てる |痛い |避ける |ザッツライ! きちんと知ってたならエライぞ! |そんなわけでドッジで避ける訓練だ! 出席番号偶数はA、奇数はBに分かれろー! |来週からは修学旅行もあるし みんな、楽しく訓練だぞ! |アウチ! 体育だからって気を抜くなー! “避ける”って意味なんだ、覚えとけよ! |そんなわけでドッジで避ける訓練だ! 出席番号偶数はA、奇数はBに分かれろー! |来週からは修学旅行もあるし みんな、楽しく訓練だぞ! |グッドアフターヌーン! 皆、昨日は敬老の日だったな! |きちんとご老人を敬ったか? 先生は、キチンと敬ったぞ! |うちのばあちゃんは、90過ぎても ゲートボールで汗を流しとる! |あの元気さは100まで行くな! あと少しだし、頑張って欲しいもんだ! |む…そうだ、鳴上! 都会っ子ならこんなの知らんだろ! |99歳のお祝いをなんと 呼ぶか知ってるか? |卒寿 |白寿 |傘寿 |おお、よく知ってるな? おばあちゃん子か? 鳴上。 |百の漢字から一を引いてみると… な? なるだろ? “白”に。 |細井先生から教えてもらったんだが、 面白いだろー。 |じゃ! 今日はご老人と一緒に出来る ゲートボールの練習試合をする! |ハハハ、やっぱり都会っ子に縁はないか! 答えは、“白寿”だ。 |百の漢字から一を引いてみろー。 な? なるだろ? “白”に。 |細井先生から教えてもらったんだが、 面白いだろー。 |じゃ! 今日はご老人と一緒に出来る ゲートボールの練習試合をする! |おーっし! 今日もみんな気持ちよく 汗を流したな! グッドだ! |水分補給は忘れるなよ! 毎日、出来れば2.5リットルだ! |なんで2.5リットルかっていうと、 一日で排出する量もそれくらいなんだと。 |…ん~そうだな。 涼しい顔した鳴上! |2.5リットル中、汗で 消費される量はどれくらいだと思う? |0.5リットル |1リットル |1.5リットル |おお、よく分かったな! すごいぞ鳴上! |消費されるのは、排せつ物が1.5リットルで 汗と呼気からは0.5リットルずつなんだぞ! |生きてるだけで、水分は消費されるって ことだな! うん! |そんなわけで、運動した後は特に気をつけて 水分補給をしろよ! じゃぁ解散!! |ん~…ちょっと、難しかったか? 数字は確かに先生も苦手だけどな! |消費されるのは、排せつ物が1.5リットルで 汗と呼気からは0.5リットルずつだ。 |生きてるだけで、水分は消費されるって ことだな! うん! |そんなわけで、運動した後は特に気をつけて 水分補給をしろよ! じゃぁ解散!! |文化祭も終わったし、これからは 本格的にウインターがやってくるな! |ジャージの下に、カイロを隠している 軟弱な奴は居ないだろーな!? |今日はお前らが元気っ子で進級するための、 スーパー体作り授業をしようと思う! |いないか? すぐ頬杖ついちゃうヤツ! 筋肉が弱ってる危険信号だぞー! |よし、じゃぁよく頬杖ついてる 花村と友達の鳴上! |どこの筋肉が弱ってると、 頬杖をつくと思う? |首から腕 |肩から腕 |背中から肩 |その通り! 姿勢の悪さは 背筋の問題であることが多い! |ほらほら、寒いからって背を丸めるな! シャッキリ行こうぜ! |じゃ、これから皆で先生と秘密特訓だ! |まずは、全員! 三角形の円になれ! |違ーう! 姿勢の悪さは 背筋の問題であることが多いんだ! |ほらほら、寒いからって背を丸めるな! シャッキリ行こうぜ! |じゃ、これから皆で先生と秘密特訓だ! |まずは、全員! 三角形の円になれ! |霧が晴れないが、こういう天気だからこそ、 身体が強くなるんだぞ! |昨日、テレビで見たような気がするから、 多分、間違いないんだからな! |…それじゃ、今日は徒競走でも計るか。 いいタイム出した奴から自習な。 |ん、その前にちょっと問題だ。 …おし、目が合った鳴上。 |走るときに重要な足の指は どの指だ? |親指 |小指 |どの指でもない |お、知ってたか。 親指の蹴り出しが重要なわけだ。 |逆に小指は使われてなくて、 退化していく一方だそうだぞ。 |馬なんかが顕著な例だな。 言うなれば、 指一本で立ってる状態らしいぞ? |じゃ! 鳴上のアドバイスどおり 皆、親指意識して走れよ! |違うんだな、親指の蹴り出しが 重要なんだ。 |逆に小指は使われてなくて、 退化していく一方だそうだぞ。 |馬なんかが顕著な例だな。 言うなれば、 指一本で立ってる状態らしいぞ? |じゃ! この例に従って… 皆、親指意識して走れよ! |はぁ~…まったくナーバスだな。 みんなもシャッキリしないだろ。 |なにせなぁ…諸岡先生がお亡くなりだろ? 職員室でも色々あってなぁ… |いや、こういう時こそ切り替えないとな! よーし、今日も皆張り切って体育だ! |じゃぁ、今日はサッカーな。 暑いからってダレるなよー! |初心忘れるべからず! まだまだ上手くなれるぞー! |ん。 暑さでボケッとしてる鳴上! |“初心忘れるべからず”の “初心”はなんて意味だ? |新鮮さ |最初の目標 |未熟であったこと |エクセレント! よく理解してるな! |物事を始めた時の、失敗ばかりの自分… 味わった悔しさや、乗り切る努力した事を 忘れちゃいけないって言葉だ。 |ちなみに、世阿弥っていう人の言葉だ! 細井先生に教えてもらったんだぞ。 |んー、いい言葉だな! テストにでも出すか! 皆も覚えろよ! |ははは、不正解だ! 先生も同じこと思ったぞー。 |物事を始めた時の、失敗ばかりの自分… 味わった悔しさや、乗り切る努力した事を 忘れちゃいけないって言葉だ。 |ちなみに、世阿弥っていう人の言葉だ! 細井先生に教えてもらったんだぞ。 |んー、いい言葉だな! テストにでも出すか! 皆も覚えろよ! |>“知識”が上がった! |>正しいと思った答えを選んだ… |>この問題は、覚えがある… |>どうも、違うような気がする… |>これは正解の予感がする! |>中間テスト1日目… |空き巣の多い時間帯は 何時ごろか、選びなさい。 |午前8時 |午後3時 |午後8時 |午前0時 |B.C.の正しい名称を 答えなさい。 |Before Crime |Beyond Christ |Before Christ |Beyond Chase |>中間テスト2日目… |次の中から完全数を選びなさい。 |3 |6 |13 |251 |“かんぺき”を漢字に直しなさい。 |完壁 |感碧 |完癖 |完璧 |>中間テスト3日目… |欲求を抑え、理性ある人間に宿る精神、 “高まいの徳”を唱えた人物を答えなさい。 |サルトル |デカルト |パスカル |ニーチェ |太陽系で一番高い山の名を答えなさい。 |エベレスト |グラ・モンス |マックスウェル山 |オリンポス山 |>中間テスト4日目… |次の内から定冠詞を選べ! |ア! |ザ! |ラ! |シ! |漢字の中で一番多い部首は 次のうちどれか選びなさい。 |さんずい |うかんむり |くさかんむり |ごんぶ |>期末テスト1日目… |“人”という字の成り立ちを 答えなさい。 |支えあっている姿 |寄りかかってる姿 |立っている姿 |座っている姿 |下手な役者の事を 英語で何と呼ぶか答えなさい。 |大根 |ハム |レタス |白菜 |>期末テスト2日目… |柿本人麻呂の和歌も掲載されている 和漢混交文の書籍を答えなさい。 |古今和歌集 |万葉集 |宇治拾遺物語 |古事記 |次の内から、ソクラテスの言葉を 答えなさい。 |悪法もまた法なり |人間は考える葦である |人生、我慢が大事 |生きるべきか、死ぬべきか |>期末テスト3日目… |古代エジプト人の青いアイラインには 何の効果があったか答えなさい。 |威嚇 |眠気覚まし |喪中 |虫除け |“ルサンチマン”の意味を 答えなさい。 |弱者への嫉妬・憎悪 |強者への嫉妬・憎悪 |弱者への憤慨・好意 |強者への憤慨・好意 |>期末テスト4日目… |アンデス山脈で採取されるもので 間違っているものを答えなさい。 |マカ |カムカム |メロン |芋 |“暁”が指す時間帯を 答えなさい。 |日が昇った後の明け方 |日が昇る前の明け方 |日が沈んだ後の夕方 |日が沈む前の夕方 |>期末テスト5日目… |ウナギの粘液に含まれる 凝集作用のあるたんぱく質を答えなさい。 |ルチン |ムチン |フチン |メタン |古代エジプトで使われた神聖文字の 別名を答えなさい。 |くさび文字 |ピエログラフ |ホログラフ |ヒエログリフ |>中間テスト1日目… |Breakfastでの “fast”の意味を答えなさい。 |パン |一番最初 |素早い |断食 |植物における“接触形態形成”の効果で 代表的なものを答えなさい。 |触れると成長が早くなる |触れないと成長が早くなる |触れると成長が遅くなる |触れても成長に変化はない |>中間テスト2日目… |人類初の地球周航に 成功した人物を答えなさい。 |バスコ・ダ・ガマ |コロンブス |マゼラン |マルコ・ポーロ |ドッジボールの“ドッジ”は 何という意味か答えなさい。 |当てる |痛い |避ける |逃げ回る |>中間テスト3日目… |涙を流す時に作用している 部分をすべて答えなさい。 |交感神経 |副交感神経 |交感神経と副交感神経 |次の中で“禁煙”をあらわさない語を 一つ選びなさい。 |no-smoking |smoke-free |smoking-allowed |>中間テスト4日目… |1円を作成する時にかかるコストは 何円か答えなさい。 |0.3円 |1円 |2円 |5円 |ルイ14世の別名を 答えなさい。 |残酷公 |太陽王 |月光王 |カツラ王 |>中間テスト5日目… |“小春日和”とは何月~何月のことか? |1~3月 |4~6月 |9~10月 |11~12月 |“鮭”の赤身はなんの色か? |筋肉の色素 |血の色素 |エサの色素 |鮭本来の色素 |>中間テスト6日目… |“白寿”は何歳のお祝いか? |90歳 |99歳 |100歳 |101歳 |元は黄色い葉を、緑色に見せていた成分を なんと呼ぶか答えなさい。 |クロロフィル |アントシアニン |キサントフィル |カロテノイド |>期末テスト1日目… |“8”を表す言葉を次の内から 選びなさい。 |august |sept |oct |nove |頬杖をつくとき、どこの筋肉が 弱っているといわれるか。 |背中から肩 |背中から腰 |腕から首 |腕から肩 |>期末テスト2日目… |ヒゲの役割で、次の内から 正しいものを選びなさい。 |汗もを減らす |凍傷をふせぐ |体内の毒素を排出する |役割はない |“パタゴニア氷原”があるのは どの国とどの国の間か? |ブラジルとアルゼンチン |チリとアルゼンチン |チリとペルー |アルゼンチンとペルー |>期末テスト3日目… |結婚、“wedding”の語源を 次から選びなさい。 |幸福 |賭け金 |誓約 |墓場 |ゲームの語源ともなった 戯曲“オセロー”の作者を答えなさい。 |ニールサイモン |ルイ14世 |デカルト |シェイクスピア |>期末テスト4日目… |南極と北極、どちらが寒いか? 最低気温の差も答えなさい。 |北極 10度 |南極 10度 |北極 30度 |南極 30度 |“ミレニアム懸賞問題”の 賞金額を答えなさい。 |1万ドル |10万ドル |100万ドル |1000万ドル |>期末テスト5日目… |コッホが発見したものは 次のうちどれか。 |酵母の働き |結核菌 |ワクチン |微生物 |“ビーフ”、“ポーク”は 何語から来た単語か? |英語 |フランス語 |フィンランド語 |ロシア語 |>期末テスト6日目… |“X’mas”。 この単語の誤っている部分を指摘しなさい。 |X |’ |mas |間違っていない |“罪人の刑場”が起源の単語はどれか? |絶体絶命 |名折れ |土壇場 |特攻 |>テスト最終日… |>どれも簡単で仕方ない… |>走り出したペンは止まらない! |>テスト最終日… |>どれも、なじみの問題ばかりだ… |>かなり、手ごたえを感じる! |>テスト最終日… |>最後の問題に、少し手こずった… |>手ごたえを感じる出来だ… |>テスト最終日… |>授業で習った問題ばかりだ… |>残念ながら、思い出せない… |>テスト最終日… |>問題の意味が理解できない… |>成す術は、もはや何も無い… 堂島 菜々子|あ、やっときたー。 堂島 菜々子|あのね、お父さんがスイカもらったんだって。 堂島 菜々子|大きくて、食べきれないから、 友だちよんだらどうかって、デンワあったよ。 堂島 菜々子|クマさんとか、おねえちゃんたち、 これるかなぁ? |>菜々子はみんなに来てほしいようだ… |>電話してみることにした。 花村 陽介|スイカ? 花村 陽介|おー、行く行く! 今年、まだ喰ってねーんだよ。 花村 陽介|俺がみんな、誘って行っから、 先走って割るんじゃねーぞ! |>運良く、全員集まる事ができた。 |>みんな、菜々子の事を 気遣ってくれたのかも知れない… 堂島 菜々子|あのね、お父さんがスイカもらってね、 だから、みんなよぼうって。 巽 完二|いっやー、スイカな! 巽 完二|こん夏ぁオレ、なんだかんだで 喰いそびれちまってたからな。 巽 完二|んで、肝心のスイカは? 何処スか? 久慈川 りせ|もう、完二。 もらいものに、がっつくな。 花村 陽介|まず割ってからだろ。 里中 千枝|え、マジにやるわけ? 崩れたら食べれないじゃん。 天城 雪子|けど、けど、楽しそうじゃない? 堂島 菜々子|菜々子もやりたい! クマ|全力で振りかぶるクマ!! クマ|飛び散る果汁、はじける笑顔、一夜の恋… あの日の甘酸っぱさ、それが青春っ!! 花村 陽介|意味がワカラン… 花村 陽介|お前、その何でもウチの店内放送っぽく 言うの、うっとうしいからやめろって。 堂島 菜々子|それがせいしゅんっ! 堂島 遼太郎|ただい…うぉっ、靴がすげえな。 何人来てんだ? 堂島 菜々子|おかえりー! 堂島 遼太郎|割る!? あ、いや…実はな… |>スイカは既に切り分けられ、 隣家にお裾分けされていた… 堂島 遼太郎|菜々子、機嫌直せ。 みんな来てくれてるだろ? 堂島 遼太郎|…悪かったって。 堂島 遼太郎|まさか“割る”って発想は 無かったんだよ… 里中 千枝|ね、菜々子ちゃん。 また今度やろうよ。 里中 千枝|今度は海で、ちゃんとさ! 久慈川 りせ|さんせーい! 花村 陽介|おお…そして水着って流れか!? 花村 陽介|あー…でも日取り的には、 流石に来年かな… 堂島 菜々子|らいねん… 堂島 菜々子|らいねんも、菜々子とあそんでくれる? 里中 千枝|あったりまえじゃん! 巽 完二|おうよ! 天城 雪子|おうよー! 堂島 遼太郎|良かったな、菜々子。 堂島 菜々子|うん! ありがとー! |>楽しい時間が過ぎていく… |>やがて、みんなは帰っていった。 |>菜々子も疲れたのか、 部屋で眠ってしまったようだ… 堂島 遼太郎|今日はありがとうな、悠… 堂島 遼太郎|あんなにハシャいでる菜々子は久しぶりだ。 堂島 遼太郎|事件も無事解決か… これで… 堂島 遼太郎|…まぁ、今日は野暮な事はよすか。 |>平和なうちに日が沈んでいった… 堂島 菜々子|あのね、スイカわる! 堂島 遼太郎|お前…いい友達、持ったな。 |>稲羽市立病院 菜々子の病室… |>仲間たちと、菜々子のお見舞いにやって来た。 堂島 菜々子|お、兄ちゃ… |>まだ話すのは辛そうだ… |具合はどうだ? |しゃべっちゃダメだ |頑張れ |へい、き… |>菜々子は弱々しく笑っている… |だって… |>菜々子は弱々しく笑っている… |うん… |>菜々子は弱々しく笑っている… |>菜々子の病状は、 特に快方に向かってはいないようだ… 堂島 遼太郎|悪かったな、わざわざ… |菜々子のためだ |家族だから当然だ |結構面倒だ 堂島 遼太郎|ああ、きっと喜んでる… |はは、そうだな… ありがとう。 |>堂島は弱々しく笑っている… 堂島 遼太郎|ははっ。 …イテテ。 堂島 遼太郎|あまり笑わせるな、こっちも重体なんだ。 堂島 遼太郎|寝たか… 白鐘 直斗|それじゃ、僕らは帰りますから… 白鐘 直斗|堂島さんも、お大事に。 堂島 遼太郎|ああ、ありがとな… |>仲間たちは、自分のことのように 心配してくれている… |>また少し、仲が深まった気がした… |>仲間たちと別れ、 家に帰ることにした… 堂島 遼太郎|どうだ、その…家のほうは。 |広く感じる |変わりない |快適だ 堂島 遼太郎|そうか…すまんな。 堂島 遼太郎|そうか… なら、よかった… |はは… 気ィ遣うな。 |…優しいな、お前は。 |>堂島は弱々しく笑っている… |>稲羽市立病院 菜々子の病室… |>仲間たちと、菜々子のお見舞いにやって来た。 堂島 菜々子|ん… |>菜々子は気配で目を覚ましたようだ… |眠ってていい |痛いところは? |見舞いに来たぞ |ん… |>菜々子は弱々しく笑っている… |だい、じょぶ… |>菜々子は弱々しく笑っている… |あり…がと… |>菜々子は弱々しく笑っている… |>菜々子の病状は、 特に快方に向かってはいないようだ… |>仲間たちは、自分のことのように 心配してくれている… |>また少し、仲が深まった気がした… |>仲間たちと別れ、 家に帰ることにした… 花村 陽介|菜々子ちゃん… 里中 千枝|が…頑張って。 天城 雪子|また、来るからね… 久慈川 りせ|菜々子ちゃん… |>これは菜々子コミュのダミーです。 菜々子コミュが解禁しました。 堂島 菜々子|あ、えっと… 堂島 菜々子|…お兄ちゃん。 |>菜々子はもじもじしている。 |どうしたの? |何でも聞いて? |あのね、えっと…えっと… |>菜々子は恥ずかしそうだ… |うん! えっと…あのね… |>菜々子はホッとしたようだ。 堂島 菜々子|お兄ちゃんって、ひとりっこ? |そうだ |ちがう |菜々子といっしょだね。 |あ、でも今はお兄ちゃんがいるから… |>菜々子は嬉しそうに笑っている… 堂島 菜々子|ふぅん… じゃあ、いもうとって…いる? |いる |いない |菜々子がいる |そっか…いるんだ。 |>菜々子は少しがっかりしたようだ。 |じゃあ、菜々子だけのお兄ちゃんなんだ… |>菜々子は嬉しそうに笑っている… 堂島 菜々子|いもうと… 堂島 菜々子|えへへ… |>菜々子はとても嬉しそうだ… 堂島 菜々子|…あのね、 まえにお父さんが言ってた。 堂島 菜々子|もう、うちに家族はふえないって… 堂島 菜々子|…でも、お兄ちゃんができた! |>菜々子は満面の笑顔だ… |>その笑顔に、また少し絆が深まった気がした… |ねえ、お兄ちゃん。 何かお話しして! |えっとね… お兄ちゃんの学校のお話しがいい! |>菜々子に話をねだられてしまった… |>…色々と話をしてみることにした。 |>夜が更けてきたので、 菜々子を寝かせ、自室に戻った。 堂島 菜々子|あのね、こないだ、 お兄ちゃんが見つけてくれた“しゃしん”… 堂島 菜々子|お父さんにかえしたんだ。 堂島 菜々子|お父さん、やさしいかおで、 ちょっとわらったよ。 堂島 菜々子|ねえ、お兄ちゃん… 菜々子ね、お父さんだいすき。 |分かってる |お父さんも菜々子が大好きだ |お兄ちゃんは? |だから、“ほんと”だと思う。 |…ほんとの、お父さんだと思うんだ。 |>菜々子は明るく笑っている… |うん、菜々子もそう思う! |>菜々子は明るく笑っている… |えっ、あ、えと、お兄ちゃんも、だいすき! |>菜々子は慌てたようだ… 堂島 菜々子|お父さんね、さめがわで、お花つんだこと わすれてなかったよ。 堂島 菜々子|“お前もおぼえてたのか”って、 うれしそうだった。 堂島 菜々子|お父さんは、お母さんがだいすきなんだ。 堂島 菜々子|…だいすきな人が、いなくなって、 かわいそうだね。 |まだ、菜々子がいる |いなくなってない |菜々子だって可哀想だ |うん! 菜々子、いなくならないよ! |>菜々子は元気に笑っている… |お父さん、言ってた。 “菜々子の中に生きてる”って。 |…菜々子ね、よくわかんないけど、 わかるよ。 |>菜々子は、大人びた優しい笑みを 浮かべている… |菜々子は、お父さんがいるよ。 |…あっ、そっか。 お父さんにも、菜々子がいるんだ! |>菜々子は嬉しそうに笑っている… 堂島 菜々子|菜々子ね… お父さんの子どもで、よかった! |>菜々子は幸せそうに笑っている… |>菜々子の笑顔に、 また少し絆が深まった気がした… 堂島 菜々子|…お話し、こんどはお兄ちゃんのばん! |>菜々子はそろそろ寝る時間だ… |>どうしようか… |話をする |寝かせる |むしろ何かで遊ぶ 堂島 菜々子|やったあ! |>菜々子は嬉しそうにしている。 |>少しだけ、話を続けることにした。 堂島 菜々子|えー、もう? |>菜々子は唇を尖らせている… 堂島 菜々子|やったあ! 堂島 菜々子|えっとね、じゃあね、 トランプやりたい! |>菜々子はとても嬉しそうだ。 |>少しだけ、トランプで遊ぶことにした。 |>夜が更けてきたので、 菜々子を寝かせ、自室に戻った。 |>人の一生について、 菜々子と話をしてみることにした… |そっか… むずかしいね… |でも、分かった! ありがと、お兄ちゃん。 |>菜々子は嬉しそうに頷いている。 |どうして急にそんな話を? |他に疑問は? |んっと…テレビでおそうしきやってて、 いろんな人がいっぱい…ないてた。 |>思い出したのか、 菜々子は悲しそうに目を伏せた… |んっと、えーっと… あっ、ある! |>菜々子は目を輝かせている… 堂島 菜々子|死んじゃったら… 人はどうなるの? |消えてしまう |天国ってところに行く |分からない |きえちゃうの? |…ふうん。 |>菜々子はよく分からなかったようだ。 |やっぱり、そうなんだ。 お母さんも、天国へ行ったんだよ。 |>菜々子は嬉しそうに笑っている… |ふうん、そっかー。 お兄ちゃんでも、わからないんだね。 |>菜々子は納得している… 堂島 菜々子|あとね、さっき、ニュースでやってた。 “ゆうびんきょくに、ごうとう”って。 堂島 菜々子|どうして、わるいひとは わるいことするの? |仕方なく |楽しいから |分からない |しかたないの? |…なんか、かわいそう。 |>菜々子は悲しそうだ。 |わるいことが、たのしい? |…よくわかんない。 |>菜々子は困っている。 |そっか…お兄ちゃんは、 わるいひとじゃないもんね。 |>菜々子はホッとしたようだ。 堂島 菜々子|でも、わるいひとがいないと お父さん、もっと帰ってくるよね… 堂島 菜々子|去年はジケン、あんまりなくて、 お父さん、おうちにいたよ。 堂島 菜々子|ほいくえんも、 むかえにきてくれたし… 堂島 菜々子|お父さんは菜々子より、 わるいひとの方が大事なの? |そんなことはない |みんなを守るためだ |菜々子を守るためだ |あるよ! |だってお父さんは、わるいひと つかまえる方が、大事なんだから… |>菜々子は泣くのをこらえている。 |じゃあ… 菜々子より、みんなが大事なの…? |>菜々子は少し悲しそうだ… |…よくわかんないよ。 |>菜々子は考え込んでいる。 |>菜々子はじっと我慢しているようだ… |>菜々子の寂しさを、 少し分かった気がした… 堂島 菜々子|…お兄ちゃん、 もう少し、お話しして? |>寂しそうな菜々子に、 色々と話をすることにした… |>夜が更けてきたので、 菜々子を寝かせ、自室に戻った。 |>菜々子はソワソワと歩き回っている… 堂島 菜々子|お父さん、今日も遅いのかな… 堂島 菜々子|はい、堂島です。 堂島 菜々子|お父さん! 堂島 菜々子|え…ホント!? 堂島 菜々子|うん…うん、分かった。 堂島 菜々子|お父さん、 今から帰るって。 堂島 菜々子|ごはん、よういしなきゃ。 |>菜々子は、はしゃいでいる。 堂島 菜々子|たくあん、なくなってる。 堂島 菜々子|お父さん、ガッカリするかなぁ… |買いに行ってくる |一緒に買いに行こう |我慢してもらおう |でも…お父さんの好きなの、 ジュネスにしかないんだ。 |…あ、じゃあ、菜々子も行く! |>菜々子はワクワクしているようだ。 |ほんと!? |ありがとう、お兄ちゃん! |>菜々子はとても嬉しそうだ。 |ん… |でも、お父さんせっかく帰ってくるから、 たくあん、あげたい。 |>菜々子はひたむきに見上げてくる… |>…菜々子と買いに行くことにした。 堂島 菜々子|…えへへ。 いっしょに、おかいものだね。 |>菜々子は嬉しそうだ… |>菜々子からの好意を感じ、 絆が深まった気がした… 堂島 菜々子|行こ、お兄ちゃん! |>菜々子と一緒に、 ジュネスに行くことにした。 |>しばらくして、自宅… 堂島 菜々子|ただいまー。 堂島 菜々子|お父さん! おかえりー! 堂島 遼太郎|こんな時間にどこ行ってた。 堂島 菜々子|あ、えと…ジュネス… 堂島 遼太郎|遅くに外へ出るなって言わなかったか? 堂島 菜々子|で、でも、お父さん、 帰ってくるって…だから… 堂島 遼太郎|どんな理由があろうと、駄目なものは駄目だ。 お父さんと約束しただろ。 |>菜々子は悲しそうだ… |ごめんなさい |話くらい聞いて欲しい |菜々子は悪くない |なんで…お兄ちゃんがあやまるの? |…お兄ちゃん、わるいことしてない! |な、なこ、だって… わるいこと… |>菜々子は泣き出しそうだ… |むだだよ! |お父さん、聞いてくれないもん! いっつも…いっつもだよ!! |>菜々子は泣き出しそうだ… 堂島 菜々子|お兄ちゃん… 堂島 菜々子|>菜々子はホッとしたようだ。 堂島 菜々子|堂島 菜々子 菜々子…わるくないの? どして、お父さんおこるの… 堂島 菜々子|どうして、お父さん、きいてくれないの… 堂島 菜々子|お、お父さんのバカ…! 堂島 菜々子|バカ、バカ!! 堂島 遼太郎|菜々子! 親に向かってバカとは何だ!! |>堂島に事情を説明した… 堂島 遼太郎|俺のために…たくあんを…? 堂島 遼太郎|…そうだったのか。 堂島 遼太郎|だからって、子どもがこんな時間に出歩くのを 認めるわけにはいかない。 堂島 遼太郎|今は色々物騒なんだって知ってるだろ。 お前も、遅くまでフラフラしてるんじゃない! |>ついでに怒られてしまった… |>大人しく自室へ戻ることにした。 |>菜々子と一緒にテレビを見ることにした。 |>少年が実の父親を捜すドキュメンタリーだ… |>菜々子は食い入るように見つめている。 堂島 菜々子|ほんとの、お父さん… 堂島 菜々子|“ほんと”…って、どういうこと? |血が繋がっている人のこと |大好きな人のこと |いつも傍にいる人のこと |ち? つながってる…? |よくわかんない… |>菜々子は混乱している… |そっか…じゃあ、 お兄ちゃんは、ほんとのお兄ちゃんなんだ。 |>菜々子はとても嬉しそうだ… 堂島 菜々子|お父さんも、ほんとのお父さんだ! 堂島 菜々子|でもお父さんは、 菜々子のこと、好きじゃないと思うな。 |そっか…じゃあ、 お兄ちゃんは、ほんとのお兄ちゃんなんだ。 |お兄ちゃんは、 毎日おうちに帰ってきてくれるから… |>菜々子は嬉しそうだ… 堂島 菜々子|でも、お父さんは… 堂島 菜々子|もしかして… 堂島 菜々子|菜々子、“ほんと”じゃないの? 堂島 菜々子|お父さんの“ほんと”の子どもじゃないから、 お父さん、おうちに帰ってこないの? |お父さんがそう言った? |そんな事は無い |自分がついてる |…言ってない。 |>菜々子は安心したようだ… |だ、だって! お父さん、いないよ… |>菜々子は納得できないようだ。 |うん… |>菜々子は少し安心したようだ… 堂島 菜々子|お母さん… 堂島 菜々子|どして、菜々子おいてったんだろ。 堂島 菜々子|…お母さんいたときね、 お母さんとお父さんと菜々子で、三人でね… 堂島 菜々子|さめがわのとこで、お花つんでね… |>菜々子はぽつぽつと思い出話をしてくれた… |>菜々子の胸の内が分かった気がした… 堂島 菜々子|お兄ちゃん。 なにかお話し、して… |>菜々子はそろそろ寝る時間だ… |話をする |寝かせる |菜々子の話を聞く |わぁい! |えーっとね、えーっとね… じゃあね、“しりとり”しよ! |>菜々子は嬉しそうにしている。 |えっと、“しりとり”の、“し”! し、し…しいたけ!! |>菜々子のしりとりに付き合った。 |…お父さんとおんなじこと言う。 |>菜々子は悲しそうだ… |うん、いいよ! |えーっとね、今日はね、朝おきて… |>菜々子は楽しそうに話している。 |>夜が更けてきたので、 菜々子を寝かせ、自室に戻った。 |>どうしようか… 堂島 菜々子|えっと…お父さんに、ないしょだよ。 |>菜々子は泣き出しそうだ… |とりあえず聞き出す |固く約束する |えっと…えっと… |>菜々子はおどおどしている。 |う、うん… |>菜々子は頷いて話し始めた… 堂島 菜々子|まえに、学校でくばられた。 堂島 菜々子|おうちの人に、わたしなさいって… これ。 |>菜々子が差し出したプリントには、 こう書かれている… |>“授業参観の開催希望日アンケート” 堂島 菜々子|いつ来れるか、書いてもらいなさいって… 堂島 菜々子|お父さん、おしごとあるから… 堂島 菜々子|きっと、来れないよね? |きっと来てくれる |分からない |一緒に頼んであげる |ほんと? |>菜々子はホッとしたようだ… |…プリント、どうしよう。 出さないと、先生におこられる。 |でも… |>菜々子は困っている… |ほんと? |お兄ちゃん、ありがとう! |>菜々子はホッとしたようだ… 堂島 菜々子|うん…これ、お父さんにわたす。 堂島 菜々子|来てって…言う。 堂島 菜々子|お兄ちゃんに話してよかった! |>菜々子からの信頼を感じる… |>菜々子との仲が深まった気がした… 堂島 菜々子|ちゃんと、来てくれるよね。 堂島 菜々子|…“ほんと”のお父さんだったら。 堂島 菜々子|ねえ、お兄ちゃんも “じゅぎょうさんかん”ってあった? 堂島 菜々子|きんちょーした? |>菜々子と色々な話をした… |>夜が更けてきたので、 菜々子を寝かせ、自室に戻った。 堂島 遼太郎|…ただいま。 堂島 菜々子|あ、おかえりなさい! 堂島 菜々子|お父さん、あの…あのね! 堂島 遼太郎|菜々子、後にしてくれ… 堂島 菜々子|で、でも、プリント… 堂島 遼太郎|授業参観のアンケート? 堂島 遼太郎|希望日って言われてもな… 堂島 菜々子|いい。 堂島 菜々子|もう、いい… 堂島 菜々子|もういいよ! 堂島 菜々子|書かなくていいよ! 来なくていい!! 堂島 菜々子|どうせ、ジケンでしょ!? おしごとなんでしょ!? 堂島 菜々子|お父さんは菜々子より、わるいひととか みんなとかが、だいじなんでしょ!? 堂島 菜々子|“ほんと”じゃないから… 堂島 菜々子|お父さんは、 “ほんと”のお父さんじゃないから!! 堂島 遼太郎|なっ…菜々子! 待ちなさい! 堂島 遼太郎|なんだってんだ… |捜しに行こう |そっとしておこう |ああ…ああ、そうだな。 俺が呆けてる場合じゃない。 |>堂島は力強く頷いた。 堂島 遼太郎|そ、そうだな、単なる反抗期… 堂島 遼太郎|駄目だ、ほっとけるか! 堂島 遼太郎|俺はジュネスの方を見てくる。 悠は、商店街の方を捜してくれ! 堂島 遼太郎|頼んだぞ! |>飛び出した菜々子を捜しに行かなければ… |>菜々子の姿は見当たらない… |おい、鳴上! 花村 陽介|堂島さんが血相変えてジュネス来たから、 事情聞いたんだ。 里中 千枝|もう、水クサイよ! 天城 雪子|私たち、花村くんから連絡もらったの。 天城 雪子|菜々子ちゃん… みんなで捜したら、きっと見つかるよ。 花村 陽介|なあ、どっか菜々子ちゃんが行きそうなトコ、 心当たりとかないのか? |>菜々子が行きそうな場所… |>そういえば、母親が生きていた頃、 三人でよく鮫川に行ったと聞いた… |>鮫川のことを仲間に伝えた… 花村 陽介|鮫川か… 花村 陽介|よし、鳴上は直行しろ。 一番可能性高そうだ。 花村 陽介|俺らは、手分けして他当たってみる。 何かあったら連絡し合おう。 |>稲羽通り商店街… |>ここも霧に覆われている… 堂島 遼太郎|悠、菜々子はいたか!? 堂島 遼太郎|くそ… 一体どこに… 堂島 遼太郎|菜々子! 堂島 遼太郎|お前が…行ってやってくれないか。 堂島 遼太郎|“本当の父親じゃない”か… 堂島 遼太郎|悠…頼む、迎えに行ってくれ。 堂島 遼太郎|お前の言うことの方が素直に聞くだろ… |そんなことは無い |どうして? |分かった 堂島 遼太郎|いや、あるさ… 堂島 遼太郎|お前はあの子の“家族”だ… 俺なんかより、れっきとした…な。 堂島 遼太郎|あの子が今、一番信頼している “家族”は、お前だ… 堂島 遼太郎|…すまん。 堂島 遼太郎|俺は…菜々子が無事なら、それでいい。 堂島 遼太郎|…頼む。 堂島 菜々子|お兄ちゃん… |どうしてここに? |家に帰ろう |お父さんが心配してる |…お母さんと、来たから。 |>菜々子は少し寂しそうだ… |…うん。 |>菜々子は泣き出しそうだ… |…うそつき。 |>菜々子は泣き出しそうだ… |>菜々子を見つけたのは、 お父さんだと伝えた… 堂島 菜々子|菜々子のこと、さがしてくれたんだ… 堂島 菜々子|お父さん… 川のこと、何か言ってた? 堂島 菜々子|お父さん、忘れちゃったのかな。 お母さんのこと… 堂島 菜々子|お母さんの話、ぜんぜんしてくれないし… 堂島 菜々子|菜々子、お母さんに会いたい… |>菜々子は必死に、泣くまいとしている… |>健気な菜々子の姿に、 絆が深まった気がした… 堂島 菜々子|きっとお父さん、 お母さんを忘れちゃったんだ。 堂島 菜々子|しゃしんも、なくなってた。 きっとすてたんだ… 堂島 菜々子|お父さん… 菜々子もすてるのかな… |忘れてなんかない |捨てられたりしない |心配するな 堂島 菜々子|…帰る。 堂島 菜々子|いっしょに、帰ろ。 |>仲間に電話をし、菜々子の無事を伝えた… |>菜々子と一緒に、自宅に戻った。 |>菜々子にプリントと写真を渡した。 |>菜々子は、机の上のプリントを じっと見ている… 堂島 菜々子|“いつでも…なんとか”って書いてある。 堂島 菜々子|いつでも…いいよってこと? 堂島 菜々子|そっか…えへへ。 堂島 菜々子|それと、この…しゃしん? 堂島 菜々子|あっ、これ… 堂島 菜々子|お母さんだ… 堂島 菜々子|まんなかのちっちゃいの、菜々子だよ… 堂島 菜々子|お父さん、わらってる… 堂島 菜々子|お父さん… どうして、わらわなくなっちゃったの… |きっと、お父さんも寂しいから |菜々子が寂しがってるから |お父さんも、さびしい…? |そっか…そうだったんだ… |>菜々子は何かに気づいたようだ。 |菜々子がさびしいと、 お父さん、わらわない…? |そっか…そうだったんだ… |>菜々子は何かに気づいたようだ。 堂島 菜々子|お母さんが死んじゃって、 菜々子、さびしかったけど… 堂島 菜々子|お母さんがいなくなってさびしいのは、 菜々子だけじゃないんだ… 堂島 菜々子|お父さんも… きっと、さびしかったんだ… お父さん…ごめんなさい。 |>菜々子の表情はどこか大人びて見える… |>菜々子と仲が深まった気がした… 堂島 菜々子|ありがとう、お兄ちゃん。 堂島 菜々子|お父さん…いつかまた、 こんなかお、してくれるかな? |>菜々子はじっと、 写真を見つめている… |>夜が更けてきたので、 菜々子を寝かせ、自室に戻った。 堂島 菜々子|あのね、学校でもらったプリント なくしちゃった… 堂島 菜々子|どうしよう…先生におこられる。 |一緒に探そう |失くしたものは仕方ない |ん…ありがと、お兄ちゃん。 |>よほど困っていたのか、 菜々子は泣きそうになっている… |>家の中を探してみることにした。 |先生、こわい… |>菜々子は泣きそうになっている… |>…その辺を探すことにした。 |>堂島がよく見ている資料が置いてある… |>…? |>“授業参観の開催希望日アンケート” と書かれた紙が挟まっている… |>“希望日”には“いつでも可能”と 書いてある… |>菜々子の探しているプリントとは、 これのことだろうか… |>…? |>資料にはまだ、何かが挟まっている。 |>どうやら、写真のようだ… |>とりあえず、菜々子に見せてみよう。 堂島 菜々子|さっき、でんわあってね、 お父さん、もうすぐ帰ってくるって。 堂島 菜々子|お兄ちゃん、 一緒にごはん、つくろ! 堂島 菜々子|今日はね、いろいろすることあるんだ! |>菜々子はいつもよりはしゃいでいる。 堂島 菜々子|ジュネスでおそうざいと、たくあんと、 やさいいっぱい、買った! 堂島 菜々子|お兄ちゃん、サラダつくれる? |もちろん |たぶん… |朝飯前! |じゃあお兄ちゃん、サラダがかり! |菜々子は、えっと、めだまやきがかり! |>菜々子はとても嬉しそうだ。 |じゃあお兄ちゃん、サラダがかり! |菜々子は、えっと、めだまやきがかり! |>菜々子はとても嬉しそうだ。 |…よるごはんだよ? |>菜々子は不思議そうな顔をしている… 堂島 菜々子|これからは、 やさい、ちゃんと食べないとね。 堂島 菜々子|バランスのいい、食せいかつが だいじなんだよ! |>どこで聞いたのか、 菜々子は得意そうにしている。 堂島 菜々子|…あのね、かぞくは助けあうんだって、 先生、いってた。 堂島 菜々子|お母さん死んじゃって、 菜々子もお父さんも、さびしいけど… 堂島 菜々子|でも、菜々子にはお父さんがいるから! 堂島 菜々子|だから、お父さんがさびしくないように、 菜々子ががんばらないとね! 堂島 菜々子|お兄ちゃんも、かぞくだから… いっしょにがんばろーね! |無理はするな |頑張ろう |お母さんの分はちょっと… |ムリじゃない! 菜々子、いつまでもコドモじゃないもん。 |>菜々子は胸を張っている。 |うん! |>菜々子はとても嬉しそうだ。 |お兄ちゃんは、お兄ちゃんでいいの! |>菜々子は嬉しそうに笑っている… 堂島 菜々子|あ、そだ… 堂島 菜々子|これ、お兄ちゃんにあげる! |>菜々子と、両親が映っている… 堂島 菜々子|お父さんがね、やきまわし? してくれた。 堂島 菜々子|お兄ちゃんも、かぞくだから、 かぞくのしゃしん、あげる。 堂島 菜々子|今度、お父さんとお兄ちゃんと菜々子で、 しゃしんとろうね! 堂島 菜々子|えへへ… 堂島 菜々子|お兄ちゃん、だいすき! |>菜々子からの厚い親愛を感じる… |>菜々子との固い絆を感じた… 堂島 菜々子|はやくじゅんびしないと、 お父さん、帰ってきちゃう! |>菜々子と一緒に、 夕食の仕度をすることにした。 堂島 遼太郎|ただいまー。 堂島 菜々子|お父さん! おかえりなさい! 堂島 遼太郎|お、おう。 堂島 菜々子|今日ね、お兄ちゃんとごはんつくった! サラダとね、えっと、いろいろ! 堂島 遼太郎|そうか…えらいぞ、菜々子。 堂島 菜々子|手、あらってきてね! はやく、すわって! 堂島 遼太郎|何だか、やけに元気だな。 堂島 遼太郎|きっと、お前のおかげだな。 堂島 菜々子|お父さん、お兄ちゃん、 はやくはやく! 堂島 遼太郎|分かった分かった。 すぐ食べよう。 |>家族三人で、楽しい団らんを過ごした… |りせコミュ解禁ダミー |>惣菜大学… |>りせの強い希望でやってきた… 久慈川 りせ|もー無理。 おなかキツくなってきた… 久慈川 りせ|でもすっごい満足したー! ずっと気になってたんだ、ここ。 久慈川 りせ|けど、一人だとホラ、 恥ずかしいでしょ? |なんで? |買い食いとかしない? |買って帰って食べれば? |なんでって…女の子が道端で 一人で肉とか食べないよー。 |それに、みんな絶対思うじゃん。 “仕事から開放されてハメ外してるなー”って。 |それってなんかシャクだし。 |…まあ、事実だけど。 |>りせは楽しそうだ… |しないしない! |そんなんして、もし写真とか抜かれたら、 事務所にマジ怒られるもん。 |買い食いなんて、すごい小っちゃい頃に お祭りの夜店とかに行ったっきり。 |あの頃は家族みんなで…楽しかったな。 |>りせは懐かしそうに笑っている… |先輩、ぜ~んぜん分かってない。 |この“空気”が大事なんだから。 食べれば何でもいいんじゃないの。 |>りせは何故か得意げに語っている… 久慈川 りせ|実はこういうの… ずーっと憧れてたんだ。 久慈川 りせ|私こう見えて、親とか厳しかったし。 久慈川 りせ|友だちも…あんまり居なかったし。 久慈川 りせ|ま、学校になかなか顔出さないんじゃ、 しょうがないんだけどさ。 久慈川 りせ|て、やめやめ! 暗すぎるこの話!! 久慈川 りせ|楽しい話しよ。 せっかく先輩と二人なんだし! 久慈川 りせ|私、この町に来て、 先輩と会えて、嬉しいんだもん。 久慈川 りせ|ほんとだよ? |>りせは自然な笑顔ではしゃいでいる… |>りせと仲が深まった気がした… 久慈川 りせ|じゃあまずは、好きなタイプから 訊いてみよっかな? |>暗くなるまでりせの質問攻めに付き合い、 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>沖奈市 沖奈駅前… |>りせに連れられてやってきた。 久慈川 りせ|はー、遠かったー… 久慈川 りせ|帰りも時間掛かるし、 急ぎめで回ろー! |いつもここまで来る? |稲羽市でも買えるんじゃ… |今日はどんな服を探しに? |まーね。 だってウチの周り、 お店少ないの知ってるでしょ? |今日は一人じゃないし、 どーんと買っちゃおっかな! |>りせは楽しそうだ… |無理無理! |せいぜいジュネスでしょ? エブリデイ・ヤングライフだよ!? |…ま、ジャージだけは 家着で重宝してるけど。 |>りせは照れ笑いを浮かべている… |もっちろん、ワンピ! |着て来たら、ちゃんと気付いてよね? |>りせは悪戯っぽく笑っている… 久慈川 りせ|あ、そういえば、完二とかって、 いつもどこで服買ってんだろ? 久慈川 りせ|あーいうトガったの、この辺じゃ、 ジュネスにも何処にも無いよね? 久慈川 りせ|…生意気にネットショッピングとか? 久慈川 りせ|……自作? |あ、あの… |も、もしかして、 りせちー、じゃない? |ぼ、ぼぼぼく… 久慈川 りせ|…違います。 久慈川 りせ|…行こ、先輩。 |>りせに引きずられるように その場を後にした… |>りせは何度も声を掛けられた… 久慈川 りせ|しつこいっつの!! 久慈川 りせ|はー、でも、言ってやった! 久慈川 りせ|今日は言ってやったよ、先輩! 久慈川 りせ|“違います”“別人です” “りせちーじゃないです!” 久慈川 りせ|うん…私、もう、 “りせちー”じゃないんだよね… 久慈川 りせ|一人の、女の子… 久慈川 りせ|えへへ…何か、嬉しい。 久慈川 りせ|こんな風に出かけたりとか… 思ってもみなかったな。 久慈川 りせ|…先輩、私ね、あの町が好き。 久慈川 りせ|毎日同じ顔に会うし、噂とかも早いし、 “うっとうしい!”って思う事もあるけど… 久慈川 りせ|こういう大きな街のほうが、 他人だらけで気楽かもって思うけど… 久慈川 りせ|それでも私、あの町が好きだよ。 久慈川 りせ|あそこには、先輩たちがいるし、 おばあちゃんもいるし… 久慈川 りせ|何より、私にやれる事もあるから。 久慈川 りせ|…先輩、がんばろうね! |>りせから熱いやる気が伝わってくる… |>りせのことがまた少し、 分かった気がした… 久慈川 りせ|ワンピもピンと来たの無かったし、 帰ろっか。 久慈川 りせ|行こ、先輩。 |>りせを家まで送ってから、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽中央通り商店街… |>愛家で食事をした後、 りせを送っていくことにした… 久慈川 りせ|ちょっと味濃かった? けど、美味しかったー。 久慈川 りせ|お婆ちゃんのゴハン、味薄いんだ。 お豆腐メインだからヘルシーだけど。 |>りせの家の前に怪しい男がいる… 久慈川 りせ|あれって…記者さん…? 久慈川 りせ|…え、もしかしてストーカーとか? |>りせは不安げだ… |大声を出す |通報する |手を取って逃げる |…ま、待って、先輩! |あんまり… 大きな騒ぎになるようなことはマズいよ… |>りせは困ったような顔をしている… |う、うん、先輩、お願い… |>りせはホッとしたようだ… |えっ、だ、大丈夫だよ。 まだ危険人物って決まってないし。 |近づかないようにして、様子見よ? |…でも、ありがと、先輩。 |>りせは安心したようだ。 久慈川 りせ|ん、けど、あの人… どっかで… 久慈川 りせ|…もしかして、井上さん!? |りせちゃん! 久慈川 りせ|な、何でこんなとこに…? 久慈川 りせ|事務所とはちゃんと話してあるでしょ…!? |…今日は僕個人が 納得できないから来たんだよ。 |“久慈川りせ”のマネージャーとして、 今まで見てき… 久慈川 りせ|私は今、タレントじゃない! 久慈川 りせ|もう生活時間をマネージャーに 管理されてない! 久慈川 りせ|帰って。 帰らないと、警察呼ぶ。 |ま、待ってくれ! |もう一度、考え直してくれないか? あの映画、僕は“久慈川りせ”しかいないと思う。 |君のファンだって楽しみにしてたし… 久慈川 りせ|これ以上… まだ私に何か演じろっていうの!? |え…? 久慈川 りせ|…とにかく、もういいの! 芸能界とか、そういうの全部、もういい! 久慈川 りせ|私… 久慈川 りせ|私、高校卒業したら、 か、彼と結婚するんだもん!! 久慈川 りせ|休業って言ってたけど、決めたの! もう復帰とか…絶対無いから! 久慈川 りせ|悠はね、私だけ見てくれてて… 久慈川 りせ|…それに、すっごく優しいんだから! |>りせは必死だ… |話を合わせる |否定する |>話を合わせた… |ほ、ほら、言ってるでしょ…? |>りせはホッとしたようだ… |>りせの話を否定した。 |か…彼、恥ずかしがり屋なの! |と、当然よ! りせちーと結婚とか、 お、おおごとだもんっ! |>りせは顔を真っ赤にして 取り繕っている… |分かった… 今日のところは…帰るよ。 |で、でも、僕は… 久慈川 りせ|早く帰って!! 久慈川 りせ|あ…え、えっと… 久慈川 りせ|…あの人、井上さんっていうの。 私のマネージャー…だった人。 久慈川 りせ|娘さんが私と同い年だとかで、 私の事、色々心配してくれてたの… 久慈川 りせ|でも…もう、今の私には関係ない人。 久慈川 りせ|せ、先輩、あの… 久慈川 りせ|ごめんなさい… 結婚するとかって、ウソついちゃって… |気にしてない |ウソは良くない |ウソだったのか? |先輩… |やっぱ大人だな… |>りせはホッとしたように笑っている。 |それはっ…そうだけど、でも… ウソも方便…って言うでしょ…? |先輩は、私が芸能界に 引きずり戻されてもいいの…? |事件…私がいなくても解決できるの? 私がいなくても… |…な、なんでもない。 |>りせは暗い顔をしている… |え…? |ウソだったのか…って… や…やだ…先輩… |もう… |>りせは戸惑いつつ苦笑している… 久慈川 りせ|先輩って…やっぱり優しい。 久慈川 りせ|ま、まずいな… 私…どんどん甘えちゃいそう… 久慈川 りせ|…な、なんてね! |>りせはホッとした反動か、 照れくさそうに笑っている… |>りせと仲が深まった気がした… 久慈川 りせ|もう少し、先輩といたいけど… 今日は、帰る。 久慈川 りせ|またね、先輩。 |>りせを見送り、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>高台… |>ここが好きだと言うりせの リクエストでやってきた… 久慈川 りせ|今の家に来てすぐの時は、 ここで、ずっとぼーっとしてたな… 久慈川 りせ|川の音とか、鳥の声とか、雨の音とか、 そういうの、ずーっと聴いてるの。 久慈川 りせ|そしたらね、“りせちー”を忘れて… “自分”を見つけられる気がしたんだ… 久慈川 りせ|でも… 久慈川 りせ|ねえ、先輩も、自分が無理してるな、とか、 演技してるなって、思うことってある…? |しょっちゅう |たまに… |あまり無い |そうなんだ… じゃあ先輩、私より芝居、上手かもね。 |…そっか。 先輩もけっこう苦労してるんだね… |>りせはどこかホッとしているようだ。 |そっか… でも、そうだよね… |誰だって、いつでも“ありのままの自分” って訳には、いかないよね… |>りせは寂しそうに笑っている。 |へー、じゃあ今の先輩が、 ありのままの先輩…? |ほんとかな~? |…ふふ、うそうそ。 でも、すごいね、それって。 |>りせは感心しているようだ… 久慈川 りせ|私はね、この町に来て、 すごく楽になった気がするんだ。 久慈川 りせ|先輩たちに出会って、いっぱい笑ったり… 店番したり、マンガ読んだり、猫と遊んだり… 久慈川 りせ|…実家にいた頃は、 正直、両親にも気を遣ってたから… 久慈川 りせ|あ、でも、お婆ちゃんは何も訊かない。 休業の理由とか、身の振り方とかさ… 久慈川 りせ|ただね、お婆ちゃん、お豆腐の話してくれた。 私のこと…お豆腐みたいなんだって。 久慈川 りせ|どういう意味? って、思わず聞き返しちゃったけど… 久慈川 りせ|…もろくて崩れそうだけど、 でも案外しっかりしてるね…って。 久慈川 りせ|他の食べ物と似てなくて個性あるのに、 どんな食材にも味にも上手に馴染む… 久慈川 りせ|お豆腐はね、すごいんだよって。 久慈川 りせ|私…全然そんなんじゃないのにね… 久慈川 りせ|私ね… 久慈川 りせ|実は…デビューするまで、 学校でイジメられてたんだ… 久慈川 りせ|人と上手く話せなくて、 いつもうつむいてた… 久慈川 りせ|私、ずっと独りだった… 久慈川 りせ|…でも、別に独りでもいいと思ってた。 誰にも何も、期待してなかったし。 久慈川 りせ|そしたら、なんか身内が勝手に応募してた オーディションの書類選考に通っちゃって。 久慈川 りせ|アイドルなんて、全然興味無かったけど… でも、自分を変えるきっかけが欲しかったの。 久慈川 りせ|そしたら、何のまぐれか優勝しちゃって。 久慈川 りせ|ふふ…あの時は、どうしよう、断ろうかって、 すっごい慌てた。 久慈川 りせ|でもね…テレビ出るようになったら、 人と、仲良くなれるかなって、思って… 久慈川 りせ|ホント、そんな理由だけで、 デビューすることに決めたんだ… 久慈川 りせ|でもね…分かっちゃった。 久慈川 りせ|みんなが好きで、ちやほやするのは、 “本当の私”じゃない… 久慈川 りせ|みんなが好きなのは“りせちー”… 売るためにキャラ付けされたアイドル。 久慈川 りせ|…ねえ。 先輩だって、実はそうなんでしょ? 久慈川 りせ|いいよ、隠さなくて。 …別に怒ったりしない。 久慈川 りせ|“りせちー”だから、 今こうして、一緒にいるんでしょ? |そうだ |違う |分からない |そうだよね… |“りせちー”で良かった… って言うべきかなぁ? |>りせは苦笑いをしている… |ごめんなさい、こんな聞き方したら、 そう答えるしかなくなるよね… |…でも嬉しい。 |>りせは弱々しい笑みを浮かべている… |先輩も“分からない”なんて言うんだ… ちょっと意外かも。 |“強い人”ってイメージだったから。 |…そっか。 たった1コしか違わない男の子… なんだよね、先輩って。 |考えなかったな、今まで… |>りせは少し恥ずかしそうに笑っている。 久慈川 りせ|デビューしてから学校に行くとね、 もう誰も私をイジメなかった… 久慈川 りせ|最初は嬉しかったよ。 知らない子まで話しかけてくれて… 久慈川 りせ|でもそれって、本当の私がみんなに 受け入れられたからじゃない… 久慈川 りせ|“りせちー”だから…なんだよね。 久慈川 りせ|イジメは無くなったけど… 本当の私を見てる子は…いない気がした。 久慈川 りせ|本当の私はこんなんじゃないって… 心の中でいつも思ってた… 久慈川 りせ|…はは、笑っちゃうでしょ? 変わりたいって、自分で言い出したのに… 久慈川 りせ|でもね、今はもう全部、どうでもいい! “りせちー”は休業したからね! 久慈川 りせ|今は、ちゃんと“本当の私”を 知っててくれる人がいるもん。 久慈川 りせ|それに、みんなを助ける力だってある… …それが、すごく嬉しいの。 久慈川 りせ|私、今度こそ先輩たちに 相応しい私に変わる! 久慈川 りせ|ちゃんと見ててね、先輩! |>りせはスッキリと笑っている… |>りせのことが、また少し 分かった気がした… |>りせを送ってから、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽中央通り商店街… |>沖奈駅前に出かけた帰り、 りせを家まで送ってきた… 久慈川 りせ|えへへ。 いっぱい、お取り寄せ頼んじゃった。 久慈川 りせ|取りに行く時、 また一緒に行ってね、先輩。 久慈川 りせ|今日は、ほんと楽しかった。 声かけてくる人もいなかったし… 久慈川 りせ|…もう、忘れられてたりして。 久慈川 りせ|そうだ、お豆腐持って帰る? 久慈川 りせ|今日のは私が仕込み手伝ったんだから。 久慈川 りせ|待ってて。 |あの、悠さん…ですよね? |えーと…先日は、どうも… |私、久慈川りせの マネージャーをしていた井上実といいます。 |突然で申し訳ないとは思うのですが、 これを…彼女に渡してもらえないでしょうか。 |>井上から、1通の手紙を渡された… |ファンレターが、その、まだ来てまして… |どうしてわざわざ? |もう必要ないのでは? |何故りせにこだわる? |僕からでは、 受け取ってもらえないと思うので… |それに彼女、その子からのファンレターは、 いつも楽しみにしていたから… |…確かにそうかもしれません。 |けど彼女、その子からのファンレターは いつも楽しみにしていたから… |僕自身、久慈川りせのファンだから…ですかね。 彼女の才能に、僕は惚れてる。 |それに、その子からのファンレターは いつも楽しみにしていたから… |…今の時代、タレント業は、 売れたら売れたで辛い仕事なんです。 |パズルのように分刻みで予定がハマっていき、 毎日、気の毒なほど限界まで搾り取られる… |でも僕は、それでも彼女に 戻って来て欲しいんです… |彼女の輝きは本物だ…それに、 辛さをバネにできる強さも持ってる。 |見たところ… 彼女は、あなたに頼っているようだ。 |ですから、あなたの方から… 久慈川 りせ|先輩、ごめーん。 今日のはもう… 久慈川 りせ|って、井上さん!? しつこいよ! 久慈川 りせ|…てゆーか、先輩に何言ったの!? |ご、ごめん、もう帰るから… それじゃ… 久慈川 りせ|辞めた後まで付きまとうなんて、 ストーカーじゃん! 久慈川 りせ|信頼してたのに…裏切られた!! |そんな言い方はよくない |あの人はりせを心配してる |本当に復帰しないの? |なっ…なんで先輩、あの人の肩持つの!? せ、先輩は、りせの味方じゃないの…? |>りせはショックだったようだ… |…違う。 あの人は“りせちー”に戻って来て欲しいだけ。 |あの人達が作った“私”にね… |>りせは唇をかみ締めている… |先輩… 何で急にそんなこと言うの…? |やっぱり、井上のヤツ、 余計なこと言ったんでしょ! |>りせは憤慨している… 久慈川 りせ|それで、あの人…何しに来たの? |>りせに理由を話し、ファンレターを渡した。 久慈川 りせ|これ… 久慈川 りせ|この子、まだ手紙くれてたんだ… 久慈川 りせ|そっか… でも、わざわざ、これを…? 久慈川 りせ|…この子ね、中学生の女の子なんだけど いっつも手紙、くれるの。 久慈川 りせ|前に仕事で、イジメ撲滅のキャンペーンに 出たことがあったんだけど… 久慈川 りせ|それを見てすごく勇気が出たって… イジメに負けず友達できるように頑張るって… 久慈川 りせ|それ以来、“今日はこんな事が出来た” “こんな風に話せた”って、手紙くれるの。 久慈川 りせ|“りせちーが頑張ってるから、励まされる” “まだ頑張れるって思える”って… 久慈川 りせ|…はは、なんか単純だなって思うでしょ? 久慈川 りせ|でもね、この子からの手紙を読む度に、 “りせちー”にも、意味があるって思えた… 久慈川 りせ|だから、辛いときはいつも読み返してたな… 久慈川 りせ|先輩…まだ時間、いいかな…? |>ここも霧に覆われている… |>辰姫神社… 久慈川 りせ|>ファンレターを読み終えたりせは、 考え込んでいるようだ… 久慈川 りせ|…やっぱ、心配してくれてるみたい。 久慈川 りせ|表向きは、 体調不良で休養って事になってるから… 久慈川 りせ|休業する前にね、 映画の出演の話があって… 久慈川 りせ|この子、すごく楽しみに してくれてたみたい… 久慈川 りせ|“元気になって、早く戻ってきてね”だって… 久慈川 りせ|先輩に付き合ってもらってよかった。 一人で読むの、なんだか怖かったから… 久慈川 りせ|“りせちー”は、捨てたんだもん。 私、この子の期待には答えられないから… |後悔してる? |自分で選んだ道だ |きっと分かってくれる |後悔はしてない。 |…と思う。 |だって私、休業して、ホッとしてるもん。 本当の私に戻れて良かったって… |はは… |>りせは寂しげに笑っている… |う、うん… |そうだよね、今さら… 仕方ないよね… |>りせは努めて笑おうとしている… |うん… |いつか…この子にありがとうって、 言えたらな… |あと、ごめんね…って。 |ごめんね、か… |…って、なにも落ち込む事ないのか。 えへへ。 |>りせの瞳が心なしか潤んでいる… 久慈川 りせ|とにかく、もう“りせちー”は居ない。 久慈川 りせ|たぶん、この子だけじゃない、 もっと大勢の人をガッカリさせてる… 久慈川 りせ|…社長からも、そう何度も言われたから、 とっくに分かってたけど… 久慈川 りせ|私の選んだ道はそういうことだって、 分かってたけどね… 久慈川 りせ|私…このままお豆腐屋さん継ごうかな! 久慈川 りせ|…今でも看板娘だし、 けっこう繁盛しちゃうと思うよ! 久慈川 りせ|…ねえ、先輩。 久慈川 りせ|この前の話… ホントに…しちゃおっか。 久慈川 りせ|高校出たら結婚して… 私と一緒にこの町でお豆腐屋さん、やるの。 久慈川 りせ|…なんか、楽しそうでしょ? ど、どうかな? なんて… |いいね |りせが本気なら |まだ決められない |先輩、そういう事、 誰にでも言ってるんでしょ。 |あっぶないの。 人が弱ってるとこめがけてさ。 |…けど、生憎りせちーは ダマされませんよーだ。 |>りせは笑っている… |本気ならって… けっこう本気なんだけどな… |なんか冷静なんだから…先輩。 |けど、そういうとこ…ちょっと好き。 |>りせは恥ずかしそうに笑っている。 |あははっ! 先輩、かわいー。 |…てか正直すぎ? |…ま、分かってましたけどね。 先輩が…私に本気じゃないなんて、さ。 |>りせは少し悲しそうに笑っている… 久慈川 りせ|…ありがと、先輩。 今日はずっと一緒にいてくれて… 久慈川 りせ|ちょっとだけ、元気出てきた。 久慈川 りせ|…うん、大丈夫。 久慈川 りせ|私には、やれることがあるし… 久慈川 りせ|私にしかできないことが、 まだまだ、ありそうだから… |>りせのやる気が、静かに伝わってきた… |>りせのことが、また少し 分かった気がした… 久慈川 りせ|いっぱい付き合わせちゃって、ごめんね。 久慈川 りせ|そろそろ、開放してあげる。 |>りせを送ってから、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>沖奈市 沖奈駅前… |>りせに誘われ、一緒に服を買いに来た… 久慈川 りせ|今日は、先輩のモノ買うんだからね! 久慈川 りせ|私が完璧コーディネートするから、 覚悟してよね。 久慈川 りせ|お店はもう、だいたいチェック済み。 えーと1軒目は、あっちの… 久慈川 りせ|あの広告… 久慈川 りせ|そっか…あそこのイメージキャラ、 “かなみ”になったんだ… 久慈川 りせ|あ、えと… 久慈川 りせ|そこのお店の看板にね、 同じ事務所の子が出てるんだ。 久慈川 りせ|“真下かなみ”… 私の後輩だった子なんだけど… 久慈川 りせ|…かわいい子だから、 売れそうだなーとは思ってたけど。 |可愛いの? |悔しい? |良かったね |ちょ…先輩…? |私がまっ隣にいるのに、 それは無いんじゃなーいー? |>りせは唇を尖らせている。 |…ま、まさか。 だって、私にはもう関係ないもん。 |よかったよね… かなみ、頑張ってたし… |>りせは笑っている… |…え、うん、そうだね。 |事務所も、他のコに人気が出れば、 うるさく追いかけて来なくなると思うし。 |>りせは笑っている… |>少年たちの会話が聞こえてくる… |すっげ、可愛いよなー、“かなみん”。 |これで“中学生”はヤバいだろー。 |なんつーか、りせちーみたいに、 わざとらしくねーとこがいーよな! |かなみんって、 なんか素直で素朴な感じすんじゃん。 |なんか、トモダチ系とイモウト系の中間? なんか、守ってやりてー、みたいなさー。 久慈川 りせ|どーせ、私は“わざとらしい”ですよー。 久慈川 りせ|そういう“つくり”だもん… 久慈川 りせ|演技だもん…全部… 久慈川 りせ|…てゆうか、かなみのアレも 丸ごと“つくり”だっつの! 久慈川 りせ|帰ろ、先輩。 久慈川 りせ|私、ここにいたくない。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 土手… |>りせに引きずられるようにして 戻ってきた… 久慈川 りせ|先輩は、今、嬉しい…? 今こうやって、私と一緒で、嬉しい…? 久慈川 りせ|こーんな可愛い後輩で、 なんてったって、元アイドルだし。 |嬉しい |嬉しくない |アイドルは関係ない |なんで、そんな優しくするの…? お、おかしいよ、先輩… |>りせは唇をかみ締めている… |>りせはショックだったようだ… |…そ、そうだよね。 自分から何言ってんだろ、私。 |先輩は私を、ちゃんと“りせ”として 見てくれてるんだもんね… |本当の、私を… |>りせは何故だか不安そうだ… 久慈川 りせ|…ごめんなさい。 何か、イライラしてたみたい… 久慈川 りせ|てゆうか私、勝手に沖奈まで連れてって、 何にもしないまま勝手に戻ってきて… 久慈川 りせ|ホント、ごめんなさい… 堂島 菜々子|あ、お兄ちゃんとりせちゃん! 久慈川 りせ|あ、菜々子ちゃん…い、今帰り? 堂島 菜々子|うん! 久慈川 りせ|あ、そうだ… 久慈川 りせ|ね、ねえ菜々子ちゃん、その… 久慈川 りせ|えと… 久慈川 りせ|“真下かなみ”って人、知ってる…? 堂島 菜々子|えーと…ま…した…かなみ… 堂島 菜々子|…? 堂島 菜々子|…あ、“かなみん”のこと? 堂島 菜々子|うん、しってる。 “かなみん”すきって友だち、いるよ。 堂島 菜々子|だから、菜々子、 “りせちゃんのほうがいい!”って言うよ。 久慈川 りせ|そ、そうなんだ。 ははは、ありがと… 久慈川 りせ|で、でも私…テレビで見るのと全然違って… ガッカリ…したよね…きっと… 堂島 菜々子|してないよ。 堂島 菜々子|だって菜々子、りせちゃんすき。 久慈川 りせ|え、あ、ありがと… 久慈川 りせ|でもそれって、こっちの私を… 好きっていってくれたってことだよね… 堂島 菜々子|こっち? 堂島 菜々子|りせちゃんは、りせちゃんでしょ? 菜々子、すきだよ。 久慈川 りせ|あ、え…ええっと… 久慈川 りせ|…ありがと、菜々子ちゃん。 私も菜々子ちゃんのこと、好きだよ。 堂島 菜々子|やったー! 堂島 菜々子|あ、テレビはじまる! かえるね! 久慈川 りせ|りせちゃんは、りせちゃんか… 久慈川 りせ|…って、私、菜々子ちゃんに、 急に何聞いてんだろ… 久慈川 りせ|“りせちー”…か。 久慈川 りせ|はぁ…こういう事悩まないために 休業したハズなのにな… 久慈川 りせ|…芸能界に、未練なんて無いの。 戻りたいなんて全然思わない。 久慈川 りせ|ホントの自分を無くしてまで 居る理由、ぜーんぜん無いもん! 久慈川 りせ|今は、本当の私を見てくれる先輩たちから、 “必要”って言ってもらえるような… 久慈川 りせ|そんな私になりたいだけ。 ホントだよ? |>りせから、熱いやる気が伝わってくる… |>りせのことが、また少し 分かった気がした… 久慈川 りせ|今日は…かなみの話聞いて、 なんか、ちょっと混乱しちゃった… 久慈川 りせ|…明日になれば、 きっと、もう忘れてるよね…? |>りせは心細そうだ… |励ます |そばに寄る |笑い飛ばす |先輩…ありがとう。 |うん… とりあえず、ちょっと元気でた。 |>りせはホッとしているようだ… |や、やだ先輩… |…でも今なら、つけこませてあげよっか? |>りせは照れ笑いを浮かべている… 久慈川 りせ|ひ、ひどーい! 笑った! 久慈川 りせ|こっちは真剣なのに。 もう…私バカみたいじゃん。 |ふふ、そっか… バカみたいかもね、私。 |ありがと、先輩… ちょっと…元気でた。 |>りせはホッとしたようだ… 久慈川 りせ|今日は…色々、勝手言って ごめんね、先輩。 久慈川 りせ|仕事してると、すごい人数と知り合うけど、 仕事抜きで人と会う機会って、逆に減るの。 久慈川 りせ|減るっていうか、ゼロんなる… 久慈川 りせ|だから“独り”のときって、ホント“独り”で… 思った事、色々飲み込むしか無くて… 久慈川 りせ|だから… 久慈川 りせ|だから…今は、独りはイヤだよ… 久慈川 りせ|もう少しだけ…一緒にいてほしい… |>暗くなるまでりせと過ごしてから 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>惣菜大学… |>買い食いデートだと張りきる りせとやってきた… 久慈川 りせ|何にしよっかな… 久慈川 りせ|てゆーか、ウチもこういうのやろうかな。 久慈川 りせ|“がんも串”とか、いけそうじゃない? “はんぺんコロッケ”とかどう? |お、りせちゃんじゃないか。 久慈川 りせ|ええと、町の助役さん…でしたっけ? こんにちは… |いやいや、聞いたよ~! 今度の撮影の話! |…おや、聞いてない? |“かなみん”だよ、“かなみん”! 真下かなみちゃん! |すぐ近くで、映画のロケするんだろ? この町にも寄ってってくれるといいんだが。 |そうだ、りせちゃんからも 頼んでみてくれんかい? 久慈川 りせ|かなみん、て… 久慈川 りせ|…てゆーか、関係ないし。 |けど待てよ…何人くらいで来るんだ? あの辺は小ぶりの民宿しか無いはず… |もしかしたら、 天城屋さんに来てくれるかもな! |よし、さっきのマネージャーって人に 言っておかなきゃな! |ああ、りせちゃん。 良かった会えて。 久慈川 りせ|井上さん… 今日は何の用…? |いや、ロケ地の下見で近くまで来たから、 会えればと思ってね。 |“答え”を聞きたかったんだ。 もう一度、君の口からちゃんと。 |本当に…復帰は未定のままでいいんだね? 久慈川 りせ|私… 久慈川 りせ|戻らない… |そうか… |うん…分かった。 これで、僕も新しい仕事に専念できる。 |僕は、今は真下かなみの担当なんだ。 |ほら…映画の話、あっただろう? 君の後任…かなみに決まったんだ。 |…僕らは、かなみを売る。 |きっと君と同等…いや、それ以上に、 かなみの人気は高くなるだろうね… 久慈川 りせ|そ、そう… |でも…かなみは、“普通の子”だ。 それでも、売れるように僕らは“作る”… |君には、“光”があった… |飲み込みの早さ、空気を読む力、 時には強く、時には弱く見える繊細な笑顔… |何より、歳離れした演技力… |他の子がどんなに望んでも行けない高みへ、 君は行けたハズだ… |…僕のおこがましい、押し付けだけどね。 |だから…せめて君自身の口から、 今の答えを聞きたかった。 |じゃあ…とにかく元気で。 |体には、気をつけてね。 久慈川 りせ|なによ…卑怯じゃん… 答え言わせた後にさ… 久慈川 りせ|そんな言葉…現役ん時、 一度も聞いた事ないっつーの… 久慈川 りせ|演技力…? そんなの…あるに決まってんじゃん。 久慈川 りせ|なによ…いまさらいろんなこと言って… 遅いっつーの…! |>りせは泣いているようだ… 久慈川 りせ|や…なんで… 涙なんか…出んのよ… 久慈川 りせ|意味、分かんない… 悲しい、ことなんか…何も無いのに… 久慈川 りせ|悲しい…ことなんか… 久慈川 りせ|先輩…私… 泣いてる自分…よくわからないよ… |泣くんじゃない! |好きなだけ泣け! 久慈川 りせ|ははっ… ダメ、もう遅い… 久慈川 りせ|ははっ…ダメだよ… 明日、目がハレちゃうな…きっと… 久慈川 りせ|わ、私…失くし…ちゃった… 久慈川 りせ|何か、分かんないけど… 全部…失くしちゃった… 久慈川 りせ|怖くて…寂しくて… なにこれ… 久慈川 りせ|先輩… 久慈川 りせ|お願い、ここにいて… 久慈川 りせ|私の…そばに、いて… 久慈川 りせ|先輩…! |>…これは、後戻りが出来ない 重要な選択だ。 |抱きしめる |様子を見る |せ、先輩… |先輩…せん、ぱい… |>りせはボロボロと泣き出した… 久慈川 りせ|先輩… 久慈川 りせ|私には、先輩がいる… みんながいる… 久慈川 りせ|何も失くしてなんかない… 久慈川 りせ|私を必要としてくれる人が、 ちゃんといるよね… |>りせは泣き笑いを浮かべている… |>りせと仲が深まった気がした… |>震えるりせの温もりが体に伝わってくる… |>もう、後戻りはできない… |>りせと、特別な関係になった。 久慈川 りせ|今日は…帰る。 久慈川 りせ|頭ぐちゃぐちゃで… 久慈川 りせ|もっとね…よく、考えてみる。 自分の、今の気持ち。 久慈川 りせ|もう、何も失くしたくないから… 久慈川 りせ|またね、先輩… |>りせを見送り、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>高台… |>言葉少ないりせからのリクエストで やってきた… 久慈川 りせ|…先輩。 私ね、考えたの。 久慈川 りせ|かなみの活躍のこと、聞いたとき、 頭真っ白になったの、何でかなって… 久慈川 りせ|だって私は、アイドルがもうイヤで 芸能界を飛び出したハズ… 久慈川 りせ|だったら、何も問題無いハズなのに… 久慈川 りせ|なのに…やっぱり悔しかったみたい… 何でだと思う…? |芸能界に未練があるから |単にワガママだから |“りせちー”も、りせだから |…うん。 無いつもりだったけど…きっとそう… |スポットライトに照らされて、 もてはやされていた“りせちー”… |それもやっぱり“私”で… |その“私”が、奪われたから… |>りせは優しく笑っている… |む… |はいはい、どうせそうですよーだ。 |けど、ホント…そうだよね… |スポットライトに照らされて、 もてはやされていた“りせちー”… |それもやっぱり“私”で… |その“私”を… 奪わないでほしかったんだね… |>りせは呆れたように笑っている… |うん… 先輩も、分かってたんだ… |ふふ、けど、ホント…そうだよね。 |スポットライトに照らされて、 もてはやされていた“りせちー”… |それもやっぱり“私”で… |その“私”を… 奪わないでほしかったんだね… |>りせは恥ずかしそうに笑っている… 久慈川 りせ|別人になんて、なれっこないんだよね… 久慈川 りせ|地味で暗い私から逃げて… アイドルからも逃げて… 久慈川 りせ|今度は“難事件を解決しようと奮闘する私” ってとこ…? 久慈川 りせ|それもさ、結局… 逃げてるだけなのかもしれない… 久慈川 りせ|ただ、“そんな自分でありたい”ってだけ… 目を背けてるだけ… 久慈川 りせ|きっと、役目が終わったら、また元通り… “本当の私”をまた、追いかける… 久慈川 りせ|…全部が“私”だったのにね。 久慈川 りせ|私ね、もう逃げないことにしたの。 いろんなことから…目を背けたくない。 久慈川 りせ|ちゃんと、一人の人間の“私”として… これからは頑張ろうって思う。 |>りせは真っ直ぐな瞳で、 胸の内を語ってくれた… |>りせとの仲が深まった気がした… 久慈川 りせ|私、やっぱりこの町に来てよかった。 久慈川 りせ|だって…先輩に会えたもん。 久慈川 りせ|今日は私、もう帰らないと… 久慈川 りせ|時間なんか、止まっちゃえばいいのにな… 久慈川 りせ|私、やっぱりこの町に来てよかった。 久慈川 りせ|先輩や、みんなに会えて…よかった! 久慈川 りせ|えへへ… 帰ろ、先輩! |>りせを家まで送り、帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>来たいというりせを連れてきた… 久慈川 りせ|え、えー… 久慈川 りせ|…私は今、 鳴上先輩のお部屋に来ています。 久慈川 りせ|高校生の男の子の部屋にしては、 まあ綺麗に片付いてる方…? 久慈川 りせ|え、えっとー… 久慈川 りせ|み、見られて困るものは、 何もない様子です… 久慈川 りせ|さーて、果たして、問題のものは どこに隠されているのかっ…!? 久慈川 りせ|ご本人に聞いてみましょう。 ズバリ、隠し場所は? |何の話? |見たいのか? |期待してるものはない 久慈川 りせ|もう! 思いっきり素で返さないでよ…! 久慈川 りせ|…間が持たないから、頑張ったのに! 久慈川 りせ|もう、先輩、やっぱりイジワルだ… 久慈川 りせ|え、や、あははっ! 久慈川 りせ|み、見たくないです…。 久慈川 りせ|ごめんなさい…。 久慈川 りせ|えと、ち、違うの、そんな事知りたい訳じゃ… その、間が持たないから、つい… 久慈川 りせ|もう、先輩、やっぱりイジワルだ… 久慈川 りせ|…ホント? 久慈川 りせ|そっか…ならヨシ! 久慈川 りせ|今度、私の写真集、持って来るね。 久慈川 りせ|水着のやつ。 すっごい可愛いんだから。 久慈川 りせ|ね、先輩… 春になったら、帰っちゃうんだよね? 久慈川 りせ|…私、決めたことがあるんだ。 久慈川 りせ|あのね… 久慈川 りせ|…私、春から、芸能界に復帰しようと思う。 久慈川 りせ|“りせちー”も、私だって… 久慈川 りせ|…そう思えたら、もっと楽しく、 仕事ができそうって思ったの… 久慈川 りせ|タレントの1年のブランクが どれだけ重いかは分かってる… 久慈川 りせ|けど、それでも、もう一度、 一からやり直して…頑張りたいの。 |手紙くれたファンの女の子、覚えてる? それから、マネージャーだった井上さん… |それに、家族、みんな、先輩… …それから自分自身のために。 |>りせの目は輝いている… 久慈川 りせ|先輩、これ… 久慈川 りせ|先輩に…あげる。 久慈川 りせ|学校で、みんなで撮ったやつだよ。 …私、スゴい“素の顔”してるでしょ? 久慈川 りせ|でも、その上から思いっきり、 “りせちー”のサインしたの。 久慈川 りせ|…作り笑顔じゃない“りせちー”。 久慈川 りせ|先輩、私…もう間違えないよ。 久慈川 りせ|“本当じゃない自分”なんて、 そんなの、実は居ないもん。 久慈川 りせ|…だから、自分以外に変わりたいなんて、 そんな風に逃げたりしない。 久慈川 りせ|私の中にはいろんな私がある。 それを変えるんじゃなくて… 久慈川 りせ|そういう自分のことを、 ちゃんと人に伝えられるようになりたい… 久慈川 りせ|そんな私に、変わっていけたらいいな。 |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 心の真の力を呼び覚ます… 久慈川 りせ|今のって…私の力が変わったってこと…? 久慈川 りせ|そっか… 私、ちょっとは強くなれたんだ。 久慈川 りせ|先輩が…ずっと一緒に居てくれたからだね。 久慈川 りせ|あのね…先輩… 久慈川 りせ|これからも、先輩が見ててくれたら… 私…もっと頑張れる… 久慈川 りせ|て言うか…その… 久慈川 りせ|えっと…先輩と居ると、 何してても、嬉しいって言うか… 久慈川 りせ|ええと… |>りせの一途な愛情が伝わってくる… |>りせとの固い絆を感じた… 久慈川 りせ|どんな時だって…私は私。 久慈川 りせ|今なら、ちゃんと言える。 久慈川 りせ|先輩が見つけてくれたんだもん… 私の、そういう強さ… 久慈川 りせ|私… 先輩の見つけてくれた私を好きになるよ。 久慈川 りせ|だって…私を見つけてくれた先輩のこと… …好きなんだもん。 久慈川 りせ|先輩…好き… 久慈川 りせ|…大好き。 久慈川 りせ|先輩、私を見ててね… もう二度と、私が間違えないように… 久慈川 りせ|ちゃんと…見てて… |>長い間、りせと一緒に過ごした… |>暗くなってきたので、 りせを家まで送った… |>りせのペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“ヒミコ”は “カンゼオン”へと転生した! |>新たに、“相性サーチ”のスキルを 使えるようになった! |>戦闘開始時、いずれかの敵の弱点を 教えてくれるようになった! 久慈川 りせ|えと… 久慈川 りせ|これからもきっと、先輩が見ててくれたら 私、頑張れると思う。 久慈川 りせ|だって… 久慈川 りせ|そ、その… 久慈川 りせ|先輩は、私の特別な人だから… |あーもう! ドラマの現場とかじゃ 100回くらい告った事あるのに!! |本番…全然ダメじゃん… |>りせは真っ赤な顔で 言葉を詰まらせている… 久慈川 りせ|えと… 久慈川 りせ|えっと…私… 久慈川 りせ|…今までこういうこと… なかったから… 久慈川 りせ|えっと… 久慈川 りせ|ドラマだと… ここでオッケー出るんだけど… 久慈川 りせ|この後って… どうしたらいい…のかな…? |>自室… 久慈川 りせ|…また来ちゃった。 久慈川 りせ|二人っきりでゆっくりできるとこなんて、 ここだけだもんね… 久慈川 りせ|けど、二人っきりって… やっぱり、まだ、恥ずかしいな… 久慈川 りせ|…私、すごく幸せだよ。 久慈川 りせ|だから、先輩のことも、 もっともっと幸せにしたいな… |>長い間、りせと一緒に過ごした。 |>りせとの固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 りせを家まで送った… |>高台… |>りせに連れられてやってきた… 久慈川 りせ|見て、あの線みたいなの、商店街だよ。 久慈川 りせ|ウチは…あれか。 ははっ、小さい… 久慈川 りせ|ちゃんと見て、覚えとかなきゃ… 久慈川 りせ|先輩… 春になったら、帰っちゃうんだよね? 久慈川 りせ|私、決めたことがあるんだ。 久慈川 りせ|あのね… 久慈川 りせ|私、春から、芸能界に復帰しようと思う。 久慈川 りせ|“りせちー”も、私だって… 久慈川 りせ|…そう思えたら、もっと楽しく、 仕事ができそうって思ったの… 久慈川 りせ|タレントの1年のブランクが どれだけ重いかは分かってる… 久慈川 りせ|けど、それでも、もう一度、 一からやり直して…頑張りたいの。 |手紙くれたファンの女の子、覚えてる? それから、マネージャーだった井上さん… |それに、家族、みんな、先輩… …それから自分自身のために。 |>りせの目は輝いている… 久慈川 りせ|先輩、これ… 久慈川 りせ|先輩に…あげる。 久慈川 りせ|学校で、みんなで撮ったやつだよ。 …私、スゴい“素の顔”してるでしょ? 久慈川 りせ|でも、その上から思いっきり、 “りせちー”のサインしたの。 久慈川 りせ|…作り笑顔じゃない“りせちー” 久慈川 りせ|先輩、私ね…もう間違えない。 久慈川 りせ|自分じゃないものに変わりたいなんて、 そんな風に逃げたりしない。 久慈川 りせ|私の中には色んな私があって… それをもっと大事にしたいなって思う。 久慈川 りせ|もうウダウダ考えるのはやめた! 久慈川 りせ|だって、違う自分とかホントの自分とか、 そんなの実際には無いんだもん。 久慈川 りせ|自分が本当はどうしたいのか、 ちゃんと見えてれば、辛くたって大丈夫。 久慈川 りせ|…私、頑張れる! |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 心の真の力を呼び覚ます… 久慈川 りせ|今のって…私の力が変わったってこと…? 久慈川 りせ|そっか… 私、ちょっとは強くなれたんだ。 久慈川 りせ|先輩が…ずっと一緒にいてくれたからだね… 久慈川 りせ|私、これからも 色んな自分を見つけていきたい。 久慈川 りせ|でね、そういうの全部逃げずに 認められるように、もっと強くなる。 久慈川 りせ|私、ずっと先輩に甘えてきたけど… ちゃんと、一人で立てるようになりたい。 久慈川 りせ|ありがとう、先輩! 久慈川 りせ|先輩、大好き!! |>りせから純粋な好意が伝わってくる… |>りせとの固い絆を感じた… 久慈川 りせ|んー、すっきりしたら おなかすいちゃった! 久慈川 りせ|久々に、買い食いしに行こ! 久慈川 りせ|春になったら、また行けなくなっちゃうし。 久慈川 りせ|行こ! 先輩! |>りせと商店街を制覇し、家にたどり着いた… |>りせのペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“ヒミコ”は “カンゼオン”へと転生した! |>新たに、“相性サーチ”のスキルを 使えるようになった! |>戦闘開始時、いずれかの敵の弱点を 教えてくれるようになった! |>ここも霧に覆われている… |雪子コミュ解禁ダミー |>本屋“四目内堂”前… 天城 雪子|>雪子はどうやら、 資格の本を買ったようだ… 天城 雪子|…よかった、最後の1冊だった。 天城 雪子|この本、色んな資格のことが 詳しく載ってるって先生に薦められたの… |資格を取るつもり? |先生って? |…う、うん、そうなの。 |>雪子は少し恥ずかしそうだ… |…進路指導の先生。 時々、相談に行ってるんだ。 |>雪子は少し恥ずかしそうだ… 天城 雪子|テレビの中の…“もう一人の私”が言ってた。 旅館を継ぐなんて、まっぴらって… 天城 雪子|あれね、やっぱり… 私の本当の気持ちだと思う。 天城 雪子|だから、もう少し、 素直になることにしたんだ… 天城 雪子|わ、私ね、天城屋旅館、継がない! 天城 雪子|…高校出たら、この町、出てく! 天城 雪子|…言っちゃった。 |言っちゃった! |…ふふっ。 |>雪子は清々しく笑っている… 天城 雪子|それでね、一人で生きていけるように、 何か資格を取ろうと思うの。 天城 雪子|インテリアコーディネーターとか、 いいかなって…どう? |いいと思う |何それ? |自分で決めろ |…うん、何だか、カッコいいよね! |>雪子は嬉しそうだ… |えっとね、部屋の内装とか家具を選んで、 素敵な部屋にする人…って感じかな… |>雪子は張り切って教えてくれた… |あ…そっか、ごめん。 意見、聞けたらなって… |>雪子は少し悲しそうだ… 天城 雪子|でも、難しいんだ。 資格を取るのにお金が掛かって… 天城 雪子|お母さんたちにはもちろん、 言えないしさ… 天城 雪子|こっそりできるアルバイトでも あればいいんだけど… |>封筒貼りのアルバイトなら、 部屋でできるだろう… |>翻訳のアルバイトなら、 部屋でできるだろう… |>そう言えば、商店街の掲示板に アルバイトの募集が貼ってあるはずだ… 天城 雪子|…本当!? さっそく掲示板、見てみるね! |>雪子の力になれたようだ… |>雪子のやる気に触れ、また少し 仲が深まった気がした… 天城 雪子|今日は付き合ってくれて、ありがとう。 天城 雪子|自分の気持ち、人に話すのって ちょっとドキドキするけど… 天城 雪子|…頑張ろうって思ったよ。 |>掲示板を見に行くと言う雪子と別れ、 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>ジュネス 食品売り場… |>…雪子に連れられてやってきた。 天城 雪子|…どうして食材って、こんなにあるのかな。 天城 雪子|卵ひとつ取っても色々あるし… |旅館の夕食? |おつかい? |ううん、まさか! |…お客さんに出せるようなレベルには、 まだちょっと届いてないと思うな。 |>それでも雪子は嬉しそうだ… |…何故か、食材のおつかいだけは 頼まれないの、私。 |>雪子は首を捻っている… 天城 雪子|ちょっとね、お料理の勉強しようと思って… 天城 雪子|家を出てくって決めたから… 一人暮らしで外食続きだと、栄養偏るでしょ? 天城 雪子|…だから今のうちに、特訓! |頑張れ |ムダだと思う |料理以外の家事は? |うん、ありがとう! |>雪子は嬉しそうに頷いた… |そ、そうかな… |…卒業まで1年以上あるし、 できるだけ、やるつもり。 |>雪子の決意は固いようだ… |掃除とか洗濯とかは大丈夫。 旅館で手伝いで覚えたから… |>雪子はどことなく気まずそうだ… 天城 雪子|あ、そうだ。 天城 雪子|たまに、鳴上くんに 味見してもらって…いいかな? 天城 雪子|誰かに食べてもらって、評価が欲しいの。 その方が上達が早いかなって… 天城 雪子|それに、鳴上くんなら、 感想とかハッキリ言ってくれそうだし… 天城 雪子|…ダ、ダメかな? |全然OK! |構わない |面倒くさい |本当!? ありがとう! |>雪子は嬉しそうに笑っている… |本当!? ありがとう! |>雪子は嬉しそうに笑っている… |だ、大丈夫。 0点って言われても怒らないから! |>雪子に頼み込まれた… |>…引き受けざるを得ない流れだ。 天城 雪子|ペルソナの力を得て、思ったんだ。 “私、やれるかも”って… 天城 雪子|一人じゃ何もできないと思ってたけど、 意外と、やれるかもって… 天城 雪子|人に頼ってばかりだったけど、 これからは、頼られるぐらいになりたい… 天城 雪子|…私、頑張るからね! |>雪子から、熱いやる気が伝わってくる… |>雪子と、また少し絆が深まった気がした… 天城 雪子|それじゃ、えっと… 天城 雪子|伊勢エビってどこに売ってるんだろう? |>雪子の買い物に付き合い、 家に帰った。 |>辰姫神社… |>どうやら雪子はひどく落ち込んでいるようだ… 天城 雪子|ごめんね、私… 何にもまともにできなくて… 天城 雪子|私なんて…こんなんじゃ、 いてもいなくても同じだよね。 天城 雪子|ううん、むしろ、私がいるほうが 鳴上くんやみんなに迷惑かけてるみたい… |そんなことはない |そうかも… |焦らなくていい@伝達力 |鳴上くん… |ありがとう。 気を遣ってくれて。 |>雪子は申し訳なさそうにしている… |もう… そんなにはっきり言わないでよ。 |>雪子は少し笑っている。 |うん… |>雪子は少しほっとしたようだ。 天城 雪子|私…このままじゃ、 何ひとつ、変われない… 天城 雪子|結局、旅館のことしかできない 私のまま… |>雪子の抱える悩みが 少しだけ分かった気がする… |>雪子と仲が深まった気がした… 天城 雪子|…そうだ、せめて、 みんなのためにお参りするね。 天城 雪子|ここの神社でお参りすると、 けっこう効き目、あるんだよ。 |>何かお願いしてみようか… |雪子の悩みが解決しますように |成績が上がりますように |彼女が欲しい! |>お願いをした… |>雪子との仲がより親密になった気がする… |>ご利益が有る気がする… |>ご利益が有る気がする… |>雪子の声が聞こえる… 天城 雪子|みんなが大きな怪我をしたり しませんように… 天城 雪子|この町に元通りの平和が訪れますように… 天城 雪子|ええと、それから… |>雪子の気が済むまで付き合ってから 家に帰った。 |>鮫川 土手… |>雪子に、手作りのお弁当を差し出された… 天城 雪子|美味しそうにできたから、詰めてきたの。 …ね、食べてみて? |>見た目は普通のようだ… |>…? |>何故か、鼻を突き刺すような ニオイが漂ってくる… |いただきます! |ちょっとお腹が… |味見はしたのか? |はい、どうぞ! |>雪子は嬉しそうに見守っている… |>食べざるを得ないようだ… |おなか、空きすぎなんじゃない? 食べたほうがいいと思うよ、きっと! |>雪子は妙な心配をしている… |>食べざるを得ないようだ… |ううん、してないよ。 |鳴上くんに、 一番に食べてもらいたかったから。 |>雪子は無邪気に笑っている… |>食べざるを得ないようだ… |>まずは、玉子焼き…らしきものを食べてみた… |>意外にやわらか… |>…? |>中に、噛めそうにないほど固いものが 存在している… |>そして焦げ臭く、生臭く… |>身体が拒絶反応を示している… |>ようやく、飲み込んだ… |美味しかった…って感じじゃないね… |>雪子は悲しそうだ… |次がある |これはナイ |出していい? |う、うん…ありがとう。 |>雪子はホッとしたようだ… |ご、ごめんなさい… |>雪子は気まずそうだ… 堂島 菜々子|なにしてるの? 天城 雪子|菜々子ちゃん… えっとね、お弁当を食べてもらってたの… 堂島 菜々子|わー、いいなー。 天城 雪子|ご、ごめんね、あげられない… 美味しくないから… 堂島 菜々子|じゃあ、おいしいの作ったら、 菜々子にもくれる? 天城 雪子|…え? う、うん、いいけど… 堂島 菜々子|やったあ。 がんばってね! 天城 雪子|菜々子ちゃん… 天城 雪子|ありがとう。 …菜々子ちゃんのためにも、頑張るね。 堂島 菜々子|菜々子、もう行くね。 堂島 菜々子|みっちゃんち行くから。 ばいばーい。 天城 雪子|うん、気をつけてねー。 天城 雪子|その… この間から、付き合わせちゃってごめんね… |別にいい |楽しい |料理以外なら… |そっか… ありがとう、鳴上くん。 |>雪子は嬉しそうだ。 |そ、そう? それなら良かった… |>雪子はホッとしたようだ… |…わ、分かった。 |けど、すごい自信作ができたら またお願いしてもいい…? |>雪子は困ったように微笑んでいる… |>雪子に頼られているのを感じる… |>また少し、絆が深まった気がした… 天城 雪子|あと1年ちょっと、か… 天城 雪子|早く、一人で何でも 出来るようにならないとな… |>残りの弁当を雪子に返し、 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>土手… |>雪子は弁当を持ってきている… 天城 雪子|前に鳴上くんに付き合ってもらって 買った本ね、少し難しかったんだ。 天城 雪子|“ざっと”とか“適量”とか言われても よく分かんないし… 天城 雪子|“ひたひた”とか“ささがき”とかって 何が何だか… 天城 雪子|あ、でもね、見た目はそれなりに うまくできたと思うんだ! |>確かに見た目は普通に見える… |>しかし、なんとも言えない 危険な香りがしている… 天城 雪子|ね、食べてみて? |いただきます!@勇気 |ちょっとお腹が… |味見した? |はい、どうぞ! |>雪子は嬉しそうに見守っている… |>しかし、どれも危険そうで手が動かない… |え…? だ、大丈夫? |あ、だったら、持って帰って みんなで食べてくれてもいいよ。 |そうしたら、堂島さんや 菜々子ちゃんにも感想聞けるし… |>雪子はひとりでうなずいている… |ううん、してないよ。 |>雪子は無邪気に笑っている… |>雪子が期待に満ちた目で見つめてくる… |>玉子焼きを食べてみた… |>これは… 食べ物だったのだろうか… |…ごめん、何も言わないで。 立ち直れなくなりそうだから。 |>雪子は大きな溜息をついている… 天城 雪子|せめて、みんなのために お弁当くらいは作れると思ってたのに… 天城 雪子|私…どうすればいいんだろう… |友達に教えてもらうのは? |お母さんに聞くのは? |旅館の人に習うのは? |料理を教えてくれそうな友だち… |いない… |>雪子は落ち込んでしまったようだ… |…うちのお母さんね、 料理、できないんだ… |ご飯はいつも、 板長がまかない、作ってくれてるから。 |それに…お母さんに余計なこと、 言われたくないし… |>雪子は溜息をついている… |む、無理だよ、そんなの… |だって、あの人たちは、 仕事で私と接してるだけだし… |む…無理だと…思うけど… ど、どうなのかな… |>雪子は考え込んでいる… 天城 雪子|でも…鳴上くんの言う通りかも。 天城 雪子|何かを教えて欲しいなんて、 自分から頼んだこと、あまりなくて… 天城 雪子|ちょっと不安だけど… でも、頑張ってみる。 天城 雪子|そうじゃなかったら私… いつまでもこのままだもんね。 天城 雪子|ごめんね。 こんなことにつき合わせちゃって… |別に構わない |雪子のためだからいい |次を楽しみにしてる |そっか… ありがとう、鳴上くん。 |>雪子は嬉しそうだ。 |え…? あ、あの… |ありがとう… |>雪子は頬を赤くしている。 |う…うん! 私、頑張るから! |>雪子はとても嬉しそうだ。 |>雪子の前向きな気持ちが伝わってくる… |>雪子と仲が深まった気がした… 天城 雪子|どうせ作るなら、 鳴上くんの好きなものにしようかな。 天城 雪子|…簡単なもの、限定で。 |>雪子と好きな食べ物について話をし、 途中まで一緒に帰った。 |>ジュネス フードコート… |>雪子の買い物に付き合うことにした。 天城 雪子|えっとね、文房具売場で、 ノートとペン3色、ルーズリーフ、ふせん… 天城 雪子|それから家具売場で、勉強机を見たいかな。 あと蛍光灯のスタンド… |何を始める気? |そんなに持って帰れる? |ふふっ、勉強! |>雪子は気合が入っている… |机はさすがに無理だよね。 配送してもらったら、時間掛かるかな? |>雪子は悩んでいるようだ… 天城 雪子|…あのね、 資格の勉強を本格的にしようと思って。 天城 雪子|…と言っても、 何の資格かハッキリ決めてないんだけど… 天城 雪子|取れそうなもの、 手当たり次第にやってみようって思うんだ。 天城 雪子|実はね、夜だけアルバイトもしてるの。 鳴上くんに教えてもらったの、覚えてる…? 天城 雪子|おかげでお金も少しだけど、貯まったし… |あれぇ? 天城屋旅館の、女将さんじゃないですか。 |あっ、違った。 次期、女将さんかぁ。 天城 雪子|…まだお帰りではなかったんですね。 |だってバスも電車も全然来ないからぁ。 ほーんと田舎だよね、ここ。 |こうなっちゃうと、ここでやれること、 何にもないんだね… |ほんと、田舎って嫌だねぇ。 天城 雪子|…そうは思いませんけど。 |オイシイ話に乗らないってのも、 田舎の特徴かなぁ? あはは~。 天城 雪子|あ…ごめんね。 天城 雪子|…あの人たち、どこかのテレビ局なんだって。 天城屋旅館を取材させてくれって… |いい話だ |断ったのか? |全然、良くない! 天城 雪子|…あ、ごめん。 |うん… |>雪子は気まずそうだ… 天城 雪子|それが、ワイドショーみたいなの。 天城 雪子|ほら、うちの旅館って、山野アナの事件で 少し取り上げられたでしょ。 天城 雪子|“あの騒動の老舗旅館、哀れ廃業か!?” みたいに番組を作りたいらしくって。 天城 雪子|あんまりヒドイ話で、母が断ったの。 天城 雪子|でも、断らなくても良かったのかも… 天城 雪子|だって… もし悪い評判がたったらさ… 天城 雪子|お客さんが来なくなって、 旅館が本当に潰れるのかも… 天城 雪子|そしたら… 天城 雪子|…せいせい、する。 |本気か? |自分勝手だ |本気だよ… |>雪子は暗く呟いた… |…分かってる。 |でも、私だって、 好きで、あそこに生まれたんじゃないもの… |>雪子は暗く呟いた… 天城 雪子|なーんて、言っててもしょうがないよね… 天城 雪子|私は私の力で出て行くし… 私が、私の人生を決めていくんだから。 天城 雪子|それにもっと、みんなの役にも立ちたい。 天城 雪子|いつも私のこんな話を聞いてくれる 鳴上くんのためにも… |>雪子から、熱いやる気が伝わってくる… |>雪子のことがまた少し 分かった気がした… 天城 雪子|じ、じゃあ、下に行こう? 天城 雪子|えーと、まずは文房具売場からね… |>雪子の買い物に付き合い、 途中まで一緒に帰った。 |>ジュネス 食品売り場… |>…雪子に連れられてやってきた。 天城 雪子|買うもの全部メモに書いてきたから、 すぐ済むからね。 |何を作るつもり? |上手になった? |…笑わない? |お味噌汁… |>雪子は少し恥ずかしそうだ… |…と、思いたい。 |>雪子は恥ずかしそうに笑っている… 天城 雪子|初歩の初歩から、ちょっとずつ勉強してるの。 天城 雪子|でも、本の通りにやってるのに、 なかなか上手く行かないんだ。 |誰かに教われば? |がんばるのみだ |教えてやろうか? |うん…それがいいのは分かってるんだけどね。 |>雪子は曖昧に笑っている… |そうだね、反復練習が大事だよね。 |>雪子は頷いている… |えっ、本当? 天城 雪子|…あ、でもやっぱりやめとく。 ありがとね。 天城 雪子|…あ、でもやっぱりやめとく。 ありがとね。 天城 雪子|やっぱり、自分一人でできないと 意味が無いと思うから… 天城 雪子|うちの板前さんたち、 手伝ってくれようとするの。 天城 雪子|最初はアドバイスしてくれるだけなんだけど、 そのうち包丁取られちゃう。 天城 雪子|でもそれで立派な料理ができても、 意味が無いから… 天城 雪子|放っておいて、って言ってたら、 今は遠くからじっと見てるの。 天城 雪子|私が料理するの、そんなに心配なのかな… |下手過ぎるから… |火事でも起こしたら… |雪子が大事なんだろう |そ…んなこと、あるけど… |>雪子は言葉に詰まっている… |それは、ちゃんと注意してるよ。 |食中毒も怖いから、食材も道具も全部、 お客さんに出すものと別にしてるし… |>雪子は少し不満そうだ… |あの人たちが…私を? |そう…なのかな… |>雪子は驚きつつ、嬉しいようだ… 天城 雪子|こないだもね、“見てられない!”って 包丁取り上げられて、板前さんがあと全部 作っちゃったんだよ。 天城 雪子|仲居さんがそれ見てて、板前さんに “下手でも雪ちゃんが自分で作りたいはず”って 言い出してさ… 天城 雪子|いつの間にか、“好きな男の子のために 料理を勉強している”ってことになって… 天城 雪子|親も巻き込んで大騒ぎ… うふふ、笑えるでしょ。 天城 雪子|…でも、そんなにウソってわけでもないかも。 