# テクニカルライティングガイドライン 効果的なテクニカルライティングの原則に基づいた、自然で読みやすい技術文書作成のためのガイドラインです。 ## 基本原則:効果的なテクニカルライティングの「7つのC」 優れたテクニカルドキュメントは以下の品質を持ちます: - **Clear(明確)**: 曖昧さがなく、容易に理解できる - **Concise(簡潔)**: 必要な情報を最小限の言葉で表現 - **Correct(正確)**: 文法、事実、技術的内容に誤りがない - **Coherent(一貫)**: 論理的に結びつき、スムーズに流れる - **Concrete(具体的)**: 抽象的でなく、測定可能で明確 - **Complete(完全)**: 必要な情報がすべて含まれている - **Courteous(丁寧)**: 読者を意識した適切なトーンと構成 ## 1. 簡潔性の原則(Conciseness) ### 冗長表現の排除 #### 検出される表現とより良い代替案 | 検出される表現 | 推奨される表現 | 理由 | |---------------|---------------|------| | まず最初に | まず / 最初に | 意味の重複 | | あらかじめ予測 | 予測 | 「予測」自体が事前の概念を含む | | することができます | できます / します | 不必要な助動詞の重複 | | する必要があります | してください / します | より直接的な表現 | | 言うまでもなく | (削除) | 不要な前置き | #### 改善例 ```markdown ❌ まず最初に設定ファイルを開く必要があります。 ✅ まず、設定ファイルを開きます。 ❌ このAPIを使用することができます。 ✅ このAPIを使用できます。 ``` ## 2. 明確性の原則(Clarity) ### 能動態の使用と具体的な動詞 #### 受動態から能動態への変更 | 受動的表現 | 能動的表現 | 改善効果 | |-----------|-----------|---------| | 処理が行われます | システムが処理します | 主語が明確 | | データの変更を行う | データを変更する | 直接的な動作 | | によって実行される | ○○が実行する | 行為者が明確 | #### 改善例 ```markdown ❌ データの検証が行われます。 ✅ システムがデータを検証します。 ❌ ファイルの変更を行ってください。 ✅ ファイルを変更してください。 ``` ## 3. 具体性の原則(Concreteness) ### 抽象的表現の具体化 #### 曖昧な表現と具体的な代替案 | 抽象的表現 | 具体的表現の例 | 改善効果 | |-----------|---------------|---------| | 高速なパフォーマンス | 50ms未満の応答時間 | 測定可能な基準 | | 大幅に向上 | 従来比200%向上 | 定量的な情報 | | 効率的な | メモリ使用量を30%削減 | 具体的な効果 | | 適切な | セキュリティ基準に準拠した | 明確な判断基準 | #### 改善例 ```markdown ❌ このAPIは高速なパフォーマンスを提供します。 ✅ このAPIは50ms未満で応答します。 ❌ 大幅にパフォーマンスが向上しました。 ✅ 処理速度が従来比200%向上しました。 ``` ## 4. 一貫性の原則(Consistency) ### 用語と表現の統一 #### よくある不一致パターン | 不一致の例 | 統一すべき表現 | 注意点 | |-----------|---------------|--------| | ユーザー/クライアント/顧客 | プロジェクトで統一 | 同一対象は同一用語 | | 設定画面/設定ページ/環境設定 | UI名称で統一 | 機能名は正確に | | です・ます調/だ・である調 | 文書全体で統一 | 文体の混在を避ける | #### 改善例 ```markdown ❌ ユーザーがログインし、クライアントが設定を変更します。 ✅ ユーザーがログインし、ユーザーが設定を変更します。 ❌ 設定画面を開き、設定ページで変更します。 ✅ 設定画面を開き、設定画面で変更します。 ``` ## 5. 構造化の原則(Structure) ### 情報の論理的整理 #### 文の長さと構造 - **一文一義**: 一つの文には一つの主要なアイデアのみ - **適切な長さ**: 50文字を超える文は分割を検討 - **論理的順序**: 時系列や重要度に基づいた情報配置 #### 改善例 ```markdown ❌ この機能は複数のオプションを提供し、ユーザーが柔軟に設定でき、 パフォーマンスも向上し、セキュリティも強化されています。 ✅ この機能は複数のオプションを提供します。 ユーザーは柔軟に設定できます。 パフォーマンスが向上し、セキュリティも強化されています。 ``` ### リストと見出しの活用 - 連続する手順は番号付きリスト - 関連項目は箇条書き - 階層構造は見出しレベルで表現 ## 実装での考慮事項 ### ルールの適用レベル このガイドラインは以下の優先順位で適用されます: 1. **正確性**: 技術的事実の正確性が最優先 2. **明確性**: 読者の理解を妨げない表現 3. **簡潔性**: 文書の目的に応じて調整 4. **丁寧さ**: 読者層に適したトーン ### カスタマイズ プロジェクトの特性に応じて: - 専門用語の定義と統一 - 読者層に応じた説明レベル - 組織固有のスタイルガイド ## 参考資料 - [textlint](https://textlint.github.io/) - [JTF日本語標準スタイルガイド](https://www.jtf.jp/tips/styleguide) - [技術文書作成のベストプラクティス](https://developers.google.com/style) --- このガイドラインは `ai-tech-writing-guideline` ルールの基準として使用されています。