天城 雪子|ま、また、味見してね… |>雪子は顔を赤らめている… |>雪子からほのかな愛情を感じた… 天城 雪子|えっと…そうだ、お買い物! |>雪子の買い物に付き合い、 途中まで一緒に帰った。 |>辰姫神社… |>お参りをしたいという雪子に 連れられてやってきた。 天城 雪子|時々、時間見つけて来てるの。 静かで気持ちいいから… 天城 雪子|仲居さんたちと、お参りもするよ。 大切なお客さんが来る前なんかにね。 天城 雪子|毎年の初詣もここ。 受験のお守りもここのだったな… 天城 雪子|この町を出たら… ここにももう、来られなくなるね… |帰ってこないのか? |本当に出て行く気か? |だって… 親にも顔向けできないし… |>雪子は寂しそうだ… |…うん。 |>雪子は曖昧に頷いた… |あれ、雪ちゃん! 天城 雪子|葛西さん… どうしてここに…? |酒屋さんへ注文ついでに、ちょっと休憩。 |…あーあ、雪ちゃんにバレちゃったぁ。 天城 雪子|や、やだ、別に言いつけたりなんか… |あはは、冗談よぉ。 |…あ。 そちら、もしかして、ウワサの彼氏? |あらぁ~料理の勉強の甲斐あって、 遂に射止めちゃったわけねぇ? 天城 雪子|ち、違うったら!! |あらぁ、雪ちゃん真っ赤よ? じゃ、邪魔者は消えるわねぇ~。 天城 雪子|も、もう…ご、ごめんね。 あ、さ、さっきの人は、うちの仲居さんなの。 天城 雪子|仲居さんたち、何か勘違いしてて… ほんと…ごめんね… |別にいい |勘違いじゃない |う、うん…よかった。 |>雪子は汗ばんでいるようだ… |えっ… や、やだ、鳴上くんまでそんな冗談… |>雪子は妙に汗をかいている… 天城 雪子|さっきの葛西さんとかね、仲居さんたちや 板前さんたちが、料理教えてくれてるの。 天城 雪子|一人でやるって言い張ってたけど、 失敗続きで、ヤケドとかしちゃってさ… 天城 雪子|“教えさせてくれ”って言われちゃった。 ふふっ、普通は逆でしょ…? 天城 雪子|私のために休憩時間潰して教えてくれて… なんか、優しくて… 天城 雪子|一度、割と成功したときなんて、 みんな集まって味見して、褒めてくれて… 天城 雪子|何て言うか…うれしかったな… 天城 雪子|それに私には、学校の仲間もいる… 結構、私、幸せ者だよね… 天城 雪子|私ね…みんなのためにも、 頑張ろうって思う… |>雪子の笑顔から、静かなやる気を感じた… |>雪子のことが、また少し 分かった気がした… 天城 雪子|でも私、あんな優しい人たちを裏切って 出て行こうとしてる… 天城 雪子|でも…仕方ないよね… |>しばらく雪子に付き合い、 途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>辰姫神社… 天城 雪子|>雪子は何やら、恥ずかしそうだ… 天城 雪子|あ…あのね。 天城 雪子|この間の…仲居の葛西さん。 鳴上くんのこと、みんなに色々と 話しちゃって… 天城 雪子|その、つ、連れて来なさいとかって… 鳴上くんを… 天城 雪子|大人ってすぐ、からかうっていうか… ほんと、迷惑な話だよね… 天城 雪子|で、でもさ、家、旅館だから、 お客さんとかたくさんくるわけだし… 天城 雪子|普通に、今度… |おや、雪ちゃん! 天城 雪子|あ、助役さん。 |旅館がバタバタしとったが、大丈夫かい? 天城 雪子|え…? 天城 雪子|旅番組の取材、今日だった! |テレビかい? そりゃあいいね! 稲羽を盛り立てるよう、頑張っとくれよ。 天城 雪子|ごめんね、私も行かなきゃいけないんだった。 |取材って? |テレビに出るのか? |旅番組らしいの。 |真面目な作りだし、私やお母さんは映らない みたいだからOKしたんだ。 |でも、掃除とか手伝わないといけないから 今日はもう帰るね。 |>雪子は申し訳無さそうだ… |ううん、出ない。 旅館の人は映さないでってお願いしたから。 |真面目な旅番組らしくて、 お母さんたちが乗り気になっちゃって。 |掃除とか手伝わないといけないから、 今日はもう帰るね。 |>雪子は申し訳無さそうだ… 天城 雪子|それじゃ、また… |いた、雪ちゃん! 天城 雪子|葛西さん? ど、どうしたの? |テレビの取材が来たんだけど、 雪ちゃん、帰ってきちゃダメよ! |ウソだったのよ、旅番組って!! 前に来たワイドショーの人たちだったの! |あの人らの目当て、雪ちゃんみたいなの! いい? ここにいるのよ? 天城 雪子|え…、う、うん、でも… |やーっと見~つけた。 |こんなとこに隠れなくたっていいじゃない。 呪われた旅館の次期女子高生女将…さん。 天城 雪子|の、呪われた…旅館? |例の事件、もちろん知ってるよぉ。 死んだ山野真由美が泊ってたって。 |あれから、町の観光客も減って、 おたくらも大変なんでしょ? |だから、いい企画考えてきたわけ! |“あの呪われた旅館は今! 女子高生女将のはずかし奮闘記!” |…どう? これ、お客さん、来ちゃうでしょ? 天城 雪子|い、意味がよく… |雪ちゃんには大役をお願いしたいなぁ。 温泉の紹介に、入浴シーン撮らせてくれない? |現役女子高生女将の熱いサービス! うーん、これ数字取れると思うなぁ。 |それ、絶対イケますよぉ! |アンタたち、いい加減に… 天城 雪子|とにかく、お引取りください。 取材はお断りします。 |お断りぃ? ったく、これだから子どもは… |テレビの力を知らないのかな? ま、こんな田舎の高校生じゃ無理もないけど。 |僕らが盛り立ててやろうって言ってんの。 天城屋旅館、お客減ったままでいいの? |次期女将さんなら、 賢明な判断が出来ると思うけどなぁ。 天城 雪子|次期…女将…じゃありませんから。 |え、そうなの? ふうん…そうなのぉ。 |ま、こんな田舎の貧乏くさい旅館の女将より、 もっと、いい仕事紹介出来るよ? |“女子高生の元女将”って、 いろいろ使えそうだからさ… |ウヒヒ、そそるねぇ。 話だけでも聞いてみない? |ちょっと、雪ちゃんに何てこと… 天城 雪子|…いいの。 言うだけ言って満足すれば帰るでしょ。 |…なんだよ、それ。 |大体さ、アンタんとこの旅館。 老舗つったって古いだけだよねぇ。 |今時、ハヤらないしさ、 さっさと潰したほうがいいかもね。 |板前の料理も見たけどさぁ、 チマチマしてて地味だしさ。 |客入れたいなら、 同じことしてても駄目だっての。 |そういうのが分かってねーから ダメなんだよ、おたくんとこ。 |仲居だって金握らせないと、ロクなサービス しないでしょ? |…あっ、いいこと思いついた! |仲居を全員“嬢”にしてさぁ、 1日みっちりサービスしてもらうのってどう? |フトン敷いて、そのまま入ってきちゃう、 みたいな! |…とにかくさ、テレビで紹介しようって、 言ってやってるんだからさ。 |ちょっとは、頭使って考えてみなよ。 …ね? 天城 雪子|…んじゃないわよ。 天城 雪子|侮辱するのもいい加減にして! 誰がそんな旅館なんかに…! 天城 雪子|あなた方の局の取材は、今後一切… とにかく、断固拒否します! |…生意気なガキだなぁ! |そっちがそうなら、アンタの暴言、 報道しちゃうけどぉ? サービス業としてはあるまじき… 天城 雪子|どうぞ、存分に報道なさってください。 天城 雪子|その代わりこちらから、 番組スポンサーに抗議しますから。 |ス、スポンサーはヤバくねっすか? |…ケッ! 天城 雪子|何か…すごいこと言っちゃった… |…ふふっ。 天城 雪子|…あははっ。 |そうだ、旅館に連絡しないと。 それじゃあね! 天城 雪子|…何か、みんなのこと悪く言われて、 カッとなっちゃった。 天城 雪子|わ、私、怖かった? |怖かった |カッコよかった |もっと言ってやればよかった |そ、そっか… 幻滅…されちゃったかな… |>雪子は顔を赤らめている… |そ、そう? よかった… |>雪子はホッとしたようだ… |も、もっと? そっか、まだまだだったか… |>雪子は気が抜けたように笑っている… 天城 雪子|“潰れてくれたほうが”って思ったこともある けど、やっぱり、あそこは私の家… 天城 雪子|みんながいてくれて、私がいられる場所… 天城 雪子|潰すなんて、やっぱりできないよ… 私… |>雪子は自分自身の正直な気持ちに、 向き合い始めたようだ… |>また少し、雪子と仲が深まった気がした… 天城 雪子|ねえ…もう少し、ここにいてくれないかな… 天城 雪子|まだドキドキしちゃってて… 天城 雪子|お願い… |>しばらく雪子に付き合い、 旅館まで送って帰った。 |>ここも霧に覆われている… 天城 雪子|か…葛西さん! |あ…だ、だめ! 何でもないから! 天城 雪子|でも… |あれ~? 若女将じゃないですか! |こんなとこで会えるなんてラッキー! |ちょっと、やめてください! 雪ちゃんはまだ高校生なんですよ!? |どーも、初めまして。 “週間明朝”のヤマシタです~。 |で、どうなの? 山野真由美の幽霊とか、出るの? 天城 雪子|え…!? そ、そんなことは… |やっぱ嫌だよねえ、幽霊の出る 傾きかけた旅館の女将なんてさあ。 |それで家出したんだよねぇ? あなた、行方不明だったんでしょ? 天城 雪子|ち、違… |うんうん、分かるよ。 |こんな、な~んにもない田舎町、 ホントはうんざりだよねぇ。 |もっと都会に行きたいよね、若いんだし。 そんな素敵な彼氏だっていることだしさぁ。 |>雪子は困っているようだ… |雪子をかばう |黙って見守る |男に掴みかかる@勇気 |>雪子を背にかばおうとした… |ま、待って! |そこにいて。 ここは…私がやらなきゃ… |>雪子の決意が伝わってくる… |…鳴上くん、そこにいて。 |そうしたら…きっと大丈夫だと思う。 今は、私がやらなきゃ… |>雪子の決意が伝わってくる… |>男に掴みかかろうとした… |ま、待って! |そこにいて。 ここは…私がやらなきゃ… |>雪子の決意が伝わってくる… |でさぁ、旅館についてなんだけど、 やっぱアレでしょ、潰しちゃうよね? |こんな醜聞立っちゃったら、 お客さんの方から遠慮しちゃうしさぁ。 |そしたら次は、“オトナの施設”になるって 読んでるけど、その辺の話って聞いてる? |あ、“女子高生の元女将が涙の御奉仕!” なんて、人気出そうだよね~! |ちょっと、あなたねぇっ! 天城 雪子|葛西さん、いいから。 天城 雪子|まず、何か誤解なさってるようですから はっきり申し上げておきます。 天城 雪子|山野さんのことはお気の毒でしたが、 私どものことは、ご心配には及びません。 天城 雪子|確かに今は事件の影響で、お越しになるのが 不安なお客様も多いでしょう。 天城 雪子|私たちにできることは、今までと同じ姿勢で 誠心誠意、お客様をおもてなしすることです。 天城 雪子|そのためにも、従業員一丸となって天城屋旅館を、 ひいてはこの町の観光を盛り上げて参ります。 天城 雪子|私が… 天城 雪子|私が、天城屋旅館次期女将、天城雪子です。 天城 雪子|…他に何か、ご質問は? |あー…いや、 とりあえずは、この辺で… |女子高生女将、健在、か… ま、いいか。 |それじゃまた。 天城 雪子|き、緊張した… 天城 雪子|言っちゃった… ど、どうしよう… |雪ちゃん、大丈夫!? 天城 雪子|葛西さん… ごめんなさい、嫌な思いしたでしょう? |そ、そんなの… 天城 雪子|お母さんやみんなに知らせてください。 もう…大丈夫だからって。 |…うん、分かった。 |>とりあえず、雪子が落ち着ける場所に 移動することにした… |>土手… |>雪子はようやく落ち着いたようだ… 天城 雪子|びっくりした… まさかあんなこと、言っちゃうなんて。 天城 雪子|気がついたら口から出てた… 天城 雪子|葛西さんや、板長や、 他の従業員の人たち、それにお母さん… 天城 雪子|みんなが頑張ってる姿を思い出したら なんか我慢できなくなっちゃって… 天城 雪子|“次期女将、天城雪子です”って… |ハッタリ? |後悔してない? |よく考えた? |…ううん。 ほんとの、気持ち… |>雪子はうなずいている。 |…うん。 言ったことに、後悔はしてない。 |>雪子はうなずいている。 |…うん。 |鳴上くんと話してるうちに気付いたこと、 私、ずっと考えてたよ。 |>雪子は真面目にうなずいている。 天城 雪子|本当に女将なりたいのか、って言われると まだ少し悩むけど… 天城 雪子|でも、何も知らない人に興味本位で あんなこと言われるのは耐えられなかった。 天城 雪子|葛西さんやお母さんが頑張ってる場所を、 私が守るんだ、って… 天城 雪子|私がね、そうしたいんだ、って… 初めてそんな風に思えた。 天城 雪子|鳴上くん、私、分かった気がする。 どうして今まであんなに嫌だったのか。 天城 雪子|それはね、私が自分で決めてなかったから。 天城 雪子|勝手に押し付けられたような気になって、 勝手にそれしかないんだって思い込んで… 天城 雪子|私自身は、どうしたいのかを 選んでなかったから。 天城 雪子|鳴上くん… 私が気付くまで、ずっと見守っててくれたね。 天城 雪子|だから私、気付けたんだよ。 |>雪子の笑顔が今までとは違って見える… |>雪子と仲が深まった気がした… 天城 雪子|鳴上くんが今まで、 私をずっと支えてくれたから… 天城 雪子|だから、私、 勇気を持って自分で選ぶことができたの。 天城 雪子|私…私ね、これからはもっと 鳴上くんに頼らないように頑張る。 天城 雪子|だから…こんな私だけど、 これからも、見守っていてくれる…? |仲間だから当然だ |好きな女の子だから当然だ 天城 雪子|仲間…だから… 天城 雪子|そ、そうだよね! 天城 雪子|そ、それじゃあ私、 家の方が気になるから…行くね。 |>雪子は走り去ってしまった… |>雪子を見送ってから、一人で家に帰った。 天城 雪子|び… 天城 雪子|びっくりした… 天城 雪子|私も…同じ気持ちだよ… |>雪子と付き合うことにした。 |>これからは、他の女の子と二人で過ごすと、 悲しませてしまうかもしれない。 天城 雪子|まだ心臓ドキドキしてる… 天城 雪子|もう少しだけ… このまま、一緒にいて? |>雪子としばらく一緒に過ごし、 旅館まで送ってから家に帰った。 天城 雪子|それじゃあ私、 家の方が気になるから…行くね。 天城 雪子|今日はありがとう。 それじゃ、またね! |>雪子は元気に走って行った… |>雪子を見送ってから、一人で家に帰った。 |>辰姫神社… |>お参りをしたいという雪子に 連れられてやってきた。 天城 雪子|…鳴上くんも、何かお参りする? |みんなのことを |自分のことを |雪子のことを |秘密 |…そっか。 鳴上くんらしいね。 |>雪子は嬉しそうだ。 |何か…心配事? |わ、私でよかったら、 いつでも相談に乗るからね! |>雪子を心配させてしまったようだ… |…わ、私のこと? |…ありがとう。 |>雪子は照れているようだ… |い、言えないこと…? |>雪子は気になるようだ… 天城 雪子|私はね、みんながずっと元気で いられますようにって。 天城 雪子|千枝も、鳴上くんも、みんなも… それから旅館の人も。 天城 雪子|それから… 天城 雪子|鳴上くんに相応しい 私になれますように、って… 天城 雪子|これからも、みんなと一緒に 元気で笑っていられますように…って。 天城 雪子|…じゃ、心を込めてお祈りしよう? 天城 雪子|私ね、ここを出て行くの…やめようと思うの。 天城 雪子|私きっと、女将になるのが 嫌だったんじゃないの。 天城 雪子|自分で決めてなかったから… レールに乗せられた気がして、嫌だっただけ。 天城 雪子|嫌なら、逃げるしかないって決め付けて… 天城 雪子|私、今は違う。 あの旅館を守りたいって思う… 天城 雪子|あそこはやっぱり… 私の大切な場所だから… 天城 雪子|…鳴上くん、ありがとう。 気付けたのはあなたのおかげだと思う。 天城 雪子|ずっと、傍にいてくれたから… |>雪子は優しく微笑んでいる… |>決意をした雪子は、少し大人びて見えた… 天城 雪子|あ、あのね、前から聞きたかったこと… 天城 雪子|ど、どうして… 天城 雪子|どうして… いつも、一緒にいてくれるの…? 天城 雪子|き、聞いても…いいかな… |クラスメイトだから |大事な仲間だから |雪子を好きだから 天城 雪子|そっか… 天城 雪子|そ、そうだよね、うん! 天城 雪子|えっと、そうだ、用事があるんだった! …行くね。 |>雪子は走り去ってしまった… |>家に帰ることにした。 天城 雪子|すっ…好き…? 天城 雪子|わ、私を…? 天城 雪子|あ、えっと… 天城 雪子|わ、私も…同じ気持ち…だよ… |>もう、後戻りはできない… |>雪子と、特別な関係になった。 天城 雪子|心臓、止まるかと思った… 天城 雪子|あの… 天城 雪子|もう少しだけ… このまま、一緒にいて… |>雪子と長い時間を過ごした… |>旅館まで送って帰ることにした。 天城 雪子|それじゃあ私、 家の手伝いがあるから…行くね。 天城 雪子|今日はありがとう。 …そ、それじゃ、またね! |>雪子は元気に走って行った… |>家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>雪子を呼んだ… 天城 雪子|これが鳴上くんの部屋… 天城 雪子|あ、ご、ごめんね。 じろじろ見ちゃって… 天城 雪子|男の子の部屋に入るのって、 初めてだから… 天城 雪子|あ、寝る時、お布団なんだね。 私もお布団… 天城 雪子|…えっと、ごめんなさい… 何を話していいか… |布団で良い? |ベッドで良い? |床で良い? 天城 雪子|え…? 天城 雪子|あ、す、す、座る場所なら、 何処だって… 天城 雪子|私は…な、何でもいいよ… 天城 雪子|そんなに…気を遣わないでいいよ… |>とりあえず雪子と落ち着くことにした… 天城 雪子|そうだ、私ね、まだ勉強してるよ。 料理と…資格も。 天城 雪子|出て行くつもりは無いけど、 きっと、やって損は無いと思うから。 天城 雪子|…私、気付けてよかった。 天城 雪子|きっと、出て行って一人暮らししてたら、 後悔してたと思う… 天城 雪子|…私ね、自分一人で、 何でもできるようになりたかった。 天城 雪子|でも、そういうのってすごく… おこがましい、って思ったの。 天城 雪子|旅館があって、家族がいて、 仲居さんや板前さんたちがいて… 天城 雪子|そういう、優しい…輪の中で 育ててくれたから、今の私があるんだよね… 天城 雪子|そう思ったら、私の人生って、 私だけの問題じゃないんだって思えるの。 天城 雪子|…だから私は、私の意志で、 ここに残ろうと思うの。 |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… 天城 雪子|これが私の、新しい力…? 天城 雪子|あなたが私に、気付かせてくれた… 天城 雪子|…大事な、力だね。 天城 雪子|これ…あげる。 天城 雪子|あそこの神社のお守り… 鳴上くんを、守ってくれますように。 |ありがとう |雪子が守ってくれ |…うん。 |>雪子は優しく微笑んでいる… |そうしたい、けど… |>雪子は悲しげに微笑んでいる… 天城 雪子|私は、ここに残るから… 天城 雪子|私の代わりに、このお守りが 鳴上くんを守ってくれるから… 天城 雪子|そしたら…ずっと、一緒だから… |>雪子の声が震えている… 天城 雪子|悠、くん… 天城 雪子|好き… |>雪子の真っ直ぐな愛情が伝わってくる… |>雪子との固い絆を感じた… 天城 雪子|あ、あのっ… 天城 雪子|も、もう…そんな…見ないで… 天城 雪子|もう一回、言っていい…? 天城 雪子|悠くん… 天城 雪子|…好き。 |>長い間、雪子と一緒に過ごした… |>暗くなってきたので、 雪子を家まで送った… |>雪子のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“コノハナサクヤ”は “アマテラス”へと転生した! |それがいい |よく考えたのか? |頑張れ |>自室… 天城 雪子|えっと…な、何しようか? 天城 雪子|そんなに…見ないでってば… 天城 雪子|も、もう… 二人だと…恥ずかしくて… 天城 雪子|でも、やっぱり…悠くん… 天城 雪子|…好き。 |>長い間、雪子と一緒に過ごした。 |>雪子との固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 雪子を家まで送った… |>鮫川 土手… 天城 雪子|>雪子の持ってきた弁当は、 美味しそうだ… 天城 雪子|大丈夫、美味しいから! |>見た目はなかなかいい… |>目をつぶって口に押し込むことにした。 |>これは… |>美味しい!! 天城 雪子|美味しい? ほんと? 天城 雪子|良かった… って、当然なんだけどね… 天城 雪子|半分以上、板長が作ったの… やっぱり横から取り上げられちゃって。 天城 雪子|でもね、“随分マシになりましたね”って 褒められちゃった! 天城 雪子|あとね、料理もだけど、 資格の勉強も続けてるんだよ。 天城 雪子|出て行くつもりは無いけど、 きっと、やって損は無いと思うから。 天城 雪子|私、気付けてよかった。 天城 雪子|きっと、出て行って一人暮らししてたら、 後悔してた。 天城 雪子|私ね、自分一人で、 何でもできるようになりたかった。 天城 雪子|でも、そういうのってすごく… おこがましい、って思ったの。 天城 雪子|旅館があって、家族がいて、 仲居さんや板前さんたちがいて… 天城 雪子|そういう、優しい…輪の中で 育ててくれたから、今の私があるんだよね… 天城 雪子|そう思ったら、私の人生って、 私だけの問題じゃないんだよ。 天城 雪子|私は、私の意志で、ここに残ろうと思う。 |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… 天城 雪子|私の、新たな力…? 天城 雪子|あなたが私に、気付かせてくれた… 天城 雪子|大事な、力だね。 天城 雪子|これ…あげる。 天城 雪子|あそこの神社のお守り… 鳴上くんを、守ってくれますように。 |ありがとう |神頼み? |…うん。 |>雪子は優しく微笑んでいる… |ふふっ、こういうのは、 気持ちが大事なの! |>雪子は優しく微笑んでいる… 天城 雪子|私、鳴上くんのこと、 かけがえの無い友だちだと思ってる。 天城 雪子|どんなに離れても、会えなくなっても、 きっと、ずっと、この気持ちは変わらない。 天城 雪子|あなたは、私の…大事な人。 |>雪子の真っ直ぐな想いが伝わってくる… |>雪子との固い絆を感じた… 天城 雪子|親友…って呼べる男の子なんて初めて。 すごく、嬉しい… 天城 雪子|ね、何かいっぱい話そう? |>雪子の弁当を食べながら、 長い間、話をして過ごした… |>雪子のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“コノハナサクヤ”は “アマテラス”へと転生した! |>ここも霧に覆われている… |それがいい |よく考えたのか? |頑張れ |>これは陽介コミュのダミーです。 陽介コミュが解禁しました。 |>商店街 惣菜大学… 花村 陽介|ビフテキをコロッケに入れちゃうとこが 何とも田舎だよな… 花村 陽介|まあ、ウマイけど…硬いよな。 花村 陽介|里中のヤツ、これが“柔らかジューシー”とか 言ってたぜ…どんな歯してんだっつの。 |>おばさんたちの会話が聞こえてくる… |ジュネスの… …八高でしょう? |佐藤さんの店…潰れて… 八高で同級生の… |ここの商店街だって危ないって言うのに… 花村 陽介|悪いな、俺、有名人で。 |大変だな |自慢げだな |なんで有名? |んー、そーでもねーよ? |親同士のことだし、俺は関係無いし。 それに、仕方ねーだろ。 |>陽介は肩をすくめている… |自慢じゃねっつの! 結構、メンドーなもんなんだぜ。 |親同士のことだし、俺は関係無いし。 仕方ねーことなのにさー… |>陽介は肩をすくめている… |俺がジュネスの息子ってこと、 忘れてませんか? |ま、そんぐらい大したことじゃねーのに、 結構、メンドーなんだぜ… |親同士のことだし、俺は関係無いし。 仕方ねーことなのにさー… |>陽介は肩をすくめている… 花村 陽介|俺のこと知らない人、多分いないぜ。 学校にもこの町にも… 花村 陽介|ま、そりゃいいんだけど… 悪いことできないってのがネックだな。 |>陽介は明るく笑っている… |>陽介のことが少し分かった気がした… 花村 陽介|しっかし、ハマるとウマいなこのコロッケ。 花村 陽介|俺、もう1個食おーっと。 お前も食うだろ? |>陽介と、胃がもたれるまで コロッケを食べて帰った… |>名物のビフテキコロッケは スジ張っている… |>ここも霧に覆われている… |>沖奈市 沖奈駅前… |>陽介に連れられ、はるばるやってきた… 花村 陽介|んー、ひっさびさだな、こういう空気! 花村 陽介|俺、ほら、アレだから。 都会の香り漂うシティボーイだから。 花村 陽介|…って俺、何かクマづいてきてない? |クマが陽介に似てきただけ |クマは可愛いぞ |そう言えば毛が… |ちょ、断じて違うって! |>陽介は慌てている… |可愛い…ってのは分かんねーけど、 まあ、放っておけない感じだな。 |>陽介は笑っている… |そう言えば洗顔フォームの泡立ちが…! |って、怖いこと言わすなよ! |>陽介は笑っている… 花村 陽介|ま、それはいいとして、 これからどっか… 花村 陽介|うお、メールか。 花村 陽介|また迷惑メールかよ… 花村 陽介|アドレス知られてんのかね。 迷惑メール、すっげ来んの。 |着信拒否しないのか? |アドレス変えたら? |仕方無い |してもしても、ドメイン変えて来るから キリ無いんだよな。 |アドレス変えるの嫌だし… |>陽介はため息をついている… |んー、それはなぁ… |>陽介は困っているようだ… |まぁなー… アドレス変えるのはちょっとさぁ。 |>陽介はため息をついている… 花村 陽介|稲羽市に引っ越してくる前から、 メルアド変えてないんだ。 花村 陽介|一応、誰かからメールあるかも知んないし。 …電話はしにくいだろ? 花村 陽介|わざわざ、“アドレス変えました”って 連絡するのもウザいじゃん。 花村 陽介|連絡する気ねーよ! って場合あるし… 花村 陽介|あっ、何だよ、 俺が友だちいねーやつみたいに見んなよー! 花村 陽介|まー正直、前のトコのヤツらとは 何話してたかとか覚えてないし… 友だち…って言うと、何か微妙な感じだな。 花村 陽介|俺には稲羽が似合ってるし。 …それに、あそこでやるべきことがあるから。 花村 陽介|これからも頑張ろうぜ、相棒! |>陽介の熱いやる気が伝わってくる… |>陽介のことが、また少し 分かった気がした… 花村 陽介|そうとなったら、もう帰るか? 花村 陽介|俺らがここにいる時、向こうで何か起きたら ヤベーもんな! 花村 陽介|うっし、帰ろう! …ちっとオミヤゲ買ってから帰ろう! |>陽介と慌しく稲羽市に帰った… |>ここも霧に覆われている… |>ジュネス フードコート… |>陽介と、軽く食べに来た… 花村 陽介|たまにゃ、お前と二人でここってのもいいよな。 花村 陽介|金無くても、ここなら ちょっとサービスしてくれるし。 花村 陽介|…まあその分、面倒なことも 多いんだけど。 |あ、いたいた、花村! 花村 陽介|…こんなふうにな。 花村 陽介|お疲れさまっす。 今日はどうしたんすか、先輩。 |あのバカチーフに何とか言ってよ! 土日出れないって言ってんのに。 |人足りねーから来いってうるさいし、 出ないとクビとか言うんだけど! |そういうのって、ナントカ法違反とか じゃないの!? 花村 陽介|…や、でも先輩ら、面接ん時は 土日も出れるって言ったんすよね? |だって、じゃなきゃ採用されないじゃん! 花村 陽介|分かった、分かりました。 俺、ちょっと話してみますよ… 花村 陽介|けど、先輩らもクビになったら困るっすよね? 花村 陽介|できれば何日かは出てもらえると 俺も交渉しやすいっつーか… |…考えとく。 |頼むかんね、マジで。 |あら、陽介くん。 ちょうどよかったわ~。 花村 陽介|あー…ども。 |ちょっと、聞いてちょうだいよ! この間のクレームの件なんだけど精肉部長に… 花村 陽介|あ、はいはいはい。 その話なら、向こうで聞くんで。 花村 陽介|わり、鳴上、 ちょっとここで待ってて。 |>陽介は従業員の話を聞きに行った… 花村 陽介|うあー、疲れた… 俺は苦情係かっつの… |大変だな |無理するな |偉いな |まーな… こんなことしてる場合じゃないっつの。 |>陽介は肩をすくめている… |ホント、他にやることあるっつのな! |>陽介は肩をすくめている… |はあ? 面倒なだけだって! |>陽介は照れたように笑っている。 花村 陽介|ったくさ…みんな俺をジュネスの息子って 利用してんじゃん。 花村 陽介|ヒマならまだしも、俺ら事件で頭一杯だろ。 関わってらんないんだよな。 花村 陽介|久保は本当に警察の手に負えるのか… 法律はちゃんと久保を裁けんのか… 花村 陽介|ヒマならまだしも、俺ら、やることあるだろ。 関わってらんないんだよな。 花村 陽介|犯人は本当に警察の手に負えるのか… 法律はちゃんと裁けんのか… 花村 陽介|したらさ、 他のことに構ってらんないっつーか… 花村 陽介|やれることがあんなら、やんなきゃって… |よく言った! |あまり気負うな |やれること…? |ちょ、茶化すなって! クサイこと言ったみたいで恥ずかしいだろ! |>陽介は照れたように怒っている… |な、なんでだよ。 |お前、放っておくつもりか? そんな気持ちで… |悪い、何か…カッとなっちまって。 |>陽介は苦笑いしている。 |ちょ…あ、あるだろ色々! 寂しいこと言うなよ! |>陽介は動揺している… 花村 陽介|ははっ…こんなマジ系の話、 するなんて思わなかったな… 花村 陽介|前いたとこだと、くだらねー笑える話しか しなかったし…それでいいと思ってた。 花村 陽介|こんなマジな話なんて、ホントお前らだけだよ。 花村 陽介|何だろうな、ウソつかなくていいって言うか… 花村 陽介|…特にお前にはさ、初っ端から、 一番みっともねーとこ見られてるし。 花村 陽介|けどさ、なんかまあ…今考えると、 お前でよかったな…とかさ。 花村 陽介|…今更だけど、あん時、 一緒に来てくれてありがとな。 |>陽介は恥ずかしそうに笑っている… |>陽介と少し仲が深まった気がする… 花村 陽介|あーなんか色々あって腹減ったな。 花村 陽介|うっし、レジの人のサービス期待して、 ウルトラヤングセットに挑戦してみっか! |>陽介とフードコートで過ごし、 自宅に戻った。 |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>陽介が半ば無理やり、 押しかけてきた… 花村 陽介|へえー、 けっこう片付いてんじゃん。 花村 陽介|…で? やっぱ例のモノは布団の下? |当たり前だ |何のことだ? |そう言う陽介は? |あはは! 何でそんな堂々としてんだよ。 |よーし、お前がトイレに行ってる間に チェックしといてやっからな。 |お前の恥ずかしい趣味を 白日の下にさらしてやる!! |>陽介は楽しそうだ。 |まったまた、トボけちゃって。 |大丈夫、お前がアウトローな趣味でも 友だちでいてやるって、うん。 |>陽介は楽しそうだ。 |ふふん、俺はそんな安易なトコには 隠してないぜ! |一度、母親に見つかって 家族の前でタイトル読まされたからな… |>陽介は遠い目をしている… 花村 陽介|そう言やお前、 ここに女の子呼んだこととかあんのか? |ある |無い |もうすぐ |マジかよ!! それってもしかして… |…止めとく。 知らないほうがいい予感が今。 |>陽介は苦笑いしている… |ははっ、お前って意外と男くさいのな。 |>陽介は嬉しそうだ… |マジかよ!! それって今、落とし中ってこと!? |>陽介は興奮している… |いるー? かいらんばん、しらない? 花村 陽介|菜々子ちゃんいるのか。 せっかくだし、入れたげようぜ。 花村 陽介|菜々子ちゃん、今日ヒマなの? 堂島 菜々子|ううん、これからミワちゃんとヨーちゃんと、 タケヨシくんのおうち、行く。 花村 陽介|おっ、男の家に!? 堂島 菜々子|タケヨシくん、となりの席でね、 れんらくちょう、とどけに行くんだ。 堂島 菜々子|ミワちゃんは、タケヨシくんがすきだから いっしょに行くって言ったよ。 花村 陽介|すきだから… 花村 陽介|す、進んでんなぁ最近の子は… 花村 陽介|まぁ俺も、初恋は幼稚園ん時だったけどな! “オシャマさん”と有名だったぜ。 花村 陽介|けど、まぁ… しばらくそういうのは、いいかな。 花村 陽介|今は、そんなことしてる場合じゃ ないっつーか… 花村 陽介|んなことよりもっと前に、俺には やんなきゃなんないことがあるから… 堂島 菜々子|しゅくだい? 花村 陽介|ちがう…けど、そうかも。 花村 陽介|菜々子ちゃん、頭いいね。 |>菜々子は友達の家に行った… 花村 陽介|菜々子ちゃんに“宿題”って言われたけど… 花村 陽介|…実際、俺らにやれること、残ってんのかな。 花村 陽介|事件、何か良く分かんねーけど、 終わった感じだし… 花村 陽介|終わりでいいのかな… 花村 陽介|…あ、何か、変なこと言ったな、俺。 花村 陽介|けど…真相暴くために、俺らの力、まだ必要かも 知んないし…頑張ろうな。 花村 陽介|菜々子ちゃんに“宿題”って言われたけど… 花村 陽介|犯人捕まえて、事件終わらせて、平和にする… それって、俺らにしかできないことだよな。 花村 陽介|その…頑張ろうぜ。 頼りにしてる。 花村 陽介|俺はさー、正直…いいんだよね。 花村 陽介|誰かを好きんなるとかよく分かんないし… 今は自分のことで手一杯。 花村 陽介|今はまだ、 そんなことしてる場合じゃないっつーか… 花村 陽介|んなことよりもっと前に、俺には やんなきゃなんないことがあるから… 花村 陽介|俺には…つーか、俺らには、だな。 花村 陽介|その…頑張ろうぜ。 頼りにしてる。 |>陽介は静かに、やる気を見せている… |>陽介からの信頼を感じた… 花村 陽介|あ、そういやお前んとこにも来た? 青年会に入れって。 花村 陽介|町おこしがどーのこーので、 青年会が行事やるとか言ってて。 花村 陽介|ジュネスも関わるから、 入れられそうになってんのよ、俺… 花村 陽介|んなことしてる場合じゃねーし… 忙しいって断ったけど、しつこくってさぁ。 花村 陽介|大体、青年会とか町おこしとか、 どうでもいいっつのな。 |>陽介はため息をついている… 花村 陽介|そう言うわけで、布団の下発掘の時間です。 |>陽介と色々な話をして過ごした… |>暗くなってきたので、 陽介を途中まで送って行った。 |>ジュネス 食品売り場… |>陽介に頼み込まれ、 品出しの手伝いをした… 花村 陽介|らっしゃい、らっしゃ~い! 広告の品、最高級サーモンが一切れ59円! 花村 陽介|ご一緒にチーズもいかがっすか~? イタリア直輸入のこちら、今日だけ298円で… 花村 陽介|こっちの棚も、品出し頼む! |>ジュネスでのアルバイト代、 5500円を手に入れた。 |>ジュネス フードコート… |>アルバイトを終え、 陽介とやってきた… 花村 陽介|うえぇ、疲れた… 花村 陽介|急にセールやることになったらしくて、 とにかく人手欲しいって親父に頼まれてさ。 花村 陽介|“んなことしてる場合じゃない”って 言ったんだけど、聞かなくって。 花村 陽介|けど、お前いてくれて助かった! サンキュな。 |お安い御用 |先に言え! |なかなか楽しかった |ホント、いいヤツだな、お前って。 |>陽介は喜んでいる… |ははっ、悪かったよ! |実は、前もって言ったら断るかと思って… ごめんな? |>陽介は頭をかいている… |マジ? 俺なんか面倒なだけだよ。 お前、すげーな。 |>陽介は驚いている… |あ、花村ー。 |何なの今日、超忙しいんだけど。 知ってたら休んだっつの。 花村 陽介|いやー、そこはお願いしますよ。 今日、ちょっとボーナスも付いたでしょ? |500円でしょぉ? せっこーい。 |あたし、お金貯めてるからさー、 もっと給料上げてよ。 花村 陽介|やー…それは俺じゃ力不足かと… |えー、超意味無い。 |>二人は近くで話し出した… |>すごいボリュームの噂話だ… |これじゃぁ卒業旅行、国内だよー。 やっぱ親に全額頼もうかなー。 |男見つけて、払ってもらえばぁ? |あはっ、早紀みたいにぃ? |>陽介は唇を噛み締めている… |去年だっけ? 早紀の駆け落ち。 |そうそう、帰省してきた大学生にくっついて どっかまで行ったらしいじゃん。 |けど、すぐ帰ってきてさ、 “自分でお金貯めて出てく”って言ったって。 |えー、何それ、捨てられたってことぉ? |知らないけどぉ、ここでバイト始めたってことは やっぱお金貯めたかったんじゃん? |けどさぁ、うちら女子高生が本気になれば、 もっと稼げるバイトあるじゃんねー。 |>二人の噂話は続いている… 花村 陽介|別に…関係ねーよ。 花村 陽介|あの人らの、テキトーな噂だし。 別に、気にしてねーし。 花村 陽介|…あんなふうに言われて、可哀想だな。 花村 陽介|小西先輩の仇、取ってやれるのは 俺らだけだ。 花村 陽介|俺らは、特別だ。 俺らしかいないんだ。 花村 陽介|だから…外野は気にする必要無い。 |そうだな |大人だな |我慢する必要も無い |へへっ… |>陽介は照れたように笑っている… |ははっ…テレビん中で、ガキの俺を見たからな。 ちょっとは変わんねーと… |>陽介は照れたように笑っている… |え、あの人ら、殴ったりするなよ? お前、意外と手が先に出るタイプ? |>陽介は驚いている… 花村 陽介|俺…お前で良かったと思うよ。 花村 陽介|お前とだったから、ここまで来れたよな、正直。 |>陽介は力強く頷いている… |>陽介と少し仲が深まった気がする… 花村 陽介|あー…何か…めんどい。 花村 陽介|あ、いや、お前のことじゃなくて… 花村 陽介|…何だろうな。 花村 陽介|分かんねーや… |>陽介とぽつぽつと話をして過ごした… |>ここも霧に覆われている… |>ジュネス フードコート… |>陽介と、軽く食べに来た… 花村 陽介|さーて、今日は何食う? |ちょっと、花村!! 花村 陽介|…今日は何すか? |なんでカズミは休めて ウチらはダメなわけ? 花村 陽介|…は? |前にアンタに言ったじゃん! ウチら、土日はバイト入れないって! |だから断ったら、やっぱクビとか言われて! 超意味分かんないんだけど! 花村 陽介|や、俺は一応、 チーフに伝えましたけど… 花村 陽介|それよか先輩ら… 最近、無断欠勤とかしてないすか? |あ、あれはたまたま忘れてて… |てゆーか、それ今、関係ないでしょ! どうしてくれんのよ、デートあんだけど! |カズミだけ休めるとかさぁ、 ヒイキしすぎだっつの! |つーかアンタさあ、 早紀のこともヒイキしてたよね? 花村 陽介|…え? |ゴマかしてもムダだからね! みんな知ってんだから! |アンタが早紀のこと好きで 特別扱いしてたことくらい! 花村 陽介|小西先輩のことは、 関係無いんじゃないですか? |あるに決まってんじゃん!! |どーせ、他の従業員にもヒイキさせるよう 言ったんでしょ? |店長の息子だからって、 何やってもいいワケ!? |で、早紀が死んだら今度はカズミってさぁ! 言っとくけどあの子、彼氏いるし。 |早紀だってイヤがってたよぉ!? そう言うの分かんないとか、マジウザすぎ! |ウチら、早紀から話聞いてるんだから! 早紀ってああ見えて… |>小西先輩のことまで悪く言い出した… |黙れ! |まあまあ、落ち着いて… |小西先輩が可哀想だ 花村 陽介|鳴上… |な…何よアンタ! ギャーギャーうるさいのよ! 花村 陽介|ギャーギャーうっせーのはお前らだろ!! 花村 陽介|鳴上… |ア、アンタ別に早紀のこと知らないでしょ? すっこんでてよ! 花村 陽介|そっちがすっこんでろ! 花村 陽介|鳴上… |誰アンタ、バカじゃないの!? 花村 陽介|鳴上のこと悪く言ってんじゃねーよ! 花村 陽介|つか、うるっせえんだよ、お前らマジで! 花村 陽介|アンタらに小西先輩の何が分かんだよ!! 花村 陽介|…あの人はな、アンタらみたいな 中途半端な気持ちで仕事してなかったよ! 花村 陽介|適当に見えても、真面目だったよ! 口は悪いけど優しかったよ!! 花村 陽介|俺のこと嫌い? 知ってんだよそんなの! 花村 陽介|もういねーよ! 置いてかれてんだよ! 花村 陽介|…放っとけよ。 |な、何よ急に… |…もう行こ。 花村 陽介|何か…意味分かんねーこと グダグダ言っちった… |悲しかったんだな |スッキリしたか? |気持ちは分かる |ち、違う、俺はただ… |>陽介は情けない顔で笑っている… |いや、何か…余計、混乱してる。 |>陽介は呆れたように笑っている… |…何で俺が分からないことが、 お前に分かんだよ… |>陽介は黙ってしまった… 花村 陽介|ったく…またお前にみっともないとこ 見られちまった。 花村 陽介|けど、サンキュ、鳴上。 花村 陽介|さっきあの人らに言ってくれたの… 嬉しかった。 |>陽介は恥ずかしげに笑っている… |>陽介と少し仲が深まった気がする… 花村 陽介|あぁ~…イヤだけど、イヤだけど 親父んとこ行ってくる… 花村 陽介|あの二人、このまま辞めちゃうだろうし… 報告して、謝んねーとな… |>陽介を見送り、一人で家に帰った。 花村 陽介|何だろうな…俺、何がしたいんだろ。 花村 陽介|よく分かんねーよ。 …自分のことなのに。 花村 陽介|…悪い、また今度な、鳴上。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 河原… |>言葉少ない陽介と、何となくやって来た… 花村 陽介|>陽介は何かを握り締めている… 花村 陽介|これ…見つけたんだ。 小西先輩と撮ったプリクラ… 花村 陽介|俺がまだここ来たばっかの頃、 小西先輩が撮ろって言ってくれたヤツ… 花村 陽介|俺…来たばっかの時は どっかで、こんな田舎…って見下してて… 花村 陽介|ジュネスは商店街を潰すって… 敵意向ける人も多くて… 花村 陽介|でも…あの人さ、俺と初めて会ったとき、 親は親、キミはキミって…言ってくれて… 花村 陽介|本心じゃなかったとしても… 俺、嬉しかった。 花村 陽介|あの人がいたから、 この町も悪くないかなって…初めて思えた。 花村 陽介|なのにさ、なのに… |フラれてしまった? |死んでしまった? 花村 陽介|違う…んなこと、いいんだ。 生きててくれれば… 花村 陽介|ど…して… 花村 陽介|先輩が… 死ななきゃ…いけなか…ったんだ… 花村 陽介|ムカつくよ…悔しいよ…! 花村 陽介|もっと話したかった! もっと…あの人のこと知りたかった! 花村 陽介|なのに、なのに… 花村 陽介|もう…いないんだ。 |>陽介は泣きじゃくっている… 花村 陽介|鳴上…俺、分かった… 花村 陽介|俺、忘れたかったんだ…小西先輩のこと。 小西先輩が、もういないこと… 花村 陽介|こんな田舎で、つまんねー毎日送ってる自分を… 忘れたかったんだ。 花村 陽介|事件が起きて、俺はワクワクした… 花村 陽介|こんな田舎に来た価値が、 やっとできたと思った… 花村 陽介|先輩がいないことも、相手にされなかった 無様な自分も、忘れられると思った… 花村 陽介|事件に飛びついて、見ようとしてなかった… 花村 陽介|俺…何も… 何も、歩き出せてこなかったんだ… 花村 陽介|先輩…ごめん。 鳴上…ごめん。 |少しずつ受け入れればいい |気持ちは分かる |謝るな |…うん。 |>陽介は赤い目で頷いた… |…俺のこと好きじゃなくてもよかったんだ。 ただ、笑ってて欲しかった… |>陽介はまた少し泣いた… |…けど、俺、お前を巻き込んでおいて 自分だけ逃げてたから… |>陽介は赤い目で見返してくる… 花村 陽介|冷てえ… 花村 陽介|なんか今度こそ、目が覚めた気がする… 花村 陽介|先輩は帰ってこないってこと、 受け入れて、乗り越えないと… 花村 陽介|この事件が落ち着いちまったら、きっと… 俺の、“逃げ場所”が無くなって… 花村 陽介|俺自身は、何も変われてないってこと… 花村 陽介|…お前が気付かせてくれたんだ。 |>陽介の支えとなれたようだ… |>陽介との絆を感じた… 花村 陽介|へへ… こんな顔じゃ、ちっとまだ…帰れねぇな… |>陽介としばらく過ごし、 家まで送って帰った… 花村 陽介|鳴上…俺… 涙腺、ぶっ壊れたみてー… |頭を撫でる |胸を貸す |そっとしておく |ははっ… ガキ扱い、やめろっつの… |>陽介は頬を濡らして笑っている… |>陽介のそばに付き添い、 家まで送って帰った… |ばっかやろ… そういうの、女の子に…しろよなぁ… |苦しいんだよチクショー… |>陽介は泣いている… |>陽介が泣き止むまで待って、 家まで送って帰った… |>ここも霧に覆われている… |>高台… |>陽介に連れられてやってきた… 花村 陽介|…ここ、稲羽に来た当初は嫌いだった。 町の小ささが分かるだろ。 花村 陽介|けどこう見ると…いい町だよな。 |>陽介は寂しそうに微笑んでいる… |元気出せ |まだ先輩のことを? |男ならウジウジするな |出せっつって出せるかよー。 |>陽介は呆れたように笑っている… |んー…こないだまでとは、違う。 けど寂しいのは、変わんねーよな。 |>陽介は遠くを見ている… |ははっ…そうだよな。 |お前みてーに、男の中の男なら 今頃どう思ってんだろうな。 |>陽介は力無く笑っている… 花村 陽介|俺さ、先輩に教えてあげたいよ。 花村 陽介|大事なのは…場所じゃないってこと。 花村 陽介|大嫌いだったこの町が、 俺は今、大好きだ。 花村 陽介|ここは何も無いけど、 家族と仲間と…親友がいる。 花村 陽介|大事なものは、遠いどこかにあるんじゃなくて… 自分の周りにあるんだってこと。 |>陽介は少し恥ずかしそうだ… 花村 陽介|俺ずっと、“特別”になりたかった。 花村 陽介|たぶん…誰かの“特別”で初めて、 自分に意味があると思ってたんだ。 花村 陽介|だからペルソナ能力とか、すげー興奮した。 花村 陽介|けどホントは、そんなの必要なくて… 何かがあるから、出来るからじゃなくて… 花村 陽介|生まれて、生きてたら、気付かないうちに もう誰かの“特別”になってるんだと思うんだ。 |そうだな |そうでも無い |よく分からない |うん…例えば、お前が… 俺の“特別”なように、さ。 |>陽介は鼻の下をこすっている… |お前、気付いてないんだよ。 |お前はもう、里中や天城や… 俺の、“特別”なんだぜ。 |>陽介は鼻の下をこすっている… |えっと…例えば、お前が… 俺の“特別”なように、さ。 |>陽介は鼻の下をこすっている… |>陽介からの厚い信頼を感じる… |>陽介との仲が深まった気がした… 花村 陽介|じゃさ、みんなの家、こっから探そうぜ! 花村 陽介|ジュネスがアレで、幹線道路がこうだから… 俺んちあそこ、あの変な屋根の。 花村 陽介|ってことは、お前の家は… |>長い間、陽介と一緒に過ごした… |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 河原… |>妙に固い表情の陽介に 連れられてやってきた… 花村 陽介|俺さ、お前に言っておくことがあるんだ。 花村 陽介|俺…お前のこと、 どこか信用してなかったと思う。 花村 陽介|ていうか…うらやましかったと思う。 花村 陽介|お前は、俺と同じだと思ったんだ。 花村 陽介|都会からこんな田舎に来て、 つまんねーってふて腐れてると思った。 花村 陽介|けどお前は来て早々、ペルソナとか出して… リーダーで、人が集まってくる…ヒーローだ。 花村 陽介|俺は、そんなお前が好きで、自慢で… けど同時に、うらやましかったみたいだ… |知らなかった |仕方ない |“みたい”って? 花村 陽介|俺も、気付いてなかった… 花村 陽介|こないだ、お前を“特別”って言ったときに 思ったんだ。 花村 陽介|俺は多分、誰より、 お前に認められたかったんじゃないかって… 花村 陽介|お前も、誰かをうらやましいとか… 思ったりすんのか? 花村 陽介|はは、何か想像つかねーな… 花村 陽介|…こないだ、お前を“特別”って言ったときに 思ったんだ。 花村 陽介|俺は多分、誰より、 お前に認められたかったんじゃないかって… 花村 陽介|俺も、気付いてなかった… 花村 陽介|こないだ、お前を“特別”って言ったときに 思ったんだ。 花村 陽介|俺は多分、誰より、 お前に認められたかったんじゃないかって… 花村 陽介|だから…鳴上。 花村 陽介|俺を殴ってくれ! 花村 陽介|俺ん中にある、ぐちゃぐちゃしたもん全部、 吹っ飛ばして欲しいんだ。 花村 陽介|俺は、お前と対等でいたい。 肩を並べていたい。 花村 陽介|だから… |>陽介を殴ることで、対等になるのだろうか…? |殴るだけでは対等じゃない |殴り合えば対等だ 花村 陽介|え… お、俺はお前殴る理由ねーし… 花村 陽介|けど、分かった。 “対等”なら…そうだよな。 花村 陽介|おっし、行くぜ! 本気で来いよ! |>陽介と殴り合った… 花村 陽介|いでで… 花村 陽介|お前のパンチ、重すぎんだよ… 一瞬、お花畑が見えたじゃねーか… 花村 陽介|けど、サンキュな… なんつーか、その… 花村 陽介|…いいよな、言葉なんか。 |>陽介は穏やかな顔をしている… 花村 陽介|これ、お前にやるよ。 花村 陽介|血、出てたら貼っとけ。 んでまた…たまにはケンカしようぜ。 花村 陽介|はぁ…空、高いな。 花村 陽介|先輩、見てっかな… 俺らんこと、笑ってるかな。 花村 陽介|先輩…俺、ちゃんと生きるから。 自分ごまかさずに、だまさずに… 花村 陽介|今日みたいな日も、前みたいに くすぶって過ごす日も、大事な1日… 花村 陽介|先輩が生きられなかった1日だから… 花村 陽介|ここで、俺、生きてくから。 |>陽介は優しく笑っている… |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… 花村 陽介|これ…俺の力…? 花村 陽介|大事なものを守る、新たな力…ってことか。 へへっ、上等だよ。 花村 陽介|毎日笑って過ごせるように… 頑張ろうぜ、リーダー。 花村 陽介|毎日笑って過ごせるように… 頑張ろうぜ、リーダー。 |>陽介からの厚い信頼を感じる… |>陽介との固い絆を感じた… 花村 陽介|えっと…んじゃ、改めて よろしく頼むぜ、鳴上! |>長い間、陽介と一緒に過ごした… |>陽介のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“ジライヤ”は “スサノオ”へと転生した! |>ここも霧に覆われている… 堂島 遼太郎|お前が来てから、こうしてゆっくり 話をする時間もなかったな。 |>堂島は必死に話題を探しているようだ… 堂島 遼太郎|あー…その、 どうだ、学校は? |楽しい |別に… |面倒くさい |そうか…ならよかったな。 |学生時代なんてのは あっと言う間に終わっちまう。 |楽しんでおけるときに 楽しんでおけよ。 |>堂島は一人でうなずいている。 |なんだ、 煮え切らない返事だな。 |言いたいことがあればハッキリ言え。 それがこの家のルールだ。 |>堂島は渋い顔をしている… |はは、正直だな。 |>堂島は苦笑している。 |後は…そうだな… あー、友だちやなんかは… |いるようだな、色々と。 |>堂島は難しい顔をしている… 堂島 遼太郎|お前の交友関係にまで、 どうこう口出しするつもりはないが… 堂島 遼太郎|…俺の言いたいことは、分かるな? |分かる |分からない |はっきり言ってくれ |そうか。 自覚はしてるってこったな。 |>堂島はうなずいている。 |本気で言ってんのか? |とぼけてるのか、素なのか、 分かりにくいな、お前は… |>堂島は溜息をついている… |…言うじゃねえか。 |>堂島は不敵に笑っている… 堂島 遼太郎|何故か、事件の陰にはお前だ… 堂島 遼太郎|…考えたくはないが、事件が始まったのも、 お前がこの町に来たのと同時期だ。 堂島 遼太郎|俺の仕事はな、まず始めに 偶然って選択肢を消すことから始まる。 堂島 遼太郎|これ以上、お前が俺の領分に足を 突っ込んでくるようなら、その時は… 堂島 菜々子|…どしたの? 堂島 菜々子|お兄ちゃん、 わるいことなんてしないよ。 堂島 遼太郎|わ、分かってるって。 そんなつもりじゃあない。 堂島 菜々子|だって、いじめてる… 堂島 遼太郎|い、いじめてなんかないぞ。 ちょっと話をしてただけだ。 堂島 遼太郎|…もう遅いだろ、 そろそろ寝なさい。 堂島 菜々子|…はぁい。 堂島 遼太郎|やれやれ… 堂島 遼太郎|あいつ、お前のことが 気になって仕方ないようだな。 堂島 遼太郎|とにかく… 危ないことにだけは首を突っ込むな。 堂島 遼太郎|お前が無事ならそれでいい。 成績を上げろとまでは、頼まれてないからな。 |>堂島は、純粋に心配してくれているようだ。 |>堂島との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 堂島 遼太郎|今まで住んでいた街とは勝手が違うだろうが、 ここにはここのいいところもある。 堂島 遼太郎|まあ、今は少しばかり、 物騒な町になっちまってるがな… 堂島 遼太郎|さて、そろそろいい時間だ。 早めに寝ろよ。 堂島 遼太郎|おやすみ。 |>堂島におやすみを言って、自室に戻った。 堂島 遼太郎|そうだな… お前、放課後は何してるんだ? |友だちと遊んでる |部活をしてる |バイトしてる |特に何も… |本当に、遊ぶだけだよな? |>堂島は複雑な顔をしている… |そうか、俺も高校ん時は 学校サボってでも部活で… |…いや、サボってなんか無いが。 |>堂島は焦っている。 |そうか… 若いのに、随分しっかりしてるな。 |>堂島は感心しているようだ。 |…何もってことは無いだろ。 |>堂島は不審そうだ… 堂島 遼太郎|…いかんな。 これじゃただの事情聴取だ。 堂島 遼太郎|つっても、共通の話題なんて… あの事件のことぐらいか。 |まだ何か疑ってる? |話すのは苦手? |堂島の話が聞きたい |いや…今のはそういうつもりで 訊いたわけじゃない。 |もちろん、今も気になることがあるのは 確かだがな。 |>堂島の目つきが鋭くなった… |…そうだな。 |お前が同僚なら、 もう少し話せることもあるんだが… |何にしろ、菜々子の言う通り 俺の話っちゃあ仕事のことばかりだな。 |>堂島は苦笑いしている… |俺の? 妙なことに興味持つヤツだな… |>堂島は肩をすくめている… 堂島 遼太郎|見ての通り、娘と二人暮らしの 単なる田舎刑事だ。 堂島 遼太郎|…高校生が聞いても、 楽しい話なんてのは、何もないぞ。 堂島 遼太郎|だがまあ、お前が来てくれて 正直、助かってる。 堂島 遼太郎|菜々子がこんなに喜ぶとはな… お兄ちゃんって、うるさいぐらいだ。 堂島 遼太郎|まあ、俺にとっちゃ悠は、 息子ってよりは歳の離れた弟って感じだがな。 |それは無理がある |“お兄ちゃん”と呼ぼうか? |なにぃ~!? んじゃ歳相応だって言いたいのか? |この野郎、 人をオッサン扱いしやがって! |>堂島は楽しそうに笑っている。 |はは、止めてくれ! ブルっと来たぞ、今! |>堂島は楽しそうに笑っている。 堂島 遼太郎|こんな風に笑ったのは、 久しぶりな気がするな。 |>堂島と少し打ち解けることができた… |>堂島との仲が、少し深まった気がした… 堂島 遼太郎|さて、俺は少し仕事の資料を 片付けにゃならん。 堂島 遼太郎|お前もほどほどにして寝ろよ。 堂島 遼太郎|おやすみ。 |>堂島におやすみを言って、自室に戻った。 堂島 遼太郎|この前、署でちょっと耳にしたんだが… 堂島 遼太郎|その、な。 堂島 遼太郎|…お前ら、よくジュネスに 溜まってるらしいな。 |>堂島の探るような視線が痛い… 堂島 遼太郎|もちろんだが、それ自体は何でもない。 堂島 遼太郎|問題なのは… 堂島 遼太郎|なんでしょっちゅう 家電売り場に出入りしてるか、だ。 堂島 菜々子|お父さん… 堂島 遼太郎|あ、いや、違うぞ。 これは事情聴取なんかじゃなくてな… 堂島 菜々子|お兄ちゃんとばっかり、ずるい。 堂島 遼太郎|…何? 堂島 菜々子|だって…今日は、お父さんいるのに… 堂島 遼太郎|…お前とはいつも話してるじゃないか。 堂島 菜々子|…いつもって、いつ? 堂島 菜々子|菜々子も… 堂島 菜々子|いっしょに、いる… |>そう言いながらも、 菜々子は眠そうに目をこすっている… 堂島 遼太郎|ったく… もう寝る時間だろ、お前は。 堂島 遼太郎|今日はもう寝なさい。 今度…遊んでやるから。 堂島 菜々子|…ぜったいだよ。 |>菜々子は渋々、部屋に戻っていった… 堂島 遼太郎|“いつもって、いつ?”か… |どうして菜々子を構わない? |菜々子が可哀相だ |子供は苦手? |…忙しいんだ、色々と。 |>堂島の表情は渋い… |>堂島の表情はどことなく辛そうだ… |いや…そういうわけじゃない。 |まあだからといって、 得意ってわけでもないが… |>堂島の表情はどことなく辛そうだ… 堂島 遼太郎|正直な話、あの子のことは 妻…あいつの母親に任せっきりだったからな… 堂島 遼太郎|その…どう接すればいいか、 加減がな、よく分からねえんだよ。 堂島 遼太郎|それに…俺じゃあ、 あいつの家族は務まらん… |どうして? |無責任だ |意味が分からない |>堂島は疲れたような顔をしている… |…そうだな。 |>堂島は苦笑いをしている。 |正直だな、お前は。 |>堂島は苦笑いをしている。 堂島 遼太郎|血が繋がってりゃ、“家族”か? 堂島 遼太郎|そうじゃない… |>堂島の抱える悩みに、 少しだけ触れることができた気がする… 堂島 遼太郎|ああ…すまん。 お前に聞かせる話じゃなかったな。 堂島 遼太郎|もう寝ろ、おやすみ。 |>堂島におやすみを言って、自室に戻った。 堂島 遼太郎|今ちょうどな、 コーヒー、淹れようかと思ってたところだ。 堂島 遼太郎|インスタントだけどな。 お前はどうする? |ブラックで |ミルク入りで |ミルクと砂糖入りで |任せる |なら俺と同じだ、楽でいいな。 |>堂島は笑っている… |え…? |あ、い、いや… そう言われるのは、久しぶりだと思ってな。 |>堂島は優しげに笑っている… |はは、菜々子と同じだな。 |>堂島は楽しそうにしている。 |よし、とびっきりのを淹れてやる。 |>堂島は楽しそうにしている。 堂島 菜々子|お父さん、ニュース始まるよ。 堂島 菜々子|あ、菜々子もコーヒーのむ! 堂島 遼太郎|はいよ。 ミルクと砂糖たっぷりでな。 堂島 菜々子|うん! 堂島 遼太郎|お前のも持ってってやるから、 菜々子と一緒にテレビでも見てろ。 |それは悪い |よろしく |あー、いや、いい。 コーヒー淹れるのだけは、家での俺の仕事だ。 |>堂島は優しげに笑っている… |任せろ、俺のは美味い。 |>堂島は楽しげに笑っている… |…あいつの母親にな、 結婚するとき、約束させられたんだ。 |家のことはこれだけでいい。 その代わり、必ずずっとやること、ってな。 |だから…まあその、何だ。 すっかりクセになっちまったってわけだ。 |>堂島は少し恥ずかしそうだ。 |>堂島の意外な一面を知り、 親しみがわいた… 堂島 遼太郎|俺が守ってやれるのは、 もうこの約束くらいだな… 堂島 遼太郎|まあ、その…なんだ。 向こう行ってろ。 |>三人でテレビを見ることにした。 |…それでは次のニュースです。 |今日未明、沖奈市郊外で、自転車に乗っていた 女性が車にはねられ、死亡しました。 堂島 遼太郎|菜々子、テレビ消せ。 堂島 菜々子|あ…うん。 堂島 菜々子|“こうつうじこ”のニュースしたから… |お母さん、じこで死んじゃったから。 |菜々子、おぼえてないんだ。 お父さん、ぜんぜん話してくれないし… |>菜々子は寂しそうな顔をしている… |>しばらく菜々子と二人でテレビを見てから 自室に戻った。 |>堂島は何かを探してるようだ… 堂島 遼太郎|あるとすりゃぁ、後は… 堂島 遼太郎|ったく、今時の若ぇのは 資料の整理ひとつ、まともにできねえんだ。 堂島 遼太郎|…って、お前じゃない。 すまんな。 |何を探してる? |手伝おうか? |家でも仕事? |いや、まあ…ちょっとな。 |>堂島はなぜか動揺している… |いや…いいんだ。 あんまり気ぃ遣うな。 |>堂島は苦笑いをしている。 |…はは。 久しぶりに聞いたセリフだ。 |>堂島は苦笑いをしている。 堂島 遼太郎|昔の…新聞記事だ。 ボロくなったからコピーを取り直したんだが… 堂島 遼太郎|そのコピーがどっかに 紛れちまったらしくてな。 堂島 遼太郎|ある事件の犯人が、まだ挙がらねえんだ。 堂島 遼太郎|新しい事件のせいで風化しかかってる… 堂島 遼太郎|けどな、俺だけは 諦めるわけにいかねえんだ。 堂島 遼太郎|…絶対にな。 |>堂島は思いつめた表情をしている… |>とてもこれ以上、 聞きだせる雰囲気ではない。 堂島 菜々子|お父さん… 堂島 遼太郎|なんだ、どうした? 堂島 菜々子|なんか、おなかいたい… 堂島 遼太郎|悪いモンでも食ったか!? 堂島 菜々子|おなかの下のほう、ちくちくする。 堂島 遼太郎|何だって!? きゅ、救急… 堂島 遼太郎|い、いや、確か前にもあったな。 あの時と同じか!? 堂島 菜々子|…わかんない。 堂島 遼太郎|参ったな… あの時の薬は確か… 堂島 遼太郎|ああ、クソッ! 何だってんだ、こんな時に… 堂島 遼太郎|はい、堂島! 堂島 遼太郎|足立か…切るぞ。 堂島 遼太郎|…封書? 俺に? 堂島 遼太郎|ひょっとして、市原さんからか!? いつ!? 堂島 遼太郎|…忘れてただぁ!? ふざけやがって… 堂島 遼太郎|すぐ行く! 堂島 遼太郎|出てくる。 救急箱の中に薬があるはずだから…頼む。 |>堂島は出て行ってしまった… |>仕方が無いので、 菜々子に薬を飲ませ、寝かせた… |>数時間後… |>堂島が帰ってきた。 |>かなり機嫌が悪そうだ… 堂島 遼太郎|悠…まだ起きてたのか。 堂島 遼太郎|もう遅いだろ、早く寝ろ。 |大丈夫か? |どういうつもりだ |菜々子が気にならないのか? 堂島 遼太郎|うるせえな… |…すまん。 |>堂島は申し訳なさそうにしている… 堂島 遼太郎|うるせえな! お前にそんなこと言われる筋合いは… |…あるよな。 すまない… |>堂島は申し訳なさそうにしている… 堂島 遼太郎|うるせえな! 今はそれどころじゃ… |いや…すまん。 どうかしてたな… |>堂島は申し訳なさそうにしている… 堂島 遼太郎|菜々子はどうしてる…? 堂島 遼太郎|そうか、寝てるか… 堂島 遼太郎|お前がいてくれて… 本当に助かった。 |>堂島は辛そうだ… 胸のうちに何を抱えているのだろう… |>堂島とまた少し、絆が深まった気がした… 堂島 遼太郎|もう遅いから、お前も寝ろ… 堂島 遼太郎|…おやすみ、悠。 |>堂島におやすみを言って、自室に戻った。 堂島 遼太郎|新聞記事のコピー… 堂島 遼太郎|…ああ、見つかったよ。 すまんな、心配したか? 堂島 遼太郎|妻の…千里の記事なんだ。 堂島 遼太郎|ひき逃げされて、死んだ時のな… 堂島 遼太郎|前に話したな。 まだ犯人の挙がってない事件のこと。 堂島 遼太郎|…もう分かっただろう? これ以上は、この家の中でする話じゃない。 堂島 遼太郎|…やめよう。 |やめない |家族の話なのに? |じゃあ外で話そう |悠… |ったく… |>堂島は溜息をついている… |悠… |ったく… |>堂島は溜息をついている… |…ははっ。 |まったく… かなわんな、お前には。 |>堂島は溜息をついている… 堂島 遼太郎|アイツは… 堂島 遼太郎|菜々子の母親は、菜々子を保育園に 迎えに行く途中、ひき逃げされたんだ。 堂島 遼太郎|寒い日で、目撃者は無く、 発見も遅れに遅れた。 堂島 遼太郎|俺に知らせが入るまで、 菜々子は保育園で一人、ずっと待ってた。 堂島 遼太郎|いつまで経ってもこない迎えを、 たった一人で、な… 堂島 遼太郎|殺されたなんて…菜々子には言えなかった。 堂島 遼太郎|犯人を捕まえるのが仕事の父親が… 足取り一つ、掴めてねえってこともな… 堂島 遼太郎|だが、俺は必ず犯人を挙げる。 堂島 遼太郎|そのためにはプライベートなど無い。 …菜々子だって、分かってくれるさ。 |そうだな |菜々子がそう望んだのか? |それはただの言い訳だ |ああ…今でなくとも、いつか 分かってくれる日が来る… |そう思うしかないだろ… |>堂島は疲れたような顔をしている… |…今は望まなくとも、 分かってくれる日が来る… |そう思うしかないだろ… |>堂島は疲れたような顔をしている… |…! |>堂島は唇を噛み締めている… 堂島 遼太郎|…すまん、今は一人にしてくれ。 堂島 遼太郎|…悠。 堂島 遼太郎|…ありがとな。 |>堂島の辛い気持ちを感じる… |>堂島を居間に残し、自室に戻った。 |>堂島と、色々な話をして過ごした… 堂島 菜々子|もうねる… 堂島 遼太郎|ん? ああ、もうそんな時間か…おやすみ。 堂島 遼太郎|何だ? 堂島 菜々子|お父さん…きょう、ねるまえに 本よんでくれるっていった。 堂島 遼太郎|あ…ああ、そうだったか… 堂島 遼太郎|分かった分かった、 少しだけだぞ。 堂島 菜々子|やったー!! 堂島 遼太郎|ちょっと待ってろ。 堂島 遼太郎|はい、堂島。 堂島 遼太郎|…市原さん! 堂島 遼太郎|はい…はい… それじゃ、けっきょく… 堂島 遼太郎|あの、市原さんの都合さえよければ、 今からそちらに… 堂島 遼太郎|…分かりました。 それじゃ… 堂島 菜々子|…お父さん、行っちゃうの? 堂島 遼太郎|仕事…だからな。 堂島 菜々子|でも、きょうは本、よんでくれるって… 堂島 遼太郎|そんなの、いつでも… |“いつでも”って、いつ? |菜々子より大事なこと? |そ、それは… |>堂島は苦笑いをしている… |んなはず、ねえよな… |>堂島は静かにため息をついた… 堂島 菜々子|けんか…してるの? 堂島 菜々子|い、行っていいよ…お父さん。 堂島 遼太郎|そんなんじゃない… ごめんな、菜々子。 堂島 遼太郎|それより本ってな、どれだ? 堂島 菜々子|…いいの? 堂島 遼太郎|約束、したからな。 堂島 遼太郎|ほら、行くぞ、菜々子。 堂島 菜々子|うん! |>菜々子は、堂島と部屋に戻った… 堂島 遼太郎|やれやれ、 けっきょく丸々一冊、読まされたな… 堂島 遼太郎|少し、話でもするか。 堂島 遼太郎|さっきの電話な、 市原さんって、俺の元先輩だ。 堂島 遼太郎|…千里のひき逃げの捜査で、 鑑定やってもらってる。 堂島 遼太郎|さっき、鑑定結果が出たって電話でな… 堂島 遼太郎|…あの様子じゃ、警察の調べ以上のことは 出てこなかったんだろ。 堂島 遼太郎|出向いたところで、それが変わるわけじゃ ないってのも分かってたんだがな… |>堂島はひどく落胆しているようだ… 堂島 遼太郎|白のセダンで、恐らくはデカいアメ車だ。 もちろん、この町にそんな車はねえ。 堂島 遼太郎|修理も廃車も、該当する記録は出てこない… 下手すりゃ、もう日本に無い可能性だってある。 堂島 遼太郎|…怖えんだ。 堂島 遼太郎|犯人が捕まえられねえってことが… 堂島 遼太郎|やりきれねえ気持ちを、ぶつけるとこが無くて 飲み込むしかねえってことが…! 堂島 遼太郎|菜々子を見るたび… あいつと似たとこを見つけるたび… 堂島 遼太郎|現実を…突きつけられてる気がして… 堂島 遼太郎|怖えんだ… 堂島 遼太郎|はは… 堂島 遼太郎|まさか、お前にこんなことを 話すことになるたぁなあ… |>堂島の葛藤を打ち明けられた… |>堂島のことが、より深く分かった気がする… 堂島 遼太郎|いつまでも、このままで いいワケねえってのは分かってる… 堂島 遼太郎|お前がいるうちに… 向き合わなきゃいけねえよな。 |>堂島としばらく無言の時間を過ごしてから、 自室に戻った。 |>堂島は何かを熱心に見ている。 |>どうやら車の資料のようだ… 堂島 遼太郎|悪いな、今ちょっと手が離せない。 |また家で仕事? |車を買うのか? |コーヒーでも淹れる? |…そう言うなよ。 少し調べておきたいことがあってな。 |>堂島は決まり悪そうにしている… |…左ハンドルなんか不便でしょうがねえ。 |>堂島は肩をすくめている… |…それは俺の仕事だ。 いらん気を遣うな。 |>堂島は苦笑いをしている。 堂島 遼太郎|そういや、 さっき菜々子と話してて思ったんだが… 堂島 遼太郎|菜々子のやつ、 最近、少し変わったような気がするな。 堂島 遼太郎|なんていうか…強くなった。 堂島 遼太郎|…俺ばっかりが取り残されてるような 気がするな… 堂島 遼太郎|悠が来てから、ここが、その… “家らしく”なってきた。 堂島 遼太郎|家ってのはただの入れ物じゃない。 家族が暮らし、共に生きる場所だ。 堂島 遼太郎|一緒に笑い、泣き、ケンカもして… 人生の長い時間を共に過ごす… 堂島 遼太郎|そういう…あったかい場所だ。 堂島 遼太郎|忘れていたよ… 堂島 遼太郎|何より取り戻したかったのに… …何より避けてきた気がするな。 |菜々子が大切だから |犯人が捕まらないから |臆病だから |…そうだ。 |あの子の気持ちも考えずにな… |>堂島は苦笑いしている… |そうだな… けどそれは結局、ただの言い訳だ… |>堂島は穏やかに笑っている。 |ははっ! 言いやがったな、この野郎。 |けど…その通りだ。 |>堂島は穏やかに笑っている。 堂島 遼太郎|同じ場所にいてもバラバラだった 俺と菜々子を、お前が繋いでくれたんだな。 堂島 遼太郎|後は…俺自身の問題なんだろう。 どこでケジメをつけるかっていう… |>堂島の静かな決意を感じた… 堂島 遼太郎|あー、やめだやめだ! ったく、俺は今日は飲むぞ! 堂島 遼太郎|悠、お前も付き合え。 当然、アルコールは抜きだぞ。 堂島 遼太郎|俺より先に寝たら逮捕!! いいな! よし! |>堂島が酔いつぶれるまで付き合ってから、 自室に戻った… 堂島 遼太郎|どうしてだか、分かるか? |>なぜか堂島は、 菜々子を自分の部屋に追いやった… 堂島 遼太郎|さてと… それじゃまずは… |>堂島は何かを始めるようだ… 堂島 遼太郎|悠、部屋行って 菜々子呼んできてくれ。 堂島 遼太郎|…ゆっくりでいいからな。 |>堂島に言われるまま、 菜々子を呼びに行った… 堂島 菜々子|むこう行ってろって言ったのにー。 堂島 菜々子|ケーキ!? まるいのだ!! 堂島 菜々子|きょう、なんのおいわい!? 堂島 遼太郎|あー、えっとだな… 今日は“家族”の大事な日なんだ。 堂島 菜々子|だいじな日…? 堂島 遼太郎|そうだ。 堂島 遼太郎|お前と、悠と、俺が、 “家族”になる記念日だ。 堂島 菜々子|…いままでは? 堂島 遼太郎|そ、それはだな… 堂島 遼太郎|と、とにかくな、 ちゃんと、“家族”になる記念日なんだ。 堂島 菜々子|ふぅん… 堂島 菜々子|よくわかんないけど… でも…なんかうれしいね!! 堂島 遼太郎|よし、じゃあ、食おうか。 堂島 菜々子|うん! |>三人で楽しい時間を過ごした… |>菜々子は、はしゃぎ疲れたのか、 早々に眠ってしまった… 堂島 遼太郎|あー、その…なんだ。 堂島 遼太郎|今日は、妙なことにつき合わせて、 その…悪かったな。 |別に構わない |楽しかった |次は教えておいて欲しい |そうか… |>堂島はホッとしたようだ。 |そうか… 優しいな、お前は。 |>堂島は嬉しそうだ。 |はは、悪い悪い。 |>堂島はばつが悪そうに笑っている。 堂島 遼太郎|どうも、こんなことでもしないと ケジメがつけられないと思ってな… 堂島 遼太郎|それに、菜々子にもちゃんと 知っておいて欲しかった。 堂島 遼太郎|俺が、ちゃんと家族として、 あの子を大切に想ってるってことを… 堂島 遼太郎|だんだん、 千里に似てくるな、菜々子は… 堂島 遼太郎|笑った顔も… 気の強いとこも。 堂島 遼太郎|あの子の顔を見るたびに、 千里を思い出して辛かったこともある。 堂島 遼太郎|あの子を迎えに行ったせいで千里は死んだ… そう考えちまいそうになることもあった。 堂島 遼太郎|それでも、あの子がいてくれただけで、 どれほど救われてきたか分からない… 堂島 遼太郎|もし俺一人の生活だったら、お前を預かる なんてのも考えられなかったしな。 |多分、俺は…怖かったんだ。 誰かを真っ直ぐ受け止めて… |大切な家族を作って…そしてまた、 それを無くしてしまうかもしれないのが。 |逃げるヤツを追うことに逃げてたなんて、 まったく滑稽だな… |>堂島の笑みは、どこか哀しそうだ… 堂島 遼太郎|悠、俺はな… ずっと、怖かったんだよ。 堂島 遼太郎|だから俺は、仇討ちを言い訳に あの子と向き合うことから逃げたんだ… |辛かった? |後悔している? |逃げるのはやめた? |ああ… ああ、そうだな… |>堂島は声を詰まらせている… |…ああ。 |アイツを守れなかったことも、 アイツが死んでからの全部もな… |>堂島は深くうつむいている… |そうだ。 |これ以上… 菜々子を待たせるわけにいかないしな。 |>堂島はうなずいている。 堂島 遼太郎|逃げるのも、悔やむのも、 今夜でもう全部、仕舞いだ。 堂島 遼太郎|俺はもう二度と、大切なものを失くさない。 絶対に… 堂島 遼太郎|…絶対にだ。 |>堂島の強い決意が伝わってくる… 堂島 遼太郎|これは… お前が教えてくれた強さだな。 堂島 遼太郎|ありがとな、悠。 |>堂島としばらく無言の時間を過ごしてから、 自室に戻った。 堂島 遼太郎|そういやさっき、 外の様子、見てきたんだがな。 堂島 遼太郎|どうやら雨は止んだみたいだから、 後で少し、散歩に出よう。 堂島 遼太郎|後で少し、散歩に出よう。 堂島 遼太郎|お前と菜々子と三人で、 行っときたい場所があるんだ。 堂島 遼太郎|ああ、それとな… 堂島 遼太郎|これを、お前にやろう。 堂島 遼太郎|俺と菜々子が使ってるのと同じヤツだ。 堂島 遼太郎|これはお前専用。 後で名前書いといてやるからな。 |ありがとう |今使ってるのは? |名前はちょっと… |おう。 大事にしろよ? |>堂島は嬉しそうに笑っている。 |あれの本当の持ち主は、 もう…いないからな。 |>堂島は穏やかに笑っている。 |何言ってんだ。 書いとかないと間違うだろ。 |菜々子のも俺のも、 底にちゃんと書いてあるぞ? |>堂島は楽しそうに笑っている… 堂島 遼太郎|俺たちは、家族だ。 堂島 遼太郎|だから、お前のカップも、菜々子のカップも、 いつでも俺が満タンにしてやる。 堂島 遼太郎|…忘れるなよ、悠。 堂島 菜々子|お父さん、じゅんびできたー? 堂島 遼太郎|ああ、そろそろ出ようか。 堂島 菜々子|行こ、お兄ちゃん! |>菜々子を真ん中に三人で散歩に出かけた。 |>鮫川 河川敷… |>鮫川 河川敷… 堂島 菜々子|へーき。 お父さんとお兄ちゃんと、いっしょだもん。 堂島 遼太郎|…そうか。 堂島 菜々子|よるだと、こわーい! 堂島 菜々子|お父さんとお兄ちゃんと、 いっしょで、たのしーね! 堂島 遼太郎|はしゃいで落ちるなよ。 堂島 菜々子|ねえ、どうして、ここに来たの? 堂島 遼太郎|お前、ずっと来たいって行ってたろ? 堂島 遼太郎|そのうちまた三人で、天気のいい日に 弁当でも持って来ような。 堂島 菜々子|うん! やったー!! 堂島 菜々子|ねえ、もっと川のそば、行っていい? 堂島 菜々子|さかな、ねてるかもしれないよ!! 堂島 遼太郎|分かった分かった。 足元、気をつけろよ? 堂島 菜々子|うん!! 堂島 遼太郎|あの子のあんな顔… 久しぶりに見た気がするな。 堂島 遼太郎|悠、俺はこれからも 千里を轢いた犯人を追う。 堂島 遼太郎|けどな、それはもう 何かから逃げるためじゃない。 堂島 遼太郎|俺が…刑事だからだ。 堂島 遼太郎|こんな簡単で当たり前のことすら、 俺はいつの間にか、忘れちまってたんだ。 堂島 遼太郎|大切なことはみんな、 お前が思い出させてくれた。 堂島 遼太郎|本当に、感謝してる。 堂島 遼太郎|この町はなぁ、俺の町だ。 菜々子やお前のいる、俺の居場所だ。 堂島 遼太郎|だから俺はこれからも、 ここを守って生きていく。 デカとして…父親として、な。 |>堂島は清々しく笑っている… |>堂島との固い絆を感じた… |待てコラー!! |クソッ、しつけーんだよ!! 堂島 遼太郎|何だぁ? 堂島 遼太郎|…って、あいつは… 堂島 遼太郎|おーい、どうした! |堂島刑事…? |す、すいません、お休み中… 堂島 遼太郎|んなこたぁ、気にすんな。 それよりあいつら、何だ? |あ、あの、カツアゲグループです。 最近、ウワサになってる… 堂島 遼太郎|カツアゲだぁ!? ったく、しょっぱい真似しやがって… 堂島 菜々子|お父さん、行くの? 堂島 遼太郎|…おう。 堂島 遼太郎|悪いヤツらを捕まえるのが、 俺の…いや、お父さんの、仕事だからな。 堂島 遼太郎|悠、菜々子を頼むぞ。 |頑張れ |気をつけて |任せろ |おうよ! |>堂島は満面の笑みを浮かべている。 |余計な心配すんな。 |>堂島は不敵に笑っている。 |そうこなくちゃな。 |>堂島は満面の笑みを浮かべている。 堂島 遼太郎|俺を誰だと思ってる。 泣く子も黙る、稲羽署の堂島だぞ? 堂島 遼太郎|だから、お前たちは安心して 先帰って寝てろ。 堂島 遼太郎|おるぁああ! 待てこのクソガキ共ー!!! 堂島 菜々子|お父さん、がんばれー!! 堂島 菜々子|…お父さん、かっこいい! 堂島 菜々子|さき、おうちかえろ? 堂島 菜々子|かえって、おフロわかして… あと、いっしょにやしょく作ろ! 堂島 菜々子|菜々子、おなかへった。 |>菜々子と堂島の夜食メニューを 話し合いながら、自宅に戻った… |>ここも霧に覆われている… |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |な、何だキミは。 仕事が終わったのなら、さっさと帰りたまえ! |>医師とナースの会話が 途切れ途切れに聞こえてくる… |…見回り後…空き病室… 上原 小夜子|あら、聞いてた? 上原 小夜子|ふふっ、可愛い。 今日から入った学生さんね? 上原 小夜子|今度、イイコトしてあげる。 上原 小夜子|じゃ、また。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>稲羽市立病院 空き病室… |>空いたばかりの病室の 清掃をこなした… |>…!? |>どこからか、視線を感じた… |>…気付かなかったことにし、 清掃を続けた… 上原 小夜子|あら、先客? 上原 小夜子|って、この間の学生さんか。 お仕事、偉いわね。 上原 小夜子|あ、ごめんなさい。 自己紹介もまだだったわね。 上原 小夜子|上原小夜子よ、よろしくね。 |>ナースは優しそうだ… 上原 小夜子|終わったら、ナースステーションいらっしゃい。 温かいコーヒーでも入れるわ。 上原 小夜子|…なーんてね。 上原 小夜子|キミ、高校生だってね… 上原 小夜子|ふふっ、肌がつるつる… 上原 小夜子|ねぇ…分かるでしょ? 上原 小夜子|大丈夫、誰も来ないから… |やめてくれ! |興味無い |そういうことなら… 上原 小夜子|ふふっ、可愛い。 上原 小夜子|ふふっ、冗談よ… 上原 小夜子|…今日はね。 上原 小夜子|痛いところはございませんか~? 上原 小夜子|じゃあ、ここは…? |>… |>……… |>しばらく小夜子と過ごした… 上原 小夜子|…気に入ったわ、キミ。 上原 小夜子|今度キミが来るの、いつ? 私もシフト入れておくから。 上原 小夜子|こんな町でも、楽しいことってありそうね… |>小夜子から、よこしまな好意が伝わってくる… |>小夜子との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 上原 小夜子|じゃ、また。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>稲羽市立病院 空き病室… |>空いたばかりの病室の 清掃をこなした… |>…!? |>どこからか、視線を感じた… |>…気付かなかったことにし、 清掃を続けた… 上原 小夜子|お疲れ様… またここで、私を待ってたの? 上原 小夜子|しょうがないなぁ。 じゃあ… 上原 小夜子|お姉さんと、お勉強でもする? 学校では教えてくれない科目…分かるよね? |分からない |興味無い |ぜひお願いします 上原 小夜子|ふふっ、じゃあ… 分かりやすいように、教えてあげるわ… |ここが僧帽筋… ずーっと下ってここが外腹斜筋… |この線が縫工筋… |…ふふっ、ここの名称、分かる? |>… |>……… |>しばらく小夜子と過ごした… |ふふっ、マジメなのね。 そういうとこが可愛いわ。 |>小夜子は薄く笑っている… 上原 小夜子|キミ、あんまりこの辺にいないタイプよね。 上原 小夜子|この辺の子は、もっとシンプルだわ。 目の前のニンジンしか目に入ってないような… 上原 小夜子|キミは…そうね、 奥に秘密のありそうな感じで… 上原 小夜子|…たまんないわね。 |>小夜子は満足そうに笑っている… |>小夜子からのよこしまな好意を感じる… 上原 小夜子|じゃ、また。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |>喪服姿のお婆さんが見える… |>…本物のお婆さん…だろうか。 黒田 ひさ乃|まぁ… 黒田 ひさ乃|あぁ… 黒田 ひさ乃|許して… |>喪服姿のお婆さんは こちらをじっと見ているようだ… |>喪服姿のお婆さんは いなくなった… |>何だったのだろう… |>稲羽市立病院 空き病室… |>清掃中に、小夜子に見つかり 連れ込まれた… 上原 小夜子|スキあり、ね。 上原 小夜子|適当にサボればいいのに、 熱心に仕事してるのね、キミって。 上原 小夜子|…ね、どうして こんなバイトしてるの? |お金のため |小夜子に会えるから |夜はヒマだから |ふうん、ひょっとして苦学生? |だったらこんなとこで、 こんな悪いオネーサンに捕まってていいの? |>小夜子はイタズラっぽく笑っている… |あら、意外とクチが上手いのね。 |>小夜子は笑っている… |子どもは時間があるからね… |大人になると、お金はあるけど 時間が無いの… |…そういうのって、 今言われても分からないかしら。 |>小夜子はぼんやり笑っている… 上原 小夜子|それにしても、若い子が 病院で雑巾がけも無いでしょーに… 上原 小夜子|そんな姿見たら、泣く子もいるんじゃない? 上原 小夜子|…そうだ、彼女とか、いないの? |いる |いない |目の前に… |聞いてどうする |ふふっ、それならこんなところ、 彼女に見せられないわね? |>小夜子はイタズラっぽく笑っている… |なぁんだ、つまんない。 つまみ食いが楽しいのに… |>小夜子は口を尖らせている… |…私? |やめときなさいよ… アンタ、見る目無いわね。 |>小夜子は少し照れているようだ… |…子どもは素直に、 聞かれたことに答えてりゃいいのよ。 |>小夜子はため息をついている… 上原 小夜子|…若いよね、高校生って。 上原 小夜子|10も違わないけど… すごく、遠いことみたい。 上原 小夜子|何かきらきらしてて… 妬ける? って言うの? 上原 小夜子|だからかしら… 上原 小夜子|グチャグチャにしてやりたいわ。 上原 小夜子|ふふ、冗談よ…半分は。 上原 小夜子|もう半分の意味は… 上原 小夜子|…分かるよね? |分かる |分からない |やめてくれ 上原 小夜子|ふふっ、可愛い… |ダメよ、目を開けちゃ… |ふふっ、これ、なーんだ…? |>… |>……… |>しばらく小夜子と過ごした… |ふふっ、ホントかしら… 顔、赤いわよ… |>小夜子は薄く笑っている… |ふふっ…バカ。 そういうところがたまんないって言ってんの… |>小夜子は薄く笑っている… 上原 小夜子|もう行かなきゃ。 仕事溜まってるし… 上原 小夜子|…ついつい、ちょっかい出しちゃうのよね。 上原 小夜子|ふふっ。 きっと、キミが可愛いせいね… |>小夜子は満足そうに笑っている… |>小夜子からのよこしまな好意を感じる… 上原 小夜子|悪かったわね、仕事の邪魔して。 それじゃ、頑張んなさいな。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |>喪服姿のお婆さんが また立っている… 黒田 ひさ乃|こんばんは… 黒田 ひさ乃|この間は、ごめんなさいね。 あなたのお顔、ジロジロ見たりして… 黒田 ひさ乃|その…知り合いに似ていたものだから。 |>喪服姿のお婆さんは 優しく笑っている… 黒田 ひさ乃|ここで働いてらっしゃるの? |アルバイトで… |本業は高校生 黒田 ひさ乃|あらそう、偉いのね… 黒田 ひさ乃|私にも、あなたくらいの孫がいてね… 今日、遠くに帰って行ってしまったけど… 黒田 ひさ乃|…ここであなたに会ったのも、 考えてみると不思議だわ… 黒田 ひさ乃|でももう、ここには来ないから… |何しにここへ? |なぜ、喪服を? |また会いたい 黒田 ひさ乃|ふふ… 黒田 ひさ乃|大きな町じゃないもの、 またお会いできるかもしれないわね。 黒田 ひさ乃|私はね、お休みの日に 河原で日向ぼっこするのが好きなの。 黒田 ひさ乃|川がキラキラ光ってね… 気持ちよくて…悲しいくらいよ。 黒田 ひさ乃|ふふ、それじゃあね。 |>喪服姿のお婆さんは いなくなった… 上原 小夜子|あら、ちょうどいいところにいるわね。 上原 小夜子|そこの病室なんだけど… 上原 小夜子|…ま、いいわ、入って。 上原 小夜子|うん、片付いてるわね。 上原 小夜子|ここ、さっき空いたのよ。 床の掃除、お願いね。 上原 小夜子|…どうして空いたか、気にしちゃダメよ? |…分かった |考えたくない |ここにはいられない |ふふっ、なーんてね。 |ここの患者、今日退院したのよ。 死の淵から無事、生還してね。 |>小夜子はイタズラっぽく笑っている… 上原 小夜子|言うことをちゃーんと聞く、いい患者だったわ。 上原 小夜子|しかも、若いのに社長さん。 顔もいいし、弱音も吐かない、甘えない。 上原 小夜子|早く会社に復帰したいって… 必死でね。 上原 小夜子|おかげで予定より早い退院になってね。 上原 小夜子|“お世話になりました”って、 嬉しそうに頭下げて… 上原 小夜子|すぐ前向いて、歩いて出て行っちゃった。 上原 小夜子|私を…愛してるなんて、 バカなこと言ってたくせにね。 上原 小夜子|…みーんな、いなくなっちゃう。 上原 小夜子|私を必要とするのは患者のときだけ… 結局みーんな、いなくなるわ。 |そういうものだ |治るのは、いいことでは? |転職すれば? |…子どものクセに。 |>小夜子は肩をすくめている… |…子どもはイヤだわ。 正論言って勝とうとして。 |>小夜子の機嫌を損ねたようだ… |簡単に言うわねぇ… |ま、そりゃそうか。 まだ高校生だし…他人だしね。 |>小夜子は悲しげに笑っている… 上原 小夜子|…変なこと言ったわね、忘れて? 上原 小夜子|ここの掃除、他のスタッフに頼むわ。 アンタ、もう帰りなさい。 上原 小夜子|道も暗いし… こんなとこいたらダメよ。 上原 小夜子|私なんかに捕まってちゃ…ダメよ。 |>小夜子は微笑んでいる… |>小夜子の内面を、少しだけ見た気がした… 上原 小夜子|おつかれさま。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>稲羽市立病院 空き病室… |>空いたばかりの病室の 清掃をこなした… |>…!? |>どこかの階から、 女性の叫び声が聞こえた気がする… |>…気付かなかったことにし、 清掃を続けた… 上原 小夜子|あ…いたんだ。 |>小夜子は機嫌が悪そうだ… 上原 小夜子|…さっきの騒ぎ、聞こえた? 上原 小夜子|私、“この泥棒猫が!”なんて リアルに言われたの初めてよ… |何があった? |マンガみたいだ |…聞こえてなかったんだ。 ま、いいけど… |>小夜子はため息をついている… |ホントよね。 |笑ったら、引っかかれちゃった。 猫はどっちかしら… |>小夜子は苦笑いをしている… 上原 小夜子|前に勤めてた病院でね… 医者と関係持ったのよ。 上原 小夜子|でも…彼には奥さんがいた。 上原 小夜子|周りにバレて、私だけ辞めさせられて… ここに勤めだしたの。 上原 小夜子|そしたら彼ね、向こうで また新人ナースに手を出したみたいで… 上原 小夜子|何か知らないけど私まで飛び火よ。 奥さん、ここまで追いかけてきたわ。 上原 小夜子|ハァ… 他のナースたち、ニヤニヤ見てるだけだったわ。 |仕方ない |見たかった |…ふふっ。 そうね、逆の立場なら私もそうしたわね… |他人は他人… |>小夜子は苦笑いをしている… |ちょっと、アンタまで他人事みたいに… |って、そりゃそうよね… ふふ、何期待してんだろ。 |>小夜子は苦笑いをしている… 上原 小夜子|あーあ、もう…めんどくさい。 上原 小夜子|こんなつもりじゃ無かったんだけどね、最初は… ナースになろうって、思ったときはさ。 上原 小夜子|何のために働いてるんだろ… 上原 小夜子|何のために、生きてんだろね… |慰める |励ます |聞き流す |あ…ごめん、独り言だよ。 |…ありがと、優しい子だね。 |>小夜子は嬉しそうに微笑んでいる… |あ…ごめん、独り言だよ。 |子どものクセに生意気… なんて、ね。 |>小夜子は微笑んでいる… |あ…ごめん、独り言。 |…ううん、聞いて欲しかったのかな。 ありがとね。 |>小夜子は微笑んでいる… |>小夜子のことが、 また少し分かった気がする… 上原 小夜子|もう、行くわね。 奥さんも帰ったと思うし。 上原 小夜子|それじゃ、気をつけて帰りなさいよ。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |>稲羽市立病院 空き病室… |>清掃中に、小夜子に見つかり 連れ込まれた… |>小夜子は何も話さない… |何かあった? |具合が悪い? |用が無いなら帰る 上原 小夜子|…やめてよ、カウンセラーのつもり? 上原 小夜子|…やめてよ、医者でもないくせに… 上原 小夜子|…待ちなさいよ。 上原 小夜子|帰っていいなんて、言ってないわよ… 上原 小夜子|ごめん… 上原 小夜子|キミに当たっても仕方ないのに… 上原 小夜子|さっき、私が前に勤めてた病院から 連絡が来て… 上原 小夜子|私が担当してた患者が…亡くなったって。 上原 小夜子|まだ小学生の男の子よ… 上原 小夜子|“学校行きたい”っていつも言ってたけど… 結局、ダメだった。 上原 小夜子|私ね、その子にプロポーズされてね… 大人になったら考えてあげるって言ったの。 上原 小夜子|でも私… 忘れてたのよ…その子のこと!! 上原 小夜子|病院移って、こっちで手一杯で、 時々思い返したけど、すぐ忘れて…! 上原 小夜子|でもその間もあの子はずっと、闘ってた!! 上原 小夜子|私、何をやってたんだろう… |自分を責めるな |仕方ない |反省しろ 上原 小夜子|責めるわよ… 責めるに決まってるじゃない… 上原 小夜子|仕方ないって自分を慰めて、 私だけ楽になって、また忘れて? 上原 小夜子|考えないようにして生きて、何になるの!? 上原 小夜子|あの子より、もう随分たくさん生きたのに、 私、まだ自分のことだけ…! 上原 小夜子|ほんとよね… 上原 小夜子|私…どうして、病院移ったのかしら… 上原 小夜子|患者は治ると私を置いていく… でも私だって、患者を置いていったわ… 上原 小夜子|私にできること、あったはずよ… |>小夜子は思いつめているようだ… |黙って見守る |声を掛ける |>しばらく、黙って見守った… 上原 小夜子|あ、ごめん… 上原 小夜子|…キミが今日、来てくれて良かった。 |>小夜子はどこか、すがるような目で見てくる… |>小夜子からの信頼を感じた… 上原 小夜子|…私、やるわ。 やれること…あるはずよ。 上原 小夜子|それじゃ。 |>小夜子と別れ、 家に帰ることにした… |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |>新人ナースたちの会話が聞こえてくる… |疲れた顔のナース あれ、どこの病室だったっけ? 上原さんが指示した患者さん。 |えー、ちょっと! 早く行かないと、怒られちゃうって! |最近、怖いもんねー、上原さん… |ちょっと張り切りすぎ…あっ! 上原 小夜子|油売ってるヒマがあったら 病室回りなさいよ。 上原 小夜子|中田さん、512号室! 摘便終わったの? |こっ…これから、です… 上原 小夜子|そう、サボるのだけは一人前ね。 上原 小夜子|高橋さん、備品発注書類、間違えてたわよ。 何箇所も、何箇所もね。 |す、すすすみません、すぐやり直しま… 上原 小夜子|いいわもう、私が直して出したから! 上原 小夜子|もう行って。 上原 小夜子|悠君… ちゃんと働いてるのね、感心感心。 上原 小夜子|それじゃ私、行くから… |>心なしか、小夜子の顔が青ざめている… 疲れているようだ。 |少し休んだほうが… |頑張れ |平気よ、まだやれるわ。 |…心遣いは嬉しいけど。 |>小夜子はぎこちなく笑っている… |ええ、まだまだやれるわよ。 |>小夜子はぎこちなく笑っている… 上原 小夜子|うん、キレイね。 上原 小夜子|キミ、手を抜かないから好きよ。 |>小夜子に褒められた… |>小夜子からの信頼を感じる… 上原 小夜子|…あぁ、私も油売ってる場合じゃないわ。 今日も徹夜ね… 上原 小夜子|…それじゃ。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした… |>稲羽市立病院 空き病室… |>空いたばかりの病室の 清掃をこなした… |>…!? |>どこからか、視線を感じた… |>…気付かなかったことにし、 清掃を続けた… |ああキミ、ここはもういいわ。 |ちょっと使うから、 清掃道具は片付けてくれる? |急患? |こんな時間に入院? |上原さん…って、ナースが 倒れちゃってね。 |とりあえず寝かせようって思ったんだけど 仮眠室はドクターが占領してるから… |過労みたいだけど…って、内緒よ? 監査でも来たら厄介だから。 |…ほら、手伝って。 |>小夜子は注射を打たれ、ベッドに寝かされた… 上原 小夜子|ハァ… 余計なことしてくれちゃって… 上原 小夜子|ちょっとフラついただけだっつーの… |過労だって…? |休むことも大事だ 上原 小夜子|厄介払い込みでしょ。 私がいると空気が重いから… 上原 小夜子|休んでられない場合は? 仕事が待ってるの! 上原 小夜子|ハァ…点滴じゃないだけ良かったわ。 よいしょ… 上原 小夜子|もう、行くわね。 |>小夜子はまだ働く気のようだ… |>どうしようか… |医者の不養生だね |それで人を助けられるのか? |一人で抱え込むな 上原 小夜子|う…うるさいな… 上原 小夜子|な、何よ。 子どものクセに、偉そうなのよ… 上原 小夜子|だって… 上原 小夜子|私は… 誰かの命を救うことが、できるかもしれない。 上原 小夜子|だったら、なりふり構わず、 やれるだけやらなきゃ… 上原 小夜子|そうじゃなきゃ… あの子に顔向けできないじゃない… |“あの子”がそれを望んでる? |結局、自己満足では? |逃げているのでは? 上原 小夜子|あの子が…望んでる…? 上原 小夜子|と、当然じゃない… 上原 小夜子|そ、そうよ、自己満足よ? 私がやりたいの、あの子のために! 上原 小夜子|…あの子のために…? 上原 小夜子|逃げて…る? 上原 小夜子|違うわ、私はちゃんと向き合って、 やれることをやろうって結論… 上原 小夜子|向き合って… 上原 小夜子|あぁ…そっか、私… 上原 小夜子|私のためだったんだ… 上原 小夜子|“私”が、楽になりたかったんだ… 上原 小夜子|逃げたくて… ただ頑張ってただけなんだ… 上原 小夜子|そっか… 上原 小夜子|…ふふ、バカだわ。 |>小夜子は涙を堪えているようだ… 上原 小夜子|分かった… うん、分かった… 上原 小夜子|ありがとう… |>小夜子は笑おうとしている… |>小夜子の支えになれた気がする… 上原 小夜子|…私、少しだけ休んでいくから… もう行って。 上原 小夜子|見ないで… |>小夜子と別れ、 家に帰ることにした… |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |ああ、キミ。 すまんがこの人を、ナースステーションに… 上原 小夜子|平気です。 |し、しかしね。 そんな青い顔で… |キミの評判が、最近あまりよろしくないこと 自分でも分かってるんだろう? |前みたいに、一緒に働きやすい小夜ちゃんに 戻って欲しいと僕は思うんだがね… 上原 小夜子|…仕事がありますので、これで。 上原 小夜子|アンタまでサボんないで… 上原 小夜子|一人で空回ってるのは分かってる… 上原 小夜子|でも、やらなきゃ… |>小夜子は随分と思いつめた顔をしている… |>…声を掛けることもためらうほど、 小夜子が心配になった… 上原 小夜子|じゃ、おつかれ。 |>小夜子を見送り、 家に帰ることにした… |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>消灯後の静まり返った廊下で、 清掃をこなした… |>…!? |>廊下の奥から何か聞こえた気がした… |>…聞かなかったことにし、 清掃を続けた… |>稲羽市立病院 空き病室… |>小夜子に手招きされ、やってきた… 上原 小夜子|ごめんね、 もう仕事終わるところだったでしょう。 上原 小夜子|一言、挨拶したかったの。 |挨拶って? |お疲れ様… |…私、今日でここ、去るのよ。 |>小夜子は澄んだ目で見つめてくる… |ふふっ、深い意味があるなら、 アナタって鋭い子ね。 |…私、今日でここ、去るのよ。 |>小夜子は澄んだ目で見つめてくる… 上原 小夜子|病院が嫌いだったわ… 上原 小夜子|治るか死ぬか… 結局、みんな出て行ってしまって 私だけが残される… 上原 小夜子|ずっと、寂しかった… 上原 小夜子|でもね、思い出したの。 上原 小夜子|私は…救いたかったんだってこと。 誰かを助けたくて、この職業を選んだってこと。 上原 小夜子|そんな簡単な根っこが、見えなくなってた… 上原 小夜子|ううん。 きっと、見たくなかったんだわ… |>小夜子は優しく微笑んでいる… 上原 小夜子|そんなこと教えてくれたのが、 よりによって雑巾片手のガキだなんてね。 上原 小夜子|…私、金持ちの年上が好きなのに、 年下に引っかかっちゃったな。 上原 小夜子|だから…行くわ。 上原 小夜子|昔、できるわけないって諦めた道… 進んでみる。 上原 小夜子|自分を道しるべにして、 自分で考えて、歩いて、責任持って… 上原 小夜子|それでやっと、 生きたって言える気がするから… 上原 小夜子|これ、もらってくれる? 上原 小夜子|“ここでの私”は…アナタにあげるわ。 |>小夜子は優しく見つめてくる… |>小夜子との固い絆を感じた… 上原 小夜子|半分自分に、半分アナタに、言っておくわ。 上原 小夜子|何が正しいのか。 何を選択するべきなのか… 答えはアナタの中にあるのよ。 上原 小夜子|それじゃ…さよなら。 |>小夜子は振り返らず、行ってしまった… |>…家に帰ることにした。 |>土手… |>ウワサの真相を確かめるため、 完二を連れてきた… 巽 完二|何スか、こんなとこで。 巽 完二|あ、オレにダメ出し… とかそういうことっスかね? |そんなところだ |当たらずとも遠からず |話を聞きたいだけ 巽 完二|そ、そっスか… 巽 完二|や、ビビってねえっスよ!! 巽 完二|当たらずとも…あ? 巽 完二|えーと… 当たってるってことスよね? 巽 完二|…何なんスか。 ケーサツみてえな言い方して。 巽 完二|で、何スか? |>完二にカツアゲグループとの関係を 問い質した… 巽 完二|あ? カツアゲ? え、オレが!? 巽 完二|先輩、オレを疑ってんスか!? |その通り |信じたいから聞いた |見損なうな! 巽 完二|マジかよ… そこまで信用ねえとはな… 巽 完二|けど…まあ、そっスよね。 ゾク上がりとか言われてたくらいだし。 巽 完二|けど、オレ誓ってやってねっスよ。 んなダセェ真似。 巽 完二|信じて欲しいっス… 巽 完二|先輩… オレ、やってねっスよ。 巽 完二|ゾク上がりとか言われてたオレじゃ、 ま…信用できないかも知んねえスけど… 巽 完二|信じて欲しいっス… 巽 完二|あ、す、すんません… 何か怒られた… 巽 完二|あ、えっと、オレ、やってないっスよ! 巽 完二|…けど、そんなウワサ立つのも、 やっぱテメェ自身のせいっスよね… 巽 完二|これじゃ、先輩らにも迷惑かけっかも… |みんな、そんなものだ |別にいい |迷惑だなんて思わない 巽 完二|先輩… 巽 完二|その… 巽 完二|ヒマん時でいいんで、 ちっと、話とか…聞いてもらっていいっスか。 巽 完二|何かモヤモヤしてんスけど… オレ、バカだから分かんないんスよね。 |>不器用な完二なりに、自分を変えるきっかけを 探しているのかもしれない… |>完二との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 巽 完二|先輩らに迷惑かけねえには… 巽 完二|えーと… 巽 完二|とりあえず、カツアゲグループとか ツブしときますか? |>しばらく完二の相談に乗ってから、 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>完二の希望でやってきた… 巽 完二|いやー、食いたかったんスよ、中華! 巽 完二|けど食って帰ると、お袋のメシ入んねーし… 息子五人いんのかつーぐらい並べるんスよ。 巽 完二|ぜってーオレの胃袋、 ハレツさす気っスよ、あの人。 |巽完二だな。 こんなところで何してる。 巽 完二|見りゃ分かんだろ… 巽 完二|って、お前…ケーサツか。 何してるって、どういう意味だよ。 |言葉通りだ。 近頃、色々物騒だからな。 巽 完二|アンタらがやる事やってりゃ、 もちっと静まんじゃねえか? |お、お前のそういう態度がな… |…まあいい。 あんまり悪さするなよ。 巽 完二|してねーよ… |ったく…違うとこで食うか。 巽 完二|クソッ… 巽 完二|ケーサツはいつもああっスよ。 人の顔見りゃ怪しい、何やってる…って。 巽 完二|まあ、慣れてるけどよ… 巽 完二|すんません、先輩、 とばっちり食わしちまって… 巽 完二|オレ、やっぱ迷惑掛けてばっかっス。 先輩らにも…お袋にも。 巽 完二|お袋、オレのために頭下げてばっかで 白髪もスゲー増えてんスよね… |ちゃんと謝れ |完二が変わればいい |子どもは親に迷惑掛けるもの |わ、分かってんスけど、 その…気まずいじゃねえスか、何か… |>完二は困った顔をしている… |そ、そうっスよね。 |>完二は真面目に頷いている… |や、けど… |迷惑掛けねえ子供の方が、 親も嬉しいんじゃねえかって… |>完二は口ごもっている… 巽 完二|親孝行? とか、何していいか分かんねーし… 巽 完二|…だからオレ、思ったんスよ。 巽 完二|この町、オレの力で平和にしてやるぜーって! 巽 完二|オレ、迷惑ばっか掛けてきたけど、 これでやっと恩返しできると思うんスよ! 巽 完二|やりましょーね、先輩! |>完二の熱意が伝わってくる… |>完二のことが、また少し分かった気がした… 巽 完二|…ところでおやっさん、メシまだかよ? |え、完ちゃん、何か頼んでたっけ? 巽 完二|完ちゃん言うなっつーんだよ! てか頼んだだろ、レバニラと餃子!! 巽 完二|潰れる前にオレがツブすぞ、オラァ!! 巽 完二|あ、いや、えーと… 巽 完二|ツブして建て直すぞ! リ、リフォームすっぞオラァ!! |…そりゃ嬉しいねー。 |>愛家で食事をしてから、家に帰った。 |>稲羽中央通り商店街… |>巽屋に遊びに来た… 巽 完二|言っときますけど、 ナンも面白ェもんはねっスから。 巽 完二|お袋ー、ただいま… 巽 完二|…? 巽 完二|いねえみたいっス。 店開けっ放しで…何やってんだか。 |ああ、いたいた完ちゃん! |お母さん、病院に運ばれたらしいよ!! 巽 完二|びょういん…て。 |しっかりしろ |早く行こう |詳しい事情を聞こう 巽 完二|お、押忍! 巽 完二|え… 巽 完二|あ、そ、そうだよな。 行って…確かめねえと… |聞いただけだから事情は分かんないけど、 稲羽市立病院だって! |ほら、行きなよ! 巽 完二|お、押忍! |>ここも霧に覆われている… |>稲羽市立病院… 巽 完二|お袋!! 巽 完二|大丈夫なのか!? 運ばれたって!? …まさか誰かの礼参りか!? |あらあら、アンタ顔真っ青よ。 巽 完二|オレのことはいいんだよ!! お袋はっ…! 巽 完二|…あぁ? 巽 完二|…無事? |運ばれたんじゃなくて、運んだの。 巽 完二|あ…? |可哀想に、ウチの目の前で 自転車にぶつかられてね。 |頭打ってたらコトだから、 一応、先生に診てもらったの。 |問題ないって、よかったわね。 |自転車乗ってたの、アンタんとこの高校生よ。 この子が転んだの分かってて、逃げてねぇ。 |アンタちょっと見つけ出して、 お灸すえておやりよ。 巽 完二|っざけんな!! 巽 完二|オレがっ…どんな思いしたか 分かんねーのかよ!! |…ふふっ、だーいじょうぶよ。 |お母さんはそんなに簡単に死なないわよ。 似合わない心配なんか… 巽 完二|るっせえ、ババア!! 巽 完二|すんませんした、 全然大したことねえのに… |いいことだ |誰でも驚く |臆病だな |…そうっスけど。 |>完二はまだ、ばつが悪そうだ… |そ、そっスか。 オレだけじゃねえなら…いいっス。 |>完二はまだ、ばつが悪そうだ… |はは…マジ、そっスよね。 |>完二はまだ、ばつが悪そうだ… 巽 完二|あそこで、“自分”と 向き合ったつもりなんスけど… 巽 完二|全部が、急に変わるわけじゃねえんスよね… 巽 完二|あ、その… 付き合ってもらって、すんませんした。 巽 完二|オレ一人だったら、 ビビってたかもしんね…はは。 巽 完二|オレも…先輩の力になれたら いいんスけど。 |>完二の支えになれたようだ… |>完二からの信頼を感じた… 巽 完二|…先、帰るっス。 |あの子ったら… |帰る先、同じなんだから 逃げなくてもいいじゃない。 |あら、あなた…“鳴上”くん? 前に雪ちゃんたちと、お店にも来てくれたわね。 |最近ね、あの子から名前よく聞くのよ。 |あなたの事、先輩、先輩って、 よっぽど嬉しいみたい。 |今日は悪かったわね、来てもらっちゃって。 あの子、この病院が嫌いだから… |あの子の父親…私の夫だけど、 ここで亡くなったの。 |あの子が丁度いない時に、 倒れて、運ばれてね… |それで今日も、怖かったんだと思うわ。 |ふふ、でも、嬉しいわね。 |あの子、昔から周囲に馴染めなくて、 あなたみたいなお友達、全然いなかったの。 |趣味のせいで? |見た目のせいで? |性格のせいで? |あら、あの子、あなたには話してるのね。 |いいえ、小さい頃はね、 そりゃあ可愛かったのよ。 |いつからかしら、あんな怖い格好するように なっちゃったのは… |それもあるでしょうね。 不器用で口下手で…臆病になってるから。 |あの子、昔からボール投げよりおままごと、 体育より家庭科が好きだったからね。 |だから男の子の友だちもいなければ、 女の子の仲間にも入れてもらえなくて。 |そのうち、毎日のようにケンカしてくるわ、 ニワトリみたいな頭にしてくるわで… |色々心配してたけど… 最近、すごく楽しそうよ。 |あの子のこと… どうかこれからもよろしくお願いします。 |>完二のことが少し分かった気がする… |>完二の母親と別れ、一人で家に帰った。 |>高台… |>完二に連れられてやってきた… 巽 完二|ここ、昔から好きなんスよ。 巽 完二|家も学校も全部見下ろせて… 小っせーなーって、思えてさ。 巽 完二|あの…この前、病院でお袋と会ったとき、 オレのこと…何か聞いたっスか? |バッチリ聞いた |特に何も… |忘れた |ババァ…やっぱりか… |ま、先輩にゃサラケたし、 今さら怖いもんなんざねっスけど。 |>完二は照れくさそうに笑っている。 |…いっスよ、んな気ぃ遣わなくても。 |>完二はためいきをついている… |え、ちょ、ヒドくねえスか!? |>完二は溜息をついている… 巽 完二|病院…もう怖くねえように なりてんスよ。 巽 完二|やっぱ、強くならねえと… 巽 完二|あん? 巽 完二|あいつ… お袋と病院にいたガキか…? 巽 完二|んだ坊主、一人で何やってんだ? |えっ…えっと… |何も、してない… 巽 完二|何で泣きそうなんだ? |…人形、無くした。 |サナちゃんが貸してくれた、 ウサギの…あみぐるみ… |タカくんが、“そんなの女みてー!”って、 取って、投げて…踏んで… |ウサギね、ドロだらけに…なって… “男なら、捨てろ”って言われて… |ぼく…川に…投げてね… ウサギ、流され、て… |う、うわぁぁぁん!! |う、うっく、どうしよう、どうしよう! サナちゃんに、返さないと… |サナちゃん、あのウサギ、すきだって… ぼく、ぼく… 巽 完二|で、何でここ居んだよお前。 逃げてきたのか? |…う、ひっく。 巽 完二|ったく、このバカ! |う、うわぁぁぁん!! 巽 完二|オラ、行くぞ! ぐずぐずすんな!! 巽 完二|あ、えっと… オレちょっと、行ってきます。 |暴力はよくない |一緒に行く |ちげーよ! シメっぞ! |探すんスよ。 ガキのタッパじゃ探せねえ場所もある。 |まだ見つかるかも知んねえっしょ? |>完二は笑っている… |え、まじスか!? |>完二は目を見開いている… |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 河原… |ぼ、ぼくも… 巽 完二|るせっつーんだよ、 テメー足手まといだから来んな! 巽 完二|先輩、そいつ入ってこないよう 見といてくださいね! 巽 完二|うぉ、つめてー。 |>完二の必死の捜索にもかかわらず、 ウサギのあみぐるみは見つからなかった… |ご、ごめんなさい。 |ぼく、サナちゃんに謝る。 サナちゃんが怒っても、ごめんって言う… 巽 完二|いや、まあ、ウサギが見つかっても 当然やれよ… 巽 完二|あー、待て。 巽 完二|それ、どんなウサギだ? 詳しく教えろ。 巽 完二|いいから教えろって! 巽 完二|うし、分かった。 巽 完二|お前、“サナちゃん”にはちゃんと謝れよ。 お前が“捨てた”んだからな。 巽 完二|そのウサギの代わりにゃなんねーかもだけど、 オレが新しいヤツ、お前にやるからよ… 巽 完二|それで許してもらえ。 |お、おじちゃん… 巽 完二|だ、誰がオジちゃんだゴラァァ!! 巽 完二|ったく…こちとら 花も恥じらう高校1年だっつんだよ。 巽 完二|…そんなにオレ、老けてっスかね? やっぱこのマユゲが… 巽 完二|あ…んな事より、すんませんでした。 面倒につき合わして… |見つからなくて残念だ |退屈だった |新しいヤツをあげるって? |やっぱもう、流されてたみてえっスね… |>完二は悔しそうだ… |うぉ、ひでぇ! オレぁ結構、頑張ったんスよ!? |>完二は焦っている… |…聞いてたか、やっぱ。 |>完二はやけに恥ずかしそうだ… 巽 完二|何かオレ、アイツの気持ち、 分かる気がしたんスよね。 巽 完二|認められてえ、ハブられたくねえって、 やっちゃいけねえ事に手ぇ出して… 巽 完二|んで、一番泣かしちゃいけねえ人を 泣かしちまってよ… 巽 完二|だから…まぁ、助けてやれねーかなと 思ったんスよ。 巽 完二|甘やかしすぎっスかね? |>完二は照れたように笑っている… |>完二のことが、少し分かった気がした… 巽 完二|へっく………う、うぅ? 巽 完二|あー、くしゃみ出そうで出ねー。 気分悪ィわ… 巽 完二|風邪引きそうなんで、帰るっスかね… |>完二と別れ、家に帰ることにした。 |>完二は川の中を捜索している… |>ここも霧に覆われている… |>高台… 巽 完二|>完二は、少年を呼び出していたようだ… 巽 完二|これな、約束の。 巽 完二|…も、文句言うなよ? |>完二が渡したものは、 ウサギのあみぐるみのようだ… |>…服とリボンと帽子と傘がついている。 |>……ものすごく、凝っている! |すっごーい!! |おじちゃ…お兄ちゃん、これ、すごいね! どこで買ったの!? 巽 完二|あ…? べ、別にいいだろ! |だって、ぼくも欲しい! 巽 完二|…お前にもある。 |>完二はもう1体、 ウサギのあみぐるみを取り出した… |>…服と靴とキャップと、 サッカーボールがついている。 |>……ものすごく、凝っている! |これ、ぼくの!? ありがとう!! |ねえ、どこで買ったの!? 巽 完二|う… |完二、正直に話せ |このおじちゃんが作った 巽 完二|うぅ… 巽 完二|お、お兄ちゃんが、作りました…よ? 巽 完二|ギャー! 巽 完二|何ぶっちゃけてんスかアンタ!! |これ…作ったの? 巽 完二|わ、悪ィかよ… 巽 完二|き、気色悪ィってんなら、返し… |すっげー! かっこいいねー!! |ねぇ、また、違うの作ってくれる!? ぼくのお母さんね、こういうの大好きなんだよ! 巽 完二|え、お、おう… |約束だよ! |じゃあぼく、これ、サナちゃんにあげてくる! ありがとう、おじちゃん!! 巽 完二|だから、オジちゃんじゃねっつの… 巽 完二|はは、かっこいいだとよ… |確かにすごい技術だ |調子に乗るな |んなの、ムダなスキルっスよ… |>完二は照れているようだ… |ハハ、まぁ、ガキに褒められてもな… |>言いながらも、 完二はまんざらでもないようだ… 巽 完二|けど、まぁ…悪くねっスね。 巽 完二|“ありがとう”か… 巽 完二|こんな、くだらねー事なのによ。 |>照れたように笑う完二の顔が、 いつもより大人びて見えた… |>完二との絆がまた少し 深まった気がした… 巽 完二|…ここ、いいとこっスね。 風が、下とは違うってか… 巽 完二|んな事、今日まで思った事無かったぜ。 |>完二としばらく話し、 途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 河原… 巽 完二|何か、気になってんスよね、ここ。 巽 完二|あのガキの投げたウサギの人形、 実はこのへんに流れ着いてねーかなとか… 巽 完二|後から川ん中で浮いてんの見つかったら、 あのガキもバツ悪ィじゃねえスか。 巽 完二|…あ、や、けど今日は入んねえスよ? |おじちゃん!! |いた! |ね、あのね、サナちゃん、喜んでくれた!! ぼくずっと、おじちゃんさがしてた!! 巽 完二|あのな… オジ… 巽 完二|もういいか… |ねー、おじちゃん、また作って! お母さんがね、すごーく欲しいって! |サナちゃんのお母さんも欲しいって! お金、はらうって!! 巽 完二|金!? 巽 完二|や、んなもんいらねーよ… 別に…プ、プロじゃねーんだし。 |あのね、お母さんはね、ネコがいいって。 でね、サナちゃんのお母さんは、犬だって。 |先生はね、ピンク色のワニがいいって。 巽 完二|ピンクのワニ? あー、そういや何かそんな絵本出たっけな… 巽 完二|じゃ…じゃあ、まぁ… そ、そのうちな。 |やったー! ありがとう! 絶対だよ、絶対!! 巽 完二|何か…変なことになってきたっスね。 |良かったな |嬉しくないのか? |面倒だな |良かった…つか、良く分かんねーっス。 |>完二は首を捻っている… |うーん… 良く分かんねーっス。 |>完二は首を捻っている… |はは… 確かに、裁縫に熱上げてる場合じゃねーけど。 |>完二は苦笑いをしている… 巽 完二|小学生の頃…クラスの女子の手さげが破れてて、 直してやったことがあんスよ。 巽 完二|今思うとオレ、多分その子のこと… 好きだったんじゃねえかな。 巽 完二|喜ばそうって思って、やったんスけど… 次の日から、女子全員にからかわれて。 巽 完二|…その子も、泣いちまって。 巽 完二|何でか良く分かんなかったスけど、 まぁ…自分が余計な事したんだなって… 巽 完二|…だから、こういうんで 誰かに感謝されるなんて…思いもしなかったぜ。 巽 完二|ははっ、何か、いいっスね。 巽 完二|“ありがとう”って…いいっスね! |>完二は照れたように笑っている… |>完二のことが、また少し分かった気がした… 巽 完二|あー…と、じゃ、今日はこれで。 巽 完二|沖奈駅まで、行ってくるっス。 巽 完二|その…しゅ、手芸屋に。 材料切らしちまったんで… 巽 完二|ま、また! |>完二を見送り、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>土手… |>完二は、少年を呼び出していたようだ… 巽 完二|ほら、これな。 |>完二はたくさんの あみぐるみを取り出した… |>…全てに、違う柄の服や小物がついている。 |>……ものすごく、凝っている! |これ、もらっていいの!? 巽 完二|お…おうよ、オメーがいらねーなら 別に、捨てたって… |ありがとう!! |あ、そうだ、お母さんがね! |材料のお金だけでも、受け取ってって… ぼく、お金渡された。 巽 完二|い、いらねーっつってんだろ!! 巽 完二|金のためみてーじゃねーか! |おじちゃん、“たつみや”の人だよね? |あ、別に、何でもない! 堂島 菜々子|あれ、お兄ちゃん? 堂島 菜々子|わー、かわいい!! おにんぎょうだ! 堂島 菜々子|これ、どーしたの!? 巽 完二|え、いやっ… |おじちゃんが作ったんだ。 堂島 菜々子|すっごーい! じょーずだね!! 巽 完二|“おじちゃん”っつわれて 即オレを見たな… 巽 完二|つか、な、菜々子ちゃん。 その… 巽 完二|あんまデケェ声で触れ回んねえでくれな。 恥ずかしいってか… 堂島 菜々子|なんで? こんなすごいの作れるの、かっこいいよ。 堂島 菜々子|菜々子も作りたい。 巽 完二|あー…じゃぁ今度… 巽 完二|て、いいんスか、お兄さん。 |お兄さんて呼ぶな |教えてあげて欲しい |自分にも教えて欲しい |あ…? |そ、そういう意味で言ったんじゃねーよ!! シメっぞ!! |そ、そりゃ、先輩の事ぁ、 兄貴みたいに思った事もあるっつーか… |…や、そ、それもちげえよ!! 済んだろ、そのネタは!! |何言わせんだ、チクショウ!! |>完二は激しく動揺している… |マ…マジかよ… |や、お、教えるとかって、 オレそんなんガラじゃねえし… |>完二は激しく動揺している… |オ、オレが、先輩に…? |や、お、教えるとかって、 オレそんなんガラじゃねえし… |>完二は顔を赤くしている… 堂島 菜々子|あっ、えみちゃんち行くんだった! 堂島 菜々子|こんど、おしえてね! ばいばーい! |ぼく、これお母さんに見せてくる! |ありがとね、おじちゃん!! 巽 完二|オレ…何かちょっと、 分かった気がすんスよ。 巽 完二|本当に…“強い”ってことが、何なのか。 巽 完二|男らしく、やるべきことをやる…ってことだと 思ってたんスよ。 巽 完二|だから、“犯人挙げること”だと思ってた。 それはもちろん、すげー大事なことっスけど… 巽 完二|もっと…そもそも向き合わなきゃなんねーことが あると思うんスよね。 |自分の弱い心と |自分の過去と |特に無いと思う 巽 完二|弱い心… 巽 完二|テレビん中で、“もう一人のオレ”に会って… あれがオレなんて、すげー嫌で… 巽 完二|変わろうと思ったけど、 全然、変われてねえ…気がして… 巽 完二|だから何か、焦ってたんだ… 巽 完二|過去… 巽 完二|そっか、オレずっと、抜け出せてねーな… 巽 完二|テレビん中で、“もう一人のオレ”が言ったこと… こないだ言った、泣かせた女子のこと… 巽 完二|オレ、何も克服してねーな… 巽 完二|それは…先輩が、もう、 強ェ心を持ってるからっスよ。 巽 完二|オレは…違う。 巽 完二|テレビん中で、“もう一人のオレ”に会って… あれがオレなんて、すげー嫌で… 巽 完二|変わろうと思ったけど、 全然、変われてねえ…気がして… 巽 完二|だから何か、焦ってたんだ… |>完二は呆然と呟いている… 巽 完二|“強い”って…難しいっスね。 |>完二はどこかスッキリしたように 遠くを見ている… |>その顔に、今までに無い“優しさ”を感じた… |今日は、帰るっス。 |オレが作ったヤツ、ウチのお袋が見たんスけど… 店に置いて売ろうってうるせえんスよ。 |染めモンの店のくせに、どこも染めてねえモン 売るなっつの、あのゴーツクばり… |>と言いつつ、完二は照れているようだ… |>完二と別れ、 家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… 巽 完二|里中先輩が前言ってたんスけど、 ここ、肉丼ってのがウマいらしいっスね。 巽 完二|さすが、あの人の肉魂には… |巽完二だな。 ちょっと聞きたいことがある。 巽 完二|あぁ? こっちにゃねーよ。 |…お前、いいからちょっと来い。 |容疑は何だ |完二は何もしていない |任意同行には見えないが? |先輩… |>完二は嬉しそうだ… |せ、先輩、カッコいいっス… |>完二は嬉しそうだ… |お前は…最近、巽とよく一緒に見る顔だな。 そうか、お仲間ってわけか。 巽 完二|だから何だ。 オレとつるんでっから何だってんだ、あぁ!? |…この辺りで学生グループによる恐喝事件が 多発しているのは知ってるな。 |高台、並びに鮫川土手で、 お前らが少年を脅してると通報があってな。 巽 完二|脅し? 少年…? 巽 完二|ああ、あいつか。 |ふん、認めるってわけか。 その様子じゃ、罪の意識も無いらしいな。 |誤解だ |完二はただ親切にしただけ |…じゃあ、何してたか言ってみろ。 |うー、それは… |>完二は言いにくそうにしている… |せ、先輩!! |>完二は詳しく話されたくないようだ… |ともかく二人とも、 署まで来てもらおうか。 巽 完二|ちょ、待てよ。 先輩は関係ねえかんな! |あ、おじちゃんとお兄ちゃん。 何やってるの? |キミ…こいつらと知り合いかい? |良かったら、どういう知り合いか 聞かせてくれないかな? |このお兄ちゃんたち、 おじさんにウソついてるみたいなんだ。 巽 完二|ちょっ、ガキに何勝手に言ってんだよ! テメェそれでもケーサツか!? |坊や、この男に何か頼まれたりしなかった? お小遣い無くして困ってる…とか。 |おじちゃん、おこづかい無くしたの? |じゃぁやっぱり、お金、もらってよ! |やっぱり…? やっぱりか… 巽 完二|ちがっ… |でも今日はね、お母さんからのお礼でね、 クッキー届けに来たんだ。 |こっそり、“たつみや”に置いとこうと 思ったのに、会っちゃった。 |お礼…って何のお礼だい? |あのね、ウサギとネコとね、あといっぱい、 マスコットを作ってくれたんだ。 |おじちゃん、すっごい上手なんだ! |マスコットぉぉ? この…巽がかぁ? |アホらしい… そんなこと信じろって言うんじゃないだろうな。 |信じろ! |事実は変わらない |完二、言ってやれ |先輩… |オレ、分かりました。 オレの、やるべきこと… |>完二は力強く頷いた。 |先輩、大丈夫っス。 これぁ、オレ自身の問題だ… |>完二はつばを飲み込んでいる… |おう、分かってんよ、先輩! |>完二は力強く頷いた。 巽 完二|いいか、テメェら… ウソなんか欠片もねーよ。 巽 完二|オレがこのガキに、マスコット作ってやったんだ。 こいつの友達や母親の分、合わせて8個だ! 巽 完二|言っとくがなぁ… 可愛すぎてキュン死すっぞ! 巽 完二|なんなら作り方でも教えてやろうか!? ああぁ!? |何だと…? 巽 完二|似合わねーっつんだろ。 笑いたきゃ笑え、クソが! 巽 完二|オレぁ構わねーよ、 指さされるなんざとうに慣れてるしよ。 巽 完二|それに何より、この坊主や先輩を、 ウソつきにするわけにいかねえだろーが。 巽 完二|つうか左の! テメェ、ボタン取れかかってんだよ! 巽 完二|縫い直すぞ、コラ!! |あら、お巡りさん。 完二に何か御用ですの? |あ、いえ、この辺りで、 最近、恐喝事件が多発してまして… |完二は関係ありませんわよ。 巽 完二|お袋… |この子は、そんなこと絶対しませんよ。 |頭は悪いし手が早いですけど、 誰より優しくて、強い子です。 |この間も、自作のマスコットを見せてきて、 商売の足しに、店に並べたらどうかって… 巽 完二|ちょ、ババァ、何言ってんだよ!! |し、失礼しました。 それでは我々は、これで… 巽 完二|お、お袋… ケーサツより、オレを信じんのか…? |あんたはそんな事しない。 母親だもの、知ってるわよ。 |じゃ、夕飯の仕度しなきゃね… 愛家なんかで食べないで、帰りなさいよ。 巽 完二|オレ… |おじちゃん…泣いてるの? 巽 完二|あ、ああ、あほか! 泣いてなんかねっつーんだよ!! 巽 完二|これはな! 目から…鼻水漏れてんだよ! カゼで! 巽 完二|感染すぞ、コラァ!! |>完二は一回り大きくなったようだ… |>完二との絆が、また少し 深まった気がした… 巽 完二|先輩、今、何か、上手く言えねーから… 巽 完二|クソ、止まんねーよ…鼻水が! |>完二が落ち着くのを見届けてから、 家に帰った。 |>高台… |>静かな場所で話したいという完二を、 ここに連れてきた… 巽 完二|この前… 親父の墓参り行って来たんスよ。 巽 完二|初めてテメェの意思で行ったっつーか、 まあ色々、報告もあったんで。 |報告って? |なぜ今まで行かなかった? |どうだった? |先輩のこととか、みんなのこととか… |あとは…親父の言葉に、 オレなりの答えを見つけたってこととか。 |>完二は穏やかに笑っている。 |オレ、今までずっと、 ちゃんと親父と向き合えて無かったんスよ。 |生きてたときも…死んでからも、 ずっと逃げてた気がする。 |>完二は寂しそうに笑っている… |ど、どうって、まあ…その… |なんつーか、初めてちゃんと、 親父と向き合えたなって気はするっス。 |ちょっと…遅すぎたけど。 |>完二は寂しそうに笑っている… 巽 完二|親父…死ぬ間際にオレに言ったんスよ。 “男なら強くなれ”って。 巽 完二|親父にまで女々しいヤツって言われた気がして ずっと…悔しかったっス。 巽 完二|だから、カッコ変えて、 自分から人寄せ付けねえようにして… 巽 完二|ゾクをのしたりして、お袋守った気になったり… 犯人、捕まえようとしたり… 巽 完二|そんなんで、オレ… 強くなったような気になってたんだ。 巽 完二|今まで人に迷惑掛けまくったから、 これからは恩返しできる、みてーな… 巽 完二|“自分の強さ”に、酔ってたんス… 巽 完二|けど…多分、違ったんスよ。 親父が言ったことの意味とは… 巽 完二|“強い”ってこと、まだ良く分かんねえけど、 テメェをごまかさねえでいよう…って。 巽 完二|周りの目にビビって、シュミ隠したり キョリ置くとかじゃなくて… 巽 完二|どんなときでもオレのままのオレを 貫いてこうって思ったんスよ! 巽 完二|それが、テレビん中の“もう一人のオレ”への 答えだ。 巽 完二|あの坊主みてえに、受け入れてくれるヤツが 少しでもいんなら、もうビビんねえスよ! |よかったな |そういう存在をもっと探せ |“オレのままのオレ”って? |押忍! 先輩のおかげっス! |>完二は晴れやかに笑っている… |そうっスね、できりゃーもっと、 分かってくれるヤツ欲しいっス。 |>完二は恥ずかしげに笑っている… |え、先輩、人の話聞いてました? |>完二はしょんぼりしている… 巽 完二|好きなものを好きじゃねえフリするとか、 テメェを捻じ曲げるの、やめようっつーこと。 巽 完二|好きなように生きる…っつーんスかね? 巽 完二|…なんか、自分勝手みてーに聞こえるけど そーゆうつもりはねえっスよ! |>完二の固い決意を感じた… |>完二との絆が、また少し 深まった気がした… 巽 完二|そうだ、ウチの店で置くことにしたんスよ、 オレが作ったあみぐるみ。 巽 完二|あの坊主の母ちゃんとかも、 スゲー気に入ってくれたみたいで… 巽 完二|わざわざ電話掛けてきて、“ありがとう”って… へへ、やっぱ嬉しいもんっスね。 巽 完二|…あ、オレ、材料買って帰るんで、 ここで。 |>完二と別れ、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>完二がどうしてもと言うので 連れてきた… 巽 完二|すんません、急に来たいとか言って… ここが都合いいかと思ったんで。 巽 完二|あー、えと、その前に… 巽 完二|オレ、もう一つ分かったことがあるんスよ。 巽 完二|こないだ、りせがウチの前通りかかって、 ついでに中覗いてきて… 巽 完二|オレの作ったあみぐるみを可愛いって言ったんで オレが作ったって打ち明けたんスよ。 巽 完二|したら、“え、キモい”ってよ… 巽 完二|…まぁ、若干傷ついたんスけど、 負けじと他のも次々見せてたら… 巽 完二|しまいにゃ、“あんた実はスゴイ人 なんじゃないの?”って… 巽 完二|それはそれで言い草ムカついたんスけど、 そりゃまあ、いいとして… 巽 完二|オレ、分かったんスよ… こういう事だったんじゃねーかなって… 巽 完二|今までは、諦めてたんスよね。 巽 完二|周りの目が怖くて、遠ざけて。 分かってくれねえのは仕方ねーってな感じに。 巽 完二|んでそれを、“傷ついてもオレらしく貫こう”って 決めました、けど… 巽 完二|それで分かってくれた人だけと付き合って、 他は遠ざけたまんまにするんじゃなくて… 巽 完二|“分かってもらおう”って、努力するってこと… オレ、全然してなかったと思ったんスよ。 巽 完二|シュミのことだけじゃなくて、 ケーサツに疑われた時も… 巽 完二|オレ、分かってもらう気なんてサラサラなくて、 疑うならそれでいい、みてーな… 巽 完二|けどそれで、先輩やあの坊主やお袋にまで とばっちりが行ったんス。 |オレが、分かってもらおうって、 努力しなかったから… |ゴーマンかますのは簡単っス… |>完二は苦笑いをしている… 巽 完二|だからオレ、“オレらしく”アンド、 “オレを分かってもらおう”と思うんスよ! 巽 完二|これ、先輩に受け取って欲しいっス。 巽 完二|これがオレの、“オレらしく”っス。 巽 完二|今はハッキリ言えるぜ… あの“もう一人のオレ”は、オレだって。 |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… 巽 完二|これ…マジかよ…! 巽 完二|そっか…これでオレも、 少しは“強く”なれたのかな… 巽 完二|先輩はオレの恩人で… 最高のダチ公っスよ! |>完二の真っ直ぐな想いが伝わってくる… |>完二との固い絆を感じた… 巽 完二|んで次に、“オレを分かってもらおう”のために… 巽 完二|今日はここで、 “ぬいぐる鍋つかみ”作成教室を開催するぜ! 巽 完二|安心してくれ、絶対上手く作れるから! んで、スッゲー可愛いから! 巽 完二|オレを信じろ!! |>思いがけず、完二と長い時を過ごした… |>暗くなってきたので、 完二を適当に送って行った。 |>完二のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“タケミカヅチ”は “ロクテンマオウ”へと転生した! |>これは千枝コミュのダミーです。 千枝コミュが解禁しました。 |>鮫川… 里中 千枝|おっ! 止んだね、雨。 里中 千枝|んー、やっぱココがいっかな。 里中 千枝|特訓だよ、特訓! 里中 千枝|足技、もっと磨きかけないと 実戦で使えないもんね。 里中 千枝|…てゆーか、家で練習してたら 障子とか破って怒られた。 里中 千枝|けど、こーゆーのに 修行ってツキモノでしょ! |確かに |意味あるのか? |やっぱそう思う!? |>千枝はとても嬉しそうだ。 |あるって! …いや、分かんないけど! |やって損とか無いなら、よくない? |>千枝は不満そうだ。 里中 千枝|でね… 一緒にやろうよ、リーダー! 里中 千枝|…ダメかな? |いいよ |仕方ない |面倒くさい |やった! ありがと、鳴上くん! |>千枝はとても嬉しそうだ。 |…ってことは、いいんだよね! |さんきゅ、鳴上くん! |>千枝は嬉しそうだ。 |あっ、そうだよね! キミは足技マスターしても、しょーがないし。 |じゃあキミは…素振り? |ほら、ゴルフクラブ振ってたりしたけどさ、 あれもビュンビュン振れるようになったら、 よくない? |>千枝は一生懸命だ… |>…しぶしぶ、了承した。 里中 千枝|あの時の…アレ。 あたしから出た、シャドウ。 里中 千枝|アレがもう一人の自分、なんてさ。 なんか情けなくって。 里中 千枝|あたし、もっとちゃんと 頑張んなきゃなって! 里中 千枝|よおぉっし、がんばろ! 里中 千枝|てことで、よろしくね! |>千枝の特訓に付き合うことになった。 |>千枝との仲が、少し深まった気がした… 里中 千枝|じゃあ今日のところは軽く、 うさぎ跳びダッシュ! 里中 千枝|ほら、鳴上くんも一緒に! |>しばらく千枝に付き合い、 途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川… |>今日も千枝の特訓に付き合うことにした。 里中 千枝|よかったー。 雨、なんとか止んだね。 |よおぉぉっし! 今日も頑張るぞー! |>千枝は今日も張り切っている。 堂島 菜々子|あれ? 里中 千枝|あ、菜々子ちゃん。 堂島 菜々子|何してるの? 里中 千枝|ん? 修行だよ、修行! 堂島 菜々子|しゅぎょう… 堂島 菜々子|千枝おねえちゃん、 何とたたかってるの? 里中 千枝|うーん… 里中 千枝|…自分と…かな… 里中 千枝|…へへ、なんてね! 堂島 菜々子|わー、カッコいい!! 里中 千枝|…そ、そう? あはは… 堂島 菜々子|…あ、バッタ! 里中 千枝|ええっ!? う、うそ! どっ、どこ!? 堂島 菜々子|あ、とんだ。 せなかにいるよ。 里中 千枝|ギャー! 里中 千枝|やだやだやだやだ! 取って! 早く取ってー!! |>菜々子は、 千枝の背中のバッタを取ってあげた。 堂島 菜々子|…バッタ、きらい? 里中 千枝|足が細くて節っぽいのは全部ダメ! 細長くてウネウネしたのも無理! 里中 千枝|うあー、想像しちゃった! ホント、無理!! 堂島 菜々子|かわいいのに… 里中 千枝|…やだ、菜々子ちゃん、雪子みたい。 里中 千枝|…あ、雪子ってね、虫とか得意なんだよ。 里中 千枝|あたしの方が苦手で、雪子が得意って… 何か笑っちゃうよね… |可愛いよ |女の子らしくていい |笑っちゃう |え、ちょ…な、何言ってんの!? |>千枝は慌てている。 |そ、そんなことないよっ! |そんなこと… |>千枝は心なしか嬉しそうだ。 |ほんと、似合わないこと山の如し…違うか。 |>千枝は笑っている… 堂島 菜々子|むし、きらいな子、 クラスにもたくさんいるよ。 堂島 菜々子|千枝おねえちゃんだけじゃないよ。 だいじょぶ! 里中 千枝|菜々子ちゃん…優しいなぁもう。 ありがと! 里中 千枝|よっし、菜々子ちゃんも一緒に修行する? 堂島 菜々子|うん! 里中 千枝|じゃあ、まずは形から入っちゃおうか。 型を1つ教えるね… |>千枝と菜々子は特訓しだした… |>…暗くなる前に、菜々子を家に帰らせた。 里中 千枝|菜々子ちゃんに負けてるのも恥ずかしいし、 虫は克服するから! 里中 千枝|大丈夫、シャドウだと思えばいける!! もう、ワシ掴んじゃうから! 里中 千枝|鳥肌立った… 里中 千枝|む、虫はちょっと時間掛かるかもだけど、 シャドウにはホント、負けないからね! |>千枝の熱いやる気を感じた… |>千枝との仲が、また少し 深まった気がした… |>修行を終えた千枝と、 途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川… |>今日も千枝の特訓に付き合うことにした。 里中 千枝|よかったー。 雨、なんとか止んだね。 |よおぉぉっし! 今日も頑張るぞー! |>千枝は今日も張り切っている。 里中 千枝|さーって、 今日は何から… 里中 千枝|や、な、ちょ、バッタ!? むむむ無理無理ィ! 里中 千枝|ギャー! 里中 千枝|やだやだやだやだ! 取って! 早く取ってー!! |取ってあげる |静観する |い…いじわるしないでよぉ! |お願いだから… |後でサンドバッグの刑だからね!! |>どうやら素直に取った方がよさそうだ… |>千枝からバッタを取って、逃がしてやった。 里中 千枝|と、取れた!? 里中 千枝|はぁぁ… あー、ビックリした… 里中 千枝|そういえば子どもの頃、 雪子にもこうやって取ってもらった… 里中 千枝|雪子ってね、虫とか得意なんだよ。 里中 千枝|あたしが虫苦手で、雪子が得意って… 何か笑っちゃうよね。 |可愛いよ |女の子らしくていい |笑っちゃう |え、ちょ…な、何言ってんの!? |>千枝は慌てている。 |そ、そんなことないよっ! |そんなこと… |>千枝は心なしか嬉しそうだ。 |ほんと、似合わないこと山の如し…違うか。 |>千枝は笑っている… 里中 千枝|こんなのホント恥ずかしいし、 虫は克服するから! 里中 千枝|大丈夫、シャドウだと思えばいける!! もう、ワシ掴んじゃうから! 里中 千枝|鳥肌立った… 里中 千枝|む、虫はちょっと時間掛かるかもだけど、 シャドウにはホント、負けないからね! |>千枝の熱いやる気を感じた… |>千枝との仲が、また少し 深まった気がした… 里中 千枝|よぉぉぉっし! 来い、シャドウめー! |>修行を終えた千枝と、 途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川… |>今日も千枝の特訓に付き合うことにした。 里中 千枝|ふーっ。 今日はこのくらいにしとこうか。 里中 千枝|なーんか雨、また降り出しそうだし。 |あれ? 千枝じゃん。 何やってんだ? 里中 千枝|た、剛史…!? 里中 千枝|な、何って…修行! …鍛えてんの、いろいろ! |ハァ? お前、いつんなったら ガキ大将から卒業すんだよ… 里中 千枝|ガ、ガキ大将って… |幼稚園じゃ、チビッコギャング、 小学校じゃ正義の味方… |中学ん時は給食改革の戦士だっけ? |はは、で…今はアレか? 地球の平和でも守る気か? 里中 千枝|そ、それは… |その通りだ |お前には関係ない |馬鹿にするな |えっ…? |>千枝は驚いている。 |鳴上くん… |>千枝は驚いている。 |えっ…? ちょ、何言ってんの、鳴上くん! |>千枝は慌てている。 |あ、えーっと… 別に悪気があったんじゃないって。 |オレ、河野剛史っつの。 千枝とは高校別んなるまで、ず~っと一緒でさ。 |河野 剛史 …別に二人の邪魔とか、する気ないし。 里中 千枝|ちょ、何言って… |あ、それよりさ、天城さんどうしてる…? カレシとかできちゃったりした…? 里中 千枝|…元気だし、できてないと思う。 |そっかそっか。 ならよかったわ。 |やっぱ相変わらず美人? …オレ、もっかいアタックすっかな。 |そんじゃ、またな。 天城さんにヨロシク言っといてよ。 |>剛史を見送る千枝は寂しそうに見える… |>どうしようか… |ギャグを言う |剛史の悪口を言う |千枝の手を握る |>とっておきのギャグとして… |>別のタケシの物まねを披露した… |あははっ! 何ソレ、似てんの、ソレ!? |>千枝はおかしそうに笑っている。 |え、ちょ、ちょっと、待ってよ。 そこまで悪いヤツじゃないよ。 |…もしかして、 なんか、気とか遣ってくれてる? |>千枝は困ったように笑っている。 |え? な、何!? |あ、く、組み手!? だよね!? |あはは…びっくりさせないでよ… てゆーか、本気でやるよ? |>千枝は顔を赤くして慌てている。 里中 千枝|ご、ごめんね、 ホント失礼だよね、アイツ。 里中 千枝|ホント…昔っから 雪子のことばっかなんだから… 里中 千枝|か、勘違いしないでよ? ただの、昔の同級生なんだから! |…あたしはホラ、男友達? よく言われるけど。 |>千枝は少し寂しそうに笑っている… |>千枝のことが少し、分かった気がする… |>千枝との仲が深まった気がした… 里中 千枝|…なんてね、もう全部、昔の話! 里中 千枝|そろそろ帰ろ。 |>千枝と色々話しながら、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川… |>今日も千枝の特訓に付き合うことにした。 里中 千枝|よかったー。 雨、なんとか止んだね。 |よおぉぉっし! 今日も頑張るぞー! |>千枝は今日も張り切っている。 里中 千枝|あ、最近ね、家では筋トレしてるんだ。 里中 千枝|この前、壁に穴開けて、 また怒られたからさ… 里中 千枝|それでさ、けっこう筋肉とかついてきたと 思うんだけど…どうかな? |太くなった |細くなった |変わらない |筋肉で、だよね? |>千枝に念を押された… |うんうん。 引き締まってきたってことだよね! |>千枝は喜んでいる。 |んー、まだ始めたばっかだしね。 でも、ちょっと硬くなったんだよ。 |>千枝は一人で頷いている。 里中 千枝|さーって、 もうちょっと頑張ろっかな… 里中 千枝|や、な、ちょ、バッタ!? むむむ無理無理! 里中 千枝|きゃー! 里中 千枝|やだやだやだやだ! 取って! 早く取ってー!! |取ってあげる |静観する |い…いじわるしないでよぉ! |お願いだから… |後でサンドバッグの刑だからね!! |>どうやら素直に取った方がよさそうだ… |>千枝からバッタを取って、逃がしてやった。 里中 千枝|と、取れた!? 里中 千枝|はぁぁ… あー、ビックリした… 里中 千枝|そういえば子供の頃、 雪子にもこうやって取ってもらったな… 里中 千枝|あの子ね、あんな女の子らしいのに 虫とか得意なんだよ。 里中 千枝|あたしに庇われてばっかのクセに、 そういうときだけは頼りになって… |可愛いよ@勇気 |女の子らしくていい |別にダメじゃない |え、ちょ…な、何言ってんの!? |>千枝は慌てている。 |そ、そんなことないよっ! |そんなこと… |>千枝は心なしか嬉しそうだ。 |そう…かな? |>千枝は少しホッとしているようだ。 里中 千枝|もー、虫だけはほんっとダメ。 河原の唯一デンジャラスなポイントだよね… |>千枝にも苦手なものがあったことを知った。 |>千枝と仲が深まった気がした… 里中 千枝|あーもー、虫のことは忘れよっ! 忘れる! よしっ!! |>しばらく千枝に付き合い、 途中まで一緒に帰った。 |>特訓を終えた千枝と、 食事をしていくことにした。 |>稲羽中央通り商店街 中華食堂 “愛家”… 里中 千枝|んんー、 肉とご飯が染みわたる… |がっついてるね |美味しそうだね |幸せそうだね |やっぱね、元気の秘訣は 食う寝る動く、でしょ! |>千枝はなにやら楽しそうだ。 |肉丼、ホントおすすめだよ! |このあんかけがたまらん! |>千枝は満面の笑みを浮かべている。 |幸せ度で言えば、アクション映画観てる時も 捨てがたい… |>千枝は嬉しそうに悩んでいる… 里中 千枝|頑張って体鍛えないと、 ピンチになったら困るじゃん? 里中 千枝|雪子とかは特にさ… あたしがちゃんと、守ってあげないとって… 里中 千枝|雪子…無理してなきゃいいけど。 なんか…心配なんだよね。 |気を配るよ |雪子はそんな弱くない |千枝のほうが心配だ |ありがと…さすがリーダーだね… |>千枝はホッとしたようだ… |そうかなぁ… |>千枝は、いまいち納得していないようだ。 |えっ…あ、あたし? |あっ、あたしは平気だよ! こーやって修行もしてるし! |>千枝は少し照れているようだ。 里中 千枝|あたし、もっと強くなるからさ! それこそ、雪子の分まで! 里中 千枝|よろしくね、リーダー! 里中 千枝|あたしや花村とか… いつも、ああだけどさ… 里中 千枝|皆、頼りにしてるんだよね… 鳴上くんのこと…へへ… |>千枝の熱いやる気を感じる… |>千枝との仲が、また少し 深まった気がした… 里中 千枝|…とか言ってたら、 なんかお腹空いてきちゃったな。 里中 千枝|すいませーん! あと、肉チャーハン追加で! 里中 千枝|鳴上くんは? |>しばらく千枝と話しこんだ… |>千枝と途中まで一緒に帰った。 |>惣菜大学… |>今日の特訓を終え、 千枝とやってきた… 里中 千枝|ここのビフテキ串、食べたことある? 値段の割りに肉柔らかくて美味しいの! 里中 千枝|…実は、牛の肉じゃなかったりしてね。 里中 千枝|なんて、うわ… 怖いこと想像しちゃった、はは。 里中 千枝|まいーや、 また雨降ってくる前に、早く食べよ! 里中 千枝|警察だ… 里中 千枝|や、やっぱり、この店、肉を偽装…? |君たち、ちょっといい? 里中 千枝|は、はい!! 肉なら今日はまだ食べてません!! |最近、この辺りで学生グループによる 恐喝が多発してるらしくてね。 里中 千枝|…キョ、キョーカツ? |いわゆるカツアゲってヤツね。 |怪しいヤツとか、 何か気づいたことはない? 里中 千枝|い、いえ、 そういうのは特に… |ふうん、そっか… ま、君たちも被害に遭わないよう気をつけて。 里中 千枝|肉じゃなくてよかった… 里中 千枝|…にしても、カツアゲ!? 里中 千枝|弱いものを脅してタカるなんて、 ヒキョーすぎない!? |その通りだ |弱肉強食だ |ほんとヒドイ! つーかアホ!! |>千枝は憤慨している… |に、肉!? そ、そう聞くと仕方ないような… |…じゃなくてっ! 絶対、許せないことだよっ! |>千枝は憤慨している… 里中 千枝|んなやつ、とっ捕まえて正座させてやる!! ね、リーダー! |当然だ |警察に任せよう |面倒くさい |鳴上くんなら、 そう言ってくれると思った! |>千枝は嬉しそうだ。 |…けどさ、放っておけないよ! この町で起こってることなんだよ? |>千枝は憤慨している… |んー…けど、見て見ぬフリはできないよ。 この町で起こってることならさ… |>千枝は少し不服そうだ。 里中 千枝|悪党をなぎ倒し、弱き者を救い、 一人立つは美少女格闘家… 里中 千枝|町の平和を守るため、今日も人知れず 戦いの場へおもむくのであった…! 里中 千枝|んんー、いいね! すっごい燃えてきた! 里中 千枝|鳴上くん、この件は あたしに任せて!! 里中 千枝|…でも、鳴上くんが協力してくれたら 心強いっていうか… 里中 千枝|嬉しい…かも… |>千枝はどことなく恥ずかしそうだ… |>千枝との仲が、また少し 深まった気がした… 里中 千枝|よっし、まずは食べよう! 里中 千枝|考えるな、感じろ…ってね。 むしろ、食べろ、かな? |>千枝とビフテキ串を食べつつ、 家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽中央通り商店街 中華食堂 “愛家”前… |>今日の特訓を終え、 千枝と寄っていくことにした。 里中 千枝|肉丼か定食… まさに究極の選択…うーん。 |や、やめろよぉ…! |デカイ声出すんじゃねーよ。 |そうそう、出すならさぁ、 他のもん出して欲しいんだよね。 |何? こんだけ? ちょっと飛んでみ? 里中 千枝|こ、この声って…まさか…! 里中 千枝|鳴上くん、行ってみよ! 里中 千枝|た、剛史…!? |あーあー、人来ちった。 |いーじゃん、あいつらからも 小遣いもらえばさー。 |こいつ、千円しか持ってねーしなー。 |ち、千枝ー! |あ、コラ! |なぁに逃げてんだよ。 しかも、女のケツに隠れちゃってさぁ。 里中 千枝|どっかケガは? |へ、へーき… |や、やっぱ千枝だよな。 お前、こういうの得意だもんな! |あ、あいつらに有り金全部、取られてさ。 許せないだろ、こういうの! 里中 千枝|まー、ムカつくけどね!! 里中 千枝|ねえ、アンタらさ、ヒキョーなんだよ! 寄ってたかって…恥を知りなさい!! |じゃ、じゃあ任せたから! 里中 千枝|え、ちょ、早ッ! 里中 千枝|…ったく! 里中 千枝|ほら、どしたの? やんなら、かかってきなよ! |ハァ? なんだ…この女。 |女がチョーシ乗りやがってよ… 女でも、ヤってやんぞ、アアン!? |>千枝の挑発に少年たちが怒っている… |>どうも、良くない状況だ… |千枝を止める |自分が戦う |なっ…やめてよ!! |>千枝は怒ったようだ… |えっ…鳴上くんが? |>千枝は何やら不満そうだ… |面倒くせー… |おい、さっきのヤツ、 サツとか連れてきそうじゃね? |あーあ、つまんね。 行こうぜ。 里中 千枝|あ、ちょ、ちょっと! 待てコラ!! 里中 千枝|何よ… 里中 千枝|鳴上くんが出てきたとたん、逃げてさ。 里中 千枝|さっき…何で余計なことしたの? 里中 千枝|あたし、そんなに頼りない!? 一人で平気だったよ! 里中 千枝|…ごめん。 里中 千枝|何か、一人で突っ走って… 鳴上くんにも、メーワクかけて… |迷惑じゃない |もう慣れた |反省しろ |ん…ありがと。 |>千枝は申し訳なさそうな顔をしている… |あはは…ひどい。 |>千枝は弱々しく笑っている… |ん…ごめん。 |>千枝は申し訳なさそうな顔をしている… 里中 千枝|そうだよね、あたし、一人じゃないのに… 里中 千枝|いつも、そう。 キミや、仲間たちがいて、皆で頑張ってるのに… 里中 千枝|あたしがやんなきゃって… あたしがもっと頑張んなきゃって…焦るんだ。 里中 千枝|それでいつか、今日みたいに メーワクかけちゃったりするのかな… 里中 千枝|はは…バカすぎる。 |>千枝はスタンドプレーを反省したようだ… |>千枝の静かなやる気を感じた… 里中 千枝|鳴上くん…ありがと。 里中 千枝|その… 里中 千枝|な、何でもない! 里中 千枝|もっと頑張んなきゃ…か。 何で焦るんだろ… 里中 千枝|よく、考えてみるよ。 里中 千枝|…あんま頭良くないから、不安だけどね! |>千枝と途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川… |>今日も千枝の特訓に付き合うことにした。 里中 千枝|こないだ見たDVDでね、 蹴りだけで木を倒すのやってたんだ! 里中 千枝|どうやったらあんな重い蹴りになるんだろ… …やっぱ実践あるのみ? |ち、千枝! 里中 千枝|あ、剛史… 里中 千枝|ま、まさか、またカツアゲにあった? |ち、ちげーよ… |その…俺、あん時すぐいなくなったじゃん? だから謝ろうと思って… 里中 千枝|…せめて男らしく、“逃げた”って言えば? |…な、なんだよ。 お前そんなイヤミ言うやつだったか? |性格まで悪くなったらオシマイだぞ? 里中 千枝|…う、うっさいな!! |そういやさ、天城さん…どうしたんだよ。 |こないだお前といるとこ見たんだけど… |ミョーに明るいっつーか… 変な爆笑とかしててさ… 里中 千枝|変な爆笑って… まぁ、それが“素”っていうか… |ぜってーお前の影響だろ…? マジ、超ショック… |あんなの天城さんじゃねーよ… 陰しょってそうなとこがいいのにさ… 里中 千枝|…あのさ。 またアンタが絡まれたら、助けてあげる。 |…え? おお、それは…助かるけどさ… 里中 千枝|だから、雪子の悪口とか言わないでくれる!? 里中 千枝|雪子のこと、何にも知らないくせに! あの子、すっごいいい子なんだから!! |な…なんだよ? 里中 千枝|思い出したよ… 里中 千枝|昔ね、道端で雪子が、犬抱えて座ってたの。 声かけたら、家出したって言うんだ… 里中 千枝|その犬、雪子が拾ったんだって。 でも飼えないから捨てろって言われたって… 里中 千枝|雪子、死んだみたいな顔してて… あたし、必死で笑わせたんだ。 里中 千枝|それで友達になったの… 里中 千枝|あの時、あたし… 雪子を守ろうって思ったんだ… 里中 千枝|けど…それがどっかで間違えて、 あたしからあんなシャドウが出た… 里中 千枝|あたし、あれから、自分の価値を ちゃんと探そうって思ったんだ。 里中 千枝|“雪子や誰かに頼られてる自分”に 酔うのはやめようって… 里中 千枝|それで…ただ、頑張っちゃった。 里中 千枝|犯人探したり捕まえたり、そういうことで ただもっと頼りになろうって…それだけ。 里中 千枝|あたし、何にも… わかってなかった気がする… |これからだ |そう思っただけ前進だ |自分と向き合うのは難しい |ん…ありがと。 |…優しいんだね、鳴上くん。 |>千枝は弱々しく笑っている… |ん…ありがと。 優しいんだね、鳴上くん。 |一歩…の半分ぐらいは、進んでる? |>千枝は嬉しそうに笑っている。 |鳴上くんも、そう? |ひょっとして…慰めてくれてる? |>千枝は嬉しそうに笑っている。 里中 千枝|“あたしの価値はこれだ!”なんて… 自信持って言える人、いるのかな… 里中 千枝|みんな、探してるってことなのかな… |>千枝は一歩、自分と向き合えたようだ。 |>千枝との仲が、また少し 深まった気がした… 里中 千枝|あ…ちなみに雪子が拾った犬ね、 今うちで、すごい太ってる。 里中 千枝|今度見に来てよ! くっさいけどカワイイんだから! 里中 千枝|…今度、鳴上くんのおうちに 連れてっちゃおっかな。 |>千枝と色々話しながら、家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽中央通り商店街 中華食堂 “愛家”前… |>今日の特訓を終え、 千枝と寄っていくことにした。 里中 千枝|今日は“肉丼”一択!! 待ってろよ~! |そ、そんな持ってないです… 里中 千枝|ま、まさか、また!? 里中 千枝|鳴上くん、行ってみよ! 里中 千枝|あんたら、何やってんの! |あ…んだ、またアイツかよ。 |フフン、俺いいこと思いついちった。 |ギャハハ! お前スゲー悪そうな顔してっぞ~! |た、たすけ… |助けてってさ、“ちえちゃん”。 里中 千枝|なんで、あたしの名前… |こないだアンタが助けたヤツ、 グーゼン会ったから…事情聴取してさ。 |色々聞いたぜぇ? アンタん家とか、カワイイ“天城さん”とか。 里中 千枝|なっ…どういうつもり!? |俺ら今からこいつと大事な相談すっけどさぁ。 その間、そこ動くなよ? |ジャマしたらどうなるか分かんないぜ。 “天城さん”とかがさ。 |ギャハハ! お前、超わりー! 里中 千枝|ざっ…けんな!! |う、うっく… |>どうも、良くない状況だ… |千枝の好きにさせる |千枝をかばう |一緒に戦う |分かった、じゃああたしが ギッタンギッタンにしても文句言わないでね! |>千枝は興奮している… |待って…あたしに行かせて! |>千枝はひどく怒っている… |うん…こいつら、絶対許さない!! |>千枝はひどく怒っている… |そーゆーこと言ってていいわけ? 大事な人、どーなってもしらないよ? 里中 千枝|…分かった、じゃああたしを殴んなさいよ! 里中 千枝|あたしにムカついてるってことでしょ? だったら、あたしを殴ればいいじゃん。 里中 千枝|抵抗しないからさ、存分にどーぞ。 里中 千枝|顔でもおなかでも、どこでも何発でもいいよ! 里中 千枝|ほら、早く!! |…キモ。 |なんだ…この女…まじ? …しらけちった…行こーぜ… |お、おねえちゃ… ありがと… 里中 千枝|えっ? あ、ああ、いいのいいの! |>少年は去って行った… 里中 千枝|ハァ… 何か、まだドキドキしてる… 里中 千枝|あたし…バカだった? |結果オーライだ |あの子をちゃんと守った |無茶しすぎだ |うん…あの子、助かってよかった。 |しばらく、あたし雪子の警備するから そっちも心配しないで。 |>千枝は生真面目に頷いている。 |…ありがと。 |>千枝は照れているようだ… |…ん、確かに考え無しだったかも。 |>千枝は苦笑いをしている… 里中 千枝|バカだったかもしれないけど、 助けたかったんだ。 里中 千枝|あの男の子も、雪子も… 里中 千枝|この気持ちだけは、ウソじゃない。 どうしても“守りたい”って思ったんだよ… |>千枝は優しげに微笑んでいる… |>千枝との仲が、また少し 深まった気がした… 里中 千枝|あ、の… 里中 千枝|あたしね、鳴上くんのことも 守りたいなって思う… 里中 千枝|あたしじゃ頼りないかもしれないし… 守ってもらう必要なんかないかもだけど… 里中 千枝|だけど…あたし… 里中 千枝|守りたい… |>…なんだかいい雰囲気だ。 |>どうしようか… |付き合ってくれ |これからも宜しく |えっ…!? |えっと… |うん… |いいの? あたしで… |>千枝は顔を赤らめている… |>もう、後戻りはできない… |>千枝と、特別な関係になった。 里中 千枝|じゃ、じゃあ… よろしく… 里中 千枝|はっ、恥ずかしいなあもう!! |>長い間、千枝と一緒に過ごした… 里中 千枝|…うん、よろしく。 頼りにしていいからね! 里中 千枝|…てわけで、肉食べよっか! |>千枝と食事をし、一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>雨は止む気配を見せない… 里中 千枝|なんかね、あれ以来、 よく分かんなくなっちゃったんだ。 里中 千枝|あたし、ホントは何のために 強くなりたかったんだろ… 里中 千枝|何かのためとか言いながら、 結局、自分の心を守るためだったのかなって。 里中 千枝|ずっと、一人で何でもやれるって思ってた。 でもホントはそうじゃなくて… 里中 千枝|あたし、誰かがいてくれないと 何にもできない。 里中 千枝|誰かのためって言ったら格好いいけど そんなのじゃなくて… 里中 千枝|誰かに頼られて、誰かのために何かして、 ただ、イイカッコして認められたかっただけ。 里中 千枝|事件を追ってたのだって、 雪子にもう一度認められたいって… 里中 千枝|やっぱり雪子より自分の方が…って、 結局、それだけだったのかもしれない。 里中 千枝|あたし、結局何も… 変われてなかったのかもしれない。 里中 千枝|…バカみたい。 てゆーかバカだよね。 里中 千枝|あたし、超カッコ悪いよね… |カッコいい |それも含めて千枝だ |まだカッコを気にするのか? |もぉっ…口ばっかり…! |>千枝は涙を堪えて笑っている。 |あははっ… ホントだよね… |…ホント、バカだなぁ、あたし。 |>千枝は涙を堪えて笑っている。 |うん…そうなんだよね。 |>千枝は涙を堪えて、うなずいている。 里中 千枝|みんな、過去の自分から歩き出そうとしてる… 頑張ってる… 里中 千枝|なのに、あたしだけ何も変われてない… 里中 千枝|だから、焦ってた、怖かった… 置いてかれてるみたいで、グチャグチャだった… 里中 千枝|それがやっと分かったんだ… 里中 千枝|あの時、君が… あたしを庇ってくれたから。 里中 千枝|あたしが庇おう庇おうとしてたことに、 …気付いたんだ。 里中 千枝|ありがとう… やっと半歩ぐらい、進めた。 |>千枝は晴れやかに笑っている… |>千枝と仲が深まった気がした… 里中 千枝|…あの時ね、君を頼っていいんだって 分かって嬉しかった。 里中 千枝|な、なんていうのかな、 あたしずっと頼られるばっかで… 里中 千枝|人に頼るとか、上手くできなくて、 そ、その… 里中 千枝|あ、あの時…どうして、あたしのこと “守る”って言ってくれたの? |大切な仲間だから |好きな女の子だから 里中 千枝|仲間…そっか… |うん、そうだね。 なんかちょっと…ホッとした。 |>千枝は無理に笑っているようだ… 里中 千枝|えっと… 先、帰るね、ちょっと風邪ひいたかも。 里中 千枝|それじゃ、またね! 里中 千枝|えっ、や、直球だなぁ… 里中 千枝|あ、あたし… だ、誰かとちゃんと付き合うとかって初めてで… 里中 千枝|あ、えっと、ごめん… あの、つまりその… 里中 千枝|あたしの彼氏…って、言っていいの…? 里中 千枝|どうしよう…すっごい嬉しい… |>千枝と付き合うことにした。 里中 千枝|雨…止まないね。 里中 千枝|もうちょっと…一緒にいよ? |>長い間、千枝と一緒に過ごした… 里中 千枝|人の目に映る自分ってのを いつでも気にしてた。 里中 千枝|人の真ん中にいる、カッコイイ自分で いたかったんだと思う。 里中 千枝|無理ばっかして… ほんとはずっと、誰かに助けて欲しかったのに。 |でもね、ようやくちゃんと分かった気がする。 こんなどーしょもない、自分のこと。 |これが…あたし。 ホント、どーしょもないけど…あたし。 |>千枝は晴れやかに笑っている… 里中 千枝|えっと…こんなあたしだけど、 これからもよろしくね、鳴上くん。 |>千枝の素直な想いを聞かされた… |>千枝と仲が深まった気がした… 里中 千枝|雨…止まないね。 |>しばらく雨宿りしてから、 家に帰ることにした。 |>自室… |>今日の特訓を終えた千枝にせがまれ、 部屋を見せることになった… 里中 千枝|へえぇ… これが鳴上くんの部屋かぁ。 里中 千枝|ちゃんと片付いてるね… …って、1年だけの部屋…だから? 里中 千枝|あ、え、えと、引越してくる前の部屋は どんな感じだった? |もっと綺麗 |もっと汚い |変わらない |え!? これより綺麗なの!? |>千枝は尊敬のまなざしだ… |あはは、そうなんだ。 だったらちょっと、ホッとしたかな。 |>千枝は少し嬉しそうだ。 |そっか… 前のキミの部屋も、見てみたかったな。 |>千枝はどこか恥ずかしそうだ… 里中 千枝|あたしの部屋なんて、ポスターとかいっぱいで なんかもっとグチャグチャしてるからなあ。 里中 千枝|あはは… |あ、え、えーっと… |ご、ごめんね、 急に来ちゃって… |>千枝は何故か慌てている… 里中 千枝|あの…あのね、聞いて欲しいんだ。 鳴上くんだけに… 里中 千枝|えっと… 里中 千枝|あたしね、やっぱり、 自分の価値なんて全然…分からない。 里中 千枝|…けどそれは、 ずっと探していけばいいって思ったんだ。 里中 千枝|その…できればキミと一緒に… |それがいい |一人で探してくれ |…うん! |>千枝は照れくさそうにしている。 |…な、何でそんなイジワル言うの!! |もー、殴るから!! |>千枝は顔を真っ赤にしている… 里中 千枝|だからね、これ… 里中 千枝|これ…あげる。 里中 千枝|あっ、新品だから、キレイだよ! 里中 千枝|実は、おそろい…だったりして。 あはは… 里中 千枝|…あたしね、思うんだ。 この“力”は、きっと欲しくて得た力だって。 里中 千枝|もっと、ちゃんと守るために。 里中 千枝|…今なら分かる。 この力は、ただもっと頼りにされるためみたいな、 自分のための力じゃない… 里中 千枝|雪子や、仲間や、家族や、この町… それに悠…くんを守る力なんだって… |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… |あたしの…新しい力… |…キミのおかげだね。 |キミが…好きだよ。 |>千枝の一生懸命な愛情が伝わってくる… |>千枝との固い絆を感じた… 里中 千枝|あ、あたし、と、特訓帰りだよ… 里中 千枝|めちゃめちゃ汗かいたし… 里中 千枝|ち、違っ! や、その、そうじゃなくって… 里中 千枝|な、何言ってんだろ、あたしっ… |気にしない |千枝らしくていい 里中 千枝|でも… 里中 千枝|…バカ。 里中 千枝|らしい、って何よぅ… 里中 千枝|…バカ。 |>長い間、千枝と一緒に過ごした… |>暗くなってきたので、 千枝を家まで送った… |>千枝のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“トモエ”は “スズカゴンゲン”へと転生した! |>千枝はモジモジしている… |>どうしようか… |抱きしめる |何もしない 里中 千枝|な…何か…言ってよぅ… 里中 千枝|…バカ。 |>自室… 里中 千枝|なーんかここ、落ち着くんだよね… 里中 千枝|悠くんの…においがするからかな。 里中 千枝|あっ、えっと、別にクサイとかじゃないよ!! むしろすごい好きって言うか! 里中 千枝|あ… 里中 千枝|な、なーんちゃって… 里中 千枝|あはは… 里中 千枝|すごい、好き。 里中 千枝|…キミが…好きだよ… |>長い間、千枝と一緒に過ごした。 |>千枝との固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 千枝を家まで送った… |>鮫川… |>いつものように、千枝と特訓を行った。 里中 千枝|よーし! 今日は、こんなもんかな! |>今日はいつもより 気合いが入っていたようだ。 里中 千枝|…うん。 なんか久々に、思いっきり動けた気がする! 里中 千枝|あの…あのね、聞いて欲しいんだ。 ずっと考えてたこと。 里中 千枝|…あたしね、やっぱり、 自分の価値なんて全然分からない。 里中 千枝|…けどそれは、 ずっと探していけばいいと思うんだ。 里中 千枝|あたしはただ…守りたいって思う。 守るために、戦おうって思う。 里中 千枝|あたしは最後まで、 キミの隣で一緒に戦うんだから。 里中 千枝|…あたしたち、ずっと仲間…だよね! |もちろんだ |そうとは限らない |うん! |>千枝は穏やかに笑っている。 |あー、それってあたしのこと女として… |…な、なんてね! |>千枝は楽しそうに笑っている。 里中 千枝|これ…あげる。 里中 千枝|あっ、新品だから、キレイだよ! 里中 千枝|実は、おそろい…だったりして。 あはは… 里中 千枝|…あたしね、思うんだ。 この“力”は、きっと欲しくて得た力だって。 里中 千枝|もっと、ちゃんと守るために… 里中 千枝|…今なら分かる。 この力は、ただもっと頼りにされるためみたいな、 自分のための力じゃない… 里中 千枝|雪子や、仲間や、家族や、この町… 大事なものを、守る力だって… |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… |これが…あたしの新しい力… |…キミのおかげだね。 |この先、どんなに遠く離れたって あたしたちはきっと大丈夫。 |この気持ちは変わらないよ… |>千枝の強い決意が伝わってくる。 |>千枝との固い絆を感じた… 里中 千枝|さあーて、体も頭も使ったことだし! 肉食べ行こー、肉ー!! |>千枝と町内肉食ツアーを敢行した… |>千枝のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“トモエ”は “スズカゴンゲン”へと転生した! |>ここも霧に覆われている… |>キツネとしばらく一緒に過ごした。 |>キツネは賽銭箱を見て、 嬉しそうにしている… キツネ|コーン! |>絵馬の願いを叶えたことで、 少しは神社の復興に貢献できただろうか… |>キツネからの信頼が伝わってくる。 |>そろそろ、キツネとの仲がもっと 深まりそうな気がする… |>キツネは賽銭箱を見て、 嬉しそうにしている… |>この調子で神社のご利益の噂が広まれば、 お賽銭が貯まるようになるだろうか… |>キツネに絵馬の願いを叶えたことを伝えた。 |ココーン! |>キツネは嬉しそうだ。 |>キツネの感謝の気持ちが伝わってくる。 |>そろそろ、キツネとの仲がもっと 深まりそうな気がする… |>キツネとの仲が深まるには、 何か切欠が必要なようだ… |>もう遅い時間だ。 |>そろそろ家に帰ろう… |>絆を深めたことにより… キツネはテレビの中での回復料金を 少しだけ割引してくれるようになった。 |>もう遅い時間だ。 |>そろそろ家に帰ろう… |>辰姫神社… |>神社は繁盛しているのか、 所々が金ピカになっている。 キツネ|コーン。 |>キツネは降りてこない… |>…今は特に頼みたいことはないようだ。 |>今日は何も予定が無い… |>せっかくなので、 普段行かない場所へ行ってみようか… |>まずは… |八十稲羽駅前 |商店街の神社 |ジュネスの食品売り場 |>八十稲羽駅前に行ってみることにした。 |>商店街の神社に行ってみることにした。 |>ジュネスの食品売り場に 行ってみることにした。 |>人影は無い… |>当分、電車も来ないようだ… |ジュースでも買う |他の場所へ行く |>他の場所に行ってみることにした。 |>他の場所に行ってみることにした。 |>特に必要なものは無い… |お菓子でも買う |他の場所へ行く |>他の場所に行ってみることにした。 |>境内に人影は無い… |>薄汚れた“お社”は、 あまり、手入れもされていないようだ… |>帰ることにした。 |>どこからか、何者かの気配を感じる… |>突然、目の前に謎のキツネが現れた…! |>この神社に棲み付いているのだろうか…? |>キツネは、こちらを見つめている… |>…よく見ると、 口に“絵馬”をくわえているようだ。 |>謎のキツネから“絵馬”を渡された。 |>“おじいちゃんの足が よくなりますように けいた” |>絵馬には、誰かの願い事が書かれている… |>一体、何故、この絵馬を 渡してきたのだろうか…? |>よく見ると、絵馬の裏に、 “珍しい形の葉っぱ”が貼り付いている。 |>なんの葉っぱなのだろう… |>これも、謎のキツネの仕業なのだろうか…? |あンれまー、珍しいね。 あんちゃんみたいな若い人が来なさるとは。 |この神社、だぁれも住んどらんでな。 |時々ワシが手入れしとったんじゃが、 最近どうにも足が痛くてのー。 |もっとマシなお社にしてやりたいが、 まず先立つもんが、てんで足らん。 |どれ…ワシもお参りしとこうかの。 |足が治らんと、手入れもできん。 それに… |…孫の圭太と遊びにも行けんからのー。 |>けいた… この絵馬を書いた子だろうか… |>“おじいちゃんの足が良くなるように…” と書かれていたはずだ… |やや、あんちゃんの持ってる、 それはもしや!? |…その変わった形の葉っぱじゃ! 間違いないわい! |…死んだ婆さまの代から、 湿布にはこれが一番と言われとっての! |いやはや、懐かしい!! |しかし、あんちゃん、よう見つけたのぉ!? この辺の山じゃ、もう取れんと思っちょったが。 |た、たのむ、その葉っぱを、 わしに譲っとくれっ!! |>必死なお爺さんに、絵馬に貼り付けられた、 葉っぱを渡してみた。 |おおー、これじゃこれじゃ… どれどれ… |>お爺さんは、変わった形の葉っぱを、 足に貼りつけた… |し、しみこむ! 何かがしみこんでくるぞぇ!! |おほっ、ずーっと取れんかった痛みが みるみる消えてくぞい!! |むふ…? むふふ…!? おまけに精力までみなぎってきたぞい!? |いんやー、あんちゃんと会えて、 えらい助かってしもうたわい。 |ありがたや! これで、孫の圭太と遊びにもいけるぞい! |こりゃ、巡り会わせて下さったお社様にも、 たんと感謝せにゃいかんのー! |>ものすごい回復効果だ… |>足の痛みだけではなく、 精力までも回復したようだ… |>隠れていたキツネが、 嬉しそうにこちらを見ている… |>絵馬の願いが叶った事が、 分かっているのだろうか… |>キツネは、確かめるように 賽銭箱を覗き込んでいる… |>お賽銭がもらえた事まで 分かっているのだろうか… |>…もしかすると、絵馬と葉っぱは、 初めからその為にくれたのかも知れない… キツネ|コン! |>なにやら、気に入られてしまったようだ… |>さっきと同じ葉っぱを たくさん口にくわえている… |>不思議な回復効果のある葉っぱを、 キツネは沢山持っているようだ。 キツネ|コン! |>キツネは嬉しそうに見上げてくる… |>なにか、頼みごとでもあるのだろうか? |>たくさんの葉っぱを見せようと必死な姿に、 不思議な出会いを感じる… |>キツネとの間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… |>こんな回復効果のあるものを、 何処の山から見つけてくるのだろう… |>“向こう側”探索の時も、こんな助っ人が 居てくれたら、助かりそうだが… キツネ|コン! |>こちらの気持ちを理解しているのだろうか…? |>賽銭箱をアピールしている… |>タダでは、協力しないという意味だろうか? キツネ|コン! |>これからの探索に、 謎のキツネが協力してくれそうだ… |>但し、協力の代金は、 しっかり徴収されそうだ… |>絵馬を神社に返して、帰ることにした。 |>もう遅い時間だ。 |>そろそろ家に帰ろう… |キツネコミュランク2ダミー |キツネコミュランク3ダミー |キツネコミュランク4ダミー |キツネコミュランク5ダミー |キツネコミュランク6ダミー |キツネコミュランク7ダミー |キツネコミュランク8ダミー |キツネコミュランク9ダミー キツネ|ココーン! |>キツネは何かを訴えようと必死なようだ。 |>しかし、何が言いたいのか理解できない… |>キツネの気持ちを理解するには、 “伝達力”が“言霊使い”でないと無理のようだ。 |>…神社を後にした。 キツネ|ココーン! |>キツネは何かを訴えようと必死なようだ。 |>“伝達力”が“言霊使い”なので、 キツネの気持ちが伝わってくる。 |>どうやら、キツネは賽銭箱を 気にしているようだ。 |>賽銭箱の中身がカラッポだ。 |>キツネが貯めていたお賽銭は、 どうしたのだろうか… |コーン… |>キツネは悲しそうだ… |神様、友だちだけじゃなくて、 僕の願いも叶えて下さい… |おこづかいを沢山持ってきました。 |>子どもは、お賽銭を少し投げ込んだようだ。 |どんな願いも叶える神様! |どうか私の願いを聞いて下さい! |お金はいくらでも出します! |>おばさんは、お賽銭をかなり多めに 投げ込んだようだ。 |どんな願いも叶える神様! |どうか私の願いを聞いて下さい! |お金はいくらでも出します! |>男性は、お賽銭をかなり多めに 投げ込んだようだ。 |>神社のご利益の評判を聞いた人たちが お参りに来たようだ。 |>この様子では、 お賽銭がみるみる貯まっていきそうだ… |コーン! |>キツネは嬉しそうだ。 |ココーン! |>キツネは絵馬をくわえて来た。 |>絵馬には、キツネの足型が ベタベタと押されている。 キツネ|コーン! |>どうやら、キツネからの お礼の気持ちのようだ… |>キツネとの絆を、確かに感じた… |ココーン! |>キツネはやる気を見せている。 |>これからも、神社復興のために 尽力するのだろう… |>“キツネ”コミュのマスターに伴い、 神社の機能が追加された。 |>神社で、“手を合わせる”ことが 出来るようになった。 |>絆を深めたことにより… キツネはテレビの中での回復料金を 少しだけ割引してくれるようになった。 |>もう遅い時間だ。 |>名残惜しそうにしているキツネに 別れを告げて、家に帰ることにした… |はい、どいてどいてー! |>建築業者の人たちが来て、工事を始めた。 |>何と、賽銭箱と鳥居が金ぴかになった… |>どうやら、キツネが貯めていたお賽銭は、 この為に使われたようだ。 |>キツネは今日も神社復興に励んでいるようだ。 |>辰姫神社… |>神社は繁盛しているのか、 所々が金ピカになっている。 |>鮫川 土手… 白鐘 直斗|すみません、 静かなところで話したかったので… 白鐘 直斗|あなたにこれを渡したのは、 どんな人でしたか? |黒服で、サングラスの男 |直斗を知ってることを知ってる男 |怪しい男 白鐘 直斗|サングラス…? 白鐘 直斗|こんな町でそんなものをしていたら 目立つでしょうに… 白鐘 直斗|そうまでしても顔を見られたくなかった… と考えるべきでしょう。 白鐘 直斗|となると、僕かあなたか…はたまた“事件”の ことを嗅ぎ回っている可能性がありますね。 白鐘 直斗|町中で突然こんなものを渡してくるのは それだけで怪しいですよ… 白鐘 直斗|そしてその人はきっと、 あなたのことを良く知っている。 白鐘 直斗|素性も知れない相手に 託したりはしないでしょうから… 白鐘 直斗|でも、こんな小さな町です。 僕の住所なんてすぐに調べられるはず… 白鐘 直斗|何故、わざわざあなたに託したのか… そこが気になります。 白鐘 直斗|今の事件か…それとも他の事件の関係者か… 狙いが“僕個人”なら、可能性はいくらでもある。 白鐘 直斗|あ、カードは僕が預かります。 白鐘 直斗|恐らくその男は、まだこの町にいるでしょう。 これ以上、あなたを巻き込むわけにはいかない。 |そういうわけには… |女の子なのに無理するな |一緒に帰ろう 白鐘 直斗|え…? 白鐘 直斗|その、心配…してくれるのは ありがたいですけど… 白鐘 直斗|…そういう言い方はやめてください。 白鐘 直斗|僕はいつだって、一人でやってきたんです! 男とか女とか、そんなこと関係なく。 白鐘 直斗|あ… 心配…してくれたんですよね。 白鐘 直斗|え…? 白鐘 直斗|もしかして、心配… してくれてるんですか? 白鐘 直斗|すみません、僕、人の気持ちに疎いみたいで… 前、花村さんにも言われました。 白鐘 直斗|このカードの件は、調べてあなたに報告します。 だから…心配、しないでください。 白鐘 直斗|その…あなたはリーダーとして、 色々抱えているから… |>直斗なりに、気を遣ってくれているようだ… |>出会った頃の直斗とは 全く違う印象を受ける… |>直斗との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 白鐘 直斗|せっかく来たので、もう少し話しましょうか。 白鐘 直斗|そうだ、聞きたかったことがあるんですが… |>直斗と、事件について色々と 話し合いながら帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 土手… 白鐘 直斗|>直斗に渡したカードについて、 話があるようだ… 白鐘 直斗|やはり、何も書いていない、 ただの真っ白なカードです。 白鐘 直斗|ただ、紙の厚さの割りに、手触りが少し硬いと いうか、ゴワゴワしていますが… 白鐘 直斗|文面が無い以上、心当たりといっても 浮かびませんね。 白鐘 直斗|恐らく、イタズラでしょう。 |本当に? |それでも心配だ |つまらない |ええ、よくあることなんです。 |>直斗は肩をすくめている… |よくあることですよ。 いちいち気にしてたら、捜査なんて出来ません。 |>直斗は肩をすくめている… |あははっ。 確かに、この先を期待しそうですが。 |>直斗は子どもっぽく笑っている… |>直斗の携帯が鳴っている… 白鐘 直斗|あ、ちょっと失礼します。 白鐘 直斗|はい、僕です。 白鐘 直斗|ああ、薬師寺さん。 どうしました? 白鐘 直斗|泥棒…? 白鐘の屋敷にですか? 白鐘 直斗|ええ…ええ… …そうですか。 白鐘 直斗|あの部屋に、無くなって困るものは 何も置いてありません。 白鐘 直斗|警察には通報したんですよね? では、そちらは薬師寺さんにお任せします。 白鐘 直斗|お祖父さまが無事だったなら僕はそれで。 まだこちらの事件から手が離せませんから。 |>直斗は一方的に 電話を切ってしまったようだ… |何があった? |帰らなくていいのか? |探偵の家に泥棒が? |あ…すみません、 聞いちゃいましたよね… |>直斗は少し気まずそうだ… |え…? |あ、ええと…すみません。 余計な気を遣わせてしまって… |>直斗は少し気まずそうだ… |…案外、人が悪いですね。 |>直斗は少し恥ずかしそうにしている… 白鐘 直斗|薬師寺…ええと、お祖父さまの秘書から だったんですが… 白鐘 直斗|白鐘の本家に何者かが侵入したらしいんです。 白鐘 直斗|僕の部屋が荒らされていたらしく、 何か盗られたものに心当たりはないかと… 白鐘 直斗|それから、お祖父さまの持ち物からも 僕に関するものがいくつか消えたそうです。 白鐘 直斗|そちらの方は何とも言えませんが、 僕は無くして困るものはないので… |身辺に気をつけた方がいい |狙われる覚えは? |カードと関係がありそうだ |…そうですね。 カードの事もありますし。 |ええと… お気遣い、ありがとうございます。 |>直斗は少し居心地が悪そうだ… |…まあ、いくつかはありますが、 こんな回りくどい手を使う相手はちょっと。 |>直斗は考え込んでいる… |ええ、そこなんですよね… |>直斗は大きくうなずいている。 白鐘 直斗|…ともかく、僕のことは あまり気にしないでください。 白鐘 直斗|僕もあなたも、今は他にやることがあるはず。 白鐘 直斗|…あなたに心配されると、 その…どうしていいのか… |>直斗は珍しく、落ち着かない様子だ… |>直斗のことが少し分かった気がする… |>半ば無理やり、直斗を送って家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… 白鐘 直斗|これ… 白鐘 直斗|僕の下駄箱の中に入っていました。 |>直斗は手に一通の封書を持っている… |きっと果たし状だ |きっとラブレターだ |きっとこの前のカードと関係が… |…意外と古風なんですね。 |>直斗はおかしそうに笑っている。 |…まあ、下駄箱に入っている封書としては スタンダードな推理ですけど。 |>直斗は顔をしかめている… |僕も一瞬、そうかと思ったんですが… どうやら違うみたいです。 |ここに、差出人の名前があるので… |>直斗は興味深げに封書を眺めている。 白鐘 直斗|差出人は…女性ですね。 ご丁寧に学年とクラスまで書いてある。 白鐘 直斗|ハート形のシールで封をしてあるところを見ると、 何かの依頼とも考えにくい。 白鐘 直斗|…つまり、読む必要が無いようです。 白鐘 直斗|ハァ…すみません、 くだらないことに時間を取られてしまって。 白鐘 直斗|まったく、 こんな時に封書なんて紛らわしい… |読まないのか? |男からなら読むのか? |その手紙はどうする? |読んでも、どうにもできませんから。 余計なしがらみができるだけです。 |>直斗は溜息をついている… |…どういう意味ですか? |>直斗ににらまれた… |さすがに校内で処分するわけには いきませんからね… |家に帰ってから、 シュレッダーにかけますよ。 |>直斗はアッサリと言い切った。 白鐘 直斗|相手が女性だろうと男性だろうと、 僕は何も応える気はありません。 白鐘 直斗|僕は恋愛ごとなんかに構っているヒマは無い。 …鳴上さんも、そうでしょう? 白鐘 直斗|僕のことをよく知りもしないのに… 好きとか…おかしいですよ。 白鐘 直斗|…行きましょう。 白鐘 直斗|そうか、雨だった… 白鐘 直斗|参ったな、傘を教室に置いてきてしまって… |>直斗は傘が無いようだが… |>…自分の手元に、傘がある。 |一緒に入ろう |早く取って来い 白鐘 直斗|あ、そうですか、すみません。 白鐘 直斗|あ、はい。 すぐ取ってきますから。 白鐘 直斗|良かったら、寄り道しませんか? 事件の話、まだ聞きたいところがあるんです。 |>直斗は真面目に事件に取り組んでいる… |>直斗との仲が深まった気がした… 白鐘 直斗|それじゃ、行きましょうか。 |>直斗と事件について話し合った… |>直斗を家まで送ってから、 自宅に帰ることにした。 白鐘 直斗|え、ええと… 白鐘 直斗|あ、相合傘ってことなんですね。 そりゃ、そうですよね。 白鐘 直斗|なっ、何か、距離が近くて… その… |>直斗は恥ずかしがっている… |>見たことも無い直斗の姿に、 仲が深まった気がした… 白鐘 直斗|と、とにかく行きましょう。 白鐘 直斗|ほ、ほら、先輩、早く! |>直斗を家まで送ってから、 自宅に帰ることにした。 白鐘 直斗|良かったら、寄り道しませんか? 事件の話、まだ聞きたいところがあるんです。 |>直斗は真面目に事件に取り組んでいる… |>直斗との仲が深まった気がした… 白鐘 直斗|それじゃ、行きましょうか。 |>直斗と土手で雨宿りをして、 事件について話し合った… |>直斗を家まで送ってから、 自宅に帰ることにした。 白鐘 直斗|これ… |>直斗は手に一枚のカードを持っている… |またラブレターか? |今度は男からきたか? |またあの“カード”か? |…違います。 そんなにのん気な話じゃありませんよ。 |>直斗は溜息をついている。 白鐘 直斗|以前、鳴上さんから渡されたカード。 覚えてますよね? 白鐘 直斗|…い、いちいち含みのある言い方ですね。 白鐘 直斗|>直斗ににらまれた… 白鐘 直斗|白鐘 直斗 でも…そうですね。 恐らく、差出人は男でしょう。 白鐘 直斗|以前、鳴上さんから渡されたカード。 覚えてますよね? |ええ、間違いありません! |>直斗は大きくうなずいている。 白鐘 直斗|見たところ同じ紙、同じサイズ… 差出人の名前も無い… 白鐘 直斗|ほぼ確実に、同じ人物からのものでしょう。 白鐘 直斗|…ともかく、場所を移しましょう。 |>鮫川 土手… |>直斗と一緒に、カードを確認した… |>カードにはこう書かれている… |拝啓、名探偵殿。 君の家から、あるものを拝借した。 |ゲームはすでに始まっている。 さあ、君に取り戻せるかな? 怪盗Xより 白鐘 直斗|…どうやら、白鐘の屋敷に忍び込んだのと 同一人物の仕業のようですね。 白鐘 直斗|すぐに薬師寺さんに送って、 警察に証拠物として提出してもらいます。 白鐘 直斗|怪盗X? 馬鹿馬鹿しい… 白鐘 直斗|こんなことにかまけるヒマはありませんよ… |その通り |何を焦ってる? |挑戦から逃げるのか? 白鐘 直斗|ええ、人が亡くなっている 大きな事件とわけが違う。 白鐘 直斗|こっちはワケの分からない愉快犯で、 住居侵入、窃盗、意味不明な脅迫程度です。 |白鐘邸に侵入し、挑戦状を叩き付けただけの… |>直斗は非常に悔しそうだ… |あ、焦ってなんかいません! |僕はただ、白鐘を継いだ人間として 仕事を成功させなきゃと… |>直斗はうつむいている… 白鐘 直斗|た、確かに… 白鐘 直斗|屋敷に侵入された挙句、 こんな挑戦状まで… 白鐘 直斗|全てを警察任せにしては、 白鐘の名誉にも関わる…かも、しれません。 白鐘 直斗|…逃げるですって? 白鐘 直斗|>直斗は腹が立ったようだ。 白鐘 直斗|白鐘 直斗 ……。 白鐘 直斗|屋敷に侵入された挙句、 こんな挑戦状まで… 白鐘 直斗|全てを警察任せにしては、 白鐘の名誉にも関わることです… 白鐘 直斗|ああもう、だからイヤなんです! 白鐘 直斗|あなたといると、どうも調子が狂うな… 白鐘 直斗|こんな挑戦状なんて子どもじみたもの、 関わりたくないんです。 白鐘 直斗|けど…それじゃ悔しいじゃないですか! |頑張って |一緒に怪盗Xを追おう |勝手なこと言わないでください! 当然、あなたにも手伝ってもらいますから! |>直斗は生意気そうに笑っている。 白鐘 直斗|当然ですよ… あなたが持ってきたことでもあるし… 白鐘 直斗|まったく… |…宜しくお願いします。 |>直斗はばつが悪そうに もじもじしている。 |>直斗と共に、 怪盗Xの挑戦に挑むことになった… |>直斗との仲が、また少し 深まった気がした… 白鐘 直斗|そうと決まれば、 一通目のカードをもう一度調べてみます。 白鐘 直斗|あそこに、きっと何かのヒントがある… 白鐘 直斗|あ…ですがもちろん、 空いた時間でしかする気はないですが… 白鐘 直斗|僕には…他にやることがあるんですから。 |>直斗と途中まで一緒に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>土手… 白鐘 直斗|>直斗は、2枚のカードを前に 考え込んでいる… 白鐘 直斗|このカードは、 四六商店で購入されたもののようです。 白鐘 直斗|店主に話を聞いたところ、 あなたから聞いた男の容貌と一致しました。 白鐘 直斗|“怪盗X”がこれを購入したのは、 あなたにカードを手渡すほんの数日前… 白鐘 直斗|だとすると、手の込んだ特殊処理を 施してあるとも考えにくい。 白鐘 直斗|ただ…かすかな柑橘系の匂いがします。 非常に薄いコロンなどが… 堂島 菜々子|あれ、お兄ちゃんたち… 何やってるの? 白鐘 直斗|えーっと… 何…やってるんでしょうね、ほんと… 堂島 菜々子|カード、まっしろだね。 おてがみ書くの? 白鐘 直斗|ううん、これをもらったんだ… 白鐘 直斗|このカード、秘密が隠されてる…かもしれない。 菜々子ちゃんは、何だと思う? 堂島 菜々子|ひみつ? 白鐘 直斗|ヒントは、柑橘系…えっと、 ミカンとかレモンの匂いがするってこと。 堂島 菜々子|なんにも書いてなくて、 ミカンやレモンのにおい? 堂島 菜々子|わかった! こたえ、“あぶり出し”でしょ!? 堂島 菜々子|この前、りかのじゅぎょうでやったもん! 白鐘 直斗|まさか…そんな、くだらない手が… 白鐘 直斗|…ここからなら先輩の家の方が近いですね。 今すぐ、確かめに行きましょう! 白鐘 直斗|ありがとう、菜々子ちゃん。 僕なんかより、よっぽど名探偵だ。 堂島 菜々子|ほんと? やったあ! |>友だちの家に遊びに行くという菜々子と別れ、 自宅に向かった… 白鐘 直斗|…ハァ。 一体、どうしたら… |水につけてみる |燃やしてみる |食べてみる |確かに、そうすることで文字の浮かび上がってくる 仕掛けを作ることは可能ですが… |…待てよ。 文字が浮かび上がる…? |それに、この匂い… |>直斗の目が輝きだした… |燃やすって…灰にするんですか? 中に何か仕込んであるようには… |…あ!! |>直斗は何かに気付いたようだ! |いくら食べ物の匂いがするからって… |…食べ物? |この匂い… 本当に、ミカンやレモンの匂いだとしたら… |>直斗の目が輝きだした… 白鐘 直斗|まさか…でも…本当に…? 白鐘 直斗|ここからなら先輩の家の方が近いですね。 今すぐ、確かめに行きましょう! |>直斗に引きずられるようにして、 自宅に向かった… |>ここも霧に覆われている… |>自宅… |>コンロの火でカードをあぶると、 焦げた文字が浮かび上がってきた… 白鐘 直斗|本当に“あぶり出し”だったのか… 白鐘 直斗|あれですよ、ほら、紙に染み込んだ 果汁の部分が先に焦げるっていうか… 白鐘 直斗|普通、しませんよこんなこと! いい歳した大人が!! 白鐘 直斗|それに、この文章… |>カードにはこう書かれている。 |あかいかおで てがみむしゃむしゃ 白鐘 直斗|“赤い顔で手紙ムシャムシャ”…? これって… |なぞなぞだ |ポストのことだ |ヤギのことだ |ええ、答えはきっと、“ポスト”… |>直斗は肩をすくめている… 白鐘 直斗|ポスト…確か商店街にありましたね。 行ってみましょう! |ああ、なるほど。 …なぞなぞも得意なんですね。 |>直斗は楽しそうに笑っている… 白鐘 直斗|ポスト…確か商店街にありましたね。 行ってみましょう! |ち、違うと思いますよ! |>直斗は笑いを堪えている… 白鐘 直斗|答えはきっと、“ポスト”です。 白鐘 直斗|答えはきっと、“ポスト”です。 |>稲羽中央通り商店街 だいだら.横のポスト… 白鐘 直斗|>ポストの裏に、 何かが隠してあったようだ… 白鐘 直斗|これは… 白鐘 直斗|まさか、お祖父さまが持ってたのか…? 何でこんなもの、大事に… |何だった? |ともかく、取り戻せてよかった |そ、その… |>直斗は複雑な表情をしている… |え…? |あ…は、はい… |>直斗は何故か顔を赤くしている… 白鐘 直斗|これ…僕が子どもの頃に作ったんです。 白鐘 直斗|た… 白鐘 直斗|探偵バッチ…です… 白鐘 直斗|特に機能とか、無いんですけど… 白鐘 直斗|子どもじみた挑戦状、 そして、盗まれたのがこんな探偵バッチ… 白鐘 直斗|…怪盗Xの正体が分かってきました。 目的はさっぱり分かりませんが… 白鐘 直斗|きっとこれは、僕にとって大事な事件だ。 白鐘 直斗|…なのに、あなたや菜々子ちゃんがいなければ 解けない謎だった。 白鐘 直斗|いや、解く気も無かったでしょう… 白鐘 直斗|きっとこれは、僕にとって大事な事件だ。 白鐘 直斗|…なのに、あなたがいなければ 解けない謎だった。 白鐘 直斗|いや、解く気も無かったでしょう… 白鐘 直斗|…ありがとうございます、鳴上さん。 |>直斗は珍しく素直な笑顔を見せている… |>直斗と少し仲が深まった気がする… 白鐘 直斗|本来ならこんな、子どもの遊びに 付き合っている場合ではないんですが… 白鐘 直斗|その…最後まで解くべきと言う気がして… あの、できれば… |仕方ない… |一緒に解こう |後は一人でやってくれ |いいんですか? |>直斗は楽しそうに笑っている… |>直斗を家まで送ってから、 自宅に戻った。 |え…? |あ、は、はい… お願いします。 |>直斗は顔を赤らめている。 |>直斗を家まで送ってから、 自宅に戻った。 白鐘 直斗|あ…すみませんでした。 僕だけの問題なのに… 白鐘 直斗|“人の気持ちに疎い”って… こんな時のことですよね…きっと… 白鐘 直斗|…ごめんなさい。 それじゃ… |>直斗は走り去った… |>…家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 土手… 白鐘 直斗|>直斗は、怪盗Xからの 新たな挑戦状を持ってきた… 白鐘 直斗|今朝、僕の家のポストに入っていたんです。 白鐘 直斗|怪盗Xは、僕の家まで来ることができる… 白鐘 直斗|…つまり、最初のカードは 意図的に鳴上さんに渡したわけです。 白鐘 直斗|…どうして鳴上さんなんでしょう。 |頼りになりそうに見えたから |“いい仲”に見えたから |使えなさそうに見えたから |…それ、犯人が選ぶ基準としては 間違ってると思いますよ。 |>直斗はおかしそうに笑っている。 |な…何言ってるんですか! そんなわけないでしょう!? |きゅ、急に変なこと言わないで下さい! |>直斗は激しく動揺している… |…だとしたら、 怪盗Xは相当、人を見る目がないですね。 |>直斗はおかしそうに笑っている。 白鐘 直斗|ところで、今回のカードの内容なんですが、 …どう思います? |>カードにはこう書かれている… |堅持せよ橘の雫 それは下左の大きな左下にある 白鐘 直斗|暗号文ですね、今度は。 まあ大方、予想はしていましたけど。 白鐘 直斗|“橘の雫”からすぐに思いつくのは、 1通目のカード、柑橘のあぶり出しですが… 白鐘 直斗|けど、“下左”…? 白鐘 直斗|2回目は“左下”って書いてるのに… 下の左の左の下って、結局は左下ですよね。 白鐘 直斗|堅持せよ橘の雫 それは下左の大きな左下にある… |カードの左下が怪しい |文字の左下が怪しい |左と下が怪しい 白鐘 直斗|いえ、どのカードも 特に変わったところは… 白鐘 直斗|>直斗は溜息をついている。 白鐘 直斗|白鐘 直斗 “堅持せよ橘の雫”… 白鐘 直斗|やけに複雑な漢字が4つに、 “下左”と“左下”…? 白鐘 直斗|文字の左下…ですか? 特に何かが書かれている様子は… 白鐘 直斗|>直斗は急に黙った… 白鐘 直斗|白鐘 直斗 …え? 白鐘 直斗|文字の左下… 文字の…左と下…下と左…? |左下…ではなく、 左と下…? |…となると、 下と左と左と下… |>直斗の目が輝いてくる! 白鐘 直斗|“堅持せよ橘の雫”…この文章の漢字部分、 それぞれ下、左、左、下の部分を見てください。 白鐘 直斗|“堅、持、橘、雫”の“下、左、左、下”… つまり、土、手、木、下! 白鐘 直斗|と、とにかく、この土手で、 一番大きな木を探してみましょう! |>直斗と土手を歩き回り… |>探し当てた大きな木の下には、 何かが埋められていたようだ… 白鐘 直斗|やっぱりそうだ… 懐かしいな、この時計… |>直斗の手には、子ども用にしては大き目の デジタルウォッチが握られている。 白鐘 直斗|これ、ちょっとすごいんですよ。 白鐘 直斗|探偵7つ道具のうちの1つで、 強いバックライトが光るんです。 白鐘 直斗|いざという時に、目くらましに使えるから… 白鐘 直斗|…僕が子どもの頃、自分で改造したんです。 白鐘 直斗|…子どもの頃から、 こういう物が好きでした。 白鐘 直斗|ぬいぐるみや人形より、 ロボットや車が好きで… 白鐘 直斗|高いところが好きだったので、 木の上に秘密基地を作ったり… 白鐘 直斗|楽しかったな… 白鐘 直斗|僕は… 白鐘 直斗|僕は…どうして、 男に生まれてこなかったんでしょうね… 白鐘 直斗|男なら生き易かったのに… 好きなことを胸張ってできたんだ… 白鐘 直斗|ほんと、おかしいですよね… |直斗が女で嬉しい |男でも女でも関係ない |仕方ないことだ |え…? |な、何言ってるんですか… も、もう… |別に何もいいことなんてありませんよ! |>直斗は激しく動揺している… |鳴上さん… |そう言ってくれる人がいるのに… 本当にダメですね、僕… |>直斗は寂しげに笑っている… |…そうですよね。 悩んだって答えが変わるわけじゃない… |>直斗は寂しげに笑っている… 白鐘 直斗|ほんとに…あなたといると、調子が狂うな。 白鐘 直斗|いつも、僕が子どもだということ… 思い知らされるっていうか… |>直斗は恥ずかしそうに うつむいている… |>直斗との仲が、また少し 深まった気がする… 白鐘 直斗|な、なんだか… 僕ばっかりしゃべってますね… 白鐘 直斗|たまには、あなたの話も聞かせてください。 子どもの頃、どんな風だったかとか… 白鐘 直斗|…見てみたかったな。 |>直斗と他愛ない話を色々としてから、 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 土手… 白鐘 直斗|>直斗は何かを思い悩んでいるようだ… 白鐘 直斗|実は、少し前からお祖父さまと 連絡が取れないんです。 白鐘 直斗|怪盗Xが盗んだであろう物の件で 確認しておきたいことがあったんですが… 白鐘 直斗|知人の危篤で、渡米することになったと 秘書の薬師寺さんから留守電が入ってたんです。 白鐘 直斗|それ以降、お祖父さまにも薬師寺さんにも 携帯が繋がらなくて… 白鐘 直斗|いえ、今は気にしても仕方ないですね。 あの二人なら、きっと大丈夫だと思います。 白鐘 直斗|それより、今朝ポストに入っていた 新しい挑戦状です。 |>カードにはこう書かれている… |樹海に金捨て、家以下に鈍るか マイナス2回 白鐘 直斗|言葉通りに取ろうとすると… 白鐘 直斗|樹海に金を捨てて 白鐘の家名にそぐわぬよう鈍るか… 白鐘 直斗|あるいは…マイナス2回… 白鐘 直斗|…当然ですが、意味が分かりません。 白鐘 直斗|“マイナス2回”が、重要そうですが… |ボードゲームに関係ありそう |他のカードに秘密が隠れている |“2回”を引く? 白鐘 直斗|ああ、確かに… “1回休み”などのフレーズが ボードゲームにはありますね。 白鐘 直斗|>直斗は考え込んでいる… 白鐘 直斗|白鐘 直斗 ゲーム…暗号…2回を…引く? 白鐘 直斗|ええ、それも調べたのですが… カードにはもう、謎は隠されてなさそうです。 白鐘 直斗|>直斗は困った顔をしている… 白鐘 直斗|白鐘 直斗 マイナス2回… 2回を…引く? |“2回”を…? |そうか! 文章から…2回を… |>直斗の目が輝いてくる! 白鐘 直斗|“樹海に金捨て、家以下に鈍るか” の部分から“2回”を引くと… 白鐘 直斗|えっと、まず平仮名に直して… “じゅかいにかねすていえいかににぶる”。 白鐘 直斗|ここから“にかい”を引くんです! 白鐘 直斗|すると残るのは… “じゅねすてえぶる”… 白鐘 直斗|ジュネス、テーブル!! 白鐘 直斗|決まりだ! 行きましょう! |>ここも霧に覆われている… |>ジュネス フードコート… 白鐘 直斗|>テーブルの裏側に、 何かが貼り付けてあった… 白鐘 直斗|やっぱり、これか… |>直斗の手には、 太めの万年筆が握られている。 白鐘 直斗|これも僕が作った、探偵7つ道具の1つです… 白鐘 直斗|普通の万年筆としても使えますが、 ペンライトと、小型望遠鏡にもなるんです。 白鐘 直斗|いつの間にか失くしたと思ってたのに、 お祖父さまが持ってたなんて… 白鐘 直斗|ふふっ、僕もお祖父さまも、 物を捨てるのが苦手なんです… 白鐘 直斗|この万年筆を握ってた頃… 僕はただ、探偵に憧れるだけの子どもでした。 白鐘 直斗|男だとか女だとか、 そんなこと…考えもしなかった。 白鐘 直斗|他者と比較して自分を測れるほど、 周囲に人がいなかったってのもあるんですが。 白鐘 直斗|その…友だち、いなかったんです。 子どもの頃から、浮いてましたから。 白鐘 直斗|でも…どうしてだろう。 一人でいたときより、今の方がずっと… 白鐘 直斗|…不安な気持ちになるんです。 あなたや皆さんと一緒にいると。 白鐘 直斗|自分が…変わってしまいそうで。 |どんな直斗も、直斗だ |人は変化していくものだ |怖がるな |…分かっています。 僕はそれ以外の、何者にもなれない。 |でも、僕は… |>直斗は辛そうにうつむいている… |そう…なんですかね。 よく分からないや… |>直斗は辛そうにうつむいている… |…そうか、僕は、恐れているんですね。 |そうか… |>直斗は弱々しく笑っている… 白鐘 直斗|変わりたい気持ちと… 以前のままでいたい気持ちと… 白鐘 直斗|ゴチャゴチャで… 白鐘 直斗|…怖い、です。 |>直斗が今までになく、小さく見える… |>こんな姿を見せてくれるのは、 心を開いてくれている証だろうか… 白鐘 直斗|鳴上さんは… そういう気持ちになったこと、ありますか? 白鐘 直斗|その…あなたの話が、聞きたいです。 |>直斗と他愛ない話を色々としてから、 家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>商店街… 白鐘 直斗|>直斗が得たという情報を元に、 怪盗Xの捜索をすることになった… 白鐘 直斗|ここ数日、商店街付近を怪しい男が うろついているという情報が入っています。 白鐘 直斗|地元の人間ではなく、観光客とも買い物客とも 明らかに風体の異なる男だったようです。 白鐘 直斗|四六商店の店主に確認したところ、 数時間ほど前にもその男を見かけたそうです。 白鐘 直斗|以前に例のカードを買った男と 明らかに同じ人物だったと… 白鐘 直斗|だとすれば、この辺りで次の隠し場所を 物色している可能性もあります。 白鐘 直斗|上手くすれば、 現場を押さえられるかも知れません。 |嬉しい? |危ないことはするな |少し寂しい 白鐘 直斗|え…? ぼ、僕、そんな顔してましたか…? |え、ええっと… まあその…嬉しく…なくはないです。 |ただ、少しだけ… 複雑な気もしてますけど。 |>直斗は苦笑いを浮かべている… 白鐘 直斗|そんなことをいちいち気にしてたら 探偵なんて… |…分かりました、その代わり、 あなたも危険な真似はやめてくださいね。 |>直斗は上目遣いで睨んでくる… 白鐘 直斗|あなたも…ですか? |子どもの頃に憧れていた探偵… 今、そんな気分です… |>直斗は苦笑いを浮かべている… 白鐘 直斗|僕の推理が正しければ、怪盗Xが盗んだものは 残りあと2つです。 白鐘 直斗|だとすれば、今回はアレを隠すつもりのはず。 彼はもしかしたら… 白鐘 直斗|ともかく、この辺りで人目に付かないよう 物を隠す場所… 白鐘 直斗|心当たりがあります。 行きましょう、先輩。 |>ここも霧に覆われている… |>辰姫神社… 白鐘 直斗|あなたは… |>男はナイフを取り出した! |直斗をかばう |直斗と逃げる |反撃する 白鐘 直斗|鳴上さん!? 白鐘 直斗|だ、大丈夫です! あのナイフ、オモチャですから! 白鐘 直斗|鳴上さん… 白鐘 直斗|だ、大丈夫です。 あのナイフ、オモチャですから! 白鐘 直斗|ダ、ダメです! 白鐘 直斗|そのナイフはオモチャです! 手を出さないで、お願い! |>男はナイフを捨てて走り去った… 白鐘 直斗|このナイフ… やっぱり、僕が作った7つ道具です… 白鐘 直斗|これは、ナイフ形発電機。 さっき言ったとおり、刃はオモチャです。 白鐘 直斗|でも…だからって、あんなこと… もしあれが本物だったらどうするんですか! 白鐘 直斗|あなたはっ… あなたは、いつもそうだ! 白鐘 直斗|僕は、男の人に守ってもらうだけの 女になるなんて…考えられないんです! 白鐘 直斗|なのに…どうしてあなたはいつも… 白鐘 直斗|どうして… |好きだから |大切な仲間だから |な… |え…? |>直斗は顔を真っ赤にしている… 白鐘 直斗|あ、え、えーっと… ちょ、ちょっと待ってください。 白鐘 直斗|僕、今… 大変なことを言われた気が… 白鐘 直斗|あ、あの、ええと… 白鐘 直斗|そんなことを言われたら… 白鐘 直斗|顔… 見れないじゃないですか… |>直斗から今までとは少し違う 好意が伝わってくる… |>直斗と仲が深まった気がした… |>直斗に想いを伝えた。 |>だが、まだ直斗から返事を聞いていない… 白鐘 直斗|ぼ、僕、帰ります。 白鐘 直斗|あ、怪盗Xのことはもう 心配しなくても大丈夫なので… 白鐘 直斗|えっと…あの… 白鐘 直斗|さ、さよなら! |>走り去る直斗を見送り、 一人で家に帰った… |僕にとっても、あなたは大切な仲間です。 だから、危険な真似は…やめてください。 |>直斗は強い力で見返してくる… 白鐘 直斗|僕にとって、あなたは大切な仲間です。 だから、危険な真似は…やめてください。 白鐘 直斗|すみません、ここまで巻き込んでしまって… 白鐘 直斗|…でも、あと少しです。 白鐘 直斗|あと少しで終わり… それが、怖い気もする… 白鐘 直斗|…こんな事件、初めてだ。 |>直斗は心細そうに微笑んでいる… |>直斗と仲が深まった気がした… 白鐘 直斗|今日のところは帰ります。 少し調べなければいけないことがあるので… 白鐘 直斗|怪盗Xの件は、 もう心配しなくても大丈夫です。 白鐘 直斗|詳しいことは、また改めて… 落ち着いてから、お話しします。 |>走り去る直斗を見送り、 一人で家に帰った… |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 土手… |>以前会った、黒服の男が待っていた… |白鐘家の秘書の薬師寺と申します。 その節は、大変失礼致しました。 白鐘 直斗|僕からも… 本当にすみませんでした。 白鐘 直斗|知らなかったとはいえ、 こんなことにあなたを巻き込んでしまって… 白鐘 直斗|全部、お祖父さまの仕組んだ お芝居だったんです。 |大旦那様は、ここ近年の直斗様のご様子に 大変お心を痛めておられました。 |心を許せる知己もなく、 仕事に没頭されるばかりの直斗様… |大旦那様は直斗様に、昔のようなお心を 取り戻していただきたかったのです。 |白鐘も性別も無く、ただ“探偵”というものに 憧れておられた頃の想いを… |鳴上 悠様を信頼できる方と見込んで この件にお引き込みしたのは私の一存です。 |どうぞ、お許しください。 白鐘 直斗|これ…さっき薬師寺さんにもらったんです。 最後の挑戦状らしいですよ。 |>カードにはこう書かれている。 |あなたの好きな場所で、 あなたの苦手なことをしてきました。 |ただし中ではなく、底の裏側にあります。 白鐘 直斗|僕の“好きな場所”…? |明るいところ |高いところ |静かなところ 白鐘 直斗|うーん… 特に好きというわけでもないですよ。 白鐘 直斗|>直斗は首をかしげている。 白鐘 直斗|白鐘 直斗 子どもの頃に関係しているとするなら、 きっとどこか高い場所じゃないかな… 白鐘 直斗|ほら、前に言ったでしょう。 子どもの頃、木の上に秘密基地を作ったって。 |…覚えててくれたんですか? |>直斗は嬉しそうに頷いている。 白鐘 直斗|そうですね… 嫌いじゃないけど… 白鐘 直斗|>直斗は首をかしげている。 白鐘 直斗|白鐘 直斗 子どもの頃に関係しているとするなら、 きっとどこか高い場所じゃないかな… 白鐘 直斗|ほら、前に言ったでしょう。 子どもの頃、木の上に秘密基地を作ったって。 白鐘 直斗|この町で高い場所といえば… 白鐘 直斗|きっと、高台です。 白鐘 直斗|…次は“苦手なこと”ですね。 これはまあ、色々ありますけど… |料理だ |運動に違いない |物を捨てること? 白鐘 直斗|べ、別に苦手じゃありません! 白鐘 直斗|ただ…やったことがないだけです。 白鐘 直斗|>直斗は拗ねているように見える… 白鐘 直斗|白鐘 直斗 それに、それだと “底の裏側”の部分が解決しません。 白鐘 直斗|そ、それは… 確かにあんまり得意じゃないですけど… 白鐘 直斗|>直斗は拗ねているように見える… 白鐘 直斗|白鐘 直斗 でも、それだと “底の裏側”の部分が解決しません。 |そうです! …僕、言いましたっけ? |>直斗は恥ずかしそうに笑っている。 白鐘 直斗|高台にあるものと考えれば、 恐らく答えは“ゴミ箱”でしょう。 白鐘 直斗|…中身の見当は付いています。 白鐘 直斗|行ってみましょう、先輩。 |>ここも霧に覆われている… |>高台… 白鐘 直斗|>ゴミ箱の底の裏側に 何かが貼り付けてあったようだ… 白鐘 直斗|こんなもの… 存在そのものを忘れてましたよ。 白鐘 直斗|7つ道具の最後の1つ… “たんていてちょう”です。 白鐘 直斗|今の僕が忘れかけている物が ここには全部詰まってる… 白鐘 直斗|お祖父さまは、 きっとそう言いたかったんだと思います。 白鐘 直斗|こんな子供じみたゲーム… 本当に勝手ですよ… 白鐘 直斗|今さら、こんなこと…思い出させるなんて。 僕は…必死で… 白鐘 直斗|侮られないように、見下されないようにって… 頑張ってきたんだ… |>困惑している直斗を落ち着かせた… 白鐘 直斗|この町の殺人事件を解決すれば、 今度こそ、認められるって… 白鐘 直斗|代々、探偵として活躍してきた白鐘家の、 第5代目としてちゃんと認められるって… 白鐘 直斗|…そう、思い込んでたんです。 白鐘 直斗|僕はただ、認めてもらいたかった。 僕を、必要として欲しかったんです。 白鐘 直斗|だから焦って、いつも背伸びして… “解決すること”だけに拘ってた。 白鐘 直斗|でも僕が探偵になりたいと思ったのは… 白鐘 直斗|そこに謎があって、 そして困っている人がいるから。 白鐘 直斗|ただ…それだけだったのを、思い出しました… 白鐘 直斗|鳴上さん、覚えてますか? 僕はテレビの中で、一度自分と向き合った。 白鐘 直斗|“いていい意味が欲しい”と叫ぶ自分を、 僕は受け入れたはずだった… 白鐘 直斗|でも僕の“いていい意味”は… “事件を解決すること”だけじゃない… 白鐘 直斗|皆さんや、あなたが… 僕に、居場所をくれたんだ… 白鐘 直斗|僕に、“いていい意味”をくれた… |>直斗は涙ぐみながら、 笑おうとしている… 白鐘 直斗|大人でなきゃ…男でなきゃ… そう思い込むことで、自分から逃げてた。 白鐘 直斗|僕が本当にしなきゃいけないのは、 何かを変えることでも、成し遂げることでもなく… 白鐘 直斗|自分を…好きになることなのかもしれない… 白鐘 直斗|僕は…自分をやっと受け入れることが 出来そうな気がします。 白鐘 直斗|自分が女だってことにも… 白鐘 直斗|あの時、憧れていた探偵に気持ちでも、 まだなれていないってことにも… 白鐘 直斗|僕は… 僕は、女で、探偵で… 白鐘 直斗|そして、あなたや、みなさんと一緒に 真実を追い求める者です。 |>直斗の強い意志が伝わってくる… |>直斗と仲が深まった気がした… 白鐘 直斗|あなたといると… 自分が、とても怖くなります。 白鐘 直斗|自分の本当を認めてしまった途端に、 何かが全部、溢れてしまいそうで… |でも、僕は…言わなきゃいけませんね… 本当の気持ちを… |あなたのことが…好きだって。 |あ、あの… とにかく、そういうことみたいです。 |>もう、後戻りはできない… |>直斗と、特別な関係になった。 白鐘 直斗|も、もう… 恥ずかしくて…死にそうだ。 |>長い間、直斗と一緒に過ごした… 白鐘 直斗|僕は本当に… この町に来てよかった。 白鐘 直斗|僕とあなたと…みなさんが住む町ですから。 |>しばらく直斗と一緒に過ごしてから 家に帰った… |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>直斗は興味深そうに辺りを見回している… 白鐘 直斗|なるほど… ここで毎日、寝起きしてるわけですね。 白鐘 直斗|どうも、鳴上さんの趣味とは違う物が 散見される… 白鐘 直斗|…仮住まい、だからかな。 白鐘 直斗|テレビの位置からすると、 “マヨナカテレビ”を見るのは… |そんなに興味ある? |座ったら? |落ち着かないんだけど… |そりゃそうです。 鳴上さんの部屋ですから。 |あ、い、いえ…その… |>直斗は顔を赤らめている… |あ、はい… って、そこにですか!? |や、あの、それは… 近すぎて… |>直斗は顔を赤らめている… |あ…あ、そ、そうですよね。 つい、その… |>直斗は顔を赤らめている… 白鐘 直斗|あ、それより…すみません、 急に押しかけることになっちゃって… 白鐘 直斗|え、ええと、今日は… あなたに渡したい物があったので… 白鐘 直斗|僕が…その、作ったんです。 白鐘 直斗|これ、受け取ってください。 白鐘 直斗|こんな工作、久しぶりにしましたよ。 白鐘 直斗|実家に戻ってからなら、カメラと 通信機能くらいは付けられたんですが… 白鐘 直斗|あ、でも光るんです! 僕のもお揃いで作っちゃいました。 白鐘 直斗|くだらないとか…子どもっぽいって、 笑わないでくださいね… 白鐘 直斗|僕はいつしか、探偵が重荷になってた… 白鐘 直斗|“探偵の僕”にしか、意味が無いと思ったから… 白鐘 直斗|でもあなたが… 男でも大人でもない僕に、いる意味を 与えてくれた… 白鐘 直斗|鳴上さん…僕は、あなたといて… 白鐘 直斗|探偵で良かったなって思ったし… 白鐘 直斗|その… 白鐘 直斗|ぼ、僕… 僕が“僕”って言うの、おかしいですか…? |直斗の好きでいい |“私”がいい 白鐘 直斗|そ、そっか、良かった… 白鐘 直斗|あの…ありがとう。 僕のまま、受け入れてくれて… 白鐘 直斗|立派じゃない、不完全な僕だけど… 白鐘 直斗|自分のこと、少しは好きになれそうだ… 白鐘 直斗|そ、そっか… 白鐘 直斗|えと…わ、わたし… 白鐘 直斗|わたし… 白鐘 直斗|…ふふっ、やっぱり恥ずかしい。 白鐘 直斗|こんな言葉を使うなんて思ってもみなかった。 でも、変われるんですね… 白鐘 直斗|今の自分なら、少しは好きになれそうです… |>直斗は優しく笑っている… |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… 白鐘 直斗|僕の中に…こんな可能性があったんですね… 白鐘 直斗|僕はずっと…見るべきものを見ていなかった。 僕を想ってくれる人たちと、僕自身をです… 白鐘 直斗|探偵の、子どもの、女の… そういう“僕”である前に、ひとりの… 白鐘 直斗|僕は…ただの僕です。 白鐘 直斗|あなたと会えて良かった… |>直斗から一生懸命な愛情が伝わってくる… |>直斗との固い絆を感じた… 白鐘 直斗|ち、近いですね… 白鐘 直斗|その… 白鐘 直斗|なんていうか… 白鐘 直斗|この気持ちの謎は、 とっくに解けてるんですけど… 白鐘 直斗|あなたが…好きなんです。 |>長い間、直斗と一緒に過ごした… |>暗くなってきたので、 直斗を家まで送った… |>直斗のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“スクナヒコナ”は “ヤマトタケル”へと転生した! |>自室… |>直斗を呼んだ… 白鐘 直斗|だ、だから、その… 白鐘 直斗|ち、近すぎますって… 白鐘 直斗|えっと… 白鐘 直斗|その… |>長い間、直斗と一緒に過ごした。 |>直斗との固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 直斗を家まで送った… |>鮫川 土手… 白鐘 直斗|何だか、遠い昔みたいです。 ここであなたと、怪盗Xを追ってたこと… 白鐘 直斗|得るものがたくさんある、 忘れられない事件だった… 白鐘 直斗|…楽しかったな。 白鐘 直斗|あなたは…どうでした? |楽勝だった |ワクワクした |挫折しそうだった |ふふっ、鳴上さんは僕よりずっと 名探偵になれると思いますよ。 |>直斗は楽しそうに笑っている… |ええ、僕もです。 あなたと一緒だから、余計にそうでした。 |>直斗は嬉しそうに笑っている。 |しっかりしてくださいよ、リーダー。 |>直斗に励まされた… 白鐘 直斗|それで、あの… 白鐘 直斗|今日は、渡したいものがあって… 白鐘 直斗|僕が…その、作ったんです。 白鐘 直斗|これ、受け取ってください。 白鐘 直斗|こんな工作、久しぶりにしましたよ。 白鐘 直斗|実家に戻ってからなら、カメラと 通信機能くらいは付けられたんですが… 白鐘 直斗|あ、でも光るんです! 僕のもお揃いで作っちゃいました。 白鐘 直斗|これで鳴上さんは、僕の助手ですね! |任せてくれ |相棒に格上げしてくれ |直斗が助手だ |やった! 僕、ホントに本気ですからね! |>直斗は嬉しそうに笑っている… |相棒…ふふっ、いい響きですね。 |いっそのこと、二人で探偵事務所を 開きましょう! |>直斗は嬉しそうに笑っている… |あ、僕に挑戦する気ですか? 返り討ちにしちゃいますよ? |>直斗は楽しそうに笑っている… 白鐘 直斗|僕はいつしか、探偵が重荷になってた… 白鐘 直斗|“探偵の僕”にしか、意味が無いと思ったから。 白鐘 直斗|でもあなたや皆さんが、 男でも大人でもない僕に、いる意味を 与えてくれた。 白鐘 直斗|だから僕は… 白鐘 直斗|探偵の、子どもの、女の… そういう“僕”である前に、ひとりの自分として、 自分と向き合えたんです。 白鐘 直斗|僕は、皆さんといて日々変わっている。 それが前は怖かった、でも… 白鐘 直斗|皆さんと…あなたと一緒なら、 僕は、僕なんだって…胸を張って生きていける。 |>直斗は優しく笑っている… |>弱さを受け入れ、乗り越えた強い意志が、 新たな力を呼び覚ます… 白鐘 直斗|僕の中に…こんな可能性があったんですね… 白鐘 直斗|僕はずっと…見るべきものを見ていなかった。 僕を想ってくれる人たちと、僕自身をです… 白鐘 直斗|あなたと一緒だと、 怖いものなんて無い気がします。 |>直斗からの厚い信頼と尊敬を感じる… |>直斗との固い絆を感じた… 白鐘 直斗|さて、それじゃあ始めましょうか! 白鐘 直斗|探偵になるには、 覚えてもらうことがたくさんありますからね。 白鐘 直斗|僕もまだまだ頑張らなくちゃ。 白鐘 直斗|カッコイイ…女探偵目指して! 白鐘 直斗|ええと、それじゃあすぐに役立ちそうな 尾行の仕方から… |>直斗から、探偵の基礎知識を 延々と叩き込まれた… |>直斗と楽しい時間を過ごした… |>直斗のペルソナが 新たな姿に生まれ変わった…! |>“スクナヒコナ”は “ヤマトタケル”へと転生した! |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 体育館… |>バスケ部の見学をした。 一条 廣|ナイッシュー! 一条 廣|そろそろ基礎練、行きましょーよー。 |…というわけで、今日からお前らの仲間だ! 鳴上 悠、知ってるよな? |都会からの転校生、か。 素晴らしい活躍をしてくれるに違いないな! |これで我がバスケ部も安泰だ! なんなら部長にするか? ん? |あ、いっすねー。 決めたりすんの、面倒だし。 |ほら、お前も挨拶せい。 |どうも… |よろしく! |新部長の鳴上です |まー、適当でいいよ適当で。 |>あまり、熱心な活動はしていないようだ… |おー、決まりだな決まり。 |>部員は盛り上がっている… |そういうわけで、後よろしくな。 先生はサッカー部、行ってくるから。 |鳴上、お前は今日は見学しておけ。 じゃ、適当に解散。 |>部員らは、練習もそこそこに 帰って行った… 一条 廣|おつかれー。 一条 廣|どう? 1日目の感想は。 一条 廣|あ、オレ、一条康。 同じ2年だよ。 よろしくな。 一条 廣|一条 康 仲間できてさ、嬉しーよ、オレ。 長瀬 大輔|いちじょー、そっちまだ終わんねーの? 長瀬 大輔|新入部員? 一条 廣|なんとそうなんだよ! お前も知ってるだろ、転校生。 長瀬 大輔|へー、良かったな。 長瀬 大輔|長瀬大輔だ、よろしく。 長瀬 大輔|長瀬 大輔 サッカー部2年。 一条とは…腐れ縁だな。 一条 廣|腐りすぎ。 もういいっつのな。 長瀬 大輔|例によって、他のやつらは帰ったのか? 一条 廣|まーね。 一条 廣|今日もさ、リバウンド練習やろーつったら、 “疲れるから”却下だよ。 一条 廣|で、シュート練習ばっかでさ… 一条 廣|…って、入ったばっかの鳴上の 前でグチっちゃダメだよな! 一条 廣|幽霊部員も多いけど、楽しいぜ、バスケ。 一条 廣|…って、鳴上、バスケの経験は? |バッチリ |ちょっぴり |無論、ゼロ 一条 廣|マジかよ! うー、腕が鳴る! 一条 廣|マジで!? 一条 廣|うっわー、嬉しい。 ウチの部、ルール知らないやつすらいるし! 一条 廣|全然おっけ! オレがガシガシしごいてやるからさ! |>バスケ部の一条康、 サッカー部の長瀬大輔と知り合いになった。 |>二人との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 一条 廣|そだ、活動日は聞いてる? 火・木・土な。 一条 廣|楽な部活だけど、ちゃんとやれば 根性つくと思うぜ。 一条 廣|あ、けど、雨の日は部活休み。 この体育館、他の部に占領されんだよ… 一条 廣|ったく、弱小部はツライよなぁ… 一条 廣|あ、それと、試験前1週間も休みな。 長瀬 大輔|…で、またお前がボール磨き? 一条 廣|あいつらが合コンとか行ってる間、 ボクはボールと戯れますよ、どうせ。 一条 廣|ボール大好き。 一条 廣|あー…合コン行きてえ!! 長瀬 大輔|ほら、手伝ってやるから早く帰ろうぜ。 |手伝いを申し出る |空気を読まずに帰る 一条 廣|マジで!? お前、超いいやつ…オレ泣きそう。 |>一条はとても嬉しそうだ。 |>雑用を手伝ってから、帰ることにした。 一条 廣|ん、じゃあ気をつけてな! 一条 廣|また来いよな、絶対!! |>一条にやけに期待されている。 |>一条、長瀬と別れ、家に帰ることにした。 |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 一条 廣|腹減ったー… 一条 廣|鳴上、 愛家とジュネス、どっちがいい? |愛家 |ジュネス |自宅 |おっ、分かってるねー! あそこのホイコーロー定食がうまいんだよなー。 |>一条は目を輝かせている。 |あー、屋上の? |たまにはいいかもなー、安いし。 お好みペアセットがうまいんだよなー。 |>一条は目を輝かせている。 |え、なに、帰るって意味!? |>一条はスネ気味だ… 長瀬 大輔|一条、早くしろよ。 一条 廣|あ、サッカー部早いなー、終わんの。 一条 廣|後片付けとか、整備とか無いのか? 長瀬 大輔|しねーよ、んな面倒なもん。 一条 廣|ふーん… 長瀬 大輔|そう言や、ウチのクラスの女子が お前を探してたぞ。 長瀬 大輔|調理実習で何か作ったんだと。 “コーちゃん、甘いの好きだから”とかって。 一条 廣|甘いのは好きだけど… |うらやましい |嬉しくないのか? |面倒そうだな |まー、オトモダチ感覚だけどな。 |>一条は笑っている。 |やー、嬉しいよ。 いい人どまりだけど。 |>一条は肩をすくめている。 一条 廣|それはいいんだけど、 “コーちゃん”呼びだけは勘弁。 一条 廣|ヤダって言えば言うほど、 女の子ら盛り上がってさー。 一条 廣|“康”なんて名前、 ダッサいし嫌いなんだっつの… 長瀬 大輔|…で? 一条 廣|…もらってくる。 一条 廣|鳴上は、甘いもの好き? もらってこようか? |食べたい |遠慮する 一条 廣|お前が食うっつったら、 きっといっぱいもらえるぜ! 一条 廣|おっし、任せろ。 明日には太ってるぐらい、もらって来る! |>一条は張り切っている! 長瀬 大輔|バッカ、お前にやるっつってるモノ、 もらえるかってんだよ、なぁ? |>長瀬は呆れている… |けど、別に意味なんか無いしな、 オレにくれるのだって。 |鳴上が甘いもん好きなら、 あげたかったんだけど。 |>一条のさり気ない好意を感じる… |>一条との仲が、また少し 深まった気がした… 一条 廣|じゃ、行って来る。 一条 廣|長瀬も鳴上も、 勝手に帰んなよ!? 一条 廣|いなかったら泣くからな! 長瀬 大輔|なんでだよ… |>一条の帰りを待ち、 三人で寄り道をしながら帰った… |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 一条 廣|おっし! ボール磨きも掃除も終わったし… 一条 廣|メシ、食って帰るか! 長瀬 大輔|愛家に一票。 一条 廣|食いモンの話すると湧くな。 一条 廣|じゃー、着替えて愛家に行きましょうかね。 一条 廣|…ってダメだった!! 長瀬 大輔|何一人で盛り上がってんだよ。 一条 廣|悪い、用事思い出した。 一条 廣|今日は二人で行ってくれ。 ほんとごめん! 長瀬 大輔|あー… 長瀬 大輔|そっか、今日はあいつ、 “一条家”に行く日か… 長瀬 大輔|あ、えっと… まあ、お前ならいっか。 長瀬 大輔|つか、力になって欲しいしな… |>長瀬は何やら真剣だ… |>とりあえず、愛家で 話を聞くことにした… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 長瀬 大輔|一条のことなんだ。 |>長瀬はおもむろに話し始めた… 長瀬 大輔|こういうの、噂してるみたいで あんま好きじゃねーけど… 長瀬 大輔|…あいつの、力になってやって欲しい。 |どういうことだ? |できることであれば… 長瀬 大輔|ああ、ありがとう。 |>長瀬は真面目に頷いた。 長瀬 大輔|一条の、家のことなんだ。 長瀬 大輔|アイツ、一人暮らししてるんだが 実家もすぐ近くなんだ。 長瀬 大輔|だから今日みたいに、週一ぐらいで 顔出してる。 長瀬 大輔|で、この実家ってのが…名門…ての? すげー厳格で、しきたりとかあんだよ。 長瀬 大輔|あいつ見てる限り、そうは見えないが… 長瀬 大輔|一条家はバアちゃんが君臨しててさ。 誰も頭が上がんないらしいんだ。 長瀬 大輔|で、そのバアちゃんは、 一条がバスケやるの、反対してんだ。 長瀬 大輔|“野蛮だから”ってさ。 |ひどい話だ |ただのスポーツだ |気持ちは分かる 長瀬 大輔|まーなー… |>長瀬はため息混じりに頷いた。 長瀬 大輔|なんでも、“たしなんでいいスポーツ”と “ダメなスポーツ”があんだとさ。 |>長瀬はため息をついている。 長瀬 大輔|確かにケガとか絶えないし、 分かるっちゃ分かんだけど… |>長瀬はため息をついている。 長瀬 大輔|アイツ、昔っから色々、 辞めさせられてきたんだ。 長瀬 大輔|でも、バスケだけは辞めてない。 …諦められないんだ。 長瀬 大輔|だから、なんつーか… お前に、力になってやって欲しい。 |そう言われても… |任せろ |どうすれば? 長瀬 大輔|お前が部に出るだけで、違うんだよ。 アイツ、すっげー嬉しそうだし。 長瀬 大輔|だからなるべく、出てやって欲しい。 |>長瀬に頼み込まれた… 長瀬 大輔|ああ。 …お前に言って良かった。 |>長瀬はホッとしたようだ… 長瀬 大輔|ただ、部に出てくれりゃいいんだ。 長瀬 大輔|アイツ、お前が入って、すっげー嬉しそうだし、 お前の話ばっかしてるからさ。 |>長瀬は笑っている… 長瀬 大輔|…良かった、頼れるやつができて。 |>長瀬からの信頼を感じる… |>一条の心配をすることで、 二人との仲がまた深まった気がした… 長瀬 大輔|今日はオゴるから、食えよ。 長瀬 大輔|小遣い、使ったんだった… 長瀬 大輔|ザ、ザーサイ…オゴるから食えよ。 |>ひとしきり、学校の話で盛り上がった。 |>家に帰ることにした。 |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 |なんだ、他の奴らはもう帰ったのか? だからバスケ部は… |まあいい、 喜べ、マネージャーが入部したぞ。 |今まで交代で持ち回りだった仕事から 解放されるんだ、俺に感謝しろ! |じゃ、自己紹介だ。 海老原 あい|…海老原あい。 |じゃあ後は任せたぞ。 先生は先に帰る! 海老原 あい|…言っとくけどアタシ、やる気ないから。 海老原 あい|汗臭いアンタらの世話なんか 死んでも嫌。 一条 廣|えぇ? だったらなんで… 海老原 あい|出席日数足りないから。 マネージャーすれば、進級できるの。 海老原 あい|基本、来ないから アタシに色々頼んだりしないでよ。 海老原 あい|それじゃね。 一条 廣|…まあ、海老原の顔が見えた時点で、 無いなと思ったけどさ。 一条 廣|うしっ、メシ食って帰ろうぜー。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 一条 廣|こないだココ来れなかったからさー、 もー、夢に見たっつの。 長瀬 大輔|…どうだった? 一条 廣|…夢の内容? 一条 廣|って、違うか。 ウチのこと? 一条 廣|なんつーか、まー…複雑? |>一条は笑っている… 一条 廣|そいや、鳴上、 長瀬からウチのこと聞いたって? 一条 廣|すげーんだよウチ、こう見えて。 政略結婚とかアリアリだからねー。 一条 廣|こないだは社交場で挨拶回り。 このオレが、だぜー? |有りえない |意外に分かる |マジ、自分で時々笑いそうだよ。 |>一条は苦笑いをしている… |あ、オレの上流階級の空気、感じた? |>一条は軽口をたたいている… 一条 廣|だから、オレがこんなとこで食って、 こんな喋りしてんのって家の人には内緒。 一条 廣|家じゃ、勉強か茶道か習い事。 真面目でデキのいい“康様”ですからね。 長瀬 大輔|康様ぁ? 一条 廣|…だってそう呼ばれてるもんよ。 一条 廣|まー、苦労もあるけど、食わせてもらってるし、 小遣いももらってるしさ。 一条 廣|給料分は働かないとな。 長瀬 大輔|そういう言い方はねーだろ。 一条 廣|…けどそれも、もう終わりかも。 一条 廣|ウチって旧家だから、 代々継がなきゃいけないわけ。 一条 廣|で、今の当主…って父親だけどさ、 子どもいなくて。 一条 廣|一条家が潰れたら困るから、 孤児院からオレを引き取ったんだけど… 一条 廣|…なんつーかまあ、生まれたんだよね。 女の子。 一条 廣|一応、オレの妹になるわけだけど… 一条 廣|幸子つって、もうすぐ2歳。 すげー可愛いの。 |>一条の話し方は明るい… |良かったな |元気出せ |だろ? |>一条は笑っている… |なーによ、元気だっての。 |>一条は笑っている… 一条 廣|良かったよ、これで。 一条 廣|家を継ぐなんて面倒くせーし… ちゃんと、血が繋がった子が継ぐべきだろ。 一条 廣|なんか、変な空気? ほら、食おうって、な? 長瀬 大輔|…だな。 |>明るく話された打ち明け話に、 二人からの信頼を感じる… 一条 廣|こんな話よりさ、 オレのスーパーシュートの話でもしよっか? |>部活の話で盛り上がった。 |>家に帰ることにした。 |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 |>一条は来ていない… |>何か、急用でもあったのだろうか… |あー、つっかれた… もう帰ろうぜー! |>八十神高校 下駄箱… |>一条の下駄箱には、革靴が入っている… |>まだ学校内にいるようだ… |>少し、校内を捜してみよう… |>八十神高校 屋上… |>一条がいる… 一条 廣|部活、終わった? |とっくに終わった |サボるとはいい度胸だ |何があった? 一条 廣|そっか… 結構、長かったな。 一条 廣|知らなかった… |>一条は目を閉じた… 一条 廣|はは…たまにはいいだろ。 |>一条は笑っている… 一条 廣|何も無い… 一条 廣|や、ウソ、ある。 一条 廣|…大したことは無い。 |>一条は言葉を選んでいるようだ… 一条 廣|バスケ、好きか分かんなくなった。 一条 廣|好きにしろって、言われたんだ。 一条 廣|バスケやるの、あんだけ反対してた家の人が… 急に、バスケでも何でも、好きにしろって。 一条 廣|んで、朝一人で練習してたんだけど… 何も思わないんだよ。 一条 廣|楽しいとか、悔しいとか… 何も思わなかった。 |>一条は空を見上げている… 一条 廣|放課後、ずっとここいたんだ。 一条 廣|したら色んな部活の音が聞こえてきて… 一条 廣|…何でみんな、あんなに 楽しそうなんだろうなーとか思ってた。 一条 廣|みんな、急に遠く感じて… 一条 廣|あ、鳥。 一条 廣|…鳥はいーな。 あんな高いとこ飛べて。 一条 廣|オレ、何か… 海の底にいるみたい。 |しっかりしろ |ゆっくり休め |パーッと遊びに行こう |はは…悪い、意味分かんねーよな。 |オレも、何言ってるか… 何がしたいんだか、分かんねー… |>一条はため息をついた… |ああ…そうだな、別に、 何か結論が必要なわけじゃないし。 |たまにはこうしてサボんのも、いいしな。 |>一条は笑っている… |合コンでもする? |今ならオレのこの、何つーの、 アンニュイさ? イケそうじゃね? |>一条は皮肉な笑みを浮かべている… 一条 廣|次の部活は、ちゃんと行くよ… 一条 廣|捜しに来てくれたんだろ? …ありがとな。 |>一条は嬉しそうに笑っている… |>一条との仲が、また少し 深まった気がした… 一条 廣|オレ、もうちょっとだけ、ここにいる。 一条 廣|…今夜、親戚が来ることになっててさ。 心の準備、上手くできてないんだ。 一条 廣|仮面かぶんの、結構上手いんだけど、 たまにシンドイんだよね。 一条 廣|悪い…今は、一人にして。 |>空を見上げる一条と別れ、 家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 |>一条は、どうもやる気が無いようだ… 長瀬 大輔|うーす。 帰り、メシ食ってかね? 一条 廣|ん…あれ、もう部活終わり? 長瀬 大輔|俺んとこ? あと整備だけ。 一条 廣|いや、ウチの部… 一条 廣|終わったのか… 一条 廣|オレ、帰るわ。 長瀬 大輔|一条、熱でもあんのか? |そうかも |熱は無いが、やる気も無い 長瀬 大輔|だったら部活出てないで、早く帰れよ。 長瀬 大輔|やる気…? どうしたんだ? 一条 廣|オレって、バスケやるにしちゃ 背が低いじゃん。 長瀬 大輔|…まぁ、そうだな。 一条 廣|だから、背が高いヤツ抜いたりすんのが すげー楽しいの。 一条 廣|オレ自身の力って気がして。 一条 廣|家もお婆様も妹も… なんも関係ない、オレの力。 一条 廣|けど、それが何になるんだろうな。 一条 廣|結局、オレ一人頑張ったって 試合もできないしさ。 一条 廣|意味も価値も、何も無いよなー。 長瀬 大輔|一条…本気で言ってるのか? 一条 廣|帰る。 じゃな。 長瀬 大輔|どうしたんだ、アイツ… |>以前屋上で、一条から聞いた話を 話した… 長瀬 大輔|バスケ、反対されなくなったってんなら 喜ぶんじゃねーの、フツー。 長瀬 大輔|…? 長瀬 大輔|ぬあー! 俺、アッタマ悪いから分かんねーよ! 長瀬 大輔|けどアイツ、“意味無い”つったろ? “試合もできないし”って。 長瀬 大輔|だったら、試合やらしてやりゃ いいんじゃねーの? 長瀬 大輔|ウダウダ悩んでたって、 結局、何かやってみなきゃ解決しねーよ。 長瀬 大輔|だろ? |確かにそうだ |試合なんて無理だ |一条を助けよう |うっし、じゃあ、試合だな! |>長瀬は張り切っている。 |“無理”ってのは、 全ての手を打ってから初めて言える言葉だ! |…って、姉ちゃんが言ってた。 |>長瀬は恥ずかしそうに笑っている。 |助ける…ってのは大げさで照れんだろ。 |>長瀬は子どものように笑っている。 長瀬 大輔|それにしても、試合…って、どうやるんだ? 長瀬 大輔|…あ、いいこと考えた。 長瀬 大輔|なあ、そこの…おい! |なんだよ長瀬、入部希望? 長瀬 大輔|アホか。 長瀬 大輔|な、バスケ部で試合やるから、 相手校と日にち、決めといてくれ。 |やんねーよ! 長瀬 大輔|やるっつーんだよ、 お前がバイク通学してんの、チクるぞ。 |きったねー! 長瀬 大輔|るっせー。 長瀬 大輔|いいか、すぐだぞ、すぐ。 長瀬 大輔|他のバスケ部員も、何かしら弱み知ってっから 人数は揃うだろ。 |意外と策略家だ |恨みを買うかも |長瀬はどうする? |それ、褒めてねーよな! |>長瀬は笑っている。 |かもなー。 |>長瀬は気にしていないようだ。 |あー、全然忘れてたな… |>長瀬は笑っている。 長瀬 大輔|俺も、人数揃わなかったら、出るよ。 長瀬 大輔|バスケ、よく知らねーけど… いいよな? |>長瀬は笑っている… |>一条のためになればと、 二人で試合を計画した… |>また少し、仲が深まった気がした… 長瀬 大輔|じゃ、次の部活は試合だな。 長瀬 大輔|俺、人集めに行くから、 またな。 |>長瀬と別れ、家に帰ることにした。 |>八十神高校 体育館… |>今日は、長瀬と計画した 他校との練習試合がある… 長瀬 大輔|対戦校のヤツら、まだか? 長瀬 大輔|それに一条も、まだか? 一条 廣|長瀬? ここ、体育館だぞ。 長瀬 大輔|今日は俺も、バスケ部。 長瀬 大輔|お、来た来た。 長瀬 大輔|今から試合、するから。 一条 廣|ハァ!? 一条 廣|ちょ、だって、人数足りねーじゃん! 長瀬 大輔|ここに五人、いるだろが。 一条 廣|え、お前も!? 長瀬 大輔|いいか、お前一人で頑張ったって、 何もできないんだ。 長瀬 大輔|けど俺らがいるし、 こうして集まってくれた部員だっている。 長瀬 大輔|忘れんな。 |>練習試合が始まった… |>一条のスーパープレーが冴え渡る! |>だが、敵チームの動きも鋭く、 互角の勝負が続いている。 |>今日は体のキレがいい! |>粘り強く、敵チームの動きを封じた。 |>だが点差は0だ。 |>試合時間が残りわずかになった… |>長瀬の横をすり抜けた敵プレイヤーに、 得点されてしまった。 |>試合に負けた… |>八十神高校 屋上… |>試合の後、三人でやって来た… 一条 廣|負ーけちったな。 一条 廣|オレと鳴上、 神が乗り移ったみたいだったのに… 一条 廣|一人、トラベリング知らねーヤツが いたからなー。 一条 廣|“いいか、お前一人で頑張ったって、 何もできないんだ!” 一条 廣|とか、カッコいいこと言ってたなー。 長瀬 大輔|…るっせーよアホ! 長瀬 大輔|大体なぁ、俺らが試合したのだって… 一条 廣|ははっ。 分かってるよ、オレのためだろ? 一条 廣|うん、何か…スッキリした。 一条 廣|何つーか… 一人じゃないって、思ったよ。 |>一条は空を見上げている… 一条 廣|…最近、両親に申し訳なくてさ。 一条 廣|今の両親がオレを育ててくれたのって、 一条家を継がせるためじゃん。 一条 廣|けど、幸子が生まれてさ… きっと将来は、幸子が家を継ぐだろ。 一条 廣|そしたらさ、何の役目も無いし 血も繋がってないオレなんて… 一条 廣|いてもしょうがないっていうか… 育てる価値、全く無いじゃん。 一条 廣|…オレ、出てったほうがいいのかな。 |考えすぎだ |家で何か言われるのか? 長瀬 大輔|…そんなこと、 家で言われてるのか? 一条 廣|ううん、みんな優しいから、言わない。 一条 廣|オレが思ってるだけ。 長瀬 大輔|血が繋がってなきゃ、 本当の親子じゃないって思うのか? 一条 廣|…そりゃ、キレイ事だ。 長瀬 大輔|キレイ事って… 一条 廣|血が繋がってなくても親子なら、 なんで2歳の子に英才教育すんだよ! 家庭教師つけてさ! 一条 廣|オレにバスケしていいって、なんで言うんだよ。 一条 廣|習い事もやめていいし、 公の場に出なくていいって… なんで言うんだよ!? 一条 廣|オレがいらないってことだろ? もう、役目が終わったってことだろ!? 一条 廣|ごめん… お前らに怒鳴っても、仕方ねーのに… 一条 廣|今度…施設に行ってみる。 長瀬 大輔|施設って…お前がいたとこか? 一条 廣|そう、孤児院。 |何のために? |家出か? 一条 廣|本当の親のこと、聞こうと思って。 一条 廣|はは…違うよ。 一条 廣|本当の親のこと、聞こうと思って。 |聞いてどうする? |今さら会いに行くのか? |一緒に行く 一条 廣|分からない… 一条 廣|え…い、いいよ、 そんな迷惑、かけらんねーよ。 長瀬 大輔|お前がそうしたいなら、 そうすりゃいいよ。 長瀬 大輔|…帰ってくんだろ? 一条 廣|その、あ、ありがと、な。 一条 廣|今日の試合のこともさ… オレのためって、分かったから すげー嬉しかった。 |>一条は照れながら笑っている。 |>長瀬との計画は 功を奏したようだ… |>また少し、仲が深まった気がした… 一条 廣|…負けたけどな、試合。 長瀬 大輔|るせっつの。 長瀬 大輔|アレだよ、“試合に負けて勝負に勝つ”。 一条 廣|何も勝ってねーし。 |>久しぶりに、 一条、長瀬と話し込んで帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 体育館… 一条 廣|鳴上… 一条 廣|今から、その… 一条 廣|施設、行って来るから。 それ言っとこうと思って… 一条 廣|…じゃ。 |>一条を見送り、 部活動を行った… 長瀬 大輔|うーす…あれ、一条は? |>施設へ行ったことを伝えた… 長瀬 大輔|今日? そっか… 長瀬 大輔|ちっと、心配だよな… |何が? |迎えに行こう |あいつ、家が絡むと 途端に弱いっつか、ダメっつか… |自分、追い込むからなぁ。 |>長瀬はため息をついている。 長瀬 大輔|…ショボくれた顔でも拝みに行くか。 |そっか、それがいいな。 |>長瀬は大きく頷いている。 長瀬 大輔|よし、もう行くぞ。 練習切り上げろ。 |>長瀬と一緒に、 駅まで一条を迎えに行くことにした。 |>八十稲羽駅 駅前… 一条 廣|なんだよ、二人とも… |平気か? |何か分かったか? |心配して、来たのか? わざわざ? |…ヒマ人め。 |>言葉に反し、一条は嬉しそうだ。 |…いや、まだ…って、 心配して、ここまで来たのか? |…ヒマ人め。 |>言葉に反し、一条は嬉しそうだ。 一条 廣|建物も先生らも全然、変わってなくてさ、 何かすっげー、歓迎されちゃった。 一条 廣|…けど、本当の親とか、 あそこに預けられた理由とかは、 教えられないって。 長瀬 大輔|そうか… 一条 廣|でも、これ、もらった。 一条 廣|一人だと何か、怖くて、 まだ読んでないけど… 一条 廣|オレを孤児院に預けた人からの、手紙だって。 一条 廣|よ、読むぞ… 一条 廣|康くん、これを読んでいるあなたは さぞ、大きくなったことでしょうね。 一条 廣|あなたの名前の“康”は、あなたのご両親が、 あなたに、ただ健康であって欲しいと願って 付けました。 一条 廣|偉くなったり、お金持ちになったりするより、 ずっと、大事で、大変なことです。 一条 廣|体の弱かったあなたのご両親は、 あなたが園に入って半年ほどで、 お二人とも亡くなりました。 一条 廣|“育てることができなくてごめんなさい” と、ずっと言っていました。 一条 廣|“愛してる”と、ずっと言っていました。 一条 廣|あなたは、ご両親の希望の光です。 一条 廣|辛いことがあっても、くじけてはいけません。 胸を張って進みなさい。 一条 廣|あなたを見守っています。 一条 廣|名前、無し。 手がかり、無し。 一条 廣|死んでたんだな…ホントの親。 一条 廣|予想はしてたけどさ… やっぱ、ショック、かな。 一条 廣|繋がり…無くなってたんだな。 |そんなことは無い |どういう意味だ? |…そうかな、まだあんのかな。 よく、分かんねーや… |>一条は苦笑いをしている… |オレをこの世に作った人らが いなくなってるなら… |オレは今、一人ぼっちなんだな、って。 |いや、えっと、んー… よく、分かんねーや… |>一条は苦笑いをしている… 一条 廣|けど、知って良かった。 一条 廣|…知れて、良かった。 一条 廣|ありがとな… |>一条は弱々しくも、笑っている… |>一条の支えになれたようだ… 長瀬 大輔|そろそろ、暗くなるな。 長瀬 大輔|帰ろうぜ… お前のこと心配してる人、他にもいるだろ。 |>一条を送ってから、 長瀬と別れて家に帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 |>鮫川… |>三人で帰宅する帰り道、 川を見たいという一条に連れられて来た… 一条 廣|ここ… 一条 廣|一条の家に引き取られて 初めてこの町来た時、ここ歩いたんだ。 一条 廣|晴れた夕方で… 陽が当たって、川がキラキラしてた。 一条 廣|すげーキレイでさ、 それ見たとき、オレ… 一条 廣|“一条家の子として、生きよう”って思った。 一条 廣|“今までの自分は、死んだ”って… 思おうとした。 長瀬 大輔|…ガキん頃だろ? 一条 廣|そう。 生意気? 一条 廣|…けど子どもだって、 色々考えてんだぜ。 一条 廣|でもさ、オレは“一条家の子として”なんて 生きちゃいなかった。 一条 廣|ただ、それっぽい仮面をかぶってただけ。 一条 廣|…上手く仮面を被れなくなった今は、 舞台から降りるしかないよな。 |家を出る気か? |どういう意味だ? |一人で結論を出すな |分からない… |ここまで育ててもらっといて、 一人で決めるわけにいかないし… |>一条は遠い目をしている… |…どういう意味だろうな。 |オレ自身、どうしていいか分からないよ… |>一条は遠い目をしている… |ん…まだ、結論は出してない。 |それに、お前らに相談しないで どっか行くとか、しないから。 |>一条は優しく笑っている… 一条 廣|何か、気ィ抜けたんだ。 ホントの親が死んでるって分かって。 一条 廣|根っこ…みたいのが、 やっぱ無いんだなーオレには…とか思って。 長瀬 大輔|今度、墓参りでも行くか。 一条 廣|分かんないんだ、お墓とか。 一条 廣|手紙もらったけど、差出人書いてなかったし、 親の名前もノーヒント。 長瀬 大輔|あの手紙、お前を預けた人から、なんだろ? 長瀬 大輔|てことは、えーと? 10年以上前から、保管されてたってことか。 長瀬 大輔|10年前じゃ、誰かに聞いたって… 一条 廣|10年前… 長瀬 大輔|…持ち歩いてんのか。 一条 廣|や、ほら、家の人が見たら 気まずいかなって… 一条 廣|…あれ? 一条 廣|宛名の“康様”って字、にじんでる。 手で擦っちゃったみたいな… 長瀬 大輔|…慌てて書いたってことか? 一条 廣|…それに、封筒のカドで 手が切れそうなんだけど。 一条 廣|…どう思う? |大事に保管されてた? |中身がすりかえられた? |最近書かれた? |や、いくらなんでも、10年以上前の手紙が こんなキレーなワケ無いよ… |…つまりさ、 この手紙、最近書かれたんじゃないか? |>一条は真剣な顔をしている… |それが、封筒と便せんに同じ絵が描かれてる。 |…つまりさ、 この手紙、最近書かれたんじゃないか? |>一条は真剣な顔をしている… |…だよな。 |>一条は真剣な顔で頷いている… 長瀬 大輔|…どういうことだ? 一条 廣|たぶん…施設の、オバチャン先生が書いたんだ。 一条 廣|オレが尋ねてった時… きっと、悩んでるの分かって… 長瀬 大輔|お、落ち込むなよ。 偽モンでも…や、偽モンつったらアレだけど! 長瀬 大輔|騙すつもりとか、そういうんじゃ… 一条 廣|違う… 嬉しいんだよ、オレ。 一条 廣|優しい人がいるなと、思って… 一条 廣|この手紙の内容、本当かもしれないし、 先生の優しい嘘かもしれないけど… 一条 廣|生んでくれた人がいて、 育ててくれた人がいて… 一条 廣|こうやって、見守ってくれる人がいて… 一条 廣|オレ、誰とも繋がってないと思ってた… 一条 廣|でも…そうじゃないんだよな。 長瀬 大輔|…遅ェよバカ。 一条 廣|うっせ、お前のがバカだろ。 長瀬 大輔|俺らがいるっつってんだろバカ。 一条 廣|…バカっつった方がバカだからな! |>一条は真っ赤な目で、笑っている… |>一条の支えになれたようだ… 長瀬 大輔|…ヒデー顔。 長瀬 大輔|何なら、泳いでくか? 昔みたいに。 一条 廣|そう言や、お前とここで遊んだっけ。 一条 廣|行っとく? |イヤだ |もう帰る 長瀬 大輔|問答無用! 一条 廣|ギャー、冷てえ!! |>一条、長瀬と川で遊んで帰った… |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 体育館… |>部活動を行った。 一条 廣|鳴上…オレさ、 もう少し、バスケ続けてみるよ。 一条 廣|それから勉強も、習い事も… 全部、ちゃんとやってみようと思う。 |張り切りすぎ |一条ならできる 一条 廣|ははっ。 大丈夫、手を抜くのも上手いから。 一条 廣|うん…サンキュ。 一条 廣|今まではさ、どーも義務感があって、 “それなりに”やってるだけだった。 一条 廣|けど、何でも、 自分の力って出せるはずだよな。 一条 廣|次期当主の“いいお兄さん”に なれるよう、頑張んなきゃな。 |>一条は明るく笑っている… 一条 廣|後で、ちょっといいか? 渡したいものがあるんだ。 |>八十神高校 屋上… |>一条に言われ、長瀬と共にやって来た… 一条 廣|オレ、聞いてみたんだよね。 一条 廣|両親と、お婆様に… “オレ、いらない子じゃないよね?”ってさ。 一条 廣|したら、すっげー怒られた。 一条 廣|お母さん、泣かしちゃった。 “当たり前でしょ、バカ!”って。 一条 廣|もうオレ、何回バカバカ言われてんのよ。 長瀬 大輔|しょうがねーよな、バカだから。 一条 廣|まあ確かに、バカだなって思ったよ。 一条 廣|全然、分かってなかった… ていうか、分かった気になってた? 一条 廣|人に囲まれて、オレがある…てこと。 一条 廣|そう言うのってさ、 よく小説とか歌詞とかに出てくるじゃん。 一条 廣|だから知ってて… それを“分かった”と思ってた。 一条 廣|けど… 一条 廣|全然…違うんだよな。 本当に“分かる”ってこと。 一条 廣|お前らがいなきゃ、 ずっと分からなかったと思う。 一条 廣|分かったフリで、お終いにしてたと思う… 一条 廣|だから… 一条 廣|ありがとう。 長瀬 大輔|…お前って結構、恥ずかしいこと言うよな。 一条 廣|まーな… 一条 廣|ついでに、これ。 一条 廣|オレがもらった、手紙。 持ってて欲しいんだ。 長瀬 大輔|いや…これ、もらうわけにいかねーよ… |一条に返す |受け取る 一条 廣|あげるわけじゃない、 ただ、預かって欲しいんだ。 一条 廣|鳴上と長瀬に、持ってて欲しい。 長瀬 大輔|や、けどさ… 一条 廣|オレが、一人じゃないって忘れないために。 …頼むよ。 長瀬 大輔|分かった。 けど、預かるだけだからな。 一条 廣|オレが、もっとちゃんと立てるようになったら 返して欲しい。 一条 廣|だから、まあ… そん時まで、そばにいろよな。 |>一条、長瀬との間に、 厚い友情を感じた… |>三人で、楽しく語り合って過ごした。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 体育館… |>部活動に粘り強く取り組んだ… 柏木 典子|あらぁ? ここ、職員室だけど…私に会いに来たのぉ? 柏木 典子|部活に入りたいの、ふぅん。 いいんじゃない? 若者の汗、素敵よぉ。 柏木 典子|アンタ転校生だから、途中入部かぁ… じゃ、あんまり入れるとこ無いけどぉ。 柏木 典子|ま、アタシの力で入れてあ・げ・る。 お礼は体で…やーね、冗談よ。 柏木 典子|運動部と文化部の掛け持ちならできるわよぉ。 どこに入りたいのぉ? |サッカー部 |バスケ部 |演劇部 |吹奏楽部 |やっぱりやめる 柏木 典子|…って、もう手続きしたじゃないのぉ。 柏木 典子|んもう、先生をからかうつもり? 悪い子! お帰んなさい! 柏木 典子|…あらぁ? バスケ部に手続きしたじゃないのぉ。 柏木 典子|運動部同士の掛け持ちは、ダ・メ・だ・ぞ! 柏木 典子|サッカー部ね、はいはい… 手続きしておくわぁ。 柏木 典子|えーと活動曜日は、月・火・木・土の雨以外。 自分でグラウンド行って入部してちょうだいよ。 柏木 典子|それじゃ、たっぷり汗流してね。 柏木 典子|…あらぁ? サッカー部に手続きしたじゃないのぉ。 柏木 典子|運動部同士の掛け持ちは、ダ・メ・だ・ぞ! 柏木 典子|バスケ部ね、はいはい… 手続きしておくわぁ。 柏木 典子|えーと活動曜日は、月・火・木・土の雨以外。 自分で体育館行って入部してちょうだいよ。 柏木 典子|それじゃ、たっぷり汗流してね。 柏木 典子|…あらぁ? 吹奏楽部に手続きしたじゃないのぉ。 柏木 典子|文化部同士の掛け持ちは、ダ・メ・だ・ぞ! 柏木 典子|あ、忘れてた。 文化部は5月2日からじゃないと入れないのよぉ。 柏木 典子|また今度来てね、うふっ。 柏木 典子|演劇部ね、はいはい… 手続きしておくわぁ。 柏木 典子|えーと活動曜日は、月・火・金ね。 自分で部室探して入部してちょうだいよ。 柏木 典子|それじゃ、がんばってね、うふっ。 柏木 典子|…あらぁ? 演劇部に手続きしたじゃないのぉ。 柏木 典子|文化部同士の掛け持ちは、ダ・メ・だ・ぞ! 柏木 典子|吹奏楽部ね、はいはい… 手続きしておくわぁ。 柏木 典子|えーと活動曜日は、月・火・金ね。 自分で部室探して入部してちょうだいよ。 柏木 典子|それじゃ、がんばってね、うふっ。 柏木 典子|あらぁ、先生の顔見に来たってことぉ? おませさんね、うふっ。 |>八十神高校 グラウンド… |>サッカー部の見学をした。 長瀬 大輔|ナイパスー! 長瀬 大輔|次、ダッシュ行くぞー! |…というわけで、今日からお前らの仲間だ! 鳴上 悠、知ってるよな? |都会からの転校生、か。 素晴らしい活躍をしてくれるに違いないな! |これで我がサッカー部も安泰だ! なんなら部長にするか? ん? |>部員たちのささやき声が聞こえてくる… |都会の… |向こうのサッカー部… |都会育ちか… |俺らをナメてんじゃ… |どうせ、こっちが田舎だからって… |ほら、お前も挨拶せい。 |どうも… |よろしく! |新部長の鳴上です |…よろしく。 |>あまり、好意的ではないようだ… |…うす。 |>あまり、好意的ではないようだ… |>完全に引かれてしまった… |じゃ、ランニングからだな! 鳴上、お前は今日は見学しておけ。 |活動日は火・木・土雨なら中止だから、覚えておくように。 |それと、試験前1週間も休みだから しっかり勉強もするように! |>部員たちは、興味無さそうに グラウンドに散らばって行った… 長瀬 大輔|…あのさ。 長瀬 大輔|気にすんなよな。 一緒にサッカー、やろうぜ。 長瀬 大輔|俺、長瀬大輔。 同じ2年だから。 よろしくな。 一条 廣|ながせー、今日さー… 一条 廣|あ、転校生じゃん。 サッカー部入ったのか? 一条 廣|へー、そうなんだ。 サッカー部、弱小だから頼むよ。 長瀬 大輔|うっせ! お前んとこだって似たり寄ったりだろうが。 長瀬 大輔|こいつ、バスケ部の一条。 同じ2年生な。 一条 廣|一条康。 バスケ部のホープにして希望の星。 長瀬 大輔|同じ意味だろ… 一条 廣|こう見えてオレ、頭いいから テストとか任せていーぜ。 一条 廣|…てか、転校生は頭いいのか? 長瀬 大輔|転校生って呼んでたら可哀想だろ。 長瀬 大輔|…さっきもウチの部のやつらが 色々言ってたしよ。 一条 廣|あー、都会モンには負けねー! みたいな? 泣かせるなー。 長瀬 大輔|笑い事じゃ… 一条 廣|まあ、実力あれば文句言わないっしょ。 一条 廣|鳴上、サッカー経験は? |バッチリ |ちょっぴり |無論、ゼロ 一条 廣|んじゃ、楽勝じゃね? 一条 廣|んー、 じゃあちょっと時間かかるかもな。 一条 廣|ははっ。 無論てなんだよ無論て。 |>バスケ部の一条康、 サッカー部の長瀬大輔と知り合いになった。 |>彼らは、周りの視線を気にせず 歓迎してくれた… |>二人との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 長瀬 大輔|やべ、今日のノルマ終わってねえ。 長瀬 大輔|鳴上。 ちょっと待ってろ、一緒に帰ろうぜ。 一条 廣|オレも着替えてくるわ。 じゃー、後でな。 |>部活の見学を終え、 長瀬、一条と一緒に帰った。 |>八十神高校 グラウンド… |あ、鳴上。 グラウンドの整備と、片付けしてから帰れよ。 |分かった |なんで自分が? |じゃ、よろしくな。 |…普通、新しく入ったヤツの仕事だろ。 やっとけよな。 長瀬 大輔|…? 長瀬 大輔|あいつら、なんだって? |>グラウンドの整備と、片付けを することになったと伝えた。 長瀬 大輔|なんだそれ? 今まで、皆で交代でやってたのに… 長瀬 大輔|いーよ、やんなくて。 帰ろうぜ。 一条 廣|うーす。 あ、今日はサッカー部のほうが早い? 一条 廣|って、どしたんだ? |>グラウンドの整備と、片付けを することになったと伝えた。 一条 廣|分っかりやすいな、お前らんとこ… 一条 廣|けどまー、やったほうがいいと思うよ。 長瀬 大輔|あいつらが勝手に… 一条 廣|だーから、やっておいてあげるんだって。 処世術よ。 一条 廣|ほら、手伝ってやるから ちゃちゃっとやろうぜ。 |>三人で後片付けをした。 一条 廣|ううおークッタクタ… 長瀬 大輔|張り切ってボール磨きまでするからだ。 適当にやればいいだろー? 一条 廣|いやー、意外と手ェ抜けないのよね。 長瀬 大輔|けど三人だと、思ったより早かったな。 |ありがとう |頼んでない |おう。 |>長瀬は嬉しそうだ。 |そういう言い方はないだろー? |>長瀬はムッとしている… 一条 廣|ははっ。 照れてんだって。 一条 廣|んじゃー、ラーメン食べて帰るか。 |>二人に手伝ってもらったおかげで、 後片付けはすぐに終わった… |>二人のさりげない優しさを感じた… |>中華食堂に行くことにした。 |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 一条 廣|そう言や、さっきもいなかった? 1年の女子。 一条 廣|長瀬のこと、すっげー見てたぜ。 キャー! 蹴った! とか言って。 一条 廣|そりゃ蹴るっつのな。 長瀬 大輔|…気付かなかった。 一条 廣|え、もったいねーの。 長瀬 大輔|それより、鳴上。 今度から部活、残って練習しないか? 長瀬 大輔|見返してやろうぜ、あいつら。 一条 廣|あ、それいいかもな。 見直したらサッカー部の仲間として 認めるんじゃね? 長瀬 大輔|だろ? じゃ、次から決まりな。 長瀬 大輔|お前も手伝え、一条。 一条 廣|サッカー部のことだろ… |>部活の話で盛り上がった。 |>…家に帰ることにした。 |>八十神高校 グラウンド… |鳴上。 今日も片付け、よろしくな。 長瀬 大輔|またか? 長瀬 大輔|まあ今日は片付けの前に、 特訓、だな! 一条 廣|なんだ、まだやってなかったのか? 一条 廣|しょうがねーな… 一条 廣|オレ、球出せばいいの? 長瀬 大輔|テニスじゃねえし。 ディフェンダーとしてあのへんに… 一条 廣|あ、ディフェンスね。 おっけ、オレ得意。 リバウンドね。 |>自分のために、長瀬と一条が 特訓に付き合ってくれることになった… |>二人のさりげない優しさを感じる… |あっ、あの、な、長瀬クン! |部活、終わったんでしょ? い、一緒に… 長瀬 大輔|終わってないから。 じゃ。 |あ、えと…待ってようかな? 迷惑…? 長瀬 大輔|…迷惑。 気が散る。 長瀬 大輔|ほら、さっさと始めるぞ、鳴上。 一条 廣|ご、ごめんね、アイツ、ほら、硬派だからさ。 許してやって? 一条 廣|あーあ… 一条 廣|…じゃ、まあ、やるか? |>三人で特訓した… |>後片づけを手伝ってもらい、 家に帰ることにした。 |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 グラウンド… |集合したかー。 喜べ、マネージャーが入部したぞ。 |今まで交代で持ち回りだった仕事から 解放されるんだ、俺に感謝しろ! |じゃ、自己紹介だ。 海老原 あい|…海老原あい。 |じゃあ後は任せたぞ。 先生は先に帰る! 海老原 あい|…言っとくけどアタシ、やる気ないから。 海老原 あい|汗臭いアンタらの世話なんか 死んでも嫌。 |え、じゃあどうして… 海老原 あい|出席日数足りないから。 マネージャーすれば、進級できるの。 海老原 あい|基本、来ないから アタシに色々頼んだりしないでよ。 海老原 あい|それじゃね。 |なんだアレ… |けど確かに、 海老原さんに洗濯とかさせらんないし。 |敬語になりそうじゃね? 同じ2年なのに。 |あー、なるなる。 つか、イジメて欲しくなる。 |ねーよ! |>部員たちは “海老原あい”のことで盛り上がっている… |あれ長瀬、海老原さん興味無い感じ? 長瀬 大輔|無い。 全然。 |マジ? 性格はアレだけど、すっげ可愛くね? 長瀬 大輔|…女、苦手。 |男は? |うっわ、やめろよ~! |あ、けどさ、長瀬って中学んとき、 付き合ってた女いただろ? |そっか、長瀬は理想が高すぎんだ。 |モテるやつは悩みが違うねー。 長瀬 大輔|…女ってさ、面倒なだけじゃねえか? |確かに |そんなことは無い |モテるヤツの自慢? |お、分かってくれる? |>長瀬は嬉しそうだ。 |…俺に、包容力? みたいのが無いだけか? |>長瀬は首を捻っている… |あ、いや… んなつもり、ないけど。 |>長瀬は居心地悪そうだ… 長瀬 大輔|…話したことも無いのに告白とかしてきて、 俺の何を知ってるんだっつの。 一条 廣|そっち終わった? 今日もあれだろ、特訓&片付け。 一条 廣|やってやろーじゃんかよ! 長瀬 大輔|…あー。 長瀬 大輔|ハハッ。 そうだな、やるか。 |>特訓の時間だ。 今日も付き合ってくれるようだ。 |>長瀬、一条との仲が深まった気がする… |>特訓後、片づけをしてから 家に帰ることにした。 |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 グラウンド… |よーし、今日は紅白戦やるか。 気合入れてけよー! |>練習試合を行った。 |>特訓の成果が、今…! 長瀬 大輔|お! |うおお! なんだアレ!? |おっし! 鳴上にパス回せ! |すっげーな、鳴上。 足、見えなかったぜ。 |来年の大会とか、いいトコ行けるんじゃね? |いやー、ウチ入ってくれて助かるわー。 |>大活躍したおかげで、 サッカー部の仲間として認められたようだ。 |>これも特訓の成果だろうか… |>ここも霧に覆われている… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>バスケ部の終わりを待って、 三人でやってきた… 一条 廣|へー、すっげーな。 特訓の成果、出ちゃったのか。 |あいつらの顔、見せてやりたかったぜ。 |で、雑用ももうやんなくていいってさ。 “仲間”の一員だからな。 |>長瀬は自分のことのように嬉しそうだ… 一条 廣|おー、ならオレもやっと開放? 一条 廣|部活の後、そっちでボール磨くの キツかったもんなー。 長瀬 大輔|一条にも世話んなったな。 |長瀬のためじゃ無いっつの。 |けどさ、鳴上。 ホント良かったな! |>一条も自分のことのように嬉しそうだ… |おかげさまで… |まだまだこれからだ |お前の頑張りが実を結んだだけだろ。 |>長瀬はうなずいている。 |お、すげーやる気。 ならウチの部、お前に任すからさ。 |>長瀬は笑っている。 一条 廣|じゃ、打ち上げと行くか! 一条 廣|オレ、マーボーライス追加で。 鳴上、お前にもおごっちゃるぞ。 |>三人で特訓の打ち上げをした… |>また少し、仲が深まった気がした… 長瀬 大輔|俺、チンジャオロース定食。 ピーマン抜きで。 一条 廣|…それ肉のみだろ。 一条 廣|だったらさ、いっそ… |>料理の話で盛り上がり、 楽しい時間を過ごした… |>八十神高校 グラウンド… |長瀬、どっか悪いのか? 長瀬 大輔|何が? 一条 廣|おっ、今日はバスケ部のが早かったな! |長瀬、動きがイマイチだぞ。 さっきも簡単にゴール決められたろ。 長瀬 大輔|…本気出せばスゴイんだって。 |おっまえ、本気出せよな~。 一条 廣|本気でやれよ、お前。 一条 廣|…じゃなきゃ、 勝負が付くスポーツなんかやめれば? 長瀬 大輔|一条… 何お前、急に… 一条 廣|分かんねーと思うのか? |ま、まあまあ。 長瀬 大輔|どういう意味だよ? |>空気がピリピリしている… 一条 廣|自分に聞けば? |おらー。 何やってんだお前ら。 |…長瀬、基礎連3セットやって帰れ。 はい、体育館へダッシュ。 |元気? 長瀬 大輔|…割と。 |ね、今度さぁ… |おらー! 5セットやってけ! |あ、ごめん。 私のせい? 長瀬 大輔|別に。 練習不足だったから、ちょうどいい。 |…そっか、それじゃ。 一条 廣|…悪いな。 なんかフインキ悪くして… 一条 廣|あのさ。 オレ、お前に相談があるんだ。 一条 廣|…あいつのことで。 一条 廣|今日はオレ、家の用事あるから… 今度、聞いてくれるか? |分かった |長瀬と一条のためなら |面倒なことじゃなければ… |>相談に乗ると約束した… |…サンキュ。 |>一条はホッとしたように笑った。 |>一条にとって、 重要なことなのかもしれない… |…ああ、ありがとな! |>一条はホッとしたように笑った。 |>一条にとって、 重要なことなのかもしれない… |別にお前の迷惑にはならない… と、思うよ。 |>一条は困っているようだ。 |>一条にとって、 重要なことなのかもしれない… 一条 廣|あいつ、鳴上のこと 気に入ってるみたいだしさ。 一条 廣|オレも、長瀬のこと相談できるやつ、 お前しかいないと思ってるから。 |>一条からの信頼を感じる… |>一条、長瀬との絆を感じた… 一条 廣|あ、悪ィ。 オレもう行かなきゃ。 一条 廣|じゃあな、また今度。 |>部活を終え、家に帰ることにした。 |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 グラウンド… 長瀬 大輔|今日、日誌当番だから 先帰ってくれ。 |分かった |待ってる 長瀬 大輔|…あ、ちょうど。 長瀬 大輔|んじゃな。 長瀬 大輔|そうか? 長瀬 大輔|…あ。 長瀬 大輔|やっぱいーや。 んじゃな。 一条 廣|お、なんだよあいつー。 今さら反抗期か? 一条 廣|まあ、ちょうどいいっちゃいいや。 お前に話があるんだけど。 一条 廣|マーボーライスで手を打ってくれ! |分かった |どうしようかな… 一条 廣|マジ? じゃ、大盛りでいいよ! |>一条は嬉しそうだ… |>駆け引きをしてみた… 一条 廣|う…じゃあ、ギョーザも付ける…! |>一条は悔しそうだ… |>一条の話を聞きに、 場所を移動することにした。 |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |話っつーのはさ… 長瀬のことなんだけど。 |>一条は真面目な顔で話し始めた… 一条 廣|…あいつさ、手ェ抜いてるだろ? サッカー。 一条 廣|昔は、あんなんじゃなくてさ… 一条 廣|サッカーのために死ねるってぐらい マジだったし。 一条 廣|ボールなんて片時も手放さないでさ… 一条 廣|それが、なーんか今は適当っていうか… 一条 廣|一生懸命やるのが、かっこ悪いとか 思ってんのか知らんけどさ… 一条 廣|お前の特訓に、あいつ、 力入れてただろ? 一条 廣|…お前に上手くなって欲しい、 部に溶け込んで欲しいっていう… 一条 廣|“善意”は嘘じゃないと思うけど… 一条 廣|…半分は、自分がやれないことを、 お前にやらせてるっていうか… 一条 廣|…ごまかしてる気がする。 |見てて、すげームカつくよ… |>一条はため息をついている… 一条 廣|そんななったの、いつからだろうな… 一条 廣|…そう言や、長瀬の女嫌いも急にだぜ? 一条 廣|前は、フツーに女の話とかしてたし。 一条 廣|…な、関係あると思うか? |あると思う |どうだろう |何の話? 一条 廣|やっぱ、お前から見てもそうか… |>一条はうなずいている… 一条 廣|んー… 分っかんねーなー… |>一条は首をかしげている… 一条 廣|バッカお前、 長瀬の手抜きと女関係について! だろ? |>一条は呆れている… 一条 廣|あいつ、ぶっきらぼうだけど、 基本的に、人当たりも面倒見もいいじゃん。 一条 廣|けど、女の子にだけ超冷たいっていうか、 思ってもないこと言うんだよなあ… 一条 廣|お前だから言うけどさ… |>一条は重々しく話し始めた… 一条 廣|長瀬、中学ん時に彼女がいたんだよ。 一条 廣|けど、手も握んなかったんだって。 一条 廣|したら、彼女のほうから 別れを切り出してきたらしくてさ。 一条 廣|“私のこと、好きじゃないんでしょ”って… なんかビンタされたって。 一条 廣|んで、あいつ“好きとか良く分かんねー”って 言っててさ、未だに。 |…このまま、爺ちゃんになる予定だな。 |>一条はため息をついている… 一条 廣|どう思う? |問題だ |長瀬の勝手だ 一条 廣|うん、オレもそう思うんだよ。 |>一条はうなずいている… 一条 廣|それはそうなんだけど、 なんつーか… 一条 廣|ホントにあいつが、 そうしたくてしてるのか…ってことだよ。 一条 廣|まあ、それも勝手っちゃ勝手だけど… |>一条は本気で長瀬を心配しているようだ… 一条 廣|んあっ! 一条 廣|思いついちゃった、いいこと。 一条 廣|な、乗るよな? 力になるよな? |>一条に期待のまなざしで見られている… |乗る |乗らない |>…とは、とても言えない状況だ。 |>渋々、乗ることにした… 一条 廣|おっし! そうこなくっちゃな! |>一条は喜んでいる… |>二人で心配をすることで、 長瀬との絆も感じた… 一条 廣|じゃあ今度誘うから。 キレイなパンツはいて来いよな! |>少々、下品な話で盛り上がり、 楽しい時間を過ごした… |>部活に向おうとしたところを 一条に呼び止められ… |>沖奈市 沖奈駅前… 長瀬 大輔|…で、ここに何の“急用”があんだよ? 長瀬 大輔|俺ら、部活サボって来たんだから、 ちゃんと説明を… |あ、いたいた、康ちゃーん。 一条 廣|やほー。 ごめんね、急に呼び出して~。 |ヒマだったし、別にいいけどー。 長瀬 大輔|どういうことだよ…? 一条 廣|合コン以外の何だよ。 長瀬 大輔|はぁ!? 聞いてねーし! |>他校の女子生徒たちの話が 途切れ途切れに聞こえてくる… |八高ってことは、バスで来たわけ? |超イナカのとこでしょ? もう帰れなかったりして。 |やっだ、お持ち帰られ前提? やらしい~。 |けどぉ、三人とも結構よくね? 長瀬 大輔|…帰る。 一条 廣|え、ちょ、待てって! 一条 廣|ご、ごめん、今日やっぱ無しで! |>ここも霧に覆われている… |>気まずいまま三人でバスに乗り、 帰ってきた… |>土手… 一条 廣|待てってば! 長瀬 大輔|お前に合コンして欲しいなんて 頼んだ覚え、ねーけどな。 長瀬 大輔|お前が急用だっつーから 行ってやったのに… 長瀬 大輔|女作りたいなら一人で行け。 巻き込むな…迷惑だ。 一条 廣|お前のためだろ! 一条 廣|お前が“女なんて面倒くせえ”みたいな フリしてっから… 長瀬 大輔|フリって何だよ!? |>二人の言い合いは白熱していく… |二人を止める |黙って見ている |煽ってみる |あ…悪い。 言い合いしてても、伝わんねーよな… |>一条はすまなそうに頷いた。 |おーおー、こーなったら 言わせてもらうけどなあ! |>一条の勢いが一層増した! 一条 廣|お前、怖がってんだよ! 怖がってるだけなんだよ! 長瀬 大輔|怖がってるって…何に。 一条 廣|女の子だよ! 一条 廣|また自分を否定されるんじゃないかって お前、怯えてるんだろ? 一条 廣|女の子に冷たいのも、自分から先に嫌われれば 嫌われても傷つかないって思ってんだろ? 一条 廣|サッカーだってそうだよ! お前、手ェ抜いてんだろ! 一条 廣|本気でやって、挫折すんのが怖ェからだ! 一条 廣|本気でやって、報われなかったとき、 自分が傷つくのが怖ェんだよ! 長瀬 大輔|なっ…か、勝手に想像で言うんじゃねーよ! 一条 廣|傷つかない一生なんて、楽しいのか? お前それで、何が得られるんだよ? 長瀬 大輔|てめえに俺の人生のことなんか 言われたくねーよ! 長瀬 大輔|俺の勝手だろ! お前らに関係ねーし! |関係ある! 一条 廣|あるに決まってんだろーがー!! 一条 廣|オレはお前の何なんだよ!? 鳴上は、お前の何なんだよ!? 一条 廣|お前は、オレや鳴上の、何なんだよ!? 一条 廣|テメーの人生に、オレや鳴上が 関係ねーわけ、ねーだろバカっ!! 長瀬 大輔|悪い… 長瀬 大輔|そうだよな… 長瀬 大輔|一条の言う通りなんだよな… 長瀬 大輔|女は面倒くせーは面倒くせーけど、 嫌いっていうより…怖いんだろうな。 長瀬 大輔|好きとか言って寄って来て、 何考えてるか分からないとか、勝手に ガッカリされて、見限られて離れてって… 長瀬 大輔|俺って何なんだろーとか思わされる… 一条 廣|あの子のことだろ、中学んとき付き合ってた… 長瀬 大輔|付き合ってた… って言えるのか、よく分かんねーけど。 長瀬 大輔|“思ってたのと違った”とか言われて。 “あっちが本当の長瀬くんだ”みたいな… 長瀬 大輔|そんなことがまたあったら…と思うと、 やっぱちょっと怖ェ…つか、寂しい…かな。 一条 廣|そんなやつ、いいじゃん。 一条 廣|世の中いろんな奴がいるよ。 放っとけって。 長瀬 大輔|放っとけねーよ… 長瀬 大輔|俺の気持ちはどうなる? 一条 廣|あー…そっか… お前、その子のこと好きだったんだな… 長瀬 大輔|告白されてからだったけどさ… 長瀬 大輔|初めての、彼女だったんだぞ。 俺、すげー舞い上がってたし… 大事にしようとか、馬鹿みてーに思ってた。 一条 廣|なら、ケジメつけて来いよ。 お前、歩き出せねーままだよ、ずっと。 長瀬 大輔|…おせっかい。 一条 廣|当然だろ。 長瀬 大輔|…サンキュ。 一条 廣|素直なとこあるよな、長瀬って。 |そこがいいところだ |そうか? |…恥ずかしいこと言うなよ! |>長瀬は顔を赤らめている。 長瀬 大輔|…うるせーなあ! 長瀬 大輔|>長瀬は顔を赤らめている。 |>一条、長瀬との絆を感じた… 一条 廣|じゃあ鳴上、 長瀬がちゃんとケジメつけるか見張っててよ。 長瀬 大輔|つけるって! |>楽しい時間を過ごした。 長瀬 大輔|一条の言う通りだ… 長瀬 大輔|女は面倒くせーは面倒くせーけど、 嫌いっていうより…怖いんだろうな。 長瀬 大輔|好きとか言って寄って来て… 長瀬 大輔|そのくせ、何考えてるか分からないとかって、 勝手にガッカリされて、離れてって… 長瀬 大輔|俺って何なんだろーとか思わされる… 一条 廣|あの子のことだろ、中学んとき付き合ってた… 長瀬 大輔|付き合ってた… って言えるのか、よく分かんねーけど。 長瀬 大輔|“思ってたのと違った”とか言われて。 “あっちが本当の長瀬くんだ”みたいな… 長瀬 大輔|そんなことがまたあったら…と思うと、 やっぱちょっと怖ェ…つか、寂しい…かな。 一条 廣|…そんなやつ、いいじゃん。 一条 廣|世の中、いろんな奴がいるよ。 放っとけって… 長瀬 大輔|放っとけねーよ… 長瀬 大輔|俺の気持ちはどうなる? 一条 廣|あー…そっか… お前、その子のこと好きだったんだな… 長瀬 大輔|告白されてからだったけどさ… 長瀬 大輔|初めての、彼女だったんだぞ。 長瀬 大輔|俺、すげー舞い上がってたし… 大事にしようとか、馬鹿みてーに思ってた。 一条 廣|なら、ケジメつけて来いよ。 お前、歩き出せねーままだよ、ずっと。 長瀬 大輔|…おせっかい。 一条 廣|当然だろ。 長瀬 大輔|…サンキュ。 一条 廣|素直なとこあるよな、長瀬って。 |そこがいいところだ |そうか? |…恥ずかしいこと言うなよ! |>長瀬は顔を赤らめている。 |…うるせーなあ! |>長瀬は顔を赤らめている。 |>一条、長瀬との絆を感じた… 一条 廣|じゃあ鳴上、 長瀬がちゃんとケジメつけるか見張っててよ。 長瀬 大輔|つけるって! |>楽しい時間を過ごした。 |>八十神高校 グラウンド… 長瀬 大輔|なあ、あそこにいる子、見えるか? 長瀬 大輔|あれが…俺の元、彼女。 長瀬 大輔|あいつ、時々ああやって練習見に来てんだ。 長瀬 大輔|…あいつも、俺みたいに まだ何か引きずってんのかな… |きっとそうだ |違うと思う |分からない |だったら… やっぱ、話し合わなきゃいけないよな。 あいつのためにも。 |>長瀬は優しい目で頷いている… |そうかな… |>長瀬はあれこれ思い巡らせているようだ… |分からないから… 話し合わなきゃいけないよな。 あいつのためにも。 |>長瀬は優しい目で頷いている… 長瀬 大輔|あの時も… 長瀬 大輔|ただ…ぶつければ良かったんだよな。 思ってること。 長瀬 大輔|そんで…傷ついたとしても、 ずっと分かり合えたはずだよな… 長瀬 大輔|俺、後でちゃんと話してくるよ。 |>一条と自分の働きかけは、 長瀬の大きな一歩となったようだ… |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 下駄箱… |>長瀬と、長瀬の元彼女が話している… 長瀬 大輔|俺… ちゃんと、好きだったよ。 |どうしたの、急に… 長瀬 大輔|なあ、練習見に来てるのって… |あ、来た。 |どいて、誤解されちゃうじゃない。 |せんぱ~い、遅い! |あ、ごめんごめん。 グラウンドの整備が長引いちゃった。 |もー、今日はオゴリね! |しょうがないな~。 |…って、長瀬? |じゃ、じゃーな。 |長瀬くん…ありがとね。 長瀬 大輔|ははっ。 なんか、スッキリした。 |>長瀬は気が抜けたように笑っている… |>一緒に帰ることにした。 |>八十神高校 グラウンド… 長瀬 大輔|お前ら、モモ上げがまだ終わってねーだろ! |うえぇぇ…もう無理、走れねーっス… 長瀬 大輔|無理と思ってからが勝負だろ! ほら、俺も付き合ってもう一周行くから! |はぁぁぁい… |>長瀬は指導に熱を入れている… 長瀬 大輔|あー、ひっさびさに死ぬほどクタクタだ。 長瀬 大輔|けど、すげー気持ちいいな! 長瀬 大輔|俺、遊びはもう止めた。 これからは何事も本気で行くからな! |>長瀬はふと真顔になった… 長瀬 大輔|…本気でやらないくせに、 本気でやってるフリをしてたみたいだ。 長瀬 大輔|上手く行けば、本気じゃないのは見ないフリ。 長瀬 大輔|上手く行かなければ、本気じゃなかったから… って言い訳。 長瀬 大輔|本気でやって、上手く行かなかったら 怖いから… 長瀬 大輔|…自分がいる意味が無い気がするから… かな。 長瀬 大輔|はは…情けねえな。 長瀬 大輔|これ、渡しとく。 長瀬 大輔|スパイクを手入れするブラシだ。 長瀬 大輔|俺…使わなくなってた。 スパイクも洗って干すだけでさ。 長瀬 大輔|でも昔は、スパイクやボールの手入れも 好きだった… 長瀬 大輔|それを、思い出してさ。 長瀬 大輔|高いもんじゃないけど、使いやすいぜ、それ。 んで一緒に…走ろうな。 長瀬 大輔|…メシ食って帰ろうぜ! |>部活動を行った。 |>ここも霧に覆われている… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 一条 廣|聞いてるよ、長瀬の噂。 一条 廣|“生まれ変わった、あいつは鬼だ!”ってさ。 長瀬 大輔|俺、もう見ないフリはやめる。 本気でやんねーと、全部つまんねーしな。 長瀬 大輔|死ぬ気でやって、 報われたり報われなかったりするから 楽しいんだよな。 一条 廣|そうそう、本気で口説いて、フラれて泣け。 一条 廣|けど、残念だったよな。 元彼女のこと。 一条 廣|お前、まだ自分のこと好きかもって、 期待してたんだろ? 長瀬 大輔|な、てめっ、んなこと… 一条 廣|あーあー、恥ずかしがっちゃってまあ。 長瀬 大輔|おおおお前らこそ、 “俺はお前の何なんだ”とか 恥ずかしすぎんだよ!! 一条 廣|今度は鳴上とハモってやろうか? 長瀬 大輔|いらねっつの! |>楽しい時間を過ごした。 長瀬 大輔|…けどまあ、その… 長瀬 大輔|ありがとな。 一条 廣|ま、いつでも言ってやるよ。 お前好みのクセーこと。 長瀬 大輔|……そりゃ、どーも。 |>一条、長瀬との深い絆を感じた… 長瀬 大輔|やっと、歩き出せる気がする… 一条 廣|…そっか。 長瀬 大輔|てわけで、合コンやろうぜ。 一条また声かけとけよ。 一条 廣|え、ちょ、何その変わりよう!? 一条 廣|大体、こないだの子たち すっげ怒らせちゃったんだからな! 長瀬 大輔|ちゃんと謝っとけよー、一条。 一条 廣|おっれ!? |>深い絆を結んだ友人たちと、 ひと時の楽しい時間が過ぎていった… |>八十神高校 グラウンド… |>部活動を行った。 |>長瀬は後輩の指導に忙しい… |>そんな長瀬を見ていると、 一条、長瀬との固い絆を感じる… 諸岡 金四郎|おい、鳴上! 今週は、保健週間なのを知ってるな? 諸岡 金四郎|お前は委員会に入っておらん! つまり、怠け者だ!! 諸岡 金四郎|よって、病欠者の代わりに 委員会に出てもらおうか。 里中 千枝|え、んな勝手な… 諸岡 金四郎|だまらっしゃい! 諸岡 金四郎|都会の学校ならいざ知らず、 ここでは労働が生徒の義務である! |で、お前は女子に庇われて 逃げるつもりじゃないだろうな? |望むところだ |やりたくない 諸岡 金四郎|そうかそうか、ならすぐ、 保健室に行きなさい。 諸岡 金四郎|話はワシが通してやったからな。 ワシに感謝しろ! 諸岡 金四郎|フン、もう遅いわ。 保健室に話は通っている。 諸岡 金四郎|行かないと停学にするぞ! 里中 千枝|が、頑張ってね… |鳴上君、だっけ。 転校生の… |何かケガとかした? |>病欠の生徒の代わりに、 保健委員として来たことを伝えた… |よかった~。 人手が足りないから困ってたとこ。 |校内中を見回らないといけなくて、 その間、ココが空っぽになっちゃうんだ。 |鳴上君はココにいて、 誰かが来たら、応対してくれる? |…と言っても薬をいじっちゃダメ。 ケガとか病気の人が来たら救急車ね。 |業者さんとか電話の応対だけ、お願い。 めったに無いけどね。 |>保健委員は、校内へ散って行った… |>…? |>誰かがやって来た! |ども、サントー製薬の北尾でーす。 |って、先生はお留守? じゃあ伝言、頼んでいい? |ガーゼを頼まれたけど、 再来月の納品でいいのか、連絡が欲しいんだ。 |それじゃ、お願いしますねー。 |お疲れさまー。 何かあった? |>製薬会社の人が来たことを告げた… |うわ、すぐ先生に電話しないと。 詳しく教えて? |サンダー製薬の北野さんが… |サントー製薬の北尾さんが… |ホクトー製薬の長野さんが… |ああ、ガーゼの発注の件か。 何だって? |再来月の納品でいいか連絡欲しい |再来月に発注し直して欲しい |再来月の納品はできません |ふんふん…了解。 先生に連絡するね。 |>先生に連絡してもらった… |保健の先生 すぐ連絡したわ、どうもありがとう。 |>伝言を正しく伝えられたようだ! |>先生に連絡してもらった… |保健の先生 もう、伝言違ったわよ! 向こうと口論になっちゃったじゃない! |>伝言を間違えてしまったようだ… |それじゃ、校内の見回りの発表し合おうか。 えーと、まず1班… |あ、そうか、ここは一人で行ったんだっけ。 |そうっすよー、小西がいないから。 |あ、そっか、小西君か… 仕方ないよ、あんなことがあったし… |うん、可哀想だよ。 だからその分、アンタがやればいーの。 |ヒデーなー! 小西 尚紀|すんません、遅れて。 |いっ、いーよいーよ! |委員会、来なくていいんだって、ホント。 おうちの手伝いとか、大変でしょ? |代わりいるし、大丈夫だから。 小西 尚紀|けど、俺だけ… |じゃっ…じゃーさー、 鳴上君と、ここの整理してくれる? |あたしたち、報告会するし、 テキトーにやって、帰っていいから、ね!? |そ、それじゃ、お疲れさまー! 小西 尚紀|1年の…小西です。 小西 尚紀|3年の、小西早紀…知ってますよね。 あの人の弟です。 小西 尚紀|あんた…花村のツレですよね? 小西 尚紀|俺、嫌いです。 花村も…あんたも。 小西 尚紀|…もう、帰っていいですか? |いいよ |ダメだ 小西 尚紀|それじゃ。 小西 尚紀|…家の手伝いあるんで。 小西 尚紀|家、大変だから…分かりますよね? |やっぱり帰っていい |それでもダメ 小西 尚紀|それじゃ。 小西 尚紀|じゃ、俺、棚の方やるんで… 雑巾あります? |>保健委員の仕事をこなした… |>他の委員は戻ってこないので、 先に帰ることにした。 |保健委員は至急、保健室に集合してください。 繰り返します… 小西 尚紀|あー…保健委員、か。 |一緒に行こう |行って来い |行かなくていい |は? いいっすよ、俺だけで。 |>すげなく断られた… |そうっすね。 |“おみそ”が…行ってもいいってことなら、 行ったほうがいいっすよね。 |>どうやら真面目な性格のようだ… |まぁ… それでもいいんすけど… |ちょっと、気分悪いです。 みんなが働いてるのに。 |>どうやら真面目な性格のようだ… |おーい、鳴上ってお前だろ? |保健委員の代役よろしくって、先生が。 |確かに伝えたぞ? オレ、停学になるから、頼むよ! 小西 尚紀|はは… また、とばっちりですね。 小西 尚紀|俺、ノート提出があるんで、後から行きます。 お先どうぞ。 |>保健委員として、また 仕事をすることになった… |>とりあえず、保健室へ急ごう… |鳴上君… 何、キミも呼ばれた? |>再度、保健委員として 召集されたことを伝えた… |マジで? 人手足りないし、ありがたいけど。 |けどー、今日の召集、マジ勘弁なんですけど。 デートとか言って半分くらいいねーし。 |しっかも棚卸しとか、すっげー辛くね? …ったく、小西はいいよな。 |そう言えば小西くんって、 宿題免除されてるってマジ? |ええー! なんだよそれ、超うらやましいんですけど! |>小西早紀の弟の話題で 盛り上がっている… |たしなめる |放っておく |いいっすよ、別に… |うらやましいなら、 家族殺されてみたらいいんじゃん? 小西 尚紀|あ、その…すんません。 空気悪くするつもりじゃなくて。 |ほ、ほら、仕事仕事! |>気まずい空気の中、 保健委員の仕事をこなした… |>雨が強く降り出した… |>小西早紀の弟が、残っている… 小西 尚紀|あ… 小西 尚紀|…ど、ども。 |帰ってなかったのか? |何してるんだ? 小西 尚紀|…みんなが働いてるのに、 先帰るの嫌だっただけです。 小西 尚紀|何となく… 小西 尚紀|あ… 袖のとこ、汚れてますよ。 小西 尚紀|さっきの…棚卸しのせいですね。 小西 尚紀|はは… すみません、本当は俺がやるはずなのに… 小西 尚紀|これ、良かったら… |>“可愛らしいハンカチ”を手渡された。 小西 尚紀|あ、やっぱそれ… 小西 尚紀|…いえ、何でもないです。 小西 尚紀|俺、もう少しここにいますから… さよなら。 |>小西早紀の弟と別れ、帰ることにした… |>小西早紀の弟から借りた傘で、 家まで帰った… 小西 尚紀|別に、捨ててくれてよかったんですけど… 小西 尚紀|これ、姉のハンカチなんです。 小西 尚紀|親が間違えて、俺のカバンに入れてて… 小西 尚紀|もう、使う人いないから… 小西 尚紀|このハンカチも役目果たせて、 嬉しいと思いますよ。 小西 尚紀|…ども。 |>お礼を言われてしまった… |こちらこそ |お礼を言われるようなことは… |助かったよ 小西 尚紀|や…い、いいっすよ、そんなの… 小西 尚紀|いえ…なんか… 嬉しかったんす、ちょっと。 小西 尚紀|俺が話しかけても、キョドらない人、久々で… 小西 尚紀|あ、俺、小西尚紀です。 小西 尚紀|小西 尚紀 あの、よく知らねーのに 嫌いとか言って、すみませんでした。 |気にしてない |意外に素直だ |傷ついた |…よかったっす。 |>尚紀はホッとしたようだ。 |いつも、余計なこと 言っちゃうんすよね…俺。 |>尚紀は肩をすくめている。 |あ、す、すみません! |いつも、余計なこと 言っちゃうんすよね…俺。 |>尚紀は反省しているようだ… |>小西早紀の弟、 小西尚紀と知り合いになった… |>尚紀は複雑な立場に耐えようとしている… |>尚紀との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 小西 尚紀|こないだ、委員会に俺が入ってって、 気まずくなったじゃないですか。 小西 尚紀|あれで正式に、委員会をクビになりました。 もう、来なくていいって。 小西 尚紀|まあ、俺のせいなんですけど… 小西 尚紀|…また、取り上げられちゃいました。 小西 尚紀|良かったら、時々遊んでください。 小西 尚紀|大体、週の始めのほうは、 ウチの酒屋のへんにいますから… 小西 尚紀|家、手伝ってて… 小西 尚紀|…それじゃ。 |>尚紀と別れ、家に帰ることにした。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>家の手伝いが終わったと言う尚紀と やってきた… 小西 尚紀|うまいっすよね、ここ。 小西 尚紀|家近いし、よく来てたんですけど、 最近あんま来れなくって。 |忙しい? |飽きた? |事件のせい? |や…むしろヒマです。 委員会もクビになったし。 |>尚紀は苦笑いしている。 |それが、ガキん頃から来てましたけど、 なんか飽きないんすよ。 |>尚紀は首をひねっている。 |んー、そうですね、正直… |みんな、遠いところから 俺をジッと見てる感じで… |>尚紀は苦笑いをしている… 小西 尚紀|ウチの酒屋は、結構忙しいんですけど… あんま手伝えること、無いんすよ。 小西 尚紀|だって、商売が忙しいんじゃなくて… 小西 尚紀|マスコミは減りましたけど、 他に事件が無いと急に来たりするし… 小西 尚紀|近所の人も、最近になって 入れ替わり立ち替わり来て… 若いのに可哀想って、泣いたりするんすよ。 小西 尚紀|姉ちゃんと話したこと無いはずの、 町内会のおばさんとかまで… 小西 尚紀|で、俺に“お姉ちゃんの分まで 立派に生きなきゃね”とかって。 小西 尚紀|…息苦しいです。 小西 尚紀|立派に生きるって…何なんすかね。 |社会に貢献すること |親孝行をすること |功績を残すこと |分からない |社会に、貢献… |…政治家になったりとかってこと? |>尚紀は首をひねっている。 |親孝行…が、立派に生きること… |あー、なんか、ちょっと目からウロコです。 |>尚紀は考え込んでいる。 |なんか発明したりとか? |けど俺なんかに、 なーんも生み出せそうにないですよ… |>尚紀は苦笑いをしている… 小西 尚紀|鳴上さんも… 探してるんすか? 小西 尚紀|難しいっすね、生きるって。 もう、生きちゃってるのに… |>尚紀は困ったように笑っている… 小西 尚紀|あ…すみません。 鳴上さんといると、 いらんことまで話しちゃって。 |>尚紀が少しずつ、 心を開いてくれているのを感じる… 小西 尚紀|…ま、食いましょう。 冷めるとさすがにマズイから。 小西 尚紀|ははっ。 オヤジさん、すっげニラんでる。 |>尚紀と食事をしてから 家に帰った。 |>稲羽通り商店街 惣菜大学… |>家の手伝いが終わったと言う尚紀と やってきた… 小西 尚紀|…したら佐藤、遅刻の言い訳で “向かい風が強かったので” とか言い出して。 小西 尚紀|先生めっちゃ怒って、 “よし分かった、全員、目をつぶれ!” とか言って説教しだしたんすけど… 小西 尚紀|なんで目をつぶるのか分かんなくて、 説教聞きながらクラス全体が 変な空気になって… 小西 尚紀|したら先生、授業始めちゃって。 “この問題、解けるヤツ…はい佐藤!” 小西 尚紀|“や、見えません” 小西 尚紀|…んで先生怒って、自習になったんすよ。 |>尚紀は楽しそうに笑っている… |もっと話をさせる |失敗談を話す |アメリカンジョークを言う 小西 尚紀|他ですか? んー、最近だと… 小西 尚紀|すっ転んで田んぼに落ちたら、 キレーに“大”って跡になったこととか? 小西 尚紀|したら次の日、持ち主が “田んぼ荒らされた!”つって、 犯人探ししてるみたいで。 小西 尚紀|近所のガキども呼んで、 “大”の跡に寝かせてるんすよ。 シンデレラみたいに… |で、“違う、もっと手が長い!” とかやってて… |俺、謝り行ったんすけど、 笑っちゃってダメでしたねー。 |>尚紀は少し恥ずかしそうに笑っている。 |>自分の身に起こった失敗談を 面白おかしく話した。 |はははははっ! |ま、まじすか!? やっべー。 |>尚紀は爆笑している。 |>ウィットに富んだ アメリカンジョークを披露した。 |わ、笑うとこ、今の? |すっげー、理解できないっすね。 感覚の違い? |>尚紀は感心している。 小西 尚紀|…はは、何か笑ったの久々かも。 |>尚紀の表情は柔らかい… |あの子、ほら、酒屋さんの… |小西さんとこの、男の子でしょう? |殺されちゃってねえ。 |可哀想にねえ。 |テレビで、霊能力者が言ってたわよぉ。 “先祖が罪を犯した”とかって… |方角が悪いって聞いたことあるわー。 |でも、あの子は元気そうねえ。 普通、悲しんでるものだと思うけど。 |冷たいのねえ。 |歳の近い姉弟だと、仲良くも無いのよぉ。 ウチだってね… |>尚紀は唇を固く結んでいる… |文句言ってくる |言い返さないのか? |言いたいヤツには言わせておこう |いえ、いいっす… 鳴上さんが、わざわざそんな… |>尚紀は少し嬉しそうだ。 |いいんです。 |>尚紀は肩をすくめている… |そうっすね… 分かってくれる人がいれば、いいです。 |>尚紀は少し嬉しそうだ。 小西 尚紀|いつもああいう… “監視の目”があるんすよ。 小西 尚紀|もう、慣れましたけど… 小西 尚紀|俺が被害者面してないと、 満足しないみたいで。 小西 尚紀|だから今日みたいに、 くだらねー話とか、笑ったりとか… 久々で、楽しい。 |>尚紀は嬉しそうに微笑んだ… |>尚紀との仲が、また少し 深まった気がした… 小西 尚紀|はは…すみません、 何か、マズくなっちゃって。 小西 尚紀|…帰りますか。 |>尚紀と別れ、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |尚紀くん! |学校帰り? ダメよぉ、こんなとこで寄り道しちゃ! |あなたまでフラフラ遊んでたら、 ご両親に心配かけると思わない? |酒屋さんのお手伝いしないの? お父さん、大変そうじゃないの。 小西 尚紀|…はぁ。 |“はぁ”じゃないわよぉ。 |お姉ちゃんがあんなことになって 大変なのは分かるけど。 |今こそ、家族の力を合わせなきゃ。 そうでしょう? |あらぁ、尚紀くんのために言ってるのに、 その態度は無いんじゃな~い? |>尚紀は辛そうだ… |おばさんに口答えする |おばさんにお世辞を言う |黙っている |い、いいです、鳴上さん… |>尚紀は困ったようだが、少し嬉しそうだ。 |いやだわぁ、そんなに肌ピチピチ? |>無事、おばさんの興味がそれたようだ… |>尚紀が隣でホッとしているのを感じる… |それじゃおばさん、行くわね。 尚紀くん、しっかりね! 小西 尚紀|すんません、何か… 変な空気にしちゃって。 |尚紀のせいじゃない |忘れよう |…はい。 |>尚紀は嬉しそうだ… |そうですね、まあ、慣れてますし。 |>尚紀は肩をすくめた。 小西 尚紀|ひとりだったら… 困ってましたね。 小西 尚紀|ウチ、商売やってるから 近所づきあいあるし… 怒鳴ったりできないんで。 小西 尚紀|…ありがとうございました。 |>尚紀の辛さを少し分かった気がする… |>尚紀との仲が、また少し 深まった気がした… 小西 尚紀|すみません、今日は…帰ります。 小西 尚紀|メシ、今度で… |>尚紀と別れ、家に帰ることにした。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 小西 尚紀|あの、相談ってのは… 小西 尚紀|その… 学校、辞めようと思ってるんです。 小西 尚紀|ウチの酒屋、継ごうと思って。 小西 尚紀|家業とか興味無かったし… …正直、今も無いですけど。 小西 尚紀|残った家族で力を合わせろとか言われて、 まぁそうかなって… |いい考えだ |考え直せ |…ですよね。 |>尚紀は頷いている… |じゃあどうすれば満足なんですかね。 近所の人ら… |>尚紀は唇を噛んでいる… 小西 尚紀|今まで、継ぐことなんて これっぽっちも考えたことなかったんすよ。 小西 尚紀|…鳴上さんには言いにくいですけど、 ジュネスがある限り、うち、未来ないですし。 小西 尚紀|別に伝統ある店でもないんで、 オヤジの代で潰すのかなって… 小西 尚紀|けど…こうなったら、 仕方ないと思うんです。 小西 尚紀|…俺が、やらないと。 |頑張れ |他の方法がある |ゆっくり考えろ 小西 尚紀|なんで、姉ちゃん死んだんすかね。 小西 尚紀|その…死因とか凶器とかじゃなくて… 小西 尚紀|姉ちゃんがどうして、 死ななきゃならなかったのか… 小西 尚紀|俺や、家族も巻き込まれて… 小西 尚紀|なんで、こんなことになったんだろう… |>尚紀の悩みを黙って聞いた… |>少しは、支えになれている気がする… 小西 尚紀|…親と、話してみます。 小西 尚紀|多分、継ぐこと歓迎されると思います。 小西 尚紀|そしたら俺、社会人ですよ… ははっ… |>尚紀と食事をしてから 家に帰った。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 小西 尚紀|前、話した、学校辞めるって話… 親に言ったんです。 小西 尚紀|そしたら、すっげ反対されて… 小西 尚紀|“そんなこと望んでない、好きに生きろ” って… 小西 尚紀|それから、“学校が嫌なんじゃないか、 逃げてるんじゃないか”って… 小西 尚紀|変に勘繰られました。 |一理ある |放っておけ |あまり心配掛けるな |俺、言い返せなくて… |>尚紀は唇を噛んでいる… |けど、そう言われると、 そうかもって、思って… |>尚紀は唇を噛んでいる… |心配かけたくないから、 俺、手伝おうって思ったのに… |>尚紀は苦笑いをしている… 小西 尚紀|逃げようと思ったら、 いくらでも逃げられるんすよ。 小西 尚紀|みんな、優しいから。 小西 尚紀|委員会だけじゃない… クラスの仕事も部活も全部、 俺の好きにしていいって。 小西 尚紀|テストだって、課題提出に変えてもいいって。 遅刻・早退も、俺だけカウント無し。 小西 尚紀|すげー、ぬるい…アホらしい。 小西 尚紀|誰も俺に、命令しないんすよ… “今はゆっくりしなさい”ってだけ。 小西 尚紀|んで、全部取り上げるんです。 いてもいなくても同じ…ってぐらい。 小西 尚紀|立ち上がらなくていいんすよ… 小西 尚紀|…俺ってそんなに、“可哀想”ですか? |可哀想だ |甘えるな |周りの気持ちも分かる |…そうかもしんないですね。 |俺も、知り合いの家族が殺されたら、 可哀想、可哀想って言いながら 疎遠になるかもしんない。 |…みんな、 どうしていいか分からないんすよね。 |>尚紀は悲しげに頷いている… |…分かってます。 |>尚紀は唇を結んで頷いた。 |ええ、分かるつもりです… |俺も、知り合いの家族が殺されたら、 可哀想、可哀想って言いながら 疎遠になるかもしんない。 |…みんな、 どうしていいか分からないんすよね。 |>尚紀は悲しげに頷いている… 小西 尚紀|俺…どうしたらいいんですかね。 小西 尚紀|今までどおりに、特別扱いをするなって、 言って回ればいいんすか? 小西 尚紀|姉ちゃんのこと、 無かったかのように振舞えばいいんすか? 小西 尚紀|みんなが遠巻きで見てくるのを… 同情されるのを、友達が疎遠になるのを… 小西 尚紀|知らないフリしてればいいんすか? 小西 尚紀|…みんなが、飽きるまで? 小西 尚紀|みんなが飽きた時、俺は… 小西 尚紀|俺は、ひとりになるんじゃないですか? 小西 尚紀|すんません…何か、上手く言えないし… いま、よく分からない… |>尚紀が心を開こうと してくれているのを感じる… 小西 尚紀|はは…すみません、 メシ食ってるときにする話じゃないっすね… 小西 尚紀|俺、全然、 味分からないんですけどね、最近… |>尚紀と食事をしてから 家に帰った… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 小西 尚紀|あの、こないだ、すみませんでした。 何か意味分かんないこと言って… 小西 尚紀|それ、謝ろうと思って。 |気にしてない |何のこと? |…鳴上さんって、 変わってますよね。 |みんなみたいに、遠巻きにしないし… 何でも分かってるような顔で説教もしないし… |…居心地、いいです。 |>尚紀は嬉しそうだ… |あ、いいんです、忘れてるなら、それで。 |鳴上さんにぶつけても しょーがないこと言ったなって、 ちょっと、気になってたんで。 |>尚紀は少しホッとしたようだ。 小西 尚紀|…俺ね、シュークリームが好きなんです。 女みたいですけど。 小西 尚紀|家の近くに美味しいとこあって、 時々買って帰るんですけど… 小西 尚紀|冷蔵庫入れとくと、 姉ちゃんに食われちゃうんですよ。 小西 尚紀|“賞味期限が切れかけてたから 食べてやった”とか、適当なこと言うから… 小西 尚紀|毎回、口ゲンカになるんです。 小西 尚紀|…でももう、シュークリームは無くならない。 冷蔵庫の中で、賞味期限、切れました。 小西 尚紀|俺ね、それ見たとき… “あ、ひょっとして”って… 小西 尚紀|“ひょっとして、姉ちゃん、 いなくなったんじゃねーの”って… 小西 尚紀|…だから、捨てました。 小西 尚紀|俺、前に鳴上さんに、 “犯人が憎いかと聞かれれば、ノーだ” って言いましたけど… 小西 尚紀|ほんとは、ノーですら無いんです… 何も、分からない。 小西 尚紀|俺にはただ、ぬるい日常があるだけ… 小西 尚紀|虚勢張る親と、電気が消えた家があるだけ。 腐ったシュークリームがあるだけ… 小西 尚紀|どうやって抜け出せるのか、 何が自分や、姉ちゃんのためなのか… 分からない… |ゆっくり考えればいい |まずは行動あるのみ |でも、そうしてるうちにも 1日は過ぎて、俺きっとこのまま、 姉ちゃんの歳を越しちゃう… |そんなの、良くないです… |>尚紀は唇をゆがめている… |分かってます… |>尚紀はため息交じりに頷いた… 小西 尚紀|立ち止まってるって、分かってます。 このままじゃダメで、動き出さなきゃ いけないってことも… 小西 尚紀|分かってはいるんです… |>尚紀の悩みを黙って聞いた… |>少しは、支えになれている気がする… 小西 尚紀|そう言えば… たまに、姉ちゃん、ジュネスのバイト後に シュークリームもらってきてくれて… 小西 尚紀|ジュネスのはマズイって言いながら、 ふたりで食べたりしました。 小西 尚紀|姉ちゃん、ジュネスのバイト、 辛かったみたい。 小西 尚紀|でも、きっとウチの店のためになるって、 言ってたことあって… 小西 尚紀|…フラフラしてるくせに、 変なとこ長女ぶるんだ、あの人。 小西 尚紀|それがいつも、ムカつく… 小西 尚紀|あの… 小西 尚紀|こ、今度、ジュネスに付き合って もらっていいですか? 小西 尚紀|ちょっと、見ておきたいんです… |>今度、尚紀とジュネスに行く約束をした… |>尚紀と食事をしてから 家に帰った… |>ジュネス フードコート… |>ジュネスの中を 一通り見て回った… 小西 尚紀|下の食品売り場…すごいですね。 小西 尚紀|酒の種類、あんなあるし、安売りとかしてるし… あれじゃウチ、勝てないっすよ。 小西 尚紀|…けど、最近ウチもちょっと景気いいんです。 姉ちゃんの件で、可哀想がって 買ってくれるみたいで。 小西 尚紀|皮肉なもんすね… |それも優しさだ |商売に利用すればいい |…売れないより、助かるんで いいんですけど。 |>尚紀は目をそらしている… |そうすね… |こっちは儲かるし、 向こうは偽善ができる… |>尚紀は目をそらしている… 小西 尚紀|けどウチ…もうダメですね。 家庭崩壊してますよ。 小西 尚紀|両親、姉ちゃんのこと全く話さないです。 小西 尚紀|元からいなかったみたいに必死に振舞って… で、夜中泣いてる… 小西 尚紀|俺…何ができるんすかね… |あれ、鳴上? 花村 陽介|もしかして、小西先輩の… 小西 尚紀|…ジュネス、初めて来ました。 小西 尚紀|俺、別にウチの酒屋とか関係無いし、 敵対意識とかも別に無いんですけど… 小西 尚紀|親とか商店街の人とかが うるさかったりして…面倒で。 花村 陽介|俺も似たようなモンだよ。 小西 尚紀|…そっすか。 小西 尚紀|すごいっすね、広くて… 見てるだけで、満足できるような… 小西 尚紀|何か、一つの国みたいだ。 花村 陽介|…それ、お前の姉ちゃんも言ってたよ。 花村 陽介|やっぱ顔、似てるな。 あごと、鼻と、目のあたり。 小西 尚紀|やめてください… 小西 尚紀|…もう、姉はいないんで。 花村 陽介|…寂しいよな。 小西 尚紀|…うるさい。 小西 尚紀|やめてください! あんたに何が分かるんだよっ!? 花村 陽介|…自慢の弟だって、言ってたよ。 花村 陽介|俺、お前の姉ちゃんのこと 好きだったよ。 小西 尚紀|…過去形なんすね。 花村 陽介|俺…俺と、お前の姉ちゃんのために、 今、できることをやってる。 花村 陽介|いつまでも泣いてたら、 姉ちゃん、困っちゃうぜ? 小西 尚紀|泣いてません… 花村 陽介|おっし、今日はビフテキ祭りだな。 3枚、買ってくるわ。 花村 陽介|あ、鳴上は後で金払えよ。 小西 尚紀|お節介ですよね、花村さん。 や、そもそも、鳴上さんもか… |一緒にするな |放っておけない |ははっ。 すげー、イヤそうな顔… |けど、お節介ですよ… 俺なんかに… |>尚紀は苦笑いしている… |そんなに“可哀想”ですか、俺? |…や、違いますよね。 きっと、そんなんで 優しくしてくれるわけじゃなくて… |…すみません。 |>尚紀は素直に頭を下げた… 小西 尚紀|姉ちゃんの…働いてたとこ、 見れてよかったです。 小西 尚紀|きっと、一人じゃ来れなかった… 来ようとも思わなかった。 小西 尚紀|ありがとうございました。 |>尚紀が心を開いてくれているのを感じる… 花村 陽介|うまい? 小西 尚紀|まずいっす… 花村 陽介|じゃ、マトモだな。 |>尚紀は黙って食べ続けている… |>陽介は温かく見守っている… |>ぽつぽつと話をして過ごした… |>尚紀を家まで送ってから帰った… |>ここも霧に覆われている… |>第2死体発見現場… 小西 尚紀|ここですよね…姉ちゃん、見つかったの… 小西 尚紀|ここ、ずっと通れませんでした。 小西 尚紀|姉ちゃんのこと思い出すのも、 どんなふうに…吊るされてたんだろうとか、 思うのも、怖くて。 小西 尚紀|けどやっと、現実を受け入れられる気が するんです… 小西 尚紀|…よく言うじゃないですか、 テレビとかドラマとかで… 小西 尚紀|悲しくて何日も泣き続けたとか、 思い出が蘇って何も手に付かないとか。 小西 尚紀|…でも俺は、そんなこと全然なかった。 いつもと同じでした… 小西 尚紀|だから… 自分は冷たい人間なんだと思いました… 小西 尚紀|ドラマの主人公みたいに泣けなかったから、 姉ちゃんのこと、好きじゃなかったんだって 思いました… |そんなことは無い |人それぞれだ |不器用だ |はい… 今は、違うって思えるんです。 |鳴上さんと話してて… |>尚紀は優しげな目で頷いた… |そうですよね… |ドラマと違うからって… 間違ってるわけじゃない。 |鳴上さんと話してて… ちょっとずつ、分かってきたんです。 |>尚紀は感謝の目つきで頷いた… |ええ…ほんと、そうです。 |鳴上さんと話してて… やっと、ちょっとずつ、分かってきたんです。 |>尚紀は少し恥ずかしそうに笑っている… 小西 尚紀|俺、姉ちゃんのこと 考えないようにしてたんすね… 小西 尚紀|姉ちゃんのこと考えて辛くなるぐらいなら、 自分が冷たい人間だと思うほうが 簡単だったんすね… 小西 尚紀|そうやって逃げて…逃げて逃げて、 姉ちゃんのこと、全然考えてあげなかった。 小西 尚紀|…きっと、もっと生きたかったですよね。 |きっとそうだ |分からない |姉ちゃんの分まで生きろ |姉ちゃん…可哀想です。 |>尚紀はとうとう、泣き出した… |姉ちゃんにしか分からないけど… でも、もういない… |姉ちゃんはもう何も、考えられないし 言えないし、笑うことも…っ! |>尚紀はとうとう、泣き出した… |はい… それが、残された俺の、できることですよね… |>尚紀はとうとう、泣き出した… 小西 尚紀|もっと、生きてて欲しかった… 小西 尚紀|生きてて欲しかった、です… |>尚紀は唇をかみ締めている… |仕方ない |思いは伝わってる |気の済むまで泣け |ひどいっすよ…どうして、姉ちゃんが… |>尚紀の拳は震えている… |はい…そう、信じます… |>尚紀は笑おうとしている… |俺、初めて泣いてる… |は、はは…う、うううっ… |>尚紀はしゃくりあげている… 小西 尚紀|ありがとうございます… 小西 尚紀|俺、やっと… やっと、素直に、悲しいって、思った… |>尚紀の深い悲しみを解放できたようだ… |>尚紀との仲が深まった気がした… 小西 尚紀|鳴上さん… 帰りましょう。 小西 尚紀|俺、家族と、ちゃんと話してみます。 姉ちゃんのこととか…色々。 |>尚紀と別れ、 家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>鮫川 河原… |>尚紀に連れられてやってきた… 小西 尚紀|昔…ここで姉ちゃんと遊んでて… 小西 尚紀|姉ちゃん、身軽で、向こう岸まで 石をひょいひょいって渡ってっちゃって… 小西 尚紀|俺、怖くてこっちから見てて… そしたら姉ちゃん、手ェ振って、 そのまま向こうの林のほうへ消えちゃって… 小西 尚紀|俺、すっげー泣いたんすよ。 小西 尚紀|そしたら、橋渡って後ろから、“わっ!”って 脅かされて、俺、チビって… 小西 尚紀|…ははっ。 最近、このことばっか思い出すんです。 小西 尚紀|きっと、今と同じだから。 小西 尚紀|線が引かれたんすよね。 いなくなった姉ちゃんと、残った自分と。 小西 尚紀|姉ちゃんは向こう岸で、俺はこっち… 小西 尚紀|俺がいくら泣いても、チビっても、 もう姉ちゃんは戻ってこない… 小西 尚紀|ずっと考えないようにしてた… けど、やっと向き合える気がします。 小西 尚紀|鳴上さんの、おかげです。 |何もしてない |感謝しろ |いえ…こうやって、連れ出してくれました。 俺なんかに話しかけて、話聞いてくれて… |>尚紀は真面目に話し出した… |ははっ。 してますよ、ほんと。 |>尚紀は屈託無く笑っている… 小西 尚紀|俺…俺なんかに、意味が無いと思ってた。 小西 尚紀|でも、俺のために 時間をくれる人がいるってこと… すごく、嬉しかった。 小西 尚紀|だから、こんなこともできました。 小西 尚紀|俺にとっては、ただのレシートじゃないです。 ただの買い物じゃないです。 小西 尚紀|それを…渡したくて。 |>尚紀は晴れやかに笑っている… |>尚紀との固い絆を感じた… |“アルカナ名”コミュのマスターに伴い、 (大地の母親)“(ペルソナ)”を生み出す合体が 解禁になった!! 小西 尚紀|俺ね、家、手伝おうと思うんです。 学校はちゃんと行くんで、 放課後と休日だけだけど… 小西 尚紀|姉ちゃんが死んだこと、 俺ら家族、全然、受け止められてないんです。 小西 尚紀|だから、何て言うか… 絆を深めないとなって… それが、まずは、俺のできる一歩かなって。 小西 尚紀|…鳴上さん、 ウチの酒屋、遊び来て下さいね。 小西 尚紀|ジュネスなんか目じゃないってぐらい、 繁盛する予定なんで。 |>尚紀は屈託無く笑っている… |>こんなふうに尚紀とたくさん語るのも もう無いのかもしれない… |>しみじみと、長い間、尚紀と過ごした… |>ここも霧に覆われている… 黒田 ひさ乃|こんにちは、ええと… |>名前を名乗った。 黒田 ひさ乃|鳴上 悠… 悠ちゃんね。 黒田 ひさ乃|ふふ、いいお名前ね。 ぴったりだわ。 黒田 ひさ乃|私はずっとこの町に住んでいるのだけど… あなたを知らなかったわ。 |引っ越してきた |一時的にいるだけ 黒田 ひさ乃|あら、そうなの。 都会から来たら不便もあるかもしれないけど… いい町だと思うわよ。 |そう思う |みんなそう言うけど… 黒田 ひさ乃|ふふっ、嬉しいわ。 何だか自分が褒められたようね。 黒田 ひさ乃|住めば都…ってだけかも知れないわね。 黒田 ひさ乃|少しでも、気に入ってくれるところが あるといいのだけど。 黒田 ひさ乃|あら、ごめんなさい。 私、名乗ってもいなかったわね。 黒田 ひさ乃|私は、黒田ひさ乃と言うの。 黒田 ひさ乃|黒田 ひさ乃 ……。 黒田 ひさ乃|死神よ。 |死神? |どういう意味? 黒田 ひさ乃|…ごめんなさいね。 つまらないこと言ったわ。 黒田 ひさ乃|悠ちゃん、 まだこの町に慣れてないかしら? 黒田 ひさ乃|何か困ることがあったら、 相談に乗るわよ。 黒田 ひさ乃|ふふっ、おばあちゃんで悪いけど。 |>自称“死神”だと言うが、 優しそうなお婆さんだ… |>黒田ひさ乃と知り合いになった… 黒田 ひさ乃|また会えると嬉しいわ。 黒田 ひさ乃|それじゃ、さようなら。 |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|それにしても… 黒田 ひさ乃|見れば見るほど、似てるわねぇ。 黒田 ひさ乃|あなたよりもう少しだけ、 鼻が低くて目が小さくて、髪が短かったけど… 黒田 ひさ乃|ふふっ、いい男だったのよ。 |誰のこと? |似てなさそうだけど… |あまり見ないで欲しい 黒田 ひさ乃|ふふっ…私の夫。 黒田 ひさ乃|すごく優しい人だったの。 格好良くてね… |>ひさ乃は懐かしそうに笑っている… |そうね、顔の作りと言うより… 仕草や表情が似てるのかしら? |…私の、夫だった人と。 |>ひさ乃は優しく笑っている… |あらあら、ハンサムなのだから、 そんなケチなこと言っちゃダメよ。 |あなたに似てる人…私の夫だった人なのだけど、 あの人も若い頃、とってもハンサムだった。 |>ひさ乃は懐かしそうに笑っている… |夫はね、この間、旅立ってしまったの… 黒田 ひさ乃|私、死神に見えるかしら? |見える |見えない |バカらしい 黒田 ひさ乃|そう… 黒田 ひさ乃|…あなたは死神になってはダメよ。 |>ひさ乃は悲しげに微笑んでいる… |>ひさ乃が抱える何かに 少しだけ触れた気がした… 黒田 ひさ乃|あなたといると、 あの人が私を許してくれたような気がするわ… 黒田 ひさ乃|そんなはず無いのにね… 黒田 ひさ乃|だって私、この手で… 黒田 ひさ乃|…悠ちゃん、またね。 |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|ビックリしたわ… 黒田 ひさ乃|あの人かと思った… 黒田 ひさ乃|あなたとこうして川を見ていると、 あの頃のこと思い出すわ… |いつのこと? |川に思い出が? |こんなシワくちゃおばあちゃんになる前、 ピチピチの頃のことよ。 |>ひさ乃は笑っている… |ええ… この川、もっとキレイだったのよ… |>ひさ乃は懐かしそうに笑っている… 黒田 ひさ乃|私と夫はね、この町で出会ったの。 黒田 ひさ乃|私はこの町の生まれで、 あの人は全国を回る、演劇一座の役者で… 年に一度、やってきてね… 黒田 ひさ乃|小さい頃に、家族と舞台を見に行ってね… そこの子役だった夫と出会ったの。 黒田 ひさ乃|色が白くて、町の子とは全然違う喋り方で… 私、初恋だったのよ。 黒田 ひさ乃|毎年、あの人が来て… 私も毎年、見に行って… 黒田 ひさ乃|勇気を出して、声を掛けてね… 奇跡みたいに、あの人も私を好きになって… 黒田 ひさ乃|舞台裏で、話したりするだけの… 年に一度のデート。 黒田 ひさ乃|ふふっ…私ね、遊ばれてると思った。 でも、それでいいと思ってたわ… 黒田 ひさ乃|けど、あの人ね… 一座を辞めてきたの。 私と、結婚してここで暮らすって。 黒田 ひさ乃|慣れない畑仕事してね… 血豆だらけの手を嬉しそうに私に見せたわ… 黒田 ひさ乃|私…本当に幸せだった、あの頃。 |うらやましい |今は? |あなたもきっと、 幸せで泣きたくなるような日が来るわ。 |ううん、多くの人は、既に幸せの中にいる… 見失ってるだけでね。 |自分が大事にするべきこと… それが分からなければ、人生なんて 当ての無い旅だもの。 |>ひさ乃は微笑んでいる… |…幸せって、 後から思い出して知るのね。 |>ひさ乃は悲しげに微笑んでいる… 黒田 ひさ乃|今はただ… 早くあの人のもとへ行きたいわ。 黒田 ひさ乃|…けど、きっと行けないわね。 黒田 ひさ乃|あの人は天国へ行ったけど、 …私は地獄に落ちるから。 |そんなことは無い |思いつめるな 黒田 ひさ乃|…優しいのね、あなた。 |>ひさ乃は悲しげに微笑んでいる… |>ひさ乃のことを、少し分かった気がする… 黒田 ひさ乃|そろそろ帰るわね。 川辺は冷えるから… 黒田 ひさ乃|…悠ちゃん、またね。 |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|私、お線香臭くないかしら? 黒田 ひさ乃|夫の月命日で、 お墓参りに行ってきたところなの。 |月命日? |大変だね |落ち込むな |ふふっ、若い人は知らないかしらね。 |亡くなった日が命日で、 月ごとの命日を、月命日って言うの。 |>ひさ乃は優しく教えてくれた。 |お墓はすぐそばなの。 散歩しながら会いに行けていいわよ。 |>ひさ乃は優しく微笑んでいる… |あら、元気は有り余ってるわよ? まだまだあっちには行かないんだから。 |>ひさ乃はおどけて笑っている。 黒田 ひさ乃|死神って、何か知ってる? 黒田 ひさ乃|死神はね、人を、神様のもとに連れて行く者。 黒田 ひさ乃|神様のもとへ行こうとする人や、 その家族にとっては、死神は“味方”なの。 |そうかも |それは違う |良く分からない 黒田 ひさ乃|だから私は死神… 黒田 ひさ乃|悠ちゃんは、優しい子だからね… 黒田 ひさ乃|…誰かが死んだとき、 残されたほうは悲しいでしょう? 黒田 ひさ乃|どうして死んだんだ…って、 知りたいでしょう? 黒田 ひさ乃|なぜ、死ななくてはいけなかったんだ、って… 黒田 ひさ乃|悪いことなんてしてないのに、なぜ、って… 黒田 ひさ乃|だから… 神様のもとに行ったんだ、って思いたいのよね。 黒田 ひさ乃|神様が呼びに来たんだ、 だから仕方ないんだって、思い込みたくて… 黒田 ひさ乃|神様のもとに連れて行ってくれる“死神”を 待ち望む… 黒田 ひさ乃|あなたにはまだ、分からないわよね… |分からない |分かる気がする |それでいいの、幸せのしるしよ。 |>ひさ乃は優しく微笑んでいる… |優しい子ね、あなたは… |>ひさ乃は優しく微笑んでいる… |>ひさ乃の優しさを感じる… 黒田 ひさ乃|私は、死神を待ち望んで… 死神になってしまったわ。 黒田 ひさ乃|気が付いたら私、この手で… 黒田 ひさ乃|ごめんね、嫌よね、こんな話… 黒田 ひさ乃|今日はもう帰るわ… 悠ちゃんも、気をつけてね。 |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|また会えて嬉しいわ。 黒田 ひさ乃|…どうして来てくれるのかしら。 黒田 ひさ乃|こんなおばあちゃんの話、 つまらないでしょうに… |意外と面白い |ただの暇つぶし |変わった子ね、あなた。 |>ひさ乃は楽しそうに笑っている。 |そう言えば、 若い頃は時間がゆっくり流れてたわ。 |今はもう、一瞬ね… 一瞬だけど、焦れるほど長い… 変なものだわ。 |>ひさ乃は寂しげに笑っている。 黒田 ひさ乃|私なんかの話はいいわ。 悠ちゃんのお話、聞かせてくれる? |学校の話をする |事件の話をする |女の子の話をする |>学校の話をした。 |ふふっ、そうなのね。 学校でのあなた、きっと素敵ね。 |ますます、こんなおばあちゃんと 話している場合じゃ無いと思うわ。 |>ひさ乃は楽しそうに笑っている。 |>事件の話をした。 |怖い事件よね… |でも、境界線を越えるのは一瞬なの。 |怖いのは事件じゃなくて、人間なのよね… |>ひさ乃は目を伏せている… |>女の子の話をした。 |あらあら、きっとあなた、 たくさんの女の子を泣かせてるんじゃなくて? |>ひさ乃は楽しそうに笑っている。 黒田 ひさ乃|悠ちゃんのお話、 いつまでも聞いていたいわ。 |>ひさ乃から感謝されているようだ… |>ひさ乃との仲が、また少し 深まった気がした… 黒田 ひさ乃|…でももう、あなたに会いたくない。 |なんで? |傷ついた |それは困る |ごめんなさい… どうしても、あの人を思い出すのよ… |>ひさ乃は悲しげに微笑んでいる… 黒田 ひさ乃|今まで、ありがとう… 黒田 ひさ乃|さようなら… |>ひさ乃は去って行った… |>一方的に、もう会いたくないと 言われてしまったが… |>どうしようか… |>日が暮れたので、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|あなたが来るの、 半分期待して、半分諦めていたわ… 黒田 ひさ乃|どっちつかずで…ふわふわした気持ち。 ふふっ、男の人に分かるかしら? |分かる |分からない |そう… こういう気持ちに、男も女も無いのかしらね。 |>ひさ乃は楽しそうに笑っている。 |残念ね、こういうの、悪くないものよ。 |>ひさ乃は楽しそうに笑っている。 黒田 ひさ乃|久々に、思い出したわ… 黒田 ひさ乃|私と夫はね、結婚するまで 年に一度しか会えなかったでしょう。 黒田 ひさ乃|だから、ずっと文通をしていたの。 黒田 ひさ乃|いつ届くか、いつ届くかって 私、毎日手紙を待って… 黒田 ひさ乃|届いた日は嬉しくって、勿体無くて、 読めなかったわ。 黒田 ひさ乃|でも早く返事を書きたい気もあって、 ソワソワしながら、そっと読むの。 |どんな内容? |手紙なんて不便だ |ふふ、忘れちゃった。 |>ひさ乃は微笑んでいる。 |今の人はそうかしらね。 |でも、手紙は一字一字、思いを刻むでしょう。 言葉の内容以上に、心が伝わるのよ。 |>ひさ乃は微笑んでいる。 黒田 ひさ乃|あなたも、素敵な人ができたら 手紙を書いてごらんなさい。 黒田 ひさ乃|たくさんのセリフより、ほんの一行が、 多くの気持ちを伝えるのよ… |>ひさ乃は懐かしそうに微笑んでいる… |>ひさ乃が抱える寂しさを、少し感じた… 黒田 ひさ乃|でもね… 手紙…無くなってしまったの。 黒田 ひさ乃|大切に仕舞っておいたのに… 黒田 ひさ乃|…まぁ、もういらないわね。 |>ひさ乃は悲しそうだ… |>手紙があれば、 元気を取り戻すのではないだろうか… |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|あの人からの手紙だわ… 黒田 ひさ乃|どうして… |>“だいだら.”で預かったことを伝えた。 黒田 ひさ乃|まあ、蔵の中身を引き取ってもらったときね… 黒田 ひさ乃|そう、蔵に仕舞ってたのね… 黒田 ひさ乃|…ありがとう、悠ちゃん。 こんなおばあちゃんのために…嬉しいわ。 |>ひさ乃はとても喜んでくれた… 黒田 ひさ乃|でもそれ、燃やすわ。 黒田 ひさ乃|…マッチ持ってくるわね。 |>手紙を燃やすらしいが… |>どうしようか… |ちょっと読んでみる |ひさ乃を待つ |>少しだけ、読んでみよう… |>…ひさ乃を待ってみよう。 |>葉書に一言だけ書かれているのが 見えてしまった… |筒井筒 井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるまに |>葉書には、これだけだ… |>違う葉書にも、短い文章が書かれている… |会いたい。 |この空を、山を、川を、どれほど駆けて ひささんに小生の言葉が届くのだろう。 |小生もこの葉書になりたい。 黒田 ひさ乃|…可哀想でしょ、その人。 黒田 ひさ乃|騙されるとも知らないで… 黒田 ひさ乃|愛した“ひささん”が、 自分のこと、死んで欲しいと思ってたなんてね… |どういう意味だ? |好きじゃなかった? 黒田 ひさ乃|本当に、優しい人だった。 黒田 ひさ乃|…あの人、病気で寝たきりになってね。 私が働いて家計を支えて… 黒田 ひさ乃|あの人はいつも、 悪いな、って悲しそうに笑ってたわ… 黒田 ひさ乃|病気が段々と悪くなってきて、あの人も 不安だったのね。 私に当たるようになったの… 黒田 ひさ乃|優しかったあの人がね… 黒田 ひさ乃|…でも、そんなの苦じゃなかった。 黒田 ひさ乃|働くのだって、世話するのだって、 元からあの人と添い遂げると決めていたから… 黒田 ひさ乃|でもあの人、忘れたの。 黒田 ひさ乃|私のこと…忘れてしまったの。 黒田 ひさ乃|私ね…優しくできなかった。 私を見て不思議そうな目をするのが 許せなかった… 黒田 ひさ乃|泣くと、涙を拭いてくれる仕草が 以前のままで、それが許せなかった… 黒田 ひさ乃|私、寝ているあの人に… 手をかけようとした。 黒田 ひさ乃|でも、できなかった… 黒田 ひさ乃|見下ろしてたら、あの人が起きて… 私に笑いかけたの…昔のようにね。 黒田 ひさ乃|そして昔と同じ声で… “おばあちゃん、誰?”って言った。 黒田 ひさ乃|それが3年前… 黒田 ひさ乃|あれから毎日、あの人は私を忘れて、 “誰?”って聞いた。 黒田 ひさ乃|毎日、私は“さあ、誰かしら?”って答えた… 黒田 ひさ乃|最期まで私は、“知らない人”のまま… 黒田 ひさ乃|“知らない人”に看取られて、 あの人は息を引き取った。 黒田 ひさ乃|それがあの人の罰。 私を忘れたことへの、罰よ… |残酷な話だ |大変だったね 黒田 ひさ乃|私ね…ホッとしたの。 黒田 ひさ乃|何より真っ先に… これで終わった、と…ホッとしたの… 黒田 ひさ乃|それで知ったの。 私、あの人に死んで欲しかったんだって。 黒田 ひさ乃|私が願ったから、あの人は死んだの。 黒田 ひさ乃|…私、死神だわ。 |>ひさ乃は、悲しげに微笑んでいる… |>ひさ乃のことを、少し分かった気がする… 黒田 ひさ乃|手紙、捨てて頂戴。 黒田 ひさ乃|もう…見たくないの、触れたくないの。 黒田 ひさ乃|ごめんなさい… |>ひさ乃に、“夫からの手紙”を返せなかった。 |>“だいだら.”の店主に相談してみようか… 黒田 ひさ乃|それ… 私が夫に送った手紙… |>“だいだら.”で再度預かったことを伝えた。 黒田 ひさ乃|あの人も、私からの手紙を 蔵に仕舞っていたのね… 黒田 ひさ乃|ふふっ… 似たもの同士かしらね、私たち。 黒田 ひさ乃|それも、捨てないとね… 黒田 ひさ乃|…ねえ、ちょっと読ませてもらえる? |>ひさ乃は手紙を読み始めた… 黒田 ひさ乃|くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき 黒田 ひさ乃|くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき 黒田 ひさ乃|くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき 黒田 ひさ乃|くらべこし ふりわけ髪も 肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき 黒田 ひさ乃|こんなこと言ってるけど、 数十年後には死神になってるのよ… |>ひさ乃は、次の手紙を読み始めた… 黒田 ひさ乃|以前くださった歌は伊勢でしたね。 待つ身の私には似合いかもしれませんが… 黒田 ひさ乃|以前くださった歌は伊勢でしたね。 待つ身の私には似合いかもしれませんが… 黒田 ひさ乃|以前くださった歌は伊勢でしたね。 待つ身の私には似合いかもしれませんが… 黒田 ひさ乃|以前くださった歌は伊勢でしたね。 待つ身の私には似合いかもしれませんが… 黒田 ひさ乃|私…あの人のこと、こんなに好きだったのね… 黒田 ひさ乃|好きだから、忘れられて寂しかったのね。 黒田 ひさ乃|みじめで、嫉妬したのね… 黒田 ひさ乃|馬鹿ね… 黒田 ひさ乃|馬鹿な私だから、置いていかれるんだわ… 黒田 ひさ乃|私…私には本当に、 あの人だけだった… 黒田 ひさ乃|でももう、いないのね… 黒田 ひさ乃|受け入れなきゃ… |ゆっくりでいい |頑張れ |そうね… できるかしら… |>ひさ乃は泣きながら、微笑んでいる。 |>ひさ乃の心に触れた気がする… 黒田 ひさ乃|ありがとう… 黒田 ひさ乃|良かったら…また、会いたいわ。 |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|私、あなたに嘘をついたわ。 黒田 ひさ乃|…本当は、死神なんかじゃないのよ。 黒田 ひさ乃|私は確かに、あの人の死を願った… 黒田 ひさ乃|だから、あの人は死んでくれた。 …そう思いたかった。 黒田 ひさ乃|それが、あの人が私を愛してくれてた証に なるんじゃないかって… 黒田 ひさ乃|私を忘れたままで、私を置いてけぼりにして 勝手に死ぬなんて、認めたくなかった… |分かる気がする |自分勝手だ |理解できない |ふふっ… あなたにも、大事な人がいるのかしら… |>ひさ乃は優しく笑っている。 |そうね… 馬鹿なことを考えたものね… |>ひさ乃は優しく笑っている。 |私ね、もう何十年もあの人に 恋してたし、愛してたから… |>ひさ乃は優しく笑っている。 黒田 ひさ乃|…でも実際は、そんな力なんか無い、 死神なんかじゃない、つまらない、 人間なのよね。 黒田 ひさ乃|奇跡を待って、でも来なくて… 黒田 ひさ乃|いつしか、愛する人の死を願ったり… 寂しかったり、忘れられたりする… 黒田 ひさ乃|そして…愛したり、愛されたりする… ちっぽけな、人間。 黒田 ひさ乃|…あの人が私を忘れても、 私たちの“時”が嘘だったわけじゃない。 黒田 ひさ乃|あの人が私を愛したことが、 嘘だったわけじゃないのよね… 黒田 ひさ乃|あんなに沢山の手紙が、その証… 黒田 ひさ乃|私、全然分かってなかったわ… 黒田 ひさ乃|ふふ…もう、遅いわよね。 |そうだね |そんなことは無い |生まれ変わりってあるのかしら。 |生まれ変わって、あの人に会ったら謝るわ。 そしていっぱい、怒られなくちゃ… |>ひさ乃は優しく笑っている。 |今から… そうね、あの人が愛した私らしく、 もう一度生きてみようかしら… |>ひさ乃は優しく笑っている。 |>ひさ乃の目には力が戻っている… |>ひさ乃の支えになれたようだ… 黒田 ひさ乃|愛した人が、もういないってこと… 黒田 ひさ乃|いつまでも目を背けてないで、 ちゃんと見なきゃね… |>ひさ乃と別れ、家に帰ることにした。 黒田 ひさ乃|この川を見るのも、今日が最後かしら。 黒田 ひさ乃|私、引っ越すことにしたわ。 黒田 ひさ乃|子どもたちに同居を誘われてるの。 黒田 ひさ乃|生まれたこの地を去るのは嫌って 断ってきたけど… |断りきれない? |夫はいいのか? |違うわ、ここにいたら私、 あの人と、過ごした昔のことしか考えないから。 |それで寂しがってたら、 あの人も天国で困ると思ってね。 |>ひさ乃は優しく笑っている。 |ここであの人のことばかり考えてたら、 あの人も天国で困ると思ってね。 |>ひさ乃は優しく笑っている。 黒田 ひさ乃|これ、もらってくれるかしら? 黒田 ひさ乃|昔ね、お金を貯めて買ったの。 あの人への手紙を書くためにね。 黒田 ひさ乃|それを誰かが…いいえ、悠ちゃんが 持っててくれると思うと、嬉しいのよ。 黒田 ひさ乃|終わったんじゃない…という気がするの… |終わったのでは? |大事にする 黒田 ひさ乃|そうね、 私が手紙を書く相手はいなくなったわ。 黒田 ひさ乃|でも、手紙を交わした“過去”は 今に繋がってる。 黒田 ひさ乃|ありがとう… 黒田 ひさ乃|手紙を交わした“過去”は 今に繋がってる…って思うの。 黒田 ひさ乃|私はきっともう長くないけれど、 あなたは違うわ。 黒田 ひさ乃|あなたが、私の“過去”を持っててくれたら、 私、最期まできっと笑っていられると思うの。 黒田 ひさ乃|いい人生だったな、ってね… |>ひさ乃は、慈愛に満ちた笑顔を浮かべている… |>ひさ乃の支えになれたようだ… 黒田 ひさ乃|あなた… 好きな人はいる? |いる |いない |微妙 黒田 ひさ乃|ふふっ、そうなの… 黒田 ひさ乃|それなら、覚えておいて… 黒田 ひさ乃|長生きをしなさい。 好きな人にしてあげられる、最大のことよ。 黒田 ひさ乃|ふふっ、そうなの… 黒田 ひさ乃|いつか、好きな人ができたら おばあちゃんの言うこと、思い出して。 黒田 ひさ乃|長生きをしなさい。 好きな人にしてあげられる、最大のことよ。 |>川辺でぽつぽつと語り合って過ごした… |>ひさ乃を見送り、家路に着いた… |>いつもと様子が違う… |>イゴールの姿が見当たらない。 マーガレット|あら… マーガレット|これは、失礼しました。 何か、御用でしょうか? マーガレット|あ…と言っても、今ちょうど、 主が席を外しておりまして。 マーガレット|急ぎでなければ、 また時を改めてお越し下さると… マーガレット|いえ、違いますね。 マーガレット|ここはお客様の定めと不可分の部屋… この部屋で全く無意味な事は起こらない… マーガレット|この出会いにも、 何か意味があるのでしょう。 マーガレット|ようこそ、ベルベットルームへ。 マーガレット|私はマーガレット。 マーガレット|前任が突然不在になったのを受けて招かれた、 “力を司る者”よ。 マーガレット|主以外の出迎えを受けた人なんて、 もしかしたら初めてじゃないかしら。 マーガレット|ベルベットルームは、 招かれる客人の心と不可分… マーガレット|景色も、住人の姿も、その時々の客人の 数や定めに応じて、主に選ばれ、変わりゆく… マーガレット|少し話しましょう? マーガレット|そうするべき、という気がするのよ。 |>マーガレットは微笑を浮かべている。 |>普段とは違い、 視線に優しげな情が宿っている… |>マーガレットとの間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… マーガレット|貴方は既に、幾つか “コミュニティ”を持っているようね。 マーガレット|出会いを重ね、言葉を重ね… お互いの理解が深まることで、絆は固まるもの。 マーガレット|でも時に心は、千の言葉よりも、 たった一つの行動によって、大きく震えるわ。 マーガレット|貴方に分かるかしら? |何となく |よく分からない マーガレット|フフ… マーガレット|今日の出会いの意味は、もしかすると その辺りなのかも知れないわね。 マーガレット|決めたわ。 マーガレット|貴方の辿る定めの糸に、 この私も絡めて頂戴。 マーガレット|そこから“絆”という新しい糸が 紡がれるかも知れない。 マーガレット|私には知りたい事があって、 最初に迎えた客人が貴方… マーガレット|そして、主不在の今日の出会い… マーガレット|私たちは、きっとどちらも特別なのよ。 …お互いにとってね。 |>マーガレットは微笑んでいる… マーガレット|貴方の事をもっと知りたいわ。 マーガレット|まずは、その類まれなペルソナ能力から 見せてもらおうかしら。 マーガレット|そうね… マーガレット|“スクカジャ”を持ってる“イッポンダタラ”を 私に見せて頂戴。 マーガレット|千の言葉より、一つの行動に、心は震える… …もう忘れたのかしら? マーガレット|ふふ、楽しみがひとつ増えたわね。 マーガレット|それじゃ、ごきげんよう。 |ガソスタ店員コミュランク2ダミー |ガソスタ店員コミュランク3ダミー |ガソスタ店員コミュランク4ダミー |ガソスタ店員コミュランク5ダミー |ガソスタ店員コミュランク6ダミー |ガソスタ店員コミュランク7ダミー |ガソスタ店員コミュランク8ダミー |ガソスタ店員コミュランク9ダミー |ガソスタ店員コミュランクMAXダミー 海老原 あい|ああ、アンタか… 海老原 あい|ねぇ、午後の授業、ちょっと抜けない? 放課後までには戻ってくるし。 |誘いに乗ってみる |やめておく 海老原 あい|そう? じゃ、後で下駄箱んとこね。 海老原 あい|あっそ、じゃあね。 |>あいの誘いに乗り、 午後の授業を抜け出すことにした。 |>あいの誘いを断った。 海老原 あい|…ちょうど誘おうと思ってたのよ。 海老原 あい|ねぇ、午後の授業、ちょっと抜けない? |抜ける |やめておく 海老原 あい|ん、じゃあ後でね。 |>あいの誘いに乗り、 午後の授業を抜け出すことにした。 海老原 あい|あっそ、じゃあね。 |>あいの誘いを断った。 |>沖奈市 沖奈駅前… |>あいに引きずられるようにして やってきた… 海老原 あい|ん~! やっぱ気分いいねー。 海老原 あい|この時間、まだみんな勉強してるでしょ? そういうの、サイコー。 |たまにはいいかも |サボりは良くない 海老原 あい|へー、話分かるじゃん。 海老原 あい|アンタってもっと、 お堅いタイプかと思ってたけど。 海老原 あい|…って言いながら、 アンタがやってるのは何よ? 海老原 あい|ま、あたしだっていつもじゃないよ。 海老原 あい|大体、出席日数とか素行不良とかで 目ェつけられてるし、最近は大人しいの。 海老原 あい|ま、いいわそんな話。 それじゃ、行くわよ。 海老原 あい|まず軽く服見てー、アクセと靴見てー、 最後はケータイ見よっかな。 |>あいは、自分のものばかり 見て回りたいらしい… |つまらない… |付き合うよ 海老原 あい|お供が嬉しくないワケ? …変なヤツ。 海老原 あい|当たり前。 じゃなきゃ、来た意味無いでしょ? 海老原 あい|ま、いいわ、行こ。 海老原 あい|やっぱ、荷物持つ人がいるといいねー。 片っ端から買えるもの。 |>あいは、ゴールドカードで買い物をしていた… |お金持ち? |…誰のカード? 海老原 あい|と言うか、成金。 海老原 あい|家柄も由緒も何も無いけど、金はある。 パパ、土地ころがしてるから。 海老原 あい|…あたしが盗んだとか思ってるなら 囲むわよ? 海老原 あい|あのね、これはあたしのカード。 海老原 あい|ウチ、家柄も由緒も何も無いけど、金はあるの。 パパ、土地ころがしてるから。 海老原 あい|そろそろ行かないと、放課後までに帰れない。 海老原 あい|放課後になった途端に生活指導のセンセが あたしんとこ来るの。 海老原 あい|出席と素行のチェックにね。 そのまま補講の場合もあって、ホント面倒。 海老原 あい|けど当のあたしは、こーやって要領よく遊んでて、 センセはまんまと騙されて…バッカらし。 海老原 あい|けど今日は、いつもより笑えたかな。 海老原 あい|アンタ、他の男子とちょっと違うね。 割りと気に入ったかも。 海老原 あい|また今度、遊んであげる。 ああ、次はちゃんと放課後ね。 |>運動部の女子マネージャー、 “海老原あい”と知り合いになった。 |>あいとの間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 海老原 あい|ほら、トロトロしない! アンタも生活指導に追い回されたいの? |>あいと学校まで戻り、 そっと教室に溶け込んだ… |>ここも霧に覆われている… |>沖奈駅前 ショップ“CROCO*FUR”… 海老原 あい|今日はー、軽くはおるものが欲しいんだ。 海老原 あい|んー、まだ新しいのは入荷してないか。 これもこれも、持ってるし… |持ってるなら何故買う? |また今度買いに来よう |ゼイタク言うな |飽きたから。 制服とか、ほんとムカつく。 |>あいは顔をしかめている… |今度も買うけど、今日も買いたい。 見に来たんじゃなくて、買いに来たんだから。 |>あいは意気込んでいる… |いいでしょ、他に楽しみ無いし。 |>あいはムッとしたようだ… 海老原 あい|ねぇ、ノド乾いた。 海老原 あい|アイスラテ、買ってきて。 |いいよ |自分で行け |一緒に行こう |あ、キャラメルソース入れてね。 |>あいは当然のように指定してくる… |…え、マジで言ってんの? |あたしにそんな口きく男、 初めてかも。 |>あいは驚いている… |えー、今飲みたいんだけど… |ま、いっか。 その代わり、グランデおごってよね。 |>あいはいたずらっぽく笑っている… |あっらー、あいちゃん。 また、遊びに来てくれたんだぁ? 海老原 あい|…まあ。 |今日は、何探しに来たのぉ? |あいちゃんにスッゴク似合うバッグが届いてぇ、 もうホント、モテカワなの! 海老原 あい|…いえ、いいです。 今日はバッグ見に来たわけじゃないし。 |あれぇ、一緒の子、カレシ? カッコいいねー、紹介してよぉ。 |あたしなんかさぁ、出会いとか全然無くてぇ、 こないだもね、飲み会でぇ… 海老原 あい|すみませんけど、今日はこれで。 …また来ます。 |>沖奈駅前まで戻ってきた… 海老原 あい|はぁ… 店員って苦手。 海老原 あい|お金払うのこっちなのにさぁ、 なんで態度デカいんだろ? 海老原 あい|あれだったら自販機でいいのに。 ボタン押すと、服出てくんの。 |いいかも |つまらない |でしょ? ヨケーな会話とかいらないし。 |…利害カンケー無しの付き合いとか、 あるわけないんだから。 |>あいはどこか寂しそうに見える… |そう? コミュニケーションとか、いらなくない? |…利害カンケー無しの付き合いとか、 あるわけないんだから。 |>あいはどこか寂しそうに見える… 海老原 あい|さっきは何かさ、 アンタのこと言われてイラッとしたんだよね。 海老原 あい|…カッコいいってさ。 良かったね。 |>あいは何故か気まずそうに 口をとがらせている… |>少しだけ、あいのことが分かった気がする… 海老原 あい|そろそろ帰ろっか。 あっち着く頃には真っ暗んなっちゃう。 海老原 あい|早く帰っても…何も無いけどね。 |>あいと稲羽市まで戻り、 家に帰った… |>ここも霧に覆われている… |>沖奈市 沖奈駅前… |>あいの強いリクエストで はるばるやってきた… 海老原 あい|んー… 今日は特に、欲しいの無いんだよね。 海老原 あい|何しよっか? |買い物に付き合って |ブラブラしよう |何で誘った? |えー、アンタの? |…ま、いっか。 たまにはそういうの、面白いかも。 |>あいは乗り気になったようだ。 |えー、目的無いのって疲れない? |…ま、いっか。 アンタとだったら、ちょっとは面白いかもね。 |>あいは乗り気になったようだ。 |悪いわけ? |アンタだって、あたしと一緒にいられるんだから 文句無いでしょ? |>あいは断言した… 海老原 あい|何かさー、ちょっと不思議だよねー。 海老原 あい|あたしがマネージャーにならなかったら、 アンタとこうしてないわけじゃん。 海老原 あい|アンタから見たら、 幸運が転がり込んできたって感じじゃん。 |ありがたい |そうでもない |あははっ、感謝してよ。 |>あいは少し嬉しそうだ… |あははっ、サボらされたりね? 悪い子になっちゃったねー。 |>あいはいたずらっぽく笑っている… 海老原 あい|あたしをアンタの部に入れたのは顧問だけどね。 海老原 あい|“指導の一貫として、部活動を行い 他者との協調性をどうの…”とか言ってさ。 海老原 あい|まー、あたしには、 スポーツとかマジでやる人の気が知れないけど… 海老原 あい|たまにはアンタの応援でもしたげるよ。 |>あいは何故か偉そうに笑っている… |>それなりに気に入られているようだ… |あ、あああの、海老原さん! |ここで会えて、う、運命感じて! あの、えと… |俺…俺と! つ、付き合ってくださいっ!! 海老原 あい|無理。 海老原 あい|鏡見てから来てよ。 |>あいはアッサリとフった… |もうちょっと言い方が… |もう少し話を聞いてあげれば? |あんなことを言える人間か? |外見重視? |だって、付き合う気無いし。 期待持たせるほうが可哀想でしょ? |>あいは肩をすくめている… |…あの人がイイ人でも、絶対惹かれない。 だったら期待持たせるほうが可哀想でしょ。 |>あいは肩をすくめている… 海老原 あい|どういう意味? 海老原 あい|アンタ、あたしを見下してんの? 海老原 あい|…少なくともあたしは、アンタを “人間としてどうこう”思ったこと無いけどね。 海老原 あい|帰る。 |>あいと一言も話さないまま、 同じバスに乗って帰った… |まぁ、あたしと釣り合うのが最低ライン? |あとは、ピンと来るかどうか…かなぁ。 あんまり誰かと付き合う気、無いんだけどね。 |>あいは淡々と話している… 海老原 あい|あー、何か最後に疲れた。 そろそろ帰ろっか。 |>あいと稲羽市まで戻り、 家に帰った… |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 下駄箱… |>“ちょっと待ってて”と言ったきり、 あいはどこかへ行ってしまった… 一条 廣|鳴上じゃん、何やってんの。 一条 廣|ウチのクラス、特別授業とかって 講堂集められてさ… 長瀬 大輔|鳴上、何やってんだ? 長瀬 大輔|俺らのクラス、特別授業とかって 講堂行かされてな。 |あ、そっか、二人ってバスケ部? |あ、そっか、二人ってサッカー部? |…てことは、 海老原あいがマネージャー!? |うおっ、マジかよ~超うらやましい! 一条 廣|…全然、来ないけどな。 長瀬 大輔|海老原…あ、マネージャーか。 全然来てないぞ。 |アレじゃん? 放課後は男漁りに忙しいんだろ。 |超遊んでるってなー。 何か、パパとかいるんだって? |金回り、良さそうだもんな~。 |…いくら、もらえんのかな? |お、おまっ、生々しいって~! |けど、相場知りてーよなー。 こんな田舎町だと、やっぱ安いんじゃん? |やーでも、現役の女子高生よ? しかも、あの顔、あの体よ? |そーそー、あの腰が… |>話が止まらない… |止める |放っておく |>話を遮った。 |>一条も不快だったようだ… |>話を遮った。 |>長瀬も不快だったようだ… 一条 廣|たく、やーめろって。 あること無いこと言われちゃ、可哀想だろー? 長瀬 大輔|止めろよ、んな話… 言われる方の身になってみろ。 |そ、そうだよな。 あっ、やっべー、部活遅れる! |ごめんな、鳴上。 お前と海老原さんって、結構仲いいんだろ? |あいつら、根は悪いヤツらじゃないから… 許したってよ。 |>一条からの気遣いを感じる… 一条 廣|じゃ、またなー。 |…悪いな、アイツら、ウチのマネージャーのこと 気に入ってるみたいでさ。 |ウチの部に来た時もなんだかんだ言ってたし… 後で、ちょっと叱っとくから。 |>長瀬からの気遣いを感じる… 長瀬 大輔|じゃ、またな。 |聞いてた? |じゃ、行こうか 海老原 あい|…あんなデカい声じゃね。 海老原 あい|…何で、何にもないフリすんの。 |別に…気にしてない、あんなの。 |…いつものことだし。 |>と言いつつ、 あいは悲しそうだ… |>あいの新しい一面を見た気がした… |別に…気にしてない、あんなの。 |…いつものことだし。 |あたしのこと何も知らない人に、 何言われたって… |平気なんだから… |けど…ありがと。 |>あいは嬉しそうに顔を赤らめている… |>あいのことが、また少し分かった気がした… 海老原 あい|…帰る。 海老原 あい|送ってよ。 |>あいを家まで送ってから帰った… |>八十神高校 屋上… |>あいに手を引かれてやってきた… 海老原 あい|あ…のさ。 えっと… 海老原 あい|こ、こないだは、どうもありがとう… |何のこと? |どういたしまして |別に、何もしてない |ほら…下駄箱で。 あたしのこと色々言ってた人、いたやつ… |>あいは恥ずかしそうだ… |その…嬉しかったんだ。 |>あいは恥ずかしそうだ… |ううん… |>あいは恥ずかしそうだ… 海老原 あい|あたし、ね… 海老原 あい|何か、変なの… 海老原 あい|あの時のこと思い出すと、 ドキドキして…寝れなくなっちゃうの… 海老原 あい|ど、どうしよう… 海老原 あい|あたし… 海老原 あい|あたしね… 海老原 あい|どうしよ… 好き…になっちゃった、みたい。 海老原 あい|変だよね、今さら…だけど。 海老原 あい|頭から、ずっと離れないの… 海老原 あい|一条君のこと… 海老原 あい|長瀬君のこと… 海老原 あい|か、彼女とか…いるのかな? 海老原 あい|好きなタイプとか…知ってる? その…あたしみたいの、嫌い…かな? |きっと嫌いだ |自信を持て |分からない |そ、そうかな… |>あいは落ち込んでいる… |う、うん! |>あいは生真面目に頷いた… |そ、そっか、 あんまりそういう話…しないの? |>あいは困っているようだ… |ね、ねえ、何か言ってよ… 汗かいちゃうじゃん… |>あいは小さく手を震わせている… 海老原 あい|こ、こういうの、慣れてなくてさ… 海老原 あい|頼れるの、アンタしかいないから… |>あいは、すがるように見つめてくる… |>見たことも無いあいの姿に、 仲が深まった気がした… 海老原 あい|…ね、お願い。 協力してくれるよね。 海老原 あい|好きなタイプ…聞いて欲しいの。 |分かった |断る! 海老原 あい|良かった… 海老原 あい|その、今日じゃなくていいから… お、お願い…します。 |>黙りこくるあいと別れ、 家に帰ることにした… 海老原 あい|あたし、死ぬ思いで… 海老原 あい|アンタならって思って相談したのに… 海老原 あい|…もういい! バカ! |>あいは駆け下りていった… |>…家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 屋上… |>あいに手を引かれてやってきた… 海老原 あい|き、聞いてくれた? 彼の…好きなタイプ。 |>一条の好きなタイプ… “優しい子”との回答を、あいに伝えた。 |>長瀬の好きなタイプ… “優しい子”との回答を、あいに伝えた。 |優しい子… |…可愛い子、じゃなくて? 美人…でもなくて? |>あいはやけに動揺している… 海老原 あい|だ、誰だって、可愛い子が好きでしょ? 可愛かったら、愛されるでしょ!? 海老原 あい|て言うか、まどろっこしいから、 好きな子…聞いてきてよ。 海老原 あい|…ほら、早く! |>…断れなさそうだ。 |>階下に戻ってみよう… |>ここも霧に覆われている… 一条 廣|あ、鳴上じゃん。 一条 廣|オレ、トイレ…って、お前も? やだよー、連れションは。 |>一条に、好きな女の子を聞いた… 一条 廣|え、や、す、好きな子!? ちょ、何イキナリ!? 一条 廣|やー、え、やー… |>もう一押し、つついてみた。 一条 廣|お、お前だから言うけどさ。 本人には、つか誰にも、絶対言うなよ!? 一条 廣|さ、と、なか、さん。 一条 廣|里中さんだよ! 何だよ! アホ! 一条 廣|お前、席隣とか言って うらやましいんだよチクショー! 一条 廣|んじゃな! 出るもんも出なくなるっつんだよ! 長瀬 大輔|おう、鳴上か。 何やってんだ? |>長瀬に、好きな女の子を聞いた… 長瀬 大輔|何だ、この間から… 長瀬 大輔|…いない。 |>海老原あいをどう思うか、聞いてみた。 長瀬 大輔|海老原…ああ、マネージャー。 長瀬 大輔|…興味無いな。 長瀬 大輔|そんだけか? じゃーな。 |>視線を感じる… |>…あいが聞いていたようだ! 海老原 あい|来ないでよ!! 海老原 あい|里中って、アレでしょ? あのダッサイ子でしょ!? 海老原 あい|あたし、あんなのに負けたの? あたしのほうが、ずっとずっと可愛いのに!! 海老原 あい|あたしのこと、好きじゃないって! 興味すら、無いって…! 海老原 あい|あたし、あたし…! |>あいは冷静さを失っている… |>とにかく落ち着かせないと、 大変なことになってしまう… 海老原 あい|みんな…可愛い子が好きなんでしょ? 海老原 あい|あたし、可愛くなったよ!? 頑張って、可愛くなったよ!? 海老原 あい|なのに愛されなかったら…! 意味、無いじゃん! |落ち着いて |こっちへ来て |ゆっくり話を聞かせてくれ 海老原 あい|う…うっく、う、ううっ… 海老原 あい|あたしね… 海老原 あい|昔、デブでドン臭くて… 家も貧乏でね、イジメられてたの。 海老原 あい|クラスの子に囲まれてさ、 “気持ち悪い”とか“ブタ原”とか言われて… 海老原 あい|好きな男の子には、 “こっち見んなよ、菌が移る”とかね… 海老原 あい|今でも、夢に見る… 海老原 あい|…中学になるとき、 ウチが急にお金持ちになったの。 海老原 あい|そしたら、やっかみがすごくて… 逃げるようにココに引っ越してきたんだ。 海老原 あい|あたし、チャンスだと思った… 見返す時だと思ったの… 海老原 あい|ダイエットして、体も鍛えて、 ファッション誌もあるだけ読んで… 海老原 あい|モテるコツとか、笑顔とか、 全部雑誌で勉強した。 海老原 あい|でも… 海老原 あい|あははっ… 海老原 あい|やっぱ…ダメだったな。 海老原 あい|可愛くなきゃ愛されないのに、 可愛くなったと思っても、愛されない。 海老原 あい|結局、愛されない… 海老原 あい|他に、とりえなんて無いのに… |焦ることはない |あいの魅力が分からなかっただけ |アイツを叱ってやるから 海老原 あい|アンタは…優しいね。 海老原 あい|アンタみたいのを好きになれば良かった… |だったら付き合おうか 海老原 あい|…うん、いいよ。 海老原 あい|ねえ…あたしたち、付き合おうか? |別に構わない |今はよく考えろ 海老原 あい|…うん。 海老原 あい|…アンタって、変なヤツ。 海老原 あい|うん、ごめん… 今は…混乱してる。 |>あいは悲しげに笑っている… |>あいとの仲が深まった気がした… |>あいと特別な関係になった。 海老原 あい|今日は、もう帰るね… 海老原 あい|ありがと。 |>あいは重い足取りで、 階段を下りて行った… |>…家に帰ることにした。 海老原 あい|なんて、ね…ハハ。 |>沖奈駅前 ショップ“CROCO*FUR”… |>あいに引きずられるようにして やってきた… 海老原 あい|ねえ、あたしに服、選んでよ。 どういうのが似合う? |可愛らしい感じ |大人っぽい感じ |カジュアルな感じ |…そうだよね、やっぱりあたし、 可愛い服が一番似合うよね。 |>あいは頷いている… |…そういうのもいいかもね。 あたし、何でも着こなせちゃうし。 |>あいは何故か、憂うつそうだ… |…そんなの、似合わない。 誰と比べてるの? |>あいは何故か、憂うつそうだ… |あっらー、あいちゃん。 久しぶり~。 |あ、こないだの彼氏だぁ。 うふふ、仲いいんだぁ~? 海老原 あい|うん、そう、彼氏。 すっごく仲いいの。 海老原 あい|だよね、悠。 |そうだね |そうかな? |やぁだ、やけるぅ。 |>あいはホッとしたようだ… |やぁん、テレてるぅ。 |>あいは不機嫌になったようだ… |幸せなあいちゃんに、ピッタリのお洋服がね… 海老原 あい|買う、全部。 早く包んで。 |は、はい、只今… それに合いそうな小物なんかもあって… 海老原 あい|それも全部買う。 |途中までお持ちしますねぇ? 駅でしたっけ、バス… 海老原 あい|いい、彼が持ってくれるから。 海老原 あい|…優しい彼だもの。 |あ、そうぉ? じゃあここで…ありがとうございましたぁ。 海老原 あい|あたし、可愛い? |可愛いよ |そうでもない |急にどうした |そっ、か…ならいいの。 と、当然だよね。 |>あいはホッとしたようだ… |>あいは不安そうに黙ってしまった… |>否定は良くないようだ… |>あいは不安そうに黙ってしまった… |>ごまかせないようだ… 海老原 あい|今日、楽しかった。 海老原 あい|…いいね、デートって。 |>あいは、どこか辛そうに笑っている… |>見たことも無いあいの姿に、 仲が深まった気がした… 海老原 あい|帰ろうか。 海老原 あい|…ヤだけど。 |>あいと稲羽市まで戻り、 家まで送り届けてから帰った… |>八十神高校 下駄箱… |>あいと、沖奈駅まで出かけることにした。 海老原 あい|悠… あたしのこと、好き? |もちろん |急にどうした |…ん。 ならいいの。 |>あいはホッとしたようだ… |>あいは不安そうに黙ってしまった… |>ごまかせないようだ… 海老原 あい|あたしが、必要でしょ? |そりゃもう |ここで答えるのか? |…そっか。 |>あいはホッとしたようだ… |>あいは不安そうに黙ってしまった… |>言わなくてはいけないようだ… 海老原 あい|じゃあ…行こうか。 |>あいは幸せそうに笑った… |>あいと、仲が深まった気がした… 一条 廣|お、鳴上じゃん。 一条 廣|オレら、部活の総会準備とかって 集められててさー。 一条 廣|…ま、いいよねそんな話。 一条 廣|鳴上~、後で報告しろよ? 長瀬 大輔|付き合ってんのか? 一条 廣|バッカ長瀬! んなこと、ストレートに… 海老原 あい|ち…違うから! 全然!! 海老原 あい|あ… 一条 廣|ご、ごめんなジャマして。 またなー。 |>一条と長瀬は去って行った… 海老原 あい|ちょっと、恥ずかしかったから。 海老原 あい|今日、やめる。 海老原 あい|それじゃ。 |>…家に帰ることにした。 |>八十神高校 屋上… |>暗い顔つきのあいと、 階段を上ってきた… 海老原 あい|あのね…考えたんだけど。 海老原 あい|付き合うの…やめたいの。 |なんで? |イヤだ |自分勝手だ 海老原 あい|アンタは…優しいから。 海老原 あい|優しいから、いい人だから… いつか、好きになれると思ったの。 海老原 あい|ごめん… 海老原 あい|ごめん…ごめんなさい。 海老原 あい|アンタは、優しいから、いい人だから… いつか、好きになれると思ったの。 海老原 あい|ごめん… 海老原 あい|アンタのこと、大事だよ。 海老原 あい|大事だから… あたしなんかと付き合ってちゃダメ… 海老原 あい|もう…自分が嫌い。 海老原 あい|こうやって大事な人、傷つけて… 海老原 あい|あたし、何の価値も無いのに… |そんなことは無い |これから価値を探せばいい |価値なんて自分が決めるもの |悠… |どして、こんなあたしに… そんな優しいこと、言えるの? |>あいは泣いている… |悠… あたし… |>あいは泣いている… |あたしが…? |>あいは泣いている… 海老原 あい|あたし、悠が大事だよ。 海老原 あい|ホント、無くしたくないの。 だから付き合うとか、怖いの。 海老原 あい|きっとあたしのこと嫌いになって… 離れてくから。 |離れない |その時はその時だ |怖がってたら何もできない 海老原 あい|信じるの…怖いよ。 海老原 あい|そんなふうに、思えないよ… 海老原 あい|あたし、そんなに強くないよ… 海老原 あい|ワガママなの、分かってる… 都合いいこと言ってるって…分かってる。 海老原 あい|それでも…そばにいて欲しい。 海老原 あい|友だちとして…ダメ? |それでもいい |分かってた |時間を置こう |悠…ありがとう。 |>あいはホッとしたようだ… |そっか… 悠、ごめん…ありがとう。 |>あいはまた泣き出した… |悠…ありがとう。 |悠が許してくれたら、 また、話したいな。 |>あいは涙を堪えている… |>あいが、正直に話してくれたことで… |>結果はともあれ、 より、分かり合えた気がする… |>だが、二人の関係はこじれ… 海老原 あい|…帰ろう? |>…家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>高台… |>静かなところへ行きたいと言う あいを連れてやってきた… 海老原 あい|近いのに、初めて来た… 海老原 あい|すごいね、自分ちが小さく見える… 海老原 あい|…あたしね、まだ全然、分からない。 海老原 あい|あたしのとりえとか、価値とか… なんていうか…生きてる意味…。 海老原 あい|死んだほうがマシって思ったのに、 今、こうしていられる理由っていうか… 海老原 あい|…けどね、分かったこともあるの。 海老原 あい|強がってただけってこと… 優しい人に、助けられてるってこと… 海老原 あい|アンタとみたいな出会いが… この先もあるなら、生きててもいいかなって。 海老原 あい|それだけで、意味なんていい気がした… 海老原 あい|でも…あたし、まだ一人じゃダメそう… これからも…そばに、いてくれる…? |もちろんだ |場合による |もう一人で平気だ 海老原 あい|あ、ありがとう… 海老原 あい|ごめんね、ホッとしたくて聞いちゃった… 海老原 あい|そ、そうだよね、 約束したから仲が壊れないわけじゃない… 海老原 あい|あたし、努力するよ。 お互いが、ちゃんと刺激になるように… 海老原 あい|ん… それはそれで、寂しいじゃん… 海老原 あい|これ…もらって。 海老原 あい|変わろうって思ってから、ずっと持ってたの。 海老原 あい|いつでもチェックできるように、 いつでも可愛くいられるようにって… 海老原 あい|でももう…いらないから。 海老原 あい|アンタや、アンタみたいに…大事な人が、 あたしの鏡になってくれるって思うから。 海老原 あい|あたしを映して、あたしが迷わないように、 ウソつかないように、鏡でいてくれるから… 海老原 あい|ありがとう、悠の目が、 そう教えてくれた… 海老原 あい|悠だけが… 海老原 あい|噂とか、人が言うこと全然気にしないで、 私のこと、真っ直ぐ見てくれた。 |>あいとの間に、深い絆を感じる… 海老原 あい|あのさ、よかったら… これからも、いい友達でいたいって思うの。 海老原 あい|アンタもそう思ってくれ続けるよう、 頑張るからさ…ヨロシクね。 海老原 あい|…何か、恥ずかしいこと言ってるよね。 どっか…食べ行こっか? |>あいと長い時間を過ごし、 家に帰ることにした… |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>あいを呼んだ… 海老原 あい|…もうちょっと、あたしん家に近いと 来やすいんだけど。 海老原 あい|引っ越したら? 海老原 あい|…な、なによ。 なにか勘違いしてない!? 海老原 あい|こんな部屋、 いつでも来てあげるんだからっ! 海老原 あい|でさ、えっと… 今日は…何しよっか… |>長い間、あいと一緒に過ごした。 |>あいとの固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 あいを家まで送った… |>屋上 給水塔の上… |>あいに連れられて、登ってきた… 海老原 あい|ごめんね、いつも付き合わせてさ… |別にいい |今さらどうした |ん、ありがと… アンタってホント、優しいね。 |>あいは穏やかに笑っている… |いつも、思ってるよ… ちょっと言っておきたかったの。 |>あいは苦笑いをしている… 海老原 あい|…少しね、落ち着いて考えたの。 海老原 あい|何で、バカみたいに買い物するのか… 何で、着飾ろうとするのか…とかさ。 海老原 あい|何で、サボりたいのか… 目をつけられたいのか、目立ちたいのか… 海老原 あい|…何で、アンタと話したいのか。 海老原 あい|可愛くないなら、 死んだほうがマシとかって思ってた… 海老原 あい|可愛くないと、嫌われるし… 嫌われて生きてて、いいことなんか無いし… 海老原 あい|でも、ホントにそうなのかなって… 海老原 あい|…分かんないことばっかだけど、 アセること無いんじゃないかなって… 海老原 あい|…部屋で…気付いたら泣いてた。 目が腫れるから、絶対泣かなかったのにさ… 海老原 あい|カーテン越しに外を見たら、夜、明けてて… 星が薄く光っててさ… 海老原 あい|アンタのこと、思い出した… 海老原 あい|なんでかな… |友だちだから |好きだから |大事な存在だから |あたし、男の知り合いはいっぱいいたけど… 友だちは初めてだったのかな… |>あいは嬉しそうに微笑んでいる… |あはは、冗談ばっかり… もういいんだって、付き合うとかそういうの。 |そういうのよりもっと、 大事な関係…に思えるんだ。 |>あいは嬉しそうに微笑んでいる… |ん… |付き合うとか、そういうんじゃなくて… もっと、大事…かも。 |>あいは嬉しそうに微笑んでいる… 海老原 あい|…アンタって、不思議。 海老原 あい|会えて…嬉しい。 |>あいから、素直な信頼を感じる… |>あいと、仲が深まった気がした… 海老原 あい|…帰ろっか? 海老原 あい|…あたしといるとこ見られたら、 アンタも補講受けるハメになっちゃう。 |>あいと別れ、家に帰ることにした… |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 屋上… |>あいに連れられてやってきた… 海老原 あい|あのね、アンタに、報告がある…。 海老原 あい|廊下で偶然ぶつかって… ちょっとしゃべったの。 海老原 あい|…長瀬君と。 海老原 あい|廊下で偶然ぶつかって… ちょっとしゃべったの。 海老原 あい|…一条君と。 海老原 あい|でもね… 全然だったみたい。 海老原 あい|…トキめかなかった。 海老原 あい|普通の…いい男の子、って感じ。 一時的なものだったみたい。 |よくあることだ |ひどい女だ |悔し紛れか? |恋に恋する…っていうアレ…? |はは…まさか自分がね… 優しくされると、コロッといっちゃうのかも。 |>あいは肩をすくめている。 |あはは…ホントだよね。 これでもし、上手く行ってたりしたら… |付き合ってから、“こんなハズじゃない”って 言ってたかも。 |…ひどいよね。 |>あいは苦笑いしている… |んー… もう、悔しいって気持ちは無い、と思う。 |むしろ、気付かせてくれてありがと、みたいな? |>あいは穏やかに笑っている… 海老原 あい|…あたしね、自分自身にもウソついてた。 海老原 あい|裏表があるんじゃなくて、 裏があることを忘れようってしてた… 海老原 あい|ホントのあたしはさ… シェパードよりブルドッグが好きなの。 海老原 あい|…短距離より長距離走が得意だし、 紅茶より牛乳だし、スイーツより大福。 海老原 あい|テレビの配線とか死ぬほど分かんないし、 アロマなんか臭いだけだし、バッグなんて 物が入れば…いい。 海老原 あい|でもそういう自分を、見ないフリして… あたし自身も忘れてた。 海老原 あい|そんなんで、好きも何も… とりえも何も、あるわけ無いよね… 海老原 あい|だから…あたし今、すごい気持ちいいよ。 |>あいは、晴れやかに笑っている… |>あいの支えになれた気がした… 海老原 あい|ああ、もう暗くなってきた… 楽しいときって、ホント早く過ぎるんだね… 海老原 あい|…ばいばい、またね。 |>あいと別れ、 家に帰ることにした… |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 下駄箱… |>あいと、沖奈駅まで出かけることにした。 |>誰かが、あいに話しかけてきた… |なーなー、あいちゃーん。 最近、冷たいんじゃないのぉ? |うっひょー、無視? たまんねーなオイ。 |聞いてるぜー、お気に入りの男がいるって。 転校生の…鳴上? だっけ? |あんなんと付き合ってんのぉ? 海老原 あい|別に…付き合ってないけど。 海老原 あい|それより、彼のこと悪く言わ… |だぁよなー、オレ、安心しちった! |あんなんよりオレのがいいって。 マジ、天国見せちゃるよ? 海老原 あい|やめてよ、馴れ馴れしい… アンタとそんな関係じゃないけど? |おいおい、仏の顔もナンとやらだぜぇ? いいから来いって。 海老原 あい|行かない。 行く気、全く無い。 |…おいおいおいおい! 上級生のオレをさんざ、パシリ扱いしてそれか? |自慢の顔、傷つけてやってもいいよ? 仲間、いっぱい呼んでさぁ。 海老原 あい|バカらしい。 やりたきゃやれば? |>不穏な空気だ… あいが危険な気がする。 |助けに入る |様子を見る |>とにかく、助けることにした! |>様子を見よう… |>…だが、溢れる“勇気”が放っておかない! |>とにかく、助けることにした! |な、何だよ、彼氏気取りかよ? 遊ばれてるくせに…バカじゃねーの! |生意気なんだよ、ガキ!! 海老原 あい|キャッ! |>あいが殴られた… |ざ…ざまー見ろ! 海老原 あい|いたた… 海老原 あい|あ…っと、余計だった? |ありがとう |平気? |無茶な真似するな |えへへ… |>あいは照れくさそうに笑っている… |うん、冷やしとけば治るって… |>あいは気丈に笑っている… |うん、ごめん… |>あいは照れくさそうに笑っている… 海老原 あい|き、気にしないで。 あたしも、アンタに何か出来たら…って。 海老原 あい|ま、そこまで考えたわけじゃなくて、 体が勝手にだけど。 海老原 あい|顔、歪んじゃうかな… 海老原 あい|…ま、いいか。 |>あいは、腫れた頬で笑っている… |>あいと、仲が深まった気がした… 海老原 あい|どっか、近場にしよ? こんな顔だし… 海老原 あい|…こんな顔だけど、 アンタといたいから… |>あいと校内で話して過ごし、 送ってから帰った… |>八十神高校 屋上… |>あいに引っ張られるようにして 連れてこられた… 海老原 あい|あのね… 海老原 あい|アンタって、すごい変人だよね! 海老原 あい|あたしみたいのにずっと付き合ってさ! 海老原 あい|あたし、結構可愛い方だと思うんだけど、 付き合わないとかってさ! 海老原 あい|…なのに、優しいしさ。 |そんなの、仕方ないじゃん! |好きになるじゃん! |>…どうやら、告白されたようだ。 |>どうしようか… |受け入れる |受け入れない |…ホント? |え…あたしで、いいの? |嬉しい… |オ、オッケーとかホント、 思っても見なかったから… |>もう、後戻りはできない… |>あいと、特別な関係になった。 海老原 あい|うん、分かってる… 海老原 あい|ありがとう、ちゃんとフッてくれて。 海老原 あい|前にね、付き合おうかって言ったら、 “よく考えろ”って言ってたでしょ… 海老原 あい|あれ、遠まわしの拒絶かなって… だからダメなんだろうなって… 海老原 あい|…でも、言いたかったの。 海老原 あい|あたし…救われたんだもん。 海老原 あい|だって、アンタだけが… 海老原 あい|噂とか、人が言うこと全然気にしないで、 私のこと、真っ直ぐ見てくれた。 海老原 あい|ありがとう… 海老原 あい|これ…もらって。 海老原 あい|変わろうって思ってから、ずっと持ってたの。 海老原 あい|いつでもチェックできるように、 いつでも可愛くいられるように。 海老原 あい|でももう…いらない。 海老原 あい|…アンタや、アンタみたいに…大事な人が、 あたしの鏡になってくれる。 海老原 あい|あたしを映して、あたしが迷わないように、 ウソつかないように、鏡でいてくれるから… 海老原 あい|ありがとう、悠の目が、 それを教えてくれた… |>あいとの間に、深い絆を感じる… 海老原 あい|ん…と。 海老原 あい|…もっと、いいでしょ? |>あいと二人っきりで、 長い時間を過ごした… 海老原 あい|覚悟してたのに、やっぱ傷つく… って、ワガママだね。 海老原 あい|今はアンタの顔見るとツライから… もう一人で、平気だから… 海老原 あい|ばいばい。 |>あいを残し、そっと家に帰った… |>ここも霧に覆われている… 中島 秀|…中島秀です。 どうも。 |ごめんなさいね~、人見知りする子で。 |でも頭は良いのよ~。 この間もね、テストで一番を取って、先生から… 中島 秀|お母さん! 中島 秀|…も、もういいからさ。 勉強するんだから、向こう行っててよ。 |あ~、はいはい。 勉強の邪魔しちゃ悪いわよねえ。 |それにしても、鳴上君、だっけ? 八高って最近グングン伸びてるでしょう。 |秀ももう中2だから、そろそろ志望校を 考えなくちゃいけないのよねえ。 |まあこの子のことだから、私も心配は してないけど、ゆくゆくは国立大となると… 中島 秀|お母さん! もういいってば… |あらあら、そうよねえ。 じゃあ鳴上先生、お願いしますね~。 |秀ちゃん、ちゃんと勉強するのよ? 中島 秀|…鳴上さん、でしたよね。 中島 秀|言っておきますけど僕は、 八高なんかに行く気はありませんから。 中島 秀|行ってた塾のレベルが低かったんで 家庭教師に切り替えただけですし… 中島 秀|すぐに来られる家庭教師ってのが、 鳴上さんしかいなかったみたいで。 中島 秀|能力が低ければ、すぐ変えてもらいますから、 そのつもりで。 |宜しく |心配するな |生意気なガキだ 中島 秀|…どうも。 中島 秀|…心配です、当然。 できれば何度も自己紹介したくないですからね。 中島 秀|…そう言われるの、慣れてますから。 中島 秀|…じゃ、何から始めますか? 苦手な教科は特に無いですよ。 |>自信を持って教えられそうな教科は… |数学 |英語 |体育 中島 秀|いいですよ。 中島 秀|…笑えない冗談ですね。 |>冷ややかに見られたが、グッと我慢した… |>秀の勉強を見た。 |>確かに、理解は早いようだ。 すらすらと問題を解いていく… |>こちらも頑張って、 分かりやすいように工夫して教えた… 中島 秀|続きは次回ですね。 中島 秀|意外に、教え方上手いですね。 分かりやすかったです。 中島 秀|…まあもともと、 理解してる範囲だったからだと思いますけど。 中島 秀|これから、先生の都合のいい日に 来てくれればいいですから。 中島 秀|僕も自分のペースがあるので… えっと…宜しくお願いします。 |>…家庭教師として、 とりあえず認められたようだ。 |>多少生意気な、家庭教師先の生徒、 “中島秀”と知り合いになった。 |>秀との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 中島 秀|それじゃ。 |>秀の勉強を見た。 中島 秀|問4の解法なんですけど、 なんでこの公式使うんですか? |>分かりやすいように工夫して教えた… |美味しいでしょう、このチーズケーキ。 |インターネットで話題になっているお店でね、 評価が15週連続トップなんですって。 |まるで秀ちゃんみたいでしょ。 中島 秀|…もー、いいから! |だってお母さん、秀が自慢なんですもの。 |それで先生、秀なんですけど… |東大入れますかしら? |この子に苦労させたくないんです。 いい大学に入ってもらえれば、“安泰”でしょう? |人それぞれ向き不向きがあって、 秀ちゃんは丁度、勉強に向いてるから… |是非とも、いい大学に入って、 いい企業にお勤めして、いい人と… 中島 秀|……。 中島 秀|大丈夫だよ、お母さん。 中島 秀|僕、いつだってトップだろ。 今までも、これからも。 |そうよねえ。 ほ~んと、手のかからない良い子で… |>秀の母親の話が続いた… 中島 秀|…いい大学に入れば、“安泰”ですか? |もちろん |分からない |違うと思う 中島 秀|…そうですか。 じゃあ、それを目指せばいいのかな… |>秀はどこか投げやりだ… 中島 秀|…もうすぐ受験じゃないんですか? |>秀がいぶかしげに見つめてくる… 中島 秀|…大学、まだ入ってないのに分かるんですか? |>秀が皮肉っぽく見上げてくる… 中島 秀|けど別に、“安泰”なんていらないです。 どんなことか良く分からないし… 中島 秀|…まあ、でも、勉強しないと。 頭良くないと、意味無いみたいだし。 |>秀は下を向いている… 中島 秀|レーゾン・デートル。 中島 秀|…知ってます? |逆に秀に説明する |何それ? 中島 秀|…意外ですね。 って言っても、3つも年上なら当然か。 |>秀は何やら頷いている。 中島 秀|…や、何でもないです。 |>秀はガッカリしたようだ… 中島 秀|…くだらないこと言いましたね。 中島 秀|ウチ、母親しかいないし、学校の奴らなんて 子ども過ぎて話になんないんで… |>どうやら、わずかながら 秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、ほんの少しだけ 深まった気がした… 中島 秀|もう、時間ですね。 さっき、途中だった問題ありましたけど… |今日は終わりで… |もちろん続ける 中島 秀|…そうですか。 じゃあ、今度で。 |張り切っても、バイト代は 変わらないと思いますよ。 |…まあ、お願いします。 |>秀はほんの少し嬉しそうだ。 |>引き続き、秀の勉強を見ることにした。 |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>秀の勉強を見た。 中島 秀|ここが円になるから、 半径を底辺にする三角形で…高さが… |>分かりやすいように工夫して教えた… 中島 秀|…あの。 中島 秀|学校、どんなところですか? |楽しい |厳しい |つまらない 中島 秀|あー… だと思いました。 |>秀はつまらなそうだ… 中島 秀|へえ… 校則は緩そうだけど。 |>秀は興味深そうに聞いている。 中島 秀|…やっぱ、どこも一緒なんだ。 |>秀は頷いている。 中島 秀|全然、関係無いんですけど… 中島 秀|クラスに転校生がいるんです。 中島 秀|ここを田舎だってバカにしてて、 無視されてますけど。 |自分も転校生だ |確かに田舎だ |友達になれ |…! |あ… そ、そうなんですか。 |知らなかった… |>秀は何故か驚いている。 中島 秀|あ、だから… |>秀は何か考え込んでいる。 中島 秀|ですよね… |>秀は笑っている… |>秀は笑っている… 中島 秀|あ、ええと…ソイツが言ったんです。 “井の中の蛙だった”って。 中島 秀|ここが田舎で…あれ? 中島 秀|嫌です。 中島 秀|…あ。 気が、合わないです。 なんか、偉そうで。 |>秀は下を向いている… 中島 秀|学校、めんどくさい。 中島 秀|クラスの奴らはバカばっかりだし、 授業だって…意味無いし。 中島 秀|ずっと分かりやすいよ。 …先生のほうが。 |>どうやら、少しずつ 秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、また少し 深まった気がした… 中島 秀|あ、時間。 キリいいし、今日は終わりですね。 |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>秀の勉強を見た。 中島 秀|…あ、そうか。 thatが省略されてて…えっと… |>分かりやすいように工夫して教えた… 中島 秀|…実は英語、ちょっと苦手で。 中島 秀|教科書覚えとけば点は取れるんですけど、 根本的に理解してない感じがあって… 中島 秀|でもそんなの、分かってないんですよね。 学校の先生は。 中島 秀|いい商売ですよね。 アホでもイバれるし。 中島 秀|…何も、分かってない。 |そんなものだ |そんなことはない 中島 秀|テストの点が、イコール生徒の価値。 …分かりやすいですけどね。 |>秀は頷いている。 中島 秀|…僕には見えません。 中島 秀|テストの点が、イコール生徒の価値。 そういう奴らです。 |>秀は難しい顔をしている… 中島 秀|…こないだ言った、転校生のことなんですけど。 中島 秀|あいつ、割と成績いいけど… 僕には勝てないんだ。 中島 秀|そしたら、クラスの奴らも、先生も、 “転校生は意外と駄目だ”って顔して… 中島 秀|…見下してて。 中島 秀|なのにあいつ、偉そうだから…嫌われてて。 最近じゃ誰も、話しかけない。 中島 秀|…くだらないです、全部。 中島 秀|こんなくだらないのに、 何で学校に行かなきゃいけないんだろう? 中島 秀|あんなトコ… |義務教育だから… |行かなくてもいい |甘えるな! 中島 秀|知ってます、そのぐらい。 |>秀は嫌そうな顔をしている。 中島 秀|義務教育、でしょう? 中島 秀|たとえ転校したって、 その学校もきっとくだらない。 中島 秀|どこも一緒ですよ。 |>秀は嫌そうな顔をしている。 |>秀を叱り飛ばした。 中島 秀|甘え… ああ、そうか、皆イヤイヤ行ってるのか… |>秀は何やら考え込んでいる… 中島 秀|…八高、楽しそうですね。 なんか先生見てると。 中島 秀|あ、けど僕が高1のとき、 先生は卒業してるのか… 中島 秀|じゃあ、意味無いですね。 |>どうやら、少しずつ 秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、また少し 深まった気がした… 中島 秀|あ、時間ですよ。 …気をつけて。 |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>秀の勉強を見た。 中島 秀|haveの後だから過去分詞にして… done…でしょ。 |>分かりやすいように工夫して教えた… 中島 秀|…英語も暗記科目なのかなぁ。 中島 秀|数学も、公式覚えて当てはめるだけ。 理科だって科学反応式覚えるだけ。 中島 秀|テストは、覚えられたかどうかを判定して、 忘れた箇所を落とすだけ… 中島 秀|ね、先生の学校、イジメとかある? |あるかも |無い |分からない 中島 秀|ふうん… 高校生になっても、バカはいるんだ… |>秀は苦笑している。 中島 秀|高校生にもなったら、そうですよね… |>秀は頷いている。 中島 秀|高校生にもなったら、 さすがに無いですかね… |>秀は考え込んでいるようだ。 中島 秀|別に、殴られる訳じゃないです。 物を隠されることも無いし、金も取られない。 中島 秀|…ただ、居場所が無いだけ。 中島 秀|イジメとは、違うのかな。 |相手にするな |努力しろ |よし、任せろ 中島 秀|相手にしてないですよ。 …お互い。 |>秀は下を向いている… 中島 秀|努力… 中島 秀|あー…そうですね。 |>秀は何やら考え込んでいる… 中島 秀|…先生。 中島 秀|あ…と、どうも。 |>秀はどことなく嬉しそうだ。 中島 秀|あ、その… 僕のことじゃないですよ。 中島 秀|クラスの転校生の…ことです。 僕じゃない。 中島 秀|なんか先生には、 言わなくて良いことを言っちゃうな。 |秀らしくない |別にいい |僕らしく、ない? |僕らしい…? |>秀は首を捻っている。 |>気にしていないことを伝えた。 中島 秀|…うん。 |>秀はどことなく嬉しそうだ。 中島 秀|えっと… また、来てもらえますよね? |>どうやら、秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、また少し 深まった気がした… 中島 秀|じゃあ…気をつけて。 |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>秀の勉強を見た。 |同じ意味の文になるよう… |えっと… He is good at… |>分かりやすいように工夫して教えた… |外国人は、物考えるときも 自分とこの言語で考えてるんですよね? |…変なの。 |>秀は肩をすくめている。 中島 秀|今度、学校で創立記念祭があるんですよ。 中島 秀|で、クラスで出し物やることになって、 女子とか騒いでて… |面倒くさい? |輪に入れない? 中島 秀|すごく、ね。 中島 秀|入りたくない、です。 中島 秀|…全員、バカですよ。 |そういう時期だ |そんなことはない |…先生も前はそう思ってて、 今はそう思わない…ってこと? |そんなものかなあ… |>秀は首を捻っている。 |先生は見てないから。 あいつら。 |>秀はウンザリした表情だ… |…学校はそんなだし、 家に帰ればお母さんがいる。 |“あなたは優秀なんだから” “あなたなら一番取れるから” |“お母さん、あなたが自慢なの” “自慢の子どもなの” |でも、僕は… |>秀は苦しそうな顔をしている… 中島 秀|先生は…お金もらえるから ここに来てるんだよね? |もちろん |それもある |それは無い 中島 秀|うん…そうだよね。 中島 秀|あ、じゃあ、勉強しなきゃね。 せっかく、お金渡してるんだからさ。 中島 秀|もったいないから… 中島 秀|>秀はどこか寂しそうだ… 中島 秀|中島 秀 ……。 |それ以外もある? |…ケーキだったりして。 |>秀は笑っている… |僕は…頼んでないですよ。 |>言葉とは裏腹に、 秀は嬉しそうだ… 中島 秀|今まで学校と家しか無かったんで… 中島 秀|先生来るの、結構、楽しみです。 |>どうやら、秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、また少し 深まった気がした… 中島 秀|…あ、まだ分からないところあるので、 もう少し、見てもらっても良いですか? |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>秀の勉強を見た。 中島 秀|…この公式、丸暗記してただけだけど、 どうしてこれを使うんですか? |>分かりやすいように工夫して教えた… 中島 秀|公式一つに、考えること一杯あるんですね。 編み出した昔の人、天才ですね。 中島 秀|…僕も天才に生まれてくれば良かった。 |努力次第 |既に天才だ |諦めろ 中島 秀|天才って、努力でなれるもの? 中島 秀|…努力は結構、してると思うけど。 足りないのかな… |>秀は考え込んでいる。 中島 秀|え、違うよ。 中島 秀|天才だったら、こんなに… |>秀は肩をすくめている。 中島 秀|冷たい。 中島 秀|…けど、そうですよね。 嫌なら死ぬしかないし。 |>秀は肩をすくめている。 中島 秀|すみません、今日はちょっと疲れたんで… 勉強の残りは、次回でいいですか? |>秀の顔色が悪い… 中島 秀|…何か話、して。 |そう言えば、学校で… |町で起こってる事件だけど… |好きな女の子のタイプは… |>秀に、学校の話を聞かせた。 中島 秀|…学校の話してるとき、 いつも楽しそうですよね。 |>秀は少し寂しそうだ… |>秀に、町で起こっている事件について 当たり障りの無い話をした。 中島 秀|…学校のヤツらも皆、話してますよ。 怖い怖いって、楽しそうに。 中島 秀|都会より、よっぽど凶悪な気がします。 こんな地方都市のほうが… |>秀は苦笑いをしている… |>秀に、好きな女の子のタイプを話した。 |>…ノリで、あけすけに語ってみた。 中島 秀|へー。 …ちょっと意外。 中島 秀|ていうか、すごく意外。 |>秀は笑っている… 中島 秀|…あ、すみません。 こんな時間。 中島 秀|今日は…ありがとうございました。 久々にリラックスできた気がします。 中島 秀|また、何か聞きたいです。 |>どうやら、秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、また少し 深まった気がした… 中島 秀|それじゃあ…また。 |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>秀の勉強を見た。 中島 秀|…ここ、テストに出る? 出るなら覚える方法、知りたいんですけど。 |>分かりやすいように工夫して教えた… 中島 秀|テスト、迫ってきたから… 中島 秀|今回、範囲が広くて… 中島 秀|…あ、まあ、今回もトップですけど。 負けないし…絶対。 |>言葉とは裏腹に、 秀は不安そうな顔をしている… 中島 秀|…ね、先生。 中島 秀|成績が良くて、スポーツもできて、 話が面白くて、顔もいい… 中島 秀|そういうヤツ、見たことある? |ある |無いかな |ここにいる 中島 秀|そっか… やっぱりいるんだ、そういうヤツ。 |>秀は苦笑いをしている… 中島 秀|じゃあ… そういうヤツがいたら、特別? 中島 秀|そいつに会ったら… もう、どうしようもないのかな。 |>秀は苦笑いをしている… 中島 秀|…先生、自分のこと? 中島 秀|すごい自信ですね… 中島 秀|や、うらやましい。 |>秀は笑っている。 中島 秀|最近、夢を見るんです。 中島 秀|電車に乗ってる夢… 中島 秀|どんどんスピードは上がってくけど、 行き先は分からない。 中島 秀|ドアが無いから降りれない。 なのに後ろの車両から誰かが来るんだ。 中島 秀|ドアの音と、足音がして… 誰か分からないけど、すごく怖くて… 中島 秀|…その夢を見るたびに、 1両ずつ、近づいてくるんだ。 |きっと、疲れてる |きっと、憑かれてる 中島 秀|うん… 中島 秀|寝る時ぐらい、休みたいんだ。 開放されたいのに… |>秀の顔色が悪いようだ… 中島 秀|えっ… 中島 秀|…やめてください、茶化すの。 中島 秀|寝る時ぐらい、休みたいんだ。 開放されたいのに… |>秀の顔色が悪いようだ… 中島 秀|一番じゃない僕は… |>秀は思いつめた表情をしている… |悩みを聞く |励ます |そっとしておく 中島 秀|…無いよ、悩みなんて。 |>どうやら、相談する気は無いようだ。 中島 秀|嫌われたら、やだから。 |>秀は笑おうとしている… 中島 秀|うん… 中島 秀|そうだよね、頑張んなきゃ… ありがとう、先生。 |>秀は笑おうとしている… |>秀は黙っている。 中島 秀|…あ、ごめん、先生。 何か変なこと言いましたね。 中島 秀|また…来てください。 |>秀は心細いような顔をしている… |>秀に心を開かれているようだ… |>秀との仲が、また少し 深まった気がした… 中島 秀|今日は、ゆっくり寝られる気がします。 …それじゃ。 |>家庭教師のアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 中島 秀|せ、んせい。 中島 秀|えっと、その、今日は… |しゅ、しゅっ、しゅうーー! |今! 学校から! |で、電話で! |秀! |ねえ、嘘よね!? |秀、あんた、嘘よねえ!? |秀、ねえ、秀、あんた! 中島 秀|嘘じゃない。 |…! |しゅ… 中島 秀|先生、ごめん。 今日は帰ってください。 中島 秀|ごめんなさい… |>秀の声は震えている… |秀、ねえどういうことなの!? お母さん、あんたを… 中島 秀|先生、帰って。 中島 秀|帰って! |>…今日は、帰ったほうがいいようだ。 |>家に帰ることにした… |>秀に、何があったのだろう… 中島 秀|あの… 中島 秀|こ、この間は、すみませんでした。 なんか騒がしくて… |>秀は固く口を閉ざしてしまった… |>沈黙が流れる… |>…? |>今日の日付に、マルがついている。 中島 秀|あ、そうか… 中島 秀|今日…僕の誕生日、でした。 忘れてました… |おめでとう |忘れるな 中島 秀|何も、めでたいことなんか… |>秀は泣き出しそうだ… 中島 秀|どうでもいいです、誕生日なんか。 |>秀は泣き出しそうだ… 中島 秀|お母さんも忘れてるみたいです。 どっか、行ってます。 |>秀は寂しそうだ… |盛大に祝ってあげる |慎ましく祝ってあげる |>秀の誕生日パーティを開こうか… |>まずは… |ケーキ |プレゼント |参加者 |>ケーキを調達しなければ… |>プレゼントを調達しなければ… |>参加者を調達しなければ… |>となると、思い浮かぶのはあそこだけだ… |ジュネス |>陽介に相談してみよう… 花村 陽介|はーい、もしもしー。 |>陽介に相談してみた… 花村 陽介|なるほどねえ。 ま、お前が一肌脱ぎたい気も分かるわなー。 花村 陽介|んじゃ、いっちょ任せてよ。 家の行き方だけ、後でメールして。 花村 陽介|期待してろよー? 中島 秀|…え、あの。 どういう…? |>とりあえず、陽介が来るのを待とう… |>秀はただ驚いている。 花村 陽介|いつものメンツ呼んじゃった。 ま、いいよな? |>陽介が、仲間たちを集めてくれたようだ… |>慎ましく祝うつもりだったが、 陽介が仲間たちを集めてしまった… 里中 千枝|いっきなり花村から電話来てさ。 里中 千枝|“ジュネス集合!”だもんね。 何があったのかと… 里中 千枝|けど、こんな召集なら悪くないかな。 天城 雪子|そうだね。 じゃ、とりあえず…歌! |ハァッピバースデー トゥーユー! ハァッピバースデー トゥーユー! |ハァッピバースデー ディア…しゅーくーん! |ハッピバースデー トゥーユー!! |>秀はまだ驚いている。 里中 千枝|ほらほら、ロウソク! ふーって! 中島 秀|…え、そんなの… 天城 雪子|早くしないと、 ロウまみれのケーキになっちゃうよ? 里中 千枝|ダーメ、そんなのー! ほら、ふーって! 中島 秀|…う、うん。 天城 雪子|せーの… |>秀は息を吸い込んだ。 里中 千枝|くっら! 電気電気! 里中 千枝|…って、コレ誰!? クマ|ク、クマじゃないクマよ! ってウギャー! 蹴りは無しクマ! 花村 陽介|いって! 蹴んじゃねーよ! 花村 陽介|足がぶつかっただけだろ! 触んねっつの、お前を! 天城 雪子|あれ? スイッチ、このへんじゃなかったかな… 中島 秀|…わっ! 天城 雪子|キャッ! 中島 秀|ごごごめんなさい! 僕、スイッチを… 天城 雪子|あ、ううん、こっちこそ勝手に… …って、あれ? 天城 雪子|ここ、顔? 中島 秀|ああああの、かお、です! 天城 雪子|ご、ごめんね! じゃ、じゃあ私、座ってるから… 久慈川 りせ|いたっ! 踏んだ~… 花村 陽介|いって! 天城まで踏むな俺をー! 天城 雪子|ご、ごめん! …って、あれ、ここどこ? 里中 千枝|もー、雪子ってば…よいしょっと。 里中 千枝|…わっ! 巽 完二|いてえ! …み、ぞ、お、ち、に…決まった… 中島 秀|わ、ご、ごめんなさい… そこ、電気… 花村 陽介|いいから、全員そこに座れ! 鳴上、電気つけて! 里中 千枝|ケーキ無事!? 花村 陽介|まずそれか… 花村 陽介|ま、仕切り直して… |誕生日、おめでとー!! 中島 秀|あ…ありがとうございます。 里中 千枝|ね、何歳? 中島 秀|あ、えっと、13…あ、14、です。 里中 千枝|わっか! いいねー、若者は。 まぶしい! 天城 雪子|やーね、オバサンじゃないんだから… 天城 雪子|でも、えっと…秀くん。 ホント、これからだよ? |>雪子は優しく、秀に笑いかけている。 中島 秀|…あ、はい。 花村 陽介|なーんだよ、可愛げないな。 中島 秀|だって…誕生日なんて、別に… 中島 秀|…生まれちゃった日だ。 里中 千枝|うん、めでたいじゃん。 天城 雪子|すごく、ね。 |…生まれて…良かったのかな。 |>秀は小声で呟いた… 里中 千枝|…バカ! 天城 雪子|バカ! 花村 陽介|バァカ。 巽 完二|バッカ。 久慈川 りせ|バカ。 クマ|バカクマ! 白鐘 直斗|…バカ。 |>秀は驚いている… 花村 陽介|良かったに決まってんだろ! |>秀は驚いている… 中島 秀|…ん。 中島 秀|うん… 里中 千枝|じゃ、ケーキ! 天城 雪子|そうね、食べよう? 一緒に。 |>ひとしきり、盛り上がった… |>夜も更けてきたので、 皆、それぞれ帰っていった… 中島 秀|先生、あの… 中島 秀|ありがとうございました。 中島 秀|僕、ぼく、は… |>秀は泣き出した… 中島 秀|僕… 中島 秀|て、停学になりました… 中島 秀|ごめんなさい、先生… 中島 秀|僕、カンニングしました… 中島 秀|テスト、どうしても不安で…! い、一位取れなかったらって、思って…! 中島 秀|一位じゃないと、意味無いから… 僕の、意味…お母さん、僕を嫌いに…なる… 中島 秀|なんでこんな事したのって、お母さん…言って… 裏切られた、恥ずかしい、って… 中島 秀|こんなの…私の子じゃないって… お母さん、泣いて… |>秀は激しく泣き出した… |なだめる |落ち着くまで待つ |>秀を優しくなだめた… |>秀が落ち着くまでじっと待った… 中島 秀|…ご、めんなさい。 ひっく。 中島 秀|初めて…自分の名前が書けたとき、 すごく褒めてくれたんだ、お母さん… 中島 秀|この子天才ねって、嬉しそうに周りに言ってた… 中島 秀|だから僕、頑張ったんだ… 中島 秀|いつも勉強して… お母さんが、僕を自慢に思うようにって… 中島 秀|離婚しても立派に育ててるって、 お母さんが認められるようにって… 中島 秀|だから僕、ずっと一番だった… 中島 秀|…けど、あいつ…転校生がやってきた。 中島 秀|向こうの学校のほうが、全然授業が進んでて、 ヤツは全部、満点… 中島 秀|おまけにスポーツもできて… 話も上手くて… 中島 秀|みんなアイツを、“一番”に認めたんだ。 “いい気味”って僕を、笑って… 中島 秀|僕は…勉強しか、取りえが無いって知ってる… でもそれだって、もう…一番じゃない。 中島 秀|毎日勉強して、部活にも入らず、 友達もいない僕だ! 中島 秀|そんな僕に、何が…残ってる? 中島 秀|何も…何も無いよ… 中島 秀|一番になる以外に無いじゃないか! 誰からも…お母さんからも、見放されたら… 中島 秀|怖いよ… 中島 秀|…カンニング以外に、方法なんか無い… 中島 秀|そう、思って… 中島 秀|僕… 中島 秀|…めんな、さい… ごめんなさい… |>秀はまた泣き始めた… |慰める |優しく諭す |厳しく叱る |お…母さん、きっと、悲しんだよね… 僕なんか、僕、なんか… |>秀は泣き止まない… |>二度としてはいけないと、 優しく諭した… |はい… もう、絶対しません。 |>秀は分かってくれたようだ… |…っく。 ごめんなさい… |>秀は深く反省しているようだ… 中島 秀|お母さん…帰ってきた… 中島 秀|ぼ、く… 中島 秀|お母さんと…話してみる… 中島 秀|…先生、ありがとう…今日。 うれしかった… |>秀は一生懸命、 気持ちを奮い立たせているようだ… |>秀との絆が深まった気がした… 中島 秀|…先生、また来て。 僕、頑張るから… |>秀の家を後にし、家に帰ることにした。 中島 秀|先生、えっと… こないだは、どうもありがとうございました。 中島 秀|停学はすぐ解けました。 ちょっと周りの目が痛いですけど… |自分でまいた種だから。 …僕が変わらないとね。 |>秀は晴れやかな顔をしている… 中島 秀|お母さん…ケーキ買って来てくれたんだ。 僕の誕生日に。 中島 秀|“カッとして酷いこと言ったけど、 本当はそんなこと思ってない”…って。 中島 秀|“秀は私の、大事な、自慢の子どもだ”って… そう、言ってくれた。 中島 秀|…僕も、お母さんに言ったんだ。 どうしてカンニングなんかしちゃったのか… 中島 秀|僕が思ってたこと、転校生のこと、 お母さんに嫌われたくないってこと… 中島 秀|そしたらお母さんね… “やり直そう”って… 中島 秀|家族を…やり直そうって。 中島 秀|家族なんて、もう“ある”ものだと思ってた。 “出来上がってる”ものだって… 中島 秀|でも、やり直せるんだね… |…僕、お母さんのこと、 きっと全然見てなかった。 |一番にならなかったら軽蔑されるって信じてた… |…きっとそう思うことで、一番であるうちは 愛されてるんだって信じたかったんだ… |でもそんなの、全然嘘だった…関係なかった。 僕はずっと、愛されてたんだ。 |>秀は涙をこらえているようだ… 中島 秀|先生…ありがとう。 先生のお友だちにも… 中島 秀|“僕”を肯定してくれて…ありがとう。 僕一人じゃ、お母さんと絶対話せなかった。 |頑張ったな |秀の力だ |ん… ありがとう、先生。 |>秀は笑っている… 中島 秀|これなんですけど… 中島 秀|昔の模試で、1番取ったときのなんだ。 中島 秀|僕ね、これだけが… 僕とお母さんの絆だと思ってた。 中島 秀|でも、こんな…目に見えるものじゃないんだ。 中島 秀|だから…先生、持ってて。 いつか僕が、笑い飛ばせるまで… 中島 秀|僕…停学になったし、カンニングしたし、 内申なんてきっと最悪だよね。 中島 秀|いい大学、いい企業へのレールなんて、 消えてなくなった。 中島 秀|…でも、レールを降りた今なら分かるよ。 中島 秀|何も考えず何も見ようとせず、 あのレールに乗ったままだったら… 中島 秀|僕は空っぽだったに違いないって… 中島 秀|…僕は自分で考えて、自分でレールを敷くよ。 中島 秀|人生これから…って、気がする。 若いからじゃなくて… 中島 秀|…気付けたから。 |>秀は照れ笑いをしている… |>秀との間に固い絆を感じた… 中島 秀|先生…お願いがあるんだ。 中島 秀|きょ…今日で、 家庭教師を終わりにして欲しい…んだけど。 中島 秀|僕ね、部活に入ろうと思うんだ。 えっと、や、野球部… 中島 秀|野球なんてやったことないけど、 ずっと憧れてて… 中島 秀|…ルールもよく分からないんだけどね。 |>秀は子どもっぽく笑っている… 中島 秀|自分には勉強しかない、一番になるしかない… そう思い込んでたけど… 中島 秀|そんなの僕が決めちゃったら、 何も無いままだなって… 中島 秀|だから、色々やってみたいんだ。 中島 秀|先生、ごめん。 今日で、やめさせてください。 中島 秀|…今度、一緒に野球しようね。 |>最後の家庭教師の時間を、 秀と話して過ごした… |クマコミュ解禁ダミー |クマコミュランク2ダミー |クマコミュランク3ダミー |クマコミュランク4ダミー |クマコミュランク5ダミー |クマコミュランク6ダミー |クマコミュランク7ダミー |クマコミュランク8ダミー |クマコミュランク9ダミー |クマコミュランクMAXダミー |>八十神高校 演劇部部室… |>演劇部の見学をした。 小沢 結実|はい、発声練習、ついてきて~! 小沢 結実|あめんぼあかいなあいうえおー! |>八十神高校 演劇部部室… |じゃあ次、早口言葉~。 |せーのー、 なまむぎなまごめなままま… 小沢 結実|なまむぎなまごめなまたまご!! 小沢 結実|…部長、相変わらず言えないんですね。 |あ、入部希望? |2年の鳴上だろ? 転入生の。 |そっかそっか、ようこそ演劇部へ! |俺は演劇部部長の永井。 それから… 小沢 結実|私、小沢結実。 小沢 結実|小沢 結実 同じ2年だから。 よろしくね。 |小沢、抜け駆けぇ? 小沢 結実|は? 興味無いし。 小沢 結実|それより練習、続けよう。 |とりあえず今は、次の舞台も本も決まってない。 基礎練習が主だから、すぐ慣れると思うよ。 |うちの活動日は、月・火・木。 |来ないと退部…とかは無いけど、 練習すればそれだけ、上手くなるし… 表現力とか、磨けるんじゃないかな? |あっ、私はここの副部長。 と言っても、力不足だけど… |いいんだよ、みったんの努力、俺知ってるぜ? それにみったんは、すごく可愛いし… |もー、みったんって呼ばないでったら! |>どうやら、アットホームな部のようだ… 小沢 結実|鳴上くん! あっちはほっといて、一緒に練習しよ? 小沢 結実|まず、発声方法から教えるから。 小沢 結実|そう、おなかを意識して… 小沢 結実|空気を押し出すように… はい、“あー”… |あー |ギャー |うん、いいね! すごいイイ声、出るようになったよ! |>結実は自分のことのように喜んでいる。 |叫ばない! 喉絞らないで! |>結実の指導は厳しい… |もうギブ? おなか減ったんでしょ。 |>結実の指導は厳しい… 小沢 結実|って、もう下校時刻過ぎてる! 小沢 結実|みんなも帰ってる!! 小沢 結実|うっわ、気付かなかった… 小沢 結実|じゃあ続きは次回。 ちゃんと来なさいよね。 |分かった |はい、先生 |もう辞めたい |ん、素直でよろしい! |>結実は楽しそうに笑っている。 |バーカ。 そう簡単に逃がすかっての。 |こんな田舎の演劇部、 男子部員なんか全然いないんだから! |>結実は楽しそうに笑っている。 小沢 結実|ま、これも何かの縁? これから一緒に頑張ろ。 |>演劇部に入部し、部員の 小沢結実と知り合いになった。 |>結実はエネルギッシュに 演劇に打ち込んでいる… |>結実との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 小沢 結実|そう言えば、 劇団の公演とか、ミュージカルとか 見に行ったことある? 小沢 結実|オススメのDVDがあってね、 絶対参考になると思うんだ。 小沢 結実|部の人、そういうの全然見ないし 話もしなくてさ~… |>帰りがてら、結実が演劇について 熱く語ってくれた… |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |基礎練だけってのも飽きるし、 本番形式でちょっとやってみよっか。 |オーディションするから、 各自、今から言うセリフを暗記して~。 |で、配役決めて、5分ぐらいの寸劇に まとめてみよう。 |いーい? セリフ、よく聞いて~。 |“私を狂わせるのは月の光でも無く 黄金の海でもない、 ただあなたの一筋の涙なのです” |…覚えた? |じゃあまず鳴上から、 みんなの前で発表~! ちゃんと情感、こめてね。 小沢 結実|大丈夫、自信持って! |>セリフは確か… |私を惑わせるのは… |私を狂わせるのは… |私を困らせるのは… |>次は確か… |月の光でも無く… |星の光でも無く… |海の光でも無く… |>調子が出てきた! |>情感たっぷりにセリフを言えた! |>どうも、間違えた気がする… |>しどろもどろになってしまった… |は~い、OK、じゃあ次の人~? |あ、みったんやってみる? |でもみったんなら、僕の主役は もう射止めちゃってるけどね! 小沢 結実|私やります。 自信あるんで。 小沢 結実|“私を狂わせるのは…” |>まるで別人のようだ… 小沢 結実|“月の光でも無く… 黄金の海でもない!” |“ただ、あなたの… 一筋の、涙なのです…” |>結実は涙まで浮かべている… |>役になりきっているようだ… |すっごーい… |いつ見ても… ちょっと怖いぐらい…ねぇ? 小沢 結実|私より、上手く出来ると思う人は 次、どうぞ。 |小沢~、そういう言い方は… 小沢 結実|馴れ合いで成長するなら、楽ですけどね。 |ま、まあまあ! ほら、せっかく暗記したし、みんなやろう? |小沢さんも、人の演技見るのも いい勉強になると思うし、ね? 小沢 結実|…そうですね、じゃ、どうぞ。 |>一人ずつ、セリフを言って行ったが… |>やはり結実がダントツに上手だ… |それじゃ、満場一致で、 小沢が主役ってことで… |相手役は…鳴上! |男、俺かお前だしな。 |>結実の夫役として、 即興で寸劇をやることになった… 小沢 結実|セリフ、覚えた? もういける? 小沢 結実|緊張しなくて大丈夫だよ。 誰に見せるもんでもない、ただの練習。 小沢 結実|…だけど、真剣にやりたいから、 頑張ってよね。 |努力する |やる気無し |ま、私がリードしてあげるからさ! |>結実はワクワクしているようだ。 小沢 結実|演じるって、すっごい楽しいよね… |え、なんで? 楽しいよ、演劇って。 |>結実は怪訝な顔をしている… 小沢 結実|…ていうか演劇以外、楽しくない。 小沢 結実|演じてるときは、何て言うか… その役の人生を生きてるみたいな気になるの。 小沢 結実|自分じゃない…小沢結実なんかじゃない… 違う人生を、生きられる… 小沢 結実|ライトもいらない、衣装もいらない… ただ、そこに“役”があればいい。 小沢 結実|自分じゃない人生があればいい… 小沢 結実|あ、ごめん。 こんなこと話してたらセリフ抜けちゃうね。 小沢 結実|…頑張ろ、ダンナさん! |>結実に励まされ、 夫役に挑戦することになった… |>結実との仲が、少し深まった気がした… 小沢 結実|よっし、アドリブでキスぐらいしちゃおっか? |>結実に助けられ、 寸劇は好評のうちに終えることが出来た… |>満足そうな結実と別れ、家に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… 小沢 結実|そうだ、鳴上くん。 コンクールの話って聞いてる? 小沢 結実|今年は私が主役なんだ! 小沢 結実|この後、台本の読み合わせ、 付き合ってくれない? |小沢! あんたのお母さん、倒れたって! |市立病院に入院したって、電話で! 小沢 結実|え…と、ど、どうしよ… 練習… |早く行け |一緒に行こうか? 小沢 結実|あ、う、うん… 小沢 結実|い、行って来るね! 小沢 結実|えっ!? あ、いい、だいじょぶ… 小沢 結実|い、行って来るね! |>結実は、走って出て行った。 |入院って…どうしたんだろ… |練習になんないし、今日は解散! |>結実は、病院に行っているのだろうか… |>…帰りに、顔を出してみることにした。 |>稲羽市立病院 病室前廊下… 小沢 結実|ねぇ…どういうこと!? 小沢 結実|なんであいつがいるワケ!? なんでお母さんが、会ってるワケ!? 小沢 結実|お母さんが倒れたんじゃなかったの!? ウソついたの!? 小沢 結実|信じらんない! 説明してよ、説明!! |…結実。 |倒れたのはお母さんじゃない、あの人よ。 でも、そう言ったらあなたが来ないと思った。 |だから、ウソついたの。 あなたに、会わせたかったから。 小沢 結実|お母さん… 私があいつに、会いたいとでも思った!? |いいえ。 |あなたが辛い思いしてたのは分かる。 責任も感じてる。 |でもね、でも… あの人の、最期の我がままなの。 命をかけた、最期の我がままなのよ。 |…あの人、もう長くないの。 それで、結実に会いたいって… 小沢 結実|だ…だから何? あんなやつ、いつどこで死んでも関係ないじゃん… 小沢 結実|もう、他人じゃん! あんなやつ、お父さんなんかじゃないじゃん!! 小沢 結実|お母さんも私も… あいつに、捨てられたんだよ!? 小沢 結実|それを何? 死ぬ間際に許してって!? 小沢 結実|バカ言わないでよ!! |…お母さんね、決めたの。 あの人が息を引き取るまで、傍にいようって。 |ひとりで逝ってしまうのは 可哀想だから… 小沢 結実|バ…バカじゃないの!? そんなの…ダメに決まってんじゃん! |結実…ごめんね。 だけど、お母さん、そうしたいの。 小沢 結実|か…勝手にすれば!? 私、知らないし! 小沢 結実|だって…捨てられたんだよ…? 小沢 結実|い、いつからいたの? 聞いてた? |聞いてた |何のこと? |た、立ち聞き!? 趣味悪い…! |>結実はひどく、混乱しているようだ… |ぶ、部活辞めたら!? 演技下手すぎだよ! |>結実が妙にとげとげしい… 混乱しているようだ… 小沢 結実|お母さん、倒れてなかった。 小沢 結実|病室行ってみたら、ベッドに寝てたのは 父親…“だった人”で… 小沢 結実|あいつ、私とお母さんを捨てたの。 10年ぐらい前。 小沢 結実|他に女作ってさ…最低最悪なヤツ。 小沢 結実|それが、今度は女に捨てられて? しかも病気で? もう長くないからって “娘に会いたい”だもんね… 小沢 結実|恥を知れって感じ… 小沢 結実|ハァ…も、最悪… ずっと忘れてたのに… 小沢 結実|あいつの顔も存在も、全部忘れてたのに…! 小沢 結実|しかもお母さんが、ずっと看病するってさ。 バカだよ、お人よしにも程があるよ! 小沢 結実|自分を捨てた男だよ? しかも女に捨てられた、お下がりだよ? 小沢 結実|二人とも、恥知らずだよ…っ!! |>結実は、怒りと混乱のせいか、 震えている… |励ます |黙っている |うるさいなっ…あんたに分かんないよ…! |>結実はうなだれている… 小沢 結実|ごめん… 小沢 結実|…ごめん。 落ち着いた。 小沢 結実|あんた、なんでいるのよ… 小沢 結実|こんなの、見られて… 笑えるじゃん… |>わずかながら、結実を支えられたようだ。 |>結実との仲が、少し深まった気がした… 小沢 結実|私も、帰る。 そこまで、一緒に行こ… |>重苦しい空気の中、 結実と一緒に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |ちょっと早いけど、 キリいいとこだし、上がろっかー? 小沢 結実|ダメですっ!! 小沢 結実|まだチャイム鳴ってないじゃないですか! 小沢 結実|なのに帰るなんて、たるんでます! もっと本気でやってください! |お、小沢さん、あんまり根詰めると… 小沢 結実|私は真剣なだけです! 足、引っ張んないでください! 小沢 結実|そんなんだから副部長は、 主役取れないんじゃないですか!? |小沢! 小沢 結実|あ… |下校の時刻になりました。 忘れ物の無いよう… |あ、じ、時間だね。 ほら、みんな解散しよ? |あ、は~い。 |>結実は黙ったまま、動かない… 小沢 結実|私…間違ったこと、言った…? |言った |言ってない |言い方が良くなかった |けどっ…! |>結実は悔しそうに唇を結んだ… |そ、そうだよね、私、頑張ってるんだから… |>結実は自分に言い聞かせるように 頷いている… |ん…そうかもね。 |演技…こんなに練習してるのに、 実生活じゃ、役立たないんだから… |>結実は苦笑いをしている… 小沢 結実|私…残って練習してく… 河原でもどこでも… 小沢 結実|…家じゃないとこなら、いい。 |何かあった? |家族が心配する |付き合うよ |ううん…ありがと。 |>結実は微笑んでいる… |…いないよ。 心配する家族なんて… |>結実は心なしか、震えているようだ… 小沢 結実|家…誰もいないんだ。 小沢 結実|…お母さん、あいつの看病で 会社と病院、行き来してる。 小沢 結実|だから、帰ってもしょうがないし… 小沢 結実|…ひとりぽっちの家だと、 色々、考えちゃうから。 小沢 結実|昔のこととか… なんでこうなったんだろう…とか、ね。 小沢 結実|もう…忘れたと思ったんだけどな… 小沢 結実|ごめん…何か、愚痴っちゃった… 小沢 結実|…忘れて? |分かった |忘れられない |ん…お願い。 カッコ悪いとこ、見せんのイヤ。 |>結実は苦笑いしている… |ひっど! もうちょっとこう、優しくしたりしないわけ? |>結実は心なしか、元気を取り戻したようだ。 小沢 結実|私には、演劇があるから。 小沢 結実|だから、頑張れる。 何事も、頑張れる! 小沢 結実|うん! 小沢 結実|ありがとう、鳴上くん! ひとりだと、ズーンって落ちちゃうとこだった。 小沢 結実|その… あんたいてくれて、嬉しい。 小沢 結実|へへ…これからも、よろしく。 |>結実の支えになれたようだ… |>結実との仲が少し進展した気がする… 小沢 結実|私、どこか寄って、練習するから。 小沢 結実|せっかく掴んだ主役だもんね! 絶対、やってやるんだから! 小沢 結実|おー! |>ガッツあふれる結実と別れ、 家に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実はいない… |>結実が演じていた、コンクールの芝居の主役は、 副部長が演じている… |>結実は、病院に行っているのだろうか… |>…帰りに、顔を出してみることにした。 |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>暗い顔の結実が座っている… 小沢 結実|鳴上くん…どうして… |結実が心配で |通りすがり |ケガしちゃって… |鳴上くん… |>結実は少し嬉しそうだ… |全然、反対方向じゃん… |もう… |>結実は少し嬉しそうだ… |え、ウソ!? |って、ほんとにウソ!? |…ったく、バカ! 心配するじゃん!! |>結実はふくれている… 小沢 結実|ごめん、今日部活出れなかったから、 来てくれたんでしょ? 小沢 結実|…お母さん、倒れたんだ。 小沢 結実|朝から晩まで仕事してるのに、 あんなヤツの看病なんてするから… 小沢 結実|過労だって。 すぐ退院できるみたいだけど… 小沢 結実|無理…しちゃってさ。 バカみたいだよ… |大変だったね |親にそんな言い方はダメだ |お母さんを支えてあげろ 小沢 結実|…大変だよ。 小沢 結実|親… 小沢 結実|あんなんでも、親? 小沢 結実|うん… そうしたい、けど… 小沢 結実|あんなヤツの看病してるお母さんなんか… やだ。 小沢 結実|もう…どうでもいい。 小沢 結実|お母さんの看病しなきゃいけないし… 小沢 結実|私だって部活やめて、バイトとかしないと お母さん、結局働いてまた倒れる…! 小沢 結実|主役だって降りた! 小沢 結実|せっかくの主役…全部、セリフ覚えたんだよ! 台本だって書き込みびっしりで… ひとりでずっと、練習して… 小沢 結実|でももう、意味無い。 小沢 結実|何もかも、上手く行かない… 小沢 結実|全部、親。 親がジャマする… |仕方ない |甘えるな |結実も体を大事にしろ |もう、やめたい… |何でやめられないの、家族って… くだらない。 |>結実は顔をゆがめている… |あんたに何が分かんの!? |私がどんな思いであれからっ…! 捨てられたときから過ごしてきたか…! |何で今になって現れんの? 私の夢、奪ってくの!? |もう、やだ! もう、やだよ… |>結実は顔をゆがめている… |…うん、ありがとう… |…頼りない感じ、してたけど、 優しいんだね、鳴上くんって… |>結実はホッとしたように笑っている… 小沢 結実|…ごめん。 何か、色々言っちゃった。 小沢 結実|鳴上くんには、関係無いのにね… |関係ある |確かに無い |乗りかかった船? |…でも、そう言ってもらえると安心、する。 ありがと… |>結実は顔を赤らめている… |うん、ごめんね… |…でも、こうやって来てくれて、嬉しいよ… もう少し…頑張ろうって、思った。 |>結実は顔を赤らめている… |>結実の支えになれたようだ… |>結実との仲が少し進展した気がする… 小沢 結実|私、お母さんの病室行くから… 小沢 結実|…また、学校でね。 |>寂しそうに見送る結実と別れ、 家に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実はいない… |>また、病院に顔を出してみようか… |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>結実が立ちすくんでいる… 小沢 結実|鳴上くん… 小沢 結実|…今ね、お父…あの人の病室、 行ってきたとこ… |仲直りした? |看病してるのか? |お母さんの具合は? |冗談やめてよ… |>結実は困ったようにため息をついた。 |顔、見たぐらい… |>結実は困ったように笑っている… |ん、大したことない。 もう退院したから… |>結実はホッとしたように笑っている… 小沢 結実|ついで、だよ… お母さんの薬、もらってくるついでに… ちょっと、寄っただけ。 小沢 結実|そしたら、嬉しそうに笑ってさ… 小沢 結実|“テレビ見るか?” “マンガ読みたければ、買ってきなさい” “アイスも好きだろ? ほら、お金…” 小沢 結実|バカみたい… 小沢 結実|はしゃいじゃって…咳き込んでさ… お医者さんにも迷惑かけて… 小沢 結実|バカみたい… 小沢 結実|あんな人、父親なんかじゃない… 絶対違う…って、思うのに… 小沢 結実|も、やだ… 小沢 結実|私ばっかり…私ばっかり、私ばっかり!! |すみませ~ん、もうちょっと、声を、ね? 小沢 結実|あっ…すみません… 小沢 結実|ごめん… ちょっと、カッとして… 小沢 結実|…どうして私ばっかり、 こんな目に合うんだろ… |運が悪い |結実が悪い |結実だけじゃない |そっか… じゃあいつか、運が向いてくるのかな… |それとも、運が悪い人は ずっと運が悪いまま…? |>結実は悲しそうに笑っている… |…あの人が浮気したのも、 浮気相手と出てったのも、 あの人がもう長くないのも? |お母さんが倒れたのも! 私が主役降りたのも…! |全部…全部、私のせい!? |>結実は悲しそうに怒鳴った… |私だけじゃないから、何なの? |…誰にも分かりっこないよ! |>結実は悲しそうに怒鳴った… 小沢 結実|あ…もう、行かなきゃ。 薬の時間だし。 小沢 結実|その… 来てくれて…嬉しいよ。 |>結実の支えになれたようだ… |>結実との仲が深まった気がした… 小沢 結実|…また、学校でね。 |>寂しそうに見送る結実と別れ、 家に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実はいない… |>また、病院に顔を出してみることにした。 |>稲羽市立病院 結実の父親の病室前… |>…中から、結実の声が聞こえてくる。 小沢 結実|ほら、口開けて… 小沢 結実|あ、こぼした。 小沢 結実|…私がむいたんじゃないよ、 ただの缶詰。 小沢 結実|もっと小さく切ろうか? いいの? 小沢 結実|…じゃあ、片してくる。 小沢 結実|あ、そか、今日、部活の日だっけ… 小沢 結実|心配して、来てくれたんだ… 小沢 結実|あの人…私が来ると、起きるの。 小沢 結実|体中痛いはずなのに、薬をあまり入れないんだ。 寝ちゃうからって… 小沢 結実|残りわずかの命なら… 少しでも起きてたいって… 私やお母さんを、見ていたいって… 小沢 結実|…バカだよね。 |立派なお父さんだ |優しいお父さんだ |バカなお父さんだ 小沢 結実|今さら…っ! 小沢 結実|今さら出てきて、あんな…あんなふうに… 私のこと、愛してるみたいに… |大事な、娘みたいに… |ずるいよ… |>結実は唇をぎゅっと結んでいる… |ずっと、忘れてた… ううん、思い出したくなかったんだ… |ほんとは…優しい人だってこと。 たくさん、遊んでもらったこと… |>結実は懐かしそうに微笑んでいる… 小沢 結実|今さら出てきて、そんなこと思い出させて… ひとりで行っちゃおうとして… 小沢 結実|ずるいよ… 小沢 結実|ほんと、バカ… 小沢 結実|今さら出てきて、あんな…あんなふうに… 私のこと、愛してるみたいに… |大事な、娘みたいに… |ずるいよ… |>結実は唇をぎゅっと結んでいる… 小沢 結実|鳴上くん… 来てくれて、ありがとう… 小沢 結実|私…もう、怖いんだよ… 小沢 結実|病室で…あの人の呼吸聞いてるの… ひとりだと、怖いんだ… 小沢 結実|いつ止まってもおかしくないみたいに 静かなんだもん… 小沢 結実|だから… 鳴上くんがこうして来てくれて、 顔見れて…ホッとした… 小沢 結実|私…どうしていいか分かんないけど、 とにかく、後悔しないように… 小沢 結実|がんばるね… |>結実の支えになれたようだ… |>結実との仲が少し進展した気がする… 小沢 結実|あ…面会時間、終わっちゃうよ。 私、まだいるから… 小沢 結実|…また、学校でね。 |>心細そうな結実を見送り、 家に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実はいない… |>また、病院に顔を出してみることにした。 |>稲羽市立病院 結実の父親の病室… |>扉が開いていたので、そっと入ってみた… |さ、声を掛けてあげてください… |…聞こえますか? |ほら、見て… 結実よ、結実、今日も来てくれてるの。 |あなたの娘よ… 小沢 結実|…お父さん。 |ゆ…み… |結実… ありがとう… |結実は…優しい子だ… お母さん似だな… 小沢 結実|や、優しくなんかないっ… 私、全然…! |優しい子よ、あなたは… |お母さんとお父さんの、自慢の子。 |ちょっと気が強くて口が悪いけど、 それも、自分を守ろうとしてるのよね… |俺のせいだな… |好き勝手して…迷惑かけ通しで… ごめんな… |でも、最期に会えて… 結実に看取ってもらえて… |幸せだよ… |結実… 小沢 結実|う、うっく…う、ひっく… |結実っていう名前な、 父さんと母さんで、何日も悩んでつけたんだ… |お前の人生が、お前にとって 良い実を結ぶようにって… 小沢 結実|良い実…って、何…? |それは結実にしか分からない… |でもね… 私たちの良い実は、あなたよ、結実。 小沢 結実|お母さん… 小沢 結実|お父さん… 小沢 結実|…ひっく。 |息が… |ダメよ、息を吸って… 小沢 結実|お父さん…お父さん!! 小沢 結実|まだ…言ってないじゃん。 早いよ… 小沢 結実|お父さん… 私を…この世に生んでくれて、 ありがとう… 小沢 結実|来てくれてたんだ… 小沢 結実|ふ、ふ…うっく… 小沢 結実|お父さん…死んじゃった。 小沢 結実|何か…ごちゃごちゃで、 分かんない… |優しく励ます |一緒に泣く |黙っている |あり…がと…ひっく。 |>結実は、現実を必死に 受け止めようとしている… |や、やだ、なんで鳴上くんまで 泣いてるの… |う、ひっく… |あり…がと… 来てくれて… 泣い、てくれて、うれし…い… |>結実の支えになれたようだ… |ごめん…困るよね、こんな…泣かれても… |ご、めん… |>結実は、必死に涙をこらえている… 小沢 結実|鳴上くん… も少し、ここにいて… 小沢 結実|そばに…いて。 |>結実から、頼られているのを感じる… |>結実との仲が深まった気がした… 小沢 結実|あ…先生の、話、聞くんだった… 小沢 結実|ごめん、また… 小沢 結実|…部活でね。 |>懸命に笑おうとする結実を見送り、 家に帰ることにした。 |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>久々に、結実が復帰している… が、全く練習に加わっていないようだ… |>結実はまだ、ボンヤリしている… |どうした? |もう終わったよ |一緒に帰ろう 小沢 結実|あ…ごめん、終わってたんだ… 小沢 結実|え、あ…うん、ほんとだ… 小沢 結実|久々に演劇に触れてみたら 前と全然違う… 小沢 結実|“役”になんて入り込めない。 小沢 結実|違う自分になんてなれないし… なりたくもない… |>結実は寂しそうに笑っている… 小沢 結実|もう…もう、あんなふうに 名前を呼んでくれる人、いないんだ… 小沢 結実|あ、あんなっ…愛だらけみたいな響きで、 “ゆみ”って呼んでくれる人…どこにも… 小沢 結実|どこにも、いなくなっちゃった… |>結実は歯を食いしばっているようだ… |優しく名前を呼ぶ |抱きしめる |黙って見守る |ふ…う、う、うわぁぁぁん!! |>結実は堰を切ったように泣き出した… |ふ…う、う、うわぁぁぁん!! |>結実は堰を切ったように泣き出した… |やだ、も…なんか、言ってよ… 私、泣きたくなんか… |…うっく、う、うわぁぁぁん!! |>結実は堰を切ったように泣き出した… 小沢 結実|き、嫌いだったんだ。 憎かったんだよ。 |>結実は震える声で話し始めた… 小沢 結実|どうして私を置いて行ったのって、 知りたくて… 小沢 結実|あの人の気持ちなんて 分かりたくも無くて…! 小沢 結実|お母さんや私を、可哀想と思いたくも無かった! 小沢 結実|…だから、父親なんて最初からいなかったと 思うことにしたの。 小沢 結実|置いていかれたあの日のまま、 私、あの人のこと何にも考えてこなかった。 小沢 結実|置いて行かれた自分のことも… 何にも考えてこなかった。 小沢 結実|…ただ、逃げ出したかった。 こんな人生なんて、見ないフリしたかった! 小沢 結実|私…これから、どうしたらいいの…? 小沢 結実|“良い実を結ぶように”って… どういうことなの…? |ゆっくり考えればいい |気負わなくていい |やれることをやれ |うん… |そばに…いてね。 |>結実は泣きながら、笑おうとしている… |うん…そうだよね、 お父さんのこと、重荷に感じちゃダメだもんね… |>結実は泣きながら、笑おうとしている… |やれること… 私が、やれること…? |>結実は泣きながら、考え込んでいる… 小沢 結実|鳴上くん… 小沢 結実|今だけでいい… 小沢 結実|今日だけでいいから… 小沢 結実|ひとりに…しないで… |>結実は心細そうに震えている… |>結実からの信頼を感じた… |>結実が落ち着くまで待ち、 家まで送って帰った… |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実は、役を演じる部員たちを ひたむきに見つめている… 小沢 結実|最後となると…やっぱりちょっと、悲しいね。 小沢 結実|私ね、探そうと思うの。 小沢 結実|“良い実を結ぶ”ために… 私に何ができるか…何をするべきか。 小沢 結実|大嫌いだった…憎かった、でも、 たったひとりの、お父さんだった… 小沢 結実|お父さんとお母さんに与えられた、 私の命だって、思った… 小沢 結実|だったら私は…この命を与えてくれた人のために、 支えてくれた人のために、 何ができるだろうって… 小沢 結実|ずっと考えてた… 小沢 結実|私ね…演劇を、逃げ場所にしてたんだと思う。 小沢 結実|私にとって、演劇は、 違う人生を生きることができるもの… 小沢 結実|私の人生、見なくて済むもの… 小沢 結実|私、自分に何ができるか分からないけど、 それを探そうと思うの。 小沢 結実|私、もう私の人生から逃げたりしない。 私しか、私の人生を生きられないから… 小沢 結実|だから…今日で、演劇部は辞める。 小沢 結実|相談しなくて、ごめん。 でも鳴上くんに話したら、 甘えちゃう気がした。 小沢 結実|鳴上くんが“いい”って言ってくれたら、 私もう、何も考えなくなりそうだった。 小沢 結実|そしていつか、鳴上くんのせいに しそうだった… 小沢 結実|だから、言わずに決めた… 小沢 結実|ごめん、それから… ありがとう。 小沢 結実|あの…これ、もらってくれる? 小沢 結実|逃げ場所だったとしても、 一生懸命だったのはウソじゃないから… 小沢 結実|あの頃の私を鳴上くんが 知っててくれれば、私、もっと頑張れる。 小沢 結実|鳴上くん… いつも話聞いてくれて、 支えてくれて…ありがとう。 小沢 結実|歩き出すきっかけ…くれたんだよね。 |>結実からの深い感謝を感じる… |>結実との固い絆を感じた… 小沢 結実|あ、あのね… 小沢 結実|私…鳴上くんが、好きだよ… 小沢 結実|えっと… 小沢 結実|わ、私、後ろ向いてるから、 断るなら、このまま出てって… |抱きしめる |出て行く 小沢 結実|私で…いいの? |>結実は顔を真っ赤にしている… |>もう、後戻りはできない… |>結実と、特別な関係になった。 小沢 結実|わ、私、演技、下手だったみたい… |>結実の告白を断り、部室を出て行くことにした… 小沢 結実|…ばいばい。 |>自室… |>結実を部屋に連れてきた… |>自室… |>結実を部屋に連れてきた… 小沢 結実|なんか…想像すると、ちょっと恥ずかしいね。 |そういうもの? |どんな想像した? |まだまだこれからだ 小沢 結実|そういうものだよ! 小沢 結実|勉強してるとことか、寝相とか、 着替えてるとことか… 小沢 結実|…って何かやらしくない!? 小沢 結実|あ、あはは… 小沢 結実|え、や、まあ…普通に? 小沢 結実|勉強してるとことか、寝相とか、 着替えてるとことか… 小沢 結実|…って何かやらしくない!? 小沢 結実|あ、あはは… 小沢 結実|え、ええっ…と、や、あはは… 小沢 結実|こっ、高校生同士でそんなのって、 何ていうかその… 小沢 結実|ってなんでニヤニヤしてんの! 小沢 結実|もー! 小沢 結実|や、ちょ…と、黙らないでよ… 小沢 結実|なんでそんな見んの… 小沢 結実|も、や、やだって… 小沢 結実|もー、バカ! 私から言わせるつもり!? 小沢 結実|…わ、分かってんでしょ? |>長い間、結実と一緒に過ごした。 |>暗くなってきたので、 結実を家まで送った… |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実が抜けた演劇部は、 どうも覇気が足りない気がする… 小沢 結実|あー、やっぱり落ち着くな、ここ… 小沢 結実|優しい、においする。 鳴上くんみたいな… 小沢 結実|ね… 小沢 結実|…あの…傍に…いっていい? |>長い間、結実と一緒に過ごした。 |>結実との固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 結実を家まで送った… |>自室… |>結実を呼んだ… |あぁん? 部活に入りたいだと? |貴様の魂胆は分かっている! どうせ出会い目的だろ! 違うか! |いいか、部活と言うのはなぁ… |>何故か、説教された… 諸岡 金四郎|…で、部活が何だって? |運動部について聞く |文化部について聞く |部活の掛け持ちについて聞く |特に聞くことは無い 諸岡 金四郎|…で、他にはまだあるのか!? 諸岡 金四郎|貴様、青春の汗を流す気だな! 諸岡 金四郎|…貴様が入れそうな運動部は、 サッカー部かバスケ部だな。 諸岡 金四郎|サッカー部もバスケ部も、 職員室出て左、非常口から行け! 諸岡 金四郎|ちなみに活動日は火・木・土だ! 雨の日は休め! 分かったな! 諸岡 金四郎|むっ! 貴様、もう入っているはずだ! 運動部同士の掛け持ちは禁止する! 諸岡 金四郎|フン、残念だな! 文化部の募集は4月25日からだ! 諸岡 金四郎|女子との出会いなど、 そう易々と手に入らんということだな! 諸岡 金四郎|文化部ぅ? 貴様のことは出会い系と認識したぞ! 諸岡 金四郎|…貴様が入れそうな文化部は、 演劇部か吹奏楽部だな。 諸岡 金四郎|演劇部も吹奏楽部も、 実習棟の1階に部室があるから勝手に行け! 諸岡 金四郎|ちなみに活動日は月・火・木だ! 諸岡 金四郎|むっ! 貴様、もう入っているはずだ! 文化部同士の掛け持ちは禁止する! 諸岡 金四郎|掛け持ちぃ? 貴様、青春を満喫する気だな! 諸岡 金四郎|運動部同士や、文化部同士の掛け持ちは許さん! 運動部と文化部の掛け持ちなら許可する! 分かったな! 諸岡 金四郎|ならさっさと帰れ! ダラダラと居残るなど、異性をあさる気か! |あらぁ? ここ、職員室だけど…私に会いに来たのぉ? |部活に入りたいの、ふぅん。 いいんじゃない? 若者の汗、素敵よぉ。 |>柏木先生から妙な視線を感じる… 柏木 典子|…で、何が聞きたいのぉ? |運動部について聞く |文化部について聞く |部活の掛け持ちについて聞く |特に聞くことは無い 柏木 典子|うふっ、他には? 柏木 典子|うふふっ、男の子はそうでなくっちゃ。 柏木 典子|アンタが入れそうな運動部は、 サッカー部かバスケ部かしらねぇ。 柏木 典子|サッカー部もバスケ部も、 職員室出て左の、非常口から行くのよぉ。 柏木 典子|ちなみに活動日は火・木・土。 雨の日はオアズケ。 うふっ。 柏木 典子|あら、ダメよぉ。 アンタもう、運動部入ってるでしょ、うふっ。 柏木 典子|あらぁ、残念ね! 文化部の募集は4月25日からなのよぉ。 柏木 典子|オ・ア・ズ・ケ! 柏木 典子|ふうん、そういうのスキなんだ? 柏木 典子|アンタが入れそうな文化部は、 演劇部か吹奏楽部かしらねぇ。 柏木 典子|演劇部も吹奏楽部も、 実習棟の1階に部室があるわよぉ。 柏木 典子|ちなみに活動日は月・火・木。 雨の日もできるのよぉ。 うふっ。 柏木 典子|あら、ダメよぉ。 アンタもう、文化部入ってるでしょ、うふっ。 柏木 典子|あらぁ、二股ってことぉ? もう、悪い子! 柏木 典子|運動部同士とか、文化部同士の掛け持ちはダメなのよぉ。 運動部と文化部の掛け持ちなら、ど・う・ぞ! 柏木 典子|あ~ん、いけず。 またいらっしゃいよぉ、うふっ。 |>八十神高校 音楽室… |>吹奏楽部の見学をした。 松永 綾音|んー、んんー… |あとさー、 先生んとこ行って鍵もらってきてー。 松永 綾音|あ、はーい、分かりました! 松永 綾音|キャッ! 松永 綾音|あっ、ごめんなさい。 松永 綾音|…? えっと… |>女子生徒に、入部したいことを告げた。 松永 綾音|あっ、はい、分かりました。 えっと、ちょっと待ってくださいね。 松永 綾音|部長! ぶーちょー! |鳴上 悠君、2年生だ。 みんな、よろしくなー。 |はーい。 |鳴上、楽器の経験は? |バッチリ |ちょっぴり |無論、ゼロ |お、ホントかよ。 じゃあ皆を積極的に指導してくれよな。 |楽譜読めるってぐらいか? まあ、ウチもそんなにレベル高くないけどな。 |なんだ、そうか。 まあ、ウチもそんなにレベル高くないけどな。 |じゃ、今日は見学してって。 活動日は月・火・木だから。 |あと…あ、松永! 松永 綾音|は、はい! |細かいことは、こいつに聞いてくれ。 松永 綾音|あ、えと、松永綾音です。 1年です。 松永 綾音|が、楽器はトロンボーンです。 それから、えっと… |じゃ、後よろしく。 |休憩終わりー。 さっきんとこから、もう一回合わせるぞー。 |>吹奏楽部の練習を見学した。 |>部員らは帰っていった… 松永 綾音|あ、先輩も帰ってくださって、大丈夫ですよ! 松永 綾音|…って、ごめんなさい! 部のこと、お話ししないといけませんよね。 松永 綾音|えっと、活動日は月・火・木…って これは、部長が言ってましたっけ。 松永 綾音|出欠は取りませんので、割と自由です。 ですけど、出席したほうが上手になりますし… 松永 綾音|表現力とかも磨けると思いますよ! 松永 綾音|…って、下手っぴな私が 言うことじゃないですけどね。 松永 綾音|じゃあ先輩、何か質問はありますか? |部の活動内容について |部の人間関係について |綾音の彼氏について 松永 綾音|時々、病院とか福祉施設なんかで、 発表会をやってます。 松永 綾音|えっと…特に、悪くないと思いますよ。 松永 綾音|部員が少ないので、ポジションも ほぼ固定ですし… 松永 綾音|あっ、それで思い出しました。 松永 綾音|私たち、病院とか福祉施設なんかで、 発表会を時々やってるんですよ。 松永 綾音|えっ… 松永 綾音|えっと… い、いません、けど… 松永 綾音|あ、ごめんなさい、びっくりして… 松永 綾音|と、都会の人って… そういうの、平気で聞くんですね… 松永 綾音|あ、えと、そうだ、重要なことを お話しするの、忘れてました! 松永 綾音|私たち、病院とか福祉施設なんかで、 発表会を時々やってるんですよ。 松永 綾音|部員が少ないので、 大会とかは出られないんですけど… 松永 綾音|発表会は、とっても喜ばれてます。 私たちも気合、入れてますよ。 松永 綾音|…私は裏方ですけどね。 松永 綾音|じゃ、じゃあ、私、後片付けがありますから。 松永 綾音|先輩、お先にどうぞ。 |>一人で片付けるのは大変そうだ… |手伝う |見守る |>手伝いを申し出た。 松永 綾音|えっ、あ、あの… 松永 綾音|えっ、あ、あの… 待っててくれる…ってことですか? 松永 綾音|い、いいです! 私の仕事ですから! だからあの、気にしないでください! 松永 綾音|…けど、お気遣い、ありがとうございます。 |>綾音は嬉しそうに笑っている… |>吹奏楽部に入部し、部員の 松永綾音と知り合いになった。 |>綾音は雑用にも明るく取り組んでいるようだ… |>綾音との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 松永 綾音|あ、もう暗くなってきましたね。 気をつけてくださいね、先輩。 |>部活を終え、家に帰ることにした。 |>八十神高校 音楽室… |一旦とめてー。 |トロンボーン、外れてるよー。 また松永かー? 松永 綾音|す、すみません! |あと、第二楽章のテンポなんだけどー… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… 松永 綾音|先輩、お疲れ様でした。 松永 綾音|先輩の音、すごくキレイでしたね! 経験者って、言ってましたもんね。 松永 綾音|経験ゼロって言ってましたけど、 その割りにキレイな音、出してましたよ! 松永 綾音|って、何だか偉そうなこと 言っちゃってゴメンなさい。 松永 綾音|私なんて、今日も注意されちゃってるのに… 松永 綾音|先輩みたいに、才能が欲しいなーって、 ちょっと思っちゃって。 |努力次第だ |才能はある |諦めろ |そ、そうですよね。 才能無いのは、もう仕方ないですし! |>綾音は張り切っている。 |え、そ、そうですか? じゃあもう少し…頑張ってみますね。 |>綾音は嬉しそうに笑っている。 |そ…うですよね。 身の程、知らないといけませんよね… |>綾音は辛そうな顔をしている… 松永 綾音|あ、けど…トロンボーンの人、 他にもいるんです。 松永 綾音|2年で、すごく上手な飯田先輩。 私なんて絶対勝てなくて… 松永 綾音|だから発表会も、出たことないんです。 人前で演奏なんて無理だし、いいんですけどね。 松永 綾音|…あ、ごめんなさい、こんな話。 私、片付けて行きますから。 |>一人でここを片付けるのは大変そうだ… |手伝う |見守る |>手伝いを申し出た。 |えっ、あ、えっと… |…じゃあ、お願いします。 すみません。 |>綾音は申し訳無さそうだ。 |えっ、えと、待っててくれるんですか? |…じゃあ、すぐ片付けますから! すぐです、すぐ! |>綾音は焦っている。 |>綾音の優しさを感じた… |>綾音との仲が、少し深まった気がした… 松永 綾音|あ、やだ、そろそろ暗くなっちゃいますね。 松永 綾音|じゃあ、頑張りましょう! |>綾音を手伝い、 途中まで一緒に帰った… 松永 綾音|じゃあ、頑張りますから! |>綾音が片付け終わるのを待ち、 途中まで一緒に帰った… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音は加わっていない… 松永 綾音|戻りましたー。 次の発表会、決まりましたよ。 |おー、どこになった? 松永 綾音|優緑園さんと、しおざわ病院さんで、 “是非”と言ってくださって… 松永 綾音|あ、えっと、日時は後日、決めるってことで… |曲のリクエストは? 松永 綾音|あっ、ご、ごめんなさい、 聞いてないです… |え、マジ? 後で忘れず聞いといて。 松永 綾音|は、はい、すみません。 …あ、今行って来ます! |いや今度でいいって。 それより先生に報告宜しくー。 松永 綾音|は、はい。 |あ、鳴上。 次の発表会は、もうメンバー決まってんだ。 |そん次から加わってもらうから、 悪いけど次だけ留守番してくれ。 |んじゃ、今日はここまでー。 皆、帰っていいぞー。 松永 綾音|…あっ、今日はまだ片付けないんですよ。 松永 綾音|今から居残りで練習します。 ずっと外回ってて楽器触ってもないので… |付き合おうか? |サボったら? 松永 綾音|いえいえ! 大丈夫です、一人で。 |下手っぴだし、恥ずかしいですから… |>綾音は自信無さそうにしている… |ん~、ダメです。 下手っぴなんで、他の人より頑張らないと! |>と言いつつ、綾音は楽しそうだ。 松永 綾音|発表会の場所も見つかったし、 頑張らないと。 松永 綾音|…と言っても、私は出ませんけど。 |出たくない? |出られない? 松永 綾音|え、えっと… |私、全然ダメなんで、選ばれないです、当然。 |>綾音は下を向いている… |えと…そうですね。 “出ません”じゃないですね。 |>綾音は下を向いている… 松永 綾音|…けど、部の役には、 ちょっとは立ててると思うんですよね。 松永 綾音|演奏は、足を引っ張るしかできませんし… 松永 綾音|スケジュールとか、部費管理とか、片付け… 私でもやれること、色々ありますから。 |立派な心がけだ |それでいいのか? |…はい、ありがとうございます! |>綾音は嬉しそうだ。 |えっ… |で、でも、喜んでもらってると、思います… 役に立てれば、私も嬉しいですし… |>綾音は下を向いている… 松永 綾音|じゃ、じゃあ、私、練習していきますから! 気をつけて帰ってくださいね。 |>綾音が優しく気遣ってくれる… |>綾音との仲が少し深まった気がする… |>綾音と別れ、家に帰ることにした。 |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… 松永 綾音|あ、もう学校が閉まっちゃう時間ですね… 松永 綾音|困ったな… さっき注意されたところ、まだ全然… |家で練習したら? |また明日にしたら? |諦めたら? 松永 綾音|そうしたいんですけど、防音じゃないので… 前に、近所の人に怒られちゃいました。 |>綾音は考え込んでいる… 松永 綾音|でも、明日も上手く出来なかったら… |>綾音は考え込んでいる… 松永 綾音|…先輩はすぐイジワル言うんですね! |>綾音は笑っている。 松永 綾音|外で吹けたらいいんですけど、 一人なんでちょっと恥ずかしいんですよね… |外ってどこ? |一緒にやろうか? |よし、付いて来い! 松永 綾音|んと、河原だったら 迷惑にならないかなって思ってるんですけど。 |>河原なら帰り道だ。 少し付き合ってみようか… |>付き合いを申し出た。 松永 綾音|えっ… 松永 綾音|い、いいんですか? |>綾音は嬉しそうだ。 松永 綾音|えっ… 松永 綾音|あ、ありがとうございます! |>綾音はとても嬉しそうだ。 |>鮫川 河原… |んん… |>綾音はミスばかりしている… 松永 綾音|はあ… す、すみません。 松永 綾音|あの… 先輩の練習の邪魔…ですよね。 |確かに |そんなことはない |根性が足りない |ご、ごめんなさい! せっかく、お付き合いいただいたのに… |>綾音は申し訳無さそうにしている… 松永 綾音|けど、嬉しいです。 一人じゃできなかったから… |そ、そうですか? ありがとうございます。 |>綾音はホッとしている… 松永 綾音|先輩と練習できて、嬉しいです。 |>根性の大切さを教え諭した… 松永 綾音|は、はい! 弱音吐く前に、練習! ですよね。 松永 綾音|>綾音は気合を入れ直した。 松永 綾音|松永 綾音 先輩と練習できて、嬉しいです。 もっと頑張りますね。 松永 綾音|あの、付き合ってもらって、 ありがとうございました。 |>綾音から、ほのかな好意を感じる… |>綾音との仲が、少し深まった気がした… |~カード演出入る~ 松永 綾音|私…才能無いって分かってるんですけど、 …夢があって。 松永 綾音|音楽で…誰かを支えられたらいいな…って。 松永 綾音|皆がニコニコできるといいな…って。 松永 綾音|なんかちょっと…恥ずかしいですね。 松永 綾音|そろそろ、帰りましょうか。 先輩、また学校で。 |>綾音と別れ、家に帰ることにした。 |>綾音と二人で練習をした。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 音楽室… |>練習の前に、部員が集められた… |いいか? ほら、皆集まったか? |さっき連絡があって、 飯田が事故にあったそうだ。 |>部員らはザワついている… |ほらまだ話し中ー! |原チャでコケただけで、大したことはないって。 けど… |腕、やったってよ。 |えっ、マジで? 折った? |折ってはないけど、変なふうに捻ったみたいで リハビリ通うって。 |復帰は未定… んで、発表会のことだけどさ。 |飯田の代わりに、松永! 松永 綾音|は、はいっ! |けど、今度の曲って トロンボーンのソロが入るじゃん。 |じゃあお前がトロンボーンやるか? まだ松永のほうがマシだろ。 松永 綾音|え、えっと… |んじゃ、今日はパート別で流してー。 |松永は一人で練習。 早いとこ、皆に追いつけよ? 松永 綾音|は、はいっっ! がががんばります… |>パート別に練習を行った… |>感情を音に乗せて演奏した… |パー・パパ・パ…休符で…えっと… |>他の部員らが帰る中、 綾音は何やら夢中だ… |声を掛ける |放っておく 松永 綾音|パパパ・パ… 松永 綾音|あ、はい!? 松永 綾音|…あ、先輩。 ごめんなさい! 松永 綾音|部活…終わってたんですね。 松永 綾音|パパパ・パ…えっと… 松永 綾音|…あ、部活終わってる! 松永 綾音|…あ、せ、先輩。 やだ、すみません、夢中になってて… 松永 綾音|ソロのところ、全然分からなくて… まさか、私がやると思ってなかったから… 松永 綾音|どうしよう… 先輩、私… 松永 綾音|できない… 絶対、失敗する… 松永 綾音|わ、私、 何をやっても上手くいかないんです! 松永 綾音|ホントはフルートが良かったのに、 高いからダメって言われて… 松永 綾音|家にトロンボーンがあるから、 それにしなさいって言われて… 松永 綾音|あんな大っきな楽器、難しいのに… でも、しょうがなくて… 松永 綾音|練習しても、上手くならなくて… 迷惑ばっかり掛けて… 松永 綾音|皆の前で注意されて…怖くて… なのに、ソロなんて… 松永 綾音|絶対、できない… できません… |大丈夫、できる! |他に誰がやる? |失敗したっていい |>懸命に励ました… |…ん…うん… |>綾音はコクコクとうなずいている… |>現実をつきつけた… |で、でもっ… 私より、上手い人なんていっぱいいるし… |捜してきたほうが、早いのかなって… |>綾音は自信を全く無くしているようだ… 松永 綾音|先輩… 松永 綾音|ダ、ダメですよ、失敗したら… |ふふっ…変なの。 ダメなのに、安心…しました。 |>綾音の顔に笑顔が戻った… 松永 綾音|ハァ…すみません… 松永 綾音|ちょっと、楽になりました。 なんだか、いっぱいいっぱいで… 松永 綾音|あの… 松永 綾音|あ、ありがとうございます。 松永 綾音|私、先輩がいてくれると… 頑張れる気がします。 |>綾音から頼りにされているのを感じる… |>綾音との仲が、少し深まった気がした… |~カード演出入る~ |もう少し、残って練習して行きますから。 大丈夫、もうヘコんだりしません! |>…気合の入っている綾音と別れ、 家に帰ることにした。 |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンはいい音をさせている… 松永 綾音|お疲れ様です! 松永 綾音|私、これから河原で練習行って来ますね! 松永 綾音|あの河原、いいですよ。 屋根のトコがあるんで、雨でもへっちゃらです。 松永 綾音|部活の無い日も毎日、行ってるんです。 いっぱい練習、しないと! 松永 綾音|下手ですけど…ぶつかってみようって。 松永 綾音|これも、先輩のおかげです。 一人じゃ絶対…諦めてました。 松永 綾音|先輩…私… 松永 綾音|鳴上先輩のためにも、 恥ずかしくない演奏しますから… 松永 綾音|…先輩に喜んでもらいたいんです。 |>綾音からの、強い好意を感じる… |>綾音との仲が、少し深まった気がした… |~カード演出入る~ 松永 綾音|あ、えっと… それじゃ、失礼します! |>張り切る綾音と別れ、家に帰ることにした。 |>八十神高校 音楽室… |>今日の発表会を控え、 部員らは落ち着かない様子だ… 松永 綾音|い、いよいよ、今日ですね、発表会… ももも、もう、緊張してきた… 松永 綾音|先輩、お留守番、お願いしますね。 私、頑張ってきますから… 松永 綾音|笑顔で帰って来たいです! |うーす、集まってるかー? 松永 綾音|はいっ! |んじゃあ、張り切って行くぜー! |…の、前に、サプライズゲストだー。 |恥ずかしいマネすんなよー… |あ、飯田! 腕は大丈夫!? |>飯田…? |>確か、綾音より上手だと言う トロンボーンの奏者だ… |あ、へーきへーき。 もう治ったし。 |ってわけでさ、 ギリになったけど、俺も参加すっから。 |向こうで1回、合わせればいいよな? よろー。 |あ、でも…トロンボーンは… 松永 綾音|えっ、あ…あの… |え、何この空気? |どうする、松永? 松永 綾音|えっ、そんな、私… |え、あー、そういうことか… |んじゃ、今回は俺、辞退ってことで… |…飯田がいいと思うよ。 上手いし、場慣れもしてるし。 |…皆もそう思ってんじゃん? 失敗されたら困るしさ。 |>他の部員は押し黙っている… |綾音を推薦する |黙っている |>綾音が一生懸命、 練習していたことを話し、部員を説得した… |…だってさ、松永。 良かったね、仲良くしといて。 松永 綾音|えっ、あの… |…で、どうする、松永。 お前が決めろ。 松永 綾音|わ、私… 松永 綾音|行ってきてください、飯田先輩。 松永 綾音|もともと先輩の役でしたし、 私では力不足ですから。 松永 綾音|…お願いします。 |え、うーん。 じゃあ、そういうことなら… |…ん、じゃあ行くぞー。 準備できたヤツから、表のバスー。 松永 綾音|が、頑張ってくださいね! |>部員らは支度をして出て行った… 松永 綾音|ふふっ、なんか… バカみたいですよね。 松永 綾音|私…バカみたいですよね… |>綾音は泣き出してしまった… 松永 綾音|わ…たしっ… やっぱり…上手く行かない…ですね… 松永 綾音|しょうがない、けど… い、つも…いっつも… |>綾音は泣きじゃくっている… |励ます |頭を撫でる |抱きしめる |>綾音を励ました… 松永 綾音|ん… 松永 綾音|ふふっ… や、優しいですね、先輩… 松永 綾音|先輩… 松永 綾音|私… |先輩… |う、ひっく… |うっ、うっ…く… |>綾音は余計に泣いてしまった… 松永 綾音|す、すみません… 松永 綾音|私… 夢が叶うって、思ったんです。 松永 綾音|“音楽で誰かの支えになれたら”… 松永 綾音|その夢が、叶うかもって… 松永 綾音|前は、遠い夢でした。 でも今は…違った。 松永 綾音|憧れじゃなくて…目標でした。 もうすぐ手が届くって…思いました。 松永 綾音|だから、だから… 松永 綾音|すごく、悔しいです! 松永 綾音|あ… 松永 綾音|アハハッ… なんか、不思議です。 松永 綾音|こんなこと思うの、初めて… 松永 綾音|悔しくて…でも、なんだか満足してる… 松永 綾音|寝ても覚めても、ずっと曲が離れなかった… 松永 綾音|少しでも時間があれば練習して… 腕なんてずっと筋肉痛で… 松永 綾音|初めて、です、こんなの。 無理無理って、ずっと思ってきたから… 松永 綾音|だから、悔しいし… 悔しいことが、嬉しい…気がします。 松永 綾音|先輩… 松永 綾音|さっき、推薦してくれて、 ありがとうございました。 松永 綾音|すごく、嬉しかったです。 松永 綾音|でも、飯田先輩を押しのけて自分が…って 思えなくて… 松永 綾音|…ごめんなさい。 松永 綾音|私…少し、変われた気がする。 松永 綾音|先輩がいてくれたから… |>綾音からの、強い好意を感じる… |>綾音との仲が深まった気がした… 松永 綾音|…あ、気付いたら 二人っきりですね、今… 松永 綾音|…ふふっ、行けなかったのも、 そんなに悪いことじゃないかも、ですね。 |>懸命に笑おうとする綾音と、 下校時刻まで一緒に過ごした… |>…家に帰ることにした。 |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>鮫川 河原… |>部活後、綾音に連れられてやってきた… 松永 綾音|わ、ちょうど雨も上がりましたね! 松永 綾音|先輩、こっちこっち! 松永 綾音|練習、この辺りでやってるんです。 松永 綾音|人もいないし、伸び伸び吹けて 気持ち良いんですよ。 松永 綾音|…すみません。 急に、来てもらっちゃったりして。 松永 綾音|ここなら、素直に言える気がして… 松永 綾音|私、もっと我がままになろうと思うんです。 松永 綾音|今まで…自分の意見なんて、 言わずに仕舞ってきました。 松永 綾音|でもそれは、 ただ争いを避けて、自分を守るため。 松永 綾音|ケンカになっても、話し合えば、 もっと深い仲を築けたかもしれないのに。 松永 綾音|そう、気付いて… 松永 綾音|ううん、私、また嘘つきました。 松永 綾音|本当は、気付いてたんです。 でも認めるのは怖かった… 松永 綾音|自分の意見を言って、否定されるのが怖かった。 誰にも嫌われたくなかった。 松永 綾音|だから、周りに流されてるほうが、 傷つかなくてすむと思った。 …楽だったんです。 松永 綾音|でも…鳴上先輩が現れて… ずっと見ないフリをしてきた自分に気付きました。 松永 綾音|本当は私、我がままで… 嫌らしい部分もいっぱいあって… 松永 綾音|人に認めてもらいたいって強く願ってるのに、 自分からは何もしない… 松永 綾音|…そんな、自分です。 松永 綾音|だから、鳴上先輩のことを考えると… 苦しかった。 松永 綾音|…でも私、 一人じゃできないこと、いっぱいできました。 松永 綾音|精一杯、努力すること。 大切な人と過ごすこと。 松永 綾音|…自分を見つめること。 全部、一人じゃできなかった。 松永 綾音|鳴上先輩がいたから、 私、自分の声を聞けたんです。 松永 綾音|だからもう、見ないフリはやめます! 松永 綾音|自分の意見言って、思ってること伝えて… それで誰かに嫌われちゃってもいい。 松永 綾音|欲しいものを手に入れるためには、 努力を惜しんじゃいけないですから! 松永 綾音|…鳴上先輩! ありがとうございます! |>綾音は晴れやかに笑っている… |>綾音の力になれたようだ… |あの… |私… 欲しいもの、あるんです。 |>綾音は顔を赤らめている… 松永 綾音|その… 松永 綾音|先輩、わ、私のこと… |>この流れは… |>どうしようか… |こっちから告白する |話を切り上げる |えっ… |せ、先輩… |>綾音は言葉にならないほど驚いている。 |は、はい… その…私も、です… |えっと… 私、先輩の彼女…です、ね… |わ… |>綾音は顔を赤らめている… 松永 綾音|えっと…じゃあ、今日、えっと… 一緒に、帰りませんか? |>もう、後戻りはできない… |>綾音と、特別な関係になった。 |>話を切り上げ、流れを変えた… 松永 綾音|あ、えっと…な、何でも無いです。 松永 綾音|…あっ、わ、私帰りますね! 松永 綾音|じゃ、じゃあ、 お、お疲れ様です! |>綾音と別れ、家に帰ることにした。 松永 綾音|これからも、良き先輩として ご指導お願いします! |ふふっ。 いっぱい言ったらスッキリしちゃいました。 |帰りましょう、先輩! |>綾音と別れ、家に帰ることにした。 |>綾音を家まで送り、帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンはいい音をさせている… 松永 綾音|先輩、お、お疲れ様です… 松永 綾音|ふ、二人だと恥ずかしいですね、まだ… まだ、信じられないし。 松永 綾音|両想い…とかって、ホントにあるんですね。 松永 綾音|って…あ、ご、ごめんなさい! 変なこと言って。 松永 綾音|ふふっ。 |>綾音は幸せそうに笑っている… |>綾音は幸せそうに笑っている… 松永 綾音|あの、ここすぐ片付けますから、 そ、その後… |>綾音は恥ずかしそうに下を向いている。 |食べて帰ろうか? |遊びに行こうか? |家に来る? 松永 綾音|あっ、は、はい! 松永 綾音|わ、私、好き嫌いありませんから、 なんでもいいです! |>綾音はとても嬉しそうだ。 松永 綾音|えっ、あ、遊びに…ですか? 松永 綾音|遊べるところなんて…えっと… 松永 綾音|あの、お、お任せします! |>綾音はワクワクしているようだ。 松永 綾音|せっ… 先輩の、おウチに…ですか!? 松永 綾音|えっと、準備が、あの… 松永 綾音|……! 松永 綾音|こっ、心の準備のことですよ! …って当たり前か、ごめんなさい! |>綾音は焦っている… 松永 綾音|で、でも、あの… 松永 綾音|…いいですよ。 |>綾音はソワソワしている… 松永 綾音|か、片付けますから、 ちょっと待っててくださいね! |>綾音を手伝い、学校を出た。 |>綾音と寄り道をしながら、仲良く帰った… 松永 綾音|わ、雨が… 松永 綾音|あ、置き傘ありますから。 ちょっと待っててください。 |>二人で土手まで歩いた。 松永 綾音|あ、先輩、肩が濡れて… 松永 綾音|ありがとうございます… |>綾音と寄り道をして帰った。 |>ここも霧に覆われている… |>自室… |>綾音は黙っている… 松永 綾音|あ、の… 松永 綾音|あ…えっと。 松永 綾音|な、なんでもないです。 松永 綾音|せ…んぱいの、においがするなぁって… |>綾音は恥ずかしそうだ… |>ほとんど何も話さないまま 時間が経っていく… |>暗くなってきたので、 綾音を家まで送った… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンは 美しい音色を奏でている… |>自室… 松永 綾音|すみません、急に、 “おウチに行きたい”なんて言って… 松永 綾音|お渡ししたいものがあって… 学校だと恥ずかしかったので。 松永 綾音|こ、これなんですけど… |>綾音から何かを受け取った。 |>“松永綾音ソロコンサート 日時:近い未来”と書いてある… 松永 綾音|わ、笑わないでください… |>綾音は困ったように笑っている… 松永 綾音|それ… 私の、決意表明、です。 松永 綾音|いつか、夢を掴み取りたいから。 松永 綾音|“音楽で誰かの支えになれたら”… ううん、“支えになるんだ”って。 松永 綾音|私が、努力し続けられるように… もう見ないフリをしないように… 松永 綾音|先輩… あ、あなたに、持ってて欲しいんです。 松永 綾音|…手作りで、下手で、恥ずかしいんですけど… 松永 綾音|いつか、私のコンサート… 先輩に一番に聴いてもらいたいです。 松永 綾音|それまでずっと… そばにいてもいいですか? 松永 綾音|一番、そばに… |>綾音がひたむきに見つめてくる… |>綾音に強く求められているのを感じる… 松永 綾音|私… じ、実は今日、えっと、誕生日、で… 松永 綾音|あの… 松永 綾音|欲しいものが、あるんです…けど… 松永 綾音|えっと… 松永 綾音|先輩… 松永 綾音|そ、そっちへ行っても、いいですか…? |>長い間、綾音と一緒に過ごした… |>暗くなってきたので、 綾音を家まで送った… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンは 美しい音色を奏でている… 松永 綾音|先輩、お疲れ様です。 松永 綾音|あの、今日は、どうしましょっか? 松永 綾音|おなかもちょっと空きましたし、 どこか… |あの… |先輩のおウチでも… いいですよ… |>綾音は何故か、恥ずかしそうだ… |意地悪する |優しくする |>恥ずかしそうな理由を問い詰めた。 松永 綾音|えっ、やっ… ひどいです、先輩… |>綾音の好きなところに行くことにした。 松永 綾音|じゃあ、えっと… やっぱり…先輩のおウチ、で… |>自室… |>綾音を呼んだ… 松永 綾音|あの、何か…しましょうか? えっと、ゲームとか… 松永 綾音|そ、そんな見ないでください… 松永 綾音|私だって…恥ずかしいんですから… |>長い間、綾音と一緒に過ごした。 |>綾音との固い絆に、 かけがえのないものを感じる… |>暗くなってきたので、 綾音を家まで送った… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンはいい音をさせている… |お疲れ様です、先輩! |今日も気持ちよく吹けちゃいました。 最近、なんだかこのコと仲いいんですよ。 |>綾音は嬉しそうに楽器を見つめている。 松永 綾音|楽器にも、気持ちがあるんですね… 松永 綾音|今まで、モノだと思ってた… 松永 綾音|…自分しか見えてないから、 ダメだったんですよね、きっと。 松永 綾音|ちゃんと、目を開けてないと。 松永 綾音|…それも全部、 先輩が教えてくれたことです。 |>綾音は尊敬の目つきで見上げてくる… |>綾音との仲が、少し深まった気がした… 松永 綾音|先輩、私まだ練習して行きますから、 お先にどうぞ。 松永 綾音|私、もっと上手になりたいんです。 このコの声も聞きたいし、それに… 松永 綾音|褒めてもらいたい人が、いるので… 松永 綾音|…あ、やだ、 は、恥ずかしいこと言っちゃいましたね! 松永 綾音|そ、それじゃ、 気をつけてくださいね! |>綾音と別れ、家に帰ることにした。 |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンは 美しい音色を奏でている… |松永、今日いい音させてたなー。 松永 綾音|えっ、ほ、本当ですか? |おー、マジ、聞き惚れたよ今日のは。 最近、頑張ってんだろ? |音が全然違うし、楽しそうだしな。 松永 綾音|あっ、ありがとうございます!! |あ、そんでさ。 ウチ、マネージャー入れようと思うんだよね。 |松永、色々やってくれたけどさ。 あれ、もういいから。 松永 綾音|えっ、あ、あの… 私、役立たず…ですか? |…あ、えっと、そうじゃなくて… 松永 綾音|私、楽しんでやってます。 片付けも、部費とか集めるのも、外回りも。 松永 綾音|その… 力になれたらって思ってるので… |あー、いや… |松永は、よくやってくれてるよ。 俺らがそれに甘えすぎかなって思ってさ。 |松永ももう、立派な戦力だからな。 お前一人にやらせてらんないだろ。 松永 綾音|部長… |あ、えっ、とさ。 そ、そういうわけだから。 |か、かいさーん! 今日はおしまい! ほら帰れー! 松永 綾音|…嬉しいこと言われちゃいました。 松永 綾音|今はなんだか、違う自分みたい。 初めて自分を好きになれた気がします。 松永 綾音|先輩と会えたおかげです… 松永 綾音|…あの、これ。 |>綾音から何かを受け取った。 |>“松永綾音ソロコンサート 日時:近い未来”と書いてある… 松永 綾音|わ、笑わないでください… |>綾音は困ったように笑っている… 松永 綾音|それ… 私の、決意表明、です。 松永 綾音|いつか、夢を掴み取りたいから。 松永 綾音|“音楽で誰かの支えになれたら”… ううん、“支えになるんだ”って。 松永 綾音|私が、努力し続けられるように… もう見ないフリをしないように… 松永 綾音|それを教えてくれた先輩に、 持ってて欲しくて…作りました。 松永 綾音|いつか、本当に先輩に聴いてもらえるように、 頑張ります! |>綾音は尊敬のまなざしで見上げてくる… |>綾音との仲が、少し深まった気がした… 松永 綾音|…私も、先輩の力になりたいです。 もしも先輩が困ったとき… 松永 綾音|例えば私みたいに、 “自分”が見えなくなったとき。 松永 綾音|私のこと、思い出してください。 私が、勇気を持てたことを。 松永 綾音|…私、いつでも先輩の味方ですから! |>綾音は力強く頷いてくれた… |>綾音と心温まる時を過ごした… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>綾音のトロンボーンは 美しい音色を奏でている… |>音色を通じ、綾音との固い絆を感じた… |>学童保育の手伝いとして、 子どもたちに紹介された。 |>子どもたちから、やけに興味を持たれている… |せんせー、かのじょいる? |こら! そういうこというの、 エッチだからダメなんだよ! |せんせー、色オニやろーぜ! |せんせーがオニ!! |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |>男の子が一人、残っている… |>どうやら、迎えの保護者が来ないようだ。 |鳴上くん、どぉ? 全員お迎え来たかな? |あ、勇太くんがまだか… |いつものことだけどねぇ… 南 絵里|…あ、ユー君。 ごめんね、遅くなって… |…べつに。 南 絵里|学童の…先生? 南 絵里|そうですか… 南 絵里|ユー君、また面倒かけてると思いますけど、 お願いしますね… |…南勇太くん。 |みんなと遊んでるときは元気いっぱい… というか、ありすぎでちょっと問題なんだけど。 |お母さんが来ると、ああなんだよね。 …ママハハだから、しょうがないのかなぁ? |勇太くんのお父さんと、 さっきの女の人が再婚してね。 |あの人、どこだったか、都会の人らしくて… ちょっと何考えてるか分からないのよねぇ。 |そのせいか、勇太くん、 学校でも問題児みたいでねぇ… |この間も… |>学童の先生の噂話は続いている… |>学童保育の手伝いのアルバイトを終え、 家に帰ることにした。 |>学童保育の手伝いをした… |ままごとなんか、やってらんねーよ! |かくれんぼやろうぜ、お前がオニ! |>勇太は元気に遊びまわっている… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |鳴上くん! |ほとんどお迎えも済んだから、 今日は帰っていいよ~。 |じゃ、また宜しくね! |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>帰宅途中、鮫川土手… |>あそこに座っているのは確か… 勇太の母親だ。 南 絵里|あら、この間の…学童の方でしたっけ? 南 絵里|やだ、こんな時間? 南 絵里|私、ずっと座ってたのね… |考え事? |具合でも悪い? 南 絵里|…あ、いいえ、別に。 南 絵里|ふふ、先生って、高校生よね? なんだか大人びてるのね… 南 絵里|向かってたのよ、ちゃんと… 迎えに行こうと思って… 南 絵里|でも何だか、疲れちゃって… 足が止まっちゃった。 南 絵里|いつも…あの子のこと考えると… |>勇太の母親は、ため息をついている… 南 絵里|…先生も聞いた? 南 絵里|勇太と私、血が繋がってないって… 南 絵里|夫の連れ子なの。 半年前から、一緒に住んでて… 南 絵里|まだ半年というか、もう半年というか… 全然、会話なんて無いままよ。 南 絵里|今は夫がいないから… ふふ…暗い家で、ずっと二人。 |大変だね |勇太はいい子だ |ゆっくり頑張れ 南 絵里|あ…ごめんなさい。 急にこんなこと… 南 絵里|…でも、嬉しい。 聞いてくれて、話してくれて… 南 絵里|ふふ、こんなキャッチボールさえ、 普段なかなか無いから… |>勇太の母親は、 弱々しく笑っている… |>勇太の母親なりに、 周囲に馴染もうと頑張っているようだ… |>勇太の母親との間に、 ほのかな絆の芽生えを感じる… 南 絵里|私、南絵里です。 南 絵里|南 絵里 あの子ともども、よろしくね。 南 絵里|…って、そうだ、 迎えに行くんだった。 南 絵里|それじゃ、どうも… |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |せんせー、オレと、うでずもうやろーぜ! |オレ、負けたことないんだ! てかげん、きんしだからな! |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… 南 絵里|あ…この間の… 鳴上君…だったよね? 南 絵里|ユー君、先生と仲いいの? |…べつに! |むかえ、こなくていいってば!! 南 絵里|ユー君… 南 絵里|…先生は、子ども好き? |好き |どちらでもない |苦手 |君がお父さんになったら、 子育て手伝うんだろうね… |ドラマに出てくる父親みたいな? …うらやましい。 |>絵里は悲しそうだ。 |そういうのがわりと、 子ども好きになったりするのよ。 |ワイドショーでやってたわ。 “優秀な父親は、子どもを意識しない男”って… |>絵里は熱心に話し出した… |そうなの? 楽しそうに遊んでいるけど… |仕事と割り切ってるのね、偉いわぁ。 |>絵里は感心している… 南 絵里|ハァ…もう、疲れる… 南 絵里|あの子のこと…嫌いじゃないけど… |好き? |苦手? |…そりゃ、そうよ。 |>絵里は目を伏せている… |…そんなふうに、一言で言えないわ。 |ふふっ、先生もやっぱり子どもね… |>絵里は悲しそうに笑っている… 南 絵里|他のお母さんと会っちゃうから ここに来るの、嫌だったけど… 南 絵里|…ふふ。 |>絵里は力が抜けたように微笑んだ… |>絵里の寂しい気持ちが、 少しだけ分かった気がした… |あら…勇太君のお母さんじゃない? 勇太君、一人にして良いの? |最近、殺人事件とか物騒じゃない? 母親として、どうかと思うわよ~。 |いくら新しい先生が若いからって、ねぇ? 南 絵里|…あ、はい…すみません。 南 絵里|それじゃあ…失礼します… |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |えー、ユー君、ネオフェザーマン しらねーのー? |だっせー!! |…もう一回いってみろ! |わー、またユー君がなぐるぞー! にげろー!! |>勇太は真っ赤な顔で、 友だちを追いかけている… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… 南 絵里|ユー君、帰ろうか… もう時間遅いし… |アキオー、帰るぞー。 |…いつ、帰ってくる? 南 絵里|え、えっと、あ、お父さん…のこと? 南 絵里|うーん… まだ…分からないな。 |…オレ、リュー君と帰る。 南 絵里|やっぱり…父親に会いたいのかな。 |そうかも |分からない |…家に帰っても、私と二人でしょ? 南 絵里|私なんて、半年前に急に来た他人だから… ちょっと同情しちゃうな、あの子には。 南 絵里|私なんて、半年前に急に来た他人だから… ちょっと同情しちゃうな、あの子には。 |先生にも、何も言ってないんだ? 南 絵里|私なんて、半年前に急に来た他人だから… ちょっと同情しちゃうな、あの子には。 南 絵里|私なんて、半年前に急に来た他人だから… ちょっと同情しちゃうな、あの子には。 南 絵里|ダンナね、ひどいのよ… 南 絵里|結婚する直前になって、 子どもがいるって言い出して… 南 絵里|…愛した人と、その子どもだから 三人でやっていけるって思ったけど… 南 絵里|…結婚してすぐ、単身赴任。 中国に行っちゃった。 南 絵里|連絡は寄越すけど… いないことに変わり無いし。 南 絵里|ハァ…勝手だわ。 |勇太を愛してるか? |夫を愛してるか? |え… そ、そりゃそうよ… |でもホラ、後妻と仲がいい子どもなんて ありえないでしょ? |だから、仕方ないのよ… |>絵里は目を泳がせている… |え… どうかしら… |結婚するときは、この人だって思った… でも…今はよく分からないわ。 |でもそんなの… 離婚する理由にはならないでしょう…? |>絵里は他人事のように話している… 南 絵里|あの人と結婚するの、早まったかしら… 南 絵里|働かなくて良いって言ってくれたから、 決めたんだけど… 南 絵里|…って、内緒よダンナには。 |>本気なのかどうか、 絵里は笑っている… |>絵里のことが少し分かった気がした… 南 絵里|あの子、もう家に着いたかしら? …私も帰るわ。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |ニンジャごっこやる人、はーい!! |ほら、お前も手ェあげろよ!! |ニンジャなんてやだぁ! ようふく、よごれるし… |>女の子の反対も聞かず、 勇太はニンジャごっこを始めた… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… 南 絵里|ユー君、帰ろう。 南 絵里|今日の夜ゴハン、どこの出前がいい? 高いものでもいいよ? |…おなか、へってない。 |もっと、あそぶ! 南 絵里|…次からは、もっと遅く来るわ。 南 絵里|せっかく、テレビ途中で来たのに… やんなっちゃう。 南 絵里|…仕方ないよね、血が繋がってないから。 |勇太に愛されないことが? |勇太を愛せないことが? |>絵里は口をつぐんでしまった… 南 絵里|母乳あげる時に、母性って目覚めるんだって。 南 絵里|…本当よ、テレビで言ってたんだから。 南 絵里|だったら、たかが半年前に会った私に、 母性なんか目覚めようないじゃない。 南 絵里|だから、仕方ないの。 運命ね、きっと。 南 絵里|運命と言えばね、こんなの知ってる? 南 絵里|生まれる前から、 人生って何もかも決まってるんですって。 南 絵里|神様が決めてるプログラムを、 私たちはこなしているだけなの。 南 絵里|だから、ツライことがあっても それは神様が決めたこと… 南 絵里|ね、何か楽にならない? 素敵な考え方でしょ? |確かに… |つまらない考え方だ |良くない考え方だ |ね、そうでしょう? |今の、テレビで言ってたの。 私ね、その人の講演会にも行ったんだ。 |それで号泣しちゃって… 私、高次元の存在を感じたの! |>絵里は目を輝かせている… |…男の人には分かんないのね。 |そう思うと、男の人って可哀想よね。 理屈でしか生きられないっていうか… |>絵里は悲しそうな目をしている… 南 絵里|今の、テレビで言ってたの。 私ね、その人の講演会にも行ったんだ。 南 絵里|それで号泣しちゃって… 私、高次元の存在を感じたの! |今の、テレビで言ってたのよ? すごく人気があるの。 |みんなが好きってことは、 良いってことじゃない。 |…というかそもそも、 考え方なんて自由なんだから… |>絵里は顔をしかめている… 南 絵里|私ね、その人の講演会にも行ったんだ。 南 絵里|それで号泣しちゃって… 私、高次元の存在を感じたの! 南 絵里|こんな田舎だと、面白いこと少ないから… テレビとか、インターネットばっかり。 南 絵里|買い物は通販があるし、便利な世の中よねぇ。 太っちゃって困るぐらい。 南 絵里|…本当は、都会に戻りたいけど。 |一人で戻れば? |勇太と戻れば? |諦めろ |え…で、でもお金無いし… あの子がいるのに… |>絵里は目を泳がせている… |え…で、でもお金無いし… あの子となんて、そんな… |>絵里は目を泳がせている… |…もうとっくに諦めてる。 |>絵里は苦笑いしている… 南 絵里|…先生には色々言っちゃうわね。 南 絵里|ユー君には…内緒にして。 それから、他のお母さんたちにも。 |分かってる |言ってどうする 南 絵里|…ありがとう、優しい先生。 |>絵里はホッとしたようだ。 |>自分に打ち明けるしかない絵里の、 寂しい気持ちを感じた… 南 絵里|…やだ、話し込んじゃった。 ごめんね、先生。 南 絵里|ユー君、連れて帰るから。 |>二人はぎこちなく帰って行った。 |>…家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |せんせー、次、プロレスやろー! |>勇太は今日も、元気いっぱいだ… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… 南 絵里|ほら、ユー君、帰ろう? |…まだ帰らない! 先生と遊ぶ!! 南 絵里|で、でも先生の迷惑になるでしょ? |やだ! 南 絵里|じゃぁ…知らない。 先、帰るから。 |>勇太は急に、不安そうに黙ってしまった… |>少しだけ勇太に付き合い、 送っていくことにした。 |>ここも霧に覆われている… |>帰宅途中… 鮫川土手 |>絵里が座っている… |…怒ってるかな? |怒ってる |怒ってない |謝ればいい |あの人、オレがきらいなんだ。 |でも、オレのめんどう見なきゃいけないから… かわいそう。 |嫌いなんかじゃない |時間が解決する |もっといい子になれ 南 絵里|あ…ありがとう、送ってきてくれたのね。 南 絵里|…と、いうか、 もう家まで送ってもらっちゃおうかな、はは… 南 絵里|あの子、学童にいると すごく楽しそう。 南 絵里|今日も、“帰らない!”だなんて… ふふ、そりゃそうか… 南 絵里|家帰っても、私と二人だもんね… 父親なんて顔も忘れそう。 南 絵里|かわいそうな子… |>互いを“かわいそう”と言い合っている… |>…どうやら、遠慮し合っているようだ。 南 絵里|…けど学童行き出して、助かってるの。 南 絵里|あの子も楽しそうだし、 私も自由な時間があるしね。 南 絵里|特に先生が来た日は あの子、帰ってからも楽しそうよ。 南 絵里|…話さないから、 言葉では聞いてないけどね… 南 絵里|これからもよろしくね、先生。 |>絵里から感謝の気持ちを感じる… |>絵里との仲が、少し深まった気がした… 南 絵里|ユー君、帰ろうか。 先生もおうち帰るって。 |>二人はぎこちなく帰って行った。 |>…家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |>勇太は、ネオフェザーマンごっこを しているようだ… |くらえ、フェザーバキュームぅぅ! |…フェザーチョップ! |無いよ、そんなワザ!! |…あ、あるよ! オレ、見たもん! |ウソつき! またユーくん、ウソついた!! |ウソはいけないんだよ! 先生に言うぞ! |>勇太は悔しそうに唇を噛み締めている… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |>ここも霧に覆われている… |>迎えが来ないので、 勇太を途中まで送っていくことにした。 |フェザーバキューム… |>勇太は技名を呟いている… |…ネオフェザーマン、見たこと無い。 |なんで? |見ればいいのに |…テレビ、あの人が見てるから。 |見たらダメだって? |見せてって言えば? |ううん… “見てもいい?”って、聞いてない… |だって… |だ、だめ。 そんなこと言ったら… |きらわれちゃう。 南 絵里|ハァ、ハァ… すみません、遅くなっちゃって… |問題ない |勇太が寂しがってた |謝る相手が違う |そ、そんなことない!! 南 絵里|…そ、そっか。 南 絵里|…あ、そ、そうですね。 南 絵里|…ごめんね、遅くなって。 |…べつに。 |>…やはりお互い、遠慮し合っているようだ。 南 絵里|な、なんか、欲しいものあったら 買ってあげるよ? 南 絵里|ね、何がいい? |え… 南 絵里|ユー君は外が好きだから、 サッカーボールとかかな? 南 絵里|あ、そ、そんなの欲しくないよね? 南 絵里|えーっと、じゃあ、 チャンバラごっこの刀とか? 南 絵里|私もね、こう見えて昔は… |いい!! |いらない! |先、かえる。 南 絵里|また…嫌われちゃった。 南 絵里|はは… うまく…いかないなぁ。 南 絵里|子どもの欲しいものなんて、知らないわ… |ネオフェザーマンだ |お金だ |優しい母親だ 南 絵里|あ…何かそれ、CMで見た。 子ども向けのテレビ番組よね? |そっか、テレビ…見たかったんだ。 ネオフェザーマンか… |>絵里は驚いている… 南 絵里|あの年頃で、それは無いわよ。 南 絵里|ううん、でも… 先生が言うなら、そうなのかしら。 |あ、私に買ってもらいたくなかったのかな… |>絵里は落ち込んでいるようだ… 南 絵里|それは… 南 絵里|それは、そうだろうけど… |でも、仕方ないじゃない!? |もう母親いないんだし、 父親が私を選んじゃったんだし!? |>絵里は何故か怒っているようだ… 南 絵里|何か、好きなキャラクターとかあれば グッズでも買って上げられるんだけど… |>そう言えば、勇太は ネオフェザーマンが気になっているらしい。 南 絵里|ネオフェザーマン… って確か、子ども向けのテレビ番組よね? 南 絵里|あの子、見たことないのに… 南 絵里|うん、じゃあ、 ネオフェザーマンの何か、買って帰ろうっと。 南 絵里|…ふふっ、点数稼ぎみたいだけど。 南 絵里|先生、ありがとうね。 |>絵里は張り切っているようだ。 |>絵里との仲が、少し深まった気がした… 南 絵里|じゃぁ…また。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |>勇太は、ネオフェザーマンごっこを しているようだ… |いくぞぉぉ! フェザー・エターナドリル!! |ぐぅぅ… ま、まさかお前が、でんせつの… |ふふっ! 俺のドリルに、砕けぬものはなし! だぜ! |>勇太は、ネオフェザーマンごっこを 楽しんでいるようだ… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |>ここも霧に覆われている… |>迎えが来ないので、 勇太を途中まで送っていくことにした。 |ね、先生、しゃべったでしょ? |オレが、ネオフェザーマンすきってこと、 言ったでしょ? |言ったかも |言ってない |誰に? |やっぱりね! 先生、男のくせに、おしゃべりなんだな! |えっ、先生じゃないの? じゃあなんで、分かったんだろ。 |………おか、あ、あの人にだよ! |あの人ね、ネオフェザーマンの、 合体するやつと、DVD買ってきてくれた! |で、えっとね… |あ、あの人、何がよろこぶかなぁ? |お、おかえし! |何でも喜ぶ |勇太がいい子になること |自分で考えろ |…大人はすぐそうやってごまかす! |分かんないから聞いてんだろー! |母の日…って、終わった? |四つ葉のクローバー! |あの人ね、すきなんだって。 しあわせはこんでくれる、って言ってた。 |よぉぉぉし!! らいねんの母の日までに、いっぱい見つける! |そしたらいっぱい、しあわせくる!! 南 絵里|ハァ、ハァ… ごめんね、遅くなって… 南 絵里|…ユー君、先生と何話してたの? |べっ、べつに! |むかえ、こなくていーよ! ひとりで帰れる! 南 絵里|はは… そう上手くはいかないか… 南 絵里|あの子、私のこと怖いのかな… |そうかも |違う |お互い様だ |あぁ…やっぱり、そっか… |人から改めて言われると、ショックかも。 |>絵里は苦笑いをしている… |ううん…いいよ、無理しなくて。 |>絵里から気遣われてしまった… |お互い… あぁ、そっか、私も怖がってるね… |>絵里は苦笑いをしている… 南 絵里|何かって言うと隠れたり、出てったり… 私から逃げるんだ、あの子。 南 絵里|やっぱり、私が来て、嫌なんだろうね。 |仕方ない |そんなことはない |はぁ…こういうのって、時間が解決するのかな。 |…先のことなんて、考えられない。 今辛いんだから、今解決してほしいよ… |>絵里は苦笑いをしている… |そ、そうかな… もう少し、頑張ってみようかな。 |>絵里はホッとしたように笑っている。 南 絵里|ハァ…ちょっと、スッキリした。 南 絵里|こんなの誰にも言えないし… 相談に乗ってくれて、ありがとう、いつも。 |>絵里に信頼されているようだ… |>絵里との仲が、少し深まった気がした… 南 絵里|じゃぁ私、帰るわ。 南 絵里|今ならあの子に追いつくかしら? …久々のダイエットね。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |やめろよ、ミサキちゃんなぐるな! |ミサキじゃないぞ! ネオフェザーマンの、てきのごんげだ! |…じゃあネオフェザーマンごっこ、やめる! |>勇太は、女の子をかばっているようだ… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |>ここも霧に覆われている… |>帰宅ついでに、絵里と勇太を 途中まで送っていくことにした。 |あら…南さん。 勇太君も一緒なのね。 |オレ、下で遊んでるー! 南 絵里|中村先生… 南 絵里|あっ、こ、この間は、学校で お騒がせしたようで… |>どうやら、勇太の学校の教師のようだ。 |勇太君、ほぉ~んとに元気ですねぇ。 お育ちが分かるって言うか… |あら、そちらの方は? 旦那さん…にしてはお若いわぁ。 |学童の… |鳴上といいます |こう見えて夫です |あぁそうですか。 |勇太君の世話をねぇ? 大変でしょ? |あぁそうですか。 …で、どのようなご関係? |まさか… 南 絵里|い、いえ! あの、学童でお世話になってる先生で… |…以前お会いした時と、 ま~るで別人ですわねぇ? |あらそう、夫ですか、ふうん… 南 絵里|い、いえ! あの、学童でお世話になってる先生で… |それにしても、こんな若い子をねぇ。 さすが、他所から来た人は違うわねぇ。 |勇太君があんなふうなのも、 仕方ないってとこかしらぁ。 |あの子のために補習プリント作るのも 大変なんですよねぇ。 |プライベートの時間を使ってるわけですから? まぁ教師なら当然ですけども? 南 絵里|す、すみません… |成績だけならまだしも、 ほら、乱暴なとこあるでしょ? |今はまだ笑える範囲ですけども? ゆくゆくは、イジメとかねぇ… |不良化したり、犯罪…とかねぇ? |…それじゃ、お邪魔しましたわね。 南 絵里|あの人、いい教師だって クラスのお母さん達は噂してる… 南 絵里|私、後妻だとかよそ者だとかってこと、 色々言われてるし… 南 絵里|勇太もあんなでしょ? 南 絵里|だから私… 友達ができないのよね、全く。 南 絵里|あの子がせめて… もっと勉強ができる子だったらね… |勇太は悪くない |成績は関係ない |自分のせいだ 南 絵里|じゃあ何? 私のせいってこと!? 南 絵里|私…頑張ってるじゃない! なのに…! |もう嫌、もう嫌よ、私ばっかり…! |>絵里は泣き出してしまった… 南 絵里|関係あるわよ! 南 絵里|あの子の成績が悪いから、 担任に嫌味言われるんじゃない! 南 絵里|私が…頑張ってるのに あの子全然…ッ! |もう嫌、もう嫌よ、私ばっかり…! |>絵里は泣き出してしまった… 南 絵里|私…これ以上、どうしろっていうの!? |辛いのは私じゃない! 私ばかり頑張ってるじゃない! |>絵里は泣き出してしまった… |お…お母さんを泣かせるな!! |>勇太に渾身の力で殴られた… 南 絵里|だ、大丈夫…? 南 絵里|その…目にゴミが入っただけよ。 先生にイジメられてたんじゃないから… 南 絵里|…ふふっ、ごめん、ごめんなさい。 でも…ありがとう。 南 絵里|私…嬉しいみたい。 |>絵里は泣き笑いをしている… |>絵里との絆が強まった気がする… 南 絵里|じゃあ先生、また、学童でね。 南 絵里|帰ろっか…勇太。 |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |せんせーが、悪役ね! |ダメだよ、せんせーは おままごとするの! |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… 南 絵里|この間、ごめんなさいね。 ケガしてなかった? |大丈夫 |そんなにヤワじゃない |そう? よかった… |>絵里はホッとしたように笑った。 |ふふっ、そうね、男の子なんだもんね… |>絵里は優しく笑っている。 南 絵里|勇太も、気にしてた。 ね? |……ごめ…なさ… |気にするな |聞こえない |暴力はダメだよ |ごめんなさいっ! 南 絵里|ふふっ…結構、素直でしょ? 南 絵里|お母さんっていう響き… すごくステキだった。 南 絵里|あの時…勇太が、“お母さん”って 呼んでくれて…嬉しかったんだ。 南 絵里|…ふふっ。 南 絵里|あの子…問題児とかダメな子とか言われてて、 私もそう思っちゃってた。 南 絵里|自分の目で見てなかった… 南 絵里|でも、人のために怒ったり、ちゃんと謝ったり… 南 絵里|本当は、とても優しい子… |そうだね |親バカだね |ふふっ、そうよね! |>絵里は笑って頷いた。 |あははっ、そうかも。 親って、楽しいのね。 |>絵里は優しく笑っている。 南 絵里|私ね、レッテル貼ってたんだわ。 南 絵里|血が繋がってない子、前妻の子、 言うことを聞かない子、先生に嫌われる子… 南 絵里|何重ものレッテルを貼って、 だから仕方ないって、言い聞かせてた。 南 絵里|目が曇ってた…見ようともしてなかった。 見て、向き合うのが怖かったのかな… 南 絵里|…気付くの、遅いよね。 |確かに |これからだ |ふふっ、辛らつなんだから。 |>絵里は笑っている… |>その笑顔は、今までになく晴れやかだ… |>絵里との仲が、少し深まった気がした… |そうだね! |>絵里は嬉しそうに笑っている。 |>その笑顔は、今までになく晴れやかだ… |>絵里との仲が、少し深まった気がした… 南 絵里|勇太! そろそろ帰ろー! 南 絵里|それじゃ先生、今日もありがとう! |>アルバイトを終え、家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |せんせー! つぎ、せんせーがオニのばん!! |>勇太は今まで以上に元気いっぱいだ。 |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… 南 絵里|先生、えっと…う、うちの子、 ありがとうございました。 |あのね、今日、さいご! |オレ、もう、ここ来ない! 南 絵里|勇太がね、言ったの。 南 絵里|“お母さんとオレには、時間が必要だね”って… 南 絵里|ふふっ… 笑っちゃうわね、ほんと、その通りよ。 |そのとーりよー! 南 絵里|親子には、少しずつなっていこうって… 話したんだ。 南 絵里|…でね、そのためには、 もっと一緒にいようと思うの。 南 絵里|だから、学童に預けるのは今日で終わり。 勇太の学校が終わったら、家で一緒に過ごすわ。 |それが良い |それは寂しい |…ありがとう。 |先生のおかげだけど… 結果的には、サヨナラだね。 |>絵里は少し寂しそうに笑っている… |そう言われると、ちょっと決心揺らぐな。 |結果的には、会えなくなるけど… でも、先生のおかげ。 |>絵里は優しげに笑っている… 南 絵里|これ…渡したいの。 南 絵里|昔見つけて、しおりにした四つ葉のクローバー。 南 絵里|…私は幸せ、もうもらっちゃったから。 先生にあげる。 南 絵里|先生も、いい人見つけて。 南 絵里|恋人ってことじゃなくて、 守りたい人っていうか… 南 絵里|“この人のために、やってやる!” みたいな? |>絵里の目は輝いている… 南 絵里|テレビとか、スピリチュアルとか… あの頃の自分、バカみたい。 南 絵里|自分だけが満足しようとして… 南 絵里|大事にすべき人を大事にしないで、 満足なんてできるわけなかった… 南 絵里|…怖かったのね、ずっと。 でももう、一人の時間に逃げたりしない。 |ね! 南 絵里|だから今日が、卒業式だね! |ね! 南 絵里|先生…ありがとうございました。 |ありがとうございましたあー! |>二人は嬉しそうに笑っている… |>絵里の支えとなれたようだ… |>絵里との固い絆を感じた… 南 絵里|じゃ、帰ろうか? 南 絵里|手、つなぐ? |きょうそう! 南 絵里|勇太、手加減してよねー! 南 絵里|じゃあ…行くね。 狭い町だから、会うこともあるよね。 南 絵里|その時はもっと、いいお母さんになってるから、 驚いてね? 南 絵里|さよなら、先生… ありがとう。 |>絵里と勇太は、仲良く家に帰って行った… |>…家に帰ることにした。 |>ここも霧に覆われている… |>学童保育の手伝いをした… |>勇太も絵里も、もういない… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |>そう言えば、今日は約束をしていた。 |>そろそろ行かなければ… |>マーガレットからメールが入っている… |>ひと時の休息に入られたことを感じますわ。 |>あなたの“世界”は、そうですわね… “(踏破率%)%”といったところ。 |>素晴らしいペースですわ。 |>あなたの“世界”がどのようなものか… 楽しみにしています。 花村 陽介|よう、鳴上。 今日の放課後、テレビの中に行かないか? 実は財布忘れちゃってさ。 花村 陽介|たまには顔出してやらないと、クマのやつも 寂しがるだろうし… |>放課後、ダンジョンに行ってみようか… 花村 陽介|うーっす、ちょうど良かった。 花村 陽介|うーっす、ちょうど良かった。 |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|ん、じゃ放課後、 ソッコー出ようぜ。 花村 陽介|ん、じゃ放課後、 ソッコー出ようぜ。 花村 陽介|そっか。 ま、行けそうなら声かけてよ。 花村 陽介|そっか。 ま、行けそうなら声かけてよ。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|うーっす、鳴上。 今日、どっか行っとかねー? |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|おっしゃ! んじゃちょっと、遠出してみっか。 花村 陽介|おっしゃ! んじゃちょっと、遠出してみっか。 花村 陽介|んー、そっか。 ま、考えといてくれ。 花村 陽介|んー、そっか。 ま、考えといてくれ。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|うーっす、ちょうど良かった。 花村 陽介|うーっす、ちょうど良かった。 |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|おう! ま、金無いから近場でな。 花村 陽介|おう! ま、金無いから近場でな。 花村 陽介|おう! ま、金無いから近場でな。 花村 陽介|そっか。 ま、行けそうなら声かけてよ。 花村 陽介|そっか。 ま、行けそうなら声かけてよ。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|うーっす、鳴上。 今日、どっか行っとかねー? |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|おっしゃ! んー、じゃあ、そうだな… 花村 陽介|おっしゃ! んー、じゃあ、そうだな… 花村 陽介|おっしゃ! んー、じゃあ、そうだな… 花村 陽介|んー、そっか。 ま、考えといてくれ。 花村 陽介|んー、そっか。 ま、考えといてくれ。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|鳴上! 心の友よ!! 花村 陽介|鳴上! 心の友よ!! |>何やら陽介は必死だ… |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|こーこーろーのーとーもーよー!! 花村 陽介|こーこーろーのーとーもーよー!! 花村 陽介|こーこーろーのーとーもーよー!! 花村 陽介|こーこーろーのーとーもーよー!! 花村 陽介|マジかよ… 花村 陽介|マジかよ… 花村 陽介|マジかよ… 花村 陽介|鳴上! 心の友よ!! 花村 陽介|鳴上! 心の友よ!! 花村 陽介|鳴上! 心の友よ!! |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|うーっす、ちょうど良かった。 花村 陽介|うーっす、ちょうど良かった。 |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|こないだバイトしてもらったお礼に、 おごるし! 花村 陽介|こないだバイトしてもらったお礼に、 おごるし! 花村 陽介|こないだバイトしてもらったお礼に、 おごるし! 花村 陽介|そっか。 ま、行けそうなら声かけてよ。 花村 陽介|そっか。 ま、行けそうなら声かけてよ。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|鳴上… 花村 陽介|今日、放課後いいか? |>陽介は、何やら思いつめた顔をしている… |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない |そっか、よかった… |その…また後でな。 |>放課後は、陽介と過ごすことにした。 |そっか、まあ…時間あるときでも 聞いてくれよ。 |>放課後はどうしようか… 花村 陽介|鳴上… 花村 陽介|今日、時間あったら付き合ってくれ。 あったらでいいから…じゃな。 |>陽介は、何やら思いつめた顔をしている… |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|うーっす、鳴上。 今日、どっか行っとかねー? |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない 花村 陽介|おっしゃ! んじゃちょっと、遠出してみっか。 花村 陽介|おっしゃ! んじゃちょっと、遠出してみっか。 花村 陽介|んー、そっか。 ま、考えといてくれ。 花村 陽介|んー、そっか。 ま、考えといてくれ。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 花村 陽介|うーっす、鳴上じゃん。 |>放課後、陽介を誘ってみようか… 花村 陽介|鳴上… 花村 陽介|今日、放課後いいか? |>陽介は、何やら思いつめた顔をしている… |>放課後は、陽介と過ごそうか… |放課後を陽介と過ごす |まだ分からない |そっか、よかった… |その…また後でな。 |>放課後は、陽介と過ごすことにした。 |そっか、まあ…時間あるときでも 聞いてくれよ。 |>放課後はどうしようか… 花村 陽介|鳴上… 花村 陽介|今日、時間あったら付き合ってくれ。 あったらでいいから…じゃな。 |>陽介は、何やら思いつめた顔をしている… |>放課後、陽介を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? 里中 千枝|おーっす、何やってんの? |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|あ、鳴上くん… 里中 千枝|あ、鳴上くん… |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|うん… じゃあ、放課後ね。 里中 千枝|うん… じゃあ、放課後ね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|あ、鳴上くん… 里中 千枝|今日…も、特訓しよっかなって 思うんだけど… 里中 千枝|時間あったら、付き合ってね。 |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|あ…鳴上くん。 里中 千枝|あ…鳴上くん。 里中 千枝|あ…鳴上くん。 |>千枝は顔を赤らめている… |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|…うん、よかった。 里中 千枝|…うん、よかった。 里中 千枝|…うん、よかった。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|あ…鳴上くん。 里中 千枝|あ…鳴上くん。 里中 千枝|あ…鳴上くん。 里中 千枝|あ…鳴上くん。 |>千枝は顔を赤らめている… |>放課後、千枝を誘ってみようか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後は、千枝と過ごそうか… |放課後を千枝と過ごす |まだ分からない 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|やった! じゃ、放課後にね。 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|そっか… 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 里中 千枝|おーっす、鳴上くん。 |>放課後、千枝を誘ってみようか… 天城 雪子|あら、鳴上くん。 天城 雪子|あら、鳴上くん。 |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|ありがとう。 じゃあ、また放課後にね。 天城 雪子|ありがとう。 じゃあ、また放課後にね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あら、鳴上くん。 天城 雪子|あら、鳴上くん。 天城 雪子|あら、鳴上くん。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あら、鳴上くん。 天城 雪子|あら、鳴上くん。 |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|ありがとう。 じゃあ、また放課後にね。 天城 雪子|ありがとう。 じゃあ、また放課後にね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あら、鳴上くん。 天城 雪子|あら、鳴上くん。 天城 雪子|あら、鳴上くん。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… |>雪子はやけに緊張しているようだ。 |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|ありがとう… それじゃ、また後でね。 天城 雪子|ありがとう… それじゃ、また後でね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… |>雪子はやけに緊張しているようだ。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あ、鳴上くん。 今日、時間もらえないかな? 天城 雪子|あ、鳴上くん。 今日、時間もらえないかな? |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|ありがとう。 それじゃ、また後でね。 天城 雪子|ありがとう。 それじゃ、また後でね。 天城 雪子|そう… あっ、ううん、いいの。 天城 雪子|そう… あっ、ううん、いいの。 天城 雪子|そう… あっ、ううん、いいの。 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… 天城 雪子|あの… ちょっと恥ずかしいんだけど… |>雪子はやけに緊張しているようだ。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あっ、鳴上くん! 天城 雪子|ね、ねえ! 今日放課後空いてる? |>雪子はやけに慌てている… |>放課後は、雪子の話を聞いてみようか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|ありがとう! じゃあ、また後でね! 天城 雪子|ありがとう! じゃあ、また後でね! |時間あればでいいから… 声掛けてくれると嬉しい。 |>雪子は困っているようだ… |>放課後はどうしようか… 天城 雪子|あっ、鳴上くん! 天城 雪子|今日、空いてる? 時間あったら、付き合って欲しいな。 天城 雪子|…それじゃあね。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あ…鳴上くん。 天城 雪子|あ…鳴上くん。 天城 雪子|あ…鳴上くん。 |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|ありがとう… それじゃ、また後でね。 天城 雪子|ありがとう… それじゃ、また後でね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あっ、鳴上くん! 天城 雪子|今日、空いてる? 時間あったら、付き合って欲しいな。 天城 雪子|…それじゃあね。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 |>雪子は何故か緊張しているようだ… |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 |>雪子は何故か緊張しているようだ… |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あ、鳴上くん。 天城 雪子|あ、鳴上くん。 |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|うん、じゃ、約束ね。 天城 雪子|うん、じゃ、約束ね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あっ、鳴上くん。 天城 雪子|今日、空いてる? 時間あったら、付き合って欲しいな。 天城 雪子|…それじゃあね。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 |>雪子は何故か緊張しているようだ… |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|う、うん…よかった。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 天城 雪子|あ、あのっ…鳴上くん。 |>雪子は何故か緊張しているようだ… |>放課後、雪子を誘ってみようか… 天城 雪子|あ、鳴上くん。 天城 雪子|あ、鳴上くん。 |>放課後は、雪子と過ごそうか… |放課後を雪子と過ごす |まだ分からない 天城 雪子|うん、じゃ、約束ね。 天城 雪子|うん、じゃ、約束ね。 天城 雪子|うん、じゃ、約束ね。 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|そう… 天城 雪子|あ、鳴上くん。 天城 雪子|あ、鳴上くん。 天城 雪子|あ、鳴上くん。 |>放課後、雪子を誘ってみようか… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 授業とか面倒っスねー… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 授業とか面倒っスねー… |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない 巽 完二|うっス。 んじゃあ、あとで。 巽 完二|うっス。 んじゃあ、あとで。 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 授業とか面倒っスねー… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 授業とか面倒っスねー… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 授業とか面倒っスねー… |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|センパイ! 今日ヒマっスか? |>完二はやけに食いついてくる… |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|センパイ! 今日ヒマっスか? ヒマっスよね!? 巽 完二|センパイ! 今日ヒマっスか? ヒマっスよね!? |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|先輩… 学校疲れません? 巽 完二|…気分転換しに行くんですけど、 一緒にどうっスか? 巽 完二|まあ、近場っスけどね。 |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない |了解っス。 |じゃあ、放課後合流って事で! |あ~… …授業めんどくせーな… |>放課後は完二と過ごすことにした。 |そっスか… |まあ、気が向いたら 声掛けてください。 |放課後までは学校に居ると 思うんで… |>放課後は完二と過ごそうか… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|センパイ! 今日ヒマっスか? |>完二はやけに食いついてくる… |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|あっれ、先輩。 何やってんすか? 巽 完二|なんか俺、授業チンプンカンプンで… マジ疲れるっス。 巽 完二|あー…学校帰りてー… 巽 完二|そうだ…放課後、 どっか行きません? 巽 完二|先輩とサシで話しすんの 結構楽しみなんで… 巽 完二|べ…別に変な意味じゃないっすよ! 巽 完二|…じゃっ! |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 巽 完二|あ、今日帰りヒマっスか? ちっと…付き合って欲しいんで。 |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない |了解っス。 |じゃあ、放課後合流って事で! |>放課後は完二と過ごすことにした。 |そっすか… |まあ、気が向いたら 声掛けてください。 |放課後までは学校に居ると 思うんで… |>放課後は完二と過ごそうか… 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 巽 完二|ちーっス、鳴上先輩。 |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|センパイ! 今日ヒマっスか? |>完二はやけに食いついてくる… |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|そうスか… 巽 完二|あっれ、先輩。 何やってんスか? 巽 完二|なんか俺、授業チンプンカンプンで… マジ疲れるっス。 巽 完二|あー…学校帰りてー… 巽 完二|そうだ…放課後、 どっか行きません? 巽 完二|先輩とサシで話しすんの 結構楽しみなんで… 巽 完二|べ…別に変な意味じゃないっスよ! 巽 完二|…じゃっ! |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|あ! 鳴上先輩! 巽 完二|放課後、うまい中華でも ガッツリ食いに行きません? |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない |オッケっス。 |じゃあ、放課後合流って事で。 |やっべ… 考えたら腹減ってきたわ… |>放課後は完二と過ごすことにした。 |そっスか… |まあ、気が向いたら 声掛けてください。 |放課後までは学校に居ると 思うんで… |>放課後は完二と過ごそうか… 巽 完二|センパーイ、おつかれっス。 巽 完二|センパーイ、おつかれっス。 巽 完二|センパーイ、おつかれっス。 |>放課後、完二を誘ってみようか… |鳴上先輩。 |俺…先輩にも報告しないといけない っつか… |俺、色々話したいんす! 先輩に! |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない |う…うれしいっす。 |え…いや、 変な意味じゃないっス!! |じゃ…じゃあ、 放課後合流で! |>放課後は完二と過ごすことにした。 |そっすか… |まあ、気が向いたら 声掛けてください。 |放課後までは学校に居ると 思うんで… |>放課後は完二と過ごそうか… 巽 完二|センパーイ、おつかれっス。 巽 完二|センパーイ、おつかれっス。 巽 完二|センパーイ、おつかれっス。 |>放課後、完二を誘ってみようか… 巽 完二|センパーイ、おつかれっス! 巽 完二|センパーイ、おつかれっス! |>完二はやけに食いついてくる… |>放課後は、完二と過ごそうか… |放課後を完二と過ごす |まだ分からない 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|へへッ、そうこなくっちゃな。 巽 完二|そうスか… ま、先輩も忙しいっスもんね。 巽 完二|そうスか… ま、先輩も忙しいっスもんね。 巽 完二|そうスか… ま、先輩も忙しいっスもんね。 巽 完二|押忍、おつかれっス。 巽 完二|先輩も便所っスか? 俺もっス。 巽 完二|あ…そだ、今日放課後 空いてません? 巽 完二|なんか、家にすぐ帰るってのも つまんねーんで。 巽 完二|…じゃ、また! |>放課後、完二を誘ってみようか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|今日、一緒に帰りません? 時間あったら、声かけてね。 |>放課後をりせと過ごしますか? |放課後をりせと過ごす |まだ分からない |やったぁ~! |だったら、千枝先輩から聞いてる おいしい店行きましょう! |じゃあ、またあとで。 |>放課後はりせと過ごすことにした。 |え~…ハッキリしないなぁ。 |じゃあ、先輩の時間が空いてたら 一緒に帰りましょ。 |>放課後はりせと過ごそうか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|あ、ちょうどいいとこに居た~。 久慈川 りせ|鳴上先輩、放課後 時間あります? 久慈川 りせ|良かったら、気分転換に 買い物でも行きません? |>放課後をりせと過ごしますか? |放課後をりせと過ごす |まだ分からない |やったぁ~! |じゃあ、可愛い服いっぱい 買っちゃおうっと! |じゃ、またあとで。 |>放課後はりせと過ごすことにした。 |もう、ハッキリしないなぁ。 |じゃあ、先輩の時間が空いてたら 一緒に帰りましょ。 |>放課後はりせと過ごそうか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|あ、鳴上先輩。 久慈川 りせ|放課後、一緒に ゴハン食べに行きません? 久慈川 りせ|一人でゴハンとか、 なんか寂しいし… |>放課後をりせと過ごしますか? |放課後をりせと過ごす |まだ分からない |やったぁ~! |じゃあ、愛家…でしたっけ? あそこ行きたいです! |じゃ、またあとで。 |>放課後はりせと過ごすことにした。 |…そうですか~。 |先輩も忙しいと思うし、 時間が空いてたら食べに行きましょうね。 |>放課後はりせと過ごそうか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後は、りせと過ごそうか… |放課後をりせと過ごす |まだ分からない 久慈川 りせ|ホント? やったあ。 じゃ、またあとで。 久慈川 りせ|ホント? やったあ。 じゃ、またあとで。 久慈川 りせ|そっか… じゃあ、また今度にする。 久慈川 りせ|そっか… じゃあ、また今度にする。 久慈川 りせ|鳴上先輩。 久慈川 りせ|…学校ってなんでこんなに 息苦しいんですかね? 久慈川 りせ|60分動いちゃいけないって 結構きついし…体痛くなるし… 久慈川 りせ|…そうだ~、放課後 どっか一緒に行きましょうよ! 久慈川 りせ|…じゃあ、また教室帰ります。 |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|あ、先輩。 いいトコにいたぁ。 久慈川 りせ|今日、沖奈市に一緒に行きません? 久慈川 りせ|恒例の大量購入です! …服ないし。 |>放課後をりせと過ごしますか? |放課後をりせと過ごす |まだ分からない |先輩が一緒だと なんか安心するんですよね。 |荷物が軽くなるからかな? |アハハッ、冗談ですよ! じゃ、またあとで。 |>放課後はりせと過ごすことにした。 |そっかぁ~… |まあ、先輩も忙しいと思うし、 時間が空いてたら声かけてね。 |>放課後はりせと過ごそうか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後、りせを誘ってみようか… |あ、先輩。 いいトコにいたぁ。 |今日、沖奈市に一緒に行きません? |なんだか、稲羽市の風景も 飽きてきたし… |>放課後をりせと過ごしますか? |放課後をりせと過ごす |まだ分からない |先輩も今日は何か買いましょうよ。 私が何か選んであげるから! |じゃ、また放課後。 |>放課後はりせと過ごすことにした。 |そっかぁ~… |まあ、先輩も忙しいと思うし、 時間が空いてたら声かけてね。 |>放課後はりせと過ごそうか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|あ、鳴上先輩。 久慈川 りせ|放課後一緒に帰りましょうよ。 久慈川 りせ|途中、またどっか寄り道したいな~。 買い食いとか? |>放課後をりせと過ごしますか? |放課後をりせと過ごす |まだ分からない |じゃあ、惣菜大学で。 |千枝先輩の言うとおり、 あそこハマっちゃいますね。 |じゃ、またあとで。 |>放課後はりせと過ごすことにした。 |そっか… |じゃあ、用事がなかったら 声掛けてね。 |>放課後はりせと過ごそうか… 久慈川 りせ|あっ、先輩! 久慈川 りせ|あっ、先輩! |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|先輩… 久慈川 りせ|先輩… 久慈川 りせ|先輩… |>放課後は、りせと過ごそうか… |放課後をりせと過ごす |まだ分からない 久慈川 りせ|ありがと、先輩。 じゃあ、また後でね。 久慈川 りせ|ありがと、先輩。 じゃあ、また後でね。 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|先輩、おつかれさまです。 久慈川 りせ|あれ、なんか顔疲れてません? 久慈川 りせ|疲れてるときは気分転換! …放課後一緒に出かけません? 久慈川 りせ|一人で帰るのもつまんないし。 先輩とも色々お話したいし! 久慈川 りせ|じゃ、教室移動なんで、 失礼しまーす。 |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|あ、あの…先輩。 久慈川 りせ|あ、あの…先輩。 |>りせは、やけに緊張しているようだ… |>放課後は、りせと過ごそうか… |放課後をりせと過ごす |まだ分からない 久慈川 りせ|…約束だよ? 久慈川 りせ|…約束だよ? 久慈川 りせ|…約束だよ? 久慈川 りせ|…約束だよ? 久慈川 りせ|…約束だよ? 久慈川 りせ|…約束だよ? 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|先輩、おつかれさまです。 久慈川 りせ|あれ、なんか顔疲れてません? 久慈川 りせ|疲れてるときは気分転換! …放課後一緒に出かけません? 久慈川 りせ|一人で帰るのもつまんないし。 先輩とも色々お話したいし! 久慈川 りせ|じゃ、教室移動なんで、 失礼しまーす。 |>放課後、りせを誘ってみようか… 久慈川 りせ|せーんぱい! 久慈川 りせ|せーんぱい! |>放課後は、りせと過ごそうか… |放課後をりせと過ごす |まだ分からない 久慈川 りせ|ホント? やったー! じゃ、放課後迎えに行くねー! 久慈川 りせ|ホント? やったー! じゃ、放課後迎えに行くねー! 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|そっか… 久慈川 りせ|先輩、おつかれさまです。 久慈川 りせ|あれ、なんか顔疲れてません? 久慈川 りせ|疲れてるときは気分転換! …放課後一緒に出かけません? 久慈川 りせ|一人で帰るのもつまんないし。 先輩とも色々お話したいし! 久慈川 りせ|じゃ、教室移動なんで、 失礼しまーす。 |>放課後、りせを誘ってみようか… 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|はい、お願いします。 白鐘 直斗|はい、お願いします。 白鐘 直斗|はい、お願いします。 白鐘 直斗|あ…予定がありましたか。 それじゃ、良ければまた。 白鐘 直斗|あ…予定がありましたか。 それじゃ、良ければまた。 白鐘 直斗|お疲れ様です、先輩。 白鐘 直斗|なんだか、今日は授業に 身が入らなくって… 白鐘 直斗|あの…先輩に予定がなければ お話ししたい事があって… 白鐘 直斗|少し考えておいて下さい。 |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|あ…先輩 白鐘 直斗|…今日の放課後は お時間ありますか? |>放課後を直斗と過ごしますか? |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない |分かりました。 |では、放課後 下駄箱で待ってます。 |>放課後は直斗と過ごすことにした。 |…そうですか。 |では、また。 |>放課後は直斗と過ごそうか… 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 |>直斗は冷静なようだが… |>放課後、直斗を送って行こうか… 白鐘 直斗|先輩、お疲れ様です。 白鐘 直斗|今日の放課後、 またお時間借りても良いですか? |>放課後を直斗と過ごしますか? |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない |そうですか。 …よかった。 |では、後ほど。 |>放課後は直斗と過ごすことにした。 |…そうですか。 |では、また… |>放課後は直斗と過ごそうか… 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 白鐘 直斗|こんにちは。 何だか…慣れませんね、ここで会うのは。 |>直斗は冷静なようだが… |>放課後、直斗を送って行こうか… 白鐘 直斗|こんにちは。 白鐘 直斗|こんにちは。 |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ありがとうございます。 では、後ほど。 白鐘 直斗|ありがとうございます。 では、後ほど。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 少し遅れちゃったかな。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 少し遅れちゃったかな。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 少し遅れちゃったかな。 白鐘 直斗|お疲れ様です、先輩。 白鐘 直斗|なんだか、今日は授業に 身が入らなくって… 白鐘 直斗|あの…先輩に予定がなければ お話ししたい事があって… 白鐘 直斗|少し考えておいて下さい。 |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|こんにちは。 白鐘 直斗|こんにちは。 |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、見てもらいたいものがあるんです。 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、見てもらいたいものがあるんです。 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、見てもらいたいものがあるんです。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 少し遅れちゃったかな。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 少し遅れちゃったかな。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 少し遅れちゃったかな。 白鐘 直斗|お疲れ様です、先輩。 白鐘 直斗|なんだか、今日は授業に 身が入らなくって… 白鐘 直斗|あの…先輩に予定がなければ お話ししたい事があって… 白鐘 直斗|少し考えておいて下さい。 |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|こんにちは。 白鐘 直斗|こんにちは。 |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、見てもらいたいものがあるんです。 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、見てもらいたいものがあるんです。 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、見てもらいたいものがあるんです。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 ふふっ、先輩に予約を入れるのは大変ですね。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 ふふっ、先輩に予約を入れるのは大変ですね。 白鐘 直斗|あ…予定、ありましたか。 ふふっ、先輩に予約を入れるのは大変ですね。 白鐘 直斗|あれ…先輩 授業お疲れ様です。 白鐘 直斗|あの…急なんですけど 今日相談に乗ってもらえませんか? 白鐘 直斗|放課後、時間があればでいいので… |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|せ、先輩。 放課後、僕に付き合ってもらえませんか? |>直斗はやけに真剣な面持ちだ… |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、怪盗Xの情報を得まして… 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、怪盗Xの情報を得まして… 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、怪盗Xの情報を得まして… 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、怪盗Xの情報を得まして… 白鐘 直斗|あ…そうですか。 では、もし時間があれば、お願いします。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 では、もし時間があれば、お願いします。 白鐘 直斗|あれ…先輩 授業お疲れ様です。 白鐘 直斗|あの…急なんですけど 今日相談に乗ってもらえませんか? 白鐘 直斗|放課後、時間があればでいいので… |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|先輩… 白鐘 直斗|先輩… |>直斗はやけに真剣な面持ちだ… |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、先輩に会わせたい人がいて… 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、先輩に会わせたい人がいて… 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、先輩に会わせたい人がいて… 白鐘 直斗|ありがとうございます。 実は、先輩に会わせたい人がいて… 白鐘 直斗|あ…そうですか。 では、もし時間があれば、お願いします。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 では、もし時間があれば、お願いします。 白鐘 直斗|お疲れ様です、先輩。 白鐘 直斗|なんだか、今日は授業に 身が入らなくって… 白鐘 直斗|あの…先輩に予定がなければ お話ししたい事があって… 白鐘 直斗|少し考えておいて下さい。 |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|せ、先輩… 白鐘 直斗|せ、先輩… |>直斗はやけに恥ずかしそうだ。 |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ふふ…嬉しいです。 白鐘 直斗|ふふ…嬉しいです。 白鐘 直斗|ふふ…嬉しいです。 白鐘 直斗|ふふ…嬉しいです。 白鐘 直斗|ふふ…嬉しいです。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 白鐘 直斗|お疲れ様です、先輩。 白鐘 直斗|なんだか、今日は授業に 身が入らなくって… 白鐘 直斗|あの…先輩に予定がなければ お話ししたい事があって… 白鐘 直斗|少し考えておいて下さい。 |>放課後、直斗を誘ってみようか… 白鐘 直斗|先輩、お疲れ様です。 白鐘 直斗|先輩、お疲れ様です。 |>放課後は、直斗と過ごそうか… |放課後を直斗と過ごす |まだ分からない 白鐘 直斗|ありがとうございます それじゃ、放課後迎えに行きますから。 白鐘 直斗|ありがとうございます それじゃ、放課後迎えに行きますから。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 では、もし時間があれば、お願いします。 白鐘 直斗|あ…そうですか。 では、もし時間があれば、お願いします。 白鐘 直斗|お疲れ様です、先輩。 白鐘 直斗|なんだか、今日は授業に 身が入らなくって… 白鐘 直斗|あの…先輩に予定がなければ お話ししたい事があって… 白鐘 直斗|少し考えておいて下さい。 |>放課後、直斗を誘ってみようか… 小沢 結実|おつかれー、鳴上くん。 小沢 結実|おつかれー、鳴上くん。 |>放課後は、演劇部で過ごそうか… |放課後は演劇部で過ごす |まだ分からない 小沢 結実|おっけ! じゃあ、また後でね。 小沢 結実|おっけ! じゃあ、また後でね。 小沢 結実|そっか… …ま、個人の自由だけどさ。 小沢 結実|そっか… …ま、個人の自由だけどさ。 小沢 結実|そっか… …ま、個人の自由だけどさ。 小沢 結実|あ、鳴上くん、奇遇だね~。 小沢 結実|今日、部活出れそうかな。 出れそうだったら来てね! |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|おつかれー、鳴上くん。 小沢 結実|今日、部活だよ。 出るでしょ? |>放課後は、演劇部で過ごそうか… |放課後は演劇部で過ごす |まだ分からない 小沢 結実|おっけ! 頼りにしてるから、相棒! 小沢 結実|おっけ! 頼りにしてるから、相棒! 小沢 結実|おっけ! 頼りにしてるから、相棒! 小沢 結実|そっか… …ま、個人の自由だけどさ。 小沢 結実|そっか… …ま、個人の自由だけどさ。 小沢 結実|そっか… …ま、個人の自由だけどさ。 小沢 結実|あ、鳴上くん、奇遇だね~。 小沢 結実|今日、部活出れそうかな。 出れそうだったら来てね! |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… |>結実は何やら必死だ… |>放課後は、演劇部で過ごそうか… |放課後は演劇部で過ごす |まだ分からない 小沢 結実|よっし、がんばろ! それじゃ放課後にね。 小沢 結実|よっし、がんばろ! それじゃ放課後にね。 小沢 結実|はぁ? やる気、無いの? 小沢 結実|はぁ? やる気、無いの? 小沢 結実|はぁ? やる気、無いの? 小沢 結実|あ、鳴上くん、奇遇だね~。 小沢 結実|今日、部活出れそうかな。 出れそうだったら来てね! |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|あ、鳴上君。 今日部活だよ。 小沢 結実|私は出るよ。 もっと、練習しない不安だし。 小沢 結実|君も出るよね? |>放課後を演劇部で 結実と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |うん、了解! |じゃ、また後でね! |>今日は演劇部で 結実と一緒に過ごすことにした。 |そっか~… |放課後気が向いたら来てよ。 待ってるからさ。 |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… |>結実は暗い顔をしている… |>放課後は、演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|“ダミー台詞” 鳴上くん、探してたんだ~。 小沢 結実|このコミュランク時は昼誘いは無いんだよね~。 この台詞はでちゃダメ。 |>放課後を演劇部で 結実と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |“ダミー台詞” じゃあ、また後でね。 |>今日は演劇部で 結実と一緒に過ごすことにした。 |“ダミー台詞” じゃ…またね。 |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… |>どうも結実の様子がおかしい。 |>放課後は、演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|“ダミー台詞” あ…鳴上くん… 小沢 結実|…このランクアップ時は、本当は昼誘いには 来ないんだ。 気をつけてね。 |>放課後を演劇部で 結実と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |“ダミー台詞” じゃあ、また後でね。 |>今日は演劇部で 結実と一緒に過ごすことにした。 |“ダミー台詞” じゃ…またね。 |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… |>どうも結実の様子がおかしい。 |>放課後は、演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|“ダミー台詞” あ、鳴上くん… 小沢 結実|ごめん…本当は今、部活誘いに来る 気分じゃないの。 この台詞は無しで。 |>放課後を演劇部で 結実と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |“ダミー台詞” じゃあ、また後でね。 |>今日は演劇部で 結実と一緒に過ごすことにした。 |“ダミー台詞” じゃ…またね。 |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… |>どうも結実の様子がおかしい。 |>放課後は、演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|おつかれ。 小沢 結実|今日、部活出るかな…? |>放課後を演劇部で 結実と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |私も、久しぶりに 出ようかなと思ってるの。 |なんだか… 色々不安だけどね… |じゃ、また後で… |>今日は演劇部で 結実と一緒に過ごすことにした。 |…そっか。 暇だったら一緒に出ない…? |…部室で待ってるね。 |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|…おす。 小沢 結実|…おす。 小沢 結実|…おす。 |>結実はまだ元気が無いようだ… |>放課後は、演劇部に顔を出してみようか… 小沢 結実|…おす。 この間は…ありがとね。 小沢 結実|…おす。 この間は…ありがとね。 |>放課後は、演劇部で過ごそうか… |放課後は演劇部で過ごす |まだ分からない 小沢 結実|うん…よかった。 私も行くから… 小沢 結実|うん…よかった。 私も行くから… 小沢 結実|うん…よかった。 私も行くから… 小沢 結実|そっか… ん…一人じゃちょっと、不安かも。 小沢 結実|そっか… ん…一人じゃちょっと、不安かも。 小沢 結実|そっか… ん…一人じゃちょっと、不安かも。 小沢 結実|…おす。 この間は…ありがとね。 小沢 結実|…おす。 この間は…ありがとね。 小沢 結実|…おす。 この間は…ありがとね。 小沢 結実|…おす。 この間は…ありがとね。 |>放課後は演劇部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩。 松永 綾音|今日、部活いらっしゃいますか? |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |わかりました。 |先に、部室で待ってますね。 |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |そうですか… 気が向いたら来て下さいね。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩。 そうだ、今日は部活の日ですよ? 松永 綾音|あ、先輩。 そうだ、今日は部活の日ですよ? |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩…! 松永 綾音|今日は部活ですけど、 いらっしゃいますか? |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |ふふっ。 じゃあ、待ってますね。 |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |わかりました。 |気が向いたら来てくださいね。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩。 ちょうど今日、部活の日ですね。 松永 綾音|あ、先輩。 ちょうど今日、部活の日ですね。 |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ…先輩。 松永 綾音|今日、練習にいらっしゃいますか? |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |よかったです。 一緒に頑張りましょうね。 |じゃ、先に待ってますね。 |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |そうですか… |気が向いたら 是非来てくださいね。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩。 そうだ、今日は部活の日ですよ? 松永 綾音|あ、先輩。 そうだ、今日は部活の日ですよ? |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩 松永 綾音|今日、一緒に練習できますか? |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |ふふっ、よかったぁ~… 先輩が来てくれると気合が入ります! |じゃあ、部室で待ってますので。 |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |そうですか… |先輩が居ると気合が入るので 来てくれるの待ってますね。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩。 そうだ、今日は部活の日ですよ? 松永 綾音|あ、先輩。 そうだ、今日は部活の日ですよ? |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は、部活出られます? |>綾音はやけに張り切っている。 |>放課後は、吹奏楽部で過ごそうか… |放課後は吹奏楽部で過ごす |まだ分からない 松永 綾音|嬉しいです。 一緒に頑張りましょう! 松永 綾音|嬉しいです。 一緒に頑張りましょう! 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|あ、先輩。 今日、部活いらっしゃいますか? 松永 綾音|いらっしゃるようでしたら… その…部室で待ってますから。 松永 綾音|一緒に頑張りましょう。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ。 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ。 |>綾音はやけに張り切っている。 |>放課後は、吹奏楽部で過ごそうか… |放課後は吹奏楽部で過ごす |まだ分からない 松永 綾音|がんばりましょう! 松永 綾音|がんばりましょう! 松永 綾音|がんばりましょう! 松永 綾音|がんばりましょう! 松永 綾音|がんばりましょう! 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|あ、先輩。 今日、部活いらっしゃいますか? 松永 綾音|いらっしゃるようでしたら… その…部室で待ってますから。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩! 松永 綾音|あ…あの、 練習いらっしゃいますよね? |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |ふふっ、よかったです。 |来てくれないと なんだか不安でした… |あ…え、えっと じゃ、じゃあ失礼します。 |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |そうですか… |来れたら、来て下さいね。 待ってますね。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ? 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ? |>綾音は明るく笑っている… |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩…! 松永 綾音|先輩…! |>綾音はやけに緊張しているようだ… |>放課後は、吹奏楽部で過ごそうか… |放課後は吹奏楽部で過ごす |まだ分からない 松永 綾音|ふふっ、先輩には何でも分かっちゃいますね。 松永 綾音|ふふっ、先輩には何でも分かっちゃいますね。 松永 綾音|ふふっ、先輩には何でも分かっちゃいますね。 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|先輩…! 松永 綾音|先輩…! 松永 綾音|先輩…! |>綾音は照れているようだ… |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|あ、先輩。 今日練習なんですが… 松永 綾音|出れますでしょうか…? |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |よかったです…安心しました! |じゃあ、部室で待ってますね! |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |えっと…じゃあ 気が向いたら来て下さいね。 |私は今日出るので、 待ってますね。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ? 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ? |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩! 松永 綾音|先輩! |>綾音はやけに緊張しているようだ… |>放課後は、吹奏楽部で過ごそうか… |放課後は吹奏楽部で過ごす |まだ分からない 松永 綾音|うん… 松永 綾音|うん… 松永 綾音|うん… 松永 綾音|うん… 松永 綾音|うん… 松永 綾音|うん… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|そうですか… 松永 綾音|あ、先輩。 今日、部活いらっしゃいますか? 松永 綾音|いらっしゃるようでしたら… その…部室で待ってますから。 |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩! 今日、練習行きますか? 松永 綾音|できれば、 先輩と一緒に練習したいです。 |>放課後を吹奏楽部で 綾音と一緒に過ごしますか? |一緒に過ごす |まだ分からない |はい! 先に部室で待ってますね。 |>綾音は嬉しそうだ。 |>放課後は吹奏楽部で 綾音と過ごすことにした。 |そうですか… でも、待ってますね…! |>放課後は吹奏楽部に顔を出してみようか… 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ? 松永 綾音|先輩、お疲れ様です! 今日は部活の日ですよ? |>放課後は、吹奏楽部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|うーす、鳴上。 一条 廣|今日、部活だからなー? 出てよねホント…じゃ、後でな! |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|うーす、鳴上。 一条 廣|今日、部活だからなー? 顧問も珍しく来るみたいだから、忘れんなよ! |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|おう。 今日、お前も部活だろ? 長瀬 大輔|一条のヤツ、やっけに暗い顔してたんだが… ま…ヨロシクな。 |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|あ、鳴上… 一条 廣|そっか、今日、部活だな。 …ま、オレちゃんと出るからさ。 一条 廣|じゃ… |>どうも一条の様子がおかしい… |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|なあなあ、長瀬のヤツ、何か変なんだけど。 なーんか企んでるみたいな… 一条 廣|ま、いいけどね。 今日、部活だろ? 後でな。 |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|…あ、鳴上。 一条 廣|あのさ、オレ… 一条 廣|…いいや、後でな。 部活、出るんだろ? |>どうも一条の様子がおかしい… |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|よう、鳴上… 一条 廣|今日、部活だよな。 オレもちゃんと行くからさ。 一条 廣|…じゃ、後でな。 |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |部活に出る |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 一条 廣|おつかれー! 一条 廣|なぁ、今日も部活行くよな? 待ってるからさ。 一条 廣|なんだ、その… 一条 廣|…ま、後でな! |>放課後は、バスケ部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす、鳴上。 長瀬 大輔|今日、部活の日だぞ? 待ってるから、来いよな! |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす、鳴上。 長瀬 大輔|今日、部活の日だぞ? 待ってるから、来いよな! |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす、鳴上。 なあ、部員から何か聞いてるか? 長瀬 大輔|アイツら、なーんかソワソワしてんだよ… 長瀬 大輔|…ま、部活頑張ろうな。 |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす、鳴上! 気合、入ってっかー!? 長瀬 大輔|今こそ特訓の成果を見せるときだぜ! んじゃ、後でな! |>長瀬はやけにやる気を見せている… |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす、鳴上。 今日、部活だな。 長瀬 大輔|こないだので他のヤツらの鼻明かしたし、 ま、後はテキトーに頑張ろうぜ。 |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|よう、鳴上。 部活だったな…今日。 長瀬 大輔|ま、テキトーに…つったら うるせーヤツがいそうだな。 長瀬 大輔|じゃ、後でな。 |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす。 今日、部活だろ。 長瀬 大輔|…何か一条のヤツが企んでる感じすんだけど、 鳴上は知らねーよな? 長瀬 大輔|ま、いーけど… 後でな。 |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|おう… 今日、部活だな。 長瀬 大輔|あ、あのさ。 もし…アイツが来てたら、ちゃんと言うから。 長瀬 大輔|う… じゃ、じゃーな! |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |一緒に過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 長瀬 大輔|うーす。 今日、部活出るだろ? 長瀬 大輔|今日の練習、ちっとキツイかもしんねーけど、 お前なら大丈夫だから。 長瀬 大輔|じゃ、また後でな! |>放課後は、サッカー部に顔を出してみようか… |ダミーです |ダミーです |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 小西 尚紀|あ、鳴上さん。 小西 尚紀|…今日、時間あります? 小西 尚紀|ヒマだったらでいいんで… ウチの酒屋んとこ、いると思うんで。 |>放課後は、尚紀を誘ってみようか… |ダミーです |ダミーです |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです 小西 尚紀|あ、鳴上さん… 小西 尚紀|その…ちょっと話したいことがあるんで、 時間もらえませんか? 小西 尚紀|酒屋んとこいると思うんで… ヒマだったらでいいですから。 |>放課後は、尚紀を誘ってみようか… |ダミーです |ダミーです |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです 小西 尚紀|鳴上さん… 小西 尚紀|え…っと、メシ…行きません? 今日、ヒマじゃないですか? |>放課後は、尚紀と過ごそうか… |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |あ…よかった。 誘ったりしたら、迷惑かと… |…じゃあ、放課後に。 |>放課後は、尚紀と過ごすことにした。 |…そうですか。 |じゃあ…また。 |>放課後はどうしようか… |ダミーです |ダミーです 小西 尚紀|鳴上さん… 小西 尚紀|今日…放課後、空いてませんか。 |>放課後は、尚紀と過ごそうか… |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |…ありがとうございます。 |どうしても、行きたいところがあって… 放課後、よろしくお願いします。 |>放課後は、尚紀と過ごすことにした。 |…そうですか。 |じゃあ…また。 |>放課後はどうしようか… |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |ダミーです |ダミーです |ダミーです |ダミーです 小西 尚紀|鳴上さん、 今日、一緒に帰りませんか? 小西 尚紀|…少し話したい事もあるし。 |>放課後は、尚紀と過ごそうか… |放課後を尚紀と過ごす |まだ分からない |よかった。 |ちょっと、見ておきたいところがあって… それじゃ、放課後に。 |>放課後は、尚紀と過ごすことにした。 |…そうですか。 |じゃあ…また。 |>放課後はどうしようか… |ダミーです |ダミーです 海老原 あい|ああ、アンタか。 今日ヒマでしょ? 付き合ってよ。 |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |そ、じゃあ後でね。 |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |…あっそ。 |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー 海老原 あい|あ…あのさ。 海老原 あい|えと、ほ、放課後ヒマでしょ? |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |そ、そう? じゃあ後でね… |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |そ、そう… |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー 海老原 あい|あ…悠。 海老原 あい|きょ、今日、ヒマでしょ? あたしと、どっか行くよね? |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |う、うん。 じゃあ後でね… |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |…意味分かんない。 |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー 海老原 あい|あ…悠。 海老原 あい|えっと…きょ、今日、時間ある? |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |ん…ありがと。 じゃあ、後でね。 |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |そっか。 じゃあ…また。 |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー 海老原 あい|あ、悠… 海老原 あい|えっとさ、今日…時間もらえない? 悠と、少し話したい。 |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |よかった! じゃあ後でね。 |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |…そっか。 また今度…誘ってもいい? |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー 海老原 あい|ふふ、会っちゃった。 ね、今日ヒマだったら、付き合わない? |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |よかった。 じゃ、後でね。 |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |そっか、残念。 …またね。 |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー 海老原 あい|あ…会っちゃった。 海老原 あい|…今日、ヒマ? |>放課後は、あいと過ごそうか… |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |そ、そっか… |…じゃあ、後でね! |>放課後は、あいと過ごすことにした。 |そ、そっか。 もし、時間あったら…誘って。 |>放課後はどうしようか… |ダミー |ダミー |ダミー |ダミー |放課後をあいと過ごす |まだ分からない |ダミー |ダミー 海老原 あい|き…聞いてくれた? 海老原 あい|…後でね。 |>放課後、あいのところへ行ってみようか… |>昼休み… |>そういえばお弁当を持ってきている。 誰かと一緒に食べようか… |>一人でお弁当を食べた。 |>屋上… 花村 陽介|うわ、うっめー! 花村 陽介|何コレ、鳴上マジック? 俺なんか米炊くぐらいしか無理だっての。 花村 陽介|ちょ、おまっ! な…なんだコレ、ひどいぞ! 花村 陽介|つーか食い物…なのか? 里中 千枝|うっまー!! すごい、こんなの食べたことないよ!? 里中 千枝|うー、もっと食べたい! でも食べ終わるのもったいない!! 里中 千枝|何というジレンマ…!! 里中 千枝|えっと… これ、あたしのために作ってくれたの? 里中 千枝|あ、ありがとね… 里中 千枝|ええーっ!? な、何これ!? 里中 千枝|すっごいマズッ! 里中 千枝|…あっ、ご、ごめん! ついウッカリ、あはは… 天城 雪子|わ、おいしい! 鳴上くんが作ったの? 天城 雪子|味もいいし、見た目もきれい… うちの板前さんにならない? 天城 雪子|ってのは冗談だけど… 天城 雪子|…ううん、鳴上くんなら 大歓迎だけどね。 天城 雪子|あははははっ! 天城 雪子|やだ、これ、ドッキリ? 食べ物じゃないよね? 巽 完二|ウマいっスよ、これ! 巽 完二|うちのお袋にもマネできねーな… また作ってきてくんねーっスか? 巽 完二|おうコラ、 食いモン粗末にしちゃダメじゃねーっスか! 巽 完二|うわ、何か口痛え! ナニ入れたんスか!? 久慈川 りせ|ん、おいしー! 鳴上先輩、天才! 久慈川 りせ|テレビで色々食べに行ったけど、 全然負けてないよ、これ! 久慈川 りせ|先輩、ありがと…私のために。 久慈川 りせ|すっごい嬉しい! 久慈川 りせ|ちょ、ちょっと! これ食べちゃダメでしょ、ありえない! 久慈川 りせ|うっわ、油がくさい…うえっ。 白鐘 直斗|おいしいです! 鳴上さん、何でもできるんですね… 白鐘 直斗|僕には到底… 白鐘 直斗|ぼ、僕も少し勉強しようかな。 白鐘 直斗|すいません… 非常に言いにくいんですけど… 白鐘 直斗|とても…マズイです。 小沢 結実|あ、おいしいよコレ! コンビニ弁当とは違う味する。 小沢 結実|料理できる男っていいかも。 また作ってね。 小沢 結実|…また、食べさせてね! 小沢 結実|ひっど…! 小沢 結実|ぅぅ…でもこれも経験…かな… 松永 綾音|おいしいです! 先輩が作ったんですか!? 松永 綾音|尊敬しちゃいます。 私なんて、お菓子しか作れなくて… 松永 綾音|こ、今度食べてくださいね! 松永 綾音|キャッ! これ…何ですか? 松永 綾音|え、食べ物…ですか? 本当に? 一条 廣|うめー! これ、鳴上が作ったのか? 一条 廣|オレも結構、自信あるけどさ、 これにはちょっと負けるかな… 一条 廣|無い無い! 何だよこれ! 食いモンか!? 一条 廣|これ、ある意味、才能だぞ。 すげーなー… 長瀬 大輔|うまいな。 お前、料理できたのか。 長瀬 大輔|お代わり無いのか? まだまだいけるぞ! 長瀬 大輔|ぬあー! ぁんじゃこりゃ!! 長瀬 大輔|いっそ面白いなこれ。 一条にも食わせようぜ。 海老原 あい|何コレ、超おいしい! 海老原 あい|へー、アンタって意外にスゴイね。 アタシの好み、どっから聞いたの? 海老原 あい|これだったら将来結婚してあげてもー… 海老原 あい|って、や、冗談…だってば!! 海老原 あい|意味わかんない…何これ? 海老原 あい|呼び出してこんなのさぁ… 嫌がらせ? 小西 尚紀|うん、うまいっすね。 小西 尚紀|鳴上さん、そう見えて器用っすね。 全然いけるじゃないですか。 小西 尚紀|ハァ… 小西 尚紀|何か、胃が… |>八十神高校 音楽室… |>部活動を行った。 |>感情を音に乗せて演奏した… |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実はいない… |>八十神高校 グラウンド… |>部活動に粘り強く取り組んだ… |>八十神高校 体育館… |>部活動に粘り強く取り組んだ… |>稲羽市立病院 病室前廊下… |>元気がない結実に、色々と話しかけ、 しばらく過ごした… |>八十神高校 演劇部部室… |>部活動を行った。 |>感情表現の練習をじっくり行った… |>結実はいない… |>また、病院に顔を出してみることにした。 |>菜々子と楽しい一時を過ごした… |>沖奈駅前 ショップ“CROCO*FUR”… |>りせの買い物に付き合い、 楽しい一時を過ごした… |>鮫川… |>雪子と散歩をし、楽しい一時を過ごした… |>ジュネス フードコート… |>陽介と楽しい一時を過ごした… |>堂島と、色々と話をして過ごした… |>高台… |>完二と楽しい一時を過ごした… |>鮫川… |>千枝と楽しい一時を過ごした… |>商店街 辰姫神社… |>キツネと楽しい一時を過ごした… |>稲羽通り商店街… |>直斗と、色々と話をして過ごした… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>尚紀と、色々と話をして過ごした… |>鮫川 河川敷… |>ひさ乃と話をして過ごした… |>沖奈駅前 ショップ“CROCO*FUR”… |>あいの買い物に付き合い、 楽しい一時を過ごした… |>フードコート 屋上… |>クマと楽しい楽しい一時を過ごした… |>沖奈市 沖奈駅前… |>一条に連れられ、長瀬とやって来た… 一条 廣|んー、この汚れた空気、久々だなー。 長瀬 大輔|俺は何か落ちつかねーな… 一条 廣|鳴上は、稲羽とかより こういう方が落ち着くんじゃねーか? |そうかも |そうでもない 一条 廣|おっと出ました、都会っ子スメル。 一条 廣|ウチのほうじゃ、せいぜいジュネスだもんなぁ。 一条 廣|何、鳴上がいたとこも 意外にヘンピ系なワケ? 一条 廣|ウチみたいに、 せいぜいジュネス止まり、みたいな。 長瀬 大輔|ジュネス、いいじゃねーか。 長瀬 大輔|便利だし、何でもあるし。 花村も面白ェヤツだぞ? 一条 廣|や、花村のことはあんま関係なくね? 一条 廣|てか、鳴上と花村、 仲良さそうだよなー。 一条 廣|今度、一緒に遊ぼうぜ。 |>三人で楽しく過ごした。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 花村 陽介|や、ほら、 一応色々、誘ったのよ? 花村 陽介|けど結局いつものメンツっていうか 里中っていうか… 里中 千枝|…何で謝り気味なワケ? 里中 千枝|雪子が無事記念ってことで 食べ放題って言うから来たんだけど。 里中 千枝|…おなか減らして来たんだけど。 |陽介のおごりで食べ尽くそう |千枝のおごりで食べ尽くそう 花村 陽介|ちょ、無理! お前はともかく、里中分は出せません!! 花村 陽介|ばっ…おま、殺されるぞ! 里中 千枝|何か、言ったかしら? 花村 陽介|や、やだなぁ、 変なこと言ったのは鳴上君ですよ… 花村 陽介|…ってワケで、こうなったら ジャンボギョーザに挑戦の巻! 花村 陽介|一人一皿、どんと行くぜ! |>三人で楽しく過ごした。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>ジュネス 家電売場… 花村 陽介|つか、菜々子ちゃんホントここ好きね。 花村 陽介|“どっか行きたいとこ…”で“ジュネス!” 即答だもんなぁ。 一条 廣|まー、でもここって何でもあって ワンダーランドだよなー。 一条 廣|妹ちゃんの気持ちも分かる…つか、 マジかわいくね? 一条 廣|ウチも妹いるけどさ、 やー、菜々子ちゃんみたいになってくんねーかな。 堂島 菜々子|な、菜々子、かわいくないよ… 一条 廣|あ、やべ、オレ嫌われた? 長瀬 大輔|大丈夫、可愛くないよ。 一条 廣|それダメだろーが! 花村 陽介|アホかお前は!! |ていうかアホだ |長瀬らしい 長瀬 大輔|アホじゃないぞ、断じて!! 花村 陽介|断じて…て。 長瀬 大輔|そうか、照れるな。 花村 陽介|何がだ… 堂島 菜々子|お、おにい…ちゃん。 堂島 菜々子|テレビ、おっきいね… 長瀬 大輔|こんなデカイ画面でスポーツでも見たら 吸い込まれそうだな。 花村 陽介|ぜ、ぜんっぜん無理ですよ? うん。 |>みんなで楽しく過ごした。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>稲羽通り商店街 本屋“四目内堂書店”前… 一条 廣|長瀬、何買ったんだ? 長瀬 大輔|マンガ。 昔、家にあって、懐かしいなーと… 長瀬 大輔|って…あ? 長瀬 大輔|…間違えた。 長瀬 大輔|“豪腕英雄ピッチャーマン”のつもりが… “魔女探偵ラブリーン”… 長瀬 大輔|鳴上にやる… |もらっておく |いらない… |え、そういうの読んじゃうの? |ハイエンドだなー、お前。 一条 廣|だよなー… つか長瀬、間違えすぎだろ!! 長瀬 大輔|っかしーなー… 絵が似てると思ったんだけど… 里中 千枝|あれ? 里中 千枝|鳴上くんに、一条くん、長瀬くん? 里中 千枝|不思議な組み合わせ…でもないか。 部活、一緒なんだっけ。 一条 廣|あっ、さ、里中さん。 一条 廣|えと…何やってるの? 里中 千枝|…修行? 一条 廣|しゅぎょ… 長瀬 大輔|さすが、漢だな、里中。 里中 千枝|ちがうっつの! |>みんなで楽しく過ごした。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>沖奈市 沖奈駅前… |>結実に連れられてやってきた… 小沢 結実|えっとね、まず本屋でしょー… 服もちょっと見たいしー… 小沢 結実|あとCDね。 ウチのほう、全然無いじゃん? 小沢 結実|で、どっかでコーヒーでも飲んで帰ろっか。 小沢 結実|あ、この辺にオープンしたらしいよ、 “フェロモンコーヒー屋”…知ってる? |まずそう… |行きたい 小沢 結実|あ、そう言えば味の噂は聞かないかも… 小沢 結実|香り立つアロマがどうのこうの…ってのが ウリらしいからね。 小沢 結実|あ、鳴上くんって 意外に、新しい物好き? 小沢 結実|フェロモンコーヒーってさ、 イカガワシイ名前だから気になるよね… 小沢 結実|お店、ちょっと探してみようか。 小沢 結実|あ、長瀬じゃん。 偶然だねー。 長瀬 大輔|小沢と鳴上… 変な組合せだな。 小沢 結実|相変わらずムカつくわねアンタ… 小沢 結実|ところでさ、フェロモンコーヒーのお店って 見なかった? 小沢 結実|って、アンタに言っても知ってるわけ… 長瀬 大輔|飲んできた。 小沢 結実|マジで!? 小沢 結実|そ、そう言えばどことなく輝きが… 長瀬 大輔|ウソだけど。 小沢 結実|…しょーもないウソつくなっつの! 小沢 結実|もうホントやだ!! フェロモンコーヒー、おごってよね! |>三人で楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった長瀬との仲が元に戻った… |>“剛毅”のリバースが元に戻った。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>沖奈市 沖奈駅前… |>綾音のリクエストでやってきた… 松永 綾音|わ、お店がいっぱいできてる… 松永 綾音|そんなに遠くないんですけど、 あまり来ないので…新鮮です。 松永 綾音|えっと、どこか行きたいところはありますか? 買いたい物とか… |一通り見て回りたい |綾音の好きなところでいい 松永 綾音|じゃあ、片っ端から行っちゃいましょう! 松永 綾音|えっ… 松永 綾音|あ、ありがとうございます。 優しいんですね… 松永 綾音|えっとじゃあ、まずは… 松永 綾音|あら? 長瀬先輩…ですよね。 長瀬 大輔|おう、鳴上。 偶然だな。 長瀬 大輔|…彼女か? 松永 綾音|えっ、やっ、ああああのっ!! 長瀬 大輔|あー、アレか。 えーと… 長瀬 大輔|微妙な距離感、てやつか! 松永 綾音|えっ、せ、先輩!? 長瀬 大輔|先輩… 長瀬 大輔|あ、八高? 松永 綾音|…中学も一緒でした!! |>三人で楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった長瀬との仲が元に戻った… |>“剛毅”のリバースが元に戻った。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>ジュネス フードコート… 一条 廣|ちょ、聞いてくれよ鳴上… 一条 廣|オレ、こないだ休んだからさ、 長瀬にノート借りようと思ってー。 一条 廣|持ってきたんだけど、それが “数1”… 一条 廣|2年になってどんだけ経つと思ってんだよ。 しかも“1”をフツーに書くなよ! 長瀬 大輔|借りるやつが偉そうなこと言うな。 一条 廣|借りねーよもう… 一条 廣|あーあ、暗記モノはもう終わったし 数学だけだっつのにさ… 一条 廣|…鳴上、数学得意? |自信アリ |無理です 一条 廣|うえー、尊敬するよお前… 一条 廣|公式丸暗記で、それなりの点は取るけどさ、 数学だけはホント理解できない… |やっぱそう!? ったくもー、心の友!! |あ、じゃあこれやるよ。 直接、参考にはならないと思うけど… 長瀬 大輔|いいからホラ、俺に教えろよ。 世界史と物理と英語と… 一条 廣|多すぎんだよ… 里中 千枝|あ、偶然。 里中 千枝|もしかして勉強するの? 混ぜてもらおっかな。 一条 廣|え、や、ホント? 全然いーよ! 天城 雪子|ごめんね、千枝が急に… 一条 廣|そ、そんなのホント全然… 里中 千枝|まーた、雪子には皆デレデレしちゃうんだから。 一条 廣|え、ええ? ちょっと待っ… 里中 千枝|いいもーん、あたし鳴上くんに 教えてもらうし。 長瀬 大輔|俺もー。 一条 廣|ま、待ってってば!! |>みんなで楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった長瀬との仲が元に戻った… |>“剛毅”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だった千枝との仲が元に戻った… |>“戦車”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だった雪子との仲が元に戻った… |>“女教皇”のリバースが元に戻った。 |>千枝とも楽しく話したが… “戦車”のブロークンは、戻らなかった。 |>雪子とも楽しく話したが… “女教皇”のブロークンは、戻らなかった。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>沖奈市 沖奈駅前… |>あいに連れられてやってきた… 海老原 あい|で、何する? 海老原 あい|ここも飽きたしー、 やりたいことなんか無いよ。 |…何故誘った? |同感だ 海老原 あい|…分かんないの、バカ? 海老原 あい|ちょっと、アンタは飽きちゃダメでしょ! 海老原 あい|アタシといられるんだから もっと嬉しそうに! 久慈川 りせ|あ、先輩! 久慈川 りせ|こんなとこで、女と遊んでる場合じゃ… 海老原 あい|うるさい。 海老原 あい|悠は、アタシとしゃべってんの。 入ってこないでよ。 久慈川 りせ|…趣味わるい。 海老原 あい|…アタシといるのに、 他の子としゃべっちゃダメ! |>あいと楽しく過ごした。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>稲羽通り商店街 惣菜大学… 小西 尚紀|すんません、こんなカッコで… 小西 尚紀|法事だったんで… その後、会いたかったんです。 |なんで? |ここで? 小西 尚紀|んー… なんでですかね。 小西 尚紀|姉ちゃんのこと考えた後は、 誰かに会わないと、暗くなるっつか… 小西 尚紀|…誰かって、まあ、 他にいませんけど。 小西 尚紀|ははっ。 確かに、休日に来るとこじゃないすね。 小西 尚紀|近いし、ウマイし、好きなんです。 松永 綾音|あ、先輩…と、小西くん? 松永 綾音|そっか、知り合いなんだ。 小西 尚紀|松永こそ… 松永 綾音|あ、えっとね、鳴上先輩と同じ部活なの。 吹奏楽部。 松永 綾音|あっ、良かったら小西くんも… 小西 尚紀|え、いいよ… 俺、楽譜も読めねーし、オンチだし。 松永 綾音|ふふっ、私もすっごいオンチ! 仲間だね。 小西 尚紀|…変なやつ。 |>三人で楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった綾音との仲が元に戻った… |>“太陽”のリバースが元に戻った。 |>綾音とも楽しく話したが… “太陽”のブロークンは、戻らなかった。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>稲羽通り商店街 惣菜大学… 小西 尚紀|すんません、こんなカッコで… 小西 尚紀|法事だったんで… その後、会いたかったんです。 |なんで? |ここで? 小西 尚紀|んー… なんでですかね。 小西 尚紀|姉ちゃんのこと考えた後は、 誰かに会わないと、暗くなるっつか… 小西 尚紀|…誰かって、まあ、 他にいませんけど。 小西 尚紀|ははっ。 確かに、休日に来るとこじゃないすね。 小西 尚紀|近いし、ウマイし、好きなんです。 巽 完二|あ、先輩…と、尚紀? 巽 完二|何ツルんでんだ? ビックリだな。 小西 尚紀|お前の存在がビックリだよ… 小西 尚紀|ってそうか、すぐそこだもんな、 お前んち。 巽 完二|オメーんちだってソコだろ。 巽 完二|つか自分ちで食えよ。 母ちゃん怒るぞ。 小西 尚紀|俺んとこ、お前んちみてーに 母ちゃん怖くねーし。 小西 尚紀|…あと、お前んちみてーに 料理も美味くねーしさ。 巽 完二|昔、オメーにコロッケ作ったの俺。 小西 尚紀|ちょ、10年越しの真実…! |>三人で楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった完二との仲が元に戻った… |>“皇帝”のリバースが元に戻った。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>ジュネス フードコート… |>あいを連れてきた… 海老原 あい|…たこ焼き・焼きソバ・お好み焼きのセットって すごくない? 海老原 あい|小麦粉好きじゃないと、それは無いわー… |好きなくせに |体に悪そう 海老原 あい|な、何で分かるの。 …黙っててよね。 海老原 あい|あんなの無理無理。 体型崩れるし。 海老原 あい|あたし、サラダ…は無いか、こんなとこ。 クマ|おーっとセンセイ! クマ|ビューリホーなナオン連れとは 恐れ入るクマ… クマ|そういうことなら、クマもお邪魔しまっす! 海老原 あい|…クマ? 海老原 あい|クマには見えないけど。 クマ|がぁーん!! 花村 陽介|クマ、サボってんなよ! 花村 陽介|って、鳴上じゃん。 …と、海老原さん? 海老原 あい|…どーも。 海老原 あい|アンタの店、炭水化物多すぎ。 サラダ置いてよ。 花村 陽介|え、サラダバーあるよ? 海老原 あい|シナシナしててヤ!! クマ|おっとこれはリセチャン以上クマ… クマ|だがそこがイイ! もっとお話ししてクマ~ン。 |>皆で楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった陽介との仲が元に戻った… |>“魔術師”のリバースが元に戻った。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>自室… |>男三人では窮屈に感じる… 一条 廣|お前の部屋、何つーか… ミョーだよな。 一条 廣|広くも狭くもなく… 殺風景ってワケじゃなく… 長瀬 大輔|人の部屋に文句つけんなよ。 一条 廣|や、別に文句じゃねーけど… 一条 廣|…ちょっと本、少なくね? これやるよ。 一条 廣|じゃーん。 “THE 茶道”…どう? |もらっとく |興味ない |外国人向けの茶道ハウツー本だから、 分かりやすいと思うよ。 |…長瀬はダメだったみたいだけど。 一条 廣|じゃあ持って帰るか… 一条 廣|長瀬に貸したら、即返ってきてさ… 一条 廣|重いし、手放せて嬉しいよオレは。 堂島 菜々子|お兄ちゃん、おきゃくさん? 一条 廣|あ、妹? 一条 廣|一緒に遊ぼうか。 一条 廣|お兄ちゃんが相手してくれなきゃ、 寂しいよねー。 堂島 菜々子|…菜々子、へーきだよ! 長瀬 大輔|おし、じゃあ宿題見てやる。 一条が。 一条 廣|オレ!? |>みんなで楽しく過ごした。 |>暗くなってきたので、 長瀬と一条を適当に送って行った。 |>疎遠気味だった長瀬との仲が元に戻った… |>“剛毅”のリバースが元に戻った。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>沖奈市 沖奈駅前… |>あいに引っ張られるようにして やってきた… 海老原 あい|まず、あそこのショップ。 バングルが欲しいんだ。 海老原 あい|…ちょっと高いけど、 買ってくれる? |いいよ |…なんで? 海老原 あい|えっ… や、やだな、冗談だよ! 海老原 あい|ちょっと…反応見たかっただけ。 海老原 あい|…あはっ。 ありがと。 海老原 あい|あはっ。 冗談だってば。 海老原 あい|…ありがとね。 |>あいと楽しく過ごした。 天城 雪子|あれ、鳴上くん。 偶然だね。 天城 雪子|……? 天城 雪子|ええと、どちらさま… 海老原 あい|アタシのこと、知らないの? 天城 雪子|えっ、ご、ごめんなさい。 天城 雪子|ご親戚か何か… 海老原 あい|違う! …同じガッコ、同じ学年。 天城 雪子|そ、そうなんだ、ごめんなさい。 天城 雪子|えっと、鳴上くん? 女の人と二人で遊びに来たってことなのかな? 海老原 あい|はぁ? 何でアンタにそんなことを… 天城 雪子|うるさい。 海老原 あい|…帰る。 天城 雪子|何か、言うことは? |ごめんなさい |誤解だよ 天城 雪子|…ずるい。 スネさせてもくれないし。 天城 雪子|私だって、どこか遊びに行ったり したいんだからね… 天城 雪子|…せっかくだし、どこか行こう? 天城 雪子|…信じてるけど。 確認、したかっただけ。 天城 雪子|私だって、どこか遊びに行ったり したいんだから… 天城 雪子|…せっかくだし、どこか行こう? |>雪子と楽しく過ごした。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>沖奈駅前 ショップ“CROCO*FUR”… |>女性陣の希望でやってきた… 巽 完二|何でこんなトコなんスか… アイツ助けたし、パーッと遊ぼうって言うから… 久慈川 りせ|だから、パーッと買い物。 完二は荷物持ちという大役があるでしょ。 巽 完二|…先輩、何か言ってやってくださいよ。 |もっといいとこ行こう |諦めよう 里中 千枝|いいとこ… 天城 雪子|って、何言い出すの! 久慈川 りせ|ああもう… 里中 千枝|おっ、鳴上くんは話が早い。 天城 雪子|じゃあ、いっぱい買っちゃおうかな。 久慈川 りせ|私も、どーんと注ぎ込む! 巽 完二|わーった、わーったっス… 巽 完二|クソ、花村先輩、 “留守番”とかって…ありえねー… |>みんなで楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった雪子との仲が元に戻った… |>“女教皇”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だったりせとの仲が元に戻った… |>“恋愛”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だった完二との仲が元に戻った… |>“皇帝”のリバースが元に戻った。 |>雪子とも楽しく話したが… “女教皇”のブロークンは、戻らなかった。 |>りせとも楽しく話したが… “恋愛”のブロークンは、戻らなかった。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>沖奈市 沖奈駅前… 花村 陽介|さっき長瀬と言ってたんだけどさ、 映画でも見ねーか? 長瀬 大輔|確か、面白そうなのが今日からなんだ。 “汗と涙と男と球”ってやつ。 |いいね |…違う映画は無い? 長瀬 大輔|お前なら分かってくれると思ったよ! 花村 陽介|…俺はイヤって言ったぞ。 長瀬 大輔|無い。 花村 陽介|いや、あるだろ! 久慈川 りせ|あ、先輩! 久慈川 りせ|なんだ、遊んでるなら 誘ってくれればいいのに! 久慈川 りせ|…二人っきりで。 花村 陽介|相変わらず、アプローチ真っ直ぐだなー。 松永 綾音|あら、先輩? 松永 綾音|ふふっ、奇遇ですね! …想いが通じたんでしょうか。 松永 綾音|…えと、私も見ます!! 小沢 結実|あれ、悠… じゃなかった、鳴上くん! 小沢 結実|や、恥ずかしいな人前で… 小沢 結実|悠…なんて、 二人のときだけにしないとね。 小沢 結実|じゃあ私も見る! 花村 陽介|え… 長瀬 大輔|お前… 久慈川 りせ|どういう意味だか、さっぱり分かりませんが? 花村 陽介|えー…っと。 |>何だか空気が重苦しい… 花村 陽介|とーにか、く、映画! 見るんだよね、俺ら。 花村 陽介|そ、それじゃまた… 久慈川 りせ|私も見る。 長瀬 大輔|…行くか。 |>重苦しい空気の中、 映画“汗と涙と男と球”を見た… |>陽介、長瀬に優しく支えられ、 何とか平和に家にたどり着いた… 長瀬 大輔|じゃ、見るか。 |>映画“汗と涙と男と球”を 楽しく爽やかに見終わった… |>陽介、長瀬と楽しく過ごした… |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>ジュネス フードコート… 花村 陽介|こうして皆で集まるのも恒例な感じだな。 花村 陽介|ってワケで、ノート貸してください。 里中 千枝|そういうのも、恒例だねぇ。 里中 千枝|じゃ、始めよー。 …の前に、メロンソーダ飲みたい。 花村 陽介|買って来い。 …え、ノートと交換って意味? 里中 千枝|さー、どうかな。 白鐘 直斗|ふふっ、 花村さんと里中さん、仲いいですよね。 久慈川 りせ|付き合っちゃえば? 里中 千枝|無理! 花村 陽介|早っ! 久慈川 りせ|直斗もさー、完二と付き合っちゃえば? 白鐘 直斗|や、やめてください! 久慈川 りせ|照れてるー。 久慈川 りせ|ね、先輩。 直斗と完二、お似合いだよね? |確かに |全く似合ってない! 白鐘 直斗|鳴上さんまでそんな… 花村 陽介|…もーいいだろ、そんな話。 花村 陽介|ほら、勉強勉強! 白鐘 直斗|そ、そうですよ。 そりゃ巽くんは、面白い人ですけど… 花村 陽介|こりゃ、いい人止まり以下だな… |>ほとんど勉強にはならなかったが、 みんなで楽しく過ごした。 |>疎遠気味だった陽介との仲が元に戻った… |>“魔術師”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だった千枝との仲が元に戻った… |>“戦車”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だった雪子との仲が元に戻った… |>“女教皇”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だったりせとの仲が元に戻った… |>“恋愛”のリバースが元に戻った。 |>疎遠気味だった直斗との仲が元に戻った… |>“運命”のリバースが元に戻った。 |>千枝とも楽しく話したが… “戦車”のブロークンは、戻らなかった。 |>雪子とも楽しく話したが… “女教皇”のブロークンは、戻らなかった。 |>りせとも楽しく話したが… “恋愛”のブロークンは、戻らなかった。 |>直斗とも楽しく話したが… “運命”のブロークンは、戻らなかった。 |>今日の休日は楽しくなりそうだ… |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… 長瀬 大輔|ここって、ラーメン屋みたいな なりしてる割には、メニュー多いよな。 |>長瀬は美味そうにラーメンを すすっている。 長瀬 大輔|なあ、オマエあのメニュー頼んでみない? 多ければ俺が食ってやるからさ。 |>長瀬と一緒に過ごし、 仲が深まっていくのを感じた… 小沢 結実|わたし、家族以外とご飯食べるお店に入るの 初めてです。 小沢 結実|友達とハンバーガー屋に行ったりはしますけど… |>綾音は春巻きを上品に口へ運んでいる。 小沢 結実|…でも、こういうのも、いいですね。 |>綾音と一緒に過ごし、 仲が深まっていくのを感じた… |>河原… 長瀬 大輔|…なあ、いつまでここで休んでるんだ? 長瀬 大輔|せっかくこんな広い所にいるんだから なんかしようぜ。 |>長瀬は体を動かしたくて しょうがないようだ。 長瀬 大輔|なにする? サッカーするなら 学校までひとっ走りしてボール取ってくるけど。 |>長瀬と一緒に過ごし、 仲が深まっていくのを感じた… 松永 綾音|ここはいつ来ても、静かでいいですね。 |>綾音は川を見つめている。 松永 綾音|…今度はお弁当持ってきましょうか? ここで食べたら、きっと気持ちいいですよ。 |>綾音と一緒に過ごし、 仲が深まっていくのを感じた… |>八十神高校 図書室… |>…苦手な問題を、なんとか解いた! |>今日は、珍しく… |>“肉じゃが”を 作るための食材がそろっている。 |>“肉じゃが”を 作ってみることにした。 |>あとは煮込むだけだ… |>どうやって煮込みますか? |ふたをしないで煮込む |強火で煮込む |落しぶたで煮込む |>材料に火が通ってきた。 |>“くずれ肉じゃが”を手に入れた。 |>…強火のおかげで、焦げてしまった。 |>…魚は好きかも知れない。 |>材料に充分、火が通ってきた。 |>“ほくほく肉じゃが”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“とんかつ”を 作るための食材がそろっている。 |>“とんかつ”を作ってみることにした。 |>まずは、衣をつけなければ… |>どういう手順で衣を付けますか? |卵、小麦粉、パン粉の順 |小麦粉、パン粉、卵の順 |小麦粉、卵、パン粉の順 |>なんとか揚がりそうだ。 |>“ザックリとんかつ”を手に入れた。 |>うまく揚がらなかった… |>…魚は好きかも知れない。 |>きつね色に揚がりそうだ。 |>“サクふわとんかつ”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“スブタ”を 作るための食材がそろっている。 |>“スブタ”を作ってみることにした。 |>なんとか完成しそうだ… |>仕上げの“トロみ”をどうつけますか? |片栗粉を使う |小麦粉を使う |酢で煮詰める |>粉を水で溶かして入れた。 |>“つやとろスブタ”を手に入れた。 |>小麦粉を水で溶かして入れた。 |>“べたべたスブタ”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“焼肉弁当”を 作るための食材がそろっている。 |>“焼肉弁当”を作ってみることにした。 |>…塩を切らしている! |>どうしますか? |代わりに砂糖を使う |代わりに醤油を使う |代わりに酢を使う |>“砂糖たっぷり焼肉弁当”を手に入れた。 |>“醤油たっぷり焼肉弁当”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“カレー”を 作るための食材がそろっている。 |>“カレー”を作ってみることにした。 |>…カレー粉が足りない! |>どうしますか? |小麦粉を足す |そのまま煮詰める |ふくらし粉を足す |>“小麦粉カレー”を手に入れた。 |>“煮詰めたカレー”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“ハンバーグ”を 作るための食材がそろっている。 |>“ハンバーグ”を 作ってみることにした。 |>なんとか焼きあがりそうだ… |>中まで火が通ったかどうか、 どうやって確かめますか? |表面の気泡をみる |真ん中を押して弾力をみる |串を刺して、肉汁をみる |>完全に焦がしてしまった… |>…魚は好きかも知れない。 |>なかなかの弾力に仕上がっている。 |>“ウェルダンハンバーグ”を手に入れた。 |>透明な肉汁が溢れている。 |>“ジューシーハンバーグ”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“大学いも”を 作るための食材がそろっている。 |>“大学いも”を作ってみることにした。 |>…甘いミツは出来た。 |>さつまいもはどうしますか? |網で焼く |油で揚げる |酒で煮る |>焼いたイモに甘いミツを絡ませた。 |>“こんがり大学いも”を手に入れた。 |>揚げたイモに甘いミツを絡ませた。 |>“もっちり大学いも”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“鶏の竜田揚げ”を 作るための食材がそろっている。 |>“鶏の竜田揚げ”を 作ってみることにした。 |>鶏肉に下味を付けた… |>このあと、何をまぶして揚げますか? |白玉粉をまぶす |小麦粉をまぶす |片栗粉をまぶす |>こ、この味は… |>…魚は好きかも知れない。 |>そろそろ、揚がりそうだ… |>“もっさり竜田揚げ”を手に入れた。 |>うまく、揚がりそうだ… |>“さっくり竜田揚げ”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“プリン”を 作るための食材がそろっている。 |>“プリン”を 作ってみることにした。 |>卵と牛乳、砂糖などで、 プリン生地を作った… |>何で香りをつけようか… |バニラアイス |オーデコロン |バニラエッセンス |>なんとか焼きあがりにこぎつけた。 |>“でこぼこプリン”を手に入れた。 |>卵とオーデコロンの相乗効果で、 耐え難い悪臭がする… |>…魚は好きかも知れない。 |>やっと焼きあがった。 |>“なめらかプリン”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“ごぼうとニンジンのきんぴら”を 作るための食材がそろっている。 |>“ごぼうとニンジンのきんぴら”を 作ってみることにした。 |>ごぼうとニンジンを油で炒めた… |>味付けはどうしますか? |砂糖と塩 |味噌と酢 |醤油とみりん |>甘い香りが漂ってきた。 |>“こんがりきんぴら”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>香ばしい香りが漂ってきた。 |>“てりつやきんぴら”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“茶巾ずし”を 作るための食材がそろっている。 |>“茶巾ずし”を作ってみることにした。 |>酢メシの方は出来たが… |>これを何で包むんだったろうか… |笹の葉で包む |薄焼き玉子で包む |茶の葉で包む |>酢メシを包んで、なんとか完成した。 |>“緑の茶巾ずし”を手に入れた。 |>酢メシを包んで、ようやく完成した。 |>“黄金の茶巾ずし”を手に入れた。 |>こ、この味は… |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“ビシソワーズ”を 作るための食材がそろっている。 |>“ビシソワーズ”を 作ってみることにした。 |>ビシソワーズは、 じゃがいもの冷たいスープだ。 |>じゃがいもに何を加えて、 スープにしますか? |たっぷりの水 |たっぷりの牛乳 |たっぷりの白ワイン |>なんとか、完成にこぎつけた。 |>“さっぱりビシソワーズ”を手に入れた。 |>ついに、完成にこぎつけた。 |>“コクうまビシソワーズ”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“ほうれんそうのゴマ和え”を 作るための食材がそろっている。 |>“ほうれんそうのゴマ和え”を 作ってみることにした。 |>鍋で、ほうれんそうを茹でた… |>このあと、ほうれんそうをどうしますか? |ザルにあげる |ゆっくり冷ます |ゴマと一緒に更に茹でる |>あとは、ゴマを和えれば完成だ。 |>“さっぱりゴマ和え”を手に入れた。 |>鍋のほうれんそうをしばらく放置した。 |>あとは、ゴマを和えれば完成だ。 |>“みずっぽいゴマ和え”を手に入れた。 |>こ、この味は…!? |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“コロッケ”を 作るための食材がそろっている。 |>“コロッケ”を 作ってみることにした。 |>小麦粉、玉子、パン粉をつけて… |>揚げる油の温度はどうしますか? |低温で揚げる |中温で揚げる |高温で揚げる |>うまく揚がらなかった… |>…魚は好きかも知れない。 |>そろそろ揚がりそうだ… |>“しっとりコロッケ”を手に入れた。 |>うまく揚がりそうだ… |>“さくさくコロッケ”を手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“焼き魚”を 作るための食材がそろっている。 |>“焼き魚”を作ってみることにした。 |>網を使って直火焼きしてみよう… |>火加減などはどうしますか? |遠火の強火 |近火の弱火 |近火の強火 |>香ばしい香りが漂ってきた。 |>“こんがり焼き魚”を手に入れた。 |>これ以上焼くと焦げそうだ… |>“ミディアム焼き魚”を手に入れた。 |>まるっきり焦げてしまった… |>…魚は好きかも知れない。 |>今日は、珍しく… |>“カリフォルニアロール”を 作るための食材がそろっている。 |>“カリフォルニアロール”を 作ってみることにした。 |>まず、酢メシを作ろう。 |>米に酢を混ぜ込む時には、 何が重要だったろうか… |冷ましながら混ぜる |冷めないように一気に混ぜる |混ぜた後、すぐに冷蔵庫に入れる |>香りが素晴らしい酢メシが出来た。 |>“気高きカリフォルニアロール弁当”を 手に入れた。 |>…異臭を放つ酢メシが出来た。 |>…魚は好きかも知れない。 |>何とか、それらしくはなったが… |>…少し、酢メシがバラけて固くなってしまった。 |>“パサつきカリフォルニアロール弁当”を 手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“ポテトサラダ”を 作るための食材がそろっている。 |>“ポテトサラダ”を 作ってみることにした。 |>じゃがいもをゆでた後、 どうするんだったか… |マヨネーズとあえて冷ます |ハムと炒める |熱いうちに潰す |>…ヌルヌルした岩のような じゃがいもになった。 |>…魚は好きかも知れない。 |>何とか、それらしくはなったが… |>やはり、じゃがいも丸ごとでは 火が通らないようだ。 |>“ゴロゴロポテトサラダ”を 手に入れた。 |>潰してから、ハムや玉ネギと混ぜた。 |>“なめらかポテトサラダ”を 手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“豚のショウガ焼き”を 作るための食材がそろっている。 |>“豚のショウガ焼き”を 作ってみることにした。 |>豚肉の下ごしらえは どうするんだったか… |油に漬けておく |包丁で切れ目を入れる |湯通しで脂を落とす |>…肉のヌメりが倍増した。 |>…魚は好きかも知れない。 |>豚肉に切れ目を入れ、タレをもみ込んだ。 |>“香ばしいショウガ焼き”を 手に入れた。 |>何とか、それらしくはなったが… |>肉はカサカサになってしまった。 |>“干からびたショウガ焼き”を 手に入れた。 |>今日は、珍しく… |>“豚の角煮”を 作るための食材がそろっている。 |>“豚の角煮”を 作ってみることにした。 |>鍋に豚肉、ショウガ、水を入れ… |>…? |>調味料は、まず、 何を入れるんだったろうか… |みりん・砂糖・料理酒 |塩・砂糖・醤油 |塩・味噌・料理酒 |>一煮立ちしたところで、残りの調味料も加え… |>“豚のやわらか角煮”を 手に入れた。 |>何とか、それらしくはなったが… |>醤油を入れるのが早すぎたようだ。 味がしみ込まない… |>“豚のパサパサ角煮”を 手に入れた。 |>味噌の香りが吹っ飛び、 やけに塩辛くなった… |>…魚は好きかも知れない。 |>勉強をすることにした。 |~学力アップ演出入る~ |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>“麻婆豆腐定食”を食べた。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>…相当待ってから出てきた “パーコー麺”を食べた。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>“肉丼”を食べた。 |>辛くて耳の奥が痺れてきた… |>鼻の奥も痛くなってきた… |>食べ進めるのが怖いが、 震える手で何とか食べた… |>美味しいは美味しいが… |>待ちくたびれて、 あまりハシが進まない… |>何だか、疲れてしまった… |>食べても食べても、底が見えない… |>体中が肉になったような気がする… |>それでも、頼んだ以上、 無理をして詰め込んだ… |>…全てを受け入れる境地に達した。 |アイヤー! ありがとごぜまーす! |じゃ、お代800円にナリマスネー。 |>一人の食事を終え、 家に帰ることにした… |お客サーン、いつもアリガトサーン。 これアゲルネー。 |ワタシ、実は稲羽生まれの稲羽育ち。 この本にカンドーしてこうなったのヨー。 |>稲羽通り商店街 中華食堂 “愛家”… |>“雨の日スペシャル肉丼”に挑戦した。 |>食べても食べても、ご飯が見えてこない… |>肉・肉・油・肉・油… |>そして肉… |>これを完食するには、 全てを受け入れる“寛容さ”、 正しくペース配分する“知識”… |>肉の群れに突っ込む“勇気”、 食べ続ける“根気”… |>それら全てが必要そうだ… |>…得るものの大きい、なかなかの戦いだった。 |>菜々子と買い物をした。 久慈川 りせ|あれれれ! 先輩、家族サービス? 久慈川 りせ|いいな~…家族で買い物とか 羨ましい。 久慈川 りせ|私? 久慈川 りせ|おばあちゃんが大変そうだから、 代わりにね。 久慈川 りせ|結構、家からの道のり遠いでしょ? 久慈川 りせ|あっれ? また会っちゃいましたね~。 久慈川 りせ|先輩んちって 本当に仲良いんだね。 久慈川 りせ|私、湯豆腐用に 鶏肉買いに来たんですけどぅ… 久慈川 りせ|骨付きか、切ってあるのか~ 地鶏とか? 久慈川 りせ|どれが良いのかな~。 久慈川 りせ|一緒に選んでくれません? 天城 雪子|あれ? 鳴上君も買出し? 天城 雪子|私も買出しなんだ… 天城 雪子|…今日、急に団体さんが入って、 冷蔵庫がカラになっちゃって… 天城 雪子|私がまかない作るから、 材料買いに来たんだ。 天城 雪子|あぁ~…なに作ろう。 天城 雪子|あ…鳴上君。 良いトコにいた… 天城 雪子|ねえ、ラーメン売り場ってどこ? 天城 雪子|この間、まかない作ったら、 皆ラーメンが良いって… 天城 雪子|簡単に作れる料理… 覚えておけばよかった… 花村 陽介|おおっと! なになに? 家族で買い物? 花村 陽介|鳴上って意外に家庭的なのな… 花村 陽介|どんどん買ってってよ。 タイムサービスもあるし。 花村 陽介|…今日はこの肉が良いって評判でさ。 花村 陽介|っていうか…何つくんの? 天城 雪子|うっす。 今日も どんどん買っちゃってよ~。 天城 雪子|え、俺? 天城 雪子|俺は~…買い物じゃネーよ。 リサーチってやつ? 天城 雪子|…つか、堂島さん。 お菓子見て、なに悩んでんの? |…鳴上君。 意外なトコで会ったわね。 |あら…こちらはお父さんなの? …おじさん? |結構良い男じゃない。 |買い物下手そうだけど… |あら、こんばんは。 |私もこれから食事作るんだ… ちょっと面倒くさいけどね… |そうだ、お惣菜コーナー見た? 今日、おいしそうなのあった? |…面倒くさくなると、 出来合いになっちゃうのよね… 巽 完二|あ! …せ、せんぱい。 奇遇っすね。 巽 完二|俺も買い物頼まれちゃって… お袋に… 巽 完二|肉と、野菜が安いから 買って来いって… 巽 完二|でも…正直… 来たくなかったっていうか… 巽 完二|マジ、こんなカッコで 肉売り場ってかっこ悪くないすか? 巽 完二|あれ? 今日も、買い物すか? 巽 完二|俺っ? 俺は~… 明日の弁当の材料を買いに… 巽 完二|あっ! …いや! …じ、自分で作るんじゃないすよ! 巽 完二|お…お袋が作るんす… 里中 千枝|あれ~! みんなで買い物? 里中 千枝|私? さっき、上の階で プロテイン買って来て~… 里中 千枝|それで、肉たべよっかな~って。 里中 千枝|アミノ酸飲料とかも… 里中 千枝|やっぱ力つけるには 肉、プロテイン、アミノ酸、寝る! 里中 千枝|これに限るっしょ! 里中 千枝|あれ~! 鳴上君、菜々子ちゃん! 里中 千枝|家族で買い物っていいね~。 里中 千枝|うちなんか…メニュー未定なのに 買い物だけは行かせるんだもん… 里中 千枝|お母さん、面倒くさがりだからさ~。 里中 千枝|悔しいから、お菓子とか 買って帰っちゃおうかな。 白鐘 直斗|あれ? ご一家で買い物ですか? 白鐘 直斗|ボクは、ちょっとコーヒー豆を 買いに来たんです。 白鐘 直斗|意外に種類が豊富なんですよね。 ジュネスって。 白鐘 直斗|あとは~…お砂糖と 牛乳と…パンと… 白鐘 直斗|どうも、こんばんは。 白鐘 直斗|皆さんは、夕飯の買い物ですか? 白鐘 直斗|ボクは牛乳とか諸々切れちゃって… 買いに来たんです。 白鐘 直斗|ボクも、夕飯どうしよっかな… 白鐘 直斗|久しぶりに、自分で作ってみようかな… 一条 廣|おっす、鳴上。 一条 廣|なあ、ガラガラ押すやつって どこにあるか知ってるか? 一条 廣|買うもの多くってさ~… 一条 廣|この間、買い物担当の家政婦さんが やめちゃって… 一条 廣|おかげで、俺が買い物担当よ… 一条 廣|お、妹と買い物? 一条 廣|うらやましいな… 一条 廣|俺も早く、妹と買い物きてぇ。 一条 廣|そんで、お菓子とか買ってやるの。 …ついでに俺のも。 長瀬 大輔|お。 鳴上じゃん。 長瀬 大輔|…さっき家からメール着て、 買い物してこいってさ~… 長瀬 大輔|人使い荒いよな。 ったく… 長瀬 大輔|肉だろ…野菜だろ…たまごに… チーズに…菓子ぃ? 長瀬 大輔|マジ、買ってくもん 多いよ… 長瀬 大輔|お、鳴上。 長瀬 大輔|今日は、うちの犬のメシ 買いに来たんだ。 長瀬 大輔|…んでも、意外に種類多くってさ~ 長瀬 大輔|こうなったら、生肉買って 帰ろうと思って… 長瀬 大輔|メールで家族に相談したら すっげ怒られてさ~… 小西 尚紀|あれ? 買い物っすか? 俺もっす… 小西 尚紀|なんか、やっぱりジュネスって 広いっすね。 小西 尚紀|このフロアで迷って、 もう3回目っす… 小西 尚紀|ねーちゃん、バイト大変だったろうな って…なんか考えちゃって。 小西 尚紀|あ…鳴上さん。 小西 尚紀|家族で買い物ですか? …羨ましいな。 小西 尚紀|うち、今日鍋なんで、 肉買いに来たんです。 小西 尚紀|水炊きに、日本酒入れると 結構うまいんですよ。 海老原 あい|悠じゃん! なに買い物しちゃってんの。 海老原 あい|超意外なんだけど。 海老原 あい|うち、今日ステーキらしくってさ。 海老原 あい|良い肉買って来いとか言われて 超めんどいし。 海老原 あい|っていうか、どこの肉がおいしいの? 海老原 あい|ぜんっぜんわっかんない。 一緒に選んでよ。 海老原 あい|あっれ? また会っちゃったね。 海老原 あい|今日お菓子安いって 聞いたから来ちゃった。 海老原 あい|ここら辺って コンビニないしさ~… 小沢 結実|へ~…家族で買い物するんだ? 小沢 結実|私も買出しだよ。 病院用と、自宅用。 小沢 結実|病院の売店って高いんだよね。 普通の二倍するの。 小沢 結実|ご飯もまずいし… 小沢 結実|買う量多いけど… 私にできることって、これくらいだし。 小沢 結実|あれ、また会ったね。 小沢 結実|ねえねえ、タイムサービスって 何時から? 小沢 結実|うちのお母さんが タイムサービスに買えばお得だって。 小沢 結実|もうちょっと待ってようかな~… 小沢 結実|鳴上君たちは? 何買ったの? 松永 綾音|せ…先輩! 松永 綾音|あ…、かごの中見ないでください。 お菓子ばっかりなんで… 松永 綾音|やっぱり、部活帰りとか… 家に帰るとついつい食べちゃうんですよね。 松永 綾音|だから、ついついここに来ると 買っちゃうって言うか… 松永 綾音|あ、先輩! いいところに! 松永 綾音|出汁って何売り場でしょうか… 松永 綾音|お母さんに、出汁買って来いって 言われてるんですけど… 松永 綾音|売り場がわかんなくって… 南 絵里|あらあら、鳴上くん! 南 絵里|妹さんとお父さんも一緒? 南 絵里|これからお夕飯の支度なんだけど… メニューが決まらなくって… 南 絵里|この際だから、 お惣菜買っちゃおうかしら… 南 絵里|でも、ジュネスのお惣菜って ちょっと不安よね? 南 絵里|あら、鳴上君。 今日はお惣菜買いに来たのよ。 南 絵里|この間食べたら、結構おいしくて。 ビックリしちゃった。 南 絵里|から揚げとか、餃子… 意外にお寿司もいけるわよ。 |>しばらく話し込んだ… |>家に帰り、買った食材で 豪勢な夕食を作った。 |>ジュネス 食品売り場… |>堂島と菜々子と、買い物に来た。 堂島 菜々子|エヴリディ・ヤングライフ! ジュネス! |>菜々子は楽しそうだ… 堂島 菜々子|お兄ちゃん、なにか買う? 堂島 遼太郎|何でもいいが、早くしろよ。 |>三人で仲良く家に帰った… |>気がつくと随分時間が経っている… |>今日はこのあたりでやめておこう。 |>八十神高校 図書室… |>教え合うことで、仲が深まった気がする… |>陽介と一緒に勉強した。 花村 陽介|あー、そっか。 公式丸暗記じゃダメなんだな… 花村 陽介|俺いま確実に偏差値上がったぜ。 お前のおかげ! |>陽介と一緒だったので 勉強がはかどった。 |>千枝と一緒に勉強した。 里中 千枝|なーるほどねー。 ここが…こうなって…こうか! 里中 千枝|うっわ、解けた! 鳴上くんのおかげで解けちゃった! |>千枝と一緒だったので 勉強がはかどった。 |>雪子と一緒に勉強した。 天城 雪子|せっかくだし、 苦手なところを教え合うのってどうかな? 天城 雪子|まず、鳴上くんから… 私で分かるところだといいんだけど。 |>雪子と一緒だったので 勉強がはかどった。 |>完二と一緒に勉強した。 巽 完二|と、図書室ってキンチョーするっスね… くしゃみとか、やっぱガマンっスか…? 巽 完二|ま、いいや。 えと…全教科、お願いします!! |>完二の勉強を見ることで、 復習に役立った… |>りせと一緒に勉強した。 久慈川 りせ|先輩に教えてもらえるなら、頑張る! 久慈川 りせ|ちゃんとやるから… できなくても笑わないでね! |>りせの勉強を見ることで、 復習に役立った… |>直斗と一緒に勉強した。 白鐘 直斗|鳴上さんに勉強を教えることは できませんが… 白鐘 直斗|僕もできるだけ、邪魔にならないよう 静かにやりますから、安心してください。 |>直斗と一緒だったが、 ほとんど無言だったので勉強がはかどった。 |>封筒貼りのアルバイトを することにした… |>単調な作業を、黙々とこなした… |>翻訳のアルバイトを することにした… |>外国語のクセのある言い回しと 格闘した… |>折り鶴を作るボランティアをすることにした。 |>見知らぬ誰かのために、 丁寧に鶴を折った… |>プラモデルを作成することにした… |>複雑な部品を黙々と組み立てていった… |>プラモデルを作成することにした… |>複雑な部品を黙々と組み立てていった… |>稲羽市立病院 空き病室… |>空いたばかりの病室の 清掃をこなした… |>どこからか、視線を感じた… |>…気付かなかったことにし、 清掃を続けた… |>秀の勉強を見た。 |>分かりやすいように工夫して教えた… |>学童保育の手伝いをした… |>子ども達に振り回されつつ、世話をした… |ねえねえ! |試験の結果、貼り出されたよー。 花村 陽介|うわ~…やーな時間が来ちゃったな… 花村 陽介|…しょうがね、見に行くか? |>試験の結果を見に行くことにした。 |>なんと、学年でトップだ! 花村 陽介|うぉぉぉ! 鳴上、すっげぇじゃん! 花村 陽介|何か自分のことみてーに 嬉しいな、これ! |>コミュを築いた友人らから、 尊敬の眼差しで見られている気がする…! |>今後、校内の友人たちと 仲が深まるのが早まりそうだ! |>そろそろ昼休みが終わりそうだ。 教室に戻ろう… |>10番以内の成績だ! 花村 陽介|お、すっげ! 鳴上、イイ線行ってんじゃん! 花村 陽介|アッタマいいなー、お前… |>コミュを築いた友人らから、 一目置かれた気がする…! |>今後、校内の友人たちと 仲が深まるのが、やや早まりそうだ。 |>そろそろ昼休みが終わりそうだ。 教室に戻ろう… |>中くらいの成績だ。 花村 陽介|お、同士よ! 何事もホドホドでいいってことだよな! |>コミュを築いた友人らから、 妙な連帯感を感じる… |>そろそろ昼休みが終わりそうだ。 教室に戻ろう… |>これは… |>下から数えたほうが早い… 花村 陽介|ま、まあ、ほら。 誰にでも苦手なことってあるじゃん? |>周りから哀れみの視線を感じる… |>そろそろ昼休みが終わりそうだ。 教室に戻ろう… 堂島 菜々子|にもつ、とどいてるよ。 |>そういえば、大人気の通販番組が 始まるらしい… |>見慣れない番組が始まった。 どうやら噂の通販番組のようだ。 |毎週日曜日は、通販番組が流れています。 紹介された商品を買うことができます。 |ハアーイ、こちら時価ネット! “時価ネットたなか”でごっざいま~す! |)] み・ん・な・の 欲の友! |)] み・ん・な・の 欲の友! |)] み・ん・な・の 欲の友! |さ~あ、本日紹介する商品はこちら! |これに[VAR(3)]を[VAR(4)]個お付けした [VAR(13)]セット、 お値段はたったの[VAR(9)]円! |さ~あそれじゃあ今日はこれまで。 売り切れ御免! 残念無念! |それではまた来週の日曜に、 このチャンネルでゲッチュー! |>耳に残る曲が流れてきた… |テレビから流れる歌声 あなたの~ テレビに~ 時価ネットたなか~ |>通販番組は終わった… |>テレビを消した。 |>まだ夏休みは続いている… 花村 陽介|もしもしー、オレオレ! 花村 陽介|急で悪いんだけどさ、頼みがあるんだよ! 金曜まで、ジュネスのバイトしないか? 花村 陽介|人が足りなくてさ、頼む! バイト代、はずむから! 花村 陽介|毎日フードコートでおごるし!! ホントお願いしまっす!! |>陽介から必死に頼み込まれた… |分かった |それでも断る 花村 陽介|ちょ、おま、ヤダ! 聞こえない! 断らないで! 花村 陽介|ホントお願い! |>電話の向こうで 困り果てた陽介の姿が浮かぶ… |>そう言えば、千枝からも頼まれていた… |>…仕方なく、バイトを引き受けることにした。 花村 陽介|おっしゃ! ありがとー心の友よ!! 花村 陽介|んじゃ待ってるから、 今日から頼むな!! |>電話は切れた。 |>金曜まで、ジュネスのアルバイトを することになった。 |>まだ夏休みは続いている… 巽 完二|あ、ども、オレっス。 巽 完二|先輩、今日覚えてます? 巽 完二|ったく…補習っスよ!! 先輩、テスト悪かったっしょ。 巽 完二|金曜まで続くんで、 サボったらダメっスよ! 巽 完二|オレだって行くんスから… じゃ、後で。 |>電話は切れた。 |>金曜まで、補習を受けることになった… 柏木 典子|それじゃ、今日から補習しちゃうわよぉ。 柏木 典子|あつぅい指導してっちゃうから、 ギンギンにがんばってねぇン! 柏木 典子|って、やだも~、どこ見てるのぉ? そんなことだから、補習になっちゃうのよぉ? 柏木 典子|キミたち、暑い中がんばってるからぁ、 特別に、生物のキ・ホ・ン、教えてあげる。 柏木 典子|基本…分かるぅ? そう、男と女…もとい、オスとメスなのよぉ。 柏木 典子|オスは優れたメスを得ようとするの。 それが全ての行動の動機… 柏木 典子|そう…キミたちが私を熱く見るのも、 仕方の無いことなのよぉ。 |>暑い中、1年生に混じって 補習を受けた… |>日々、勉学に精を出した… 柏木 典子|こぉら! 変なとこ見ないの! 教科書に、しゅ・う・ちゅ・う・よぉ! 柏木 典子|見たいのなら、後でね…うふっ。 |>暑い中、1年生に混じって 補習を受けた… 柏木 典子|キミたち、暑い中がんばってるからぁ、 特別に、生物のキ・ホ・ン、教えてあげる。 柏木 典子|基本…分かるぅ? そう、男と女…もとい、オスとメスなのよぉ。 柏木 典子|オスは優れたメスを得ようとするの。 それが全ての行動の動機… 柏木 典子|そう…キミたちが私を熱く見るのも、 仕方の無いことなのよぉ。 |>暑い中、1年生に混じって 補習を受けた… 柏木 典子|それじゃ、今日の生物はここまで… 後は明日までオ・ア・ズ・ケ! 柏木 典子|次の時間は…ああ、祖父江センセ? きっとあの中、ムレてるわよぉ。 柏木 典子|ムレムレ…あら、ちょっといい響き。 柏木 典子|オトコがムレムレだと、そそるわよねぇ… |>暑い中、1年生に混じって 補習を受けた… 柏木 典子|今日で補習も終わりかぁ。 ひと夏のアバンチュール、楽しかったわぁ。 柏木 典子|若い子のエキス、ギュンギュンに感じちゃった。 柏木 典子|生物のおべんきょ的に言えば、 樹状突起に受容体がマクロファージ!! 柏木 典子|…って感じかしら。 んふふっ。 |>暑い中、1年生に混じって 補習を受けた… |>今日でようやく、補習が終わった… 久慈川 りせ|>りせがひそひそと話しかけてきた。 久慈川 りせ|はー…やっと終わるね、補習。 久慈川 りせ|もー無理! 早く帰りたい! 久慈川 りせ|…あっ、覚えてる? 明日、夏祭りだよ! 久慈川 りせ|夜になったら、神社に集合ね! 花村 陽介|たかがヒーローショーやるぐらいで、 何でこんな人が… 花村 陽介|つれぇぇぇぇ… 花村 陽介|鳴上がいなかったら マジ、死んでた… |>クマはキレのいい動きをしている… |>日々、労働をこなした… 里中 千枝|いらっしゃ~い! カキ氷、おいしいですよ~! 里中 千枝|キンキンに冷えたカキ氷で、 一緒にヒーローを応援しよー! 里中 千枝|…あっつ! |>炎天下の中、ジュネスの屋上で、 フードコートのお店の手伝いをした… |>みんなとの仲が深まった気がした… 里中 千枝|いらっしゃ~い! カキ氷、おいしいですよ~! 里中 千枝|キンキンに冷えたカキ氷で、 一緒にヒーローを応援しよー! 里中 千枝|…あっつ! |>クマはキレのいい動きをしている… |>炎天下の中、ジュネスの屋上で、 フードコートのお店の手伝いをした… 花村 陽介|クマ…すげーよな。 花村 陽介|半そででもアッチーのに、 あの毛皮プラス鉄板の前だぜ? 花村 陽介|頭が下がるわぁ… |>クマはキレのいい動きをしている… |>炎天下の中、ジュネスの屋上で、 フードコートのお店の手伝いをした… 里中 千枝|いらっしゃ~い! 暑いときこそ、肉ですよ~! 里中 千枝|焼肉、ビフテキ、しょうが焼き! 肉肉づくしで夏バテ防止! 里中 千枝|肉はアナタを裏切らないっ!! |>クマはキレのいい動きをしている… |>炎天下の中、ジュネスの屋上で、 フードコートのお店の手伝いをした… |>連日の炎天下労働で、 さすがにクマの動きが怪しくなってきた… |>…今日で、アルバイトも終わりだ。 |>アルバイト代、40000円を手に入れた。 里中 千枝|いらっしゃ~い! 暑いときこそ、肉ですよ~! 里中 千枝|焼肉、ビフテキ、しょうが焼き! 肉肉づくしで夏バテ防止! 里中 千枝|肉はアナタを裏切らないっ!! 花村 陽介|クマ…すげーよな。 花村 陽介|半そででもアッチーのに、 あの毛皮プラス鉄板の前だぜ? 花村 陽介|頭が下がるわぁ… |>炎天下の中、ジュネスの屋上で、 フードコートのお店の手伝いをした… |>みんなとの仲が深まった気がした… 花村 陽介|そう言えば、明日は夏祭りだよな? 花村 陽介|夜、神社に集合な。 |>まだ夏休みは続いている… |>そう言えば、今日も神社は夏祭りらしい。 |>辰姫神社… |>昨日に引き続き、屋台が出ている… 海老原 あい|けっこーサビれてんね。 お店、こんな少なかったっけ? 海老原 あい|ま、いっか。 とりあえず…リンゴ飴! 海老原 あい|あ、食べる前にお参りしないとね。 海老原 あい|…何、意外みたいな顔しないでよ。 そんぐらいジョーシキじゃん。 海老原 あい|何てお願いする気? |あいとの仲が深まりますように |学業成就 |お金が欲しい 海老原 あい|…別に、神頼みしなくたっていいじゃん。 へ、変なヤツ。 海老原 あい|…ふうん。 真面目くんは言うこと違うね。 海老原 あい|それ、神様じゃなくて、 アタシに頼んだほうが早いかもよ? 海老原 あい|じゃ、お願いしよ。 |>心を込めて祈った… |>…? |>どこからか、風が吹いてきた… |>…10000円を手に入れた。 海老原 あい|じゃ、リンゴ飴! |らっしゃ~い! うちのは世界一うまいリンゴ飴だよ! |おっ、美人さんだねぇ。 福引券、サービスしとくよ! 海老原 あい|何それ? |色んな屋台で買い物すると そこの鳥居んとこでクジ引けるんだよ。 |豪華賞品からイマイチなものまで 取り揃えてるよ~! 海老原 あい|…いーよ、やってやろうっての! |>なぜか、あいはやる気だ… 海老原 あい|じゃあまず、リンゴ飴10個。 海老原 あい|お好み焼き、10枚。 海老原 あい|金魚すくい、30回。 |はいはい…えーと… クジ50回分!? |よ~買ってくれたなぁ。 |んじゃ、紙持ってくるから引いてくれな。 海老原 あい|50回も引くの、めんどい。 …アンタやって。 海老原 あい|その代わり、1等当てるのよ! |ほいほい、目をつぶって引いてごらん。 |>… |>……… |>50枚引いた… |おっと来た! 1等だよっ!! 海老原 あい|来た! 賞品、何? |えーと、米俵だね。 海老原 あい|こめだわらぁ? 海老原 あい|いらない。 重い。 |え、そ、そんな… 重いけど大事だよ、米は! |重いけど… |じゃ、じゃあ代わりにこれあげるよ。 稲羽商店街で使える商品券。 海老原 あい|…米俵よりいいか。 ありがと。 海老原 あい|他の賞品、アンタにあげる。 海老原 あい|はい、これ。 |>…この神社が監修したのだろうか。 海老原 あい|そろそろ帰ろっか。 海老原 あい|…今日、割と楽しかった。 じゃ、じゃあね。 |>あいと別れ、 家に帰ることにした… |>あいは、まんざらでもないようだ… |>辰姫神社… |>昨日に引き続き、屋台が出ている… 小沢 結実|わ、屋台が並んでる。 こういうの、久しぶりかも。 小沢 結実|あ、リンゴ飴。 小さい頃、好きだったな。 小沢 結実|リンゴが大きいから割ろうとして、 下に敷いてたお皿、割っちゃった。 小沢 結実|あん時なんか、お父さんが… 小沢 結実|…あーっと、お参りが先、だよね。 行こ。 小沢 結実|ね、何をお願いするの? |結実との仲が深まりますように |学業成就 |お金が欲しい 小沢 結実|な、何言ってんの? 仲、フツーにいいじゃん。 |>と言いつつ、 結実は、まんざらでもないようだ… 小沢 結実|へー、さっすが高校生。 …って私もだけど。 小沢 結実|あははっ、正直! 私もそうしよっかな。 小沢 結実|じゃ、お願いしよ。 |>心を込めて祈った… |>…? |>どこからか、風が吹いてきた… |>…10000円を手に入れた。 小沢 結実|じゃ、改めて屋台に繰り出そっか。 |らっしゃ~い! うちのは世界一うまいリンゴ飴だよ! |おっ、美人さんだねぇ。 福引券、サービスしとくよ! 小沢 結実|福引? |色んな屋台で買い物すると そこの鳥居んとこでクジ引けるんだよ。 |豪華賞品からイマイチなものまで 取り揃えてるよ~! 小沢 結実|へー、面白い企画。 1回ぐらい引けるかな。 |>結実の目が輝いている… 小沢 結実|じゃあとりあえず、リンゴ飴食べよ。 …おごりで。 小沢 結実|お好み焼きだ! いい匂い~! 小沢 結実|鳴上くんが買ったら、半分もらおっと。 小沢 結実|カワイイねー。 小沢 結実|でも、すぐ死んじゃうからな… 小沢 結実|鳴上くん、飼わない? 私の分まで。 |はいはい…えーと、クジ2回だね。 |んじゃ、紙持ってくるから引いてくれな。 小沢 結実|2回だって。 鳴上くんと私で、1回ずつ引こっか。 小沢 結実|いいのが出たら、交換ね! |ほいほい、目をつぶって引いてごらん。 |>… |>……… |>1枚引いた… |おっと来た! お嬢ちゃん、1等だよ! 小沢 結実|わ、やった!! |1等は…米俵だね。 小沢 結実|うっそ、いいの!? 超うれしい!! |そっちの彼氏に持って帰ってもらいな。 |彼氏のほうは…6等だね。 本だよ。 小沢 結実|鳴上くんなら、読みそうだよね。 私は演劇の本ぐらいしか読まないし… 小沢 結実|ってことで、米俵は私がもらっていい? 私が引いたし。 小沢 結実|本は、鳴上くんにあげる。 |>…この神社が監修したのだろうか。 小沢 結実|そろそろ帰ろっか。 小沢 結実|お祭りなんて久々で、息抜きできたよ。 …今日、ありがとね。 |>結実の家まで米俵を運び、 家に帰ることにした… |>辰姫神社… |>昨日に引き続き、屋台が出ている… 松永 綾音|わぁっ、にぎやかですね! いつもと全然違う… 松永 綾音|行きましょ、先輩! 松永 綾音|先輩、リンゴ飴ですよ! おいしそうですね! 松永 綾音|私、リンゴみたいって言われることがあって… 何だか親近感があるんです、リンゴに。 松永 綾音|お参りしてから、買っていいですか? 松永 綾音|先輩は、何かお願いします? |綾音との仲が深まりますように |学業成就 |お金が欲しい 松永 綾音|えっ、わ、私ですか!? 松永 綾音|せ、先輩… 松永 綾音|わ、先輩カッコいいですね。 私もそうします! 松永 綾音|ふふっ、先輩…正直ですね。 松永 綾音|それじゃ、お参りしましょう。 |>心を込めて祈った… |>…? |>どこからか、風が吹いてきた… |>…10000円を手に入れた。 松永 綾音|それじゃ、リンゴ飴買っていいですか? |らっしゃ~い! うちのは世界一うまいリンゴ飴だよ! |おっ、可愛いねぇ。 小学生? 松永 綾音|しょ、小学生じゃないですっ!! |あ~、中学生かい、ごめんよぉ。 福引券、おまけしちゃうから許してちょ! |色んな屋台で買い物すると そこの鳥居んとこでクジ引けるんだよ。 |豪華賞品からイマイチなものまで 取り揃えてるよ~! 松永 綾音|こ、こうなったら福引、やってやります! |>心なしか、綾音の目が据わっている… 松永 綾音|リンゴ飴2つください! 松永 綾音|私、両手で食べてやります! 松永 綾音|お好み焼き、2枚ください! 松永 綾音|先輩の分と、先輩の分です! 松永 綾音|わぁ、見て先輩。 ちっちゃくって可愛い… 松永 綾音|飼いたいな… 松永 綾音|…カメの水槽に入れても平気ですよね? |はいはい…えーと、クジ2回だね。 |んじゃ、紙持ってくるから引いてくれな。 松永 綾音|先輩と私で、1回ずつですね! 先輩のためにも、頑張ります! |ほいほい、目をつぶって引いてごらん。 |>… |>……… |>1枚引いた… |おっと来た! 松永 綾音|あっ、当たりですか!? |うん、6等。 松永 綾音|ろ… 松永 綾音|…景品は何ですか? |本だね。 |お嬢ちゃんにはまだ読めないかな? 漢字がいっぱいあるからね。 |隣のお兄ちゃんに渡しておくね。 お兄ちゃんはハズレだったから。 松永 綾音|うぅ…お兄ちゃんじゃないです… 松永 綾音|本…先輩にあげます。 |>…この神社が監修したのだろうか。 松永 綾音|そろそろ帰りましょうか。 松永 綾音|今日、ありがとうございました。 また遊んでくださいね。 |>綾音と別れ、 家に帰ることにした… |>綾音は、もじもじしている… |>辰姫神社… |>昨日に引き続き、屋台が出ている… |>まずは、お参りしようか… |>何をお願いしようか… |女の子との仲が深まりますように |学業成就 |お金が欲しい |>…女の子たちの顔を思い浮かべて祈ると、 何となく、仲が深まった気がした。 |>心を込めて祈った… |>…? |>どこからか、風が吹いてきた… |>…10000円を手に入れた。 |>知り合いは誰もいない… |>祭りも、特ににぎわっていない… |>…適当に屋台を巡って帰ることにした。 |>夏休みも後半に差し掛かったが、 どうやら菜々子は宿題が残っているらしい… |>聞いてみると、量が非常に多そうだ。 |>菜々子の学校の方針で、 “家族で一丸となって乗り越えてもらい、 絆を深める目的”らしい。 |>…菜々子一人では難しい量だ。 |>今夜から数日の間、 夜は菜々子の宿題を見てあげようか… 堂島 菜々子|いいの!? 堂島 菜々子|ありがと、お兄ちゃん! 堂島 菜々子|えっと…じゃあ今日は、 かんじの、かきとりやるね。 |>菜々子は一生懸命、 漢字を書き取っている… |>教えることは無さそうだが… 一応、見ていることにした。 |>漢字の書き取りが終わったので、 菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 |見てあげる |見放す 堂島 菜々子|ん… 一人で、できるから… 堂島 菜々子|おやすみなさい… |>菜々子は部屋に戻って行った… |>今日も、菜々子の宿題を見ることにした。 堂島 菜々子|きょうは、こくご。 “ことわざを3つ書いてください”って。 堂島 菜々子|菜々子、ことわざ知ってるよ! えっと…“あまだれいしをうがつ” 堂島 菜々子|お父さんがね、言ってた。 堂島 菜々子|だれだろ? 花村 陽介|今日、ジュネスでイベントあってさ。 菜々子ちゃんにお土産持ってきたんだ。 花村 陽介|…って、あ、夏休みの宿題中? わー、かわいそう。 クマ|おっけ! お手伝いするクマ! クマ|えと…ことわざ…ことわざ? クマ|あ、クマ知ってる。 “我思う故に我在り”! 花村 陽介|何カッコいいこと言っちゃってんだよ… “ブタに真珠”ぐらいだろお前は… |>陽介とクマが来てくれたおかげで、 ことわざの宿題は無事、仕上がりそうだ。 |>みんなとの仲が深まった気がした… |>陽介とクマが帰った後、 菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 |>陽介とクマがやってきた。 |>今日も、菜々子の宿題を見ることにした。 堂島 菜々子|きょうは、さくぶん。 “なつやすみのおもいで”だって。 堂島 菜々子|うーん… 堂島 菜々子|また、だれかきたのかな? 里中 千枝|花村から聞いて、ちょっと顔出してみた。 人の宿題見てる場合じゃないけどさ。 里中 千枝|今日は作文なんだ? 菜々子ちゃん、何書くか決めた? 天城 雪子|まだ決まってない? 天城 雪子|んー、そうだね… この間、みんなでお祭り行ったことは? 堂島 菜々子|そっかー! イカ、おいしかったし、たのしかったね!! |>菜々子はスラスラと作文を書き始めた… |>千枝と雪子が来てくれたおかげで、 作文の宿題は無事、仕上がりそうだ。 |>みんなとの仲が深まった気がした… |>千枝と雪子が帰った後、 菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 |>千枝と雪子がやってきた。 |>今日も、菜々子の宿題を見ることにした。 堂島 菜々子|きょうは、ずこうだよ。 堂島 菜々子|“おうちにあるもので作りましょう” だって。 堂島 菜々子|ぎゅうにゅうパックと、ラップのしん… けいと…おりがみ… 堂島 菜々子|んー…何かあったっけ? 堂島 菜々子|また、だれかきたのかな? 久慈川 りせ|先輩らから聞いて来ちゃった。 仲間外れ、ズルーい。 久慈川 りせ|…けど、今日は図工かぁ。 私こういうの苦手なんだよなー。 堂島 菜々子|菜々子も… 巽 完二|どれ…貸してみ。 |>完二は細かい作業を黙々とこなしていく… |>…小学生とは思えぬ出来の 自由工作が出来上がりそうだ! |>みんなとの仲が深まった気がした… |>りせと完二が帰った後、 菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 |>りせと完二がやってきた。 |>今日も、菜々子の宿題を見ることにした。 堂島 菜々子|今日は、さいご。 堂島 菜々子|えにっき、かくのわすれてたんだ。 堂島 菜々子|えーっと… 堂島 菜々子|お兄ちゃんと…お父さんと… 堂島 菜々子|お兄ちゃんたちが…いっぱい… しゅくだいを…てつだって…くれました… 堂島 菜々子|やさしいから…だいすきです… |>菜々子の宿題は無事、終了した… |>菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 堂島 菜々子|えと、8月、27日… 堂島 菜々子|あ… 堂島 菜々子|てんき… 堂島 菜々子|ねえ、お兄ちゃん。 堂島 菜々子|ずこうのしゅくだいした日、 雨ふった? |ずっと雨だった |夜だけ雨が止んだ |ずっと晴れだった 堂島 菜々子|あっ、そっかー。 ありがと! |>菜々子は思い出したようだ。 堂島 菜々子|…そうだっけ? 堂島 菜々子|んー…と… |>菜々子は困惑してしまったようだ… 堂島 菜々子|…あっ、み、見ちゃだめ! |>今日も、菜々子の宿題を見ることにした。 堂島 菜々子|今日はね… 本をよんで、かんそう、かくんだって。 堂島 菜々子|えっと、こないだよんだ。 王様が森の中にひとりで、えっと… |>菜々子は一生懸命、 読書感想文を書いている… |>読書感想文が終わったので、 菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 堂島 菜々子|ひとりだから…おこることも… かなしいことも…なくて… 堂島 菜々子|王様は…しあわせだと…言ったけど… わたしは…かわいそうだと…おもいました… 堂島 菜々子|ねえ、お兄ちゃん。 堂島 菜々子|お兄ちゃんも、ひとりだと、しあわせ? |幸せだ |幸せじゃない |時と場合による 堂島 菜々子|そっか… 菜々子といっしょだね! |>菜々子は嬉しそうだ。 堂島 菜々子|そっか… 堂島 菜々子|お兄ちゃんのこと、かいておこうっと… |>今日も、菜々子の宿題を見ることにした。 堂島 菜々子|今日はね… すきな動物について、しらべるんだって。 堂島 菜々子|うーん… なんの動物にしよう… 堂島 菜々子|あっ、そうだ! こないだ、お父さんがくれた、ようふくの… 堂島 菜々子|えーっと、かものはし? かものはしにする! |>菜々子は一生懸命、 カモノハシについて調べている… |>教えることは無さそうだが… 一応、見ていることにした。 |>調べものが終わったので、 菜々子を寝かせ、部屋に戻った。 堂島 菜々子|あっ、そうだ! こないだ、お父さんがくれた、ようふくの… 堂島 菜々子|えーっと、かものはし? かものはしにする! 堂島 菜々子|かものはしは、 たまごから生まれるんだって。 堂島 菜々子|それに、どくのツメがあるんだって! 堂島 菜々子|…もんだいです! 堂島 菜々子|かものはしで、どくのツメがあるのは、 オスとメスのどっちでしょうか? |オス |メス |どちらにもある |どちらにもない 堂島 菜々子|うん、せいかい! 堂島 菜々子|お兄ちゃん、すごい。 ものしりはかせだね! |>菜々子は感心している。 堂島 菜々子|ブッブー、ちがいまーす。 堂島 菜々子|お兄ちゃんも、しらないことあるんだね! |>校内廊下… 一条 廣|郷土資料展だってよ、このクラス。 いいなー、楽そうで。 一条 廣|オレらのクラスなんて、劇だぞ劇! 恥ずかしいったらもう。 長瀬 大輔|まあそう言うな、ハム。 一条 廣|ハムじゃねーよ、ハムレット!! つか、やりたくねーの!! 一条 廣|“ロミオとジュリエットとハムレット”だぜ? もーそんなの、出オチじゃん!! 長瀬 大輔|…出オチなら明日の鳴上だろ。 一条 廣|お、そうだった! 明日のミスコン、見に行くからな! 長瀬 大輔|いいか、優勝狙えよ!! |>長瀬、一条と楽しく過ごした… 松永 綾音|い、いいいいいです! 先輩、ひとりで、ど、どうぞ!! 松永 綾音|こういうの、苦手で、 あの、あ、ああ汗出てきちゃった。 松永 綾音|せ、せせ先輩! やだ、ひとりにしないでくださいっ!! 松永 綾音|そ、そうだ、目をつぶって… 松永 綾音|きゃっ!! 松永 綾音|あいたたた… 松永 綾音|え、あれ? これ、え? 松永 綾音|わ!!! ご、ごめんなさい先輩!!! 松永 綾音|す、すみませんでした、先輩… 松永 綾音|その…おかげで、怖くなかったです… |>綾音と楽しく過ごした… 海老原 あい|…長鼻ぁ? 海老原 あい|さっむ。 絶対当たんないって、こんなの。 |ふふ… |自信があるようね… 海老原 あい|へえ、当たるんじゃん…意外に。 海老原 あい|なんなら、勝負する? アタシ結構、占いにはうるさいよ? |力量を知らない者は身を滅ぼすわよ… 海老原 あい|そんなこと言われて、 引き下がれるかっつーの! 海老原 あい|占い無制限一本勝負を申し込むわ!! アタシが勝ったら、この小屋、潰すわよ! 海老原 あい|占う内容は… 悠の女関係よ!! |ふふ… それなら尚のこと、私のほうが有利ね。 海老原 あい|…どういう意味? |>あいと賑やかに過ごした… |>コミュの友人と文化祭を見て回った… 小沢 結実|こっ! こんなとこ、入る気!? 小沢 結実|…な、何よ。 別に怖くないけど!? 小沢 結実|ちょっ… ま、待ちなさいよ!! 小沢 結実|こんなとこで、一人にしないでよ! 小沢 結実|そ、そうだ、 私もお化けになりきればいいんだ。 小沢 結実|お化け、お化け… 私はお化け… 小沢 結実|だから怖くない… 小沢 結実|いたっ!! 小沢 結実|いきなり掴まないでよ、 転んじゃっ… 小沢 結実|鳴上くん…でしょ? 小沢 結実|だっ、だれ!? 小沢 結実|や、やだ! やだ、もう出る!! 小沢 結実|もう帰るぅ!! 小沢 結実|だ、誰にも言わないでよね。 小沢 結実|ていうか別に、 怖くなかったし!! 小沢 結実|もう…バカ! |>結実と楽しく過ごした… |>12月23日、夜… |>明日は、クリスマスイブだ… |>メールが届いている… |>クリスマスパーティは、 なぜか自宅で行うことになった… |>とりあえず、ケーキは用意した。 花村 陽介|ご、ごめんな。 俺んちの予定だったんだけど、今朝… 花村 陽介|アレが… 巽 完二|い、言わなくていいっスよ、その先! クマ|ゴッキーが出たのよね。 花村 陽介|しかも…たくさん… クマ|ジュネスでもらったお菓子を食べられたクマ。 食べ途中だったのに… 花村 陽介|お前が食べかけ放置してっから… 花村 陽介|そういうわけで、殺虫剤まみれのウチじゃ 人間もやられちゃうからさ。 クマ|ここに来たってわけクマ。 巽 完二|く、来んじゃねーよ! 巽 完二|オマエ絶対その着ぐるみん中、 何匹か…うおぉぉぉ怖ェ! クマ|まーまーカンジ。 細かいことはいいクマ。 クマ|今日はクリスマクマよ? 美味しく楽しくパーティするクマ! クマ|男だらけでムサムサなのも、 我慢してやるクマから! 花村 陽介|やー、ほんと見事に男だらけだな。 来年は女の子と… 花村 陽介|…って、いいよな、来年のことは。 巽 完二|じゃー、歌でもいっときます? クマ|おっし、プレゼント交換するクマ! 花村 陽介|え、いいよそういうのは! 第一、プレゼントなんて… クマ|持ってきたクマよ。 ジュネスから。 巽 完二|も、持ってきたぜ。 手作りで。 巽 完二|鳴上先輩はケーキ買ってきたし。 花村 陽介|な…なーんちゃって!! ね!! 花村 陽介|実は持ってるんでーす! ほ、ほら…ヘッドフォン!! 巽 完二|アンタのでしょーが。 花村 陽介|ま、間違えただけだって! ホントは、えっと… クマ|ポッケのノドアメも、ヨースケのクマ。 花村 陽介|わ、分かった分かった! 花村 陽介|う…歌でも歌っとくから、俺が! その間にクマと完二でプレゼント交換しろ! 巽 完二|…それ、意味あるんスか? クマ|よーし、カンジのプレゼント、 ゲットするクマよー! |>男だらけの、楽しいクリスマスの夜が 更けていった… |>…? |>自宅で、千枝と二人きりの クリスマスパーティだ… 里中 千枝|えっと… こ、こういうの初めてだから緊張するな… 里中 千枝|その…なんか、不思議だよね。 里中 千枝|去年のこの日は、鳴上くんのことなんて 知らなかったわけだし。 里中 千枝|でも今年はこうして、二人で… 里中 千枝|し、あわせ、だなー…とか… 里中 千枝|…や、ちょっと恥ずかしいんだから ツッコミ入れてよね! |>千枝なりに、クリスマスを 楽しんでいるようだ… 里中 千枝|ケーキ、美味しそうだね! 鳴上くん、センスいいじゃん。 里中 千枝|えっとね、これ…あたしから。 里中 千枝|絶対、似合うと思うよ! 里中 千枝|それは、買ったやつだけど… 来年は手編みに挑戦しようかな。 里中 千枝|…来年も、一緒にお祝いしたいな。 |もちろんだ |先のことは分からない 里中 千枝|うん… 里中 千枝|もー、またそうやってイジワル言う!! |>楽しいクリスマスの時間を過ごした… 里中 千枝|あ、もうこんな時間… 里中 千枝|あ、あのね… あたし、今日…さ… 里中 千枝|雪子のところに行くって、 言ってきたんだ… 里中 千枝|あ…と、雪子のとこなら… 親は心配しないし… 里中 千枝|前は、しょっちゅうあったし… その… 里中 千枝|つまりね、えっと…そ、そういうこと! 里中 千枝|な、なに…さっきからニヤニヤして! 里中 千枝|…もう、バカ。 |>クリスマスイブの夜は更けていく… |>自宅で、雪子と二人きりの クリスマスパーティだ… 天城 雪子|今日はね、家から追い出されちゃった。 天城 雪子|いつもみたいに手伝ってたんだけど、 ジャマだ、迷惑だとか言われて… 天城 雪子|そんな心配されなくても、 デートぐらい、ちゃんと出来るんだから… 天城 雪子|ふふっ、でも嬉しいな… |>雪子はクリスマスを 楽しんでいるようだ… 天城 雪子|ケーキ、どうもありがとう。 すごく美味しそうだね。 天城 雪子|私も、プレゼントあるの… 天城 雪子|あなたは…帰るところがあるでしょう。 天城 雪子|だから、それを… 私の代わりに、連れて行ってもらおうと思って。 天城 雪子|私は、ここに残るから… 天城 雪子|ふふっ、やめよう、こんな話。 せっかく事件も終わったのに、暗いのは変だね。 天城 雪子|私、どうしてあなたを 好きになったんだろう… |仕方ない |後悔してるの? 天城 雪子|ふふっ、自信たっぷり… 天城 雪子|うん、でも…そうだね。 あなたのこと、好きにならずにはいられなかった。 天城 雪子|だから…辛いのも、仕方ないよね… 天城 雪子|えっ、違うったら… 天城 雪子|…もう! |>雪子と楽しいクリスマスの時間を過ごした… 天城 雪子|えっと、あと… クリスマスって、何をするのかな… 天城 雪子|あ、私…毎年旅館のほうが忙しかったから、 クリスマスパーティって、初めてなの。 天城 雪子|…それに付き合ったりしたのも、 初めてだし… 天城 雪子|…だから初めてが、 鳴上くんで嬉しい… 天城 雪子|その…前も、そう思ったよ。 天城 雪子|鳴上くん… 天城 雪子|えっと… 天城 雪子|…? 天城 雪子|…帰らなくてもいい…よね? 天城 雪子|今日…夜は千枝のところに 遊びにいくかもって、いってあるの… 天城 雪子|ずっと…ここにいるね… 天城 雪子|好き…だよ。 |>クリスマスイブの夜は更けていく… |>自宅で、りせと二人きりの クリスマスパーティだ… 久慈川 りせ|あ、あ~… けほっ。 久慈川 りせ|何か喉がヒリヒリしてる。 ボイトレ行ったせいかな? 久慈川 りせ|はー、ブランクが憎い… 久慈川 りせ|…けど、それはそれ、これはこれ! 久慈川 りせ|今日はクリスマス、しかも先輩と… だもんね! |>りせはクリスマスを 楽しんでいるようだ… 久慈川 りせ|先輩、ケーキ買ってくれたんだ! こういうの大好き! ありがとう! 久慈川 りせ|私も、プレゼント用意したんだ! 久慈川 りせ|それ、一点ものなんだよ。 久慈川 りせ|…実は、私がデザインしたんだ。 沖奈市の教室通って、作ったの。 久慈川 りせ|ちょっと不恰好だけど… りせの愛がぎゅっと練りこんであるから! |ありがとう |重たい… 久慈川 りせ|うん、使ってね。 久慈川 りせ|りせの愛が重いってこと? 久慈川 りせ|先輩、ヒヨワなんじゃない? もっと鍛えなきゃ! |>りせと楽しいクリスマスの時間を過ごした… 久慈川 りせ|…先輩、私、今日帰らなくてもいい? 久慈川 りせ|先輩が向こうに帰っちゃって… 私が芸能界復帰したら… 久慈川 りせ|…なかなか、会えなさそう。 久慈川 りせ|だから… 久慈川 りせ|もっと、クリスマスの思い出、欲しい。 久慈川 りせ|…いいよね? |>クリスマスイブの夜は更けていく… |>自宅で、直斗と二人きりの クリスマスパーティだ… 白鐘 直斗|あ、えと、その… 寒いですね! 白鐘 直斗|あ、やっ、その… 白鐘 直斗|す、すみません… あなたと二人だと思うと… |>直斗はもじもじしている… 白鐘 直斗|ケーキ…すごいですね。 子どもの頃に戻ったみたいです。 白鐘 直斗|僕からも、渡したいものがあるんです。 取りに帰ってたので、遅くなってすみません。 白鐘 直斗|オモチャの時計を改造したんです。 機能は、時間が分かること、それから… 白鐘 直斗|その…僕の居場所が分かること、です… 白鐘 直斗|…オモチャなので、半径何メートルに いるかが分かるだけですけど。 白鐘 直斗|ち、ちなみに、僕の時計にも同じ機能が… 白鐘 直斗|あなたの居場所が分かる…んです。 |嬉しいよ |ストーカー? 白鐘 直斗|…そう言ってもらえると…嬉しいです。 白鐘 直斗|きっと春からは… “測定不能”になっちゃいますけど。 白鐘 直斗|それまでは…できるだけ、そばに。 白鐘 直斗|ちっ…違います! 白鐘 直斗|ちが… 白鐘 直斗|…違わない、のかな。 白鐘 直斗|僕、あなたのことばかり考えてるし… 白鐘 直斗|少しでも…そばにいたいと思ってる。 |>直斗と楽しいクリスマスの時間を過ごした… 白鐘 直斗|そ、その… もっと、そばに行ってもいいですか… 白鐘 直斗|や、やっぱり、寒いですし… 白鐘 直斗|きょ、今日は、ずっといてもいいですか… 白鐘 直斗|あなたを…感じていたい。 |>時計には“半径1m以下”と 表示されている… |>クリスマスイブの夜は更けていく… 白鐘 直斗|そ、その…あなたに、 最初に見てもらいたいものがあって… 白鐘 直斗|僕の… 白鐘 直斗|あ、えっと…わ、わたしの… 白鐘 直斗|学校の制服、なんですけど… 白鐘 直斗|“わたし”のほうがいいって、言うから… 白鐘 直斗|もう少し、女の子らしくしようかと… 白鐘 直斗|そ、それに本来は校則、違反してるから… 白鐘 直斗|着替えてきます… 白鐘 直斗|薬師寺さんが用意してくれて… 白鐘 直斗|靴下とか、こ、これでいいのかな。 スカート短すぎますよね… |可愛いよ |元のほうが似合うね 白鐘 直斗|やっ…やめてください! 白鐘 直斗|すぐに…そうやって… 白鐘 直斗|もっ…もういい! 脱いできます! 白鐘 直斗|や、やっぱり、学校には 前ので行きます… 白鐘 直斗|何か…変だから。 白鐘 直斗|…でも、見せられてよかった。 白鐘 直斗|…え? 白鐘 直斗|ず、ずっとってことですか…? 白鐘 直斗|ア、アリバイなら… 作れると思うけど… |>自宅で、あいと二人きりの クリスマスパーティだ… 海老原 あい|うちのパーティ、抜け出してきちゃった。 海老原 あい|パーティって言っても、 父親の仕事の行事だからさ… 海老原 あい|それに会いたかったし…さ。 |>あいはクリスマスを 楽しんでいるようだ… 海老原 あい|てワケで、ちょっと食べてきちゃったから… ケーキはあたし、半分の半分でいいよ。 海老原 あい|ケーキの残りと、これは、アンタにあげる。 海老原 あい|カッコいい男は、カッコいいものつけないとね。 海老原 あい|ちなみにー、あたしもお揃い。 海老原 あい|あははっ、ペアリングとか超ヤバくない? そんなこと、絶対しないと思ってた! 海老原 あい|…けど、なんかさ。 悠と同じもの、つけてたいって言うか… 海老原 あい|近くに…感じてたいって言うか… 海老原 あい|あたしきっと…約束が欲しいのかも… 自信とか、あんまり無いからさ… 海老原 あい|その… あたしのこと…ずっと好きでいてくれる…? |もちろん |分からない 海老原 あい|ほんと!? 海老原 あい|えへへ…何か、幸せ? 海老原 あい|もー! こっちは真剣に話してるの!! |>あいと楽しいクリスマスの時間を過ごした… 海老原 あい|あ、もう結構遅いんだ… 海老原 あい|…時計禁止!! 見ちゃダメだから!! 海老原 あい|…あ、あのさ。 海老原 あい|今日は、帰りたくないな… 海老原 あい|ずっと…傍にいたいよ… |>クリスマスイブの夜は更けていく… |>自宅で、結実と二人きりの クリスマスパーティだ… 小沢 結実|何か…やっぱりいいね、クリスマスって。 結構、嫌いだったんだけどさ。 小沢 結実|私ね、サンタさんずっと信じてたんだ。 周りは“サンタはお父さんだ”って言ってたけど… 小沢 結実|それでも、“違うよ!”って。 “だって一番欲しいもの、くれるもん!”って。 小沢 結実|けど、ある年からサンタが来なくなって… やっぱりサンタはお父さんだったって、知ったの。 小沢 結実|今考えると、よくお父さん、 私の欲しいもの分かったよなー。 小沢 結実|ふふっ…親って、意外とすごいのかもね。 |>結実は懐かしそうな目をしている… 小沢 結実|あ…ごめんね、何か湿っぽい話! 小沢 結実|ケーキ、食べようか? こんな丸ごとのなんて、久しぶり。 小沢 結実|あ、そうだ。 私もプレゼントあるんだ。 小沢 結実|あ…外した!? 小沢 結実|ご、ごめん… 男の子って、何が嬉しいか分からなくて… 小沢 結実|その…私も昔、こういうので遊んだなーと… ご、ごめんね。 |嬉しい |何でも嬉しい 小沢 結実|そ、そう? 良かった… 小沢 結実|そ、そういうもの? 小沢 結実|そっか、同じ…だね。 |>結実と楽しいクリスマスの時間を過ごした… 小沢 結実|…今日、ここで良かった。 小沢 結実|外だったら、ホント… 顔、赤くて恥ずかしいから。 小沢 結実|もう…私、全然下手だよね、演技… 小沢 結実|こんなハズじゃ無かったのにな… 小沢 結実|…バカ。 責任、取ってよね… 小沢 結実|好きだよ… 小沢 結実|そんな…見ないでよ… 小沢 結実|もう… 目、つぶってよ。 小沢 結実|そしたら…そっち、行くから… |>クリスマスイブの夜は更けていく… |>自宅で、綾音と二人きりの クリスマスパーティだ… 松永 綾音|クリスマスって、えっと… 家族で祝ったことしか無くて… 松永 綾音|いつも、最後に豆まきになるんですけど… 多分、違います…よね? |>綾音は恥ずかしそうだ… 松永 綾音|あ、あの、ケーキ…美味しそうですね。 先輩、用意周到で素敵です! 松永 綾音|えと、私からもプレゼントがあって… 松永 綾音|編み物、好きなんです。 先輩にすごく合いそうな毛糸があったので… 松永 綾音|その…学校でも編んで、 先生に取り上げられちゃったりしました。 松永 綾音|きっと、先輩を温めてくれると思います! |ありがとう |綾音に温めて欲しい 松永 綾音|ふふっ、どういたしまして! 松永 綾音|えっ!? 松永 綾音|あ、ああああの… 松永 綾音|い、いいです、けど… 松永 綾音|な、何で笑ってるんですかっ! |>綾音と楽しいクリスマスの時間を過ごした… 松永 綾音|あ、もうこんな時間… 松永 綾音|…あ、あの。 松永 綾音|…もう少しだけいてもいいですか。 松永 綾音|両親、今旅行にいってて、 帰っても一人なので…その… 松永 綾音|あ、少ししたら帰りますから… 松永 綾音|…え? …ずっと…ですか… 松永 綾音|…先輩と一緒なら、いいですよ。 |>クリスマスイブの夜は更けていく… |>天城屋旅館… 天城 雪子|いらっしゃいませ…あら? 天城 雪子|鳴上くん… そっか、明日、出発だもんね。 天城 雪子|一足先に、挨拶に来てくれたんだね。 ありがと… 天城 雪子|…嬉しい。 天城 雪子|今日をね…普通の日みたいに、 過ごそうと思ったの。 天城 雪子|いつもの休日のように、家の手伝いして… ゆっくりお風呂つかって、寝ようって… 天城 雪子|そしたら泣かずに、明日… さよならを言えるって…思った。 天城 雪子|ふふ、でも全然ダメ… あなたのことばかり考えて… 天城 雪子|忘れたくても、こうして… 来ちゃうんだもの。 天城 雪子|…ひどい。 天城 雪子|追いかけて行っちゃうんだから。 天城 雪子|ふふ、ウソ…今のところ。 天城 雪子|私ね…女将になるって決めたら、 急に怖くなったことがあるの… 天城 雪子|“私に務まるだろうか”って… 天城 雪子|ここで働いてくれるみんなを、 私が本当に守っていけるのかって… 天城 雪子|今までそんなこと、考えたことなかった… 天城 雪子|だけど、自分で決めたことだから… 選択したなら、責任取らないとね。 天城 雪子|一生懸命、体当たりしてみる。 天城 雪子|鳴上くんも、いてくれるから… 天城 雪子|離れてても…一緒だよ。 天城 雪子|あなたを裏切らないよう、 辛くても逃げないって誓う。 天城 雪子|辛くても目を開けていようって思うんだ… 天城 雪子|…アメノサギリが言ってたでしょう。 “人が望む限り私はいつでも現れよう” 天城 雪子|私は、そんな未来望まない… 天城 雪子|ずっとゴマかしてきたぶん、 ちゃんと、自分と向き合うって誓うよ。 天城 雪子|鳴上くん…ありがとう。 天城 雪子|…好きだから、ずっと。 天城 雪子|ずっと、大事な友達だよ。 |>雪子との固い絆を感じた… 天城 雪子|え、えっと…し、仕事中だから! 天城 雪子|じゃあ、またね… |>稲羽市立病院… |>ナースたちの噂話が聞こえてくる… |そう言えば、聞いた? 上原さん。 |>小夜子の噂をしているようだ… |NGOで、アフリカ行ったんだって。 |アフリカ!? なんでまた…そんなタイプじゃなくない? |けど、最後のほうは真面目だったじゃん。 休憩の時なんか、必死に勉強してたよ? |皆で、ほら、何だっけ…マヨナカテレビ? あの話とかで盛り上がってても無視でさ。 |あったねー、そんな噂。 誰が言ったか知らないけどさぁ。 |って、確かにそーゆう時、 上原さんいなかったかも。 |何か、英語の勉強とかしてなかった? |英語と、現地の言葉みたいのと… あと医療系の本すっごい読んでた。 |ふうん…けど、アフリカ? NGO? そんなの何になるんだろ。 |結婚して子ども生んで専業主婦になるのが 一番良くない? |んー…私もそう思ってたけど、 上原さん見てたら…どうだろうね。 |…上原さん、恋人いたみたいだけど。 しかも年下の! |ひょっとしてあの子じゃない? ほら、ここでバイトしてた… |詳しく知らないけどさぁ、 大事な人みたいで… |“胸張って隣に立てるよう、 一生懸命生きてみる”って上原さんが… |一生懸命、ねぇ… |…そう言われると何か。 |うん…身につまされるって言うか。 |…サボってないで、がんばろっかー。 |>小夜子は遠い地で、頑張っているらしい… |>小夜子はいなくなってしまったが、 小夜子がいた意味は、あったようだ… |>小夜子との固い絆を感じた… |>町に戻ることにした… 黒田 ひさ乃|今日はね、夫のお墓参りに来たの。 そしてここで川を見てたの、前みたいに… 黒田 ひさ乃|そうしたらあなたが来るんだもの、 本当に驚いたわ。 黒田 ひさ乃|今はね、子どもと孫と住んでるのよ。 すごく良くしてくれてるの。 黒田 ひさ乃|…あなたに、子どもたちの話をほとんど しなかったって、後から気付いたわ。 黒田 ひさ乃|私…きっと自分から、 子どもたちを遠ざけてたのね。 黒田 ひさ乃|すがってしまいそうだったから… 黒田 ひさ乃|あの子たちも一人の人間として生きてるのに、 私みたいなお荷物抱えさすのは可哀想でしょ? 黒田 ひさ乃|だから… 私を、死んだことにして欲しいと思ってた。 黒田 ひさ乃|でもね… 一緒に住んで、歓迎されて… 黒田 ひさ乃|面倒見てもらってるけど、 私だって孫の面倒を見てるの。 黒田 ひさ乃|ふふ… ギブ・アンド・テイクって言うのかしら? 黒田 ひさ乃|ちゃんと…居場所があった。 黒田 ひさ乃|勝手に無いと思い込んでただけで… 黒田 ひさ乃|家族なんだから… もっと前にちゃんと、話せばよかったわ。 黒田 ひさ乃|あの子たちだって、“お父さん”を失って 悲しかったはずなんだから… |今は幸せ? |もう悲しくない? 黒田 ひさ乃|ええ、とっても… 黒田 ひさ乃|そうね… 悲しくなる時がある…と言ったらいいかしら。 黒田 ひさ乃|時々… 幸せだからこそ、悲しいと思うことがあるの。 黒田 ひさ乃|あの人も、この幸せを 感じたかったろうと思うとね… 黒田 ひさ乃|だから… 私にできることは、長生きだと思うのよ。 黒田 ひさ乃|幸せをいっぱい感じて… “向こう”であの人に報告してあげるの。 黒田 ひさ乃|“おまたせ”ってね… 黒田 ひさ乃|だから私、何も怖くないのよ。 ほんの少し、寂しいだけ… 黒田 ひさ乃|ふふ、そうだわ。 この町で起きてた大きな事件のことも 一から話さなくっちゃ。 黒田 ひさ乃|この1年に起きた沢山のこと… 恐ろしい事件があって、ひとまず終わったこと… 黒田 ひさ乃|それから、素敵なあなたのこともね。 黒田 ひさ乃|…ふふ、ごめんなさい。 また長話に付き合わせちゃったわね。 黒田 ひさ乃|まだ行くところがあるんでしょう? そんな顔してるわ。 黒田 ひさ乃|キリッとした大人の顔… ふふ、悠ちゃん…いい男になったわね。 黒田 ひさ乃|ま、夫には負けるかしら? ふふ… 黒田 ひさ乃|それじゃあね…体に気をつけて。 黒田 ひさ乃|あなたの人生は…まだまだ、長いのだから。 |>ひさ乃との固い絆を感じた… |>ひさ乃は振り向かずに行ってしまった… 黒田 ひさ乃|私ね、最近こう思うの。 黒田 ひさ乃|生きてても死んでいても、 大事なことは変わってないって… |>辰姫神社… |>神社は繁盛しているのか、 所々が金ピカになっている。 |>キツネの姿は無い… |>どこかへ行ってしまったのだろうか… |ワカモンが、神社なんかに用かいなー? |ここも一時は多くの人が来なさったがなー、 最近はとんと、ブームーが去ってなー。 |賽銭ドローの被害もあったちゅうから、 取り壊しするーゆうてなー。 |ナンや、キツネーも棲みついとるちゅーてな、 保健所が来るとか来んとかなー。 |んなウワサーも、色々聞いちょるでなー。 |ウワサちゅーたら、 ホラあったやろ、霧で具合悪ぅなるとかなー。 |えーと、マヨナカラジオ…? とかゆーんが 流行っとったなー。 |孫ら、みんな夢中で試しとったわー。 |ワシらん小さい時も、似たのん流行っとったで。 あん時ぁ、誰が言い出したんやろなー。 |…あ、思い出したわぁ。 孫にジュース頼まれてたんやったなー。 |>おじいさんの言うとおり、 キツネは保健所に連れて行かれたのだろうか… |>戻ることにした… |>何かの気配がする… |>どうやら、キツネとその子どもたちのようだ… |>キツネ一家に歓迎されているようだ… |>どうやら、 仲良く楽しくやっているらしい… |>幸せそうな様子をしばらく堪能し、 キツネとの固い絆を感じた… |>演劇部部室… |>結実がたたずんでいる… 小沢 結実|鳴上くん… 小沢 結実|思いが通じた? …なんてね。 小沢 結実|今日、提出物があって来たんだけど… 部室の前まで来て、急に…懐かしくなってさ。 小沢 結実|ここで一緒に部活、やったよね… 小沢 結実|話…あるんだ。 小沢 結実|まだグチャグチャだけど…私の気持ち、 話しておくよ。 小沢 結実|鳴上くんがくれた気持ちだから… 小沢 結実|私、来年は生徒会に入ろうと思う。 学校のために何かやってみるのもいいかなって。 小沢 結実|それと何か、地域の活動とかもやってみたい。 …ふふ、今ね、ガスマスクの廃棄方法で 町内モメてるの。 小沢 結実|霧が収まったから捨てたいの分かるけど… でもまた出たら、どうすんだろね。 小沢 結実|あ、ジュネスでアルバイトも始めるんだ。 食品売り場のレジ打ち…結構、向いてない? 小沢 結実|部活もね、何かやってみたい。 演劇も…ちょっと戻りたい。 小沢 結実|私ね… 私のいる世界を、ちゃんと生きてみたい。 小沢 結実|だから、手当たり次第でも色々、やってみるよ。 小沢 結実|私がすべきこと…考えたの。 小沢 結実|私がすべきこと…それはね、 お父さんが私をこの世に送り出した、 その意義を…作り出すことだろうって。 小沢 結実|でね、それは、 私だけが満足して生きててもダメで… 小沢 結実|何かを、しなきゃいけないと思うんだ。 私より長く生きる“誰か”のために… 小沢 結実|生きるって…きっと、たくさんの人に バトンを渡すことなんだよ。 小沢 結実|血とか遺伝子とかじゃなくて… “想い”…みたいなもの。 小沢 結実|私もバトン、もらったから… 走って、走って、渡さなきゃね。 小沢 結実|まずは、鳴上くんに “良い実”を渡せるよう、探してみるよ。 小沢 結実|たまには、帰って来るよね? 小沢 結実|…まずは、彼氏でも作ろうかな? 小沢 結実|去ってっちゃうあんたを 想っててもしょうがないし。 小沢 結実|ていうか、フラれてるし! 小沢 結実|…鳴上くん以上の人なんて、 きっと、いないと思うけどさ。 小沢 結実|…行ってらっしゃい。 体だけには気をつけて。 小沢 結実|離れてても、大事な人だって 言うのは変わらないから。 小沢 結実|一人じゃないから… 頑張ってね。 |>結実は懸命な笑顔で 励ましてくれている… |>結実との固い絆を感じた… |>音楽室… |>綾音がトロンボーンを吹いている… 松永 綾音|あ、先輩!! 松永 綾音|ちょ、ちょっと待ってください、 片付けますから! 松永 綾音|今日、音合わせだったんですよ、吹奏楽部。 入学式で演奏するので、みんな集まって… 松永 綾音|鳴上先輩には、 声、掛けませんでした。 |呼んでくれ |必要無い 松永 綾音|だって…明日、ですよね。 出発… 松永 綾音|お忙しいのに…呼べないです。 松永 綾音|顔見たら、泣いちゃいそうでしたし… 松永 綾音|あ、そ、そうだ。 霧も晴れて、よかったです。 松永 綾音|先輩が来てからこの町、霧ばっかりだったし、 その、いい印象無かったかもって… 松永 綾音|だから、最後…晴れてよかったです。 …なんて、明日出ちゃったらどうしましょうね! 松永 綾音|…そうですよね。 松永 綾音|出発…明日、ですよね。 松永 綾音|あ、そ、そうだ。 霧も晴れて、よかったです。 松永 綾音|先輩が来てからこの町、霧ばっかりだったし、 その、いい印象無かったかもって… 松永 綾音|だから、最後…晴れてよかったです。 …なんて、明日出ちゃったらどうしましょうね! 松永 綾音|先輩、聞いて欲しいんです。 松永 綾音|私、高校を出たら留学しようと思います。 その…音楽で! 松永 綾音|ちゃんと楽器と向き合って、音楽と 向き合ってみたら、夢中になってしまって… 松永 綾音|私はずっと、上手に吹こうとしてました。 松永 綾音|けど音楽って…違うんですね。 表現…なんですよね。 松永 綾音|私は、表現しようとして… 自分の中に表現するものが無いってこと、 気付きました。 松永 綾音|それが…辛くて… 松永 綾音|でも先輩にチケット渡したし、 逃げたくないって思って頑張ってたら… 松永 綾音|少しずつ、分かってきました。 松永 綾音|誰もが、自分と戦ってること… 松永 綾音|毎日、昨日の自分と戦って、 ほんの少しの一歩を進むために頑張ってること… 松永 綾音|それが分かったから私… もうきっと、音楽やめられないです。 松永 綾音|先輩… 2年後は私、遠い国に行ってると思います。 松永 綾音|だから明日、先輩が引っ越しても… 予行演習だと思って、泣かない。 松永 綾音|離れてるけど… ずっと… 松永 綾音|…あ、愛してます、から。 松永 綾音|…先輩は、大事な人、です。 松永 綾音|…留学のこと、親に相談したら すぐ了承してもらえたんです。 松永 綾音|“綾音は昔からガンコだから、 自分で出した答えは曲げない”って… 松永 綾音|ふふ… 私、自分なんて無いぐらいに思ってたのに。 松永 綾音|親って…よく見てるものですね。 松永 綾音|先輩…いってらっしゃい。 松永 綾音|いつか私のことも、 “いってらっしゃい”って送り出してね… |>綾音は震える声で、必死に 挨拶をしてくれた… |>綾音との固い絆を感じた… 松永 綾音|…行ってください。 見ないで… |あら、鳴上君ね。 |明日出発ですって? 完二が寂しがっちゃってねぇ。 巽 完二|な…っ! るっせ、クソババァ!! |クソババァは止めなさいって言ってるでしょ! |それよりほら、話しておかないの? “手芸教室”のこと。 |鳴上君、この子のこと、 これからも宜しくお願いしますね。 |たまにはこっちに遊びにいらっしゃいな。 それじゃあね。 巽 完二|聞い…たっスよね、さっきの… |手芸教室? |寂しがってる? 巽 完二|う… 巽 完二|う… 巽 完二|そ、それもっスけど、 そうでなくて… 巽 完二|手芸…教室のこと。 巽 完二|その…店に置いてたあみぐるみが評判で… 作り方を教えてって、よく言われて… 巽 完二|んで、その… お、教えることにしたっス、オレが… 巽 完二|わ、笑いたきゃ笑えばいいじゃないスか! |笑う |笑わない |笑えない 巽 完二|うぅ… ホントに笑うことないじゃないスか… 巽 完二|…先輩。 巽 完二|うぅ… さりげなく傷つくこと言いますね… 巽 完二|…けど、オレが決めたんスよ。 巽 完二|知りたいなら…オレに教えられるなら… やってみようって。 巽 完二|や、やっぱ恥ずかしいスけどね… 巽 完二|けど、その… 巽 完二|人のために何かするのって、 悪くないっつか… 巽 完二|…ハハ。 巽 完二|先輩の…おかげっス。 巽 完二|…あざっした!! |>完二はすっきりと笑っている… |>完二との固い絆を感じた… 巽 完二|他の人らにも挨拶回るんスか? 巽 完二|まぁ…この別れが最後じゃないっスよ。 巽 完二|んな浅い絆じゃねえはずだ… あんな事件のおかげっちゃ、おかげなんスかね。 巽 完二|事件か… アレ、終わったんスよね。 巽 完二|足立のヤローも捕まえたし、霧も晴れたし… 巽 完二|…やっぱこれも、先輩のおかげっスね。 巽 完二|先輩、振り向かねえで行けよな。 巽 完二|それじゃ。 マーガレット|…来たわね。 マーガレット|貴方を待っていたわ。 マーガレット|挨拶をしておきたかったの。 …個人的にね。 マーガレット|でも、伝えたいのは “別れの言葉”じゃない… マーガレット|言ったでしょう? マーガレット|時に、千の言葉よりもひとつの行動が、 心を震わせる… マーガレット|私と貴方の心を、共に震わせる行い… 分かるかしら? |別れの握手? |別れのキス? マーガレット|あら? そんな事で満足? マーガレット|ふふっ… マーガレット|“住人”としては…きっとこれは罪ね。 マーガレット|じゃあ…目を閉じて。 マーガレット|何故かですって…? マーガレット|罪の瞬間を、貴方が目撃しないためよ。 マーガレット|ん… |>マーガレットとの固い絆を感じた… マーガレット|なぜ奪ったか…なんて今度は訊くのかしら。 でも、ほんとの盗人は貴方のほうだわ。 マーガレット|ふふっ。 マーガレット|これが、最後の挨拶…なのかしらね? マーガレット|それじゃ…ごきげんよう。 |>高台… |せんせーだ!! 南 絵里|先生… 南 絵里|…あははっ、すごい偶然。 今日たまたま、ユータと来たの。 南 絵里|こういうのも、縁…なのかしら。 |>以前より、絵里の笑顔は明るい… |せんせー、あそぼー!! 南 絵里|こーら、ワガママ言わないの。 |勇太と遊ぶ |絵里と話す |やったーい!! |>勇太とひとしきり遊んだ… 南 絵里|ありがとね、遊んでもらっちゃって。 あの子ベンチで寝ちゃったわ。 |…おとなのはなし? |じゃあ、あっち行ってる。 ちゃんと、おわったらよんでね!! 南 絵里|ふふっ… ワガママだけど、人の気持ちは 大事にするのよ、あの子。 南 絵里|そう言えば、事件の犯人…捕まったでしょ? 南 絵里|何だか謎だらけみたいな事件だったし、 霧もスゴかったから、怖かったけど… 南 絵里|捕まったって聞いたとき、 真っ先に思ったのはユータのこと。 南 絵里|これで、ユータが危ない目に遭わずに 済んだって…体中から力が抜けたわ。 南 絵里|親って、子どもの人生が自分の人生なのね… 南 絵里|私ね…あの子には、ただ、 優しい子に育ってほしいと思うの。 南 絵里|人生は自分だけのものじゃないから… 南 絵里|人がいて…自分がいるものでしょう。 南 絵里|だから、人の痛みが分かる子になって欲しいの… 南 絵里|人に優しくすることが、 自分を満たしてくれるって…思うから。 南 絵里|ありがとね。 こんな風に思えたの、先生のおかげ。 南 絵里|私ずっと、人生なんて考えてこなかった。 南 絵里|瞬間が楽しければいいって… 人生なんて80年間の暇つぶしだって思ってた。 南 絵里|でも今は、周りが違って見える。 南 絵里|自分がいて、ユータがいて… 毎日小さなことで笑ってるとね… 南 絵里|…生きてるって、思うよ。 南 絵里|ふふっ、母親っていいでしょ? |>絵里の笑顔はまぶしい… |>絵里との固い絆を感じた… 南 絵里|そろそろ行かないと… 今日はユータとハンバーグ作る約束なの。 南 絵里|じゃ、またね、先生。 会えてよかった。 一条 廣|おあっ、出た! 長瀬 大輔|…ははっ、すげー偶然。 長瀬 大輔|お前の話してたんだ。 時間あるなら、ちょっと座ってけよ。 一条 廣|や、実はさー… 一条 廣|…え、えっとホラ、 この町の事件、ホントに終わったの!? って話をね… 長瀬 大輔|鳴上が明日行くのが寂しいって、 残されたモン同士、慰めあってたわけだ。 一条 廣|ハッキリ言うなよ、恥ずかしいだろ! 一条 廣|…ほんとは鳴上に会っときたかったけど、 忙しいかなと思ってさ… 一条 廣|したらお前、ここ来るんだもん。 オレの心遣い、何よ!? みたいなさー。 |>しばし、三人で楽しい時を過ごした… 一条 廣|あ、そうだ。 この際だから、伝えておくな。 一条 廣|オレ、高校出たら、 海外の大学に行こうと思うんだ。 一条 廣|向こうで勉強したいってのもあるし、 留学ってモノを言うから…“社交界”では。 一条 廣|一条家の役に立てるかなと思ってさ。 長瀬 大輔|…役に立つ立たないが問題じゃないだろ。 一条 廣|うん、分かってる。 これは、オレの意思だよ。 一条 廣|一条家に引き取られたからとか、 長男だからとかじゃなくてさ… 一条 廣|オレは、オレとして一条家を支えたいんだ。 当主じゃなくたって。 一条 廣|だからそのために、向こう行って来るよ。 こっちで学べないこと、多いから。 一条 廣|…あ、そしたら長瀬、 また“残されたモン”だなー、あはは。 長瀬 大輔|別に… 長瀬 大輔|鳴上にしても、一条にしても、 どこにいたって変わんねーし。 長瀬 大輔|しょっちゅう会えるから友だち、って わけじゃないだろ。 長瀬 大輔|な、なんだよ。 一条 廣|感動半分、気が抜けたの半分…? 一条 廣|これでも、何て切り出そうかなとか 悩んだんだからな! 一条 廣|鳴上にも直接言いたかったから、 明日の電車、オレも乗っちゃおうかなーとかさ! 長瀬 大輔|ははっ、それいいな。 ラーメンでも食って帰ろうか。 一条 廣|鳴上、その… 一条 廣|帰ってきて、いいんだからな! 一条 廣|ここ、お前のフルサトだからな! |>一条、長瀬との固い絆を感じた… 一条 廣|他も行くとこ、あるんだろ? 一条 廣|行って来いよ、明日もオレら見送り行くしさ。 それに、ほら…えっと。 一条 廣|いつでも、一緒だからさ。 長瀬 大輔|いつでも、一緒だからさー。 一条 廣|ちょ、繰り返すんじゃねー!! オメーの嫌いなメンマ食わすぞオラァ!! 一条 廣|おあっ、出た! 長瀬 大輔|…ははっ、すげー偶然。 一条 廣|お前の話してたんだ。 時間あるなら、ちょっと座ってけよ。 一条 廣|や、実はさー… 一条 廣|…え、えっとホラ、 この町の事件、ホントに終わったの!? って話をね… 長瀬 大輔|鳴上が明日行くのが寂しいって、 残されたモン同士、慰めあってたわけだ。 一条 廣|ハッキリ言うなよ、恥ずかしいだろ! 一条 廣|…ほんとは鳴上に会っときたかったけど、 忙しいかなと思ってさ… 一条 廣|したらお前、ここ来るんだもん。 オレの心遣い、何よ!? みたいなさー。 |>しばし、三人で楽しい時を過ごした… 長瀬 大輔|そうだ、夏の大会な、 ウチの部、狙えるかもしんねーんだ。 一条 廣|え、すごくね? 全国のアレだろ? 長瀬 大輔|このまま伸びてくれれば…の話だ。 一条 廣|けど、すげー進歩じゃん。 一条 廣|お前、最近指導が厳しいって評判だもんな。 1年が泣き入ってたぜ。 長瀬 大輔|…アイツら、手ェ抜くからな。 長瀬 大輔|それ見てて、一条が俺に怒った理由、 分かると思った。 長瀬 大輔|横で手ェ抜かれたら、すっげームカつくな。 一条 廣|あははっ! だろ? 長瀬 大輔|手ェ抜かないと、ツライけど… 手ェ抜いてるより、楽しいな。 長瀬 大輔|…鳴上がいれば、もっと良かったけど。 一条 廣|…まー、仕方ないよな、こればっかりは。 オレらみんな、食わせてもらってる身だからさ。 一条 廣|鳴上…遊び行くからさ。 お前も、来いよな。 一条 廣|あー、何かやめようぜ、シンミリは!! いつも通りに送ってあげたいじゃん。 一条 廣|てーことで、鳴上。 向こうでいい子いたら紹介して。 長瀬 大輔|お前は里… 一条 廣|わー、ばか! いいんだってそういうのは!! 長瀬 大輔|というか、お前は俺に 合コンするっつってバックれてるよな。 一条 廣|…あれ、本気? 長瀬 大輔|絶賛、募集中。 一条 廣|…ならそのジャージだけは止めろよな。 いつか言おう言おうと思ってたが!! 一条 廣|鳴上、せんべつ代わりに長瀬に 服の1枚でもやってよ。 長瀬 大輔|他のも持ってるっつんだよ。 一条 廣|どうせジャージだろ! 一条 廣|鳴上、時々こっち帰って来いよな。 オレ一人じゃ、長瀬が心配。 一条 廣|三人で合コンやろうぜ。 |>長瀬、一条との固い絆を感じた… 長瀬 大輔|他も行くとこ、あるんじゃねーのか? 行って来いよ、俺らは明日も見送り行くから。 一条 廣|そーそ、オレらは後回しでいいって。 離れてたって… 長瀬 大輔|親友だろ。 一条 廣|…そういうとこ持ってくよね、お前。 白鐘 直斗|平和になっちゃいましたね… 白鐘 直斗|あ…いえ、別に、 ガッカリしたわけじゃないんです。 白鐘 直斗|ただ…あなたもいなくなって、 事件も無いここに、僕は残るっていうのが… 白鐘 直斗|…何だか、シンドイ気がしているんです。 白鐘 直斗|おかしいですよね… 先輩と話してて、僕、分かったはずなのに。 白鐘 直斗|僕がいていい意味が… 事件とは関係無いってこと。 白鐘 直斗|ただ、寂しいのかな。 白鐘 直斗|すいません… こんなこと言われても、困りますよね。 |嬉しい |申し訳ない 白鐘 直斗|離れても…何も変わらないって、 何度も言い聞かせて… 白鐘 直斗|…でも、納得は出来てないみたいだ。 白鐘 直斗|謝らないでください。 白鐘 直斗|引越ししてしまうのは、 先輩のせいじゃないから。 白鐘 直斗|…仕方ないことってきっと、 いっぱいあるんですよね、これからも。 白鐘 直斗|先輩、僕はここに残ります。 白鐘 直斗|別のどこかで事件が起こって、 僕の力を必要とされたら飛んで行きますけど… 白鐘 直斗|でも今は、ここが僕のホームだから。 白鐘 直斗|あなたと過ごして、一緒に事件を追ったここを、 僕は大事にしたいんだ。 白鐘 直斗|“マヨナカテレビ”… “ペルソナ”“アメノサギリ”… 白鐘 直斗|まだ謎も多いですが、それを追うのは ここに残る僕の宿題… 白鐘 直斗|…一人じゃ、少し寂しいですけどね。 白鐘 直斗|…ここを、忘れないで。 白鐘 直斗|…僕を、忘れないで。 白鐘 直斗|あなたを好きって言ったこと… 受け入れてくれたこと…忘れないでください。 |>直斗との固い絆を感じた… 白鐘 直斗|明日、駅まで見送りに行きます。 皆さんと一緒にですけど… 白鐘 直斗|だから、二人で過ごせるのはこれが最後… 白鐘 直斗|…ううん、最後なんかじゃないですよね。 会いに行くし…会いに来てください。 白鐘 直斗|…先輩、他にも行くところが あるんじゃないですか? 白鐘 直斗|僕はもう平気だから…行ってください。 白鐘 直斗|それじゃ、また明日! 海老原 あい|この屋上…覚えてる? 海老原 あい|あたし、飛び降りようとして、 アンタが止めてくれたの。 海老原 あい|今思うと、バカだったな… 海老原 あい|ありがとう…悠。 海老原 あい|止めてくれて…話を聞いてくれて… あたし、救われたよ。 海老原 あい|…ここで、アンタに言えて良かった。 海老原 あい|じゃ、湿っぽいのはもう終わり! 海老原 あい|ね、春休みどっか行こうよ。 悠の街のほうでお泊り…とかでもいいよ。 海老原 あい|あたしこう見えて、辛抱強いとこあるし 遠恋とか全然いけると思うよ。 海老原 あい|だから安心して、悠。 海老原 あい|あたし…アンタにフラれて、 やっぱり…ツラくてさ。 海老原 あい|けど、遠く行っちゃうなら言わなきゃって… 勇気出してみた。 海老原 あい|アンタのこと、 きっとすごく大切な思い出になると思う。 海老原 あい|…ありがとね。 海老原 あい|あたし…アンタを傷つけたから… 何も言う権利とか無いけど… 海老原 あい|遠く行っちゃうなら言わなきゃって… ありがとうって…何度でも。 海老原 あい|大切な人を大切にするやり方、 分からなくてごめんね… 海老原 あい|あたし、将来のこととか ちゃんと考えるようになったよ。 海老原 あい|進学とか就職とか決めてないけど、 とりあえず、えっとね… 海老原 あい|優しい人、になりたい…って思う。 海老原 あい|こ…こんな目標、変? |変かも |大事なことだ 海老原 あい|…夢とか目標に言うことじゃないか。 センセも変な顔してたし。 海老原 あい|アンタなら分かってくれると思った。 海老原 あい|アンタに…会えて、良かった。 海老原 あい|んー… 会えてなかったら今ごろ、どうなってたかな。 海老原 あい|あ、“マヨナカテレビ”とか、超見てたかも。 きっとメチャクチャ噂流してた。 海老原 あい|あははっ。 何か今じゃ、考えられない。 海老原 あい|少しは…変われたのかな。 |>あいは晴れやかに笑っている… |>あいとの固い絆を感じた… 海老原 あい|お話し、終わり! 海老原 あい|慣れないこと色々言ったから、 あっついわーもう… 海老原 あい|…早く、行きな。 他にもアンタを待ってる人いるんじゃない? 海老原 あい|あたし、補習も終わったから帰るし。 海老原 あい|バイバイとか、言わないからね! 花村 陽介|よう、鳴上じゃん! クマ|センセイ、クマに会いに来てくれるとは 嬉しさ千万! 花村 陽介|色々、挨拶回ってんのか? 花村 陽介|こんな平和な町の姿、初めてだろ。 確か、お前が来てすぐ事件始まったじゃん。 花村 陽介|…そいや、何でだろな。 クマ|最初はセンセイとヨースケだけが テレビに来たクマねー。 クマ|いやはや、懐かしクマ。 花村 陽介|そうだったな。 あん時から驚きの連続で… 花村 陽介|お前がいなくなっちゃうの、 何か想像できねーな。 花村 陽介|お前がいなくて、ペルソナも使わなくていい 平和な町か… クマ|クマも想像できないね。 花村 陽介|…お前もいなかったからな。 花村 陽介|色々、あったな。 花村 陽介|自分と向き合ったり… お前と殴りあったりさ。 クマ|ヨースケ、センセイを殴ったクマ!? なななんと身の程知らずなクマ… 花村 陽介|バッカ、殴りあわなきゃ親友になれないんだぞ。 クマ|そういうことは早く言うクマ! クマ|オーケー、センセイ! かかってきんしゃい! 花村 陽介|明日出発なんだから、ケガさせんなっつの。 クマ|センセイ…ホントに行っちゃうクマね。 クマ|あのね… センセイとヨースケで良かったクマ。 クマ|センセイとヨースケだから…良かった。 クマ|ナナチャンやユキチャンたちにも会えて… クマ|クマ…いのち、もらった。 花村 陽介|命って…んな大げさな。 花村 陽介|お前は、生まれたかったから 生まれたんだろ。 クマ|…ありがと、センセイ、ヨースケ。 クマ|あいしてる。 花村 陽介|愛はいらん。 クマ|クマ、脱いでもいいよ。 花村 陽介|いやいや、中身知ってっし! |>陽介、クマとの固い絆を感じた… 花村 陽介|ところで、ここにいていいのか? 花村 陽介|他にも見ておきたいとことか、 あるんじゃないか? 花村 陽介|会いたい人とか…いねーの? クマ|クマも一緒に行ったげるクマ? 花村 陽介|お前は働けよ… 堂島 遼太郎|お前、男の顔になったな… 堂島 遼太郎|1年にも満たない短い間だが、 子どもは成長が早いな。 堂島 遼太郎|ほら、菜々子。 堂島 遼太郎|お父さんと約束しただろ? 堂島 菜々子|お兄ちゃん、気をつけてね。 かぜひいちゃダメだよ。 |ありがとう |ごめんね |菜々子もな 堂島 菜々子|菜々子も…ありがとう。 堂島 菜々子|どうしてあやまるの… 堂島 菜々子|うん… 堂島 遼太郎|菜々子、そう寂しがるな。 堂島 遼太郎|言っただろ、家族だって。 離れても、すぐ会えなくても、関係ないんだ。 堂島 遼太郎|休みのたんびに、会いに行こう。 堂島 遼太郎|その時、会えなかった間の話を すればいいだろ? 堂島 菜々子|ん… 堂島 菜々子|菜々子のこと、わすれない? |忘れないよ |菜々子が忘れそう 堂島 菜々子|やくそくだよ… 堂島 菜々子|わすれない!! 堂島 菜々子|わすれない… 堂島 遼太郎|あー…泣くなって。 堂島 菜々子|ないてない!! 堂島 遼太郎|まぁ…仕方ないな。 堂島 遼太郎|親の都合で振り回されるのは 悠も同じだ… 堂島 遼太郎|悠…短い間だったが、 楽しかった。 堂島 遼太郎|本当に、家族と思ってたよ。 堂島 遼太郎|姉さん達の子にしちゃ、 まっすぐ育ったな…ハハ。 堂島 遼太郎|時々、菜々子に電話でもしてやってくれ。 堂島 遼太郎|それと、いつでも…帰って来いよ。 お前の部屋、あのままにしておくから。 堂島 遼太郎|お前の2つめの家、ここだからな。 |>堂島、菜々子との固い絆を感じた… 堂島 菜々子|菜々子、しょうらい、 お兄ちゃんとけっこんする。 堂島 遼太郎|はははっ! 色男だな、悠。 堂島 遼太郎|いいぞいいぞ、悠だったら歓迎だ。 逃げられないよう、つかまえておけよ。 堂島 遼太郎|…言っとくが未成年のうちは許さんぞ。 |>堂島の目は笑っていない気がする… 堂島 遼太郎|それより、挨拶回りは済んだのか? 堂島 遼太郎|後悔しないよう、色々と回るといい。 今日だけだが、時間はたっぷりあるからな。 堂島 遼太郎|こんな平和な稲羽、 お前見たこと無いんじゃないか? 堂島 遼太郎|お前が来てから、ついこないだまで 続いてただろ、あの事件… 堂島 遼太郎|お前がいる間…か。 不思議な縁とでも言うべきか… 堂島 遼太郎|ま、ほら、行った行った。 俺たちも帰るから。 ` // TODO: // Create options overlay for setting // search results limit, pageSize, anki deck name, anki model name, etc const pageInput = document.getElementById("pageNumInput"); const pageNumLeft = document.getElementById("btnPageLeft"); const pageNumRight = document.getElementById("btnPageRight"); const pageSearch = document.getElementById("textSearch"); const ankiConnectURL = "http://localhost:8765"; const ankiDeckName = "Persona 4"; const ankiModelName = "Persona4Card" let currentPage = 1; let pageSize = 10; let historyState = {}; let searchResultsLimit = 10; let initial = false; let isAnkiConnectConfigured = false; let ankiPermissionGranted = localStorage.getItem('ankiPermissionGranted') ? 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